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特許7054920パプリカ育苗ポット用カバー、パプリカ栽培具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-07
(45)【発行日】2022-04-15
(54)【発明の名称】パプリカ育苗ポット用カバー、パプリカ栽培具
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/02 20180101AFI20220408BHJP
   A01G 22/05 20180101ALI20220408BHJP
   A01G 31/00 20180101ALI20220408BHJP
【FI】
A01G9/02 101W
A01G22/05 Z
A01G31/00 617
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018132517
(22)【出願日】2018-07-12
(65)【公開番号】P2020005611
(43)【公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-05-06
(73)【特許権者】
【識別番号】510118477
【氏名又は名称】株式会社信州サラダガーデン
(74)【代理人】
【識別番号】110001726
【氏名又は名称】特許業務法人綿貫国際特許・商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 豊
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録実用新案第20-0422325(KR,Y1)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0120081(KR,A)
【文献】国際公開第2017/163745(WO,A2)
【文献】実開平07-028339(JP,U)
【文献】実開昭62-164753(JP,U)
【文献】特開2001-251980(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 2/00 - 2/38
A01G 5/00 - 7/06
A01G 9/00 - 9/28
A01G 11/00 - 15/00
A01G 17/00 - 17/02
A01G 17/18
A01G 20/00 - 22/67
A01G 24/00 - 24/60
A01G 31/00 - 31/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外表面のいずれか一面の中央位置にパプリカ苗木のセット凹部が形成されたパプリカ育苗ポットに装着して用いられるパプリカ育苗ポット用カバーであって、
前記セット凹部との対向面には前記パプリカ苗木の茎を挿通させるための開口部が前記セット凹部の平面位置に対してオフセットさせた平面位置に形成されていると共に、前記開口部の外側位置に複数の液体供給部が設けられていることを特徴とするパプリカ育苗ポット用カバー。
【請求項2】
前記液体供給部は、液肥および水分を前記パプリカ育苗ポットに供給する液体供給管を前記パプリカ育苗ポット用カバーの厚さ方向に貫通させる貫通部と、前記貫通部の外周を囲むダムバーがそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1記載のパプリカ育苗ポット用カバー。
【請求項3】
外表面のいずれか一面にパプリカ苗木のセット凹部が形成されたパプリカ育苗ポットと、
前記パプリカ育苗ポットに装着して用いられ、前記セット凹部との対向面に前記パプリカ苗木の茎を挿通させるための開口部が前記セット凹部の平面位置に対してオフセットさせた平面位置に形成されていると共に、前記開口部の外側位置に複数の液体供給部が設けられたパプリカ育苗ポット用カバーと、を具備することを特徴とするパプリカ栽培具。
【請求項4】
前記液体供給部は、液肥および水分を前記パプリカ育苗ポットに供給する液体供給管を前記パプリカ育苗ポット用カバーの厚さ方向に貫通させる貫通部と、前記貫通部の外周を囲むダムバーがそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項3記載のパプリカ栽培具。
【請求項5】
前記セット凹部は、前記セット凹部が形成されている前記外表面の中央位置からオフセットした平面位置に設けられていることを特徴とする請求項3または4記載のパプリカ栽培具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパプリカ育苗ポット用カバー、パプリカ栽培具に関する。
【背景技術】
【0002】
農作物の栽培を行うにあたっては、側周面が被覆または容器により覆われ上面が被覆なされていないロックウールポットが用いられることがある。このようなロックウールポットを用いた農作物の栽培においては、ロックウールポットの上面に藻が発生する不具合や、上面から害虫等が侵入するといった不具合がある。このような不具合を解消するためにロックウールポットの上面をカバーにより覆う構成が特許文献1(実開平5-29360号公報)等によって提案されている。
【0003】
特許文献1に開示されているカバーの構成は、ロックウールポットの上面を覆いながらもロックウールポットにセットした農作物の苗木の茎を挿通させるための開口部(孔)が形成されているため、ロックウールポットの上面における露出範囲は必要最小限にすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開平5-29360号公報(請求項1,2と図4等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、パプリカの苗木5は、単純に茎6を上向きにしてロックウールにより形成された育苗ポット2の上面3の中央部分に形成されたセット凹部2Aにセットして栽培すると、幼木の時期において茎6の部分の乾燥状態と湿潤状態が繰り返され、茎6が腐って損傷しまう不具合が生じる。このため、図7に示すように、苗木5(幼苗)を育苗ポット2のセット凹部2Aに横向け又は下向けにしてセットすることで、幼木の時期における茎6を常時湿潤状態にすることで茎6の損傷を防ぐことができる。
【0006】
しかしながら、特許文献1のカバー1の開口部4は、育苗ポット2のセット凹部2Aの真上となる位置に形成されている。このためパプリカの苗木5から上向きに成長した茎6は、開口部4の中央部分ではなく開口部4の平面中央位置から水平方向にオフセットした位置(偏心位置)に挿通することになる。このような状態で苗木5が生育して茎6が太くなると茎6が開口部4の内周縁と干渉して茎6に損傷が生じ、場合によっては苗木5が枯れてしまうといった課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本発明は、育苗ポットを用いて育苗ポットの上面の露出を最小限に抑えた状態でパプリカの栽培を行う際に、パプリカ苗木が太く生育してもパプリカの茎が損傷することのないパプリカ育苗ポット用カバーとパプリカ栽培具の提供を目的とする。
【0008】
上記課題を解決するため本出願の発明者が鋭意研究した結果、以下の構成に想到した。すなわち、本発明は、外表面のいずれか一面の中央位置にパプリカ苗木のセット凹部が形成されたパプリカ育苗ポットに装着して用いられるパプリカ育苗ポット用カバーであって、前記セット凹部との対向面には前記パプリカ苗木の茎を挿通させるための開口部が前記セット凹部の平面位置に対してオフセットさせた平面位置に形成されていると共に、前記開口部の外側位置に複数の液体供給部が設けられていることを特徴とするパプリカ育苗ポット用カバーである。
【0009】
これにより、育苗ポットのセット凹部にパプリカ苗木を横向きまたは下向きにセットした状態でパプリカ苗木を生育させても、パプリカの茎を開口部の中央部分に挿通させることができる。すなわち、パプリカ苗木が生育してもパプリカの茎が開口部と干渉せず、茎の損傷を防ぐことができる。
【0010】
また、前記液体供給部は、液肥および水分を前記パプリカ育苗ポットに供給する液体供給管を前記パプリカ育苗ポット用カバーの厚さ方向に貫通させる貫通部と、前記貫通部の外周を囲むダムバーがそれぞれ形成されていることが好ましい。
【0011】
これにより、液体供給部の先端部を本物品に貫通させた部分から液肥や水分の漏出を防止することができる。
【0012】
また、外表面のいずれか一面にパプリカ苗木のセット凹部が形成されたパプリカ育苗ポットと、前記パプリカ育苗ポットに装着して用いられ、前記セット凹部との対向面に前記パプリカ苗木の茎を挿通させるための開口部が前記セット凹部の平面位置に対してオフセットさせた平面位置に形成されていると共に、前記開口部の外側位置に複数の液体供給部が設けられたパプリカ育苗ポット用カバーと、を具備することを特徴とするパプリカ栽培具とすることもできる。
【0013】
これにより、育苗ポットのセット凹部にパプリカ苗木を横向きまたは下向きにセットした状態でパプリカ苗木を生育させても、パプリカの茎を開口部の中央部分に挿通させることができる。すなわち、パプリカ苗木が生育してもパプリカの茎が開口部と干渉せず、パプリカの茎の損傷を防ぐことができる。
【0014】
また、前記液体供給部は、液肥および水分を前記パプリカ育苗ポットに供給する液体供給管を前記パプリカ育苗ポット用カバーの厚さ方向に貫通させる貫通部と、前記貫通部の外周を囲むダムバーがそれぞれ形成されていることが好ましい。
【0015】
これにより、液体供給部の先端部を本物品に貫通させた部分から液肥や水分の漏出を防止することができる。
【0016】
また、前記セット凹部は、前記セット凹部が形成されている前記外表面の中央位置からオフセットした平面位置に設けられていることが好ましい。
【0017】
これにより、育苗ポットのセット凹部にパプリカ苗木を横向きまたは下向きにセットした状態でパプリカ苗木を生育させる際に従来技術における育苗ポット用カバーを用いても、パプリカの茎を開口部の中央部分に挿通させることができる。すなわち、パプリカ苗木が生育してもパプリカの茎が開口部と干渉せず、パプリカの茎の損傷を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明におけるパプリカ育苗ポット用カバー、パプリカ栽培具の構成を採用することにより、育苗ポットのセット凹部にパプリカ苗木を横向きまたは下向きにセットした状態でパプリカ苗木を生育させても、パプリカの茎を開口部の中央部分に挿通させることができる。すなわち、パプリカ苗木が生育してもパプリカの茎が開口部と干渉せず、パプリカの茎の損傷を防ぐことができ、パプリカの生産性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施形態におけるパプリカ育苗ポット用カバーの平面図である。
図2図1中のII-II線における断面図である。
図3図1中のIII-III線における断面図である。
図4】パプリカ苗木をパプリカ育苗ポットにセットし、図1に示すパプリカ育苗ポット用カバーと液体供給管を装着した状態を示す概略断面図である。
図5】第2実施形態におけるパプリカ育苗ポットの斜視図である。
図6】パプリカ苗木を図5に示すパプリカ育苗ポットにセットし、従来技術のパプリカ育苗ポット用カバーを装着した状態を示す図4相当図面である。
図7】従来技術におけるパプリカ育苗ポット用カバーを用いた図4相当図面である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明におけるパプリカ育苗ポット用カバーについて実施形態に基づきながら詳細に説明する。
【0021】
(第1実施形態)
本実施形態におけるパプリカ育苗ポット用カバー10は、図1および図2に示すように、平面視矩形状の平面部12と平面部12の外周縁に沿って起立する側壁部14を有する蓋体に形成されている。平面部12には平面部12の板厚方向に貫通する開口部16と、開口部16の外側位置に液肥や水分を補給するための液体供給部18が複数箇所に設けられている。このようなパプリカ育苗ポット用カバー10は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂により形成することができるが、これらの材質に限定されるものではない。
【0022】
側壁部14は、パプリカ育苗ポット用カバー10を後述するパプリカ育苗ポット20(図4参照)への装着後に、パプリカ育苗ポット20から容易に外れてしまうことがないようにパプリカ育苗ポット20の外表面に所要高さ範囲にわたって当接している。側壁部14の高さ寸法は特に限定されるものではないが、パプリカ育苗ポット20の上面の一辺の長さが10cmである場合には2.5cm程度の高さに形成されていればよい。
【0023】
開口部16は、平面部12の平面中央位置(パプリカ育苗ポット20のセット凹部22の平面位置)に対してオフセットされた平面位置が中心点となるように形成されている。本実施形態における平面部12の平面中央位置から開口部16の中心点までのオフセット距離は、パプリカ苗木30の培養体32の幅寸法に5cm程度を加えた距離(パプリカ苗木30が生育した際におけるパプリカの茎34の中心軸(中央位置)にした。開口部16の外周縁にはパプリカの茎34の保護や取扱者の指の怪我を防止するための肉厚部16Aを形成してもよい。
【0024】
液体供給部18は、平面部12における開口部16の外側位置の複数箇所に形成されている。本実施形態においては、平面部12の四隅の全てに液体供給部18を形成した。図1図3に示すように、本実施形態における液体供給部18は、平面視円形の凹面形状をなす貫通部18Aと貫通部18Aの外周縁に沿って所要寸法幅で上側に突出するダムバー18Bを有している。このように本実施形態における液体供給部18は、貫通部18Aが平面部12の上面から下側に窪んでいると共に貫通部18Aの外周縁がダムバー18Bにより嵩上げされた状態になっている。本実施形態では、4箇所に設けられた液体供給部18の貫通部18Aはすべて閉塞した状態になっている。使用者は、任意に選択した貫通部18Aに液体供給管40を刺すことで液体供給管40により貫通部18Aを貫通させている。したがって、液体供給管40が差し込まれていない貫通部18Aはパプリカ育苗ポット20の上面を被覆した状態を維持する。
【0025】
液体供給管40(図4参照)を貫通部18Aに差し込んでパプリカ育苗ポット20に液体としての液肥や水分を供給する際に、液体供給部18と液体供給管40との隙間部分から液体が漏出しても、液体は貫通部18Aの窪み部分に貯留でき、ダムバー18Bにより貫通部18Aの平面領域外への流出を防止することができる。
【0026】
また本実施形態においては、図1に示すように、開口部16の肉厚部16Aと液体供給部18のダムバー18Bとを連結部12Aにより一体となるように連結させることで、パプリカ育苗ポット用カバー10の形状保持性や機械的強度の向上を実現させている。
【0027】
パプリカ育苗ポット20に本実施形態におけるパプリカ育苗ポット用カバー10を装着したパプリカ栽培具100によるパプリカの栽培方法について説明する。本実施形態におけるパプリカ栽培具100は、図4に示すように、パプリカ育苗ポット用カバー10と保水性材料により立方体状に形成されたパプリカ育苗ポット20を具備している。なお、図示はしていないが、パプリカ育苗ポット20は収容容器に収容されるか、側周面および底面をフィルムにより被覆されることにより、上面のみが露出した状態になっている。パプリカ栽培具100への水分および液肥の供給は、液体供給部18に液体供給管40を差し込み、図示しないポンプ等により液体供給管40から送液することにより行うことができる。
【0028】
パプリカ育苗ポット20の外表面の一面である上面の平面中央位置には、パプリカ苗木30をセットするセット凹部22が形成されている。セット凹部22の形状は特に限定されるものではないが、半球形状や直方体または立方体状に形成することが好ましい。セット凹部22の深さは特に限定されるものではないが、セット凹部22にセットすべきパプリカ苗木30の培養体32の高さ寸法と同程度であることが好ましい。
【0029】
まず、本実施形態におけるパプリカ栽培具100のパプリカ育苗ポット20のセット凹部22にパプリカ苗木30を横向きまたは下向きにした状態でセットする。次にパプリカ苗木30の茎34を上向きにしたときの茎34の中心位置(中心軸位置)に合わせて開口部16の平面中央位置(中心位置)を位置合わせしてパプリカ育苗ポット用カバー10を装着する。そして公知の手法に基づいてパプリカ苗木30を生育させる。
【0030】
パプリカ苗木30が生育すると、パプリカ育苗ポット用カバー10において、セット凹部22の平面中央位置(中心位置)から水平面内にオフセットした位置から上側に向かって茎34が伸びることになる。本実施形態におけるパプリカ育苗ポット用カバー10は、セット凹部22との対向面において、茎34が上側に向かって伸びる水平面内の位置に開口部16の平面中央位置が位置するよう開口部16の位置をセット凹部22の水平面内位置からオフセットさせているので、開口部16の平面中央位置にパプリカの茎34を挿通させることができる。この状態で液体供給管40から栽培に必要な液体である液肥や水分を適宜供給することでパプリカ苗木30を生育させることができる。
【0031】
パプリカ育苗ポット用カバー10の平面部12の角部の各々には、液体供給部18が設けられているので、液体供給管40は図示しない液体貯蔵タンクの位置に応じて適宜の位置に液体供給部18に差し込むことができる。また、それぞれの液体供給部18にはダムバー18Bが形成されているので、液体供給管40の差込部分との隙間から液肥や水分が漏れることがなく藻の発生を確実に防止することができ、パプリカ苗木30に対する感染症等のリスクを大幅に低減させることができる。
【0032】
このようにしてパプリカ苗木30が順調に生育し、パプリカの茎34が太くなっても、パプリカの茎34が開口部16と干渉してしまうことがなく、健全な状態を維持することができ、長期にわたるパプリカの栽培が可能になる点において好都合である。
【0033】
(第2実施形態)
本実施形態においては、第1実施形態と同様の作用をするパプリカ栽培具100を実現するためのパプリカ育苗ポット20の構成について説明する。ここでは第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態で用いた符号を図中に用いることで、詳細な説明を省略している。
【0034】
図5に示すように本実施形態におけるパプリカ育苗ポット20は、外表面の一部である上面のセット凹部22がパプリカ育苗ポット20の上面の平面中央位置からオフセットさせた平面位置に形成されている点が特徴である。このようなパプリカ育苗ポット20を採用した場合、パプリカ育苗ポット20に装着するパプリカ育苗ポット用カバー10は、従来技術の構成である、セット凹部22の直上位置である平面中央位置に開口部16が形成されたパプリカ育苗ポット用カバー10を採用することができる。
【0035】
このようにすることで、パプリカ育苗ポット20のセット凹部22の平面位置に対してパプリカ育苗ポット用カバー10の開口部16の平面位置をオフセットさせた状態にすることができる。すなわち、本実施形態におけるパプリカ栽培具100のパプリカ育苗ポット20のセット凹部22に、パプリカ苗木30を横向きまたは下向きにセットすれば、パプリカの茎34をパプリカ育苗ポット用カバー10の開口部16の平面中央位置に挿通させることができるのである。
【0036】
本実施形態におけるパプリカ栽培具100においても第1実施形態と同様に栽培方法を適用することができ、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち本発明は、パプリカ育苗ポット20のセット凹部22とパプリカ育苗ポット用カバー10の開口部16は、互いの平面位置を所要距離オフセットさせている(ずらしている)ことが要点である。
【0037】
以上の本発明について実施形態に基づいて詳細に説明したが、本発明は以上の実施形態に限定されるものではない。例えば以上の実施形態におけるパプリカ栽培具は直方体または立方体に形成されているが、多角形柱状体に形成してもよい。
【0038】
また、以上の実施形態においては、開口部16の内周縁に沿って肉厚部16Aを形成しているが、肉厚部16Aに代えていわゆるアール部に形成することの他、開口部16の内周縁に沿って平面部12の一部を上側に突出させた突出部に形成するようにしてもよい。
【0039】
また、以上の実施形態においては、液体供給部18において液体供給管40を差し込む部分についての部材厚さについては特に限定していないが、平面部12に部材厚さよりも液体供給部18の液体供給管40の差込部分の部材厚さを薄くしても良い。このようにすることで液体供給部18への液体供給管40の差込を容易に行うことができる点において好都合である。
【0040】
そして以上の変形例の他、実施形態において説明した形態を適宜組み合わせた構成を採用することも可能である。
【符号の説明】
【0041】
1 カバー,
2 育苗ポット,2A セット凹部,
3 上面,4 開口部,
5 苗木,6 茎,
10 パプリカ育苗ポット用カバー,
12 平面部,14 側壁部,
16 開口部,16A 肉厚部,
18 液体供給部,18B ダムバー,
20 パプリカ育苗ポット,22 セット凹部,
30 パプリカ苗木,32 培養体,34 茎,
40 液体供給管,
100 パプリカ栽培具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7