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特許7059085番線使用計画作成装置および番線使用計画作成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-15
(45)【発行日】2022-04-25
(54)【発明の名称】番線使用計画作成装置および番線使用計画作成方法
(51)【国際特許分類】
   B61L 27/00 20220101AFI20220418BHJP
【FI】
B61L27/00 H
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018076948
(22)【出願日】2018-04-12
(65)【公開番号】P2019182262
(43)【公開日】2019-10-24
【審査請求日】2021-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井山 仁志
【審査官】笹岡 友陽
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/175134(WO,A1)
【文献】特開平04-151374(JP,A)
【文献】特開平09-123914(JP,A)
【文献】特開2011-255802(JP,A)
【文献】米国特許第9235991(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61L 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駅のダイヤに含まれるダイヤスジの中から、前記駅の番線の振り分けを行う対象列車の前記ダイヤスジでありかつ運用順序が連続する2つの前記ダイヤスジを選択する選択部と、
前記番線に振り分け可能な列車の属性を示す番線条件に従って、前記対象列車の前記ダイヤスジに対して前記番線を振り分け、前記番線条件に従って前記対象列車の前記ダイヤスジに対して前記番線を振り分けられない場合、選択した2つの前記ダイヤスジについて前記番線毎の全ての運行時隔を求め、選択した2つの前記ダイヤスジの前記対象列車のうち、続行列車と、当該続行列車に先行する先行列車との前記番線毎の運行時隔に基づいて、前記番線のうち、前記運行時隔が最も短い前記番線を、前記対象列車の前記ダイヤスジに振り分ける振分部と、
を備える番線使用計画作成装置。
【請求項2】
前記振分部は、さらに、前記対象列車が運行終了後に前記駅に留置される場合、運行終了後に前記対象列車が入線する前記番線と前記対象列車が運行開始する際に出発する前記番線とが一致するように、前記対象列車の前記ダイヤスジに前記番線を振り分ける請求項1記載の番線使用計画作成装置。
【請求項3】
前記運行時隔に基づいて前記対象列車の前記ダイヤスジに対して前記番線を振り分けられない場合、その旨を表示部に表示させる表示制御部をさらに備える請求項1または2に記載の番線使用計画作成装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記対象列車の前記ダイヤスジを含みかつ前記対象列車の前記ダイヤスジに振り分けられた前記番線を識別可能な番線情報を含む前記ダイヤを前記表示部に表示させる請求項3に記載の番線使用計画作成装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記運行時隔を設定可能とする運行時隔設定画面を前記表示部に表示させ、
前記振分部は、前記運行時隔設定画面を用いて設定された前記運行時隔に基づいて、前記対象列車の前記ダイヤスジに前記番線を振り分ける請求項3または4に記載の番線使用計画作成装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記番線条件を設定可能とする番線条件設定画面を前記表示部に表示させ、
前記振分部は、前記番線条件設定画面を用いて設定された前記番線条件に従って、前記対象列車の前記ダイヤスジに前記番線を振り分ける請求項3から5のいずれか一に記載の番線使用計画作成装置。
【請求項7】
前記表示制御は、前記番線情報を非表示とすることを指示するための隠すボタンを含む前記ダイヤを前記表示部に表示させ、前記隠すボタンが押下された場合、前記番線情報を非表示とする請求項4に記載の番線使用計画作成装置。
【請求項8】
番線使用計画作成装置で実行される番線使用計画作成方法であって、
駅のダイヤに含まれるダイヤスジの中から、前記駅の番線の振り分けを行う対象列車の前記ダイヤスジでありかつ運用順序が連続する2つの前記ダイヤスジを選択する工程と
前記番線に振り分け可能な列車の属性を示す番線条件に従って、前記対象列車の前記ダイヤスジに対して前記番線を振り分ける工程と
前記番線条件に従って前記対象列車の前記ダイヤスジに対して前記番線を振り分けられない場合、選択した2つの前記ダイヤスジについて前記番線毎の全ての運行時隔を求め、選択した2つの前記ダイヤスジの前記対象列車のうち、続行列車と、当該続行列車に先行する先行列車との前記番線毎の運行時隔に基づいて、前記番線のうち、前記運行時隔が最も短い前記番線を、前記対象列車の前記ダイヤスジに振り分ける工程と
を含む番線使用計画作成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、番線使用計画作成装置および番線使用計画作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の番線を交互に列車のスジに振り分ける方法や列車の種別に従って複数の番線を列車のスジに割り当てる方法など、予め設定されたルールに従って列車のスジに対して番線を振り分ける方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平7-52801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、多くの番線が存在する海外のターミナル駅においては、予め設定されたルールに従って、列車のスジに対して番線を振り分けることが困難な場合がある。具体的には、多くの番線が存在するターミナル駅では、番線の数が多いため、番線を振り分けるルールが曖昧であり、空いている番線から順に列車を入線させることが多く、列車の到着直前に、電光掲示板等に列車が到着する番線が表示されることがある。
【0005】
また、様々な線区の列車が交わる駅での番線の使用計画を自動的に行うことは困難である。例えば、同じ線区に複数の事業者の列車が乗り入れている場合、列車の運行が複雑である。そのため、途中駅での折り返し、運行方面、列車種別、運行種別、および停車駅が多様化しており、ターミナル駅以外においても、番線の使用計画を自動的に行うことが困難な場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の番線使用計画作成装置は、選択部と、振分部と、を備える。選択部は、駅のダイヤに含まれるダイヤスジの中から、駅の番線の振り分けを行う対象列車のダイヤスジでありかつ運用順序が連続する2つのダイヤスジを選択する。振分部は、番線に振り分け可能な列車の属性を示す番線条件に従って、対象列車のダイヤスジに対して番線を振り分け、番線条件に従って対象列車のダイヤスジに対して番線を振り分けられない場合、選択した2つのダイヤスジについて番線毎の全ての運行時隔を求め、選択した2つのダイヤスジの対象列車のうち、続行列車と、当該続行列車に先行する先行列車との番線毎の運行時隔に基づいて、番線のうち、運行時隔が最も短い番線を、対象列車のダイヤスジに振り分ける。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1の実施形態にかかる情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2図2は、第1の実施形態にかかる情報処理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、第1の実施形態にかかる情報処理装置における番線の振分処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4図4は、第1の実施形態にかかる情報処理装置においてダイヤを作成する鉄道網の一例を示す図である。
図5図5は、第1の実施形態にかかる情報処理装置において作成されるターミナル駅のダイヤの一例を示す図である。
図6図6は、第1の実施形態にかかる情報処理装置においてダイヤを作成する鉄道網の一例を示す図である。
図7図7は、第1の実施形態にかかる情報処理装置において作成される途中駅のダイヤの一例を示す図である。
図8図8は、第1の実施形態にかかる情報処理装置において作成するダイヤの一例を示す図である。
図9図9は、第1の実施形態にかかる情報処理装置において列車に対して振り分ける番線の番線条件の一例を示す図である。
図10図10は、第1の実施形態にかかる情報処理装置において続行列車の属性の一例を示す図である。
図11図11は、第1の実施形態にかかる情報処理装置において続行列車と先行列車との運行時隔の一例を示す図である。
図12図12は、第1の実施形態にかかる情報処理装置におけるダイヤの表示例を示す図である。
図13図13は、第1の実施形態にかかる情報処理装置におけるダイヤの表示例を示す図である。
図14図14は、第2の実施形態にかかる情報処理装置において表示される時隔データ設定画面の一例を示す図である。
図15図15は、第2の実施形態にかかる情報処理装置において表示される走行経路画面の一例を示す図である。
図16図16は、第2の実施形態にかかる情報処理装置において表示される走行経路画面の一例を示す図である。
図17図17は、第3の実施形態にかかる情報処理装置において表示される番線条件設定画面の一例を示す図である。
図18図18は、第4の実施形態にかかる情報処理装置におけるダイヤの表示例を示す図である。
図19図19は、第4の実施形態にかかる情報処理装置におけるダイヤの表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付の図面を用いて、本実施形態にかかる番線使用計画作成装置および番線使用計画作成方法を適用した情報処理装置の一例について説明する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態にかかる情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図1に示すように、本実施形態にかかる情報処理装置は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、入出力インタフェース104、システムバス105、入力装置106、表示装置107、補助記憶装置108、および通信装置109を有する。CPU101、ROM102、RAM103、および入出力インタフェース104は、システムバス105を介して接続される。
【0010】
CPU101は、情報処理装置全体を制御するプロセッサの一例である。ROM102は、CPU101により実行あれるプログラム等の各種情報を記憶する不揮発性のメモリである。RAM103は、CPU101がプログラムの実行に用いる作業領域である。
【0011】
入力装置106は、キーボードやマウスやタッチパネル等であり、ユーザにより操作可能な操作部である。表示装置107は、列車のダイヤ等の各種情報を表示する表示部である。補助記憶装置108は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等であり、ダイヤに含まれる列車のスジ(以下、ダイヤスジと言う)に対する駅の番線の振分結果の各種情報を記憶する。通信装置109は、情報処理装置と外部装置との通信を司る。
【0012】
図2は、第1の実施形態にかかる情報処理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態にかかる情報処理装置は、線区マスタ記憶部201、駅順マスタ記憶部202、区間マスタ記憶部203、番線マスタ記憶部204、時隔データ記憶部205、車両運用マスタ記憶部206、ダイヤデータ記憶部207、線区決定部208、駅決定部209、区間データ読込部210、番線データ読込部211、時隔データ読込部212、車両運用データ読込部213、ダイヤデータ読込部214、番線使用計画表示処理部215、および番線使用計画作成部216を有する。
【0013】
線区マスタ記憶部201は、下記の表1に示すように、列車が運行する線区毎に、線区データを記憶する。線区データは、線区コードと、線区名と、を含む。ここで、線区コードは、線区を識別可能とする情報である。線区名は、線区の名称である。
【表1】
【0014】
駅順マスタ記憶部202は、下記の表2に示すように、駅毎に、駅順データを記憶する。駅順データは、線区コードと、駅順コードと、駅名と、駅キロ程と、を含む。ここで、線区コードは、駅が属する線区を識別可能とする情報である。駅順コードは、予め設定された基準駅(例えば、始発駅)からの駅の順序を示すコードである。駅名は、駅の名称である。駅キロ程は、基準駅からの駅の距離である。
【表2】
【0015】
区間マスタ記憶部203は、下記の表3に示すように、列車が運行する区間(例えば、駅間)毎に、区間データを記憶する。区間データは、区間コードと、区間名称と、開始線区コードと、開始駅順コードと、開始キロ程と、終了線区コードと、終了駅順コードと、終了キロ程と、進行方向と、を含む。ここで、区間コードは、区間を識別可能とする情報である。区間が複線または複々線の場合には、同じ区間に複数の区間コードを登録するものとする。区間名称は、区間コードが示す区間の名称である。
【0016】
開始線区コードは、区間の始点が属する線区の線区コードである。開始駅順コードは、区間の始点となる駅の駅順コードである。開始キロ程は、区間の始点となる駅の駅キロ程である。終了線区コードは、区間の終点が属する線区の線区コードである。終了駅順コードは、区間の終点となる駅の駅順コードである。終了キロ程は、区間の終点となる駅の駅キロ程である。進行方向は、区間を運行する列車が進む方向である。例えば、進行方向は、上り方向および下り方向の双方向に列車が進行することを示す「0」、上り方向に列車が進行することを示す「1」、または下り方向に列車が進行することを示す「-1」により表される。
【表3】
【0017】
番線マスタ記憶部204は、下記の表4に示すように、駅の番線毎に、番線データを記憶する。番線データは、駅名と、番線コードと、条件種類と、番線条件と、を含む。ここで、駅名は、番線が属する駅の名称である。番線コードは、番線を識別可能とする情報である。条件種類は、後述する番線条件の種類である。番線条件は、番線に振り分け可能な列車の属性を示す情報である。
【表4】
【0018】
時隔データ記憶部205は、下記の表5に示すように、番線を振り分ける列車(以下、続行列車と言う)毎に、時隔データを記憶する。時隔データは、駅名と、先行列車番線コードと、先行列車区間コードと、続行列車番線コードと、続行列車区間コードと、時隔パターンと、時隔区分と、運行時隔と、を含む。
【表5】
【0019】
ここで、駅名は、続行列車が利用する駅の名称である。先行列車番線コードは、続行列車に先行する先行列車に振り分けられる番線の番線コードである。先行列車区間コードは、先行列車が駅へ到着前または先行列車が駅から出発後に走行する区間の区間コードである。続行列車番線コードは、続行列車に振り分けられる番線の番線コードである。続行列車区間コードは、続行列車が駅へ到着前または続行列車が駅から出発後に走行する区間の区間コードである。
【0020】
時隔パターンは、駅における先行列車および続行列車それぞれの動作の組み合わせである。駅における列車の動作としては、発車、到着、および通過がある。そして、先行列車および続行列車それぞれの動作の組合せには、発発、着着、通通、発通、通発、着通、および通着がある。発発は、先行列車および続行列車が共に駅から発車することを示す。着着は、先行列車および続行列車が共に駅に到着することを示す。通通は、先行列車および続行列車が共に駅を通過することを示す。発通は、先行列車が駅から発車しかつ続行列車が駅を通過することを示す。通発は、先行列車が駅を通過しかつ続行列車が駅から発車することを示す。着通は、先行列車が駅に到着しかつ続行列車が駅を通過することを示す。通着は、先行列車が駅を通過しかつ続行列車が駅に到着することを示す。
【0021】
時隔区分は、運行時隔の種類を示す。運行時隔の種類には、交差または続行がある。交差は、駅において交差する先行列車と続行列車の運行時隔であることを示す。続行は、駅において続行する先行列車と続行列車の運行時隔であることを示す。運行時隔は、駅における先行列車と続行列車との時隔を示す。
【0022】
車両運用マスタ記憶部206は、下記の表6に示すように、車両運用データを、ダイヤスジ毎に記憶する。車両運用データは、車両運用コードと、運用順序と、ダイヤプランコードと、次運用コードと、列車種別と、運行方面と、運行会社と、車両数と、を含む。車両運用コードは、列車の一連の運用を識別可能とする情報である。運用順序は、列車の一連の運用において各ダイヤスジが実行される順序を示す。ダイヤプランコードは、列車のダイヤスジを識別可能とする情報である。次運用コードは、次に実行する車両運用コード。列車種別は、急行、準急、快速、特急、準特急、準快速、特別快速、各駅等、列車の種別を示す。運行方面は、列車の行先を示す。運行会社は、列車を管理する会社である。車両数は、列車を構成する車両の数である。
【表6】
【0023】
ダイヤデータ記憶部207は、下記の表7に示すように、ダイヤスジ毎に、ダイヤデータを記憶する。ダイヤデータは、ダイヤプランコードと、線区コードと、駅順コードと、番線コードと、駅到着前中間区間コードと、駅出発後中間区間コードと、到着時刻と、発車時刻と、を含む。ダイヤプランコードは、ダイヤスジを識別可能とする情報である。線区コードは、ダイヤスジに従って列車が運行する線区の線区コードである。番線コードは、ダイヤスジに振り分けられる番線の番線コードである。駅到着前中間区間コードは、ダイヤスジに従って運行する列車が駅へ到着する前に最後に通過する区間の区間コードである。駅出発後中間区間コードは、ダイヤスジに従って運行する列車が駅から発車した後に最初に通過する区間の区間コードである。到着時刻は、ダイヤスジに従って運行する列車が駅に到着する時刻である。発車時刻は、ダイヤスジに従って運行する列車が駅を発車する時刻である。
【表7】
【0024】
線区決定部208は、線区マスタ記憶部201に記憶される線区データを参照して、列車に対する番線の振り分けを行う線区(以下、対象線区と言う)の線区コードを決定する。
【0025】
駅決定部209は、駅順マスタ記憶部202に記憶される駅順データのうち、対象線区の線区コードを含む駅順データを参照して、列車に対する番線の振り分けを行う駅(以下、対象駅と言う)の駅順コードを決定する。具体的には、駅決定部209は、対象線区の駅順データが含む駅順コードのうち、入力装置106を介してユーザにより選択された少なくとも1つの駅順コードを、対象駅の駅順コードに決定する。
【0026】
区間データ読込部210は、区間マスタ記憶部203から、対象線区に含まれる区間の区間データを読み込む。
【0027】
番線データ読込部211は、番線マスタ記憶部204から、駅決定部209により決定した駅順コードが示す対象駅の駅名を含む番線データを読み込む。
【0028】
時隔データ読込部212は、時隔データ記憶部205から、駅決定部209により決定した駅順コードが示す対象駅の駅名を含む時隔データを読み込む。
【0029】
車両運用データ読込部213は、車両運用マスタ記憶部206から、対象駅を利用する列車の車両運用コードを含む車両運用データを読み込む。
【0030】
ダイヤデータ読込部214は、ダイヤデータ記憶部207から、車両運用データ読込部213により読み込まれた車両運用データが含むダイヤプランコードを含むダイヤデータを読み込む。
【0031】
番線使用計画表示処理部215は、ダイヤデータ読込部214により読み込まれたダイヤデータに基づいて、対象駅における列車のダイヤを作成する。本実施形態では、番線使用計画表示処理部215は、続行列車のダイヤスジと、続行列車(対象列車の一例)に振り分けた番線を識別可能とする番線情報と、を含むダイヤを作成する。そして、番線使用計画表示処理部215(表示制御部の一例)は、作成したダイヤを、表示装置107に表示させる。
【0032】
番線使用計画作成部216(選択部の一例)は、作成したダイヤに含まれるダイヤスジの中から、対象駅における番線の振り分けを行う続行列車(対象列車の一例)のダイヤスジを選択する。次いで、番線使用計画作成部216(振分部の一例)は、番線データ読込部211により読み込んだ番線データが含む番線条件に従って、続行列車のダイヤスジに対して番線を振り分ける。
【0033】
番線条件に従って続行列車のダイヤスジに対して番線を振り分けられない場合、番線使用計画作成部216は、時隔データ読込部212により読み込まれた時隔データが含む運行時隔のうち、続行列車と先行列車の番線毎の運行時隔に基づいて、対象駅の番線のうち、先行列車との運行時隔が最も短い番線を、続行列車のダイヤスジに振り分ける。これにより、対象駅における先行列車と続行列車との交差または続行に要する時間を短くなり、先行列車と続行列車とを短い間隔で運行できる。その結果、先行列車と続行列車間の運行に支障が起き難く、列車の運転整理や回復運転のために長い余裕時間を確保することができる。
【0034】
図3は、第1の実施形態にかかる情報処理装置における番線の振分処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、線区決定部208は、線区マスタ記憶部201に記憶される線区データを参照して、対象線区の線区コードを決定する(ステップS301)。また、駅決定部209は、駅順マスタ記憶部202に記憶される駅順データのうち、対象線区の線区コードを含む駅順データを参照して、対象駅の駅順コードを決定する(ステップS301)。
【0035】
次いで、車両運用データ読込部213は、車両運用マスタ記憶部206から、対象駅を利用する列車の車両運用データを読み込む。次に、ダイヤデータ読込部214は、ダイヤデータ記憶部207から、車両運用データ読込部213により読み込まれた車両運用データが含むダイヤプランコードと一致するダイヤプランコードを含むダイヤデータを読み込む(ステップS302)。そして、番線使用計画表示処理部215は、ダイヤデータ読込部214により読み込まれたダイヤデータに基づいて、対象駅における列車のダイヤを作成し、当該ダイヤを表示装置107に表示させる(ステップS302)。
【0036】
図4は、第1の実施形態にかかる情報処理装置においてダイヤを作成する鉄道網の一例を示す図である。図5は、第1の実施形態にかかる情報処理装置において作成されるターミナル駅のダイヤの一例を示す図である。図5に示すダイヤは、縦軸はキロ程を表し、横軸は時間を表す。
【0037】
例えば、線区決定部208は、図4に示すように、α線区、β線区、γ線区、δ線区等の複数の線区の中から、対象線区(例えば、α線区)の線区コードを決定する。次いで、駅決定部209は、α線区に含まれる駅(例えば、L駅、H駅)のうち、対象駅(例えば、ターミナル駅としてのH駅)の駅順コードを決定する。次いで、番線データ読込部211は、番線マスタ記憶部204から、H駅を駅名として含む番線データを読み込む。また、車両運用データ読込部213は、車両運用マスタ記憶部206から、H駅を利用する列車の車両運用データを読み込む。さらに、ダイヤデータ読込部214は、ダイヤデータ記憶部207から、読み込んだ車両運用データが含むダイヤプランコードと一致するダイヤプランコードを含むダイヤデータを読み込む。
【0038】
そして、番線使用計画表示処理部215は、図5に示すように、読み込んだダイヤデータに基づいて、H駅におけるα線区の列車のダイヤDを作成する。また、番線使用計画表示処理部215は、図5に示すように、H駅が有する番線(例えば、1番線、2番線、3番線、4番線)のうち、H駅を利用するα線区の列車のダイヤスジがいずれの番線を利用するかを識別可能とする番線情報をダイヤDに含める。
【0039】
図6は、第1の実施形態にかかる情報処理装置においてダイヤを作成する鉄道網の一例を示す図である。図7は、第1の実施形態にかかる情報処理装置において作成される途中駅のダイヤの一例を示す図である。図7に示すダイヤは、縦軸はキロ程を表し、横軸は時間を表す。
【0040】
例えば、線区決定部208は、図6に示すように、α線区、β線区、γ線区等の複数の線区の中から、対象線区(例えば、α線区)の線区コードを決定する。次いで、駅決定部209は、α線区に含まれる駅(例えば、A駅、B駅、G駅)のうち、対象駅(例えば、途中駅としてのB駅)の駅順コードを決定する。次いで、番線データ読込部211は、番線マスタ記憶部204から、B駅を駅名として含む番線データを読み込む。また、車両運用データ読込部213は、車両運用マスタ記憶部206から、B駅を利用する列車の車両運用データを読み込む。さらに、ダイヤデータ読込部214は、ダイヤデータ記憶部207から、読み込んだ車両運用データが含むダイヤプランコードと一致するダイヤプランコードを含むダイヤデータを読み込む。
【0041】
そして、番線使用計画表示処理部215は、図7に示すように、読み込んだダイヤデータに基づいて、B駅におけるα線区の列車のダイヤDを作成する。番線使用計画表示処理部215は、図7に示すように、B駅が有する番線(例えば、1番線、2番線、3番線)のうち、B駅を利用するα線区の列車のダイヤスジがいずれの番線を利用するかを識別可能とする番線情報をダイヤDに含める。
【0042】
本実施形態では、ターミナル駅や途中駅を利用する列車のダイヤを作成する例について説明するが、これに限定するものではなく、1以上の線区を含む単線、複線、複々線等の鉄道網内の駅における列車のダイヤを作成することが可能である。また、本実施形態では、駅における列車に対する番線の振り分けについて説明するが、交通や物流等の運用においてバス、自動車、飛行機等の交通手段が利用する到着地点や経由地点が存在する場合、到着地点または経由地点におけるターミナル、停車場所、車線、空港におけるゲートや滑走路等の交通手段に対する振り分けにも適用可能である。
【0043】
図3に戻り、番線使用計画表示処理部215によりダイヤが作成されると、時隔データ読込部212は、時隔データ記憶部205から、駅決定部209により決定した駅順コードが示す対象駅の駅名を含む時隔データを読み込む(ステップS303)。また、番線データ読込部211は、番線マスタ記憶部204から、駅決定部209により決定した駅順コードが示す対象駅の駅名を含む番線データを読み込む(ステップS304)。
【0044】
次に、番線使用計画作成部216は、番線使用計画表示処理部215により作成されたダイヤ含まれるダイヤスジの中から、番線の振り分けを行うダイヤスジ(以下、計算対象スジと言う)を選択する(ステップS305)。本実施形態では、番線使用計画作成部216は、ダイヤに含まれるダイヤスジのうち、車両運用データ読込部213により読み込まれた車両運用データが含む車両運用コードが同一の2つのダイヤスジを計算対象スジとして選択する。読み込まれた車両運用データに運用順序が含まれる場合、番線使用計画作成部216は、車両運用データが含む運用順序が連続する2つのダイヤスジを計算対象スジとして選択する。一方、読み込まれた車両運用データに運用順序が含まれない場合、番線使用計画作成部216は、予め設定された最小接続時間より長いダイヤスジのうち最も短い時間で接続可能な2つのダイヤスジを計算対象スジとして選択する。ここで、最小接続時間は、2つのダイヤスジを接続するために要する最小の時間である。
【0045】
また、本実施形態では、番線使用計画作成部216は、2つのダイヤスジを選択する際、予め設定された時刻から進む方向に向かって2つのダイヤスジを順番に選択する方法、予め設定された時刻から戻る方向に向かって2つのダイヤスジを順番に選択する方法、番線の占有時間が長くなる2つのダイヤスジから順番に選択する方法、運行時隔が短い2つのダイヤスジから順番に選択する方法、振り分ける番線の選択肢の数が少ない2つのダイヤスジから順番に選択する方法等を用いる。
【0046】
次いで、番線使用計画作成部216は、計算対象スジとして選択した2つのダイヤスジの運行時隔または対象駅の番線の占有状況に基づいて、対象駅において振り分けられない番線(以下、進入禁止番線)を特定する(ステップS306)。また、番線使用計画表示処理部215は、工事や事故等によって、対象駅の全ての番線が使用できない場合、ダイヤの再作成を指示するエラーメッセージを表示装置107に表示させる。
【0047】
また、番線使用計画作成部216は、対象駅において振り分け可能な番線の番線データが含む番線条件に基づいて、計算対象スジに対して番線を振り分けられるか否かを判断する(ステップS307)。番線条件に基づいて計算対象スジに対して番線を振り分けられる場合(ステップS307:Yes)、番線使用計画作成部216は、番線条件に基づいて、計算対象スジに対して対象駅の番線を振り分ける(ステップS308)。その際、番線使用計画作成部216は、対象駅が有する番線のうち、進入禁止番線以外の番線を計算対象スジに対して振り分ける。また、番線条件が同じ番線が複数存在する場合、番線使用計画作成部216は、当該番線条件が同じ複数の番線を予め設定された順番(例えば、交互)で計算対象スジに振り分ける。または、番線使用計画作成部216は、番線条件が同じ複数の番線のうち予め設定された優先順位が高い番線を計算対象スジに振り分ける。
【0048】
一方、番線条件に基づいて計算対象スジに対して番線を振り分けられない場合(ステップS307:No)、番線使用計画作成部216は、時隔データ読込部212により読み込んだ時隔データが含む運行時隔のうち、計算対象スジの列車である続行列車と先行列車の番線毎の運行時隔に基づいて、先行列車との運行時隔が最も短い番線を、続行列車の計算対象スジに振り分ける(ステップS309)。これにより、対象駅における先行列車と続行列車との交差または続行に要する時間を短くなり、先行列車と続行列車とを短い間隔で運行できる。その結果、先行列車と続行列車間の運行に支障が起き難く、列車の運転整理や回復運転のために長い余裕時間を確保することができる。
【0049】
本実施形態では、番線使用計画作成部216は、続行列車と先行列車により実現される全ての時隔パターンについて、続行列車と先行列車の番線毎の運行時隔を求める。そして、番線使用計画作成部216は、全ての時隔パターンについて求めた番線毎の運行時隔のうち、最も運行時隔が短くなる番線を、計算対象スジに対して振り分ける。また、本実施形態では、番線使用計画作成部216は、運行時隔に基づいて、続行列車のダイヤスジに対して番線を振り分けられない場合、その旨を表示装置107に表示させることも可能である。さらに、番線使用計画作成部216は、続行列車が運行終了後に対象駅に留置される場合、運行終了後に続行列車が入線する番線と、続行列車が運行開始する際に出発する番線とが一致するように、続行列車のダイヤスジに番線を振り分けても良い。これにより、続行列車が運行開始する際に番線を移動する必要が無くなるので、続行列車の対象駅における運行を効率化することができる。
【0050】
番線使用計画作成部216は、計算対象スジに対する番線の振り分けが完了する度に、作成したダイヤに含まれる全てのダイヤスジに対して番線の振り分けを行ったか否かを判断する(ステップS310)。作成したダイヤに含まれる全てのダイヤスジに対する番線の振り分けが完了していない場合(ステップS310:No)、番線使用計画作成部216は、ステップS305に戻り、作成したダイヤに含まれるダイヤスジの中から、番線の振り分けを行っていないダイヤスジを計算対象スジとして選択する。
【0051】
一方、作成したダイヤに含まれる全てのダイヤスジに対して番線の振り分けを行った場合(ステップS310:Yes)、番線使用計画作成部216は、対象線区に含まれる全ての駅について、当該駅を利用する列車に対する番線の振り分けを行ったか否かを判断する(ステップS311)。対象線区に含まれる全ての駅について当該駅を利用する列車に対する番線の振り分けを行っていない場合(ステップS311:No)、駅決定部209は、ステップS301に戻り、対象線区に含まれる駅のうち、番線の振り分けを行っていない駅を対象駅の駅順コードに決定する。
【0052】
また、対象線区に含まれる全ての駅について番線の振り分けを行った場合(ステップS311:Yes)、番線使用計画作成部216は、対象線区に含まれる全ての駅について行った番線の振り分け結果を、ダイヤデータ記憶部207に保存する(ステップS312)。さらに、番線使用計画表示処理部215は、駅を利用する列車に振り分けた番線を識別可能とする番線情報を含むダイヤを、表示装置107に表示させる(ステップS313)。
【0053】
図8は、第1の実施形態にかかる情報処理装置において作成するダイヤの一例を示す図である。図9は、第1の実施形態にかかる情報処理装置において列車に対して振り分ける番線の番線条件の一例を示す図である。図10は、第1の実施形態にかかる情報処理装置において続行列車の属性の一例を示す図である。図11は、第1の実施形態にかかる情報処理装置において続行列車と先行列車との運行時隔の一例を示す図である。
【0054】
番線使用計画表示処理部215は、図8に示すように、対象駅の一例であるA駅における列車のダイヤDを作成する。次に、番線使用計画作成部216は、ダイヤDに含まれるダイヤスジL-a,b,c,d,e,f,gから、ダイヤスジL-a,bを計算対象スジとして選択する。さらに、番線使用計画作成部216は、A駅が有する番線の番線データが含む番線条件(図9参照)と、ダイヤスジL-a,bの列車の属性(図10参照)とを比較する。そして、番線使用計画作成部216は、A駅の1~3番線のうち、ダイヤスジL-a,bの列車の属性(図10参照)を満たす番線条件を有する番線(1番線)を、ダイヤスジL-a,bに振り分ける。番線使用計画作成部216は、ダイヤスジL-c,dを計算対象スジとして選択した場合も、同様に、ダイヤスジL-c,dの列車の属性を満たす番線条件を有する番線(2番線)を振り分ける。
【0055】
一方、計算対象スジとして選択したダイヤスジL-e,fの列車の属性を満たす番線条件を有する番線が存在しない場合、番線使用計画作成部216は、図11に示すように、ダイヤスジL-e,fの続行列車と先行列車(ダイヤスジL-d,gの列車)との運行時隔を、続行列車が利用可能な番線毎に特定する。その際、番線使用計画作成部216は、図11に示すように、ダイヤスジL-e,fの続行列車とダイヤスジL-d,gの先行列車のA駅における全ての時隔パターン(ダイヤスジL-dとダイヤスジL-eの発着、ダイヤスジL-gとダイヤスジL-eの通着、ダイヤスジL-gとダイヤスジL-fの着発、およびダイヤスジL-gとダイヤスジL-fの通発)の運行時隔を番線毎に特定する。そして、番線使用計画作成部216は、ダイヤスジL-e,fの続行列車が利用可能なA駅の1~3番線のうち、先行列車との運行時隔が最も短い1番線を、ダイヤスジL-e,fの続行列車に振り分ける。
【0056】
図12および図13は、第1の実施形態にかかる情報処理装置におけるダイヤの表示例を示す図である。ターミナル駅(例えば、図4に示すH駅)のダイヤDを番線情報を含めて表示する場合、番線使用計画表示処理部215は、図12に示すように、H駅において接続する2つのダイヤスジ(例えば、ダイヤスジL-h,k)を、当該ダイヤスジL-h,kに振り分けられた1番線において接続して1つのダイヤスジとする。これにより、H駅において接続する2つのダイヤスジL-h,kに振り分けられた番線を識別可能とする番線情報を表示する。さらに、番線使用計画表示処理部215は、H駅において接続する2つのダイヤスジL-h,kを接続した部分を、当該ダイヤスジL-h,kの他の部分とは異なる表示態様(例えば、太線、異なる色)で表示しても良い。これにより、H駅において接続する2つのダイヤスジに振り分けられた番線を容易に識別可能とする。番線使用計画表示処理部215は、図12に示すように、ダイヤDに含まれる他のダイヤスジL-i,j,l,m,nについても同様にして、当該ダイヤスジL-i,j,l,m,nに振り分けられた番線を識別可能とする番線情報を表示する。
【0057】
途中駅(例えば、図6に示すB駅)のダイヤDに番線情報を含めて表示する場合も、番線使用計画表示処理部215は、図13に示すように、B駅において接続する2つのダイヤスジ(例えば、ダイヤスジL-о,v)を、当該ダイヤスジL-о,vに振り分けられた1番線において接続して1つのダイヤスジとする。さらに、番線使用計画表示処理部215は、図12に示すように、B駅において接続する2つのダイヤスジL-о,vを接続する部分を、当該ダイヤスジL-о,vの他の部分とは異なる表示対象で表示する。番線使用計画表示処理部215は、図13に示すように、ダイヤDに含まれる他のダイヤスジL-p,q,r,s,t,u,wについても同様にして、当該ダイヤスジL-p,q,r,s,t,u,wに振り分けられた番線を識別可能とする番線情報を表示する。
【0058】
このように、第1の実施形態にかかる情報処理装置によれば、対象駅における先行列車と続行列車との交差または続行に要する時間を短くなり、先行列車と続行列車とを短い間隔で運行できる。その結果、先行列車と続行列車間の運行に支障が起き難く、列車の運転整理や回復運転のために長い余裕時間を確保することができる。
【0059】
(第2の実施形態)
本実施形態は、続行列車と先行列車の番線毎の運行時隔を設定可能な時隔データ設定画面を表示し、当該時隔データ設定画面を用いて設定された運行時隔に基づいて、続行列車のダイヤスジに対して番線を振り分ける例である。以下の説明では、第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0060】
図14は、第2の実施形態にかかる情報処理装置において表示される時隔データ設定画面の一例を示す図である。本実施形態では、番線使用計画表示処理部215は、対象駅における続行列車と先行列車との番線毎の運行時隔を設定可能な時隔データ設定画面を表示装置107に表示させる。これにより、対象駅における続行列車と先行列車の番線毎の運行時隔を採時した運行時隔に変更可能となるので、正確な運行時隔に基づいて、続行列車に対して番線を振り分けることができる。例えば、番線使用計画表示処理部215は、図14に示すように、時隔データテーブル1401、および時間調整ボタン1402を含む時隔データ設定画面1400を表示装置107に表示させる。
【0061】
時隔データテーブル1401は、続行列車が利用可能な対象駅の番線毎に、先行列車と続行列車の全ての時隔パターンの運行時隔を表示するテーブルである。時間調整ボタン1402は、最小接続時間を下限として、時隔データテーブル1401に含まれる運行時隔を調整するためのボタンである。例えば、情報処理装置のユーザは、時隔データテーブル1401に含まれる運行時隔が34秒で、採時が30秒である場合、入力装置106を介して時間調整ボタン1402を操作して、運行時隔を30秒に設定し直す。
【0062】
図15および図16は、第2の実施形態にかかる情報処理装置において表示される走行経路画面の一例を示す図である。本実施形態では、番線使用計画表示処理部215は、時隔データ設定画面に含まれる運行時隔がユーザにより選択されると、選択された運行時隔に従った先行列車と続行列車の対象駅での走行経路を示す走行経路画面を表示装置107に表示させる。
【0063】
例えば、対象駅が途中駅である場合、番線使用計画表示処理部215は、図15に示すように、対象駅のホーム1501と、対象駅の番線1502と、続行列車の走行経路1503と、先行列車の走行経路1504と、対象駅からの発車後または対象駅への到着前に先行列車および続行列車が走行する区間を示す区間情報1505と、を含む走行経路画面1500を表示装置107に表示させる。
【0064】
番線使用計画表示処理部215は、時隔データ設定画面1400を用いて選択された運行時隔に従った先行列車の対象駅における走行経路と、対象駅からの発車後または対象駅へ到着前の先行列車の走行経路とを繋いだ経路を、先行列車の走行経路1504として表示する。また、番線使用計画表示処理部215は、時隔データ設定画面を用いて選択された運行時隔に従った続行列車の対象駅での経路と、対象駅からの発車後または対象駅へ到着前の続行列車の走行経路とを繋いだ経路を、続行列車の走行経路1503として表示する。これにより、運行時隔の設定の変更に応じた先行列車および続行列車の走行経路1503,1504を効率的に確認することができる。
【0065】
また、対象駅がターミナル駅である場合も、番線使用計画表示処理部215は、図16に示すように、対象駅のホーム1501と、対象駅の番線1502と、続行列車の走行経路1503と、先行列車の走行経路1504と、対象駅からの発車後または対象駅への到着前に先行列車および続行列車が走行する区間を示す区間情報1505と、を含む走行経路画面1500を表示装置107に表示させる。
【0066】
番線使用計画表示処理部215は、時隔データ設定画面1400を用いて選択された運行時隔に従った先行列車の対象駅における走行経路と、対象駅からの発車後または対象駅へ到着前の先行列車の走行経路とを繋いだ経路を、先行列車の走行経路1504として表示する。また、番線使用計画表示処理部215は、時隔データ設定画面1400を用いて選択された運行時隔に従った続行列車の対象駅での経路と、対象駅からの発車後または対象駅へ到着前の続行列車の走行経路とを繋いだ経路を、続行列車の走行経路1503として表示する。
【0067】
このように、第2の実施形態にかかる情報処理装置によれば、対象駅における続行列車と先行列車の番線毎の運行時隔を採時した運行時隔に変更可能となるので、正確な運行時隔に基づいて、続行列車に対して番線を振り分けることができる。
【0068】
(第3の実施形態)
本実施形態は、番線条件を設定可能とする番線条件設定画面を表示し、当該番線条件設定画面を用いて設定された番線条件に従って、対象列車のダイヤスジに番線を振り分ける例である。以下の説明では、第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0069】
図17は、第3の実施形態にかかる情報処理装置において表示される番線条件設定画面の一例を示す図である。本実施形態では、番線使用計画表示処理部215は、対象駅の番線条件を設定可能な番線条件設定画面を表示装置107に表示させる。これにより、対象駅の番線条件を変更可能となる。そして、番線使用計画作成部216は、番線条件設定画面を用いて設定された番線条件に従って、対象列車のダイヤスジに番線を振り分ける。これにより、対象駅の番線条件を変更可能となるので、対象駅の工事等によって番線条件が変わった場合に即座に対応できる。
【0070】
例えば、番線使用計画表示処理部215は、図17に示すように、番線条件テーブル1701、戻るボタン1702、および更新ボタン1703を含む番線条件設定画面1700を表示装置107に表示させる。番線条件テーブル1701は、条件種類と、番線条件と、を含む。戻るボタン1702は、変更された番線条件を予め設定された番線条件(初期値)に戻すことを指示するためのボタンである。更新ボタン1703は、番線条件テーブル1701に含まれる番線条件を変更後の番線条件に更新することを指示するためのボタンである。
【0071】
情報処理装置のユーザは、入力装置106を介して番線条件を入力した後、更新ボタン1703を押下することによって、番線条件テーブル1701に含まれる番線条件を変更することができる。また、情報処理装置のユーザは、入力装置106を介して戻るボタン1702を押下することによって、番線条件テーブル1701に含まれる番線条件を初期値に戻すことができる。
【0072】
本実施形態では、番線使用計画表示処理部215は、番線条件設定画面1700に含まれる番線条件がユーザにより選択されると、選択された番線条件に従って番線が振り分けられた先行列車と続行列車の対象駅での走行経路を示す走行経路画面1500(図15および図16参照)を表示装置107に表示させる。
【0073】
このように、第3の実施形態にかかる情報処理装置によれば、対象駅の番線条件を変更可能となるので、対象駅の工事等によって番線条件が変わった場合に即座に対応できる。
【0074】
(第4の実施形態)
本実施形態は、表示装置に表示されるダイヤに含まれる番線情報を非表示とすることを指示するための隠すボタンを当該ダイヤに含め、隠すボタンが押下された場合、ダイヤに含まれる番線情報を非表示とする例である。以下の説明では、第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0075】
本実施形態では、番線使用計画表示処理部215は、作成したダイヤに含まれる番線情報を非表示することを指示するための隠すボタンを、当該作成したダイヤに含めて表示装置107に表示させる。これにより、列車が利用する番線を確認する場合にのみ番線情報を表示することができるので、表示装置107に表示されるダイヤが複雑になることを防止しかつ視覚的に見やすいダイヤを表示することができる。
【0076】
図18および図19は、第4の実施形態にかかる情報処理装置におけるダイヤの表示例を示す図である。例えば、番線使用計画表示処理部215は、図18に示すように、列車のダイヤスジLと、番線情報Iと、隠すボタン1801と、を含むダイヤDを表示装置107に表示させる。そして、入力装置106を介して隠すボタン1801が押下されると、番線使用計画表示処理部215は、図19に示すように、ダイヤDに含まれる番線情報Iを非表示とする。
【0077】
このように、第4の実施形態にかかる情報処理装置によれば、列車が利用する番線を確認する場合にのみ番線情報を表示することができるので、表示装置107に表示されるダイヤが複雑になることを防止しかつ視覚的に見やすいダイヤを表示することができる。
【0078】
なお、本実施形態の情報処理装置で実行されるプログラムは、ROM102等に予め組み込まれて提供される。本実施形態の情報処理装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0079】
さらに、本実施形態の情報処理装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の情報処理装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0080】
本実施形態の情報処理装置で実行されるプログラムは、上述した各部(線区決定部208、駅決定部209、区間データ読込部210、番線データ読込部211、時隔データ読込部212、車両運用データ読込部213、ダイヤデータ読込部214、番線使用計画表示処理部215、および番線使用計画作成部216)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU101等のプロセッサが上記ROM102からプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、線区決定部208、駅決定部209、区間データ読込部210、番線データ読込部211、時隔データ読込部212、車両運用データ読込部213、ダイヤデータ読込部214、番線使用計画表示処理部215、および番線使用計画作成部216が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0081】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0082】
101 CPU
102 ROM
103 RAM
107 表示装置
201 線区マスタ記憶部
202 駅順マスタ記憶部
203 区間マスタ記憶部
204 番線マスタ記憶部
205 時隔データ記憶部
206 車両運用マスタ記憶部
207 ダイヤデータ記憶部
208 線区決定部
209 駅決定部
210 区間データ読込部
211 番線データ読込部
212 時隔データ読込部
213 車両運用データ読込部
214 ダイヤデータ読込部
215 番線使用計画表示処理部
216 番線使用計画作成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19