(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-15
(45)【発行日】2022-04-25
(54)【発明の名称】内視鏡、および、内視鏡の挿入部
(51)【国際特許分類】
A61B 1/00 20060101AFI20220418BHJP
A61B 1/05 20060101ALI20220418BHJP
【FI】
A61B1/00 715
A61B1/05
(21)【出願番号】P 2021501162
(86)(22)【出願日】2019-02-18
(86)【国際出願番号】 JP2019005877
(87)【国際公開番号】W WO2020170309
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2021-05-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】特許業務法人イトーシン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊吉 栄太
(72)【発明者】
【氏名】今野 芳美
(72)【発明者】
【氏名】菊池 直人
【審査官】▲高▼原 悠佑
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-210388(JP,A)
【文献】国際公開第2011/126018(WO,A1)
【文献】特開2005-234239(JP,A)
【文献】特開2010-69231(JP,A)
【文献】国際公開第2011/136015(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/137815(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/044755(WO,A1)
【文献】特開2004-141272(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00- 1/32
G02B 23/24-23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射面を有する撮像ユニットと、
前面に挿入孔があり、前記挿入孔に挿入されている前記撮像ユニットの前記入射面が、前記前面から突出している先端本体と、
前記先端本体の前記挿入孔の周囲を覆っており、先端面の開口から前記入射面が突出している先端カバーと、を具備し、
前記先端カバーと前記撮像ユニットとが、第1の炭酸カルシウム粒子を、10質量%以上60質量%以下含む第1の接着剤を用いて接着されており、
前記先端カバーの先端面と前記撮像ユニットの前記入射面との境界の段差が、第1の酸化シリコン粒子を、10質量%以上60質量%以下含む第2の接着剤を用いて被覆されていることを特徴とする内視鏡。
【請求項2】
前記第1の接着剤が、第2の酸化シリコン粒子を、0質量%以上30質量%以下含み、
前記第2の接着剤が、第2の炭酸カルシウム粒子を、0質量%以上30質量%以下含み、
前記第1の接着剤は前記第2の接着剤よりも、酸化シリコン粒子の含有率が小さく、前記第2の接着剤は前記第1の接着剤よりも、炭酸カルシウム粒子の含有率が小さいことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項3】
前記第2の接着剤が、炭酸カルシウム粒子を含んでいないことを特徴とする請求項2に記載の内視鏡。
【請求項4】
前記第1の接着剤は前記第2の接着剤よりも、チキソトロピー指数が小さいことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の内視鏡。
【請求項5】
前記第1の酸化シリコン粒子と前記第2の酸化シリコン粒子とが、球形であり、かつ、同じサイズであり、
前記第1の炭酸カルシウム粒子と前記第2の炭酸カルシウム粒子と、非球形であり、かつ、同じサイズであることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の内視鏡。
【請求項6】
前記第1の接着剤および前記第2の接着剤が、エポキシ樹脂とアクリルゴムとの混合物を含む硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の内視鏡。
【請求項7】
入射面を有する撮像ユニットと、
前面に挿入孔があり、前記挿入孔に挿入されている前記撮像ユニットの前記入射面が、前記前面から突出している先端本体と、
前記先端本体の前記挿入孔の周囲を覆っており、先端面の開口から前記入射面が突出している先端カバーと、を具備し、
前記先端カバーと前記撮像ユニットとが、第1の炭酸カルシウム粒子を、10質量%以上60質量%以下含む第1の接着剤を用いて接着されており、
前記先端カバーの先端面と前記撮像ユニットの前記入射面との境界の段差が、第1の酸化シリコン粒子を、10質量%以上60質量%以下含む第2の接着剤を用いて被覆されていることを特徴とする内視鏡の挿入部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、挿入部の先端部に撮像ユニットが配設されている内視鏡、および、前記内視鏡の挿入部に関する。
【背景技術】
【0002】
外部から観察できない被検体の体内に細長い挿入部を挿入することによって、先端部に配設された撮像ユニットを用いて体内を観察したり、チャンネルの開口から突出させた処置具を用いて治療をしたりする内視鏡が広く用いられている。
【0003】
撮像ユニットは、先端部に配設された先端本体の挿入孔に挿入された状態において固定されている。先端本体には、接着剤を用いて、先端カバーが接着されている。撮像ユニットの入射面は先端カバーの前面から突出している。
【0004】
国際公開第2011/126018号には、球状シリカを含む硬化性樹脂を用いて、撮像ユニットを固定したり、表面の段差を解消したりすることが開示されている。
【0005】
しかし、固定用の樹脂を段差解消用の樹脂として用いると段差が解消されないおそれがあった。逆に、段差解消用の樹脂を固定用の樹脂として用いると、撮像ユニットと先端本体との隙間に樹脂が充填されないおそれがあった。
【0006】
固定用樹脂の充填が不十分だと、接着強度が弱くなるため、内視鏡の信頼性が低下するおそれがあった。また、段差が十分に解消されないと、例えば、水切れが悪くなるために、入射面に水滴が付着した状態となるため、所望の方向を観察する操作が煩雑となり操作性が低下するおそれがあった。
【特許技術文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の実施形態は、信頼性が高く、操作性の高い内視鏡、および、前記内視鏡の挿入部を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態の内視鏡は、入射面を有する撮像ユニットと、前面に挿入孔があり、前記挿入孔に挿入されている前記撮像ユニットの前記入射面が前記前面から突出している先端本体と、前記先端本体の前記挿入孔の周囲を覆っており先端面の開口から前記入射面が突出している先端カバーと、を具備し、前記先端カバーと前記撮像ユニットとが、第1の炭酸カルシウム粒子を、10質量%以上60質量%以下含む第1の接着剤を用いて接着されており、前記先端カバーの先端面と前記撮像ユニットの前記入射面との境界の段差が第1の酸化シリコン粒子を、10質量%以上60質量%以下含む第2の接着剤を用いて被覆されている。
実施形態の内視鏡の挿入部は、入射面を有する撮像ユニットと、前面に挿入孔があり、前記挿入孔に挿入されている前記撮像ユニットの前記入射面が、前記前面から突出している先端本体と、前記先端本体の前記挿入孔の周囲を覆っており、先端面の開口から前記入射面が突出している先端カバーと、を具備し、前記先端カバーと前記撮像ユニットとが、第1の炭酸カルシウム粒子を、10質量%以上60質量%以下含む第1の接着剤を用いて接着されており、前記先端カバーの先端面と前記撮像ユニットの前記入射面との境界の段差が、第1の酸化シリコン粒子を、10質量%以上60質量%以下含む第2の接着剤を用いて被覆されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施形態によれば、信頼性が高く、操作性の高い内視鏡、および、前記内視鏡の挿入部を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図3】
図2のIII-III線に沿った断面図である。
【
図4】
図3の(IV)で示した部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1に示すように、実施形態の内視鏡1は、先端部9Aと細長い軟性部9Bとを含む挿入部9と、挿入部9に配設された操作部8と、操作部8から延出するユニバーサルコード7と、を含む。
【0013】
なお、以下の説明において、各実施形態に基づく図面は、模式的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、夫々の部分の厚みの比率などは現実のものとは異なる。図面の相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、一部の構成要素の図示、符号の付与は省略する場合がある。
【0014】
先端部9Aに配設された撮像ユニット10の撮像部15から出力された撮像信号は、軟性部9B、操作部8およびユニバーサルコード7を挿通する信号ケーブル16を経由することによってプロセッサ(不図示)に伝送される。
【0015】
なお、内視鏡1は、軟性部9Bを有する軟性鏡であるが、実施形態の内視鏡は硬性鏡でもよい。また、内視鏡1の用途は、医療用でも、工業用でもよい。
【0016】
図2および
図3に示すように、挿入部9の先端部9Aには、先端本体20が配置されている。先端本体20は、例えば、ステンレス鋼からなる略円筒状のハウジングである。
【0017】
先端本体20の前面20SAには複数の挿入孔H10、H50、H60がある。挿入孔H10には、撮像ユニット10が挿入され固定されている。2つの挿入孔H50には、それぞれ照明ユニット50が挿入され固定されている。挿入孔H60は処理具等が挿通されるチャンネル60の開口を構成している。
【0018】
先端本体20は、挿入孔H10、H50、H60の周囲および側面の少なくとも一部が、例えば、ポリサルフォン樹脂からなる先端カバー30に覆われている。
【0019】
なお、先端カバー30を構成する樹脂は、ポリサルフォンに限定されず、生体適合性、耐薬性および非導電性を有する樹脂であればよい
【0020】
先端カバー30の先端面30SAからは、撮像ユニット10の入射面10SAと照明ユニット50の出射面50SAと突出している。
【0021】
すなわち、先端部9Aの端面9ASAに露出している先端カバー30には、挿入孔H10、H50、H60のそれぞれと連通している複数の孔がある。
【0022】
先端カバー30は、撮像ユニット10および照明ユニット50と、第1の接着剤41を用いて接着されている。
【0023】
図4に示すように、第1の接着剤41が充填されている先端カバー30と撮像ユニット10との間の隙間Gは、例えば、10μm~100μmである。先端カバー30と接着されているのは、撮像ユニット10の光学系の金属枠であるが、例えば、光学系の最前面のレンズが先端カバー30と接着されていてもよい。
【0024】
なお、撮像ユニット10および照明ユニット50が、先端本体20と第1の接着剤41を用いて接着されていてもよい。
【0025】
撮像ユニット10の入射面10SAは、先端カバー30の先端面30SAよりも突出している。入射面10SAと先端面30SAとの段差Hは、例えば、10μm~150μmである。
【0026】
図2に示すように、入射面10SAと先端面30SAとの段差を解消するために、第2の接着剤42は、入射面10SAの外周にそってリング状に配設されている。このため、内視鏡1は、水切れが良く、入射面10SAに水滴が付着した状態とならないため、操作性がよい。
【0027】
第1の接着剤41および第2の接着剤42の樹脂は、例えば、エポキシ樹脂とアクリルゴムとの混合物を含む熱硬化性樹脂である。硬化性樹脂は硬化時に収縮するため、硬化時の剥離を防止するために収縮しないフィラー(粒子)を含んでいることが好ましい。
【0028】
発明者は、炭酸カルシウム粒子を含む樹脂は、酸化シリコン粒子を含む樹脂よりも、チキソトロピー指数Tが小さいことを見出した。さらに、非球形、すなわち、立方体、紡錘体、棒状または無定型の炭酸カルシウム粒子を含む樹脂は、球状の炭酸カルシウム粒子を含む樹脂よりも、チキソトロピー指数Tが小さいことを見出した。
【0029】
なお、チキソトロピー指数Tは、異なる剪断速度における粘度の比である。本発明においては、B型回転粘度計(ブルックフィールド型粘度計)を用いて、JIS Z8803に基づいて測定した。回転速度100rpm(室温)において測定した粘度ηAに対する、回転速度0.5rpm(室温)において測定した粘度ηBの値を、チキソトロピー指数Tとする。
【0030】
T=ηB/ηA
【0031】
なお、回転速度100rpm超において測定した粘度は、回転速度100rpmにおいて測定した粘度ηAと大きく異なることはなく、かつ、回転速度0.5rpm未満において測定した粘度は、回転速度0.5rpmにおいて測定した粘度ηBと大きく異なることはなかった。
【0032】
すなわち、十分に大きな剪断速度に対応している回転速度における粘度が、粘度ηAであり、十分に小さな剪断速度に対応している回転速度における粘度が、粘度ηBである。
【0033】
第1の接着剤41は、第1の炭酸カルシウム粒子を10質量%以上60質量%以下含んでいる。これに対して、第2の接着剤42は、第1の酸化シリコン粒子を、10質量%以上60質量%以下含んでいる。それぞれが、前記粒子を含んでいる第1の接着剤41および第2の接着剤42は、硬化収縮率が小さく、硬化時に剥離することはない。
【0034】
第1の炭酸カルシウム粒子は無定型であり、第1の酸化シリコン粒子は球形である。そして、いずれも、粒径は1μm~5μm程度である。無定型粒子の粒径は長軸長さと短軸長さとの平均値である。
【0035】
ここで、コーティングの作業性を考慮すると、使用時(コーティング時)の接着剤の好ましい粘度は、第1の接着剤41も第2の接着剤42も略同じである。
【0036】
第1の接着剤41は、撮像ユニット10と先端カバー30との狭い隙間に充填する必要がある。このため、コーティング後にも粘度が大きくならない、すなわち、チキソトロピー指数Tが小さい、炭酸カルシウム粒子を含む第1の接着剤41が用いられる。
【0037】
一方、入射面10SAと先端面30SAとの段差を解消するためには、コーティング後に粘度が上昇する、チキソトロピー指数Tが大きい、酸化シリコン粒子を含む第2の接着剤42が用いられる。
【0038】
なお、第1の接着剤41が第1の炭酸カルシウム粒子よりも少ない量の第2の酸化シリコン粒子を含んでいてもよい。逆に、第2の接着剤42が第1の酸化シリコン粒子よりも少ない量の第2の炭酸カルシウム粒子を含んでいてもよい。異なる種類の粒子を含む接着剤は、その組み合わせにより、1種類の粒子を含む接着剤よりも、所望の粘度および所望のチキソトロピー性を得られやすい。
【0039】
例えば、第1の接着剤41は、非球形の炭酸カルシウム粒子(粒径5μm)を30質量%含み、さらに、球形の酸化シリコン粒子(粒径3μm)を1質量%含んでいる。第2の接着剤42は、球形の酸化シリコン粒子(粒径3μm)を20質量%含んでおり、炭酸カルシウム粒子を含んでいない。
【0040】
上記第1の接着剤41および上記第2の接着剤42を用いて作製した内視鏡1は、コーティングの作業性が良く生産が容易であり、かつ、接着信頼性が高く、入射面10SAと先端面30SAとの段差が解消されていた。このため、内視鏡1は操作性がよい。
【0041】
回転速度100rpmにおいて測定した第1の接着剤41の粘度ηA31は、12.0Pa・sであった。これに対して、同条件において測定した第2の接着剤42の粘度ηA32は、12.7Pa・sであった。
【0042】
コーティング時の剪断速度に対応している条件と考えられる回転速度100rpmにおける粘度ηA31と粘度ηA32とは、略同じ、例えば、粘度ηA31が、粘度ηA32の50%以上200%以下であれば、コーティングの作業性がよい。
【0043】
一方、コーティング後、放置されたときの剪断速度に対応していると考えられる回転速度0.5rpmにおいて測定した第1の接着剤41の粘度ηB31は、13.2Pa・sであった。これに対して、同条件において測定した第2の接着剤42の粘度ηB32は、19.1Pa・sであった。
【0044】
第1の接着剤41のチキソトロピー指数T41は、1.10である。第2の接着剤42のチキソトロピー指数T42は、1.50である。第1の接着剤41は第2の接着剤42よりも、チキソトロピー指数が小さい。
【0045】
チキソトロピー指数T41に対するチキソトロピー指数T42の比(T42/T41)は、1.36である。
【0046】
チキソトロピー指数T41は、1.0以上、1.9以下が好ましく、1.5以下がより好ましい。チキソトロピー指数T42は、1.1以上2.0以下が好ましく、1.5以上がより好ましい。さらに、(T42/T41)は、1.10以上が好ましく、1.25以上がより好ましい。
【0047】
第1の接着剤41の粘度および第2の接着剤42の粘度が上記範囲内であれば、確実に隙間を充填でき、かつ、段差を解消できる。
【0048】
なお、第1の接着剤41は、非球形の炭酸カルシウム粒子を10質量%以上40質量%以下含んでおり、球形の酸化シリコン粒子を0質量%以上20質量%以下含んでいることが好ましい。さらに、第1の接着剤41は、非球形の炭酸カルシウム粒子を10質量%以上30質量%以下含んでおり、球形の酸化シリコン粒子を0質量%以上10質量%以下含んでいることが好ましい。ただし、第1の接着剤41においては、酸化シリコン粒子の含有率は炭酸カルシウム粒子の含有率よりも小さい。
【0049】
第2の接着剤42は、球形の酸化シリコン粒子を10質量%以上50質量%以下含んでおり、非球形の炭酸カルシウム粒子を0質量%以上20質量%以下含んでいることが好ましい。さらに、第2の接着剤42は、酸化シリコン粒子を10質量%以上40質量%以下含んでおり、炭酸カルシウム粒子を0質量%以上10質量%以下含んでいることが好ましい。ただし、第2の接着剤42においては、炭酸カルシウム粒子の含有率は酸化シリコン粒子の含有率よりも小さい。
【0050】
第1の接着剤41および第2の接着剤42が、前記範囲内であれば、内視鏡1は、コーティングの作業性が良く生産が容易であり、かつ、接着信頼性が高く、入射面10SAと先端面30SAとの段差が解消される。このため、内視鏡1は操作性がよい。
【0051】
なお、第1の接着剤41が含む第2の酸化シリコン粒子は、第2の接着剤42が含む第1の酸化シリコン粒子と異なっており、第2の接着剤42が含む第2の炭酸カルシウム粒子は、第1の接着剤41が含む第1の炭酸カルシウム粒子と異なっていてもよい。
【0052】
しかし、第1の酸化シリコン粒子は第2の酸化シリコン粒子と同じであり、第2の炭酸カルシウム粒子は第1の炭酸カルシウム粒子と同じであることが好ましい。2種類の接着剤の調製が容易であるためである。粒子が同じとは、同じ形状、かつ、同じ粒径であることである。
【0053】
説明を省略したが、先端カバー30の先端面30SAの開口から、照明ユニット50の出射面50SAが突出している内視鏡1においては、先端カバー30と照明ユニット50とが第1の炭酸カルシウム粒子を10質量%以上60質量%以下含む第1の接着剤41を用いて接着されており、先端カバー30の30SAと照明ユニット50の出射面50SAとの境界の段差が、第1の酸化シリコン粒子を10質量%以上60質量%以下含む第2の接着剤42を用いて被覆されている。
【0054】
照明ユニット50を先端カバー30に固定している第1の接着剤41、および、照明ユニット50と先端カバー30との段差を解消している第2の接着剤42が、撮像ユニット10を先端カバー30に固定している第1の接着剤41、および、撮像ユニット10と先端カバー30との段差を解消している第2の接着剤42と、同じ形態において用いることができ、かつ、同じ効果を有することは言うまでも無い。
【0055】
本発明は上述した実施形態および変形例等に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、組み合わせ、および改変ができる。
【符号の説明】
【0056】
1…内視鏡
10…撮像ユニット
10SA…入射面
20…先端本体
20SA…前面
30…先端カバー
30SA…先端面
41…第1の接着剤
42…第2の接着剤
50…照明ユニット
50SA…出射面
60…チャンネル
H10…挿入孔