(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-21
(45)【発行日】2022-05-02
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、記録媒体、ゲーム処理方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/5372 20140101AFI20220422BHJP
A63F 13/5378 20140101ALI20220422BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20220422BHJP
G06F 3/04817 20220101ALI20220422BHJP
【FI】
A63F13/5372
A63F13/5378
A63F13/55
G06F3/0481 170
(21)【出願番号】P 2017237519
(22)【出願日】2017-12-12
【審査請求日】2020-09-24
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成29年6月13日~15日 E3 2017にてゲーム「ファイアーエムブレム無双」をプレイ可能な試遊機を出展
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成29年8月22日~26日 gamescom 2017にてゲーム「ファイアーエムブレム無双」をプレイ可能な試遊機を出展
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成29年9月21日~24日 東京ゲームショウ2017にてゲーム「ファイアーエムブレム無双」を公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成29年9月28日 ゲーム「ファイアーエムブレム無双」を販売
(73)【特許権者】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】特許業務法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石塚 信
【審査官】西村 民男
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-521(JP,A)
【文献】特開2008-113696(JP,A)
【文献】特開2002-292116(JP,A)
【文献】特開2002-210235(JP,A)
【文献】特開2001-353370(JP,A)
【文献】[レミリア宇宙旅行記]PSO2をゆっくり実況[第1回],YouTube[online][video] ,2013年01月15日,https://www.youtube.com/watch?v=kf7oCYmv__w,主に4:10~4:50を参照。[2021年9月24日検索]
【文献】ファンタシースターオンライン2,月刊ファミ通コネクト!オン ,株式会社エンターブレイン,2012年07月27日,第2巻 第9号,pp. 21-23
【文献】「Wiiハンドル」を傾けて車を操作!『マリオカートWii』4月10日に発売決定!!,電撃オンライン[online],2008年02月27日,https://dengekionline.com/data/news/2008/2/27/e973ee4ede4ca2611508ee62294417e5.html,[2021年9月24日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24,13/00-13/98,
G06F 3/01, 3/048-3/0489
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置を、
ゲームフィールド上にマップ画面を表示するマップ表示処理部、
プレイヤの操作入力に基づいて前記ゲームフィールドで行動するプレイヤオブジェクトのオブジェクトアイコンを前記マップ画面に表示するオブジェクトアイコン表示処理部、
前記プレイヤオブジェクトの向きを表す方向オブジェクトを前記マップ画面の前記オブジェクトアイコンの近傍に表示する方向オブジェクト表示処理部、
前記プレイヤの操作入力に基づいて前記プレイヤオブジェクトを他のオブジェクトに切り替えるプレイヤオブジェクト切替処理部、
として機能させ
、
前記オブジェクトアイコン表示処理部は、
前記プレイヤオブジェクトに切り替え可能な前記他のオブジェクトの前記オブジェクトアイコンを前記マップ画面に表示し、
前記方向オブジェクト表示処理部は、
前記方向オブジェクトの表示対象を切り替えられた前記プレイヤオブジェクトの前記オブジェクトアイコンに切り替える、
ゲームプログラム。
【請求項2】
前記方向オブジェクト表示処理部は、
前記ゲームフィールドにおける前記プレイヤオブジェクトの向きの変化に基づいて前記オブジェクトアイコンの周りを周回するように前記方向オブジェクトを表示する、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記オブジェクトアイコン表示処理部は、
前記プレイヤオブジェクトの容姿を描写した前記オブジェクトアイコンを表示し、
前記方向オブジェクト表示処理部は、
矢印状の前記方向オブジェクトを前記オブジェクトアイコンの近傍に表示する、
請求項1
又は2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
請求項1乃至
3のいずれか1項に記載のゲームプログラムを記録した、情報処理装置が読み取り可能な記録媒体。
【請求項5】
情報処理装置によって実行されるゲーム処理方法であって、
ゲームフィールド上にマップ画面を表示するステップと、
プレイヤの操作入力に基づいて前記ゲームフィールドで行動するプレイヤオブジェクトのオブジェクトアイコンを前記マップ画面に表示するステップと、
前記プレイヤオブジェクトの向きを表す方向オブジェクトを前記マップ画面の前記オブジェクトアイコンの近傍に表示するステップと、
前記プレイヤの操作入力に基づいて前記プレイヤオブジェクトを他のオブジェクトに切り替えるステップと、
を有
し、
前記オブジェクトアイコンを表示するステップでは、
前記プレイヤオブジェクトに切り替え可能な前記他のオブジェクトの前記オブジェクトアイコンを前記マップ画面に表示し、
前記方向オブジェクトを表示するステップでは、
前記方向オブジェクトの表示対象を切り替えられた前記プレイヤオブジェクトの前記オブジェクトアイコンに切り替える、
ゲーム処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、当該ゲームプログラムが記録された記録媒体、及びゲーム処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、バトル画面上にマップが表示されるゲームが記載されている。このゲームでは、プレイヤはマップを参照しながらプレイヤキャラクタを操作して敵キャラクタとバトルを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術のゲームでは、マップ上で味方キャラクタが点状の簡易的なアイコンで表示されるため、プレイヤキャラクタがどの方向を向いているのか容易に判断できなかった。このため、プレイヤは例えばバトル画面の背景とマップとを比較して方向を判断したり、とりあえずプレイヤキャラクタを特定の方向(例えば前方)に移動させてみてマップ上のアイコンがどの方向に移動するかを確認したりする必要があり、不便だった。
【0005】
一方、マップ上にキャラクタの姿を描写したキャラクタアイコンを表示することも考えられるが、バトル画面上のマップという限られた領域に表示することになるため、キャラクタアイコンが前、後、横、斜め等の各方向を向いた姿を細かく描写することは難しく、また描写できてもプレイヤが見分けることが難しかった。このため、キャラクタアイコンを表示する場合には一方向を向いたアイコンの表示となってしまい、結局はプレイヤキャラクタがどの方向を向いているのか容易に判断できない、という課題があった。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、プレイヤキャラクタがどの方向を向いているのかをプレイヤが容易に認識することが可能なゲームプログラム、記録媒体、及びゲーム処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のゲームプログラムは、情報処理装置を、ゲームフィールド上にマップ画面を表示するマップ表示処理部、プレイヤの操作入力に基づいて前記ゲームフィールドで行動するプレイヤオブジェクトのオブジェクトアイコンを前記マップ画面に表示するオブジェクトアイコン表示処理部、前記プレイヤオブジェクトの向きを表す方向オブジェクトを前記マップ画面の前記オブジェクトアイコンの近傍に表示する方向オブジェクト表示処理部、として機能させる。
【0008】
また、上記目的を達成するために、本発明の記録媒体は、上記ゲームプログラムを記録した、情報処理装置が読み取り可能な記録媒体である。
【0009】
また、上記目的を達成するために、本発明のゲーム処理方法は、情報処理装置によって実行されるゲーム処理方法であって、ゲームフィールド上にマップ画面を表示するステップと、プレイヤの操作入力に基づいて前記ゲームフィールドで行動するプレイヤオブジェクトのオブジェクトアイコンを前記マップ画面に表示するステップと、前記プレイヤオブジェクトの向きを表す方向オブジェクトを前記マップ画面の前記オブジェクトアイコンの近傍に表示するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のゲームプログラム等によれば、プレイヤキャラクタがどの方向を向いているのかをプレイヤが容易に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施形態に係るゲームシステムの全体構成の一例を表すシステム構成図である。
【
図2】情報処理装置の機能的構成の一例を表すブロック図である。
【
図3】ゲームフィールド上のマップ画面表示の一例を表す説明図である。
【
図5】ゲームフィールド上のマップ画面表示の他の例を表す説明図である。
【
図7】ゲームフィールド上のマップ画面表示のさらに他の例を表す説明図である。
【
図8】マップ画面のさらに他の例を表す説明図である。
【
図9】方向オブジェクトの周回動作の一例を表す説明図である。
【
図10】プレイヤキャラクタが切り替えられた場合のゲームフィールドの表示の一例を表す説明図である。
【
図11】プレイヤキャラクタが切り替えられた場合のマップ画面の表示の一例を表す説明図である。
【
図12】情報処理装置が実行する処理手順の一例を表すフローチャートである。
【
図13】情報処理装置のハードウェア構成の一例を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0013】
<1.ゲームシステムの全体構成>
まず、
図1を用いて、本実施形態に係るゲームシステム1の全体構成の一例について説明する。
図1に示すように、ゲームシステム1は、情報処理装置3と、コントローラ5と、表示装置7を有する。コントローラ5及び表示装置7の各々は、情報処理装置3と通信可能に接続されている。なお、
図1には有線により接続された場合を図示しているが、無線により接続されてもよい。
【0014】
情報処理装置3は、例えば据え置き型のゲーム機である。但しこれに限定されるものではなく、例えば入力部や表示部等を一体に備えた携帯型のゲーム機でもよい。また、ゲーム機以外にも、例えば、サーバコンピュータ、デスクトップ型コンピュータ、ノート型コンピュータ、タブレット型コンピュータ等のように、コンピュータとして製造、販売等されているものや、携帯電話、スマートフォン、ファブレット等のように、電話機として製造、販売等されているものでもよい。
【0015】
プレイヤは、コントローラ5を用いて各種の操作入力を行う。
図1に示す例では、コントローラ5は例えば十字キー9や複数のボタン11等を有する。なお、コントローラ5は上記に代えて又は加えて、例えばジョイスティックやタッチパッド等を有してもよい。
【0016】
<2.ゲームの概略内容>
次に、本実施形態に係るゲーム、すなわち、本発明のゲームプログラム及びゲーム処理方法が情報処理装置3によって実行されることにより提供されるゲームの概略内容の一例について説明する。
【0017】
本実施形態に係るゲームは、味方キャラクタが敵キャラクタと戦闘を行いつつストーリーを進めていく、いわゆるアクションロールプレイングゲームである。味方キャラクタは、プレイヤが操作可能なプレイヤキャラクタと、ゲームプログラムにより操作されるノンプレイヤキャラクタとを含む。戦闘は、味方キャラクタがゲームフィールド上で敵キャラクタと遭遇するとゲームフィールド上で直接行われ、プレイヤの操作に連動してリアルタイムにプレイヤキャラクタが行動する。
【0018】
なお、ゲームに登場するキャラクタ(オブジェクトの一例)は、例えば人間の男性キャラクタ、女性キャラクタ、人間以外の動物キャラクタ、人間や動物以外の仮想的な生物キャラクタ等でもよいし、例えば生物以外の物体等でもよい。
【0019】
本実施形態に係るゲームでは、戦闘中に各キャラクタの現在位置がキャラクタアイコンとして表示されるマップ画面において、プレイヤキャラクタの向きを表す方向オブジェクトがプレイヤキャラクタアイコンの近傍に表示される。以下、この内容について詳細に説明する。
【0020】
<3.情報処理装置の機能的構成>
次に、
図2及び
図3~
図11を用いて、情報処理装置3の機能的構成の一例について説明する。
【0021】
図2に示すように、情報処理装置3は、バトル実行処理部13と、マップ表示処理部15と、キャラクタアイコン表示処理部17と、方向オブジェクト表示処理部19と、プレイヤキャラクタ切替処理部21とを有する。
【0022】
バトル実行処理部13は、味方キャラクタと敵キャラクタとのバトルを実行する。味方キャラクタは、少なくとも1人のプレイヤキャラクタと、少なくとも1人のノンプレイヤキャラクタとを含む、複数のキャラクタで構成される。但し、味方キャラクタはプレイヤキャラクタ1人でもよい。敵キャラクタは複数のキャラクタで構成される。プレイヤキャラクタ(プレイヤオブジェクトの一例)はプレイヤによって操作され、ゲームフィールド上を移動して敵キャラクタに対する攻撃等の行動を行う。また、ノンプレイヤキャラクタは、ゲームプログラムにより規定される所定のアルゴリズム(いわゆるゲームAI)により自動制御され、ゲームフィールド上を移動して敵キャラクタに対する攻撃等の行動を行う。
【0023】
マップ表示処理部15は、マップ画面をゲームフィールド上に表示する。これにより、プレイヤはマップ画面を参照して味方キャラクタや敵キャラクタの現在位置を確認しながらプレイヤキャラクタをゲームフィールド上で行動させることができる。なお、マップ表示処理部15は、常にゲームフィールド上にマップを重ねて表示させてもよいし、通常はゲームフィールド画面のみを表示しておいてプレイヤによる所定の操作入力があった場合にマップ画面を重ねて表示させてもよい。また、プレイヤによる所定の操作入力があった場合に、ゲームフィールド画面をマップ画面に切り替えてマップを全画面表示させてもよい。
【0024】
キャラクタアイコン表示処理部17(オブジェクトアイコン表示処理部の一例)は、プレイヤキャラクタを含む各味方キャラクタの味方キャラクタアイコン(オブジェクトアイコンの一例)及び各敵キャラクタの敵キャラクタアイコンをマップ画面に表示する。そして、味方キャラクタ及び敵キャラクタのゲームフィールド23における現在位置に応じて各キャラクタアイコンをマップ画面上で移動させる。このとき、キャラクタアイコン表示処理部17は、味方キャラクタアイコンを味方キャラクタの容姿を描写したアイコンとして表示する。
【0025】
図3及び
図4に、ゲームフィールド上のマップ画面表示及びマップ画面におけるキャラクタアイコン表示の一例を示す。なお、
図4は
図3のマップ画面を拡大した図である。
図3に示す例では、ゲームフィールド23上でプレイヤキャラクタ25Aの正面に複数の敵キャラクタ27が対峙しており戦闘を行っている。また、プレイヤキャラクタ25Aの他に3人の味方キャラクタであるノンプレイヤキャラクタ25B~25Dが画面の外で行動している。なお、ノンプレイヤキャラクタ25B~25Dはプレイヤキャラクタ25Aと共に画面の中で行動してもよい。
図3に示す例では、プレイヤキャラクタ25Aは武器として例えば槍を装備しており、ノンプレイヤキャラクタ25B~25Dはそれぞれ例えば弓矢、剣、斧を装備している(
図4の対応する味方キャラクタアイコン31B~31Dを参照)。なお、味方キャラクタ25及び敵キャラクタ27の数や配置、装備は一例であり、
図3及び
図4に示す例に限定されるものではない。
【0026】
ゲームフィールド23の周辺部、
図3に示す例では左上の隅部に、マップ画面29がゲームフィールド23に重ねて表示されている。なお、マップ画面29の表示位置は戦況等に応じて変更されてもよいし、例えば半透明としてゲームフィールド23の視認性を向上させてもよい。
図4に示すように、マップ画面29には、各味方キャラクタ25A~25Dの現在位置をそれぞれ示す味方キャラクタアイコン31A~31D、各敵キャラクタ27の現在位置を示す敵キャラクタアイコン33が表示されている。
【0027】
上述のように味方キャラクタアイコン31A~31Dは味方キャラクタの容姿を描写したアイコンとして表示されており、どの味方キャラクタがプレイヤキャラクタなのかを識別表示部35により識別可能に表示されている。また、敵キャラクタアイコン33はこの例では円形状のオブジェクトとして表示されているが、例えば円形以外の形状や記号、キャラクタの容姿を表す図柄等としてもよい。
【0028】
なお、本実施形態では敵キャラクタ27の1人1人について敵キャラクタアイコン33が表示されるのではなく、複数の敵キャラクタ27が所定のグループを構成しており、当該グループごと(あるいは当該グループのボスごと)に敵キャラクタアイコン33が表示される。これにより、マップ画面29が煩雑になるのを抑制できる。
【0029】
図2に戻り、方向オブジェクト表示処理部19は、プレイヤキャラクタの向きを表す方向オブジェクトをマップ画面29のプレイヤキャラクタアイコンの近傍に表示する。また、方向オブジェクト表示処理部19は、ゲームフィールドにおけるプレイヤキャラクタの向きの変化に応じてプレイヤキャラクタアイコンの周りを周回するように方向オブジェクトを表示する。なお、「プレイヤキャラクタの向き」とはプレイヤキャラクタの向いている方向、言い換えるとプレイヤキャラクタの正面の方向である。
【0030】
図3~
図9に、方向オブジェクト表示の一例を示す。
図3及び
図4に示す例では、プレイヤキャラクタ25Aは敵キャラクタ27が正面となる方向を向いている。このため、マップ画面29ではプレイヤキャラクタ25Aの向きを表す方向オブジェクト37がプレイヤキャラクタアイコン31Aの対応する方向(この例では上部)に表示されている。
【0031】
なお、本実施形態では方向オブジェクト37を矢印形状(言い換えると矢尻形状又は三角形状)としているが、向きを表すことが可能なオブジェクトであればその形状は特に限定されるものではない。例えばキャラクタの視野を表す表示等、矢印以外のオブジェクトとしてもよい。
【0032】
図5及び
図6は、上記
図3及び
図4に示す状態からプレイヤキャラクタ25Aが時計回り方向(右回り方向)に向きを変えた状態を示している。その結果、
図5に示すように敵キャラクタ27の表示位置はプレイヤキャラクタ25Aの正面から左方向に移動し、
図6に示すように方向オブジェクト37がプレイヤキャラクタアイコン31Aの上部から対応する方向(この例では右上部)に移動している。
【0033】
図7及び
図8は、上記
図3及び
図4に示す状態からプレイヤキャラクタ25Aが反時計回り方向(左回り方向)に向きを変えた状態を示している。その結果、
図7に示すように敵キャラクタ27の表示位置はプレイヤキャラクタ25Aの正面から右方向に移動し、
図8に示すように方向オブジェクト37がプレイヤキャラクタアイコン31Aの上部から対応する方向(この例では左上部)に移動している。
【0034】
図9に、方向オブジェクト37の周回動作の一例を示す。方向オブジェクト37は、ゲームフィールド23におけるプレイヤキャラクタ25Aの向きの変化に応じて、プレイヤキャラクタアイコン31Aの周りを円周上に周回するように移動する。これにより、プレイヤキャラクタ25Aの向きを360°の全範囲で示すことができる。また、方向オブジェクト37はプレイヤキャラクタアイコン31Aと重ならない(干渉しない)ように動作するので、方向オブジェクト37やプレイヤキャラクタアイコン31Aが見にくくなるのを防止でき、マップ画面29の視認性を良好に維持できる。
【0035】
図2に戻り、プレイヤキャラクタ切替処理部21(プレイヤオブジェクト切替処理部の一例)は、プレイヤの操作入力に基づいてプレイヤキャラクタを他の味方キャラクタに切り替える。これにより、プレイヤはバトルの実行中の任意のタイミングでプレイヤキャラクタを所望の味方キャラクタに切り替えることができる。このとき、バトル画面の視点(仮想カメラの位置)もプレイヤキャラクタの切り替えに応じて切り替えられる。なお、味方キャラクタの全員についてプレイヤキャラクタに切り替え可能としてもよいし、味方キャラクタの一部のみプレイヤキャラクタに切り替え可能としてもよい。
【0036】
このとき、方向オブジェクト表示処理部19は、方向オブジェクトの表示対象を切り替えられたプレイヤキャラクタのキャラクタアイコンに切り替える。
【0037】
図10及び
図11に、上記プレイヤキャラクタ切替処理部21によりプレイヤキャラクタが切り替えられた場合のゲームフィールド23及びマップ画面29の表示の一例を示す。
【0038】
図10に示す例では、プレイヤキャラクタが味方キャラクタ25A(
図10上部に示す状態)から味方キャラクタ25C(
図10下部に示す状態)に切り替えられている。これにより、ノンプレイヤキャラクタ25Cがプレイヤキャラクタ25Cとなり、プレイヤキャラクタ25Aがノンプレイヤキャラクタ25Aとなる。また、これに伴ってバトル画面の視点(仮想カメラの位置)も味方キャラクタ25Aの後方(
図10上部に示す状態)から味方キャラクタ25Cの後方(
図10下部に示す状態)に切り替えられる。
【0039】
図11に示すように、マップ画面29においては、上記プレイヤキャラクタの切り替えに伴って、方向オブジェクト37の表示対象がキャラクタアイコン31Aからキャラクタアイコン31Cに切り替わる。併せて、プレイヤキャラクタであることを表す識別表示部35もキャラクタアイコン31Aからキャラクタアイコン31Cに切り替わる。
【0040】
なお、切り替えられた際のプレイヤキャラクタの向きは、切り替えの直前に当該味方キャラクタがゲームAIによる自動制御の行動により向いていた方向である。したがって、仮に方向オブジェクト37が表示されないとすると、プレイヤは切り替えた直後のプレイヤキャラクタの向きをすぐには判断できないため、方向に迷ってしまいすぐに行動を起こすことができない。本実施形態では上記のようにプレイヤキャラクタの切り替えとともに方向オブジェクト37も当該切り替えられたプレイヤキャラクタに対して表示されるため、プレイヤは当該キャラクタがどの方向を向いているのかを瞬時に判断することができる。これにより、プレイヤはプレイヤキャラクタを切り替えた後も当該キャラクタを効率的に行動させることが可能となる。このように、本発明はプレイヤキャラクタを切り替え可能なゲームシステムにおいて特に有効である。
【0041】
なお、本実施形態では、方向オブジェクト37がプレイヤキャラクタアイコンにのみ表示されるため、プレイヤはプレイヤキャラクタ以外の味方キャラクタについては向きが分からない。したがって、全ての味方キャラクタの向きが分かるように、全ての味方キャラクタアイコンについて方向オブジェクト37を表示してもよい。但し、上記のようにプレイヤキャラクタを他の味方キャラクタに切り替えることによって当該キャラクタの向きが分かるようになるため、方向オブジェクト37をプレイヤキャラクタアイコンにのみ表示することによって、マップ画面29が煩雑になり見にくくなるのを防止できる。
【0042】
なお、以上説明した各処理部における処理等は、これらの処理の分担の例に限定されるものではなく、例えば、更に少ない数の処理部(例えば1つの処理部)で処理されてもよく、また、更に細分化された処理部により処理されてもよい。また、上述した各処理部の機能は、後述するCPU101(後述の
図13参照)が実行するゲームプログラムにより実装されるものであるが、例えばその一部がASICやFPGA等の専用集積回路、その他の電気回路等の実際の装置により実装されてもよい。
【0043】
<4.情報処理装置が実行する処理手順>
次に、
図12を用いて、情報処理装置3のCPU101によって実行される処理手順の一例について説明する。
【0044】
ステップS10では、情報処理装置3は、バトル実行処理部13により、味方キャラクタ25と敵キャラクタ27とのバトルを開始する。
【0045】
ステップS20では、情報処理装置3は、マップ表示処理部15により、マップ画面29をゲームフィールド23上に表示する。
【0046】
ステップS30では、情報処理装置3は、キャラクタアイコン表示処理部17により、味方キャラクタ25の味方キャラクタアイコン31及び敵キャラクタ27の敵キャラクタアイコン33をマップ画面29に表示する。そして、味方キャラクタ25及び敵キャラクタ27のゲームフィールド23における現在位置に応じて各キャラクタアイコン31,33をマップ画面29上で移動させる。
【0047】
ステップS40では、情報処理装置3は、方向オブジェクト表示処理部19により、方向オブジェクト37をマップ画面29のプレイヤキャラクタアイコンの近傍に表示し、ゲームフィールド23におけるプレイヤキャラクタの向きの変化に応じてプレイヤキャラクタアイコンの周りを周回動作させる。
【0048】
ステップS50では、情報処理装置3は、プレイヤによりプレイヤキャラクタの切り替えの操作入力がされたか否かを判定する。操作入力がされた場合には(ステップS50:YES)、次のステップS60に移る。一方、操作入力がされていない場合には(ステップS50:NO)、後述のステップS80に移る。
【0049】
ステップS60では、情報処理装置3は、プレイヤキャラクタ切替処理部21により、プレイヤの操作入力に応じてプレイヤキャラクタを複数の味方キャラクタの中の任意のキャラクタに切り替える。
【0050】
ステップS70では、情報処理装置3は、方向オブジェクト表示処理部19により、方向オブジェクト37の表示対象を切り替えられたプレイヤキャラクタのキャラクタアイコンに切り替える。
【0051】
ステップS80では、情報処理装置3は、プレイヤによりバトルを終了する操作入力がされたか否かを判定する。操作入力がされていない場合には(ステップS80:NO)、先のステップS30に戻り、同様のステップを繰り返す。一方、操作入力がされた場合には(ステップS80:YES)、本フローを終了する。
【0052】
なお、上述した処理手順は一例であって、上記手順の少なくとも一部を削除又は変更してもよいし、上記以外の手順を追加してもよい。また、上記手順の少なくとも一部の順番を変更してもよいし、複数の手順が単一の手順にまとめられてもよい。
【0053】
<5.情報処理装置のハードウェア構成>
次に、
図13を用いて、上記で説明したCPU101等が実行するプログラムにより実装された各処理部を実現する情報処理装置3のハードウェア構成の一例について説明する。
【0054】
図13に示すように、情報処理装置3は、例えば、CPU101と、ROM103と、RAM105と、GPU106と、例えばASIC又はFPGA等の特定の用途向けに構築された専用集積回路107と、入力装置113と、出力装置115と、記録装置117と、ドライブ119と、接続ポート121と、通信装置123を有する。これらの構成は、バス109や入出力インターフェース111等を介し相互に信号を伝達可能に接続されている。
【0055】
ゲームプログラムは、例えば、ROM103やRAM105、記録装置117等に記録しておくことができる。
【0056】
また、ゲームプログラムは、例えば、フレキシブルディスクなどの磁気ディスク、各種のCD、MOディスク、DVD等の光ディスク、半導体メモリ等のリムーバブルな記録媒体125に、一時的又は永続的(非一時的)に記録しておくこともできる。このような記録媒体125は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することもできる。この場合、これらの記録媒体125に記録されたゲームプログラムは、ドライブ119により読み出されて、入出力インターフェース111やバス109等を介し上記記録装置117に記録されてもよい。
【0057】
また、ゲームプログラムは、例えば、ダウンロードサイト、他のコンピュータ、他の記録装置等(図示せず)に記録しておくこともできる。この場合、ゲームプログラムは、LANやインターネット等のネットワークNWを介し転送され、通信装置123がこのプログラムを受信する。そして、通信装置123が受信したプログラムは、入出力インターフェース111やバス109等を介し上記記録装置117に記録されてもよい。
【0058】
また、ゲームプログラムは、例えば、適宜の外部接続機器127に記録しておくこともできる。この場合、ゲームプログラムは、適宜の接続ポート121を介し転送され、入出力インターフェース111やバス109等を介し上記記録装置117に記録されてもよい。
【0059】
そして、CPU101が、上記記録装置117に記録されたプログラムに従い各種の処理を実行することにより、前述の方向オブジェクト表示処理部19等による処理が実現される。この際、CPU101は、例えば、上記記録装置117からプログラムを、直接読み出して実行してもよく、RAM105に一旦ロードした上で実行してもよい。更にCPU101は、例えば、プログラムを通信装置123やドライブ119、接続ポート121を介し受信する場合、受信したプログラムを記録装置117に記録せずに直接実行してもよい。
【0060】
また、CPU101は、必要に応じて、前述のコントローラ5を含む、例えばマウス、キーボード、マイク等(図示せず)の入力装置113から入力する信号や情報に基づいて各種の処理を行ってもよい。
【0061】
GPU106は、CPU101からの指示に応じて例えばレンダリング処理などの画像表示のための処理を行う。
【0062】
そして、CPU101及びGPU106は、上記の処理を実行した結果を、例えば前述の表示装置7や音声出力部を含む、出力装置115から出力する。さらにCPU101及びGPU106は、必要に応じてこの処理結果を通信装置123や接続ポート121を介し送信してもよく、上記記録装置117や記録媒体125に記録させてもよい。
【0063】
<6.実施形態の効果>
本実施形態のゲームプログラムは、情報処理装置3を、ゲームフィールド23上にマップ画面29を表示するマップ表示処理部15、プレイヤの操作入力に基づいてゲームフィールド23で行動するプレイヤキャラクタ25Aのプレイヤキャラクタアイコン31Aをマップ画面29に表示するキャラクタアイコン表示処理部17、プレイヤキャラクタ25Aの向きを表す方向オブジェクト37をマップ画面29のプレイヤキャラクタアイコン31Aの近傍に表示する方向オブジェクト表示処理部19、として機能させる。
【0064】
本実施形態のゲームでは、プレイヤはマップ画面29を参照しながらゲームフィールド23上のプレイヤキャラクタ25Aを操作する。このとき、例えばマップ画面29で目的地を確認してその方向にプレイヤキャラクタ25Aを移動させようとする場合、プレイヤキャラクタ25Aが現在どの方向を向いているのか分かる場合には、例えばプレイヤキャラクタ25Aが目的地の方向を向いている場合にはそのままの向きで、目的地とは異なる方向の場合には向きを修正して、すぐに移動を開始することができる。しかしながら、プレイヤキャラクタ25Aがどの方向を向いているのか分からない場合には、例えばゲームフィールド23の背景とマップ画面29とを比較して方向を判断したり、とりあえずプレイヤキャラクタ25Aを特定の方向(例えば前方)に移動させてみてマップ画面29上でプレイヤキャラクタアイコン31Aがどの方向に移動するかを確認したりする必要があり、不便である。
【0065】
本実施形態によれば、プレイヤキャラクタ25Aの向きを表す方向オブジェクト37がマップ画面29のプレイヤキャラクタアイコン31Aの近傍に表示されるので、プレイヤはプレイヤキャラクタ25Aがどの方向を向いているのかを容易に認識することができる。したがって、プレイヤはマップ画面29を参照することでプレイヤキャラクタ25Aをゲームフィールド23上で速やかに且つ効率的に行動させることが可能となるので、ゲームの興趣性及び戦略性を向上することができる。
【0066】
また、本実施形態では特に、方向オブジェクト表示処理部19は、ゲームフィールド23におけるプレイヤキャラクタ25Aの向きの変化に基づいてプレイヤキャラクタアイコン31Aの周りを周回するように方向オブジェクト37を表示する。
【0067】
本実施形態においては、プレイヤの操作入力に応じてゲームフィールド23のプレイヤキャラクタ25Aの向きが変化すると、それに対応してマップ画面29の方向オブジェクト37がプレイヤキャラクタアイコン31Aの周囲をリアルタイムに周回動作する。これにより、プレイヤはマップ画面29を参照することで常に変化するプレイヤキャラクタ25Aの向きを把握しつつ臨機応変な行動をとることが可能となる。
【0068】
また、方向オブジェクト37がプレイヤキャラクタアイコン31Aと重ならない(干渉しない)ので、方向オブジェクト37やプレイヤキャラクタアイコン31Aが見にくくなるのを防止でき、マップ画面29の視認性を良好に維持できる。
【0069】
また、本実施形態では特に、ゲームプログラムは、情報処理装置3を、プレイヤの操作入力に基づいてプレイヤキャラクタ25Aを他の味方キャラクタ25B~25Dに切り替えるプレイヤキャラクタ切替処理部21、としてさらに機能させ、キャラクタアイコン表示処理部17は、プレイヤキャラクタに切り替え可能な味方キャラクタ25A~25Dの味方キャラクタアイコン31A~31Dをマップ画面29に表示し、方向オブジェクト表示処理部19は、方向オブジェクト37の表示対象を切り替えられたプレイヤキャラクタのキャラクタアイコンに切り替える。
【0070】
本実施形態では、プレイヤはバトルの実行中の任意のタイミングでプレイヤキャラクタを所望の味方キャラクタに切り替えることができる。これにより、プレイヤは色々なキャラクタを用いてバトルに参加することができるので興趣性を向上できる。またこのとき、プレイヤキャラクタの切り替えに応じて方向オブジェクト37の表示対象も対応するキャラクタアイコンに切り替えられるので、プレイヤはプレイヤキャラクタを切り替えた場合にも当該キャラクタがどの方向を向いているのかを瞬時に判断することができる。
【0071】
また、本実施形態では特に、キャラクタアイコン表示処理部17は、プレイヤキャラクタ25Aの容姿を描写したプレイヤキャラクタアイコン31Aを表示し、方向オブジェクト表示処理部19は、矢印状の方向オブジェクト37をプレイヤキャラクタアイコン31Aの近傍に表示する。
【0072】
仮にマップ画面29においてプレイヤキャラクタのアイコン自体を方向オブジェクト(矢印記号等)として表示した場合、プレイヤはプレイヤキャラクタの向きを把握できる。しかしながら、プレイヤにとってはキャラクタを操作しているという感覚が乏しくなると共に、本実施形態のようにプレイヤキャラクタの切り替えが可能な場合にはプレイヤはどのキャラクタを操作しているのかをマップ画面29上で判別しにくくなる。
【0073】
本実施形態においては、プレイヤキャラクタアイコン31Aをプレイヤキャラクタ25Aの容姿を描写したアイコンとしつつその近傍に矢印状の方向オブジェクト37を表示させる。これにより、プレイヤはキャラクタを操作していることを実感できゲームを楽しめると共に、どのキャラクタを操作しているのかを容姿により容易に判別できる。
【0074】
<7.変形例等>
なお、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0075】
例えば、ゲームの進行状況等に応じて方向オブジェクト37の表示態様を変化させてもよい。例えばプレイヤキャラクタが特定の方向(目的地の方向等)を向いたときに方向オブジェクト37の表示態様を変化させる(色、形状、大きさを変更したり、テキストやアイコンが追加されたり、点滅と点灯を切り替えたり、特定の方向に沿って動作させたり、煌めかせる等)ことにより、プレイヤキャラクタの移動方向を案内する機能を備えてもよい。また、プレイヤキャラクタが目的地に近づいたり到着した際に、上記と同様に方向オブジェクト37の表示態様を変化させてもよい。
【0076】
また、特定の敵キャラクタ(例えばボスキャラ等)に対して方向オブジェクトを表示させてもよい。これにより、プレイヤは当該敵キャラクタの向きを考慮しつつプレイヤキャラクタを移動させたり攻撃をしかけたりすることが可能となるので、戦略性を向上できる。
【0077】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。その他、一々例示はしないが、上記実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0078】
3 情報処理装置
13 バトル実行処理部
15 マップ表示処理部
17 キャラクタアイコン表示処理部(オブジェクトアイコン表示処理部)
19 方向オブジェクト表示処理部
21 プレイヤキャラクタ切替処理部(プレイヤオブジェクト切替処理部)
23 ゲームフィールド
25A~25D 味方キャラクタ
25A,25C プレイヤキャラクタ(プレイヤオブジェクト)
27 敵キャラクタ
29 マップ画面
31A~31D 味方キャラクタアイコン
31A,31C プレイヤキャラクタアイコン(オブジェクトアイコン)
33 敵キャラクタアイコン
37 方向オブジェクト
125 記録媒体