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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-22
(45)【発行日】2022-05-06
(54)【発明の名称】炭素捕捉
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/18 20060101AFI20220425BHJP
   B01D 53/14 20060101ALI20220425BHJP
   B01D 53/38 20060101ALI20220425BHJP
   B01D 53/50 20060101ALI20220425BHJP
   B01D 53/56 20060101ALI20220425BHJP
   B01D 53/64 20060101ALI20220425BHJP
   B01D 53/79 20060101ALI20220425BHJP
   C01B 32/50 20170101ALI20220425BHJP
   C01B 17/60 20060101ALN20220425BHJP
【FI】
B01D53/18 150
B01D53/14 210
B01D53/38 ZAB
B01D53/50 220
B01D53/56
B01D53/64
B01D53/79
C01B32/50
C01B17/60 B
【請求項の数】 30
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018092071
(22)【出願日】2018-05-11
(65)【公開番号】P2018153808
(43)【公開日】2018-10-04
【審査請求日】2020-03-13
(31)【優先権主張番号】201710865004.X
(32)【優先日】2017-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】15/923,128
(32)【優先日】2018-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518104876
【氏名又は名称】チアンナン エンバイロメンタル プロテクション グループ インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(72)【発明者】
【氏名】ルオ チン
(72)【発明者】
【氏名】チー リーファン
(72)【発明者】
【氏名】ワン チンヨン
【審査官】壷内 信吾
(56)【参考文献】
【文献】カナダ国特許出願公開第02971655(CA,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0050651(US,A1)
【文献】国際公開第2011/108086(WO,A1)
【文献】特開昭54-028778(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0195816(US,A1)
【文献】国際公開第2013/088731(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/34-53/73,53/74-53/85,53/92,53/96
B01D 53/14-53/18
C01B 32/00-32/991
C01B 15/00-23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンモニア系脱硫用装置であって、
吸収塔;
酸化構成要素;
吸収循環システム;及び
洗浄循環システム
を含み、前記吸収塔は上方向に向かって連続して、
濃縮区画;
吸収区画;及び
粒子状物質制御区画
を含み、前記区画のそれぞれが複数の噴霧層を含み、前記吸収区画と前記濃縮区画の間に配置されたエレメントが気体のみを通過させ、前記装置が、2ppm以下の二酸化硫黄濃度及び5mg/Nm 以下のダスト濃度を有する吸収後排煙を提供し、前記吸収後排煙がその後炭素捕捉装置に直接供給されるように制御される、装置。
【請求項2】
前記吸収区画が、
第1段;及び
第2段
を含み、
前記吸収循環システムが、
前記第1段の入口及び前記第1段の出口と接続され、第1の流体循環を形成する、第1段吸収循環タンク;及び
前記第2段の入口及び前記第2段の出口と接続され、前記第1の流体循環とは独立した第2の流体循環を形成する、第2段吸収循環タンク
を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記吸収区画が、
第1段;及び
第2段
を含み、
前記吸収循環システムが、
前記第1段の入口及び前記第1段の出口と接続され、第1の流体循環を形成する、第1段吸収循環タンク;及び
前記第2段の入口及び前記第2段の出口と接続され、第2の流体循環を形成する、第2段吸収循環タンク
を含み、
前記吸収塔の外部に、前記第1の流体循環と前記第2の流体循環の間に流体連通を提供しかつ前記第1の流体循環と前記第2の流体循環の間に物質を取り込む流体導管は存在しない、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
排煙のアンモニア系脱硫方法であって、
前記排煙を、吸収塔を通して流すこと、ここで、前記吸収塔は上方向に向かって連続して、
濃縮区画;
吸収区画;及び
粒子状物質制御区画
を含む、こと、
前記排煙に、前記区画のそれぞれにおいて、複数の噴霧層で、アンモニア含有液体を噴霧すること、及び
気体を前記濃縮区画から前記吸収区画に向かって上方に通過させながら、液体が前記吸収区画から前記濃縮区画に向かって下方に通過することを防止すること
を含み、前記方法が、2ppm以下の二酸化硫黄濃度及び5mg/Nm 以下のダスト濃度を有する処理された排煙を提供し、前記処理された排煙がその後炭素捕捉装置に直接供給されるように制御される、方法。
【請求項5】
前記吸収区画が、
第1段;及び
第2段
を含む場合に、
第1段吸収循環タンク及び第2段吸収循環タンクのいずれにおいても、第2の流体循環の吸収循環液体が、第1の流体循環の吸収循環液体と混合しないように、
前記第1段の入口及び前記第1段の出口と接続された前記第1段吸収循環タンクを含む前記第1の流体循環を通して前記吸収循環液体を循環させること;及び
前記第2段の入口及び前記第2段の出口と接続された前記第2段吸収循環タンクを含む前記第2の液体循環を通して前記吸収循環液体を循環させること
をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
アンモニア含有吸収剤を、前記濃縮区の吸収循環液体;前記第1段吸収循環タンクの吸収循環液体;及び前記第2段吸収循環タンクの吸収循環液体のうち1又は複数に添加することをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記吸収塔内に前記排煙を1.5m/秒~3.5m/秒の範囲の空塔ガス速度で流すことをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記濃縮区画の温度を40℃~75℃の範囲に維持することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記粒子状物質制御区画の循環洗浄溶液の温度を30℃~50℃の範囲に維持することをさらに含む、請求項7又は8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記濃縮区画の温度を40℃~75℃の範囲に維持することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項11】
前記粒子状物質制御区画の循環洗浄溶液の温度を30℃~50℃の範囲に維持することをさらに含む、請求項4又は10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
排煙からの硫黄及び炭素の排出を制御する方法であって、
前記排煙からの二酸化硫黄をアンモニア含有液体に吸収させること、ここで、前記吸収は、前記排煙の二酸化硫黄濃度を2ppm以下かつ前記排煙のダスト濃度を5mg/Nm 以下に制御することを含む、こと;及び
前記吸収後、前記排煙を炭素捕捉装置に直接供給すること
を含み、
有機アミンが前記炭素捕捉装置内で前記排煙に適用され、
前記吸収が、請求項1に記載の装置で行われる、方法。
【請求項13】
前記供給が、前記排煙を前記炭素捕捉装置に通す前に、前記排煙をアルカリ脱硫処理、静電デミスト処理、又は硫酸洗浄処理を通過させることを含まない、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記排煙が、3mg/Nm以下のアンモニアスリップを有する状態で、前記供給が、前記排煙を前記炭素捕捉装置に供給することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記排煙が1mg/Nm以下のアンモニアスリップを有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記排煙が2mg/Nm以下のダスト濃度を有する、請求項14又は15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記排煙が1ppm以下の二酸化硫黄濃度を有する、請求項14、15又は16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記吸収において、前記排煙が、前記吸収前に前処理された又は前処理されていない原料である、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記吸収の前に、前記排煙を前処理することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
前記前処理が、
ダスト、
窒素酸化物、
硫黄酸化物、
重金属、及び
これらの2又はそれより多くの組み合わせ
からなる群の要素の1又は複数を除去することを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記吸収の前に、
前記排煙を前処理すること;及び
前記排煙を冷却することを含み、
前記吸収が、前処理した前記排煙をアンモニア系脱硫装置内に向けることにより行われ、ここで、前記排煙が二酸化硫黄濃度及びダスト濃度を有し、
前記脱硫装置内で、前記排煙が、亜硫酸アンモニウム及び硫酸アンモニウムを含み4~6.4の範囲のpHを有する吸収液体で洗浄され、
前記洗浄が、前記二酸化硫黄濃度を2ppm以下に減少させ、前記ダスト濃度を5mg/Nm以下に減少させ、
前記洗浄後、二酸化炭素を前記排煙から除去するために前記供給が行われる、請求項12に記載の方法。
【請求項22】
前記前処理が、前記排煙に含まれる、
ダスト、
窒素酸化物、
硫黄酸化物、
重金属、及び
これらの2又はそれより多くの組み合わせ
からなる群の要素の1又は複数を除去することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記吸収が、前記排煙を、
濃縮循環液体、
吸収循環液体、及び
循環洗浄溶液
の順で接触させることを含み、
前記接触が、
前記吸収循環液体を前記装置内で第1の複数のレベルで噴霧すること、及び
前記循環洗浄溶液を前記装置内で第2の複数のレベルで噴霧することを含み、
前記第1の複数のレベルのうち1つのレベルで、前記吸収循環液体が亜硫酸アンモニウム及び硫酸アンモニウムを含み、
前記第2の複数のレベルのうち1つのレベルで、前記循環洗浄溶液が亜硫酸アンモニウム及び硫酸アンモニウムを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記排煙が上流方向及び下流方向を画定し、
前記第1の複数のレベルのうち前記レベルが上流のレベルであり、
前記第1の複数のレベルのうち前記上流のレベルにおいて、前記吸収循環液体が、
0.3~3重量%の範囲の亜硫酸アンモニウム、及び
6~36重量%の範囲の硫酸アンモニウム
を含み、
5~6.4の範囲のpHを有し、
前記上流のレベルの下流にある、前記第1の複数のレベルの下流のレベルで、前記吸収循環液体の亜硫酸アンモニウム含量が、前記上流のレベルでの亜硫酸アンモニウム含量より小さい、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
第1の複数のレベルで前記吸収循環液体を噴霧することが、上流のレベルと下流のレベルの中間の1より多いレベルで前記吸収循環液体を噴霧することを含み、
前記上流のレベル、前記1より多い中間レベル、及び前記下流のレベルで分注された前記吸収循環液体の亜硫酸アンモニウム含量が、前記下流方向に連続して減少する、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記排煙が上流方向及び下流方向を画定し、
前記第1の複数のレベルのうち前記レベルが上流のレベルであり、
前記第1の複数のレベルのうち前記上流のレベルにおいて、前記吸収循環液体が、
0.3~3重量%の範囲の亜硫酸アンモニウム、及び
6~36重量%の範囲の硫酸アンモニウム
を含み、
5~6.4の範囲のpHを有し、
前記上流のレベルの下流にある、前記第1の複数のレベルの下流のレベルで、吸収循環液体のpHが、前記上流のレベルでの吸収循環液体のpHより小さい、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記第1の複数のレベルの前記下流のレベルでの前記吸収循環液体の亜硫酸アンモニウム含量が、前記上流のレベルでの亜硫酸アンモニウム含量よりも小さい、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
第1の複数のレベルで前記吸収循環液体を噴霧することが、前記上流のレベルと前記下流のレベルの中間の1より多いレベルで前記吸収循環液体を噴霧することを含み、
前記上流のレベル、前記1より多い中間レベル、及び前記下流のレベルでの吸収循環液体のpHが、前記下流方向に連続して減少する、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記上流のレベル、前記1より多い中間レベル、及び前記下流のレベルで分注された前記吸収循環液体の亜硫酸アンモニウム含量が、前記下流方向に連続して減少する、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記第2の複数のレベルのうち1つのレベルでの循環洗浄溶液が、
0.01~1重量%の範囲の亜硫酸アンモニウム、及び
1~38重量%の範囲の硫酸アンモニウム
を含み、
3~5.4の範囲のpH
を有する、請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2017年9月22日に出願された中国特許出願番号201710865004.X、及び2018年3月16日に出願された米国特許出願番号15/923,128の利益を主張し、これらの内容の全体は本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は環境保護技術分野に関し、具体的には、炭素捕捉処理における超清浄アンモニア系脱硫を適用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
地球規模の気候変動に対して、2015年12月に署名されたパリ協定は、気候変動に対し世界的に対応して、産業革命前の時代の水準すなわち2℃未満に地球規模の平均気温の上昇を維持し、そして可能な限りにおいて地球規模の平均気温の上昇を1.5℃未満に維持し、それにより気候変動がもたらす危険及び影響を顕著に低減する、長期的な目標を達成するための取り決めを結んだ。工業生産及び火力発電が炭素排出の主な源であり、電力供給及び暖房に関係する世界的なCO放出は、人為的な全放出量の約25%を占める。
【0004】
したがって、炭素放出低減及び炭素捕捉は検討すべき議題である。炭素放出を低減する合理的な方法は、二酸化炭素を富化及び回収し、次にそれを下流製品の製造、農業用の施肥、石油抽出及び貯蔵に使用して、二酸化炭素の放出を低減することである。
【0005】
一般的なCO濃厚ガス源として、排煙(煙道ガス)、石油化学及び石炭化学の副生成ガス、シフトガス、油田関連ガス、食品発酵ガス、石灰釜ガス、高炉ガス、転炉ガスなどが挙げられ、これらの中でも排煙が最も多くの部分を占めている。しかし、排煙に関しては、その複雑な組成、低い二酸化炭素濃度、及び低圧であることに起因して、適合した排煙前処理及び炭素捕捉装置は高い投資コスト及び高い運転コストを必要とし、工業化及びその後の商業化は困難である。
【0006】
近年、3つの主なタイプの排煙の炭素捕捉方法がある。すなわち、燃焼前捕捉、燃焼後捕捉、及び酸素富化燃焼捕捉である。燃焼後捕捉は主に有機アミン溶液を用い、吸収捕捉又は膜処理を通じて二酸化炭素を捕捉する。中国の火力発電所における大気汚染物質について展開された排出基準である、SO排出濃度35~100mg/Nmは世界で最も厳しいものであるが、二酸化硫黄除去処理を、炭素捕捉に現在世界的に使用されている有機アミン又は他の排煙脱硫処理と組み合わせることにより、SO超清浄排出を達成する場合、通常除去効率の要求に完全には合致しないが高い投資コスト及び高い運転コストを伴うことが一般的であり、大抵の場合第2洗浄脱硫のため苛性ソーダなどのアルカリ性物質を使用することが必要である。しかし、有機アミン溶液に入るガス中の二酸化硫黄などの不純物は有機アミンと反応し、有機アミンの損失をもたらす。排煙中の酸性ガス(CO、NO、及びSO)に対する吸収剤の非特異的選択性は、薬剤のさらなる損失につながり、通常アミノ硫酸塩などの熱的に安定な塩を同時に生成する。液体廃棄物は通常定期的に排出する必要があり、液体廃棄物処理装置を通常設ける必要がある。加えて、SOは吸収剤の分解速度に影響し、吸収エネルギー消費を増加させる。
【0007】
原料として工業的に使用済みのガスを用いた炭素捕捉装置の運転コストと比較して、原料として排煙を用いた炭素捕捉装置の運転コストは通常10~50%増加し、その投資コストは通常15~40%増加し、一般に排煙処理の技術分野において炭素捕捉技術の適用を制約する。
【0008】
前工程の脱硫が完全でないために、製品COに含まれるSOは通常製品の応用分野及び販売価格に影響する。原料について高度な要求のあるいくつかの製品、例えば食品等級二酸化炭素、ポリ(ジメチルカーボネート)及び食品等級重炭酸ナトリウムでは、SO含量が1ppmを超える二酸化炭素は使用できず、そのため我々にできることは、製品二酸化炭素ガスをさらに精製して下流製品の要求に合致させることしかない。二酸化炭素捕捉技術及び応用分析(Carbon Dioxide Capture Technology and Application Analysis)(Gas Purification, No. 6, Vol. 14, 2014)に記載されているように、年間回収能力3000tの石炭火力発電所排煙CO捕捉試験装置が、中国華能集団(Huaneng Group)によって2008年に北京高碑店(Beijing Gaobeidian)火力発電所に設置された。これはMEA吸収技術を使用するものであって、CO回収率は95%超であった。試験装置はCO圧縮ユニット、CO精製ユニット、及びCO濃縮ユニットを備え、CO純度99.997%の食品等級二酸化炭素を供給することができたが、投資コストは大きく、処理フローは複雑で、運転コストは高かった。
【0009】
膜処理も炭素捕捉の従来手段であるが、石炭燃焼による湿潤した脱硫清浄排煙において少量のSOが依然として除去されず、湿潤環境においてSOにより生成する硫酸ミストが膜材料の腐食を容易に引き起こす。膜吸収処理の間、SO分子は一対の非共有孤立電子対を有するために、長鎖炭化水素有機化合物(例えばポリプロピレン及びポリテトラフルオロエチレン材料)上に容易に吸着され、膜材料の性能に影響する。SOはCOと吸着について競争し、膜のCO吸収効率に影響することが見出されている。加えて、脱硫排煙は石膏又は硫酸アンモニウムなどの粒状物質、硫酸ミスト及び不完全に反応した石灰石を含有し、そのため現存するWFGDシステムによって効果的に捕捉することが難しく、膜の二酸化炭素捕捉性能に影響する。
【0010】
中国発明特許出願第201410329675.0号は、石炭燃焼排煙の同時脱硫、脱窒、ダスト除去及び二酸化炭素排出低減の方法を開示しており、主に以下の工程を含む:サイクロンダスト除去、排煙加熱、炭素低減脱硫及び脱窒、2段冷却及び硫黄回収、水及びダスト除去、二酸化炭素捕捉、並びに二酸化炭素加熱及び還元。
【0011】
中国発明特許出願第201410738815.X号は、排煙吸収及び合成装置を用いるアンモニア系排煙炭素捕捉及び化学製品合成の方法を開示しており、アンモニア水溶液を用いて排煙中の二酸化炭素を吸収し同時に重炭酸ナトリウムを製造する。
【0012】
中国発明特許出願第201310070751.6号は、発電所ボイラの排煙中の二酸化炭素を捕捉する方法、及び浄化システムを含むそのための装置を開示しており、浄化システムの出口端は、並列に接続された1又は2より多くの脱硫、脱窒及び水洗浄塔(4)のそれぞれの底部に接続され、これらの塔は脱硫、脱窒及び水洗浄システムを構成し、脱硫、脱窒及び水洗浄塔(4)の頂部は水洗浄区画を備え、水洗浄区画の頂部は水洗浄溶液貯蔵タンク(7)に接続され、脱硫及び脱窒溶液貯蔵タンク(8)に接続された1つの再生タンク(21)は脱硫、脱窒及び水洗浄塔(4)の底部にさらに接続され、脱硫及び脱窒溶液貯蔵タンク(8)は脱硫、脱窒及び水洗浄塔(4)の水洗浄区画の下と連通し、脱硫、脱窒及び水洗浄塔(4)の頂部は前段排煙熱交換器(11a)を通って吸収塔(5)の底部に接続され、吸収塔(5)の頂部は水洗浄区画を備え、吸収塔(5)の水洗浄区画の下は洗浄溶液冷却器(11b)を通って吸収塔洗浄溶液貯蔵タンク(9)と連通し、吸収塔洗浄溶液貯蔵タンク(9)は吸収塔(5)の頂部と連通し、外部流はそれぞれリボイラ(19)、アミン回収ヒータ(15)及び前段排煙熱交換器(11a)と連通し、リボイラ(19)及び再生塔(6)の底部は互いに連通してループを形成し、再生塔(6)の底部はそれぞれアミン回収ヒータ(15)及び貧/富溶液熱交換器(14)に接続され、アミン回収ヒータ(15)はさらにそれぞれ再生塔(6)の中間部及び浄化システムに接続され、再生塔(6)の頂部は連続して富液体熱交換器(16)を通って気液分離器(18)に接続され、吸収塔(5)の底部は連続して富液体熱交換器(16)及び貧/富溶液熱交換器(14)に接続され次に再生塔の頂部に接続され、貧/富溶液熱交換器(14)は貧溶液熱交換器(13)を通って吸収塔(5)の水洗浄区画の下と連通する。処理は依然として炭素捕捉の前に浄化システムを提供することを必要とする。処理フローは複雑で、投資コストは高く、運転コストも高い。
【0013】
中国発明特許出願第201420262823.7号は、酸素富化燃焼システム、ボイラシステム、及び二酸化炭素捕捉システムを含む酸素富化燃焼及び二酸化炭素捕捉システムを開示しており、二酸化炭素捕捉装置は二酸化炭素精製ユニットを含む。
【0014】
中国発明特許出願第201110039363.2号は、二酸化硫黄及び二酸化炭素の常圧アンモニア系捕捉及び吸収システム、及びそのための方法を開示しており、除塵された石炭火力発電所排煙を、その温度が第1熱交換器によって製造処理に必要な温度まで低下するように、通気ファンを通して第1熱交換器に引き込み、次いで、排煙を二酸化硫黄吸収塔にその底部から入れ、二酸化硫黄を捕捉及び吸収可能な希アンモニア水溶液貯蔵タンク内の希アンモニア吸収水溶液を第3ポンプにより二酸化硫黄吸収塔内の第1スプリンクラに圧送し下方に噴霧して硫酸アンモニウム溶液を得て、それを次いで硫酸アンモニウム生成物へと処理し、二酸化硫黄除去処理を行った石炭火力発電所排煙を二酸化炭素吸収塔にその底部から入れ、二酸化炭素を捕捉及び吸収可能な希アンモニア水溶液貯蔵タンク内の希アンモニア吸収水溶液を第4ポンプにより二酸化炭素吸収塔内の第3スプリンクラに圧送し下方に噴霧して、それにより排煙を希アンモニア吸収水溶液と向流接触させて気液二相反応を生じさせて重炭酸アンモニウム溶液を生成し、それを次いで二酸化炭素吸収を通じて重炭酸アンモニウム生成物へと処理する。
【発明の概要】
【0015】
上記開示のいずれも、脱硫後処理の制御パラメータを明示的に開示しておらず、脱硫及び脱炭の効果的な統合を実現してもいない。
【0016】
さらに、典型的な処理フローは複雑で、投資コストは高く、運転コストも高い。前段の浄化効果は最終の炭素捕捉効果に影響する。製品COの付加価値は低い。製品COの用途は一部の下流産業において限られている。
【0017】
したがって、工学的及び技術的研究を通じて脱硫後処理パラメータを明らかにして、脱硫及び脱炭の統合を実現し、炭素捕捉処理に超清浄排煙アンモニア系脱硫技術を適用する方法を開発することが望まれている。これにより、炭素捕捉装置の投資及び運転コストを低減し、最終処理の選択を前段処理に影響されないものとし、製品COの付加価値を高め、製品COの応用分野を広げることができる。
【0018】
本発明の目的及び利点は、全体を通じて同様の参照記号が同様の部分を指している添付の図面と合わせて以下の詳細な説明を考慮することで明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の原理に従う例示的なフローの模式図である。
【0020】
図2】本発明の原理に従う超清浄アンモニア系脱硫装置の例示的な実施形態の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
定義
「アンモニア含有液体」とは、少なくとも1つのアンモニア又はアミン系化合物を含む液体を意味し、アミン系化合物として、以下に限られないが、アンモニウム塩、アンモニウムイオン(NH )、硫酸アンモニウム、亜硫酸アンモニウム及びこれらの組み合わせが挙げられる。液体は水であってもよい。
【0022】
「アンモニアスリップ」とは、気体流の排気と一緒に漏れ出るアンモニア又は1若しくは複数のアンモニア/アミン含有種を意味する。種は気体流に添加されたアンモニア又はアンモニア/アミン含有種に由来する。
【0023】
「ダスト」とは、取り扱い時、処理時、又は接触時に、気体流に沿って漂うのに十分微細な粒子状物質を意味し、以下に限られないが、固体エアロゾル粒子及び液体エアロゾル粒子を含むエアロゾル、すす、炭、不燃焼石炭、微粒鉱物、砂、砂利、塩、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0024】
「排気」とは、工業又は化学処理を出る気体の流れを意味し、以下に限られないが、オーブン、炉、ボイラ、及び/又は発電機からの排煙、テールガス、排ガスが挙げられる。排気は、空気と可燃性材料の燃焼から生じた燃焼生成物、化学処理からの残留物質を含んでもよく、これらとして水、窒素、及び汚染物質例えば粒子状物質、すす、一酸化炭素、窒素酸化物、及び硫黄酸化物などを挙げることができる。1つの処理の排気は、他の処理への気体状材料であってもよい。
【0025】
「噴霧被覆率」はノズル又はノズル配列からの噴霧の発散である。発散が大きいほど噴霧被覆率は大きくなる。
【0026】
「硫黄酸化物又はSO」とは、硫黄及び酸素を含有する化学種を意味し、一酸化硫黄(SO)、二酸化硫黄(SO)、三酸化硫黄(SO)、高級硫黄酸化物(SO及びSO並びにこれらの高分子縮合物)、一酸化二硫黄(SO)、二酸化二硫黄(S)、及び低級硫黄酸化物(S、S、及びS、式中、n及びxは、可能な化学当量的数値である。)などの化合物が挙げられる。
【0027】
本願の他の箇所の上記定義又は記載が、一般に使用されるか、辞書に記載されているか、又は参照により本願に組み込まれた情報に記載されている意味(明示的又は黙示的)と整合しない場合、本願及び特許請求の範囲の用語は特に、一般的な定義、辞書の定義、又は参照により本願に組み込まれたものの定義に従うのではなく、本願の定義又は記載に従う解釈によると理解される。特許請求の範囲の用語が辞書に従い解釈されると理解される場合のみ、Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology, 5th Edition, 2005, (John Wiley & Sons, Inc.)に定義が提供されていればその定義が支配する。
【0028】
本願に開示された全ての範囲及びパラメータは、そこに包含されるあらゆる全ての部分的な範囲、及び端点間の全ての数字を包含すると理解される。例えば、記載された範囲が「1~10」であるときは、最小値1と最大値10の間(両端も含む)のあらゆる全ての部分的範囲、すなわち、1又はそれより大きい最小値(例えば1~6.1)から始まり、10又はそれより小さい最大値(例えば2.3~9.4、3~8、4~7)で終わる全ての部分的範囲、そして範囲内に含まれる各数字1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10を含むものと理解しなければならない。本願中の全ての百分率、比、及び割合は他に特定されていない限り重量による。他に明示的に記載されていない限り、用語「分子量」とは重量平均分子量(Mw)を意味する。
【0029】
アンモニア系脱硫及び脱炭のための装置及び方法が提供される。装置及び方法はアンモニア系脱硫用装置を含んでもよい。装置は吸収塔を含んでもよい。装置は酸化構成要素を含んでもよい。装置は吸収循環システムを含んでもよい。装置は洗浄循環システムを含んでもよい。吸収塔は、上方向に向かって順に:濃縮区画、吸収区画、及び粒子状物質制御区画を含んでもよい。区画のそれぞれは複数の噴霧層を含んでもよい。気体のみを通過させるエレメントを、吸収区画と濃縮区画の間に配置してもよい。
【0030】
吸収区画は第1段を含んでもよい。吸収区画は第2段を含んでもよい。吸収循環システムは、第1段の入口及び第1段の出口と接続され、第1の流体循環を形成する、第1段吸収循環タンクを含んでもよい。吸収循環システムは、第2段の入口及び第2段の出口と接続され、第2の流体循環を形成する第2段吸収循環タンクを含んでもよい。第2の流体循環は第1の流体循環とは独立している。
【0031】
吸収区画は第1段を含んでもよい。吸収区画は第2段を含んでもよい。吸収循環システムは、第1段の入口及び第1段の出口と接続され、第1の流体循環を形成する、第1段吸収循環タンクを含んでもよい。吸収循環システムは、第2段の入口及び第2段の出口と接続され、第2の流体循環を形成する、第2段吸収循環を含んでもよい。吸収循環システムは、吸収塔の外部に、(1)第1の流体循環と第2の流体循環の間に流体連通を提供しかつ(2)第1の流体循環と第2の流体循環の間に物質を取り込まない、流体導管が存在しないように構成されてもよい。
【0032】
方法は排煙からの硫黄及び炭素の排出を制御する方法を含んでもよい。方法は、排煙からの二酸化硫黄をアンモニア含有液体中に吸収させること、吸収後、排煙を炭素捕捉装置に直接供給することを含んでもよい。
【0033】
供給は、排煙を炭素捕捉装置に通す前に、排煙をアルカリ脱硫処理などの処理を通過させることを含まないものであってよい。
【0034】
供給は、排煙を炭素捕捉装置に通す前に、排煙を静電デミスト処理などの処理を通過させることを含まないものであってよい。
【0035】
供給は、排煙を炭素捕捉装置に通す前に、排煙を硫酸洗浄処理などの処理を通過させることを含まないものであってよい。
【0036】
供給は、排煙が、2ppm以下の二酸化硫黄濃度;5mg/Nm以下のダスト濃度;及び3mg/Nm以下のアンモニアスリップを有する状態で、排煙を炭素捕捉装置に供給することを含んでもよい。
【0037】
排煙は1mg/Nm以下のアンモニアスリップを有してもよい。
【0038】
排煙は2mg/Nm以下のダスト濃度を有してもよい。
【0039】
排煙は1mg/Nm以下のアンモニアスリップを有してもよい。
【0040】
排煙は1ppm以下の二酸化硫黄濃度を有してもよい。
【0041】
吸収において、排煙は、吸収前に前処理されていない原料を含んでもよい。
【0042】
吸収において、排煙は、吸収前に前処理された排煙を含んでもよい。
【0043】
方法は、アンモニア系排煙脱硫方法を含んでもよい。方法は、排煙を吸収塔を通して流すことを含んでもよい。方法は排煙を酸化構成要素を通して流すことを含んでもよい。方法は排煙を吸収循環システムを通して流すことを含んでもよい。方法は排煙を洗浄循環システムを通して流すことを含んでもよい。吸収塔は上方向に向かって順に、濃縮区画;吸収区画;及び粒子状物質制御区画を含んでもよい。
【0044】
方法は、排煙に、区画のそれぞれにおいて、複数の噴霧層で、アンモニア含有液体を噴霧することを含んでもよい。方法は、気体を濃縮区画から吸収区画に向かって上方に通過させながら、液体が吸収区画から濃縮区画に向かって下方に通過することを防止することを含んでもよい。
【0045】
吸収区画は第1段及び第2段を含んでもよい。方法は、第1段の入口及び第1段の出口と接続された第1段吸収循環タンクを含む第1の液体循環を通して吸収循環液体を循環させることを含んでもよい。方法は、第2段の入口及び第2段の出口と接続された第2段吸収循環タンクを含む第2の液体循環を通して吸収循環液体を循環させることを含んでもよい。循環は、第1段吸収循環タンク及び第2段吸収循環タンクのいずれにおいても、第2の流体循環の吸収循環液体が、第1の流体循環の吸収循環液体と混合しないように配置されてもよい。
【0046】
方法は、アンモニア含有吸収剤を濃縮区画の吸収循環液体に添加することを含んでもよい。
【0047】
方法は、アンモニア含有吸収剤を第1段吸収循環タンクの吸収循環液体に添加することを含んでもよい。
【0048】
方法は、アンモニア含有吸収剤を第2段吸収循環タンクの吸収循環液体に添加することを含んでもよい。
【0049】
方法は、アンモニア含有吸収剤を酸化構成要素の吸収循環液体に添加することを含んでもよい。
【0050】
方法は、吸収塔内に排煙を1.5m/秒~3.5m/秒の範囲の空塔ガス速度で流すことを含んでもよい。
【0051】
方法は、濃縮区画の温度を40℃~75℃の範囲に維持することを含んでもよい。
【0052】
方法は、粒子状物質制御区画の循環洗浄溶液の温度を30℃~50℃の範囲に維持することを含んでもよい。
【0053】
方法は、粒子状物質制御区画の循環洗浄溶液の温度を30℃~50℃の範囲に維持すること、及び濃縮区画の温度を40℃~75℃の範囲に維持することを含んでもよい。
【0054】
方法は、吸収塔内に排煙を1.5m/秒~3.5m/秒の範囲の空塔ガス速度で流すこと、粒子状物質制御区画の循環洗浄溶液の温度を30℃~50℃の範囲に維持すること、及び濃縮区画の温度を40℃~75℃の範囲に維持することを含んでもよい。
【0055】
方法は、吸収塔内に排煙を1.5m/秒~3.5m/秒の範囲の空塔ガス速度で流すこと、及び粒子状物質制御区画の循環洗浄溶液の温度を30℃~50℃の範囲に維持することを含んでもよい。
【0056】
方法は、吸収塔内に排煙を1.5m/秒~3.5m/秒の範囲の空塔ガス速度で流すこと、及び濃縮区画の温度を40℃~75℃の範囲に維持することを含んでもよい。
【0057】
方法は、吸収前に排煙を前処理することを含んでよい。前処理は、ダストを排煙から除去することを含んでもよい。前処理は、窒素酸化物を排煙から除去することを含んでもよい。前処理は、排煙を部分的に脱硫することを含んでもよい。前処理は、重金属を排煙から除去することを含んでもよい。前処理は、ダスト、窒素酸化物、硫黄酸化物、重金属、及びこれらの2又はそれより多くの組み合わせからなる群の要素の1又は複数を除去することを含んでもよい。
【0058】
方法は、吸収の前に、(a)排煙を前処理して排煙中のダストの一部又は全て、窒素酸化物の一部又は全て、及び/又は重金属の一部又は全てを除去すること、及び(b)排煙を冷却すること、及び(c)前処理した排煙をアンモニア系脱硫装置内に向けて吸収を行うことを含んでもよく、排煙は二酸化硫黄濃度及びダスト濃度を有する。方法は、脱硫装置内で、排煙を、亜硫酸アンモニウム及び硫酸アンモニウムを含み4~6.4の範囲のpHを有する吸収液体で洗浄することを含んでもよい。方法は、洗浄後、供給を行って、二酸化炭素を排煙から除去することを含んでもよい。洗浄は、二酸化硫黄濃度を2ppm以下に減少させ、ダスト濃度を5mg/Nm以下に減少させることを含んでもよい。
【0059】
吸収は、排煙を、濃縮循環液体、吸収循環液体、及び循環洗浄溶液の順で接触させることを含んでもよい。接触は、吸収循環液体を装置内で第1の複数のレベルで噴霧することを含んでもよい。第1の複数のレベルのうち1つのレベルで、吸収循環液体が亜硫酸アンモニウム及び硫酸アンモニウムを含んでもよい。接触は、循環洗浄溶液を装置内で第2の複数のレベルで噴霧することを含んでもよい。第2の複数のレベルのうち1つのレベルで、循環洗浄溶液が亜硫酸アンモニウム及び硫酸アンモニウムを含んでもよい。
【0060】
排煙は上流方向及び下流方向を画定してもよい。第1の複数のレベルのうち前記レベルが上流のレベルであってもよい。第1の複数のレベルのうち上流のレベルにおいて、吸収循環液体が、0.3~3重量%の範囲の亜硫酸アンモニウムを含んでもよい。第1の複数のレベルのうち上流のレベルにおいて、吸収循環液体が、6~36重量%の範囲の硫酸アンモニウムを含んでもよい。第1の複数のレベルのうち上流のレベルにおいて、吸収循環液体が、5~6.4の範囲のpHを有してもよい。上流のレベルの下流にある、第1の複数のレベルの下流のレベルで、吸収循環液体の亜硫酸アンモニウム含量が、上流のレベルでの亜硫酸アンモニウム含量より小さくてもよい。
【0061】
第1の複数のレベルで吸収循環液体を噴霧することが、上流のレベルと下流のレベルの中間の1より多いレベルで吸収循環液体を噴霧することを含んでもよい。上流のレベル、1より多い中間レベル、及び下流のレベルで分注された吸収循環液体の亜硫酸アンモニウム含量が、下流方向に連続して減少してもよい。
【0062】
排煙が上流方向及び下流方向を画定してもよい。第1の複数のレベルのうち前記レベルが上流のレベルであってよい。第1の複数のレベルのうち上流のレベルにおいて、吸収循環液体が、0.3~3重量%の範囲の亜硫酸アンモニウムを含んでもよい。第1の複数のレベルのうち上流のレベルにおいて、吸収循環液体が、6~36重量%の範囲の硫酸アンモニウムを含んでもよい。第1の複数のレベルのうち上流のレベルにおいて、吸収循環液体が、5~6.4の範囲のpHを有してもよい。上流のレベルの下流にある、第1の複数のレベルの下流のレベルで、吸収循環液体のpHが、上流のレベルでの吸収循環液体のpHより小さくてもよい。
【0063】
第1の複数のレベルの下流のレベルでの吸収循環液体の亜硫酸アンモニウム含量が、上流のレベルでの亜硫酸アンモニウム含量よりも小さくてもよい。
【0064】
第1の複数のレベルで吸収循環液体を噴霧することが、上流のレベルと下流のレベルの中間の1より多いレベルで吸収循環液体を噴霧することを含んでもよい。上流のレベル、1より多い中間レベル、及び下流のレベルでの吸収循環液体のpHが、下流方向に連続して減少してもよい。上流のレベル、1より多い中間レベル、及び下流のレベルで分注された吸収循環液体の亜硫酸アンモニウム含量が、下流方向に連続して減少してもよい。
【0065】
第2の複数のレベルのうち1つのレベルでの循環洗浄溶液が、0.01~1重量%の範囲の亜硫酸アンモニウムを含んでもよい。第2の複数のレベルのうち1つのレベルでの循環洗浄溶液が、1~38重量%の範囲の硫酸アンモニウムを含んでもよい。第2の複数のレベルのうち1つのレベルでの循環洗浄溶液が、3~5.4の範囲のpHを有してもよい。
【0066】
本発明者らは、超清浄アンモニア系脱硫後、二酸化硫黄濃度を2pp以下に制御し、ダスト濃度を5mg/Nm以下に制御したときに、炭素捕捉装置が最高のコストパフォーマンスを有することを見出した。データの一部を表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】
表1から分かるように、二酸化硫黄濃度を2ppm以下に制御し、ダスト濃度を5mg/Nm以下に制御すると、吸収剤の損失率は目標値1%未満まで低下し、製品二酸化炭素中のSO含量も追加の精製ユニットの提供を必要とせずに下流製品の要求に合致させることができる。
【0069】
以下は本発明の原理に従った例示的な実施態様である。
【0070】
1.炭素捕捉処理において超清浄アンモニア系脱硫技術を適用する方法であって、超清浄アンモニア系脱硫後の排煙は、その後の処理のための炭素捕捉装置に直接供給されて脱硫と脱炭の統合が実現される、方法。
2.前記1の方法であって、超清浄アンモニア系脱硫後の排煙において、二酸化硫黄濃度は2ppm以下、例えば1ppm以下であり、ダスト濃度は5mg/Nm以下、例えば2mg/Nm以下であり、アンモニアスリップは3mg/Nm以下、例えば1mg/Nm以下である、方法。
3.前記1の方法であって、二酸化硫黄含有ガスを超清浄アンモニア系脱硫装置に直接導入して二酸化硫黄を除去し、次いで、その後の処理のための炭素捕捉装置に供給する、あるいは前処理後の二酸化硫黄含有ガスを超清浄アンモニア系脱硫装置に導入して二酸化硫黄を除去し、次いで、超清浄アンモニア系脱硫装置により処理された排煙をその後の処理のための炭素捕捉装置に直接供給する、方法。
4.前記3の方法であって、前処理は、ダスト除去、脱窒、脱硫、及び重金属除去の1又は複数を含む、方法。
5.前記1の方法であって、
(A)排煙流を前処理して排煙流中に含まれるダストの一部又は全て、窒素酸化物の一部又は全て、及び/又は重金属の一部又は全てを除去し、排煙流を冷却して、前処理した排煙流を提供する工程;
(B)工程(A)からの前処理した排煙流を超清浄アンモニア系脱硫装置内に供給すること、ここで、排煙流を、亜硫酸アンモニウム及び硫酸アンモニウムを含み4~6.4のpHを有する吸収液体で洗浄して、排煙流に含まれるSOの一部又は全て、及びダストの一部又は全てを除去して、二酸化硫黄濃度が2ppm以下でありダスト濃度が5mg/Nm以下である処理された排煙流を提供する工程;及び
(C)工程(B)からの処理された排煙流を炭素捕捉装置内に供給して、排煙中に存在する二酸化炭素の一部又は全てを除去する工程
を含む、方法。
6.前記5の方法であって、工程(B)において、吸収、酸化、濃縮及び粒子状物質制御の相乗的制御を実現するために、排煙流を濃縮循環液体、吸収循環液体、及び循環洗浄溶液に連続して接触させ、ここで、吸収循環液体は複数のレベルを有し、その1つ又は複数は亜硫酸アンモニウム及び硫酸アンモニウムを含み、循環洗浄溶液は複数のレベルを有し、その1つ又は複数は亜硫酸アンモニウム及び硫酸アンモニウムを含む、方法。
7.前記6の方法であって、1又は複数のレベルの吸収循環液体が、0.3~3重量%の亜硫酸アンモニウム、及び6~36重量%の硫酸アンモニウムを含み、5~6.4のpH値を有し、排煙の流れ方向に沿って、吸収循環液体の個々のレベルの亜硫酸アンモニウム含量が連続して減少する、及び/又は吸収循環液体の個々のレベルのpH値が連続して減少する、方法。
8.前記6の方法であって、1又は複数のレベルの循環洗浄溶液が、0.01~1重量%の亜硫酸アンモニウム、及び1~38重量%の硫酸アンモニウムを含み、3~5.4のpH値を有する、方法。
9.前記1~8のいずれかの方法であって、超清浄アンモニア系脱硫用装置が、吸収塔、酸化装置、吸収循環装置、及び洗浄循環装置を含み、吸収塔は、底部から頂部に連続して配置された濃縮区画、吸収区画、及び粒子状物質制御区画を含み、濃縮区画、吸収区画、及び粒子状物質制御区画はそれぞれ複数の噴霧層を備え、気体のみを通過させる装置/部品が吸収区画と濃縮区画の間に設けられている、方法。
10.前記9の方法であって、吸収区画が2段で提供され、吸収循環装置が、2段の吸収区画の入口及び出口とそれぞれ接続されて、互いに独立した2段の吸収循環を形成する、第1段吸収循環タンク及び第2段吸収循環タンクである、方法。
11.前記10の方法であって、アンモニア含有吸収剤を、濃縮区画、第1段吸収循環タンク、第2段吸収循環タンク及び酸化装置を含む複数の箇所から添加する、方法。
12.前記9の方法であって、吸収塔の空塔ガス速度は1.5m/秒~3.5秒/mであり、及び/又は濃縮区画の運転温度は40℃~75℃であり、及び/又は循環洗浄溶液の温度は30℃~50℃である、方法。
【0071】
装置及び方法は、超清浄アンモニア系脱硫技術を炭素捕捉処理に適用する方法を含んでもよく、ここで、超清浄アンモニア系脱硫後の排煙はその後の処理のための炭素捕捉装置に直接供給される。この方法は、脱硫と脱炭の統合を実現することができ、炭素捕捉のための投資及び運転コストを大幅に低減することができ、炭素捕捉装置の製品COの品質及び付加価値を高めることができ、したがって、炭素捕捉後の排ガスの超清浄排出を達成することができる。
【0072】
いくつかの実施形態では、二酸化硫黄濃度が2ppm以下でありダスト濃度が5mg/Nm以下である超清浄アンモニア系脱硫後の排煙を、その後の処理のための炭素捕捉装置に直接供給する。いくつかの実施形態では、超清浄アンモニア系脱硫後の排煙中の、二酸化硫黄濃度は2ppm以下、例えば1ppm以下であり、ダスト含量は5mg/Nm以下、例えば2mg/Nm以下であり、アンモニアスリップは3mg/Nm以下、例えば1mg/Nm以下である。そのような(超清浄アンモニア系脱硫後の)排煙をその後の処理のための炭素捕捉装置に直接供給することにより、その後の炭素の投資及び運転コストを低減することができ、操業安定性を改善することができる。
【0073】
方法におけるその後の炭素捕捉処理の例として、化学吸収、物理吸収、吸着、凍結、圧縮、凝縮などが挙げられる。
【0074】
いくつかの実施形態では、排煙を前処理後に超清浄アンモニア系脱硫装置に導入して二酸化硫黄を除去し、次いで、その後の処理のための炭素捕捉装置に供給してもよい。前処理は、ダスト除去、脱窒、脱硫、及び重金属除去の1又は複数を含んでもよい。
【0075】
本発明の原理によれば、アンモニア系脱硫装置と炭素捕捉装置の間に追加の気体精製ユニットを提供する必要はない。
【0076】
いくつかの実施形態では、方法は、
(A)排煙流を前処理して排煙流中に含まれるダストの一部又は全て、窒素酸化物の一部又は全て、及び/又は重金属の一部又は全てを除去し、排煙流を冷却して、前処理した排煙流を提供すること;
(B)工程Aからの前処理した排煙流を超清浄アンモニア系脱硫装置内に供給すること、ここで、排煙流を、亜硫酸アンモニウム及び硫酸アンモニウムを含み4~6.4のpHを有する吸収液体で洗浄して、排煙流に含まれるSOの一部又は全て、及びダストの一部又は全てを除去して、二酸化硫黄濃度が2ppm以下でありダスト濃度が5mg/Nm以下である処理された排煙流を提供すること;及び
(C)工程Bからの処理された排煙流を炭素捕捉装置内に供給して、排煙中に存在する二酸化炭素の一部又は全てを除去すること、
の1つ又は複数を含んでもよい。
【0077】
いくつかの実施形態では、工程Bにおいて、吸収、酸化、濃縮及び粒子状物質制御の相乗的制御を実現するために、予め精製した排煙を濃縮循環液体、吸収循環液体、及び粒子状物質洗浄循環液体に連続して接触させる。ここで、吸収循環液体は複数のレベルを有し、その1つ又は複数は亜硫酸アンモニウム及び硫酸アンモニウムを含み、循環洗浄溶液は複数のレベルを有し、その1つ又は複数は亜硫酸アンモニウム及び硫酸アンモニウムを含む。
【0078】
いくつかの実施形態では、1又は複数のレベルの吸収循環液体は、0.3~3%の亜硫酸アンモニウム、及び6~36%の硫酸アンモニウムをpH5~6.4で含んでもよく、排煙の流れ方向に沿って、吸収循環液体の個々のレベルの亜硫酸アンモニウム含量が連続して減少してもよく、及び/又は吸収循環液体の個々のレベルのpH値が連続して減少してもよい。
【0079】
いくつかの実施形態では、1又は複数のレベルの循環洗浄溶液は、0.01~1%の亜硫酸アンモニウム、及び1~38%の硫酸アンモニウムを含んでもよく、3~5.4のpHを有してもよい。
【0080】
いくつかの実施形態では、超清浄アンモニア系脱硫のための措置は、吸収塔、酸化装置、吸収循環装置、及び洗浄循環装置を含んでもよい。吸収塔は、底部から頂部に連続して配置された濃縮区画、吸収区画、及び粒子状物質制御区画を含んでもよい。濃縮区画、吸収区画、及び粒子状物質制御区画のそれぞれは、複数の噴霧層を備えてもよく、気体のみを通過させる装置/部品を吸収区画と濃縮区画の間に設けてもよい。
【0081】
いくつかの実施形態では、吸収区画は2段で設けられてよく、吸収循環装置は、第1段吸収循環タンク及び第2段吸収循環タンクを含んでもよく、これらはそれぞれ2段の吸収区画の入口及び出口と接続されて、互いに独立した2段の吸収循環を形成してもよい。
【0082】
いくつかの実施形態では、気体のみを通過させる装置/部品を、適宜、吸収区画と粒子状物質制御区画の間に設けてもよい。
【0083】
いくつかの実施形態では、気体のみを通過させる装置/部品を、適宜、吸収区画及び粒子状物質制御区画内に設けてもよい。
【0084】
いくつかの実施形態では、酸化装置は、溶液組成制御の要求に従って層的又は区画的に構成することができる。吸収循環液体を、酸化装置の1又は複数の層/区画において酸素含有気体により酸化してもよく、そこに含まれる亜硫酸塩若しくはエステル又は亜硫酸水素塩若しくはエステルの一部又は全てを硫酸塩若しくはエステル又は亜硫酸水素塩若しくはエステルに酸化してもよい。
【0085】
アンモニア含有吸収剤は、液体アンモニア、アンモニア水溶液、及び気体アンモニアの1又は複数を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アンモニア含有吸収剤を、1又は複数の箇所から添加してもよく、添加箇所として濃縮区画、第1段吸収循環タンク、第2段吸収循環タンク、及び酸化装置が挙げられる。
【0086】
いくつかの実施形態では、超清浄アンモニア系脱硫装置の処理フローは次のとおりである。排煙を濃縮区画から入れ、冷却し、濃縮区画内の濃縮循環液体により洗浄し、同時に濃縮循環液体の濃度を増加させ、又はさらに結晶を生成させる。次に、排煙を吸収区画内の吸収循環液体により洗浄脱硫し、連続して粒子状物質制御区画内の循環洗浄溶液により粒子状物質を除去し、次いで排出する。濃縮区画内の濃縮循環液体を循環洗浄溶液から補充し、吸収循環液体を循環洗浄溶液及び/又はプロセス水により補充する。吸収循環液体の一部を酸化システム内で酸化し、酸化液体を濃縮区画、吸収循環タンク、及び粒子状物質制御区画に配管を通してそれぞれ供給する。プロセス水を粒子状物質制御区画から補充する。
【0087】
いくつかの実施形態では、吸収塔内の排煙の空塔ガス速度を1.5m/秒~3.5m/秒としてもよい。
【0088】
いくつかの実施形態では、濃縮区画の運転温度を40℃~75℃としてもよい。
【0089】
いくつかの実施形態では、循環洗浄溶液の温度を30℃~50℃としてもよい。
【0090】
いくつかの実施形態では、吸収区画の各段の液体/気体比を1L/m以上としてもよく、噴霧被覆率を130%以上としてもよく、吸収区画の全噴霧被覆率を300%以上としてもよい。
【0091】
いくつかの実施形態では、粒子状物質制御区画の各段の液体/気体比を0.8L/m以上としてもよく、噴霧被覆率を110%以上としてもよく、粒子状物質制御区画の全噴霧被覆率を300%以上としてもよい。
【0092】
いくつかの実施形態では、デミスタの複数の層を、任意に、吸収区画の頂部及び粒子状物質制御区画の頂部にそれぞれ設けてもよい。デミスタは、波板、フィラー、バッフル板、リッジ、スクリーン又はこれらの組み合わせから選択してもよい。
【0093】
本明細書に記載した装置及び方法は例示的である。本発明による装置及び方法を、本開示の一部を構成する図面と関連させてこれから記載する。図面は、本発明の原理に従う装置及び方法の工程の例示的な特徴を示す。他の実施形態も利用することができ、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく構造的、機能的、及び手順的な変更を行うことができると理解すべきである。
【0094】
方法の工程は、本明細書に示された及び/又は記載された順番以外の順番で行ってもよい。実施形態は、例示的な方法に関連して示された及び/又は記載された工程を省略してもよい。実施形態は、例示的な方法に関連して示されていない又は記載されていない工程を含んでもよい。例示的な方法の工程を組み合わせてもよい。例えば、1つの例示的な方法は、他の例示的な方法に関連して示された工程を含んでもよい。
【0095】
いくつかの装置は、例示的な装置に関連して示された及び/又は記載された特徴を省略してもよい。実施形態は、例示的な方法に関連して示されていない又は記載されていない特徴を含んでもよい。例示的な装置の特徴を組み合わせてもよい。例えば、1つの例示的な実施形態は、他の例示的な実施形態に関連して示された特徴を含んでもよい。
【0096】
図1及び2と関連して装置及び方法をこれから記載する。図1に示すように、排煙3を、前処理ユニット26により冷却、脱窒及びダスト除去してもよく、次に脱硫及びダスト除去のための超清浄アンモニア系脱硫装置に入れてもよく、次いで、処理された排煙をその後の処理のための炭素捕捉装置20に直接供給してもよい。
【0097】
特に、図2に示すように、排煙3を、吸収、酸化、濃縮、及び粒子状物質制御のため、連続して濃縮循環液体28、吸収循環液体7、及び循環洗浄溶液15と接触させてもよい。このとき、吸収循環液体7は、両方とも亜硫酸アンモニウム及び硫酸アンモニウムを含む2つのレベルで提供されてもよく、循環洗浄溶液15は、最初の3つのレベルは亜硫酸アンモニウム及び硫酸アンモニウムを含み、最後の1つはプロセス水である、4つのレベルで提供されてもよい。
【0098】
いくつかの実施形態では、第1のレベルの吸収循環液体7は、約0.7%の亜硫酸アンモニウム、及び約25%の硫酸アンモニウムを含んでもよく、約6.3のpHを有してもよく、第2のレベルの吸収循環液体7は、組成に関して、約0.4%の亜硫酸アンモニウム、及び約25%の硫酸アンモニウムを含んでもよく、約5.5のpHを有してもよい。
【0099】
いくつかの実施形態では、第1のレベルの粒子状物質洗浄循環溶液15は、約0.1%の亜硫酸アンモニウム、及び約27%の硫酸アンモニウムを含んでもよく、約4.2のpHを有してもよい。
【0100】
いくつかの実施形態では、超清浄アンモニア系脱硫装置は、吸収塔1、酸化装置2、第1段吸収循環タンク16、第2段吸収循環タンク25、洗浄循環タンクA/B(29及び30)、及び硫酸アンモニウム後処理システム24を含んでよい。吸収塔は、底部から頂部に連続して配置された、濃縮区画4、吸収区画5、及び粒子状物質制御区画6を含んでよい。濃縮区画4、吸収区画5、及び粒子状物質制御区画6はそれぞれ複数の噴霧層を備えてよく、気体のみを通過させる装置/部品を吸収区画5と濃縮区画4の間に設けてもよい。吸収区画は吸収のため2段で設けられてよい。第1段吸収循環タンク16及び第2段吸収循環タンク25はそれぞれ吸収区画の2段の入口及び出口と接続されて、互いに独立した2段の吸収循環を形成してもよい。気体のみを通過させる気液分離器b18を、吸収区画5の第1段吸収と第2段吸収の間、並びに粒子状物質制御区画6の第1段噴霧と第2段噴霧の間及び第3段噴霧と第4段噴霧の間に設けてもよい。気体のみを通過させる気液分離器a17を、吸収区画5と粒子状物質制御区画6の間に設けてもよい。アンモニア含有吸収剤は、濃縮区画4、第1段吸収循環タンク16、第2段吸収循環タンク25、及び酸化装置2を含む複数箇所から添加される。
【0101】
装置の例示的な処理フローは次のとおりである。排煙を吸収塔1の濃縮区画4から入れ、冷却し、濃縮区画4内の濃縮循環液体により洗浄し、同時に濃縮循環液体の濃度を増加させ、又はさらに結晶を生成させる。次に、排煙を吸収区画5内の吸収循環液体7により洗浄脱硫し、連続して粒子状物質制御区画6内の循環洗浄溶液15により粒子状物質を除去し、次いで排出する。濃縮区画4内の濃縮循環液体を循環洗浄溶液15から補充し、吸収循環液体7を循環洗浄溶液15及び/又はプロセス水23により補充する。吸収循環液体7の一部を第1段吸収循環タンク16から酸化のための酸化装置2内に供給し、酸化液体を濃縮区画4、第1段吸収循環タンク16及び粒子状物質洗浄区画6に配管を通してそれぞれ供給する。プロセス水23を粒子状物質制御区画6から補充する。吸収塔1の空塔ガス速度は2.35m/秒であり、濃縮区画4の運転温度は50℃~60℃であり、循環洗浄溶液15の温度は45℃であってよい。
【0102】
清浄排煙中のアンモニアスリップは0.3mg/Nmであってもよい。
【0103】
排煙冷却は排熱回収及び空冷を含んでもよい。
【0104】
超清浄アンモニア系脱硫後の排煙において、二酸化硫黄含量を5mg/Nm以下とすることができ、ダスト含量を4.5mg/Nm以下とすることができ、アンモニアスリップを0.3mg/Nm以下とすることができる。
【0105】
超清浄アンモニア系脱硫後の排煙を、その後の炭素捕捉処理プロセスに直接供給することができる。炭素捕捉処理プロセスは、モノエタノールアミン(MEA)などの有機アミンを用いた炭化を含んでもよい。
【0106】
従来のアンモニア系脱硫及びアンモニア系炭素捕捉装置と比較して、本装置及び本方法を用いると投資コストを20%低減することができ、運転コストを15%低減することができ、有機アミン脱硫及び有機アミン炭素捕捉装置と比較して、投資コストを45%低減することができ、運転コストを11%低減することができる。
【実施例
【0107】
以下の例は例示的である。
例1
この例は、排煙処理における超清浄アンモニア系脱硫技術の使用を説明し、生成した処理排煙は炭素捕捉のための炭素捕捉ユニットに直接供給された。
【0108】
超清浄アンモニア系脱硫技術において、排煙3は、前処理ユニット26により、冷却、脱窒、ダスト除去及び重金属除去され、超清浄アンモニア系脱硫装置により脱硫及びダスト除去され、次にその後の処理のためのアンモニア系炭素捕捉装置20に直接供給され、そこでアンモニアにより二酸化炭素が吸収されて重炭酸アンモニウムを生成した。
【0109】
超清浄アンモニア系脱硫装置は、吸収塔1、酸化装置2、第1段吸収循環タンク16、第2段吸収循環タンク25、洗浄循環タンクA/B(29及び30)、及び硫酸アンモニウム後処理システム24を含んでいた。吸収塔は、底部から頂部に連続して配置された、濃縮区画4、吸収区画5、及び粒子状物質制御区画6を含んでいた。濃縮区画4、吸収区画5、及び粒子状物質制御区画6はそれぞれ3層、4層及び5層の噴霧層を備え、気体のみを通過させる気液分離器b18が吸収区画5と濃縮区画4の間に設けられていた。
【0110】
吸収区画は吸収のため2段で設けられ、第1段吸収循環タンク16及び第2段吸収循環タンク25はそれぞれ吸収区画の2段の入口及び出口と接続されて、互いに独立した2段の吸収循環を形成し、吸収区画の各段は2つの噴霧層を含んでいた。
【0111】
吸収塔の全断面積を覆う1つの気液分離器a17を吸収区画5の内部に設け、吸収塔の全断面積を覆う2つの気液分離器a17を粒子状物質制御区画6の内部に設けた。
【0112】
気体のみを通過させる気液分離器b18を吸収区画5と粒子状物質制御区画6の間に設けた。
【0113】
アンモニア含有吸収剤は15%アンモニア水溶液であり、濃縮区画4、第1段吸収循環タンク16及び第2段吸収循環タンク25から添加されて、生成物硫酸アンモニウムの品質及びSOの吸収効率を担保した。
【0114】
超清浄アンモニア系脱硫装置において、前処理した排煙を濃縮循環液体28、吸収循環液体7、及び循環洗浄溶液15に連続して接触させた。このとき、2つのレベルの吸収循環液体7の両方は亜硫酸アンモニウム及び硫酸アンモニウムを含み、循環洗浄溶液15は4つのレベルで提供され、最初の3つのレベルは亜硫酸アンモニウム及び硫酸アンモニウムを含み、最後の1つはプロセス水であった。
【0115】
第1のレベルの吸収循環液体7は、0.6%の亜硫酸アンモニウム、及び24.3%の硫酸アンモニウムを含み、5.9のpHを有しており、第2のレベルの吸収循環液体7は、0.2%の亜硫酸アンモニウム、及び24.4%の硫酸アンモニウムを含み、5.3のpHを有していた。
【0116】
第1のレベルの粒子状物質洗浄循環溶液15は、0.2%の亜硫酸アンモニウム、及び26.3%の硫酸アンモニウムを含み、4.35のpHを有していた。
【0117】
装置の処理フローは次のとおりであった。排煙を吸収塔1の濃縮区画4から入れ、冷却し、濃縮区画4内の濃縮循環液体により洗浄し、同時に濃縮循環液体の濃度を増加させ、塔内で結晶を生成した。次に、排煙を吸収区画5内の吸収循環液体7により洗浄脱硫し、連続して粒子状物質制御区画6内の循環洗浄溶液15により粒子状物質を除去し、次いで排出した。濃縮区画4内の濃縮循環液体を循環洗浄溶液15から補充し、吸収循環液体7を循環洗浄溶液15及びプロセス水23により補充した。18%の第1のレベルの吸収循環液体7を第1段吸収循環タンク16から酸化のための酸化装置2内に供給し、酸化液体を濃縮区画4、第1段吸収循環タンク16及び粒子状物質洗浄区画6に配管を通して10:15:75の比でそれぞれ供給した。プロセス水23を粒子状物質制御区画6から補充した。吸収塔1の空塔ガス速度は2.22m/秒であった。濃縮区画4の運転温度は55℃であった。循環洗浄溶液15の温度は48℃であった。
【0118】
排煙流、温度、圧力、二酸化硫黄含量、窒素酸化物含量、含水量及び水銀含量を監視するため、入口CEMS27を排ガス3の入口配管に設けた。
【0119】
超清浄アンモニア系脱硫装置に入れる前に、排煙3を冷却、脱窒、ダスト除去、重金属除去などのため前処理ユニット26に供給した。冷却は排熱回収及び軟水前加熱を含み、脱窒処理は選択的触媒的還元(「SCR」)脱窒であり、ダスト除去処理は静電ダスト除去であり、重金属除去処理は活性炭吸着であった。
【0120】
例1の実施効果
装置中、排煙流は370,000Nm/hとなるように設計され、SO濃度は3,200mg/Nmとなるように設計され、合計ダスト濃度は19.8mg/Nmとなるように設計された。
【0121】
試験中、清浄排煙中にSOは2.6mg/Nm、合計ダスト(エアロゾル含む)は0.75mg/Nm、アンモニアスリップは0.27mg/Nmであった。
【0122】
【表2】
【0123】
表3は測定方法及び測定装置を示す。
【0124】
【表3】
【0125】
表4は運転パラメータ及び試験結果を示す。
【0126】
【表4】
【0127】
このように、排煙から二酸化硫黄を吸収することと合わせて炭素を捕捉するための装置
及び方法を提供した。当業者であれば、限定目的ではなく例示目的で提示された記載の例
以外によっても本発明を実施することが可能であることを理解する。本発明は以下の特許
請求の範囲によってのみ限定される。本発明は以下の態様1~30を包含する。
態様1
アンモニア系脱硫用装置であって、
吸収塔;
酸化構成要素;
吸収循環システム;及び
洗浄循環システム
を含み、前記吸収塔は上方向に向かって連続して、
濃縮区画;
吸収区画;及び
粒子状物質制御区画
を含み、前記区画のそれぞれが複数の噴霧層を含み、前記吸収区画と前記濃縮区画の間に配置されたエレメントが気体のみを通過させる、装置。
態様2
前記吸収区画が、
第1段;及び
第2段
を含み、
前記吸収循環システムが、
前記第1段の入口及び前記第1段の出口と接続され、第1の流体循環を形成する、第1段吸収循環タンク;及び
前記第2段の入口及び前記第2段の出口と接続され、前記第1の流体循環とは独立した第2の流体循環を形成する、第2段吸収循環タンク
を含む、態様1に記載の装置。
態様3
前記吸収区画が、
第1段;及び
第2段
を含み、
前記吸収循環システムが、
前記第1段の入口及び前記第1段の出口と接続され、第1の流体循環を形成する、第1段吸収循環タンク;及び
前記第2段の入口及び前記第2段の出口と接続され、第2の流体循環を形成する、第2段吸収循環タンク
を含み、
前記吸収塔の外部に、前記第1の流体循環と前記第2の流体循環の間に流体連通を提供しかつ前記第1の流体循環と前記第2の流体循環の間に物質を取り込まない流体導管は存在しない、態様1に記載の装置。
態様4
排煙のアンモニア系脱硫方法であって、
前記排煙を、
吸収塔;
酸化構成要素;
吸収循環システム;及び
洗浄循環システム
を通して流すこと、ここで、前記吸収塔は上方向に向かって連続して、
濃縮区画;
吸収区画;及び
粒子状物質制御区画
を含む、こと、
前記排煙に、前記区画のそれぞれにおいて、複数の噴霧層で、アンモニア含有液体を噴霧すること、及び
気体を前記濃縮区画から前記吸収区画に向かって上方に通過させながら、液体が前記吸収区画から前記濃縮区画に向かって下方に通過することを防止すること
を含む、方法。
態様5
前記吸収区画が、
第1段;及び
第2段
を含む場合に、
第1段吸収循環タンク及び第2段吸収循環タンクのいずれにおいても、第2の流体循環の吸収循環液体が、第1の流体循環の吸収循環液体と混合しないように、
前記第1段の入口及び前記第1段の出口と接続された前記第1段吸収循環タンクを含む前記第1の流体循環を通して前記吸収循環液体を循環させること;及び
前記第2段の入口及び前記第2段の出口と接続された前記第2段吸収循環タンクを含む前記第2の液体循環を通して前記吸収循環液体を循環させること
をさらに含む、態様4に記載の方法。
態様6
アンモニア含有吸収剤を、前記濃縮区域の吸収循環液体;前記第1段吸収循環タンクの吸収循環液体;前記第2段吸収循環タンクの吸収循環液体;及び前記酸化構成要素の吸収循環液体のうち1又は複数に添加することをさらに含む、態様5に記載の方法。
態様7
前記吸収塔内に前記排煙を1.5m/秒~3.5m/秒の範囲の空塔ガス速度で流すことをさらに含む、態様4に記載の方法。
態様8
前記濃縮区画の温度を40℃~75℃の範囲に維持することをさらに含む、態様7に記載の方法。
態様9
前記粒子状物質制御区画の循環洗浄溶液の温度を30℃~50℃の範囲に維持することをさらに含む、態様7又は8のいずれかに記載の方法。
態様10
前記濃縮区画の温度を40℃~75℃の範囲に維持することをさらに含む、態様4に記載の方法。
態様11
前記粒子状物質制御区画の循環洗浄溶液の温度を30℃~50℃の範囲に維持することをさらに含む、態様4又は10のいずれかに記載の方法。
態様12
排煙からの硫黄及び炭素の排出を制御する方法であって、
前記排煙からの二酸化硫黄をアンモニア含有液体に吸収させること;及び
前記吸収後、前記排煙を炭素捕捉装置に直接供給すること
を含む、方法。
態様13
前記供給が、前記排煙を前記炭素捕捉装置に通す前に、前記排煙をアルカリ脱硫処理、静電デミスト処理、又は硫酸洗浄処理などの処理を通過させることを含まない、態様12に記載の方法。
態様14
前記排煙が、
2ppm以下の二酸化硫黄濃度;
5mg/Nm 以下のダスト濃度;及び
3mg/Nm 以下のアンモニアスリップ
を有する状態で、前記供給が、前記排煙を前記炭素捕捉装置に供給することを含む、態様12に記載の方法。
態様15
前記排煙が1mg/Nm 以下のアンモニアスリップを有する、態様14に記載の方法。
態様16
前記排煙が2mg/Nm 以下のダスト濃度を有する、態様14又は15のいずれかに記載の方法。
態様17
前記排煙が1ppm以下の二酸化硫黄濃度を有する、態様14、15又は16のいずれかに記載の方法。
態様18
前記吸収において、前記排煙が、前記吸収前に前処理された又は前処理されていない原料である、態様12に記載の方法。
態様19
前記吸収の前に、前記排煙を前処理することをさらに含む、態様12に記載の方法。
態様20
前記前処理が、
ダスト、
窒素酸化物、
硫黄酸化物、
重金属、及び
これらの2又はそれより多くの組み合わせ
からなる群の要素の1又は複数を除去することを含む、態様19に記載の方法。
態様21
前記吸収の前に、
前記排煙を前処理すること;
前記排煙を冷却すること;及び
前処理した前記排煙をアンモニア系脱硫装置内に向けて、前記吸収を行うこと、ここで、前記排煙が二酸化硫黄濃度及びダスト濃度を有する;
前記脱硫装置内で、前記排煙を、亜硫酸アンモニウム及び硫酸アンモニウムを含み4~6.4の範囲のpHを有する吸収液体で洗浄すること;並びに
前記洗浄後、前記供給を行って、二酸化炭素を前記排煙から除去すること
をさらに含み、前記洗浄が、前記二酸化硫黄濃度を2ppm以下に減少させ、前記ダスト濃度を5mg/Nm 以下に減少させる、態様12に記載の方法。
態様22
前記前処理が、前記排煙に含まれる、
ダスト、
窒素酸化物、
硫黄酸化物、
重金属、及び
これらの2又はそれより多くの組み合わせ
からなる群の要素の1又は複数を除去することを含む、態様21に記載の方法。
態様23
前記吸収が、前記排煙を、
濃縮循環液体、
吸収循環液体、及び
循環洗浄溶液
の順で接触させることを含み、
前記接触が、
前記吸収循環液体を前記装置内で第1の複数のレベルで噴霧すること、及び
前記循環洗浄溶液を前記装置内で第2の複数のレベルで噴霧することを含み、
前記第1の複数のレベルのうち1つのレベルで、前記吸収循環液体が亜硫酸アンモニウム及び硫酸アンモニウムを含み、
前記第2の複数のレベルのうち1つのレベルで、前記循環洗浄溶液が亜硫酸アンモニウム及び硫酸アンモニウムを含む、態様21に記載の方法。
態様24
前記排煙が上流方向及び下流方向を画定し、
前記第1の複数のレベルのうち前記レベルが上流のレベルであり、
前記第1の複数のレベルのうち前記上流のレベルにおいて、前記吸収循環液体が、
0.3~3重量%の範囲の亜硫酸アンモニウム、及び
6~36重量%の範囲の硫酸アンモニウム
を含み、
5~6.4の範囲のpHを有し、
前記上流のレベルの下流にある、前記第1の複数のレベルの下流のレベルで、前記吸収循環液体の亜硫酸アンモニウム含量が、前記上流のレベルでの亜硫酸アンモニウム含量より小さい、態様23に記載の方法。
態様25
第1の複数のレベルで前記吸収循環液体を噴霧することが、上流のレベルと下流のレベルの中間の1より多いレベルで前記吸収循環液体を噴霧することを含み、
前記上流のレベル、前記1より多い中間レベル、及び前記下流のレベルで分注された前記吸収循環液体の亜硫酸アンモニウム含量が、前記下流方向に連続して減少する、態様23に記載の方法。
態様26
前記排煙が上流方向及び下流方向を画定し、
前記第1の複数のレベルのうち前記レベルが上流のレベルであり、
前記第1の複数のレベルのうち前記上流のレベルにおいて、前記吸収循環液体が、
0.3~3重量%の範囲の亜硫酸アンモニウム、及び
6~36重量%の範囲の硫酸アンモニウム
を含み、
5~6.4の範囲のpHを有し、
前記上流のレベルの下流にある、前記第1の複数のレベルの下流のレベルで、吸収循環液体のpHが、前記上流のレベルでの吸収循環液体のpHより小さい、態様23に記載の方法。
態様27
前記第1の複数のレベルの前記下流のレベルでの前記吸収循環液体の亜硫酸アンモニウム含量が、前記上流のレベルでの亜硫酸アンモニウム含量よりも小さい、態様26に記載の方法。
態様28
第1の複数のレベルで前記吸収循環液体を噴霧することが、前記上流のレベルと前記下流のレベルの中間の1より多いレベルで前記吸収循環液体を噴霧することを含み、
前記上流のレベル、前記1より多い中間レベル、及び前記下流のレベルでの吸収循環液体のpHが、前記下流方向に連続して減少する、態様26に記載の方法。
態様29
前記上流のレベル、前記1より多い中間レベル、及び前記下流のレベルで分注された前記吸収循環液体の亜硫酸アンモニウム含量が、前記下流方向に連続して減少する、態様28に記載の方法。
態様30
前記第2の複数のレベルのうち1つのレベルでの循環洗浄溶液が、
0.01~1重量%の範囲の亜硫酸アンモニウム、及び
1~38重量%の範囲の硫酸アンモニウム
を含み、
3~5.4の範囲のpH
を有する、態様23に記載の方法。
【符号の説明】
【0128】
1 吸収塔
2 酸化装置
3a 排煙
4 濃縮区画
5 吸収区画
6 粒子状物質制御区画
7 吸収循環液体
8 清浄排煙出口
9 排煙入口
10 濃縮噴霧層
11 吸収噴霧層
12 粒子状物質噴霧層a
13 粒子状物質噴霧層b
14 デミスタ
15 循環洗浄溶液
16 第1段吸収循環タンク
17 気液分離器a
18 気液分離器b
19 気液分散促進器
20 炭素捕捉装置
21 アンモニア
22 酸化空気
23 プロセス水
24 硫酸アンモニウム後処理システム
25 第2段吸収循環タンク
26 前処理装置
27 入口CEMS
28 濃縮循環液体
29 洗浄循環タンクA
30 洗浄循環タンクB
図1
図2