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<図1>
  • 特許-半導体デバイスの直接移送に適合する針 図1
  • 特許-半導体デバイスの直接移送に適合する針 図2A
  • 特許-半導体デバイスの直接移送に適合する針 図2B
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  • 特許-半導体デバイスの直接移送に適合する針 図14A
  • 特許-半導体デバイスの直接移送に適合する針 図14B
  • 特許-半導体デバイスの直接移送に適合する針 図15
  • 特許-半導体デバイスの直接移送に適合する針 図16
  • 特許-半導体デバイスの直接移送に適合する針 図17
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-28
(45)【発行日】2022-05-12
(54)【発明の名称】半導体デバイスの直接移送に適合する針
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/50 20060101AFI20220502BHJP
   H01L 21/52 20060101ALI20220502BHJP
【FI】
H01L21/50 A
H01L21/52 F
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2019523856
(86)(22)【出願日】2017-10-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-09
(86)【国際出願番号】 US2017059402
(87)【国際公開番号】W WO2018085299
(87)【国際公開日】2018-05-11
【審査請求日】2020-01-09
(31)【優先権主張番号】15/343,055
(32)【優先日】2016-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515347212
【氏名又は名称】ロヒンニ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン ウェント
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー ハスカ
(72)【発明者】
【氏名】コディ ピーターソン
(72)【発明者】
【氏名】クリントン アダムス
(72)【発明者】
【氏名】シーン クプカウ
【審査官】山口 祐一郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0060750(US,A1)
【文献】特開平11-087370(JP,A)
【文献】実公昭48-007643(JP,Y1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0003491(US,A1)
【文献】特開2002-184836(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0124842(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0282355(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/50
H01L 21/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的作動可能素子をウェハテープの第1の側面から、回路トレースを面上に有する製品基材へ直接移送するように構成された装置であって、
前記ウェハテープの前記第1の側面の反対側にある前記ウェハテープの第2の側面に隣接して配置される針であって、第1の端部と、前記第1の端部とは反対側に位置する第2の端部とを有する、該針と、
前記ウェハテープの前記第1の側面に隣接して配置された前記回路トレースに接触させるように前記電気的作動可能素子を押すために、前記針が前記ウェハテープの前記第2の側面を押す位置に、前記針を移動させる針作動器と、
前記針の第1の端部及び前記針作動器の端部と共に配置された緩衝器であって、前記針が前記電気的作動可能素子を押して前記回路トレースと接触させる時に、前記電気的作動可能素子に加えられる力を減衰させる前記緩衝器と
を備え、
前記緩衝器は、前記針に対する減衰要素の負荷を所定の負荷量に調整可能であるように構成され、
前記針の前記第1の端部は、フレア状口径を備え、
前記フレア状口径により受け入れられる光ファイバ線の少なくとも一部をさらに備えたことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記針作動器の前記端部に接続され、前記針の前記第1の端部を摺動可能に収容するクランプをさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記クランプはチャックを備えたことを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記緩衝器は、前記針作動器の前記端部と前記針の前記第1の端部との間に配置され、これにより、前記針が前記電気的作動可能素子を押して前記回路トレースと接触させる時に、前記緩衝器は前記針作動器の前記端部と前記針の前記第1の端部との間で圧縮されたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記緩衝器は、ばね、コイルばね、エラストマ、空気緩衝材、油圧緩衝材を備えたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記フレア状口径は、前記フレア状口径により受け入れられる前記光ファイバ線の前記一部が曲がることを防ぐことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記電気的作動可能素子は、パッケージされていないLEDであることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
第1の側面及び第2の側面を有するウェハテープを保持するように構成された第1のフレームであって、前記ウェハテープの前記第1の側面上には半導体デバイスダイが配置される、前記第1のフレームと、
回路トレースを面上に有する製品基材を保持するように構成された第2のフレームであって、前記製品基材が前記ウェハテープ上の前記半導体デバイスダイに面して配置されるように前記製品基材を保持する前記第2のフレームと、
前記第1のフレームに隣接して配置された針であって、第1の端部と、前記第1の端部とは反対側に位置する第2の端部とを有する、該針と、
前記針に接続された針作動器であって、前記半導体デバイスダイを前記回路トレースに接触させるように押すために、前記針が前記ウェハテープの前記第2の側面を押すダイ移送位置に、前記針を移動させる前記針作動器と、
前記針及び前記針作動器と共に配置された緩衝器であって、前記針が前記半導体デバイスダイを押して前記回路トレースと接触させる時に、前記半導体デバイスダイに加えられる力を減衰させる前記緩衝器と
を備え、
前記緩衝器は、前記針に対する減衰要素の負荷を所定の負荷量に調整可能であるように構成され、
前記針の前記第1の端部は、フレア状口径を備え、
前記フレア状口径により受け入れられる光ファイバ線の少なくとも一部をさらに備えたことを特徴とする装置。
【請求項9】
前記針作動器の端部に接続され、前記針の前記第1の端部を摺動可能に収容するチャックをさらに備えたことを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記緩衝器は、前記針作動器の前記端部と前記針の前記第1の端部との間に配置され、これにより、前記針が前記半導体デバイスダイを押して前記回路トレースと接触させる時に、前記緩衝器は前記針作動器の前記端部と前記針の前記第1の端部との間で圧縮されたことを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記半導体デバイスダイはLEDを含むことを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項12】
第1の端部と、前記第1の端部とは反対側に位置する第2の端部とを有する、針と、
前記針の前記第2の端部が電気的作動可能素子を回路トレースと接触するように押す位置に、前記針を移動させる針作動器と、
前記針の前記第1の端部及び前記針作動器の端部と共に配置された緩衝器であって、前記針の前記第2の端部が前記電気的作動可能素子を押して前記回路トレースと接触させる時に、前記電気的作動可能素子に加えられる力を減衰させる前記緩衝器と
を備え、
前記緩衝器は、前記針に対する減衰要素の負荷を所定の負荷量に調整可能であるように構成され、
前記針の前記第1の端部は、フレア状口径を備え、
前記フレア状口径により受け入れられる光ファイバ線の少なくとも一部をさらに備えたことを特徴とする装置。
【請求項13】
前記緩衝器は、前記針作動器の前記端部と前記針の前記第1の端部との間に配置され、これにより、前記針が前記電気的作動可能素子を押して前記回路トレースと接触させる時に、前記緩衝器は前記針作動器の前記端部と前記針の前記第1の端部との間で圧縮されたことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記針作動器の前記端部に接続され、前記針の前記第1の端部を摺動可能に収容するクランプをさらに備えたことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記クランプは、前記緩衝器の予装填を調整するために止めねじを有するチャックを備えたことを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記チャックは、ねじ山を含み、前記ねじ山を介して前記針作動器と篏合し、前記止めねじは、前記針作動器に当接して、前記チャックに対して前記針作動器が移動することを防ぐことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記緩衝器はコイルばねを備え、前記コイルばねは、前記針の前記第1の端部の前記フレア状口径に当接しおよび前記針作動器の前記端部に当接することを特徴とする請求項12に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連特許出願の相互参照
本出願は、2016年11月3日に出願された「Compliant Needle for Direct Transfer of Semiconductor Devices」と題する米国特許出願第15/343,055の継続出願であり、その優先権を主張し、この出願の内容全体は参照により本出願に組み込まれるものとする。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスは、シリコン、ゲルマニウム、及びガリウム砒素などの半導体材料を利用する電気部品である。半導体デバイスは通常、単一の個別デバイスとして、または集積回路(IC)として製造される。単一の個別デバイスの例には、発光ダイオード(LED)、ダイオード、トランジスタ、抵抗器、コンデンサ、及びヒューズなどの電気的作動可能素子が挙げられる。
【0003】
半導体デバイスの製造は通常、無数の工程を有する複雑な製造プロセスを伴う。製造の最終製品は、「パッケージされた」半導体デバイスである。「パッケージされた」という修飾語は、最終製品に装備される筐体及び保護機構、並びにパッケージ内のデバイスが最終回路に組み込まれることを可能にするインターフェースを指す。
【0004】
半導体デバイスの従来の製造プロセスは、半導体ウェハのハンドリングから始まる。ウェハは、多数の「パッケージされていない」半導体デバイスにダイシングされる。「パッケージされていない」という修飾語は、保護機構を有さず囲い込まれていない状態の半導体デバイスを指す。本明細書では、パッケージされていない半導体デバイスは、半導体デバイスダイ、または簡潔に単に「ダイ」と称され得る。半導体ウェハから100,000個超、または1,000,000個超ものダイを形成するように(半導体の開始サイズによる)、単一の半導体ウェハをダイシングして様々なサイズのダイを作成することができ、各ダイは一定の品質を有する。次に、パッケージされていないダイは、下記に簡単に述べられる従来の製造プロセスにより「パッケージされる」。ウェハハンドリングとパッケージングとの間の動作は、「ダイ作成」と称され得る。
【0005】
いくつかの事例では、ダイ作成は、「ピックアンドプレースプロセス」によりダイを分類することを含むことができ、これによりダイシングされたダイは、個別にピックアップされ、ビンに分類される。分類は、ダイの順方向電圧容量、ダイの平均電力、及び/またはダイの波長に基づき得る。
【0006】
通常、パッケージングは、プラスチックまたはセラミックのパッケージ(例えばモールドまたは筐体)にダイを取り付けることを伴う。パッケージングはまた、最終回路とインターフェース/相互接続を行うために、ダイ接点をピン/ワイヤに接続することを含む。半導体デバイスのパッケージングは通常、環境(例えば埃、温度、及び/または湿気)からダイを保護するようダイを密封することで、完了する。
【0007】
次に、製品製造者はパッケージされた半導体デバイスを製品回路に配置する。パッケージングにより、デバイスは、製造される製品の回路アセンブリに「差し込まれる」準備ができている。さらに、デバイスのパッケージングは、デバイスを劣化または破壊し得る要素からデバイスを保護するが、パッケージされたデバイスは、パッケージ内にあるダイより本質的に大きい(例えば、場合によっては、厚さ約10倍及び面積約10倍で、結果的に体積100倍となる)。従って、結果得られる回路アセンブリは、半導体デバイスのパッケージより決して薄くなることはあり得ない。
【0008】
発明を実施するための形態が、添付図を参照しながら説明される。図において、参照番号の左端の数字(複数可)は、その参照番号が最初に現れる図を識別する。異なる図における同じ参照番号の使用は、同様または同一の項目を示す。さらに、図面は、個々の図内の個々の構成要素の相対的サイズのおおよその描写を提供するとみなされ得る。しかしながら、図面は縮尺通りではなく、個々の図内及び異なる図の間の両方において、個々の構成要素の相対的サイズは、示されているものとは異なり得る。具体的には、図のうちのいくつかは、構成要素を特定のサイズまたは形状で示し得るが、他の図は、分かりやすくするために、同じ構成要素をより大きい縮尺または異なる形状で示し得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】移送装置の実施形態の等角図を示す。
図2A】移送前位置にある移送装置の実施形態の概略図を表す。
図2B】移送位置にある移送装置の実施形態の概略図を表す。
図3】移送機構の針の端部の形状プロファイルの実施形態を示す。
図4】針作動ストロークプロファイルの実施形態を示す。
図5】回路トレースを面上に有する製品基材の実施形態の平面図を示す。
図6】ダイ移送システムの構成要素の実施形態の概略図を示す。
図7】ダイ移送システムの機械ハードウェアとコントローラとの間の回路経路の実施形態の概略図を示す。
図8】本出願の実施形態によるダイ移送プロセスの方法を示す。
図9】本出願の実施形態によるダイ移送動作の方法を示す。
図10】コンベアシステムを実施する直接移送装置及びプロセスの実施形態を示す。
図11図11Aは、移送前位置にある移送装置の別の実施形態の概略図を示す。図11Bは、図11Aにおける実施形態の製品基材搬送機構の移送後動作の概略上面図を示す。
図12】移送前位置にある移送装置の別の実施形態の概略図を示す。
図13】移送前位置にある移送装置の別の実施形態の概略図を示す。
図14A図2Aに示される移送前位置にある移送装置の別の実施形態の概略図を表す。
図14B図2Bに示される移送前位置にある、図14Aに示される移送装置の実施形態の概略図を表す。
図15】移送前位置にある移送機構の実施形態の断面図、及び移送位置にある移送機構の実施形態の断面図を表す。
図16】クランプの実施形態の上面斜視図、及びクランプの実施形態の底面斜視図を示す。
図17】針の実施形態の上面斜視図、及び針の実施形態の底面斜視図を表す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、半導体デバイスダイを回路に直接移送し固定させる機械、同半導体デバイスダイの回路への直接移送及び固定を実現するプロセス、並びにダイが固定される回路(出力製品として)に関する。いくつかの事例では、機械は、パッケージされていないダイを「ウェハテープ」などの基材から、回路基板などの製品基材へ直接移送するように機能する。パッケージされていないダイの直接移送により、最終製品の厚さは、従来の手段により製造される同様の製品と比較して大幅に削減され、並びに製品基材の製造にかかる時間及び/または費用も大幅に削減され得る。
【0011】
本説明の目的で、「基材」という用語は、プロセスまたは動作が行われる任意の物質を指す。さらに、「製品」という用語は、完了状態にかかわらず、プロセスまたは動作からの所望の出力を指す。従って、製品基材とは、所望の出力のためにプロセスまたは動作が行われる任意の物質を指す。
【0012】
一実施形態では、機械は、例えばウェハテープから移送されるLEDなどの「パッケージされていない」ダイを受け取るために、製品基材を固定し得る。ダイを使用する製品の寸法を縮小するために、ダイは非常に小さく薄く、例えばダイは約50ミクロンの厚さであり得る。ダイが比較的小さいサイズであることから、正確な配置を確保し及び/または製品材料の無駄を回避するために、機械は、ダイを保持するウェハテープと製品基材との両方を正確に位置合わせするように機能する構成要素を含む。いくつかの事例では、製品基材とウェハテープ上のダイとを位置合わせする構成要素は、ウェハテープ上の特定のダイが製品基材上の特定のスポットに移送されるように、ウェハテープ及び製品基材がそれぞれ固定され位置合わせ位置に個別に搬送される一式のフレームを含み得る。
【0013】
製品基材を搬送するフレームは、水平方向及び/または垂直方向、あるいは曲面への移送を可能にする方向さえも含む様々な方向に移動し得る。ウェハテープを搬送するフレームもまた、様々な方向に移動し得る。ダイを製品基材の正しい位置に配置するために、ギア、トラック、モータ、及び/または他の素子のシステムを使用して、製品基材及びウェハテープを保持するフレームがそれぞれ固定され搬送され、製品基材をウェハテープと位置合わせさせ得る。移送プロセスの完了時にウェハテープ及び製品基材の取り出しを容易にするために、各フレームシステムもまた取り出し位置に移動させられ得る。
【0014】
いくつかの事例において、機械はさらに、ダイを「パッケージする」ことなく、ウェハテープから製品基材へダイを直接移送する移送機構を含み得る。移送機構は、ウェハテープを介してダイを製品基材に向かって押し下げるように、ウェハテープの鉛直上方に配置され得る。ダイを押し下げるこのプロセスは、ダイの両側から始まりダイがウェハテープから分離するまで、ウェハテープからダイを剥がし、製品基材に付着させ得る。すなわち、ダイとウェハテープとの間の接着力を低減させ、ダイと製品基材との間の接着力を増大させることにより、ダイは移送され得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、移送機構は、ウェハテープを上側から押すようにウェハテープに対し周期的に作動し得るピンまたは針などの細長いロッドを含み得る。針は、移送されるダイの幅よりも広くならないようにサイズが決定され得る。しかし他の例では、針の幅はより広くても、任意の他の寸法でもあり得る。針の端部がウェハテープに接触すると、ウェハテープは、ダイとウェハテープとの間の領域で局所的な撓みを生じ得る。撓みは非常に局所的で迅速に生じるため、針から圧力を受けないウェハテープの部分は、ダイの表面から離れて曲がり始め得る。このようにして、この部分的な分離により、ダイは、ウェハテープとの十分な接触を失い、ウェハテープから解離され得る。さらに、いくつかの事例では、隣接ダイの意図しない移送を避けるため、ダイの反対面が、隣接ダイの対応する面の延長平面を超えて突き出るようにしながらも、ウェハテープと接触するダイの表面積全体を保持するように、ウェハテープの撓みは最小限に抑えられ得る。
【0016】
代替的または付加的に、機械はさらに、分離された「パッケージされていない」ダイを製品基材に固定させる固定機構を含み得る。いくつかの事例では、製品基材はその面上に、ダイが移送され固定される回路トレースを有し得る。固定機構は、製品基材上の回路トレースの材料を溶解/軟化させるために、レーザなどのエネルギーを放出するデバイスを含み得る。さらに、いくつかの事例では、レーザを使用して、回路トレースの材料が活性化/硬化され得る。よって、固定機構は、ダイが回路トレースの材料と接触する前及び/または後に、作動され得る。従って、製品基材上にダイを解離するよう移送機構を作動させると、ダイを受け取るようトレース材料を準備するためにエネルギー放出デバイスも起動され得る。エネルギー放出デバイスの起動は、製品基材上に半導体製品の形成を開始するため、ウェハテープからのダイの解離及び捕捉をさらに向上させ得る。
【0017】
直接移送装置の第1の例示的実施形態
図1は、パッケージされていない半導体構成要素(すなわち「ダイ」)を、ウェハテープから製品基材へ直接移送するために使用され得る装置100の実施形態を示す。ウェハテープは本明細書では、半導体デバイスダイ基材、または単にダイ基材とも称され得る。装置100は、製品基材搬送機構102と、ウェハテープ搬送機構104とを含み得る。製品基材搬送機構102及びウェハテープ搬送機構104のそれぞれは、それぞれの基材を固定して相対的に望ましい位置合わせ位置に搬送するためのフレームシステムまたは他の手段を含み得る。装置100はさらに、図示されるように、ウェハテープ搬送機構104の鉛直上方に配置され得る移送機構106を含み得る。いくつかの事例では、移送機構106は、ウェハ基材にほぼ接触するように配置され得る。さらに、装置100は、固定機構108を含み得る。固定機構108は、ダイが製品基材上に配置され得る移送位置にて、移送機構106と位置合わせされるように、製品基材搬送機構102の鉛直下方に配置され得る。下記で論述されるように、図2A及び図2Bは、装置100の例示的な詳細を示す。
【0018】
図2A及び図2Bは、装置200の同じ要素及び特徴を参照しながら、移送動作の異なる段階を示すので、下記の特定の特徴に関する論述は、明示される場合を除いて、図2A及び図2Bのいずれかを互換的に、または両方を指し得る。具体的には、図2A及び図2Bは、製品基材搬送機構202と、ウェハテープ搬送機構204と、移送機構206と、固定機構208とを含む装置200の実施形態を示す。製品基材搬送機構202は、ウェハテープ搬送機構204に隣接して配置され得る。例えば、例示されるように、製品基材搬送機構202は、実質的に水平方向に延び得、重力が移送プロセスに及ぼし得る全ての効力を利用するために、ウェハテープ搬送機構204の鉛直下方に配置され得る。あるいは、製品基材搬送機構202は、水平面に対して横断する方向に延びるように配向され得る。
【0019】
本明細書において後述されるように、移送動作中に構成要素により生じる撓み量を含む、装置200の様々な他の態様に応じて、移送動作中、製品基材搬送機構202により保持される製品基材の表面と、ウェハテープ搬送機構204により保持されるウェハテープの表面との間の空間が約1mmであり得るように、搬送機構202、204は配置され得る。いくつかの事例では、ウェハテープ及び製品基材のそれぞれの対向面は、搬送機構202、204の支持構造と比較して、最も隆起した構造であり得る。すなわち、可動部分(例えば搬送機構202、204)により生じ得る機械の構成要素と機械上の製品との衝突を避けるために、ウェハテープ及び製品基材のそれぞれの表面間の距離は、表面のうちの一方と、任意の他の対向構造構成要素との間の距離より、短くあり得る。
【0020】
示されるように、いくつかの事例では、移送機構206は、ウェハテープ搬送機構204の鉛直上方に配置され得、固定機構208は、製品基材搬送機構202の鉛直下方に配置され得る。いくつかの実施形態では、移送機構206及び固定機構208のうちの1つまたは両方は、図2A及び図2Bに示される位置とは異なる位置に配向され得ることが企図される。例えば、移送機構206は、水平面に対して鋭角に延びるように配置されてもよい。別の実施形態では、固定機構208は、移送機構206と同じ作動方向から、あるいは固定機構208が移送プロセスに参加できる任意の向き及び位置から、移送プロセス中にエネルギーを放出するように配向されてもよい。
【0021】
製品基材搬送機構202を使用して、製品基材210が固定され得る。本明細書で、「製品基材」という用語は、ウェハテープ(例えばダイを事前に分類し、後で使用する分類済みダイシートを作成する)と、シート状または他の非平面形状に形成された紙またはポリマー基材であって、半透明またはその他のポリマーは、シリコーン、アクリル、ポリエステル、ポリカーボネートなどを含むがこれらに限定されない任意の好適なポリマーから選択され得る、紙またはポリマー基材と、回路基板(プリント回路基板(PCB)など)と、平行に延びる1対の導電性ワイヤまたは「糸」を含み得るストリング回路または糸回路と、綿、ナイロン、レーヨン、革などの布材と、を含み得るが、これらに限定されない。製品基材の材料の選択には、耐久性材料、可撓性材料、剛性材料、及び移送プロセスを成功させ、製品基材の最終用途への好適性を維持する他の材料が含まれ得る。製品基材210が製品を形成するための導電回路として機能するように、製品基材210は、導電性材料のみで、または少なくとも部分的に導電性材料で、形成され得る。可能性のある種類の製品基材には、ガラスボトル、車両窓、またはガラスシートなどの品目がさらに含まれ得る。
【0022】
図2A及び図2Bに示される実施形態では、製品基材210は、製品基材210上に配置された回路トレース212を含み得る。図示されるように、回路トレース212は、移送されるダイ上の電気接触端子(図示せず)間の距離に応じて、トレース間隔すなわちギャップにより離間された1対の隣接トレースラインを含み得る。従って、ダイの適切な接続及びその後の起動を確保にするために、回路トレース212の隣接トレースラインの間のトレース間隔すなわちギャップは、移送されるダイのサイズに応じて大きさが決定され得る。例えば、回路トレース212は、約75~200ミクロン、約100~175ミクロン、または約125~150ミクロンの範囲のトレース間隔すなわちギャップを有し得る。
【0023】
回路トレース212は、スクリーン印刷、インクジェット印刷、レーザ印刷、手動印刷、または他の印刷手段により配置された導電性インクで形成され得る。さらに、回路トレース212は、さらなる安定性をもたらすために予備硬化及び半乾燥もしくは乾燥され得るが、ダイ導電性に関しては依然活性化可能である。未乾燥導電性インクも回路トレース212を形成するために使用されてもよく、または未乾燥及び乾燥インクの組み合わせが回路トレース212に使用されてもよい。代替的または付加的に、回路トレース212は、ワイヤトレースとして事前に形成され、またはフォトエッチングされ、または溶融材料から回路パターンに形成され、その後、製品基材210に接着、埋め込み、あるいは固定され得る。
【0024】
回路トレース212の材料には、銀、銅、金、炭素、導電性ポリマーなどが含まれ得るが、これらに限定されない。いくつかの事例では、回路トレース212は、銀被覆銅粒子を含み得る。回路トレース212の厚さは、使用される材料の種類、意図する機能、その機能を達成するのに好適な強度または柔軟性、エネルギー容量、LEDのサイズなどに応じて、変わり得る。例えば、回路トレースの厚さは、約5ミクロン~20ミクロン、約7ミクロン~15ミクロン、または約10ミクロン~12ミクロンの範囲であり得る。
【0025】
従って、非限定的な一例では、製品基材210は、可撓性のある半透明のポリエステルシートであり得、このシート上には、回路トレース212を形成するために、銀ベースの導電性インク材料を使用して所望の回路パターンがスクリーン印刷される。
【0026】
製品基材搬送機構202は、製品基材ホルダフレーム216を固定する製品基材搬送フレーム214を含み得る。製品基材ホルダフレーム216の構造は、使用される製品基材の種類及び特性(例えば形状、サイズ、弾性など)に応じて、大幅に変わり得る。製品基材210は可撓性材料であり得ることから、本明細書に後述される移送動作が行われる表面をより耐屈曲性の高いものにするために、製品基材210は、製品基材ホルダフレーム216における張力により保持され得る。上記の例では、製品基材210における張力により生まれる耐屈曲性は、構成要素を移送する時の配置精度を高め得る。
【0027】
いくつかの事例では、製品基材210に耐久性のある、またはより剛性の高い材料を使用することで、構成要素配置精度のための堅固な表面が必然的に提供される。対照的に、製品基材210が撓むことが許される場合、製品基材210に皺及び/または他の不連続性が形成され、移送動作が失敗し得るほど回路トレース212の事前設定パターンは妨げられ得る。
【0028】
製品基材210を保持する手段は非常に多様であり得るが、図2Aは、凹形状を有する第1の部分216aと、凹形状に対応する形状の凸形状を有する第2の部分216bとを含む製造基板ホルダフレーム216の実施形態を示す。示される例では、第1の部分216aと第2の部分216bとの間に製品基材210の外周を挿入し、これにより製品基材210をしっかりとクランプすることで、製品基材210に張力が生じる。
【0029】
製品基材搬送フレーム214は、少なくとも三方向、すなわち水平面に二方向、並びに垂直方向に搬送され得る。搬送は、モータ、レール、及びギア(いずれも図示せず)のシステムを介して遂行され得る。よって、製品基材引張フレーム216は、装置200のユーザにより指示され及び/またはプログラムされ並びに制御された特定の位置へ搬送され、そこで保持され得る。
【0030】
ダイ220(すなわち半導体デバイスダイ)を面上に有するウェハテープ218を固定するために、ウェハテープ搬送機構204が実施され得る。ウェハテープ218は、ウェハテープ搬送フレーム222を介して移送動作の特定移送位置へ、多方向に搬送され得る。製品基材搬送フレーム214と同様に、ウェハテープ搬送フレーム222は、モータ、レール、及びギア(いずれも図示せず)のシステムを含み得る。
【0031】
移送用のパッケージされていない半導体ダイ220は、非常に小さくあり得る。実際に、ダイ220の高さは、12.5~200ミクロン、または25~100ミクロン、または50~80ミクロンの範囲であり得る。
【0032】
ダイのサイズが極小であることから、ウェハテープ218が好適な移送位置に搬送された場合、ウェハテープ218と製品基材210との間のギャップ間隔は、例えば約0.25mm~1.50mm、または約0.50mm~1.25mm、または約0.75mm~1.00mmの範囲であり得る。最小ギャップ間隔は、移送されるダイの厚さ、関与するウェハテープの剛性、ダイの適切な捕捉及び解離を提供するのに必要なウェハテープの撓み量、隣接ダイの近接性などを含む要素に依存し得る。ウェハテープ218と製品基材210との間の距離が短くなると、移送動作のサイクル時間(本明細書でさらに論述される)の短縮により、移送動作の速度も低下し得る。よって、このような移送動作の所要時間の短縮は、ダイ移送レートを向上させ得る。例えば、ダイ移送レートは、毎秒約6~20個のダイ配置の範囲であり得る。
【0033】
さらに、ウェハテープ搬送フレーム222は、ウェハテープ218を張力で引っ張り保持し得るウェハテープホルダフレーム224を固定し得る。図2Aに示されるように、ウェハテープ218は、ウェハテープ218の周辺部をウェハホルダフレーム224の隣接構成要素間でクランプすることにより、ウェハテープホルダフレーム224に固定され得る。このようなクランピングは、ウェハテープ218の引張及び延伸特性の維持を支援し、これにより、移送動作の成功率が向上する。利用可能な異なる種類/ブランド/品質のウェハテープの様々な特性を考慮し、移送プロセス中に所望の張力を一貫して保持する能力に基づいて、特定のウェハテープが使用のために選択され得る。いくつかの事例では、針作動性能プロファイル(本明細書でさらに後述される)は、ウェハテープ218の張力に応じて変わり得る。
【0034】
ウェハテープ218に使用される材料には、例えばゴムまたはシリコーンなどの弾性を有する材料が含まれ得る。さらに、環境温度及びウェハテープ218自体が、移送プロセス中のウェハテープ218への潜在的な損傷に寄与し得ることから、温度変動に耐性のある特性を有する材料が有利であり得る。さらに、いくつかの事例では、個々のダイ220の間に分離またはギャップを作って移送動作を支援するように、ウェハテープ218は、若干引き伸ばされ得る。ウェハテープ218の表面は、粘着性物質を含むことができ、ダイ220はこれにより、ウェハテープ218に取り外し可能に接着し得る。
【0035】
ウェハテープ218上のダイ220には、固体半導体ウェハから個別に切り出され、次いでダイを固定するためにウェハテープ218上に配置されたダイが含まれ得る。このような状況では、ダイは、例えば移送動作を支援するために、事前に分類され、ウェハテープ218上で明示的に編制され得る。具体的には、ダイ220は、製品基材210への予期される移送順序で、順次配置され得る。ウェハテープ218上のダイ220のこのような事前配置を行うことにより、それがなければ製品基材搬送機構202とウェハテープ搬送機構204との間で生じるであろう移動量が低減され得る。付加的または代替的に、ウェハテープ218上のダイは、実質的に同等の性能特性を有するダイのみを含むように、事前に分類されていてもよい。この事例では、サプライチェーンの効率性を向上させることができ、よってウェハテープ搬送機構204の移動時間を最小限に抑えることができる。
【0036】
いくつかの事例では、ダイに使用される材料には、炭化ケイ素、窒化ガリウム、被覆酸化ケイ素などが含まれ得るが、これらに限定されない。さらに、サファイアまたはシリコンも、ダイとして使用することができる。さらに、上記に示されるように、本明細書で「ダイ」は一般に、電気的作動可能素子を表し得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、ウェハテープ218は、事前に分類されていないダイであって、むしろ、ダイのそれぞれの性能品質によってダイを分類する「ピックアンドプレース」なしに、ウェハテープ上で直接半導体を単純に切断して、ダイをウェハテープ上に残すことにより形成されるダイを含み得る。このような状況では、異なる品質のダイの正確な相対位置を記述するために、ウェハテープ上のダイがマッピングされ得る。よって、いくつかの事例では、事前に分類されたダイを有するウェハテープを使用することは不必要であり得る。このような事例では、順次移送動作ごとに、ウェハテープ搬送機構204が特定のダイの間を移動する時間量及び移動量は、増加し得る。これは、半導体の領域内に様々な品質のダイが分散されていること、すなわち次の移送動作対象の特定の品質のダイが、前回移動されたダイに直接隣接していない場合があることに、部分的に起因し得る。従って、ウェハテープ搬送機構204は、特定の品質を有する移送に適したダイを位置合わせするために、ウェハテープ218を移動させるが、この移動量は、実質的に同等の品質のダイを含むウェハテープ218の場合に必要な移動量よりも、多くあり得る。
【0038】
さらにウェハテープ218上のダイ220に関して、いくつかの事例では、ダイ220のデータマップが、ウェハテープ218と共に提供され得る。データマップは、ウェハテープ218上の各ダイの具体的な品質及び位置を説明する情報を提供するデジタルファイルを含み得る。データマップファイルは、装置200と通信する処理システムに入力され得、これにより装置200は、製品基材210へ移送するウェハテープ218上の正しいダイ220を探すように制御/プログラムされ得る。
【0039】
ウェハテープ218からダイの分離を支援するダイ分離デバイスである移送機構206により、部分的に移送動作が行われる。移送機構206の作動により、1つ以上のダイ220が、ウェハテープ218から解離され、製品基材210により捕捉され得る。いくつかの事例では、移送機構206は、ピンまたは針226などの細長いロッドを、ダイ220に接触するウェハテープ218の上面に押し付けることにより、作動し得る。針226は、針作動器228に接続され得る。針作動器228は、針226に接続されたモータを含み、針226をウェハテープ218に対し、事前に設定された/プログラムされた回数押し付け得る。
【0040】
針226の機能を考慮して、針226は、衝突によるダイ220への潜在的な損傷を最小限に抑えながら、反復的で急速な小さい衝突に耐えるのに十分な耐久性を有する材料を含み得る。例えば、針226は、金属、セラミック、プラスチックなどを含み得る。さらに、針226の先端は、特定の形状プロファイルを有することができ、これは針が、頻繁に先端を破損することなく、またはウェハテープ218もしくはダイ220を損傷することなく、繰り返し機能する能力に影響を与え得る。針の先端のプロファイル形状は、図3に関して下記でさらに詳しく論述される。
【0041】
移送動作において、針226は、図2Aに示されるように、ダイ220と位置合わせされ得、針作動器は、図2Bに示されるように、ウェハテープ218の反対側面上でダイ220が位置合わせされる位置で、ウェハテープ218の隣接側面を押すように針226を動かし得る。針226からの圧力は、ウェハテープ218を撓ませて、移送対象ではない隣接ダイ220よりもダイ220を、製品基材210に近い位置まで突き出すようにし得る。上記のように、撓み量は、ダイ及び回路トレースの厚さなど、いくつかの要素によって変わり得る。例えば、ダイ220が約50ミクロンの厚さであり、回路トレース212が約10ミクロンの厚さである場合、ウェハテープ218の撓み量は、約75ミクロンであり得る。従って、ダイ220は、ダイの電気接触端子(図示せず)が回路トレース212と接合することができる程度まで、針226により製品基材210に向かって押されることができ、この時点で、移送動作は完了状態に進み、ダイ220はウェハテープ218から解離される。
【0042】
ダイ220上に押圧する針226の周期的な作動を含む迅速で反復的なステップの集合を移送プロセスが含み得る範囲で、プロセスの方法は、本明細書において図8に関してさらに詳しく後述される。さらに、針226の作動のストロークプロファイル(移送プロセスの範囲内)が、本明細書において図4に関してさらに詳しく後述される。
【0043】
図2A及び図2Bに戻って、いくつかの事例では、移送機構206はさらに、針引込支持体230(ペパーポットとしても知られる)を含み得る。一実施形態では、支持体230は、中空空間を有する構造を含むことができ、針226は、支持体230の第1の端部における開口部232を介して空間内を通過することにより、収容され得る。支持体230はさらに、支持体230の第2の対向端部上に、少なくとも1つの開口部234を含み得る。さらに、支持体は、開口部234の近くに複数の穿孔を含み得る。移送プロセス中にウェハテープ218に押圧するため、針226が開口部234を通過することに適応するように、少なくとも1つの開口部234は、針226の直径に関してサイズが決定され得る。
【0044】
さらに、いくつかの事例では、支持体230は、ウェハテープ218の上面に隣接するように配置され得る。よって、移送動作中に針226がウェハテープ218の押圧から引き込められると、支持体230の底面(少なくとも1つの開口部234を有する)がウェハテープ218の上面と接触する状態となり得、これにより、ウェハテープ218の上方への撓みが防止される。この上方への撓みは、針226がウェハテープ218に少なくとも部分的に突き刺さり、針が引き込められる時に、針226の先端からウェハテープが抜けない場合に生じ得る。従って、支持体230は、次のダイ220へ移動するのにかかる時間を短縮することができる。支持体230の壁周辺形状は、円筒形、または装置200に収容することができる任意の他の形状であってもよい。従って、支持体230は、針226とウェハテープ218の上面との間に配置され得る。
【0045】
ウェハテープ218の完全性に対する温度の影響に関して、針226と、少なくとも移送動作の箇所近くのウェハテープ218との温度を調整するように、支持体230の温度を調整してもよいことが企図される。従って、支持体230の温度は加熱または冷却され得、支持体230の材料には、熱伝導率を最大にするものが選択され得る。例えば、支持体230は、アルミニウム、または比較的高い熱伝導率の他の金属もしくは同等の材料で形成することができ、これにより温度が調節され、移送動作の一貫した結果が維持され得る。いくつかの事例では、ウェハテープ218の局所部分の温度調節を支援するために、支持体230内で空気が循環され得る。付加的または代替的に、ウェハテープ218及び/または針226の温度調整を支援するために、光ファイバケーブル230aが針引込支持体230内に挿入されてもよく、さらに針226に接触してもよい。
【0046】
上記のように、固定機構208は、製品基材210の表面上の回路トレース212にダイ220を固定することを支援し得る。図2Bは、ダイ220が回路トレース212に押し付けられている移送段階での装置200を例示する。一実施形態では、固定機構208は、レーザ、電磁放射、圧力振動、超音波溶接などを含むがこれらに限定されないエネルギー放出デバイス236を含み得る。いくつかの事例では、エネルギー放出デバイス236に圧力振動を使用すると、振動エネルギー力を放出することで、電気接触端子の分子に対して回路トレース内の分子を撹乱させて、振動圧力により接合を形成するように、機能し得る。
【0047】
非限定的な例では、図2Bに示されるように、エネルギー放出デバイス236としてレーザが実装され得る。移送動作中、レーザ236が起動され、移送対象のダイ220に向けて特定の波長及び強度の光エネルギーを放射し得る。レーザ236の光の波長は、製品基材210の材料に著しい影響を与えることのない、回路トレース212の材料による光の波長の吸収に特に基づいて、選択され得る。例えば、808nmの動作波長を有し、5Wで動作するレーザは、銀により容易に吸収され得るが、ポリエステルによっては吸収され得ない。よって、レーザビームは、ポリエステルの基板を通過し、回路トレースの銀に影響を与え得る。あるいは、レーザの波長は、回路トレースの吸収及び基材の材料に適合し得る。レーザ236の焦点領域(図2Bのレーザ236から製品基材210に向かって垂直方向に発せられる破線で示される)は、例えば300ミクロンの幅の面積といったLEDのサイズに応じて、大きさが決定され得る。
【0048】
レーザ236の所定の制御されたパルス持続時間が始動されると、回路トレース212は、回路トレース212の材料とダイ220上の電気接触端子(図示せず)との間に融着接合が形成され得る程度まで、硬化(及び/または溶解もしくは軟化)し始め得る。この接合はさらに、ウェハテープ218からパッケージされていないダイ220を分離することだけでなく、同時にダイ220を製品基材210に固定することを支援する。さらに、レーザ236は、ウェハテープ218上にある熱伝達を引き起こすことができ、これにより、ウェハテープ218に対するダイ220の接着力は低減され、よって移送動作が促進される。
【0049】
他の事例では、数多くの方法でダイは解離され製品基材に固定されることができ、これには、所定の波長を有するレーザまたは集束光(例えばIR、UV、広帯域/マルチスペクトル)を使用して、回路トレースを加熱して/活性化させてエポキシまたは相変化接合材料を硬化させること、またはウェハテープからダイを非活性化/解離させること、または反応の或る組み合わせを開始することが含まれる。付加的または代替的に、システムの1つの層を通過して他の層と相互作用するために、特定の波長のレーザまたは光が使用されてもよい。さらに、ウェハテープからダイを引き寄せるために吸引が実施されてもよく、製品基材にダイを押し付けるために空気圧が供給されてもよく、これはダイウェハ基材と製品基材との間に回転ヘッドを潜在的に含む。さらに別の事例では、超音波振動を圧力と組み合わせて、ダイを回路トレースに接合させることができる。
【0050】
針引込支持体230と同様に、固定機構は、レーザ236と製品基材210の底面との間に配置され得る製品基材支持体238も含み得る。支持体238は、その基端に開口部240、その上端に開口部242を含み得る。例えば、支持体238は、輪状または中空円筒状に形成され得る。支持体はさらに、レーザの方向付けを支援するために、レンズ(図示せず)を固定する構造を含み得る。レーザ236は、製品基材210に届くように開口部240、242を通して光を放射する。さらに、支持体238の側壁の上端は、製品基材210の底面と直接接触して、または近接して、配置され得る。このように配置されることで、支持体238は、移送動作時の針226のストローク中に、製品基材210に損傷が生じることを防止するのに役立ち得る。いくつかの事例では、移送動作中に、支持体238と並んだ製品基材210の底面の部分は、支持体238と接触することができ、これにより、針226により押下されるダイ220の入来動作に対し抵抗がもたらされる。さらに、支持体238は、その高さを調整することができるよう垂直軸方向に移動可能であり得、必要に応じて支持体238は上下し、これは製品基材210の高さまで上がることを含む。
【0051】
上記の特徴に加えて、装置200はさらに、第1のセンサ244を含むことができ、装置200は第1のセンサ244から、ウェハテープ218上のダイ220に関する情報を受信する。移送動作に使用するダイを特定するために、ウェハテープ218は、読み取られるあるいは検出されるバーコード(図示せず)または他の識別子を有し得る。識別子は、第1のセンサ244を介して装置200にダイマップデータを提供し得る。
【0052】
図2A及び図2Bに示されるように、第1のセンサ244は、移送機構206(すなわち具体的には針226)の近くに、位置検出の精度を向上させるために約1~5インチの範囲であり得る距離dだけ移送機構206から離間して、配置され得る。代替的な実施形態では、ダイ220の正確な位置をリアルタイムで感知するために、第1のセンサ244は、針226の先端に隣接して配置され得る。移送プロセス中に、ウェハテープ218は穿孔される及び/またはさらに時間と共に引き伸ばされることがあり、これはウェハテープ218上のダイ220の以前マッピングされた、従って予期される位置を変更し得る。よって、ウェハテープ218の伸長による小さい変化は、結果的に、移送されるダイ220の位置合わせにおいて重大な誤差を生じ得る。従って、正確なダイの位置決定を支援するために、リアルタイムの感知が実施され得る。
【0053】
いくつかの事例では、第1のセンサ244は、感知されているダイ220の正確な位置及び種類を識別することが可能であり得る。この情報を使用して、移送動作を行うためにウェハテープ218が搬送されるべき正確な位置を示す命令が、ウェハテープ搬送フレーム222に提供され得る。センサ244は、数多くの種類のセンサのうちの1つであってもよく、または複数の機能をより良く実行するために、複数の種類のセンサの組み合わせであってもよい。センサ244には、レーザ距離計、または非限定的な例としてマイクロ撮影機能を有する高解像度光学カメラといった光学センサが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0054】
さらに、いくつかの事例では、第2のセンサ246も装置200に含まれ得る。第2のセンサ246は、製品基材210上の回路トレース212の正確な位置を検出するように、製品基材210に対して配置され得る。次にこの情報を使用して、次回の移送動作が回路トレース212上の正しい位置で行われるように、移送機構206と固定機構208との間に製品基材210を位置合わせするのに必要な任意の位置調整が特定され得る。この情報はさらに、製品基材210を正しい位置に搬送しながら、同時にウェハテープ搬送フレーム222に命令を伝達することを調整するために、装置200へ中継され得る。センサ246にはまた、非限定的な一例としてマイクロ撮影機能を有する高解像度光学カメラといった光学センサを含む様々なセンサが企図される。
【0055】
図2A及び図2Bにはさらに、第1のセンサ244、第2のセンサ246、及びレーザ236が接地され得ることが示される。いくつかの事例では、第1のセンサ244、第2のセンサ246、及びレーザ236は全て、同じアース(G)に、あるいは異なるアース(G)に接地され得る。
【0056】
第1及び第2のセンサ244、246に使用されるセンサの種類によっては、第1または第2のセンサはさらに、移送されるダイの機能を試験することが可能であり得る。あるいは、装置200から製品基材210を取り外す前に個々のダイを試験するように、追加の試験センサ(図示せず)が装置200の構造に組み込まれてもよい。
【0057】
さらに、いくつかの例では、与えられた時間で複数のダイを移送し固定するために、独立して作動可能な複数の針及び/またはレーザが機械に実装され得る。複数の針及び/またはレーザは、三次元空間内で独立して移動可能であり得る。複数のダイ移送は、同期的に行われ得る(複数の針が同時に下がる)、または必ずしも同期的ではないが同時に行われ得る(例えば1つの針が下がると同時に他の針が上がり、この配置は構成要素の均衡がよりよく取れ、振動を最小限に抑え得る)。複数の針及び/またはレーザの制御は、複数の構成要素間の衝突を避けるように調整され得る。さらに、他の例では、複数の針及び/またはレーザは、互いに対して固定位置に配置され得る。
【0058】
針先端プロファイルの例
上述のように、針の先端300のプロファイル形状が図3に関して論述され、図3は、先端300のプロファイル形状の概略的な例を示す。一実施形態では、先端300は、針の端部として定義され得、先細部分304に隣接する側壁302、角部306、及び針の対向側面に対し横に延び得る基端部308を含む。先端300の具体的なサイズ及び形状は、例えば移送されるダイ220のサイズ、並びに移送動作の速度及び衝突力など、移送プロセスの要素に応じて変わり得る。例えば、図3に示される、針の中心軸の長手方向と先細部分304との間で測定される角度θは、約10度~15度の範囲であり得る。角部306の半径rは、約15~50+ミクロンの範囲であり得る。基端部308の幅wは、約0~100+超ミクロン(μm)の範囲であり得、wは、移送されるダイ220の幅以下であり得る。先細部分304の高さhは、約1~2mmの範囲であり得、hは、移送動作のストローク中に針が移動する距離より長くあり得る。針226の直径dは、約1mmであり得る。
【0059】
他の針先端プロファイルも企図され、移送動作に伴う様々な要素に応じた異なる利点を有し得る。例えば、針先端300は、ダイの幅を反映してより平滑化されてもよく、またはウェハテープのより小さな領域に圧入するためにより尖っていてもよい。
【0060】
針作動性能プロファイルの例
針動作性能プロファイルの実施形態が、図4に示される。つまり図4は、ウェハテープ218の平面に対する針先端の高さが時間と共に変わる様子を表示することで、移送動作中に行われるストロークパターンの例を示す。よって、図4における「0」の位置は、ウェハテープ218の上面であり得る。さらに、プログラムされるプロセスに応じて、または第1のダイを移送して、移送対象の第2のダイにたどり着くのにかかる時間までの様々な時間の長さに応じて、針の非稼働時間及び針の準備完了時間は異なり得るため、ストロークパターンの非稼働段階及び準備完了段階で示される破線は、時間が概算であることを示すが、より長いまたは短い継続時間であってもよい。さらに、レーザの使用に関して示される実線は、本明細書で示される実施形態の例示的な時間ではあるが、レーザの起動時及び停止時の実際の継続時間は、回路の形成に使用される材料(回路トレースの材料選択など)、製品基材の種類、所望する効果(予め溶解した回路トレース、部分接合、完全接合など)、接合点(すなわち製品基材の上面)からのレーザの距離、移送されるダイのサイズ、及びレーザの出力/強度/波長などに応じて変わり得ることが理解されよう。従って、図4に示されるプロファイルの下記の説明は、針プロファイルの例示的な実施形態であり得る。
【0061】
いくつかの事例では、移送動作の前に、完全に引き込められた針先端は、ウェハテープの表面の上方約2000μmで、非稼働状態であり得る。様々な時間量の経過後、針先端は迅速に下がって、ウェハテープの表面の上方約750μmで、準備完了状態で待機し得る。準備完了状態で別の未定の時間量が経過すると、針先端は再び下がってダイと接触し、ダイと共にウェハテープを約-1000μmの高さまで押し下げることができ、そこでダイは製品基材に移送され得る。レーザ起動区分の開始時における垂直点線は、準備段階からの降下開始と、針先端のストロークの底部との間のある時点で、レーザが起動し得ることを示す。例えば、レーザは、降下進路の約50%の所で起動され得る。いくつかの事例では、例えば針が下り始める前にレーザを早く起動することにより、回路トレースはダイと接触する前に軟化し始め、より強い接合を形成することができ、またはさらにこの時間中に、ダイウェハは作用を受け得る、すなわち準備され得る。レーザが起動される段階は、約20ms(「ミリ秒」)続き得る。レーザが起動されるストロークの底部において、その段階は、ダイと製品基材との接合段階であり得る。この接合段階により、回路トレースはダイ接点に付着することが可能となり得、これはレーザが停止された後に急速に硬化する。このように、ダイは製品基材に接合され得る。接合段階は、約30ms続き得る。その後、レーザは停止され得、針は上がって迅速に準備完了段階となり得る。逆に、針が上がり始める前にレーザが停止されてもよく、または準備完了段階に戻るために針先端が上がる間のある時点で、レーザが停止されてもよい。準備完了段階の高さへと針先端が上昇すると、針先端の高さはオーバーシュートして、準備完了段階の高さよりも下に若干浮力をもって跳ね返ることがある。浮力の一部は、針先端が準備完了段階の高さへ上昇する速度に起因し得るが、針がウェハテープを貫通してそこから抜けられない場合に、針の先端をウェハテープの表面から引き込ませる支援を行うために、速度及び浮力は意図的であり得る。
【0062】
図4に示されるように、レーザが停止されるタイミングは、レーザが起動されるタイミングより長くあり得、より遅い降下速度は、ダイへの損傷を防止するのに役立ち得、上述のように迅速な上昇速度は、針先端をウェハテープからより効果的に引き抜くのに役立ち得る。それでもなお、先に述べたように、図4に示されるタイミング、特に非稼働期間及び準備完了期間に関するタイミングは、概算である。従って、図4の下辺に沿って割り当てられた数値は参照用であり、特に明記されない限り、文字通りに解釈されるべきではない。
【0063】
製品基材の例
図5は、処理された製品基材500の例示的な実施形態を示す。製品基材502は、電力を印加されると負または正の電源端子として機能し得る回路トレースの第1の部分504Aを含み得る。回路トレースの第2の部分504Bは、回路トレースの第1の部分504Aに隣接して延び得、電力が印加されると、正または負の対応電源端子として機能し得る。
【0064】
ウェハテープに関する上述と同様に、移送動作を実行する際に製品基材502を搬送する場所を特定するため、製品基材502は、読み取られるあるいは検出されるバーコード(図示せず)または他の識別子を有し得る。識別子は、回路トレースデータを装置に提供し得る。製品基材502はさらに、基準点506を含み得る。基準点506は、回路トレースの第1の部分及び第2の部分504A、504Bの位置を特定するために、製品基材センサ(例えば図2の第2のセンサ246)により感知される視覚インジケータであり得る。基準点506が一度感知されると、基準点506に対する回路トレースの第1の部分及び第2の部分504A、504Bの形状及び相対位置が、事前にプログラムされた情報に基づいて特定され得る。事前にプログラムされた情報に関連して感知された情報を使用することで、製品基材搬送機構は、製品基材502を、移送動作の適切な位置合わせ位置に搬送し得る。
【0065】
さらに、ダイ508は、回路トレースの第1の部分及び第2の部分504A、504Bの間をまたがるように、図5に示されている。このようにして、ダイ508の電気接触端子(図示せず)は、移送動作中に製品基材502に接合され得る。従って、回路トレースの第1の部分及び第2の部分504A、504Bの間を走るように電力が印加され得、これによりダイ508に電力が供給される。例えば、ダイは、ウェハテープから製品基材502上の回路トレースへ直接移送されたパッケージされていないLEDであり得る。その後、製品基材502は、製品基材502を完成させるために処理され、回路または他の最終製品で使用され得る。さらに、完全な回路を作成するために、回路の他の構成要素が同じまたは他の移送手段により追加され得、回路の他の構成要素は、静的な、またはプログラム可能な、または適応可能な様式で、1つ以上のグループのLEDを制御する制御ロジックを含み得る。
【0066】
直接移送システムの簡易化された例
直接移送システム600の実施形態の簡易化された例が、図6に示される。移送システム600は、パーソナルコンピュータ(PC)602(またはサーバ、データ入力デバイス、ユーザインターフェースなど)と、データストア604と、ウェハテープ機構606と、製品基材機構608と、移送機構610と、固定機構612とを含み得る。ウェハテープ機構606、製品基材機構608、移送機構610、及び固定機構612のより詳細な説明は前述されているため、これらの機構に関する具体的な詳細はここでは繰り返されない。しかし、ウェハテープ機構606、製品基材機構608、移送機構610、及び固定機構612が、PC602とデータストア604との相互作用にどのように関連するかについての簡単な説明が、以下に説明される。
【0067】
いくつかの事例では、PC602は、移送機構610を使用してウェハテープ機構606内のウェハテープからダイを、製品基材機構608内の製品基材上に直接移送し、固定機構612に配置されたレーザまたは他のエネルギー放出デバイスの作動を介して、ダイを製品基材上に固定し得る移送プロセスにおいて有用な情報及びデータを、データストア604と通信して受信し得る。PC602はまた、ウェハテープ機構606、製品基材機構608、移送機構610、及び固定機構612のそれぞれに対し及びそれぞれから中継されるデータの受信器、コンパイラ、オーガナイザ、及びコントローラとして機能し得る。PC602はさらに、移送システム600のユーザから指示情報を受信し得る。
【0068】
図6は、ウェハテープ機構606及び製品基材機構608に隣接して移動可能方向矢印を示しているものの、これらの矢印は単に移動の一般的方向を示しているにすぎないことに留意されたいが、しかしウェハテープ機構606及び製品基材機構608の両者は、例えば平面、ピッチ、ロール、及びヨーにおける回転を含む他の方向にも移動することが可能であり得ることが企図される。
【0069】
移送システム600の構成要素の相互作用のさらなる詳細は、下記にて図7に関して説明される。
【0070】
直接移送システムの詳細な例
転送システム700のそれぞれの構成要素間の通信経路の概要が、下記に説明され得る。
【0071】
直接移送システムは、データストア704から通信を受信し、データストア704へ通信を提供し得るパーソナルコンピュータ(PC)702(またはサーバ、データ入力デバイス、ユーザインターフェースなど)を含み得る。PC702はさらに、第1のセルマネジャ706(「セルマネジャ1」と図示)及び第2のセルマネジャ708(「セルマネジャ2」と図示)と通信し得る。従って、PC702は、第1のセルマネジャ706と第2のセルマネジャ708との間の命令を、制御し同期させ得る。
【0072】
PC702は、プロセッサとメモリ構成要素とを含み得、これらは、第1及び第2のセルマネジャ706、708、並びにデータストア704に関する様々な機能を実行するために命令を実行し得る。いくつかの事例では、PC702は、プロジェクトマネジャ710と、針プロファイル定義器712とを含み得る。
【0073】
プロジェクトマネジャ710は、直接移送プロセスを催し、ウェハテープ及びその上のダイに対する製品基材の配向及び位置合わせに関して円滑な作動を維持するために、第1及び第2のセルマネジャ706、708並びにデータストア704から入力を受信し得る。
【0074】
針プロファイル定義器712は、針ストローク性能プロファイルに関するデータを含むことができ、これを使用して、装填されたウェハテープ上の特定のダイ及び製品基材上の回路トレースのパターンに応じて、所望の針ストローク性能に関する命令が、移送機構に与えられ得る。針プロファイル定義器712のさらなる詳細は、本明細書においてさらに後述される。
【0075】
データストア704に戻ると、データストア704は、ウェハテープ機構に装填されるウェハテープに特有であり得るダイマップ714などのデータを含むメモリを備え得る。先に説明されたように、ダイマップは、特定のダイの位置に関する予め整理された説明を提供する目的で、ウェハテープ上の各ダイの相対位置、及びその品質を説明し得る。さらに、データストア704はまた、回路CADファイル716を含むメモリも備え得る。回路CADファイル716は、装填された製品基材上の具体的な回路トレースパターンに関するデータを含み得る。
【0076】
プロジェクトマネジャ710は、データストア704からダイマップ714及び回路CADファイル716を受信することができ、それぞれの情報を、第1及び第2のセルマネジャ706、708へそれぞれ中継することができる。
【0077】
一実施形態では、第1のセルマネジャ706は、ダイマネジャ718を介してデータストア704からのダイマップ714を使用し得る。より具体的には、ダイマネジャ718は、ダイマップ714と、センサマネジャ720が受信した情報とを比較することができ、これに基づいて、特定のダイの位置に関して動作マネジャ722に命令を提供することができる。センサマネジャ720は、ダイ検出器724から、ウェハテープ上のダイの実際の位置に関するデータを受信し得る。センサマネジャ720はまた、ダイ検出器724に対し、ダイマップ714に従って特定の位置にある特定のダイを探すように命令し得る。ダイ検出器724は、図2A及び図2Bの第2のセンサ246などのセンサを含み得る。ウェハテープ上のダイの実際の位置に関する受信されたデータ(位置の変更に関する確認または更新)に基づいて、動作マネジャ722は、第1のロボット726(「ロボット1」と図示)に対し、ウェハテープを移送機構の針との整列位置へ搬送するように命令し得る。
【0078】
命令された位置に達すると、第1のロボット726は、その移動が完了したことを、針制御盤マネジャ728に伝達し得る。さらに、針制御盤マネジャ728は、PC702と直接通信して、移送動作の実行を調整し得る。移送動作の実行時に、PC702は針制御盤マネジャ728に対し、針作動器/針730を起動させるように命令することができ、これにより針は、針プロファイル定義器712に記憶された針プロファイルに従ってストロークを実行する。針制御盤マネジャ728はまた、レーザ制御/レーザ732を起動させ、これによりレーザは、針が移送動作を実行するためにウェハテープを介してダイを押下すると、製品基材に向かってビームを放出する。上述のように、針のストロークの前に、それと同時に、その間に、または針のストロークの起動後に、あるいはさらに針のストロークの完全な作動の後に、レーザ制御/レーザ732の起動は起こり得る。
【0079】
従って、第1のセルマネジャ706は、第1のロボット726に行くように指示する場所を特定することと、第1のロボット726に特定した場所に行くように指示することと、針を起動させることと、固定デバイスを起動させることと、再設定を行うこととを含む複数の状態を経過し得る。
【0080】
移送動作の実行の前に、プロジェクトマネジャ710は、回路CADファイル716のデータを、第2のセルマネジャ708へ中継し得る。第2のセルマネジャ708は、センサマネジャ734と、動作マネジャ736とを含み得る。回路CADファイル716を使用して、センサマネジャ734は製品基材位置合わせセンサ738に対し、製品基材上の基準点を見つけて、それにより、製品基材上の回路トレースの位置に従って製品基材を検出及び配向するように命令し得る。センサマネジャ734は、製品基材上の回路トレースパターンの確認または更新された位置情報を受信し得る。センサマネジャ734は、動作マネジャ736と協働して、第2のロボット740(「ロボット2」と図示)に対し、移送動作を実行するために製品基材を位置合わせ位置(すなわち移送固定位置)へ搬送するように、命令を提供し得る。従って、回路CADファイル716は、ダイが製品基材上の回路トレースに正確に移送され得るように、プロジェクトマネジャ710がウェハテープに対して製品基材を位置合わせすることを支援し得る。
【0081】
従って、第2のセルマネジャ708は、第2のロボット740に行くように指示する場所を特定することと、第2のロボット740に特定した場所に行くように指示することと、再設定を行うこととを含む複数の状態を経過し得る。
【0082】
上述の直接移送システム700の様々な構成要素の全てまたは一部の構成要素間において、付加的及び代替的な通信経路が可能であることは理解されよう。
【0083】
直接移送方法の例
1つ以上のダイがウェハテープから製品基材へ直接移送される直接移送プロセスを実行する方法800が、図8に示される。本明細書に記載される方法800のステップは、いずれかの特定の順序でなくてもよく、よって、所望の製品基材を実現できる任意の順序で実行されてもよい。方法800は、移送プロセスデータを、PC及び/またはデータストアにロードするステップ802を含み得る。移送プロセスデータは、ダイマップデータ、回路CADファイルデータ、及び針プロファイルデータなどのデータを含み得る。
【0084】
ウェハテープをウェハテープ搬送機構に装填するステップ804も、方法800に含まれ得る。ウェハテープをウェハテープ搬送機構に装填することは、ウェハテープ搬送機構を制御して装填位置に移動させることを含み得、この装填位置は抜き取り位置としても知られる。ウェハテープは、装填位置でウェハテープ搬送機構に固定され得る。ウェハテープは、半導体のダイが製品基材搬送機構に向かって下向きになるように装填され得る。
【0085】
方法800はさらに、製品基材を、製品基材搬送機構に装填するために準備するステップ806を含み得る。製品基材を準備することは、PCまたはデータストアにロードされたCADファイルのパターンに従って、製品基材上に回路トレースをスクリーン印刷するステップを含み得る。さらに、移送プロセスの支援をするために、基準点が回路基板上に印刷され得る。製品基材搬送機構は、抜き取り位置としても知られる装填位置に移動するように制御され得、ここで製品基材は、製品基材搬送機構に装填され得る。製品基材は、回路トレースがウェハ上のダイに面するように装填され得る。いくつかの事例では、例えば製品基材は、組み立てラインのような様式で、搬送器(図示せず)または他の自動化機構により、装填位置に送られ配置され得る。あるいは、製品基材は、オペレータにより手動で装填され得る。
【0086】
製品基材が製品基材搬送機構に適切に装填され、ウェハテープがウェハテープ搬送機構に適切に装填されると、直接移送動作を開始する(808)ために、ウェハテープから製品基材の回路トレースへのダイの直接移送を制御するプログラムが、PCを介して実行され得る。直接移送動作の詳細は、下記に説明される。
【0087】
直接移送動作の方法例
ウェハテープ(または他のダイ保持基材であり、図9の簡易化された説明では「ダイ基材」とも称される)から製品基材へダイを直接移送させる直接移送動作の方法900が、図9に示される。本明細書に記載される方法900のステップは、いずれかの特定の順序でなくてもよく、よって、所望の製品状態を実現できる任意の順序で実行されてもよい。
【0088】
製品基材に配置するダイ、及び製品基材上にダイを配置する場所を特定するために、PCは、製品基材の識別及び移送対象のダイを含むダイ基材の識別に関する入力を受信し得る(902)。この入力はユーザにより手動で入力されてもよく、またはPCが、製品基材位置合わせセンサとダイ検出器をそれぞれ制御するセルマネジャに対し、要求を送信してもよい。要求はセンサに対し、装填された基材を走査してバーコードまたはQRコードなどの識別マーカを探すように命令することができ、及び/または要求は検出器に対し、装填されたダイ基材を走査してバーコードまたはQRコードなどの識別マーカを探すように命令することができる。
【0089】
製品基材識別入力を使用して、PCは、データストアまたは他のメモリに問い合わせて、製品基材とダイ基材のそれぞれの識別マーカを照合し、関連するデータファイルを取得し得る(904)。具体的には、PCは、製品基材上の回路トレースのパターンを記述する、製品基材に対応付けられた回路CADファイルを取得し得る。回路CADファイルはさらに、回路トレースに移送されるダイの数、ダイの相対位置、及びダイのそれぞれの品質要件などのデータを含み得る。同様に、PCは、ダイ基材上の特定のダイの相対位置に関するマップを提供する、ダイ基材に対応付けられたダイマップデータファイルを取得し得る。
【0090】
製品基材へのダイの移送を実行するプロセスにおいて、PCは、移送機構及び固定機構に対する製品基材及びダイ基材の初期配向を特定し得る(906)。ステップ906で、PCは基板位置合わせセンサに対し、製品基材上の基準点の位置を特定するように、命令し得る。前述のように、基準点は、製品基材上の回路トレースの相対位置及び配向を特定するための基準マーカとして使用され得る。さらに、PCは、ダイの配置を特定するために、ダイ検出器に対し、ダイ基材上の1つ以上の基準点の位置を特定するように命令し得る。
【0091】
製品基材及びダイ基材の初期配向が特定されると、PCは、それぞれの製品基材搬送機構及びダイ基材搬送機構に対し、製品基材及びダイ基材を移送機構及び固定機構との位置合わせ位置にそれぞれ配向するように、命令し得る(908)。
【0092】
位置合わせステップ908は、回路トレースのダイ移送先部分の位置を特定すること(910)と、移送固定位置に対してダイ移送先部分が配置される位置を特定すること(912)とを含み得る。移送固定位置は、移送機構と固定機構との間の位置合わせ点であると考えられ得る。ステップ910及び912で特定されたデータに基づいて、PCは製品基材搬送機構に命令して、回路トレースのダイ移送先部分と移送固定位置とが位置合わせされるように、製品基材を搬送させ得る(914)。
【0093】
整列ステップ908はさらに、移送対象となるダイ基材上のダイを特定すること(916)と、移送固定位置に対してダイが配置される位置を特定すること(918)とを含み得る。ステップ916及び918で特定されたデータに基づいて、PCはウェハテープ搬送機構に命令して、移送対象のダイと移送固定位置とが位置合わせされるように、ダイ基材を搬送させ得る(920)。
【0094】
ダイ基材から移送されるべきダイと回路トレースのダイ移送先部分とが、移送機構及び固定機構により位置合わせされると、ダイ基材から製品基材へのダイの移送を達成するために、針及び固定デバイス(例えばレーザ)が作動され得る(922)。
【0095】
ダイが移送された後、PCは、追加のダイを移送する予定であるか否かを判定し得る(924)。別のダイを移送する予定である場合、PCは、ステップ908に戻り、後続の移送動作のために適宜製品基材及びダイ基材を再位置合わせさせ得る。別のダイが移送されない場合、移送プロセスは終了する(926)。
【0096】
直接移送搬送器/組み立てラインシステムの例
図10に関して説明される実施形態では、前述の直接移送装置の構成要素のうちのいくつかは、搬送器/組み立てラインシステム1000(以下「搬送システム」と称する)内に実装され得る。具体的には、図2A及び図2Bは、製品基材搬送フレーム214により保持され、製品基材引張フレーム216により引張された製品基材210を示す。装置200に関して示されるように限定された領域にモータ、レール、及びギアのシステムを介して製品基材搬送フレーム214を固定することの代替案として、図10は、搬送システム1000を通って搬送される製品基材搬送フレーム214を示し、搬送システム1000では、製品基材は組み立てライン式プロセスを通過する。搬送される製品基材上で行われる動作間の実際の搬送手段として、搬送システム1000は、一連のトラック、ローラ、及びベルト1002、並びに/あるいは製品基材を各自保持する複数の製品基材搬送フレーム214を順次搬送する他の取扱装置を含み得る。
【0097】
いくつかの事例では、搬送システム1000の動作ステーションは、1つ以上の印刷ステーション1004を含み得る。ブランクの製品基材が印刷ステーション(複数可)1004に搬送されると、ブランクの製品基材上に回路トレースが印刷され得る。複数の印刷ステーション1004が存在する場合、複数の印刷ステーション1004は直列に配置され得、それぞれが1つ以上の印刷動作を実行して完全な回路トレースを形成するように構成され得る。
【0098】
さらに、搬送システム1000において、製品基材搬送フレーム214は、1つ以上のダイ移送ステーション1006に搬送され得る。複数のダイ移送ステーション1006が存在する場合、複数のダイ移送ステーション1006は直列に配置され得、それぞれが1つ以上のダイ移送を実行するように構成され得る。移送ステーション(複数可)にて、本明細書で説明される直接移送装置の実施形態のうちの1つ以上を用いた移送動作を介して、製品基材上に1つ以上のダイが移送され固定され得る。例えば、各移送ステーション1006は、ウェハテープ搬送機構と、移送機構と、固定機構とを含み得る。いくつかの事例では、回路トレースは予め製品基材上に準備され得、よって製品基材は、1つ以上の移送ステーション1006に直接搬送され得る。
【0099】
移送ステーション1006において、搬送される製品基材搬送フレーム214がステーションに入ると、ウェハテープ搬送機構、移送機構、及び固定機構は、製品基材搬送フレーム214に対して位置合わせされ得る。この状況で、複数の製品基材が搬送システム1000を通して搬送されるため、移送ステーション1006の構成要素は、各製品基材上の同じ相対位置で同じ移送動作を繰り返し実行し得る。
【0100】
さらに、搬送システム1000は、1つ以上の仕上げステーション1008をさらに含み得、製品基材はここに搬送され、最終処理を施され得る。最終処理の種類、量、及び継続時間は、製品の特徴及び製品を作るのに使用される材料の特性に依存し得る。例えば、仕上げステーション(複数可)1008にて、製品基材は、追加の硬化時間、保護コーティング、追加の構成要素などを受け得る。
【0101】
直接移送装置の第2の例示的実施形態
図11A及び図11Bに示される直接移送装置の別の実施形態では、「軽ストリング」が形成され得る。装置1100の特徴のうちの多くは、図2A及び図2Bの装置200の特徴と実質的に類似したままで得るが、図11A及び図11Bに示される製品基材搬送機構1102は、製品基材210とは異なる製品基材1104を搬送するように構成され得る。具体的には、図2A及び図2Bにおいて、製品基材搬送機構202は、シート状の製品基材210を張力により固定する搬送フレーム214及び引張フレーム216を含む。しかし、図11A及び図11Bの実施形態では、製品基材搬送機構1102は、製品基材リールシステムを含み得る。
【0102】
製品基材リールシステムは、「ストリング回路」が巻きつけられた1つまたは2つの回路トレースリール1106を含むことができ、ストリング回路は、隣接して巻かれた1対の導電性ストリングまたはワイヤを製品基材1104として含み得る。リールが1つだけの場合、リール1106は移送位置の第1の側に配置され得、1対の導電性ストリング(1104)は、単一リール1106の周りに巻き付けられ得る。あるいは、2つの回路トレースリール1106が移送位置の第1の側に配置されてもよく、各リール1106はストリング回路の単一のストランドを含み、次いでストランドは移送位置を通るように一緒に運ばれる。
【0103】
1つのリール1106が実装されるか、2つのリール1106が実装されるかにかかわらず、各事例において、ストリング回路を形成するダイ移送プロセスは実質的に同様であり得る。具体的には、製品基材1104の導電性ストリングは、リール(複数可)1106から移送位置をわたって通され得、仕上げデバイス1108に供給され得る。いくつかの事例では、仕上げデバイス1108は、例えば半透明または透明のプラスチックの保護コーティングを施すコーティングデバイスであり得る、あるいは、製品の最終処理の一部としてストリング回路の硬化を完了させ得る硬化装置であり得る。付加的または代替的に、回路のストリングは、ストリング回路の仕上げ処理の前にストリング回路を巻き上げ得る別のリールに供給されてもよい。製品基材1104の導電性ストリングが移送位置を通して引っ張られると、移送機構206が作動され、製品基材1104の導電性ストリングにダイ220を移送するように針ストローク(前述のように)を実行し、結果、ダイ220の電気接触端子は隣接するストリング上にそれぞれ配置され、固定機構208が作動され、ダイ220を適切な位置に固定させ得る。
【0104】
さらに、装置1100は、製品基材1104の導電性ストリングを支えて、さらに引張させ得る引張ローラ1110を含み得る。よって、引張ローラ1110は、形成されたストリング回路における張力を保持することを支援して、ダイ移送の精度を向上させ得る。
【0105】
図11Bにおいて、ダイ220は、製品基材1104の導電性ストリングに移送され、これにより製品基材1104の導電性ストリングを(ある程度)結合し、ストリング回路を形成するように示される。
【0106】
直接移送装置の第3の例示的実施形態
図12に示される直接移送装置の追加の実施形態では、装置1200は、ウェハテープ搬送機構1202を含み得る。具体的には、図2A及び図2Bに示されるウェハテープ搬送フレーム222及び引張フレーム224の代わりに、ウェハテープ搬送機構1202は、ダイを単一の基材に移送するために、装置1200の移送位置を通してダイ220を搬送する1つ以上のリール1204のシステムを含み得る。具体的には、各リール1204は、狭く細長い連続ストリップに形成された基材1206を含み得、これはストリップの長さに沿ってダイ220が連続的に取り付けられている。
【0107】
単一のリール1204が使用される場合、移送動作は、モータトラック、及びギアを使用する実質的に前述のような製品基材搬送機構202により、製品基材210を搬送することを含み得る。しかし、ウェハテープ搬送機構1202は、リール1204から基材1206を巻き出すことで移送位置を通してダイ220が連続的に供給され得ながら、リール1204自体は固定位置に留まり得るという点で、実質的に静的な機構を含み得る。いくつかの事例では、基材1206の張力は、安定性目的で、装置1200のリール1204とは反対の側に配置され得る引張ローラ1208及び/または引張リール1210により維持され得る。引張リール1210は、ダイが移送された後に、基材1206を巻き上げ得る。あるいは、基材1206を固定する任意の他の好適な手段により、張力が維持され、よってダイ220を循環する各移送動作の後に、移送位置を通して製品基材1206を引っ張ることが支援され得る。
【0108】
複数のリール1204が使用される実施形態では、各リール1204は、他のリール1204に横方向に隣接して配置され得る。各リール1204は、特定の移送機構206及び特定の固定機構208と組み合わせられ得る。この場合、複数のダイが同じ製品基材210上の複数の位置に同時に配置され得るように、移送機構及び固定機構の各セットは、製品基材210に対して配置され得る。例えば、いくつかの事例では、それぞれの移送位置(すなわち移送機構と対応する固定機構との位置合わせ)は、様々な回路トレースパターンに適応するように、直線状、オフセット状、千鳥状になり得る。
【0109】
1つのリール1204が実装されるか、複数のリール1204が実装されるかにかかわらず、ダイ移送動作は、直接移送装置200の第1の例示的実施形態に関して前述された移送動作と、比較的類似し得る。例えば、製品基材210は、製品基材搬送機構202により前述と同じ方法で移送位置(ダイ固定位置)へ搬送され得、移送機構(複数可)206は、ダイ220をダイ基材1206から製品基材210へ移送するために針ストロークを実行し得、固定機構208は、製品基材210にダイ220を固定するのを支援するために作動され得る。
【0110】
複数のリール1204を有する実施形態では、回路トレースパターンは、全ての移送機構が同時に作動されることは不必要であり得るようなパターンであり得ることに留意されたい。従って、製品基材が移送のために様々な位置に搬送されると、複数の移送機構が間欠的に作動され得る。
【0111】
直接移送装置の第4の例示的実施形態
図13は、直接移送装置1300の実施形態を示す。図2A及び図2Bのように、製品基材搬送機構202は、ウェハテープ搬送機構204と隣接して配置され得る。しかし、搬送機構202、204の間には空間があり、そこに、ウェハテープ218から製品基材210へダイ220の移送を実施する移送機構1302が配置され得る。
【0112】
移送機構1302は、ウェハテープ218から1度に1つ以上のダイ220を取り、アーム1306を通して延びる軸Aの周りを回転するコレット1304を含み得る。例えば、図13は、ウェハテープ218が製品基材210に面し、よってコレット1304が、ウェハテープ218のダイ保持面と製品基材210の移送面との間で回転中心1308の周りを180度旋回し得る(旋回方向矢印を参照)ことを示す。すなわち、コレット1304の延長方向は、ウェハテープ218及び製品基材210の両方の表面または移送面と直交する面内で旋回する。あるいは、いくつかの実施形態では、コレットのアーム構造は、2つの平行な表面の間で旋回するように配置され得、コレットのアームは、平行な面に沿って旋回し得る。従って、コレット1304は、ウェハテープ218に面すると、ダイ220を取り、その後直ちに、固定機構208と一直線になるように製品基材210の表面に向かって旋回し得る。次いでコレット1304は、ダイ220が移送され製品基材210上の回路トレース212に固定されるように、ダイ220を放す。
【0113】
いくつかの事例では、移送機構1302は、異なる方向にアームから延びる2つ以上のコレット(図示せず)を含み得る。このような実施形態では、コレットは、コレット停止位置を介して一定間隔で360度回転し、コレットがウェハテープ218を通るたびにダイを取り、移送し得る。
【0114】
さらに、1つ以上のコレット1304は、コレット1304を通して正及び負の真空圧を用いて、ウェハテープからダイ220を取り、解離させ得る。
【0115】
直接移送装置の第5の例示的実施形態
図14A及び図14Bは、移送動作の異なる段階における直接移送装置1400の実施形態を示す。図14Aは、図2Aに示される移送前位置にある装置1400を例示し、図14Bは、図2Bに示される移送位置にある図14Aに示される装置1400を例示する。図14A及び図14Bは、装置1400の同じ要素及び特徴を参照しながら、移送動作の異なる段階を示すため、下記の特定の特徴に関する論述は、明示される場合を除いて、図2A図2B図14A、及び図14Bのうちのいずれをも互換的に指し得る。具体的には、図14A及び図14Bは、製品基材搬送機構202と、ウェハテープ搬送機構204と、移送機構1402と、固定機構208とを含む装置1400の実施形態を示す。
【0116】
示されるように、いくつかの事例では、移送機構1402は、ウェハテープ搬送機構204の鉛直上方に配置され得、固定機構208は、製品基材搬送機構202の鉛直下方に配置され得る。図2A及び図2Bの移送機構206と同様に、移送機構1402は、ウェハテープ218からダイ220の分離を支援するダイ分離デバイスである。移送機構1402の作動により、1つ以上のダイ220が、ウェハテープ218から解離され、製品基材210により捕捉され得る。いくつかの事例では、移送機構1402は、ピンまたは針1404などの細長いロッドを、ダイ220に接触するウェハテープ218の上面に押し付けることにより、作動し得る。
【0117】
緩衝器1406が、針1404の端部及び針作動器228の端部と共に配置され得る。針1404の端部及び針作動器228の端部と共に配置された緩衝器1406は、針1404がダイ220を押して、製品基材210上に配置された回路トレース212と接触させる時に、ダイ220に加えられる力を減衰させる。緩衝器1406は、ばね、コイルばね、エラストマ、空圧緩衝材、油圧緩衝材などを備え得る。
【0118】
一例では、緩衝器1406は、針作動器228の端部と針1404の端部との間に配置され、よって、針がダイ220を押して回路トレース212と接触させる時、緩衝器1406は、針作動器228の端部と針1404の端部との間で圧縮される。別の例では、緩衝器1406は、針作動器228の端部及び針1404の端部と共に配置され得、よって、針がダイ220を押して回路トレース212と接触させる時、緩衝器1406は、針作動器228の端部と針1404の端部との間で引張状態となる。
【0119】
図14Aは、移送前位置にある移送機構1402を例示し、針1404は、ウェハテープ218の第1の側面とは反対にあるウェハテープ218の第2の側面に隣接して配置される。移送機構1402が移送前位置にある時、緩衝器1406は、中立状態または緩和状態にあり得る。
【0120】
図14Bは、移送位置にある移送機構1402を例示し、針作動器228は針226を、ウェハテープ218の隣接側面に接触するように移動させ、この接触位置のウェハテープ218の反対側面には、ダイ220が位置合わせされる。ダイ220が回路トレース212と接触すると、緩衝器1406は、ダイ220の許容範囲を超えるいずれの追加的な力も吸収する。ダイ220の許容範囲は、少なくとも約5グラム重(gf)から多くとも約40gfであり得、これは、ダイ220を恒久的に変形させることなく、ダイ220に加えることができるグラム重である。緩衝器1406は、ダイ220の許容範囲を超えるいずれの追加的な力も吸収するため、緩衝器1406は、ダイ220が回路トレース212と接触する時に、ダイ220が傷つけられるまたは損傷されるのを防ぐ。針作動器228が針1404を引き込めると、針1404は、図14Aに示される移送前位置に戻る。
【0121】
図14A及び14Bは光ファイバケーブル230aが針引込支持体230に挿入され得ることを例示するが、光ファイバケーブル230aは、針引込支持体230に挿入されなくてもよい。例えば、光ファイバケーブル230aは、針1404及び/または針作動器228の開口部に(例えば空孔、口径、空洞などを通して)挿入され得る。光ファイバケーブル230aが針1404及び/または針作動器228の開口部に挿入され得る例では、移送機構1402は、光ファイバケーブル230aを針1404及び/または針作動器228の開口部に挿入させるために、光ファイバケーブル230aを受け入れて提供する1つ以上の開口部を含み得る。
【0122】
図15は、図14Aに示される移送前位置にある移送装置1400の断面図1500、及び図14Bに示される移送位置にある移送装置1400の断面図1502を表す。断面図1500及び1502は、第1の端部1504が第2の端部1506に対向する針1404を示す。断面図1502は、針1404の第2の端部1506がダイ220を回路トレース212と接触するように押す位置に、針作動器228が針1404を移動させることが可能なことを示す。
【0123】
断面図1500及び1502は、緩衝器1406が針1404の第1の端部1504及び針作動器228の端部1508と共に配置され得ることを示す。緩衝器1406は、針1404の第2の端部1506がダイ220を押して回路トレース212と接触させる時に、ダイ220に加えられる力を減衰させるように構成される。断面図1500及び1502は、緩衝器1406が針作動器228の端部1508と針1404の第1の端部1504との間に配置され、よって、針1404がダイ220を押して回路トレース212と接触させる時、緩衝器1406は、針作動器228の端部1508と針1404の第1の端部1504との間で圧縮されることを示す。例えば、断面図1500は、針1404がダイ220を押して回路トレース212と接触させるようにしていない、第1の高さ1510を有する第1の状態(例えば非圧縮状態)の緩衝器1406を示し、断面図1502は、針1404がダイ220を押して回路トレース212と接触させる、第1の高さ1510よりも小さい第2の高さ1512を有する第2の状態(例えば圧縮状態)の緩衝器1406を示す。
【0124】
断面図1500及び1502は、クランプ1514が針作動器228の端部1508に接続され、針1404の第1の端部1504を摺動可能に収容し得ることを示す。例えば、クランプ1514は、ねじ山を含むチャックを備えることができ、チャックは、ねじ山を介して針作動器228と篏合する。さらに、針1404の第1の端部1504は、チャック内に摺動可能に収容され得る。チャックは、緩衝器1406の予装填を調整するために、止めねじを有し得る。例えば、チャックは、緩衝器1406を予め装填する所望の位置まで、針作動器228の端部1508上をねじ式に移動することができ、止めねじは、針作動器228に当接し、針作動器228がチャックに対して移動することを防ぎ、緩衝器を予め装填する所望の位置にチャックを維持し得る。
【0125】
断面図1500及び1502は、針1404の第1の端部1504がフレア状口径1516を備え得ることを示す。フレア状口径1516は、針1404を貫通して針1404の第2の端部1506から延びる開口部1518を有する実質的に円筒形の円盤状フランジを備える。フレア状口径1516の開口部1518は、光ファイバケーブル(例えば光ファイバケーブル230a)を受け入れ得る。さらに、フレア状口径1516は、針1404が移動した時及び/または光ファイバケーブルが移動した時に、フレア状口径1516の開口部1518により受け入れられた光ファイバケーブルの部分が曲がるのを防ぎ得る。断面図1502は、針1404がダイ220を押して回路トレース212と接触させる時に、針1404のフレア状口径1516が、チャック内の針作動器228へ摺動可能に移動することを示す。断面図1500は、針作動器228が移送前位置に引き込められる時、針1404のフレア状口径1516がチャックに再篏合または当接する定位置に、針1404のフレア状口径1516が摺動可能に移動し戻ることを示す。
【0126】
断面図1500及び1502は、針1404のフレア状口径1516及び針作動器228の端部1508に当接するコイルばねを含む緩衝器1406を示すが、緩衝器1406は、針1404のフレア状口径1516及び針作動器228の端部1508に当接するエラストマ、空圧緩衝材、油圧緩衝材などを備えてもよい。緩衝器1406は、激しい衝突(例えば跳ね返り、反跳、キックバック、スプリングバック、遊びなど)を防止し、ウェハテープ218の抵抗を押し通すのに十分な強度を有するが、圧縮されることでダイ220の損傷閾値未満の力を加え得る。
【0127】
図16は、クランプ1602の上面斜視図1600及びクランプ1602の底面斜視図1604を示す。クランプ1602は、図15に例示されるクランプ1514と同じであり得る。クランプ1602の上面斜視図1600は、クランプ1602がねじ山1606を含み得ることを示す。クランプ1602は、緩衝器1406の予装填を調整するために止めねじ1608を有するチャックを備え得る。止めねじ1608は、クランプ1602の壁1612に配置された開口部1610により、ねじ式に受け入れられ得る。クランプ1602は、グリップ面1614を含み得る。グリップ面1614は、織り目加工面、刻み目加工面、エッチング加工面などであり、クランプ1602をつかみ、クランプ1602のねじ山1606を、針作動器228の端部1508の上をねじ式に通すことを可能にし得る。
【0128】
クランプ1602の底面斜視図1604は、クランプ1602が、クランプ1602の底面1618に開口部1616を含み得ることを示す。クランプ1602の底面1618における開口部1616は、針1404の少なくとも一部を摺動可能に受け入れるように構成され得る。例えば、針作動器228が針1404の第2の端部1506をダイ220に押し付ける時、針1404の細長いロッド部分の少なくとも一部は、クランプ1602の底面1618の開口部1616により摺動可能に受け入れられ得る。クランプ1602の内径1620は、針作動器228が針1404の第2の端部1506をダイ220に押し付ける時、クランプ1602の壁1612の内面に沿って、針1404のフレア状口径1516を摺動可能に受け入れるように構成され得る。
【0129】
図17は、針1702の上面斜視図1700及び針1702の底面斜視図1704を示す。針1702は、図14A図14B、及び図15に例示される針1404と同じであり得る。針1702の上面斜視図1700は、針1702を貫通して針1702の第2の端部1506から延びる開口部1518を有する実質的に円筒形の円盤状フランジを備えるフレア状口径1516を、針1702が含み得ることを示す。フレア状口径1516の開口部1518は、光ファイバケーブル(例えば光ファイバケーブル230a)を受け入れ得る。フレア状口径1516は、針1702が移動した時及び/または光ファイバケーブルが移動した時に、フレア状口径1516の開口部1518により受け入れられた光ファイバケーブルの部分が曲がるのを防ぎ得る。フレア状口径1516のフランジは、クランプ1602の内径1620より小さい外径1706を有し、クランプ1602内に摺動可能に受け入れられるように構成され得る。
【0130】
ダイにかかる力を制限するために緩衝器を用いた受動力制御を含む適合した針の実施形態が説明されているが、針に加えてもよい力量をプログラムにより加えるように構成された針制御システムが利用されてもよい。例えば、針制御システムは、針に加える力量を設定するようにプログラム可能なソフトウェアプログラムを含むことができ、ダイに加えられる最小力閾値に達しても、ダイに加えられる最大力閾値は超えないように構成される緩衝器を使用するのではなく、またはそのような緩衝器の使用に加えて、プログラムされた力量が針に加えられるまで、針を移動させる。針制御システムは、広い許容範囲を有するシステムにおいて、目標の力(例えば針に加えられるべき力量)まで、針を移動させるように構成される。例えば、製品基材210はZ位置が変化し得、ウェハテープ218はZ位置が変化し得、製品基材210は波状であり得または平坦さが不統一であり得(すなわち製品基材210は、撓んだまたは平坦ではない固定具またはキャリアに取り付けられ得る)、針制御システムは、接合材料の理想的な融着のために製品基材210の回路トレース212に対しダイを適切に据え付ける目標の力を加えるのに、必要なだけいくらでも針を移動させる。よって、小さすぎる圧力は特定の障害モードを引き起こし、大きすぎる圧力は他の障害モードを引き起こすが、目標の力を提供する針制御システムを使用する広い許容範囲の構成では、そのような障害モードを引き起こすことなく、圧力を加えることができる。
【0131】
さらに、針制御システムは、図4に関して前述されたように、針作動性能プロファイルを介して針を移動させるように構成され得る。例えば、針制御システムは、ウェハテープ218から製品基材210へのダイの移送動作中に実行されるストロークパターンを介して、針を移動させ得る。例えば、針制御システムは、針先端を目標位置にて準備完了状態で休むように移動させ、次に針先端をダイと接触させて、ダイを有するウェハテープを製品基材210に目標の力で押し付けるように再び移動させることができ、その結果、ダイは製品基材に移送され得る。
【0132】
例示的条項
A:電気的作動可能素子をウェハテープの第1の側面から、回路トレースを面上に有する製品基材へ直接移送するように構成された装置であって、前記ウェハテープの前記第1の側面の反対側にある前記ウェハテープの第2の側面に隣接して配置される針と、前記ウェハテープの前記第1の側面に隣接して配置された前記回路トレースに接触させるように前記電気的作動可能素子を押すために、前記針が前記ウェハテープの前記第2の側面を押す位置に、前記針を移動させる針作動器と、前記針の端部及び前記針作動器の端部と共に配置された緩衝器であって、前記針が前記電気的作動可能素子を押して前記回路トレースと接触させる時に、前記電気的作動可能素子に加えられる力を減衰させる前記緩衝器とを備える前記装置。
【0133】
B:前記針作動器の前記端部に接続され、前記針の前記端部を摺動可能に収容するクランプをさらに備える、条項Aに記載の装置。
【0134】
C:前記クランプはチャックを備える、条項A~Bのいずれか1項に記載の装置。
【0135】
D:前記緩衝器は、前記針作動器の前記端部と前記針の前記端部との間に配置され、これにより、前記針が前記電気的作動可能素子を押して前記回路トレースと接触させる時に、前記緩衝器は前記針作動器の前記端部と前記針の前記端部との間で圧縮される、条項A~Cのいずれか1項に記載の装置。
【0136】
E:前記緩衝器は、ばね、コイルばね、エラストマ、空気緩衝材、油圧緩衝材を備える、条項A~Dのいずれか1項に記載の装置。
【0137】
F:前記針の前記端部は、フレア状口径を備える、条項A~Eのいずれか1項に記載の装置。
【0138】
G:前記フレア状口径により受け入れられる光ファイバ線の少なくとも一部をさらに備え、前記フレア状口径は、前記フレア状口径により受け入れられる前記光ファイバ線の前記一部が曲がることを防ぐ、条項A~Fのいずれか1項に記載の装置。
【0139】
H:前記電気的作動可能素子は、パッケージされていないLEDである、条項A~Gのいずれか1項に記載の装置。
【0140】
I:第1の側面及び第2の側面を有するウェハテープを保持するように構成された第1のフレームであって、前記ウェハテープの前記第1の側面上には半導体デバイスダイが配置される、前記第1のフレームと、回路トレースを面上に有する製品基材を保持するように構成された第2のフレームであって、前記製品基材が前記ウェハテープ上の前記半導体デバイスダイに面して配置されるように前記製品基材を保持する前記第2のフレームと、前記第1のフレームに隣接して配置された針と、前記針に接続された針作動器であって、前記半導体デバイスダイを前記回路トレースに接触させるように押すために、前記針が前記ウェハテープの前記第2の側面を押すダイ移送位置に、前記針を移動させる前記針作動器と、前記針及び前記針作動器と共に配置された緩衝器であって、前記針が前記半導体デバイスダイを押して前記回路トレースと接触させる時に、前記半導体デバイスダイに加えられる力を減衰させる前記緩衝器とを備える装置。
【0141】
J:前記針作動器の端部に接続され、前記針の端部を摺動可能に収容するチャックをさらに備える、条項Iに記載の装置。
【0142】
K:前記緩衝器は、前記針作動器の前記端部と前記針の前記端部との間に配置され、これにより、前記針が前記半導体デバイスダイを押して前記回路トレースと接触させる時に、前記緩衝器は前記針作動器の前記端部と前記針の前記端部との間で圧縮される、条項I~Jのいずれか1項に記載の装置。
【0143】
L:前記針の前記端部は、フレア状口径を備える、条項I~Kのいずれか1項に記載の装置。
【0144】
M:前記半導体デバイスダイはLEDを含む、条項I~Lのいずれか1項に記載の装置。
【0145】
N:第1の端部が第2の端部に対向する針と、前記針の前記第2の端部が電気的作動可能素子を回路トレースと接触するように押す位置に、前記針を移動させる針作動器と、前記針の前記第1の端部及び前記針作動器の端部と共に配置された緩衝器であって、前記針の前記第2の端部が前記電気的作動可能素子を押して前記回路トレースと接触させる時に、前記電気的作動可能素子に加えられる力を減衰させる前記緩衝器とを備える装置。
【0146】
O:前記緩衝器は、前記針作動器の前記端部と前記針の前記第1の端部との間に配置され、これにより、前記針が前記電気的作動可能素子を押して前記回路トレースと接触させる時に、前記緩衝器は前記針作動器の前記端部と前記針の前記第1の端部との間で圧縮される、条項Nに記載の装置。
【0147】
P:前記針作動器の前記端部に接続され、前記針の前記第1の端部を摺動可能に収容するクランプをさらに備える、条項N~Oのいずれか1項に記載の装置。
【0148】
Q:前記クランプは、前記緩衝器の予装填を調整するために止めねじを有するチャックを備える、条項N~Pのいずれか1項に記載の装置。
【0149】
R:前記チャックは、ねじ山を含み、前記ねじ山を介して前記針作動器と篏合し、前記止めねじは、前記針作動器に当接して、前記チャックに対して前記針作動器が移動することを防ぐ、条項N~Qのいずれか1項に記載の装置。
【0150】
S:前記針の前記第1の端部は、フレア状口径を備える、条項N~Rのいずれか1項に記載の装置。
【0151】
T:前記緩衝器はコイルばねを備え、前記コイルばねは前記針の前記フレア状口径に当接し、前記針作動器の前記端部に当接する、条項N~Sのいずれか1項に記載の装置。
【0152】
結論
いくつかの実施形態が、構造的特徴及び/または方法論的動作に特定した言語で説明されたが、特許請求の範囲は、説明される具体的特徴または動作に必ずしも限定されないことを理解されたい。むしろ、具体的特徴及び動作は、請求する内容を実施する例示的な形態として開示される。さらに、本明細書における用語「may(~し得る、~することができる)」の使用は、1つ以上の様々な実施形態において用いられている特定の特徴の可能性を示すために使用されるが、必ずしも全ての実施形態でそうあるわけではない。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15
図16
図17