IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ユニベルシタ デグリ ストゥーディ ディ ジェノヴァの特許一覧

<>
  • 特許-再構成可能なマシニングセンタ 図1
  • 特許-再構成可能なマシニングセンタ 図2
  • 特許-再構成可能なマシニングセンタ 図3
  • 特許-再構成可能なマシニングセンタ 図4
  • 特許-再構成可能なマシニングセンタ 図5
  • 特許-再構成可能なマシニングセンタ 図6
  • 特許-再構成可能なマシニングセンタ 図7
  • 特許-再構成可能なマシニングセンタ 図8
  • 特許-再構成可能なマシニングセンタ 図9
  • 特許-再構成可能なマシニングセンタ 図10
  • 特許-再構成可能なマシニングセンタ 図11
  • 特許-再構成可能なマシニングセンタ 図12
  • 特許-再構成可能なマシニングセンタ 図13
  • 特許-再構成可能なマシニングセンタ 図14
  • 特許-再構成可能なマシニングセンタ 図15
  • 特許-再構成可能なマシニングセンタ 図16
  • 特許-再構成可能なマシニングセンタ 図17
  • 特許-再構成可能なマシニングセンタ 図18
  • 特許-再構成可能なマシニングセンタ 図19
  • 特許-再構成可能なマシニングセンタ 図20
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-09
(45)【発行日】2022-05-17
(54)【発明の名称】再構成可能なマシニングセンタ
(51)【国際特許分類】
   B23Q 1/01 20060101AFI20220510BHJP
【FI】
B23Q1/01 W
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2018541410
(86)(22)【出願日】2017-02-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-03-28
(86)【国際出願番号】 IB2017050737
(87)【国際公開番号】W WO2017137938
(87)【国際公開日】2017-08-17
【審査請求日】2020-01-23
(31)【優先権主張番号】102016000013699
(32)【優先日】2016-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】518278487
【氏名又は名称】ユニベルシタ デグリ ストゥーディ ディ ジェノヴァ
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】ブルッツォーネ,アレッサンドロ アルトゥーロ
(72)【発明者】
【氏名】モンティ,マルゲリータ
(72)【発明者】
【氏名】ゴダニ,アンドレア
【審査官】中里 翔平
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-131696(JP,A)
【文献】特開2008-114367(JP,A)
【文献】特開平07-124831(JP,A)
【文献】特開2009-012166(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0039713(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0288809(US,A1)
【文献】特開2009-180287(JP,A)
【文献】特開平06-010562(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 1/01
B23Q 1/56
B23Q 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
再構成可能なマシニングセンタ(1、100)であって、
第1の方向(X)に長手方向に延長する基礎構造(2)と、
基礎構造(2)に対して第1の方向(X)に移動できるように支持され、および、備え付けのマシニングヘッド(4)を設けた、第1の移動可能なクロスメンバ(3)と、
第1の方向(X)に沿って移動できるように基礎構造(2)上の移動可能なクロスメンバ(3)を支持するための支持要素と、
第1の螺旋状の円形の歯付きセクタ(51)を含む、基礎構造(2)と一体である第1の親ねじラック(5)であって、当該第1の親ねじラック(5)は、第1の方向(X)に平行な長手方向に基礎構造(2)に沿って延長し、当該第1の親ねじラック(5)は、第1の方向(X)に、基礎構造と同じだけ長い、第1の親ねじラック(5)と、
移動アセンブリ(7)によって移動可能なクロスメンバ(3)と回転可能に連結される第1のねじ(6)であって、当該第1のねじ(6)は対応する第1の親ねじラック(5)と係合し、第1の方向(X)に平行な回転軸を有する第1のねじ(6)と、を含み、
ここにおいて、基礎構造(2)の第1の方向の長手方向への延長は、第1の親ねじラック(5)の歯のピッチの整数倍であり、
および、基礎構造(2)は、さらに、第1の方向(X)に沿って、基礎構造(2)を後続および/または先行の隣接する基礎構造(2’)に連結するように適合された連結のための要素(8)を含む、
ことを特徴とする、マシニングセンタ(1、100)。
【請求項2】
基礎構造(2)は第1の親ねじラック(5)と平行な第2の親ねじラック(5)を含み、
第2の親ねじラックは、第1の親ねじラックの歯と同一のまたはその整数倍のピッチを備える第2の螺旋状の円形の歯付きセクタ(51)を含み、
前記第2の親ねじラック(5)は、第1の方向(X)と平行な長手方向で基礎構造(2)に沿って延長し、前記第2の親ねじラック(5)は、第1の方向(X)に、基礎構造と同じだけ長く、
マシニングセンタは、移動アセンブリ(7)によって移動可能なクロスメンバ(3)に回転可能に連結される第2のねじ(6)を含み、
前記第2のねじ(6)は、対応する第2の親ねじラック(5)と係合し、第1の方向(X)と平行な回転軸を有し、第1および第2のねじ(6)は、同じ一対のねじを定義する、
請求項1に記載のマシニングセンタ(1、100)。
【請求項3】
第1の方向(X)に沿って移動できるように基礎構造(2)上の移動可能なクロスメンバ(3)を支持するための支持要素は、レールと協働するベアリングを含む、請求項2に記載のマシニングセンタ(1、100)。
【請求項4】
第1の方向(X)に沿って移動できるように基礎構造(2)上の移動可能なクロスメンバ(3)を支持するための支持要素は、前記第1の親ねじラック(5)および/または前記第2の親ねじラック(5)を含む、請求項2に記載のマシニングセンタ(1、100)。
【請求項5】
移動アセンブリ(7)は、同じ一対のねじの第1および第2のねじ(6)につき単一であり、同じ一対の第1および第2のねじ(6)に共通するモーター(71)および伝動軸(72)を含み、各ねじ(6)は前記伝動軸(72)に連結されて、同じ一対の2つのねじ(6)が同時に回転する、請求項2に記載のマシニングセンタ(1、100)。
【請求項6】
備え付けのマシニングヘッド(4)は、第1の方向(X)に対して垂直な、第2の方向(Y)にクロスメンバ(3)に対して移動することができ、前記第1の方向(X)および前記第2の方向(Y)上にある第1の平面は、マシニングセンタ(1)が作動している時に水平面である、請求項から5のいずれかに記載のマシニングセンタ(1、100)。
【請求項7】
備え付けのマシニングヘッド(4)は、前記第1の平面に垂直な、第3の方向(Z)に備え付けのマシニングヘッド(4)に対して移動することができる工具ホルダー(44)を含む、請求項6に記載のマシニングセンタ(1、100)。
【請求項8】
前記第1の親ねじラック(5)および/または前記第2の親ねじラック(5)の螺旋状の円形の歯付きセクタ(51)は、30度~90度の間に含まれる振幅の中心角によって画定され、第1の親ねじラック(5)および/または第2の親ねじラック(5)は、移動可能なクロスメンバ(3)を基礎構造(2)に対して移動させる機能を有する、請求項2から7のいずれかに記載のマシニングセンタ(1、100)。
【請求項9】
前記第1の親ねじラック(5)および/または前記第2の親ねじラック(5)の螺旋状の円形の歯付きセクタ(51)は、90度~300度の間に含まれる振幅の中心角によって画定され、第1の親ねじラック(5)および/または第2の親ねじラック(5)は、移動可能なクロスメンバ(3)を基礎構造(2)に対して移動させかつ支持する機能を有し、故に前記支持要素の少なくとも一部を構成する、請求項2から7のいずれかに記載のマシニングセンタ(1、100)。
【請求項10】
移動可能なクロスメンバ(3)と平行に配置され、かつ第1の方向(X)に平行な方向に沿って基礎構造(2)上を移動できるように支持される、ワークピース保持テーブル(10)を含む、請求項から9のいずれかに記載のマシニングセンタ(1、100)。
【請求項11】
基礎構造(2)は、基礎構造(2)と一体のワークピース保持テーブル(10)の第1の親ねじラック(5’’’)を含み、第1の螺旋状の円形の歯付きセクタを含み、
ワークピース保持テーブル(10)の第1の親ねじラック(5’’’)は、第1の方向(X)に平行な長手方向に基礎構造(2)に沿って延長し、ワークピース保持テーブル(10)の第1の親ねじラック(5’’’)は第1の方向(X)に基礎構造と同じだけ長く、および、
ワークピース保持テーブル(10)は、移動アセンブリによってワークピース保持テーブル(10)に回転可能に連結されるワークピース保持テーブル(10)の第1のねじ(6’’’)を含み、
ワークピース保持テーブル(10)の前記第1のねじ(6’’’)は、ワークピース保持テーブル(10)の対応する第1の親ねじラック(5’’’)と係合し、
ワークピース保持テーブル(10)の第1のねじ(6’’’)は第1の方向(X)と平行な回転軸を有する、
請求項10に記載のマシニングセンタ(1、100)。
【請求項12】
基礎構造(2)は、基礎構造(2)と一体のワークピース保持テーブル(10)の第2の親ねじラック(5’’’)を含み、第2の螺旋状の円形の歯付きセクタを含み、
ワークピース保持テーブル(10)の第2の親ねじラック(5’’’)は、第1の方向(X)に平行な長手方向に基礎構造(2)に沿って延長し、ワークピース保持テーブル(10)の第2の親ねじラック(5’’’)は、第1の方向(X)に基礎構造と同じだけ長く、
ワークピース保持テーブル(10)は、移動アセンブリによってワークピース保持テーブル(10)に回転可能に連結されるワークピース保持テーブル(10)の第2のねじ(6’’’)を含み、
ワークピース保持テーブル(10)の前記第2のねじ(6’’’)は、ワークピース保持テーブル(10)の対応する第2の親ねじラック(5’’’)と係合し、
ワークピース保持テーブル(10)の第2のねじ(6’’’)は第1の方向(X)と平行な回転軸を有する、
請求項11に記載のマシニングセンタ(1、100)。
【請求項13】
第1の方向(X)に長手方向に延長する後続および/または先行の隣接する基礎構造(2’)を含み、
後続および/または先行の隣接する基礎構造(2’)と一体であり、かつ、基礎構造(2)の第1および/または第2の親ねじラック(5)と同一である、後続および/または先行の隣接する基礎構造(2’)の第1および/または第2の親ねじラック(5)を含み、
後続および/または先行の隣接する基礎構造(2’)の第1および/または第2の親ねじラック(5)は、第1の方向(X)に平行な長手方向への延長において後続および/または先行の隣接する基礎構造(2’)に沿って延長し、後続および/または先行の隣接する基礎構造(2’)の第1および/または第2の親ねじラック(5)は、第1の方向(X)に、後続および/または先行の隣接する基礎構造(2’)と同じだけ長く、
後続および/または先行の隣接する基礎構造(2’)の第1の方向への長手方向の延長は、親ねじラック(5)の歯のピッチの倍数であり、
基礎構造(2)と後続および/または先行の隣接する基礎構造(2’)とが連結される時、後続および/または先行の隣接する基礎構造(2’)の第1および/または第2の親ねじラック(5)は、基礎構造(2)の第1および/または第2の親ねじラック(5)と整列して連続しており、すべて第1の方向(X)に延長する複数の基礎構造(2、2’)のモジュラー連結を可能にする、
請求項2から12のいずれかに記載のマシニングセンタ(1、100)。
【請求項14】
基礎構造は少なくとも2つの導電体をさらに含み、前記導電体は電気トラックの形態であり、前記移動アセンブリ(7)は摺動接点を含む、請求項から13のいずれかに記載のマシニングセンタ(1、100)。
【請求項15】
クロスメンバ上に存在するモーターに電力を供給するための電磁源を含み、前記電力は電磁場を経由して供給される、請求項から13のいずれかに記載のマシニングセンタ(1、100)。
【請求項16】
複数の後続および/または先行の隣接する基礎構造(200)であって、当該基礎構造(200)は、それぞれ第1の方向(X’)に長手方向に延び、当該それぞれの第1の方向(X’)は、前記基礎構造(2)の第1の方向(X)に平行である、複数の後続および/または先行の隣接する基礎構造(200)と、
それぞれの親ねじラック(500)であって、当該親ねじラック(500)は、前記複数の隣接する基礎構造(200)と一体的であり、前記それぞれの親ねじラック(500)は、螺旋状の円形の歯付きセクタを含む前記複数の隣接する基礎構造(200)に沿って、それぞれの長手方向に延長し、当該それぞれの長手方向は前記第1の方向(X)に平行であり、前記それぞれの親ねじラック(500)は、前記複数の隣接する基礎構造の1つに沿って前記それぞれの第1の方向(X’)に延長し、前記複数の隣接する基礎構造(200)と同じだけの長さである、親ねじラック(500)と、を備えてなる、マシニングセンタ(100)であって、
ここにおいて:
後続および/または先行の隣接する基礎構造(200)の親ねじラック(500)の歯のピッチは、基礎構造(2)の第1および/または第2の親ねじラック(5)の歯のピッチと同一であり、
それぞれの第1の方向(X’)における後続および/または先行の隣接する基礎構造(200)の長手方向の延長は、親ねじラック(500)の歯のピッチの整数倍であり、
前記第1の方向(X)に対して垂直な分配方向(Ydist)で基礎構造(2)に対して移動することができる少なくとも1つの分配基礎構造(201)も存在し、
前記分配基礎構造(201)は、基礎構造(2)の第1の方向(X)に平行な方向に長手方向に延長し、
前記分配基礎構造(201)は、それぞれの螺旋状の円形の歯付きセクタを含む、分配基礎構造(201)と一体の分配親ねじラック(501)を含み、
分配親ねじラック(501)は、第1の方向(X)に平行なそれぞれの長手方向に分配基礎構造(201)に沿って延長し、
結果として、基礎構造(2)と後続および/または先行の隣接する基礎構造(200)との間の少なくとも前記移動可能なクロスメンバ(3)の移動を可能にするために、螺旋状のねじ山において切れ目なく二者択一的に基礎構造(2)または後続および/または先行の隣接する基礎構造(200)に連結される、
ことを特徴とする請求項から15のいずれかに記載のマシニングセンタ(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械加工の技術およびシステムの分野に関する。
【0002】
特に、本発明は、請求項1のプリアンブルに係るマシニングセンタに関する。
【背景技術】
【0003】
本発明では、用語「マシニングセンタ」は、減法的、加法的、接合的、および塑性的な変形プロセスを使用することができる操作によってワークピースの特性を変換することができるシステムを意味するために使用される。
【0004】
一般に、マシニングセンタは次の要素を含む:
- プロセスを提供するために使用される工具とワークピースとの間に、相対的な連結運動が得られるエネルギーを供給するデバイス;
- ワークピースを固定するためのデバイス;
- 工具を便利に修理し適応させるためのデバイス;
- 3つの上記の要素上を制御するためのデバイス;
- 使用される変形プロセスに応じて工具を操作するためのデバイス。
【0005】
以下に、工作機械によって構成されたマシニングセンタのための従来のソリューションが記述される。
【0006】
後者は、その幾何学的形状または機械的特性などの加工される材料の化学的/物理的特性を変更するプロセスを使用する。
【0007】
他のマシニングセンタは、工作機械とは別に、例えば溶接、押出、剪断、組立、測定などのためのセンター(またはステーション)である。
【0008】
工具とワークピースの間の相対運動に使用される軸の数および種類、軸の寸法/移動量、および動力、などの工作機械の特性は、工作機械の生産能力を決定し、作成可能なワークピースの形状(幾何学的形状)(プリズム形、回転形)、その寸法、および製品の幾何学的精度を調整する。
【0009】
適応性に基づいて、工作機械は次のように分類される:
- 従来の、または数値制御された、汎用の機械(多目的);これらは最も大きな適応性を有しており、様々な異なる種類の機械加工に適している。
- 高生産量を製造するための自動機械;これらは生産様式が変わる場合、長いセットアップ時間を必要とする。
- 特殊な単一用途の機械;これらはある種の機械加工のために設計されているため、適応性がない。
【0010】
従来から、産業は、必要とされた生産量に基づいて工作機械のタイプを選択する。
【0011】
生産能力は、汎用の機械から特殊な機械に移行することで増加するが、作成可能な製品の可変性を犠牲にする。
【0012】
適応性と生産能力に関連する限界を克服するために、過去50年にわたって、フレキシブル生産システム(FMS)などの多数のソリューションが提示されてきたが、これは、それらは専用システム(自動または特殊な機械を備えたライン)に関してより高いレベルの適応性を有するものの、生産スループットがシステムの定格容量よりも低い生産能力を必要とする場合には、正当とは認められない高コストを有するものである。
【0013】
1996年、ミシガン大学エンジニアリングカレッジの再構成可能製造システム(ERC / RMS)エンジニアリングリサーチセンターに始まり、再構成可能な製造システムの概念が開発され、これは、「市場の急激な変化または規制によって課せられた要件への対応において、部品の群内で生産能力と機能を迅速に調整するために、ハードウェアとソフトウェアの両コンポーネントの構造が急速に変化するように最初から設計される」システムとして定義される。
【0014】
再構成可能な工作機械(RMT)は、再構成可能概念をシステム(RMS)から工作機械にまで拡張するので、そのようなシステムの実装にとって不可欠である。
【0015】
特に、再構成可能な工作機械は、数値制御機械(CNC、Computer Numeric Control)よりもコストが低く、というのも、これらに対して、所与の一群に属する製品を製造するために必要な最低限であるカスタマイズ可能な適応性を採用しているためである。
【0016】
カスタマイズ可能な適応性に加えて、RMTは、容易に変換可能でスケーラブルであり、必要なモジュール性を確保するために、他の再構成可能な機械で使用されるのと同じ基本構造を使用しなくてはならない。
【0017】
再構成可能なシステムの第1の例は1977年にさかのぼる:日本では、通産省はFMCプログラム(フレキシブル生産システム複合体)を開始し、これはつくばでの1983年の実験工場の建築において最高潮に達した。
【0018】
この研究は、要件に応じてモジュール化され、さまざまに組み立てられるように設計された最初のシステムであったため、重要な基準点と考えられる。
【0019】
複合体は、工作機械と組立ロボットで構成されたモジュラーユニットで構成され、対応するパッケージで様々なプリズムの部品を作成することを目標としていた。
【0020】
モジュールは倉庫に格納され、作成される製品に応じて組み立てられた。
【0021】
一旦生産が完了すると、モジュールは分解されて倉庫に戻された。
【0022】
別の大規模な計画が1990年代の初めに欧州連合によって計画された。
【0023】
ヨーロッパ共同体にから委託された報告書に基づいて、欧州の工作機械業界の生存戦略が策定された。
【0024】
報告書によれば、工作機械がモジュール式に設計され、構築される場合、メーカーは完全なシステムの代わりに特定のモジュールを提供することを専門とすることができる。
【0025】
統合モジュールから始めて、特定のユーザー要件に従って完全なシステムを構築することができる。
【0026】
そのような戦略では、特定の要件に従ってシステムを構築するために、工作機械を、プラグアンドプレイインタフェースを備えた自律機能ユニットのセットに分割する必要がある。
【0027】
この目的を達成するために、いくつかのプロジェクトがヨーロッパレベルで実行され、または開発中である。
【0028】
ハノーヴァーの大学によって行われるMOSYN(高度な工作機械のモジュラー合成)(Modular Synthesis of Advanced Machine Tools) プロジェクトは、カスタマイズのための特定の構成を分析した。
【0029】
KERNELプログラムは、同一の軸を備えたモジュールを使用して、2つの異なる工作機械を開発することを目指している。
【0030】
シュツットガルトの大学の「特別研究プログラム467」(Special Research Program 467)は、非常に多様な大量生産のための変形可能なビジネス構造と、工作機械の能力と機能を開発とに焦点を当て、市場の突然の変化に適応させることができる。
【0031】
MOTION(リニアモーターと軸制御を備えたインテリジェントモーションユニットのモジュラーテクノロジー)(Modular Technologies for Intelligent Motion Unit with Linear Motor and Axis Control)と呼ばれる別のプロジェクトでは、異なる機械上で同一のモジュールを使用する可能性を分析し、結果として生じるインターフェースの設計に取り組んでいた。
【0032】
1996年以来、再構成可能なマシニングシステムのエンジニアリングリサーチセンター(ERC/RMS)では、RMS技術が3つの主要分野で開発された。-再構成可能なシステムの設計時間の短縮;-再構成可能な機械、および関連する制御システムの設計;-立ち上がり時間の短縮。
【0033】
ERC/RMSは、モジュラーマシンとコントローラの組み合わせ、システム構成の分析と設計、モデリング、RMSシステムの較正と立ち上げのための方法を研究している。
【0034】
ペンシルバニア州ピッツバーグのCarnegie Mellon Universityが開発した再構成可能なモジュラーマニピュレーターシステム(Reconfigurable Modular Manipulator System)と呼ばれるもう1つの研究プロジェクトでは、マニピュレータの運動学的および動的特性を特定の目的に適合させるために、多数の異なる構成で組み立てることができる、プラグアンドプレイモジュールの開発について研究している。
【0035】
日本では、完全な工業用ロボットを組み立てることが可能なモジュールが作られた。
【0036】
モジュール性と再構成可能性の問題は、国際的なインテリジェント製造システム(IMS)(Intelligent Manufacturing Systems)プロジェクトでも取り組まれている。
【0037】
別のソリューションが、米国特許第6,920,973号に開示されており、製造工程の少なくとも1つの工程にそれぞれ関連する製造セルを使用する、多段階の製造システムが提案されている。それぞれのセルは六角形の形状を有し、複数のユニットをハニカム構造に結合してシステムを構成している。
【0038】
セルは、最初に少なくとも1つのフレキシブルな製造ステーションを含まなければならず、第2のセルは少なくとも1つの再構成可能な生産ステーションを含み、第3には少なくとも1つの再構成可能な検査機械が設けられなければならない。システムは、1つのステーションから、単一の生産セルで利用可能な他のステーションへ、および次いで1つのセルから次のセルへと、機械加工されている部品を移送することを可能にする一連のコンベヤ装置を含まなければならない。
【0039】
グローバルな規模では、オープンアーキテクチャを備えた制御システムを扱う3つの主要プロジェクトは、欧州連合(EU)の委託を受け、その後任のドイツのHUMNOSによるOSACAプロジェクト、日本のOSECプロジェクト、および北アメリカのOM AC-TEAMプロジェクトである。
【0040】
1992年に開始されたOSACAプロジェクトの主な成果は、作られるべき対象と、機械を制御するためのシステムのためのオープンアーキテクチャの使用と、に基づいて方向付けられた設計である。
【0041】
OMACプロジェクトは、航空宇宙産業および自動車産業向けの機械を制御するための製品およびサービスを開発会社が販売するために使用できる、一連のアプリケーションプログラミングインターフェース(Application Programming Interfaces、API)を確立することを目指している。
【0042】
最後に、EUが後援するHEDRA(Heterogeneous and Distributed Real-time Architecture)プロジェクトと前述のMOTIONプロジェクトは、異種プロセスや分散プロセスを管理できる制御システムを開発しようとしているが、この分野の研究はまだ全体的には探究されていない。
【0043】
再構成可能な工作機械のいくつかの例が、文献中に提案されており、および/または特許出願中に請求されている。
【0044】
純粋に手動で作動するバージョンがP.O.Aldrinによって提案された。
【0045】
これは、垂直軸を中心に回転する中間プレートを介して第1の水平な作業台を備えた汎用工作機械であり、第1の作業台に対して様々な方向に向けることができる第2の作業台を取り付けることが可能である。
【0046】
2つのテーブルは親ねじシステムを介して移動させることができる。
【0047】
基礎構造に垂直な垂直な支柱には、水平軸の周りを回転し、親ねじシステムによって垂直方向に移動することができる第2のプレートが設けられている。長方形の作業台が取り付けられており、これはモーターのための回転の基礎を取り付けることができる。後者は、加工されるワークピースを支持するために使用される工具またはセルフセンタリングヘッド(self-centering head)の作動を可能にする。
【0048】
航空宇宙会社Northrop Grumman Corporationに勤務するG. N. Bullenは、グラスファイバー、グラファイトまたは炭素繊維を基礎にした材料などの複合材料の部品を製造するための、プラスチックまたは金属の雄型および雌型のモールド部品の製造に関する問題を研究してきた。このようなコンポーネントは、航空機を構築するために、または風洞で空力試験のための実物サイズのモデルを得るために使用される。非常に複雑な形状を有し、しばしば穴を有するこれらのダイスを製造するために従来の製造技術を使用することは非常に面倒であり、したがって高価であることが観察されている。Bullenによって提案されたソリューションは、移動可能かつ0~90度の間で回転可能な作業台が移動するプラットフォームからなる再構成可能な工作機械を提供する。ガントリ構造は、工具を担持するロボット化多軸ヘッドのX軸およびY軸に沿った移動を可能にし、機械のZ軸のエンドエフェクタを構成する。操作は数値制御で管理され、ユニット自体にコントロールパネルが設定されている。ワークピース保持テーブル上で、加工対象物は、ワークピースの寸法に応じて、高精度かつ再適応可能な、クランプまたは空気圧のデバイスによって、位置に保持される。次いで、単一の機械はRMSのモジュールを形成する。事実、0~90度の間で作業台を回転させることができるため、異なるステーションで同時に行われる機械加工の最後に、インターロックによって部品を接合すること、および、組立ラインを形成するように配置される、同じタイプの他の生産セルにそれらを、レールを介して移すこと、が可能になる。
【0049】
再構成可能な工作機械に関する文献でしばしば引用される1つのケースは、ミシガン大学で開発されたArch-Type RMTである。
【0050】
このプロジェクトは、傾斜が異なる6気筒と8気筒のエンジン用シリンダヘッドの製作の必要性から始まった。
【0051】
したがって特定の部品群を作るように設計され得られたRMTは、機械加工の角度を変更すること、および、部品のフライス加工(milling)や穿孔(drilling)の操作を行うことを可能にするアーチ型の移動サポートを取り付けたスピンドルを有する。
【0052】
この機械は、基礎構造と、加工される鋳物のための支持構造と、レール上に設置可能なモジュールとを有し、2つの軸を有する構成から3つの軸を有する構成に変化することができるようにする、Y. KorenとS. Kotaによって提案された最初のプロトタイプの後に開発された。
【0053】
Arch-Type RMTの開発の出発点となったモデルは、2人の研究者によって提出された特許に開示されているものである。
【0054】
2つのアーチ型の支持ユニットが少なくとも1つの単軸スピンドルの移動を可能にする一方で、加工されるワークピースは適切な作業台に固定される。
【0055】
このように、工具が取り付けられたスピンドルは、数値制御によって容易に移動され、ワークピースに関する異なる位置および向きに従って機械加工の操作を実行することができる。
【0056】
機械のモジュール性を考慮して、アーチ型の支持体は、基礎構造上に存在する連結部を利用して、様々に配置することができる。
【0057】
今説明した特許に列挙されているにもかかわらず、様々な離散的な位置で機械の非垂直軸を手動で再配向させるために、Arch-Typeは、そのアーキテクチャの剛性、モジュール性の欠如、および、オペレータによる介入の必要性のために、RMTアプローチとは異なる。
【0058】
通常のデカルト基準システム(Cartesian reference system)の使用を必要としないRMTの他の2つの例がある。
【0059】
第1のものは、インディアナ大学でZ.M.Biが開発した平行運動的機械(Parallel Kinematic Machine)(PKM)である。これは、3自由度とパッシブアームを備えた三脚型アクチュエータを支持するするガントリ構造の機械である。ワークピース保持テーブルによって、加工対象物を平面のX軸とY軸上で移動させることができ、機械に他の2自由度が与えられる。最後に、三脚アクチュエータが固定されるブリッジを、自身の軸を中心に回転させることができる。
【0060】
前述したように、動的モデリングと制御の面でより洗練されているが、コンポーネントのモジュール性により、さまざまな機械加工が相互に非常に異なる場合であっても、PKMはこれらを容易に行うことができる。
【0061】
第2の例は、J.K.Parkおよびその同僚によって提案され特許された再構成可能な工作機械によって表される。
【0062】
それは地面から持ち上げられた三脚の支持構造を有し、これは交差する2つの円形のフレームを支え、そのそれぞれは自らの軸をの周りを回転することができる。摺動コンポーネントは2つの円形フレームに周方向位置で固定され、スピンドルはこれに垂直に固定され、それによりワークピースの周りを移動し回転することができ、したがって三次元の機械加工操作を実行することができる。
【0063】
より単純な形状については、このRMTのモジュール性は、RMT上に取り付けられた摺動する運び台のブロック(sliding carriage block)とスピンドルを有する単一の円形フレームを使用することによって発揮される。
【0064】
したがって、この構造は、非常に大きく複雑になる、しばしば最大5つの軸を必要とする工作機械を大幅に簡素化することを可能にし、および、カンチレバービーム(cantilevered beam)のように動作する工具により、従来、発生する可能性のある振動に関連する問題を回避する。
【0065】
X. Chaoらは再構成可能なカッティング工作機械の特許を取得している。この構造は、基礎と、ワークピースを保持するためのセルフセンタリングヘッドを備えたモジュールと、そのようなワークピースのための支持体と、数値制御された熱切断トーチを保持することができる可動タレットと、を備える。
【0066】
各モジュールには標準化されたインターフェースが装備されており、これは、生産戦略、または、実行する切断操作のタイプが変更されるたびに機械を再構成することができる。
【0067】
S.Ongaroによって提案された工作機械は、通常は生じるような、各操作の後に位置を変える必要がなく、相互に協働する方法で同じワークピース上で作業できる一連のモジュラーユニットの組み合わせを可能にする。
【0068】
機械加工される未加工のワークピースは、主軸に平行な軸の周りを回転させる互いに対向する2つの支持構造によって支持される。
【0069】
スピンドルおよび/または工具を備えたモジュールは、簡便にワークピースを近づけたり離したりするガイド上を移動し、旋削、フライス加工、ギアカッティングなどのそれぞれの複数の操作を同時に独立して実行することができるようにする。
【0070】
D.P Weidman、H.K.Patel、J.W.DillmanおよびG.L.Headrickは、工作機械の長手方向軸を構成する要素として機能するモジュールを発明した。
【0071】
様々なユニットを連続して追加することによって、加工される特定の物体に応じて異なる構成を得ることが可能である。
【0072】
このようにして得られた延長可能な軸は、ガントリ構造のための基礎、またはスピンドルがカンチレバー状に取り付けられる横軸の基礎となり得る。
【0073】
機械の横方向の本体の動きは、ボールまたは親ねじシステムを再循環させることによって保証される。
【0074】
結論付けるために、L.Kuiとその同僚によって特許取得されたベンチ取り付けの数値制御される再構成可能な工作機械が参照される。
【0075】
これは、基礎構造、旋盤の主軸台および心押台、支柱支持体、スピンドルボックス、および、スピンドルおよび工具用の格納領域を含む一連のモジュールによって構成される。
【0076】
非常に多様化した旋削加工およびフライス加工を実行できるように機械を構成する基本ユニットを多様に編成することができることによって、小さな寸法の物体に対して実行される機械加工操作のコストを抑えることができる。
【0077】
再循環ボール(recirculating-ball)またはラックと親ねじとのシステムによって構成された装置によって、直線運動を生成するために軸を移動させる様々な異なるシステムが、いくつかの発明者によって特許請求されている。
【0078】
例えば、D.P.Weidmanおよび同僚によって提案された特許は、RMTの有効な例を構成しているが、モーターによって作動されるねじがモジュールに存在する凹部に配置されている一方、親ねじがクロスビームの支持体に固定される、従来の再循環ボールの親ねじ結合を採用している。
【0079】
このソリューションは、有効であるが、機械に与えることが望まれる有用な移動の機能において異なる長さの操縦ねじを有する必要性によって表される制約の影響を受ける。
【0080】
エンドレススクリューとラックとの嵌合を用いる工作機械の例は、アメリカの会社William Sellers&Co.によって19世紀の終わりから20世紀の始めまでの間に生産されたいくつかのプレーナーマシンにみることができる。
【0081】
このような工作機械の様々な異なるバージョンにおいては、プレーナーのワークピース保持テーブルの下に取り付けられたラックに係合している複数の出発点を備えたねじが存在した。ラックの6つの歯が常にねじと係合するように全体が設計された。モーターからねじのシャフトに力を伝導するシステムは、ねじと歯の正しい係合を確保するように設計されている。
【0082】
しかしながら、これらの場合は、ねじは雌ねじに対して傾斜しており、ねじの軸に沿ってその後の反応が配向される。
【0083】
相互に整列した2つの要素であるねじとラックとの配置は、例えば、工具ホルダーブロックの第1のサドルを長手方向に移動させるための大きな平行な旋盤にあることができる。このような構成では、ラックの長さは予め設定されており、ラックは長手方向軸に沿って方向付けられた力にのみ反応し、カッティング中に生成された力の他の成分は2つの平行なガイドによって支持される。
【0084】
今日提供されている再構成可能な工作機械には、あらかじめ定義された作業量があり、これらを変更するには、いくつかの部品の交換などの複雑な介入が必要となる。例えば、直線軸の移動が増加すると、親ねじシステムは、少なくともより大きな長さの別のものとのねじの交換を必要とする。
【0085】
前述のすべてから、ある程度効果的ではあるが、現在利用可能なマシニングセンタには多くの欠点があることは明らかである。
【発明の概要】
【0086】
本発明の目標は背景技術の欠点を克服することである。
【0087】
この目標において、本発明の目的は、修正されるべき機械のすでに一部となっている構成要素の置換などの複雑な介入を必要とすることなく、マシニングセンタ、特に再構成可能な工作機械の少なくとも1つの直線軸の移動の長さの寸法を変更することができるようにすることである。
【0088】
本発明の別の目的は、マシニングセンタ、特に工作機械上で既に作動している要素(スピンドル、押出ヘッドなど)の変更を必要とすることなく、ワークピースを加工する工具/デバイスの数を変えることができるようにすることである。
【0089】
本発明の別の目的は、専門家である労働者または複雑な技術を介入させなくとも容易に変更可能なシステムを得ることである。
【0090】
以下でより明らかになるであろうこの目標および他の目的は、本明細書の必須の部分を形成する、従属請求項の特徴を随意に組み込む付属の請求項1に記載のマシニングセンタ、特に工作機械によって達成される。
【0091】
本発明の基礎となる全体的な考えは、-第1の方向に長手方向に延長する基礎構造と、-基礎構造に対して第1の方向に移動できるように支持され、および、備え付けのマシニングヘッドを設けた、第1の移動可能なクロスメンバと、-第1の方向に沿って移動できるように基礎構造の移動可能なクロスメンバを支持するための支持要素と、-第1の螺旋状の円形の歯付きセクタを含む、基礎構造と一体である第1の親ねじラックであって、基礎構造が第1の方向へ全体的に延長するために、第1の方向に平行な長手方向に基礎構造に沿って延長する第1の親ねじラックと、-移動アセンブリによって移動可能なクロスメンバと回転可能に連結される第1のねじであって、対応する第1の親ねじラックと係合し、第1の方向に平行な回転軸を有する第1のねじと、を含み、ここにおいて、基礎構造の第1の方向の長手方向への延長は、親ねじラックの歯のピッチの整数倍であり、および、基礎構造は、さらに、第1の方向に沿って、基礎構造を後続および/または先行の隣接する基礎構造に連結するように適合された連結のための要素を含む、再構成可能なマシニングセンタを提供することである。
【0092】
任意かつ有利な特徴によれば、単独で、または前述の特徴と組み合わせて、基礎構造は第1の親ねじラックと平行な第2の親ねじラックを含み、第2の親ねじラックは、第1の親ねじラックの歯と同じまたはその整数倍のピッチを備える第2の螺旋状の円形の歯付きセクタを含み、親ねじラックは、第1の方向に基礎構造が全体的に延長するために第1の方向(X)と平行な長手方向で基礎構造に沿って延長し、マシニングセンタは、移動アセンブリによって移動可能なクロスメンバに回転可能に連結される第2のねじを含み、第2のねじは、対応する第2の親ねじラックと係合し、第2のねじは、第1の方向と平行な回転軸を有し、第1のおよび第2のねじは同じ一対のねじを定義する。
【0093】
任意かつ有利な特徴によれば、単独で、または前述の特徴と組み合わせて、第1の方向に沿って移動できるように基礎構造の移動可能なクロスメンバを支持するための支持要素は、レールと協働するベアリングを含む。
【0094】
任意かつ有利な特徴によれば、単独で、または前述の特徴と組み合わせて、第1の方向に沿って移動できるように基礎構造上の移動可能なクロスメンバを支持するための支持要素は、第1および第2の親ねじを含む。
【0095】
任意かつ有利な特徴によれば、単独で、または前述の特徴と組み合わせて、移動アセンブリは、同じ一対のねじの第1および第2のねじに対して単一であり、同じ一対の第1および第2のねじに共通するモーターおよび伝動軸を含み、各ねじは伝動軸に連結されて、同じ一対の2つのねじが同時に回転する。
【0096】
任意かつ有利な特徴によれば、単独で、または前述の特徴と組み合わせて、備え付けのマシニングヘッドは、第1の方向に対して垂直な、第2の方向にクロスメンバに対して移動することができ、第1の方向および第2の方向上にある第1の平面は、好ましくはマシニングセンタが作動している時は水平面である。
【0097】
任意かつ有利な特徴によれば、単独で、または前述の特徴と組み合わせて、備え付けのマシニングヘッドは、第1の平面に垂直な、第3の方向に備え付けのマシニングヘッドに対して移動することができる工具ホルダーを含む。
【0098】
任意かつ有利な特徴によれば、単独で、または前述の特徴と組み合わせて、第1および/または第2の親ねじラックの螺旋状の円形の歯付きセクタは、30度~90度の間に含まれる振幅の中心角によって画定され、結果、第1および/または第2の親ねじラックは、移動可能なクロスメンバを基礎構造に対して移動させる機能を有する。
【0099】
あるいは、任意かつ有利な特徴によれば、単独で、または前述の特徴と組み合わせて、第1および/または第2の親ねじラックの螺旋状の円形の歯付きセクタは、90度~300度の間に含まれる振幅の中心角によって画定され、結果、第1および/または第2の親ねじラックは、移動可能なクロスメンバを基礎構造に対して移動かつ支持し、したがって前記支持要素の少なくとも一部を構成する機能を有する。
【0100】
任意かつ有利な特徴によれば、単独で、または前述の特徴と組み合わせて、第1の方向に平行な方向に沿って基礎構造上を移動できるように、移動可能なクロスメンバと平行に配置され支持される、ワークピース保持テーブルを含む。
【0101】
任意かつ有利な特徴によれば、単独で、または前述の特徴と組み合わせて、基礎構造は、基礎構造と一体のワークピース保持テーブルの第1の親ねじラックを含み、第1の螺旋状の円形の歯付きセクタを含み、ワークピース保持テーブルの第1の親ねじラックは、基礎構造が第1の方向に全体的に延長するために第1の方向に平行な長手方向に基礎構造に沿って延長し、ワークピース保持テーブルは、移動アセンブリによってワークピース保持テーブルに回転可能に連結されるワークピース保持テーブルの第1のねじを含み、ワークピース保持テーブルの第1のねじは、ワークピース保持テーブルの対応する第1の親ねじラックと係合し、ワークピース保持テーブルの第1のねじは第1の方向と平行な回転軸を有する。
【0102】
任意かつ有利な特徴によれば、単独で、または前述の特徴と組み合わせて、基礎構造は、基礎構造と一体のワークピース保持テーブルの第2の親ねじラックを含み、第2の螺旋状の円形の歯付きセクタを含み、ワークピース保持テーブルの第2の親ねじラックは、基礎構造が第1の方向に全体的に延長するために第1の方向(X)に平行な長手方向に基礎構造に沿って延長し、ワークピース保持テーブルは、移動アセンブリによってワークピース保持テーブルに回転可能に連結されるワークピース保持テーブルの第2のねじを含み、ワークピース保持テーブルの第2のねじは、ワークピース保持テーブルの対応する第2の親ねじラックと係合し、ワークピース保持テーブルの第2のねじは第1の方向(X)と平行な回転軸を有する。
【0103】
任意かつ有利な特徴によれば、単独で、または前述の特徴と組み合わせて、第1の方向に長手方向に延長する追加の基礎構造を含み、 追加の基礎構造と一体であり、かつ、基礎構造の第1および/または第2の親ねじラックと同一である、追加の基礎構造の第1および/または第2の親ねじラックを含み、 追加の基礎構造の第1および/または第2の親ねじラックは、第1の方向に追加の基礎構造が全体的に延長するために、第1の方向に平行な長手方向への延長において追加の基礎構造に沿って延長し、 追加の基礎構造の第1の方向への長手方向の延長は、親ねじラックの歯のピッチの倍数であり、 基礎構造と追加の基礎構造とが連結される時、追加の基礎構造の第1および/または第2の親ねじラックは、基礎構造の第1および/または第2の親ねじラックと整列して連続しており、結果、基礎構造の間のねじの移動を可能にするように第1の方向に延長する複数の基礎構造のモジュラー連結を可能にする。
【0104】
任意かつ有利な特徴によれば、単独で、または前述の特徴と組み合わせて、基礎構造は少なくとも2つの導電体をさらに含み、好ましくは、導電体は電気トラックの形態であり、移動アセンブリは摺動接点を含む。
【0105】
任意かつ有利な特徴によれば、単独で、または前述の特徴と組み合わせて、マシニングセンタは、電磁場を経由してクロスメンバ上に存在するモーターの電力供給のための電磁源を含む。
【0106】
さらに有利な特徴は、添付の特許請求の範囲の主題であり、これは、本明細書の記載および以下の詳細な説明の不可欠な部分であると理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0107】
本発明は、添付の図面において例示的および非限定的な目的のために提供される非限定的な例に関して下記に述べられるだろう。これらの図面は、本発明の様々な態様および実施形態を示しており、適宜、様々な図面において同様の構造、構成要素、材料および/または要素を示す参照番号は、同様の参照番号で示されている。
図1図1は、本発明に係るマシニングセンタの実施例の斜視図である。
図2図2は、本発明に係るマシニングセンタの備え付けのクロスメンバの様々な角度からの斜視図である。
図3図3は、本発明に係るマシニングセンタの備え付けのクロスメンバの様々な角度からの斜視図である。
図4図4は、図1のマシニングセンタの一部および本発明に係る基礎構造のモジュラー延長の分解斜視図である。
図5図5は、図1のマシニングセンタの概略的な断面図である。
図6図6は、図1のマシニングセンタの基礎構造の斜視図である。
図7図7は、図1のマシニングセンタの非備え付けの移動可能なクロスメンバの様々な角度からの斜視図である。
図8図8は、図1のマシニングセンタの非備え付けの移動可能なクロスメンバの様々な角度からの斜視図である。
図9図9図1のマシニングセンタのねじが取り付けられた状態の、ネジを移動させるためのアセンブリの簡略化した断面図である。
図10図10は、図1のマシニングセンタのねじの斜視図である。
図11図11は、親ねじ台座に係合しているねじのある、図9の移動アセンブリの単純化された断面の斜視図である。
図12図12は、図1のマシニングセンタのねじと開いている親ねじとの間の連結部の斜視図である。
図13図13は、図1のマシニングセンタのねじと開いている親ねじとの間の連結部の横断面図である。
図14図14は、本発明に係るマシニングセンタの基礎構造の変種の斜視図である。
図15図15は、本発明に係るマシニングセンタの基礎構造の変種に適用可能なねじの変種を備えた、ねじを移動させるためのアセンブリの変種についての図である。
図16図16は、本発明に係るマシニングセンタの基礎構造の変種に適用可能なねじの変種と開いている親ねじの変種との間の連結部の斜視図である。
図17図17は、本発明に係るマシニングセンタの基礎構造の変種に適用可能なねじの変種とねじと開いている親ねじの変種との間の連結部の横断面図である。
図18図18は、本発明に係るマシニングセンタの別の変種の概略的な断面図である。
図19図19は、本発明に係るマシニングセンタのさらなる変種の概略的な断面図である。
図20図20は、本発明に係るマシニングセンタの発展的な実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0108】
本発明は、様々な変更および代替構成が可能であるが、いくつかの好ましい実施形態が図面に示されており、以下で詳細に説明する。
【0109】
しかしながら、本発明を図示の特定の実施形態に限定する意図はなく、反対に、特許請求の範囲に定義された本発明の範囲内に入るすべての変更、代替および等価構成を含むことが意図されていることを理解されたい。
【0110】
「例えば」、「など」および「または」の使用は、他に特定されない限り、制限なしに非排他的な選択肢を示す。
【0111】
「含む」の使用は、他に特定されない限り、「含むが、これに限定されない」を意味する。
【0112】
(他の表示が無い時の)「垂直な」、「水平な」、「上部の」、「下部の」などの表示は、アセンブリ(または操作)の条件を基準として、および、本言語の使用中の通常の用語を基準として読む必要があり、ここで、「垂直な」は重力ベクトル「g」の力に実質的に平行な方向を示し、「水平の」はそれに垂直な方向を示す。
【0113】
図1図13を参照すると、参照番号(1)で全体的に示されている本発明によるマシニングセンタが、一般的かつ詳細に示されている。
【0114】
マシニングセンタ(1)は、第1の方向(X)で長手方向に延長する基礎構造(2)を含む。
【0115】
そのような基礎構造(2)は、好ましくは金属から作られており、この実施形態では、方向(X)に対して実質的にH形の横断面を有する。
【0116】
他の横断面が可能であるが、しかし、その全てが、地面から延長、少なくとも2つの平行で互いに間隔を空けた垂直翼(28、29)を有する。
【0117】
基礎構造(2)は、一般的に言って、基礎構造(2)と一体の第1の親ねじラック(5)を備え、基礎構造(2)は、第1の螺旋状の円形の歯付きセクタ(51)を含み、親ねじラック(5)は、基礎構造(2)が第1の方向(X)への全体的に延長するために、基礎構造(2)に沿って第1の方向(X)に平行な長手方向に延長する。
【0118】
図1図13において例示のために示された実施形態の基礎構造は、第1の親ねじラックと平行な第2の親ねじラック(5)を含む。
【0119】
同様に、第2の親ねじラック(5)は、好ましくは第1の親ねじラックのピッチに等しいか、または第1のラックのピッチと整数比の歯のピッチを有する第2の螺旋状の円形の歯付きセクタ(51)を含む。
【0120】
また同様に、第2の親ねじラック(5)は、第1の方向(X)に基礎構造が全体的に延長するために、第1の方向(X)と平行な長手方向で基礎構造(2)に沿って延長する。
【0121】
基礎構造(2)に関して、これは親ねじラック(5)の歯のピッチの整数倍である(第1の方向(X)における)長手方向の延長dを有する。
【0122】
各ラック(5)は基礎構造(2)と同じ長さであるので、ラック(5)も、親ねじラックの歯のピッチの倍数に等しい長さ(方向(X)における)を有することになる。
【0123】
「歯のピッチ」によって、当該技術分野において慣習的に意味されるものは、長手方向軸(X軸)に沿って測定される螺旋状のねじの2つの隣接する歯の2つの相同点間の距離である。
【0124】
倍数によって意味されるものには整数の倍数が好適である。
【0125】
このようにして、ちょうど記載されたように(図4のように)設けられた2つの基礎構造(2、2’)が並んで(X方向に沿って一つは先行し一つは後続して)配置されると、2つの基礎構造の親ねじ(5)は、相互に嵌合する点において螺旋状のねじ山が中断せず、その結果、2つの基礎構造のインターフェース領域に切れ目なく、全体として単一のねじ山として動作する。
【0126】
基礎構造(2)は、第1の方向Xに沿って先行するおよび/または後続する、隣接した追加の基礎構造(2’)に基礎構造(2)を連結するのに適切な連結要素(8)をさらに含む。
【0127】
そのような連結要素(8)は、好ましくは、基礎構造(2)の一方の末端側に設けられる円錐形の台座、および、基礎構造(2)の他方の末端側に設けられる円錐形の突起部である。
【0128】
このように、円錐形の台座および突起部は、2つの基礎構造のラックが整列することを確保するセルフセンタリング機能を果たすので、2つの隣接した基礎構造(2、2’)は比較的迅速かつ正確に接続することができる。
【0129】
後に第2の基礎構造(2’)に戻るだろう。
【0130】
マシニングセンタ(1)は、基礎構造(2)に対して第1の方向(X)に移動できるように支持され、および、備え付けのマシニングヘッド(4)を設けた、第1の移動可能なクロスメンバ(3)をさらに含む。
【0131】
この目的のために、第1の方向(X)に沿って移動できるように移動可能なクロスメンバ(3)を基礎構造(2)上で支持するための支持要素が存在し、後にこれらの要素に戻るだろう。
【0132】
マシニングセンタ(1)は、移動アセンブリ(7)によって移動可能なクロスメンバ(3)に回転可能に連結される第1のねじ(6)をさらに含む。
【0133】
ねじ(6)は、ラック(5)と協働するように適合された螺旋状のねじ山を有する。
【0134】
好ましくは、ねじ(6)の螺旋状のねじ山は台形であるが、これはまた、異なるタイプのものであってもよいだろう。
【0135】
ねじ(6)は、対応する親ねじラック(5)と実際に係合し、かつ、第1の方向(X)と平行な回転軸を有する。
【0136】
示された実施形態では、移動アセンブリ(7)によって移動可能なクロスメンバ(3)に回転可能に連結され、第1のねじに平行な、第2のねじ(6)も存在する。
【0137】
他の実施形態(図示せず)では、第2のねじ(6)(および、したがって第2のラック)は無く、および/または、摺動ベアリング、例えばレール/スライダー連結部など、によって置き換えられる。
【0138】
これが存在する場合、第2のねじ(6)は対応する第2の親ねじラック(と)係合する。
【0139】
第2のねじ(6)は、第1の方向(X)に平行かつ(したがって)第1のねじ(6)の回転軸に平行な回転軸を有し、その結果、第1および第2のねじ(6)は同じ一対に属するとみなされうる。
【0140】
したがって、移動可能なクロスメンバ(3)は、親ねじラック(5)上のねじ(6)の作用により基礎構造(2)または(2’)に沿って方向(X)(往復)に移動する。
【0141】
先の説明から、極めて用途が広いマシニングセンタが提供され、方向(X)におけるその長さは随意に延びることができ、比較的単純かつ安価に、多くの追加の基礎構造を最初の基礎構造に追加するだけで十分である、ということになる。
【0142】
同様に、その随意に調節しうる長さのために、同一の基礎構造上で作動する備え付けのヘッド(4)を有する複数のクロスメンバ(3)が存在することができる、ということになる。
【0143】
備え付けのヘッド(4)に関して、それは、むしろ第1の方向Xに対して垂直の第2の方向Yの中のクロスメンバ(3)に対して移動することができる。
【0144】
この目的のために、備え付けのヘッド(4)は、方向(Y)へのヘッド(4)の移動を可能にするよう適合された摺動ベアリングレール(43)を介してクロスメンバ(3)に連結されている。
【0145】
この意味で、(マシニングセンタが作動しているかまたは作動位置に据え付けられている時、)第1の方向(X)および第2の方向(Y)上にある平面が水平面であることが可能である。
【0146】
好ましくは、また、備え付けのマシニングヘッド(4)は、第1の平面に垂直な、第3の方向Zに備え付けのヘッド(4)に対して移動することができる工具ホルダー(44)を含む。
【0147】
この目的のために、備え付けのヘッド(4)は、支柱(41)が取り付けられたフレーム(42)を含み、この支柱(41)に沿って、工具ホルダ(44)は、図示の例では垂直な方向である方向(Z)に並進運動を順に行う。
【0148】
いくつかの実施形態では、工具ホルダ(44)はフライス加工工具を支持し移動させるように設計される一方、他の実施形態では、それは測定工具、押出ヘッド、旋削工具、カッティングヘッドおよび/または溶接ヘッドなどである。
【0149】
第1の方向(X)に沿って移動できるように移動可能なクロスメンバ(3)を基礎構造(2)上で支持するための支持要素を説明するためにここで話を移すと、図1ー13に示される実施形態では、このような要素はレール(92)と協働するベアリング(91)を含む。
【0150】
この例において、ベアリング(91)はクロスメンバ(3)に連結され、および、レール(92)は、親ねじラック(5)と平行かつ適切に間隔をあけて、基礎構造(2)に連結される。他の実施形態では、ベアリング(91)およびレール(92)の位置は往復運動する(基礎構造(2)上のベアリング(91)およびクロスメンバ(3)上のレール(92))。
【0151】
図14-17に示される代替的な実施例では、基礎構造上の移動可能なクロスメンバ(3)を支持するための支持要素は、第1のおよび/または第2の親ねじラック(5’)を含む(または、変種では、第1のおよび/または第2の親ねじラックによってのみ構成される)。
【0152】
第1の場合、すなわち専用の支持要素(例えばベアリングおよびレールなど)がある場合、親ねじラック(5)の螺旋状の円形の歯付きセクタ(51)は、30~90度の間に含まれる振幅であり得る中心角A(図13を参照)によって画定される:この場合、実際に、第1および/または第2の親ねじラック(5)のただ一つの機能は、基礎構造(2)に対して、移動可能なクロスメンバ(3)を移動させることである。
【0153】
しかしながら、第2の場合、すなわち専用の支持要素が無いか、または、有るにもかかわらずクロスメンバ(3)を支持する機能の少なくともいくつかが、親ねじラック(5’)によって生まれているに違いないとみなされる場合、親ねじラック(5’)の螺旋状の円形の歯付きセクタ(5)が、このような追加の機能を発揮できるということが必要であり、したがって、振幅が90~300度に含まれる振幅の中心角B(図17参照)で親ねじラックを画定することが有利となる。
【0154】
このように、第1および/または第2の親ねじラック(5’)は、移動機能に加えて、基礎構造(2)に対して移動可能なクロスメンバ(3)を支持する機能を有し、したがって、そのような支持要素の少なくとも一部を構成する。
【0155】
いくつかの変種では、図15に示されるように、ねじ(複数可)(6’)は、例えば摩擦を低減するために螺旋状のねじ山が存在しない中間部分を有し、ねじ(6’)の端部(62’)のみがねじ込まれる。
【0156】
クロスメンバ(3)の方向(X)への移動を可能にするネジ(6、6’)に付与された運動に関しては、一般に、ねじ(6、6’)に連結される少なくとも1つのモーター手段を含む移動アセンブリ(7)を介して得られる。
【0157】
好ましく、かつ例示されている実施形態では、同じ一対のねじの第1および第2のねじ(6、6’)につき1つの移動アセンブリ(7)が存在する。
【0158】
移動アセンブリ(7)は、移動可能なクロスメンバ(3)上に収容され、両方のねじに接続される。
【0159】
好ましい実施形態では、これは、同じ一対の第1および第2のねじ(6)につきモーター(71)および共通の伝動軸(72)を含む。
【0160】
したがって、各ねじ(6)は、例えばベベルギア(61)を介して伝動軸(72)に連結され、、その結果、同じ一対の2つのねじ(6)または(6’)が同時に回転し、したがって、クロスメンバ(3)の移動における安定した牽引を確かなものにする。
【0161】
モーター(71)は好ましくは電気モーターであり、これに電力を供給するために、基礎構造は少なくとも2つの隔離された導電体(図示せず)を含む。
【0162】
好ましくは、そのような導電体は、電気トラックの形態であり、アセンブリ(7)は、電気的にモーター(71)に動力を供給するために摺動接点を含む。
【0163】
あるいは、マシニングセンタは、電磁場を経由してクロスメンバに存在するモーターの電力供給のための電磁源を含む。
【0164】
ここで本発明の他の変種に移動すると、図19に簡潔に示される、これらのうちの1つでは、マシニングセンタ(1)は、第1の方向(X)に平行な方向に沿って基礎構造(2)上を移動できるように、移動可能なクロスメンバ(3)と平行に配置され支持される、ワークピース保持テーブル(10)を含む。
【0165】
この目的のために、基礎構造(2)は、好ましくは、基礎構造(2)と一体の、ワークピース保持テーブル(5’’’)の第1の親ねじラックを含む。
【0166】
先述のものと同様に、ワークピース保持テーブル(5’’’)の第1の親ねじラックは、第1の螺旋状の円形の歯付きセクタを含み、ワークピース保持テーブル(5’’’)の親ねじラックは、好ましくは第1の方向(X)に基礎構造が全体的に延長するために第1の方向(X)と平行な長手方向に基礎構造(2)に沿って延長する。
【0167】
同様に、ワークピース保持テーブル(10)は、移動アセンブリ(図示しないが、上述のアセンブリ(7)と同様)によってワークピース保持テーブル(10)に回転可能に連結される、ワークピース保持テーブル(6’’’)の第1のねじを含む。
【0168】
ワークピース保持テーブル(6’’’)の第1のねじは、第1の方向(X)と平行な回転軸を有し、ワークピース保持テーブル(5’’’)の対応する第1の親ねじラックと係合し、結果、クロスメンバを参照して上述したものと同様の方法で、ワークピース保持テーブルを移動させる。
【0169】
いくつかのソリューションでは、単一のねじ/ラックは、方向(X)に沿ってワークピース保持テーブル(10)を移動させるのに十分である。
【0170】
他のソリューションでは(示された例でのように)、基礎構造(2)は、代りに、基礎構造(2)と一体の、ワークピース保持テーブル(5’’’)の第2の親ねじラックを含むことができる。
【0171】
ワークピース保持テーブル(5’’’)のそのような第2の親ねじラックは、第2の螺旋上の円形の歯付きセクタを含む。
【0172】
ワークピース保持テーブル(5’’’)の第2の親ねじラックはまた、好ましくは第1の方向(X)に基礎構造が全体的に延長するために、第1の方向(X)と平行な長手方向で基礎構造(2)に沿って伸びる。
【0173】
ワークピース保持テーブル(10)は、同様に、移動アセンブリによってワークピース保持テーブル(10)に回転可能に連結されるワークピース保持テーブル(6’’’)の第2のねじを含み、ワークピース保持テーブル(6’’’)の第2のねじは、ワークピース保持テーブル(5’’’)の対応する第2の親ねじラックと係合し、ワークピース保持テーブル(6’’’)の第2のねじは、第1の方向(X)に平行な回転軸を有する。
【0174】
図4に戻ると、基本的なモジュールの実行が示されでおり、ここにおいて、マシニングセンタ(1)は、第1の方向Xで長手方向に延長する追加の基礎構造(2’)を含み、および、追加の基礎構造(2’)と一体であり、かつ、基礎構造(2)の第1および/または第2の親ねじラック(5)と同一である、追加の基礎構造の第1および/または第2の親ねじラック(5)を順に含む。
【0175】
追加の基礎構造(2’)の第1のおよび/または第2の親ねじラック(5)は、第1の方向(X)に追加の基礎構造が全体的に延長するために、第1の方向(X)と平行な長手方向で後者に沿って延びる。
【0176】
追加の基礎構造(2’)の第1の方向における長手方向への延長は、基礎構造(2)に関する限り、親ねじラック(5)の歯のピッチの整数倍であり、上述された連結の利点を提供する。
【0177】
基礎構造(2)および追加の基礎構造(2’)が連結される場合、実際、追加の基礎構造の第1のおよび/または第2の親ねじラック(5)は、基礎構造(2)の第1および/または第2の親ねじラック(5)と整列し連続しており、結果、第1の方向に延長する複数の基礎構造(2、2’)のモジュラー連結を可能にする。
【0178】
図20の発展的な実施形態では、マシニングセンタ(100)は、さらに、第1の基礎構造(2)の第1の方向(X)と平行なそれぞれの第1の方向(X’)で長手方向に延長する、追加の基礎構造(200)を含む。
【0179】
図20に示される実施形態では、マシニングセンタ(100)は、(限定されないが)3つの追加の基礎構造(200)を含むが、しかし、1つだけ、2つ、またはそれ以上であってもよい。
【0180】
追加の基礎構造(200)は、以前に記述された基礎構造(2)と同様の方法で提供される。
【0181】
特に、追加の基礎構造(200)は、追加の基礎構造(200)と一体であり、かつ、それぞれの螺旋状の円形の歯付きセクタを含む、それぞれの親ねじラック(500)を含む。
【0182】
追加の基礎構造(200)の親ねじラック(500)は、実質的に、それぞれの第1の方向(X’)に追加の基礎構造(200)が全体的に延長するために、第1の方向(X)に平行なそれぞれの長手方向において後者に沿って延長し、したがって、ラック(5)と任意に存在する他の追加の基礎構造(200)の任意の他のラック(500)と平行かつ同一平面上にある。
【0183】
特に、基礎構造(2)および追加の基礎構造(200)(複数可)は、実質的に、相互に平行である;この点においては、追加の基礎構造(200)は、いくつかの実施形態で、基礎構造(2)について上述したのと同じ特性を含むことができ、簡潔にするためにこれ以上述べない。
【0184】
追加の基礎構造(200)の親ねじラック(500)の歯のピッチはまた、基礎構造(2)の親ねじラック(5)の歯のピッチと同一であり、、その結果、基礎構造(2)上を移動するクロスメンバ(3、300)も、同じ方法で追加の基礎構造(200)上を移動することができる。
【0185】
同様に、それぞれの第1の方向(X’)における追加の基礎構造(200)の長手方向への延長は、親ねじラック(5、500)の歯のピッチの整数倍であり、その結果、基礎構造(2)についてに生じるものと同様に、軸(X’)に沿って無限に延長することができる追加の基礎構造のモジュール性を可能にする。
【0186】
少なくともクロスメンバ(3、300)を1つの基礎構造(2)から追加の基礎構造(200)に(または追加の基礎構造(200)間で)移動させるために、この実施形態(100)では、専用の親ねじラック(501)が設けられた少なくとも1つの分配基礎構造(201)が存在する。
【0187】
分配基礎構造(201)は、第1の方向(X)に対して(したがって方向(X’)に対して)垂直である分配方向(Ydist)において、基礎構造(2)に対して(したがって基礎構造(200)に対して)移動することができる。
【0188】
この目的のために、マシニングセンタ(100)は、基礎構造(2、200)に垂直に延びる横方向分配基礎構造(211)上に取り付けられた横方向分配トラック(900)と、分配基礎構造(201)を分配トラック(900)に沿って移動させるための手段、例えば電気モーターおよび適合された運動連鎖(kinematic chain)(図示せず)と、を含む。
【0189】
示された実施形態では、分配トラック(900)は、上述のものと同様の方法で、螺旋状のねじ山を備えたラックと、協働するねじと、を含む。
【0190】
分配トラック(900)および対応する移動システムは、方向(Ydist)に沿って長手方向に延長し、その結果、基礎構造(2)と、基礎構造(2)から最も遠い追加の基礎構造(200)の間に含まれるものと少なくとも等しい長さで分配基礎構造(201)の移動を可能にする。
【0191】
すべての追加の基礎構造(200)の親ねじラック(500)は、分配基礎構造(201)に面する末端で、基礎構造(2)上に存在する螺旋と同一の幾何学的形状を有する螺旋を備えた親ねじラックを有し、結果、クロスメンバ(3、300)が任意の一つとその次のものの間で移動することを可能にする。
【0192】
分配親ねじラック(501)は、それぞれの螺旋状の円形の歯付きセクタを含み、分配基礎構造(201)に沿って第1の方向(X)に平行なそれぞれの長手方向に延長し、その結果、螺旋状のねじ山において切れ目なく二者択一的に基礎構造(2)または追加の基礎構造(200)に連結することができるようになっている。
【0193】
したがって、基礎構造(2)と追加の基礎構造(200)との間、または追加の基礎構造(200)の間で、少なくとも第1の移動可能なクロスメンバ(3)の移動が可能となる。
【0194】
分配基礎構造(201)は、好ましい実施形態では、前述された基礎構造(2)および(200)に全体的に類似している。
【0195】
分配横断基礎構造(211)は、先述のものと同様の方法で、長さを随意に調節しうる基礎構造(2)の第1の方向(X)に平行に、分配方向(Ydist)で長手方向に延長する。この目的のために、実際には、分配トラック(900)の親ねじラックは、好ましくは、ねじ山に関して、親ねじ(ラック5、500)と同様の方法で作られ、その結果、複数の分配横断基礎構造(211)を一緒に接合して、Ydist方向に延びる分配経路を提供することができ、その長さは、操作の必要性の関数として任意に決定することができる。
【0196】
Ydistは、実質的に水平面上にある方向として図20に示されているが、その配置は(他の構成では示されていないが)変化し得ることが理解されるべきである。例えば、Ydistは実質的に垂直平面上にある方向である。
【0197】
このように上記の目的は達成される。
【0198】
当然のことながら、今まで説明されているものの多くの変種が可能であり、そのすべてが後に請求されるものと同等と見なされるべきである。
【0199】
イタリアの特許出願102016000013699番(UB2016A000624)の内容は、その優先権が本出願において主張され、参照として組み込まれる。
【0200】
請求項に記載された技術的特徴の後に参照番号および/または符号が続く場合、これらのに参照番号および/または符号は、特許請求の範囲の明瞭性を高めることのみを目的として含まれており、したがって、そのような参照符号および/または符号は、そのような参照符号および/または符号によって例示される各要素の解釈にいかなる限定的影響も与えない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20