(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-18
(54)【発明の名称】蓄電モジュール及び蓄電モジュールの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/184 20210101AFI20220511BHJP
H01G 11/10 20130101ALI20220511BHJP
H01G 11/80 20130101ALI20220511BHJP
H01G 11/84 20130101ALI20220511BHJP
H01M 10/04 20060101ALI20220511BHJP
H01M 50/197 20210101ALI20220511BHJP
H01M 50/342 20210101ALI20220511BHJP
【FI】
H01M50/184 A
H01G11/10
H01G11/80
H01G11/84
H01M10/04 Z
H01M50/197
H01M50/342 101
(21)【出願番号】P 2018177673
(22)【出願日】2018-09-21
【審査請求日】2021-02-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【氏名又は名称】中山 浩光
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】田丸 耕二郎
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 貴文
(72)【発明者】
【氏名】真里谷 毅
【審査官】松本 陶子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-192547(JP,A)
【文献】特開2018-120718(JP,A)
【文献】特開2010-287451(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/184
H01G 11/10
H01G 11/80
H01G 11/84
H01M 10/04
H01M 50/342
H01M 50/197
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に積層された複数の電極を含む電極積層体と、
前記第1方向から見て前記電極積層体を取り囲むシール部材と、
を備え、
前記複数の電極は、バイポーラ電極を含み、
前記複数の電極のそれぞれは、電極板を備え、
前記シール部材は、前記電極板の周縁部に設けられた一次シールと、前記第1方向から見て前記一次シールを取り囲む二次シールと、を備え、
前記二次シールは、第1樹脂部と第2樹脂部とを備え、
前記第1方向に交差する第2方向において、前記第1樹脂部は、前記一次シールと前記第2樹脂部との間に配置され、
前記一次シールには、隣り合う前記複数の電極間に設けられた内部空間と連通された第1連通孔が形成され、
前記第1樹脂部には、前記第1連通孔と連通された第2連通孔が形成され、
前記第2樹脂部には、前記第2連通孔と連通された第3連通孔が形成され、
前記第2樹脂部は、前記第2方向から見て前記第3連通孔を取り囲むように配置され前記第2方向に突出する突起部を有
し、
前記突起部は、圧力調整弁を接続するための枠形状の接続用突起部であり、
前記接続用突起部には、前記圧力調整弁が接続される、蓄電モジュール。
【請求項2】
前記突起部は前記第3連通孔と連通された開口を形成し、
前記第1方向における前記第3連通孔の幅が、前記第1方向における前記第2連通孔の幅と同じであり、かつ、前記第1方向における前記開口の幅よりも小さい、請求項1に記載の蓄電モジュール。
【請求項3】
前記第1方向における前記第3連通孔の幅が、前記第1方向における前記第2連通孔の幅よりも大きい、請求項1に記載の蓄電モジュール。
【請求項4】
前記第2樹脂部が、複数のゲート痕を有しており、
前記第2方向から見て、隣り合う前記複数のゲート痕の中間点を通って前記第1方向に延びる直線が前記突起部と重ならないように位置している、請求項1~3のいずれか一項に記載の蓄電モジュール。
【請求項5】
前記第1樹脂部が、複数のゲート痕を有しており、
前記第2方向から見て、隣り合う前記複数のゲート痕の中間点を通って前記第1方向に延びる直線が前記第2連通孔と重ならないように位置している、請求項1~4のいずれか一項に記載の蓄電モジュール。
【請求項6】
前記第1樹脂部には、複数の前記第2連通孔が形成され、
前記第1樹脂部が、前記複数の第2連通孔のうち前記第1方向において最も端に位置する第2連通孔の外側において前記第1方向に突出する凸部を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の蓄電モジュール。
【請求項7】
前記第1樹脂部は、前記第1方向の一端から前記第2方向に沿って延びる庇部を有し、
前記凸部は、前記第1方向の他端に設けられる、請求項6に記載の蓄電モジュール。
【請求項8】
第1方向に積層された複数の電極を含む電極積層体と、前記第1方向から見て前記電極積層体を取り囲むシール部材とを備える蓄電モジュールの製造方法であって、
前記複数の電極は、バイポーラ電極を含み、
前記複数の電極のそれぞれは、電極板を備え、
前記製造方法は、
前記電極積層体と、前記電極板の周縁部に設けられた一次シールと、を含むユニット積層体を準備する工程と、
射出成形により、前記第1方向から見て前記一次シールを取り囲む二次シールを形成する工程と、
を含み、
前記ユニット積層体を準備する工程では、隣り合う前記複数の電極間に設けられた内部空間と連通された第1連通孔が前記一次シールに形成されており、
前記二次シールを形成する工程は、
前記ユニット積層体を収容する第1型内に第1樹脂材料を流し込むことによって、前記第1連通孔と連通された第2連通孔が形成された第1樹脂部を形成する工程と、
前記ユニット積層体及び前記第1樹脂部を収容する第2型内に第2樹脂材料を流し込むことによって、前記第2連通孔と連通された第3連通孔が形成された第2樹脂部を形成する工程と、
を含み、
前記第2樹脂部を形成する工程では、前記第1樹脂部が、前記第1方向に交差する第2方向において、前記一次シールと前記第2樹脂部との間に配置され、前記第2樹脂部が、前記第2方向から見て前記第3連通孔を取り囲むように配置され前記第2方向に突出する突起部を有する、蓄電モジュールの製造方法。
【請求項9】
前記第2樹脂部を形成する工程では、前記突起部が前記第3連通孔と連通された開口を形成し、前記第1方向における前記第3連通孔の幅が、前記第1方向における前記第2連通孔の幅と同じであり、かつ、前記第1方向における前記開口の幅よりも小さい、請求項8に記載の蓄電モジュールの製造方法。
【請求項10】
前記第2樹脂部を形成する工程では、前記第1方向における前記第2連通孔の幅よりも大きい幅を有する入れ子が前記第2連通孔を塞いだ状態で、前記第2樹脂部を形成し、前記第1方向における前記第3連通孔の幅が、前記第1方向における前記第2連通孔の幅よりも大きい、請求項8に記載の蓄電モジュールの製造方法。
【請求項11】
前記第2型が、複数のゲートを有しており、
前記第2型には、前記突起部を形成するための凹部が形成されており、
前記第2樹脂部を形成する工程では、前記第2方向から見て、隣り合う前記複数のゲートの中間点を通って前記第1方向に延びる直線が前記凹部と重ならないように位置している、請求項8~10のいずれか一項に記載の蓄電モジュールの製造方法。
【請求項12】
前記第1型が、複数のゲートを有しており、
前記第1樹脂部を形成する工程では、前記第2方向から見て、隣り合う前記複数のゲートの中間点を通って前記第1方向に延びる直線が前記第2連通孔と重ならないように位置している、請求項8~11のいずれか一項に記載の蓄電モジュールの製造方法。
【請求項13】
前記第1樹脂部を形成する工程では、前記第1樹脂部に、複数の前記第2連通孔が形成され、前記第1樹脂部が、前記複数の第2連通孔のうち前記第1方向において最も端に位置する第2連通孔の外側において前記第1方向に突出する凸部を有する、請求項8~12のいずれか一項に記載の蓄電モジュールの製造方法。
【請求項14】
前記第1樹脂部を形成する工程では、前記第1樹脂部が、前記第1方向の一端から前記第2方向に沿って延びる庇部を有し、前記凸部が、前記第1方向の他端に設けられる、請求項13に記載の蓄電モジュールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一側面は、蓄電モジュール及び蓄電モジュールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の蓄電モジュールとして、電極板の一方面に正極が形成され、他方面に負極が形成されたバイポーラ電極を備えるバイポーラ電池が知られている(特許文献1参照)。バイポーラ電池は、セパレータを介して複数のバイポーラ電極を積層してなる電極積層体を備えている。電極積層体の側面には、積層方向に隣り合うバイポーラ電極間を封止するシール部材が設けられており、バイポーラ電極間に形成された内部空間に電解液が収容されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シール部材が、バイポーラ電極の周縁部に設けられた枠状の一次シールと、積み重ねられた一次シールの周囲に設けられた筒状の二次シールとを備える場合がある。二次シールは、射出成形によって形成される単一の樹脂部である。一次シールには、内部空間に連通された第1連通孔が形成される。二次シールには、第1連通孔に連通された第2連通孔が形成される。第2連通孔は、電解液を内部空間に注入するための注液口及び内部空間の圧力を調整する圧力調整弁が接続される接続口として機能する。
【0005】
圧力調整弁を第2連通孔に接続するために、第2連通孔を取り囲む枠状の突起部が二次シールの表面に設けられる場合がある。この場合、突起部における二次シールの厚み(突起部の高さ方向における二次シールの長さ)が比較的大きくなる。二次シールの厚みが大きくなると、射出成形時に溶融した樹脂材料が固化する際に樹脂材料が収縮して、二次シールの内部にボイドが発生するおそれがある。
【0006】
本発明の一側面は、二次シールの内部にボイドが発生することを抑制できる蓄電モジュール及び蓄電モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る蓄電モジュールは、第1方向に積層された複数の電極を含む電極積層体と、前記第1方向から見て前記電極積層体を取り囲むシール部材と、を備え、前記複数の電極は、バイポーラ電極を含み、前記複数の電極のそれぞれは、電極板を備え、前記シール部材は、前記電極板の周縁部に設けられた一次シールと、前記第1方向から見て前記一次シールを取り囲む二次シールと、を備え、前記二次シールは、第1樹脂部と第2樹脂部とを備え、前記第1方向に交差する第2方向において、前記第1樹脂部は、前記一次シールと前記第2樹脂部との間に配置され、前記一次シールには、隣り合う前記複数の電極間に設けられた内部空間と連通された第1連通孔が形成され、前記第1樹脂部には、前記第1連通孔と連通された第2連通孔が形成され、前記第2樹脂部には、前記第2連通孔と連通された第3連通孔が形成され、前記第2樹脂部は、前記第2方向から見て前記第3連通孔を取り囲むように配置され前記第2方向に突出する突起部を有する。
【0008】
上記蓄電モジュールによれば、単一の樹脂部からなる二次シールに比べて、突起部における第2樹脂部の厚み(第2方向における第2樹脂部の長さ)を比較的小さくできる。そのため、第2樹脂部を形成する際に、樹脂材料の収縮により第2樹脂部の内部にボイドが発生することを抑制できる。よって、二次シールの内部にボイドが発生することを抑制できる。
【0009】
前記突起部は前記第3連通孔と連通された開口を形成し、前記第1方向における前記第3連通孔の幅が、前記第1方向における前記第2連通孔の幅と同じであり、かつ、前記第1方向における前記開口の幅よりも小さくてもよい。この場合、第3連通孔の幅が第2連通孔の幅よりも大きい場合に比べて、第1樹脂部と第2樹脂部との間の接合面積を大きくできる。そのため、第1樹脂部と第2樹脂部との間の接合強度を向上できる。また、第2樹脂部を形成する際に、入れ子の先端部が第2連通孔内に配置された状態で第3連通孔及び開口を有する第2樹脂部を形成すると、第2樹脂部の形成後に入れ子を引き抜きやすい。
【0010】
前記第1方向における前記第3連通孔の幅が、前記第1方向における前記第2連通孔の幅よりも大きくてもよい。この場合、第2連通孔内に配置される入れ子を使用する必要がない。そのため、簡易な構造を有する入れ子を用いて第2樹脂部を形成できる。
【0011】
前記第2樹脂部が、複数のゲート痕を有しており、前記第2方向から見て、隣り合う前記複数のゲート痕の中間点を通って前記第1方向に延びる直線が前記突起部と重ならないように位置してもよい。この場合、第2樹脂部を形成する際に、隣り合う複数のゲートから流入した樹脂材料同士が、第2方向から見て上記直線の位置において衝突する。そのため、得られた第2樹脂部では、当該直線の位置に脆弱部(ウェルド部)が形成される場合がある。そのような場合であっても、脆弱部が突起部と重ならないように位置しているので、機械的強度が比較的低い突起部が壊れ難い。
【0012】
前記第1樹脂部が、複数のゲート痕を有しており、前記第2方向から見て、隣り合う前記複数のゲート痕の中間点を通って前記第1方向に延びる直線が前記第2連通孔と重ならないように位置してもよい。この場合、第1樹脂部を形成する際に、第1樹脂部における第2連通孔の周囲の部分から、第2連通孔を形成するための入れ子に向かって熱が逃げる。よって、第1樹脂部における第2連通孔の周囲の部分が脆弱箇所となりやすい。一方、上記直線の位置における第1樹脂部にウェルド部が形成される場合もある。そのような場合でも、第2連通孔の周囲の脆弱箇所にウェルド部が形成されることが抑制されるので、脆弱箇所の機械的強度の低下を抑制できる。
【0013】
前記第1樹脂部には、複数の前記第2連通孔が形成され、前記第1樹脂部が、前記複数の第2連通孔のうち前記第1方向において最も端に位置する第2連通孔の外側において前記第1方向に突出する凸部を有してもよい。この場合、第1樹脂部のうち、第1方向において最も端に位置する第2連通孔(最外第2連通孔)の外側に位置する部分の第1方向における幅が大きくなる。よって、第1樹脂部を形成する際に、当該部分を樹脂材料が流れやすくなる。
【0014】
前記第1樹脂部は、前記第1方向の一端から前記第2方向に沿って延びる庇部を有し、前記凸部は、前記第1方向の他端に設けられてもよい。この場合、第1樹脂部を形成する際に、第1方向の一端には庇部が設けられているので、庇部を樹脂材料が流れやすくなる。
【0015】
本発明の一側面に係る蓄電モジュールの製造方法は、第1方向に積層された複数の電極を含む電極積層体と、前記第1方向から見て前記電極積層体を取り囲むシール部材とを備える蓄電モジュールの製造方法であって、前記複数の電極は、バイポーラ電極を含み、前記複数の電極のそれぞれは、電極板を備え、前記製造方法は、前記電極積層体と、前記電極板の周縁部に設けられた一次シールと、を含むユニット積層体を準備する工程と、射出成形により、前記第1方向から見て前記一次シールを取り囲む二次シールを形成する工程と、を含み、前記ユニット積層体を準備する工程では、隣り合う前記複数の電極間に設けられた内部空間と連通された第1連通孔が前記一次シールに形成されており、前記二次シールを形成する工程は、前記ユニット積層体を収容する第1型内に第1樹脂材料を流し込むことによって、前記第1連通孔と連通された第2連通孔が形成された第1樹脂部を形成する工程と、前記ユニット積層体及び前記第1樹脂部を収容する第2型内に第2樹脂材料を流し込むことによって、前記第2連通孔と連通された第3連通孔が形成された第2樹脂部を形成する工程と、を含み、前記第2樹脂部を形成する工程では、前記第1樹脂部が、前記第1方向に交差する第2方向において、前記一次シールと前記第2樹脂部との間に配置され、前記第2樹脂部が、前記第2方向から見て前記第3連通孔を取り囲むように配置され前記第2方向に突出する突起部を有する。
【0016】
上記蓄電モジュールの製造方法によれば、単一の樹脂部からなる二次シールに比べて、突起部における第2樹脂部の厚み(第2方向における第2樹脂部の長さ)を比較的小さくできる。そのため、第2樹脂部を形成する際に、第2樹脂材料の収縮により第2樹脂部の内部にボイドが発生することを抑制できる。よって、二次シールの内部にボイドが発生することを抑制できる。
【0017】
前記第2樹脂部を形成する工程では、前記突起部が前記第3連通孔と連通された開口を形成し、前記第1方向における前記第3連通孔の幅が、前記第1方向における前記第2連通孔の幅と同じであり、かつ、前記第1方向における前記開口の幅よりも小さくてもよい。この場合、第3連通孔の幅が第2連通孔の幅よりも大きい場合に比べて、第1樹脂部と第2樹脂部との間の接合面積を大きくできる。そのため、第1樹脂部と第2樹脂部との間の接合強度を向上できる。また、第2樹脂部を形成する際に、入れ子の先端部が第2連通孔内に配置された状態で第3連通孔及び開口を有する第2樹脂部を形成すると、第2樹脂部の形成後に入れ子を引き抜きやすい。
【0018】
前記第2樹脂部を形成する工程では、前記第1方向における前記第2連通孔の前記幅よりも大きい幅を有する入れ子が前記第2連通孔を塞いだ状態で、前記第2樹脂部を形成し、前記第1方向における前記第3連通孔の幅が、前記第1方向における前記第2連通孔の幅よりも大きくてもよい。この場合、第2連通孔内に配置される入れ子を使用する必要がない。そのため、簡易な構造を有する入れ子を用いて第2樹脂部を形成できる。
【0019】
前記第2型が、複数のゲートを有しており、前記第2型には、前記突起部を形成するための凹部が形成されており、前記第2樹脂部を形成する工程では、前記第2方向から見て、隣り合う前記複数のゲートの中間点を通って前記第1方向に延びる直線が前記凹部と重ならないように位置してもよい。この場合、第2樹脂部を形成する際に、隣り合う複数のゲートから流入した第2樹脂材料同士が、第2方向から見て上記直線の位置において衝突する。そのため、得られた第2樹脂部では、当該直線の位置に脆弱部(ウェルド部)が形成される場合がある。そのような場合であっても、脆弱部が突起部と重ならないように位置しているので、機械的強度が比較的低い突起部が壊れ難い。
【0020】
前記第1型が、複数のゲートを有しており、前記第1樹脂部を形成する工程では、前記第2方向から見て、隣り合う前記複数のゲートの中間点を通って前記第1方向に延びる直線が前記第2連通孔と重ならないように位置してもよい。この場合、二次シールを形成する際に、第1樹脂部における第2連通孔の周囲の部分から、第2連通孔を形成するための入れ子に向かって熱が逃げる。よって、第1樹脂部における第2連通孔の周囲の部分が脆弱箇所となりやすい。一方、上記直線の位置における第1樹脂部にウェルド部が形成される場合もある。そのような場合でも、第2連通孔の周囲の脆弱箇所にウェルド部が形成されることが抑制されるので、脆弱箇所の機械的強度の低下を抑制できる。
【0021】
前記第1樹脂部を形成する工程では、前記第1樹脂部に、複数の前記第2連通孔が形成され、前記第1樹脂部が、前記複数の第2連通孔のうち前記第1方向において最も端に位置する第2連通孔の外側において前記第1方向に突出する凸部を有してもよい。この場合、第1樹脂部のうち、第1方向において最も端に位置する第2連通孔(最外第2連通孔)の外側に位置する部分の第1方向における幅が大きくなる。よって、第1樹脂部を形成する際に、当該部分を第1樹脂材料が流れやすくなる。
【0022】
前記第1樹脂部を形成する工程では、前記第1樹脂部が、前記第1方向の一端から前記第2方向に沿って延びる庇部を有し、前記凸部が、前記第1方向の他端に設けられてもよい。この場合、第1樹脂部を形成する際に、第1方向の一端には庇部が設けられているので、庇部を第1樹脂材料が流れやすくなる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一側面によれば、二次シールの内部にボイドが発生することを抑制できる蓄電モジュール及び蓄電モジュールの製造方法が提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】一実施形態に係る蓄電モジュールを備えた蓄電装置を示す概略断面図である。
【
図2】
図1に示された蓄電モジュールの内部構成を示す概略断面図である。
【
図3】
図2に示された蓄電モジュールの斜視図である。
【
図4】
図3に示された蓄電モジュールの一部を示す斜視図である。
【
図5】
図4に示されたV-V線に沿った断面図である。
【
図6】
図5に示された蓄電モジュールの断面図の一部を拡大した図である。
【
図7】第2方向から見た第1樹脂部を示す平面図である。
【
図8】第2方向から見た第2樹脂部を示す平面図である。
【
図9】ユニット積層体を準備する工程におけるユニット積層体の断面図である。
【
図10】第1樹脂部を形成する工程におけるユニット積層体、型及び入れ子の断面図である。
【
図11】
図10に示されたXI-XI線に沿った断面図である。
【
図12】第2樹脂部を形成する工程におけるユニット積層体、第1樹脂部、型及び入れ子の断面図である。
【
図13】
図12に示されたXIII-XIII線に沿った断面図である。
【
図14】他の実施形態に係る蓄電モジュールの一部を示す断面図である。
【
図15】第2樹脂部を形成する工程におけるユニット積層体、第1樹脂部、型及び入れ子の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号が用いられ、重複する説明は省略される。
【0026】
図1は、一実施形態に係る蓄電モジュールを備えた蓄電装置を示す概略断面図である。
図1に示される蓄電装置1は、例えばフォークリフト、ハイブリッド自動車、電気自動車等の各種車両のバッテリとして用いられる。蓄電装置1は、互いに複数の蓄電モジュール4を積層してなる蓄電モジュール積層体2と、蓄電モジュール積層体2に対して積層方向に拘束荷重を付加する拘束部材3とを備えている。
【0027】
蓄電モジュール積層体2は、複数(本実施形態では3体)の蓄電モジュール4と、複数(本実施形態では4枚)の導電板5とによって構成されている。蓄電モジュール4は、例えば後述するバイポーラ電極14を備えたバイポーラ電池であり、積層方向から見て矩形状をなしている。蓄電モジュール4は、例えばニッケル水素二次電池、リチウムイオン二次電池等の二次電池、又は電気二重層キャパシタである。以下の説明では、ニッケル水素二次電池を例示する。
【0028】
積層方向に隣り合う蓄電モジュール4同士は、導電板5を介して電気的に接続されている。導電板5は、積層方向に隣り合う蓄電モジュール4間と、積層端に位置する蓄電モジュール4の外側と、にそれぞれ配置されている。積層端に位置する蓄電モジュール4の外側に配置された一方の導電板5には、正極端子6が接続されている。積層端に位置する蓄電モジュール4の外側に配置された他方の導電板5には、負極端子7が接続されている。正極端子6及び負極端子7は、例えば導電板5の縁部から積層方向に交差する方向に引き出されている。正極端子6及び負極端子7により、蓄電装置1の充放電が実施される。
【0029】
各導電板5の内部には、空気等の冷媒を流通させる複数の流路5aが設けられている。各流路5aは、例えば積層方向と、正極端子6及び負極端子7の引き出し方向とにそれぞれ交差(直交)する方向に互いに平行に延在している。これらの流路5aに冷媒を流通させることで、導電板5は、蓄電モジュール4同士を電気的に接続する接続部材としての機能のほか、蓄電モジュール4で発生した熱を放熱する放熱板としての機能を併せ持つ。なお、
図1の例では、積層方向から見た導電板5の面積は、蓄電モジュール4の面積よりも小さいが、放熱性の向上の観点から、導電板5の面積は、蓄電モジュール4の面積と同じであってもよく、蓄電モジュール4の面積よりも大きくてもよい。
【0030】
拘束部材3は、蓄電モジュール積層体2を積層方向に挟む一対のエンドプレート8と、エンドプレート8同士を締結する締結ボルト9及びナット10とによって構成されている。エンドプレート8は、積層方向から見た蓄電モジュール4及び導電板5の面積よりも一回り大きい面積を有する矩形の金属板である。エンドプレート8の内側面(蓄電モジュール積層体2側の面)には、電気絶縁性を有するフィルムFが設けられている。フィルムFにより、エンドプレート8と導電板5との間が絶縁されている。
【0031】
エンドプレート8の縁部には、蓄電モジュール積層体2よりも外側となる位置に挿通孔8aが設けられている。締結ボルト9は、一方のエンドプレート8の挿通孔8aから他方のエンドプレート8の挿通孔8aに向かって通され、他方のエンドプレート8の挿通孔8aから突出した締結ボルト9の先端部分には、ナット10が螺合されている。これにより、蓄電モジュール4及び導電板5がエンドプレート8によって挟持されて蓄電モジュール積層体2としてユニット化されると共に、蓄電モジュール積層体2に対して積層方向に拘束荷重が付加される。
【0032】
次に、蓄電モジュール4の構成について更に詳細に説明する。
図2は、
図1に示された蓄電モジュールの内部構成を示す概略断面図である。同図に示すように、蓄電モジュール4は、積層方向D1(第1方向)に積層された複数の電極Eを含む電極積層体11と、積層方向D1から見て電極積層体11を取り囲むシール部材12とを備えている。電極積層体11とシール部材12との間は封止(シール)される。
【0033】
電極積層体11は、セパレータ13を介して積層方向D1に積層された複数の電極Eを含む。複数の電極Eは、複数のバイポーラ電極14と、負極終端電極18と、正極終端電極19とを含む。この例では、電極積層体11の積層方向D1は蓄電モジュール積層体2の積層方向と一致している。バイポーラ電極14は、電極板15、電極板15の一方面15aに設けられた正極16、電極板15の他方面15bに設けられた負極17を含んでいる。正極16は、正極活物質が塗工されてなる正極活物質層である。負極17は、負極活物質が塗工されてなる負極活物質層である。電極積層体11において、一のバイポーラ電極14の正極16は、セパレータ13を挟んで積層方向D1に隣り合う一方のバイポーラ電極14の負極17と対向している。電極積層体11において、一のバイポーラ電極14の負極17は、セパレータ13を挟んで積層方向D1に隣り合う他方のバイポーラ電極14の正極16と対向している。
【0034】
電極積層体11において、積層方向D1の一端には負極終端電極18が配置され、積層方向D1の他端には正極終端電極19が配置されている。負極終端電極18は、電極板15、及び電極板15の他方面15bに設けられた負極17を含んでいる。負極終端電極18の負極17は、セパレータ13を介して積層方向D1の一端のバイポーラ電極14の正極16と対向している。負極終端電極18の電極板15の一方面15aには、蓄電モジュール4に隣接する一方の導電板5が接触している。正極終端電極19は、電極板15、及び電極板15の一方面15aに設けられた正極16を含んでいる。正極終端電極19の電極板15の他方面15bには、蓄電モジュール4に隣接する他方の導電板5が接触している。正極終端電極19の正極16は、セパレータ13を介して積層方向D1の他端のバイポーラ電極14の負極17と対向している。
【0035】
電極板15は、金属製であり、例えばニッケル又はニッケルメッキ鋼板からなる。電極板15は、例えばニッケルからなる矩形の金属箔である。電極板15の周縁部15c(バイポーラ電極14の周縁部)は、矩形枠状をなし、正極活物質及び負極活物質が塗工されない未塗工領域となっている。正極16を構成する正極活物質としては、例えば水酸化ニッケルが挙げられる。負極17を構成する負極活物質としては、例えば水素吸蔵合金が挙げられる。本実施形態では、電極板15の他方面15bにおける負極17の形成領域は、電極板15の一方面15aにおける正極16の形成領域に対して一回り大きくなっている。
【0036】
セパレータ13は、例えばシート状に形成されている。セパレータ13としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、ポリプロピレン、メチルセルロース等からなる織布又は不織布等が例示される。セパレータ13は、フッ化ビニリデン樹脂化合物で補強されたものであってもよい。なお、セパレータ13は、シート状に限られず、袋状のものを用いてもよい。
【0037】
シール部材12は、例えば絶縁性の樹脂によって矩形の枠状に形成されている。シール部材12を構成する樹脂材料としては、例えばポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、又は変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)などが挙げられる。シール部材12は、電極積層体11を取り囲み、複数の電極板15の周縁部15cを保持するように構成されている。
【0038】
シール部材12は、周縁部15cに設けられた一次シール21と、積層方向D1から見て一次シール21を取り囲む二次シール22とを備えている。一次シール21は所定の厚さ(積層方向D1の長さ)を有するフィルムである。一次シール21は、積層方向D1から見て、矩形枠状をなし、例えば超音波又は熱により、周縁部15cの全周にわたって連続的に溶着されている。一次シール21は、電極板15の他方面15b側の周縁部15cに設けられている。一次シール21は、周縁部15cを埋設した状態で、周縁部15cに設けられ、電極板15の端面を覆っている。一次シール21は、積層方向D1から見て、正極16及び負極17から離間して設けられている。積層方向D1で隣り合う一次シール21同士は、互いに当接している。
【0039】
一次シール21は、第1部分21aと第2部分21bとを有している。第1部分21aは、他方面15b上に設けられ、積層方向D1から見て電極板15と重なっている。第2部分21bは、第1部分21aと一体的に形成され、積層方向D1から見て電極板15の外側に設けられている。第1部分21aの厚さは、第2部分21bの厚さよりも薄く、負極17の厚さと同等であるが、同等以上であってもよい。第1部分21aと第2部分21bとの間には、積層方向D1に延在する段差面21cが形成されている。
【0040】
第1部分21aの上面には、セパレータ13の外縁部が配置されている。積層方向D1から見て、第1部分21aとセパレータ13の外縁部とは互いに重なっている。セパレータ13の外縁部は、セパレータ13の外縁に沿って並ぶ複数箇所において、例えば溶着により第1部分21aの上面に固定されている。セパレータ13の外縁は、段差面21cに当接していてもよいし、段差面21cから離間していてもよい。本実施形態では、段差面21cの高さ(積層方向D1の長さ)は、セパレータ13の厚さと正極16の厚さとの和と同等であるが、同等以上であってもよい。
【0041】
二次シール22は、電極積層体11及び一次シール21の外側に設けられ、蓄電モジュール4の外壁(筐体)を構成している。二次シール22は、例えば、後述するように樹脂の射出成形によって形成され、積層方向D1において電極積層体11の全長にわたって延在している。二次シール22は、積層方向D1を軸方向として延在する筒状部である。二次シール22は、積層方向D1に延在する一次シール21の外側面を覆っている。二次シール22は、一次シール21の外側面に接合され、一次シール21の外側面をシールしている。二次シール22は、例えば、射出成形時の熱によって一次シール21の外側面に溶着されている。二次シール22は、熱板溶着によって一次シール21の外側面に溶着されていてもよい。一次シール21を構成する樹脂材料と二次シール22を構成する樹脂材料とは互いに相溶可能である。一次シール21は例えばPPからなり、二次シール22は例えば変性PPEからなる。
【0042】
電極積層体11内には複数の内部空間Vが設けられている。各内部空間Vは、隣り合う複数の電極E間に設けられる。内部空間Vは、積層方向D1で隣り合う電極板15の間において、当該電極板15とシール部材12とにより気密及び水密に仕切られた空間である。この内部空間Vには、例えば水酸化カリウム水溶液等のアルカリ水溶液からなる電解液(不図示)が収容されている。電解液は、セパレータ13、正極16及び負極17内に含浸されている。電解液は強アルカリ性なので、シール部材12は、耐強アルカリ性を有する樹脂材料により構成されている。
【0043】
図3は、
図2に示された蓄電モジュール4の斜視図である。
図3に示されるように、蓄電モジュール4は、複数(ここでは4つ)の圧力調整弁28をさらに備えている。圧力調整弁28は、内部空間V内のガスを蓄電モジュール4の外部に放出することによって、内部空間Vの圧力を調整できる。二次シール22は、積層方向D1から見て矩形形状を有している。二次シール22は、一対の第1側面22aと、一対の第1側面22a同士を繋ぐ一対の第2側面22bとを有する。積層方向D1から見て第1側面22aが短辺となり、第2側面22bが長辺となる。各第2側面22bは、積層方向D1と積層方向D1に交差する長手方向D2(第2方向)とに延在する。各第1側面22aは、積層方向D1と短手方向D3(第3方向)とに延在する。短手方向D3は、積層方向D1及び長手方向D2の両方に交差する。積層方向D1、長手方向D2及び短手方向D3は互いに直交し得る。圧力調整弁28は、1つの第1側面22aに取り付けられているが、1つの第2側面22bに取り付けられてもよい。
【0044】
図4は、
図3に示された蓄電モジュール4の一部を示す斜視図である。
図5は、
図4に示されたV-V線に沿った断面図である。
図6は、
図5に示された蓄電モジュール4の断面図の一部を拡大した図である。
図4及び
図5では、圧力調整弁28が省略されている。
【0045】
図4~
図6に示されるように、二次シール22は、第1樹脂部23と第2樹脂部24とを備える。長手方向D2において、第1樹脂部23は一次シール21と第2樹脂部24との間に配置される。本実施形態において、第1樹脂部23は、積層方向D1から見て一次シール21を取り囲む。第1樹脂部23の外形は、積層方向D1から見て例えば矩形形状を有する。第1樹脂部23は、積層方向D1及び長手方向D2に延在する一対の第1側面23sと、積層方向D1及び短手方向D3に延在する一対の第2側面23tとを有する。
【0046】
第2樹脂部24は、第1樹脂部23の1つの第2側面23t上に設けられる。第2樹脂部24は、長手方向D2に突出する複数の突起部24pを有する。各突起部24pは、複数(ここでは6個)の開口24hを形成する枠形状を有する。各突起部24pは、圧力調整弁28を接続するための接続用突起部として機能する。よって、突起部24pの数は、圧力調整弁28の数と同じである。第2樹脂部24は、積層方向D1から見て第1樹脂部23を取り囲んでもよい。第2樹脂部24の外形は、積層方向D1から見て例えば矩形形状を有してもよい。この場合、第2樹脂部24は、第1樹脂部23の一対の第1側面23s及び一対の第2側面23t上に設けられる。
【0047】
図5に示されるように、第1樹脂部23及び第2樹脂部24は、長手方向D2において、一次シール21と電極積層体11とを備えるユニット積層体30の外側に位置する。ユニット積層体30は、積層方向D1に交差する矩形状の第1面30aと、第1面30aとは反対側の矩形状の第2面30bと、第1面30aと第2面30bとの間を繋ぐ4つの矩形状の側面30cとを有する。第1面30aは正極終端電極19の表面を含む。第2面30bは負極終端電極18の表面を含む。側面30cは、積層方向D1に延在する一次シール21の表面を含む。
【0048】
第1樹脂部23は、第1面30aの周縁部上に設けられた庇部23bと、各側面30c上に位置する側部23cとを有する。庇部23bは、第1樹脂部23における積層方向D1の一端から長手方向D2に沿って延びる。庇部23bは、第1面30aの周縁部を全周にわたって覆う枠形状を有する。側部23cは、積層方向D1から見てユニット積層体30を取り囲む筒形状を有する。第2樹脂部24は、第2面30bの周縁部上に設けられた庇部24bと、第1樹脂部23の1つの側部23c上に位置する側部24cとを有する。庇部24bは、第2面30bの短辺における周縁部のみを覆っているが、第2面30bの周縁部を全周にわたって覆う枠形状を有してもよい。側部24cは、第1樹脂部23の1つの第2側面23tのみに設けられるが、第1樹脂部23の一対の第1側面23s及び一対の第2側面23t上に設けられてもよい。
【0049】
一次シール21には、各内部空間Vと連通された第1連通孔21dが形成される(
図6参照)。第1樹脂部23には、各第1連通孔21dと連通された第2連通孔23aが形成される。第2樹脂部24には、各第2連通孔23aと連通された第3連通孔24aが形成される。積層方向D1における第1連通孔21dの幅H1、積層方向D1における第2連通孔23aの幅H2、及び積層方向D1における第3連通孔24aの幅H3は例えば同じである。第1連通孔21dの幅H1は、例えば段差面21cの高さと同じである。第3連通孔24aの幅H3は、第2連通孔23aの幅H2より大きくてもよい。
【0050】
長手方向D2から見て、突起部24pは各第3連通孔24aを取り囲むように配置される。各第3連通孔24aは、突起部24pにより形成された開口24hと連通されている。積層方向D1における開口24hの幅H4は、第3連通孔24aの幅H3よりも大きくなっている。長手方向D2において突起部24pにおける第2樹脂部24の厚みL2は、長手方向D2における第1樹脂部23(側部23c)の厚みL1より小さくてもよい。
【0051】
図7は、長手方向D2から見た第1樹脂部23を示す平面図である。
図7に示されるように、第1樹脂部23には複数(ここでは24個)の第2連通孔23a(以下、第2連通孔23a1~23a24ともいう)が形成されている。長手方向D2から見て各第2連通孔23aは例えば短手方向D3に延びる長方形形状を有する。積層方向D1における第2連通孔23a1~23a24の位置は、互いに異なっている。これにより、第2連通孔23a1~23a24のそれぞれは互いに異なる内部空間Vと連通可能となる。第2連通孔23a1~23a24の数は、内部空間Vの数と同じである。第2連通孔23a1~23a24は、複数(ここでは4個)のグループに分けられる。各グループは複数(ここでは6個)の第2連通孔を含む。第1グループの第2連通孔23a1~23a6は、第1の圧力調整弁28に接続される。第2グループの第2連通孔23a7~23a12は、第2の圧力調整弁28に接続される。第3グループの第2連通孔23a13~23a18は、第3の圧力調整弁28に接続される。第4グループの第2連通孔23a19~23a24は、第4の圧力調整弁28に接続される。
【0052】
第2連通孔23a1は、第2連通孔23a1~23a24のうち積層方向D1において最も端に位置する。第1樹脂部23は、第2連通孔23a1の外側において積層方向D1に突出する凸部23pを有する。その結果、第1樹脂部23のうち第2連通孔23a1の外側に位置する部分の積層方向D1における幅Lが大きくなる。第2連通孔23a7は、積層方向D1において第2連通孔23a1を除いて最も端に位置する。第2連通孔23a7の外側にも凸部23pが設けられている。第2連通孔23a13は、積層方向D1において第2連通孔23a1,23a7を除いて最も端に位置する。第2連通孔23a13の外側にも凸部23pが設けられている。第2連通孔23a19は、積層方向D1において第2連通孔23a1,23a7,23a13を除いて最も端に位置する。第2連通孔23a19の外側にも凸部23pが設けられている。これらの凸部23pは、第2樹脂部24(庇部24b)によって覆われる(
図5参照)。凸部23pは、積層方向D1において庇部23bが設けられた一端とは反対側の他端に設けられる。本実施形態では、第1樹脂部23が複数(ここでは4個)の凸部23pを有しているが、単一の凸部23pを有してもよい。この場合、短手方向D3において隣り合う凸部23p同士が互いに繋がっている。
【0053】
第1樹脂部23は、射出成形により形成された複数のゲート痕23qを有している。複数のゲート痕23qは、短手方向D3に配列される。各ゲート痕23qは例えば積層方向D1に突出する円柱状の突起である。長手方向D2から見て、隣り合う複数のゲート痕23qの中間点を通って積層方向D1に延びる直線W1は第2連通孔23a1~23a24と重ならないように位置している。隣り合う複数のゲート痕23qの中間点は、短手方向D3における各ゲート痕23qの中心位置の中点である。したがって、短手方向D3における各ゲート痕23qの中心位置から直線W1までの距離は等しい。短手方向D3において、ゲート痕23qの位置は第2連通孔23a1~23a24の位置からずれている。
【0054】
図8は、長手方向D2から見た第2樹脂部24を示す平面図である。
図8に示されるように、第2樹脂部24には複数(ここでは24個)の第3連通孔24a(以下、第3連通孔24a1~24a24ともいう)が形成されている。長手方向D2から見て各第3連通孔24aは例えば短手方向D3に延びる長方形形状を有する。第3連通孔24a1~24a24の数は、第2連通孔23a1~23a24の数と同じである。長手方向D2から見て、第3連通孔24a1~24a24は、第2連通孔23a1~23a24とそれぞれ重なるように位置している。長手方向D2から見て、第3連通孔24a1~24a24のそれぞれは、突起部24pの各開口24h内に位置している。
【0055】
第2樹脂部24は、射出成形により形成された複数のゲート痕24qを有している。複数のゲート痕24qは、短手方向D3に配列される。各ゲート痕24qは例えば積層方向D1に突出する円柱状の突起である。長手方向D2から見て、隣り合う複数のゲート痕24qの中間点を通って積層方向D1に延びる直線W2は突起部24pと重ならないように位置している。隣り合う複数のゲート痕24qの中間点は、短手方向D3における各ゲート痕24qの中心位置の中点である。したがって、短手方向D3における各ゲート痕24qの中心位置から直線W2までの距離は等しい。短手方向D3において、ゲート痕24qの位置は突起部24pの位置からずれている。
【0056】
上記蓄電モジュール4によれば、単一の樹脂部からなる二次シールに比べて、突起部24pにおける第2樹脂部24の厚みL2を比較的小さくできる(
図5参照)。そのため、第2樹脂部24を形成する際に、第2樹脂部24を構成する第2樹脂材料の収縮により第2樹脂部24の内部にボイドが発生することを抑制できる。よって、二次シール22の内部にボイドが発生することを抑制できる。また、第2樹脂材料の収縮により突起部24pの先端が割れることも抑制できる。
【0057】
第3連通孔24aの幅H3が第2連通孔23aの幅H2と同じであり、かつ、開口24hの幅H4よりも小さいと、第3連通孔24aの幅H3が第2連通孔23aの幅H2よりも大きい場合に比べて、第1樹脂部23と第2樹脂部24との間の接合面積を大きくできる。そのため、第1樹脂部23と第2樹脂部24との間の接合強度を向上できる。また、後述するように、入れ子50の先端部53が第2連通孔23a内に配置された状態で第3連通孔24a及び開口24hを有する第2樹脂部24を形成する場合、第2樹脂部24を形成した後に入れ子50を引き抜きやすい(
図12参照)。
【0058】
長手方向D2から見て、隣り合う複数のゲート痕24qの中間点を通って積層方向D1に延びる直線W2が突起部24pと重ならないように位置してもよい(
図8参照)。この場合、第2樹脂部24を形成する際に、隣り合う複数のゲート(ゲート痕24qに対応)から流入した第2樹脂部24を構成する第2樹脂材料同士が、長手方向D2から見て直線W2の位置において衝突する。直線W2の位置では、溶融した第2樹脂材料の温度が低くなるので、溶融した第2樹脂材料同士の相溶性が低下するおそれがある。そのため、得られた第2樹脂部24では、直線W2の位置に脆弱部(ウェルド部)が形成される場合がある。そのような場合であっても、脆弱部が突起部24pと重ならないように位置しているので、機械的強度が比較的低い突起部24pが壊れ難い。
【0059】
長手方向D2から見て、隣り合う複数のゲート痕23qの中間点を通って積層方向D1に延びる直線W1が第2連通孔23aと重ならないように位置してもよい(
図7参照)。この場合、第1樹脂部23を形成する際に、第1樹脂部23における第2連通孔23aの周囲の部分から、第2連通孔23aを形成するための入れ子40(
図10及び
図11参照)に向かって熱が逃げる。よって、第1樹脂部23における第2連通孔23aの周囲の部分が脆弱箇所となりやすい。一方、直線W1の位置における第1樹脂部23にウェルド部が形成される場合もある。そのような場合でも、第2連通孔23aの周囲の脆弱箇所にウェルド部が形成されることが抑制されるので、脆弱箇所の機械的強度の低下を抑制できる。
【0060】
第1樹脂部23が、複数の第2連通孔23a1~23a24のうち積層方向D1において最も端に位置する第2連通孔23a1の外側において積層方向D1に突出する凸部23pを有すると、第1樹脂部23のうち第2連通孔23a1の外側に位置する部分の積層方向D1における幅Lが大きくなる(
図7参照)。よって、第1樹脂部23を形成する際に、第1樹脂部23を構成する第1樹脂材料が当該部分を流れやすくなる。
【0061】
第1樹脂部23は、積層方向D1の一端から長手方向D2に沿って延びる庇部23bを有し、凸部23pは、積層方向D1の他端に設けられてもよい(
図5及び
図7参照)。この場合、第1樹脂部23を形成する際に、積層方向D1の一端には庇部23bが設けられているので、凸部23pが設けられていなくても庇部23bを第1樹脂材料が流れやすくなる。
【0062】
次に、
図9~
図13を参照しながら蓄電モジュール4の製造方法について説明する。
図9は、ユニット積層体30を準備する工程におけるユニット積層体30の断面図である。
図10の(A)及び(B)は、第1樹脂部23を形成する工程におけるユニット積層体30、型M1,M2及び入れ子40の断面図である。
図11は、
図10に示されたXI-XI線に沿った断面図である。
図12は、第2樹脂部24を形成する工程におけるユニット積層体30、第1樹脂部23、型M3,M4及び入れ子50の断面図である。
図13は、
図12に示されたXIII-XIII線に沿った断面図である。
【0063】
(ユニット積層体の準備工程)
まず、
図9に示されるように、電極積層体11と一次シール21とを含むユニット積層体30を準備する。この工程では、バイポーラ電極14に一次シール21及びセパレータ13を取り付けてユニットを作製する。負極終端電極18にも同様に一次シール21及びセパレータ13を取り付けてユニットを作製する。正極終端電極19には一次シール21を取り付けてユニットを作製する。これらのユニットを積層することによってユニット積層体30を得る。
【0064】
(二次シールの形成工程)
次に、射出成形により、積層方向D1から見て一次シール21を取り囲む二次シール22を形成する。
【0065】
まず、
図10及び
図11に示されるように、例えば金属製の型M1,M2(第1型)内にユニット積層体30を収容する。続いて、型M1,M2内に溶融した第1樹脂材料を流し込むことによって、射出成形により第1樹脂部23を形成する。溶融した第1樹脂材料は、型M2に形成されたゲートG1から積層方向D1に向かって型M1,M2内に注入される。型M1,M2内の空隙Maの形状は、第1樹脂部23の形状に対応している。型M1,M2内には、第2連通孔23a1~23a24を形成するための入れ子40が配置される。入れ子40は、例えば金属プレートである。型M1には、
図10の(B)及び
図11に示されるように、凸部23pを形成するための凹部Mbが形成されている。凹部Mbの形状は、凸部23pの形状に対応している。
【0066】
図11に示されるように、長手方向D2から見て、隣り合う複数のゲートG1の中間点を通って積層方向D1に延びる直線Mw1は、第2連通孔23a(入れ子40)と重ならないように位置している。ゲートG1の形状は、
図7のゲート痕23qに対応している。直線Mw1は、
図7の直線W1に対応している。
【0067】
次に、
図12及び
図13に示されるように、例えば金属製の型M3,M4(第2型)内にユニット積層体30及び第1樹脂部23を収容する。続いて、型M3,M4内に溶融した第2樹脂材料を流し込むことによって、射出成形により第2樹脂部24を形成する。溶融した第2樹脂材料は、型M4に形成されたゲートG2から積層方向D1に向かって型M3,M4内に注入される。第2樹脂部24が形成されることによって、二次シール22が形成される。型M3,M4内の空隙Mcの形状は、第2樹脂部24の形状に対応している。型M3,M4内には、第3連通孔24a1~24a24をそれぞれ形成するための複数の入れ子50が配置される。入れ子50は、例えば金属部材である。型M4には、突起部24pを形成するための凹部Mdが形成されている。突起部24pは、凹部Mdと入れ子50との間の空隙S1と、隣り合う入れ子50間の空隙S2とによって形成される。凹部Mdの外形形状は、突起部24pの外形形状に対応している。
【0068】
入れ子50は、凹部Md内に配置される基端部51と、第1樹脂部23の第2連通孔23a1~23a24内に配置される先端部53と、基端部51と先端部53との間に配置される中間部52とを備える。先端部53及び中間部52は、積層方向D1に厚みを有するプレート部である。基端部51は、プレート部の厚みよりも厚い肉厚部である。先端部53の形状は、第2連通孔23a1~23a24の形状に対応している。中間部52の形状は、第3連通孔24a1~24a24の形状に対応している。基端部51の形状は、開口24hの形状に対応している。
【0069】
図13に示されるように、長手方向D2から見て、隣り合う複数のゲートG2の中間点を通って積層方向D1に延びる直線Mw2は、凹部Md(突起部24p)と重ならないように位置している。ゲートG2の形状は、
図8のゲート痕24qに対応している。直線Mw2は、
図8の直線W2に対応している。
【0070】
上述のように二次シール22を形成した後、第3連通孔24a1~24a24のそれぞれから電解液を各内部空間Vに注入する。その後、圧力調整弁28を突起部24pに接続することによって第3連通孔24a1~24a24を封止する。このようにして、蓄電モジュール4が製造される。
【0071】
上記蓄電モジュール4の製造方法によれば、単一の樹脂部からなる二次シールに比べて、突起部24pにおける第2樹脂部24の厚みL2を比較的小さくできる(
図5参照)。そのため、射出成形により第2樹脂部24を形成する際に、第2樹脂材料の収縮により第2樹脂部24の内部にボイドが発生することを抑制できる。よって、二次シール22の内部にボイドが発生することを抑制できる。
【0072】
第3連通孔24aの幅H3が第2連通孔23aの幅H2と同じであり、かつ、開口24hの幅H4よりも小さいと、第3連通孔24aの幅H3が第2連通孔23aの幅H2よりも大きい場合に比べて、第1樹脂部23と第2樹脂部24との間の接合面積を大きくできる。そのため、第1樹脂部23と第2樹脂部24との間の接合強度を向上できる。また、入れ子50の先端部53が第2連通孔23a内に配置された状態で第3連通孔24a及び開口24hを有する第2樹脂部24を形成する場合、第2樹脂部24を形成した後に入れ子50を引き抜きやすい。
【0073】
また、長手方向D2から見て、隣り合う複数のゲートG2の中間点を通って積層方向D1に延びる直線Mw2が凹部Mdと重ならないように位置してもよい(
図13参照)。この場合、第2樹脂部24を形成する際に、隣り合う複数のゲートG2から流入した第2樹脂材料同士が、長手方向D2から見て直線Mw2の位置において衝突する。直線Mw2の位置では、溶融した第2樹脂材料の温度が低くなるので、溶融した第2樹脂材料同士の相溶性が低下するおそれがある。そのため、得られた第2樹脂部24では、直線Mw2の位置に脆弱部(ウェルド部)が形成される場合がある。そのような場合であっても、脆弱部が突起部24pと重ならないように位置しているので、機械的強度が比較的低い突起部24pが壊れ難い。
【0074】
長手方向D2から見て、隣り合う複数のゲートG1の中間点を通って積層方向D1に延びる直線Mw1が第2連通孔23aと重ならないように位置してもよい(
図11参照)。この場合、第1樹脂部23を形成する際に、第1樹脂部23における第2連通孔23aの周囲の部分から、第2連通孔23aを形成するための入れ子40に向かって熱が逃げる。よって、第1樹脂部23における第2連通孔23aの周囲の部分が脆弱箇所となりやすい。一方、直線Mw1の位置において第1樹脂部23にウェルド部が形成される場合もある。そのような場合でも、第2連通孔23aの周囲の脆弱箇所にウェルド部が形成されることが抑制されるので、脆弱箇所の機械的強度の低下を抑制できる。
【0075】
第1樹脂部23が、複数の第2連通孔23a1~23a24のうち積層方向D1において最も端に位置する第2連通孔23a1の外側において積層方向D1に突出する凸部23pを有すると、第1樹脂部23のうち第2連通孔23a1の外側に位置する部分の積層方向D1における幅Lが大きくなる(
図7参照)。よって、第1樹脂部23を形成する際に、当該部分を第1樹脂材料が流れやすくなる。
【0076】
第1樹脂部23は、積層方向D1の一端から長手方向D2に沿って延びる庇部23bを有し、凸部23pは、積層方向D1の他端に設けられてもよい。この場合、第1樹脂部23を形成する際に、積層方向D1の一端には庇部23bが設けられているので、凸部23pが設けられていなくても庇部23bを第1樹脂材料が流れやすくなる。
【0077】
第1面30a及び第2面30bの両方に溶融した樹脂材料が同時に衝突するとユニット積層体30が反る可能性がある。しかし、上記実施形態では、第1面30a上に第1樹脂部23を形成した後、第2面30b上に第2樹脂部24を形成するので、第1樹脂部23によりユニット積層体30の反りが抑制された状態で第2樹脂部24を形成することができる。
【0078】
図14は、他の実施形態に係る蓄電モジュールの一部を示す断面図である。
図14に示されるように、本実施形態に係る蓄電モジュールは、第2樹脂部24に代えて第2樹脂部124を備えること以外は蓄電モジュール4と同じ構成を備える。第2樹脂部124は、積層方向D1における第3連通孔124aの幅H3aが第3連通孔24aの幅H3よりも大きいこと以外は第2樹脂部24と同じ構成を備える。第3連通孔124aは、長手方向D2から見て例えば矩形形状を有する。第2樹脂部124の突起部124pは、長手方向D2から見て第3連通孔124aを取り囲む。突起部124pの形状は突起部24pと同じである。長手方向D2から見て、第3連通孔124aの形状は、開口24hの形状と同じである。
【0079】
図14に示される第2樹脂部124は例えば以下のように形成される。
図15は、第2樹脂部124を形成する工程におけるユニット積層体30、第1樹脂部23、型M3,M4及び入れ子150の断面図である。
【0080】
図15に示されるように、型M3,M4内にユニット積層体30及び第1樹脂部23を収容する。続いて、型M4に形成された複数のゲートG2(
図13参照)から型M3,M4内に第2樹脂材料を流し込むことによって、第2樹脂部124を形成する。型M3,M4内の空隙Mcの形状は、第2樹脂部124の形状に対応している。型M3,M4内には、第3連通孔124aを形成するための入れ子150が配置される。入れ子150が第1樹脂部23の第2連通孔23aを塞いだ状態で第2樹脂部124を形成する。型M4には、突起部124pを形成するための凹部Mdが形成されている。突起部124pは、凹部Mdと入れ子150との間の空隙S3と、隣り合う入れ子150間の空隙S4とによって形成される。凹部Mdの外形形状は、突起部124pの外形形状に対応している。
【0081】
入れ子150は、第1樹脂部23の第2連通孔23a1~23a24を塞ぐ第1面150aと、凹部Mdの底面に当接する第2面150bとを有する。第1面150a及び第2面150bは、長手方向D2において互いに反対側に位置する。入れ子150の形状は、第3連通孔124aの形状に対応している。したがって、入れ子150は、積層方向D1における第2連通孔23aの幅H2よりも大きい幅H5を有する。入れ子150の幅H5は、第3連通孔124aの幅H3aと同じである。
【0082】
本実施形態では、入れ子150の幅H5(第3連通孔124aの幅H3a)が第2連通孔23aの幅H2よりも大きくなっているので、第2連通孔23a内に配置される入れ子50を使用する必要がない。そのため、簡易な構造を有する入れ子150を用いて第2樹脂部124を形成できる。
【0083】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明されたが、本発明は上記実施形態に限定されない。
【符号の説明】
【0084】
4…蓄電モジュール、11…電極積層体、12…シール部材、14…バイポーラ電極、15…電極板、15c…周縁部、21…一次シール、22…二次シール、21d…第1連通孔、23…第1樹脂部、23a…第2連通孔、23b…庇部、23p…凸部、24…第2樹脂部、24a…第3連通孔、24h…開口、24p…突起部、24q…ゲート痕、150…入れ子、D1…積層方向(第1方向)、D2…長手方向(第2方向)、E…電極、G1,G2…ゲート、M1,M2…型(第1型)、M3,M4…型(第2型)、Md…凹部、Mw1,Mw2…直線、V…内部空間、W2…直線。