(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-17
(45)【発行日】2022-05-25
(54)【発明の名称】洗濯機及び制御方法
(51)【国際特許分類】
D06F 33/32 20200101AFI20220518BHJP
D06F 33/42 20200101ALI20220518BHJP
D06F 33/47 20200101ALI20220518BHJP
D06F 39/08 20060101ALI20220518BHJP
D06F 103/14 20200101ALN20220518BHJP
D06F 103/18 20200101ALN20220518BHJP
D06F 105/08 20200101ALN20220518BHJP
【FI】
D06F33/32
D06F33/42
D06F33/47
D06F39/08
D06F103:14
D06F103:18
D06F105:08
(21)【出願番号】P 2019555589
(86)(22)【出願日】2018-04-12
(86)【国際出願番号】 CN2018082846
(87)【国際公開番号】W WO2018188633
(87)【国際公開日】2018-10-18
【審査請求日】2020-05-12
(31)【優先権主張番号】201710237185.1
(32)【優先日】2017-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521309570
【氏名又は名称】重慶海爾洗衣机有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】呂佩師
(72)【発明者】
【氏名】許升
(72)【発明者】
【氏名】呂艶芬
(72)【発明者】
【氏名】▲ハォ▼興慧
(72)【発明者】
【氏名】呉迪
【審査官】田村 惠里加
(56)【参考文献】
【文献】実開昭52-077574(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第104452184(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0052953(US,A1)
【文献】特開2004-194716(JP,A)
【文献】特開平10-015273(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 33/30
D06F 33/32
D06F 33/42
D06F 33/47
D06F 39/08
D06F 103/14
D06F 103/18
D06F 105/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯水するための内槽を含む洗濯機であって、
前記内槽から排出された水を収集するための集水構造と、懸架式制震部材と、前記集水構造と連通する排水制御装置を含み、前記排水制御装置は、前記集水構造内の水位に基づいて排水を制御し、
前記集水構造は、装着プレートと、前記装着プレートに設けられる堰止リブを含み、前記装着プレートと前記堰止リブとで取り囲むようにして
集水室が形成され、前記集水構造内の液体水位を検出する検出装置が前記装着プレートの上壁に設けられ、
前記堰止リブは傾斜状に設けられ、前記堰止リブの上端は、前記堰止リブの下端よりも筐体の壁に近くに位置し、
前記装着プレートは前記内槽より下に配置され、
懸架式制震部材の下端は、前記装着プレートに取り付けられ、前記懸架式制震部材の上端は、前記洗濯機の前記筐体に接続されていることを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
前記排水制御装置は、主制御装置、及び前記集水構造内の水を排出する排水装置を含み、前記集水構造は全体が前記内槽の槽底の下部に位置し、前記検出装置と前記排水装置はいずれも前記主制御装置に電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記集水構造は上開口を有する集水室を含み、前記集水室の側壁の上端は前記内槽の槽底よりも低く、前記内槽は前記集水室の上開口と連通し、前記検出装置が前記集水室内に設けられることを特徴とする請求項2に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記排水装置は前記集水構造と連通する排水管を含み、前記排水管には、前記排水管の開通/遮断を制御する制御構造が設けられており、前記制御構造は前記排水管と連通し、前記制御構造は前記主制御装置に電気的に接続され、前記主制御装置は、前記検出装置により検出された前記集水構造内の水位に基づいて、前記制御構造の開放/閉止を制御することを特徴とする請求項2又は3に記載の洗濯機。
【請求項5】
前記制御構造は電磁弁であり、前記電磁弁は前記主制御装置に電気的に接続され、主制御装置は、検出装置により検出された集水構造内の水位に基づき、前記電磁弁の開放/閉止を制御することで、排水管の開通/遮断を実現することを特徴とする請求項4に記載の洗濯機。
【請求項6】
前記制御構造は排水管と連通する排水ポンプであり、前記排水ポンプは前記主制御装置に電気的に接続され、前記主制御装置は、前記検出装置により検出された前記集水構造内の水位に基づき、前記排水ポンプの開放/閉止を制御することで、前記集水構造の水を排出するか否かを実現することを特徴とする請求項4に記載の洗濯機。
【請求項7】
前記検出装置は、前記集水構造内に設けられる水位センサ又は圧力センサであることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の洗濯機。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載の洗濯機の制御方法であって、
主制御装置が水面高さH1を予め設定するステップと、
検出装置が集水構造内の水面高さH2を検出し、検出信号を主制御装置に伝達するステップと、
主制御装置が、H2がH1よりも大きいか否かを判断し、大きい場合には、主制御装置が排水装置を開放して集水構造内の水が排出されるよう制御し、大きくない場合には、主制御装置が排水装置を閉止状態とするよう制御するステップ、を含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
前記排水制御装置は排水管を含み、前記排水管は集水装置と連通し、前記集水構造内又は前記排水管内にフロート調整弁が設けられ、集水構造内の水位が一定の高さに達すると、前記フロート調整弁が開放されて、集水構造内の水が排水管を通じて洗濯機から排出されることを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗濯機の分野に属し、具体的には、洗濯機及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機は、電気を利用して衣類を洗浄する装置として設計される。一般的に、洗濯機は、洗浄水を蓄える槽と、回転可能に槽の内部に装着される回転槽と、回転可能に回転槽の底部に装着されるパルセータと、回転槽及びパルセータを回転させるよう構成されるモータ及びクラッチを含む。衣類及び洗剤が回転槽に投入された状態で回転槽とパルセータが回転すると、回転槽に投入された衣類とともにパルセータが洗浄水を攪動することで、衣類から汚れが除去される。
【0003】
洗濯機の洗浄容量を拡大するためには、より大きな回転槽が必要となる。即ち、回転槽の高さ又は直径を増大する必要がある。また、回転槽がより大きなサイズを有する場合には、回転槽を収容する槽及び槽を収容するハウジングもまた、回転槽の拡大に伴って増大する必要がある。
【0004】
しかし、洗濯機の外観に対応するハウジングの拡大は、洗濯機の設置スペースに大きく規制される。一般的なユーザの家では、洗濯機の設置位置に限りがあるため、洗濯機のハウジングを増大して洗濯槽の容量を拡大するとの目的を達成することはあまり現実的ではない。そこで、洗濯機のハウジングを増大することなく、如何にして回転槽の容量を拡大するかが、設計者を悩ませる大きな難題となっている。
【0005】
内槽の容量を拡大するためには、集水構造を内槽の下部に設けて内槽から排出される水を収集することになる。しかし、洗濯機のサイズの影響で内槽の下部スペースには限界があり、集水構造の容積も限られてしまう。排水設計が良好でないと度々溢流が発生し、洗濯機下部の電気部材が破損したり、床が濡れて滑りやすくなったりする。そこで、内槽の容量を拡大することを前提に、如何にして集水構造による排水を設計するかが現在直面する大きな課題となっている。
【0006】
上記に鑑みて、本発明を提案する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来技術における瑕疵を解消し、洗濯機及び制御方法を提供することを解決しようとする課題とする。当該洗濯機及び制御方法では、集水構造を設けることで、内槽から排出される水が溢れ出ないよう堰き止め可能としつつ、集水構造による内槽容積の制限を低減して、良好な容量拡大効果を実現可能とする。また、検出装置を設けて集水構造内の水位を検出し、検出結果を主制御装置に伝達することで常時監視を実現する。また、集水構造内の水を排出する排水装置を設け、排水装置を主制御装置に電気的に接続することで、主制御装置が検出装置の検出結果に基づいて、排水装置による集水構造内の水の排出要否を制御する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の技術的課題を解決すべく、本発明で採用する技術方案の基本思想について以下に述べる。
【0009】
洗濯機であって、内槽を含み、前記内槽が貯水槽であり、更に、内槽から排出された水を収集するための集水構造と、前記集水構造と連通する排水制御装置を含み、前記排水制御装置は、集水構造内の水位に基づいて排水を制御する。
【0010】
前記排水制御装置は、主制御装置、前記集水構造内の液体水位を検出する検出装置、及び集水構造内の水を排出する排水装置を含み、前記集水構造は全体が前記内槽の槽底の下部に位置し、前記検出装置と排水装置はいずれも主制御装置に電気的に接続される。
【0011】
前記集水構造は上開口を有する集水室を含み、前記集水室の側壁の上端は前記内槽の槽底よりも低く、前記内槽は集水室の上開口と連通し、前記検出装置が集水室内に設けられる。
【0012】
前記集水構造は、装着プレートと、装着プレートに設けられる堰止リブを含み、前記装着プレートと堰止リブで取り囲むようにして集水室が形成され、前記検出装置は装着プレートの上壁に設けられ、好ましくは、前記検出装置が装着プレートに取り外し可能に接続される。
【0013】
前記排水装置は集水構造と連通する排水管を含み、前記排水管には、排水管の開通/遮断を制御する制御構造が設けられており、前記制御構造は排水管と連通し、前記制御構造は主制御装置に電気的に接続され、主制御装置は、検出装置により検出された集水構造内の水位に基づいて、前記制御構造の開放/閉止を制御する。
【0014】
前記制御構造は電磁弁であり、前記電磁弁は前記主制御装置に電気的に接続され、主制御装置は、検出装置により検出された集水構造内の水位に基づき、前記電磁弁の開放/閉止を制御することで、排水管の開通/遮断を実現する。
【0015】
前記制御構造は排水管と連通する排水ポンプであり、前記排水ポンプは主制御装置に電気的に接続され、主制御装置は、検出装置により検出された集水構造内の水位に基づき、排水ポンプの開放/閉止を制御することで、集水構造の水を排出するか否かを実現する。
【0016】
前記検出装置は、集水構造内に設けられる水位センサ又は圧力センサである。
【0017】
上記洗濯機の制御方法であって、主制御装置が水面高さH1を予め設定するステップと、検出装置が集水構造内の水面高さH2を検出し、検出信号を主制御装置に伝達するステップと、主制御装置が、H2がH1よりも大きいか否かを判断し、大きい場合には、主制御装置が排水装置を開放して集水構造内の水が排出されるよう制御し、大きくない場合には、主制御装置が排水装置を閉止状態とするよう制御するステップ、を含む。
【0018】
前記排水制御装置は排水管を含み、前記排水管は集水装置と連通し、前記集水構造内又は前記排水管内にフロート調整弁が設けられ、集水構造内の水位が一定の高さに達すると、前記フロート調整弁が開放されて集水構造内の水が排水管を通じて洗濯機から排出される。
【発明の効果】
【0019】
上記の技術方案を用いることで、本発明は従来技術と比較して以下の有益な効果を有する。
【0020】
(1)集水構造を設けることで、内槽から排出される水が溢れ出ないよう堰き止め可能としつつ、集水構造による内槽容積の制限を低減して、良好な容量拡大効果を実現可能とする。
【0021】
(2)検出装置を設けて集水構造内の水位を検出し、検出結果を主制御装置に伝達することで常時監視を実現する。
【0022】
(3)集水構造内の水を排出する排水装置を設け、排水装置を主制御装置に電気的に接続することで、主制御装置が検出装置の検出結果に基づいて、排水装置による集水構造内の水の排出要否を制御する。
【0023】
以下に、図面を組み合わせて、本発明の具体的実施形態につき更に詳細に述べる。
【0024】
図面は本発明の一部として、本発明の更なる理解のために提供される。本発明の概略的実施例及びその説明は本発明の解釈のために用いられるが、本発明を不当に限定するものではない。なお、言うまでもなく、以下で記載する図面は実施例の一部にすぎず、当業者であれば、創造的労働を要することなくこれらの図面から更にその他の図面を得ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は、本発明における洗濯機の平面構造を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明における洗濯機の
図1のA-A方向の断面構造を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明における他の構造の洗濯機のA-A方向の断面構造を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明における洗濯機の制御方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
なお、これらの図面及び文字記載は何らかの方式で本発明の構想の範囲を制限するとの意図ではなく、特定の実施例を参照して当業者に本発明の概念を説明するためのものである。
【0027】
本発明における実施例の目的、技術方案及び利点をより明確とすべく、以下では本発明の実施例にかかる図面を組み合わせて実施例の技術方案につき明瞭簡潔に述べる。なお、以下の実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を制限するものではない。
【実施例1】
【0028】
図1~3に示すように、洗濯機は外槽を備えず、内槽200を含む。前記内槽200は貯水槽である。また、内槽200から排出された水を収集するための集水構造と、前記集水構造と連通する排水制御装置を更に含む。前記排水制御装置は、集水構造内の水位に基づいて排水を制御する。
【0029】
集水構造を設けることで、水が内槽200から排出される際には集水構造により水が堰き止められるため、水の溢流が防止される。また、集水構造全体が内槽200の下方に位置するため、集水構造は内槽200の側壁と筐体100の間に位置する部分の構造を有さない。そのため、内槽200の容量拡大を制限することがなく、内槽200の容量拡大のために十分なスペースが提供される。また、排水制御装置を設けることで、集水構造内の水量が過剰となった場合には、排水制御装置により水が排出される。よって、集水構造内の水位が過剰に高くなって溢れ出すとの事態が効果的に防止される。
【0030】
前記排水制御装置は、主制御装置800、前記集水構造内の液体水位を検出する検出装置801、及び集水構造内の水を排出する排水装置を含む。前記集水構造は、全体が前記内槽200の槽底の下部に位置する。前記検出装置801と排水装置はいずれも主制御装置800に電気的に接続される。検出装置801は集水構造内の水位を検出し、検出結果を主制御装置800に伝達する。主制御装置800は、検出装置が検出した水位に基づいて排水装置による排水を制御する。
【0031】
一般的に、洗濯機は、筐体100と、前記内槽200を回転駆動する駆動装置を更に含む。内槽200は筐体100内に設けられる。また、主制御装置800は、一般的に筐体100内に設けられて筐体100に固定接続される。
【0032】
更に、前記集水構造は、上開口を有する集水室400を含む。前記集水室400の側壁の上端は、前記内槽200の槽底よりも低くなっている。また、前記内槽200は集水室400の上開口と連通し、前記検出装置801が集水室400内に設けられる。
【0033】
集水室400を設けることで、内槽200から排出される水の堰き止めが実現される。集水室400の側壁の上端が前記内槽200の槽底よりも低くなっており、集水室400全体が内槽200の槽底下方に位置しているため、集水室400の側壁は内槽200と筐体100の間に位置する構造を有さない。よって、内槽200と集水構造の間に一定の安全距離を設ける必要がなく、内槽200が集水構造に衝突して破損するとの事態が防止される。且つ、集水構造と筐体100の間にも安全距離を設ける必要がないため、内槽200と筐体100の間の安全距離を設計するだけでよい。よって、内槽200の槽径を大幅に拡大可能となり、内槽200の容量拡大がより良好に実現される。
【0034】
内槽200の下部には第2排水口204が設けられており、内槽200内の水を集水構造に排出可能である。洗濯機は、第2排水口204を封止する封止装置205を含む。給水及び洗濯状態の場合、封止装置205は第2排水口204を封止し、内槽200に貯水して洗濯を行う。また、排水・脱水時には封止装置205が開放され、水が集水構造の集水室400に排出される。給水時に流量計等の水位制御部材が故障した場合、水はバランスリングの上部から内槽200の壁沿いに底部の集水室400内に流入するが、給水が停止しないことから集水室400から水が溢れ出してしまう。或いは、脱水・排水時に、内槽200内の洗浄水は内槽200から集水室400に進入するが、液体が過剰となった場合には集水室400から溢れ出してしまう。或いは、洗濯過程において、内槽200と集水室400の間の封止装置205が破損していると、洗浄水が内槽200から集水室400に進入し、水の進入が停止しないことから水が集水室400から溢れ出してしまう。上記3種類の状況では、いずれも水が床まで溢流することから、床が濡れて滑りやすくなったり、洗濯機底部の電気部材まで溢流して電気部材が破損したりする。
【0035】
そこで、検出装置801を設けて集水構造内の水位を検出し、検出結果を主制御装置800に伝達することで、集水構造内の水位を常時監視する。主制御装置800は、連動構造の連動、或いは検出結果の表示又は出力、或いは警報の制御を行う。
【0036】
検出装置801を集水室400内に設けることで、集水室400内の水位を常時監視する。
【0037】
更に、前記集水構造は、装着プレート500と、装着プレート500に設けられる堰止リブ501を含む。前記装着プレート500と堰止リブ501で取り囲むようにして集水室400が形成される。前記検出装置801は装着プレート500の上壁に設けられるとともに、集水室400内に位置する。検出装置801を装着プレート500の上壁に設けることで、検出装置801による集水構造内の水位検出が容易となる。
【0038】
堰止リブ501と装着プレート500は一体的に成型してもよいし、接着等のその他の固定方式を用いてもよい。
【0039】
更に、前記検出装置801は装着プレート500に取り外し可能に接続される。検出装置801と装着プレート500は、係接、ネジ接続又はその他の取り外し可能な接続方式が可能なため、検出装置801の交換及び修繕が容易である。
【0040】
排水構造を設け、且つ排水装置と検出装置801をいずれも主制御装置800に電気的に接続することで、主制御装置800は、検出装置801により検出された集水構造内の水面高さに基づいて、排水装置の開放又は開度を制御する。集水構造内の水位が高い場合には、排水装置を開放するか、排水装置の開度を大きくすることで迅速な排水を実現する。また、水位が低位置まで低下するか無水となった場合には、排水装置を閉止するか、排水装置の開度を小さくすることで排水を停止するか排水量を減少させる。
【0041】
排水装置は、独立して設けられて故障時に排水を行うための装置としてもよいし、従来の洗濯機における排水管の構造を改造してもよい。
【0042】
排水装置が開放される場合:
給水過程では、封止装置205が第2排水口204を封止するため、基本的には集水構造内に水は存在しない。そこで、排水装置と主制御装置800を電気的に接続することで、主制御装置は排水装置が閉止状態となるよう制御する。しかし、流量計等の水位制御部材の故障や封止装置205の故障により水流が溢れ出し、検出装置801が集水構造内の水位が過剰である旨を検出した場合には、排水装置を開放して集水構造内の水が排出されるよう制御する。
【0043】
また、排水・脱水過程では、封止装置205が第2排水口204を開放するため、水が集水構造に排出される。そこで、主制御装置800は排水装置を開放し、集水室400内の水が排出されるよう制御する。或いは、検出装置は集水構造における集水室400内の液位が過剰である旨を検出すると、検出情報を主制御装置800に伝達する。すると、主制御装置800は排水装置を開放するよう制御して排水を実現する。
【0044】
また、排水・脱水過程で排水装置が開放されない場合、検出装置801は液位が過剰である旨を検出すると、検出情報を主制御装置800に伝達する。すると、主制御装置800は排水装置を開放するよう制御する。
【0045】
更に、前記排水装置は集水構造と連通する排水管401を含む。前記排水管401には、排水管401の開通/遮断を制御する制御構造802が設けられている。前記制御構造802は排水管401と連通する。制御構造802が開放されると、排水管401が開通して洗浄水を排出可能となる。一方、制御構造802が閉止されると、排水管401が遮断されて洗浄水を排出不可能となる。前記制御構造802は主制御装置800に電気的に接続される。主制御装置800は、検出装置801により検出された集水構造内の水位に基づいて、前記制御構造802の開放/閉止を制御する。
【0046】
排水管401に制御構造802を設け、制御構造802を主制御装置800に電気的に接続することで、主制御装置800は、検出装置801により検出された集水構造内の水位に基づき、前記制御構造802の開放/閉止を制御する。これにより、集水構造内の水を排出するか否かが実現される。
【0047】
最適には、排水の便宜上、排水管401は集水室400の底壁と連通する。
【0048】
制御構造802としては様々なタイプが可能であるが、ここでは、電磁弁と排水ポンプの場合を例に説明する。
【0049】
方案1:前記制御構造802を電磁弁とする。前記電磁弁は前記主制御装置800に電気的に接続される。主制御装置800は、検出装置801により検出された集水構造内の水位に基づき、前記電磁弁の開放/閉止を制御する。これにより、排水管401の開通/遮断が実現される。
【0050】
例えば、給水状態の場合、封止装置205は第2排水口204を封止するため、集水室400内には基本的に水は存在せず、電磁弁は閉止状態となる。しかし、故障が発生すると、集水室400内の水位が上昇する。水位が過剰になると、主制御装置800は電磁弁を開放して排水管401を開通し、集水室400内の水を排出するよう制御する。
【0051】
最適には、電磁弁は常時閉電磁弁であり、正常状態において電磁弁を閉止状態とする。
【0052】
更に、排水管401は垂直方向の高さが集水室400の上端よりも低くなっている。最適には、排水管401は垂直方向の高さが集水室400と排水管401との連通口よりも低くなっている。連通口が集水室400の底壁に設けられる場合、最適には、排水管400が集水室400の底壁よりも低くなっている。
【0053】
当該方案の構造は、下方からの排水方式で排水を行う洗濯機に十分適している。
【0054】
方案2:前記制御構造802を排水管401と連通する排水ポンプとする。前記排水ポンプは主制御装置800に電気的に接続される。主制御装置800は、検出装置801により検出された集水構造内の水位に基づき、排水ポンプの開放/閉止を制御する。これにより、集水構造内の水を排出するか否かが実現される。
【0055】
集水構造内の水位が過剰となった場合、主制御装置800は排水ポンプを開放し、集水構造内の水を吸い出すことで排水を実現するよう制御する。水位が安全高さまで回復すると、主制御装置800は排水ポンプを閉止し、水が排出されないよう制御する。当該構造は、上方からの排水方式で排水を行う洗濯機に非常に適している。
【0056】
更に、前記検出装置801は、集水構造内に設けられる水位センサ又は圧力センサである。水位センサ又は圧力センサにより集水構造内の水位を検出することで、感度が良好となる。最適には、水位センサ又は圧力センサが集水室の底壁に設けられる。
【0057】
更に、前記排水管401の吐水口が洗濯機の外部まで延伸している。
【0058】
前記内槽200は、脱水時に排水に用いられる第1排水口201と、第1排水口201と連通する第1排水管路202を含む。前記第1排水管路202の吐水口203は集水構造と連通する。脱水時には、水が第1排水管路202を通じて第1排水口201に到達し、集水構造に進入する。更に、水は排水管401を通じて洗濯機の外部に排出される。
【0059】
更に、前記集水室400の側壁と前記内槽200の槽底の外壁との間には一定の間隔が設けられている。
【0060】
集水室400の側壁の上端を内槽200の槽底よりも低くし、且つ、集水室400の側壁と内槽200の槽底の外壁との間に一定の間隔を設けることで、洗濯槽206が震動時に集水室400の側壁に衝突するとの事態が防止されるため、集水室400の使用寿命が延びる。
【0061】
前記排水制御装置は、上記の電気制御方式とはせずに、機械制御方式としてもよい。排水制御装置は排水管を含み、前記排水管が集水装置と連通する。前記排水管と集水構造との接続箇所又は前記排水管内にはフロート調整弁が設けられる。集水構造内の水位が一定の高さに達すると、前記フロート調整弁が開放されて、集水構造内の水が排水管を通じて洗濯機から排出される。
【0062】
例えば、排水管内にフロートが設けられる場合、フロートの上部にフロートベースが設けられ、下部にバネが設けられる。バネは一端がフロートに固定接続され、他端が排水管の内壁に固定接続される。バネは圧縮バネである。圧縮バネの弾性力の作用によって、フロートの上端は密封するようフロートベースに当接する。集水構造内の水位が一定の高さよりも高くなると、フロートの上部が水圧の作用を受けてバネの弾性力に抗し、下方へと運動する。これにより、フロートがフロートベースから分離して集水構造内の水が排出される。水位が一定の値まで低下すると、フロートは弾性力の作用によって上方へと運動し、密封するようフロートベースに当接する。これにより、集水構造内の水が排出されなくなる。
【実施例2】
【0063】
図1~3に示すように、本実施例は実施例1を更に限定する。本実施例において、前記集水構造は、装着プレート500と、装着プレート500に設けられる堰止リブ501を含む。また、前記装着プレート500と堰止リブ501で取り囲むようにして集水室400が形成される。装着プレート500と堰止リブ501を設け、これらで取り囲むようにして集水室400が形成されるため、当該構造はシンプルであり、加工成形が容易である。
【0064】
集水室400は装着プレート500の中央部に位置するため、堰止装置の重心が中心といっそう重なりやすく、ずれが減少する。
【0065】
前記堰止リブ501は環状をなしており、前記堰止リブ501と装着プレート500で取り囲むようにして環状の集水室400が形成される。
【0066】
更に、前記堰止リブ501は傾斜して設けられる。堰止リブ501を傾斜状に設けることで、堰き止め量を最大限増加させられるため、使用にいっそう都合がよい。
【0067】
更に、前記堰止リブ501は、上開口の口径がより大きくなるよう、上から下に集水室400の中心軸線方向へと徐々に収縮しているため、集水がより容易となる。
【0068】
更に、前記内槽200の底部外壁は曲面をなしており、前記堰止リブ501と内槽200の曲面の間に一定の間隔が設けられている。
【0069】
更に、前記内槽200の水平方向の投影図は、前記集水室400の水平方向の投影図に被さる。内槽200の水平方向の投影図が前記集水室400の水平方向の投影図に被さるようにすることで、集水室400と筐体100との間隔が増大する。これにより、筐体100に対する集水室400の衝突が防止されるため、集水室400の破損が減少する。且つ、集水室400が小さくなるため、筐体100の底部に対するその他装置の装着がいっそう容易となる。
【0070】
より多くの水を収集可能となるよう、前記内槽200の水平方向の投影図は、前記集水室400の水平方向の投影図より小さくしてもよい。
【0071】
更に、装着プレート500には排水管401が設けられている。排水管401は一端が集水室400と連通し、他端が洗濯機の外部に通じるか、洗濯機の排水管路全体と連通して水を排出する。集水室400に集水構造内の水を排出するための排水管401を設けることで、水が集水室400に排出されると、排水管401を通じて集水室400内の水が排出される。よって、集水室400内の水が過剰となって溢れ出すとの事態が防止される。
【0072】
更に、内槽200の槽壁には、第1排水口201と、第1排水口201と連通する第1排水管路202が設けられている。前記第1排水管路202の吐水口203は、集水室400の上開口の上方に設けられている。第1排水口201と第1排水管路202はいずれも複数とし、各第1排水口201がそれぞれ第1排水管路202に対応してもよいし、複数の第1排水口201が1つの第1排水管路202に対応してもよい。洗濯機が脱水プログラムを実行する際には、洗濯槽206の遠心分離の作用で振り飛ばされた水が、第1排水口201を経由して第1排水管路202に進入するとともに、第1排水管路202の吐水口203を通じて集水室400に排出される。これにより、四方への水の溢流が堰き止められる。
【0073】
前記第1排水管路202の吐水口203は、集水室400の上開口の上方に設けられている。吐水口203と集水構造を連通することで、脱水時に水が第1排水口201を通じて第1排水管路202に進入してから、吐水口203を通じて集水室400へと排出されるため、水が溢れ出さないよう堰き止められる。吐水口203は、堰止リブ501により取り囲まれた集水室400の上開口の上方に設けられ、吐水口203から排出された水が集水室400に直接落下する。当該構造はよりシンプルであり、その他の付属部材を追加しなくとも集水効果がいっそう良好となる。
【0074】
更に、前記内槽200は、脱水及び/又は水の振り飛ばし時に内槽200内の水を集水室400に排出するための第2排水口204を更に含む。第2排水口204と集水室400の間には封止装置205が設けられている。前記封止装置205は、脱水及び/又は水の振り飛ばし時に第2排水口204を開放し、内槽200内の大量の水を第2排水口204から排出する一方、洗濯時には前記第2排水口204を封止し、水を内槽200内に保持して洗濯を実施する。
【0075】
更に、前記第2排水口204は、前記集水室400の上開口の上方に設けられており、前記封止装置205は第2排水口204の下部に設けられている。
【0076】
第2排水口204を設け、脱水及び/又は水の振り飛ばし時に封止装置205が第2排水口204を開放することで、内槽200内の水が集水構造に直接排出される。水は堰止リブ501によって溢れ出ないよう堰き止められつつ、排水管401を通じて洗濯機から排出される。また、洗濯時には、封止装置205が第2排水口204を封止することで、内槽200内の水を内槽200内に保持して洗濯を実施する。
【0077】
洗濯機は、パルセータ洗濯機である。
【0078】
前記封止装置205は、バルブプラグ205-1と、バルブプラグ205-1の下方に設けられる電磁装置205-2を含む。電磁装置205-2は洗濯機の制御装置に電気的に接続される。洗濯機が洗濯状態の場合、バルブプラグ205-1は第2排水口204を封止して内槽200内の水の排出を防止する。また、洗濯機が排水又は脱水状態の場合、前記電磁装置205-2はバルブプラグ205-1が下方に運動するよう制御し、第2排水口204を開放することで水を集水構造に排出する。
【0079】
装着プレート500には位置決め装置が設けられており、内槽200の底壁には位置決め装置と連携する連携部が設けられている。連携部は位置決め凹溝とすればよい。脱水及び/又は水の振り飛ばし時において、位置決め装置は連携部から離脱し、内槽200が出力軸303に従って回転する。洗濯機が洗濯状態の場合、位置決め装置は連携部と連携し、内槽200が装着プレート500に係合する。すると、バルブプラグ205-1がちょうど第2排水口204と対向し、第2排水口204を封止することで、内槽200内の水の排出が防止される。また、出力軸が洗濯機内のパルセータを回転させる。
【0080】
更に、前記装着プレート500は内槽200と駆動装置300の間に設けられる。前記装着プレート500の下部は、駆動装置300のハウジングに固定接続される。装着プレート500を内槽200と駆動装置300の間に設けることで、内槽200内の水が自重により落下して、自動的に集水構造に流入可能となる。また、装着プレート500が駆動装置300の上部に設けられるため、水が駆動装置300から隔離される。よって、水に起因する駆動装置300の破損が防止される。
【0081】
駆動装置300はモータ301を含む。モータ301の上方には減速クラッチ装置302が設けられており、装着プレート500の下部が減速クラッチ又はモータ301のハウジングに固定接続される。
【0082】
装着プレート500と駆動装置300の接続方式としては、軸受を介して前記装着プレート500と駆動装置300の出力軸303を接続してもよい。
【0083】
更に、減速クラッチの出力軸303は、前記装着プレート500を貫通して内槽200に接続され、内槽200を回転駆動する。また、装着プレート500と駆動装置300の出力軸303は軸受を介して接続される。
【実施例3】
【0084】
図1~2に示すように、懸架式容量拡大洗濯機は、筐体100、筐体100内に設けられる洗濯槽206及び駆動装置300を含む。前記駆動装置300の出力軸303は、洗濯槽206に接続されて洗濯槽206を回転駆動する。洗濯機は、更に、懸架式制震部材600と、洗濯槽206の下部に設けられる装着部材700を含む。前記駆動装置300は前記装着部材700に装着される。前記懸架式制震部材600は、一端が筐体100に接続され、他端が装着部材700に接続される。
【0085】
洗濯槽206の下方に装着部材700を設け、懸架式制震部材600を装着部材700に装着する。装着部材700は洗濯槽206の位置よりも下寄りであることから、装着部701の縦方向の高さが低下する。そのため、装着された懸架式制震部材600と筐体の側壁の間の傾斜角度θが小さくなり、懸架式制震部材600による占有スペースが縮小される。当該構造を洗濯槽206と筐体100の間に懸架する場合、筐体100の体積を増大することなく洗濯槽206の直径を増大可能となり、容量を拡大するとの目的が実現される。
【0086】
洗濯槽206は、内槽200のみを有する洗濯槽206とし、内槽200を注水及び洗濯に用いてもよいし、内槽200と外槽を有する洗濯槽206としてもよい。
【0087】
更に、前記装着部材700は、懸架式制震部材600に組み付けられる装着部701を含む。前記装着部701は、前記洗濯槽206の槽底よりも低くなっている。
【0088】
装着部701は洗濯槽206の槽底よりも低くなっているため、洗濯槽206と筐体100の間のスペースを占有しない。よって、洗濯槽206の直径を増大可能となり、容量拡大が実現される。
【0089】
更に、前記装着部701は、前記洗濯槽206の槽底の下方に位置している。装着部701が洗濯槽206の槽底より低く設けられているため、懸架式制震部材600と装着部701を組み付けた場合に、懸架式制震部材600と筐体100の間に形成される傾斜角度が小さくなる。即ち、懸架式制震部材600と筐体100の内壁がいっそう密着するため、洗濯槽206にいっそう十分なスペースが保持される。よって、洗濯槽206の直径を増大することで容量を拡大するとの目的を実現可能となる。
【0090】
更に、前記装着部701の水平方向の投影図は、前記洗濯槽206の水平方向の投影図の外側に位置する。
【0091】
装着部701が洗濯槽206の槽底の下方に設けられ、洗濯槽206と筐体100の間のスペースを占有しないことから、装着部701は洗濯槽206と衝突し得ない。これを前提として、装着部701の水平方向の投影図が前記洗濯槽206の水平方向の投影図の外側に位置するよう、装着部701を水平方向において洗濯槽206の槽壁の外側まで延伸する。これにより、懸架式制震部材600の装着スペースが更に縮小するため、洗濯槽206の装着スペースが増大し、洗濯槽206の容量拡大が実現される。
【0092】
更に、前記出力軸303は、装着部材700を貫通して洗濯槽206に接続され、洗濯槽206を回転駆動する。また、前記装着部材700と出力軸303は軸受を介して接続される。
【0093】
装着部材700は、装着部材700、駆動装置300及び洗濯槽206が相対的に独立したひと固まりとなるよう、駆動装置300のハウジングに固定接続してもよい。また、装着部材700は、装着部材700、駆動装置300及び洗濯槽206が相対的に独立したひと固まりとなるよう、駆動装置300のハウジングに固定接続するとともに、軸受を介して出力軸303に接続してもよい。
【0094】
前記装着部材700は、装着部材700、駆動装置300及び洗濯槽206が相対的に独立したひと固まりとなるよう、軸受を介して出力軸303に接続され、及び/又は、駆動装置300のハウジングに固定接続される。また、制震部材によって装着部材700の震動が軽減し、更には洗濯槽206、駆動装置300の震動軽減が実現されるため、良好な制震効果が実現される。
【0095】
前記装着部材700は中心対称構造をなしている。また、前記懸架式制震部材600は複数とし、複数の前記懸架式制震部材600が装着部材700の全周に均一に分布している。
【0096】
装着プレート500を中心対称構造とすることで、装着プレート500、洗濯槽206及びモータ301の全体的な重心がずれる可能性が低減し、より良好な制震効果が実現される。また、装着プレート500を円形とすることで、駆動装置300を装着しやすくなるほか、構造がより安定的となる。
【実施例4】
【0097】
図1~2に示すように、本実施例は実施例3を更に限定する。本実施例における装着部材700は、平板状の円形の装着プレート500であり、装着プレート500の直径が前記洗濯槽206の直径よりも大きくなっている。前記装着プレート500は洗濯槽206の下方に設けられ、前記懸架式制震部材600の下端が装着プレート500の辺縁に組み付けられる。これにより、懸架式制震部材600と装着プレート500との接続部が洗濯槽206の下部に位置するとともに、洗濯槽206の周方向の外側に位置する。即ち、装着部701は洗濯槽206の槽底の斜め下方に位置することから、懸架式制震部材600の懸架スペースが縮小される。そのため、筐体100の体積を増大させることなく、洗濯槽206のために保持されるスペースが増大する。
【0098】
前記駆動装置300は装着プレート500の下部に組み付けられる。前記駆動装置300の出力軸303は前記装着プレート500を貫通し、軸受を介して前記装着プレート500に接続される。
【0099】
懸架式制震部材600は4つとし、円形の装着プレート500の全周に均一に分布している。
【0100】
前記制震部材は、懸架ロッド602と、減衰力を発生させる制震ユニット601を含む。前記懸架ロッド602は、一端が筐体100の上部に固定され、他端が前記装着部701を貫通して制震ユニット601に接続される。
【0101】
制震ユニット601は装着プレート500の下部に位置するため、制震ユニット601が水平方向において筐体100と洗濯槽206の間のスペースを占有することがない。よって、制震ユニット601により洗濯槽206の容量拡大が妨げられるとの事態が低減する。
【0102】
制震部材と筐体100及び装着プレート500との装着方式としては、更に、前記筐体100の上部に装着ベースを設け、前記懸架ロッド602の一端が装着部材700に接続されるとともに、他端が装着ベースを貫通して制震ユニット601に接続されるようにしてもよい。
【0103】
装着部材700は、十字型の装着プレート500としてもよい。懸架式制震部材600は、十字型の装着プレート500における各分岐の辺縁にそれぞれ接続される。懸架式制震部材600と十字型の装着プレート500を接続する装着部701は洗濯槽206の槽底より低くなっているため、洗濯槽206と筐体100の間のスペースを占有することがない。且つ、装着部701を低くすることで、懸架式制震部材600の装着スペースが縮小され、洗濯槽206の容量拡大が実現される。
【0104】
装着プレート500は平板としてもよいし、中央が高く辺縁が低い構造としてもよい。例えば、環状の辺縁プレート、円形の中心プレート、及び辺縁プレートと中心プレートを接続する接続垂直プレートを含み、断面が「Ω」状をなすようにしてもよい。
【0105】
装着プレート500は、駆動装置300のハウジングに固定接続してもよいし、言うまでもなく、軸受を介してハウジング及び出力軸303の双方に接続してもよい。
【実施例5】
【0106】
図1~3に示すように、実施例3及び実施例4を元に、本実施例では、制震装置がモータ301を含む。モータには減速クラッチが設けられており、減速クラッチの出力軸303が洗濯槽206に接続されて洗濯槽206を回転駆動する。前記制震装置は、第1制震部材703を更に含む。前記第1制震部材703は、一端が装着部材700に可動に接続され、他端が筐体100の底部に可動に接続される。第1制震部材703は装着部材700に下方向の引っ張り力を付与する。これにより、装着部材700は、第1制震部材703からの下方向の引っ張り力と懸架式制震部材600からの上方向の引っ張り力を同時に受けることになり、これらの合力の作用によって、より良好な制震効果が実現される。
【0107】
装着部材700は円形且つ平板状の装着プレート500である。懸架式制震部材600が上部から装着プレート500に接続され、第1制震部材703が下部から装着プレート500に接続されることで、懸架式制震部材600と第1制震部材703が同時に装着プレート500に作用可能となる。これにより、装着プレート500に制震作用が奏されるため、洗濯槽206とモータ301に対する制震効果が実現される。
【0108】
装着部材700の他の方案として、装着部材700は、懸架式制震部材600に接続される装着大プレート700-1と、第1制震部材703に接続される装着小プレート700-2を含む。装着大プレート700-1と装着小プレート700-2は、装着部材の強度が補強されるよう補強リブを介して接続される。補強リブは間隔を置いて設けられるため、補強効果がより良好となる。洗濯機の筐体100の底壁には、補強構造を設置したり、その他の部材を装着したりする必要があるため、一般的には、装着大プレート700-1の直径を装着小プレート700-2の直径よりも大きく設計することで、その他の部材を装着するためのスペースを提供する。このように、分割して設けることで装着部材700下方のスペースがより節約されるため、使用にいっそう都合がよい。
【0109】
更に、前記第1制震部材703は、一端が装着部材700にヒンジ接続され、他端が筐体100の底部にヒンジ接続される。
【0110】
更には、前記第1制震部材703はアブソーバである。
【0111】
更に、洗濯機は、駆動装置300に設けられる第2制震部材704を含む。前記第2制震部材704は、一端が駆動装置300に固定接続されるとともに、他端が筐体100の底壁に固定接続される。
【0112】
第2制震部材704を設け、駆動装置300に下方向の引っ張り力又は上方向の弾性力を付与するとともに、第1制震部材703と懸架式制震部材600を組み合わせることで、装着プレート500、駆動装置300及び洗濯槽206から形成されるひと固まりに対し、各部材の相互作用によってより良好な制震効果が奏される。
【0113】
更に、前記第2制震部材704は、一端がモータ301の固定子に固定接続され、他端が筐体100の底壁に固定接続される。
【0114】
更には、第2制震装置は制震バネである。
【0115】
更に、洗濯機には、内槽200から排出される水が溢れ出さないよう堰き止める集水構造が設けられている。前記集水構造は全体が前記内槽200の槽底の下部に位置する。集水構造は、上開口を有する集水室400を含む。前記集水室400の側壁の上端は、前記内槽200の槽底よりも低くなっている。また、前記内槽200は集水室400の上開口と連通する。
【0116】
具体的に、装着プレート500には堰止リブ501が設けられ、前記装着プレート500と堰止リブ501で取り囲むようにして集水室400が形成される。装着プレート500と堰止リブ501を設け、これらで取り囲むようにして集水室400が形成されるため、当該構造はシンプルであり、加工成形が容易である。
【0117】
集水室400は装着プレート500の中央部に位置するため、堰止装置の重心が中心といっそう重なりやすく、ずれが減少する。
【0118】
前記堰止リブ501は環状をなしており、前記堰止リブ501と装着プレート500で取り囲むようにして環状の集水室400が形成される。
【0119】
更に、前記堰止リブ501は傾斜して設けられる。堰止リブ501を傾斜状に設けることで、堰き止め量を最大限増加させられるため、使用にいっそう都合がよい。
【0120】
更に、前記堰止リブ501は、上開口の口径がより大きくなるよう、上から下に集水室400の中心軸線方向へと徐々に収縮しているため、集水がより容易となる。
【0121】
更に、前記内槽200の底部外壁は曲面をなしており、前記堰止リブ501と内槽200の曲面の間に一定の間隔が設けられている。
【0122】
更に、前記内槽200の水平方向の投影図は、前記集水室400の水平方向の投影図に被さる。内槽200の水平方向の投影図が前記集水室400の水平方向の投影図に被さるようにすることで、集水室400と筐体100との間隔が増大する。これにより、筐体100に対する集水室400の衝突が防止されるため、集水室400の破損が減少する。且つ、集水室400が小さくなるため、筐体100の底部に対するその他装置の装着がいっそう容易となる。
【0123】
より多くの水を収集可能となるよう、前記内槽200の水平方向の投影図は、前記集水室400の水平方向の投影図より小さくしてもよい。
【0124】
更に、装着プレート500には排水管401が設けられている。排水管401は一端が集水室400と連通し、他端が洗濯機の外部に通じるか、洗濯機の排水管路全体と連通して水を排出する。集水室400に集水構造内の水を排出するための排水管401を設けることで、水が集水室400に排出されると、排水管401を通じて集水室400内の水が排出される。よって、集水室400内の水が過剰となって溢れ出すとの事態が防止される。
【0125】
更に、内槽200の槽壁には、第1排水口201と、第1排水口201と連通する第1排水管路202が設けられている。前記第1排水管路202の吐水口203は、集水室400の上開口の上方に設けられている。第1排水口201と第1排水管路202はいずれも複数とし、各第1排水口201がそれぞれ第1排水管路202に対応してもよいし、複数の第1排水口201が1つの第1排水管路202に対応してもよい。洗濯機が脱水プログラムを実行する際には、洗濯槽206の遠心分離の作用で振り飛ばされた水が、第1排水口201を経由して第1排水管路202に進入するとともに、第1排水管路202の吐水口203を通じて集水室400に排出される。これにより、四方への水の溢流が堰き止められる。
【0126】
前記第1排水管路202の吐水口203は、集水室400の上開口の上方に設けられている。吐水口203と集水構造を連通することで、脱水時に水が第1排水口201を通じて第1排水管路202に進入してから、吐水口203を通じて集水室400へと排出されるため、水が溢れ出さないよう堰き止められる。吐水口203は、堰止リブ501により取り囲まれた集水室400の上開口の上方に設けられ、吐水口203から排出された水が集水室400に直接落下する。当該構造はよりシンプルであり、その他の付属部材を追加しなくとも集水効果がいっそう良好となる。
【0127】
更に、前記内槽200は、脱水及び/又は水の振り飛ばし時に内槽200内の水を集水室400に排出するための第2排水口204を更に含む。第2排水口204と集水室400の間には封止装置205が設けられている。前記封止装置205は、脱水及び/又は水の振り飛ばし時に第2排水口204を開放し、内槽200内の大量の水を第2排水口204から排出する一方、洗濯時には前記第2排水口204を封止し、水を内槽200内に保持して洗濯を実施する。
【0128】
更に、前記第2排水口204は、前記集水室400の上開口の上方に設けられており、前記封止装置205は第2排水口204の下部に設けられている。
【0129】
第2排水口204を設け、脱水及び/又は水の振り飛ばし時に封止装置205が第2排水口204を開放することで、内槽200内の水が集水構造に直接排出される。水は堰止リブ501によって溢れ出ないよう堰き止められつつ、排水管401を通じて洗濯機から排出される。また、洗濯時には、封止装置205が第2排水口204を封止することで、内槽200内の水を内槽200内に保持して洗濯を実施する。
【0130】
洗濯機は、パルセータ洗濯機である。
【0131】
前記封止装置205は、バルブプラグ205-1と、バルブプラグ205-1の下方に設けられる電磁装置205-2を含む。電磁装置205-2は洗濯機の制御装置に電気的に接続される。洗濯機が洗濯状態の場合、バルブプラグ205-1は第2排水口204を封止して内槽200内の水の排出を防止する。また、洗濯機が排水又は脱水状態の場合、前記電磁装置205-2はバルブプラグ205-1が下方に運動するよう制御し、第2排水口204を開放することで水を集水構造に排出する。
【0132】
装着プレート500には位置決め装置が設けられており、内槽200の底壁には位置決め装置と連携する連携部が設けられている。連携部は位置決め凹溝とすればよい。脱水及び/又は水の振り飛ばし時において、位置決め装置は連携部から離脱し、内槽200が出力軸303に従って回転する。洗濯機が洗濯状態の場合、位置決め装置は連携部と連携し、内槽200が装着プレート500に係合する。すると、バルブプラグ205-1がちょうど第2排水口204と対向し、第2排水口204を封止することで、内槽200内の水の排出が防止される。また、出力軸が洗濯機内のパルセータを回転させる。
【0133】
更に、前記装着プレート500は内槽200と駆動装置300の間に設けられる。前記装着プレート500の下部は、駆動装置300のハウジングに固定接続される。装着プレート500を内槽200と駆動装置300の間に設けることで、内槽200内の水が自重により落下して、自動的に集水構造に流入可能となる。また、装着プレート500が駆動装置300の上部に設けられるため、水が駆動装置300から隔離される。よって、水に起因する駆動装置300の破損が防止される。
【0134】
駆動装置300はモータ301を含む。モータ301の上方には減速クラッチ装置302が設けられており、装着プレート500の下部が減速クラッチ又はモータ301のハウジングに固定接続される。
【0135】
装着プレート500と駆動装置300の接続方式としては、軸受を介して前記装着プレート500と駆動装置300の出力軸303を接続してもよい。
【0136】
更に、減速クラッチの出力軸303は、前記装着プレート500を貫通して内槽200に接続され、内槽200を回転駆動する。また、装着プレート500と駆動装置300の出力軸303は軸受を介して接続される。
【実施例6】
【0137】
実施例1~実施例5の洗濯機の制御方法であって、検出装置801が集水構造内の水位を検出し、検出情報を主制御装置800に伝達する。主制御装置800は、検出装置801の検出結果に基づいて、排水装置の開放/閉止を制御する。
【0138】
更に、
図4に示すように、洗濯機の制御方法は、以下のステップを含む。即ち、主制御装置800が水面高さH1を予め設定する。検出装置801は、集水構造内の水面高さH2を検出し、検出信号を主制御装置800に伝達する。主制御装置800は、H2がH1よりも大きいか否かを判断する。大きい場合、主制御装置800は、排水装置を開放して集水構造内の水が排出されるよう制御する。また、大きくない場合、主制御装置800は、排水装置を閉止状態として水が排出不可能となるよう制御する。
【0139】
以下に、排水ポンプの場合を例に説明すると、洗濯機の制御方法は次のステップを含む。
【0140】
S1:主制御装置800は、洗濯機が洗浄プログラムの場合、集水構造内の水面高さを予め0と設定し、洗濯機が脱水プログラムの場合、集水構造内の水面高さを予め集水室の側壁の高さのa%と設定する。
【0141】
S2:検出装置801は、集水室内の水面高さH2を検出し、検出信号を主制御装置800に伝達する。
【0142】
S3:主制御装置800は、洗濯機が洗浄プログラムか脱水プログラムかを判断し、洗浄プログラムの場合にはS4を実行するが、脱水プログラムの場合にはS5を実行する。
【0143】
S4:主制御装置800は、H2が0よりも大きいか否かを判断する。H2>0の場合、主制御装置800は、排水ポンプを開放して集水室内の水が排出されるよう制御する。また、H2≦0の場合、主制御装置800は、排水ポンプを閉止状態として水が排出されないよう制御する。
【0144】
S5:主制御装置800は、H2が集水室の側壁の高さのa%よりも大きいか否かを判断する。H2>集水室の側壁の高さのa%の場合、主制御装置800は、排水ポンプを開放して集水室内の水が排出されるよう制御する。また、H2≦集水室の側壁の高さのa%の場合、主制御装置800は、排水ポンプを閉止状態として水が排出されないよう制御する。
【0145】
a%は70~80%とすればよいが、当該数値に限らない。
【0146】
以上は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に限定するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではない。本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて行うわずかな変形或いは補足は、同等に変形された等価の実施例とみなされ、いずれも本発明の技術方案の内容を逸脱するものではない。また、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられる簡単な修正、同等の変形及び補足は、いずれも本発明の方案の範囲内とされる。
【符号の説明】
【0147】
100 筐体
200 内槽
201 第1排水口
202 第1排水管路
203 吐水口
204 第2排水口
205 封止装置
205-1 バルブプラグ
205-2 電磁装置
206 洗濯槽
300 駆動装置
301 モータ
302 減速クラッチ装置
303 出力軸
400 集水室
401 排水管
500 装着プレート
501 堰止リブ
600 懸架式制震部材
601 制震ユニット
602 懸架ロッド
700 装着部材
700-1 装着大プレート
700-2 装着小プレート
701 装着部
703 第1制震部材
704 第2制震部材
800 主制御装置
801 検出装置
802 制御構造