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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-17
(45)【発行日】2022-05-25
(54)【発明の名称】細菌株を含む組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/74 20150101AFI20220518BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20220518BHJP
   C12N 1/00 20060101ALN20220518BHJP
【FI】
A61K35/74 A
A61P25/00
C12N1/00 P
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021552213
(86)(22)【出願日】2020-05-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-13
(86)【国際出願番号】 EP2020063084
(87)【国際公開番号】W WO2020229428
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2021-11-30
(31)【優先権主張番号】19173945.7
(32)【優先日】2019-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【微生物の受託番号】DSM  DSM 14294
【微生物の受託番号】NCIMB  NCIMB 42381
【微生物の受託番号】NCIMB  NCIMB 43170
【微生物の受託番号】NCIMB  NCIMB 42486
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514079985
【氏名又は名称】フォーディー ファーマ リサーチ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】4D PHARMA RESEARCH LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100107984
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 雅紀
(74)【代理人】
【識別番号】100182305
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 鉄平
(74)【代理人】
【識別番号】100096482
【弁理士】
【氏名又は名称】東海 裕作
(74)【代理人】
【識別番号】100131093
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 真
(74)【代理人】
【識別番号】100150902
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 正子
(74)【代理人】
【識別番号】100141391
【弁理士】
【氏名又は名称】園元 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100221958
【弁理士】
【氏名又は名称】篠田 真希恵
(74)【代理人】
【識別番号】100192441
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 仁
(72)【発明者】
【氏名】スティーブンソン アレックス
(72)【発明者】
【氏名】チェタル サーシャ
【審査官】藤井 美穂
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0271188(US,A1)
【文献】特表2016-509003(JP,A)
【文献】特表2019-508479(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0134106(US,A1)
【文献】国際公開第2019/046646(WO,A1)
【文献】特表2018-534235(JP,A)
【文献】特表2021-502964(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K35/00 - 35/768
A61P25/00 - 25/36
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
線維筋痛と診断された対象における感覚性過敏症の治療または予防方法における使用のための、ブラウティア ハイドロゲノトロフィカ(Blautia hydrogenotrophica)種の細菌株を含む組成物。
【請求項2】
線維筋痛と診断された対象における感覚性過敏症と両方とも関連する異痛症及び/または痛覚過敏症の治療または予防方法における使用のための、ブラウティア ハイドロゲノトロフィカ種の細菌株を含む組成物。
【請求項3】
線維筋痛の治療または予防方法における使用のための、ブラウティア ハイドロゲノトロフィカ種の細菌株を含む組成物。
【請求項4】
前記組成物が、内臓過敏症と診断されていない患者における使用のためのものである、請求項1~3のいずれかに記載の使用のための組成物。
【請求項5】
前記組成物が経口投与のためのものである、請求項1~4のいずれかに記載の使用のための組成物。
【請求項6】
前記組成物が、1または2以上の薬学的に許容される賦形剤または担体を含む、請求項1~5のいずれかに記載の使用のための組成物。
【請求項7】
前記細菌株が凍結乾燥されているか、または生存可能である、請求項1~6のいずれかに記載の使用のための組成物。
【請求項8】
前記組成物が、(a)微生物コンソーシアム(microbial consortium)の一部としてのブラウティア ハイドロゲノトロフィカ細菌株、または、(b)ブラウティア ハイドロゲノトロフィカ種の細菌のみを含む、請求項1~7のいずれかに記載の使用のための組成物。
【請求項9】
前記組成物が、クロストリジウム属の細菌を含まない、請求項1~8のいずれかに記載の使用のための組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、哺乳類の消化管から単離された細菌株を含む組成物、及び疾患の治療におけるかかる組成物の使用の分野におけるものである。
【背景技術】
【0002】
ヒトの腸は子宮内では無菌であると考えられているが、出生の直後に、多種多様な母の、及び環境的微生物に曝される。その後、微生物のコロニー形成及び遷移というダイナミックな期間が生じ、これは送達様式、環境、食事、及び宿主の遺伝子型などの因子により影響を受け、これら全てが、特に若年期の間の、腸内微生物叢の組成物に影響を及ぼす。その後、微生物叢は安定し、成人様となる[1]。ヒトの腸内微生物叢は、2つの主たる細菌部門(門)である、バクテロイデス門及びフィルミクテス門が豊富な量で優位を占める、1500を超える異なる系統型を含有する[2~3]。ヒトの腸における細菌のコロニー形成により生じる、良好な共生関係により、多種多様の代謝、構造、保護、及び他の有益な機能がもたらされている。コロニー形成した腸における代謝活性の向上により、別の場合においては消化できない食事成分が、副生成物の放出により分解され、宿主及び更なる健康上の利益にとって重要な栄養源が確実にもたらされる。同様に、腸内微生物叢の免疫学的重要性は十分認識されており、機能的に再構成された後、共生細菌が導入される、機能不全となった免疫系を有する無菌動物において例示されている[4~6]。
【0003】
微生物叢組成のダイナミックな変化は、炎症性腸疾患(IBD)などの胃腸障害において記録されてきた。例えば、クロストリジウム(Clostridium)クラスターXIVa及びクロストリジウムクラスターXI(F.prausnitzii)細菌の量は、IBD患者において減少する一方で、E.coliの数は増加し、このことは、腸内でのシンビオント(symbiont)及び病原性共生生物のバランスの変化を示唆している[7~11]。
【0004】
特定の細菌株が動物の腸に存在し得るという潜在的な正の効果を認識することにおいて、様々な株が、様々な疾患の治療に使用するために提案されている(例えば、[12~15]を参照のこと)。大部分はラクトバシラス(Lactobacillus)及びビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)株を含む多数の株が、様々な腸障害の治療に使用するために提案されている(概説は[16]を参照のこと)。ブラウティア(Blautia)属の株もまた、消化生態系の微生物バランスを調節するために使用することが、提案されている[17]。しかし、異なる細菌株と異なる疾患との関係、ならびに、腸での、及び全身レベルにおける、及び任意の特定の種類の疾患での、特定の細菌株の正確な影響の識別は、不十分である。
【0005】
細菌を使用する新規の治療法が開発可能となるためには、腸内細菌の潜在的な影響が識別されることが必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
本発明者らは、感覚性過敏症、異痛症、及び/または痛覚過敏症を治療及び予防するための、新規治療法を開発した。特に、本発明は、感覚性過敏症の治療または予防方法に使用するための、ブラウティア属の細菌株を含む組成物を提供する。更に、本発明は、異痛症及び/または痛覚過敏症の治療または予防方法であって、ブラウティア属の細菌株を含む組成物を投与することを含む、方法を提供する。
【0007】
また更に、本発明は、異痛症及び/または痛覚過敏症の治療または予防用薬剤を製造するための、ブラウティア属の細菌株を含む組成物の使用を提供する。
【0008】
感覚性過敏症は頻繁に、異痛症及び/または痛覚過敏症と関連しており、本発明者らは、ブラウティア属由来の細菌株が、異痛症及び/または痛覚過敏症を低減するのに効果的であり得ることを同定した。それ故、一実施形態では、本発明は、異痛症及び/または痛覚過敏症の治療または予防方法に使用するための、ブラウティア属の細菌株を含む組成物を提供する。実施例で記載するとおり、ブラウティア ハイドロゲノトロフィカ(Blautia hydrogenotrophica)を含む組成物を経口投与することにより、線維筋痛の動物モデルにおいて、異痛症を低減することができる。
【0009】
ブラウティア属由来の生物を使用して内臓過敏症を治療することは、国際特許公開第2017/148596号に開示されている。しかし以下でより詳細に説明するとおり、内臓過敏症及び異痛症/痛覚過敏症は、異なる病態生理学及び原因を有する。したがって、当該公報は、かかる生体を上手く使用して、異痛症及び/または痛覚過敏症を治療することができることを示唆していない。
【0010】
好ましい実施形態において、本発明は、ニューロパシー、複合性局所疼痛症候群、帯状疱疹後神経痛、線維筋痛、または片頭痛と診断された対象における、感覚性過敏症の治療または予防に使用するための、ブラウティア属の細菌株を含む組成物を提供する。特に好ましい実施形態は、異痛症及び/または痛覚過敏症を治療または予防するための、ブラウティア属の細菌株を含む組成物を提供する。好ましい実施形態において、組成物は、線維筋痛と診断された対象における、異痛症及び/または痛覚過敏症の治療または予防に使用するためのものである。本発明者らは、本発明の組成物が特に、線維筋痛のモデルで良好に作用することを示した。
【0011】
本発明の好ましい実施形態では、組成物中の細菌株は、ブラウティア ハイドロゲノトロフィカのものである。細菌株は、ブラウティア ハイドロゲノトロフィカの細菌株の16s rRNA配列と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%同一である16s rRNA配列を有し得る。細菌株は、配列番号5と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%同一である16s rRNA配列を有するのが好ましい。組成物中の細菌株は、受託番号DSM 14294として寄託されたブラウティア ハイドロゲノトロフィカ株であるのが最も好ましい。本発明に使用するための細菌株は、配列番号5で表される16s rRNA配列を有するのが好ましい。他の実施形態では、組成物中の細菌株は、配列番号5と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%同一である16s rRNA配列を有する。本発明の更なる実施形態では、組成物中の細菌株はブラウティア ステルコリス(Blautia stercoris)のものである。細菌株は、ブラウティア ステルコリスの細菌株の16s rRNA配列と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%同一である16s rRNA配列を有し得る。細菌株は、配列番号1または3と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%同一である16s rRNA配列を有するのが好ましい。配列同一性は配列番号3に対するものであるのが好ましい。本発明に使用するための細菌株は、配列番号3で表される16s rRNA配列を有するのが好ましい。他の実施形態では、組成物中の細菌株は、配列番号1または3と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%同一である16s rRNA配列を有する。
【0012】
本発明の更なる実施形態では、組成物中の細菌株はブラウティア ウェクスレラエ(Blautia wexlerae)のものである。ブラウティア ウェクスレラエの細菌株の16s rRNA配列と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%同一である16s rRNA配列を有する細菌株などの、密接に関係した株もまた使用することができる。細菌株は、配列番号2または4と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%同一である16s rRNA配列を有するのが好ましい。配列同一性は配列番号4に対するものであるのが好ましい。本発明に使用するための細菌株は、配列番号4で表される16s rRNA配列を有するのが好ましい。他の実施形態では、組成物中の細菌株は、配列番号4と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%同一である16s rRNA配列を有する。
【0013】
本発明の更なる実施形態では、組成物中の細菌株はブラウティア プロドゥクタ(Blautia producta)のものである。ブラウティア プロドゥクタの細菌株の16s rRNA配列と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%同一である16s rRNA配列を有する細菌株などの、密接に関係した株もまた使用することができる。細菌株は、配列番号6と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%同一である16s rRNA配列を有するのが好ましい。本発明に使用するための細菌株は、配列番号6で表される16s rRNA配列を有するのが好ましい。他の実施形態では、組成物中の細菌株は、配列番号6と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%同一である16s rRNA配列を有する。
【0014】
本発明の更なる実施形態では、組成物中の細菌株はブラウティア コッコイデス(Blautia coccoides)のものである。ブラウティア コッコイデスの細菌株の16s rRNA配列と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%同一である16s rRNA配列を有する細菌株などの、密接に関係した株もまた使用することができる。細菌株は、配列番号7または8と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%同一である16s rRNA配列を有するのが好ましい。本発明に使用するための細菌株は、配列番号7または8で表される16s rRNA配列を有するのが好ましい。他の実施形態では、組成物中の細菌株は、配列番号7または8と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%同一である16s rRNA配列を有する。
【0015】
特定の実施形態では、本発明の組成物は経口投与のためのものである。経口投与は患者及び施術者にとって便利であり、腸への送達、及び/または腸の部分的または全体的なコロニー形成を可能にする。
【0016】
特定の実施形態では、本発明の組成物は、1または2以上の薬学的に許容される賦形剤または担体を含む。
【0017】
特定の実施形態では、本発明の組成物は凍結乾燥されている。本発明の組成物は、凍結乾燥されたブラウティア属の細菌株もまた含むことができる。凍結乾燥は、細菌の送達を可能にする安定した組成物を調製するための、効果的かつ便利な技術であり、実施例において、効果的な組成物を提供することが示されている。
【0018】
特定の実施形態では、本発明は、上述したブラウティア属の細菌株を含む組成物を含む、食品を提供する。
【0019】
特定の実施形態では、本発明は、上述したブラウティア属の細菌株を含む組成物を含む、ワクチン組成物を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】時間の経過に対する体重増加。エラーバーはSEMを表す。
図2】体性感覚応答(後足配置)。アスタリスクは、適切な対側性応答からの統計的有意差を示す。エラーバーはSEMを表す。正常対照N=12、疾患対照N=24、ブラウティア ハイドロゲノトロフィカN=12、Lyobuffer N=12。
図3】線維筋痛のラットモデルにおける、機械的異痛症応答(50%の足引っ込め閾値)。エラーバーはSEMを表す。群あたりN=12。
図4】筋圧縮引っ込め閾値試験。エラーバーはSEMを表す。群あたりN=12。
【発明を実施するための形態】
【0021】
細菌株
本発明の組成物は、ブラウティア属の細菌株を含む。実施例は、この属の細菌が、感覚性過敏症の治療または予防に有用であり、特に、異痛症及び/または痛覚過敏症の治療または予防に有用であることを示す。好ましい細菌株は、ブラウティア ハイドロゲノトロフィカ、ブラウティア ステルコリス、及びブラウティア ウェクスレラエの種のものである。本発明に使用するための他の細菌株は、ブラウティア プロドゥクタ、ブラウティア コッコイデス、及びブラウティア ハンセニイ(Blautia hansenii)であるにもかかわらず、いくつかの実施形態では、組成物はブラウティア プロドゥクタを含まなくてもよい。
【0022】
本発明に使用するためのブラウティア株の例としては、ブラウティア ハイドロゲノトロフィカ、B.ステルコリス、B.ファエシス(B.faecis)、B.コッコイデス、B.グルセラセア(glucerasea)、B.ハンセニイ、B.ルティ(luti)、B.プロドゥクタ、B.スキンキイ(schinkii)、及びB.ウェクスレラエが挙げられる。ブラウティア種は、球菌様または楕円形のいずれかであり得る、グラム反応陽性・非運動型の芽胞非形成細菌であり、全てが、グルコース発酵の主要最終生成物としての酢酸を生成する、偏性嫌気性菌である[18]。ブラウティアはヒトの腸から単離され得るが、B.プロドゥクタは敗血症試料から単離された。
【0023】
ブラウティア ハイドロゲノトロフィカ(以前はルミノコッカス ハイドロゲノトロフィクス(Ruminococcus hydrogenotrophicus)として知られていた)が哺乳類の腸から単離されており、これは厳格に嫌気性であり、H/COをアセテートに代謝するが、このことは、ヒトの栄養及び健康に重要であり得る。ブラウティア ハイドロゲノトロフィカのタイプ株は、S5a33=DSM 10507=JCM 14656である。ブラウティア ハイドロゲノトロフィカ株であるS5a36の16S rRNA遺伝子配列のGenBank受託番号は、X95624.1(本明細書において配列番号5として開示されている。)である。この例示的なブラウティア ハイドロゲノトロフィカ株は、[18]及び[19]に記載されている。S5a33株及びS5a36株は、健康な対象の糞便試料から単離された、1つの株の2つのサブクローンに対応する。これらは同一のモルホロジー、生理学性、及び代謝を示し、同一の16S rRNA配列を有する。したがって、いくつかの実施形態では、本発明に使用するためのブラウティア ハイドロゲノトロフィカは、配列番号5の16S rRNA配列を有する。
【0024】
受託番号DSM 14294として寄託されたブラウティア ハイドロゲノトロフィカ細菌を実施例で試験し、これは本明細書において、株BHとも呼ばれる。株BHは、1996年1月のDeutsche Sammlung von Mikroorganismen[German Microorganism Collection](Mascheroder Weg 1b,38124 Braunschweig,Germany)を通して「ルミノコッカス ハイドロゲノトロフィクス」として、受託番号DSM 14294にて「S5a33」として、2001年5月10日に寄託された。寄託者はINRA Laboratoire de Microbiologie CR de Clermont-Ferrand/Theix 63122 Saint Genes Champanelle,Franceであった。寄託物の所有権は、譲渡により4D Pharma Plcに移された。
【0025】
ブラウティア ステルコリス株であるGAM6-1の16S rRNA遺伝子配列に対するGenBank受託番号は、HM626177(本明細書において配列番号1として開示されている。)である。例示的なブラウティア ステルコリス株は、[20]に開示されている。ブラウティア ウェクスレラエのタイプ株は、WAL 14507=ATCC BAA-1564=DSM 19850である[18]。ブラウティア ウェクスレラエ株であるWAL 14507 Tの16S rRNA遺伝子配列に対するGenBank受託番号は、EF036467(本明細書において配列番号2として開示されている。)である。この例示的なブラウティア ウェクスレラエ株は、[18]に開示されている。
【0026】
好ましいブラウティア ステルコリス株は、受託番号NCIMB 42381として寄託された株であり、これは本明細書において、株830とも呼ばれる。830株に対する16S rRNA配列は、配列番号3に提供されている。株830は、GT Biologics Ltd.(Life Sciences Innovation Building,Aberdeen,AB25 2ZS,Scotland)により、2015年3月12日に「ブラウティア ステルコリス830」として、国際寄託当局であるNCIMB,Ltd.(Ferguson Building,Craibstone Estate,Bucksburn,Aberdeen,AB21 9YA,Scotland)を通して寄託され、受託番号NCIMB 42381が割り当てられた。GT Biologics Ltd.は次いで、その名称を4D Pharma Research Limitedに変更した。
【0027】
好ましいブラウティア ウェクスレラエ株は、受託番号NCIMB 42486として寄託された株である。この株に対する16S rRNA配列は配列番号4に提供されている。株は、4D Pharma Research Ltd.(Life Sciences Innovation Building,Aberdeen,AB25 2ZS,Scotland)により、2015年11月16日に「ブラウティア/ルミノコッカス」として、国際寄託当局であるNCIMB,Ltd.(Ferguson Building,Craibstone Estate,Bucksburn,Aberdeen,AB21 9YA,Scotland)を通して寄託され、受託番号NCIMB 42486が割り当てられた。
【0028】
本発明に使用するための好ましいブラウティア プロドゥクタ株は、4D Pharma Research Limited(Life Sciences Innovation Building,Aberdeen,AB25 2ZS,Scotland)により2018年8月20日に「ブラウティア プロドゥクタ」として、国際寄託当局であるNCIMB,Ltd.(Ferguson Building,Craibstone Estate,Bucksburn,Aberdeen, AB21 9YA,Scotland)を通して、受託番号NCIMB 43170として寄託された株である。
【0029】
実施例で試験した株に密接に関係した細菌株もまた、異痛症及び/または痛覚過敏症の治療または予防に効果的であることが予想される。特定の実施形態では、本発明に使用するための細菌株は、ブラウティア ハイドロゲノトロフィカの細菌株の16s rRNA配列と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%同一である16s rRNA配列を有する。本発明に使用するための細菌株は、配列番号5と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%同一である16s rRNA配列を有するのが好ましい。
【0030】
特定の実施形態では、本発明に使用するための細菌株は、ブラウティア ステルコリスの細菌株の16s rRNA配列と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%同一である16s rRNA配列を有する。本発明に使用するための細菌株は、配列番号1または配列番号3と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%同一である16s rRNA配列を有するのが好ましい。配列同一性は配列番号3に対するものであるのが好ましい。本発明に使用するための細菌株は、配列番号3で表される16s rRNA配列を有するのが好ましい。
【0031】
特定の実施形態では、本発明に使用するための細菌株は、ブラウティア ウェクスレラエの細菌株の16s rRNA配列と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%同一である16s rRNA配列を有する。本発明に使用するための細菌株は、配列番号2または配列番号4と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%同一である16s rRNA配列を有するのが好ましい。配列同一性は配列番号4に対するものであるのが好ましい。本発明に使用するための細菌株は、配列番号4で表される16s rRNA配列を有するのが好ましい。
【0032】
特定の実施形態では、本発明に使用するための細菌株は、ブラウティア プロドゥクタの細菌株の16s rRNA配列と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%同一である16s rRNA配列を有する。本発明に使用するための細菌株は、配列番号6と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%同一である16s rRNA配列を有するのが好ましい。本発明に使用するための細菌株は、配列番号6で表される16s rRNA配列を有するのが好ましい。
【0033】
特定の実施形態では、本発明に使用するための細菌株は、ブラウティア コッコイデスの細菌株の16s rRNA配列と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%同一である16s rRNA配列を有する。本発明に使用するための細菌株は、配列番号7または8と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%同一である16s rRNA配列を有するのが好ましい。本発明に使用するための細菌株は、配列番号7または8で表される16s rRNA配列を有するのが好ましい。
【0034】
受託番号DSM 14294として寄託された細菌のバイオタイプ(biotype)、または、受託番号NCIMB 42381、NCIMB 42486、及びNCIMB 43170として寄託された細菌のバイオタイプである細菌株もまた、異痛症及び/または痛覚過敏症の治療または予防に効果的であることが予想される。バイオタイプとは、同一、または非常に類似した生理学的及び生化学的特徴を有する、密接に関連した株のことである。
【0035】
受託番号DSM 14294、NCIMB 42381、NCIMB 42486、またはNCIMB 43170として寄託された細菌のバイオタイプであり、本発明で使用するのに好適な株は、受託番号DSM 14294、NCIMB 42381、NCIMB 42486、またはNCIMB 43170として寄託された細菌に対する他のヌクレオチド配列の配列決定により同定することができる。例えば、実質的に全ゲノムが配列決定されてよく、本発明に使用するためのバイオタイプ株は、その全ゲノムの少なくとも80%にわたって(例えば、少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%にわたって、またはその全ゲノムにわたって)、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の配列同一性を有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、バイオタイプ株は、そのゲノムの少なくとも98%にわたって、少なくとも98%の配列同一性、または、そのゲノムの99%にわたって、少なくとも99%の配列同一性を有する。バイオタイプ株を同定するのに使用するための、他の好適な配列としては、hsp60、または、BOX、ERIC、(GTG)、もしくはREPなどの反復配列を挙げてよい[21]。バイオタイプ株は、受託番号DSM 14294、NCIMB 42381、NCIMB 42486、またはNCIMB 43170として寄託された細菌の対応する配列に対して、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の配列同一性を有する配列を有し得る。いくつかの実施形態では、バイオタイプ株は、配列番号5の16S rRNA配列に対して、少なくとも97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の配列同一性を有する配列を有する。
【0036】
あるいは、受託番号DSM 14294、NCIMB 42381、NCIMB 42486、またはNCIMB 43170として寄託された細菌のバイオタイプであり、本発明で使用するのに好適な株は、受託番号DSM 14294の寄託物、受託番号NCIMB 42381の寄託物、受託番号NCIMB 42486の寄託物、または受託番号NCIMB 43170の寄託物、ならびに、例えば、蛍光増幅断片長多型(FAFLP:fluorescent amplified fragment length polymorphism)及び反復DNAエレメント(rep)-PCRフィンガープリンティング、またはタンパク質プロファイリング、または部分的な16Sもしくは23s rDNA配列決定を用いることによる、制限断片分析及び/またはPCR分析を用いて同定することができる。好ましい実施形態では、かかる技術を使用して、他のブラウティア ハイドロゲノトロフィカ、ブラウティア ステルコリス、またはブラウティア ウェクスレラエ株を同定することができる。
【0037】
特定の実施形態では、受託番号DSM 14294、NCIMB 42381、NCIMB 42486、またはNCIMB 43170として寄託された細菌のバイオタイプであり、本発明で使用するのに好適な株は、増幅リボソームDNA制限分析(ARDRA:amplified ribosomal DNA restriction analysis)により分析した際に、例えば、Sau3AI制限酵素を用いる際に、受託番号DSM 14294、NCIMB 42381、NCIMB 42486、またはNCIMB 43170として寄託された細菌と同一のパターンを付与する株である(例えば、例示的方法及び手引きは、例えば[22]を参照のこと)。あるいは、バイオタイプ株は、受託番号DSM 14294、NCIMB 42381、NCIMB 42486、またはNCIMB 43170として寄託された細菌と同一の炭水化物発酵パターンを有する株として同定される。
【0038】
本発明で有用な他のブラウティア株、例えば、受託番号DSM 14294、NCIMB 42381、NCIMB 42486、またはNCIMB 43170として寄託された細菌のバイオタイプは、実施例に記載するアッセイを含む、任意の好適な方法または戦略を用いて同定してよい。例えば、本発明に使用するための株は、細菌を培養し、当該細菌をラットに移した後、Von Freyマイクロフィラメントアッセイで試験することにより同定することができる。具体的には、受託番号DSM 14294、NCIMB 42381、NCIMB 42486、またはNCIMB 43170として寄託された細菌に対して、同様の増殖パターン、代謝タイプ、及び/または表面抗原を有する細菌株が、本発明で有用であり得る。有用な株は、例えば、Von Freyマイクロフィラメントアッセイにより評価すると、DSM 14294、NCIMB 42381、NCIMB 42486、またはNCIMB 43170株に相当する活性を有する。具体的には、バイオタイプ株が、線維筋痛モデルに、実施例で示す効果に相当する効果を誘発し、これは、実施例に記載する培養及び投与手順を用いることで同定され得る。
【0039】
本発明の特に好ましい株は、受託番号DSM 14294として寄託されたブラウティア ハイドロゲノトロフィカ株である。これは、実施例で試験する例示的な株であり、疾患を治療するのに有効であることが示されている。したがって、本発明は、特に、本明細書に記載する疾患に対する治療法に使用するための、受託番号DSM 14294として寄託されたブラウティア ハイドロゲノトロフィカ株の単離細胞などの細胞、またはその派生物(derivative)を提供する。
【0040】
受託番号DSM 14294、NCIMB 42381、NCIMB 42486、またはNCIMB 43170として寄託された株の派生物は、原株由来の娘株(後代)または培養株(サブクローン化)であり得る。本発明の株の派生物を、例えば遺伝レベルで、生物活性を損なうことなく、改変してよい。特に、本発明の派生物株は、治療的に活性である。派生物株は、元のDSM 14294、NCIMB 42381、NCIMB 42486、NCIMB 43170株に相当する微生物叢調節活性を有する。具体的には、派生物株は、異痛症及び/または痛覚過敏症モデルに、実施例で示す効果に相当する効果を誘発し、これは、実施例に記載する培養及び投与手順を用いることで同定され得る。DSM 14294株の派生物は一般に、DSM 14294株のバイオタイプである。NCIMB 42381株の派生物は一般に、NCIMB 42381株のバイオタイプである。NCIMB 42486株の派生物は一般に、NCIMB 42486株のバイオタイプである。NCIMB 43170株の派生物は一般に、NCIMB 43170株のバイオタイプである。
【0041】
細菌株はまた、受託番号DSM 14294、NCIMB 42381、NCIMB 42486、またはNCIMB 43170として寄託された株と同一の安全性及び治療効果特性を有する株であってもよく、かかる細胞は、本発明により包含されている。
【0042】
好ましい実施形態では、本発明の組成物中の細菌株は生存能力があり、腸において部分的、または完全にコロニー形成することができる。
【0043】
治療上の使用
好ましい実施形態では、本発明の組成物は、感覚性過敏症を治療するのに使用するためのものである。これらは、異痛症及び/または痛覚過敏症を治療するために使用することができる。実施例に示すように、本発明者らが異痛症に関して良好な効果を確認しているため、本発明の組成物は、異痛症の治療、特に、線維筋痛と関連する異痛症に使用するのが好ましい。
【0044】
疼痛病態生理学には主に3つの種類-侵害受容性過敏症、神経障害性過敏症、及び感覚性過敏症が存在する。感覚性過敏症は、特定可能な神経または組織損傷を伴わずに存在する疼痛の種類を説明する。この種の疼痛は、疼痛の閾値の低下、及び感覚シグナルの増幅をもたらす、CNSの全体を通しての、ニューロンの持続的機能障害の結果であると考えられる。これは、中枢性疼痛、機能障害性疼痛、または特発性疼痛、中枢性感作、及び中枢性過敏症症候群を含む、多くの名前で呼ばれている。この種の疼痛の特徴は、機械的、熱的、嗅覚的、聴覚的、及び視覚的手がかりを含む種々の刺激に対して一般化された過敏症であるように思われる。感覚性過敏症状態としては、線維筋痛、過敏性腸症候群、緊張型頭痛、間質性膀胱炎/骨盤痛症候群、側頭下顎骨関節疾患、慢性疲労症候群、下肢静止不能症候群、及び構造的病状を伴わない頸背部痛が挙げられる[23]。
【0045】
神経障害性疼痛及び感覚性過敏症に苦しむ患者は、参考文献[24]に記載の慢性痛に対する質問を用いて区別することができ、感覚性過敏症の重症度は、参考文献[25]に記載の感覚性過敏症スケールを用いて評価することができる。
【0046】
異痛症(痛みのない刺激によりもたらされる疼痛)及び痛覚過敏症(疼痛に対する感度の増加)は一般に、感覚性過敏症と関連しており、この用語は、神経または他の組織に対する特定可能な損傷が欠如している疼痛を表現するために使用されている。異痛症及び痛覚過敏症は、持続性の神経細胞調節異常または機能障害の結果である、という仮説が立てられている。これらは頻繁に、ニューロパシー、複合性局所疼痛症候群、帯状疱疹後神経痛、線維筋痛、または片頭痛を含む、種々の状態(condition)と関連している。本発明の組成物を使用して、1または2以上のこれらの状態を有すると診断された対象を治療することができる。
【0047】
好ましい実施形態において、本発明の組成物は、線維筋痛と診断された対象の治療、特に、線維筋痛と関連する異痛症と診断された対象の治療に使用するためのものである。本発明者らは、線維筋痛のラットモデルにおいて、本発明の組成物で良好な効果を確認したため、これらの実施形態が好ましい。実施例は、本発明の組成物が、線維筋痛のラットモデルにおいて、より良好な結果を促進するのに資するいくつかの因子に有益な効果を持っているという能力を示している。いくつかの因子としては、体重増加、体性感覚試験における性能の向上、及び機械的異痛症の低減が挙げられる。
【0048】
線維筋痛は一般に、感覚性過敏症の結果であると考えられており、この用語は、神経または他の組織に対する特定可能な損傷が欠如している疼痛を表現するために使用されている。この種の疼痛は、持続性の神経細胞調節異常または機能障害の結果である、という仮説が立てられている。感覚性過敏症の結果として、患者は、異痛症及び痛覚過敏症を経験する。線維筋痛は一般に、慢性的疼痛及び疲れ、加えて、関節及び筋組織における過敏症/圧痛を特徴とし、線維筋痛を伴う多くの人から、症状または併存症として、光に対する過敏症、頭痛及び片頭痛発作もまた報告されている。
【0049】
感覚性過敏症とは対照的に、内臓過敏症は、通常よりも強いレベルでの、内臓内での疼痛の経験を説明するために使用する用語である。この種の疼痛は、外傷または炎症に起因する体細胞または内臓組織の損傷に関係し、侵害受容性疼痛として知られている。侵害受容性疼痛は、神経系の外から発生し、疼痛刺激を伝達する神経細胞は、正常に機能すると考えられている。興味深いことに、内臓過敏症は、過敏性腸症候群(IBS)の顕著な特徴である。IBSは場合によっては、線維筋痛の患者にて発見され、例えば、参考文献[26]において、線維筋痛患者は通常、内臓過敏症を患わないことが示されている。すなわち、線維筋痛及び内臓過敏症は、異なる原因及び病態生理学を有する異なる状態の、別個の構成要素である。
【0050】
実施例で示すように、本発明の細菌組成物は、特に、線維筋痛と診断された患者において、異痛症及び/または痛覚過敏症を低減するのに効果的であり得る。実施形態において、患者は内臓過敏症を患っていない。これに関して、「患う」とは、患者が治療時に、正式に診断されていること、または、正式な診断を受けてはいないが、当該疾患の症状を経験している患者を意味する。
【0051】
好ましい実施形態では、本発明の組成物は、ニューロパシー、複合性局所疼痛症候群、帯状疱疹後神経痛、線維筋痛、または片頭痛と診断された対象における、異痛症及び/または痛覚過敏症の治療または予防に使用するためのものである。好ましい実施形態では、本発明の組成物は、線維筋痛と診断された対象における、異痛症及び/または痛覚過敏症の治療または予防に使用するためのものである。
【0052】
異痛症及び/または痛覚過敏症の治療または予防とは例えば、症状の重症度の軽減、または、悪化頻度、もしくは、患者に対して問題を引き起こすトリガーとなるものの範囲の低下を意味し得る。例えば、いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、重度の異痛症及び/または痛覚過敏症の治療または予防に使用するためのものである。いくつかの実施形態では、重度の異痛症及び/または痛覚過敏症を有する対象は、ニューロパシー、複合性局所疼痛症候群、帯状疱疹後神経痛、線維筋痛、または片頭痛と診断された対象である。いくつかの実施形態では、重度の内臓過敏症を有する対象は、線維筋痛と診断された対象である。
【0053】
いくつかの実施形態では、感覚性過敏症(例えば、異痛症及び/または痛覚過敏症)は、自己免疫性疾患によっては引き起こされない。更に、いくつかの実施形態では、感覚性過敏症(例えば、異痛症及び/または痛覚過敏症)を有する対象は、ニューロパシーと診断された対象であり、ニューロパシーは、自己免疫性疾患によっては引き起こされない。
【0054】
投与方式
本発明の組成物は、本発明の細菌株による、腸への送達、及び/または、腸の部分的もしくは全体的なコロニー形成を可能にするために、胃腸管に投与されるように製剤化されるのが好ましい。いくつかの実施形態では、用語「腸の全体的なコロニー形成(total colonisation of the intestine)」は、細菌が腸の全ての部分(すなわち、小腸、大腸、及び直腸)にコロニー形成したことを意味する。本発明の更なる実施形態では、用語「全体的なコロニー形成」または「部分的なコロニー形成」とは、細菌がそれぞれ、腸内で恒久的または一時的に保持されることを意味する。一般に、本発明の組成物は経口投与されるが、直腸、経鼻、または頬もしくは舌下経路を通して投与されてもよい。
【0055】
特定の実施形態では、本発明の組成物は、泡として、スプレーまたはゲルとして投与され得る。
【0056】
特定の実施形態では、本発明の組成物は、例えば、カカオオイル(カカオバター)、合成硬質脂肪(例えばsuppocire、witepsol)、グリセロ-ゼラチン、ポリエチレングリコール、または石けんグリセリン組成物の形態で、座薬として、例えば直腸座薬として投与されてよい。
【0057】
特定の実施形態では、本発明の組成物は、経鼻胃管、経口胃管、胃管、空腸瘻造術管(J管)、経皮内視鏡胃造瘻術(PEG)などの管、または、胃、空腸にアクセスをもたらす胸壁ポート、及び他の好適なアクセスポートなどのポートを通して胃腸管に投与される。
【0058】
本発明の組成物は、1回投与されてよいし、または、治療レジメンの一部として連続して投与されてよい。特定の実施形態では、本発明の組成物は毎日(一回または数回のいずれか)投与することができる。
【0059】
特定の実施形態では、本発明の組成物は、少なくとも1週間、2週間、1ヶ月、2ヶ月、6ヶ月、または1年の間などの長期間、規則的に、例えば毎日、隔日、または週に1回、投与される。
【0060】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は7日間、14日間、16日間、21日間、もしくは28日間、または7日以下、14日以下、16日以下、21日以下、もしくは28日以下投与される。例えば、いくつかの実施形態では、本発明の組成物は16日間投与される。
【0061】
本発明の特定の実施形態において、本発明に従った治療には、患者の腸内微生物叢の評価を伴う。本発明の株の送達、及び/または本発明の株による部分的もしくは全体的なコロニー形成が達成されず、有効性が観察されない場合には、治療を繰り返すことができ、あるいは、送達、及び/または部分的もしくは全体的なコロニー形成が成功し、有効性が観察された場合には、治療を停止してよい。
【0062】
特定の実施形態では、本発明の組成物は、子宮内で、及び/または生後に子どもの異痛症及び/または痛覚過敏症が生じるのを予防するために、妊娠した動物、例えばヒトなどの哺乳類に投与することができる。
【0063】
本発明の組成物は、感覚性過敏症と診断されている患者に投与することができる。本発明の組成物は、異痛症及び/または痛覚過敏症、または、異痛症及び/または痛覚過敏症と関連する疾患または状態(特に線維筋痛)と診断されている患者、または、異痛症及び/または痛覚過敏症のリスクがあると同定されている患者にもまた投与することができる。組成物は予防的手段としてもまた投与され、健常な患者における異痛症及び/または痛覚過敏症の発症を予防することができる。
【0064】
本発明の組成物は、異常な腸内微生物叢を有すると同定されている患者に投与することができる。例えば、患者は、ブラウティア、及び特にブラウティア ハイドロゲノトロフィカ、ブラウティア ステルコリス、ブラウティア ウェクスレラエ、ブラウティア プロドゥクタ、またはブラウティア コッコイデスによるコロニー形成が減少しているか、またはコロニー形成を有しない場合がある。
【0065】
本発明の組成物は、栄養補助食品などの食品として投与されてよい。
【0066】
一般に、本発明の組成物はヒトの予防または治療のためのものであるが、家禽、ブタ、ネコ、イヌ、ウマ、またはウサギなどの単胃哺乳類を含む動物を治療するために使用してもよい。本発明の組成物は、動物の成長及びパフォーマンスの向上に有用であり得る。動物に投与する場合、強制経口投与を用いてよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、組成物が投与される予定の対象は、成人したヒトである。いくつかの実施形態では、組成物が投与される予定の対象は、乳児のヒトである。
【0068】
組成物
本発明の組成物は、細菌を含む。本発明者らは、ブラウティア属由来の細菌が、感覚性過敏症を治療または予防する、意外な能力を同定した。しかし、ブラウティア属由来の細菌が、その有益な効果を発揮するためには、当該細菌は、小腸に生きたまま効率的に送達される、及び/または、小腸で生存能力がある必要がある。それ故一般に、本発明の組成物は、ブラウティア種の不活化細菌、特に、ブラウティア種の熱不活化細菌を含まない。
【0069】
本発明の組成物は細菌を含む。本発明の好ましい実施形態では、組成物はフリーズドライ形態で製剤化される。本発明の組成物は、本発明の細菌株を含む顆粒またはゼラチンカプセル、例えばハードゼラチンカプセルを含み得る。
【0070】
本発明の組成物は凍結乾燥した細菌を含むのが好ましい。細菌の凍結乾燥は十分に確立された手順であり、関係する手引きは、例えば、参考文献[27~29]で入手可能である。実施例は、凍結乾燥させた組成物が特に有効であることを示している。
【0071】
あるいは、本発明の組成物は、生存能力がある活性細菌培養液を含んでよい。本発明の細胞の培養液は治療上有効であることを、実施例は示している。
【0072】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物中の細菌株は不活化されていない、例えば、熱不活化されていない。いくつかの実施形態では、本発明の組成物中の細菌株は殺滅されていない、例えば、熱殺滅されていない。いくつかの実施形態では、本発明の組成物中の細菌株は弱毒化されていない、例えば、熱弱毒化されていない。例えば、いくつかの実施形態では、本発明の組成物中の細菌株は殺滅されておらず、不活化されておらず、及び/または弱毒化されていない。例えば、いくつかの実施形態では、本発明の組成物中の細菌株は生きている。例えば、いくつかの実施形態では、本発明の組成物中の細菌株は生存能力がある。例えば、いくつかの実施形態では、本発明の組成物中の細菌株は、腸を部分的、または完全にコロニー形成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、本発明の組成物中の細菌株は生存能力があり、腸を部分的、または完全にコロニー形成することができる。
【0073】
本発明の組成物中の細菌株は生存能力があるのが好ましい。本発明の組成物中の細菌株は、腸を部分的、または完全にコロニー形成することができるのが好ましい。本発明の組成物中の細菌株は生存しており、生存能力があることができる。本発明の組成物中の細菌株は生存しており、生存能力があり、かつ、腸を部分的、または完全にコロニー形成することができる。
【0074】
いくつかの実施形態では、組成物は、生きている細菌株と殺滅されている細菌株との混合物を含む。本発明は、上部消化管内で細菌が分解または吸収されるのを予防し、細菌の効果を発揮できないようにするように製剤化された組成物を提供する。例えば、組成物は、脱酸素剤及び/またはプレバイオティクス基質、例えばビタミンC及び非消化性炭水化物を含むことができる。
【0075】
更に、組成物は腸溶製剤化されることができる。これにより確実に、細菌が小腸への経路上で分解されなくなる。
【0076】
好ましい実施形態では、本発明の組成物をカプセル化することで、腸への細菌株の送達が可能となる。カプセル化により、標的位置に送達されるまで、例えば、圧力、酵素活性、または、pHの変化により引き起こされ得る物理的崩壊などの、化学的または物理的刺激による破裂によっての分解から、組成物が保護される。任意の適切なカプセル化法を使用してよい。例示的なカプセル化技術としては、多孔質マトリックス内でのトラップ、固体担体表面での付着または吸着、軟凝集、または架橋剤を用いた自己凝集、及び微孔性膜またはマイクロカプセルへの機械的封入が挙げられる。本発明の組成物の調製に有用であり得るカプセル化におけるガイダンスは、例えば、参考文献[30~31]で入手可能である。
【0077】
組成物は経口投与することができ、錠剤、カプセル、または粉末の形態であることができる。ブラウティアは嫌気性菌であるため、カプセル化された製品が好ましい。
【0078】
本発明の組成物は、治療に有効な量の、本発明の細菌株を含む。治療に有効な量の細菌株は、患者に有益な効果を発揮するのに十分な量である。治療に有効な量の細菌株は、患者の腸への送達、及び/または、患者の腸の部分的もしくは全体的なコロニー形成をもたらすのに十分であり得る。
【0079】
例えば、成人のヒトに対する、細菌の好適な1日用量は、例えば、約1×10~約1×1011コロニー形成単位(CFU);例えば、約1×10~約1×1010CFU;別の実施例では約1×10~約1×1010CFU;別の実施例では約1×10~約1×1011CFU;別の実施例では約1×10~約1×1010CFU;別の実施例では約1×10~約1×1011CFUであることができる。
【0080】
特定の実施形態では、細菌の用量は、1日当たり少なくとも10の細胞、例えば、1日当たり少なくとも1010、少なくとも1011、または少なくとも1012の細胞である。
【0081】
組成物の用量は、組成物の重量に対して、約1×10~約1×1011コロニー形成単位(CFU)/gの細菌株を含んでよい。用量は成人のヒトに好適なものであってよい。例えば、組成物は、約1×10~約1×1011CFU/g;例えば、約1×10~約1×1010CFU/g;別の実施例では約1×10~約1×1010CFU/g;別の実施例では約1×10~約1×1011CFU/g;別の実施例では約1×10~約1×1010CFU/g;別の実施例では約1×10~約1×1011CFU/g;約1×10~約1×1010CFU/gの細菌株を含んでよい。用量は例えば、1g、3g、5g、及び10gであってよい。組成物は、プロバイオティクスとして製剤化してよい。プロバイオティクスは、FAO/WHOにより、十分な量で投与されたときに、宿主に健康上の利益を付与する、生きた微生物として定義される。
【0082】
典型的には、本発明の組成物などのプロバイオティクスは任意に、少なくとも1種の好適なプレバイオティック化合物と組み合わされる。特定の実施形態では、本発明のブロバイオティック組成物は、組成物の全重量に対して、約1~約30重量%のプレバイオティック化合物(例えば、5~20重量%)を含む。公知のプレバイオティクスとしては、イヌリン及びトランスガラクト-オリゴ糖などの、商業製品が挙げられる。
【0083】
プレバイオティック化合物は通常、オリゴもしくは多糖類、または糖アルコールなどの非分解性炭水化物であり、これは、上部消化管で分解または吸収されない。炭水化物は、フルクト-オリゴ糖(すなわちFOS)、短鎖フルクト-オリゴ糖、イヌリン、イソマルト-オリゴ糖、ペクチン、キシロ-オリゴ糖(すなわちXOS)、キトサン-オリゴ糖(すなわちCOS)、β-グルカン、アラブルガム(arable gum)改変及びレジスタントスターチ、ポリデキストロース、D-タガトース、アカシア繊維、イナゴマメ、オート麦、及び柑橘繊維からなる群から選択されてよい。一態様では、プレバイオティクスは、短鎖フルクト-オリゴ糖(簡便性のため、本明細書において以下ではFOSs-c.cとして示す。)であり、上記FOSs-c.cは、一般に、てん菜糖の転換により得られ、3つのグルコース分子が結合したサッカロース分子を含む、消化可能ではない炭水化物である。
【0084】
他のプレバイオティック化合物(例えばビタミンCなど)は、酸素スカベンジャーとして、かつ、インビボでの送達、及び/または部分的もしくは全体的なコロニー形成ならびに生存を改善するために含むことができる。あるいは、本発明のプロバイオティクス組成物を、乳もしくはホエーベースの発酵乳製品といった食品もしくは栄養製品として、または、薬学製品として、経口投与することができる。
【0085】
本発明の組成物は、薬学的に許容される賦形剤または担体を含んでよい。かかる好適な賦形剤の例は、参考文献[32]に見いだされ得る。治療のために使用する、許容される担体または希釈剤は、薬学技術分野において周知であり、例えば参考文献[33]に記載されている。好適な担体の例としては、ラクトース、デンプン、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、マンニトール、ソルビトールなどが挙げられる。好適な希釈剤の例としてはエタノール、グリセロール、及び水が挙げられる。医薬担体、賦形剤または希釈剤の選択は、意図する投与経路及び標準的な薬務に応じて選択することができる。医薬組成物は、担体、賦形剤もしくは希釈剤として、またはこれらに加えて、任意の好適な結合剤(複数可)、滑沢剤(複数可)、懸濁化剤(複数可)、コーティング剤(複数可)、可溶化剤(複数可)を含んでよい。好適な結合剤の例としては、デンプン、ゼラチン、グルコース、無水ラクトース、良流動性ラクトース、β-ラクトース、トウモロコシ甘味料などの天然糖類、アカシア、トラガント(tragacanth)またはアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース及びポリエチレングリコールなどの、天然及び合成ゴムが挙げられる。好適な滑沢剤の例としては、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられる。保存剤、安定剤、染料、及び更には着香剤を、医薬組成物中に提供してよい。防腐剤の例としては、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、システイン、及びp-ヒドロキシ安息香酸のエステルが挙げられ、例えば、いくつかの実施形態では、防腐剤は、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、及びp-ヒドロキシ安息香酸のエステルから選択される。酸化防止剤及び懸濁化剤もまた使用してよい。好適な担体の更なる例は、ショ糖である。防腐剤の更なる例は、システインである。
【0086】
本発明の組成物は、食品として製剤化することができる。例えば、食品は、栄養補助食品などにおいて、本発明の治療効果に加えて栄養効果を付与し得る。同様に、医薬組成物よりも、一般的な食品に一層類似させることにより、食品を製剤化して、本発明の組成物の味を向上させるか、または、組成物を消費するのに一層魅力的にすることができる。特定の実施形態では、本発明の組成物は乳ベースの製品として製剤化される。用語「乳ベースの製品」とは、様々な脂肪含量を有する、任意の液体または半固体の、乳またはホエーベースの製品を意味する。乳ベースの製品は、例えば、牛乳、ヤギの乳、ヒツジの乳、スキムミルク、全乳、粉末乳及びホエーから加工をせずに再度合わせた乳、または、加工製品、例えば、ヨーグルト、凝乳、カード、サワーミルク、サワーホールミルク、バターミルク、及び他のサワーミルク製品であることができる。別の重要な群としては、乳飲料、例えばホエー飲料、発酵乳、コンデンスミルク、乳幼児用乳;フレーバーミルク、アイスクリーム;スイーツなどの乳含有食品が挙げられる。
【0087】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、1または2以上のブラウティア属の細菌株を含み、任意の他の属由来の細菌を含有しないか、または、最小限の量、もしくは生物学的に無関係な量の、別の属由来の細菌のみを含む。
【0088】
特定の実施形態では、本発明の組成物は、単一の細菌種を含有し、任意の他の細菌種は含有しない。特定の実施形態では、本発明の組成物は、単一の細菌株を含有し、任意の他の細菌株は含有しない。例えば、本発明の組成物は、ブラウティア ハイドロゲノトロフィカ種のみの細菌を含み得る。かかる組成物は、わずかな、または生物学的に無関係な量の、他の細菌株または種のみを含み得る。かかる組成物は、他の生物種を実質的に非含有である培養物であってよい。いくつかの実施形態では、かかる組成物は、他の生体の種を実質的に非含有である凍結乾燥物であってよい。
【0089】
いくつかの実施形態では、組成物はクロストリジウム種の細菌を含まず、及び/または、ブラウティア プロドゥクタ種の細菌を含まない。
【0090】
特定の実施形態では、本発明の組成物は、1または2以上の、ブラウティア属の細菌株または細菌種、例えば、ブラウティア ハイドロゲノトロフィカを含み、任意の他の細菌属を含有しないか、または、最小限の量、もしくは生物学的に無関係な量の、別の属由来の細菌のみを含む。
【0091】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、2以上の細菌株または種を含む。例えば、いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、同一種内の、2以上の株(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、または45個より多い株)を含み、任意に、あらゆる他の種由来の細菌を含有しない。一部の実施形態では、本発明の組成物は、同一種内の50個より少ない株(例えば、45、40、35、30、25、20、15、12、10、9、8、7、6、5、4、または3個より少ない株)を含み、任意に、あらゆる他の種由来の細菌を含有しない。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、同一種内の、1~40、1~30、1~20、1~19、1~18、1~15、1~10、1~9、1~8、1~7、1~6、1~5、1~4、1~3、1~2、2~50、2~40、2~30、2~20、2~15、2~10、2~5、6~30、6~15、16~25、または31~50個の株を含み、任意に、あらゆる他の種由来の細菌を含有しない。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、同一種内の2以上の種(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、15、17、20、23、25、30、35、または40個より多い種)を含み、任意に、あらゆる他の属由来の細菌を含有しない。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、同一種内の50個より少ない種(例えば、50、45、40、35、30、25、20、15、12、10、8、7、6、5、4、または3個より少ない種)を含み、任意に、あらゆる他の属由来の細菌を含有しない。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、同一属内の1~50、1~40、1~30、1~20、1~15、1~10、1~9、1~8、1~7、1~6、1~5、1~4、1~3、1~2、2~50、2~40、2~30、2~20、2~15、2~10、2~5、6~30、6~15、16~25、または31~50個の種を含み、任意に、任意の他の属由来の細菌を含有しない。本発明は、前述の任意の組み合わせを含む。
【0092】
いくつかの実施形態では、組成物は、微生物コンソーシアム(consortium)を含む。例えば、いくつかの実施形態では、組成物は、微生物コンソーシアムの一部として、ブラウティア細菌株を含む。例えば、いくつかの実施形態では、ブラウティア細菌株は、腸内でインビボで共生して生存することができる、ブラウティア属及び/または他の属由来の、1または2以上(例えば、少なくとも2、3、4、5、10、15、または20個)の他の細菌株と組み合わせて存在する。例えば、いくつかの実施形態では、組成物は、異なる属由来の細菌株と組み合わせた、ブラウティア ハイドロゲノトロフィカの細菌株を含む。別の実施例において、組成物は、ブラウティア属由来の細菌株と組み合わせたブラウティア ハイドロゲノトロフィカの細菌株を含むか、または、組成物は、ブラウティア属由来の細菌株及び異なる属由来の細菌株と組み合わせた、ブラウティア ハイドロゲノトロフィカの細菌株を含む。いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、単一の生物、例えばヒトの糞便試料から入手した、2またはそれ以上の細菌株を含む。いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、自然には一緒に発見されていない。例えば、いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、少なくとも2つの異なる生物の糞便試料由来の細菌株を含む。いくつかの実施形態では、2つの異なる生体は同一の種、例えば、2人の異なるヒトに由来する。いくつかの実施形態では、2つの異なる生物は、乳児のヒト、及び成人のヒトである。いくつかの実施形態では、2つの異なる生物は、ヒト及び非ヒト哺乳類である。
【0093】
いくつかの実施形態では、組成物は、5、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、または200個より少ない細菌種を含有する微生物コンソーシアムの一部として、ブラウティア細菌株を含む。細菌種は、ブラウティア属、及び/または、腸内でインビボで共生して生存可能な他の属に由来することができる。200個以下の異なる種を含む細菌集団は、多くの数千種類の異なる細菌の種を含有する糞便試料に由来する物質よりも圧倒的に複雑でなく、制御されていることを、当業者は認識するであろう。好ましい実施形態では、組成物は糞便試料、例えば、ヒトの糞便試料ではない。
【0094】
好ましい実施形態では、組成物は、10、11、12、13、14、15、16、17、28、19、20、30、40、または50個より少ない細菌株を含有する微生物コンソーシアムの一部として製剤化されることができる。細菌株は、ブラウティア属、及び/または、腸内でインビボで共生して生存可能な他の属に由来することができる。いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、30個より少ない細菌株を含有する。いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、20個より少ない細菌株を含有する。いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは、10個より少ない細菌株を含有する。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は更に、受託番号DSM 14294として寄託されたが、受託番号DSM 14294として寄託されたブラウティア ハイドロゲノトロフィカ株ではない、または、ブラウティア ハイドロゲノトロフィカではない、もしくはブラウティアではない、ブラウティア ハイドロゲノトロフィカ株と同一の安全性及び治療効果特性を有する細菌株を含む。
【0095】
本発明の組成物が2以上の細菌株、種、または属を含むいくつかの実施形態では、個々の細菌株、種、または属は別々に、同時に、または逐次に投与するためのものであってよい。例えば、組成物は、2以上の細菌株、種、もしくは属の全てを含むことができるか、または、細菌株、種、もしくは属は個別に保管され、別々に、同時に、もしくは逐次に投与されてよい。いくつかの実施形態では、2以上の細菌株、種、または属は別々に保管されるが、使用前に一緒に混合される。
【0096】
いくつかの実施形態では、本発明に使用するための細菌株は、成人のヒトの糞便から入手される。本発明の組成物が2以上の細菌株を含むいくつかの実施形態では、細菌株の全てが成人のヒトの糞便から入手されるか、または、他の細菌株が存在する場合、細菌株の全てが、微量のみで存在する。細菌は、成人のヒトの糞便から得られ、本発明の組成物に使用されることに続いて培養されたものであってもよい。
【0097】
いくつかの実施形態では、1または2以上のブラウティア細菌株が唯一の、本発明の組成物中での治療活性剤(複数可)である。いくつかの実施形態では、組成物中の細菌株(複数可)が唯一の、本発明の組成物中の治療的に活性な薬剤(複数可)である。
【0098】
本発明に従った使用のための組成物は、販売承認を必要としても、しなくてもよい。
【0099】
特定の実施形態では、本発明は、上記医薬組成物を提供し、上記細菌株は凍結乾燥されている。特定の実施形態では、本発明は、上記医薬組成物を提供し、上記細菌株は噴霧乾燥されている。特定の実施形態では、本発明は、上記医薬組成物であって、細菌株が凍結乾燥または噴霧乾燥されており、細胞株が生きている、上記医薬組成物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、上記医薬組成物であって、細菌株が凍結乾燥または噴霧乾燥されており、細胞株が生存能力がある、上記医薬組成物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、上記医薬組成物であって、細菌株が凍結乾燥または噴霧乾燥されており、細胞株が、腸を部分的または全体的にコロニー形成することができる、上記医薬組成物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、上記医薬組成物であって、細菌株が凍結乾燥または噴霧乾燥されており、細胞株が生存能力があり、腸を部分的または全体的にコロニー形成することができる、上記医薬組成物を提供する。
【0100】
場合によっては、凍結乾燥または噴霧乾燥した細菌株を、投与前に再構成する。場合によっては、再構成は、本明細書に記載する希釈剤を用いることによる。
【0101】
本発明の組成物は、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、または担体を含んでよい。
【0102】
特定の実施形態では、本発明は、上で論じた細菌株と、薬学的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤と、を含む医薬組成物を提供し、細菌株は、障害の治療を必要とする対象に投与したときに、障害を治療するのに十分な量であり、障害は感覚性過敏症、例えば、ニューロパシー、複合性局所疼痛症候群、帯状疱疹後神経痛、線維筋痛、または片頭痛と関連している感覚性過敏症である。障害は線維筋痛であるのが好ましい。障害は、異痛症及び/または痛覚過敏症、例えば、ニューロパシー、複合性局所疼痛症候群、帯状疱疹後神経痛、線維筋痛、または片頭痛と関連する異痛症及び/または痛覚過敏症であることができる。障害は線維筋痛であるのが好ましい。
【0103】
特定の実施形態では、本発明は、上記医薬組成物を提供し、細菌株の量は、組成物の重量に対して、グラム当たり約1×10~約1×1011コロニー形成単位である。
【0104】
特定の実施形態では、本発明は、上記医薬組成物を提供し、組成物は1g、3g、5g、または10gの用量で投与される。
【0105】
特定の実施形態では、本発明は、上記医薬組成物を提供し、組成物は、経口、直腸、皮下、経鼻、頬、及び舌下からなる群から選択される方法により投与される。
【0106】
特定の実施形態では、本発明は、ラクトース、デンプン、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、マンニトール、及びソルビトールからなる群から選択される担体を含む上記医薬組成物を提供する。
【0107】
特定の実施形態では、本発明は、エタノール、グリセロール、及び水からなる群から選択される希釈剤を含む上記医薬組成物を提供する。
【0108】
特定の実施形態では、本発明は、デンプン、ゼラチン、グルコース、無水ラクトース、良流動性ラクトース、β-ラクトース、トウモロコシ甘味料、アカシア、トラガント、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、及び塩化ナトリウムからなる群から選択される賦形剤を含む上記医薬組成物を提供する。
【0109】
特定の実施形態では、本発明は、保存剤、酸化防止剤、及び安定剤の少なくとも1つを更に含む上記医薬組成物を提供する。
【0110】
特定の実施形態では、本発明は、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、またはp-ヒドロキシ安息香酸のエステルからなる群から選択される保存剤を含む上記医薬組成物を提供する。
【0111】
特定の実施形態では、本発明は、上記医薬組成物を提供し、上記細菌株は凍結乾燥されている。
【0112】
特定の実施形態では、本発明は、上記医薬組成物を提供し、組成物が、約4℃または約25℃の密封容器内に保管され、容器が50%相対湿度を有する雰囲気に配置されるとき、コロニー形成単位で測定した細菌株の少なくとも80%が、少なくとも約1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年、1.5年、2年、2.5年、または3年の期間の後に残存する。
【0113】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、本明細書に記載する組成物を含む密封容器中に提供される。いくつかの実施形態では、密封容器はサッシェまたはビンである。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、本明細書に記載する組成物を含むシリンジ中に提供される。
【0114】
本発明の組成物は、いくつかの実施形態では、医薬製剤として提供されることができる。例えば、組成物を錠剤またはカプセルとして提供することができる。いくつかの実施形態では、カプセルはゼラチンカプセル(「ジェルキャップ」)である。カプセルはハードまたはソフトカプセルであることができる。いくつかの実施形態では、製剤はソフトカプセルである。ソフトカプセルは、カプセルシェルに存在する、軟化剤、例えばグリセロール、ソルビトール、マルチトール、及びポリエチレングリコールなどの添加によって、特定の弾性及び柔軟性を有し得るカプセルである。ソフトカプセルは例えば、ゼラチンまたはデンプンをベースにして作製することができる。ゼラチンベースのソフトカプセルは、種々の供給元から市販されている。例えば経口または直腸などの投与方法に応じて、ソフトカプセルは種々の形状を有することができ、ソフトカプセルは丸形、楕円形、長方形、または魚雷型であることができる。ソフトカプセルは従来のプロセス、例えば、シェーラープロセス、アコジェルプロセス、または液滴もしくはブロープロセスにより作製することができる。
【0115】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は経口投与される。経口投与には嚥下を伴うことができるため、化合物は胃腸管に入る。
【0116】
経口投与に好適な医薬製剤としては、固体プラグ、固体マイクロ粒子、錠剤などの半固体及び液体(多相または分散系を含む);マルチまたはナノ微粒子、液体(例えば、水溶液)、エマルション、または粉末を含有するソフトまたはハードカプセル;ロゼンジ(液体入りを含む);咀嚼錠;ゲル;急速分散用量剤形;フィルム;胚珠錠(ovules);スプレー、及びバッカル錠/粘膜付着性パッチが挙げられる。
【0117】
いくつかの実施形態では、医薬製剤は、腸溶性製剤、すなわち、経口投与により、腸に本発明の組成物を送達するのに好適な、胃に耐性のある(例えば、胃のpHに耐性のある)製剤である。腸溶性製剤は、細菌または組成物の他の構成成分が酸感受性、例えば、胃の条件下で分解を受けやすい場合に、特に有用であることができる。
【0118】
いくつかの実施形態では、腸溶性製剤は、腸溶性コーティングを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、腸溶性コーティングされた剤形である。例えば、製剤は、腸溶性コーティングされた錠剤または腸溶性コーティングされたカプセルなどであってよい。腸溶性コーティングは、従来の腸溶性コーティング、例えば、経口送達用の錠剤、カプセルなどのための、従来のコーティングであってよい。製剤は、フィルムコーティング、例えば、腸溶性ポリマー(例えば酸不溶性ポリマー)の薄膜層を含んでよい。
【0119】
いくつかの実施形態では、腸溶性製剤は本質的に腸溶性である、例えば、腸溶性コーティングを必要とすることなく、胃に耐性がある。したがって、いくつかの実施形態では、製剤は、腸溶性コーティングを含まない腸溶性製剤である。いくつかの実施形態では、製剤は、熱ゲル化材料から作製されるカプセルである。いくつかの実施形態では、熱ゲル化材料は、セルロース系材料、例えばメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、またはヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)である。いくつかの実施形態では、カプセルは、あらゆる膜形成ポリマーを含有しないシェルを含む。いくつかの実施形態では、カプセルはシェルを含み、シェルは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み、あらゆる膜形成ポリマーを含まない(例えば、[34]を参照のこと)。いくつかの実施形態では、製剤は本質的な腸溶性カプセル(例えば、Capsugel製のVcaps(登録商標))である。
【0120】
培養方法
例えば、参考文献[35~37]に詳述されている標準的な微生物学技術を使用して、本発明に使用するための細菌株を培養することができる。
【0121】
培養に用いる固体または液体培地は例えば、YCFA寒天またはYCFA培地であってよい。YCFA培地は、(100mL:およその体積当たり)カジトン(1.0g)、酵母エキス(0.25g)、NaHCO(0.4g)、システイン(0.1g)、KHPO(0.045g)、KHPO(0.045g)、NaCl(0.09g)、(NHSO(0.09g)、MgSO・7HO(0.009g)、CaCl(0.009g)、レサズリン(0.1mg)、ヘミン(1mg)、ビオチン(1μg)、コバラミン(1μg)、p-アミノ安息香酸(3μg)、葉酸(5μg)、及びピリドキサミン(15μg)を含むことができる。
【0122】
概要
本発明の実践では、特に断りのないかぎり、当該技術分野内の、化学、生化学、分子生物学、免疫学、及び薬理学の従来の方法を用いる。かかる技法は文献において十分に説明されている。例えば、参考文献[38~45]などを参照のこと。
【0123】
用語「を含む(comprising)」は、「を含む(including)」及び「からなる(consisting)」を包含し、例えば、X「を含む」組成物は、排他的にXからなり得るか、または、何か他に、例えばX+Yを含み得る。
【0124】
数値xに関する用語「約」は、任意のものであり、例えばx±10%を意味する。
【0125】
語句「実質的に」は、「完全に」を除外するものではなく、例えば、Yを「実質的に非含有」の組成物は、Yを完全に非含有であってよい。必要であれば、語句「実質的に」を、本発明の定義から除外してよい。
【0126】
2つのヌクレオチド配列間の配列同一性のパーセンテージへの言及は、整列されたときに、ヌクレオチドのパーセンテージが、2つの配列の比較において同一であることを意味する。このアラインメント、及び相同性割合または配列同一性は、当該技術分野において公知のソフトウェアプログラム、例えば、参考文献[46]のセクション7.7.18に記載されているものを使用して測定することができる。好ましいアラインメントは、5または12(最も好ましくは12)のギャップオープンペナルティ、及び2のギャップ伸張ペナルティ、62のBLOSUMマトリックスを有する、アフィンギャップ検索を用いるSmith-Watermanホモロジー検索アルゴリズムにより測定される。Smith-Watermanホモロジー検索アルゴリズムは、参考文献[47]に開示されている。
【0127】
具体的に記述されないかぎり、多数の工程を含むプロセスまたは方法は、方法の始まりもしくは終わりに、追加の工程を含むことができるか、または、追加の介在工程を含むことができる。また、工程は適切な場合、組み合わせるか、取り除くか、代わりの順序で実施してよい。
【0128】
本発明の各種実施形態が本明細書に開示されている。各実施形態に明記する形質を、明記した他の形質と組み合わせて、更なる実施形態を提供することができることが理解されよう。特に、好適、典型的、または好ましいものとして本明細書で強調される実施形態は、(それらが相互排他的である場合を除いて)互いに組み合わせることができる。
【0129】
本明細書に引用される全ての特許及び文献参照物は、それら全体が参照により、本明細書に組み込まれる。
【0130】
剤を患者に投与することを含む、治療方法へのあらゆる言及は、当該治療法に使用するための当該剤、加えて、当該治療法における剤の使用、及び薬剤の製造における剤の使用もまたカバーする。
【0131】
以下の実施例は、例証することのみを目的として提供されるものであり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
【実施例
【0132】
発明を実施するための方式
実施例1-線維筋痛の酸-生理食塩水ラットモデルにおける、2つの試験化合物の評価
概要
線維筋痛の酸-生理食塩水ラットモデルを使用することで、動物は、ブラウティア、または、複数の対照のうちの1つを含む組成物のいずれかを受けた。本発明の組成物はとりわけ、このラットモデルにおける機械的異痛症を低減することが発見され、このことは、線維筋痛の低減を示す。
【0133】
動物モデル
実験では、雄のSprague-Dawley SDラットを用いる、線維筋痛の酸-生理食塩水ラットモデルを使用した(n=12/群)。このモデルでは、非炎症性疼痛は、5日の間隔がある酸生理食塩水(pH4.0)の繰返し注射により誘発される。この目的のために、ラットにはイソフルラン(2~4%)を麻酔した後で、左腓腹筋にpH4.0の生理食塩水(100μL)の注射を行った。5日後、本プロセスを繰り返した。痛覚過敏症は、2回目の注射から数時間以内に進行する。モデル誘発を、正常対照ラットの例外を除いて、全ての処理群で実施した。正常対照ラットは、偽注射操作(pH7.2の生理食塩水)を受け、試験物品に使用したものと同様の方法(すなわち、毎日の強制経口投与)で送達される、当体積のビヒクル(すなわち、リン酸緩衝生理食塩水;PBS)を受けた。
【0134】
研究設計
動物を、最低7日間、設備及び実験者の取扱いに順化させ、この間に、ラットはスクロース水への最初の曝露を受け、後の「新しいものを嫌う」効果を予防し、ベースラインの水消費の評価を可能にする。この時点で、ラットは、以下のとおりに、体重に基づいて無作為に処理群に割り当てられた:
【0135】
【表1】
【0136】
順化の最終日に、血液及び糞便試料を入手した。
【0137】
順化フェーズに続き、割り当てられた群に従い、適切な試験物品またはビヒクルの、毎日の強制経口投与を開始した(上記表を参照のこと)。試験の残りの期間、毎日投与を続けた。
【0138】
2週目の処理の間、機械的痛覚過敏症の評価(すなわち、Von Freyモノフィラメント評価)を実施して、ベースライン指標とした。この週の間、後の無快感症試験(anhedonia testing)の準備として、誘発前スクロース消費もまた測定した。血液及び糞便試料を、全2週間の処理終了時に採取した。
【0139】
モデル誘発は、処理の3週目に開始した。ケージ内(cage side)疼痛評価を、モデル誘発後最初の週に、1日当たり2回実施し、次いで、試験の残りの間、1日当たり1回実施した。機械的痛覚過敏症を、誘発後24時間及び72時間にて評価し、また、再び1及び2週間で評価した。一方で、体性感覚後足配置試験、機能的運動評価試験、及び無快感症試験は毎週実施した。挙動試験の終了時に、最終セットの血液及び糞便試料を、安楽死の前日に採取した。
【0140】
安楽死の日に、後の分析のために組織を回収し、調製した。
【0141】

ブラウティア ハイドロゲノトロフィカ(BH)株DSM 14294。
【0142】
体重
施設への到着から24時間後にラットの体重を測定し、その後は最低、週1で測定した。図1は、試験開始時において、群の間に体重の差がないことを示す(正常対照:206.80±9.10g;疾患対照:206.70±6.54g;ブラウティア ハイドロゲノトロフィカ:204.50±10.33g;Lyobuffer:206.80±9.31g)。大部分のラットは、誘発後24時間でいくぶんか体重が減少したが、この減少は、群の間で差はなく、全てのラットは以後の週を通して、体重が増加し続けた。実験の終了時までに、ブラウティア ハイドロゲノトロフィカ処理動物及び正常な対照動物は、疾患対照動物及びLyobuffer処理動物と比較して、より多くの体重が増加したという傾向が観察された。
【0143】
疼痛
疼痛スコアを、誘発後最初の週の間は1日2回割り当て、次いで、試験の間は1日1回割り当てた。スコアリングは、4箇所ラットグリメイススケール(rat grimace scale)を使用して、ケージ内で実施する[48]。評価には、眼窩の締め付け及び鼻/頬の平坦化の有無、加えて、耳及びひげの位置決めを含む。
【0144】
感覚運動機能
触覚後足配置により、触覚及び固有感覚刺激に応答する、感覚運動統合(sensorimotor integration)の評価が可能になる。モデル誘発の後、合計2セッションにわたり、週1でスコアリングを実施した。試験を実施するために、ラットを、実験者の手の中に、四肢を自由に垂らしたまま保持し、体をテーブルの縁に対して45°の角度で維持した。後足の背面部分がテーブルに接触するまで、動物はテーブル表面に向かって上向きに押し上げられる。正常な応答は、テーブル上に足をすぐさま配置するものである。その日のスコアを、5回の試験の平均として記録する。
【0145】
図2は、驚くべきことに、ブラウティア ハイドロゲノトロフィカで処理したラットは2週目に、あらゆる他の群では存在しない現象である、向上したパフォーマンスを示したことを示す。右(注射の同側)足では、この向上は、正常対照及びLyobuffer群の両方と比較して、統計的有意差に達し(それぞれp=0.048、及びp=0.017;T検定)、疾患群(p=0.119;T検定)との差をもたらす傾向にあった。
【0146】
また、興味深いことに、群内での同側と対側での足配置との間で、差が見られた。正常対照のラットは、注射の同側で効果が弱いことを、この評価は示し、これは、2週目までに統計的有意差をもたらす差であった(p=0.054;paired T検定)。対側と比較して同側の足に配置する減少もまた、Lyobuffer群で確認され、これは、1週目及び2週目の両方で統計的有意差となった差であった(それぞれp=0.020、paired T検定)。しかし、疾患対照またはブラウティア ハイドロゲノトロフィカ処理ラットのいずれかに対しては、配置における群の差は確認されなかった。しかし、疾患対照ラットは、両方の時点において同側及び対側配置の両方と等しい困難さを有するように思われ、一方で、ブラウティア ハイドロゲノトロフィカ処理ラットは、2週目において両足で向上した(統計的に有意でない)パフォーマンスを示したことに留意するのが重要である。
【0147】
機能的運動
後足機能を、21箇所Basso、Beatties、Bresnahan(BBB)、Locomotorレーティングスケール[49]の改良版を使用して開放領域でスコアリングし、モデル誘発の後、合計2セッションにわたり、週1で評価を実施した。評価は、足の配置、安定性、つま先の位置決め、跛行、ならびに体重のサポート(活動的及び静止的)を含む。
【0148】
無快感症(スクロース嗜好性)
モデル誘発及び試験物品の投与前に、ラットを、スクロースで甘くした水に順化させ、水消費のベースラインレベルを24時間の期間で確立させた。この最初の曝露の後、スクロース嗜好性試験を、モデル誘発の前の週に実施し、その後、モデルが誘発されてからは週1で実施した。試験のために、通常の水のボトルを、1つは通常の水を含有し、1つは1%スクロース溶液を含有する、予め秤量した2つのボトルで置きかえた。24時間後、ボトルを再び秤量し、それぞれの消費を記録した。24時間の提示期間にわたる、満足感のあるトリーツ(スクロース水)の消費の減少は、抑うつ行動(無快感症)を示すと考えられる。スクロース消費に関しては、群の間で差は確認されなかった。
【0149】
機械的異痛症-Von Freyモノフィラメント試験
Von Freyモノフィラメントを用いて、機械的異痛症の試験を実施し、DixonのUp-Down法によりスコアリングして、50%の足引っ込め閾値をもたらした。モデル誘発の前に、割り当てられた群の間で統計的有意差は確認されなかった。
【0150】
ベースライン(すなわち、モデル誘発の前)、誘発の24時間後、ならびに再び72時間後、1週間後、及び2週間後(合計5セッション)において、試験を実施した。試験装置は、金網(5mmの正方形の開口部)床を備える小型チャンバからなる。装置を上昇させて、各ラットの足の足底面への、モノフィラメントの容易な適用を可能にする。動物を、毎日の試験実行の前に30分間、試験装置に順化させる。ラットのモノフィラメント試験範囲は、3.61~5.18(0.41~15.1gの曲げ力)である。試験は、同側後足の足底領域に垂直な、4.56(標準的)モノフィラメントを2秒適用し、モノフィラメント繊維が確実に曲がるのに十分な圧力で開始する。ラットはモノフィラメントの適用の間、及びその後2秒間観察する。正の応答は後足の俊敏な引っ込めであり、足の震えまたは足を舐めることを含む場合がある。応答が曖昧な場合、同じモノフィラメントを、30秒遅らせた後に再度適用する。応答が正である場合、次の最も軽いモノフィラメントを評価するが、負の応答は、次に重いモノフィラメントの適用が続く。適用の間の時間は10秒である(上で概略を述べた曖昧な応答の例外を除く)。6つの読取り値を分析のために入手する。データ分析は、「アップダウン」法による[50]。正常対照との統計的有意差は、アスタリスクにより示す。
【0151】
図3は、Von Freyモノフィラメント評価の結果を示す。ブラウティア ハイドロゲノトロフィカを含む組成物を投与することにより、対照群と比較して、機械的異痛症における著しい減少がもたらされた。
【0152】
筋肉痛覚過敏症
腓腹筋における機械的侵害受容性閾値を、四肢の引っ込めが発生するまで同側腓腹筋に適用したデジタル圧縮ゲージを使用して、誘発後2週間で定量化した。3回の連続した試験を実施して、平均を取った。引っ込めのときに適用した圧縮力を、圧縮引っ込め閾値として記録した。
【0153】
図4に示すように、この時点における本試験では、主効果は見られなかった。概して、ラットは試験中に予想されるよりも応答性が低く、パイロットスタディの間よりも、引っ込めに対する圧縮スコアが、平均で200~400g高かった。本試験では、群の間で差は存在しないが、ブラウティア ハイドロゲノトロフィカで処理したラットは、陽性対照動物と等しくパフォーマンスを発揮したという点に留意すべきである。
【0154】
終了時における血液の収集
上述の生存中の採血に加えて、ラットの麻酔中に、安楽死させて最終的な心臓血液の収集を行った。血漿試料の調製は、上述したものと同一であり(すなわち、EDTAとリチウム-ヘパリン血漿の両方)、試料を-80℃で保管した。
【0155】
終了時における背根ガングリオンの収集
研究のインビボ部分の終了時に、ラットをイソフルランで深く麻酔にかけて、腸試料を収集し、背根ガングリオン(DRG)を解剖して取り出した。組織回収の後、動物を頭切除により安楽死させた。
【0156】
DRGを解剖して取り出し、10%の中性緩衝ホルマリン(NBF)中に浸漬固定して、30%w/vスクロース溶液中で凍結保護し、凍結させてOCT培地に埋め込み、-80℃で保管した。DRG/動物あたり、3つの10μm厚の切片を、冷凍切片(-21℃)を用いて切断し、TNF-α、及びGFAP用の確認されたマーカーを使用して、各処理群において8匹のラットから、DRG切片の免疫組織化学IHC分析を実施した。
【0157】
終了時の腸組織の収集
試験物品の最終投与からおよそ24時間後に、ラットをイソフルランで深く麻酔にかけて、以下の器官をできるだけ早く回収した:
・ 回腸を、盲腸の上0.5cmで切除し、長手方向に切断し、すすぎ(食塩水で洗い流し)、脂肪及び内容物を注意深く取り除いた。それぞれ1.0cmの、3つの等しい試験片を収集した:
- 近位試料をRNALater(商標)に配置した。
- 中央の試料を液体窒素中で瞬間凍結した。
- 遠位の試料を、4%パラホルムアルデヒド(PFA)中で浸漬固定し、グレード付きのスクロース溶液(15~30%)中で凍結保護し、OCTに埋め込んで凍結した。
・ 盲腸を、その内容物と共に全体を切除し、液体窒素中で瞬間凍結した。
・ 結腸を、盲腸の下0.5cmで切除し、長手方向に切断し、すすぎ(食塩水で洗い流し)、脂肪及び内容物を注意深く取り除いた。上行結腸のそれぞれ1.0cmの、3つの等しい試験片を収集した:
- 近位の試料をRNA Later(商標)中に配置した。
- 中央の試料を液体窒素中で瞬間凍結した。
- 遠位の試料を、4%パラホルムアルデヒド(PFA)中で浸漬固定し、グレード付きのスクロース溶液(15~30%)中で凍結保護し、OCTに埋め込んで凍結した。
・ 横行結腸全体を収集し、長手方向に切断し、すすぎ(食塩水で洗い流し)をして内容物を取り除き、液体窒素中で瞬間凍結した。
・ 下行結腸全体を収集し、長手方向に切断し、すすぎ(食塩水で洗い流し)をして内容物を取り除き、液体窒素中で瞬間凍結した。
【0158】
更なる基準
動物福祉に関する2つの更なる基準を、本研究で評価した。疼痛を、誘発後最初の週は1日2回の、次いで、研究の間は1日1回の、4箇所グリメイススケールを使用してケージ内でスコアリングした。一方、機能的運動は、修正Locomotorレーティングスケールにより評価し、モデル誘発の後、合計2セッションにわたり、週1で評価を実施した。これらの基準のいずれにおいても、障害は確認されず、動物全てが、あらゆる時点において、誘発されていない疼痛または苦痛の顕著な徴候を示さなかった。表2は、これらのデータを示す。
【0159】
【表2】
【0160】
結論
本研究の結果は、ブラウティア ハイドロゲノトロフィカの経口投与は、線維筋痛の酸生理食塩水モデルにおける、より良好な結果を促進するのに資するいくつかの因子に、有益な効果を有するという結論を支持する。Lyobuffer処理は、なんの保護ももたらさず、一貫して、疾患対照レベルと大して変わらないパフォーマンスとなった。ブラウティア ハイドロゲノトロフィカで処理した動物に見られる差は、疾患対照と比較して統計的有意性を生まなかったものの、これは、本モデルが特に、生まれつき本来的に変動するものであるために、生物学的有意性を排除するものではないことに留意することが重要である。
【0161】
いくつかの結果は、本研究の結論を支持する。まず、正常対照、及びブラウティア ハイドロゲノトロフィカで処理したラットは、疾患対照及びLyobuffer群と比較して、モデル誘発後に体重が増加する傾向を示した。
【0162】
挙動試験において、ブラウティア ハイドロゲノトロフィカで処理したラットは、正常対照レベルにて、または、正常対照レベルよりも良好なパフォーマンスを示し、これらの群はいずれも、陽性対照との統計的有意差を示さなかった。更に、体性感覚試験では、ブラウティア ハイドロゲノトロフィカ処理が、誘発後2週目までのパフォーマンスの改善をもたらしたようであったが、これは他の群では確認されなかった功績である。
【0163】
正常対照と疾患対照群とにおける統計的差異の欠如は、以前のパイロット試験からは予想されていなかったが、本プロジェクトを通して必要とされる取扱いの増加の結果であり得る。モデル誘発前の、強制経口投与による実験化合物の毎日の投与、及び本研究の残りの週での継続、加えて、採血の繰返しには、動物が、多くの場合には1日に複数回、規則的に取り扱われ、拘束される必要があった。更に、挙動試験のスケジュールにより、より短期間の、より簡便化されたパイロット試験の間に生じた内容を超えて、繰り返し取り扱うことが余儀なくされた。運動が、線維筋痛の症状を制御するのに有益であり得ることを、人の文献での報告は示している[51]。ラットでは、運動は疼痛応答を減衰させることもまた示した[52]。現在のプロジェクトにおいて、疾患対照を陽性対照動物と比較する際に、測定可能な変化が多くの場合観察された。これらの結果を考慮すると、モデルは単純に、よりわずかな変化を検出するための、誘発後2週目で必要なロバスト性を欠いていたことが可能である。
【0164】
配列
配列番号1(ブラウティア ステルコリス株GAM6-1 16SリボソームRNA遺伝子、部分配列-HM626177)
1 tgcaagtcga gcgaagcgct tacgacagaa ccttcggggg aagatgtaag ggactgagcg
61 gcggacgggt gagtaacgcg tgggtaacct gcctcataca gggggataac agttggaaac
121 ggctgctaat accgcataag cgcacggtat cgcatgatac agtgtgaaaa actccggtgg
181 tatgagatgg acccgcgtct gattagctag ttggaggggt aacggcccac caaggcgacg
241 atcagtagcc ggcctgagag ggtgaacggc cacattggga ctgagacacg gcccagactc
301 ctacgggagg cagcagtggg gaatattgca caatggggga aaccctgatg cagcgacgcc
361 gcgtgaagga agaagtatct cggtatgtaa acttctatca gcagggaaga aaatgacggt
421 acctgactaa gaagccccgg ctaactacgt gccagcagcc gcggtaatac gtagggggca
481 agcgttatcc ggatttactg ggtgtaaagg gagcgtagac ggaagagcaa gtctgatgtg
541 aaaggctggg gcttaacccc aggactgcat tggaaactgt ttttcttgag tgccggagag
601 gtaagcggaa ttcctagtgt agcggtgaaa tgcgtagata ttaggaggaa caccagtggc
661 gaaggcggct tactggacgg taactgacgt tgaggctcga aagcgtgggg agcaaacagg
721 attagatacc ctggtagtcc acgccgtaaa cgatgaatac taggtgttgg ggagcaaagc
781 tcttcggtgc cgcagcaaac gcaataagta ttccacctgg ggagtacgtt cgcaagaatg
841 aaactcaaag gaattgacgg ggacccgcac aagcggtgga gcatgtggtt taattcgaag
901 caacgcgaag aaccttacca agtcttgaca tcgatctgac cggttcgtaa tggaaccttt
961 ccttcgggac agagaagaca ggtggtgcat ggttgtcgtc agctcgtgtc gtgagatgtt
1021 gggttaagtc ccgcaacgag cgcaacccct atcctcagta gccagcaggt gaagctgggc
1081 actctgtgga gactgccagg gataacctgg aggaaggcgg ggacgacgtc aaatcatcat
1141 gccccttatg atttgggcta cacacgtgct acaatggcgt aaacaaaggg aagcgagccc
1201 gcgaggggga gcaaatccca aaaataacgt cccagttcgg actgcagtct gcaactcgac
1261 tgcacgaagc tggaatcgct agtaatcgcg aatcagaatg tcgcggtgaa tacgttcccg
1321 ggtcttgtac acaccgcccg tcacaccatg ggagtcagta acgcccgaag tc
配列番号2(ブラウティア ウェクスレラエ株WAL 14507 16SリボソームRNA遺伝子、部分配列-EF036467)
1 caagtcgaac gggaattant ttattgaaac ttcggtcgat ttaatttaat tctagtggcg
61 gacgggtgag taacgcgtgg gtaacctgcc ttatacaggg ggataacagt cagaaatggc
121 tgctaatacc gcataagcgc acagagctgc atggctcagt gtgaaaaact ccggtggtat
181 aagatggacc cgcgttggat tagcttgttg gtggggtaac ggcccaccaa ggcgacgatc
241 catagccggc ctgagagggt gaacggccac attgggactg agacacggcc cagactccta
301 cgggaggcag cagtggggaa tattgcacaa tgggggaaac cctgatgcag cgacgccgcg
361 tgaaggaaga agtatctcgg tatgtaaact tctatcagca gggaagatag tgacggtacc
421 tgactaagaa gccccggcta actacgtgcc agcagccgcg gtaatacgta gggggcaagc
481 gttatccgga tttactgggt gtaaagggag cgtagacggt gtggcaagtc tgatgtgaaa
541 ggcatgggct caacctgtgg actgcattgg aaactgtcat acttgagtgc cggaggggta
601 agcggaattc ctagtgtagc ggtgaaatgc gtagatatta ggaggaacac cagtggcgaa
661 ggcggcttac tggacggtaa ctgacgttga ggctcgaaag cgtggggagc aaacaggatt
721 agataccctg gtagtccacg ccgtaaacga tgaataacta ggtgtcgggt ggcaaagcca
781 ttcggtgccg tcgcaaacgc agtaagtatt ccacctgggg agtacgttcg caagaatgaa
841 actcaaagga attgacgggg acccgcacaa gcggtggagc atgtggttta attcgaagca
901 acgcgaagaa ccttaccaag tcttgacatc cgcctgaccg atccttaacc ggatctttcc
961 ttcgggacag gcgagacagg tggtgcatgg ttgtcgtcag ctcgtgtcgt gagatgttgg
1021 gttaagtccc gcaacgagcg caacccctat cctcagtagc cagcatttaa ggtgggcact
1081 ctggggagac tgccagggat aacctggagg aaggcgggga tgacgtcaaa tcatcatgcc
1141 ccttatgatt tgggctacac acgtgctaca atggcgtaaa caaagggaag cgagattgtg
1201 agatggagca aatcccaaaa ataacgtccc agttcggact gtagtctgca acccgactac
1261 acgaagctgg aatcgctagt aatcgcggat cagaatgccg cggtgaatac gttcccgggt
1321 cttgtacaca ccgcccgtca caccatggga gtcagtaacg cccgaagtca gtgacctaac
1381 tgcaaagaag gagctgccga aggcgggacc gatgactggg gtgaagtcgt aacaaggt
配列番号3(ブラウティア ステルコリス株830のコンセンサス16S rRNA配列)
TTTKGTCTGGCTCAGGATGAACGCTGGCGGCGTGCTTAACACATGCAAGTCGAGCGAAGCGCTTACGACAGAACCTTCGGGGGAAGATGTAAGGGACTGAGCGGCGGACGGGTGAGTAACGCGTGGGTAACCTGCCTCATACAGGGGGATAACAGTTGGAAACGGCTGCTAATACCGCATAAGCGCACAGTATCGCATGATACAGTGTGAAAAACTCCGGTGGTATGAGATGGACCCGCGTCTGATTAGCTAGTTGGAGGGGTAACGGCCCACCAAGGCGACGATCAGTAGCCGGCCTGAGAGGGTGAACGGCCACATTGGGACTGAGACACGGCCCAGACTCCTACGGGAGGCAGCAGTGGGGAATATTGCACAATGGGGGAAACCCTGATGCAGCGACGCCGCGTGAAGGAAGAAGTATCTCGGTATGTAAACTTCTATCAGCAGGGAAGAAAATGACGGTACCTGACTAAGAAGCCCCGGCTAACTACGTGCCAGCAGCCGCGGTAATACGTAGGGGGCAAGCGTTATCCGGATTTACTGGGTGTAAAGGGAGCGTAGACGGAAGAGCAAGTCTGATGTGAAAGGCTGGGGCTTAACCCCAGGACTGCATTGGAAACTGTTTTTCTTGAGTGCCGGAGAGGTAAGCGGAATTCCTAGTGTAGCGGTGAAATGCGTAGATATTAGGAGGAACACCAGTGGCGAAGGCGGCTTACTGGACGGTAACTGACGTTGAGGCTCGAAAGCGTGGGGAGCAAACAGGATTAGATACCCTGGTAGTCCACGCCGTAAACGATGAATACTAGGTGTTGGGGAGCAAAGCTCTTCGGTGCCGCAGCAAACGCAATAAGTATTCCACCTGGGGAGTACGTTCGCAAGAATGAAACTCAAAGGAATTGACGGGGACCCGCACAAGCGGTGGAGCATGTGGTTTATTCGAAGCAACGCGAAGAACCTTACCAAGTCTTGACATCGATCTGACCGGTTCGTAATGGAACCTTTCCTTCGGGACAGAGAAGACAGGTGGTGCATGGTTGTCGTCAGCTCGTGTCGTGAGATGTTGGGTTAAGTCCCGCAACGAGCGCAACCCCTATCGTCAGTAGCCAGCAGGTAAAGCTGGGCACTCTGAGGAGACTGCCAGGGATAACCTGGAGGAAGGCGGGGACGACGTCAAATCATCATGCCCCTTATGATTTGGGCTACACACGTGCTACAATGGCGTAAACAAAGGGAAGCGAGCCCGCGAGGGGGAGCAAATCCCAAAAATAACGTCCCAGTTCGGACTGCAGTCTGCAACTCGACTGCACGAAGCTGGAATCGCTAGTAATCGCGAATCAGAATGTCGCGGTGAATACGTTCCCGGGTCTTGTACACACCGCCCGTCACACCATGGGAGTCAGTAACGCCCGAAGTCAGTGACCCAACCTTAGGGAGGGAGCTGCCGAAGGCGGGATTGATAACTGGGGTGAAGTCTAGGGGGT
配列番号4(ブラウティア ウェクスレラエ株NCIMB 42486のコンセンサス16S rRNA配列)
TTCATTGAGACTTCGGTGGATTTAGATTCTATTTCTAGTGGCGGACGGGTGAGTAACGCGTGGGTAACCTGCCTTATACAGGGGGATAACAGTCAGAAATGGCTGCTAATACCGCATAAGCGCACAGAGCTGCATGGCTCAGTGTGAAAAACTCCGGTGGTATAAGATGGACCCGCGTTGGATTAGCTTGTTGGTGGGGTAACGGCCCACCAAGGCGACGATCCATAGCCGGCCTGAGAGGGTGAACGGCCACATTGGGACTGAGACACGGCCCAGACTCCTACGGGAGGCAGCAGTGGGGAATATTGCACAATGGGGGAAACCCTGATGCAGCGACGCCGCGTGAAGGAAGAAGTATCTCGGTATGTAAACTTCTATCAGCAGGGAAGATAGTGACGGTACCTGACTAAGAAGCCCCGGCTAACTACGTGCCAGCAGCCGCGGTAATACGTAGGGGGCAAGCGTTATCCGGATTTACTGGGTGTAAAGGGAGCGTAGACGGTGTGGCAAGTCTGATGTGAAAGGCATGGGCTCAACCTGTGGACTGCATTGGAAACTGTCATACTTGAGTGCCGGAGGGGTAAGCGGAATTCCTAGTGTAGCGGTGAAATGCGTAGATATTAGGAGGAACACCAGTGGCGAAGGCGGCTTACTGGACGGTAACTGACGTTGAGGCTCGAAAGCGTGGGGAGCAAACAGGATTAGATACCCTGGTAGTCCACGCCGTAAACGATGAATACTAGGTGTCNGGGGAGCATGGCTCTTCGGTGCCGTCGCAAACGCAGTAAGTATTCCACCTGGGGAGTACGTTCGCAAGAATGAAACTCAAAGGAATTGACGGGGACCCGCACAAGCGGTGGAGCATGTGGTTTAATTCGAAGCAACGCGAAGAACCTTACCAAGTCTTGACATCCGCCTGACCGATCCTTAACCGGATCTTTCCTTCGGGACAGGCGAGACAGGTGGTGCATGGTTGTCGTCAGCTCGTGTCGTGAGATGTTGGGTTAAGTCCCGCAACGAGCGCAACCCCTATCCTCAGTAGCCAGCATTTAAGGTGGGCACTCTGGGGAGACTGCCAGGGATAACCTGGAGGAAGGCGGGGATGACGTCAAATCATCATGCCCCTTATGATTTGGGCTACACACGTGCTACAATGGCGTAAACAAAGGGAAGCGAGATCGTGAGATGGAGCAAATCCCAAAAATAACGTCCCAGTTCGGACTGTAGTCTGCAACCCGACTACACGAAGCTGGAATCGCTAGTAATCGCGGATCAGAATGCCGCGGTGAATACGTTCCCGGGTCTTGTACACACCGCCCGTCACACCATGGGAGTCAGTAACGCCCGAAGTCAGTGACCTAACTGCAAAGAAGGAGCTGCCGAA
配列番号5(ブラウティア ハイドロゲノトロフィカ株S5a36 16SリボソームRNA遺伝子、部分配列-X95624.1)
1 gatgaacgct ggcggcgtgc ttaacacatg caagtcgaac gaagcgatag agaacggaga
61 tttcggttga agttttctat tgactgagtg gcggacgggt gagtaacgcg tgggtaacct
121 gccctataca gggggataac agttagaaat gactgctaat accgcataag cgcacagctt
181 cgcatgaagc ggtgtgaaaa actgaggtgg tataggatgg acccgcgttg gattagctag
241 ttggtgaggt aacggcccac caaggcgacg atccatagcc ggcctgagag ggtgaacggc
301 cacattggga ctgagacacg gcccaaactc ctacgggagg cagcagtggg gaatattgca
361 caatggggga aaccctgatg cagcgacgcc gcgtgaagga agaagtatct cggtatgtaa
421 acttctatca gcagggaaga aagtgacggt acctgactaa gaagccccgg ctaattacgt
481 gccagcagcc gcggtaatac gtaaggggca agcgttatcc ggatttactg ggtgtaaagg
541 gagcgtagac ggtttggcaa gtctgatgtg aaaggcatgg gctcaacctg tggactgcat
601 tggaaactgt cagacttgag tgccggagag gcaagcggaa ttcctagtgt agcggtgaaa
661 tgcgtagata ttaggaggaa caccagtggc gaaggcggcc tgctggacgg taactgacgt
721 tgaggctcga aagcgtgggg agcaaacagg attagatacc ctggtagtcc acgctgtaaa
781 cgatgaatac taggtgtcgg gtggcaaagc cattcggtgc cgcagcaaac gcaataagta
841 ttcccacctg gggagtacgt tcgcaagaat gaaactcaaa ggaattgacg gggacccgca
901 caagcggtgg agcatgtggt ttaattcgaa gcaacgcgaa gaaccttacc aaatcttgac
961 atccctctga ccgggaagta atgttccctt ttcttcggaa cagaggagac aggtggtgca
1021 tggttgtcgt cagctcgtgt cgtgagatgt tgggttaagt cccgcaacga gcgcaaccct
1081 tattcttagt agccagcagg tagagctggg cactctaggg agactgccag ggataacctg
1141 gaggaaggtg gggatgacgt caaatcatca tgccccttat gatttgggct acacacgtgc
1201 tacaatggcg taaacaaagg gaagcgaagg ggtgacctgg agcaaatctc aaaaataacg
1261 tctcagttcg gattgtagtc tgcaactcga ctacatgaag ctggaatcgc tagtaatcgc
1321 gaatcagaat gtcgcggtga atacgttccc gggtcttgta cacaccgccc gtcacaccat
1381 gggagtcagt aacgcccgaa gtcagtgacc caaccnaaag gagggagctg ccgaaggtgg
1441 gactgataac tggggtga
配列番号6(ブラウティア プロドゥクタ株NCIMB 43170 16S rRNA遺伝子配列-コンセンサス)
GACTTCGGGCGTTACTGACTCCCATGGTGTGACGGGCGGTGTGTACAAGACCCGGGAACGTATTCACCGCGGCATTCTGATCCGCGATTACTAGCGATTCCAGCTTCGTGCAGTCGAGTTGCAGACTGCAGTCCGAACTGGGACGTTATTTTTGGGATTCGCTCAACATCGCTGTCTCGCTTCCCTTTGTTTACGCCATTGTAGCACGTGTGTAGCCCAAATCATAAGGGGCATGATGATTTGACGTCGTCCCCGCCTTCCTCCGGGTTATCCCCGGCAGTCTCCCTAGAGTGCCCACCATCATGTGCTGGCTACTAAGGATAAGGGTTGCGCTCGTTGCGGGACTTAACCCAACATCTCACGACACGAGCTGACGACAACCATGCACCACCTGTCTCCTCTGCCCCGAAGGGAAGTCCCCGTTACGGGACGGTCAGAGGGATGTCAAGACTTGGTAAGGTTCTTCGCGTTGCTTCGAATTAAACCACATGCTCCACCGCTTGTGCGGGTCCCCGTCAATTCCTTTGAGTTTCATTCTTGCGAACGTACTCCCCAGGTGGAATACTTATTGCGTTTGCTGCGGCACCGAATGGCTTTGCCACCCGACACCTAGTATTCATCGTTTACGGCGTGGACTACCAGGGTATCTAATCCTGTTTGCTCCCCACGCTTTCGAGCCTCAACGTCAGTTACCGTCCAGTAAGCCGCCTTCGCCACTGGTGTTCCTCCTAATATCTACGCATTTCACCGCTACACTAGGAATTCCGCTTACCTCTCCGGCACTCTAGAACAACAGTTTCCAATGCAGTCCTGGGGTTAAGCCCCAGCCTTTCACATCAGACTTGCTCTTCCGTCTACGCTCCCTTTACACCCAGTAAATCCGGATAACGCTTGCCCCCTACGTATTACCGCGGCTGCTGGCACGTAGTTAGCCGGGGCTTCTTAGTCAGGTACCGTCATTTTCTTCCCTGCTGATAGAAGTTTACATACCGAGATACTTCTTCCTTCACGCGGCGTCGCTGCATCAGGGTTTCCCCCATTGTGCAATATTCCCCACTGCTGCCTCCCGTAGGAGTCTGGGCCGTGTCTCAGTCCCAATGTGGCCGTTCACCCTCTCAGGCCGGCTACTGATCGTCGCCTTGGTGGGCCGTTACCCCTCCAACTAGCTAATCAGACGCGGGTCCATCTCATACCACCGGAGTTTTTCACACCAGACCATGCGGTCCTGTGCGCTTATGCGGTATTAGCAGTCATTTCTAACTGTTATCCCCCTGTATGAGGCAGGTTACCCACGCGTTACTCACCCGTCCGCCGCTCAGTCACAAAGACTTCAATCCGAAGAAATCCTGTCTTAGTGCTTCGCT
配列番号7-ブラウティア コッコイデス株16S rRNA遺伝子配列-Geneiousを用いてアセンブルした、コンティグ15コンセンサス配列2読取り値
TCGGCAGCTCCTTCCTTTCGGTTAGGTCACTGACTTCGGGCGTTACTGACTCCCATGGTGTGACGGGCGGTGTGTACAAGACCCGGGAACGTATTCACCGCGGCATTCTGATCCGCGATTACTAGCGATTCCAGCTTCGTGCAGTCGAGTTGCAGACTGCAGTCCGAACTGGGACGTTATTTTTGGGATTCGCTCAACATCGCTGTCTCGCTTCCCTTTGTTTACGCCATTGTAGCACGTGTGTAGCCCAAATCATAAGGGGCATGATGATTTGACGTCGTCCCCGCCTTCCTCCGGGTTATCCCCGGCAGTCTCCCTAGAGTGCCCACCATCATGTGCTGGCTACTAAGGATAAGGGTTGCGCTCGTTGCGGGACTTAACCCAACATCTCACGACACGAGCTGACGACAACCATGCACCACCTGTCTCCTCTGCCCCGAAGGGAAGTCCCCGTTACGGGACGGTCAGAGGGATGTCAAGACTTGGTAAGGTTCTTCGCGTTGCTTCGAATTAAACCACATGCTCCACCGCTTGTGCGGGTCCCCGTCAATTCCTTTGAGTTTCATTCTTGCGAACGTACTCCCCAGGTGGAATACTTATTGCGTTTGCTGCGGCACCGAATGGCTTTGCCACCCGACACCTAGTATTCATCGTTTACGGCGTGGACTACCAGGGTATCTAATCCTGTTTGCTCCCCACGCTTTCGAGCCTCAACGTCAGTTACCGTCCAGTAAGCCGCCTTCGCCACTGGTGTTCCTCCTAATATCTACGCATTTCACCGCTACACTAGGAATTCCGCTTACCTCTCCGGCACTCTAGAACAACAGTTTCCAATGCAGTCCTGGGGTTAAGCCCCAGCCTTTCACATCAGACTTGCTCTTCCGTCTACGCTCCCTTTACACCCAGTAAATCCGGATAACGCTTGCCCCCTACGTATTACCGCGGCTGCTGGCACGTAGTTAGCCGGGGCTTCTTAGTCAGGTACCGTCATTTTCTTCCCTGCTGATAGAAGTTTACATACCGAGATACTTCTTCCTTCACGCGGCGTCGCTGCATCAGGGTTTCCCCCATTGTGCAATATTCCCCACTGCTGCCTCCCGTAGGAGTCTGGGCCGTGTCTCAGTCCCAATGTGGCCGTTCACCCTCTCAGGCCGGCTACTGATCGTCGCCTTGGTGGGCCGTTACCCCTCCAACTAGCTAATCAGACGCGGGTCCATCTCATACCACCGGAGTTTTTCACACCAGACCATGCGGTCCTGTGCGCTTATGCGGTATTAGCAGTCATTTCTAACTGTTATCCCCCTGTATGAGGCAGGTTACCCACGCGTTACTCACCCGTCCGCCGCTCAGTCACAAAGACTTCAATCCGAAGAAATCCGTCTTAGTGCTTCGCTCGACTGCA
配列番号8-ブラウティア コッコイデス株16S rRNA遺伝子配列-Geneiousを用いてアセンブルした、コンティグコンセンサス配列2読取り値
GGTCGCTTCGGCAGCTCTTCCTTTCGGTTAGGTCACTGACTTCGGGCGTTACTGACTCCCATGGTGTGACGGGCGGTGTGTACAAGACCCGGGAACGTATTCACCGCGGCATTCTGATCCGCGATTACTAGCGATTCCAGCTTCGTGCAGTCGAGTTGCAGACTGCAGTCCGAACTGGGACGTTATTTTTGGGATTCGCTCAACATCGCTGTCTCGCTTCCCTTTGTTTACGCCATTGTAGCACGTGTGTAGCCCAAATCATAAGGGGCATGATGATTTGACGTCGTCCCCGCCTTCCTCCGGGTTATCCCCGGCAGTCTCCCTAGAGTGCCCACCATCATGTGCTGGCTACTAAGGATAAGGGTTGCGCTCGTTGCGGGACTTAACCCAACATCTCACGACACGAGCTGACGACAACCATGCACCACCTGTCTCCTCTGCCCCGAAGGGAAGTCCCCGTTACGGGACGGTCAGAGGGATGTCAAGACTTGGTAAGGTTCTTCGCGTTGCTTCGAATTAAACCACATGCTCCACCGCTTGTGCGGGTCCCCGTCAATTCCTTTGAGTTTCATTCTTGCGAACGTACTCCCCAGGTGGAATACTTATTGCGTTTGCTGCGGCACCGAATGGCTTTGCCACCCGACACCTAGTATTCATCGTTTACGGCGTGGACTACCAGGGTATCTAATCCTGTTTGCTCCCCACGCTTTCGAGCCTCAACGTCAGTTACCGTCCAGTAAGCCGCCTTCGCCACTGGTGTTCCTCCTAATATCTACGCATTTCACCGCTACACTAGGAATTCCGCTTACCTCTCCGGCACTCTAGAACAACAGTTTCCAATGCAGTCCTGGGGTTAAGCCCCAGCCTTTCACATCAGACTTGCTCTTCCGTCTACGCTCCCTTTACACCCAGTAAATCCGGATAACGCTTGCCCCCTACGTATTACCGCGGCTGCTGGCACGTAGTTAGCCGGGGCTTCTTAGTCAGGTACCGTCATTTTCTTCCCTGCTGATAGAAGTTTACATACCGAGATACTTCTTCCTTCACGCGGCGTCGCTGCATCAGGGTTTCCCCCATTGTGCAATATTCCCCACTGCTGCCTCCCGTAGGAGTCTGGGCCGTGTCTCAGTCCCAATGTGGCCGTTCACCCTCTCAGGCCGGCTACTGATCGTCGCCTTGGTGGGCCGTTACCCCTCCAACTAGCTAATCAGACGCGGGTCCATCTCATACCACCGGAGTTTTTCACACCAGACCATGCGGTCCTGTGCGCTTATGCGGTATTAGCAGTCATTTCTAACTGTTATCCCCCTGTATGAGGCAGGTTACCCACGCGTTATCACCCGTCCGCCGCTCAGTCACAAAGACTTCAATCCGAAGAAATCCGTCTTAGCGCTCCGCTCGACTGCATGGTAGC
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図1
図2
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図4
【配列表】
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