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特許7075709移動通信ネットワークにおけるユーザ機器位置特定
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-18
(45)【発行日】2022-05-26
(54)【発明の名称】移動通信ネットワークにおけるユーザ機器位置特定
(51)【国際特許分類】
   G01S 5/10 20060101AFI20220519BHJP
   G01S 5/08 20060101ALI20220519BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20220519BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20220519BHJP
【FI】
G01S5/10 Z
G01S5/08
H04W16/28
H04W64/00 140
H04W64/00 130
H04W64/00 160
【請求項の数】 28
(21)【出願番号】P 2019518563
(86)(22)【出願日】2017-10-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-10-31
(86)【国際出願番号】 EP2017075599
(87)【国際公開番号】W WO2018069208
(87)【国際公開日】2018-04-19
【審査請求日】2019-05-23
(31)【優先権主張番号】16193154.8
(32)【優先日】2016-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】500341779
【氏名又は名称】フラウンホーファー-ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デル・アンゲヴァンテン・フォルシュング・アインゲトラーゲネル・フェライン
(74)【代理人】
【識別番号】100134119
【弁理士】
【氏名又は名称】奥町 哲行
(72)【発明者】
【氏名】グロスマン・マーカス
(72)【発明者】
【氏名】ランドマン・マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ハダシク・ニールズ
【審査官】梶田 真也
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-509484(JP,A)
【文献】特開2015-184113(JP,A)
【文献】特開2010-041285(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0131750(US,A1)
【文献】特開2009-188925(JP,A)
【文献】特開2002-171214(JP,A)
【文献】特開2001-309424(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0011238(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0295366(US,A1)
【文献】特表2010-525668(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 5/00 - 5/14
G01S 19/00 - 19/55
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信機であって、
前記受信機(UE)は、ワイヤレス通信ネットワークの送信機(eNB)によって担当される対象の空間領域(118)に配置され、
前記受信機(UE)は、前記ワイヤレス通信ネットワークの1つの送信機(eNB)から無線信号(252)を受信するように構成され、前記無線信号(252)は、複数の測位基準信号(PRS)シーケンスを含み、各PRSシーケンスは、異なるPRSシーケンス識別子と関連付けられており、各PRSシーケンスは、前記対象の空間領域(118)に向けられる前記複数のPRSシーケンスを送るために前記1つの送信機(eNB)の異なるビームコーン(116)、および前記1つの送信機(eNB)の前記ビームコーン(116)を使用して送られ、
前記受信機(UE)は、前記無線信号(252)を処理し、前記異なるビームコーン(116)を使用して前記1つの送信機(eNB)から受信された各PRSシーケンスの到着時間(TOA)を推定し、各PRSシーケンスについて前記関連するPRSシーケンス識別子を取得するように構成され、各PRSシーケンスについて前記PRSシーケンス識別子と関連付けられている前記1つの送信機(eNB)における前記ビームコーン(116)の出発角(AoD)を取得するように構成され、
前記受信機(UE)は、前記受信機(UE)における前記1つの送信機(eNB)からの前記PRSシーケンスの前記到着時間、到来角(AoA)、および前記1つの送信機(eNB)における前記ビームコーン(116)の前記出発角(AoD)を使用して、マルチパスチャネル伝搬環境の幾何学的記述に基づいて、その位置を推定するように構成される、
受信機。
【請求項2】
前記受信機(UE)が、前記ワイヤレス通信ネットワークの異なるセルの複数の送信機(eNB~eNB)から複数の無線信号(252)を受信するように構成され、各無線信号(252)が、前記複数のPRSシーケンスを含み、各PRSシーケンスが、セル識別子と関連付けられている。
前記受信機(UE)が、各PRSシーケンスについて前記関連するセル識別子をさらに取得するように構成され、
前記受信機(UE)が、前記取得されたセル識別子を使用して、その位置をさらに推定するように構成される、
請求項1に記載の受信機。
【請求項3】
受信機であって、
前記受信機(UE)は、ワイヤレス通信ネットワークの送信機(eNB)によって担当される対象の空間領域(118)に配置され、
前記受信機(UE)は、前記ワイヤレス通信ネットワークの1つの送信機(eNB)から無線信号(252)を受信するように構成され、前記無線信号(252)は、複数の測位基準信号(PRS)シーケンスを含み、各PRSシーケンスは、異なるPRSシーケンス識別子と関連付けられており、各PRSシーケンスは、前記対象の空間領域(118)に向けられる前記複数のPRSシーケンスを送るために前記1つの送信機(eNB)の異なるビームコーン(116)、および前記1つの送信機(eNB)の前記ビームコーン(116)を使用して送られ、
前記受信機(UE)は、前記無線信号(252)を処理し、前記異なるビームコーン(116)を使用して前記1つの送信機(eNB)から受信された各PRSシーケンスの到着時間(TOA)を推定し、各PRSシーケンスについて前記関連するPRSシーケンス識別子を取得するように構成され、
前記受信機は、前記ワイヤレス通信ネットワークのロケーションサーバ(110)または前記送信機(eNB)が、前記受信機(UE)における前記1つの送信機(eNB)からの前記PRSシーケンス識別子の前記到着時間、到来角(AoA)、および前記送信機(eNB)における前記PRSシーケンスのビームコーン(116)の出発角(AoD)を使用して、マルチパスチャネル伝搬環境の幾何学的記述に基づいて、前記受信機(UE)の位置を推定できるように、前記推定された到着時間および前記取得されたPRSシーケンス識別子を前記ロケーションサーバ(110)または前記送信機(eNB)に送るように構成される、受信機。
【請求項4】
前記推定された到着時間および前記取得されたPRSシーケンス識別子を前記ロケーションサーバ(110)に送るときに、前記送信機(eNB~eNB)が、前記ロケーションサーバ(110)に接続される、請求項3に記載の受信機。
【請求項5】
前記受信機(UE)の前記位置が、前記ビームコーン(116)の指向方向および前記送信機(eNB~eNB)の座標をさらに使用して前記受信機(UE)によって推定される、請求項1または2に記載の受信機。
【請求項6】
各ビームコーン(116)が、前記ビームコーン(116)の前記指向方向と、前記送信機(eNB~eNB)の前記座標とを含むシステム情報を送信し、または前記受信機(UE)が、前記ビームコーン(116)の前記指向方向と、前記送信機(eNB~eNB)の前記座標とを含むデータベースにアクセスするように構成される、請求項5に記載の受信機。
【請求項7】
複数の受信アンテナを備え、前記受信機(UE)が、グローバル座標系における各PRSシーケンスの到来角(AoA)をさらに推定するように構成される、請求項1~4のいずれか一項に記載の受信機。
【請求項8】
前記推定された到着時間、前記ビームコーン(116)の指向方向および前記到来角を使用して前記受信機(UE)の位置を計算するように構成される、請求項7に記載の受信機。
【請求項9】
ジャイロスコープを備え、前記受信機(UE)が、前記ジャイロスコープからのデータをさらに使用して前記受信機(UE)の向きを計算するように構成される、請求項8に記載の受信機。
【請求項10】
受信された信号電力、または各ビームコーン(116)の信頼性の任意の他の尺度を測定し、かつ
前記受信された信号電力を使用してPRSシーケンスの見通し内(LOS)伝搬または見通し外(NLOS)伝搬を決定し、または
前記受信された信号電力を使用してPRSシーケンスの見通し内(LOS)伝播または見通し外(NLOS)伝播を決定するために前記送信機に前記受信された信号電力、または各ビームコーン(116)の信頼性の他の任意の尺度を送信する
ように構成される、請求項1~9のいずれか一項に記載の受信機。
【請求項11】
ワイヤレス通信ネットワークのロケーションサーバ(110)であって、
前記ロケーションサーバ(110)は、前記ワイヤレス通信ネットワークの受信機(UE)の位置を推定するように構成され、前記受信機(UE)は、
前記ワイヤレス通信ネットワークの送信機(eNB)によって担当される対象の空間領域(118)に配置され、
前記ワイヤレス通信ネットワークの1つの送信機(eNB)から無線信号(252)を受信し、前記無線信号(252)は、複数の測位基準信号(PRS)シーケンスを含み、各PRSシーケンスは、異なるPRSシーケンス識別子と関連付けられており、各PRSシーケンスは、前記対象の空間領域(118)に向けられる前記複数のPRSシーケンスを送るために前記1つの送信機(eNB)の異なるビームコーン(116)、および前記1つの送信機(eNB)の前記ビームコーン(116)を使用して送られ、
前記無線信号(252)を処理し、前記異なるビームコーン(116)を使用して前記1つの送信機(eNB)から受信された各PRSシーケンスの到着時間(TOA)を推定し、各PRSシーケンスについて前記関連するPRSシーケンス識別子を取得し、
前記推定された到着時間および前記取得されたPRSシーケンス識別子を前記ロケーションサーバ(110)に送り、
前記ロケーションサーバ(110)は、前記推定された到着時間および前記取得されたPRSシーケンス識別子を受信するように構成され、
前記ロケーションサーバ(110)は、各PRSシーケンスについて前記PRSシーケンス識別子に関連付けられているビームコーン(116)の前記1つの送信機(eNB)における出発角(AoD)を受信するように構成され、
前記ロケーションサーバ(110)は、前記PRSシーケンスの前記到着時間、到来角(AoA)、および前記1つの送信機(eNB)における前記ビームコーン(116)の前記出発角(AoD)を使用して、マルチパスチャネル伝搬環境の幾何学的記述に基づいて、前記受信機(UE)の位置を推定するように構成される、
ワイヤレス通信ネットワークのロケーションサーバ(110)。
【請求項12】
ワイヤレス通信ネットワークの基地局(eNB)であって、
前記基地局(eNB)は、前記ワイヤレス通信ネットワークの受信機(UE)の位置を推定するように構成され、前記受信機(UE)は、前記基地局(eNB)によって担当される対象の空間領域(118)に配置され、
前記基地局(eNB)は、無線信号(252)を前記受信機(UE)に送るように構成され、前記無線信号(252)は、複数の測位基準信号(PRS)シーケンスを含み、各PRSシーケンスは、異なるPRSシーケンス識別子と関連付けられており、各PRSシーケンスは、1つの送信機(eNB)の異なるビームコーン(116)を使用して送られ、前記1つの送信機(eNB)の前記ビームコーン(116)は、前記複数のPRSシーケンスを送るために前記対象の空間領域(118)に向けられており、前記受信機(UE)は、
前記無線信号(252)を処理し、前記異なるビームコーン(116)を使用して前記1つの送信機(eNB)から受信された各PRSシーケンスの到着時間(TOA)を推定し、各PRSシーケンスについて前記関連するPRSシーケンス識別子を取得し、
前記推定された到着時間および前記取得されたPRSシーケンス識別子を前記基地局(eNB)に送り、
前記基地局(eNB)は、前記推定された到着時間および前記取得されたPRSシーケンス識別子を受信するように構成され、
無線信号(252)は、複数のビームコーン(116)を備え、各ビームコーン(116)は、それぞれのPRSシーケンスに関連付けられ、それぞれの出発角(AoD)の下で送信され、
前記基地局(eNB)は、前記PRSシーケンスの前記到着時間、到来角(AoA)、および前記ビームコーン(116)の前記出発角(AoD)を使用して、マルチパスチャネル伝搬環境の幾何学的記述に基づいて、前記受信機(UE)の位置を推定するように構成される、
ワイヤレス通信ネットワークの基地局(eNB)。
【請求項13】
ワイヤレス通信ネットワークであって、
請求項1~10のいずれか一項に記載の受信機(UE)と、
送信機と
を備え、
前記送信機(eNB~eNB)は、前記無線信号(252)を送信するように構成され、前記無線信号(252)は、前記複数の測位基準信号(PRS)シーケンスを含み、各PRSシーケンスは、異なるPRSシーケンス識別子と関連付けられており、
前記送信機(eNB~eNB)は、異なるビームコーン(116)を使用して各PRSシーケンスを送るように構成され、
前記送信機(eNB~eNB)は、前記複数のPRSシーケンスを前記ワイヤレス通信ネットワークの前記対象の空間領域(118)に送るために前記ビームコーン(116)を向けるように構成される、
ワイヤレス通信ネットワーク。
【請求項14】
各PRSシーケンスが、前記送信機(eNB~eNB)によって担当される前記ワイヤレス通信ネットワークのセルを識別するセル識別子と関連付けられている、請求項13に記載のワイヤレス通信ネットワーク。
【請求項15】
各ビームコーン(116)が、前記ビームコーン(116)の指向方向と、前記送信機(eNB~eNB)の座標とを含むシステム情報をさらに送信する、請求項13または14に記載のワイヤレス通信ネットワーク。
【請求項16】
それぞれの前記送信機(eNB~eNB)は、複数のアンテナを備え、前記PRSシーケンスの各々に対してビームフォーミングを実行し、前記異なるビームコーン(116)の前記PRSシーケンスを形成するように構成される、請求項13~15のいずれか一項に記載のワイヤレス通信ネットワーク。
【請求項17】
前記複数のアンテナが、複数のアンテナ素子を含むアンテナアレイによって形成され、前記送信機(eNB~eNB)が、一組のプリコーディング行列を使用して前記異なるビームコーン(116)を形成するように構成され、各プリコーディング行列が、前記アンテナアレイを制御し、前記ワイヤレス通信ネットワークの前記対象の空間領域(118)に向けられる前記ビームコーン(116)の1つを形成する、請求項16に記載のワイヤレス通信ネットワーク。
【請求項18】
前記送信機(eNB~eNB)が、アップリンク送信における受信機(UE)からの信号の到来角を推定し、所定の閾値以上の信号電力を有する受信された信号の信号方向を識別するように構成され、
前記送信機(eNB~eNB)が、前記識別された信号方向に従って前記ビームコーン(116)を操縦するように構成される、
請求項13~17のいずれか一項に記載のワイヤレス通信ネットワーク。
【請求項19】
前記送信機(eNB~eNB)が、前記受信機(UE)の推定された位置に応じて前記ビームコーン(116)のビームフォーミング重みを調整するように構成され、前記受信機(UE)が、前記受信機(UE)の位置を計算するための更新されたTOA推定値およびPRSシーケンス識別子を報告するように構成される、請求項13~18のいずれか一項に記載のワイヤレス通信ネットワーク。
【請求項20】
前記受信機が、複数の受信アンテナを備え、前記受信機(UE)が、グローバル座標系における各PRSシーケンスの到来角(AoA)をさらに推定するように構成され、前記受信機が、推定された到着時間、前記ビームコーン(116)の指向方向および到来角を使用して前記受信機(UE)の位置を計算し、または前記推定された到着時間、前記ビームコーン(116)の前記指向方向および前記到来角をロケーションサーバ(110)に送信するように構成される、請求項13~19のいずれか一項に記載のワイヤレス通信ネットワーク。
【請求項21】
前記受信機(UE)が、移動端末であり、前記送信機(eNB~eNB)が、基地局であり、前記ワイヤレス通信ネットワークが、IFFT(逆高速フーリエ変換)ベースの信号を使用する、請求項13~20のいずれか一項に記載のワイヤレス通信ネットワーク。
【請求項22】
前記IFFTベースの信号が、CPを有するOFDM、CPを有するDFT-s-OFDM、CPを有さないIFFTベースの波形、f-OFDM、FBMCまたはUFMCを含む、請求項21に記載のワイヤレス通信ネットワーク。
【請求項23】
CPを有するOFDMが、ダウンリンク送信に使用され、CPを有するDFT-s-OFDMまたはシングルトーン送信が、アップリンク送信に使用される、請求項22に記載のワイヤレス通信ネットワーク。
【請求項24】
ワイヤレス通信ネットワークであって、
受信機(UE)と、
前記受信機(UE)の位置を推定するための請求項11に記載のロケーションサーバ(110)と、
送信機であって、前記送信機(eNB~eNB)は、前記無線信号(252)を送信するように構成され、前記無線信号(252)は、前記複数の測位基準信号(PRS)シーケンスを含み、各PRSシーケンスは、異なるPRSシーケンス識別子と関連付けられている、送信機と、
前記送信機(eNB~eNB)は、異なるビームコーン(116)を使用して各PRSシーケンスを送るように構成され、
前記送信機(eNB~eNB)は、前記複数のPRSシーケンスを前記ワイヤレス通信ネットワークの前記対象の空間領域(118)に送るために前記ビームコーン(116)に向くように構成される、
ワイヤレス通信ネットワーク。
【請求項25】
ワイヤレス通信ネットワークであって、
受信機(UE)と、
前記受信機(UE)の位置を推定するための請求項12に記載の基地局であって、前記送信機(eNB~eNB)は、前記無線信号(252)を送信するように構成され、前記無線信号(252)は、前記複数の測位基準信号(PRS)シーケンスを含み、各PRSシーケンスは、異なるPRSシーケンス識別子と関連付けられている、基地局と、
前記送信機(eNB~eNB)は、異なるビームコーン(116)を使用して各PRSシーケンスを送るように構成され、
前記送信機(eNB~eNB)は、前記複数のPRSシーケンスを前記ワイヤレス通信ネットワークの前記対象の空間領域(118)に送るために前記ビームコーン(116)に向くように構成される、
ワイヤレス通信ネットワーク。
【請求項26】
ワイヤレス通信ネットワークの送信機(eNB)によって担当される対象の空間領域(118)に配置された受信機(UE)において、前記ワイヤレス通信ネットワークの前記1つの送信機(eNB)から無線信号(252)を受信することであって、前記無線信号(252)は、複数の測位基準信号(PRS)シーケンスを含み、各PRSシーケンスは、異なるPRSシーケンス識別子と関連付けられており、各PRSシーケンスは、前記対象の空間領域(118)に向けられる前記複数のPRSシーケンスを送るために前記1つの送信機(eNB)の異なるビームコーン(116)、および前記1つの送信機(eNB)の前記ビームコーン(116)を使用して送られる、受信することと、
前記異なるビームコーン(116)を使用して前記1つの送信機(eNB)から受信された各PRSシーケンスの到着時間(TOA)を推定することと、
各PRSシーケンスについて前記関連するPRSシーケンス識別子を取得することと、
前記受信機(UE)において前記1つの送信機(eNB)からの前記PRSシーケンスの前記到着時間、到来角(AoA)、および前記PRSシーケンス識別子に関連する前記ビームコーン(116)の前記1つの送信機(eNB)における出発角(AoD)を使用して、マルチパスチャネル伝搬環境の幾何学的記述に基づいて、前記受信機(UE)の位置を推定することと
を含む、方法。
【請求項27】
前記ワイヤレス通信ネットワークの前記1つの送信機(eNB)によって、前記無線信号(252)を送信することをさらに含み、前記無線信号(252)が、前記複数の測位基準信号(PRS)シーケンスを含み、各PRSシーケンスが、異なるPRSシーケンス識別子と関連付けられており、
前記無線信号(252)を送信することが、異なるビームコーン(116)を使用して各PRSシーケンスを送ることと、前記ビームコーン(116)を前記ワイヤレス通信ネットワークの前記対象の空間領域(118)に向けることとを含む、
請求項26に記載の方法。
【請求項28】
コンピュータで実施されたときに請求項26~27のいずれか一項に記載の方法を実行する命令を備えるプログラムを記憶するコンピュータ可読媒
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレス通信ネットワークまたはシステムの分野に関し、より具体的には、そのようなネットワークにおける移動端末のようなユーザ機器の位置特定に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、それぞれのセル100~100によって概略的に表される基地局を囲む特定のエリアを各々が担当する、複数の基地局eNB~eNBを含む、ワイヤレス通信ネットワークまたはワイヤレス通信システムなどのネットワークインフラストラクチャの一例の概略図である。基地局は、セル内のユーザを担当するために設けられる。ユーザは、固定デバイスまたは移動デバイスであってもよい。さらに、ワイヤレス通信システムは、基地局またはユーザに接続するIoTデバイスによってアクセスされ得る。IoTデバイスは、電子装置、ソフトウェア、センサ、アクチュエータなどを内蔵した物理デバイス、車両、建物および他のアイテム、ならびにこれらのデバイスが既存のネットワークインフラストラクチャにわたってデータを収集および交換することを可能にするネットワーク接続性を含み得る。図1は、5つのセルのみの例示的な図を示すが、ワイヤレス通信システムは、そのようなセルをさらに含んでもよい。図1は、セル100にあり、基地局eNBによって担当されるユーザ機器(UE)とも呼ばれる2人のユーザUE1およびUE2を示す。基地局eNBによって担当される別のユーザUEは、セル100に示されている。矢印102、102および102は、ユーザUE、UEおよびUEから基地局eNB、eNBにデータを送信するための、または基地局eNB、eNBからユーザUE、UE、UEにデータを送信するためのアップリンク/ダウンリンク接続を概略的に表す。さらに、図1は、セル100の2つのIoTデバイス104および104を示し、これらは固定または移動デバイスであり得る。IoTデバイス104は、矢印106によって概略的に表されるようにデータを受信および送信するために基地局eNBを介してワイヤレス通信システムにアクセスする。IoTデバイス104は、矢印106によって概略的に表されるようにユーザUEを介してワイヤレス通信システムにアクセスする。
【0003】
ワイヤレス通信システムは、直交周波数分割多重(OFDM)システム、LTE規格によって定義された直交周波数分割多元接続(OFDMA)システム、またはCPを有するまたは有さない任意の他のIFFTベースの信号、例えばDFT-s-OFDMのような周波数分割多重に基づく任意のシングルトーンまたはマルチキャリアシステムとすることができる。多重アクセスのための非直交波形のような他の波形、例えばフィルタバンクマルチキャリア(FBMC)を使用してもよい。
【0004】
図1に示されたもののようなワイヤレス通信ネットワークでは、セルに一定の精度でUEを配置することが望ましい場合がある。セル内にUEを配置するための1つの手法は、LTEなどのセルラ通信ネットワークで使用され得る観測到着時間差(OTDOA)推定に基づいており、例えば、参考文献[2]および[3]に記載のように、1つまたは複数の周辺基地局(eNB)からユーザ機器UEで受信する測位基準信号(PRS)を使用した到着時間(TOA)推定値の計算に依存するダウンリンク測位方法である。PRSシーケンスは、測位目的のために設計され、セル内のすべての無線端末にブロードキャストされるダウンリンク信号である。PRSシーケンスは、基地局のアンテナまたは遠隔無線ヘッド(RRH)から同じ送信電力で全方向に放射され、セルの任意のロケーションにいる全ユーザをカバーする、すなわち、セル全体をカバーする。PRSシーケンスを異なるセルと区別するために、各PRSシーケンスは、物理セル識別子(PCI)とも呼ばれるセル固有の識別子と関連付けられている。PCIは、特定のエリアにおいて固有のものであり、セル、したがってPRSシーケンスを識別するために使用される。平面において固有の位置を取得するためには、UEの内部タイムベースに対して、幾何学的に分散した基地局から少なくとも3つのタイミング測定値が必要である。参考文献[4]に記載のように、4つの基地局が三次元空間の固有の位置を取得するために必要とされる。
【0005】
図2は、3つの基地局を使用したOTDOA測定の概略図であり、図は、参考文献[4]から得られた画像に基づいている。基地局eNB~eNBは、PCIと関連付けられたそれぞれのPRSシーケンスを送出する。基地局eNBは、PRSシーケンスPRSを送出し、基地局eNBは、PRSシーケンスPRSを送出し、基地局eNBは、PRSシーケンスPRSを送出する。基地局eNB~eNBは、ワイヤレス通信ネットワークの異なるセルを担当する。図2は、上で説明したように、各基地局から一方向にのみそれぞれのPRSシーケンスを送信することを示しているが、各基地局は、それぞれのセル内の任意のロケーションにいる全ユーザをカバーするために全方向にシーケンスを送信する。図2の例では、ユーザ機器は、ロケーション108にあると仮定される。ロケーション108のUEは、それぞれの基地局からPRSシーケンスPRS1~PRS3を受信する。ロケーション108のUEは、UEの内部タイムベースに対して3つのTOAτ、τ、τを測定する。基地局eNBが基準基地局として選択され、2つのOTDOAが他の基地局のTOA測定値から基準基地局eNBのTOAを減算することによって取得され、観測到着時間差として、相対信号タイミング差(RSTD)とも呼ばれる値t2,1=τ-τおよびt3,1=τ-τが得られる。相対信号タイミング差は、ロケーション108でユーザ機器を担当する基地局ならびにロケーションサーバにフィードバックされる。ロケーションサーバは、基地局の一部であり得るか、または図1の110で示されるように、基地局とは別の素子であり得る。ロケーションサーバ110は、ネットワーク構造全体の一部とすることができ、図1に示す基地局の各々に接続することができるが、図1には1つの接続のみが点線で示されている。RSTD値は、UEと基地局との間の幾何学的距離に関連し、図2の線τ-τおよび線τ-τによって示されるように、基地局のそれぞれのロケーションの周りの双曲線を定義する。基地局座標およびUEと基準基地局eNBとの間の時間オフセットの知識に基づいて、ロケーションサーバは、UEの位置を決定することができる。図2では、各TOA測定値τが不確かな精度を有するので、双曲線は、測定の不確実性を示す幅で示されている。推定されたUEロケーションは、2つの双曲線の交差エリアである。
【0006】
UEによるTOA測定値およびRSTD報告のために、各基地局から最初に到着する信号パスは、正確に推定されるべきである。純粋な見通し内(LoS)チャネル条件では、TOA推定値は、UEで知られているPRSシーケンスとの受信された信号の相互相関における最初に検出されたLoSピークを反映するので、TOAはUEと基地局との間の距離に直接対応する。これにより、UEの正確な位置推定値が可能になる。しかしながら、マルチパスチャネル環境では、TOA推定値、ひいてはRSTD測定値は、LoSパスの妨害によって、またはチャネルの見通し外(NLoS)信号パス成分によってバイアスされる可能性があり、そのような状況では、UEは、最初に到着する信号パスを正確に検出しない場合があり、誤った距離情報につながる可能性がある。
【0007】
セル内でUEを位置特定するための上述の手法は、複数の基地局によって送信されるPRSシーケンスを使用する。各基地局は、全ユーザをカバーするために全方向に同じPRSシーケンスを送出する。位置特定を可能にするために、少なくとも3つの基地局が必要とされる。さらに、無線伝搬チャネルは、マルチパス伝搬および遮蔽またはフェージング状態の影響を受ける可能性があり、その結果、RSTD測定値が正確ではないかもしれない。マルチパスとは、反射、回折および散乱のために、送信された信号が様々なパスを介して受信機に到達したときに移動システムのチャネルで発生する現象であり、フェージングを生じさせる。これは、関連するセル識別子を有する同じPRSシーケンスを全方向に送信する基地局BSによって担当されるセルi内のUE、すなわちシーケンスPRSを表す図3に概略的に表されている。PRSシーケンスPRSは、障害物1121が信号を散乱または遮蔽して障害物112の後ろにパス損失があるために、UEで直接受信されない可能性がある。UEは、障害物112における信号の反射および/または障害物112における回折に起因してシーケンスPRSを受信することがある。言い換えれば、送信された信号PRSは1つだけであるが、信号パスにおける建物、丘および木のような障害物112~112は、信号を様々な方向から異なる遅延でUEに到達させる。マルチパスは、例えば、受信機UEが最初に到着するパスを検出したとしても、見通し外パスが存在する場合にTOA推定における誤差の原因となり得る。
【0008】
マルチパスチャネルシナリオにおける位置精度を改善するために、時間ベースのロケーション推定のための多数のNLoS誤差軽減法が記載されている(例えば、参考文献[6]、[7]、[8]、[9]、[10]および[11]参照)。1つのNLoS誤差軽減法は、NLoS破損TOA測定値(NLoS corrupted TOA measurements)が測定値の総数のごく一部である、すなわち、UEと基地局との間のリンクの一部がLoSチャネルパスを含むと仮定することができる。別の手法は、LoSシナリオについて予想される測定値とのそれらの不一致のためにNLoS破損TOA測定値を検出することができ、その結果、例えば、参考文献[8]および[12]に記載のように、UEと基地局との間のNLoSリンクが識別され、UE位置の位置特定のために無視することができる。さらに他の手法は、UEと基地局との間のすべてのリンクを使用し、参考文献[13]に記載のように、NLoS寄与を最小にするためのTOA測定値の重み付けまたはスケーリングを導入するか、または参考文献[14]に記載のように、NLoS誤差を検出して情報を使用し、すべての可能なUEロケーションを計算することができる。
【0009】
図1に示すように、ワイヤレス通信ネットワークの基地局は、例えば複数のアンテナ素子を含むアンテナアレイによって形成された複数のアンテナANTを含み、UEはまた、2つ以上のアンテナを含むことができる。UEと基地局の両方が複数のアンテナを装備しているシナリオでは、LoSまたはNLoSパス成分のOTDOA測定値に加えて、ロケーションに依存しないパラメータ、例えばUEにおける到来角(AoA)および基地局における出発角(AoD)が利用されてもよい。NLoS誤差のみを検出してこれらの誤差の影響を除去する代わりに、位置特定技法の例は、NLoSパス成分によって暗示される可能なUEロケーションの幾何学的関係を利用することによってNLoSチャネル伝搬から利益を得ることができる。そのような技法は、例えば、参考文献[15]および[16]に記載されており、パス依存パラメータAoD、AoAおよびパス距離dの知識を仮定して、マルチパスチャネル伝搬環境のパラメータ記述に依存している。
【0010】
図4は、基地局eNBからユーザ機器UEに向けて送信されたPRS含有信号のLoSおよびNLoS伝搬のための単一のパス成分(単一バウンス反射)の幾何学的記述である。図4は、LoSパス成分、NLoSパス成分、基地局における信号の出発角(AoD)、およびUEにおける到来角(AoD)を示す。パラメータAoD、AoAおよびdは、ダウンリンク/アップリンク基準信号からUEおよび/または基地局において推定され得る。パス成分のAoA(単数または複数)は、典型的には、UEによって送られたSRSなどのアップリンクサウンディング基準信号を評価することによって基地局で推定される。AoA(単数または複数)は、MUSICアルゴリズムまたはSAGEアルゴリズムを使用して推定することができる。システムが時分割複信(TDD)モードで動作し、順方向チャネルと逆方向チャネルが対称的であると仮定すると、UEは、基地局によって送出されたCSI-RSおよび/またはPRSなどのダウンリンクサウンディング基準シンボルを評価することによって逆方向リンクのAoDに対応する各パス成分のAoAを推定することができる。各LoS/NLoS伝搬パスの距離dは、UEにおけるそれぞれのTOA推定値から取得され得る。パス成分のTOA(単数または複数)およびAoA(単数または複数)は、一緒に推定されてもよく、推定されたAoA(単数または複数)およびTOA(単数または複数)は、担当する基地局および/またはロケーションサーバにフィードバックされ、後者は、推定されたパスパラメータAoD、AoA、およびdを幾何学的チャネルモデル記述と共に使用し、UE位置特定を実行する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の根底にある目的は、移動通信ネットワークの受信機のより効率的かつ効果的な位置特定を可能にし、ロケーションを決定する精度を高めることを可能にする手法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的は、独立請求項に定義されている主題によって達成される。
【0013】
実施形態は、従属請求項に定義されている。
【0014】
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施形態をさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】ワイヤレス通信システムの一例の概略図である。
図2】3つの基地局を使用したOTDOA測定の概略図である。
図3】基地局BSによって担当されるセルi内のUEが関連するセル識別子と共に全方向に同じPRSシーケンスを送信することを表す図である。
図4】基地局からユーザ機器に向けて送信されたPRS含有信号のLoSおよびNLoS伝搬のための単一のパス成分(単一バウンス反射)の幾何学的記述を示す図である。
図5】本明細書に記載の本発明の手法による、ユーザ機器UEを位置特定するための、動作しているワイヤレス通信ネットワークのセルの一例を示す図である。
図6】ビーム指向方向と同一であるようにビームコーンと関連付けられたすべての鏡面反射成分のAoDの一例を示す図である。
図7】複数の基地局によって提供されるPRSシーケンスのビームフォーミングに基づいてUE位置特定を可能にする本発明の手法のさらなる例を示す図である。
図8】送信機から受信機に情報を送信するためのワイヤレス通信システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下において、本発明の好ましい実施形態は、同じまたは同様の機能を有する要素が同じ参照符号によって参照される添付の図面を参照してさらに詳細に説明される。
【0017】
図5は、本明細書に記載の本発明の手法による、ユーザ機器UEを位置特定するための、動作しているワイヤレス通信ネットワークのセルの一例を示す。ワイヤレス通信ネットワークは、基地局BSによって担当されるセルiを含む。基地局BSは、マッシブアレイアンテナとも呼ばれる大規模アレイアンテナ114を含む。アレイアンテナは、複数のアンテナ素子を含んでもよい。信号の指向性信号送信を可能にするために、アンテナ114によって送信される信号のビームフォーミングを可能にするために少なくとも2つのアンテナ素子が設けられる。アンテナまたはアンテナ素子の数は、2より多くてもよく、例えばアレイは32、64またはそれ以上のアンテナ素子を含んでもよい。基地局BSは、複数のビームコーンまたはローブ116~116を形成する。アンテナ素子の数に応じて、より多くのまたはより少ないビームコーンが形成されてもよい。例によれば、基地局BSは、一組のプリコーディング行列を使用してビームコーン116~116を形成し、各ビームコーンの信号エネルギーが主ビーム指向方向に集中するようにビームコーンが形成される。主ビーム指向方向は、ビームコーン116~116を表す矢印によって図5に示されている。基地局BSのアレイアンテナ114は、ビームコーンを対象の空間領域118に向けてダウンリンク測位基準信号を空間領域118に送信することを可能にする。空間領域118は、基地局BSによって担当されるセルIの特定のエリアであり得る。1つまたは複数のUEが、空間領域118に存在し得る。
【0018】
例によれば、基地局BSによって使用される一組のプリコーディング行列におけるプリコーディング行列は、三次元、すなわち方位角および仰角次元で対象の空間領域118をカバーするちょうど1つのビームコーンに対応する。図5に示すビームコーンに加えて、基地局BSは、セルiの他の対象の空間領域に他のビームコーンを送り、そのような領域のUEを位置特定することができる。基地局BSは、複数のPRSシーケンスに対してビームフォーミングを実行し、各PRSシーケンスは、固有の仮想セル識別子(VCID)のように、以下でPRSシーケンス識別子とも呼ばれる識別子と関連付けられる。ビームコーンの各々は、他のビームコーンと関連付けられた他のPRSシーケンスとは異なる1つのPRSシーケンスと関連付けられている。さらに、例によれば、物理セルIDもそれぞれのPRSシーケンスと関連付けられてもよい。シーケンスPRSi1がビームコーン116によって送られ、異なるPRSシーケンスが基地局BSの異なるビームコーンに対して生成される。ユーザ機器UEは単一の受信アンテナを含むことができ、図3と同様に、UEは反射/回折信号のみを受信し、すなわち信号はNLoSパスを介して受信されるが、信号はLoSパスを介して受信されない。障害物112は、PRSシーケンスPRSi2がUEで受信されないようにビームコーン116を遮蔽または散乱させる。一方、ビームコーン116および116は、障害物112および112で反射または回折されるので、シーケンスPRSi1およびPRSi3はUEで受信される。受信アンテナ118を有するUEは、異なるビームコーン116および116を介して信号PRSi1およびPRSi3を受信し、各検出されたビームコーンについて、より具体的にはそれぞれのビームコーンによって搬送される各PRSシーケンスについてマルチパス成分のTOA/TDOA推定を実行する。VCIDのような特定の識別子を有するPRSシーケンスは、基地局によって送出される特定のビームコーンと関連付けられる。基地局は、対象の空間領域を指すようにビームコーンを特定の方向に操縦する。UEで取得されるVCIDに基づいて、基地局におけるビームコーンの出発角(AoD)は、データベースにアクセスすることによってのいずれかの送信された情報から導出される。
【0019】
主ビーム指向方向におけるビームコーンの高い信号エネルギー集中のために、各ビームコーンは、無線チャネルの単一の鏡面反射成分または少数の鏡面反射成分のいずれかと関連付けられ、それによってビームコーンと関連付けられた有効マルチパスチャネルは単一の強いパス成分またはわずかなマルチパス成分しか含まないので、PRS相互相関関数は、実質的に単一のピークのみまたは少数の分解可能なピークのみを示す。したがって、検出された各ビームコーンについて、ただ1つのTOA値または少数のTOA値が計算されることになる。
【0020】
UEは、ビームコーンからPRSシーケンスのID/VCID番号を導出することができる。一例によれば、検出されたパス成分の推定されたTOAは、関連するID/VCID番号、すなわち、TOA/TDOAとID/VCID番号との対と共に、UEを担当する基地局BSおよび/またはロケーションサーバ110に返送され、測位アルゴリズムを実行する。
【0021】
測位アルゴリズムは、無線チャネルの3Dパラメータ記述を適用してUE位置の可能な領域を計算することができ、3Dパラメータ記述における各鏡面反射(LoS/NLoS)パス成分は、基地局において知られている、基地局における2つのパス依存パラメータTOAおよびAoD(方位角および仰角)によって特徴付けられ、ビームコーンVCID番号に基づいてそれぞれのビームコーンと関連付けられる。例によれば、ビームコーンおよび主ビーム指向方向の高い信号エネルギー集中のために、鏡面反射パス成分のAoDは、実際には、ビーム指向方向と同一であるようにビームコーンと関連付けられたすべての鏡面反射成分のAoDの一例を示す図6に概略的に示すように、関連するビームコーンのビーム指向方向によって与えられる。これにより、測位アルゴリズムは、TOA値を使用することによって時間ドメイン内ではなく空間ドメイン内でも個々のパス成分を区別することができる。
【0022】
他の例によれば、UEは、基地局によって送信された信号から、ビームコーン指向方向情報、ならびに基地局BSの2Dまたは3D座標を復号することができる。この追加の情報に基づいて、そしてビームコーン指向方向および基地局座標がUE側で知られているとき、UEは、それ自体で測位アルゴリズムを実行することができる。この例では、情報を基地局および/またはロケーションサーバにフィードバックする必要はない。
【0023】
他の例によれば、UEは、図5の点線アンテナ120によって概略的に示されるように、複数のアンテナ、より具体的には複数の受信アンテナを装備することができる。この例によれば、UEは、少なくとも2つの受信アンテナ118、120を含み得る。他の例によれば、3つ以上の受信アンテナが設けられてもよい。UEは、各検出された鏡面反射成分のTOAに加えて、パス成分の到来角(AoA-方位角および仰角)を推定することができる。TOA/TDOAおよびAoAの推定は、共にまたは別々に実行することができる。UEがビーム指向方向および基地局座標についての知識を有するという条件で、推定は、ロケーションサーバでまたはUEで直接実行されてもよい。測位アルゴリズムがロケーションサーバまたは基地局で実行されるとき、UEは、検出された各パス成分について推定されたAoA、TOAおよびPRSシーケンスIDを基地局/ロケーションサーバに報告することができる。測位アルゴリズムは、UEで実行されるのかロケーションサーバで実行されるのかに関係なく、マルチパスチャネル伝搬環境の3D幾何学的記述を適用することができ、各検出されたパス成分は、パラメータAoA、TOAおよびAoDによって記述することができる。
【0024】
図5を参照して上述した本発明の手法によれば、LoSパス成分が存在しない、すなわち、図5に示されるような状況であってもUEの位置の信頼性のある正確な推定を達成することができ、NLoS伝搬を利用することによって、純粋なNLoSチャネル環境においてロケーションを検出することができる。各ビームコーンは、パラメータAoA、TOA、AoDおよび基地局の位置に基づいて、単一のパス成分のみ、または非常に少数のパス成分を有するように生成されるので、測位アルゴリズムは、純粋なNLoSチャネル環境において位置推定値を計算することができる。
【0025】
さらなる例によれば、UEは、受信された信号電力を測定してもよく、または他の測定値を適用して各受信されたビームコーンの信頼性を決定してもよい。この測定値は、担当する基地局またはロケーションサーバに返送することができる。パス/ビーム依存パラメータと共に、測位アルゴリズムは、LoS伝搬パス成分とNLoS伝搬パス成分とを区別することができる。例えば、閾値に関してそれぞれの受信ビームコーンを評価することによって、最小信号強度または信号電力を超える信号は、LoS信号として認識され得る。LoSおよびNLoS伝搬パス成分についての情報、ならびにビームコーンのパス利得/信頼性についてのさらなる情報は、UE位置推定を改善するために使用することができる。
【0026】
さらに他の例によれば、ロケーションサーバによってまたは基地局によって取得されたロケーション情報は、UE位置推定に関して基地局でビームフォーミング重みを調整するために使用され得る。ビームフォーミング重みが調整された後、UEは、改善され得る現在推定されているTOA推定値、およびUEが2つ以上のアンテナを有する場合には新しいAoAも報告することができる。この情報は、PRSシーケンスID/VCIDと共にロケーションサーバに返送され、次に再度UEロケーション推定値を計算する。このプロセスは、順次、位置推定値が改善されるように数回反復して実行することができる。
【0027】
他の例によれば、TDD(時分割複信)モードでは、担当する基地局BSでのビームコーンは、基地局での受信された信号電力が所定の閾値を超えることに応じて操縦され得る。最初に、基地局は、UEからのアップリンク送信中に鏡面反射パス成分のAoA推定を実行することができる。この推定に基づいて、閾値を上回る電力を有する信号がどの方向から受信されるかが決定される。彼に続いて、それぞれのビームコーンは、決定された方向に対応するビーム指向方向を有するように操縦され、ロケーション推定のさらなる改善を可能にする。
【0028】
UEが複数のまたは多重アンテナを装備してAoA推定を実行する例によれば、UEは、TOAおよびAoDなどの他のパスパラメータと共に、それ自体の向きを計算することができる。この計算はまた、ジャイロスコープのような、UEに提供される追加のセンサからのデータを含み得る。
【0029】
これまで説明した例によれば、本発明の手法は、単一の基地局のみを使用してUEのロケーション推定を可能にする。しかしながら、2つ以上の基地局を使用するとき、例えば、隣接するセルからの1つまたは複数の追加の基地局を使用するとき、推定をさらに改善し、より正確にすることができる。
【0030】
図7は、複数の基地局によって提供されるPRSシーケンスのビームフォーミングに基づいてUE位置特定を可能にする本発明の手法のさらなる例を示す。3つの基地局eNB~eNBが示されており、各基地局は、対象の空間領域118に向けて複数のビームコーン116を送出する。各基地局は、ビームコーンを形成するためのアレイアンテナ114~114を含む。各基地局は、PRSシーケンスを放射するためにPRSシーケンスのビームフォーミングを実行する。各ビームコーンは、PRS#jiと付されたPRSシーケンスを送信し、iは、セルIDであり、jは、PRSシーケンスIDである。例えば、シーケンスPRS#23は、基地局eNBの第2のビームコーンを示す。それぞれのビームコーン116は、アンテナアレイ114~114を対象の空間領域118に適切に操縦することによって向けられる。対象の空間領域118において、UEは、基地局の各々によって送られたPRSシーケンスについてのTOAを推定し、UEの位置の推定を可能にするためにOTDOA推定を実行することができる。
【0031】
例によれば、各ビームコーンはまた、システム情報、例えばビームコーンの指向方向およびビームコーンを送出する基地局の座標を送信することができる。この追加の情報に基づいて、UEは、それ自体で位置特定プロセスを実行することができる。ビームコーン116を介して追加のシステム情報を受信する代わりに、UEは、データベース、例えばロケーションサーバの一部であるデータベースDBにアクセスし、そこからビームコーンについてVCID、ビームコーン指向方向(例えば、方位角および仰角)、および問題のビームコーンを送出する基地局の座標(例えば、3D座標)を取得することができる。
【0032】
さらなる例によれば、ワイヤレス通信ネットワークは、異なる隣接するビームコーンの間の誘導干渉を最小にするようにビームコーンの空間分離を改善するために、いくつかの基地局にわたるVCIDの使用を計画することができる。例えば、隣接する基地局によって使用される同じVCIDを、同じ対象の空間領域に向けられていないビームコーンに割り当てることができる。
【0033】
本明細書に記載の技法によれば、UEの位置推定に必要な基地局の数は、大幅に減らすことができる。例によれば、位置推定のための基地局の数は、単一の基地局と同じくらい少なくすることができる。
【0034】
本発明の教示は、位置推定が、チャネルモデルの3D幾何学的記述を利用することによってマルチパスLoS/NLoSチャネル環境または純粋なNLoSチャネル環境において実行され得るという点で有利である。さらに、測位アルゴリズムは、検出されたビームコーン/パス成分のパス利得/信頼性およびAoDに関する情報を利用することによって、LoS伝搬パス成分とNLoS伝播パス成分とを区別することができる。UEが複数の受信アンテナを有するとき、別の利点を得ることができる。例えばUE側で利用可能なAoD(例えば、方位角および仰角)に関するビームコーン指向方向、推定されたTOAおよびAoAに基づいて、3D幾何学的チャネル記述を利用する測位アルゴリズムがUE側で実行されてもよい。
【0035】
本発明の実施形態は、移動端末またはIoTデバイスのような基地局、ユーザを含む、図1に示されるようなワイヤレス通信システムにおいて実装されてもよい。図8は、送信機TXと受信機RXとの間で情報を通信するためのワイヤレス通信システム250の概略図である。送信機TXは、複数のアンテナANTTX、または複数のアンテナ素子を有するアンテナアレイを含む。受信機RXは、少なくとも1つのアンテナANTRXを含む。他の実施形態では、受信機RXは、2つ以上のアンテナを含んでもよい。矢印252によって示されるように、信号は、無線リンクのようなワイヤレス通信リンクを介して送信機TXと受信機RXとの間で通信される。送信は、図1を参照して上述した技法のうちの1つに従うことができる。
【0036】
送信機TXとRXとの間のシグナリングは、ワイヤレス通信ネットワークのセル内の対象の空間領域における受信機RXの位置を推定するように、本発明の上述の実施形態に従う。例えば、受信機RXは、送信機TXからの無線信号をアンテナANTRXを介して受信し、信号を信号プロセッサ254に適用する。無線信号は、複数の測位基準信号(PRS)シーケンスを含む。各PRSシーケンスは、異なるPRSシーケンス識別子と関連付けられており、各PRSシーケンスは、送信機TXの異なるビームコーンを使用して送られる。複数のPRSシーケンスを送るための送信機TXのビームコーンは、例えば、ビームフォーミングによって対象の空間領域に向けられる。受信機RXは、無線信号を処理して各PRSシーケンスの到着時間(TOA)を推定し、各PRSシーケンスについて関連するPRSシーケンス識別子を取得する。受信機RXの位置は、到着時間および取得されたPRSシーケンス識別子を使用して推定される。位置は、ワイヤレス通信ネットワークの受信機RX、送信機またはロケーションサーバで推定することができる。後者の場合、TOAおよび識別子は、無線リンク252を介して送信機/ロケーションサーバに通信されてもよい。
【0037】
送信機TXは、受信機RXに送信される信号を生成するために信号プロセッサ256およびビームフォーマ258を備える。送信機TXは、複数の測位基準信号(PRS)シーケンスを有する無線信号を送信することができる。各PRSシーケンスは、異なるPRSシーケンス識別子と関連付けられている。送信機TXは、異なるビームコーンを使用して各PRSシーケンスを送る。送信機TXは、複数のPRSシーケンスをワイヤレス通信ネットワークの対象の空間領域に送るためにビームコーンを向ける。
【0038】
説明された概念のいくつかの態様は装置の文脈で説明されているが、これらの態様はまた、対応する方法の説明を表し、ブロックまたはデバイスが方法ステップまたは方法ステップの特徴に対応することは明らかである。同様に、方法ステップの文脈で説明された態様はまた、対応する装置の対応するブロックまたは項目または特徴の説明を表す。
【0039】
特定の実装要件に応じて、本発明の実施形態は、ハードウェアまたはソフトウェアで実装することができる。実装は、電子的に読み取り可能な制御信号が記憶され、それぞれの方法が実行されるようにプログラマブルコンピュータシステムと協働する(または協働することができる)デジタル記憶媒体、例えばクラウドストレージ、フロッピーディスク、DVD、Blue-Ray(登録商標)、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROMまたはFLASHメモリを使用して実行されてもよい。したがって、デジタル記憶媒体は、コンピュータ可読であり得る。
【0040】
本発明によるいくつかの実施形態は、本明細書に記載の方法の1つが実行されるように、プログラマブルコンピュータシステムと協働することができる電子的に読み取り可能な制御信号を有するデータキャリアを備える。
【0041】
一般に、本発明の実施形態は、プログラムコードを有するコンピュータプログラム製品として実装することができ、プログラムコードは、コンピュータプログラム製品がコンピュータで実行されるときに方法の1つを実行するように動作可能である。プログラムコードは、例えば機械可読キャリアに記憶することができる。
【0042】
他の実施形態は、機械可読キャリアに記憶された、本明細書に記載の方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムを備える。言い換えれば、本発明の方法の一実施形態は、したがって、コンピュータプログラムがコンピュータで実行されるときに、本明細書に記載の方法の1つを実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムである。
【0043】
したがって、本発明の方法のさらなる実施形態は、本明細書に記載の方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムを記録したデータキャリア(またはデジタル記憶媒体、またはコンピュータ可読媒体)である。したがって、本発明の方法のさらなる実施形態は、本明細書に記載の方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムを表すデータストリームまたは一連の信号である。データストリームまたは一連の信号は、例えばデータ通信接続を介して、例えばインターネットを介して転送されるように構成されてもよい。さらなる実施形態は、本明細書に記載の方法の1つを実行するように構成または適合された処理手段、例えばコンピュータ、またはプログラマブルロジックデバイスを備える。さらなる実施形態は、本明細書に記載の方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムをインストールしたコンピュータを備える。
【0044】
いくつかの実施形態では、プログラマブルロジックデバイス(例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ)を使用して、本明細書に記載の方法の機能の一部またはすべてを実行することができる。いくつかの実施形態では、フィールドプログラマブルゲートアレイは、本明細書に記載の方法の1つを実行するためにマイクロプロセッサと協働することができる。一般に、方法は、好ましくは、任意のハードウェア装置によって実行される。
【0045】
上述の実施形態は、本発明の原理を説明するための例示にすぎない。本明細書に記載の構成および詳細の修正および変形は、当業者にとって明らかであるものと理解される。したがって、差し迫った特許請求の範囲だけによって制限され、本明細書の実施形態の記載および説明によって示される具体的な詳細によって制限されないことが意図される。
【0046】
参考文
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図1
図2
図3
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図8