(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-20
(45)【発行日】2022-05-30
(54)【発明の名称】プレイヤ位置可視化装置
(51)【国際特許分類】
A63B 71/06 20060101AFI20220523BHJP
A63B 69/00 20060101ALI20220523BHJP
【FI】
A63B71/06 B
A63B69/00 A
A63B69/00 509
(21)【出願番号】P 2017166454
(22)【出願日】2017-08-31
【審査請求日】2020-08-26
(73)【特許権者】
【識別番号】500063228
【氏名又は名称】田中 成典
(73)【特許権者】
【識別番号】517305883
【氏名又は名称】山本 雄平
(73)【特許権者】
【識別番号】502235692
【氏名又は名称】中村 健二
(73)【特許権者】
【識別番号】517305894
【氏名又は名称】姜 文渊
(73)【特許権者】
【識別番号】519113745
【氏名又は名称】Intelligent Style株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092956
【氏名又は名称】古谷 栄男
(74)【代理人】
【識別番号】100101018
【氏名又は名称】松下 正
(72)【発明者】
【氏名】田中 成典
(72)【発明者】
【氏名】山本 雄平
(72)【発明者】
【氏名】中村 健二
(72)【発明者】
【氏名】姜 文渊
(72)【発明者】
【氏名】塚田 義典
(72)【発明者】
【氏名】加藤 諒
(72)【発明者】
【氏名】井上 晴可
(72)【発明者】
【氏名】田中 ちひろ
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-533306(JP,A)
【文献】特開2002-352250(JP,A)
【文献】特開2010-183301(JP,A)
【文献】国際公開第2000/044449(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/094894(WO,A1)
【文献】特開2008-117042(JP,A)
【文献】特開平11-339009(JP,A)
【文献】特開2015-150061(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 71/06
A63B 69/00
G06T 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ装置および当該サーバ装置と通信可能な端末装置を備えたプレイヤ位置可視化システムであって、
前記サーバ装置は、
フィールドで複数プレイヤが参加して行う競技の各プレイヤの位置を取得する位置取得手段と、
前記フィールドの画像上の対応する位置に取得した各プレイヤを表示するためのデータを生成する状況表示データ生成手段と、
生成された状況表示データを、前記端末装置に送信する状況表示データ送信手段とを備え、
前記端末装置は、
前記サーバ装置からの状況表示データを受信する状況表示データ受信手段と、
前記受信した状況表示データを表示部に表示する状況表示データ表示手段とを備え、
前記状況表示データは、時間経過とともに変動する、プレイヤ間を結ぶ少なくとも一つの直線を含むことを特徴とするプレイヤ位置可視化システムにおいて、
前記サーバ装置には前記各プレイヤの競技上の役割が記録されており、
前記状況表示データは、同じ役割のプレイヤを結ぶ線を含むことを特徴とするプレイヤ位置可視化システム。
【請求項2】
プレイヤ位置可視化システムのためのサーバ装置であって、
フィールドで複数プレイヤが参加して行う競技の各プレイヤの位置を取得する位置取得手段と、
前記フィールドの画像上の対応する位置に取得した各プレイヤを表示するためのデータを生成する状況表示データ生成手段と、
生成された状況表示データを、
端末装置に送信する状況表示データ送信手段とを備え、
前記状況表示データは、時間経過とともに変動する、プレイヤ間を結ぶ少なくとも一つの直線を含むことを特徴とするサーバ装置において、
前記サーバ装置には前記各プレイヤの競技上の役割が記録されており、
前記状況表示データは、同じ役割のプレイヤを結ぶ線を含むことを特徴とするサーバ装置。
【請求項3】
プレイヤ位置可視化システムのためのサーバ装置をコンピュータによって実現するためのサーバプログラムであって、コンピュータを、
フィールドで複数プレイヤが参加して行う競技の各プレイヤの位置を取得する位置取得手段と、
前記フィールドの画像上の対応する位置に取得した各プレイヤを表示するためのデータを生成する状況表示データ生成手段と、
生成された状況表示データを、
端末装置に送信する状況表示データ送信手段として機能させるためのサーバプログラムにおいて、
前記状況表示データは、時間経過とともに変動する、プレイヤ間を結ぶ少なくとも一つの直線を含むことを特徴とするサーバプログラムにおいて、
前記サーバ装置には前記各プレイヤの競技上の役割が記録されており、
前記状況表示データは、同じ役割のプレイヤを結ぶ線を含むことを特徴とするサーバプログラム。
【請求項4】
プレイヤ位置可視化システムのための端末装置であって、
サーバ装置からの状況表示データを受信する状況表示データ受信手段と、
前記受信した状況表示データを表示部に表示する状況表示データ表示手段とを備え、
前記状況表示データは、時間経過とともに変動する、プレイヤ間を結ぶ少なくとも一つの直線を含むことを特徴とする端末装置において、
前記サーバ装置には前記各プレイヤの競技上の役割が記録されており、
前記状況表示データは、同じ役割のプレイヤを結ぶ線を含むことを特徴とする端末装置。
【請求項5】
プレイヤ位置可視化システムのための端末装置をコンピュータによって実現するための端末プログラムであって、コンピュータを、
サーバ装置からの状況表示データを受信する状況表示データ受信手段と、
前記受信した状況表示データを表示部に表示する状況表示データ表示手段として機能させるための端末プログラムにおいて、
前記状況表示データは、時間経過とともに変動する、プレイヤ間を結ぶ少なくとも一つの直線を含むことを特徴とする端末プログラムにおいて、
前記サーバ装置には前記各プレイヤの競技上の役割が記録されており、
前記状況表示データは、同じ役割のプレイヤを結ぶ線を含むことを特徴とする端末プログラム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかシステム、装置またはプログラムにおいて、
前記状況表示データは、隣接する役割のプレイヤを結ぶ線を含むことを特徴とするシステム、装置またはプログラム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかのシステム、装置またはプログラムにおいて、
前記状況表示データは、各プレイヤを結び各プレイヤを頂点とする三角形を含むことを特徴とするシステム、装置またはプログラム。
【請求項8】
請求項7のシステム、装置またはプログラムにおいて、
前記三角形は、ドロネー三角形であることを特徴とするシステム、装置またはプログラム。
【請求項9】
請求項1~8のいずれかのシステム、装置またはプログラムにおいて、
前記状況表示データは、前記プレイヤを中心とし、現実のフィールドにおける所定長さを半径とする円に対応する円を含むようにすることで、画面の縮小拡大を行っても当該円に基づいて選手間の距離を容易に把握できるようにしたことを特徴とするシステム、装置またはプログラム。
【請求項10】
請求項1~9のいずれかのシステム、装置またはプログラムにおいて、
前記位置取得手段は、少なくとも一方チームの各プレイヤの位置を取得し、
前記状況表示データは、一方チームのプレイヤに関する表示のみを含むことを特徴とするシステム、装置またはプログラム。
【請求項11】
請求項1~9のいずれかのシステム、装置またはプログラムにおいて、
前記位置取得手段は、一方チームだけでなく対戦相手チームの各プレイヤの位置を取得し、
前記状況表示データは、一方チームだけでなく対戦相手チームのプレイヤに関する表示も含むことを特徴とするシステム、装置またはプログラム。
【請求項12】
請求項1~9のいずれかのシステム、装置またはプログラムにおいて、
前記状況表示データは、取得したプレイヤの位置がフィールド外である場合には、当該プレイヤに関する表示は含まないことを特徴とするシステム、装置またはプログラム。
【請求項13】
請求項1~12のいずれかのシステム、装置またはプログラムにおいて、
前記位置取得手段は、前記プレイヤ以外の競技参加者である二次的プレイヤの位置を取得し、
前記状況表示データは、取得した前記二次的プレイヤの位置も含むことを特徴とするシステム、装置またはプログラム。
【請求項14】
請求項1~13のいずれかのシステム、装置またはプログラムにおいて、
前記位置取得手段は、プレイヤに従属せず移動する競技対象物の位置も取得し、
前記状況表示データは、前記競技対象物の位置も含むことを特徴とするシステム、装置またはプログラム。
【請求項15】
サーバ装置および当該サーバ装置と通信可能な端末装置を備えたプレイヤ位置可視化システムであって、
前記サーバ装置は、
フィールドで複数プレイヤが参加して行う競技の各プレイヤの位置を取得する位置取得手段と、
前記フィールドの画像上の対応する位置に取得した各プレイヤを表示するためのデータを生成する状況表示データ生成手段と、
生成された状況表示データを、前記端末装置に送信する状況表示データ送信手段とを備え、
前記端末装置は、
前記サーバ装置からの状況表示データを受信する状況表示データ受信手段と、
前記受信した状況表示データを表示部に表示する状況表示データ表示手段とを備え、
前記状況表示データは、前記プレイヤを中心とし、現実のフィールドにおける所定長さを半径とする円に対応する円を含むようにすることで、画面の縮小拡大を行っても当該円に基づいて選手間の距離を容易に把握できるようにしたことを特徴とするプレイヤ位置可視化システム。
【請求項16】
プレイヤ位置可視化システムのためのサーバ装置であって、
フィールドで複数プレイヤが参加して行う競技の各プレイヤの位置を取得する位置取得手段と、
前記フィールドの画像上の対応する位置に取得した各プレイヤを表示するためのデータを生成する状況表示データ生成手段と、
生成された状況表示データを、
端末装置に送信する状況表示データ送信手段とを備え、
前記状況表示データは、前記プレイヤを中心とし、現実のフィールドにおける所定長さを半径とする円に対応する円を含むようにすることで、画面の縮小拡大を行っても当該円に基づいて選手間の距離を容易に把握できるようにしたことを特徴とするサーバ装置。
【請求項17】
プレイヤ位置可視化システムのためのサーバ装置をコンピュータによって実現するためのサーバプログラムであって、コンピュータを、
フィールドで複数プレイヤが参加して行う競技の各プレイヤの位置を取得する位置取得手段と、
前記フィールドの画像上の対応する位置に取得した各プレイヤを表示するためのデータを生成する状況表示データ生成手段と、
生成された状況表示データを、
端末装置に送信する状況表示データ送信手段として機能させるためのサーバプログラムにおいて、
前記状況表示データは、前記プレイヤを中心とし、現実のフィールドにおける所定長さを半径とする円に対応する円を含むようにすることで、画面の縮小拡大を行っても当該円に基づいて選手間の距離を容易に把握できるようにしたことを特徴とするサーバ装置。
【請求項18】
プレイヤ位置可視化システムのための端末装置であって、
サーバ装置からの状況表示データを受信する状況表示データ受信手段と、
前記受信した状況表示データを表示部に表示する状況表示データ表示手段とを備え、
前記状況表示データは、前記プレイヤを中心とし、現実のフィールドにおける所定長さを半径とする円に対応する円を含むようにすることで、画面の縮小拡大を行っても当該円に基づいて選手間の距離を容易に把握できるようにしたことを特徴とする端末装置。
【請求項19】
プレイヤ位置可視化システムのための端末装置をコンピュータによって実現するための端末プログラムであって、コンピュータを、
サーバ装置からの状況表示データを受信する状況表示データ受信手段と、
前記受信した状況表示データを表示部に表示する状況表示データ表示手段として機能させるための端末プログラムにおいて、
前記状況表示データは、前記プレイヤを中心とし、現実のフィールドにおける所定長さを半径とする円に対応する円を含むようにすることで、画面の縮小拡大を行っても当該円に基づいて選手間の距離を容易に把握できるようにしたことを特徴とする端末プログラム。
【請求項20】
フィールドで複数プレイヤが参加して行う競技の各プレイヤの位置を取得する位置取得手段と、
前記フィールドの画像上の対応する位置に取得した各プレイヤを表示する状況表示手段と、
を備えたプレイヤ位置可視化装置において、
前記状況表示手段は、時間経過とともに変動する、プレイヤ間を結ぶ少なくとも一つの直線を表示することを特徴とするプレイヤ位置可視化装置において、
前記状況表示手段は、同じ役割のプレイヤを結ぶ線を表示することを特徴とするプレイヤ位置可視化装置。
【請求項21】
コンピュータによってプレイヤ位置可視化装置を実現するためのプレイヤ位置可視化プログラムであって、コンピュータを、
フィールド内で複数プレイヤが参加して行う競技の各プレイヤの位置を取得する位置取得手段と、
前記フィールドの画像上の対応する位置に取得した各プレイヤを表示する状況表示手段として機能させるためのプレイヤ位置可視化プログラムにおいて、
前記状況表示手段は、時間経過とともに変動する、プレイヤ間を結ぶ少なくとも一つの直線を表示することを特徴とするプレイヤ位置可視化プログラムにおいて、
前記状況表示手段は、同じ役割のプレイヤを結ぶ線を表示することを特徴とするプレイヤ位置可視化プログラム。
【請求項22】
請求項20の装置または請求項21のプログラムにおいて、
前記状況表示手段は、隣接する役割のプレイヤを結ぶ線を表示することを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項23】
請求項20~22のいずれかの装置またはプログラムにおいて、
前記状況表示手段は、各プレイヤを結び各プレイヤを頂点とする三角形を表示することを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項24】
請求項23の装置またはプログラムにおいて、
前記三角形は、ドロネー三角形であることを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項25】
請求項20~24のいずれかの装置またはプログラムにおいて、
前記状況表示手段は、前記プレイヤを中心とし、現実のフィールドにおける所定長さを半径とする円に対応する円を表示することで、画面の縮小拡大を行っても当該円に基づいて選手間の距離を容易に把握できるようにしたことを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項26】
請求項20~25のいずれかの装置またはプログラムにおいて、
前記位置取得手段は、少なくとも一方チームの各プレイヤの位置を取得し、
前記状況表示手段は、一方チームのプレイヤのみを表示することを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項27】
請求項20~26のいずれかの装置またはプログラムにおいて、
前記位置取得手段は、一方チームだけでなく対戦相手チームのの各プレイヤの位置を取得し、
前記状況表示手段は、一方チームだけでなく対戦相手チームのプレイヤも表示することを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項28】
請求項20~27のいずれかの装置またはプログラムにおいて、
前記状況表示手段は、取得したプレイヤの位置がフィールド外である場合には、当該プレイヤを表示しないことを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項29】
請求項20~28のいずれかの装置またはプログラムにおいて、
前記位置取得手段は、前記プレイヤ以外の競技参加者である二次的プレイヤの位置を取得し、
前記状況表示手段は、取得した前記二次的プレイヤも表示することを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項30】
請求項20~29のいずれかの装置またはプログラムにおいて、
前記位置取得手段は、プレイヤに従属せず移動する競技対象物の位置も取得し、
前記状況表示手段は、前記競技対象物の位置も表示することを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項31】
フィールドで複数プレイヤが参加して行う競技の各プレイヤの位置を取得する位置取得手段と、
前記フィールドの画像上の対応する位置に取得した各プレイヤを表示する状況表示手段と、
を備えたプレイヤ位置可視化装置において、
前記状況表示手段は、前記プレイヤを中心とし、現実のフィールドにおける所定長さを半径とする円に対応する円を表示することで、画面の縮小拡大を行っても当該円に基づいて選手間の距離を容易に把握できるようにしたことを特徴とするプレイヤ位置可視化装置。
【請求項32】
コンピュータによってプレイヤ位置可視化装置を実現するためのプレイヤ位置可視化プログラムであって、コンピュータを、
フィールド内で複数プレイヤが参加して行う競技の各プレイヤの位置を取得する位置取得手段と、
前記フィールドの画像上の対応する位置に取得した各プレイヤを表示する状況表示手段として機能させるためのプレイヤ位置可視化プログラムにおいて、
前記状況表示手段は、前記プレイヤを中心とし、現実のフィールドにおける所定長さを半径とする円に対応する円を表示することで、画面の縮小拡大を行っても当該円に基づいて選手間の距離を容易に把握できるようにしたことを特徴とするプレイヤ位置可視化プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数プレイヤが参加して行う競技の各プレイヤの位置を可視化する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
サッカー、アメリカンフットボールなど複数のプレイヤが参加して行う競技においては、各プレイヤの能力もさることながら、状況に応じた戦術に基づいて各プレイヤが行動することが求められる。
【0003】
特許文献1には、サッカーの各プレイヤの技能の向上に資するため、競技中における各選手の動きなどを記録しておき、これを後に解析するための装置が開示されている。ボールの軌跡、パスの種類、プレイヤ達の軌跡などが記録されて、解析される。解析結果は、各プレイヤにフィードバックされて、その技量向上に役立てることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の装置では、各プレイヤの位置関係を直ちに把握することが難しく、戦術の決定や分析を行うためには適していなかった。特に、リアルタイムにて戦術を決定する場合に、各プレイヤの位置関係を把握するのが容易でなく、適していないという問題があった。
【0006】
この発明は上記のような問題点を解決して、各プレイヤの位置関係を容易に把握することのできるプレイヤ位置可視化システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明のいくつかの独立して適用可能な特徴を以下に示す。
【0008】
(1)(2)(3)(4)(5)この発明に係るプレイヤ位置可視化システムは、サーバ装置および当該サーバ装置と通信可能な端末装置を備えたプレイヤ位置可視化システムであって、
前記サーバ装置は、フィールドで複数プレイヤが参加して行う競技の各プレイヤの位置を取得する位置取得手段と、前記フィールドの画像上の対応する位置に取得した各プレイヤを表示するためのデータを生成する状況表示データ生成手段と、生成された状況表示データを、前記端末装置に送信する状況表示データ送信手段とを備え、
前記端末装置は、前記サーバ装置からの状況表示データを受信する状況表示データ受信手段と、前記受信した状況表示データを表示部に表示する状況表示データ表示手段とを備え、前記状況表示データは、時間経過とともに変動する、プレイヤ間を結ぶ少なくとも一つの直線を含むことを特徴としている。
【0009】
したがって、プレイヤ間を結ぶ直線によって、プレイヤの位置関係を容易に把握することができる。
【0010】
(6)この発明に係るプレイヤ位置可視化システムは、状況表示データは、各プレイヤを結び各プレイヤを頂点とする三角形を含むことを特徴としている。
【0011】
したがって、プレイヤ相互の位置関係をさらに容易に把握することができ、プレーの戦術分析が容易となる。
【0012】
(7)この発明に係るプレイヤ位置可視化システムは、三角形は、ドロネー三角形であることを特徴としている。
【0013】
したがって、形成された三角形がドロネー条件を満たしていて、小さな三角形が形成されており、各プレイヤを中心とした守備範囲などを容易に把握することができ、プレーの戦術分析が容易となる。
【0014】
(8)この発明に係るプレイヤ位置可視化システムは、サーバ装置には前記各プレイヤの競技上の役割が記録されており、状況表示データは、同じ役割のプレイヤを結ぶ線を含むことを特徴としている。
【0015】
したがって、役割を中心とした位置関係の把握が容易であり、プレーの戦術分析が容易となる。
【0016】
(9)この発明に係るプレイヤ位置可視化システムは、状況表示データは、隣接する役割のプレイヤを結ぶ線を含むことを特徴としている。
【0017】
したがって、役割を中心とした位置関係を把握しつつ、全体としての位置関係を把握することが容易であり、プレーの戦術分析が容易となる。
【0018】
(10)この発明に係るプレイヤ位置可視化システムは、状況表示データは、前記プレイヤを中心とし、現実のフィールドにおける所定長さを半径とする円に対応する円を含むことを特徴としている。
【0019】
したがって、プレイヤ間の距離を把握することが容易である。
【0020】
(11)この発明に係るプレイヤ位置可視化システムは、位置取得手段は、少なくとも一方チームの各プレイヤの位置を取得し、前記状況表示データは、一方チームのプレイヤに関する表示のみを含むことを特徴としている。
【0021】
したがって、一方のチームのプレイヤのみに注目して位置関係を把握することができる。
【0022】
(12)この発明に係るプレイヤ位置可視化システムは、前記位置取得手段は、一方チームだけでなく対戦相手チームの各プレイヤの位置を取得し、前記状況表示データは、一方チームだけでなく対戦相手チームのプレイヤに関する表示も含むことを特徴としている。
【0023】
したがって、双方のチームのプレイヤの位置関係を把握することができる。
【0024】
(13)この発明に係るプレイヤ位置可視化システムは、前記状況表示データは、取得したプレイヤの位置がフィールド外である場合には、当該プレイヤに関する表示は含まないことを特徴としている。
【0025】
したがって、控えプレイヤを除外して、実際にプレイをしているプレイヤのみの位置関係を把握することができる。
【0026】
(14)この発明に係るプレイヤ位置可視化システムは、位置取得手段は、前記プレイヤ以外の競技参加者である二次的プレイヤの位置を取得し、状況表示データは、取得した前記二次的プレイヤの位置も含むことを特徴としている。
【0027】
したがって、コーチや監督などとプレイヤとの位置関係も把握することができる。
【0028】
(15)この発明に係るプレイヤ位置可視化システムは、位置取得手段は、プレイヤに従属せず移動する競技対象物の位置も取得し、状況表示データは、前記競技対象物の位置も含むことを特徴としている。
【0029】
したがって、ボール、シャトル、パックなどの競技対象物の位置関係も把握することができる。
【0030】
(16)(17)(18)(19)(20)この発明に係るプレイヤ位置可視化システムは、サーバ装置および当該サーバ装置と通信可能な端末装置を備えたプレイヤ位置可視化システムであって、
前記サーバ装置は、フィールドで複数プレイヤが参加して行う競技の各プレイヤの位置を取得する位置取得手段と、前記フィールドの画像上の対応する位置に取得した各プレイヤを表示するためのデータを生成する状況表示データ生成手段と、生成された状況表示データを、前記端末装置に送信する状況表示データ送信手段とを備え、
前記端末装置は、前記サーバ装置からの状況表示データを受信する状況表示データ受信手段と、前記受信した状況表示データを表示部に表示する状況表示データ表示手段とを備え、前記状況表示データは、前記プレイヤを中心とし、現実のフィールドにおける所定長さを半径とする円に対応する円を含むことを特徴としている。
【0031】
したがって、プレイヤ間などの距離を容易に把握することができる。
【0032】
(21)(22)この発明に係るプレイヤ位置可視化装置は、フィールドで複数プレイヤが参加して行う競技の各プレイヤの位置を取得する位置取得手段と、前記フィールドの画像上の対応する位置に取得した各プレイヤを表示する状況表示手段とを備えたプレイヤ位置可視化装置において、前記状況表示手段は、時間経過とともに変動する、プレイヤ間を結ぶ少なくとも一つの直線を表示することを特徴としている。
【0033】
したがって、プレイヤ間を結ぶ直線によって、プレイヤの位置関係を容易に把握することができ、プレーの戦術分析が容易となる。
【0034】
(23)この発明に係るプレイヤ位置可視化装置は、状況表示手段が、各プレイヤを結び各プレイヤを頂点とする三角形を表示することを特徴としている。
【0035】
したがって、プレイヤ相互の位置関係をさらに容易に把握することができ、プレーの戦術分析が容易となる。
【0036】
(24)この発明に係るプレイヤ位置可視化装置は、三角形が、ドロネー三角形であることを特徴としている。
【0037】
したがって、形成された三角形がドロネー条件を満たしていて、小さな三角形が形成されており、各プレイヤを中心とした守備範囲などを容易に把握することができ、プレーの戦術分析が容易となる。
【0038】
(25)この発明に係るプレイヤ位置可視化装置は、サーバ装置には前記各プレイヤの競技上の役割が記録されており、状況表示手段は、同じ役割のプレイヤを結ぶ線を表示することを特徴としている。
【0039】
したがって、役割を中心とした位置関係の把握が容易であり、プレーの戦術分析が容易となる。
【0040】
(26)この発明に係るプレイヤ位置可視化装置は、状況表示手段が、隣接する役割のプレイヤを結ぶ線を表示することを特徴としている。
【0041】
したがって、役割を中心とした位置関係を把握しつつ、全体としての位置関係を把握することが容易であり、プレーの戦術分析が容易となる。
【0042】
(27)この発明に係るプレイヤ可視化装置は、状況表示手段が、前記プレイヤを中心とし、現実のフィールドにおける所定長さを半径とする円に対応する円を表示することを特徴としている。
【0043】
したがって、プレイヤ間の距離を把握することが容易である。
【0044】
(28)この発明に係るプレイヤ可視化装置は、位置取得手段が、少なくとも一方チームの各プレイヤの位置を取得し、状況表示手段は、一方チームのプレイヤのみを表示することを特徴としている。
【0045】
したがって、一方のチームのプレイヤのみに注目して位置関係を把握することができる。
【0046】
(29)この発明に係るプレイヤ可視化装置は、位置取得手段が、一方チームだけでなく対戦相手チームのの各プレイヤの位置を取得し、状況表示手段は、一方チームだけでなく対戦相手チームのプレイヤも表示することを特徴としている。
【0047】
したがって、双方のチームのプレイヤの位置関係を把握することができる。
【0048】
(30)この発明に係るプレイヤ可視化装置は、状況表示手段が、取得したプレイヤの位置がフィールド外である場合には、当該プレイヤを表示しないことを特徴としている。
【0049】
したがって、控えプレイヤを除外して、実際にプレイをしているプレイヤのみの位置関係を把握することができる。
【0050】
(31)この発明に係るプレイヤ位置可視化装置は、位置取得手段が、前記プレイヤ以外の競技参加者である二次的プレイヤの位置を取得し、状況表示手段は、取得した前記二次的プレイヤも表示することを特徴としている。
【0051】
したがって、コーチや監督などとプレイヤとの位置関係も把握することができる。
【0052】
(32)この発明に係るプレイヤ位置可視化装置は、位置取得手段が、プレイヤに従属せず移動する競技対象物の位置も取得し、前記状況表示手段は、前記競技対象物の位置も表示することを特徴としている。
【0053】
したがって、ボール、シャトル、パックなどの競技対象物の位置関係も把握することができる。
【0054】
(33)(34)この発明に係るプレイヤ位置可視化装置は、フィールドで複数プレイヤが参加して行う競技の各プレイヤの位置を取得する位置取得手段と、前記フィールドの画像上の対応する位置に取得した各プレイヤを表示する状況表示手段とを備えたプレイヤ位置可視化装置において、前記状況表示手段は、前記プレイヤを中心とし、現実のフィールドにおける所定長さを半径とする円に対応する円を表示することを特徴としている。
【0055】
したがって、プレイヤ間などの距離を容易に把握することができる。
【0056】
この発明において、「表示部」は、少なくとも状況表示データを表示するためのものであり、個人が一人で見ることを目的とするディスプレイなどだけでなく、複数人が見ることを目的とする大型パネルディスプレイなども含む概念である。
【0057】
「位置取得手段」は、少なくともプレイヤの位置を取得するものであり、実施形態では、ステップS12がこれに対応する。
【0058】
「状況表示データ生成手段」は、少なくともフィールド上にプレイヤを配置した表示データを生成するためのものであり、実施形態では、ステップS13、S14、S15がこれに対応する。
【0059】
「送信手段」は、実施形態においては、ステップS16がこれに対応する。
【0060】
「状況データ受信手段」は、実施形態においては、ステップS3がこれに対応する。
【0061】
「状況表示データ表示手段」は、少なくとも状況表示データを表示するためのものであり、実施形態においては、ステップS4がこれに対応する。
【0062】
「プログラム」とは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソース形式のプログラム、圧縮処理がされたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む概念である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【
図1】この発明の一実施形態によるプレイヤ位置可視化システムの機能ブロック図である。
【
図2】プレイヤ位置可視化システムのシステム構成図である。
【
図5】端末装置であるタブレット・コンピュータ2のハードウエア構成である。
【
図6】プレイヤ可視化処理のフローチャートである。
【
図7】
図7Aはプレイヤの位置データ、
図7Bはプレイヤの属性データを示す図である。
【
図8】
図8Aはフィールドの座標データ、
図8Bはフィールドにプレイヤを配置した状態を示す図である。
【
図10】プレイヤをドロネー三角によって結んだ状態を示す図である。
【
図11】同じポジションのプレイヤを線で結んだ状態を示す図である。
【
図12】同じポジションのプレイヤを線で結び、隣接するポジションのプレイヤも線で結んだ状態を示す図である。
【
図13】異なるフォーメーションの際の状態を示す図である。
【
図14】プレイヤの位置取得を動画に基づいて行う場合のフローチャートである。
【
図15】グレースケール化した画像データの例である。
【
図16】プレイヤを中心とした円を示した場合の図である。
【
図17】タブレットコンピュータ2の側において、状況表示を拡大して表示した場合を示す図である。
【
図18】サーバ装置2を用いずにタブレットコンピュータ2によって実現した場合の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
1.機能ブロック図
図1に、この発明の一実施形態によるプレイヤ位置可視化システムの機能ブロック図を示す。サーバ装置4の位置取得手段42は、各プレイヤの位置を特定するためのデータ(位置特定データ)を受けて、各プレイヤの位置を決定する。状況表示データ生成手段44は、フィールド平面画像上に、決定した位置に基づいて各プレイヤを配置した状況表示データを生成する。送信手段46は、生成された状況表示データを端末装置2に送信する。
【0065】
端末装置2の状況表示データ受信手段22は、この状況表示データを受信する。状況表示データ表示手段24は、状況表示データを表示部26に表示する。
【0066】
2.システム構成およびハードウエア構成
図2に、プレイヤ位置可視化システムの構成を示す。各プレイヤ10は、GNSS受信機12を装着し、競技を行っている。GNSS受信機12が取得した位置情報は、インターネット回線6を介して、サーバ装置4に送信される。なお、GNSS受信機12からWiFi通信やブル-ツース(商標)通信によってフィールドに設置された通信機に送信し、この通信機からインターネット回線6を介して、サーバ装置4に送信するようにしてもよい。
【0067】
サーバ装置4は、状況表示データを生成し、インターネット回線6を介して、端末装置であるタブレット・コンピュータ2に送信する。タブレット・コンピュータ2では、状況表示データが表示され、ユーザは、各プレイヤの位置関係などを図として把握することができる。
【0068】
図3に、GNSS受信機12の構成を示す。アンテナ126は、衛星からの信号を受信するためのものである。信号処理手段120は、受信した信号から時間情報や位置情報などの受信データを取り出すための回路である。位置演算回路122は、受信データに基づいて、このGNSS受信機の位置(水平位置および垂直位置)を算出するものである。算出された位置は、通信回路124によって、アンテナ128からインターネットに向けて送信される。以下の実施形態では、水平位置のみを表示しているが、垂直位置を得ることで先の水平位置の推定に用いることができる。
【0069】
図4に、サーバ装置4のハードウエア構成を示す。CPU40には、メモリ42、ハードディスク44、DVD-ROMドライブ46、通信回路48が接続されている。通信回路48は、インターネットに接続するためのものである。ハードディスク44には、オペレーティングシステム50、サーバプログラム52が記録されている。サーバプログラム52は、オペレーティングシステム50と協働してその機能を発揮するものである。これらプログラムは、DVD-ROM54に記録されていたものを、DVD-ROMドライブ46を介して、ハードディスク44にインストールしたものである。
【0070】
図5に、タブレット・コンピュータ2のハードウエア構成を示す。CPU20には、メモリ22、タッチディスプレイ24、ハードディスク26、通信回路28が接続されている。
【0071】
通信回路28はインターネットに接続するためのものである。不揮発性メモリ26には、オペレーティングシステム30、端末プログラム32(たとえば、ブラウザプログラム)が記録されている。端末プログラム32は、オペレーティングシステム30と協働してその機能を発揮するものである。
【0072】
3.プレイヤ位置可視化処理
図6に、プレイヤ位置可視化処理のフローチャートを示す。ここでは、サッカーの試合中にリアルタイムでプレイヤの位置を表示する場合について説明する。
【0073】
競技場にいるコーチなどは、タブレット・コンピュータ2を操作して、プレイヤ可視化のためのサーバ装置4にアクセスする。タブレット・コンピュータ2のCPU20(以下タブレット・コンピュータ2と省略することがある)は、これを受けて、サーバ装置4にアクセスする(ステップS1)。
【0074】
サーバ装置4のCPU40(以下サーバ装置4と省略することがある)は、ログイン画面を送信する。タブレット・コンピュータ2はログイン画面を表示し、ユーザによるログインID、パスワードなどの入力があると、これをサーバ装置4に送信する。サーバ装置4は、送信されてきたログインID、パスワードに基づいて認証を行う(ステップS2、S11)。
【0075】
ログイン処理が正しく完了すると、サーバ装置4は、各プレイヤからの位置情報を受信し、ハードディスク44に記録する(ステップS12)。GNSS受信機12から送られてくる位置情報には、
図7Aに示すように、選手ID、位置情報(緯度経度)、時刻が含まれている。なお、サーバ装置4のハードディスク44には、予め選手IDに対応づけてポジション(図ではMF)や氏名、年齢などの情報が記録されている。ハードディスク44には、さらに、
図8Aに示すように、サッカー場のフィールド四隅の座標(緯度、経度)が記録されている。
【0076】
次に、サーバ装置4は、フィールド上にプレイヤの位置を配置する(ステップS13)。この際、同時刻の位置データを用いて配置するようにする。
図8Bに、フィールド上に配置されたプレイヤを示す。この実施形態では、選手IDに対応づけて記録されているポジションによって、プレイヤの表示を変えるようにしている(色や形状など)。また、この実施形態では、双方のチームのプレイヤを表示するようにしているが、一方のチームのプレイヤのみを表示するようにしてもよい。また、一方側のチームと他方側のチームとを区別可能なように、異なる色や形状などを用いることが好ましい。
【0077】
次に、サーバ装置4は、ドロネー三角分割によって、チームごとに各プレイヤを結ぶ三角形を生成する(ステップS14)。ドロネー三角分割は、ドロネー基準にしたがった三角形の形成方法である。ドロネー基準は、
図9Aに示すように、形成された三角形の外接円の中に、他の三角形の頂点を含まないことである。したがって、
図9Bに示すように、プレイヤP1、P2、P3を頂点とする三角形の中に、プレイヤP4が含まれるような三角形の分割方法は、ドロネー基準に沿っていないことになる。この場合、
図9Cに示すように、プレイヤP1、P2、P4による三角形を形成すればドロネー基準を満たすことになる。
図10に、生成されたドロネー三角の例を示す。なお、ドロネー三角の線は、チームやポジションによって色や形態(破線、実線など)を変えるようにしてもよい。すなわち同じポジション同士のプレイヤを結ぶ線と異なるポジションのプレイヤを結ぶ線の色や形態を変えてもよい。また、同じポジション同士を結ぶ線であっても、異なるポジションであればその色や形態を変えてもよい。
【0078】
サーバ装置4は、生成したドロネー三角を含め、フィールドの情報等を加え、タブレット・コンピュータ2において表示するための状況表示データを生成する(ステップS15)。たとえば、
図10に示すような状況表示データが生成される。サーバ装置4は、生成した状況表示データをタブレット・コンピュータ2に送信する(ステップS16)。
【0079】
タブレット・コンピュータ2は、これを受信する(ステップS3)。受信した状況表示データを、タッチディスプレイ24に表示する(ステップS4)。タブレットコンピュータ2においては、タッチディスプレイ24の表示を、回転したり拡大・縮小したりすることができる。このようにして、タブレットコンピュータ2は、現在のプレイヤの位置関係をリアルタイムに容易に把握することができる。なお、ドロネー三角形とすることにより、プレイヤを中心としてできるだけ小さな三角形が形成されるので、各プレイヤの守備すべき範囲を把握することが容易となる。これにより、例えば、三角形の大きさの変化などによりプレイヤ間のスペースの大きさなどをチェックして、指示どおりに動いているかどうかの確認など、プレーの戦術分析が可能となる。
【0080】
以後、上記の処理が繰り返され、プレイヤの動きにつれて変化する位置関係を容易に把握することができる。
【0081】
4.その他
(1)上記実施形態では、プレイヤを結ぶドロネー三角形を生成するようにしている。しかし、その他、任意の三角形を生成するようにしてもよい。
【0082】
また、
図11に示すように、同じポジションのプレイヤ同士を結ぶ直線を引くようにしてもよい。異なるポジションにおける線の色や形態(実線・破線など)を変えて区別可能とすることが好ましい。
図11のような表示を行うためには、各選手をY軸方向の座標値によってソートし、座標値の順に線で結ぶようにする。
図11において、DF1、DF2、DF3、DF4は、4人のディフェンダをソートして符号を付けたものである。したがって、時間経過に伴うプレイヤ相互の位置関係の変化によって、DF1の符号を付されていたプレイヤが、他の符号DF2等の符号となる場合もある。MF1~MF4、FW1~FW2についても同様である。
【0083】
さらに、
図12に示すように、隣接するポジションのプレイヤを線で結ぶようにしてもよい。この実施形態では、いずれのポジションのプレイヤを、いずれのポジションのプレイヤに結ぶかを予め定めている。たとえば、FW1はMF1とMF2に結ぶ、FW2はMF3とMF4に結ぶ、MF1は、DF1と結ぶ・・・というように定めている。
【0084】
図12では、4-4-2のフォーメーションの場合を示しているが、異なる役割のどのプレイヤを線で結ぶかは、フォーメーションごとに記録しておき、フォーメーションによって予めユーザが選択するようにする。たとえば、3-5-2のフォーメーションであれば、
図13に示すように線で結ぶことができる。なお、
図13に示す結び方は一例であり、どのような定め方をしてもよい。また、
図13に示すように、同じポジションのプレイヤを結ぶ線と、異なるポジションのプレイヤを結ぶ線を区別可能に表示してもよい。
【0085】
また、目的に応じて、プレイヤとプレイヤを結ぶ線は任意に決定することができる。たとえば、注目したいプレイヤのみに線を引くようにしてもよい。
【0086】
(2)上記実施形態では、フィールド内にいるプレイヤの位置を表示するようにしている。控え選手もGNSS受信機12を装着している。したがって、システムは控え選手の位置も把握している。ただし、この実施形態では、フィールド内にいないプレイヤは表示しないようにしている。なお、控え選手も表示するようにしてもよい。
【0087】
また、競技を直接的に行うプレイヤだけでなく、コーチ、監督、審判などの二次的プレイヤの位置も表示するようにしてもよい。さらに、ボール(選手に従属して移動しない競技物)にGNSS受信機12を埋め込み、ボールの位置を表示するようにしてもよい。
【0088】
(3)上記実施形態では、GNSS受信機12を用いて各プレイヤの位置を特定するようにしている。しかし、レーザ測距などGNSS以外の手段を用いて各プレイヤの位置を特定するようにしてもよい。たとえば、画像処理、レーザ測距、電波や音波による測距、WiFi測位、RFID測位、ブルーツース(商標)測位などを用いてもよい。また、これらを任意に組み合わせて各プレイヤの位置を特定するようにしてもよい。たとえば、画像処理によってプレイヤの位置を特定する処理を、
図14に示す。この処理は、サーバ装置4のステップS12の処理に該当する。
【0089】
サーバ装置4は、フィールドおよびプレイヤを所定の場所で所定のアングルから撮像した動画を、受信してハードディスク44に記録している。したがって、ハードディスク44には、タイムスタンプが付されて、動画を構成する静止画が記録される。
【0090】
サーバ装置4は、記録されている動画の1フレームを読み出す(ステップS51)。前述の記録と、ステップS51の読み出しは時間を空けずに行われるので、実質的にリアルタイムの処理がなされることになる。サーバ装置4は、読み込んだ画像をグレースケール化する(ステップS52)。グレースケール化された画像を
図15に示す。
【0091】
さらに、サーバ装置4は、予め同じアングルで撮像したプレイヤのいないフィールドのグレースケール画像と、
図15の画像との差分を算出する(ステップS53)。この差分が所定値以上となる箇所を、プレイヤとして抽出する(ステップS54)。続いて、抽出したプレイヤの画像を拡大して縮小する処理を行い、連続した一つの塊とする(ステップS55)。
【0092】
このようにして、各プレイヤを認識すれば、次に、プレイヤの最下部の位置を取得してこれをプレイヤの位置とする。なお、この位置は、フィールドの4隅C1、C2、C3、C4の位置が既知であるので、画面上においてこの4隅C1、C2、C3、C4との位置関係に基づいて、プレイヤの現実の位置を推定することができる。また、各プレイヤのユニフォームの番号により、誰であるかを特定するようにしている。全ての画像において番号を認識できなくとも、前後の画像によって同一人であることを推定することができる。また、いずれのチームのプレイヤであるかは、ユニフォームの色などによって識別することができる。
【0093】
(4)上記実施形態では、リアルタイムにプレイヤの位置を表示するようにしている。しかし、プレイヤの位置を記録しておき、後からプレイヤの位置を表示するようにしてもよい。後に解析を行う際には、このような方式でも十分である。
【0094】
(5)
図16に示すように、各プレイヤを中心として所定距離(たとえば現実の距離で2m)を半径とする円を併せて表示するようにしてもよい。これにより、タブレット・コンピュータ2において、
図17に示すように拡大表示をした場合であっても、選手間の距離やボールとの距離などを把握することができる。
【0095】
なお、このような円の表示は、上記実施形態と組み合わせて実施してもよいが、単独で円のみを表示するようにして実施してもよい。
【0096】
(6)上記実施形態では、サッカーを例として説明した。しかし、その他のプレイヤの位置によって戦術が生じうる競技一般に適用することができる。たとえば、ラグビー、アメリカンフットボール、バレーボール、クリケット、バスケットボール、ハンドボール、水球、アイスホッケー、ホッケー、フットサル、サイクルサッカー、バトミントン、テニス、卓球、騎馬戦、オートレース、競輪、競艇などにも適用することができる。
【0097】
また、この発明は、屋外でプレイするものだけなく、WiFi測距などを用いることにより屋内でプレイするものにも用いることができる。
【0098】
(7)上記実施形態では、サーバ装置4にてプレイヤとプレイヤを結ぶ線を生成するようにしている。しかし、サーバ装置4を設けずに、全ての処理をタブレットコンピュータ2の側で行うようにしてもよい。
【0099】
この場合の機能ブロック図を、
図18に示す。位置取得手段27は、GNSSデータや画像データ(位置特定データ)を受けて、プレイヤなどの位置を特定するものである。第1の実施形態におけるサーバ装置4の位置取得手段42がこれに対応する。状況表示手段25は、位置取得手段27によって取得した各プレイヤの位置に基づいてフィールド上にプレイヤを配置した状況表示データを生成し、表示部26に表示するものである。第1の実施形態における状況表示データ生成手段44と状況表示データ表示手段24がこれに対応する。
【0100】
タブレットコンピュータ2(端末装置)のみで処理を行う場合も、リアルタイムにプレイヤの位置を取得して表示する方法と、USBメモリなどの記録媒体に記録したプレイヤの位置に基づいて表示する方法のいずれもを採用することができる。
【0101】
(8)上記実施形態では、サーバ装置4にて表示データを生成し、タブレットコンピュータ2のブラウザプログラムにて表示するようにしている。しかし、表示に関する処理は、タブレットコンピュータ2の表示アプリケーションによって行うようにしてもよい。また、サーバ装置4とタブレットコンピュータ2(端末装置)との機能分担は、どのように行ってもよい。
【0102】
(9)上記実施形態では、プレイヤ全員(あるいは一方チームのプレイヤ全員)を表示するようにしている。しかし、表示するプレイヤをユーザが選択できるようにしてもよい。この場合、選択されたプレイヤのみで三角形などの関連線を形成することになる。
【0103】
また、プレイヤ全員の位置を表示しつつ、注目するプレイヤを選択可能とし、選択されたプレイヤを強調表示するようにしてもよい。この場合、全てのプレイヤについて三角形などの関連線を引いてもよいが、選択されたプレイヤのみで関連線を引いてもよい。
【0104】
(10)上記実施形態では、形成された三角形の内部全体について色・模様を施すことはしていない。しかし、三角形の内部全体に色や模様を施すようにしてもよい。この場合、チームによってその色や模様を変えるようにしてもよい。
【0105】
(11)上記実施形態では、同じチームのプレイヤがフィールド上の各位置をどれだけ通過したかを示すことはしていない。しかし、フールドを所定の矩形の領域に分割し(たとえば、1m×1mの矩形に分割し)、各領域を通過した同一チームのプレイヤの述べ人数を計数し、人数に応じて各領域の色を変えて(ヒートマップ)表示してもよい。なお、同一チームではなく、同一チームの同一ポジションのプレイヤとしてもよい。さらに、同一プレイヤが各領域を通過した回数であってもよい。
【0106】
(12)上記実施形態では、端末装置としてタブレットコンピュータ2を用いている。しかし、スマートフォン、PC、携帯情報端末などを用いてもよい。
【0107】
(13)上記実施形態では、プレイヤやボールの軌跡は表示していない。しかし、これらを表示するようにしてもよい。
【0108】
(14)上記実施形態では、プレイヤやボールなどの位置を平面的に表示するようにしている。しかし、高さ方向の位置情報も取得した上で、三次元的(3D的)に表示を行うようにしてもよい。特に、ボールの位置についての高さ情報は重要であるから、ボールについてのみ高さ方向の位置データも取得し、三次元的な表示を行うようにしてもよい。この場合も、プレイヤ間を線で結ぶことで上記の各効果を得ることができる。
【0109】
(15)上記実施形態では、タブレットコンピュータ2のディスプレイに状態を表示するようにしているが、スマートフォン、携帯情報端末、テレビ、携帯ゲーム装置、PC、屋外設置のディスプレイなどに表示するようにしてもよい。