(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-20
(45)【発行日】2022-05-30
(54)【発明の名称】レスピレータタブ
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20220523BHJP
A62B 18/02 20060101ALI20220523BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A62B18/02 C
(21)【出願番号】P 2020203802
(22)【出願日】2020-12-09
(62)【分割の表示】P 2017558674の分割
【原出願日】2016-05-09
【審査請求日】2021-01-05
(32)【優先日】2015-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100110803
【氏名又は名称】赤澤 太朗
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】ヘンダーソン,クリストファー ピー.
(72)【発明者】
【氏名】アブデュルクァダー,リヤド エー.
(72)【発明者】
【氏名】マクメナミン,シアラン ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ウィルソン,オードラ エー.
(72)【発明者】
【氏名】フェイサー,ジョン エム.
【審査官】武井 健浩
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-525878(JP,A)
【文献】特開2014-030654(JP,A)
【文献】米国特許第02507447(US,A)
【文献】特開2003-047668(JP,A)
【文献】特表2001-522669(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/00-13/12
A62B 18/00-18/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部パネルと、
中央パネルと、
下部パネルと、を備えた個人用呼吸保護デバイスであって、
前記中央パネルが、それぞれ第1及び第2の折り目、縫い目、溶接部、又は接合部によって前記上部パネル及び前記下部パネルのそれぞれから分離され、それによりデバイスが、保管のために前記第1及び第2の折り目、縫い目、溶接部、又は接合部に沿って平坦に折り畳まれ、使用の際は着用者の鼻及び口を覆うカップ状の空気室を形成するために広げられることが可能であり、
前記上部パネルが、把持可能な上部タブを有し、前記上部タブが、使用の際に前記デバイスを広げるために把持可能であり、
前記下部パネルが、前記下部パネルの外面の内部に取り付けられた把持可能な下部タブを有し、前記下部タブが、使用の際に前記デバイスを広げるために前記上部タブとともに把持可能であり、
前記内部とは、前記第2の折り目、縫い目、溶接部、又は接合部と前記下部パネルの下部外周との間の部分をいい、
前記下部パネルが、保管されるとき、
前記下部パネルの外面が折り目の谷側となるように横方向の保管用の折り目を有し、前記折り目が前記内
部を通って延び、前記下部タブが、前記横方向の保管用の折り目の近傍の位置で前記下部パネルに取り付けられている、
個人用呼吸保護デバイス。
【請求項2】
前記上部タブが、前記
上部タブが前記上部パネルに接している収納位置と、前記上部タブが前記上部パネルから離れる方へ突出する展開位置との間で可動である、請求項1に記載の個人用呼吸保護デバイス。
【請求項3】
前記上部タブが、前記収納位置へ戻される時まで前記展開位置に留まる、請求項2に記載の個人用呼吸保護デバイス。
【請求項4】
前記上部タブが、
取付け線に沿って前記上部パネルに取り付けられており、前記上部タブが、前記収納位置と前記展開位置との間で動くとき、前
記取付け線で折り畳まれる、請求項2又は3に記載の個人用呼吸保護デバイス。
【請求項5】
前記デバイスが、使用者の鼻と一致する形状となるノーズクリップを含み、前記上部タブの前記取付け線が前記ノーズクリップの近傍に位置し、それにより、前記デバイスを広げる間に前記上部タブが前記ノーズクリップに作用して、前記ノーズクリップを変形させる、請求項4に記載の個人用呼吸保護デバイス。
【請求項6】
前記上部タブが、前記デバイスの長手方向の中心線上に位置決めされている、請求項1または2に記載の個人用呼吸保護デバイス。
【請求項7】
前記上部タブの長さが25mm~35mmである、請求項1または2に記載の個人用呼吸保護デバイス。
【請求項8】
前記上部タブの長さが30mmである、請求項1または2に記載の個人用呼吸保護デバイス。
【請求項9】
前記上部タブの幅が、前記上部パネルへの取付け線で、25mm~35mmである、請求項1または2に記載の個人用呼吸保護デバイス。
【請求項10】
前記上部タブの幅が、前記上部パネルへの取付け線で、30mmである、請求項1または2に記載の個人用呼吸保護デバイス。
【請求項11】
前記下部タブが、前記横方向の保管用の折り目の上又は下10mmの範囲内に位置決めされている、請求項1に記載の個人用呼吸保護デバイス。
【請求項12】
前記下部タブが、前記横方向の保管用の折り目上に位置決めされている、請求項11に記載の個人用呼吸保護デバイス。
【請求項13】
前記下部タブが、前記下部パネルへの取付け点で幅が10mm~40mmである、請求項1に記載の個人用呼吸保護デバイス。
【請求項14】
前記下部タブが、前記下部パネルへの取付け点で幅が15mmである、請求項1に記載の個人用呼吸保護デバイス。
【請求項15】
前記下部タブが、前記デバイスの長手方向の中心線上に位置決めされている、請求項1に記載の個人用呼吸保護デバイス。
【請求項16】
前記下部タブの少なくとも一部分が、前記デバイスが折り畳まれているときに使用者に見える、請求項1または2に記載の個人用呼吸保護デバイス。
【請求項17】
前記下部パネルが、前記第2の折り目、縫い目、溶接部、又は接合部と前記下部パネルの下部外周との間のほぼ等距離の位置に前記横方向の折り目を形成するように折り畳まれている、請求項1に記載の個人用呼吸保護デバイス。
【請求項18】
前記デバイスが、第1の内側カバーウエブと、帯電マイクロファイバを含有するウエブを有する濾過層と、第2の外側カバーウエブとを備えた多層構造を有し、前記第1の内側カバーウエブ及び第2の外側カバーウエブが、それぞれ前記濾過層の第1及び第2の反対側を向いた面に配置され、前記第2の外側カバーウエブには、鼻と一致する形状の要素が取り付けられている、請求項1または2に記載の個人用呼吸保護デバイス。
【請求項19】
前記中央パネルに固定された弾性的に柔軟なヘッドバンドを更に備えている、請求項1または2に記載の個人用呼吸保護デバイス。
【請求項20】
前記中央パネル上に配置された呼気弁を更に備えている、請求項1または2に記載の個人用呼吸保護デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保管中には平坦に折り畳まれ、使用中には着用者の口及び鼻を覆うカップ状の空気室を形成することが可能な、レスピレータ又はフェースマスクとして知られている個人用呼吸保護デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
濾過レスピレータ又はフェースマスクは、空気中に浮遊する粒子又は不快若しくは有毒なガスから人間の呼吸系を保護することが所望される多種多様な適用分野で使用される。概して、そのようなレスピレータ又はフェースマスクは、複数の形状で市販されているが、2つの最も一般的なものは、成形されたカップ状の形状、又は平坦に折り畳まれた形状である。平坦に折り畳まれた形状には、必要になるまで着用者のポケットに入れて持ち運ぶことができ、着用と着用の間には内側を清潔に保つために再び平坦に折り畳むことができるという利点がある。
【0003】
そのような呼吸デバイスとしては、たとえば、レスピレータ、外科用マスク、クリーンルームマスク、フェースシールド、防塵マスク、ブレスウォーミングマスク、及び様々な他のフェースカバーが挙げられる。
【0004】
平坦折り畳み式レスピレータは、典型的には、浮遊する粒子を使用者が吸入する前に空気から除去するシート濾材から形成される。したがって、レスピレータの性能は、吸入前に濾材を迂回する空気の流れを最小にすることに依拠する。迂回する空気の主要な経路は、レスピレータと使用者の顔との間に位置することが認識されている。したがって、迂回する空気流を最小にするには、レスピレータと顔との間にぴったりしたフィット性を提供することが必須である。これは特に、顔から鼻が突起していること、並びに様々な使用者の鼻のサイズ及び形状に人間工学的なばらつきがあることを考えると、使用者の鼻の部分において困難である。
【0005】
平坦折り畳み式レスピレータは、典型的には、2つ以上のパネルを形成するように折り畳まれ又はつなぎ合わされたシート濾材から形成される。これらのパネルは、装着過程の前又は装着過程の間に、空気室を形成するために広げられる。多くの場合、吐き出すときの呼吸努力を低減させるために、これらのパネルの1つに呼気弁が設けられる。
【0006】
レスピレータの使用者は、ゴーグル、手袋、又は保護衣などの追加の安全装備を着用していることが一般的である。このため、使用者がレスピレータを効率的に装着する能力が損なわれる可能性がある。これにより、フィット性又は快適さが損なわれるため、レスピレータの有効性が低減する可能性がある。
【0007】
また使用者は、場合により、装着手順中にレスピレータの外縁を保持することが認識されている。これにより、使用者は、レスピレータの内側表面に触れる。これは、外科使用などの特定の環境において不都合になる可能性がある。
【0008】
更に、装着前にレスピレータを十分に広げるかどうかが、装着の容易さ、及びレスピレータを定位置に着けた後に着用者が知覚する快適さに影響を及ぼすことが認識されている。したがって、レスピレータを広げて装着することの容易さを改善することが必要とされている。同様に、レスピレータの着脱中にレスピレータの内面に手で触る可能性を低減させることが必要とされている。
【0009】
レスピレータの装着の容易さに影響を及ぼす1つの要因は、レスピレータの装着前及び/又は装着中に可鍛性のノーズクリップを鼻の形状に合わせて変形させる必要があることである。この動作は特に、使用者が手袋又は他の保護衣を着用している場合に困難となる可能性がある。
【0010】
本発明の目的は、効果的に広がり、より容易に広げて着用できる個人用呼吸保護デバイスを提供することによって、上記の問題を少なくとも軽減することである。
【発明の概要】
【0011】
したがって、本発明は、上部パネルと、中央パネルと、下部パネルとを備えた個人用呼吸保護デバイスであって、
中央パネルが、それぞれ第1及び第2の折り目、縫い目、溶接部、又は接合部によって上部パネル及び下部パネルのそれぞれから分離され、それによりデバイスが、保管のために第1及び第2の折り目、縫い目、溶接部、又は接合部に沿って平坦に折り畳まれ、使用の際は着用者の鼻及び口を覆うカップ状の空気室を形成するために広げられることが可能であり、
上部パネルが、把持可能な上部タブを有し、上部タブが、使用の際にデバイスを広げるために把持可能である、個人用呼吸保護デバイスを提供する。
【0012】
有利な点として、上部パネルに取り付けられた把持可能なタブを提供することで、使用者は、レスピレータの内側表面に接触することなく、装着前にレスピレータを広げることが可能になる。
【0013】
好ましくは、上部タブは、タブが上部パネルに接している収納位置と、上部タブが上部パネルから離れる方へ突出する展開位置との間で可動である。
【0014】
この特徴には、装着中及び使用中に上部タブが最適の位置につくことができるという利点がある。装着中、タブは、上部パネルから離れる方へ突出して、使用者にとっての手の届きやすさを促進する。これは特に、使用者が手袋又は他の保護衣を着用している場合に有利である。デバイスが装着された後、上部タブを上部パネルに接する位置に収納し、それによってタブを使用者の視線の外に動かすことができる。
【0015】
好ましくは、上部タブは、収納位置へ戻される時まで展開位置に留まる。
【0016】
好ましくは、上部タブは、収納位置と展開位置との間で動くとき、上部タブへの取付け線で折り畳まれる。
【0017】
好ましくは、デバイスは、使用者の鼻と一致する形状となるノーズクリップを含み、上部タブの取付け線はノーズクリップの近傍に位置し、それにより、マスクを広げている間に上部タブがノーズクリップに作用してノーズクリップを変形させる。
【0018】
有利な点として、この特徴により、マスクが顔に付けられる前にノーズクリップが鼻のプロファイルに近似する形状をとることが確実になる。これにより、マスクと顔との間にぴったりしたフィット性が実現される可能性が増大する。
【0019】
好ましくは、上部タブは、デバイスの長手方向の中心線上に位置決めされている。
【0020】
好ましくは、上部タブの長さは25mm~35mmであり、最も好ましくは30mmである。
【0021】
好ましくは、上部タブの幅は25mm~35mmであり、好ましくは30mmである。
【0022】
好ましくは、下部パネルは、下部パネルの外面の内部に取り付けられた把持可能な下部タブを有し、下部タブは、使用の際にデバイスを広げるために上部タブとともに把持可能である。
【0023】
好ましくは、下部パネルは、保管されるとき、横方向の保管用の折り目を有し、この折り目は、内部区間を通って延び、下部タブは、横方向の保管用の折り目の近傍の位置で下部パネルに取り付けられている。
【0024】
好ましくは、下部タブは、横方向の折り目の上又は下10mmの範囲内に位置決めされている。
【0025】
好ましくは、下部タブは、横方向の折り目上に位置決めされている。
【0026】
好ましくは、下部タブは、下部パネルへの取付け点で幅が10mm~40mmであり、好ましくは15mmである。
【0027】
好ましくは、下部タブは、デバイスの長手方向の中心線上に位置決めされている。
【0028】
好ましくは、下部タブの少なくとも一部分は、デバイスが折り畳まれているときに使用者に見える。
【0029】
好ましくは、下部パネルは、第2の折り目、縫い目、溶接部、又は接合部と下部パネルの下部外周との間のほぼ等距離の位置に横方向の折り目を形成するように折り畳まれている。
【0030】
好ましくは、デバイスは、第1の内側カバーウエブと、帯電マイクロファイバを含有するウエブを有する濾過層と、第2の外側カバーウエブとを備えた多層構造を有し、第1及び第2のカバーウエブは、それぞれ濾過層の第1及び第2の反対側を向いた面に配置され、第2のカバーウエブには、鼻と一致する形状となる要素が取り付けられている。
【0031】
好ましくは、個人用呼吸保護デバイスは、中央パネルに固定された弾性的に柔軟なヘッドバンドを備えている。
【0032】
好ましくは、個人用呼吸保護デバイスは、中央パネル上に配置された呼気弁を更に備えている。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本発明について、例示のみを目的として次に説明する。
【
図1】平坦折り畳み式の形状にある本発明の個人用呼吸保護デバイスの前面図である。
【
図2】平坦折り畳み式の形状にある
図1の個人用呼吸保護デバイスの背面図である。
【
図3】
図2の線III-IIIに沿って切り取った
図1に示す個人用呼吸保護デバイスの横断面図である。
【
図4】広がった形状で示す
図1の個人用呼吸保護デバイスの前面図である。
【
図5】すぐ使用できる広がった形状で示す
図1の個人用呼吸保護デバイスの側面図である。
【
図6】広がった形状で示す
図1の個人用呼吸保護デバイスの背面図である。
【
図7】広がった形状の横断面図でない側面図を点線で示した、中間の形状で示す
図1の個人用呼吸保護デバイスの横断面図である。
【
図8】
図1のレスピレータの補強パネルの詳細な上面斜視図である。
【
図9】使用者の顔の上に広がった形状で示す
図1の個人用呼吸保護デバイスの前面斜視図である。
【
図10】
図1の個人用呼吸保護デバイスの弁の詳細な前面斜視図である。
【
図11】
図1の個人用呼吸保護デバイスの弁の代替実施形態の詳細な前面斜視図である。
【
図12】デバイスが平坦折り畳み式の形状にある本体へのヘッドバンドの取付けを示す、
図2の線XI-XIに沿って切り取った
図1の個人用呼吸保護デバイスの一部の詳細な横断面図である。
【
図13】デバイスが広がった形状にある本体へのヘッドバンドの取付けを示す、
図12と同様に切り取った
図1の個人用呼吸保護デバイスの一部の詳細な横断面図である。
【0034】
図1は、全体を10で示すレスピレータ(一般に、マスクとも呼ばれる)の形の個人用呼吸保護デバイスを示す。レスピレータ10は、平坦折り畳み式レスピレータであり、
図1~3には、保管形状(平坦折り畳み式の形状又は平坦に折り畳まれた形状としても知られている)で示す。この形状では、レスピレータは実質上平坦であり、その結果、使用者のポケットの中に容易に保管することができる。
【0035】
レスピレータ10は、全体を12で示す本体と、2つの区間14A、14Bから形成されたヘッドバンド14とを有する。本体12は、中央パネル16、上部パネル18、及び下部パネル20を有する。使用の際、上部パネル18及び下部パネル20は、中央パネル16から外方へ広げられて、カップ状のチャンバ22(
図6に示す)を形成する。広げられた後、レスピレータは次いで、以下で更に詳細に説明するように、顔に取り付けられる。
【0036】
レスピレータ10は、以下で更に詳細に論じるように、3つの部分又はパネルを形成するように多層フィルタ材料を折り畳んで溶接した部分から形成される。レスピレータ10は、第1の内側カバーウエブと、帯電マイクロファイバを含有するウエブを有する濾過層と、第2の外側カバーウエブとを備えた多層構造を有し、第1及び第2のカバーウエブは、それぞれ濾過層の第1及び第2の反対側を向いた面に配置される。
【0037】
フィルタ材料は、内側又は外側のカバー又はスクリムの有無にかかわらず、複数の織布及び不織布材料から、単一又は複数の層で構成することができる。好ましくは、中央パネル16は、たとえば、織布又は不織布スクリム、接着バー、印刷物、又は接合物などの補強手段を備える。適したフィルタ材料の例としては、マイクロファイバウエブ、解繊ウエブ、織布ウエブ若しくは不織布ウエブ(たとえば、エアレイド若しくは起毛した短繊維)、溶液ブロー繊維ウエブ、又はこれらの組合せが挙げられる。そのようなウエブを形成するのに有用な繊維としては、たとえば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリ(4-メチル-1-ペンテン)、及びこれらの混紡などのポリオレフィン、1以上のクロロエチレン単位若しくはテトラフルオロエチレン単位を含有し、更にアクリロニトリル単位も含有できるものなどのハロゲン置換ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ロジンウール、ガラス、セルロース、又はこれらの組合せが挙げられる。
【0038】
濾過層の繊維は、濾過すべき微粒子のタイプに応じて選択される。繊維の適切な選択は、たとえば、柔らかさ又は湿気の制御を提供することによって、着用者に対する呼吸デバイスの快適さにも影響を及ぼすことができる。本発明で有用なメルトブローマイクロファイバのウエブは、たとえば、Wente,Van A.、「Superfine Thermoplastic Fibers」、Industrial Engineering Chemistry、Vol.48、1342以下参照(1956)、及びVan A.Wenteらによる1954年5月25日発行の「Manufacture of Super Fine Organic Fibers」という題のNavel Research Laboratoriesの記事第4364号に記載されているように準備することができる。本発明で有用な濾材中のブローマイクロファイバの有効繊維径は、Davies,C.N.、「The Separation of Airborne Dust Particles」、Institution of Mechanical Engineers、London、Proceedings1B、1952に記載の方法に従って計算すると、好ましくは3~30マイクロメートルであり、より好ましくは約7~15マイクロメートルである。
【0039】
短繊維もまた、任意選択で、濾過層内に存在することができる。捲縮バルキング短繊維の存在により、ブローマイクロファイバのみからなるウエブよりも嵩高で低密度のウエブが提供される。好ましくは90重量パーセント以下、より好ましくは70重量パーセント以下の短繊維が、濾材内に存在する。短繊維を含有するそのようなウエブは、米国特許第4,118,531号(Hauser)に開示されている。
【0040】
この濾過層又は1以上の他の濾材層内で、2成分短繊維を使用することもできる。概してコア部分より低い融点を有する外層を有する2成分短繊維を使用して、たとえばこの層を加熱し、その結果、2成分繊維の外層が流れて、2成分又は他の短繊維である隣接する繊維に接触することによって、繊維交差点でともに接合された弾性成形層を形成することができる。成形層はまた、短繊維ともに含まれる加熱流動性ポリエステルのバインダ繊維で準備することができ、成形層を加熱するとバインダ繊維が溶けて繊維交差点まで流れ、繊維交差点を取り囲む。冷却後、繊維の交差点に接合部が生じ、この繊維塊を所望の形状で保持する。また、アクリルラテックス又は粉末状の熱活性接着樹脂などのバインダ材料をウエブに塗布して、繊維の接合部を提供することもできる。
【0041】
米国特許第4,215,682号(Kubikら)、米国特許第4,588,537号(Klasseら)に開示されているような帯電繊維、又はエレクトレットを偏光若しくは帯電させる他の従来の方法、たとえば米国特許第4,375,718号(Wadsworthら)若しくは米国特許第4,592,815号(Nakao)のプロセスによる帯電繊維は、本発明で特に有用である。米国特許第RE.31,285号(van Turnhout)に教示されている帯電解繊繊維もまた、有用である。一般に、帯電プロセスは、材料をコロナ放電又はパルス高電圧にかけることを伴う。
【0042】
活性炭又はアルミナなどの吸着粒子材料もまた、濾過層内に含むことができる。そのような粒子を有するウエブは、たとえば、米国特許第3,971,373号(Braun)、米国特許第4,100,324号(Anderson)、及び米国特許第4,429,001号(Kolpinら)に記載されている。粒子を有するフィルタ層からなるマスクは、ガス状物質からの保護に関して特に良好である。
【0043】
本発明の呼吸デバイスの中央パネル16、上部パネル18、及び下部パネル20のうちの少なくとも1つは、濾材を含まなければならない。好ましくは、中央パネル16、上部パネル18、及び下部パネル20のうちの少なくとも2つが濾材を含み、中央パネル16、上部パネル18、及び下部パネル20のすべてが濾材を含むこともできる。濾材から形成されない部分は、様々な材料から形成することができる。上部パネル18は、たとえば、着用者の眼鏡の曇りを防止するために防湿層を提供する材料から形成することができる。中央パネル16は、着用者による唇の動きを観察することができるように透明材料から形成することができる。
【0044】
中央パネル16は、中央パネル16と上部部分18との間の上部接合部23と同じ位置に存在する曲線をなす上部周縁24を有する。中央パネル16と下部パネル20との間の下部接合部25と同じ位置には、曲線をなす下部周縁26が存在する。接合部23、25は、超音波溶接部の形をとっているが、別法として、フィルタ材料の折り目又は代替の接合方法とすることができる。そのような代替の接合部は、接着接合、ステープリング、縫製、熱加工接続、圧迫接続、又は他の適した手段の形をとることができ、不連続又は連続な接合部とすることができる。これらの溶接又は接合技法はいずれも、接合された領域をある程度強く又は堅くする。
【0045】
接合部23、25は、中央パネル16とそれぞれ上部パネル及び下部パネル18、20との間に実質上気密性の封止を形成し、レスピレータの長手方向縁部27まで延び、長手方向縁部27で、中央、上部、下部パネル16、18、20は集合的に、ラグ31、33の形のヘッドバンド取付け部分を形成する。中央パネル16は、使用者が息を吐き出したときにフィルタ材料における圧力降下を低減させる呼気弁28を有する。
【0046】
上部部分18は、以下で更に詳細に説明するように、レスピレータを広げて装着するのを助ける把持可能な上部タブ41(以下、上部タブ41と呼ぶ)を有する。上部タブ41は、基部区間45及び先端区間47を有する。タブ41は、超音波溶接部又は接着接合部によって、取付け線43に沿って上部パネル18に取り付けられる。
図2で、上部タブ41は、先端区間47が上部部分18に接しているその収納位置で示されている。上部タブ41は、デバイス10の長手方向の中心線C-C上に位置決めされ、その中心線に沿った長さは、25mm~35mmであり、好ましくは30mmである。取付け線43の長さもまた、25mm~35mmであり、好ましくは30mmである。上部タブ41は、Don&Lowによる150gsmのDaltexポリプロピレンのスパンボンド材料から形成される。
【0047】
上部タブ41の取付け線は、周知の構造の可鍛性のノーズクリップ30と同じ位置に存在する。ノーズクリップ30は、カバーウエブの外面への上部タブ41の溶接又は接合を可能にするように、カバーウエブの下に位置決めされる。取付け線43をノーズクリップ30に隣接して位置決めすることで、以下で更に詳細に説明するように、上部タブ41が装着中にノーズクリップ30に直接作用することが可能になる。
【0048】
使用の際、ノーズクリップ30は、レスピレータ10と使用者の顔との間に形成される封止を改善するために、使用者の顔と一致する形状となる。ノーズクリップ30は、上部部分18の上部外周38において中心に配置される。ノーズクリップ30は、上部パネル18の内側に位置する
図7に示すノーズパッド35とともに動作し、鼻と上部パネル18との間の接触点を柔らかくする目的を果たす。
【0049】
次に
図3を参照すると、保管形状にあるレスピレータ10の特徴の配置が、より詳細に示されている。上部タブ41は、上部パネル18の外面上に位置決めされた状態で示されている。上部パネル18は、折り畳まれたレスピレータ10の後側で、下部パネル20に重なる状態で示されている。下部パネル20は、横方向の折り目36(
図2に長い点線で示す)で折り畳まれる。横方向の折り目36は、下部パネル20を外側区間40及び内側区間42に分割する。下部パネル20には、以下で更に詳細に説明するように、レスピレータを広げて装着するのを助ける把持可能な下部タブ32が取り付けられる。下部タブ32の基部は、横方向の折り目36の近傍の位置で下部パネル20の外面の内部(すなわち、下部外周50(
図6に示す)及び下部接合部25の内方)に取り付けられ、理想的には
図3に示す折り目36に取り付けられる。下部タブ32の位置決めは、横方向の折り目の両側10mmの範囲内で変更することができる。下部パネル20への取付け点における下部タブ32の幅は15mmであるが、この幅は、10mm~40mmの範囲で変更することができる。
【0050】
図4、
図5、及び
図6は、レスピレータ10を広がった形状で示す。
図4及び
図5で、上部タブ41は、上部パネル18に接している収納位置で示されている。
図6で、上部タブ41は、以下で更に詳細に説明するように展開位置にある。
【0051】
図4、
図5、及び
図6を詳細に参照すると、中央パネル16は、
図1~3に示すように平坦ではなくなり、ここでは弁28からラグ31、33に向かって後方へ湾曲している。この湾曲の形状は、使用者の顔の口の部分とほぼ一致する形状となる。上部パネル18は、使用者の鼻の形状に一致する突出部を形成するように、曲線をなす上部周縁24で旋回して湾曲する。同様に、下部パネル20は、使用者の首の形状に一致する湾曲を形成するように、曲線をなす下部周縁24で旋回する。
【0052】
図1~3に示す折り畳まれた形状と
図4~6に示す広がった形状との間でレスピレータ10を広げることについて、
図7を参照してより詳細に次に説明する。
【0053】
図7は、
図3と同じ線に沿って切断したレスピレータ10の横断面図を示すが、レスピレータは、中間の形状で示されている。点線は、比較のために広がった形状のレスピレータを示す。
【0054】
レスピレータを広げて装着するために、使用者は、上部タブ41を把持し、タブ41の先端区間を方向Aに引っ張ることによって、
図2~5に示す収納位置から動かす。これにより、タブ41は、
図6、
図7、及び
図9に示す展開位置へ動かされる。上部タブ41が使用者によって方向Aに引っ張られると、可鍛性のノーズクリップ30に力が加わり、ノーズクリップ30は、使用者の鼻梁の湾曲に近似する形状に変形する。これにより、取付け線43が湾曲し、使用者がその収納位置に戻すまで展開位置に留まることを可能にするのに十分な湾曲が、上部タブ41の構造に提供される。同時に、上部タブ41は、上部パネル18に作用してレスピレータ10を広げる。
【0055】
使用者は、反対の手で下部タブ32を保持し、下部タブ32を
図7に示す方向Bに引っ張って、横方向の折り目36の谷側に広げる力を加える。タブは、把持を改善するようなテキスチャを付けることができ、又はレスピレータの本体とより良好に区別するために着色することができる。この広げる力により、折り目36は中央パネル16に対して後方及び下方へ動かされる。これにより、下部パネル20は、曲線をなす下部周縁24で旋回する。同時に、下部タブ32の基部からラグ31、33へ負荷が伝達される。これにより、ラグ31、33が内方へ引っ張られて、中央パネル16を湾曲させる。中央パネル16の湾曲により、上部部分18に負荷が加えられる(主にラグ31、33を介して)。これにより、
図6及び
図7に示すように、上部部分18の長手方向の中心が高くなる。
【0056】
使用者が
図7に示す中間位置を越えて引き続き下部タブ32を引っ張ると、中央パネル16がますます湾曲するため、ラグ31、33は引き続き互いに近づく。これにより、上部部分18は引き続き上方へ動かされ、下部パネル20は下方へ動かされて、広がった位置(
図7の点線)の方へ進む。このようにして、下部タブ32は、レスピレータ10を広げるために使用者によって加えられる負荷が、レスピレータ10を広げるために最も効果的かつ効率的に利用されることを確実にすることによって、レスピレータを広げる機構を改善する。
【0057】
下部パネル20は、パネル40(長い点線で示す)の形の補強シートを含むことが示されている。補強パネル40は、多層フィルタ材料の一部を形成し、その補強特性が当技術分野でよく知られている材料から形成される。補強パネル40は、ほぼ砂時計の形状であり、第1の対の翼42と、くびれ部分44と、第2の対の翼46と、前面区間48とを含むことが、
図8により詳細に示されている。前面区間48は、下部パネル20の下部外周50(
図6に示す)と同じ位置に存在し、くびれ区間は、横方向の折り目36と同じ位置に存在する。レスピレータ10が折り畳まれた形状にあるとき、補強パネル40は、線B-Bに示す横方向の折れ目に沿って折り畳まれる。レスピレータ10が、上述したように折り畳まれた位置から広がると、補強パネル40も、横方向の折れ線B-Bで広がる。レスピレータが広がった形状(
図4~6に示す)に近づくと、横方向の折れ線B-Bに沿った折り目は平坦になり、補強パネルは、線C-Cに示す長手方向の折れ目で湾曲する。パネル40が長手方向の折れ線C-Cに沿って湾曲することで、横方向の折れ線B-Bで折り畳まれることが防止され、補強パネル40、それによって下部パネル20に更なる剛性が与えられる。この更なる剛性は、少なくとも部分的に、補強シート40が長手方向の折れ線C-Cで折り畳まれることによって、レスピレータ10が凹面の外角から凸面の外角へ広がるため、すなわち折り目が長手方向の折れ線C-Cで中心を越えるときに山折りが形成されるために与えられる。これは、下部パネル20がつぶれるのを防止するのに役立ち、したがって顔の顎の部分に対する下部パネル20の形状の一致性が改善される。
【0058】
レスピレータ10が広がった後、使用者は、レスピレータの広がったカップ状の空気室を、顔を覆うように位置決めし、レスピレータを装着するためにヘッドバンドを
図9に示すように位置決めすることが可能になる。
【0059】
使用の際にレスピレータ10をより容易に位置決めするために、レスピレータは、
図10により詳細に示す把持部分29を有する弁28を備える。弁28は、商品名3M(商標)Scotch-Weld(商標)Hot Melt Spray Adhesive 61113M(商標)で市販されているものなどの接着剤を使用して中央部分に接着される。弁28は、吐き出した空気が弁28を通過することを可能にするために開口52を含む側壁51を有する。側壁51は、湾曲した形状を有し、内方へ延びる中間部分と、外方へ延びる基部54及び上部区間56とを有する。弁28の上面58には、上方へ延びる突条60が配置され、突条60は、外方へ延びるリブ62を有する。
【0060】
湾曲した側壁51は、これらの湾曲部が使用者の指の湾曲に一致するため、把持領域29として作用する。把持領域の性能は、把持領域を延ばす突条60を提供することによって改善される。性能は、把持領域29をより容易に把持及び保持できるようにするリブ62を提供することによって更に改善される。湾曲した側壁51、突条60、リブ62は、個別かつ集合的に、把持領域29を把持すべきであるという印を使用者に対して形成する。
【0061】
図10は、より高い突条60’を有する点で弁28とは異なる弁28’の代替実施形態を示す。本発明の範囲内で、他の形の把持領域、たとえば側壁50、突条60、及び/又はリブ62に対してテキスチャを付け又は着色した表面も、使用者に対する印として作用し得ることが考えられる。
【0062】
次に
図11及び
図12を参照すると、ヘッドバンド取付けラグ31、33へのヘッドバンド14の取付けがより詳細に示されている。ヘッドバンド14は、全体を70で示すヘッドバンドモジュールによって、本体12に取り付けられる。モジュール70は、ヘッドバンド14を有し、ヘッドバンド14は、その上側が上部タブ72に接合され、その下側が下部タブ74に接合される。タブ72、74は、上述したフィルタ材料を形成するために使用された不織布材料から形成される。不織布材料タブ72、74は、商品名3M(商標)Scotch-Weld(商標)Hot Melt Spray Adhesive 6111で市販されているものなどの周知の接着剤78を使用して、ヘッドバンド14に接合される。
【0063】
次いで、モジュール70は、ラグ31、33に超音波溶接されて、下部タブ74と本体12との間に溶接部76を形成する。
【0064】
図11で、ヘッドバンドモジュールは、レスピレータが折り畳まれた位置にある状態で示されている。レスピレータ10が広げられると、ヘッドバンドは伸びて、ラグ31、33を外方へ引っ張り出す。
【0065】
図12で、ヘッドバンドモジュールは、レスピレータが広がった位置にある状態で示されている。ヘッドバンド14が伸びることで、モジュール70は湾曲し、下部タブ74は張力がかかった状態で保持される。これにより、下部タブ74及びラグ31、33の交差点Dに強い負荷が作用する。しかし、溶接部76は、剥離状態(すなわち、ヘッドバンドが伸びることによって、点Dの溶接部の縁部に極めて強い引張荷重が印加される)に比較的強い。これにより、接着剤よりはるかに剥離に強い溶接部ではなく接着接合部が剥離状態になる従来技術の取付け技法に比べて、改善が提供される。
【0066】
本明細書に記載する特定の特徴は、本発明の利益のために別個に又は組み合わせて使用することができることが理解されよう。たとえば、以下の特徴のいずれか1つ以上を本発明と有利に組み合わせることができることが想定される。また、本願の例示的実施形態を以下に説明する。
[1]
上部パネルと、
中央パネルと、
下部パネルと、を備えた個人用呼吸保護デバイスであって、
前記中央パネルが、それぞれ第1及び第2の折り目、縫い目、溶接部、又は接合部によって前記上部パネル及び前記下部パネルのそれぞれから分離され、それによりデバイスが、保管のために前記第1及び第2の折り目、縫い目、溶接部、又は接合部に沿って平坦に折り畳まれ、使用の際は着用者の鼻及び口を覆うカップ状の空気室を形成するために広げられることが可能であり、
前記上部パネルが、把持可能な上部タブを有し、前記上部タブが、使用の際に前記デバイスを広げるために把持可能である、個人用呼吸保護デバイス。
[2]
前記上部タブが、前記タブが前記上部パネルに接している収納位置と、前記上部タブが前記上部パネルから離れる方へ突出する展開位置との間で可動である、[1]に記載の個人用呼吸保護デバイス。
[3]
前記上部タブが、前記収納位置へ戻される時まで前記展開位置に留まる、[2]に記載の個人用呼吸保護デバイス。
[4]
前記上部タブが、前記収納位置と前記展開位置との間で動くとき、前記上部タブへの取付け線で折り畳まれる、[2]又は[3]に記載の個人用呼吸保護デバイス。
[5]
前記デバイスが、使用者の鼻と一致する形状となるノーズクリップを含み、前記上部タブの前記取付け線が前記ノーズクリップの近傍に位置し、それにより、前記マスクを広げる間に前記上部タブが前記ノーズクリップに作用して、前記ノーズクリップを変形させる、[4]に記載の個人用呼吸保護デバイス。
[6]
前記上部タブが、前記デバイスの長手方向の中心線上に位置決めされている、[1]~[5]のいずれか一項に記載の個人用呼吸保護デバイス。
[7]
前記上部タブの長さが25mm~35mmであり、好ましくは30mmである、[1]~[6]のいずれか一項に記載の個人用呼吸保護デバイス。
[8]
前記上部タブの幅が、前記上部パネルへの取付け線で、25mm~35mmであり、好ましくは30mmである、[1]~[7]のいずれか一項に記載の個人用呼吸保護デバイス。
[9]
前記下部パネルが、前記下部パネルの外面の内部に取り付けられた把持可能な下部タブを有し、前記下部タブが、使用の際に前記デバイスを広げるために前記上部タブとともに把持可能である、[1]~[8]のいずれか一項に記載の個人用呼吸保護デバイス。
[10]
前記下部パネルが、保管されるとき、横方向の保管用の折り目を有し、前記折り目が前記内部区間を通って延び、前記下部タブが、前記横方向の保管用の折り目の近傍の位置で前記下部パネルに取り付けられている、[9]に記載の個人用呼吸保護デバイス。
[11]
前記下部タブが、前記横方向の折り目の上又は下10mmの範囲内に位置決めされている、[10]に記載の個人用呼吸保護デバイス。
[12]
前記下部タブが、前記横方向の折り目上に位置決めされている、[11]に記載の個人用呼吸保護デバイス。
[13]
前記下部タブが、前記下部パネルへの取付け点で幅が10mm~40mmであり、好ましくは15mmである、[9]~[12]のいずれか一項に記載の個人用呼吸保護デバイス。
[14]
前記下部タブが、前記デバイスの長手方向の中心線上に位置決めされている、[9]~[12]のいずれか一項に記載の個人用呼吸保護デバイス。
[15]
前記下部タブの少なくとも一部分が、前記デバイスが折り畳まれているときに使用者に見える、[1]~[14]のいずれか一項に記載の個人用呼吸保護デバイス。
[16]
前記下部パネルが、前記第2の折り目、縫い目、溶接部、又は接合部と前記下部パネルの下部外周との間のほぼ等距離の位置に前記横方向の折り目を形成するように折り畳まれている、[9]に記載の個人用呼吸保護デバイス。
[17]
前記デバイスが、第1の内側カバーウエブと、帯電マイクロファイバを含有するウエブを有する濾過層と、第2の外側カバーウエブとを備えた多層構造を有し、前記第1及び第2のカバーウエブが、それぞれ前記濾過層の第1及び第2の反対側を向いた面に配置され、前記第2のカバーウエブには、鼻と一致する形状の要素が取り付けられている、[1]~[16]のいずれか一項に記載の個人用呼吸保護デバイス。
[18]
前記中央パネルに固定された弾性的に柔軟なヘッドバンドを更に備えている、[1]~[17]のいずれか一項に記載の個人用呼吸保護デバイス。
[19]
前記中央パネル上に配置された呼気弁を更に備えている、[1]~[18]のいずれか一項に記載の個人用呼吸保護デバイス。