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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-20
(45)【発行日】2022-05-30
(54)【発明の名称】芝刈機
(51)【国際特許分類】
   A01D 43/063 20060101AFI20220523BHJP
   A01D 34/67 20060101ALI20220523BHJP
   A01D 34/68 20060101ALI20220523BHJP
【FI】
A01D43/063 115
A01D34/67 B
A01D34/68 L
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018124203
(22)【出願日】2018-06-29
(65)【公開番号】P2020000139
(43)【公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-03-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】タナピパット アッカラウィジットウォン
【審査官】櫻井 健太
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第00903074(EP,A1)
【文献】欧州特許出願公開第00047415(EP,A1)
【文献】西独国特許出願公開第03532700(DE,A1)
【文献】国際公開第2010/108511(WO,A1)
【文献】特開昭59-006026(JP,A)
【文献】特開2004-159621(JP,A)
【文献】米国特許第02910818(US,A)
【文献】欧州特許出願公開第00142453(EP,A1)
【文献】米国特許第04478031(US,A)
【文献】米国特許第04399647(US,A)
【文献】米国特許第03971198(US,A)
【文献】米国特許第03636686(US,A)
【文献】実開平02-026429(JP,U)
【文献】特開2013-188145(JP,A)
【文献】実開平05-034822(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 34/00 - 34/01
A01D 34/412- 34/90
A01D 42/00 - 42/08
A01D 43/06 - 43/077
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪を有する本体と、
前記本体に設けられており、地面に生える芝を刈るカッターと
前記本体に着脱可能に取り付けられており、前記カッターによって刈られた芝を収集する集草ボックスと、
前記本体に設けられ、前記カッターによって刈られた芝を前記集草ボックスへ案内する集草ダクトと、
を備え、
前記集草ダクトは、前記集草ボックスの上部に接続されており、
前記集草ボックスは、ユーザによって把持されるグリップと、前記本体から取り外された状態で、収集された芝を排出するための排出口を有し、
前記本体は、前記集草ボックスが前記本体に取り付けられた状態で、前記集草ボックスの前記排出口を閉塞する可動蓋を有
前記可動蓋は、前記排出口を閉塞する閉塞位置と、前記排出口を開放する開放位置との間で揺動可能であるように、前記本体に接続されており、
前記可動蓋を前記閉塞位置から前記開放位置に向けて付勢する付勢部材と、前記可動蓋が前記閉塞位置にあるときに、前記可動蓋を前記集草ボックスに対してロックするロック機構とをさらに備える、
芝刈機。
【請求項2】
前記可動蓋が前記閉塞位置にあるときは、前記可動蓋が前記集草ボックスに係合して、前記集草ボックスの前記本体からの取り外しが禁止され、
前記可動蓋が前記開放位置にあるときは、前記可動蓋が前記集草ボックスに係合せず、前記集草ボックスの前記本体からの取り外しが許容される、請求項に記載の芝刈機。
【請求項3】
前記ロック機構は、前記可動蓋と前記集草ボックスとの間のロックを解除するためにユーザによって操作されるアンロック操作部を有する、請求項1又は2に記載の芝刈機。
【請求項4】
前記アンロック操作部は、前記グリップに、又は、前記グリップの近傍に設けられている、請求項に記載の芝刈機。
【請求項5】
前記本体は、前記カッターが設けられたカッターユニットと、前記カッターユニットに対して揺動可能に接続されたハンドルユニットとを備え、
前記集草ボックスは、前記ハンドルユニットに着脱可能に取り付けられる、請求項1からのいずれか一項に記載の芝刈機。
【請求項6】
前記集草ダクトの少なくとも一部は、前記ハンドルユニットに設けられている、請求項に記載の芝刈機。
【請求項7】
前記本体は、前記集草ダクトの中間位置に設けられた清掃口と、前記清掃口を開放及び閉塞するための可動カバーとをさらに有し、
前記集草ボックスが前記本体に取り付けられると、前記集草ボックスが前記可動カバーに係合して、前記可動カバーが前記清掃口を閉塞する位置に固定され、
前記集草ボックスが前記本体から取り外されると、前記集草ボックスと前記可動カバーとの間の係合が解除され、前記可動カバーが前記清掃口を開放可能となる、請求項に記載の芝刈機。
【請求項8】
車輪を有する本体と、
前記本体に設けられており、地面に生える芝を刈るカッターと
前記本体に着脱可能に取り付けられており、前記カッターによって刈られた芝を収集する集草ボックスと、
を備え、
前記集草ボックスは、前記本体から取り外された状態で、収集された芝を排出するための排出口を有し、
前記本体は、前記集草ボックスが前記本体に取り付けられた状態で、前記集草ボックスの前記排出口を閉塞する可動蓋を有
前記本体は、前記カッターによって刈られた芝を前記集草ボックスへ案内する集草ダクトと、前記集草ダクトの中間位置に設けられた清掃口と、前記清掃口を開放及び閉塞するための可動カバーとをさらに有し
前記集草ボックスが前記本体に取り付けられると、前記集草ボックスが前記可動カバーに係合して、前記可動カバーが前記清掃口を閉塞する位置に固定され、
前記集草ボックスが前記本体から取り外されると、前記集草ボックスと前記可動カバーとの間の係合が解除され、前記可動カバーが前記清掃口を開放可能となる、
芝刈機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、芝刈機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、芝刈機が開示されている。この芝刈機は、車輪を有する本体と、本体に設けられたカッターと、カッターによって刈られた芝を収集する集草ボックスとを備える。集草ボックスは、本体に対して着脱可能であり、ユーザは、集草ボックスを本体から取り外して、集草ボックス内に収集された芝を取り除くことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-118823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
集草ボックスには、収集された芝を排出するための蓋又はドアを設けることができる。このような構成によると、ユーザは、その蓋又はドアを開放することによって、集草ボックス内の芝を速やかに取り除くことができる。しかしながら、集草ボックスに蓋又はドアが設けられていると、ユーザが集草ボックスから芝を取り除くときに、その蓋又はドアが邪魔になることがある。本明細書では、そのような問題を解決又は低減して、集草ボックス内の芝を容易に取り除くことができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示する芝刈機は、車輪を有する本体と、本体に設けられており、地面に生える芝を刈るカッターと、本体に着脱可能に取り付けられており、カッターによって刈られた芝を収集する集草ボックスとを備える。集草ボックスは、本体から取り外された状態で、収集された芝を排出するための排出口を有する。そして、本体は、集草ボックスが本体に取り付けられた状態で、集草ボックスの排出口を閉塞する可動蓋を有する。
【0006】
上記した構成では、集草ボックスの排出口を閉塞する可動蓋が、集草ボックスではなく、本体に設けられている。集草ボックスが本体から取り外れたときに、可動蓋は本体に取り残される。従って、ユーザが集草ボックス内の芝を取り除くときに、可動蓋によって邪魔されることがない。ユーザは、集草ボックス内の芝を容易に取り除くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施例の芝刈機10を示す斜視図。
図2】芝刈機10の内部構造を示す断面図。
図3】芝刈機10の後部を示す斜視図であって、ここでは、集草ボックス18が本体14に取り付けられており、可動蓋42が閉塞位置に配置されている。
図4】芝刈機10の後部を示す斜視図であって、ここでは、集草ボックス18が本体14に取り付けられており、可動蓋42が開放位置に配置されている。
図5】芝刈機10の後部を示す斜視図であって、ここでは、集草ボックス18が本体14から取り外されており、可動蓋42が開放位置に配置されている。
図6】清掃口50を閉塞する可動カバー52を示す断面図。
図7】清掃口50を開放する可動カバー52を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
一実施形態では、可動蓋が、排出口を閉塞する閉塞位置と、排出口を開放する開放位置との間で揺動可能であってもよい。但し、本体と可動蓋との間の接続構造は特に限定されない。他の実施形態として、可動蓋は、閉塞位置と開放位置との間でスライド可能であるように、本体に接続されていてもよい。
【0009】
一実施形態では、可動蓋が閉塞位置にあるときに、可動蓋が集草ボックスに係合して、集草ボックスの本体からの取り外しが禁止されてもよい。加えて、又は代えて、可動蓋が開放位置にあるときは、可動蓋が集草ボックスに係合せず、集草ボックスの本体からの取り外しが許容されてもよい。このような構成によると、ユーザは、可動蓋を単に開閉することによって、集草ボックスを本体へ固定したり、その固定を解除したりすることができる。
【0010】
一実施形態では、芝刈機が、可動蓋を閉塞位置から開放位置に向けて付勢する付勢部材と、可動蓋が閉塞位置にあるときに可動蓋を集草ボックスに対してロックするロック機構とをさらに備えてもよい。このような構成によると、ユーザは、単にロック機構をアンロックさせることによって、可動蓋を開放させることができる。また、可動蓋が正しくロックされていないときは、可動蓋が開放位置へ自動的に移動することによって、そのことをユーザに報知することができる。
【0011】
上記した実施形態では、ロック機構が、可動蓋と集草ボックスとの間のロックを解除するためにユーザによって操作されるアンロック操作部を有してもよい。このような構成によると、ユーザは、アンロック操作部を操作することにより、ロック機構をアンロックさせて、可動蓋を容易に開放させることができる。
【0012】
上記した実施形態では、集草ボックスが、ユーザによって把持されるグリップを有してもよい。この場合、アンロック操作部は、グリップに、又は、グリップの近傍に設けられていてもよい。このような構成によると、ユーザは、本体から集草ボックスを取り外すときに、集草ボックスのグリップを把持しながら、ロック機構をアンロックさせることができる。
【0013】
一実施形態では、本体が、カッターが設けられたカッターユニットと、カッターユニットに対して揺動可能に接続されたハンドルユニットとを備えてもよい。この場合、集草ボックスは、ハンドルユニットに着脱可能に取り付けられてもよい。このような構成であると、集草ボックスがハンドルユニットに沿って配置されるので、ハンドルユニットの長手方向に沿って、集草ボックスを比較的に大型に設計することができる。
【0014】
上記した実施形態では、本体が、カッターによって刈られた芝を集草ボックスへ案内する集草ダクトをさらに有してもよい。この場合、集草ダクトの少なくとも一部は、ハンドルユニットに設けられていてもよい。このような構成によると、カッターによって刈られた芝を、ハンドルユニットに取り付けられた集草ボックスへ確実に収容することができる。
【0015】
上記した実施形態では、本体が、集草ダクトの中間位置に設けられた清掃口と、清掃口を開放及び閉塞するための可動カバーとをさらに有してもよい。この場合、集草ボックスが本体に取り付けられたときに、集草ボックスが可動カバーに係合して、可動カバーが清掃口を閉塞する位置に固定されるとよい。また、集草ボックスが本体から取り外されたときは、集草ボックスと可動カバーとの間の係合が解除され、可動カバーが清掃口を開放可能となるとよい。このような構成によると、ユーザは、集草ボックスを本体に対して着脱することで、可動カバーを固定したり、その固定を解除したりすることができる。
【実施例
【0016】
図面を参照して、実施例の芝刈機10について説明する。芝刈機10は、園芸用の動力機器であり、主に芝生の刈り込み作業のために使用される。特に限定されないが、本実施例の芝刈機10は、主に家庭向けの小型のタイプであり、多くのユーザによって容易な操作性やメンテナンス性が求められる。但し、本明細書で開示する技術は、家庭向けの芝刈機10に限られず、様々なタイプの芝刈機にも同様に採用することができる。例えば、本実施例の芝刈機10は、ユーザによって操作される手押し式の芝刈機であるが、他の実施形態として、芝刈機10は少なくとも部分的に自律走行が可能な芝刈機であってもよい。
【0017】
図1図2に示すように、芝刈機10は、一対の車輪12を有する本体14と、本体14に設けられているとともに、地面に生える芝を刈るカッター16と、カッター16によって刈られた芝を収集する集草ボックス18とを備える。集草ボックス18は、本体14に対して着脱可能に取り付けられており、収集された芝をユーザが取り除くときに、本体14から取り外されることができる。集草ボックス18には、ユーザによって把持されるグリップ19が設けられている。ここで、本実施例の芝刈機10は、二つの車輪12を有しているが、車輪12の数は二つに限定されない。芝刈機10の本体14は、少なくとも一つの車輪12を備えればよい。
【0018】
本体14は、カッター16が設けられたカッターユニット20と、カッターユニット20に対して揺動可能に接続されたハンドルユニット22とを備える。カッター16は、地面に生える芝生に対向するように、カッターユニット20の底部に取り付けられている。図2に示すように、カッターユニット20は、カッター16を駆動するモータ26と、モータ26によって駆動される送風ファン28を有する。一例ではあるが、本実施例におけるカッター16は、カッターユニット20に固定された固定ブレード16aと、モータ26によって駆動される駆動ブレード16bとを有し、それら一対のブレード16a、16bによって芝生をせん断するように構成されている。但し、カッター16の構成は特に限定されない。カッター16は、金属性のブレードに代えて、又は加えて、例えばナイロンコードといった線状体のカッターであってもよい。また、カッター16を駆動する原動機はモータ26に限定されない。モータ26に代えて、又は加えて、芝刈機10は、カッター16を駆動する原動機として、例えばエンジンを備えてもよい。
【0019】
ハンドルユニット22は、カッターユニット20から上方に延びている。前述したように、ハンドルユニット22は、カッターユニット20に対して揺動可能である。ハンドルユニット22の枢軸は、一対の車輪12の回転軸と平行である。ハンドルユニット22の頂部には、ユーザによって把持される操作グリップ30が設けられている。通常、ユーザは、芝刈機10の背後に立ち、操作グリップ30を把持して芝刈機10を操作する。操作グリップ30には、モータ26を起動するためのトリガスイッチ32が設けられている。トリガスイッチ32は、モータ26に電気的に接続されており、ユーザがトリガスイッチ32を操作している間、モータ26に電力を供給してカッター16を駆動させる。
【0020】
集草ボックス18は、ハンドルユニット22に着脱可能に構成されている。そして、本体14には、カッター16によって刈られた芝を集草ボックス18へ案内する集草ダクト24が設けられている(図2参照)。集草ダクト24は、カッターユニット20とハンドルユニット22の両者に亘って延びており、集草ボックス18の上部に接続されている。前述したように、カッターユニット20は、モータ26によって駆動される送風ファン28を有する。送風ファン28は、モータ26を冷却するだけでなく、芝を搬送する空気の流れを集草ダクト24内に形成する。なお、集草ダクト24の具体的な構成については特に限定されない。一例ではあるが、本実施例では、集草ダクト24の大部分がハンドルユニット22に設けられており、集草ダクト24はハンドルユニット22の長手方向に沿って延びている。
【0021】
上述したように、本実施例の芝刈機10では、集草ボックス18がハンドルユニット22に取り付けられている。このような構成であると、集草ボックス18がハンドルユニット22に沿って配置されるので、ハンドルユニット22の長手方向に沿って、集草ボックス18を比較的に大型に設計することができる。また、集草ボックス18がハンドルユニット22と共に揺動することで、集草ボックス22内の芝をならす(均す)ことができる。
【0022】
次に、図3図5を参照して、集草ボックス18に係る構造について説明する。集草ボックス18には、本体14から取り外された状態で、収集された芝を排出するための排出口40が設けられている。そして、本体14には、集草ボックス18が本体14に取り付けられたときに、集草ボックス18の排出口40を閉塞するように構成された可動蓋42が設けられている。このような構成によると、集草ボックス18が本体14から取り外れたときに、可動蓋42は本体14に取り残される。従って、ユーザが集草ボックス18内の芝を取り除くときに、可動蓋42によって邪魔されることがない。ユーザは、集草ボックス18内の芝を容易に取り除くことができる。
【0023】
加えて、集草ボックス18の排出口40が大きくなるほど、ユーザは集草ボックス18内の芝を容易に取り除くことできる。しかしながら、集草ボックス18の排出口40を大きくすると、可動蓋42も大きくする必要が生じる。この点に関して、仮に可動蓋42が集草ボックス18に設けられていると、大きくなった可動蓋42が邪魔となって、ユーザの作業性が逆に悪化するおそれもある。これに対して、可動蓋42が本体14に設けられていれば、可動蓋42の大きさにかかわらず、ユーザの作業が可動蓋42によって邪魔されない。従って、集草ボックス18の排出口40及びその可動蓋42を大きく設計することができる。
【0024】
可動蓋42の具体的な構成については特に限定されない。一例ではあるが、本実施例では、可動蓋42が、排出口40を閉塞する閉塞位置(図3参照)と、排出口40を開放する開放位置(図4図5参照)との間で、揺動可能に構成されている。また、可動蓋42が開放位置へ移動したときは、ハンドルユニット22が可動蓋42に当接し、可動蓋42を安定させるストッパとして機能する。なお、他の実施形態として、可動蓋42は、排出口40を閉塞する位置と排出口を開放する位置との間で、例えばスライド可能であってもよい。
【0025】
図4図5に示すように、一例ではあるが、可動蓋42にはリム43が設けられている。リム43は、可動蓋42の周縁に沿って設けられており、可動蓋42が閉塞位置にあるときに、集草ボックス18の排出口40に嵌まり込むように構成されている。これにより、可動蓋42が閉塞位置にあるときは(図3参照)、可動蓋42が集草ボックス18に係合して、集草ボックス18の本体14からの取り外しが禁止される。一方、可動蓋42が開放位置にあるときは(図4図5参照)、可動蓋42が集草ボックス18に係合しないので、集草ボックス18の本体14からの取り外しが許容される。このような構成によると、ユーザは、可動蓋42を開閉することによって、集草ボックス18を本体14へ固定したり、その固定を解除したりすることができる。ここで、可動蓋42のリム43は、可動蓋42を集草ボックス18に係合させるための構造の一例であり、そのような機能を有する他の構成に変更されてもよい。
【0026】
図3図5に示すように、一例ではあるが、芝刈機10は、ねじりコイルばね44と、ロック機構46とをさらに備える。ねじりコイルばね44は、可動蓋42の枢軸と同軸に配置されており、可動蓋42を閉塞位置(図3参照)から開放位置(図4図5)に向けて付勢するように構成されている。そして、ロック機構46は、可動蓋42が閉塞位置にあるときに、可動蓋42を集草ボックス18に対してロック(固定)するように構成されている。このような構成によると、ユーザは、単にロック機構46をアンロックさせることによって、可動蓋42を開放させることができる。これにより、集草ボックス18の本体14への固定も解除される。また、可動蓋42が正しくロックされていないときは、可動蓋42が開放位置へ自動的に移動することによって、そのことをユーザに報知することができる。ここで、ねじりコイルばね44は、可動蓋42を閉塞位置から開放位置に向けて付勢するための付勢部材の一例であり、そのような機能を有する他の付勢部材に変更されてもよい。この場合、その付勢部材は、独立した部材であってもよいし、本体14又は可動蓋42へ一体に形成された部材(即ち、部分)であってもよい。
【0027】
ロック機構46の具体的な構成については特に限定されない。一例ではあるが、本実施例におけるロック機構46は、可動蓋42に設けられたフック部46aと、集草ボックス18に設けられたフック受け部46bとを備える。フック受け部46bは、集草ボックス18に対して揺動可能に取り付けられており、可動蓋42のフック部46aと係合し、及びその係合を解除することができる。フック受け部46bには、ユーザによって操作されるアンロック操作部46cが一体に設けられている。ユーザがアンロック操作部46cを操作すると、フック受け部46bが揺動して、フック部46aとフック受け部46bとの間の係合が解除される。即ち、ロック機構46によるロックが解除される。このように、ユーザは、単にアンロック操作部46cを操作することで、ロック機構46による可動蓋42のロックを解除して、可動蓋42を容易に開放させることができる。
【0028】
アンロック操作部46cは、集草ボックス18のグリップ19に設けられている。このような構成によると、ユーザは、グリップ19を把持しながらアンロック操作部46cを操作し、そのまま集草ボックス18を本体14から取り外すことができる。ここで、アンロック操作部46cの具体的な構成は特に限定されない。一例ではあるが、本実施例におけるアンロック操作部46cは、グリップ19の上端に位置しており、グリップ19を把持する手の親指で操作することができる。他の実施形態として、例えば、アンロック操作部46cは、トリガ型の操作部であって、グリップ19を把持する手の人差し指で操作されるものであってもよい。
【0029】
図5図6に示すように、集草ボックス18には、排出口40と連続するように、収集口48が設けられている。収集口48は、集草ボックス18が本体14に取り付けられたときに、集草ダクト24に接続される。これにより、カッター16によって刈られた芝は、集草ダクト24に沿って案内され、収集口48から集草ボックス18内に収容される。なお、収集口48は、可動蓋42によって閉塞される排出口40とは区別されるが、ユーザが集草ボックス18から芝を取り除くときに、集草ボックス18内の芝は収集口48からも排出される。
【0030】
集草ダクト24内には、芝やその他の異物が詰まるおそれがある。そのことから、図6図7に示すように、本体14には、集草ダクト24の中間位置に設けられた清掃口50と、清掃口50を開放及び閉塞するための可動カバー52とが設けられている。これにより、ユーザは、可動カバー52を開放することによって、清掃口50から集草ダクト24内を清掃することができる。一例ではあるが、本実施例における可動カバー52は、ユーザのためのつまみ53を有しており、本体14によって揺動可能に支持されている。なお、清掃口50及び可動カバー52は、カッターユニット20とハンドルユニット22のいずれに設けられてもよく、あるいは、それらの両者に設けられてもよい。
【0031】
可動カバー52には、第1係合部54が設けられており、本体14には第2係合部56が設けられており、集草ボックス18には、第3係合部58が設けられている。第1係合部54は、可動カバー52の先端に設けられており、可動カバー52が閉じられると、可動カバー52の第1係合部54が、本体14の第2係合部56に隣接する。そして、集草ボックス18が本体14に取り付けられると、集草ボックス18の第3係合部58が、第1係合部54及び第2係合部56に係合して、可動カバー52が清掃口50を閉塞する位置に固定される。一方、集草ボックス18が本体14から取り外されると、第3係合部58が第1係合部54及び第2係合部56から係合解除され、可動カバー52が清掃口50を開放可能な状態となる。このように、本実施例の芝刈機10では、集草ボックス18が本体14に取り付けられたときに、集草ボックス18が可動カバー52に係合することによって、可動カバー52が清掃口50を閉塞する位置に固定される。このような構成によると、ユーザは、集草ボックス18を本体14に対して着脱することで、可動カバー52を閉じた位置に固定したり、その固定を解除したりすることができる。
【0032】
一例ではあるが、可動カバー52の第1係合部54と、本体14の第2係合部56は、可動カバー52が閉じられたときに、一体となって一つのシャフト形状を形成する。そして、集草ボックス18の第3係合部58は、そのシャフト形状(即ち、第1係合部54及び第2係合部56)を部分的に取り囲むような凹曲面を有している。このような構成によると、集草ボックス18が本体14に対して着脱されるときに、集草ボックス18は、シャフト形状を形成する第1係合部54及び第2係合部56を支点とし、本体14に対して揺動することができる。これにより、ユーザは、本体14に対して集草ボックス18を容易に着脱することができる。
【0033】
以上、いくつかの具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものである。
【符号の説明】
【0034】
12:車輪
14:本体
16:カッター
18:集草ボックス
20:カッターユニット
22:ハンドルユニット
24:集草ダクト
26:モータ
30:グリップ
40:集草ダクトの排出口
42:可動蓋
44:ねじりコイルスプリング
46:ロック機構
50:清掃口
52:可動カバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7