(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-23
(45)【発行日】2022-05-31
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
H05K 7/00 20060101AFI20220524BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20220524BHJP
H01R 13/74 20060101ALI20220524BHJP
H01F 17/06 20060101ALI20220524BHJP
H02G 3/16 20060101ALN20220524BHJP
【FI】
H05K7/00 L
H02M7/48 Z
H01R13/74 Z
H01F17/06 D
H02G3/16
(21)【出願番号】P 2019011403
(22)【出願日】2019-01-25
【審査請求日】2021-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】東川 直樹
【審査官】ゆずりは 広行
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/199725(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/065598(WO,A1)
【文献】特開平11-346085(JP,A)
【文献】特開2001-244685(JP,A)
【文献】特開2009-043429(JP,A)
【文献】特開2007-028785(JP,A)
【文献】特開2017-092193(JP,A)
【文献】特開2004-095848(JP,A)
【文献】特開2010-035301(JP,A)
【文献】特開2013-105714(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/00
H02M 7/48
H01R 13/74
H01F 17/06
H02G 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板を収容するとともに、壁部に形成された貫通孔を有する筐体と、
前記筐体の外部から前記筐体に組み付けられ、本体部が前記貫通孔の内部に配置されるコネクタ、及び前記筐体の内部において、前記回路基板と前記コネクタとの間に配置されるケーブル部を有するハーネスと、
前記ケーブル部が挿通される筒状のコアと、
前記コアを覆うとともに、内部に前記コネクタの本体部が組み付けられた筒状のコアカバーと、
を備え、
前記コアカバーは、前記貫通孔の内周面と前記コネクタの本体部の外周面との間に配置されることを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
前記コアカバーは、前記貫通孔の内周面と対向する外周面に凸部を有し、前記貫通孔は、前記凸部が係合可能な凹部を内周面に有する請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記コア及び前記コアカバーは、前記貫通孔に挿通可能である請求項1又は請求項2に記載の電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、回路基板を収容するとともに、壁部に形成された貫通孔を有する筐体と、筐体の外部から筐体に組み付けられるコネクタ、及び筐体の内部において回路基板とコネクタとの間に配置されるケーブル部を有するハーネスとを備える電力変換装置が知られている。ケーブル部の外周には、ケーブル部のノイズを除去するための筒状のコア(フェライトコア)が配置される。コアを備える電力変換装置では、コアの割れを抑制するためにコアを固定する必要がある。コアの固定方法としては、例えば、コアをコアカバーによって覆った後、コアカバーを固定部材(クリップやねじ等)により筐体に取り付ける方法や、テープによってコアをコネクタに直接固定する方法がある。なお、コアがコアカバーによって覆われた状態では、コア全体がコアカバーによってモールドされていてもよいし、コアの一部がコアカバーに覆われずに剥き出しになっていてもよい。
【0003】
しかしながら、前者の固定方法では、筐体の内部に固定部材を配置するスペースが必要になるため、電力変換装置の大型化の要因となる。また、後者の固定方法では、テープの粘着力によってコアを固定するため、コアの固定状態が安定しない虞がある。
【0004】
上記問題を解決する構造として、例えば、特許文献1や特許文献2に開示の構造が考えられる。特許文献1に開示のインターフェースケーブル接続部のように、コアカバーをコネクタに組み付ける構造の場合、コア、コアカバー、及びコネクタが一体化されるため、固定部材が不要となる。また、特許文献2に開示の信号ケーブル用のブッシングのように、コアカバーの外周に形成された溝に、筐体の貫通孔の内周面を係合させることにより、コアカバーを筐体に組み付ける構造の場合も、固定部材が不要となる。これらの構造により、固定部材の配置スペースによる電力変換装置の大型化を抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実開平3-8880号公報
【文献】実開昭62-69330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
さらに、このような電力変換装置では、筐体に対するコアカバー及びハーネスの組み付け性の向上が望まれている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、大型化を抑制しつつ、筐体に対するコアカバー及びハーネスの組み付け性を向上できる電力変換装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するための電力変換装置は、回路基板を収容するとともに、壁部に形成された貫通孔を有する筐体と、前記筐体の外部から前記筐体に組み付けられ、本体部が前記貫通孔の内部に配置されるコネクタ、及び前記筐体の内部において、前記回路基板と前記コネクタとの間に配置されるケーブル部を有するハーネスと、前記ケーブル部が挿通される筒状のコアと、前記コアを覆うとともに、内部に前記コネクタの本体部が組み付けられた筒状のコアカバーと、を備え、前記コアカバーは、前記貫通孔の内周面と前記コネクタの本体部の外周面との間に配置されることを要旨とする。
【0008】
これによれば、コアカバーは、貫通孔の内周面とコネクタの本体部の外周面とによって挟持されるため、コアカバーを筐体に固定するための固定部材が不要となる。よって、固定部材の配置スペースによる電力変換装置の大型化を抑制できる。また、コアカバーとコネクタとを組み付けた状態で、コアカバー及びコネクタの本体部を筐体の貫通孔の内部に配置することにより、貫通孔へのハーネスの挿入と同時にコアカバーを筐体に固定できる。よって、筐体に対するコアカバー及びハーネスの組み付け性を向上できる。
【0009】
また、上記電力変換装置について、前記コアカバーは、前記貫通孔の内周面と対向する外周面に凸部を有し、前記貫通孔は、前記凸部が係合可能な凹部を内周面に有するのが好ましい。
【0010】
これによれば、コアカバーの凸部を貫通孔の凹部に係合させることによって、筐体に対するコアカバーの固定状態を強固にできる。
また、上記電力変換装置について、前記コア及び前記コアカバーは、前記貫通孔に挿通可能であるのが好ましい。
【0011】
これによれば、筐体の外部から貫通孔を介してコア及びコアカバーの一部を筐体の内部に収容し、その後、コネクタ及びコアカバーの一部を貫通孔の内部に配置できる。このため、筐体の内部からコネクタ及びコアカバーを貫通孔の内部に配置する場合と比較して、筐体内の作業スペースを必要としない。よって、電力変換装置を小型化できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、大型化を抑制しつつ、筐体に対するコアカバー及びハーネスの組み付け性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】(a),(b)はケース及びワイヤハーネスの斜視図。
【
図3】(a)はワイヤハーネスの平面図、(b)はワイヤハーネスの一部断面図。
【
図5】(a),(b)はパワーコントロールユニットの組み付け方法を示す一部断面図。
【
図6】パワーコントロールユニットの別例を示す一部断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、電力変換装置を車載用パワーコントロールユニットに具体化した一実施形態を
図1~
図5にしたがって説明する。なお、図面において、水平面を、直交するX,Y方向で規定するとともに、上下方向をZ方向で規定している。
【0015】
図1(a)及び
図1(b)に示すように、電力変換装置としてのパワーコントロールユニット10は、電力変換する図示しないパワー回路と、パワー回路を制御する回路基板としての制御用回路基板14とを備える。制御用回路基板14が有する制御回路は、上位コントローラ用信号を入力する。パワーコントロールユニット10は、箱状の筐体としてのケース20を備える。ケース20は、パワー回路及び制御用回路基板14を収容するケース部材21を備える。
【0016】
ケース部材21は、四角筒状である。ケース部材21は、壁部としての第1~第4壁部21a~21dを有する。第1壁部21aは、Y-Z面に沿う一方の壁部であり、第2壁部21bは、Y-Z面に沿う他方の壁部である。第3壁部21cは、X-Z面に沿う一方の壁部であり、第4壁部21dは、X-Z面に沿う他方の壁部である。ケース部材21の開口部は、図示しない蓋部材によって閉塞される。ケース部材21には、制御用回路基板14が収容されている。
【0017】
図1(b)及び
図2に示すように、ケース部材21には、第1壁部21aをX方向に貫通する貫通孔としての第1貫通孔25及び第2貫通孔26が形成されている。よって、ケース部材21の内部とケース部材21の外部とは、第1貫通孔25及び第2貫通孔26を介して連通している。第1貫通孔25には、パワーコントロールユニット10内の装置とパワーコントロールユニット10の外部装置とを接続するためのハーネスとしての第1ワイヤハーネス16が挿入される。第2貫通孔26には、パワーコントロールユニット10内の装置とパワーコントロールユニット10の外部装置とを接続するためのハーネスとしての第2ワイヤハーネス17が挿入される。第1ワイヤハーネス16は、低圧信号用の上位コントローラ用信号ワイヤハーネスであり、第2ワイヤハーネス17は、低圧信号用のモータ用信号ワイヤハーネスである。第1貫通孔25及び第2貫通孔26は、Y方向に並べて配置されている。
図2に示すように、第1貫通孔25の内周面には、全周に亘って凹部25aが形成され、第2貫通孔26の内周面には、全周に亘って凹部26aが形成されている。第1壁部21aは、Y方向において第1貫通孔25の両側、及び第2貫通孔26の両側に形成された計4つの図示しない取付穴を有する。各取付穴の内周面には、雌ねじが形成されている。各取付穴の雌ねじには、第1ワイヤハーネス16及び第2ワイヤハーネス17をケース部材21の第1壁部21aに取り付けるためのボルトBが螺合可能である。
【0018】
次に、第1ワイヤハーネス16及び第2ワイヤハーネス17について説明する。なお、第1ワイヤハーネス16及び第2ワイヤハーネス17の構成は同じ構成であるため、第1ワイヤハーネス16について詳述し、第2ワイヤハーネス17については第1ワイヤハーネス16と同じ符号を付すとともに詳細な説明を省略する。
【0019】
図2、
図3(a)、及び
図3(b)に示すように、第1ワイヤハーネス16は、複数本の電線が束ねられたケーブル部30と、ケーブル部30の一端部に接続された第1コネクタ31と、ケーブル部30の他端部に接続された第2コネクタ32とを有する。
【0020】
第1コネクタ31は、第1接続端子34と、第1接続端子34を収容する筒状の第1コネクタハウジング35とを有する。ケーブル部30の一端部は、第1接続端子34に接続されている。第1コネクタ31は、第1コネクタハウジング35の外周面から突出する鍔部35aを有する。
図2に示すように、鍔部35aには、第1コネクタハウジング35の軸方向に貫通する2つの挿通孔35hが形成されている。第1コネクタ31において、鍔部35aよりもケーブル部30側に位置する部位を本体部としての内側部位31aとし、鍔部35aを挟んで内側部位31aとは反対側に位置する部位を外側部位31bとする。
【0021】
第2コネクタ32は、図示しない第2接続端子と、第2接続端子を収容する筒状の第2コネクタハウジング36とを有する。ケーブル部30の他端部は、第2接続端子に接続されている。
図1(a)及び
図1(b)に示すように、第2コネクタハウジング36が制御用回路基板14の接続部14aに接続されることにより、第2接続端子と制御用回路基板14とが電気的に接続されて、第2コネクタ32と制御用回路基板14とが信号接続される。
【0022】
図3(a)及び
図3(b)に示すように、第1コネクタ31の内側部位31aは、シールリング41を挿通している。また、ケーブル部30は、筒状のコア(フェライトコア)42に挿通されるとともに、第1コネクタ31の内側部位31aの一部は、コア42を覆う筒状のコアカバー43の内側に嵌合されている。コア42は、ケーブル部30のノイズを除去する。本実施形態では、コア42における内周面を除いた部分は、ゴム製のコアカバー43にモールドされている。コア42の内側、及びコアカバー43の内側は、コア42及びコアカバー43の軸方向に連通している。第1コネクタハウジング35の軸方向において、シールリング41は、鍔部35aとコアカバー43との間に配置されている。
【0023】
コアカバー43は、コアカバー43の軸方向の一端側に位置する外周面から突出する凸部43aを有する。凸部43aは、コアカバー43の外周面全周に亘って形成されている。コア42及びコアカバー43は、第1貫通孔25に挿通可能である。
【0024】
図1(a)、
図1(b)、及び
図4に示すように、第1ワイヤハーネス16が第1貫通孔25に挿入された状態では、ケーブル部30、第2コネクタ32、コア42、及びコアカバー43における凸部43aとは反対側の部位は、ケース部材21の内部に配置されている。ケーブル部30は、制御用回路基板14と第1コネクタ31との間に配置されている。また、
図4に示すように、第1コネクタ31の内側部位31a、シールリング41、及びコアカバー43における第1コネクタ31が嵌合された部分は、第1貫通孔25の内部に配置されている。さらに、第1コネクタ31の鍔部35a及び外側部位31bは、ケース部材21の外部に配置されている。
【0025】
コアカバー43の軸方向の一部は、第1コネクタ31の内側部位31aの外周面と、第1貫通孔25の内周面との間に配置されている。コアカバー43の内周面は、第1コネクタ31の内側部位31aと対向し、コアカバー43の外周面は、第1貫通孔25の内周面と対向している。第1コネクタ31及びコアカバー43は、コアカバー43が第1コネクタ31の内側部位31aの外周面と、第1貫通孔25の内周面とによって挟持されることにより、ケース部材21に固定されている。また、本実施形態では、コアカバー43の凸部43aは、第1貫通孔25の凹部25aに係合されている。
【0026】
次に、パワーコントロールユニット10の組み付け方法の一部について説明する。
まず、
図5(a)に示すように、第1ワイヤハーネス16の第2コネクタ32及びケーブル部30を、シールリング41の内側、コア42及びコアカバー43の内側の順に挿通する。次に、第1コネクタ31の内側部位31aを、シールリング41の内側、コアカバー43の内側の順に嵌合する。これにより、シールリング41、コア42、及びコアカバー43が第1ワイヤハーネス16の第1コネクタ31と一体化されるとともに、ケーブル部30の外周にはコア42が配置される。
【0027】
次に、
図5(b)に示すように、シールリング41、コア42、及びコアカバー43と一体化された第1ワイヤハーネス16を、ケース20の外部からケース20に組み付ける。具体的には、第1ワイヤハーネス16を第2コネクタ32側から、ケース部材21の第1貫通孔25に挿入する。すると、まず、第2コネクタ32及びケーブル部30がこの順に第1貫通孔25を通過してケース部材21の内部に挿入される。
【0028】
第1ワイヤハーネス16を更に挿入すると、
図4に示すように、コア42とコアカバー43の一部とが、第1貫通孔25を通過してケース部材21の内部に挿入される。また、コアカバー43における第1コネクタ31の内側部位31aが嵌合された部分は、凸部43aが第1貫通孔25の内周面によって圧縮されながら、第1貫通孔25の内側をケース部材21の内部に向けて移動する。そして、凸部43aが第1貫通孔25の凹部25aまで達すると、凸部43aは凹部25aに係合する。コアカバー43は、第1貫通孔25の内周面と、第1コネクタ31の内側部位31aの外周面との間に配置され、第1コネクタ31及びコアカバー43は、ケース部材21に固定される。また、第1コネクタハウジング35の鍔部35aにおける内側部位31a側の端面が第1壁部21aの外面と対向するとともに、第1コネクタ31の鍔部35aの挿通孔35hがケース部材21の第1壁部21aの取付穴と連通する。
図4では図示を省略するが、第1コネクタ31は、挿通孔35hに挿通されたボルトBが取付穴に螺合されることにより、ケース部材21の第1壁部21aに取り付けられる。その後、ケース部材21の内部に挿入された第2コネクタ32を、ケース部材21に収容された制御用回路基板14の接続部14aに接続する。
【0029】
本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)コア42を覆うコアカバー43は、第1貫通孔25の内周面と第1コネクタ31の内側部位31aの外周面との間に配置される。つまり、コアカバー43は、第1貫通孔25の内周面と第1コネクタ31の内側部位31aの外周面とによって挟持される。このため、コアカバー43をケース20に固定するための固定部材が不要となる。よって、固定部材の配置スペースによるパワーコントロールユニット10の大型化を抑制できる。また、コアカバー43と第1コネクタ31とを組み付けた状態で、コアカバー43及び第1コネクタ31の内側部位31aをケース20の第1貫通孔25の内部に配置することにより、第1貫通孔25への第1ワイヤハーネス16の挿入と同時にコアカバー43をケース20に固定できる。よって、ケース20に対するコアカバー43及び第1ワイヤハーネス16の組み付け性を向上できる。
【0030】
(2)コアカバー43は、外周面に凸部43aを有し、第1貫通孔25は、凸部43aが係合可能な凹部25aを内周面に有する。コアカバー43の凸部43aを第1貫通孔25の凹部25aに係合させることによって、ケース20に対するコアカバー43の固定状態を強固にできる。
【0031】
(3)コア42及びコアカバー43は、第1貫通孔25に挿通可能である。この場合、ケース20の外部から第1貫通孔25を介してコア42及びコアカバー43の一部をケース20の内部に収容し、その後、第1コネクタ31及びコアカバー43の一部を第1貫通孔25の内部に配置できる。よって、ケース20の内部から第1コネクタ31及びコアカバー43を第1貫通孔25の内部に配置する場合と比較して、ケース20内の作業スペースを必要としない。その結果、パワーコントロールユニット10を小型化できる。
【0032】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
○ 信号ワイヤハーネスの数は、2に限定されず、1であってもよいし、3以上であってもよい。また、ケース20の貫通孔の数は、信号ワイヤハーネスの数に応じて変更してよい。
【0033】
○ 第1貫通孔25及び第2貫通孔26の配置は適宜変更してよい。例えば、第1貫通孔25と第2貫通孔26は、Y方向に並べて配置されていなくてもよい。また、例えば、第1貫通孔25及び第2貫通孔26は、第2~第4壁部21b~21dに形成されてもよい。
【0034】
○ コア42は、コアカバー43によってモールドされていなくてもよい。この場合、例えば、コアカバー43にコア42を嵌合可能な溝を形成し、この溝にコア42を嵌合することにより、コア42とコアカバー43とを一体化する。
【0035】
○
図6に示すように、第1貫通孔25の凹部25aを省略してもよい。この場合、コアカバー43の凸部43aと第1貫通孔25の内周面との間に働く摩擦力により、コアカバー43が第1貫通孔25の内部から抜けないようになっている。
【0036】
○ コアカバー43の凸部43aを凹部に変更するとともに、第1貫通孔25の凹部25aを凸部に変更してもよい。この場合も、コアカバー43の凹部に第1貫通孔25の凸部を係合させることによって、ケース20に対するコアカバー43の固定状態を強固にできる。
【0037】
○ コアカバー43が第1貫通孔25の内部から抜けないのであれば、コアカバー43の材質を適宜変更してもよい。
例えば、
図7に示すように、コアカバー43は、樹脂によって形成され、コア42を覆う筒状のカバー本体44と、カバー本体44の外周に取り付けられたゴム製のOリング45とを有していてもよい。この場合、Oリング45が、上記実施形態の凸部43aの代わりとなる。
【0038】
○ コアカバー43は、圧入により第1貫通孔25に挿通されてもよい。
○ シールリング41とコアカバー43は、一体形成されていてもよい。この場合、パワーコントロールユニット10の部品点数を低減できる。また、第1コネクタ31及びコアカバー43を第1貫通孔25の内部に配置するだけで、第1コネクタ31の内側部位31aの外周面と第1貫通孔25の内周面との間をシールできる。
【0039】
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(イ)前記コアカバーは、ゴム製であり、前記貫通孔の内周面と対向する外周面に凸部を有する。
【0040】
(ロ)前記コアカバーは、樹脂によって形成され、前記コアを覆う筒状のカバー本体と、前記カバー本体の外周に取り付けられたゴム製のOリングとから構成されている。
(ハ)前記コネクタの本体部の外周面と前記貫通孔の内周面との間をシールするシールリングを備え、前記シールリングは、前記コアカバーと一体形成されている。
【符号の説明】
【0041】
10…電力変換装置としてのパワーコントロールユニット、14…回路基板としての制御用回路基板、16…ハーネスとしての第1ワイヤハーネス、17…ハーネスとしての第2ワイヤハーネス、20…筐体としてのケース、21a…壁部としての第1壁部、21b…壁部としての第2壁部、21c…壁部としての第3壁部、21d…壁部としての第4壁部、25…貫通孔としての第1貫通孔、25a…凹部、26…貫通孔としての第2貫通孔、26a…凹部、30…ケーブル部、31…コネクタとしての第1コネクタ、31a…本体部としての内側部位、42…コア、43…コアカバー、43a…凸部。