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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-01
(45)【発行日】2022-06-09
(54)【発明の名称】真空掃除機及び弁
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/24 20060101AFI20220602BHJP
   A47L 9/04 20060101ALI20220602BHJP
   A47L 9/02 20060101ALI20220602BHJP
   A47L 9/28 20060101ALI20220602BHJP
   A47L 5/24 20060101ALI20220602BHJP
【FI】
A47L9/24 Z
A47L9/04 A
A47L9/02 Z
A47L9/28 U
A47L5/24 A
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020526105
(86)(22)【出願日】2017-12-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-18
(86)【国際出願番号】 EP2017082780
(87)【国際公開番号】W WO2019114965
(87)【国際公開日】2019-06-20
【審査請求日】2020-06-12
(73)【特許権者】
【識別番号】516124465
【氏名又は名称】アクチエボラゲット エレクトロルックス
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ダフルベック、エリック
(72)【発明者】
【氏名】ホルム、ヘンリック
【審査官】新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2005/117676(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/184075(WO,A1)
【文献】実開昭56-044642(JP,U)
【文献】特開平04-122346(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 5/24,9/02-9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空掃除機であって、
ノズル端部及びハンドル端部を有する細長部材と、
前記ノズル端部に配置された床ノズルと、
前記ハンドル端部に配置されたハンドルと、
前記ノズル端部及び前記ハンドル端部に取り外し可能に接続可能なハンドユニットと
を備え、
前記ハンドユニットが、
前記真空掃除機の少なくとも第1の部分を通る空気流を発生させるためのモータファンユニットと、
前記空気流から塵及び屑を分離するための主分離ユニットと
を備え、
前記真空掃除機の前記第1の部分が前記床ノズルを備える、
真空掃除機において、
前記真空掃除機が、前記ノズル端部に配置された弁を備え、
前記弁が、第1の位置と第2の位置との間で移動可能である弁部材を備え、
前記第1の位置では、前記弁部材が、前記床ノズルから前記ハンドユニットに前記空気流を導き、同時に、前記空気流が前記ハンドル端部を通って流れことを阻止するように構成されており、
前記第2の位置では、前記弁部材が、前記床ノズルから、前記ハンドル端部及び前記ハンドユニットに前記空気流を導くように構成されている、
真空掃除機。
【請求項2】
前記ハンドユニットを前記ノズル端部又は前記床ノズルにドッキングさせるために構成された第1のインタフェースと、
前記ハンドユニットを前記ハンドル端部にドッキングさせるために構成された第2のインタフェースと
を備える、
請求項1に記載の真空掃除機。
【請求項3】
前記第1のインタフェースが、前記弁部材に機械的に連結され、
前記ハンドユニットが前記第1のインタフェースにドッキングされたとき、前記弁部材が前記第1の位置に位置決め可能である、
請求項2に記載の真空掃除機。
【請求項4】
前記ハンドユニットが前記第2のインタフェースにドッキングされたとき、前記弁部材が前記第2の位置に位置決め可能である、
請求項2又は3に記載の真空掃除機
【請求項5】
前記弁部材が、第1の端部と第2の端部とを有する管状要素を備え、
前記管状要素が、前記第1の端部で前記細長部材に枢動可能に接続されている、
請求項のいずれか一項に記載の真空掃除機。
【請求項6】
前記弁部材が前記第1の位置にあるときは、前記ハンドユニットが前記第1のインタフェースにドッキングされたときに、前記管状要素を通して前記ハンドユニットに前記空気流を導くために、前記第2の端部が前記細長部材の外側に延在し、
前記弁部材が前記第2の位置であるときは、前記ハンドユニットが前記第2のインタフェースにドッキングされたときに、前記管状要素を通して前記ハンドル端部及び前記ハンドユニットに前記空気流を導くために、前記第2の端部が前記細長部材の内側に延在する、
請求項に記載の真空掃除機。
【請求項7】
前記管状要素の前記第2の端部が、前記第1のインタフェースの一部を形成する、
請求項5または6に記載の真空掃除機。
【請求項8】
前記弁が、前記管状要素の前記第1の端部に接続されているフレキシブルホースを備え、
前記フレキシブルホースが、前記細長部材の内側で前記弁から前記床ノズルの方へ延在している、
請求項のいずれか一項に記載の真空掃除機。
【請求項9】
前記ハンドユニットが、前記モータファンユニットを制御するための制御ユニットを備え、
前記真空掃除機が、前記ハンドル端部に配置された制御スイッチを備え、
前記ハンドユニットが前記第1のインタフェースにドッキングされたとき、前記制御スイッチが前記制御ユニットに電気的に接続される、
請求項2~8のいずれか一項に記載の真空掃除機。
【請求項10】
前記弁部材が、前記第2の位置の方へ付勢される、
請求項1~9のいずれか一項に記載の真空掃除機。
【請求項11】
前記細長部材が、前記ノズル端部から前記ハンドル端部まで延在するチューブを備え、
前記チューブが、前記ノズル端部から前記ハンドル端部まで前記空気流が通過することを可能とするように構成されている、
請求項1~10のいずれか一項に記載の真空掃除機。
【請求項12】
前記チューブが、長手方向に沿って長さが変化し、
前記長手方向が、前記ノズル端部と前記ハンドル端部との間で延在している、
請求項11に記載の真空掃除機。
【請求項13】
前記床ノズルが、枢動可能である接続を介して前記細長部材に接続されており、
前記枢動可能である接続が、前記床ノズルに対する前記細長部材の少なくとも70度の枢動を可能にする、
請求項1~12のいずれか一項に記載の真空掃除機。
【請求項14】
前記床ノズルが、回転可能なブラシを備える、
請求項1~13のいずれか一項に記載の真空掃除機。
【請求項15】
前記床ノズルが、前記回転可能なブラシを駆動するために構成された電動モータを備える、
請求項14に記載の真空掃除機。
【請求項16】
前記回転可能なブラシを駆動するために構成された前記電動モータが、充電式電池に電気的に接続されている、
請求項15に記載の真空掃除機。
【請求項17】
前記ハンドユニットが、前記モータファンユニットを制御するための制御ユニットを備え、
前記制御ユニットが、前記回転可能なブラシを駆動するための前記電動モータ及び/又は前記床ノズルに配置された光源を制御するためにさらに構成されている、
請求項15に記載の真空掃除機
【請求項18】
前記ハンドユニットに配置された充電式電池
を備え、
前記充電式電池が、前記モータファンユニットに電力を供給するために構成されている、
請求項1~17のいずれか一項に記載の真空掃除機。
【請求項19】
前記細長部材又は前記床ノズルに配置されて、充電電流を受けるように構成されている少なくとも2つの電気コネクタと、
前記少なくとも2つの電気コネクタと前記ハンドユニットに配置された前記充電式電池との間で延在する電気伝導体と
を備える、
請求項18に記載の真空掃除機。
【請求項20】
前記ハンドユニットが、前記真空掃除機から取り外されると、独立したハンドヘルド真空掃除機として使用可能である、
請求項1~19のいずれか一項に記載の真空掃除機
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、真空掃除機に関し、ハンドユニットを真空掃除機の細長部材に流体接続するために構成された弁に関する。
【背景技術】
【0002】
さまざまな種類の真空掃除機が知られている。真空掃除機のうちの1つの種類はスティック型と呼ばれている。スティック型真空掃除機は実質的に、一端のハンドルと他端の床ノズルとを有する細長本体を備える。本体の内部には、真空掃除機を通る空気流を発生させるためのモータファンユニット、及び、空気流から塵及び屑を分離するための主分離ユニットが配置される。スティック型真空掃除機は、立ちながらの使用のために設計されており、ユーザは、ハンドルを把持して、掃除対象表面上でノズルを移動させる。
【0003】
スティック型真空掃除機の利点は、コンパクトであり、それによって、片付けが簡単ということである。スティック型真空掃除機は、より狭い範囲を素早く真空掃除するための、より大きな真空掃除機を補完するものとして、或いは、たとえば、部屋が1つ又は2つである共同住宅などのより小さな生活空間におけるメインの真空掃除機として、使用してもよい。
【0004】
スティック型のいくつかの真空掃除機は、それ自体が、たとえば、床面とは別の表面上を真空掃除するために使用できるハンドユニットを含む。このような真空掃除機は、ツーインワン真空掃除機と呼ばれることもある。より詳細には、ハンドユニットは、真空掃除機の本体に、取り外し可能に接続される。スティック型真空掃除機の使用中、ハンドユニットは、真空掃除機の本体に取り付けられている。ハンドユニットは、床ノズルを通る空気流を発生させ、その空気流は、ハンドユニットに配置された主分離ユニットに導かれる。たとえば、テーブル又は他の家具を真空掃除するために、ハンドユニットは、真空掃除機の本体から取り外されて、独立したハンドヘルド真空掃除機として使用される。
【0005】
国際公開第2008/088278号パンフレットは、取り外し可能なハンドヘルドユニットと支持体とを備えるツーインワンタイプのスティック型真空掃除機を開示している。
【0006】
国際公開第2016184075号パンフレットは、スティック型のスリーインワン真空掃除機を開示している。真空掃除機は、ハンドヘルド真空掃除機と、床ノズルと、ハンドルロッドとを備える。ハンドルロッドは、中空の棒状の物体である。ハンドヘルド真空掃除機、ハンドルロッド、及び床ノズルは、互いに分離することができ、特定の配置で組み合わせることができる。真空掃除機は、次の3つの作動モードで動かすことができる。第1のモードでは、ハンドヘルド真空掃除機、ハンドルロッド、及び床ノズルを含む3つすべての要素を組み合わせて、スティック型真空掃除機を形成する。第2のモードでは、ハンドルロッド及び床ノズルからハンドヘルド真空掃除機を切り離して、独立したハンドヘルド真空掃除機を形成する。第3のモードでは、ハンドヘルド真空掃除機とハンドルロッドとを床ノズルなしで組み合わせて、ハンドヘルド真空掃除機の到達距離をのばす吸込管を形成するハンドルロッドを有するハンドヘルド真空掃除機を形成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
家具の下を真空掃除することは、スティック型真空掃除機では難しいことがある。スティック型真空掃除機の本体が、たとえば、ソファ又は戸棚の下に床ノズルが到達することを妨げることがある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
用途の広いスティック型真空掃除機の必要性が存在している。上記欠点を克服する、又は少なくとも軽減する真空掃除機を実現することは有益であろう。特に、スティック型真空掃除機のユーザが、低い家具の下などの狭い水平空間を真空掃除できるようにすることが望ましいであろう。これらの懸念のうちの1つ又は複数に、より適切に対処するために、独立請求項1に定義された特徴を有する真空掃除機が提供される。
【0009】
本開示のある態様によると、ノズル端部及びハンドル端部を有する細長部材と、ノズル端部に配置された床ノズルと、ハンドル端部に配置されたハンドルと、ノズル端部及びハンドル端部に取り外し可能に接続可能なハンドユニットとを備える真空掃除機が提供される。ハンドユニットは、真空掃除機の少なくとも第1の部分を通る空気流を発生させるためのモータファンユニットと、空気流から塵及び屑を分離するための主分離ユニットとを備える。真空掃除機の第1の部分は床ノズルを備える。真空掃除機は、ノズル端部に配置された弁を備え、弁は、第1の位置と第2の位置との間で移動可能である弁部材を備え、第1の位置において、弁部材は、床ノズルからハンドユニットに空気流を導き、同時に、空気流がハンドル端部を通って流れることを阻止するように構成されており、第2の位置において、弁部材は、床ノズルから、ハンドル端部及びハンドユニットに空気流を導くように構成されている。
【0010】
真空掃除機がノズル端部に配置された弁を備え、弁が第1の位置と第2の位置との間で移動可能である弁部材を備え、第1の位置では、床ノズルからの空気流がハンドル端部に到達することが阻止され、第2の位置では、床ノズルからの空気流がハンドル端部に導かれるので、真空掃除中、ハンドユニットがノズル端部に接続されているとき、並びに、ハンドユニットがハンドル端部に接続されているときのどちらのときも、床ノズルを利用することができる。よって、真空掃除機のユーザは、ハンドユニットがハンドル端部に接続されているとき、狭い水平空間を真空掃除するために、真空掃除機を使用することができる。さらに、狭い水平空間を真空掃除するとき、床ノズルを利用することができる。
【0011】
真空掃除機は、ユーザが、ハンドル端部に配置されたハンドルを把持し、床ノズルを、たとえば、床面などの掃除対象表面上で移動させるために構成されてもよい。真空掃除機は、スティック型真空掃除機であってもよい。したがって、細長部材は、真空掃除機の細長本体を形成してもよい。真空掃除するとき、ハンドユニットは、ノズル端部又はハンドル端部のいずれにも接続される。ハンドユニットがノズル端部に接続されているか、ハンドル端部に接続されているかに関係なく、空気流は、真空掃除機の第1の部分、すなわち、床ノズルを備える第1の部分を通って流れる。
【0012】
ハンドユニットがノズル端部に接続されているとき、真空掃除機の重量は、ノズル端部の方に配分される。ハンドユニットがハンドル端部に接続されているとき、真空掃除機の重量は、ハンドル端部の方に分配される。すなわち、ハンドユニットがハンドル端部に接続されているときよりも、ハンドユニットがノズル端部に接続されているときに、真空掃除機の重心は床ノズルにより近くなる。よって、より広い開放面を真空掃除するとき、真空掃除機の取り回しを楽にするために、ハンドユニットはノズル端部に好適に接続される。家具の下などの狭い水平空間を真空掃除するときのみ、ハンドユニットはハンドル端部に接続されて、床ノズルが狭い水平空間に到達することが可能となる。狭い水平空間の真空掃除は、真空掃除時間のうちのほんの限られた一部であるので、真空掃除時間のうちの限られた時間のためにハンドユニットがハンドル端部に接続されたときのみ、ユーザはハンドル端部の追加された重量を支持しなければならない。また、真空掃除機を片付けるとき、ハンドユニットは、ユニットを安定させるために、ノズル端部に接続されてもよく、そして、床ノズル上に立ててもよい。
【0013】
ハンドユニットがノズル端部に接続されているか、ハンドル端部に接続されているかに関係なく、モータファンユニットは、空気流を発生させるために構成される。ハンドユニットがノズル端部に接続されているか、ハンドル端部に接続されているかに関係なく、ハンドユニットの主分離ユニットは、空気流から塵及び屑を分離するために構成される。実施形態によると、真空掃除機は、ハンドユニットをノズル端部又は床ノズルにドッキングさせるために構成された第1のインタフェースと、ハンドユニットをハンドル端部にドッキングさせるために構成された第2のインタフェースとを備えてもよい。このようにして、ハンドユニットは好都合には、ノズル端部に、又はその代わりにハンドル端部にドッキングさせてもよい。第1のインタフェース及び第2のインタフェースはそれぞれ、ハンドユニットの空気流路に流体接続されるために構成された導管部分を備えてもよい。よって、床ノズルからの空気流は、ハンドユニットに対するそれぞれのインタフェースを介して導かれてもよく、主分離ユニットは、空気流路に配置されてもよい。
【0014】
実施形態によると、第1のインタフェースは、弁部材に機械的に連結されていてもよく、ハンドユニットが第1のインタフェースにドッキングされたとき、弁部材は第1の位置に位置決め可能である。このようにして、ハンドユニットがノズル端部に接続されたとき、空気流は床ノズルからハンドユニットに導かれてもよい。第1のインタフェースは、連結装置を介して弁部材にて機械的に連結されてもよく、連結装置は弁部材を作動させて、弁部材を第1の位置に位置付ける。
【0015】
実施形態によると、弁部材は、第2の位置の方へ付勢されてもよい。このようにして、ハンドユニットがノズル端部と切り離されて、ハンドル端部に接続されたとき、空気流は、ハンドル端部の方へ自動的に導かれてもよい。
【0016】
実施形態によると、弁部材は、第1の端部と第2の端部とを有する管状要素を備えてもよく、管状要素は、第1の端部で細長部材に枢動可能に接続されている。このようにして、空気流は、管状要素を通って導かれてもよい。さらに、弁部材は、管状要素が第1の端部で枢動することによって、第1の位置と第2の位置との間で移動可能であってもよい。細長部材は、弁の一部を形成する弁部を備えてもよい。弁部は、弁のハウジングを形成してもよい。
【0017】
実施形態によると、弁部材が第1の位置にあるときは、ハンドユニットが第1のインタフェースにドッキングされたときに、管状要素を通してハンドユニットに空気流を導くために、第2の端部が細長部材の外側に延在してもよく、弁部材が第2の位置にあるときは、ハンドユニットが第2のインタフェースにドッキングされたときに、管状要素を通してハンドル端部及びハンドユニットに空気流を導くために、第2の端部が細長部材の内側に延在してもよい。このようにして、ハンドユニットがノズル端部に接続されているか、ハンドル端部に接続されているかに応じて、空気流が、真空掃除機内に導かれてもよい。実施形態によると、管状要素の第2の端部は、第1のインタフェースの一部を形成してもよい。このようにして、ハンドユニットは、管状要素の第2の端部に流体接続されてもよく、ハンドユニットが第1のインタフェースにドッキングされたとき、空気流はハンドユニットに導かれてもよい。
【0018】
実施形態によると、弁は、管状要素の第1の端部に接続されているフレキシブルホースを備えてもよく、フレキシブルホースは、細長部材の内側で弁から床ノズルの方へ延在している。このようにして、フレキシブルホースは、管状要素と細長部材との間にシールを形成してもよい。特に、フレキシブルホースは、管状要素の第1の端部が枢動可能に取り付けられる部分における細長部材内への空気漏洩に対するシールをする。床ノズルからの空気流は、フレキシブルホースを通って流れる。
【0019】
実施形態によると、細長部材は、ノズル端部からハンドル端部まで延在するチューブを備えてもよく、チューブは、ノズル端部からハンドル端部まで空気流が通過することを可能とするように構成されている。このように、真空掃除機の細長本体が提供されてもよい。よって、ハンドユニットがハンドル端部に接続されているとき、床ノズルは狭い水平空間に到達することができる。
【0020】
実施形態によると、チューブは、長手方向に沿って長さが変化してもよく、長手方向は、ノズル端部とハンドル端部との間で延在している。このようにして、チューブは、とりわけ、狭い水平空間に到達するように適合可能であり、真空掃除機のユーザの身長に適合可能であり、且つ、真空掃除機の収納に適合可能である長さを有してもよい。長さの変化は、たとえば、望遠鏡式のチューブによって、或いは、少なくとも1つのさらなるチューブ要素によって伸びるように、且つ/又は、少なくとも1つのチューブ要素の除去によって長さが減少するように構成されているチューブによって、実現されてもよい。
【0021】
実施形態によると、床ノズルは、枢動可能である接続を介して細長部材に接続されてもよく、枢動可能である接続は、床ノズルに対する細長部材の少なくとも70度の枢動を可能にする。このようにして、たとえば、床ノズルを狭い水平空間に移動させるときに、床ノズルを掃除する表面と接触させたまま、細長部材を掃除する表面の方へ下向きに枢動させることができる。
【0022】
実施形態によると、ハンドユニットは、モータファンユニットを制御するための制御ユニットを備えてもよい。よって、真空掃除機は、制御ユニットを介して制御されてもよい。たとえば、真空掃除機は、制御ユニットを介してスイッチをオン又はオフにしてもよい。制御ユニットは、回転可能なブラシを駆動するための電動モータ及び/又は床ノズルに配置された光源を制御するためにさらに構成されてもよい。
【0023】
真空掃除機は、ハンドル端部に配置された制御スイッチを備えてもよい。ハンドユニットが第1のインタフェースにドッキングされたとき、制御スイッチは制御ユニットに電気的に接続されてもよい。このようにして、ハンドユニットが第1のインタフェースにドッキングされたとき、真空掃除機は制御スイッチで制御されてもよい。よって、真空掃除機のユーザは、ハンドユニットまで手をのばす必要はなく、それでも真空掃除機のハンドル端部から真空掃除機を制御することができる。
【0024】
実施形態によると、ハンドユニットは、真空掃除機から取り外されると、独立したハンドヘルド真空掃除機として使用可能であってもよい。このようにして、多目的の真空掃除機が提供されてもよい。
【0025】
上記のように、用途の広いスティック型真空掃除機を提供する必要性が存在している。低い家具の下などの狭い水平空間を真空掃除するために、スティック型真空掃除機を、それが可能となるように適合させることは有益であろう。これらの懸念のうちの1つ又は複数により適切に対処するために、独立請求項21に定義されるような、真空掃除機の細長部材にハンドヘルドユニットを流体接続するために構成される弁が提供される。
【0026】
本開示のさらなる態様によると、ハンドユニットを真空掃除機の細長部材に流体接続するために構成される弁が提供され、弁は、第1の位置と第2の位置との間で移動可能な弁部材と、弁長手方向に沿って延在する弁ハウジングとを備える。弁部材は、第1の端部と第2の端部とを有する管状要素を備え、管状要素は、第1の端部で弁ハウジングに枢動可能に接続されている。第1の位置において、弁部材は、弁長手方向に対してある角度をなして第1の端部から第2の端部に空気流を導き、同時に、空気流が弁長手方向に沿って流れることを阻止するように構成されている。第2の位置において、弁部材は、弁長手方向に沿って空気流を導くように構成されている。
【0027】
弁が第1の位置と第2の位置との間で移動可能な弁部材を備え、弁部材が第1の端部で弁ハウジングに枢動可能に接続された管状要素を備え、第1の位置において、弁部材が、弁長手方向に対してある角度をなして第1の端部から第2の端部に空気流を導き、同時に、空気流が弁長手方向に沿って流れることを阻止するように構成されており、第2の位置において、弁部材が、弁長手方向に沿って空気流を導くように構成されているので、弁は、真空掃除機の細長部材に配置されるとき、弁部材が第1の位置及び第2の位置のどちらにあるときも、真空掃除の間、真空掃除機の床ノズルを利用できるように、真空掃除機内の空気流を導く。よって、真空掃除機のユーザは、弁部材が第1の位置にあるときに第2の端部に流体接続されたハンドユニットによって開放床面を真空掃除するために、且つ、弁部材が第2の位置にあるときに第2の端部に流体接続されたハンドユニットによって狭い水平空間を真空掃除するために、真空掃除機を使用することができる。
【0028】
実施形態によると、弁部材が第1の位置にあるとき、第2の端部は弁ハウジングの外側に延在し、弁部材が第2の位置にあるとき、第2の端部は弁ハウジングの内側に延在する。このようにして、弁部材が第1の位置にあるとき、並びに、第2の端部が第2の位置にあるとき、ハンドユニットは第2の端部に流体接続されてもよい。
【0029】
実施形態によると、弁は、管状要素の第1の端部に接続されているフレキシブルホースを備えてもよい。このようにして、フレキシブルチューブは、空気流が管状部材の第1の端部に導かれることを保証するために利用されてもよい。フレキシブルチューブは、管状要素の第1の端部において、空気が弁内で漏れることを防ぐためのシールを形成してもよい。
【0030】
実施形態によると、弁部材は、第2の位置の方へ付勢されてもよい。このようにして、弁部材が第2の位置に位置付けられることが保証されてもよい。弁部材が第2の位置にあるとき、ハンドユニットが第2の端部から遠い距離に配置されて、第2の端部に流体接続されるときに、これは有益であることがある。
【0031】
さらなる特徴及び利点は、添付の特許請求の範囲及び以下の詳細説明を検討すると明らかになるであろう。
【0032】
その特定の特徴及び利点を含むさまざまな態様及び/又は実施形態は、以下の詳細説明及び添付図面で論じられる例示的実施形態から容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1a】第1の実施形態による真空掃除機を示す。
図1b】第1の実施形態による真空掃除機を示す。
図2a】第2の実施形態による真空掃除機を示す。
図2b】第2の実施形態による真空掃除機を示す。
図3a】ハンドユニットを真空掃除機の細長部材に流体接続するために構成される弁の実施形態を示す。
図3b】ハンドユニットを真空掃除機の細長部材に流体接続するために構成される弁の実施形態を示す。
図3c】ハンドユニットを真空掃除機の細長部材に流体接続するために構成される弁の実施形態を示す。
図4a】ハンドユニットを真空掃除機の細長部材に流体接続するために構成される弁の実施形態を示す。
図4b】ハンドユニットを真空掃除機の細長部材に流体接続するために構成される弁の実施形態を示す。
図5】ハンドユニットを真空掃除機の細長部材に流体接続するために構成される弁の実施形態を示す。
図6a】実施形態による真空掃除機を示す。
図6b】実施形態による真空掃除機を示す。
図6c】実施形態による真空掃除機を示す。
図7a】真空掃除機の断面を示す。
図7b】真空掃除機の断面を示す。
図8】真空掃除機の電気回路の実施形態を示す。
図9】真空掃除機のためのスタンドの例示的実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
ここで、態様及び/又は実施形態がより完全に記載される。同一の数字は全体を通して同一の要素を指す。よく知られている機能又は構成は、簡潔さ及び/又は明瞭さのために、必ずしも詳細に記載されるわけではない。
【0035】
図1a及び1bは、第1の実施形態による真空掃除機2を示す。図2a及び2bは、代替的な第2の実施形態による真空掃除機2を示す。図1a及び2aに、真空掃除機2の斜視図が示されている。図1b及び2bに、真空掃除機2のフロー図が示されている。図1a~2bに関連する以下の説明では、実施形態のうちの一方を特別に参照しない限り、両方の実施形態が参照される。図1aの真空掃除機2は、真空掃除機2のための専用スタンド30に立てて示されている。
【0036】
真空掃除機2は、ノズル端部6とハンドル端部8とを有する細長部材4を備える。真空掃除機2は、ノズル端部6に配置された床ノズル10と、ハンドル端部8に配置されたハンドル12とをさらに備える。さらに、真空掃除機2は、ノズル端部6及びハンドル端部8に取り外し可能に接続可能なハンドユニット14を備える。すなわち、ハンドユニット14は、たとえば、どのような種類の真空掃除作業が真空掃除機2で実行されるかに応じて、ノズル端部6又はハンドル端部8のいずれかに接続することができる。図1a及び2aでは、ハンドユニット14はノズル端部6に接続されている。図1b及び2bでは、ハンドユニット14は、ノズル端部6及びハンドル端部8の両方に接続されて示されている。
【0037】
図1aに明確に示されているように、第1の実施形態に従って、ハンドユニット14が真空掃除機2のノズル端部6に接続されるとき、ハンドユニット14は細長部材4に接続される。同様に、図2aに示されるように、第2の実施形態に従って、ハンドユニット14が真空掃除機2のノズル端部6に接続されるとき、ハンドユニット14は床ノズル10に接続される。両方の実施形態において、ハンドユニット14は、細長部材4のノズル端部6に接続される。言い換えると、用語「ノズル端部に接続される」は、細長部材6及び床ノズル10の両方に対するハンドユニットの接続代替形態に適用される。
【0038】
知られている方法で、ハンドユニット14は、モータファンユニット32と主分離ユニット34とを備える。モータファンユニット32は、真空掃除機2の少なくとも一部を通る空気流を発生させるために構成される。主分離ユニット34は、空気流から塵及び屑を分離するために構成される。主分離ユニット34は、空にするために又は交換するために、ハンドユニット14から取り外されてもよい。
【0039】
真空掃除機2は、ノズル端部6に配置された弁20を備える。弁20は、第1の位置と第2の位置との間で移動可能な弁部材を備える(さらに図3a~4bを参照)。弁部材が第1の位置に配置されているときは、図1b及び2bの左側のハンドユニット14によって示されるように、ハンドユニット14がノズル端部6に接続されると、弁部材は床ノズル10からハンドユニット14に空気流を導くように構成される。同時に、弁部材が第1の位置に配置されているときは、ハンドユニット14が細長部材4のノズル端部6に接続されると、弁部材は空気流がハンドル端部8を通って流れることを阻止するように構成される。図1b及び2bの右側のハンドユニット14によって示されるように、ハンドユニット14がハンドル端部8に接続されると、弁部材は床ノズル10からハンドル端部8に空気流を導くように構成される。また、弁部材が第2の位置にあるときは、ハンドユニット14が細長部材4のハンドル端部8に接続されると、弁部材は空気が弁20を通って漏れることを阻止するように構成される。
【0040】
図1a及び1bの実施形態では、弁20は細長部材4に配置されている。図2a及び2bの実施形態では、弁20は床ノズル10に配置されている。両方の実施形態において、ハンドユニット14は細長部材4のノズル端部6に接続可能である。
【0041】
ハンドユニット14内の流路は、弁部材が第1の位置に配置されているときは、弁20を介して床ノズル10に流体接続され、ハンドユニット14は、細長部材4のノズル端部6に接続されている。同様に、ハンドユニット14内の流路は、弁部材が第2の位置に配置されているときは、弁20を介して床ノズル10に流体接続され、ハンドユニット14は、細長部材4のハンドル端部8に接続されている。
【0042】
モータファンユニット32は、ハンドユニット14が細長部材4のノズル端部6に接続されているとき、且つ、ハンドユニット14が細長部材4のハンドル端部8に接続されているときに、真空掃除機2の少なくとも第1の部分を通る空気流を発生させるために構成される。主分離ユニット34は、ハンドユニット14が細長部材4のノズル端部に接続されているとき、且つ、ハンドユニット14が細長部材4のノズル端部8に接続されているときに、空気流から塵及び屑を分離するために構成される。真空掃除機2の第1の部分は、床ノズル10を備える。
【0043】
ハンドユニット14は細長部材4のノズル端部6又は細長部材4のハンドル端部8のいずれかに接続することができるので、多目的真空掃除機2が提供される。さらに、ハンドユニット14は、細長部材4から取り外されると、独立したハンドヘルド真空掃除機として使用可能であってもよい。
【0044】
床ノズル10は、細長部材4のノズル端部6と流体接続される。より詳細には、床ノズル10内の流路は、細長部材4内の流路と流体接続される。よって、ハンドユニット14のモータファンユニット32によって発生された空気流は、少なくとも、弁部材が第2の位置にあり、且つ、ハンドユニット14がハンドル端部8に接続されているとき、床ノズル10からノズル端部6に流れる。図1a及び1bに示された第1の実施形態において、床ノズル10内の流路は、ハンドユニット14がノズル端部6に接続されたとき、細長部材4の第1の端部6の流路と流体接続される。ハンドユニット14のモータファンユニット32によって発生された空気流は、弁部材が第1の位置にあり、且つ、ハンドユニット14がノズル端部6に配置されたとき、床ノズル10からノズル端部6に流れる。
【0045】
細長部材4は、ノズル端部6からハンドル端部8まで延在するチューブ26を備える。チューブ26は、ノズル端部6からハンドル端部8まで空気流が通過することを可能とするように構成される。すなわち、チューブ26は、ハンドユニット14のモータファンユニット32によって発生された空気流のために、細長部材4の流路を形成する。チューブ26は、細長部材4の主部を形成してもよい。チューブ26は、細長部材4を形成してもよい。床ノズル10は、チューブ26に接続されてもよい。ハンドル12は、チューブ26に接続されてもよい。
【0046】
細長部材4は、真空掃除機2の細長本体を形成してもよい。チューブ26は、真空掃除機2の細長本体を形成してもよい。よって、床ノズルは、ハンドユニット14がハンドル端部8に接続されたとき、狭い水平空間に到達することができる。チューブ26は、長手方向Lに沿って長さが変化してもよい。長手方向Lは、図2aに示されるように、ノズル端部6とハンドル端部8との間で伸びる。よって、チューブ26は、真空掃除機2の真空掃除中及び片付け中のそれぞれ状況に適応できる長さを有してもよい。図2aの実施形態のように、長さの変化は、望遠鏡式のチューブ26によって実現されてもよく、ハンドル端部8を備えるチューブ26の部分は、ノズル端部6を備えるチューブ26の部分に長手方向Lに沿って移動してもよく、且つ、反対方向に移動してもよい。
【0047】
或いは、少なくとも1つのチューブ要素27によって伸びるように、且つ/又は、少なくとも1つのチューブ要素27の除去によって長さが減少するように構成されているチューブ26によって、チューブ26は長手方向Lに沿って長さが変化してもよい。したがって、チューブ26は、図1aに示されるように、2つ以上のチューブ要素27、27'を備えてもよい。
【0048】
図3a~5は、ハンドユニット14を真空掃除機2の細長部材4に流体接続するために構成される弁20の実施形態を示す。図3a~3cは、図1a及び1bを参照して上で論じられた第1の実施形態の真空掃除機2で利用されるために構成される弁20の実施形態を示す。図3a及び3bは、弁20の斜視図及び側面図を示す。図3cは、破線がその一部を示す弁20の側面図を示す。図4a及び4bは、図2a及び2bを参照して上で論じられた第2の実施形態の真空掃除機2で利用されるために構成される弁20の実施形態を示す。図5は、図1a及び1bを参照して上で論じられた第1の実施形態の真空掃除機2で利用されるために構成される弁20の代替的な実施形態の部分断面を示す。
【0049】
図3a~3cを参照すると、弁20は、弁部材40と弁ハウジング42とを備える。弁ハウジング42は、弁長手方向VLに沿って延在する。弁部材40は、第1の端部46と第2の端部48とを有する管状要素44を備える。管状要素44は、第1の端部46で弁ハウジング42に枢動可能に接続されている。管状要素44は、図3cに示された第1の端部46の枢軸47を中心に枢動してもよい。
【0050】
弁部材40は、図3a及び3cに示された第1の位置と、図3bに示された第2の位置との間で移動可能である。弁20を通る空気流50は、図3a~3cにおいて矢印50で示されている。第1の位置において、弁部材40は、弁長手方向VLに対してある角度をなして管状要素44の第1の端部46から管状要素44の第2の端部48に空気流50を導き、同時に、空気流50が弁長手方向VLに沿って流れることを阻止するように構成されている。第2の位置において、弁部材40は、弁長手方向VLに沿って、管状要素44の第1の端部46から管状要素44の第2の端部48に空気流50を導くように構成されている。第2の位置において、弁部材40は、空気流50が弁長手方向VLに対してある角度をなして流れることを阻止するように構成されている。
【0051】
弁部材40が第1の位置にあるとき、第2の端部48は弁ハウジング42の外側に延在する。弁部材40が第2の位置にあるとき、第2の端部48は弁ハウジング42の内側に延在する。
【0052】
弁ハウジング42は、図1a及び1bを参照して上で論じられた第1の実施形態による真空掃除機2の細長部材4の一部を形成してもよく、又は、その細長部材4に接続されてもよい。弁ハウジング42は、図1a及び1bを参照して上で論じられた第1の実施形態による真空掃除機2のチューブ26の一部を形成してもよく、又は、そのチューブ26に接続されてもよい。
【0053】
したがって、管状要素44の第1の端部46は、管状要素44の第2の端部48よりも真空掃除機2の床ノズル10の近くに配置されることがある。
【0054】
よって、弁20は、真空掃除機の2つの異なる部分に空気流50を導くように構成されている。たとえば、図1a及び1bを参照して上で論じられた第1の実施形態による真空掃除機2では、床ノズル10からの空気流は、ハンドユニット14が細長部材4のノズル端部6に接続されたときにハンドユニット14に導かれてもよく、又は、ハンドユニット14が細長部材4のハンド端部8に接続されたときにハンドユニット14に導かれてもよい。
【0055】
いくつかの実施形態によると、弁部材40は、図3bに示される第2の位置の方へ付勢されてもよい。よって、弁部材40は、第2の端部48の第2の位置に自動的に移動し、弁ハウジング42の内側に延在する。
【0056】
管状要素44は、少なくとも1つの軌道66を備えてもよい。少なくとも1つの軌道66は湾曲している。少なくとも1つの軌道66に沿って動かすために、突起が少なくとも1つの軌道66に延在してもよい。よって、少なくとも1つの軌道66に沿って突起を動かすことによって、管状要素44は、枢軸47を中心に枢動してもよい(以下の図6a及び6bを参照)。
【0057】
図5の実施形態による弁20は、多くの点で、図3a~3cの実施形態に似ている。主な違いは、図5の実施形態の弁20が、管状要素40の第1の端部46に接続されているフレキシブルホース52を備えるということである。フレキシブルホース52は、第1の端部46から関連する真空掃除機の床ノズルの方へ延在する。フレキシブルホース52は、床ノズルから弁20への空気流50のための流路の少なくとも一部を形成する。フレキシブルホース52は、弁20の管状要素40の第1の端部46における空気漏洩を防ぐためのシールを形成してもよい。
【0058】
図4a及び4bの実施形態において、弁20は床ノズル10に配置されており、床ノズル10に配置された弁部材40を備える。弁部材40は、床ノズル10に枢動可能に接続されている。弁部材40は、枢軸49を中心に枢動してもよい。弁部材40は、図4aに示された第1の位置と、図4bに示された第2の位置との間で移動可能である。
【0059】
第1の位置において、弁部材40は、弁20の第1の開口54を閉じ、その第1の開口54は、細長部材4と、より詳細には、細長部材4のノズル端部6と流体接続されている。よって、弁部材40が第1の位置にあるとき、細長部材4への空気流は阻止される。弁部材40が第1の位置にあるとき、弁20の第2の開口56は開いている。よって、図4aの矢印50で示される、床ノズル10及び弁20を通る空気流50は、ハンドユニット(図示せず)を接続するための第1のインタフェース22に導かれる。第1のインタフェース22は、床ノズル10上に配置されている、又は、床ノズル10に接続されている。すなわち、ハンドユニットが第1のインタフェース22に接続されると、ハンドユニットは細長部材4のノズル端部6に接続される。第1のインタフェース22は、ハンドユニット14を床ノズル10にドッキングさせるために構成されている。
【0060】
第2の位置において、弁部材40は、第1のインタフェース22への空気流を阻止する第2の開口56を閉じる。弁部材40が第2の位置にあるとき、第1の開口54は開いており、空気流50は床ノズル10及び弁20を通って細長部材4へと流れることができる。空気流50は、図4bの矢印50で示されている。ハンドユニットが細長部材4のハンドル端部(図示せず)に接続されると、第1の開口54を通る空気流50がハンドユニットによって発生する。
【0061】
同様に、弁部材40は、図4bに示される第2の位置の方へ付勢されてもよい。よって、弁部材40は、第2の開口56を閉じて、空気流50を細長部材4に導くために、第2の位置に自動的に移動する。弁部材40は、ねじりばねなどの示されていないばねによって、第2の位置に付勢されてもよい。ハンドユニットが第1のインタフェース22にドッキングされると、弁部材40は、たとえば、示されていない機構によって、第1の位置に自動的に移動してもよい。
【0062】
図4a及び4bの実施形態において、床ノズル10は、回転可能なブラシ90を備える(さらに以下の図8を参照)。
【0063】
図6a~6cは、実施形態による真空掃除機2を示す。真空掃除機2は、図1a及び1bに関連して論じられる第1の実施形態による真空掃除機である。図6aでは、ハンドユニット14は、細長部材4のノズル端部6にドッキングされている。図6bでは、ハンドユニット14は、細長部材4のハンドル端部8にドッキングされている。図6cでは、真空掃除機2の床ノズル10及びノズル端部6の一部が示されている。
【0064】
真空掃除機2は、ハンドユニット14を細長部材4のノズル端部6にドッキングさせるために構成された第1のインタフェース22と、ハンドユニット14を細長部材4のハンドル端部8にドッキングさせるために構成された第2のインタフェース24とを備える。
【0065】
これらの実施形態において、第1のインタフェース22は、ハンドユニット14の外面に配置された突起62を受けて、係合するために構成された1つ又は複数の凹部60を備える。凹部60は、接続部材64に設けられる。ハンドユニット14が第1のインタフェース22に接続されるとき、弁20の弁部材は、図1a及び1b、並びに3a~3cを参照して上で論じられたような第1の位置に配置される。よって、ハンドユニット14で発生された空気流は、床ノズル10から弁20を介してハンドユニット14に導かれ、ハンドル端部8への空気流又はハンドル端部8からの空気流は阻止される。
【0066】
第1のインタフェース22は、弁部材40に機械的に連結される。よって、ハンドユニット14が第1のインタフェース22にドッキングされるとき、弁部材40は第1の位置に位置決め可能である。より詳細には、これらの実施形態において、接続部材64は、長手方向Lに沿った細長部材4に沿って移動可能である。ハンドユニット14が第1のインタフェース22に接続されるとき、接続部材64は、図6b及び6cに示された後方位置から、図6aに示された床ノズル10の方の前方位置に移動される。接続部材64は、管状要素44の軌道66(図3a及び3c参照)に沿って動くように構成された突起(図示せず)を介して、弁部材40に機械的に連結され、接続部材64が後方位置から前方位置に移動したとき、弁部材40は第1の端部46を中心に枢動する。よって、管状要素44の第2の端部48は、ハンドユニット14の口68に流体接続されてもよい(図7aも参照)。管状要素44の第2の端部48は、第1のインタフェース22の一部を形成してもよい。
【0067】
これらの実施形態において、ハンドル端部8の後端部は、第2のインタフェース24を備える。第2のインタフェース24は、ハンドル端部8の後端部における開口70によって形成される。ハンドユニット14の口68は、開口70に嵌合する。よって、ハンドユニット14で発生された空気流は、床ノズル10から細長部材全体4を通ってハンドユニット14まで導かれる。弁20の弁部材40は、第2の位置にある。したがって、空気流は、弁20を介してノズル端部6からハンドル端部8に導かれる。弁20において細長部材4への空気流は阻止される。
【0068】
ハンドユニット14が第2のインタフェース24にドッキングされるとき、弁部材40は第2の位置に位置決め可能である。このようにして、床ノズル10からの空気流は、ハンドル端部8及びハンドユニット14の方に導かれる。
【0069】
上記のように、弁部材40は、第2の位置の方へ付勢されてもよい。たとえば、接続部材64は、その後方位置の方へばね付勢されてもよい。よって、ハンドユニット14が第1のインタフェース22に接続されていないとき、接続部材64はその後方位置の方へ引かれる又は押されるので、弁部材40と接続部材64との間の機械的連結により、弁部材は第2の位置に枢動する。
【0070】
弁部材40が第1の位置にあるとき、第2の端部48は細長部材4の外側に延在する。すなわち、管状要素44は、長手方向Lに対してある角度をなしている。よって、図6aに示されるように、ハンドユニット14が第1のインタフェース22にドッキングされたとき、空気流は管状要素44を通ってハンドユニット14に導かれる。弁部材40が第2の位置にあるとき、第2の端部48は細長部材4の内側に延在してもよい。すなわち、管状要素44は長手方向Lに沿って延在する。よって、図6bに示されるように、ハンドユニット14が第2のインタフェース24にドッキングされたとき、空気流は管状要素44を通ってハンドル端部8及びハンドユニット14に導かれる。
【0071】
床ノズル10は、枢動可能である接続28を介して細長部材4に接続される。よって、床ノズル10は、細長部材4に対して枢動されてもよい。枢動可能である接続28は、床ノズル10に対する細長部材4の少なくとも70度の枢動を可能にしてもよい。言い換えると、真空掃除されている床面72と細長部材4の長手方向Lとの間の角度αは、少なくとも70度を超えて変化してもよく、同時に、床ノズル10は、真空掃除位置において、床面72に当接する。
【0072】
図6aに示されるようにハンドユニット14が第1のインタフェース22にドッキングされているときは、図6bに示されるようにハンドユニット14が第2のインタフェース24にドッキングされているときよりも、真空掃除機2の重心が床ノズル10により近くなる。よって、開放面を真空掃除するとき、ハンドユニット14は好適に、第1のインタフェース22にドッキングされてもよい。真空掃除機2のユーザは、ハンドル12によって真空掃除機2を把持し、掃除対象表面に沿って床ノズル10を移動させる。重心が床ノズル10の方へ移動しているため、ユーザが支持しなければならない真空掃除機2の重量はより小さくなる。家具の下などの狭い水平空間を真空掃除するとき、ハンドユニット14が第1のインタフェース22にドッキングされていることにより、狭い水平空間全体への床ノズル10の到達が妨げられることがある。よって、ハンドユニット14は、第2のインタフェース24にドッキングされてもよい。よって、床ノズル10は、狭い水平空間全体に到達することができる。細長部材4は、床ノズル10とハンドユニット14の口68との間で延長部を形成する。ユーザは、さらに12におけるハンドル又はハンドユニット14のハンドル74を把持し、床ノズル10を狭い水平空間に導くことができる。枢動可能である接続28は、床ノズル10が狭い水平空間内の真空掃除されている表面に当接することを保証することができる。狭い水平空間を真空掃除している間、ハンドユニット14が第2のインタフェース24にドッキングされているときは、ユーザが支持しなければならない真空掃除機2の重量はより大きくなる。
【0073】
図6a及び6bにおいて、細長部材4及び床ノズル10の電気コネクタ86、86'が示されている(さらに以下の図8を参照)。制御スイッチ98は図6aに示されている(さらに以下の図8を参照)。
【0074】
図7a及び7bは、図1a、1b、6a~6cの第1の実施形態の真空掃除機2の断面を示す。ここでは、ハンドユニット14が、第1のインタフェース22にドッキングされているとき、及び、第2のインタフェース24にドッキングされているときの、それぞれの真空掃除機2を通る空気流が記載されている。真空掃除機2を通る空気流は、図7a及び7bに矢印で示されている。
【0075】
ハンドユニット14のモータファンユニット32は、真空掃除機2の少なくとも第1の部分を通る空気流を発生させる。ハンドユニット14の主分離ユニット34では、塵及び屑が空気流から分離される。知られている方法で、主分離ユニット34は、塵及び屑を空気流から分離するためのサイクロンを備えてもよい。或いは、主分離ユニット34は、塵及び屑を空気流から分離するための通気性の使い捨て容器を備えてもよい。
【0076】
ハンドユニット14の空気流路は、口68から主分離ユニット34に、そして、モータファンユニット32を通って空気出口(図示せず)まで延在する。
【0077】
図7aに示されるように、ハンドユニット14が第1のインタフェース22にドッキングされているとき、空気流は、床ノズル10を備える真空掃除機2の第1の部分を通って細長部材4に、そして、弁20を通り、ハンドユニット14の空気流路を通って流れる。弁20と第2のインタフェース24との間の細長部材4を通る空気流は、弁20によって阻止される。弁20の弁部材は、第1の位置に配置されている。
【0078】
図7bに示されるように、ハンドユニット14が第2のインタフェース24にドッキングされているとき、空気流は、床ノズル10を備える真空掃除機2の第1の部分を通り、細長部材全体4を通り、そして、ハンドユニット14の空気流路を通って流れる。弁20の弁部材は、第2の位置に配置されている。
【0079】
図8は、本明細書に論じられる態様及び/又は実施形態による真空掃除機2の電気回路80の実施形態を概略的に示す。真空掃除機2のモータファンユニット32は、電動モータ82を備える。真空掃除機2は、ハンドユニット14に配置された充電式電池84を備える。充電式電池84は、モータファンユニット32に電力を供給するために構成されている。より詳細には、充電式電池84は、モータファンユニット32の電動モータ82に接続されている。ハンドユニット14は、図8において破線で示されている。
【0080】
真空掃除機2は、細長部材又は床ノズルに配置されて、充電電流を受けるために構成されている少なくとも2つの電気コネクタ86、86'を備える。真空掃除機2は、少なくとも2つの電気コネクタ86、86'とハンドユニット14に配置された充電式電池84との間で延在する電気伝導体をさらに備える。よって、充電電流を充電式電池84に提供することができる。図6aにおいて、ついに2つの電気コネクタのうちの1つ86が細長部材4に示されている。図6cにおいて、ついに2つの電気コネクタのうちの2つ86、86'が床ノズル10に示されている。図9は、真空掃除機2のためのスタンド30の例示的実施形態を示す。スタンド30の内側に、充電器が配置されてもよい。1つが図9に示されている接触板88を介して、図1aに示されるように、真空掃除機2がスタンド30に立っているときに、充電電流が、真空掃除機2の少なくとも2つの電気コネクタ86、86'に伝えられてもよい。
【0081】
図8に戻ると、床ノズルは、回転可能なブラシ90を備えてもよい。このようにして、回転可能なブラシ90は、真空掃除されている表面から塵及び屑を払いのけてもよく、それによって、床ノズルに入る空気流による塵及び屑の吸込みを支援する。図4a及び4bに、回転可能なブラシ90が示されている。好適に、床ノズルは、回転可能なブラシ90を駆動するために構成された電動モータ92を備えてもよい。
【0082】
回転可能なブラシ90を駆動するために構成された電動モータ92は、充電式電池に電気的に接続される。回転可能なブラシ90を駆動するために構成された電動モータ92は、図8に示されるように、ハンドユニット14に配置された充電式電池84に接続されてもよい。或いは、回転可能なブラシ90を駆動するために構成された電動モータ92に電流を提供するために、床ノズルに独立した充電式電池が設けられてもよい。
【0083】
床ノズルは、たとえば、LEDなどの光源94を備えてもよい。よって、真空掃除されている表面を照らすことができる。たとえば、狭い水平空間では、光源94は、真空掃除機のユーザが塵及び屑を見ることができることを保証することができる。
【0084】
真空掃除機は、少なくともモータファンユニット32を制御するための制御ユニット96を備えてもよい。より詳細には、制御ユニット96は、モータファンユニット32の電動モータ82を制御するために構成されてもよい。このような制御は、電動モータ82のスイッチのオンオフを含んでもよく、任意選択的に、電動モータ82の速度制御を含んでもよい。制御ユニット96を介して、少し例を挙げるだけでも、回転可能なブラシ90を駆動するために構成された電動モータ92、光源94、さらに充電式電池84の充電などの、真空掃除機の他の構成要素も制御してもよい。
【0085】
ハンドユニット14は、モータファンユニット32を制御するための制御ユニット96を備えてもよく、制御ユニット96は、回転可能なブラシ90を駆動するための電動モータ92及び/又は床ノズルに配置された光源94を制御するためにさらに構成される。
【0086】
最も単純な形態において、制御ユニット96は、1つ又は複数のスイッチを備えてもよい。しかしながら、制御ユニット96は、実質的に任意の適切な種類のプロセッサ回路又はマイクロコンピュータの形態をとってもよい計算ユニットを備えてもよい。制御ユニット96は、メモリユニットを備えてもよい。計算ユニットは、たとえば、計算ユニットが計算を行うことを可能にするために必要な格納されたプログラムコード及び/又は格納されたデータを計算ユニットに提供するメモリユニットに接続されてもよい。計算ユニットは、計算の部分的な結果又は最終的な結果をメモリユニットに格納するように適合されてもよく、たとえば、電動モータの制御に関連する計算は、82、92、充電式電池84の充電などである。
【0087】
実施形態によると、ハンドユニット14は、モータファンユニット32を制御するための制御ユニット96を備えてもよい。真空掃除機2は、細長部材のハンドル端部に配置された制御スイッチ98を備えてもよい。ハンドユニット14が第1のインタフェースにドッキングされるとき、制御スイッチ98は制御ユニット96に電気的に接続されてもよい。よって、真空掃除機2のユーザは、真空掃除機2のハンドル端部から真空掃除機2を制御してもよく、真空掃除機2が第1のインタフェースにドッキングされているとき、真空掃除機2を制御するために、ハンドユニットまで手をのばす必要はない。制御スイッチ98を介して、少なくともモータファンユニット32が制御されてもよい。さらに、回転可能なブラシ90を駆動するために構成された電動モータ92及び/又は光源94は、制御スイッチ98を介して制御されてもよい。制御スイッチ98は、図6aにも示されている。
【0088】
上記はさまざまな例示的な実施形態の説明であり、本発明は添付の特許請求の範囲によってのみ定義されることが理解されるべきである。当業者は、例示的実施形態は修正されてもよく、例示的実施形態のそれぞれの特徴は、本明細書に記載された実施形態以外の実施形態を作成するために、添付の特許請求の範囲に定義された本発明の範囲から逸脱することなく、組み合わされてもよいことを理解するであろう。
図1a
図1b
図2a
図2b
図3a
図3b
図3c
図4a
図4b
図5
図6a
図6b
図6c
図7a
図7b
図8
図9