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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-02
(45)【発行日】2022-06-10
(54)【発明の名称】養育支援装置
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20220603BHJP
   G06Q 10/06 20120101ALI20220603BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20220603BHJP
【FI】
G16H20/00
G06Q10/06 332
H04M11/00 302
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021520498
(86)(22)【出願日】2019-05-17
(86)【国際出願番号】 JP2019019706
(87)【国際公開番号】W WO2020234926
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2021-09-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515144378
【氏名又は名称】株式会社ファーストアセント
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】服部 伴之
【審査官】原 忠
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-518328(JP,A)
【文献】特開2001-014398(JP,A)
【文献】国際公開第2007/102505(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 - 80/00
G06Q 10/00 - 99/00
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳幼児の生体情報を取得する生体情報取得部と、
複数の乳幼児の生体情報に基づく基準情報を用いて、前記乳幼児の前記生体情報を推定する生体情報推定部と、
前記生体情報取得部によって取得される前記生体情報と、前記生体情報推定部によって推定される前記生体情報との比較に基づき、所定期間における前記乳幼児の行為を判断する判断部と、
前記乳幼児を前記所定期間養育したベビーシッターにより作成される、前記所定期間における前記乳幼児の前記行為に関する養育記録を取得する養育記録取得部と、
前記養育記録を、前記判断部による前記所定期間における前記行為の判断結果に照合して、前記養育記録と前記判断結果とが一致するか、または相違するかを検査する養育記録検査部と、
を備える、
養育支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の養育支援装置において、
前記所定期間よりも過去の期間における前記乳幼児の前記行為を示す行為情報を取得し、前記生体情報取得部によって取得された前記過去の期間における前記生体情報に前記行為情報を対応付ける行為情報取得部をさらに備え、
前記生体情報推定部は、前記行為情報が対応付けられた前記過去の期間における前記生体情報と、前記複数の乳幼児の行為情報の種別に応じた前記基準情報とを用いて、前記行為情報の前記種別毎に前記所定期間における前記生体情報を推定し、
前記判断部は、前記生体情報取得部によって取得される前記所定期間における前記生体情報と、前記生体情報推定部により前記行為情報の前記種別毎に推定される前記所定期間における前記生体情報との前記比較に基づき、前記所定期間における前記乳幼児の前記行為を判断する、
養育支援装置。
【請求項3】
請求項2に記載の養育支援装置において、
前記過去の期間における前記行為中の前記乳幼児に情動異常が発生したか否かを示す情動情報を取得し、前記生体情報取得部によって取得された前記過去の期間における前記生体情報に前記情動情報を対応付ける情動情報取得部をさらに備え、
前記生体情報推定部は、前記行為情報および前記情動情報が対応付けられた前記過去の期間における前記生体情報と、前記行為情報の前記種別および前記複数の乳幼児の情動異常の有無に応じた前記基準情報とを用いて、前記行為情報の前記種別および前記情動異常の前記有無の組合せ毎に前記所定期間における前記生体情報を推定し、
前記判断部は、前記生体情報取得部によって取得される前記所定期間における前記生体情報と、前記生体情報推定部により前記組合せ毎に推定される前記所定期間における前記生体情報との前記比較に基づき、前記所定期間における前記乳幼児の前記行為および前記情動異常を判断する、
養育支援装置。
【請求項4】
請求項3に記載の養育支援装置において、
前記乳幼児の前記情動異常が前記判断部によって判断されたことを、電子機器を介して前記ベビーシッターまたは前記ベビーシッターの管理者に通知するための通知情報を生成する通知情報生成部をさらに備える、
養育支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、養育支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、環境適性モデルに基づき、幼児に関連した測定データから幼児がストレスを受けているか等、幼児の情動状態についての推測をすることができる幼児監視システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2016/164373号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された幼児監視システムに用いられる環境適性モデルは経験的認識に基づいており、この環境適性モデルに基づいて行われるストレスを含む幼児の情動状態についての推測結果の精度が、上述した経験的認識の精度に依存するという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によると、養育支援装置は、乳幼児の生体情報を取得する生体情報取得部と、複数の乳幼児の生体情報に基づく基準情報を用いて、前記乳幼児の前記生体情報を推定する生体情報推定部と、前記生体情報取得部によって取得される前記生体情報と、前記生体情報推定部によって推定される前記生体情報との比較に基づき、所定期間における前記乳幼児の行為を判断する判断部と、前記乳幼児を前記所定期間養育したベビーシッターにより作成される、前記所定期間における前記乳幼児の前記行為に関する養育記録を取得する養育記録取得部と、前記養育記録を、前記判断部による前記所定期間における前記行為の判断結果に照合して、前記養育記録と前記判断結果とが一致するか、または相違するかを検査する養育記録検査部と、を備える。
本発明の第2の態様によると、第1の態様の養育支援装置において、前記所定期間よりも過去の期間における前記乳幼児の前記行為を示す行為情報を取得し、前記生体情報取得部によって取得された前記過去の期間における前記生体情報に前記行為情報を対応付ける行為情報取得部をさらに備えるのが好ましい。前記生体情報推定部は、前記行為情報が対応付けられた前記過去の期間における前記生体情報と、前記複数の乳幼児の行為情報の種別に応じた前記基準情報とを用いて、前記行為情報の前記種別毎に前記所定期間における前記生体情報を推定する。前記判断部は、前記生体情報取得部によって取得される前記所定期間における前記生体情報と、前記生体情報推定部により前記行為情報の前記種別毎に推定される前記所定期間における前記生体情報との前記比較に基づき、前記所定期間における前記乳幼児の前記行為を判断する。
本発明の第3の態様によると、第2の態様の養育支援装置において、前記過去の期間における前記行為中の前記乳幼児に情動異常が発生したか否かを示す情動情報を取得し、前記生体情報取得部によって取得された前記過去の期間における前記生体情報に前記情動情報を対応付ける情動情報取得部をさらに備えるのが好ましい。前記生体情報推定部は、前記行為情報および前記情動情報が対応付けられた前記過去の期間における前記生体情報と、前記行為情報の前記種別および前記複数の乳幼児の情動異常の有無に応じた前記基準情報とを用いて、前記行為情報の前記種別および前記情動異常の前記有無の組合せ毎に前記所定期間における前記生体情報を推定する。前記判断部は、前記生体情報取得部によって取得される前記所定期間における前記生体情報と、前記生体情報推定部により前記組合せ毎に推定される前記所定期間における前記生体情報との前記比較に基づき、前記所定期間における前記乳幼児の前記行為および前記情動異常を判断する。
本発明の第4の態様によると、第3の態様の養育支援装置において、前記乳幼児の前記情動異常が前記判断部によって判断されたことを、電子機器を介して前記ベビーシッターまたは前記ベビーシッターの管理者に通知するための通知情報を生成する通知情報生成部をさらに備えるのが好ましい。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、様々な乳幼児の情動異常を、個別の乳幼児毎に適切に判断できる可能性が高いという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明の一実施の形態における養育支援装置および脳波センサを含む養育支援システムの構成例と、脳波センサの利用例とを示す図である。
図2図2は、一実施の形態における養育支援装置の構成を示す図である。
図3図3は、乳幼児の生体情報として脳波データが取得される様子を例示する図である。
図4図4は、複数の乳幼児の脳波データに基づいて生成される基準情報の一例を示す図である。
図5図5は、特定の乳幼児の過去に計測された脳波データを用いて、最近または現在における脳波データを推定する処理例を説明するための図である。
図6図6は、特定の乳幼児の行為および情動異常の判断結果、ならびにその判断結果をベビーシッターに通知する通知情報を受信した電子機器の表示画面を例示する図である。
図7図7は、一実施の形態における養育支援装置でコンピュータプログラムが走行することによって実行される、基準情報生成処理ならびに乳幼児の行為および情動異常判断処理の例を説明するための図である。
図8図8は、一実施の形態における養育支援装置で走行するコンピュータプログラムの製品供給態様を例示する図である。
図9図9は、本発明の一実施の形態の変形例4における養育支援装置で実行されるベビーシッター評価処理の一例を説明するための図である。
図10図10は、本発明の一実施の形態の変形例5における養育支援装置で実行されるベビーシッター評価処理の一例を説明するための図である。
図11図11は、本発明の一実施の形態の変形例6における養育支援装置で実行されるベビーシッター養育記録検査処理の一例を説明するための図である。
図12図12は、本発明の一実施の形態の変形例7における養育支援装置で乳幼児の生体情報として取得される発声データを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明の一実施の形態における養育支援装置20および脳波センサ5を含む養育支援システム1の構成例と、脳波センサ5の利用例とを示す図である。図1(a)に例示されるように、養育支援システム1は、乳幼児2の脳波データを計測する脳波センサ5、乳幼児2を養育する親またはその他の保護者が保有する電子機器10、乳幼児2を一時的に養育するベビーシッター3またはベビーシッター3の管理者が保有する電子機器11、脳波センサ5と電子機器10と電子機器11とが通信ネットワーク30を介して接続される養育支援装置20、および記憶装置25を含む。本実施の形態において、記憶装置25は養育支援装置20に外部接続されるが、記憶装置25は養育支援装置20に内蔵されてもよい。図1(b)に例示されるように、親またはその他の保護者が不在の間にベビーシッター3が乳幼児2を一時的に養育する際、乳幼児2が脳波センサ5を着用することによって、乳幼児2の生体情報として脳波データを計測することができる。
【0009】
図2は、本実施の形態における養育支援装置20の構成を示す図である。養育支援装置20は、プロセッサ210、メモリ220および通信モジュール230を有する。養育支援装置20のプロセッサ210は、メモリ220に格納されているコンピュータプログラムを起動することによって、生体情報取得部211と、基準情報生成部212と、生体情報推定部213と、判断部214と、付加情報取得部215と、通知情報生成部216とを論理的に有する。
【0010】
生体情報取得部211は、乳幼児2の生体情報として脳波センサ5により計測された乳幼児2の脳波データを、通信モジュール230を介して取得し、記憶装置25に保存する。同様にして、生体情報取得部211は、他の乳幼児の脳波データも取得し、記憶装置25に保存する。このようにして、脳波センサ5により過去に計測され、生体情報取得部211により取得された複数の乳幼児の脳波データが、記憶装置25に保存される。記憶装置25に保存される脳波データは、脳波センサ5により過去の期間Tp1に計測され、生体情報取得部211により取得された乳幼児2の脳波データ、脳波センサ5により期間Tp1とは異なる過去の期間Tp2に計測され、生体情報取得部211により取得された乳幼児2の脳波データ、および脳波センサ5により過去の期間Tp3に計測され、生体情報取得部211により取得された他の乳幼児の脳波データを含む。記憶装置25に保存された複数の乳幼児の脳波データのうちの少なくとも一部は、後述する図3(c)に示す蓄積情報である。基準情報生成部212は、その記憶装置25に保存された蓄積情報に基づいて、図4を用いて後述する基準情報を生成する。
【0011】
生体情報推定部213は、脳波センサ5により過去の期間Tp1および期間Tp1とは異なる過去の期間Tp2に計測され、生体情報取得部211により取得された乳幼児2の脳波データと、基準情報生成部212により生成された基準情報とを用いて、最近または現在の期間Tcにおける乳幼児2の脳波データを推定する。
【0012】
生体情報取得部211が、上述した期間Tcにおける乳幼児2の脳波データを実際に取得すると、判断部214は、その期間Tcに取得された乳幼児2の脳波データと、生体情報推定部213によって推定された期間Tcにおける乳幼児2の脳波データとの比較に基づき、期間Tcにおける乳幼児2の行為および情動異常(図6を用いて後述される)を判断する。
【0013】
乳幼児2の親(またはその他の保護者)がその乳幼児2を養育した過去の期間Tp1および期間Tp2において、脳波センサ5により計測された乳幼児2の脳波データを、生体情報取得部211が取得し、記憶装置25に保存したとする。その後、乳幼児2の親は、乳幼児2の脳波データが計測された過去の期間Tp1および期間Tp2におけるその乳幼児2の行為を示す行為情報、その行為中の乳幼児2に情動異常が発生したか否かを示す情動情報、およびその行為中の乳幼児2の養育者を示す養育者情報を、電子機器10に入力することができる。入力された行為情報、情動情報および養育者情報が電子機器10から養育支援装置20へ送信されると、付加情報取得部215は、通信モジュール230を介してその乳幼児2の行為情報、情動情報および養育者情報を取得する。付加情報取得部215は、過去の期間Tp1および期間Tp2において脳波センサ5により計測され、記憶装置25に保存された乳幼児2の脳波データに、取得した乳幼児2の行為情報、情動情報および養育者情報を対応付ける。
【0014】
乳幼児2の脳波データに乳幼児2の行為情報および情動情報が対応付けられることにより、基準情報生成部212は、上述した基準情報として、行為情報の種別および情動異常発生の有無に応じた複数の基準値テーブルを生成することができる。乳幼児2の脳波データに乳幼児2の養育者情報が対応付けられることにより、基準情報生成部212は、乳幼児2の養育者が親である期間における乳幼児2の脳波データに基づいて、上述した基準情報を生成することができる。
【0015】
通知情報生成部216は、期間Tcにおける乳幼児2の行為および情動異常が判断部214によって判断されたことを乳幼児2の親およびベビーシッター3に通知する通知情報を生成する。通知情報生成部216は、通信モジュール230を介してその通知情報を、乳幼児2の親が保有する電子機器10およびベビーシッター3が保有する電子機器11へ送信し、表示させることができる。なお、上述したように電子機器11をベビーシッター3の管理者が保有する場合においては、通知情報はベビーシッター3の管理者へ通知される。
【0016】
図3は、乳幼児2の生体情報として脳波データ51が取得される様子を例示する図である。脳波センサ5によって計測される乳幼児2の脳波50は、図3(a)に例示されるように、電位を縦軸、時刻を横軸とする波形で表される。脳波50には様々な種類の脳波が含まれ、具体的にはガンマ波、ベータ波、アルファ波、シータ波およびデルタ波といった複数の周波数成分が含まれる。
【0017】
2017年8月16日現在において年齢が0歳8か月である乳幼児2#1が、当日ずっと脳波センサ5を着用していたとする。脳波センサ5では乳幼児2#1の脳波50が毎分計測され、その計測結果が、図3(b)に例示する脳波データ51の一部を構成するデータとして、養育支援装置20のプロセッサ210が有する生体情報取得部211により取得される。図3(b)に例示する脳波データ51には、乳幼児2#1の脳波50に含まれるガンマ波、ベータ波、アルファ波、シータ波およびデルタ波といった複数の周波数成分の周波数成分比が含まれる。
【0018】
図3(b)に示す例では、2017年8月16日11:29におけるガンマ波、ベータ波、アルファ波、シータ波およびデルタ波の各周波数成分比は、それぞれ5%、5%、10%、15%および65%である。脳波データ51を構成するこの2017年8月16日11:29におけるレコードには、養育支援装置20のプロセッサ210が有する付加情報取得部215によって取得された、その時刻における行為情報、情動情報および養育者情報も対応付けられている。その行為情報、情動情報および養育者情報によれば、その時刻における乳幼児2#1の行為は食事であり、かつ情動異常あり、そしてその時刻における乳幼児2#1の養育者は乳幼児2#1の親である。2017年8月16日11:44におけるガンマ波、ベータ波、アルファ波、シータ波およびデルタ波の各周波数成分比は、それぞれ3%、10%、6%、14%および67%である。脳波データ51を構成するこの2017年8月16日11:44におけるレコードに対応付けられている行為情報、情動情報および養育者情報によれば、その時刻における乳幼児2#1の行為は排泄であり、かつ情動異常なし、そしてその時刻における乳幼児2#1の養育者は乳幼児2#1の親である。このようにして年齢が0歳8か月の期間における乳幼児2#1の脳波データ51が取得されるのみならず、年齢が0歳6か月の期間等、乳幼児2#1の生後から経過した様々な期間において脳波データ51が取得され、上述したように記憶装置25に保存される。
【0019】
同様にして、複数の乳幼児2#X1,#X2,・・・,#Xnの脳波データが、各乳幼児の生後から経過した様々な期間において得られ、これら複数の乳幼児2の脳波データを含む蓄積情報52が、図3(c)に示すように記憶装置25に保存される。なお、蓄積情報52に乳幼児2#1の脳波データ51が含まれるか否かは問わない。
【0020】
図4は、複数の乳幼児2の脳波データに基づいて生成される基準情報53の一例を示す図である。乳幼児2の脳波に含まれる複数の周波数成分の周波数成分比は、乳幼児2の年齢に応じて変動するため、図4に示すように、基準情報53は脳波を構成する周波数成分比を年齢別に含んでいる。基準情報53は、乳幼児2の行為情報の種別および情動異常発生の有無に応じた複数の基準値テーブルを含む。基準情報53は、図4に示すように、例えば、乳幼児2の遊んでいる行為中かつ情動異常なしの基準値テーブル53a、乳幼児2の遊んでいる行為中かつ情動異常ありの基準値テーブル53b、乳幼児2の食事行為中かつ情動異常なしの基準値テーブル53c、乳幼児2の食事行為中かつ情動異常ありの基準値テーブル53d、乳幼児2の排泄行為中かつ情動異常なしの基準値テーブル53eおよび乳幼児2の排泄行為中かつ情動異常ありの基準値テーブル53fを含む。なお、図4においては、乳幼児2の行為情報の種別および情動異常発生の有無の組合せ毎に1つの基準値テーブルが生成されるが、複数の乳幼児2の特徴の違いを考慮し、乳幼児2の行為情報の種別および情動異常発生の有無の組合せ毎に複数の基準値テーブルが生成されることとしてもよい。また、変形例1で後述するように、情動異常発生の有無にかかわらず、乳幼児2の行為情報の種別毎に1つまたは複数の基準値テーブルが生成されることとしてもよい。
【0021】
上述したように、養育支援装置20のプロセッサ210が有する基準情報生成部212は、記憶装置25に保存された蓄積情報52に基づいて、基準情報53を生成する。例えば、乳幼児2の遊んでいる行為中かつ情動異常なしの基準値テーブル53aは、以下の手順で生成される。基準情報生成部212は、蓄積情報52のうちから、年齢が1歳0か月である複数の乳幼児2の遊んでいる行為中であって情動異常なしの状態における脳波データを抽出し、各周波数成分比の例えば平均値のような統計的な値を算出する。なお、抽出される脳波データが計測された複数の乳幼児2はいずれも、その脳波データが計測された期間においてはそれぞれの親に養育されているものとする。こうして各周波数成分比の平均値が算出された結果、乳幼児2が遊んでいる行為中かつ情動異常なしの基準値テーブル53aとして、年齢が1歳0か月である期間において、乳幼児2の脳波50に含まれる複数の周波数成分の周波数成分比が得られる。
【0022】
図4に示す基準値テーブル53aの例において、年齢が1歳0か月の期間における乳幼児2が遊んでいる行為中であって情動異常なしのときに計測される脳波50を構成するガンマ波、ベータ波、アルファ波、シータ波およびデルタ波は、それぞれ8%、11%、12%、14%および55%である。年齢が0歳10か月の期間における乳幼児2が遊んでいる行為中であって情動異常なしのときに計測される脳波50を構成するガンマ波、ベータ波、アルファ波、シータ波およびデルタ波は、それぞれ4%、6%、7%、13%および70%である。年齢が0歳8か月の期間における乳幼児2が遊んでいる行為中であって情動異常なしのときに計測される脳波50を構成するガンマ波、ベータ波、アルファ波、シータ波およびデルタ波は、それぞれ2%、3%、6%、12%および77%である。図4にすべてを示すことは省略されているが、基準値テーブル53aには、生後から様々な期間が経過した乳幼児2が遊んでいる行為中であって情動異常なしのときに計測される脳波50を構成する各周波数成分比が含まれる。
【0023】
同様にして、年齢がそれぞれ1歳0か月、0歳10か月、0歳8か月の期間、およびその他の様々な期間において、複数の乳幼児2が遊んでいる行為中であって情動異常ありのときに計測される脳波50に基づき、乳幼児2の遊んでいる行為中であって情動異常ありの基準値テーブル53bが生成される。また、年齢がそれぞれ1歳0か月、0歳10か月、0歳8か月の期間、およびその他の様々な期間において、複数の乳幼児2が食事行為中であって情動異常なしのときおよび情動異常ありのときにそれぞれ計測される脳波50に基づき、乳幼児2の食事行為中であって情動異常なしの基準値テーブル53cおよび乳幼児2の食事行為中であって情動異常ありの基準値テーブル53dが生成される。年齢がそれぞれ1歳0か月、0歳10か月、0歳8か月の期間、およびその他の様々な期間において、複数の乳幼児2が排泄行為中であって情動異常なしのときおよび情動異常ありのときにそれぞれ計測される脳波50に基づき、乳幼児2の排泄行為中であって情動異常なしの基準値テーブル53eおよび乳幼児2の排泄行為中であって情動異常ありの基準値テーブル53fが生成される。さらに、生後から様々な期間が経過した乳幼児2が他の様々な行為中であって情動異常なしのときおよび情動異常ありのときに計測される脳波50に基づき、他の基準値テーブルがそれぞれ生成されることとしてもよい。
【0024】
図5は、特定の乳幼児2#1の過去の期間Tp1および期間Tp2に計測された脳波データを用いて、最近または現在の期間Tcにおける脳波データ51を推定する処理例を説明するための図である。過去の期間Tp1を、乳幼児2#1の年齢が0歳8か月の期間、過去の期間Tp2を、乳幼児2#1の年齢が0歳6か月の期間、最近または現在の期間Tcを、乳幼児2#1の年齢が0歳10か月の期間とする。図5には、遊んでいる行為中であって情動異常なしのときおよび情動異常ありのときの乳幼児2#1の脳波データ51aおよび51bと、食事行為中であって情動異常なしのときおよび情動異常ありのときの乳幼児2#1の脳波データ51cおよび51dと、排泄行為中であって情動異常なしのときおよび情動異常ありのときの乳幼児2#1の脳波データ51eおよび51fとが、例示されている。なお、さらに他の行為中であって情動異常なしのときおよび情動異常ありのときの乳幼児2#1の脳波データが得られてもよい。
【0025】
図5中の遊んでいる行為中であって情動異常なしのときの乳幼児2#1の脳波データ51aに例示されるように、年齢が0歳8か月および0歳6か月の期間に、遊んでいる行為中であって情動異常なしの乳幼児2#1から脳波センサ5によりそれぞれ収集された脳波データ51の実測値のレコード55および実測値のレコード56が、図3(b)に例示される乳幼児2#1の脳波データ51に基づいて得られる。脳波データ51の実測値のレコード55によると、乳幼児2#1の脳波50のうち、ガンマ波が4%、ベータ波が6%、アルファ波が7%、シータ波が13%、デルタ波が70%の割合をそれぞれ占めている。脳波データ51の実測値のレコード56によると、乳幼児2#1の脳波50のうち、ガンマ波が2%、ベータ波が3%、アルファ波が6%、シータ波が12%、デルタ波が77%の割合をそれぞれ占めている。
【0026】
遊んでいる行為中であって情動異常なしの乳幼児2#1の脳波データ51の中に、乳幼児2#1の年齢が0歳10か月の期間に含まれる最近または現在における実測値のレコードが存在しないとき、過去の期間に計測された脳波データの実測値と、図4に例示する基準情報53とを用いて、遊んでいる行為中であって情動異常なしの乳幼児2#1の年齢が0歳10か月の期間における脳波データ51の推定値のレコード57を得ることができる。
【0027】
推定値のレコード57を得るためには、上述した乳幼児2#1の脳波データ51の実測値のレコード55およびレコード56と、複数の乳幼児2が遊んでいる行為中であって情動異常なしのときに計測される脳波50に基づいて生成される乳幼児2の遊んでいる行為中かつ情動異常なしの基準値テーブル53aとが、養育支援装置20のプロセッサ210が有する生体情報推定部213によって抽出される。乳幼児2#1の年齢が0歳8か月の期間および0歳6か月の期間にそれぞれ対応する、図5に示す乳幼児2#1の脳波データ51の実測値のレコード55およびレコード56は、図4に示す乳幼児2の遊んでいる行為中かつ情動異常なしの基準値テーブル53aにおける年齢が0歳10か月の期間および0歳8か月の期間の基準値に一致する。乳幼児2#1の脳波データ51の過去の実測値がいずれの基準値に一致または類似するかを示す一致度または類似度の算出には、例えば各周波数成分比の値に基づく最小二乗和の算出、各周波数成分比の値および標準偏差に基づくユークリッド距離の算出、或いは記憶装置25に保存された蓄積情報52を教師データとして基準情報53を生成するための機械学習が実行された学習モデルの出力等が用いられる。
【0028】
図4および図5に示す例によると、遊んでいる行為中の乳幼児2#1の成長レベルは、複数の乳幼児2の平均的な年齢よりも2か月早い。そこで、生体情報推定部213は、遊んでいる行為中であって情動異常なしのときの乳幼児2#1の年齢が0歳8か月および0歳6か月の過去の期間における脳波データ51の実測値のレコード55および56と、複数の乳幼児2の遊んでいる行為中かつ情動異常なしの基準値テーブル53aとを用いて、遊んでいる行為中であって情動異常なしのときの乳幼児2#1の年齢が0歳10か月の期間における脳波データ51の推定値のレコード57を得る。
【0029】
なお、遊んでいる行為中であって情動異常なしのときの乳幼児2#1の年齢が0歳8か月および0歳6か月の過去の期間における脳波データ51の実測値のレコード55および56は、上述したように図3(b)に例示される乳幼児2#1の脳波データ51に基づいて得られる。図3(b)に例示される乳幼児2#1の脳波データ51は、過去の期間に養育支援装置20のプロセッサ210が有する付加情報取得部215によって取得された行為情報および情動情報が対応付けられている。したがって、その行為情報が「遊んでいる行為」を示し、かつ情動情報が「情動異常なし」を示すレコードが、乳幼児2#1の年齢が0歳8か月および0歳6か月の過去の期間における脳波データ51の中から選択され、選択されたレコードに基づいて、図5に例示される脳波データ51の実測値のレコード55および56が得られる。
【0030】
年齢が0歳10か月である乳幼児2#1の脳波データ51の推定値のレコード57は、例えば図4に示す平均的な乳幼児2が遊んでいる行為中かつ情動異常なしの基準値テーブル53aにおける年齢が1歳0か月の期間の脳波データの基準値と一致または類似する値として得られる。その結果として得られた脳波データ51の推定値のレコード57によると、図5に示すように、乳幼児2#1の脳波50のうち、ガンマ波が8%、ベータ波が11%、アルファ波が12%、シータ波が14%、デルタ波が55%の割合をそれぞれ占めている。遊んでいる行為中であって情動異常なしのときの乳幼児2#1の脳波データ51aは、上述のようにして得られた、過去の期間における実測値のレコード55および56と、最近または現在の期間における推定値のレコード57とを、含むこととする。
【0031】
同様にして、生体情報推定部213は、過去の期間における遊んでいる行為中であって情動異常ありのときの乳幼児2#1の脳波データ51と、遊んでいる行為中であって情動異常ありのときの複数の乳幼児2の脳波データの基準値テーブル53bとを用いて、年齢が0歳10か月の期間における遊んでいる行為中であって情動異常ありのときの乳幼児2#1の脳波データ51の推定値のレコードを得る。また、生体情報推定部213は、過去の期間における食事行為中であって情動異常なしのときおよび情動異常ありのときの乳幼児2#1の脳波データ51と、食事行為中であって情動異常なしのときおよび情動異常ありのときの複数の乳幼児2の脳波データの基準値テーブル53cおよび53dとを用いて、年齢が0歳10か月の期間における食事行為中であって情動異常なしのときおよび情動異常ありのときの乳幼児2#1の脳波データ51の推定値のレコードを、それぞれ得る。生体情報推定部213は、過去の期間における排泄行為中であって情動異常なしのときおよび情動異常ありのときの乳幼児2#1の脳波データ51と、排泄行為中であって情動異常なしのときおよび情動異常ありのときの複数の乳幼児2の脳波データの基準値テーブル53eおよび53fとを用いて、年齢が0歳10か月の期間における排泄行為中であって情動異常なしのときおよび情動異常ありのときの乳幼児2#1の脳波データ51の推定値のレコードを、それぞれ得る。さらに、年齢が0歳10か月の期間における他の様々な行為中であって情動異常なしのときおよび情動異常ありのときの乳幼児2#1の脳波データ51の推定値のレコードがそれぞれ得られることとしてもよい。このようにして、年齢が0歳10か月の期間における乳幼児2#1の脳波データ51の推定値のレコードが、乳幼児2#1の行為の種別および情動異常発生の有無の組合せ毎に得られる。
【0032】
例えば、2017年10月18日現在の年齢が0歳10か月の乳幼児2#1を、その日の9:00から18:00までの期間にベビーシッター3が養育するものとする。その際、その期間における乳幼児2#1の脳波データ51が、乳幼児2#1が脳波センサ5を着用することにより計測されるとともに、養育支援装置20のプロセッサ210が有する生体情報取得部211によって取得される。養育支援装置20のプロセッサ210が有する判断部214は、その取得された乳幼児2#1の脳波データ51と、年齢が0歳10か月の乳幼児2#1の脳波データ51の複数の推定値のレコードとを比較する。なお、年齢が0歳10か月の乳幼児2#1の脳波データ51の複数の推定値は、上述したように、想定され得る乳幼児2#1の様々な行為にそれぞれ対応して得られる脳波データ51の複数の推定値である。
【0033】
その比較処理の結果、判断部214は、ベビーシッター3が乳幼児2#1を養育する期間のうちのある特定の期間に取得された乳幼児2#1の脳波データ51と、例えば食事行為中であって情動異常なしのときの乳幼児2#1の脳波データ51の推定値との一致度または類似度が最も高いとき、その特定の期間における乳幼児2#1の行為は食事行為に該当し、かつ情動異常なしと判断する。また、判断部214は、ベビーシッター3が乳幼児2#1を養育する期間のうちのある特定の期間に取得された乳幼児2#1の脳波データ51と、例えば食事行為中であって情動異常ありのときの乳幼児2#1の脳波データ51の推定値との一致度または類似度が最も高いとき、その特定の期間における乳幼児2#1の行為は食事行為に該当し、かつ情動異常ありと判断する。なお、一致度または類似度の算出には、例えば各周波数成分比の値に基づく最小二乗和の算出、各周波数成分比の値および標準偏差に基づくユークリッド距離の算出、或いは記憶装置25に保存された蓄積情報52を教師データとして乳幼児2の行為を判断するための機械学習が実行された学習モデルの出力等が用いられる。
【0034】
図6は、特定の乳幼児2#1の行為および情動異常の判断結果、ならびにその判断結果をベビーシッター3に通知する通知情報141を受信した電子機器11の表示画面140を例示する図である。2017年10月18日現在において、この乳幼児2#1の年齢は0歳10か月である。上述したように、ベビーシッター3が乳幼児2#1を養育する期間に行われる乳幼児2#1の行為と、その行為が行われる際の乳幼児2#1の情動異常発生の有無とが、養育支援装置20のプロセッサ210が有する判断部214によって判断される。その判断結果の一例を図6(a)に示す。
【0035】
図6(a)によると、2017年10月18日9:00から11:35までの期間において、乳幼児2#1の行為は睡眠行為と判断され、かつ乳幼児2#1の情動に異常なしと判断されている。2017年10月18日11:35から11:50までの期間において、乳幼児2#1の行為は食事行為と判断され、かつ乳幼児2#1の情動に異常ありと判断されている。2017年10月18日11:50から12:00までの期間において、乳幼児2#1の行為は排泄行為と判断され、かつ乳幼児2#1の情動に異常なしと判断されている。2017年10月18日12:00から14:00までの期間において、乳幼児2#1の行為は遊んでいる行為と判断され、かつ乳幼児2#1の情動に異常なしと判断されている。2017年10月18日14:00から16:10までの期間において、乳幼児2#1の行為は睡眠行為と判断され、かつ乳幼児2#1の情動に異常なしと判断されている。2017年10月18日16:10から16:20までの期間において、乳幼児2#1の行為は排泄行為と判断され、かつ乳幼児2#1の情動に異常なしと判断されている。2017年10月18日16:20から16:40までの期間において、乳幼児2#1の行為は食事行為と判断され、かつ乳幼児2#1の情動に異常ありと判断されている。2017年10月18日16:40から18:00までの期間において、乳幼児2#1の行為は遊んでいる行為と判断され、かつ乳幼児2#1の情動に異常なしと判断されている。
【0036】
図6(a)に示す、判断部214による乳幼児2#1の行為および情動異常の判断結果は、その判断結果が示された2017年10月18日9:00から18:00までの期間における乳幼児2#1の養育者がベビーシッター3であったことを表す養育者情報とともに、乳幼児2#1の親が電子機器10を操作することによって、および/またはベビーシッター3が電子機器11を操作することによって、参照され得る。判断部214による乳幼児2#1の行為および情動異常の判断結果を、養育者情報とともに乳幼児2#1の親および/またはベビーシッター3へ通知するための通知情報を、養育支援装置20のプロセッサ210が有する通知情報生成部216が作成することとしてもよい。通知情報生成部216が、作成した通知情報を、通信モジュール230を介して電子機器10および/または電子機器11へ送信すると、電子機器10および/または電子機器11は、受信したその通知情報を画面に表示することができる。さらに、2017年10月18日9:00から18:00までの期間における乳幼児2#1の行為および情動異常の判断結果に基づき、その期間における乳幼児2#1の養育にベビーシッター3が適していたか否かを、養育支援装置20のプロセッサ210が有する判断部214が判断し、その養育適性判断結果を、上述した通知情報生成部216によって作成される通知情報に含めることとしてもよい。
【0037】
図6(a)に示す例によると、2017年10月18日11:35から11:50までの期間および16:20から16:40までの期間において、判断部214による乳幼児2#1の行為の判断結果はいずれも食事行為となっており、乳幼児2#1の情動異常の判断結果はいずれも異常ありとなっている。ベビーシッター3が乳幼児2#1に食事としてミルクを与える際、乳幼児2#1の口にくわえさせる哺乳瓶の傾きが適切でないために、乳幼児2#1にストレスが生じている可能性が考えられる。
【0038】
そこで、養育支援装置20のプロセッサ210が有する判断部214により乳幼児2#1の情動異常が判断されたことをベビーシッター3またはベビーシッター3の管理者に通知する通知情報141が、養育支援装置20のプロセッサ210が有する通知情報生成部216によって生成されることとしてもよい。生成された通知情報141は、通信を介して電子機器11へ送信される。その通知情報141を受信した電子機器11の画面140に、通知情報141が表示される。図6(b)に示す例では、通知情報141として「子どもが、ミルクを飲む際にストレスを感じているようです。哺乳瓶の傾きに注意するなど、改善努力を行ってください。」というメッセージが表示されている。すなわち、通知情報141には、判断部214により乳幼児2#1の情動異常が判断されたことのみならず、その乳幼児2#1の情動異常への対応策の提案が含まれていてもよい。
【0039】
図7は、本実施の形態における養育支援装置20でコンピュータプログラムが走行することによって実行される、基準情報生成処理ならびに乳幼児2の行為および情動異常判断処理の例を説明するための図である。養育支援装置20のプロセッサ210は、メモリ220に格納されているコンピュータプログラムを起動し、図7(a)に示す基準情報生成処理を実行することによって、生体情報取得部211と、基準情報生成部212と、付加情報取得部215として機能する。本実施の形態において、この基準情報生成処理は繰り返し実行される。
【0040】
図7(a)に示す基準情報生成処理が開始されると、ステップS610において、生体情報取得部211は、複数の乳幼児2の各々の生体情報として脳波データ51を取得し、記憶装置25に保存するとともに、取得された脳波データ51のうちの少なくとも一部を蓄積情報52として保存する。
【0041】
各乳幼児2の脳波データ51が計測された過去の期間Tp1および期間Tp2におけるその乳幼児2の行為を示す行為情報およびその行為中の乳幼児2に情動異常が発生したか否かを示す情動情報が、各乳幼児2の親が保有する電子機器10に入力され、養育支援装置20へ送信されると、ステップS620において、付加情報取得部215は、通信モジュール230を介して各乳幼児2の行為情報および情動情報を取得する。付加情報取得部215は、取得した各乳幼児2の行為情報および情動情報を、ステップS610で取得された脳波データ51に対応付けて、記憶装置25に保存する。
【0042】
各乳幼児2の脳波データ51が計測された過去の期間Tp1および期間Tp2におけるその乳幼児2の養育者を示す養育者情報が、各乳幼児2の親が保有する電子機器10に入力され、養育支援装置20へ送信されると、ステップS630において、付加情報取得部215は、通信モジュール230を介して各乳幼児2の養育者情報を取得する。付加情報取得部215は、取得した各乳幼児2の養育者情報を、ステップS610で取得された脳波データ51に対応付けて、記憶装置25に保存する。
【0043】
ステップS640において、基準情報生成部212は、記憶装置25に保存された蓄積情報52に含まれる複数の乳幼児2の脳波データのうち、各乳幼児2の養育者が各乳幼児2の親である期間における各乳幼児2の脳波データ51に基づいて、行為情報の種別に応じた複数の基準値テーブル53a、53bおよび53c等を、上述した基準情報53として生成し、記憶装置25に保存する。ステップS640の処理が完了すると、図7(a)に示す基準情報生成処理は終了する。なお、図7(a)に示す基準情報生成処理に含まれるステップS610,S620,S630およびS640の各ステップにおける処理は、それぞれ独立した処理として動作することとしてもよい。例えば、ステップS610における処理は毎分繰り返し実行され、ステップS620およびS630における処理は、乳幼児2の行為情報、情動情報および養育者情報が電子機器10から養育支援装置20へ送信されるたびに繰り返し実行され、ステップS640における処理は毎週繰り返し実行される。
【0044】
養育支援装置20のプロセッサ210は、メモリ220に格納されているコンピュータプログラムを起動し、図7(b)に示す乳幼児2の行為および情動異常判断処理を実行することによって、生体情報取得部211と、生体情報推定部213と、判断部214と、付加情報取得部215と、通知情報生成部216として機能する。本実施の形態において、この乳幼児2の行為および情動異常判断処理は繰り返し実行される。
【0045】
図7(b)に示す乳幼児2の行為および情動異常判断処理が開始されると、ステップS710において、生体情報推定部213は、生体情報取得部211によって取得され、記憶装置25に保存された複数の乳幼児2の脳波データ51のうちから、特定の乳幼児2#1の各々の生体情報として過去の期間Tp1およびTp2におけるその乳幼児2#1の脳波データ51を取得する。
【0046】
ステップS720において、生体情報推定部213は、図7(a)に示す基準情報生成処理を通じて生成された基準情報53を、記憶装置25から取得する。
【0047】
ステップS730において、生体情報推定部213は、ステップS710で取得した過去の期間Tp1およびTp2におけるその乳幼児2#1の脳波データ51の実測値のレコード55および56と、ステップS720で取得した基準情報53とを用いて、乳幼児2#1の最近または現在の期間Tcにおける脳波データ51を推定し、推定値のレコード57を記憶装置25に保存する。
【0048】
ステップS740において、生体情報取得部211は、乳幼児2#1の最近または現在の期間Tcにおける脳波データ51の実測値のレコードを取得し、記憶装置25に保存する。それに加えて、付加情報取得部215が、通信モジュール230を介して各乳幼児2の行為情報、情動情報および養育者情報を取得し、取得した各乳幼児2の行為情報、情動情報および養育者情報を、その実測値のレコードに対応付けて、記憶装置25に保存することとしてもよい。
【0049】
ステップS750において、判断部214は、最近または現在の期間Tcにおける乳幼児2#1の脳波データ51の、ステップS740で取得された実測値のレコードと、ステップS730で取得された推定値のレコード57とを比較する。
【0050】
ステップS760において、判断部214は、ステップS750で得られた、乳幼児2#1の脳波データ51の実測値のレコードと推定値のレコード57との比較結果に基づき、最近または現在の期間Tcにおける乳幼児2#1の行為および情動異常を判断する。
【0051】
ステップS770において、通知情報生成部216は、ステップS760で得られた乳幼児2#1の行為および情動異常の判断結果を、乳幼児2#1の親およびベビーシッター3に通知する通知情報を生成する。通知情報生成部216は、作成したその通知情報を、通信モジュール230を介して、乳幼児2#1の親が保有する電子機器10およびベビーシッター3またはベビーシッター3の管理者が保有する電子機器11へ送信する。その際、ステップS740で各乳幼児2の行為情報、情動情報および養育者情報が記憶装置25に保存されていれば、行為情報、情動情報および養育者情報とともに通知情報が送信される。上述したように、判断部214によって判断された乳幼児2#1に対するベビーシッター3の養育適性判断結果、および/またはその乳幼児2#1の情動異常への対応策の提案に関する情報が、通知情報に含まれてもよい。ステップS770の処理が完了すると、図7(b)に示す乳幼児2の行為および情動異常判断処理は終了する。
【0052】
本実施の形態における養育支援装置20によれば、以下の作用効果が得られる。
【0053】
(1)養育支援装置20のプロセッサ210は、メモリ220に格納されているコンピュータプログラムを起動することによって、少なくとも生体情報取得部211と、生体情報推定部213と、判断部214とを論理的に有する。生体情報取得部211は、乳幼児2#1の生体情報として脳波データ51を取得する。生体情報推定部213は、生体情報取得部211によって取得される過去の期間Tp1における乳幼児2#1の脳波データ51と、複数の乳幼児2#X1,#X2,・・・,#Xnの脳波データに基づく基準情報53とを用いて、過去の期間Tp1とは異なる最近または現在の期間Tcにおける乳幼児2#1の脳波データ51を推定する。判断部214は、生体情報取得部211によって取得される最近または現在の期間Tcにおける乳幼児2#1の脳波データ51の実測値と、生体情報推定部213によって推定される乳幼児2#1の脳波データ51の推定値との比較に基づき、最近または現在の期間Tcにおける乳幼児2#1の情動異常を判断する。したがって、この養育支援装置20によれば、年齢の異なる様々な乳幼児2の情動異常を、個別の乳幼児2毎に適切に判断できる可能性が高い。
【0054】
(2)養育支援装置20において、生体情報取得部211は、複数の乳幼児2#X1,#X2,・・・,#Xnの脳波データを取得する。基準情報53は、生体情報取得部211によって取得される複数の乳幼児2#X1,#X2,・・・,#Xnの脳波データを含む蓄積情報52に基づいて得られる。したがって、この養育支援装置20によれば、乳幼児2#1の情動異常を正確に判断できる可能性が高い。
【0055】
(3)養育支援装置20において、生体情報推定部213は、生体情報取得部211によって取得される過去の期間Tp1における乳幼児2#1の脳波データ51の実測値と、生体情報取得部211によって取得される、期間Tp1および期間Tcのいずれとも異なる過去の期間Tp2における乳幼児2#1の脳波データ51の実測値と、基準情報53とを用いて、最近または現在の期間Tcにおける乳幼児2#1の脳波データ51を推定する。したがって、この養育支援装置20によれば、乳幼児2#1特有の成長レベルを考慮に入れて、乳幼児2#1の情動異常をより適切に判断できる可能性が高い。
【0056】
(4)養育支援装置20のプロセッサ210は、付加情報取得部215をさらに論理的に有する。付加情報取得部215は、乳幼児2#1の脳波データ51が計測された過去の期間Tp1における乳幼児2#1の行為を示す行為情報を取得し、生体情報取得部211によって取得された過去の期間Tp1における乳幼児2#1の脳波データ51に行為情報を対応付ける。生体情報推定部213は、付加情報取得部215によって行為情報が対応付けられた過去の期間Tp1における乳幼児2#1の脳波データ51と、過去の期間Tp1における乳幼児2#1の脳波データ51に基づくとともに行為情報の種別に応じた基準情報53とを用いて、行為情報の種別毎に最近または現在の期間Tcにおける乳幼児2#1の脳波データ51を推定する。判断部214は、生体情報取得部211によって取得される最近または現在の期間Tcにおける乳幼児2#1の脳波データ51の実測値と、生体情報推定部213により行為情報の種別毎に推定される最近または現在の期間Tcにおける乳幼児2#1の脳波データ51の推定値との比較に基づき、期間Tcにおける乳幼児2#1の情動異常とともに、期間Tcにおける乳幼児2#1の行為を判断する。したがって、この養育支援装置20によれば、ベビーシッター3による乳幼児2#1の養育を監視しなくても一時養育終了後にその養育の様子を確認できる可能性が高い。
【0057】
(5)養育支援装置20のプロセッサ210が有する付加情報取得部215は、乳幼児2#1の脳波データ51が計測された過去の期間Tp1における例えば食事行為等の行為中の乳幼児2#1に情動異常が発生したか否かを示す情動情報を取得し、生体情報取得部211によって取得された過去の期間Tp1における乳幼児2#1の脳波データ51に、取得された情動情報を対応付ける。生体情報推定部213は、付加情報取得部215によって情動情報が対応付けられた過去の期間Tp1における乳幼児2#1の脳波データ51と、複数の乳幼児2#X1,#X2,・・・,#Xnの脳波データに基づくとともに乳幼児2の行為情報の種別および情動異常の発生の有無に応じた基準情報53とを用いて、行為情報の種別および情動異常の発生の有無の組合せ毎に最近または現在の期間Tcにおける乳幼児2#1の脳波データ51を推定する。判断部214は、生体情報取得部211によって取得される期間Tcにおける乳幼児2#1の脳波データ51と、生体情報推定部213により行為情報の種別および情動異常の発生の有無の組合せ毎に推定される、期間Tcにおける乳幼児2#1の脳波データ51との比較に基づき、期間Tcにおける乳幼児2#1の行為および情動異常を判断する。したがって、この養育支援装置20によれば、乳幼児2#1の情動異常を、高精度に判断できる可能性が高い。
【0058】
(6)養育支援装置20のプロセッサ210は、通知情報生成部216をさらに有する。通知情報生成部216は、乳幼児2#1の情動異常が判断部214によって判断されたことを、電子機器11を介して期間Tcにおける乳幼児2#1の養育者であるベビーシッター3またはベビーシッター3の管理者に通知するための通知情報を生成する。したがって、この養育支援装置20によれば、ベビーシッター3は、養育スキルを向上して評価を高めるために必要な情報を得られる可能性が高い。
【0059】
図8は、上述した一実施の形態における養育支援装置20で走行するコンピュータプログラムの製品供給態様を例示する図である。養育支援装置20で走行するコンピュータプログラムは、CD-ROMやUSBメモリ等の記録媒体45や、インターネット等の通信ネットワーク30を流れるデータ信号を通じて養育支援装置20へ提供することができる。
【0060】
コンピュータプログラム提供サーバ40は、上述したコンピュータプログラムを提供するサーバコンピュータであり、ハードディスク等の記憶装置にそのコンピュータプログラムを格納する。通信ネットワーク30は、インターネット、無線LAN、電話網、或いは専用線等である。コンピュータプログラム提供サーバ40は記憶装置に格納されたコンピュータプログラムを読み出し、データ信号として搬送波に載せ、通信ネットワーク30を介して養育支援装置20に送信する。このように、コンピュータプログラムは、記録媒体やデータ信号などの種々の形態のコンピュータ読み込み可能なコンピュータプログラム製品として供給され得る。
【0061】
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
【0062】
(変形例1)上述した実施の形態において、養育支援装置20のプロセッサ210が有する基準情報生成部212によって生成される基準情報53を構成する複数の基準値テーブルは、いずれも、乳幼児2の行為情報の種別および情動異常発生の有無の組合せ毎に生成されることとしたが、情動異常発生の有無にかかわらず、乳幼児2の行為情報の種別毎に生成されることとしてもよい。乳幼児2の情動異常発生時に取得される脳波データが少ない場合、乳幼児2の行為情報の種別毎に生成された基準値テーブルは、実質的に乳幼児2の各種別の行為中かつ情動異常なしの基準値テーブルに相当すると考えられる。本変形例1においては、複数の乳幼児2の脳波データに基づき、こうして得られた複数の基準値テーブルで構成される基準情報53と、脳波データ51の推定対象の乳幼児2である乳幼児2#1の、過去の期間Tp1における脳波データ51とを用いて、過去の期間Tp1とは異なる最近または現在の期間Tcにおける乳幼児2#1の脳波データ51が、養育支援装置20のプロセッサ210が有する生体情報推定部213によって推定される。こうして推定された、期間Tcにおける乳幼児2#1の脳波データ51の推定値のレコードは、実質的に乳幼児2#1の各種別の行為中であって情動異常なしのときの乳幼児2#1の脳波データ51に相当すると考えられる。
【0063】
養育支援装置20のプロセッサ210が有する判断部214は、期間Tcのうちのベビーシッター3が乳幼児2#1を養育する期間に、養育支援装置20のプロセッサ210が有する生体情報取得部211によって取得された、乳幼児2#1の脳波データ51の実測値のレコードと、生体情報推定部213によって推定された、期間Tcにおける乳幼児2#1の脳波データ51の推定値のレコードとを比較する。その比較処理の結果、判断部214は、生体情報取得部211によって取得された乳幼児2#1の脳波データ51の実測値と、例えば食事行為中の乳幼児2#1の脳波データ51の推定値との一致度または類似度が、他の種別の行為中の乳幼児2#1の脳波データ51の推定値との一致度または類似度に比して最も高いとき、ベビーシッター3が乳幼児2#1を養育する期間における乳幼児2#1の行為は、食事行為に該当すると判断する。また、その一致度または類似度が所定値よりも低いとき、乳幼児2#1の食事行為の際にストレス等の情動異常が発生していることが考えられるため、判断部214は、その特定の期間における乳幼児2#1の情動に異常ありと判断する。その一致度または類似度がその所定値よりも高いとき、乳幼児2#1の食事行為の際にストレス等の情動異常は発生していないことが考えられるため、判断部214は、その特定の期間における乳幼児2#1の情動に異常なしと判断する。一致度または類似度の算出は、上述した実施の形態における算出と同様にして行われる。
【0064】
(変形例2)上述した実施の形態において、養育支援装置20のプロセッサ210が有する付加情報取得部215が取得する乳幼児2の行為情報は、電子機器10に入力され、電子機器10から養育支援装置20へ送信されることとした。本変形例2においては、乳幼児2を被写体として画像を撮影するカメラ等の撮像装置が配置される。撮像装置によって得られた画像から乳幼児2の被写体像を抽出し、パターンマッチング、或いは機械学習済み学習モデルによる画像分類等の画像認識処理を通じて、乳幼児2の行為を特定することができる。付加情報取得部215は、こうして特定された乳幼児2の行為を示す行為情報を、その画像が撮影された時刻情報とともに取得し、その時刻情報に対応する、記憶装置25に保存された乳幼児2の脳波データに、取得した乳幼児2の行為情報を対応付ける。
【0065】
(変形例3)上述した実施の形態において、養育支援装置20のプロセッサ210が有する複数の機能部は図2に例示されるが、プロセッサ210が有する複数の機能部の一部またはすべてが電子機器10および/または電子機器11に含まれることとしてもよい。本変形例3においては、プロセッサ210が有する複数の機能部のうち、生体情報推定部213、判断部214および通知情報生成部216が電子機器10および/または電子機器11に含まれる。この場合、養育支援装置20において実行される図7(a)に示す基準情報生成処理により生成された基準情報53は、通信ネットワーク30を介して電子機器10および/または電子機器11に保存され、図7(b)に示す乳幼児2の行為および情動異常判断処理は、その基準情報53を用いて、電子機器10および/または電子機器11において実行される。
【0066】
(変形例4)上述した実施の形態において、養育支援装置20のプロセッサ210が有する判断部214によって乳幼児2#1に対するベビーシッター3の養育適性判断結果が判断されてもよいこととした。養育支援装置20のプロセッサ210が有する通知情報生成部216は、その判断部214によるベビーシッター3の養育適性判断結果を含む通知情報を生成し、作成したその通知情報を、通信モジュール230を介して、乳幼児2#1の親が保有する電子機器10へ送信する。乳幼児2#1に対するベビーシッター3の養育適性判断の判断基準は任意に定めることが可能であるが、本変形例4においては、複数のベビーシッターによる養育の際の乳幼児2#1の脳波データに基づくベビーシッター評価処理を行うことで、相対的に養育適性判断を行うこととする。
【0067】
図9は、本変形例4における養育支援装置20で実行されるベビーシッター評価処理の一例を説明するための図である。図9には、4種類のレコード91、92、96および97が例示されている。レコード91は、乳幼児2#1の年齢が0歳10か月の期間においてベビーシッター3#1が乳幼児2#1を養育した際に脳波センサ5により計測され、養育支援装置20のプロセッサ210が有する生体情報取得部211によって取得された、乳幼児2#1の脳波データ51の実測値のレコードである。このレコード91に対応する養育者がベビーシッター3#1であることは、養育支援装置20のプロセッサ210が有する付加情報取得部215によって取得された乳幼児2#1の養育者情報がこの実測値のレコード91に対応付けられていることから特定される。レコード91において、乳幼児2#1の脳波50を構成するガンマ波、ベータ波、アルファ波、シータ波およびデルタ波の各周波数成分比は、それぞれ12%、14%、8%、14%および52%である。レコード92は、上述した基準情報53を用いて養育支援装置20のプロセッサ210が有する生体情報推定部213により推定された、年齢が0歳10か月の期間における乳幼児2#1の脳波データ51の推定値のレコードである。レコード92において、乳幼児2#1の脳波50を構成するガンマ波、ベータ波、アルファ波、シータ波およびデルタ波の各周波数成分比は、それぞれ8%、11%、12%、14%および55%である。
【0068】
レコード96は、乳幼児2#1の年齢が1歳0か月の期間Tcにおいてベビーシッター3#2が乳幼児2#1を養育した際に脳波センサ5により計測され、生体情報取得部211によって取得された、乳幼児2#1の脳波データ51の実測値のレコードである。このレコード96に対応する養育者がベビーシッター3#2であることは、付加情報取得部215によって取得された乳幼児2#1の養育者情報がこの実測値のレコード96に対応付けられていることから特定される。レコード96において、乳幼児2#1の脳波50を構成するガンマ波、ベータ波、アルファ波、シータ波およびデルタ波の各周波数成分比は、それぞれ11%、14%、17%、15%および43%である。レコード97は、上述した基準情報53を用いて生体情報推定部213により推定された、年齢が1歳0か月の期間における乳幼児2#1の脳波データ51の推定値のレコードである。レコード97において、乳幼児2#1の脳波50を構成するガンマ波、ベータ波、アルファ波、シータ波およびデルタ波の各周波数成分比は、それぞれ12%、15%、17%、15%および41%である。
【0069】
判断部214は、ベビーシッター3#1によって養育された年齢が0歳10か月の期間における乳幼児2#1の脳波データ51の実測値のレコード91および推定値のレコード92の二乗和D1と、ベビーシッター3#2によって養育された年齢が1歳0か月の期間Tcにおける乳幼児2#1の脳波データ51の実測値のレコード96および推定値のレコード97の二乗和D2とを算出する。二乗和D1およびD2のうち、相対的に小さいほうが、実測値と推定値との類似度がより高いことを意味する。本変形例4において、実測値と推定値との類似度を求めるのに各周波数成分比の値どうしの差の二乗和D1およびD2を用いることとするが、他の方法による算出を用いて類似度を求めてもよい。
【0070】
二乗和D1は、レコード91および92に記録された各周波数成分比の値どうしの差の二乗和であるから、次式(1)のようにして算出され、D1=50が得られる。二乗和D2は、レコード96および97に記録された各周波数成分比の値どうしの差の二乗和であるから、次式(2)のようにして算出され、D2=6が得られる。
D1 = (12-8)2 + (14-11)2+ (8-12)2 + (14-14)2 + (52-55)2 = 50 ・・・(1)
D2 = (11-12)2 + (14-15)2+ (17-17)2 + (15-15)2 + (43-41)2 = 6 ・・・(2)
【0071】
上述した式(1)および(2)によると、二乗和D1よりも二乗和D2の方が小さいため、二乗和D2が最小二乗和であり、すなわちベビーシッター3#1によって養育された乳幼児2#1の脳波データ51の実測値と推定値との類似度よりも、ベビーシッター3#2によって養育された乳幼児2#1の脳波データ51の実測値と推定値との類似度の方が高い。乳幼児2#1に対するベビーシッター3#1による養育およびベビーシッター3#2による養育を比較すると、ベビーシッター3#2による養育の方が、乳幼児2#1の情動異常が発生しにくいと考えられる。そこで、乳幼児2#1に対するベビーシッター3の評価処理として、判断部214は、ベビーシッター3#2に対して、ベビーシッター3#1よりも相対的に高い評価を与える。すなわち、乳幼児2#1の養育にベビーシッター3#2が適していることが、判断部214によって判断される。
【0072】
本変形例4における養育支援装置20によれば、以下の作用効果が得られる。
【0073】
養育支援装置20のプロセッサ210が有する養育者情報取得部は、生体情報取得部211によって取得される乳幼児2#1の脳波データ51が計測された際の乳幼児2#1の養育者を示す養育者情報を取得する。判断部214は、期間Tcにおける乳幼児2#1の情動異常を判断した結果に基づき、乳幼児2#1の養育者であるベビーシッター3#2が、乳幼児2#1の養育に適しているか否かを判断する。したがって、この養育支援装置20によれば、乳幼児2#1の親がベビーシッター3を選択する際に、相対的に乳幼児2#1にとって好適なベビーシッター3#2を選択できる可能性が高い。
【0074】
(変形例5)上述した実施の形態および変形例において、養育支援装置20のプロセッサ210が有する判断部214は、乳幼児2#1の養育にベビーシッター3が適していたか否かを判断することができる。本変形例5においては、その乳幼児2#1に対するベビーシッター3の養育適性判断結果が、他の乳幼児2#3に対するベビーシッター3の養育適性判断に用いられる。
【0075】
図10は、本変形例5における養育支援装置20で実行されるベビーシッター評価処理の一例を説明するための図である。図10(a)には、乳幼児2#1、乳幼児2#2および乳幼児2#3のそれぞれに対するベビーシッター3#1、ベビーシッター3#2およびベビーシッター3#3のそれぞれの養育適性判断結果が示されている。図10(a)によると、乳幼児2#1に対するベビーシッター3#1、ベビーシッター3#2およびベビーシッター3#3の養育適性判断結果は、それぞれ不適、好適および好適である。乳幼児2#2に対するベビーシッター3#1、ベビーシッター3#2およびベビーシッター3#3の養育適性判断結果は、それぞれ好適、不適および不適である。乳幼児2#3に対するベビーシッター3#1およびベビーシッター3#3の養育適性判断結果は、それぞれ不適および好適である。乳幼児2#3に対するベビーシッター3#2の養育は行われたことが無いため、乳幼児2#3に対するベビーシッター3#2の養育適性判断結果は未知である。
【0076】
乳幼児2#3の親が、乳幼児2#3の養育を希望する時間帯に利用可能なベビーシッター3としてベビーシッター3#2を選択することが可能であった場合に、乳幼児2#1に対するベビーシッター3#2の養育適性を評価することが可能であれば、望ましい。本変形例5では、養育支援装置20のプロセッサ210が有する判断部214が、図10(a)に示される養育適性判断結果に基づき、協調フィルタリングを用いて、乳幼児2#3に対するベビーシッター3#2の養育適性を推定することにより、ベビーシッター3#2を評価することが可能となる。
【0077】
図10(a)に示される養育適性判断結果を参照すると、乳幼児2#3に対する養育の履歴があるベビーシッター3#1の養育適性は、乳幼児2#1に対しては不適、乳幼児2#2に対しては好適、乳幼児2#3に対しては不適である。すなわち、ベビーシッター3#1の養育適性判断結果は、乳幼児2#1に対する結果と乳幼児2#3に対する結果とが一致する。乳幼児2#3に対する養育の履歴があるベビーシッター3#3の養育適性は、乳幼児2#1に対しては好適、乳幼児2#2に対しては不適、乳幼児2#3に対しては好適である。すなわち、ベビーシッター3#3の養育適性判断結果もまた、ベビーシッター3#1の養育適性判断結果と同様に、乳幼児2#1に対する結果と乳幼児2#3に対する結果とが一致する。
【0078】
乳幼児2#1に対するベビーシッター3#1およびベビーシッター3#3の養育適性判断結果は、乳幼児2#3に対するベビーシッター3#1およびベビーシッター3#3の養育適性判断結果と一致することと、乳幼児2#1に対するベビーシッター3#2の養育適性判断結果は好適であることとに基づいて、判断部214は、乳幼児2#3に対するベビーシッター3#2の養育適性は、乳幼児2#1に対するベビーシッター3#2の養育適性判断結果と一致すると判断し、すなわち好適であると推定する。図10(b)は、図10(a)に示される養育適性判断結果において未定とされていた乳幼児2#3に対するベビーシッター3#2の養育適性を、上述した好適であるとの推定結果に基づいて書き換えたものである。
【0079】
本変形例5における養育支援装置20によれば、以下の作用効果が得られる。
【0080】
養育支援装置20のプロセッサ210が有する判断部214は、期間Tcにおける乳幼児2#1の養育者であるベビーシッター3#2が、乳幼児2#1の養育に適しているか否かを判断した結果に基づき、乳幼児2#1とは異なる他の乳幼児2#3の養育にベビーシッター3#2が適しているか否かを判断する。したがって、この養育支援装置20によれば、乳幼児2#3の親がベビーシッター3を選択する際に、乳幼児2#3にとって好適である可能性が高いベビーシッター3#2を選択できる。
【0081】
(変形例6)上述した実施の形態および変形例において、養育支援装置20のプロセッサ210が有する判断部214は、期間Tcにおいて乳幼児2#1の行為を判断する。期間Tcにおける乳幼児2#1の行為および養育者がベビーシッター3であることは、養育支援装置20のプロセッサ210が有する付加情報取得部215によって取得された乳幼児2の行為情報および養育者情報が、乳幼児2#1の脳波データ51の実測値のレコードに対応付けられていることから特定される。本変形例6においては、ベビーシッター3が作成する期間Tcにおける乳幼児2#1の養育記録を、判断部214による期間Tcにおける乳幼児2#1の行為についての判断結果に照合して検査することが可能である。
【0082】
図11は、本変形例6における養育支援装置20で実行されるベビーシッター養育記録検査処理の一例を説明するための図である。図11(a)に示す本変形例6における養育支援装置20の構成は、図2に示す上述した実施の形態における養育支援装置20の構成と比べて、プロセッサ210が、養育記録取得部217と、養育記録検査部218とをさらに有している点で異なる。ベビーシッター3が、期間Tcにおける乳幼児2#1の養育記録を、電子機器11を用いて作成および送信すると、養育記録取得部217は、その養育記録を、通信モジュール230を介して取得する。養育記録検査部218は、図6(a)に示される判断部214による期間Tcにおける乳幼児2#1の行為の判断結果に対し、養育記録取得部217によって取得された期間Tcにおける養育記録を照合して検査し、相違する項目があれば、それを特定する。
【0083】
図11(b)には、図6(a)に示される判断部214による期間Tcにおける乳幼児2#1の行為の判断結果と、養育記録取得部217によって取得された期間Tcにおける養育記録とが、示されている。図11(b)によると、2017年10月18日9:00から11:35までの期間において、乳幼児2#1の行為は睡眠行為と判断され、養育記録には「寝かしつけ」と記録されている。2017年10月18日11:35から11:50までの期間において、乳幼児2#1の行為は食事行為と判断され、養育記録には「ミルク授乳」と記録されている。2017年10月18日11:50から12:00までの期間において、乳幼児2#1の行為は排泄行為と判断され、養育記録には「おむつ交換」と記録されている。ここまでの3項目については、上述した照合検査の結果、判断部214による乳幼児2#1の行為判断結果と養育記録とは一致するとして、養育記録検査部218により判定される。図11(b)に示す照合検査結果には「一致」と記載されている。
【0084】
2017年10月18日12:00から14:00までの期間において、乳幼児2#1の行為は遊んでいる行為と判断され、養育記録には「寝かしつけ」と記録されている。2017年10月18日14:00から16:10までの期間において、乳幼児2#1の行為は睡眠行為と判断され、養育記録には「ミルク授乳」と記録されている。これらの2項目については、上述した照合検査の結果、判断部214による乳幼児2#1の行為判断結果と養育記録とは相違するとして、養育記録検査部218により判定される。図11(b)に示す照合検査結果には「相違」と記載されている。
【0085】
2017年10月18日16:10から16:20までの期間において、乳幼児2#1の行為は排泄行為と判断され、養育記録には「おむつ交換」と記録されている。2017年10月18日16:20から16:40までの期間において、乳幼児2#1の行為は食事行為と判断され、養育記録には「ミルク授乳」と記録されている。2017年10月18日16:40から18:00までの期間において、乳幼児2#1の行為は遊んでいる行為と判断され、養育記録には「遊ばせた」と記録されている。これらの3項目については、上述した照合検査の結果、判断部214による乳幼児2#1の行為判断結果と養育記録とは一致するとして、養育記録検査部218により判定される。図11(b)に示す照合検査結果には「一致」と記載されている。
【0086】
本変形例6における養育支援装置20によれば、以下の作用効果が得られる。
【0087】
養育支援装置20のプロセッサ210は、養育記録取得部217と、養育記録検査部218とをさらに有する。養育記録取得部217は、ベビーシッター3による乳幼児2#1の養育記録を取得する。養育記録検査部218は、養育記録取得部217によって取得された養育記録を、判断部214によって判断された期間Tcにおける乳幼児2#1の行為に照合して検査する。したがって、この養育支援装置20によれば、乳幼児2#1の親が、ベビーシッター3によって作成された乳幼児2#1の養育記録の信頼性を評価することできる。
【0088】
(変形例7)上述した実施の形態および変形例において、養育支援装置20のプロセッサ210が有する生体情報取得部211が取得する乳幼児2#1の生体情報は、脳波センサ5により計測された乳幼児2#1の脳波データ51である。本変形例7においては、生体情報取得部211が取得する乳幼児2#1の生体情報は、音声検出装置によって収集された乳幼児2#1の発声データである。上述した養育支援システム1を構成する脳波センサ5に代えて音声検出装置が用いられる。脳波センサ5の着用を好まない乳幼児2#1に対しては、着用する必要のない音声検出装置が用いられる本変形例7における養育支援装置20の適用が好ましいことが考えられる。
【0089】
図12は、本変形例7における養育支援装置20で乳幼児2#1の生体情報として取得される発声データ81を示す図である。上述した実施の形態および変形例における脳波データ51と同様に、発声データ81にも複数の周波数成分が含まれる。発声データ81に含まれる複数の周波数成分は、例えば、図12に示す、乳幼児2#1の発声の基本周波数、第一フォルマント周波数および第二フォルマント周波数である。なお、音声波形を複数の正弦波の合成で近似したとき、それら複数の正弦波のうちで最も低い周波数を示す正弦波の周波数は基本周波数と呼ばれる。また、その基本周波数の整数倍の周波数を示す正弦波の振幅のピークに対応する周波数として、基本周波数から近い順に第一フォルマント周波数および第二フォルマント周波数が得られることが知られている。
【0090】
発声データ81には、乳幼児2#1が発声した各時刻毎に、その発声の基本周波数、第一フォルマント周波数および第二フォルマント周波数が記録され、さらに、養育支援装置20のプロセッサ210が有する付加情報取得部215によって取得された、その時刻の直後における乳幼児2#1の行為情報、情動情報および養育者情報も対応付けられている。発声データ81に含まれる複数の周波数成分の値の組合せに基づいて、「怒っている」「おなかがすいている」「眠い」「遊んで欲しがっている」といった乳幼児2#1の感情を推定することが可能であることから、それらの感情が生じた乳幼児2#1の発声直後の行為を示す行為情報およびその行為中の乳幼児2#1に情動異常が発生したか否かを示す情動情報が対応付けられる。例えば、図12に示すように、2017年8月16日11:24に「おなかがすいている」という感情が生じた乳幼児2#1の発声直後の行為情報として「食事」が対応付けられ、図12に示す例においては、その行為中の乳幼児2#1の情動情報として「情動異常あり」が対応付けられる。2017年8月16日11:39に「怒っている」という感情が生じた乳幼児2#1の発声直後の行為情報として「排泄」が対応付けられ、図12に示す例においては、その行為中の乳幼児2#1の情動情報として「情動異常なし」が対応付けられる。図12に例示することは省略されているが、「眠い」という感情が生じた乳幼児2#1の発声直後の行為として「睡眠」が対応付けられ、その行為中の乳幼児2#1の情動情報もまた対応付けられる。「遊んで欲しがっている」という感情が生じた乳幼児2#1の発声直後の行為として「遊んでいる」が対応付けられ、その行為中の乳幼児2#1の情動情報もまた対応付けられる。このようにして、乳幼児2#1の発声データ81に行為情報および情動情報を対応付けることができる。
【0091】
付加情報取得部215は、乳幼児2#1の脳波データ51が計測された過去の期間Tp1における乳幼児2#1の行為を示す行為情報を取得するとともにその行為中の乳幼児2#1に情動異常が発生したか否かを示す情動情報を取得し、生体情報取得部211によって取得された過去の期間Tp1における乳幼児2#1の発声データ81に行為情報および情動情報を対応付ける。養育支援装置20のプロセッサ210が有する生体情報推定部213は、生体情報取得部211によって取得され、付加情報取得部215によって行為情報および情動情報が対応付けられた過去の期間Tp1における乳幼児2#1の発声データ81と、過去の期間Tp1における乳幼児2#1の発声データ81に基づくとともに行為情報の種別および情動異常発生の有無の組合せに応じた基準情報とを用いて、行為情報および情動異常発生の有無の組合せの種別毎に、過去の期間Tp1とは異なる最近または現在の期間Tcにおける乳幼児2#1の発声データ81を推定する。養育支援装置20のプロセッサ210が有する判断部214は、生体情報取得部211によって取得される期間Tcにおける乳幼児2#1の発声データ81の実測値と、生体情報推定部213により行為情報の種別および情動異常発生の有無の組合せ毎に推定される期間Tcにおける乳幼児2#1の発声データ81の推定値との比較に基づき、期間Tcにおける乳幼児2#1の行為および情動異常を判断する。
【0092】
(変形例8)上述した実施の形態および変形例において、養育支援装置20のプロセッサ210が有する生体情報取得部211が取得する乳幼児2#1の生体情報は複数の周波数成分を含む。その生体情報は、例えば脳波データ51または発声データ81である。養育支援装置20のプロセッサ210が有する判断部214は、それら複数の周波数成分に対応する複数のパラメータの類似度に基づいて乳幼児2#1の情動異常を判断する。それら複数のパラメータは、脳波データ51を構成する複数の周波数成分の比、または発声データ81を構成する複数の周波数成分の値である。
【0093】
しかし、上述した生体情報は、乳幼児2#1から計測可能な複数種類の生体情報の組合せであってもよい。それら複数種類の生体情報は、例えば、乳幼児2#1の体温、呼吸数、心拍数、排泄頻度、脳血流値および/または発汗量を含む。判断部214は、それら複数種類の生体情報それぞれの値の類似度に基づいて乳幼児2#1の情動異常を判断する。
【0094】
本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した各実施の形態および各変形例における構成に何ら限定されない。
【符号の説明】
【0095】
1 養育支援システム、2 乳幼児、3 ベビーシッター、
5 脳波センサ、10 電子機器、11 電子機器、
20 養育支援装置、25 記憶装置、30 通信ネットワーク、
40 コンピュータプログラム提供サーバ、45 記録媒体、
50 脳波、51 脳波データ、52 蓄積情報、53 基準情報、
55 レコード、56 レコード、57 レコード、
81 発声データ、
91 レコード、92 レコード、96 レコード、97 レコード、
140 画面、141 通知情報、
210 プロセッサ、211 生体情報取得部、212 基準情報生成部、
213 生体情報推定部、214 判断部、
215 付加情報取得部、216 通知情報生成部、
217 養育記録取得部、218 養育記録検査部、
220 メモリ、230 通信モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12