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<図1>
  • 特許-キャシュレス決済機及びサービス機器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-06
(45)【発行日】2022-06-14
(54)【発明の名称】キャシュレス決済機及びサービス機器
(51)【国際特許分類】
   G07F 9/10 20060101AFI20220607BHJP
   G07D 13/00 20060101ALI20220607BHJP
【FI】
G07F9/10 C
G07D13/00
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018005000
(22)【出願日】2018-01-16
(65)【公開番号】P2019125143
(43)【公開日】2019-07-25
【審査請求日】2020-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】307003777
【氏名又は名称】株式会社日本コンラックス
(74)【代理人】
【識別番号】100144048
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 智弘
(74)【代理人】
【識別番号】100186679
【弁理士】
【氏名又は名称】矢田 歩
(74)【代理人】
【識別番号】100189186
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 敏弘
(72)【発明者】
【氏名】片桐 良二
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-162757(JP,A)
【文献】特開2007-323258(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 11/00-13/00
G06Q 20/18
G07F 7/00- 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙幣識別装置を備えるキャシュレス決済機であって、
前記紙幣識別装置の装置本体よりも前方に設けられるとともに、QRコードを表示させる表示部を有する筐体と、
前記装置本体の正面に前記筐体よりも下方に位置するように設けられる紙幣挿入口と、を備え
前記紙幣挿入口は、前記表示部よりも後方に設けられており、
前記筐体は、カーブ状に設けられた底壁を有する、ことを特徴とするキャシュレス決済機。
【請求項2】
紙幣識別装置を備えるキャシュレス決済機であって、
前記紙幣識別装置の装置本体よりも前方に設けられるとともに、QRコードを表示させる表示部を有する筐体と、
前記装置本体の正面に前記筐体よりも下方に位置するように設けられる紙幣挿入口と、を備え
前記紙幣挿入口は、前記表示部よりも後方に設けられており、
前記装置本体は、複数の搬送用ローラが設けられるとともに、前記紙幣挿入口から挿入された紙幣を内部へ搬送する紙幣搬送手段を有し、
前記筐体は、QRコードを前記表示部に表示させるための基板を有し、
前記基板は、少なくとも一部が、上下方向に沿って、前記基板に隣接する前記搬送用ローラと重なるように、設けられており、
前記筐体の頂壁と前記紙幣識別装置の頂壁との継ぎ目に対向するとともに、前記継ぎ目の延在方向に沿って延在するように設けられた水ガイド溝を備え、
前記水ガイド溝は、その端部の下方に前記基板が位置しないように、設けられている、ことを特徴とするキャシュレス決済機。
【請求項3】
前記筐体は、その頂壁が、正面視で、手前に向かうに従って下っていく傾斜面を有する、ことを特徴とする請求項1から2までのいずれか1項に記載のキャシュレス決済機。
【請求項4】
前記筐体の底壁と前記紙幣識別装置の底壁との間には、排水孔が設けられ、
前記排水孔は、左右方向に沿って、前記紙幣挿入口と重ならないように、配置されている、ことを特徴とする請求項2に記載のキャシュレス決済機。
【請求項5】
サービス機器本体と、請求項1から4までのいずれか1項に記載のキャシュレス決済機と、を備えるサービス機器であって、
前記筐体は、QRコードを前記表示部に表示させるための基板を有し、
一端が前記基板に接続される筐体側ケーブルと、
一端が前記装置本体に接続される装置本体側ケーブルと、を備え、
前記筐体側ケーブルの他端及び前記装置本体側ケーブルの他端が、前記サービス機器本体に接続されている、ことを特徴とするサービス機器。
【請求項6】
紙幣識別装置を備えるキャシュレス決済機であって、
前記紙幣識別装置の装置本体よりも前方に設けられるとともに、QRコードを表示させる表示部を有する筐体と、
前記装置本体の正面に前記筐体よりも下方に位置するように設けられる紙幣挿入口と、を備え
前記紙幣挿入口は、前記表示部よりも後方に設けられており、
前記装置本体は、複数の搬送用ローラが設けられるとともに、前記紙幣挿入口から挿入された紙幣を内部へ搬送する紙幣搬送手段を有し、
前記筐体は、QRコードを前記表示部に表示させるための基板を有し、
前記基板は、少なくとも一部が、上下方向に沿って、前記基板に隣接する前記搬送用ローラと重なるように、設けられている、ことを特徴とするキャシュレス決済機。
【請求項7】
サービス機器本体と、請求項6に記載のキャシュレス決済機と、を備えるサービス機器であって、
一端が前記基板に接続される筐体側ケーブルと、
一端が前記装置本体に接続される装置本体側ケーブルと、を備え、
前記筐体側ケーブルの他端及び前記装置本体側ケーブルの他端が、前記サービス機器本体に接続されている、ことを特徴とするサービス機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙幣又は硬貨などの現金を使用しなくても、利用者の銀行口座又はクレジットカード会社の口座などからサービスの対価を差し引き決済処理が可能なキャシュレス決済機及びこれを備えるサービス機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、紙幣を取り扱う自動販売機のようなサービス機器などの機器本体に搭載され、投入された紙幣の真偽を識別し、真券と判定された紙幣のみを受け入れるようにしたものであって、紙幣挿入口から挿入された紙幣を内部へ搬送するための紙幣搬送路と、搬送路において挿入された紙幣の真偽を識別する紙幣識別部と、紙幣識別部で真券と判断された紙幣を収納する紙幣収納部と、を備える紙幣識別装置が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された、自動販売機に搭載される紙幣識別装置は、紙幣による決済に対応するものであるが、携帯端末のQRコード(登録商標)(マトリックス型二次元コード)の読み込みによるキャシュレス決済に対応するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-139189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、近年、紙幣識別装置には、紙幣による決済に対応する機能だけではなく、携帯端末のQRコードの読み込みによるキャシュレス決済に対応する機能も要求されている。
【0006】
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、QRコードを表示させる機能及び紙幣を識別する機能を有するキャシュレス決済機及びこのようなキャシュレス決済機を備えるサービス機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、以下の構成によって把握される。
(1)本発明に係るキャシュレス決済機は、紙幣識別装置を備えるものであって、前記紙幣識別装置の装置本体よりも前方に設けられるとともに、QRコードを表示させる表示部を有する筐体と、前記装置本体の正面に前記筐体よりも下方に位置するように設けられる紙幣挿入口と、を備えることを特徴とする。
(2)上記(1)の構成において、前記紙幣挿入口は、前記表示部よりも後方に設けられてもよい。
(3)上記(2)の構成において、前記筐体は、カーブ状に設けられた底壁を有してもよい。
(4)上記(2)又は(3)の構成において、前記装置本体は、複数の搬送用ローラが設けられるとともに、前記紙幣挿入口から挿入された紙幣を内部へ搬送する紙幣搬送手段を有し、前記筐体は、QRコードを前記表示部に表示させるための基板を有し、前記基板は、少なくとも一部が、上下方向に沿って、前記基板に隣接する前記搬送用ローラと重なるように、設けられてもよい。
(5)上記(1)から(4)までのいずれか一つの構成において、前記筐体は、その頂壁が、正面視で、手前に向かうに従って下っていく傾斜面を有してもよい。
(6)上記(1)から(5)までのいずれか一つの構成において、前記筐体の頂壁と前記紙幣識別装置の頂壁との継ぎ目に対向するとともに、前記継ぎ目の延在方向に沿って延在するように設けられた水ガイド溝を備え、前記水ガイド溝は、その端部の下方に前記基板が位置しないように、設けられてもよい。
(7)上記(6)の構成において、前記筐体の底壁と前記紙幣識別装置の底壁との間には、排水孔が設けられ、前記排水孔は、左右方向に沿って、前記紙幣挿入口と重ならないように、配置されてもよい。
(8)本発明に係るサービス機器は、サービス機器本体と、上記(1)から(7)までのいずれか一つのキャシュレス決済機と、を備えるものであって、一端が前記基板に接続される筐体側ケーブルと、一端が前記装置本体に接続される装置本体側ケーブルと、を備え、前記筐体側ケーブルの他端及び前記装置本体側ケーブルの他端が、前記サービス機器本体に接続されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、QRコードを表示させる機能及び紙幣を識別する機能を有するキャシュレス決済機及びこのようなキャシュレス決済機を備えるサービス機器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係るキャシュレス決済機を備えるサービス機器の概略側面図である。
図2】本発明の実施形態に係るキャシュレス決済機の斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係るキャシュレス決済機の分解斜視図である。
図4】本発明の実施形態に係るキャシュレス決済機の正面図である。
図5図4のI-I線に沿う断面図である。
図6】筐体に設けられた水ガイド溝を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態)
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ符号が付される。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係るキャシュレス決済機100を備えるサービス機器200の概略側面図である。図2は、本発明の実施形態に係るキャシュレス決済機100の斜視図である。図3は、本発明の実施形態に係るキャシュレス決済機100の分解斜視図である。図4は、本発明の実施形態に係るキャシュレス決済機100の正面図である。なお、図1から図3において、X軸に沿って延在するX方向を左右方向とし、Y軸に沿って延在するY方向を前後方向とし、Z軸に沿って延在するZ方向を上下方向とする。
【0012】
[サービス機器の全体構成]
図1に示すように、本実施形態のサービス機器200は、例えば、自動販売機などのものであり、紙幣による決済に対応する機能及び携帯端末のQRコードの読み込みによるキャシュレス決済に対応する機能の両方を有するキャシュレス決済機100と、キャシュレス決済機100の決済によって所定のサービスを提供するサービス機器本体300と、を備えている。
【0013】
[キャシュレス決済機の全体構成]
図1から図4に示すように、本実施形態のキャシュレス決済機100は、挿入された紙幣の真偽を識別し、真券と判定された紙幣のみを受け入れる紙幣識別装置1と、紙幣識別装置1よりも前方に設けられる筐体2と、を備えている。
【0014】
[紙幣識別装置]
紙幣識別装置1は、紙幣を識別する機能を有するものであり、正面の下方に開口部31を有する装置本体3と、装置本体3の正面に開口部31の全周を覆うように設けられた枠体4と、を備えている。
【0015】
[装置本体]
図5は、図4のI-I線に沿う断面図である。
図1から図5に示すように、装置本体3の正面には、外部から紙幣を挿入するための紙幣挿入口5が設けられており、装置本体3の上方には、紙幣を収納するための紙幣収納部6が設けられており、装置本体3の側面には、後述する筐体側ケーブル231が嵌合可能な溝32及び装置本体側ケーブル34が貫通可能な貫通孔33が形成されている。
【0016】
装置本体側ケーブル34は、その一端が装置本体3に接続されるとともに、その他端がサービス機器本体300に接続されており、サービス機器本体300から装置本体3側に電源を供給するための電源供給用ケーブルやサービス機器本体300から装置本体3側に指令を送信するための指令送信用ケーブルなどを含むことができる。
【0017】
さらに、紙幣挿入口5と紙幣収納部6との間には、紙幣挿入口5から挿入された紙幣を紙幣収納部6に搬送するための略L字型の紙幣搬送通路7が設けられており、この紙幣搬送通路7には、挿入された紙幣の真偽を判定するための紙幣判別用センサ8が取り付けられている。
【0018】
紙幣挿入口5は、断面視で装置本体3の開口部31から露出するとともに、左右方向に沿って延在するように設けられるものであり、その左右方向の幅が紙幣の幅方向に対応するようになっている。
【0019】
紙幣収納部6は、ボックス形状のものであり、一端が紙幣収納部6の背面壁に取り付けられる複数のコイルばね61と、前後方向に沿って移動可能に、コイルばね61の他端によって上下方向に延在するように支持されるスタッカプレート62と、を備えている。そして、紙幣挿入口5から挿入された紙幣は、紙幣搬送通路7を経由して、その長手方向が上下方向に沿うように、紙幣収納部6の正面壁とスタッカプレート62との間に形成された収納空間に収納される状態となっている。
【0020】
紙幣搬送通路7には、紙幣挿入口5から挿入された紙幣を紙幣収納部6(内部)へ搬送するための紙幣搬送手段として、紙幣搬送通路7に沿って延在する紙幣搬送用ベルト(図示しない)と、この紙幣搬送用ベルトを駆動するための駆動用モータ(図示しない)の回転を紙幣搬送用ベルトに伝達する複数の駆動搬送用ローラ71,72と、駆動搬送用ローラ71,72に対向するように紙幣搬送用ベルトに圧接する複数の従動搬送用ローラ73,74とが配置されている。
【0021】
そして、駆動搬送用ローラ71及び従動搬送用ローラ73は、紙幣挿入口5に近接する箇所に位置するように、駆動搬送用ローラ72及び従動搬送用ローラ74よりも紙幣搬送通路7の上流側に配置されている。具体的には、駆動搬送用ローラ71及び従動搬送用ローラ73は、断面視で装置本体3の開口部31から露出するように、駆動搬送用ローラ72及び従動搬送用ローラ74よりも紙幣搬送通路7の上流側に配置されている。一方、駆動搬送用ローラ72及び従動搬送用ローラ74は、紙幣収納部6に近接するように、駆動搬送用ローラ71及び従動搬送用ローラ73よりも紙幣搬送通路7の下流側に配置されている。
【0022】
[枠体]
枠体4は、正面側及び背面側のいずれも開口するとともに、断面視で開口部31から露出する紙幣挿入口5、駆動搬送用ローラ71及び従動搬送用ローラ73などの装置本体3側の部材を覆う筒部材である。また、本実施形態では、枠体4は、複数のねじなどによって、装置本体3の正面に取り付けられているが、これに限定されるものではなく、例えば、爪嵌合などによって装置本体3の正面に取り付けられてもよい。紙幣挿入口5の先端部は、枠体4が装置本体3の正面に取り付けられた状態で、断面視で枠体4の正面側の開口から露出することになっている。
【0023】
また、枠体4は、ねじなどによって、筐体2と連結されている。枠体4の周壁内側には、筐体側ケーブル231を枠体4の正面側から溝32へガイドするケーブルガイド部(図示しない)が設けられている。このようなケーブルガイド部によれば、枠体4に覆われる装置本体3側の部材との干渉が生じることなく、筐体側ケーブル231を筐体2側から溝32へスムーズにガイドすることができる。
【0024】
そして、図1に示すように、キャシュレス決済機100の筐体2及び紙幣挿入口5は、サービス機器本体300のスペースが限られた開口から突出している。
【0025】
[筐体]
つぎに、筐体2の詳細について、図1から図6を参照しつつ説明する。図6は、筐体2に設けられた水ガイド溝27を示す概略図である。
【0026】
図1から図6に示すように、筐体2は、キャシュレス決済用のQRコードを表示させる機能を有するものであり、その全体が紙幣挿入口5よりも上方に位置するように、枠体4を介して装置本体3の正面に設けられるものである。言い換えると、紙幣挿入口5は、装置本体3の正面に筐体2よりも下方に位置するように設けられている。
【0027】
また、筐体2は、キャシュレス決済用のQRコードを表示させる表示部21と、特定のキャシュレス決済用のQRコードを選択決定する選択操作部22と、キャシュレス決済用のQRコードを表示部21に表示させる複数の基板23と、を備えている。なお、筐体2の枠体4に対向する背面側には、ねじと螺合するため複数のねじ孔28が設けられている。
【0028】
表示部21は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどによって構成されるものであり、筐体2の正面24に取り付けられているため、紙幣挿入口5よりも前方に位置している。言い換えると、紙幣挿入口5は、表示部21よりも後方に設けられている。
【0029】
本実施形態では、選択操作部22は、表示部21よりも下方に位置するように筐体2の正面24に設けられているが、これに限定されるものではなく、例えば、筐体2の頂壁25に設けられてもよい。この場合、筐体2の正面24に設けられる選択操作部22に比べ、筐体2の正面24に取り付けられる表示部21をより大きくすることができる。なお、選択操作部22は、必ずしも設けなくてもよく、この場合、選択決定などの操作は、タッチパネルによって、実現される。
【0030】
基板23は、各キャシュレス決済のサービサーに対応するQRコードを表示部21に表示させるものであり、前後方向と直交する方向に沿って延在するように、表示部21よりも後方に設けられている。また、隣接する基板23同士の間には、所定の間隔が形成されてもよい。
【0031】
そして、本実施形態では、基板23は、少なくとも一部が、上下方向に沿って、基板23に隣接する駆動搬送用ローラ71と重なるように、設けられているが、これに限定されるものではなく、例えば、少なくとも一部が、上下方向に沿って、基板23に隣接する従動搬送用ローラ73と重なるように、設けられてもよく、この場合、駆動搬送用ローラ71と従動搬送用ローラ73との位置関係が逆になっている。
【0032】
基板23には、筐体側ケーブル231の一端が接続されており、筐体側ケーブル231の他端は、サービス機器本体300に直接接続されている。すなわち、筐体2は、筐体側ケーブル231によって、紙幣識別装置1を経由することなく、サービス機器本体300に接続されている。なお、この筐体側ケーブル231は、サービス機器本体300から基板23に電源を供給するための電源供給用ケーブルやサービス機器本体300から基板23に指令を送信するための指令送信用ケーブルなどを含むことができる。
【0033】
また、筐体2は、利用者の手にて押し付けられた紙幣を紙幣挿入口5へガイドするようにカーブ状に設けられた底壁26を有している。なお、本実施形態では、筐体2の頂壁25は、正面視で、手前に向かうに従って下っていく傾斜面251を有している。
【0034】
そして、図5及び図6に示すように、筐体2には、筐体2の頂壁25と枠体4の頂壁との継ぎ目Sに対向するとともに、継ぎ目Sの延在方向(左右方向)に沿って延在するように水ガイド溝27が設けられている。また、この水ガイド溝27は、その端部の下方に基板23が位置しないように、設けられている。詳細には、この水ガイド溝27は、基板23よりも後方に設けられている。なお、本実施形態では、水ガイド溝27は、筐体2側に取り付けられているが、これに限定されるものではなく、例えば、枠体4側に取り付けられてもよい。
【0035】
さらに、筐体2の底壁26と枠体4の底壁との間には、水ガイド溝27の端部から垂れ落ちた水をキャシュレス決済機100の外部へ排出する一対の排水孔(図示しない)が設けられている。一対の排水孔は、左右方向に沿って、紙幣挿入口5と重ならないように、紙幣挿入口5よりも外側に配置されている。すなわち、一対の排水孔の間には、紙幣挿入口5が配置されている。なお、一対の排水孔は、水ガイド溝27の両端部の直下に位置することが好ましい。
【0036】
[実施形態の効果]
このように構成される本実施形態のキャシュレス決済機100によれば、紙幣識別装置1を備えるものであって、紙幣識別装置1の装置本体3よりも前方に設けられるとともに、QRコードを表示させる表示部21を有する筐体2と、装置本体3の正面に筐体2よりも下方に位置するように設けられる紙幣挿入口5と、を備えるので、QRコードを表示させる機能及び紙幣を識別する機能を有するキャシュレス決済機100を提供することができる。
【0037】
また、筐体2が枠体4を介して装置本体3の正面に設けられるだけで、装置本体3の構造を変更することなく、表示部21を紙幣挿入口5よりも前方に位置付けるので、キャシュレス決済機100を備えるサービス機器200が屋外に設置された場合、前方から降ってきた雨水が、表示部21が備えられた筐体2によって遮られ、表示部21と紙幣挿入口5とが前後方向において面一となるように設けられるものに比べ、雨水が紙幣挿入口5に浸入しにくくなるため、紙幣挿入口5への紙幣挿入がしやすくなっている。
【0038】
そして、筐体2は、カーブ状に設けられた底壁26を有するので、紙幣挿入口5への紙幣挿入がよりしやすくなっている。
【0039】
くわえて、基板23の少なくとも一部が、上下方向に沿って、基板23に隣接する搬送用ローラと重なっているので、基板23が、上下方向に沿って、基板23に隣接する搬送用ローラと重ならないものに比べ、キャシュレス決済機100の筐体2及び紙幣挿入口5の上下方向における寸法を小さくすることができ、これによって、筐体2及び紙幣挿入口5を、サービス機器本体300のスペースが限られた開口から突出させることができる。
【0040】
かつ、筐体2の頂壁25は、正面視で、手前に向かうに従って下っていく傾斜面251を有するので、キャシュレス決済機100を備えるサービス機器200が屋外に設置された場合であっても、雨水などの水が頂壁25の傾斜面251に沿って垂れ落ちることで、水が筐体2の頂壁25と枠体4の頂壁との継ぎ目Sからキャシュレス決済機100の内部へ浸入することを軽減することができる。
【0041】
さらに、筐体2には、筐体2の頂壁25と枠体4の頂壁との継ぎ目Sに対向するとともに、継ぎ目Sの延在方向に沿って延在するように水ガイド溝27が設けられており、この水ガイド溝27は、その端部の下方に基板23が位置しないように、設けられているので、キャシュレス決済機100を備えるサービス機器200が屋外に設置された場合、雨水などの水が、筐体2の頂壁25と枠体4の頂壁との継ぎ目Sからキャシュレス決済機100の内部へ侵入したとしても、水ガイド溝27によってガイドされることにより、筐体2と枠体4との間に別途パッキンを設けることなく、簡易な構造で、水と基板23などの部材との接触を回避することができ、これによって、水と基板23などの部材との接触による短絡を確実に防止することができる。
【0042】
なお、筐体2の底壁26と枠体4の底壁との間には、排水孔が設けられ、この排水孔は、左右方向に沿って、紙幣挿入口5と重ならないように、配置されているので、水ガイド溝27の端部から垂れ落ちた水を、キャシュレス決済機100の内部に貯めることなく、紙幣挿入口5と干渉しない箇所において、排水孔によってキャシュレス決済機100の外部へ排出することができる。
【0043】
一方、本実施形態のサービス機器200によれば、サービス機器本体300と、キャシュレス決済機100と、を備えるものであって、一端が基板23に接続される筐体側ケーブル231と、一端が装置本体3に接続される装置本体側ケーブル34と、を備え、筐体側ケーブル231の他端及び装置本体側ケーブル34の他端が、サービス機器本体300に接続されているので、万が一、紙幣識別装置1に何らかの故障があったとしても、紙幣識別装置1の故障による影響を受けることなく、携帯端末のQRコードの読み込みによるキャシュレス決済を正常に行うことができる。
【0044】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明に係るキャシュレス決済機100及びこれを備えるサービス機器200は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変化が可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 紙幣識別装置
2 筐体
3 装置本体
4 枠体
5 紙幣挿入口
6 紙幣収納部
7 紙幣搬送通路
8 紙幣判別用センサ
21 表示部
22 選択操作部
23 基板
24 正面(筐体)
25 頂壁(筐体)
26 底壁(筐体)
27 水ガイド溝
28 ねじ孔
31 開口部
32 溝
33 貫通孔
34 装置本体側ケーブル
61 コイルばね
62 スタッカプレート
71 駆動搬送用ローラ
72 駆動搬送用ローラ
73 従動搬送用ローラ
74 従動搬送用ローラ
100 キャシュレス決済機
200 サービス機器
231 筐体側ケーブル
251 傾斜面
300 サービス機器本体
S 継ぎ目
図1
図2
図3
図4
図5
図6