(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-07
(45)【発行日】2022-06-15
(54)【発明の名称】保護者支援に用いられるプログラム、保護者支援方法、及び保護者支援システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20220608BHJP
A61B 5/0245 20060101ALI20220608BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20220608BHJP
A61B 5/16 20060101ALI20220608BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20220608BHJP
G16H 20/00 20180101ALI20220608BHJP
【FI】
G06Q50/10
A61B5/0245
A61B5/11
A61B5/16
A61B5/00 D
A61B5/00 G
G16H20/00
(21)【出願番号】P 2017568314
(86)(22)【出願日】2017-12-27
(86)【国際出願番号】 JP2017046976
(87)【国際公開番号】W WO2019130488
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2020-09-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】合田 文美
【審査官】阿部 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-198866(JP,A)
【文献】特開2015-054002(JP,A)
【文献】特開2003-290155(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G16H 10/00 - 80/00
A61B 5/00
A61B 5/0245
A61B 5/11
A61B 5/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
心拍を測定可能な測定装置を含むコンピュータに、
子供の心拍と、前記子供の保護者の心拍とを、前記測定装置を用いて測定させる測定処理と、
前記子供の心拍の測定結果と、前記保護者の心拍の測定結果とに基づいて、前記保護者に対する第1メッセージを、画面に表示させる第1表示処理と、
前記第1メッセージが前記画面に表示された後、前記保護者が前記第1メッセージの内容を実施したか否かを示す実施情報の入力を促す第6メッセージを、前記画面に表示させる第6表示処理と、
入力された前記実施情報を受け付ける実施情報受付処理と、
受け付けられた前記実施情報に応じて、子供から前記保護者に向けた第7メッセージを、前記画面に表示させる第7表示処理と、
を実行させること、を特徴とするプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムであって、
前記子供の心拍の測定結果に基づいて、前記子供の状態がリラックス状態にあるかストレス状態にあるかを判定する第1判定処理と、
前記保護者の心拍の測定結果に基づいて、前記保護者の状態がリラックス状態にあるかストレス状態にあるかを判定する第2判定処理と、を前記コンピュータに実行させ、
前記第1表示処理は、前記子供の状態と、前記保護者の状態とに応じた前記第1メッセージを、前記画面に表示させること、
を特徴とするプログラム。
【請求項3】
請求項2に記載のプログラムであって、
前記第1表示処理は、前記子供がストレス状態にあると判定され、前記保護者がリラックス状態にあると判定された場合、前記保護者に対し、前記子供をリラックスさせるための行動を促す前記第1メッセージを、前記画面に表示させること、
を特徴とするプログラム。
【請求項4】
請求項2または3に記載のプログラムであって、
前記第1表示処理は、前記子供及び前記保護者がリラックス状態にあると判定された場合、前記保護者に対し、前記保護者及び前記子供の活動を促す前記第1メッセージを、前記画面に表示させること、
を特徴とするプログラム。
【請求項5】
請求項2から4の何れか1項に記載のプログラムであって、
前記第1表示処理は、前記子供がリラックス状態にあると判定され、前記保護者がストレス状態にあると判定された場合、前記保護者に対し、前記保護者をリラックスさせるための行動を促す前記第1メッセージを、前記画面に表示させること、
を特徴とするプログラム。
【請求項6】
請求項2から5の何れか1項に記載のプログラムであって、
前記第1表示処理は、前記子供及び前記保護者がストレス状態にあると判定された場合、前記保護者に対し、前記保護者及び前記子供をリラックスさせるための行動を促す前記第1メッセージを、前記画面に表示させること、
を特徴とするプログラム。
【請求項7】
請求項2から6の何れか1項に記載のプログラムであって、
前記コンピュータは、心拍が測定される際に測定対象者の動きに応じた信号を出力する加速度計を含み、
前記第1判定処理は、前記加速度計から出力される前記子供の動きに応じた信号と、前記子供の心拍の測定結果と、に基づいて、前記子供の状態を判定し、
前記第2判定処理は、前記加速度計から出力される前記保護者の動きに応じた信号と、前記保護者の心拍の測定結果と、に基づいて、前記保護者の状態を判定すること、
を特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項2から7の何れか1項に記載のプログラムであって、
前記子供の生後からの期間を示す期間情報を入力するための入力画像を、前記画面に表示させる入力画像表示処理と、
入力された前記期間情報を受け付ける期間情報受付処理と、を前記コンピュータに実行させ、
前記第1判定処理は、前記期間情報と、前記子供の心拍の測定結果とに基づいて、前記子供の状態を判定すること、
を特徴とするプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムであって、
前記第1判定処理は、前記期間情報と、前記子供の心拍の測定結果と、前記子供の心拍の過去の測定結果を示す履歴情報と、に基づいて、前記子供の状態を判定すること、
を特徴とするプログラム。
【請求項10】
請求項1から9の何れか1項に記載のプログラムであって、
前記子供の心拍の測定の際に、前記保護者に対し、子育てに関する第2メッセージを前記画面に表示させる第2表示処理を、前記コンピュータに実行させること、
を特徴とするプログラム。
【請求項11】
請求項1から10の何れか1項に記載のプログラムであって、
前記子供及び前記保護者のうち一方の心拍が測定された後、他方の心拍の測定を促す第3メッセージを、前記画面に表示させる第3表示処理を、前記コンピュータに実行させること、
を特徴とするプログラム。
【請求項12】
請求項1から11の何れか1項に記載のプログラムであって、
前記子供の心拍を測定させる際には、前記子供の手のひら部分を用いて前記子供の心拍の測定させることを促す第4メッセージを、前記画面に表示させる第4表示処理を、前記コンピュータに実行させること、
を特徴とするプログラム。
【請求項13】
請求項1から12の何れか1項に記載のプログラムであって、
前記子供または前記保護者の何れか一方の心拍の測定がされた測定時刻に応じた所定の時間帯において、少なくとも前記一方の心拍の測定を促す第5メッセージを、前記画面に表示させる第5表示処理を、前記コンピュータに実行させること、
を特徴とするプログラム。
【請求項14】
請求項1から13の何れか1項に記載のプログラムであって、
前記第7表示処理は、前記第1メッセージの内容が実施されたと判定された後の前記子供または前記保護者の何れか一方の心拍の測定結果と、前記第1メッセージが表示させる際の前記一方の心拍の測定結果と、の比較結果に基づく
情報も、前記画面に
表示させること、を特徴とするプログラム。
【請求項15】
請求項1から14の何れか1項に記載のプログラムであって、
前記第1表示処理は、前記子供の心拍の測定結果と、前記保護者の心拍の測定結果と、時刻と、に基づいて、前記保護者に対する第1メッセージを、画面に表示させること、
を特徴とするプログラム。
【請求項16】
心拍を測定可能な測定装置を含むコンピュータが、子供の心拍と、前記子供の保護者の心拍とを、前記測定装置を用いて測定する測定ステップと、
前記子供の心拍の測定結果と、前記保護者の心拍の測定結果とに基づいて、前記コンピュータが、前記保護者に対する第1メッセージを、画面に表示する第1表示ステップと、
前記第1メッセージが前記画面に表示された後、前記コンピュータが、前記保護者が前記第1メッセージの内容を実施したか否かを示す実施情報の入力を促す第6メッセージを、前記画面に表示する第6表示ステップと、
前記コンピュータが、入力された前記実施情報を受け付ける実施情報受付ステップと、
受け付けられた前記実施情報に応じて、前記コンピュータが、子供から前記保護者に向けた第7メッセージを、前記画面に表示する第7表示ステップと、
を含むことを特徴とする保護者支援方法。
【請求項17】
心拍を測定可能な測定装置を含むコンピュータシステムであって、
子供の心拍と、前記子供の保護者の心拍とを、前記測定装置を用いて測定する測定部と、
前記子供の心拍の測定結果と、前記保護者の心拍の測定結果とに基づいて、前記保護者に対する第1メッセージを、画面に表示する第1表示処理部と、
前記第1メッセージが前記画面に表示された後、前記保護者が前記第1メッセージの内容を実施したか否かを示す実施情報の入力を促す第6メッセージを、前記画面に表示する第6表示処理部と、
入力された前記実施情報を受け付ける実施情報受付処理部と、
受け付けられた前記実施情報に応じて、子供から前記保護者に向けた第7メッセージを、前記画面に表示する第7表示処理部と、
を含むことを特徴とするコンピュータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保護者支援に用いられるプログラム、保護者支援方法、及び保護者支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、心拍数等に基づいて、測定者の健康状態を把握する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、育児中の保護者は、一般に、子供からのストレスと、子育てとは関係のないストレスとを受ける。しかしながら、特許文献1に開示された技術では、自分がストレスを受けていることを把握できるとしても、ストレスの原因が子供にあるか、自分自身にあるかの判別をすることができない。このため、子育て中の保護者は、ストレスの原因を適切に把握し、対処することが困難であった。
【0005】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、保護者支援に用いられるプログラム、保護者支援方法、及び保護者支援システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための主たる発明は、
心拍を測定可能な測定装置を含むコンピュータに、
子供の心拍と、前記子供の保護者の心拍とを、前記測定装置を用いて測定させる測定処理と、
前記子供の心拍の測定結果と、前記保護者の心拍の測定結果とに基づいて、前記保護者に対する第1メッセージを、画面に表示させる第1表示処理と、
前記第1メッセージが前記画面に表示された後、前記保護者が前記第1メッセージの内容を実施したか否かを示す実施情報の入力を促す第6メッセージを、前記画面に表示させる第6表示処理と、
入力された前記実施情報を受け付ける実施情報受付処理と、
受け付けられた前記実施情報に応じて、子供から前記保護者に向けた第7メッセージを、前記画面に表示させる第7表示処理と、
を実行させること、を特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、子育て中の保護者は、ストレスの原因を適切に把握し、対処することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】メッセージデータ43を説明するための図である。
【
図3】測定処理部50に含まれるブロックを示す図である。
【
図4】状態判定処理部51a,51bに含まれるブロックを示す図である。
【
図5】保護者支援処理を示すフローチャートである。
【
図6】乳幼児の心拍測定処理を示すフローチャートである。
【
図7】乳幼児の心拍が測定される前に表示される画面70である。
【
図8】乳幼児の心拍の測定中に表示される画面71である。
【
図9】乳幼児の状態判定処理を示すフローチャートである。
【
図11】乳幼児の心拍の測定結果等を示す画面72である。
【
図12】保護者の心拍測定処理を示すフローチャートである。
【
図13】保護者の心拍が測定される前に表示される画面73である。
【
図14】保護者の心拍の測定中に表示される画面74である。
【
図15】保護者の状態判定処理を示すフローチャートである。
【
図16】保護者の心拍の測定結果等を示す画面75である。
【
図17】乳幼児及び保護者の状態等を示す画面76である。
【
図18】メッセージ表示処理を示すフローチャートである。
【
図19】保護者に対するメッセージを含む画面77である。
【
図20】メッセージの内容が実施されたかを確認するためのフローチャートである。
【
図21】メッセージの内容が実施されたかを確認するための画面78である。
【
図22】メッセージの内容が実施された際に表示される画面79である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
心拍を測定可能な測定装置を含むコンピュータに、子供の心拍と、前記子供の保護者の心拍とを、前記測定装置を用いて測定させる測定処理と、前記子供の心拍の測定結果と、前記保護者の心拍の測定結果とに基づいて、前記保護者に対する第1メッセージを、画面に表示させる第1表示処理と、を実行させるプログラムである。
【0010】
このようなプログラムによれば、子育て中の保護者は、ストレスの原因を適切に把握し、対処することができる。
【0011】
かかるプログラムであって、前記子供の心拍の測定結果に基づいて、前記子供の状態がリラックス状態にあるかストレス状態にあるかを判定する第1判定処理と、前記保護者の心拍の測定結果に基づいて、前記保護者の状態がリラックス状態にあるかストレス状態にあるかを判定する第2判定処理と、を前記コンピュータに実行させ、前記第1表示処理は、前記子供の状態と、前記保護者の状態とに応じた前記第1メッセージを、前記画面に表示させること、が望ましい。
【0012】
このようなプログラムによれば、子供と保護者のそれぞれの状態が確実に反映された第1メッセージを画面に表示させることができる。
【0013】
かかるプログラムであって、前記第1表示処理は、前記子供がストレス状態にあると判定され、前記保護者がリラックス状態にあると判定された場合、前記保護者に対し、前記子供をリラックスさせるための行動を促す前記第1メッセージを、前記画面に表示させること、が望ましい。
【0014】
このようなプログラムによれば、保護者は、子供のストレスを軽減することが可能となる。
【0015】
かかるプログラムであって、前記第1表示処理は、前記子供及び前記保護者がリラックス状態にあると判定された場合、前記保護者に対し、前記保護者及び前記子供の活動を促す前記第1メッセージを、前記画面に表示させること、が望ましい。
【0016】
このようなプログラムによれば、保護者及び子供の交流頻度が増え、より充実した子育てが可能となる。
【0017】
かかるプログラムであって、前記第1表示処理は、前記子供がリラックス状態にあると判定され、前記保護者がストレス状態にあると判定された場合、前記保護者に対し、前記保護者をリラックスさせるための行動を促す前記第1メッセージを、前記画面に表示させること、が望ましい。
【0018】
このようなプログラムによれば、ストレスを受けている保護者に対し、客観的なストレス軽減方法を提供できる。
【0019】
かかるプログラムであって、前記第1表示処理は、前記子供及び前記保護者がストレス状態にあると判定された場合、前記保護者に対し、前記保護者及び前記子供をリラックスさせるための行動を促す前記第1メッセージを、前記画面に表示させること、が望ましい。
【0020】
このようなプログラムによれば、保護者に適切な行動をとることを促すことができるため、効果的にストレスを軽減できる。
【0021】
かかるプログラムであって、前記コンピュータは、心拍が測定される際に測定対象者の動きに応じた信号を出力する加速度計を含み、前記第1判定処理は、前記加速度計から出力される前記子供の動きに応じた信号と、前記子供の心拍の測定結果と、に基づいて、前記子供の状態を判定し、前記第2判定処理は、前記加速度計から出力される前記保護者の動きに応じた信号と、前記保護者の心拍の測定結果と、に基づいて、前記保護者の状態を判定すること、が望ましい。
【0022】
このようなプログラムによれば、子供及び保護者の状態を、高精度で判定できる。
【0023】
かかるプログラムであって、前記子供の生後からの期間を示す期間情報を入力するための入力画面を、前記画面に表示させる入力画面表示処理と、入力された前記期間情報を受け付ける期間情報受付処理と、を前記コンピュータに実行させ、前記第1判定処理は、前記期間情報と、前記子供の心拍の測定結果とに基づいて、前記子供の状態を判定すること、が望ましい。
【0024】
このようなプログラムによれば、心拍数が月齢(生後からの期間)に応じて低下する子供の状態も正確に把握できる。
【0025】
かかるプログラムであって、前記第1判定処理は、前記期間情報と、前記子供の心拍の測定結果と、前記子供の心拍の過去の測定結果を示す履歴情報と、に基づいて、前記子供の状態を判定すること、が望ましい。
【0026】
このようなプログラムによれば、子供の特性を考慮して状態が判定されるため、判定精度が向上する。
【0027】
かかるプログラムであって、前記子供の心拍の測定の際に、前記保護者に対し、子育てに関する第2メッセージを前記画面に表示させる第2表示処理を、前記コンピュータに実行させること、が望ましい。
【0028】
このようなプログラムによれば、保護者は、適切なタイミングで子育て情報を取得できるため、子育てに関する知見を増やすことができる。
【0029】
かかるプログラムであって、前記子供及び前記保護者のうち一方の心拍が測定された後、他方の心拍の測定を促す第3メッセージを、前記画面に表示させる第3表示処理を、前記コンピュータに実行させること、が望ましい。
【0030】
このようなプログラムによれば、保護者に対し、確実に子供と保護者の心拍を測定させることが可能となる。
【0031】
かかるプログラムであって、前記子供の心拍を測定させる際には、前記子供の手のひら部分を用いて前記子供の心拍の測定させることを促す第4メッセージを、前記画面に表示させる第4表示処理を、前記コンピュータに実行させること、が望ましい。
【0032】
このようなプログラムによれば、子供の心拍の測定精度を向上させることが可能となる。
【0033】
かかるプログラムであって、請求項1から12の何れか1項に記載のプログラムであって、
前記子供または前記保護者の何れか一方の心拍の測定がされた測定時刻に応じた所定の時間帯において、少なくとも前記一方の心拍の測定を促す第5メッセージを、前記画面に表示させる第5表示処理を、前記コンピュータに実行させること、が望ましい。
【0034】
このようなプログラムによれば、所定の時間帯における心拍、状態の長期間にわたる変化を把握することができ、経過観察が容易となる。
【0035】
かかるプログラムであって、前記コンピュータに、前記第1メッセージが前記画面に表示された後、前記保護者が、前記第1メッセージの内容を実施したか否かを示す実施情報の入力を促す第6メッセージを、前記画面に表示させる第6表示処理と、入力された前記実施情報を受け付ける実施情報受付処理と、受け付けられた前記実施情報に基づいて、前記第1メッセージの内容が実施されたか否かを判定する第3判定処理と、前記第1メッセージの内容が実施されたと判定された後の前記子供または前記保護者の何れか一方の心拍の測定結果と、前記第1メッセージが表示させる際の前記一方の心拍の測定結果と、の比較結果に基づく情報を、前記画面に表示させる第7表示処理と、を実行させること、が望ましい。
【0036】
このような方法によれば、保護者は、第1メッセ―ジの内容を実施することの効果を把握することができる。
【0037】
かかるプログラムであって、前記第1表示処理は、前記子供の心拍の測定結果と、前記保護者の心拍の測定結果と、時刻と、に基づいて、前記保護者に対する第1メッセージを、画面に表示させること、が望ましい。
【0038】
このようなコンピュータシステムによれば、時刻に適した第1メッセージが表示されるため、保護者は、ストレス軽減に最適な行動をとることが可能となる。
【0039】
心拍を測定可能な測定装置を含むコンピュータが、子供の心拍と、前記子供の保護者の心拍とを、前記測定装置を用いて測定する測定ステップと、前記子供の心拍の測定結果と、前記保護者の心拍の測定結果とに基づいて、前記コンピュータが、前記保護者に対する第1メッセージを、画面に表示する第1表示ステップと、を含むことを特徴とする保護者支援方法である。
【0040】
このような方法によれば、子育て中の保護者は、ストレスの原因を適切に把握し、対処することができる。
【0041】
心拍を測定可能な測定装置を含むコンピュータシステムであって、子供の心拍と、前記子供の保護者の心拍とを、前記測定装置を用いて測定する測定部と、前記子供の心拍の測定結果と、前記保護者の心拍の測定結果とに基づいて、前記保護者に対する第1メッセージを、画面に表示する第1表示処理部と、を含むことを特徴とするコンピュータシステムである。
【0042】
このようなコンピュータシステムによれば、子育て中の保護者は、ストレスの原因を適切に把握し、対処することができる。
【0043】
===本実施形態===
図1は、端末10の機能上の構成を示すブロック図である。端末10は、端末10の利用者(以下、単に「利用者」という。)の操作結果に応じて、利用者のストレスを軽減するためのアドバイス等を画面(後述)に表示させる。
【0044】
端末10(コンピュータ)は、例えばスマートフォンであり、記憶部20、制御部21、入力部22、画面23、カメラ24、加速度計25、計時部26、及び通信部27を有している。
【0045】
記憶部20は、端末10のプロセッサ(不図示)が実行するプログラム40や、閾値データ41a,41b、履歴データ42a,42b、及びメッセージデータ43を記憶する。プログラム40は、利用者のストレスの緩和を支援するために用いられるプログラムである。
【0046】
閾値データ41aは、乳幼児(子供)がリラックス状態にあるかストレス状態にあるかを判定する際に用いられる閾値Taを示すデータであり、閾値データ41bは、乳幼児の保護者がリラックス状態にあるかストレス状態にあるかを判定する際に用いられる閾値Tbを示すデータである。なお、閾値データ41a,41bの詳細は後述する。
【0047】
履歴データ42aは、過去に測定された乳幼児の心拍数に関するデータと、測定時刻に関するデータであり、履歴データ42bは、過去に測定された保護者の心拍数に関するデータと、測定時刻に関するデータである。なお、測定時刻に関するデータには、心拍数の測定が開始された際の時刻(「測定時刻」)と、測定時刻が属する1時間毎の時間帯(「測定時間帯」)と、の情報が含まれる。例えば、「測定時刻」が8時15分である場合、「測定時間帯」は、8時~9時の間であるため「8」となる。また、本実施形態では、乳幼児及び保護者の心拍数が測定される毎に、履歴データ42a,42bは更新される。
【0048】
メッセージデータ43は、乳幼児及び保護者の夫々の状態と、心拍が測定された際の時刻と、に応じたメッセージを示すデータである。
図2は、メッセージデータ43を説明するための図である。メッセージデータ43は、「乳幼児の状態(リラックスまたはストレス)」、「保護者の状態(リラックスまたはストレス)」、及び「時間帯(朝、昼、夜)」の3つの要素に応じたデータを含む。ここで、「朝」は、例えば6時~11時の時間帯であり、「昼」は、11時~18時の時間帯であり、「夜」は、18時~6時までの時間帯である。
【0049】
例えば、乳幼児及び保護者が「リラックス状態」であり、測定された時間が「昼」である場合、メッセージデータ43として、乳幼児及び保護者の活動を促す『親子でリズム体操をして下さい。』を示すデータが選択される。
【0050】
また、乳幼児が「ストレス状態」であり、保護者が「リラックス状態」であり、測定された時間が「昼」である場合、メッセージデータ43として、乳幼児をリラックスさせるための行動を促す『抱っこして、おむつ替えソングを歌って下さい。』を示すデータが選択される。
【0051】
また、乳幼児が「リラックス状態」であり、保護者が「ストレス状態」であり、測定された時間が「昼」である場合、メッセージデータ43として、保護者をリラックスさせるための行動を促す『ハーブティーを飲みながら、音楽を聴いて下さい。』を示すデータが選択される。
【0052】
また、乳幼児及び保護者が「ストレス状態」であり、測定された時間が「昼」である場合、メッセージデータ43として、乳幼児及び保護者をリラックスさせるための行動を促す『一緒にお昼寝して下さい。ファミリーサポート(カウンセリング)も効果があります。』を示すデータが選択される。
【0053】
制御部21は、端末10に設けられたプロセッサ(不図示)が、プログラム40を実行することにより、端末10に実現される機能ブロックである。制御部21は、端末10を統括制御するとともに、各種処理を実行するブロックを複数含む。なお、制御部21に実現される機能ブロックについての詳細は後述する。
【0054】
入力部22には、端末10の利用者の操作結果が入力される。入力部22は、端末10のタッチパネルである画面23のタップ操作により実現される。画面23は、制御部21からの指令や利用者の操作結果に基づいて、利用者へのアドバイスや各種情報を表示する。
【0055】
カメラ24(測定装置)は、発行ダイオード(不図示)から光が、指や手の平等の部位に照射された際、血流からの反射光を測定する。つまり、本実施形態のカメラ24は、一般的な写真や動画を撮影する装置以外に、光学式の心拍(脈拍)測定装置として動作する。
【0056】
加速度計25は、端末10にかけられる力に応じた加速度を計測し、計時部26は、時刻を計時する。通信部27は、端末10と、他の端末やサーバ(不図示)との間で情報のやり取りを行う。
【0057】
==制御部21に実現される機能ブロック==
制御部21は、測定処理部50、状態判定処理部51a,51b、メッセージ表示処理部52、及び実施確認処理部53を含む。
【0058】
測定処理部50は、測定対象者の心拍数や端末10の加速度を測定するブロックであり、
図3に示すように、表示処理部100、受付処理部101、加速度測定処理部102、心拍測定処理部103、及び計算処理部104を含む。
【0059】
表示処理部100は、所定の条件で、心拍の測定を促すメッセージや乳幼児の月齢を入力させる画像を、画面23に表示させる。また、表示処理部100は、測定された心拍の波形等を画面23に表示させる。
【0060】
受付処理部101は、入力された乳幼児の月齢を受け付ける。加速度測定処理部102は、加速度計25からの出力に基づいて、端末10の加速度を測定する。
【0061】
心拍測定処理部103は、カメラ24から出力される信号を処理し、測定対象者の心拍数を測定する。
【0062】
計算処理部104は、測定対象者に疲労がたまっているか否かを示す「自律神経のパワー」を計算する。具体的には、計算処理部104は、測定された心拍の間隔(R-R間隔)の周波数解析を実行し、低周波成分(0.04~0.15Hz)のスペクトル密度と、高周波成分(0.15~0.4Hz)のスペクトル密度との和を、「自律神経のパワー」とする。なお、一般に「自律神経のパワー」の値が高い程、測定対象者の疲労は少ない。
【0063】
状態判定処理部51aは、乳幼児がリラックス状態にあるかストレス状態にあるかを判定するブロックであり、
図4に示すように、閾値処理部120a、判定処理部121a、及び表示処理部122aを含む。
【0064】
閾値処理部120aは、乳幼児の状態を判定する際に用いられる閾値Taを定める。具体的には、閾値処理部120aは、月齢に応じて変化する閾値データ41a、履歴データ42a、端末10の加速度、及び乳幼児の月齢に基づいて、閾値Taを定める。なお、閾値処理部120aが実行する処理の詳細は後述する。
【0065】
判定処理部121aは、測定された心拍数と、閾値Taとを比較し、乳幼児の状態を判定する。具体的には、判定処理部121aは、測定された心拍数が、閾値Taより高い場合、乳幼児はストレス状態にあると判定し、測定された心拍数が、閾値Taより低い場合、乳幼児はリラックス状態にあると判定する。
【0066】
表示処理部122aは、判定処理部121aの判定結果に基づいた画像を、画面23に表示させる。
【0067】
状態判定処理部51bは、保護者がリラックス状態にあるかストレス状態にあるかを判定するブロックであり、
図4に示すように、閾値処理部120b、判定処理部121b、及び表示処理部122bを含む。
【0068】
閾値処理部120bは、保護者の状態を判定する際に用いられる閾値Tbを定める。閾値処理部120bは、所定の閾値データ41b、履歴データ42b、端末10の加速度に基づいて、閾値Tbを定める。なお、閾値処理部120bが実行する処理の詳細は後述する。
【0069】
判定処理部121bは、測定された心拍数と、閾値Tbとを比較し、保護者の状態を判定する。具体的には、判定処理部121aは、測定された心拍数が、閾値Tbより高い場合、保護者はストレス状態にあると判定し、測定された心拍数が、閾値Tbより低い場合、保護者はリラックス状態にあると判定する。
【0070】
表示処理部122bは、判定処理部121bの判定結果に基づいた画像を、画面23に表示させる。
【0071】
メッセージ表示処理部52は、メッセージデータ43から、乳幼児及び保護者の夫々の状態と、時刻とに応じたデータを選択し、保護者に対するメッセージとして画面23に表示させる。
【0072】
実施確認処理部53は、保護者が、画面23に表示されたアドバイスを実施したか否かを判定し、各種処理を行う。
【0073】
<<<保護者支援方法>>>
図5は、端末10で実行される保護者支援処理を示すフローチャートである。なお、ここでは、保護者支援処理の全体の流れを説明し、
図5の各ステップの詳細は後述する。また、プログラム40は、端末10の操作結果により、起動されていることとする。
【0074】
まず、画面23に表示されたメイン画面(後述)を、利用者が操作すると、測定処理部50は、乳幼児の心拍を測定する処理を実行する(S1)。そして、乳幼児の心拍の測定が終了すると、状態判定処理部51aは、乳幼児の状態を判定する処理を実行する(S2)。
【0075】
乳幼児の状態が判定されると、測定処理部50は、保護者の心拍を測定する処理を実行する(S3)。また、状態判定処理部51bは、保護者の状態を判定する処理を実行する(S4)。メッセージ表示処理部52は、得られた判定結果及び時刻に基づいて、保護者に対するメッセージ(後述)を画面23に表示させる(S5)。実施確認処理部53は、画面23に表示されたアドバイスを実施したか否かを判定し、実施されたアドバイスの効果を画面23に表示させる(S6)。
【0076】
<<乳幼児の心拍測定処理(S1:測定処理)>>
図6は、乳幼児の心拍測定処理を示すフローチャートであり、
図7は、乳幼児の心拍が測定される前に表示される画面70であり、
図8は、乳幼児の心拍の測定中に表示される画面71である。なお、ここで乳幼児は、「さくら」という名前の女の子(生後12カ月)であり、保護者は、さくらちゃんの母親(「ゆきこ」)であることとする。
【0077】
まず、保護者がメイン画面(不図示)を操作し、プログラム40を起動する。表示処理部100は、履歴データ42aに基づいて、現在の時刻が、過去に心拍が測定された「測定時間帯(所定の時間帯)」に含まれるか否かを判定する(S10)。そして、現在の時刻が、「測定時間帯」に含まれると(S10:Yes)、画面70を、端末10の画面23に表示させる。具体的には、表示処理部100は、乳幼児の心拍数の測定を促す画像200を画面23に表示させる(S11:第5表示処理)。ここで、画像200は、『さくらちゃんを測定してみてね』とのメッセージ(第5メッセージ)である。このようなメッセージに基づいて、保護者は、過去の測定時間帯と同じ時間帯に乳幼児の心拍測定を実行できるため、乳幼児の心拍変動及び状態の経過観察が容易となる。
【0078】
表示処理部100は、乳幼児の月齢情報(期間情報)の入力を促す画像201(入力画像)と、月齢情報を受け付けるための画像202を、画面23に表示させる(S12:入力画像表示処理)。なお、画像201は、『さくらちゃんの月齢を入力してね』とのメッセージであり、画像202は、『〇〇ヶ月』との表示である。保護者が、画面23をタップして、さくらちゃんの月齢(12カ月)を入力すると、受付処理部101は、入力された月齢情報を受け付ける(S13:期間情報受付処理)。そして、表示処理部100は、乳幼児の手のひら部分を用いて心拍数を測定させることを促す画像203と、測定を開始させるためのスタートアイコン204とを、画面23に表示させる(S14:第4表示処理)。なお、画像203は、『さくらちゃんの手のひらで測定してね』とのメッセージ(第4メッセージ)である。一般に、保護者は、乳幼児の指をカメラ24のレンズ(不図示)に向けて、心拍を測定させることも可能である。しかしながら、乳幼児の指は細いため、心拍の測定精度が悪くなることがある。一方、乳幼児であっても手のひらの面積は大きいため、より精度良く心拍の測定が可能となる。
【0079】
保護者が、さくらちゃんの手のひらを、カメラ24のレンズ(不図示)にあてた後、画面23に表示されたスタートアイコン204をタップすると、加速度測定処理部102は、加速度計25からの信号に基づいて、さくらちゃんの動きに応じた加速度を測定する(S15)。また、心拍測定処理部103は、手のひらからの反射光に基づいて、乳幼児の心拍を測定する(S16)。さらに、計算処理部は、処理S16において測定された心拍から、「自律神経のパワー」を計算する(S17)。
【0080】
表示処理部100は、乳幼児の心拍の測定中に表示される画面71を、画面23に表示する(S18:第2表示処理)。画面71は、さくらちゃんの心拍数を示す画像210、心拍の波形を示す画像211、「自律神経のパワー」のレベル(低~高)を示す画像212、及び保護者への子育てに関するメッセージ(第2メッセージ)を示す画像213を含む。ここで、表示処理部100は、測定された日の翌日の天気予報の情報を、インターネット(不図示)を介して取得し、画像213を生成する。このため、画像213は、『ママ、今日もありがとう。明日は晴れそうだから、お出かけしない?』と、翌日の天気に応じた子育てに関するメッセージを含むことになる。このような、メッセージが表示されることにより、保護者は乳幼児との繋がりをより強く感じるとともに、効果的な子育が可能となる。なお、表示処理部100は、外出に関するメッセージを表示したが、これに限られず、子育てに関するメッセージであれば良い。例えば、表示処理部100は、月齢情報に基づいて、『さくらちゃんはもうすぐ〇〇ヶ月検診ですよ!』とのメッセージを表示しても良い。
【0081】
そして、心拍測定処理部103は、乳幼児の心拍の測定が終了したか否かを判定し(S19)、測定が終了していないと判定した場合は(S19:No)、処理S15を実行させる。一方、心拍測定処理部103は、測定が終了したと判定した場合は(S19:Yes)、測定結果である乳幼児の心拍数を、計時部26で計時された時刻とともに、記憶部20に格納する(S20)。この結果、記憶部20の履歴データ42a(心拍数、「測定時刻」、「測定時間帯」)は、更新されることになる。
【0082】
<<乳幼児の状態判定処理(S2:第1判定処理)>>
図9は、乳幼児の状態判定処理を示すフローチャートであり、
図10は、閾値Taを説明するための図であり、
図11は、乳幼児の心拍の測定結果等を示す画面72である。
【0083】
まず、閾値処理部120aは、記憶部20に記憶された閾値データ41aを取得する(S30)。ここで、閾値データ41aは、平均的な乳幼児における月齢と、心拍数との関係を示すデータであり、例えば、
図10の一点鎖線300(閾値Ta)として表される。一点鎖線300で示されているように、一般に、乳幼児の心拍数は、成長するに従って低下する。
【0084】
また、閾値処理部120aは、履歴データ42a(履歴情報)と、処理S15で測定された加速度とを取得し、閾値Taを調整する(S31)。上述のように、一点鎖線300で示す閾値Taは、平均的な乳幼児における月齢と、心拍数との関係である。このため、例えば、さくらちゃんの過去の心拍数の平均値が、平均的な乳幼児の心拍数より高いと、閾値Taを高くする必要がある。一方、さくらちゃんの心拍数の平均値が、平均的な乳幼児の心拍数より低いと、閾値Taを低くする必要がある。また、例えば、さくらちゃんの心拍が測定される前に、さくらちゃんが良く動いていた場合(加速度が大きい場合)、通常より高い心拍数が測定されるため、閾値Taを高くする必要がある。本実施形態の閾値処理部120aは、さくらちゃんの過去の心拍数の測定結果を示す履歴データ42aと、加速度を参照することにより、適切な閾値Taを求める。
【0085】
ここで、さくらちゃんの心拍数の平均値は高く、さくらちゃんの心拍が測定された際、加速度が大きいとすると、閾値処理部120aは、履歴データ42aと、加速度に基づいて、閾値Taを上昇させる。この結果、閾値Taは、一点鎖線300から、実線301へと変更される。
【0086】
つぎに、判定処理部121aは、測定された「心拍数X」と、月齢に対する閾値Taの「心拍数Y」とを比較する(S32)。なお、「心拍数Y」は、さくらちゃんの月齢である「12カ月」の閾値Taの応じた心拍数である。「心拍数X」が「心拍数Y」より高い場合(S32:Yes)、判定処理部121aは、乳幼児がストレス状態にあると判定する(S33)。一方、「心拍数X」が「心拍数Y」より低い場合(S32:No)、判定処理部121aは、乳幼児がリラックス状態にあると判定する(S34)。なお、本実施形態では、さくらちゃんの「心拍数X」は、「心拍数Y」より高いため、さくらちゃんの状態は、「ストレス状態」であると判定される。
【0087】
表示処理部122aは、
図11に示すように、判定処理部121aの判定結果に基づいた画面72を、画面23に表示させる(S35)。ここで、画面72は、さくらちゃんの心拍数の変化を示す画像220、「自律神経のパワー」の変化を示す画像221、及び保護者へのメッセージを示す画像222を含む。ここで、画像222は、さくらちゃんの状態に関するメッセージであり、『さくらちゃんはストレスを感じているようです。』と表している。このようなメッセージが表示されるため、保護者は、乳幼児の状態を適切に把握することができる。
【0088】
<<保護者の心拍測定処理(S3:測定処理)>>
図12は、保護者の心拍測定処理を示すフローチャートであり、
図13は、保護者の心拍が測定される前に表示される画面73であり、
図14は、保護者の心拍の測定中に表示される画面74である。
【0089】
まず、表示処理部100は、画面73を、端末10の画面23に表示させる(S40:第3表示処理)。具体的には、表示処理部100は、保護者の心拍数の測定を促す画像230と、キャラクターの画像231と、測定を開始させるためのスタートアイコン232を含む画面73を、画面23に表示させる。なお、画像230は、『さくらちゃんの測定は終わったよ ママも測定してみてね』とのメッセージ(第3メッセージ)である。
【0090】
保護者が、自身の手の指を、カメラ24のレンズ(不図示)にあてた後、画面23に表示されたスタートアイコン232をタップすると、加速度測定処理部102は、端末10の加速度を測定する(S41)。また、心拍測定処理部103は、指からの反射光に基づいて、保護者の心拍を測定する(S42)。さらに、計算処理部は、測定された心拍から「自律神経のパワー」を計算する(S43)。
【0091】
表示処理部100は、保護者の心拍の測定中に表示される画面74を、画面23に表示する(S44)。画面74は、保護者であるゆきこさんの心拍数を示す画像240、心拍の波形を示す画像241、「自律神経のパワー」のレベル(低~高)を示す画像242、及び保護者へのメッセージを示す画像243を含む。画像243は、『ゆきこさん、今日もいっぱい頑張ったね』と、保護者を励ますメッセージを含む。このようなメッセージは、子育てによるストレスの軽減に有効である。
【0092】
心拍測定処理部103は、保護者の心拍の測定が終了したか否かを判定し(S45)、測定が終了していないと判定した場合は(S45:No)、処理S41を実行させる。一方、心拍測定処理部103は、測定が終了したと判定した場合は(S45:Yes)、測定結果である保護者の心拍数を、計時部26で計時された時刻とともに、記憶部20に格納する(S46)。この結果、記憶部20の履歴データ42b(心拍数、「測定時刻」、「測定時間帯」)は、更新されることになる。なお、処理S41~S46は、前述した処理S15~S20と同様である。
【0093】
<<保護者の状態判定処理(S4:第2判定処理)>>
図15は、保護者の状態判定処理を示すフローチャートであり、
図16は、保護者の心拍の測定結果等を示す画面75であり、
図17は、乳幼児及び保護者の状態等を示す画面76である。
【0094】
まず、閾値処理部120bは、記憶部20に記憶された閾値データ41bを取得する(S50)。ここで、閾値データ41bは、平均的な成人の心拍数(以下、「平均成人心拍数」とする。)を示し、所定の値(閾値Tb)のデータである。また、閾値処理部120bは、履歴データ42bと、処理S41で測定された加速度とを取得し、閾値Tbを調整する(S51)。
【0095】
例えば、ゆきこさんの心拍数の平均値が「平均成人心拍数」より高いと、閾値Tbを高くする必要があり、ゆきこさんの心拍数の平均値が「平均成人心拍数」より低いと、閾値Tbを低くする必要がある。また、例えば、ゆきこさんの心拍が測定される前に、ゆきこさんが運動していた場合(加速度が大きい場合)、通常より高い心拍数が測定されるため、閾値Tbを高くする必要がある。このように、閾値処理部120bは、ゆきこさんの過去の心拍数の測定結果を示す履歴データ42bと、加速度を参照することにより、適切な閾値Tbを求める。ここで、ゆきこさんの通常の心拍は低い傾向があり、ゆきこさんの心拍が測定された際、加速度がほぼゼロであると、閾値処理部120bは、閾値Tbを低下させる。
【0096】
つぎに、判定処理部121bは、測定された「心拍数P」と、調整された閾値Tbに対応する「心拍数Q」とを比較する(S52)。判定処理部121bは、「心拍数P」が「心拍数Q」より高い場合(S52:Yes)、保護者はストレス状態にあると判定する(S53)。一方、判定処理部121bは、「心拍数P」が「心拍数Q」より低い場合(S52:No)、保護者はリラックス状態にあると判定する(S54)。なお、本実施形態では、ゆきこさんの「心拍数P」は、「心拍数Q」より低いため、ゆきこさんの状態は、「リラックス状態」であると判定される。
【0097】
表示処理部122bは、
図16に示すように、測定結果や判定結果を示す画面75を、画面23に表示させる(S55)。ここで、画面75は、保護者のリラックス度合いを示す画像250、「自律神経のパワー」の変化を示す画像251、及び保護者へのメッセージを示す画像222を含む。
【0098】
ここで、画像250は、「心拍数P」と「心拍数Q」との差に応じて、リラックス度合い(ストレス度合い)が表示される。具体的には、「心拍数P」が「心拍数Q」より小さくなるにつれて、リラックス度合いが高くなり、「心拍数P」が「心拍数Q」より高くなるにつれて、ストレス度合いが高くなる。また、画像252は、ゆきこさんの状態に関するメッセージであり、『ゆきこさんはリラックスしているようです』を表している。このようなメッセージが表示されるため、保護者は、自身の状態を適切に把握することができる。
【0099】
また、保護者が、所定の操作を行うと、表示処理部122bは、
図17に示すように、乳幼児及び保護者の状態等を示す画面76を、画面23に表示させる(S55)。画面76は、さくらちゃんの心拍数を示す画像260、さくらちゃんの状態を示す画像261、ゆきこママ(ゆきこさん)の心拍数を示す画像262、及びゆきこママの状態を示す画像263を含む。このため、保護者は、乳幼児及び保護者の両方の状態を適切に把握することができる。
【0100】
<<メッセージ表示処理(S5)>>
図18は、メッセージ表示処理を示すフローチャートであり、
図19は、保護者に対するメッセージを含む画面77である。
【0101】
まず、メッセージ表示処理部52は、計時部26が計時する現在の時刻を示す「時刻情報」を取得する(S60)。そして、メッセージ表示処理部52は、上述した「乳幼児の状態判定処理」の結果に基づいて、乳幼児の状態を判定する(S61)。メッセージ表示処理部52は、乳幼児がストレス状態にある場合(S61:ストレス)、保護者の状態を判定する(S62)。
【0102】
<乳幼児:ストレス、保護者:ストレス>
保護者がストレス状態にある場合(S62:ストレス)、メッセージ表示処理部52は、保護者及び乳幼児をリラックスさせるための行動を促すメッセージを、画面23に表示させる(S63:第1表示処理)。なお、処理S63において、メッセージ表示処理部52は、現在の時刻が、
図2で説明した「朝」、「昼」、「夜」の何れに該当するかを判定し、対応するメッセージを表示する。例えば、現在の時刻が「朝」の時間帯に含まれる場合、処理S63では、
図2に示す『支援サービスは効果があります。お散歩も一緒に行こうね!』とのメッセージ(第1メッセージ)が表示される。一般に、ストレスを受けている状態において、保護者は、ストレスを軽減するために、どのような行動をとれば良いか分からなくなることがある。本実施形態では、このような状態において、保護者に対し、適切な行動をとることを促すことができるため、保護者は、効果的にストレスを軽減することができる。
【0103】
<乳幼児:ストレス、保護者:リラックス>
一方、保護者がリラックス状態にある場合(S62:リラックス)、メッセージ表示処理部52は、乳幼児をリラックスさせるための行動を促すメッセージを、画面23に表示させる(S64:第1表示処理)。例えば、現在の時刻が「朝」の時間帯に含まれる場合、処理S64では、『語りかけ、読み聞かせ、抱っこしてね!』とのメッセージ(第1メッセージ)が表示される。したがって、保護者は、メッセージに基づいた行動をとることで、乳幼児のストレスを減らすことが可能となる。また、これにより、保護者が乳幼児から受けるストレス(育児ストレス)も小さくすることができる。
【0104】
<乳幼児:リラックス、保護者:ストレス>
また、メッセージ表示処理部52は、処理S61において、乳幼児がリラックス状態にある場合(S61:リラックス)、保護者の状態を判定する(S65)。保護者がストレス状態にある場合(S65:ストレス)、メッセージ表示処理部52は、保護者をリラックスさせるための行動を促すメッセージを、画面23に表示させる(S66:第1表示処理)。例えば、現在の時刻が「朝」の時間帯に含まれる場合、処理S66では、『深呼吸してね! ファミリーサポートも利用してね!』とのメッセージ(第1メッセージ)が表示される。したがって、保護者は、自己のストレスを低減するために適切な行動をとることができる。
【0105】
<乳幼児:リラックス、保護者:リラックス>
一方、保護者がリラックス状態にある場合(S65:リラックス)、メッセージ表示処理部52は、保護者及び乳幼児の活動を促すメッセージを、画面23に表示させる(S67:第1表示処理)。例えば、現在の時刻が「朝」の時間帯に含まれる場合、処理S67では、『おでかけしようね!』とのメッセージ(第1メッセージ)が表示される。したがって、保護者及び乳幼児は、リラックスした状態で交流することができるため、保護者は乳幼児との絆を深めることができる。なお、
図18においては便宜上省略したが、メッセージ表示処理部52は、処理S63~S67において、メッセージを示す画像に加え、キャラクター等の画像を、画面23に表示させる。
【0106】
<さくらちゃん:ストレス、ゆきこさん:リラックス>
ここで、本実施形態では、例えば、さくらちゃんはストレス状態にあり、ゆきこさんはリラックス状態にある。また、メッセージ表示処理が実施された際の現在の時刻は、19時であるため、「夜」の時間帯である。したがって、メッセージ表示処理部52は、処理S64に基づいて、
図19に示すように、メッセージを示す画像270,272と、キャラクターの画像271を含む画面77を、画面23に表示させる。ここで、画像270は、『入浴後ベビーマッサージをしてね!』とのメッセージ(第1メッセージ)である。また、画像272は、ベビーマッサージの関連動画を画面23で再生させるためのアイコンであり、『ベビーマッサージの紹介動画をみる』とのメッセージを含む。例えば、利用者が画像272をタップすると、ベビーマッサージの方法を紹介する動画が画面23に再生される。また、この際、ベビーマッサージに関する情報(アドバイス)が画面23に表示されることとしても良い。このような画面77が表示されるため、ゆきこさんは、アドバイスに従いさくらちゃんお風呂に入れ、マッサージをスムーズに施すことができるため、さくらちゃんのストレスを効果的に軽減できる。
【0107】
<<実施確認処理(S6)>>
図20は、メッセージの内容が実施されたかを確認するためのフローチャートであり、
図21は、メッセージの内容が実施されたかを確認するための画面78である。また、
図22は、メッセージの内容が実施された際に表示される画面79である。
【0108】
まず、実施確認処理部53は、メッセージの内容が実施されたかを確認するための画面78を、画面23に表示させる(S70:第6表示処理)。画面78は、メッセージの内容の実施の有無に関する質問を示す画像280と、質問結果を受け付けるための画像281とを含む。なお、画像280は、『入浴後ベビーマッサージをしましたか?』とのメッセージ(第6メッセージ)であり、画像281は、『はい いいえ』との選択肢が表されている。
【0109】
保護者が、画面23をタップして、メッセージの内容を実施したか否かを入力すると、実施確認処理部53は、実施したか否かを示す情報(実施情報)を受け付ける(S71:実施情報受付処理)。そして、実施確認処理部53は、受け付けた情報に基づいて、メッセージの内容が実施されたか否かを判定する(S72:第3判定処理)。実施確認処理部53は、メッセージ内容が実施されていないと判定すると(S72:No)、処理を終了する。一方、実施確認処理部53は、メッセージ内容が実施された判定すると(S72:Yes)、心拍を測定する対象者を判定する(S73)。
【0110】
ここで、実施確認処理部53は、上述した乳幼児の状態判定処理(S2)での判定結果と、保護者の状態判定処理(S4)での判定結果、に基づいて、対象者を判定する。具体的には、実施確認処理部53は、乳幼児及び保護者の何れか一方がストレス状態にある場合、ストレス状態にある方を対象者とする。また、乳幼児及び保護者の状態が同じである場合、実施確認処理部53は、例えば、よりストレス度合いが高い者(閾値と心拍数との差がより大きい者)を対象者とする。なお、本実施形態では、さくらちゃんがストレス状態にあり、ゆきこさんはリラックス状態にあるため、さくらちゃんが測定対象となる。
【0111】
測定対象者が乳幼児の場合(S73:乳幼児)乳幼児の心拍測定処理(S74)と、乳幼児の状態判定処理(S75)が実行される。測定対象者が保護者の場合(S73:保護者)、保護者の心拍測定処理(S76)と、保護者の状態判定処理(S77)が実行される。なお、処理S74,S75のそれぞれは、上述した処理S1,S2と同様であり、処理S76,S77のそれぞれは、上述した処理S3,S4と同様である。このため、ここでは、処理S74~S77の詳細な説明は省略する。
【0112】
そして、乳幼児の状態判定処理(S75)または保護者の状態判定処理(S77)が実行されると、実施確認処理部53は、今回の処理で得られた結果と、前回の処理の結果とを比較し、比較結果とメッセージを含む画面79を、画面23に表示させる(S78:第7表示処理)。具体的には、乳幼児に関する処理S74,S75が実行された場合、実施確認処理部53は、処理S74,S75の結果(今回の結果)と、前回の処理S1,S2の結果(前回の結果)とを比較する。一方、保護者に関する処理S76,S77が実行された場合、実施確認処理部53は、処理S76,S77の結果(今回の結果)と、前回の処理S3,S4の結果(前回の結果)とを比較する。
【0113】
本実施形態では、
図19の画像270のメッセージ『入浴後ベビーマッサージをしてね!』に基づいて、ゆきこさんが、さくらちゃんをお風呂に入れた後、ベビーマッサージを行ったこととする。このような場合、実施確認処理部53は、さくらちゃんの心拍の比較結果及び状態を示す画像290と、さくらちゃんからのメッセージを示す画像291を含む画面79を表示させる。なお、画像290は、『さくらちゃんの心拍が〇〇下がりました。リラックスしています。』とのメッセージであり、画像291は、『ママありがとう! ベビーマッサージでリラックスできたよ!』とのメッセージである。このようなメッセ―ジが表示されるため、保護者は、メッセージ内容を実施することの効果を実感できる。また、効果が実感できることから、保護者は、心拍測定を長期間にわたって続け易くなるため、特に乳幼児の経過観察(長期間にわたる心拍の変化の把握等)が容易となる。
【0114】
==交換神経、副交感神経による判定==
本実施形態では、心拍数と閾値とを比較することにより、測定者の状態を判定したが、例えば、心拍数の周波数解析から得られる、「交換神経」のレベル及び「副交感神経」のレベルを用いても良い。
【0115】
具体的には、測定者の心拍数から、交換神経と、副交感神経とを取得し、交換神経が副交感神経より高いと、「ストレス状態」と判定し、副交感神経が交換神経より高いと、「リラックス状態」と判定する。ただし、喜びが大きく、感情が高ぶっている場合(いわゆる、ウキウキしている状態)や、興奮している状態には、交換神経が副交感神経より高くなる。このため、「ストレス状態」と判定されても、必ずしも、「ストレス状態」でないこともある。
【0116】
一方、「副交感神経」が高く、「リラックス状態」と判定されても、測定者が単に疲れている場合もある。したがって、例えば、
図11に示す、画面72において、疲れている(ご機嫌が悪い)か、元気(ご機嫌が良い)であるかを示す「主観情報」を入力させ、受付させる画像A(アイコン等)を設けても良い。なお、「主観情報」は、保護者が、乳幼児の状況、または自身の状況から主観的に対象者の機嫌を判断して定められる情報である。
【0117】
このような場合、表示処理部122a,122bは、交換神経と、副交感神経と、「主観情報」とに基づいて、メッセージを表示させても良い。具体的には、乳幼児の交換真剣が副交感神経より高く、「主観情報」が「ご機嫌が良い」である場合、『機嫌が良く活発な状態ですね!少し遊んであげた後、ゆったり過ごすと良い睡眠につながるかもしれません。』とのメッセージを表示させる。このような「主観情報」が参照されることにより、ストレス低減に効果的なアドバスが提供可能となる。
【0118】
==月齢入力について==
本実施形態では、乳幼児の月齢を、乳幼児の心拍測定処理(S1)において、受け付けることとしたが、これに限られない。例えば、乳幼児の「プロフィール」を設定する際に、月齢を合わせて入力させても良い。具体的には、プログラム40が起動され、乳幼児の「プロフィール」を入力させる入力画面(不図示)が表示された際に、保護者は、乳幼児の「名前」、「月齢」、「身長」、「体重」等を入力しても良い。なお、入力画面(不図示)で入力された情報は、記憶部20に格納される。そして、入力画面(不図示)で入力され、記憶部20に記憶された「月齢」を示す情報から、例えば計算処理部104に、乳幼児の現在の「月齢」を計算させても良い。なお、計算処理部104が乳幼児の現在の「月齢」を計算すると、閾値処理部120aは、計算された「月齢」を用いて、閾値Taを定めることができる。したがって、このような場合であっても、本実施形態と同様に、精度良く乳幼児の状態を判定できる。
【0119】
なお、乳幼児の心拍測定処理(S1)の処理S12等のタイミングで、「身長」、「体重」を入力させることとしても良い。例えば、閾値Taが「月齢」のみならず、「身長」、「体重」により変化する場合、これらの情報を用いることにより、精度よく乳幼児の状態を判定できる。
【0120】
また、「プロフィール」を入力させる入力画面(不図示)では、乳幼児及び保護者の各種情報(名前、体型等)が入力されても良い。
【0121】
==「平均成人心拍数」について=
本実施形態では、閾値データ41bを、「平均成人心拍数」を示す所定の値(閾値Tb)であることとしたがこれに限られない。閾値データ41bの閾値を、例えば、「性別」、「年齢」、「体型(身長・体重)」に応じて変化させても良い。具体的には、前述の様々な項目(性別、年齢、体型)に基づいて定まる複数の閾値を、閾値データ41bとし、記憶部20に記憶させる。そして、閾値処理部120bは、予め記憶部20に記憶された、保護者の「性別」、「年齢」、「体型」の情報を参照し、閾値データ41bの中から、最適な閾値を取得しても良い。なお、保護者の「性別」、「年齢」、「体型」等は、予め保護者が端末10を操作することにより、記憶部20に記憶されていることとする。このような閾値データ41bを用いることにより、保護者の状態をより精度良く判定できる。なお、上述した「性別」等の項目以外に、例えば、保護者と同じ位の月齢の乳幼児がいるか否かに基づいて、閾値を変化させても良い。このような場合、そして、閾値処理部120bは、保護者の「性別」等の項目と、「乳幼児の月齢」とに基づいて、最適な閾値を選択することになる。
【0122】
===その他の実施の形態===
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。例えば、以下に示すような変形が可能である。
【0123】
本実施形態では、保護者が、乳幼児の母親であることとしたが、例えば、父親、祖父母、兄、姉、または血縁関係にない者であっても良い。
【0124】
また、乳幼児と保護者との関係でなく、例えば、高齢者や障害を有している者(被介護者)と、介護者との関係であっても、介護者は、端末10のプログラム40を用い、ストレスを軽減できる。
【0125】
また、本実施形態では、心拍数と閾値とが比較されることにより、ストレス状態、リラックス状態が判定されたが、これに限られない。例えば、「自律神経のパワー」や心拍の周波数解析結果に基づいて、測定者の状態が判定されても良い。
【0126】
メッセージ表示処理部52は、処理S60にて、現在の時刻を示す「時刻情報」を取得したが、これに限られない。一般に、乳幼児や保護者の心拍が測定されてから、保護者へのメッセージが表示されるまでの時間間隔は短い。このため、例えば、処理S60において、乳幼児や保護者の心拍が測定された際の時刻を示す「時刻情報」を、メッセージ表示処理部52が取得しても良い。このような場合であっても、画面23に表示されるメッセージは、適切なものとなる。
【0127】
また、本実施形態では、乳幼児の心拍が測定された後に、保護者の心拍が測定されたが、これに限られない。例えば、保護者の心拍が測定された後に、乳幼児の心拍が測定されても良い。また、両者の心拍が測定された後に、両者の状態の判定が実行されても良い。
【0128】
また、実行可能なプログラムが記憶された非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium with an executable program thereon)を用いて、コンピュータにプログラムを供給することも可能である。なお、非一時的なコンピュータの可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、CD-ROM(Read Only Memory)等がある。
【符号の説明】
【0129】
10 端末
20 記憶部
21 制御部
22 入力部
23 画面
24 カメラ
25 加速度計
26 計時部
27 通信部
40 プログラム
41a,41b 閾値データ
42a,42b 履歴データ
43 メッセージデータ
50 測定処理部
51a,51b 状態判定処理部
52 メッセージ表示処理部
53 実施確認処理部
70~79 画面
100,122a,122b 表示処理部
101 受付処理部
102 加速度測定処理部
103 心拍測定処理部
104 計測処理部
120a,120b 閾値処理部
121a,121b 判定処理部
200~204,210~213,220~222,230~232,240~243,250~252,260~263,270~272,280,281,290,291 画像