(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-09
(45)【発行日】2022-06-17
(54)【発明の名称】ロール間の相対的な姿勢情報の検出装置及びこれを用いたロール整列状態の測定方法
(51)【国際特許分類】
G01B 11/26 20060101AFI20220610BHJP
G01C 9/06 20060101ALI20220610BHJP
B21C 51/00 20060101ALI20220610BHJP
【FI】
G01B11/26 Z
G01C9/06 A
B21C51/00 N
(21)【出願番号】P 2021507774
(86)(22)【出願日】2019-07-16
(86)【国際出願番号】 KR2019008745
(87)【国際公開番号】W WO2020075955
(87)【国際公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-02-19
(31)【優先権主張番号】10-2018-0120062
(32)【優先日】2018-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521061508
【氏名又は名称】ピーシーエム ソリューション カンパニー,リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】521061519
【氏名又は名称】ピーシーエム テック カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ホン ソク
【審査官】國田 正久
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1846514(KR,B1)
【文献】韓国登録特許第10-1628955(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0052640(US,A1)
【文献】米国特許第6628378(US,B1)
【文献】特開2001-264025(JP,A)
【文献】特開2013-199373(JP,A)
【文献】特開2014-74683(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/26
G01C 9/06
B21C 51/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定の基準となる基準ロール(SR)に安着され、整列状態を測定しようとする測定ロール(MR)側へレーザー信号(L)を放出するための基準位置の安着手段(100)と;測定しようとする測定ロール(MR)に安着され、基準位置の安着手段(100)から放出されるレーザー信号(L)を受信する相対位置の測定手段(200)と;相対位置の測定手段(200)からレーザー信号(L)に関する情報を受信して、基準ロール(SR)に対する測定ロール(MR)の整列状態を算出し、ディスプレイ(D)に出力させる検出結果の出力手段(300)と;を含んで構成される、ロール間の相対的な姿勢情報の検出装置(1)において、
前記相手位置測定手段(200)は、
前記基準位置の安着手段(100)から放出される第1のレーザー信号(L1)を受信する第1のレーザー受信部(210)と;
前記基準位置の安着手段(100)から放出される第2のレーザー信号(L2)を受信する第2のレーザー受信部(220)と;
前記基準位置の安着手段(100)から放出される第1のレーザー信号(L1)を反射させて受信する第3のレーザー受信部(230)と;を含んで構成されるが、
前記第3のレーザー受信部(230)は、
前記基準位置の安着手段(100)から放出される第1のレーザー信号(L1)を通過及び反射させ、通過された第1のレーザー信号(L1)は、前記第1のレーザー受信部(210)に、反射されて生成された反射レーザー信号(L3)は、反射レーザー信号の受信モジュール(232)に照射されるようにする受信レーザー信号の反射モジュール(231)と;
反射レーザー信号(L3)が照射される反射レーザー信号の受信モジュール(232)と;
前記反射レーザー信号の受信モジュール(232)に照射した反射レーザー信号(L3)をデータとして貯蔵する反射レーザー信号のセンサーモジュール(233)と;を含んで構成されて、
前記相対位置の測定手段(200)から送信されるデータをもとに、基準ロール(SR)に関する測定ロール(MR)の整列状態がリアルタイムでディスプレイ(D)に出力されるようにすることを特徴とするロール間の相対的な姿勢情報の検出装置。
【請求項2】
ロール間の相対的な姿勢情報の検出装置を用いたロール整列状態の測定方法(2)において、
測定の基準となる基準ロール(SR)に基準位置の安着手段(100)を安着させる基準位置の安着手段の安着段階(S100)と;
整列状態を測定しようとする測定ロール(MR)に相対位置の測定手段(200)を安着させる相対位置の測定手段の安着段階(S200)と;
前記基準位置の安着手段(100)からレーザー信号(L)が放出されるレーザー信号の放出段階(S300)と;
放出されるレーザー信号(L)が相対位置の測定手段(200)に照射されるが、第1のレーザー信号(L1)を受信する第1のレーザー信号の受信段階(S410)、第2のレーザー信号(L2)を受信する第2のレーザー信号の受信段階(S420)、及び反射レーザー信号(L3)を受信する第3のレーザー信号の受信段階(S430)で形成されたレーザー信号の受信段階(S400)と;
受信されたレーザー信号(L)をデータ化するレーザー信号情報の検出段階(S500)と;
データ化されたレーザー信号(L)を検出結果の出力手段(300)に転送するレーザー信号データの転送段階(S600)と;
測定ロール(MR)の整列状態を算出する測定ロール整列状態の算出段階(S700)と;
測定ロール(MR)の整列状態をディスプレイ(D)にリアルタイムで出力する測定結果出力段階(S800)と;
測定ロール(MR)を整列させる測定ロールの整列段階(S900)と;で構成されるが、
前記第1のレーザー信号の受信段階(S410)は、
受信レーザー信号の反射モジュール(231)を通過した第1のレーザー信号(L1)を受信し、
前記第3のレーザー信号受信段階(S430)は、
受信レーザー信号の反射モジュール(231)によって第1のレーザー信号(L1)から反射レーザー信号(L3)が生成される反射レーザー信号の生成段階(S431)と;反射レーザー信号(L3)を受信する反射レーザー信号の受信段階(S432)と;で構成されて、
多数が連続性を有するように設置される必要があるロールを利用した工程ラインの形成時に、ロールの整列状態、すなわち、基準ロール(SR)を基準とした測定ロール(MR)の平行度及び水平度を測定し、これをもとに測定ロール(MR)の整列操作が行われるようにすることによって、ロールの整列状態が優れた工程ラインが構築されるようにすることを特徴とするロール間の相対的な姿勢情報の検出装置を用いたロール整列状態の測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール間の相対的な姿勢情報の検出装置及びこれを用いたロール整列状態の測定方法に関するものであり、より詳細には、ロールが連続的にインストールされているロールの工程ライン形成時、ロールの整列状態、すなわち、測定の基準となる基準ロールに基づいて、測定しようとする測定ロールの平行度及び水平度を測定者が容易に認知して、ロール間の整列状態を確認したり、整列状態に応じて、測定ロールを矯正することができるようにリアルタイムで測定結果が出力されるが、基準ロールに装着された基準位置の安着手段から放出されたレーザー信号を測定ロールに装着された相対位置の測定手段で反射させ、反射されたレーザー信号のデータを利用して、整列状態が検出されるようにすることによって、ロール間の距離とロールの長さに関係なく一定の分解能を持つセンサーでも、ロール間の整列状態が綿密に出力されるようにするロール間の相対的な姿勢情報の検出装置及びこれを用いたロール整列状態の測定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、鉄鋼製品やフィルムなどの製造工程に使用される各種ロールツーロール(roll-to-roll processing、R2R)装備、圧延機などには必須でロール(roll)が使用され、これらのロール(roll)は、工場のライン(line)の入口から出口までの接続されている連続性を持つため、設備の配置が非常に重要である。
【0003】
フィルムや圧延工場の生産ラインでのロール(roll)はストリップの方向を切り替えたり、張力をかけてくれる役割を実行する。
【0004】
したがって、ストリップが進む方向の中心線を基準としてロール(roll)の整列やレベルが高精度に行われなければ、製品は、ストリップが進む方向の中心線を基準にどちらか一方に傾く蛇行現象が発生することになり、これは、最終的に製品のシワ、波形、重ね、及び厚さ偏差の発生などを誘発し、操業中のフィルムが破断される原因となって、生産を中止するなど、生産性を低下させる問題を発生させる。
【0005】
このようなロール(roll)は消耗品で、一定期間の使用時には、修理や交換などの維持及び保守を必要とし、連続ラインの特性上、ストリップの進行を最適に維持されるように、厳格な基準に基づいて管理される。
【0006】
したがって、ロール(roll)の整列状態、すなわち、平行度及び水平度を測定し、これを補正することができるようにする測定装置が必要である。
【0007】
そこで、ロール間の相対的な姿勢情報の検出装置及びこれを用いたロール整列状態を測定する方法に関する先行技術として、
図8の(a)に示すように韓国登録特許第10-1628955号公報「ロール姿勢情報の検出装置とその測定方法」(以下、「先行技術1」とする)は、基準ロールに安着され、距離情報を検出するためのレーザー受発信部と、レーザー信号を貯蔵するセンサー部を含む固定ジグと;基準ロールから離間された測定ロールに安着されて、レーザー信号を反射部で直角に反射してレーザー受信部に伝達する移動ジグと;レーザー受発信部を制御して、センサー部から測定された距離値を受信してデータを収集し、イメージ情報と距離情報の対応関係を算出して前記測定ロールの水平度及び平行度を判断する制御部と;を含むことによって、ロール設備の設置状況や場所に制約を受けずに、ロールの水平度や平行度を最小限の人員で容易に測定することができるようにしたロール姿勢情報の検出装置及びその測定方法に関するものである。
【0008】
別の先行技術として、
図8の(b)に示すように韓国登録特許第10-1846514号公報「ロール間の整列状態測定装置とこれを用いた測定方法」(以下、「先行技術2」とする)は、基準ロールの外周縁の一側に安着され、基準ロールを基準に整列したい測定ロールに2個以上のレーザー信号が放出されるようにする基準傾斜センサーが含まれている第1の基準検出器と;前記基準ロールに安着された第1の基準検出器から放出される2個以上のレーザー信号が照射されるように測定ロールの外周縁の一側に安着され、照射したレーザー信号を情報化して並べ替える検出制御部に転送する第2の測定検出器と;前記第2の測定検出器から送信されたレーザー信号の情報を受信して 、受信した情報に基づいて画像情報及び距離情報の対応関係を算出し、基準ロールに対する測定ロールの整列状態を確認/判断する整列検出制御部とで構成されるが、第1の基準検出器は、レーザー信号が放出されるレーザー発信部と;前記レーザー発信部から放出されたレーザー信号を入力して、一部は直角に反射されるようにし、他の一部は透過されるようにして、レーザー信号を、スプリッタ反射レーザー信号と、直角反射傾向レーザー信号とで分割させるビームスプリッタの反射部と;前記ビームスプリッタの反射部と一定距離離隔されて配置され、ビームスプリッタ反射部から透過されたレーザー信号、すなわち、直角反射傾向レーザー信号を受信して直角に反射させる直角反射鏡と;海面を基準にした水平度の絶対値を測定して第1の基準検出器が装着された基準ロールの水平度を確認できるようにする第1の基準検出器の上面一側に形成された基準傾斜センサーと;で構成され、前記第2の測定検出器は、第1の基準検出器から放出されたスプリッタ反射レーザー信号が照射される一定面積の第1のレーザーターゲット部が形成された第1のレーザー受信部と;第1の基準検出器から放出された直角反射傾向レーザー信号が照射される一定面積の第2のレーザーターゲット部が形成された第2のレーザー受信部と;前記第1のレーザー受信部に照射したスプリッタ反射レーザー信号を画像として貯蔵するCCD画像センサー(charge coupled device image sensor)またはCMOSイメージセンサー(complementary metal oxide semiconductor image sensor)のいずれかから形成された第1のレーザーセンサー部と;前記第2のレーザー受信部に照射した直角反射傾向レーザー信号を画像として貯蔵するCCD画像センサー(charge coupled device image sensor)またはCOMSイメージセンサー(complementary metal oxide semiconductor image sensor)のいずれかから形成された第2のレーザーセンサー部と;前記第1のレーザーセンサー部および第2のレーザーセンサー部に貯蔵された情報を整列検出制御部に転送するレーザー信号送信部で構成され、前記整列検出制御部は、第2の測定検出器から送信されたレーザー信号に関する情報を受信するレーザー信号受信部と;前記レーザー信号受信部で受信した情報に基づいて画像情報及び距離情報の対応関係を算出するロール整列状態算出部とで構成されるが、前記整列検出制御部は、画像情報及び距離情報の対応関係が座標に変換されて、測定者が視覚的にロールの整列状態を認知することができるように、第2の測定検出器に装着されて出力されたり、通信可能な別のディスプレイ部を含む出力装置に出力されるようにするロール間の整列状態測定装置及びこれを利用した測定方法に関するものである。
【0009】
前記先行技術1ないし先行技術2は、レーザーを利用して、基準ロールに対する測定ロールの整列状態を測定する測定装置及び測定方法に関する技術として、それぞれ2015年8月26日と2017年12月12日に出願して登録された本出願人の従来技術である。
【0010】
したがって、本発明は、前記先行技術1乃至先行技術2を改良した改良発明であって、その技術的特徴が異なる。
【0011】
より具体的に説明すると、先行技術1は、固定ジグのレーザー発信部から移動ジグに放出されるレーザー信号を、移動ジグで反射させて再び固定ジグのレーザー受信部に照射しようにして測定したロールの整列状態を測定する構成で、レーザー信号を屈折及び回送させる第1の反射鏡と第2の反射が形成される。
【0012】
先行技術2は、第1の基準検出器内のレーザー発信部から放出されるレーザー信号を分割し、反射させて、第2の測定検出器の第1のレーザー受信部と第2のレーザー受信部に分割及び反射されたレーザー信号がそれぞれ照射されるようにして、測定ロールの整列状態を測定する構成として、レーザー信号を分割および反射させるビームスプリッタの反射部と直角反射鏡部が第1の基準検出器内に形成される。
【0013】
すなわち、前記先行技術1ないし先行技術2は、基準ロールに装着された装置(レーザーが放出される装置)から放出されるレーザー信号を測定ロールに装着された装置(レーザーを受信する装置)がそのまま受信し、受信したレーザー信号をデータ化して整列状態が出力される。
【0014】
これは、基準ロールと測定ロールとの関係、すなわち、ロール間の距離、装置が安着されるロール自体の長さがデバイスの測定能力と密接に関連して、ロール間の距離、ロールの長さ、及びセンサーの分解能に従って測定された整列状態の精度が変わることを考慮すると、先行技術1ないし先行技術2の場合、高度化された分解能を持つセンサーを装着していない限り、有効に現場で使用することは限界がある。
【0015】
また、先行技術1ないし先行技術2から発生される問題点を解決するための観点でアプローチしてみると、先行技術1は、固定ジグに形成されたレーザー発信部から発信されるレーザー信号が移動ジグに形成された反射部で直角に反射され、再び固定ジグに形成されたレーザー受信部に回送される過程において、レーザー発信部から発信されるレーザー信号が必ず第1の反射鏡の正確な位置に照射しなければならないので、基準ロールを基準に一定の距離離れた測定ロールの整列状態を測定するには、ロールの整列状態を測定するよりも、レーザー信号が第1の反射鏡の正確な中心点の位置に照射されるようにする位置調整作業が難しく、測定時間が長くかかり、これは、特に、熟練者以外は、取り扱いが容易でなく、測定のしやすさについて問題がある。
【0016】
したがって、前記先行技術1の問題点を解決するために、本出願人は、先行技術1の問題点を補完して、先行技術2をレーザー発信部から放出されるレーザー信号がビームスプリッタの反射部と直角反射鏡部を通じて2個に分割されるが、常に平行した状態が維持されるようにする測定装置を発明することによって、一つの装置はレーザーのみを放出されるようにし、もう一つの装置は、放出されるレーザーを受信するための手段としての役割を区分して、先行技術1の第1の反射鏡の正確な位置にレーザーが照射されるようにする必要がある位置調整作業の問題点を解決したが、現場適用時に、先行技術2だけの別の問題が発生した。
【0017】
このとき、先行技術2のもう一つの問題点は、先行技術2を介して座標で出力される基準ロールに対する測定ロールの整列状態が絶対値を利用するので、基準ロールに基づいて測定ロールの距離を測定できず、測定ロールが基準ロール方向に傾いているのか、基準ロールと遠ざかる方向に傾いているかどうかの測定情報を、出力される座標だけですぐに確認するのが難しいという問題である(測定ロールに構成されているレーザーを受信する受信部に、レーザーが照射される位置が同じになれば、測定ロールが基準ロールと遠ざかる方向に傾いているのか、基準ロールと密接に傾いているかどうかを判別することができない)。
【0018】
また、まだ高度化された分解能を持つセンサーを装着しなければならず、測定結果の精度が高くなるという問題である。
【0019】
すなわち、先行技術2で基準ロールを基準とした測定ロールの平行度が測定されるとき、出力される平行度の座標値だけでは測定ロールが基準ロールと近づく方向に傾いている値であるか、基準ロールと遠ざかる方向に傾いている値であるかを測定者がすぐに気づいていない問題や、高分解能のセンサーにより、高価の測定装置が提供されるしかないという問題が発生する。
【0020】
このような問題点は、例えば、先行技術2に測定者が測定ロールの平行度の整列状態を認知することができるように、照射しているレーザー信号のスポット(spot)のサイズを検出して、基準ロールと測定ロールとの遠近関係を導出することができるようにする別のアルゴリズム、または別の構成要素が追加されて、既存の構成要素と有機的な結合関係が成立するように必要があるため、簡単に解決できる問題ではなく、センサーの分解能の差に応じた測定範囲の限界も簡単に解決できる問題ではない。
【0021】
そこで、本発明は、前記先行技術1ないし先行技術2の致命的な問題点を同時に解決するために、先行技術2を背景技術として改良された改良発明であって、構成要素を簡素化しながらも、発想の転換で、ロール間の距離とロールの長さに関係なく、センサーの一定(一般的な)分解能でも、ロールの整列状態に関する情報の正確性や精度を保持できるようにするとともに、基準ロールと測定ロールとの遠近関係を一度に分かるようにした、測定者の測定容易性を向上させた発明である。
【0022】
したがって、本発明は、前記先行技術1乃至先行技術2の問題点を、ハードウェアとソフトウェア的に改良された技術で、同じ出願人による発明であるという点で、発明を構成する構成要素が多数同じだが、本発明が解決しようとする従来の問題点とそれを解決するための発明の重要な構成、これにより解決される発明の課題と発揮される効果に差があるので、技術的特徴が異なる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【文献】韓国登録特許第10-1628955号公報
【文献】韓国登録特許第10-1846514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
したがって、本発明は、前記のような問題点を解決するために提案された技術として、本発明の目的は、ロールが連続的にインストールされているロールの工程ラインを構築する時に、ロールの整列状態を容易に確認して基準ロールに対する測定ロールの整列操作が迅速で、正確に行われるようにする改良されたロール整列検出装置の提供にある。
【0025】
本発明の他の目的は、熟練者以外にも、ロールの整列状態をすぐに容易に確認してロールを整列することができるようにする測定結果が出力される、改良されたロール整列検出装置の提供にある。
【0026】
また、本発明の他の目的は、基準ロールを基準とした測定ロールの整列状態の中で、平行度の測定時、基準ロールと測定ロールとの間の遠近関係をすぐに確認できるようにする改良されたロール整列検出装置の提供にある。
【0027】
また、本発明の他の目的は、ロールの整列状態を容易に確認できるロール整列検出装置を用いて、簡単に基準ロールを基準とした測定ロールの整列状態、すなわち、平行度及び水平度を測定するロール整列状態の測定方法を提供して、測定ロールの整列操作が迅速かつ正確に行えるようにするロール整列状態の測定方法の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0028】
前記目的を達成するための本発明は、解決しようとする課題を達成するために案出されたものであり、本発明のロール間の相対的な姿勢情報の検出装置は、測定の基準となる基準ロールに安着され、整列状態を測定しようとする測定ロール側へレーザー信号を放出するための基準位置の安着手段と;測定しようとする測定ロールに安着され、基準位置の安着手段から放出されるレーザー信号を受信する相対位置の測定手段と;相対位置の測定手段からレーザー信号に関する情報を受信して、基準ロールに対する測定ロールの整列状態を算出し、ディスプレイに出力させる検出結果の出力手段と;を含んで構成されるロール間の相対的な姿勢情報の検出装置において、前記相手位置測定手段は、前記基準位置の安着手段から放出される第1のレーザー信号を受信する第1のレーザー受信部と;前記基準位置の安着手段から放出される第2のレーザー信号を受信する第2のレーザー受信部と;前記基準位置の安着手段から放出される第1のレーザー信号を反射させて受信する第3のレーザー受信部と;を含んで構成されるが、前記第3のレーザー受信部は、前記基準位置の安着手段から放出される第1のレーザー信号を通過及び反射させ、通過された第1のレーザー信号は、前記第1のレーザー受信部に、反射されて生成された反射レーザー信号は、反射レーザー信号の受信モジュールに照射されるようにする受信レーザー信号の反射モジュールと;反射レーザー信号が照射される反射レーザー信号の受信モジュールと;前記反射レーザー信号の受信モジュールに照射した反射レーザー信号をデータとして貯蔵する反射レーザー信号のセンサーモジュールと;を含んで構成されて、前記相対位置の測定手段から送信されるデータをもとに、基準ロールに関する測定ロールの整列状態がリアルタイムでディスプレイに出力されるようにすることを特徴とする。
【0029】
また、これを用いたロール整列状態の測定方法は、ロール間の相対的な姿勢情報の検出装置を用いたロール整列状態の測定方法において、測定の基準となる基準ロールに基準位置の安着手段を安着させる基準位置の安着手段の安着段階と;整列状態を測定しようとする測定ロールに相対位置の測定手段を安着させる相対位置の測定手段の安着段階と;前記基準位置の安着手段からレーザー信号が放出されるレーザー信号の放出段階と;放出されるレーザー信号が相対位置の測定手段に照射されるが、第1のレーザー信号を受信する第1のレーザー信号の受信段階、第2のレーザー信号を受信する第2のレーザー信号の受信段階、及び反射レーザー信号を受信する第3のレーザー信号の受信段階で形成されたレーザー信号の受信段階と;受信されたレーザー信号をデータ化するレーザー信号情報の検出段階と;データ化されたレーザー信号を検出結果の出力手段に転送するレーザー信号データの転送段階と;測定ロールの整列状態を算出する測定ロール整列状態の算出段階と;測定ロールの整列状態をディスプレイにリアルタイムで出力する測定結果出力段階と;測定ロールを整列させる測定ロールの整列段階と;で構成されるが、前記第1のレーザー信号の受信段階は、受信レーザー信号の反射モジュールを通過した第1のレーザー信号を受信し、前記第3のレーザー信号受信段階は、受信レーザー信号の反射モジュールによって第1のレーザー信号から反射レーザー信号が生成される反射レーザー信号の生成段階と;反射レーザー信号を受信する反射レーザー信号の受信段階と;で構成されて、多数が連続性を有するように設置される必要があるロールを利用した工程ラインの形成時に、ロールの整列状態、すなわち、基準ロールを基準とした測定ロールの平行度及び水平度を測定し、これをもとに測定ロールの整列操作が行われるようにすることによって、ロールの整列状態が優れた工程ラインが構築されるようにすることを特徴とする。
【0030】
一方、これに先立ち、本明細書は、特許登録請求の範囲に使用された用語や単語は通常的であるか、辞典的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は、彼自身の発明を最善の方法で説明するために、用語の概念を適切に定義することができる原則に立脚して、本発明の技術的思想に符合する意味と概念に解釈されるべきである。
【0031】
したがって、本明細書に記載された実施例と図面に図示された構成は、本発明の最も望ましい一実施例にすぎず、本発明の技術的思想をすべて代弁するものではないので、本出願時点においてこれらを代替することができる様々な均等物と変形例があることを理解しなければならない。
【発明の効果】
【0032】
以上の構成と作用で、前記で説明したように、本発明によれば、ロールが連続的にインストールされているロールの工程ラインを構築する時に、ロールの整列状態を容易に確認して、基準ロールに対する測定ロールの整列操作が正確で迅速に行われるようにする。
【0033】
また、基準位置の安着手段から放出されるレーザー信号を相対位置の測定手段で自主的に反射させて、反射されたレーザー信号を受信するので、ロール間の距離とロールの長さ、及びセンサーの分解能にかかわらず、一定(一般的な)分解能を持つセンサーでも基準ロールに対する測定ロールの整列状態が正確に測定及び出力される。
【0034】
また、基準位置の安着手段から放出されるレーザー信号が相対位置の測定手段の反射レーザー信号受信モジュールと、第2のレーザー信号受信モジュール内にのみ受信されるようにすればよいので、熟練者以外にもロールの整列状態の測定と確認が容易である。
【0035】
また、ロールの整列状態が測定者が直感的に認知することが非常に容易いグラフ(座標)に変換され、リアルタイムで出力されるので、非常に容易にロールの整列状態を確認して並べ替えることができる。
【0036】
従って、ロール整列状態を確認して整列するまでの作業時間が短縮される。
【0037】
また、本発明を利用して、基準ロールを基準とした測定ロールの整列状態、すなわち、平行度及び水平度を測定するロール整列状態の測定方法によりロールの整列状態が優れたロールの工程ラインを構築することができる。
【0038】
これにより、ロールの工程ラインの精度および耐久性を向上させるとともに、ロールの不規則な整列状態に起因する生産製品の不良率を除去することができる。
【0039】
また、構成の特性上、ロールの解体せずにロールの工程ラインの整列状態を確認することができ、測定場所のスペースの制約がなく、空間活用性が優れている。
【0040】
また、基準ロールを基準とした測定ロールの整列状態の中で、平行度の測定時、基準ロールと測定ロール間の遠近関係をすぐに確認することができるので、測定者が測定ロールの整列状態を直感的に認知することができる。
【0041】
また、基準ロール及び測定ロールのデータ収集が標準化され、作業手順が簡素化され、測定者の個人の分析能力に関係なく、検出結果の出力手段によって客観的な分析が行われることによって、ロールの整列状態をチェックしたり、整列する整列操作の信頼性が向上されている非常に効果的発明といえる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】本発明のロール間の相対的な姿勢情報の検出装置の構成図を示したものである。
【
図2】本発明のロール間の相対的な姿勢情報の検出装置の概念図を示したものである。
【
図3】本発明のロール間の相対的な姿勢情報の検出装置の状態斜視図を示したものである。
【
図4】本発明のロール間の相対的な姿勢情報の検出装置が現場に適用された実施例を示したものである。
【
図5】本発明のロール間の相対的な姿勢情報の検出装置の測定実施例を平面図で表したものである。
【
図6】本発明のロール間の相対的な姿勢情報の検出装置を用いたロール整列状態の測定方法についてブロック図を示す。
【
図7】本発明のロール間の相対的な姿勢情報の検出装置と従来技術との技術的特徴の違いを対比図で簡単に示したものである。
【
図8】本発明のロール間の相対的な姿勢情報の検出装置及びこれを用いたロール整列状態の測定方法に対する先行技術の代表図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、添付された図面を参照して本発明のロール間の相対的な姿勢情報の検出装置及びこれを用いたロール整列状態の測定方法についての機能、構成、および作用を詳細に説明することにする。
【0044】
図1は、本発明のロール間の相対的な姿勢情報の検出装置の構成図を示したものであり、
図2は、本発明のロール間の相対的な姿勢情報の検出装置の概念図であり、
図3は、本発明のロール間の相対的な姿勢情報の検出装置の状態斜視図であり、
図4は、本発明のロール間の相対的な姿勢情報の検出装置が現場に適用された実施例を示したものであり、
図5は、本発明のロール間の相対的な姿勢情報の検出装置の測定実施例を平面図で表したものである。
【0045】
図1乃至
図5に示すように、本発明によるロール間の相対的な姿勢情報の検出装置1は、測定の基準となる基準ロールSRに安着され、整列状態を測定しようとする測定ロールMR側へレーザー信号Lを放出するための基準位置の安着手段100と、測定しようとする測定ロールMRに安着され、基準位置の安着手段100から放出されるレーザー信号Lを受信する相対位置の測定手段200と、相対位置の測定手段200からレーザー信号Lに関する情報を受信して、基準ロールSRに関する測定ロールMRの整列状態を算出し、ディスプレイDに出力させる検出結果の出力手段300とでなる。
【0046】
前記相対位置の測定手段200は、基準位置の安着手段100から放出される第1のレーザー信号L1を受信する第1のレーザー受信部210と;基準位置の安着手段100から放出される第2のレーザー信号L2を受信する第2のレーザー受信部220と;基準位置の安着手段100から放出される第1のレーザー信号L1を反射させて受信する第3のレーザー受信部230と;で構成される。
【0047】
前記第3のレーザー受信部230は、基準位置の安着手段100から放出される第1のレーザー信号L1を通過及び反射させ、通過された第1のレーザー信号L1は、第1のレーザー受信部210に、反射されて生成された反射レーザー信号L3は、反射レーザー信号の受信モジュール232に照射されるようにする受信レーザー信号の反射モジュール231と;反射レーザー信号L3が照射される反射レーザー信号の受信モジュール232と;前記反射レーザー信号の受信モジュール232に照射した反射レーザー信号L3をデータとして貯蔵する反射レーザー信号のセンサーモジュール233と;で構成される。
【0048】
前記相対位置の測定手段200から送信されるデータをもとに、基準ロールSRに関する測定ロールMRの整列状態がリアルタイムでディスプレイDに出力されるようにすることを特徴とする。
【0049】
すなわち、本発明は、整列状態をチェックしたり、確認したいロールの工程ラインに、測定の基準となる基準ロールSRに基準位置の安着手段100を装着し、測定対象となる測定ロールMRに相対位置の測定手段200を装着して、基準位置の安着手段100と相対位置の測定手段200間のレーザー信号L信号の送受信によって生成された情報を分析する検出結果の出力手段300を介してロールの整列状態を確認し、これを基に、測定者が測定ロールMRを容易に配置できるようにする検出装置である。
【0050】
より具体的に説明すると、ロール間の相対的な姿勢情報の検出装置1の基準位置の安着手段100は、第1のレーザー信号L1、第1のレーザー信号L1と常に平行して、一定距離離隔された、同一平面上に位置する第2のレーザー信号L2が放出されるレーザー発信部110;で構成される。
前記相対位置の測定手段200で2個のレーザー信号Lが照射されるようにする。
【0051】
前記相対位置の測定手段200は、基準位置の安着手段100から放出される第1のレーザー信号L1を受信する第1のレーザー受信部210と;基準位置の安着手段100から放出される第2のレーザー信号L2を受信する第2のレーザー受信部220と;基準位置の安着手段100から放出される第1のレーザー信号L1を反射させて受信する第3のレーザー受信部230と;前記第1のレーザー受信部210、第2のレーザー受信部220、及び第3のレーザー受信部230に受信された第1のレーザー信号L1、第2のレーザー信号L2、及び反射レーザー信号L3の情報を聚合及び貯蔵する相対位置の検出制御部240と;で構成される。
【0052】
前記第1のレーザー受信部210は、基準位置の安着手段100から放出される第1のレーザー信号L1が照射される第1のレーザー信号の受信モジュール211と;前記第1のレーザー信号の受信モジュール211に照射した第1のレーザー信号L1をデータとして貯蔵する第1のレーザー信号センサーモジュール212と;で構成さる。
【0053】
前記第2のレーザー受信部220は、基準位置の安着手段100から放出される第2のレーザー信号L2が照射される第2のレーザー信号受信モジュール221と;前記第2のレーザー信号受信モジュール221に照射した第2のレーザー信号L2をデータとして貯蔵する第2のレーザー信号センサーモジュール222と;で構成される。
【0054】
前記第3のレーザー受信部230は、基準位置の安着手段100から放出される第1のレーザー信号L1を通過及び反射させ、通過された第1のレーザー信号L1は、第1のレーザー受信部210に、反射されて生成された反射レーザー信号L3は、反射レーザー信号の受信モジュール232に照射されるようにする受信レーザー信号の反射モジュール231と;前記受信レーザー信号の反射モジュール231によって第1のレーザー信号L1から生成された反射レーザー信号L3が照射される反射レーザー信号の受信モジュール232と;前記反射レーザー信号の受信モジュール232に照射した反射レーザー信号L3をデータとして貯蔵する反射レーザー信号のセンサーモジュール233と;で構成される。
【0055】
前記相対位置の検出制御部240は、第1のレーザー信号センサーモジュール212、第2のレーザー信号センサーモジュール222、及び反射レーザー信号センサーモジュール233に貯蔵された第1のレーザー信号L1、第2のレーザー信号L2、及び反射レーザー信号L3のデータを聚合して貯蔵するレーザー信号の貯蔵モジュール241と;前記レーザー信号の貯蔵モジュール241から聚合、貯蔵された情報を検出結果の出力手段300に転送する検出情報の送信モジュール242と;で構成される。
【0056】
これによって、基準位置の安着手段100から放出される2つのレーザー信号Lを受信及び反射してデータ化する。
【0057】
前記検出結果の出力手段300は、相対位置の測定手段200から送信されるデータを受信する検出情報受信部310と;前記検出情報受信部310から受信したデータに基づいて、三角比を用いて測定ロールMRの整列状態を算出する検出情報算出部320と;前記検出情報算出部320から算出された測定ロールMRの整列状態の結果をグラフ化してディスプレイDに出力させる検出結果の出力部330と;で構成される。
【0058】
これによって、基準ロールSRを基準にした、測定ロールMRの整列状態を測定者がリアルタイムでディスプレイDを介して確認し、これを基に測定ロールMRの整列状態をチェックしたり、整列(校正)できるようにする。
【0059】
このとき、受信レーザー信号の反射モジュール231は、上述したように、基準位置の安着手段100から放出される第1のレーザー信号L1をスプリッタ(splitter)または反射鏡(mirror)を利用して通過及び反射させて、通過された第1のレーザー信号L1は、第1のレーザー信号の受信モジュール211に、反射された第1のレーザー信号L1は、反射レーザー信号L3として反射レーザー信号の受信モジュール232に照射されるようにする。
【0060】
このように、それぞれに第1のレーザー信号の受信モジュール211、第2のレーザー信号受信モジュール221、及び反射レーザー信号の受信モジュール232に照射した第1のレーザー信号L1、第2のレーザー信号L2、及び反射レーザー信号L3を第1のレーザー信号センサーモジュール212、第2のレーザー信号センサーモジュール222、及び反射レーザー信号のセンサーモジュール233でデータ化し、これを、レーザー信号の貯蔵モジュール241で聚合及び貯蔵して、検出情報の送信モジュール242を介して検出結果の出力手段300に送信し、検出結果の出力手段300から分析されたデータに基づいて、ロールの整列状態がディスプレイDにリアルタイムで出力される。
【0061】
前記検出結果の出力手段300の検出情報算出部320では、検出情報受信部310を介して相対位置の測定手段200から送信されたデータから第1のレーザー信号L1と、第1のレーザー信号L1が受信される受信レーザー信号の反射モジュール231との関係(スプリッタまたは反射鏡に反射的に受信、放出されるレーザー信号の入射角と反射角の同一性)に基づいて、三角比を用いて整列状態を検出及び測定する。
【0062】
すなわち、前記検出情報算出部320は、第1のレーザー受信部210と第3のレーザー受信部230を介して取得されたデータを基にして基準ロールSRと測定ロールMRの平行度を算出する平行度算出部321;第1のレーザー受信部210と第2のレーザー受信部220を介して取得されたデータを基にして基準ロールSRと測定ロールMRの水平度を算出する水平度算出部322と;で構成される。
【0063】
前記平行度算出部321は、三角比を用いて基準ロールSRと測定ロールMRとの間の平行度を、前記水平度算出部322は、水平度を測定する。
【0064】
特に、前記相対位置の測定手段200内で、基準位置の安着手段100から放出される第1のレーザー信号L1が受信レーザー信号の反射モジュール231により、自然に測定される値が自主的に一度加工されることにより、センサーの分解能が、ロール間の距離およびロールの自体の長さにかかわらず、一定(一般的な)分解能を持つセンサーでも、単純に平行移動された測定値であるか、または、整列状態の不良なのか検出結果の出力手段300に綿密にロールの整列状態が出力される。
【0065】
すなわち、従来の検出装置では、基準ロールSRと測定ロールMRが平行な状態であっても、例えば、基準ロールSRを基準に測定ロールMRが、単純な平行移動されたものであるにもかかわらず、測定値には平行でない状態で出力されることができ、測定者の点検及び整列操作が難しくなる。
【0066】
しかしながら、本発明は、上述したように、受信レーザー信号の反射モジュール231を介して第1のレーザー信号L1をそれぞれ第1のレーザー信号受信モジュール211と反射レーザー信号受信モジュール232に照射されるようにして、基準ロールSRを基準に測定ロールMRは、単に平行移動された状態であるか、または平行度が不一致状態であるかを即座に知ることができていることと同時に、平行度の不一致状態が基準ロールSRを基準に測定ロールMRが基準ロールSR側に近接した状態であるか、離れた状態であるかを即座に知ることができる。
【0067】
これは、
図7に示すように、従来技術と対比して、例を挙げて説明することになる。
【0068】
図7の(a)は、従来の技術に、第1のレーザー信号L1がディテクターD1(detector、レーザー信号の受信モジュール)に受信される場合である。
【0069】
例えば、測定ロールMRの長さRを1000[mm]であると仮定して、測定ロールMRの平行度のずれを0.01[mm]単位内まで測定したい場合は、ディテクターD1(detector、レーザー信号の受信モジュール)の分解能は、
S=0.01[mm]
R=1000[mm]であるので、
a[deg]=tan-1(S/R)=5.73*10-4、
cos a=(R/(R+X))であるので、
X[mm]=(R/cos a)-R=5.0*10-8である。
【0070】
すなわち、従来の技術では、平行度のずれを0.01[mm]単位内まで測定するためには、10-8まで分解することができる能力を持たなければならない。
【0071】
一方、
図7の(b)は、本発明として、
図7の(a)と同一の条件で計算してみると、
R=1000[mm]
a[deg]=5.73X10
-4ので、
X[mm]=R*tan a=1.0*10
-2である。
【0072】
すなわち、本発明は、10-2まで分解することができる能力だけ持っても、平行度のずれを0.01[mm]単位内まで測定することができる。
【0073】
ここで、D1は、基準ロールSRと平行な状態のディテクター(detector、レーザー信号の受信モジュール)を示すものである。
【0074】
D2はD1が移動された状態、基準ロールSRを基準に一定の角度でずれて平行でない状態のディテクター(detector、レーザー信号の受信モジュール)を示すものである。
【0075】
追加で、本発明のロール間の相対的な姿勢情報の検出装置1は、
図7に示すように、受信レーザー信号の反射モジュール231に照射される第1のレーザー信号L1の入射角と反射されて放出される反射レーザー信号L3の反射角が同じである特性を考慮して、受信レーザー信号の反射モジュール231と第1のレーザー信号受信モジュール211との間の距離Aと、受信レーザー信号の反射モジュール231と反射レーザー信号受信モジュール232との間の距離Bの関係にあって、A<Bの関係が形成されなければならない(平行度が不一致した状態であるか、または平行度は一致し、単純な平行移動による測定値であるかを導出するために必ず適用されなければならない)。
【0076】
もし、AとBが同じ場合には、単純な平行移動による測定値であるか平行度が不一致した状態であるかを判別することができない。
【0077】
また、基準位置の安着手段100と相対位置の測定手段200の下面は、一定の範囲の傾斜角θからなる「∧」形状に形成される。
【0078】
「∧」形状に生成される傾斜角θの範囲は、140[°]乃至160[°]の範囲に形成するようにして、それぞれ安着される基準ロールSRと測定ロールMRの外周縁との密着力及び保持力が向上されるようにすることができる。
【0079】
一方、前記のようなロール間の相対的な姿勢情報の検出装置1を用いて、基準ロールSRに対する測定ロールMRの整列状態を測定するロール整列状態の測定方法2は、ロール間の相対的な姿勢情報の検出装置を用いたロール整列状態の測定方法2において、測定の基準となる基準ロールSRに基準位置の安着手段100を安着させる基準位置の安着手段の安着段階S100と;整列状態を測定しようとする測定ロールMRに相対位置の測定手段200を安着させる相対位置の測定手段の安着段階S200と;基準位置の安着手段100からレーザー信号Lが放出されるレーザー信号の放出段階S300と;放出されるレーザー信号Lが相対位置の測定手段200に照射して、第1のレーザー信号L1を受信する第1のレーザー信号の受信段階S410、第2のレーザー信号L2を受信する第2のレーザー信号の受信段階S420、及び反射レーザー信号L3を受信する第3のレーザー信号の受信段階S430で形成されたレーザー信号の受信段階S400と;受信されたレーザー信号Lをデータ化するレーザー信号情報の検出段階S500と;データ化されたレーザー信号Lを検出結果の出力手段300に転送するレーザー信号データの転送段階S600と;測定ロールMRの整列状態を算出する測定ロール整列状態の算出段階S700と;測定ロールMRの整列状態をディスプレイDにリアルタイムで出力する測定結果出力段階S800と;測定ロールMRを整列させる測定ロールの整列段階S900と;で構成される。
【0080】
前記第1のレーザー信号の受信段階S410は、受信レーザー信号の反射モジュール231を通過した第1のレーザー信号L1を受信する。
【0081】
前記第3のレーザー信号受信段階S430は、受信レーザー信号の反射モジュール231によって第1のレーザー信号L1から反射レーザー信号L3が生成される反射レーザー信号の生成段階S431と;反射レーザー信号L3を受信する反射レーザー信号の受信段階S432と;で構成される。
【0082】
これによって、多数が連続性を有するように設置される必要があるロールを利用した工程ラインの形成時に、ロールの整列状態、すなわち、基準ロールSRを基準とした測定ロールMRの平行度及び水平度を測定し、これをもとに測定ロールMRの整列操作が行われるようにすることによって、ロールの整列状態が優れた工程ラインが構築されるようにすることを特徴とする。
【0083】
このとき、測定結果出力段階S800は、第1のレーザー信号L1の情報を出力する第1のレーザー信号の出力段階S810と;第2のレーザー信号L2の情報を出力する第2のレーザー信号の出力段階S820と;反射レーザー信号L3の情報を出力する第3のレーザー信号の出力段階S830と;で構成される。
【0084】
第1のレーザー信号の出力段階S810は、さらに細分化されて、既に設定された第1のレーザー信号の受信モジュール211に対するキャリブレーションに基づいて、第1のレーザー信号受信モジュール211に照射される第1のレーザー信号L1の座標値を登録する第1のリファレンスの登録段階S811と;前記第1のリファレンスの登録段階S811で登録された第1のレーザー信号L1の座標値で、基準ロールSRを基準とした測定ロールMRの整列状態を演算する第1の整列状態の座標演算段階S812と;前記第1の整列状態の座標演算段階S812で演算された基準ロールSRを基準とした測定ロールMRの平行度及び水平度に対する測定値及び補正値をリアルタイムで出力し、これを貯蔵する第1の測定補正値の貯蔵段階S813と;で構成される。
【0085】
前記第2のレーザー信号の出力段階S820は、既に設定された第2のレーザー信号受信モジュール221に対するキャリブレーションに基づいて、第2のレーザー信号受信モジュール221に照射される第2のレーザー信号L2の座標値を登録する第2のリファレンスの登録段階S821と;前記第2のリファレンスの登録段階S821で登録された第2のレーザー信号L2の座標値で、基準ロールSRを基準とした測定ロールMRの整列状態を演算する第2の整列状態の座標演算段階S822と;前記第2の整列状態の座標演算段階S822で演算された基準ロールSRを基準とした測定ロールMRの平行度及び水平度に対する測定値及び補正値をリアルタイムで出力し、これを貯蔵する第2の測定補正値の貯蔵段階S823と;で構成される。
【0086】
前記第3のレーザー信号の出力段階S830は、既に設定された反射レーザー信号受信モジュール232に対するキャリブレーションに基づいて、反射レーザー信号受信モジュール232に照射される反射レーザー信号L3の座標値を登録する第3のリファレンスの登録段階S831と;前記第3のリファレンスの登録段階S831で登録された反射レーザー信号L3の座標値で、基準ロールSRを基準とした測定ロールMRの整列状態を演算する第3の整列状態の座標演算段階S832と;前記第3の整列状態の座標演算段階S832で演算された基準ロールSRを基準とした測定ロールMRの平行度及び水平度に対する測定値及び補正値をリアルタイムで出力し、これを貯蔵する第3の測定補正値の貯蔵段階S833と;で構成される。
【0087】
これによって、第1のレーザー信号センサーモジュール212、第2のレーザー信号センサーモジュール222、及び反射レーザー信号センサーモジュール233から取得されたデータを用いて、格子状の座標ターゲットの位置に演算することによって、基準ロールSRを基準とした測定ロールMRの整列状態、すなわち、平行度及び水平度が座標に変換されるようにして、ロールの整列状態を容易に直感的に確認できるようにする。
【0088】
すなわち、基準ロールSRに基準位置の安着手段100を安着させ、測定ロールMRに相対位置の測定手段200を安着させて、基準位置の安着手段100からそれぞれ放出される、互いに平行な2個のレーザー信号L1、L2を相対位置の測定手段200内で反射し、3個のレーザー信号L1、L2、L3で受信して、基準ロールSRを基準にした測定ロールMRの整列状態をセンサーの分解能に関係なく、検出結果の出力手段300を介してディスプレイDに出力して測定者が確認し、それに応じて測定ロールMRを矯正できるようにする測定方法を示したものである。
【0089】
このとき、測定結果出力段階S800では、上述したように、第1ないし第3のリファレンスの登録段階S811、S821、S831、第1ないし第3の整列状態の座標演算段階S812、S822、S832、及び第1ないし第3の測定補正値の貯蔵段階S813、S823、S833で構成される。
【0090】
第1のリファレンスの登録段階S811は、第1のレーザー信号センサーモジュール212によって生成された第1のレーザー信号受信モジュール211に照射される第1のレーザー信号L1のデータを確認し、すでに設定されたキャリブレーションをもとにした第1のレーザー信号L1の座標値を登録する。
【0091】
第1の整列状態の座標演算段階S812は、前記第1のリファレンスの登録段階S811で登録された第1のレーザー信号L1の座標値を演算して、基準ロールSRを基準とした測定ロールMRの整列状態が表示されるようにする。
【0092】
第1の測定補正値の貯蔵段階S813は、前記第1の整列状態の座標演算段階S812により表示される基準ロールSRを基準とした測定ロールMRの整列状態を確認して、測定ロールMRが基準ロールSRと平行、水平に矯正されるとき、これに対する測定値及び補正値をリアルタイムで出力し貯蔵する。
【0093】
同様に、第2のリファレンスの登録段階S821は、第2のレーザー信号センサーモジュール222によって生成された第2のレーザー信号受信モジュール221に照射される第2のレーザー信号L2のデータを確認し、既に設定されたキャリブレーションをもとにした第2のレーザー信号L2の座標値を登録する。
【0094】
第2の整列状態の座標演算段階S822は、前記第2のリファレンスの登録段階S821で登録された第2のレーザー信号L2の座標値を演算し、基準ロールSRを基準とした測定ロールMRの整列状態が表示されるようにする。
【0095】
第2の測定補正値の貯蔵段階S823は、前記第2の整列状態の座標演算段階S822により表示される基準ロールSRを基準とした測定ロールMRの整列状態を確認し、測定ロールMRが基準ロールSRと平行、水平に矯正されるとき、これに対する測定値及び補正値をリアルタイムで出力し貯蔵する。
【0096】
また、第3のリファレンスの登録段階S831は、反射レーザー信号のセンサーモジュール233によって生成された反射レーザー信号受信モジュール232に照射される反射レーザー信号L3のデータを確認し、すでに設定されたキャリブレーションをもとにした反射レーザー信号L3の座標値を登録する。
【0097】
第3の整列状態の座標演算段階S832は、前記第3のリファレンスの登録段階S831で登録された反射レーザー信号L3の座標値を演算して、基準ロールSRを基準とした測定ロールMRの整列状態が表示されるようにする。
【0098】
第3の測定補正値の貯蔵段階S833は、前記第3の整列状態の座標演算段階S832により表示される基準ロールSRを基準とした測定ロールMRの整列状態を確認して、測定ロールMRが基準ロールSRと平行、水平に矯正されるとき、これに対する測定値及び補正値をリアルタイムで出力し貯蔵する。
【0099】
参考にして、本発明のロール間の相対的な姿勢情報の検出装置1は、高精度の専用ジグ(jig)を介して、基準位置の安着手段100と相対位置の測定手段200との平行および水平状態のキャリブレーション(calibration)の関係(zero point)を調整した後、現場に適用される。
【0100】
すなわち、本発明での「既に設定されたキャリブレーション」とは、上述したように、基準位置の安着手段100と相対位置の測定手段200との平行、水平状態を基準化することができる精密な専用ジグ(jig)に基準位置の安着手段100と相対位置の測定手段200を組み合わせることによって、現場でのロールの整列状態を測定する前に、予め横と縦格子のピクセルサイズと実際の距離の比率を計算して、ピクセルごとに分解能が設定された、これを基準に、あらかじめ座標値のゼロ点(zero point)が貯蔵されている座標平面として定義することができる。
【0101】
また、第1ないし第3の登録段階S811、S821、S831は、簡単に説明すると、前記の「すでに設定されたキャリブレーション」に基づいて、第1および第2のレーザー信号受信モジュール211、221と反射レーザー信号の受信モジュール232に照射されたそれぞれのレーザー信号L1、L2、L3の座標値を貯蔵することをいう。
【0102】
第1ないし第3の整列状態の座標演算段階S812、S822、S832は、前記「すでに設定されたキャリブレーション」により、測定作業の前に、既に設定されたゼロ点(zero point)と、前記第1ないし第3のリファレンスの登録段階S811、S821、S831に貯蔵されたレーザー信号L1、L2、L3の座標値を対比及び演算して基準ロールSRからの測定ロールMRの整列状態が確認されるようにすることをいう。
【0103】
また、
図2に示された「通信網」とは、相対位置の測定手段200と検出結果の出力手段300との間の通信のための手段として、有線、無線を含む手段として定義することができる。
【0104】
また、基準位置の安着手段100から放出されるレーザー信号L1、L2は、相対位置の測定手段200と検出結果の出力手段300からリアルタイムで受信して、データ化して測定者にリアルタイムで基準ロールSRに対する測定ロールMRの整列状態を提供する。
【0105】
このとき、「整列状態」とは、ロール間の遠近の関係が含まれている平行度及び水平度をいう。
【0106】
また、「レーザー信号L」とは、第1のレーザー信号L1又は第2のレーザー信号L2または反射レーザー信号L3又は、第1のレーザー信号L1、第2のレーザー信号L2、及び反射レーザー信号L3を総称したものである。
【0107】
また、本発明の検出結果の出力手段300は、パーソナル端末、コンピュータ、タブレットPCなどのようなディスプレイDが形成された携帯用電子機器として定義することができる。
【0108】
また、第1のレーザー信号センサーモジュール212、第2のレーザー信号センサーモジュール222、及び反射レーザー信号センサーモジュール233は、CCDイメージセンサー(charge coupled device image sensor)、CMOSイメージセンサー(complementary metal oxide semiconductor image sensor)、及び位置検出センサー(position sensing detector)の中、いずれか一つ以上に形成され、受信される第1および第2のレーザー信号L1、L2と反射レーザー信号L3の位置を画像で獲得することができている。
【0109】
以上のように、本発明は、記載された実施例に限定されるものではなく、本発明の思想及び範囲を逸脱することなく様々な修正及び変形することができることは、この技術の分野における通常の知識を有する者にとって自明である。
【0110】
したがって、技術的思想や主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができるので、本発明の実施例は、あらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならず、さまざまな変形して実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明は、ロール間の相対的な姿勢情報の検出装置及びこれを用いたロール整列状態の測定方法に関するものであり、これを製作する製作業と販売業、本発明が適用されるロールの工程ラインがインストールする必要がある各種産業現場、例えば、フィルム、薄膜(薄板)、紙、樹脂、布の製造および生産に従事している産業などのような、ロールがインストール及び使用される様々な産業分野増進に寄与することに適用することができる。
【符号の説明】
【0112】
1 ロール間の相対的な姿勢情報の検出装置
2 ロール間の相対的な姿勢情報の検出装置を用いたロール整列状態の測定方法
100 基準位置の安着手段
110 レーザー発信部
200 相対位置の測定手段
210 第1のレーザー受信部
211 第1のレーザー信号の受信モジュール
212 第1のレーザー信号センサーモジュール
220 第2のレーザー受信部
221 第2のレーザー信号受信モジュール
222 第2のレーザー信号センサーモジュール
230 第3のレーザー受信部
231 受信レーザー信号の反射モジュール
232 反射レーザー信号の受信モジュール
233 反射レーザー信号のセンサーモジュール
240 相対位置の検出制御部
241 レーザー信号の貯蔵モジュール
242 検出情報の送信モジュール
300 検出結果の出力手段
310 検出情報受信部
320 検出情報算出部
321 平行度算出部
322 水平度算出部
330 検出結果の出力部
S100 基準位置の安着手段の安着段階
S200 相対位置の測定手段の安着段階
S300 レーザー信号の放出段階
S400 レーザー信号の受信段階
S410 第1のレーサー信号の受信段階
S420 第2のレーザー信号の受信段階
S430 第3のレーザー信号の受信段階
S431 反射レーザー信号の生成段階
S432 反射レーザー信号の受信段階
S500 レーザー信号情報の検出段階
S600 レーザー信号データの転送段階
S700 測定ロール整列状態の算出段階
S800 測定結果の出力段階
S810 第1のレーザー信号の出力段階
S811 第1のリファレンスの登録段階
S812 第1の整列状態の座標演算段階
S813 第1の測定補正値の貯蔵段階
S820 第2のレーザー信号の出力段階
S821 第2のリファレンスの登録段階
S822 第2の整列状態の座標演算段階
S823 第2の測定補正値の貯蔵段階
S830 第3のレーザー信号の出力段階
S831 第3のリファレンスの登録段階
S832 第3の整列状態の座標演算段階
S833 第3の測定補正値の貯蔵段階
S900 測定ロールの整列段階
A 受信レーザー信号の反射モジュールと第1のレーザー信号受信モジュールとの間の距離
B 受信レーザー信号の反射モジュールと反射レーザー信号受信モジュールとの間の距離
D ディスプレイ
L レーザー信号
MR 測定ロール
SR 基準ロール
L1 第1のレーザー信号
L2 第2のレーザー信号
L3 反射レーザー信号