(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-09
(45)【発行日】2022-06-17
(54)【発明の名称】衣類処理装置
(51)【国際特許分類】
D06F 39/14 20060101AFI20220610BHJP
【FI】
D06F39/14 Z
(21)【出願番号】P 2019213064
(22)【出願日】2019-11-26
【審査請求日】2019-11-26
(31)【優先権主張番号】10-2018-0148952
(32)【優先日】2018-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0132496
(32)【優先日】2019-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100109841
【氏名又は名称】堅田 健史
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【氏名又は名称】小林 英了
(72)【発明者】
【氏名】ジュンサン ユウ
(72)【発明者】
【氏名】ヨンウ クォン
(72)【発明者】
【氏名】ミンス ソ
【審査官】程塚 悠
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-532545(JP,A)
【文献】特表2018-532548(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0030001(US,A1)
【文献】特開2004-065957(JP,A)
【文献】特開2017-169928(JP,A)
【文献】特開2005-058753(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0152641(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/14
D06F 37/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類処理装置であって、
衣類投入口を備える本体と、
前記衣類投入口を開閉するように構成されるドアと、を備えてなり、
前記ドアは、
前記本体に回転可能に結合され、前記ドアが閉じた状態で前記衣類投入口に対向する開口部を備えるドアフレームと、
前記ドアフレームに付着されて前記ドアの前面外観を形成するフロントガラスと、を備え、
前記フロントガラスは、
前記開口部に対応する透光領域と、
前記透光領域を囲むように形成される非透光領域と、
前記非透光領域内に形成され、前記ドアフレームへの前記フロントガラスの付着位置をガイドする透光性のアライメントマークと、を備えてな
り、
前記フロントガラス及び前記透光領域のそれぞれは、円形状に形成され、
前記透光領域
の中心は、前記フロントガラスの中心
を半径方向に通る垂直な中心線に沿って上方に偏心して配置され、
前記フロントガラスの中心を基準に、前記フロントガラスの
外周と前記透光領域の
外周間の
距離は、前記フロントガラスの最上端から前記フロントガラスの最下端へ行くほど大きくなることを特徴とする、衣類処理装置。
【請求項2】
前記アライメントマークは、前記フロントガラスに形成される非透光領域の形状に対応する形状に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項3】
前記アライメントマークは、前記非透光領域内に透光性を有するように形成され、前記フロントガラスの付着位置をガイドすることを特徴とする、請求項2に記載の衣類処理装置。
【請求項4】
前記アライメントマークは、円形状に形成され、前記フロントガラスの最下端に接することを特徴とする、請求項3に記載の衣類処理装置。
【請求項5】
前記アライメントマークは、多角形状に形成され、一角部が前記フロントガラスの最下端に接することを特徴とする、請求項3に記載の衣類処理装置。
【請求項6】
前記ドアフレームは、
外周部が前記フロントガラスの外側面を囲むように配置されるアウターフレームと、
外側が前記アウターフレームの外周部に連結され、内側がドアウィンドウの周縁部に連結されるインナーフレームと、を備えてなることを特徴とする、請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項7】
前記アウターフレームには、前記アライメントマークに対応する位置に位置合わせガイドが形成されることを特徴とする、請求項6に記載の衣類処理装置。
【請求項8】
前記フロントガラスは、所定の半径を有する真円形状に形成され、
前記ドアフレームには、前記フロントガラスの外周面を囲むようにリング状に突設され、所定の内径を有する付着ガイドが備えられることを特徴とする、請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項9】
前記フロントガラスは、前面及び背面が平坦に形成されることを特徴とする、請求項8に記載の衣類処理装置。
【請求項10】
前記ドアフレームと前記フロントガラス間に塗布され、前記フロントガラスを前記ドアフレームに付着する接着剤を更に備えてなることを特徴とする、請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項11】
前記ドアフレームには、前記接着剤が充填される接着剤充填溝が形成され、
前記接着剤充填溝は、
前記開口部を囲むように形成され、前記接着剤が塗布される空間を形成する接着剤塗布部と、
前記接着剤塗布部の両側から流出する接着剤を捕集するように、前記接着剤塗布部の両側において前記接着剤塗布部に沿って並んで延設される接着剤捕集部と、を備えてなることを特徴とする、請求項10に記載の衣類処理装置。
【請求項12】
前記アライメントマークは、前記接着剤塗布部と重なるように配置されることを特徴とする、請求項11に記載の衣類処理装置。
【請求項13】
前記接着剤は、前記非透光領域の色と同じ系統の色で形成されることを特徴とする、請求項10に記載の衣類処理装置。
【請求項14】
衣類処理装置であって、
衣類投入口を備える本体と、
前記衣類投入口を開閉するように構成されるドアと、を備えてなり、
前記ドアは、
前記本体に回転可能に結合され、前記ドアが閉じた状態で前記衣類投入口に対向する開口部を備えるドアフレームと、
前記ドアフレームに付着されて前記ドアの前面外観を形成し、前記開口部に対応する透光領域、及び前記透光領域を囲むように形成される非透光領域を備えるフロントガラスと、を備え、
前記フロントガラスは、ガラス材質からなり、所定の半径を有する真円形状に形成され、
前記フロントガラス及び前記透光領域のそれぞれは、円形状に形成され、
前記透光領域
の中心は、前記フロントガラスの中心
を半径方向に通る垂直な中心線に沿って上方に偏心して配置され、
前記フロントガラスの中心を基準に、前記フロントガラスの
外周と前記透光領域の
外周間の
距離は、前記フロントガラスの最上端から前記フロントガラスの最下端へ行くほど大きくなることを特徴とする、衣類処理装置。
【請求項15】
前記フロントガラスは、前面及び背面が平坦に形成されることを特徴とする、請求項14に記載の衣類処理装置。
【請求項16】
前記ドアフレームには、前記フロントガラスの外周面を囲むようにリング状に突設され、所定の内径を有する付着ガイドが備えられることを特徴とする、請求項14に記載の衣類処理装置。
【請求項17】
前記ドアフレームの前面には、前記フロントガラスを前記ドアフレームに付着するための接着剤が充填される接着剤充填溝が形成され、
前記接着剤充填溝は、前記付着ガイドの周面に沿って所定の半径を有するリング状に形成されて前記開口部を囲むことを特徴とする、請求項16に記載の衣類処理装置。
【請求項18】
前記付着ガイドと前記接着剤充填溝との間隔は、前記付着ガイドの周面に沿って一定に保たれることを特徴とする、請求項17に記載の衣類処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体の衣類投入口を開閉するドアを備える衣類処理装置に関する。
〔関連技術〕
本発明は、韓国特許出願第10-2018-0148952号(出願日:2018年11月27日)及び韓国特許出願第10-2019-0132496号(出願日:2019年10月23日)に基づくパリ条約4条の優先権主張を伴ったものであり、当該韓国特許出願に開示された内容に基づくものである。参考のために、当該韓国特許出願の明細書及び図面の内容は本願明細書の一部に包摂されるものである。
【背景技術】
【0002】
衣類処理装置には、衣類の洗濯を行う装置、衣類の乾燥を行う装置、衣類の洗濯及び乾燥を共に行う装置が含まれる。衣類処理装置において、衣類の洗濯とは、水と洗剤の作用により衣類に付着した汚染物質を除去する行程をいい、衣類の乾燥とは、衣類処理装置に備えられる熱風供給装置により衣類に含まれる水分を除去する行程をいう。
【0003】
一般的な衣類処理装置は、衣類投入口を備える本体と、衣類投入口を開閉するように構成されるドアとを備える。ドアが円形のフロントガラスを含む場合、ガラス材質の特性上、フロントガラスとドアフレームとの結合時に正確な付着位置をガイドするための構造物(ピン、フックなど)をフロントガラスに形成することができず、円形状の特性上、フロントガラスをドアフレームの定位置に配置する形状的基準点がないという問題があった。
【0004】
よって、円形のフロントガラスを円形のドアフレームの定位置に付着するための位置合わせ構造を有しながらも、その位置合わせ構造がドアの外部から見えないようにする手法に関する研究が求められている。
【0005】
また、フロントガラスをドアフレームに付着するために接着剤が用いられるが、実験によれば、接着剤を塗布する方式によって接着剤の塗布量と接着剤ガンに充填された接着剤が乾く時間が異なる。よって、接着剤の塗布量を減らし、接着剤ガンに充填された接着剤が乾く時間を遅らせる接着剤塗布方式に関する研究が行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の第1の目的は、前面及び背面が平坦で真円形状に形成されるフロントガラスを備える衣類処理装置を提供することにある。
【0007】
本発明の第2の目的は、円形のフロントガラスを円形のドアフレームに付着する際におけるフロントガラスとドアフレームとの位置合わせ構造を提供することにある。
【0008】
本発明の第3の目的は、フロントガラスとドアフレームとの位置合わせ構造がドアの外部から見えない構造を提供することにある。
【0009】
本発明の第4の目的は、フロントガラスとドアフレームとの接着のために用いられる接着剤の使用を最小限に抑え、接着剤ガンに充填された接着剤が乾く時間を遅らせる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
〔本発明の一の態様〕
〔1〕衣類処理装置であって、
衣類投入口を備える本体と、
前記衣類投入口を開閉するように構成されるドアとを備えてなり、
前記ドアは、
前記本体に回転可能に結合され、前記ドアが閉じた状態で前記衣類投入口に対向する開口部を備えるドアフレームと、
前記ドアフレームに付着されて前記ドアの前面外観を形成するフロントガラスとを備え、
前記フロントガラスは、
前記開口部に対応する透光領域と、
前記透光領域を囲むように形成される非透光領域と、
前記非透光領域内に形成され、前記ドアフレームへの前記フロントガラスの付着位置をガイドする透光性のアライメントマークとを備えてなることを特徴とする、衣類処理装置。
〔2〕前記アライメントマークは、前記フロントガラスに形成される非透光領域の形状に対応する形状に形成されることを特徴とする、〔1〕に記載の衣類処理装置。
〔3〕前記アライメントマークは、前記非透光領域内に透光性を有するように形成され、前記フロントガラスの付着位置をガイドすることを特徴とする、〔2〕に記載の衣類処理装置。
〔4〕前記アライメントマークは、円形状に形成され、前記フロントガラスの最下端に接することを特徴とする、〔3〕に記載の衣類処理装置。
〔5〕前記アライメントマークは、多角形状に形成され、一角部が前記フロントガラスの最下端に接することを特徴とする、〔3〕に記載の衣類処理装置。
〔6〕前記ドアフレームは、
外周部が前記フロントガラスの外側面を囲むように配置されるアウターフレームと、
外側が前記アウターフレームの外周部に連結され、内側がドアウィンドウの周縁部に連結されるインナーフレームとを備えてなることを特徴とする、〔1〕に記載の衣類処理装置。
〔7〕前記アウターフレームには、前記アライメントマークに対応する位置に位置合わせガイドが形成されることを特徴とする、〔6〕に記載の衣類処理装置。
〔8〕前記フロントガラスは、所定の半径を有する真円形状に形成され、
前記ドアフレームには、前記フロントガラスの外周面を囲むようにリング状に突設され、所定の内径を有する付着ガイドが備えられることを特徴とする、〔1〕に記載の衣類処理装置。
〔9〕前記フロントガラスは、前面及び背面が平坦に形成されることを特徴とする、〔8〕に記載の衣類処理装置。
〔10〕前記ドアフレームと前記フロントガラス間に塗布され、前記フロントガラスを前記ドアフレームに付着する接着剤を更に備えてなることを特徴とする、〔1〕に記載の衣類処理装置。
〔11〕前記ドアフレームには、前記接着剤が充填される接着剤充填溝が形成され、
前記接着剤充填溝は、
前記開口部を囲むように形成され、前記接着剤が塗布される空間を形成する接着剤塗布部と、
前記接着剤塗布部の両側から流出する接着剤を捕集するように、前記接着剤塗布部の両側において前記接着剤塗布部に沿って並んで延設される接着剤捕集部とを備えてなることを特徴とする、〔10〕に記載の衣類処理装置。
〔12〕前記アライメントマークは、前記接着剤塗布部と重なるように配置されることを特徴とする、〔11〕に記載の衣類処理装置。
〔13〕前記接着剤は、前記非透光領域の色と同じ系統の色で形成されることを特徴とする、〔10〕に記載の衣類処理装置。
〔14〕衣類処理装置であって、
衣類投入口を備える本体と、
前記衣類投入口を開閉するように構成されるドアとを備えてなり、
前記ドアは、
前記本体に回転可能に結合され、前記ドアが閉じた状態で前記衣類投入口に対向する開口部を備えるドアフレームと、
前記ドアフレームに付着されて前記ドアの前面外観を形成し、前記開口部に対応する透光領域、及び前記透光領域を囲むように形成される非透光領域を備えるフロントガラスとを備え、
前記フロントガラスは、ガラス材質からなり、所定の半径を有する真円形状に形成されることを特徴とする、衣類処理装置。
〔15〕前記フロントガラスは、前面及び背面が平坦に形成されることを特徴とする、〔14〕に記載の衣類処理装置。
〔16〕前記ドアフレームには、前記フロントガラスの外周面を囲むようにリング状に突設され、所定の内径を有する付着ガイドが備えられることを特徴とする、〔14〕に記載の衣類処理装置。
〔17〕前記ドアフレームの前面には、前記フロントガラスを前記ドアフレームに付着するための接着剤が充填される接着剤充填溝が形成され、
前記接着剤充填溝は、前記付着ガイドの周面に沿って所定の半径を有するリング状に形成されて前記開口部を囲むことを特徴とする、〔16〕に記載の衣類処理装置。
〔18〕前記付着ガイドと前記接着剤充填溝との間隔は、前記付着ガイドの周面に沿って一定に保たれることを特徴とする、〔17〕に記載の衣類処理装置。
【0011】
本発明の第1の目的を達成するために、本発明による衣類処理装置は、衣類投入口を備える本体と、前記衣類投入口を開閉するように構成されるドアとを含み、前記ドアは、前記本体に回転可能に結合され、前記ドアが閉じた状態で前記衣類投入口に対向する開口部を備えるドアフレームと、前記ドアフレームに付着されて前記ドアの前面外観を形成し、前記開口部に対応する透光領域、及び前記透光領域を囲むように形成される非透光領域を備えるフロントガラスとを含み、前記フロントガラスは、ガラス材質からなり、前面及び背面が平坦で所定の半径を有する真円形状に形成される。
前記ドアフレームには、前記フロントガラスの外周面を囲むようにリング状に突設され、所定の内径を有する付着ガイドが備えられるようにしてもよい。
【0012】
前記ドアフレームの前面には、前記フロントガラスを前記ドアフレームに付着するための接着剤が充填される接着剤充填溝が形成され、前記接着剤充填溝は、前記付着ガイドの周面に沿って所定の半径を有するリング状に形成されて前記開口部を囲むようにしてもよい。
【0013】
前記付着ガイドと前記接着剤充填溝との間隔は、前記付着ガイドの周面に沿って一定に保たれるようにしてもよい。
【0014】
本発明の第2の目的を達成するために、本発明による衣類処理装置は、衣類投入口を備える本体と、前記衣類投入口を開閉するように構成されるドアとを含み、前記ドアは、前記本体に回転可能に結合され、前記ドアが閉じた状態で前記衣類投入口に対向する開口部を備えるドアフレームと、前記ドアフレームに付着されて前記ドアの前面外観を形成し、円形状に形成されるフロントガラスと、前記ドアフレームと前記フロントガラス間に塗布され、前記フロントガラスを前記ドアフレームに付着する接着剤とを含み、前記フロントガラスは、前記開口部に対応する透光領域と、前記透光領域を囲むように形成される非透光領域と、前記非透光領域内に形成され、前記ドアフレームへの前記フロントガラスの付着位置をガイドする透光性のアライメントマークとを含み、前記接着剤は、前記アライメントマークを覆うように塗布される。
【0015】
前記ドアフレームは、外周部が前記フロントガラスの外側面を囲むように配置されるアウターフレームと、外側が前記アウターフレームの外周部に連結され、内側がドアウィンドウの周縁部に連結されるインナーフレームとを含んでもよい。
【0016】
前記アライメントマークは、前記フロントガラスに形成される非透光領域の形状に対応する形状に形成されるようにしてもよい。よって、前記アライメントマークは、前記非透光領域内に透光性を有するように形成され、前記フロントガラスの付着位置をガイドするようにしてもよい。
【0017】
前記アライメントマークは、円形状に形成され、前記フロントガラスの最下端に接するようにしてもよい。また、前記アライメントマークは、多角形状に形成され、一角部が前記フロントガラスの最下端に接するようにしてもよい。
【0018】
前記アウターフレームには、前記アライメントマークに対応する位置に位置合わせガイドが形成されるようにしてもよい。
【0019】
前記フロントガラスは、所定の半径を有する真円形状に形成され、前記ドアフレームには、前記フロントガラスの外周面を囲むようにリング状に突設され、所定の内径を有する付着ガイドが備えられるようにしてもよい。
【0020】
前記フロントガラスは、前面及び背面が平坦に形成されるようにしてもよい。
【0021】
前記開口部の中心は、前記ドアフレームの中心から偏心して配置され、前記透光領域の中心は、前記フロントガラスの中心から偏心して配置されるようにしてもよい。
【0022】
前記透光領域の中心は、前記開口部の中心に対応する位置に配置されるようにしてもよい。
【0023】
前記フロントガラスの一例として、前記フロントガラスは、透光性のガラス材質からなるガラス本体と、前記ガラス本体の背面を覆うように配置され、前記非透光領域を形成する遮蔽層とを含む。
【0024】
前記透光領域及び前記アライメントマークは、前記遮蔽層が配置されていない部分に対応するようにしてもよい。
【0025】
前記遮蔽層は、前記ガラス本体の背面にガラス印刷により形成されるようにしてもよい。
【0026】
前記フロントガラスの他の例として、前記フロントガラスは、透光性のガラス材質からなるガラス本体と、前記ガラス本体の背面を覆うように配置されるフィルムとを含み、前記フィルムは、前記透光領域に対応して透光性を有するように形成される透光部と、前記非透光領域に対応して非透光性を有するように形成される非透光部と、前記アライメントマークに対応して透光性を有するように形成されるアライメント部とを含む。
【0027】
前記フロントガラスのさらに他の例として、前記フロントガラスは、透光性のガラス材質からなるガラス本体と、前記ガラス本体の背面を覆うように配置されるフィルムとを含み、前記フィルムは、前記透光領域に対応して形成される第1ホールと、前記非透光領域に対応して非透光性を有するように形成される非透光部と、前記アライメントマークに対応して形成される第2ホールとを含む。
【0028】
また、本発明の第2の目的を達成するために、本発明は、フロントガラスに形成される透光性のアライメントマークを通してフロントガラス取付治具に形成されるガイドマークが見えるように、前記フロントガラスを前記フロントガラス取付治具に取り付けるステップと、前記フロントガラスをドアフレームに付着するステップとを含み、前記フロントガラスは、前記ドアフレームの開口部に対応する透光領域と、前記透光領域を囲むように形成される非透光領域とを含み、前記アライメントマークは、前記非透光領域内に形成される、衣類処理装置に備えられるドアの製造方法を開示する。
【0029】
前記フロントガラスは、所定の半径を有する真円形状に形成され、前記ドアフレームには、前記フロントガラスの外周面を囲むようにリング状に突設され、所定の内径を有する付着ガイドが備えられるようにしてもよい。
【0030】
前記開口部の中心は、前記ドアフレームの中心から偏心して配置され、前記透光領域の中心は、前記フロントガラスの中心から偏心して配置されるようにしてもよい。
【0031】
前記フロントガラスを前記ドアフレームに付着するステップは、ドアフレーム取付治具に取り付けられた前記ドアフレームに接着剤を塗布するステップと、前記フロントガラス取付治具に取り付けられた前記フロントガラスを吸着して持ち上げ、その後前記ドアフレーム取付治具に取り付けられた前記ドアフレーム上に載置するステップと、前記ドアフレーム取付治具を圧着治具に移動させるステップと、前記圧着治具を用いて前記フロントガラスを前記ドアフレームに付着するステップと、前記ドアフレーム取付治具を前記圧着治具から分離して初期位置に移動させるステップと、前記ドアフレームに前記フロントガラスが付着されたアセンブリを前記ドアフレーム取付治具から分離するステップとを含む。
【0032】
本発明の第3の目的を達成するために、前記接着剤は、前記非透光領域の色と同じ系統の色で形成されるようにしてもよい。
【0033】
前記ドアフレームには、前記接着剤が充填される接着剤充填溝が形成され、前記接着剤充填溝は、前記開口部を囲むように形成され、前記接着剤が塗布される空間を形成する接着剤塗布部と、前記接着剤塗布部の両側から流出する接着剤を捕集するように、前記接着剤塗布部の両側において前記接着剤塗布部に沿って並んで延設される接着剤捕集部とを含んでもよい。
【0034】
前記アライメントマークは、前記接着剤塗布部と重なるように配置されるようにしてもよい。
【0035】
本発明の第4の目的を達成するために、本発明は、フロントガラスをフロントガラス取付治具に取り付け、ドアフレームをドアフレーム取付治具に取り付けるステップと、前記ドアフレームに接着剤を塗布するステップと、前記フロントガラスを吸着して持ち上げ、その後前記ドアフレーム上に載置するステップと、前記ドアフレーム取付治具を圧着治具に移動させるステップと、前記圧着治具を用いて前記フロントガラスを前記ドアフレームに付着するステップと、前記ドアフレーム取付治具を前記圧着治具から分離して初期位置に移動させるステップと、前記ドアフレームに前記フロントガラスが付着されたアセンブリを前記ドアフレーム取付治具から分離するステップとを含み、前記ドアフレームに前記接着剤を塗布するステップにおいて、前記ドアフレームの開口部を囲むように形成された接着剤充填溝に前記接着剤を複数回にわたって塗布する、衣類処理装置に備えられるドアの製造方法を開示する。
【0036】
前記接着剤充填溝に複数回にわたって塗布された前記接着剤は、所定の離隔間隔により互いに区別されるようにしてもよい。
【0037】
前記ドアフレームに前記接着剤を塗布するステップにおいて、前記接着剤を少なくとも4回以上にわたって塗布するようにしてもよい。
【0038】
前記接着剤充填溝は、前記開口部を囲むように形成され、前記接着剤が塗布される空間を形成する接着剤塗布部と、前記接着剤塗布部の両側から流出する接着剤を捕集するように、前記接着剤塗布部の両側において前記接着剤塗布部に沿って並んで延設される接着剤捕集部とを含んでもよい。
【0039】
前記圧着治具を用いて前記フロントガラスを前記ドアフレームに付着するステップ、及び前記ドアフレーム取付治具を前記圧着治具から分離して初期位置に移動させるステップにおいて、前記接着剤を塗布する接着剤ガンの孔が閉塞されることを防止するように、前記接着剤ガンに充填された前記接着剤の一部を捨てるようにしてもよい。
【0040】
前記圧着治具を用いて前記フロントガラスを前記ドアフレームに付着するステップ、及び前記ドアフレーム取付治具を前記圧着治具から分離して初期位置に移動させるステップにおいて前記接着剤の捨てられる量は、前記ドアフレームに前記接着剤を塗布するステップにおいて前記接着剤の塗布される量より多く設定されるようにしてもよい。
【0041】
また、本発明の第4の目的を達成するために、本発明は、衣類投入口を備える本体と、前記衣類投入口を開閉するように構成されるドアとを含み、前記ドアは、前記本体に回転可能に結合され、前記ドアが閉じた状態で前記衣類投入口に対向する開口部、及び前記開口部を囲む接着剤充填溝を備えるドアフレームと、前記ドアフレームに付着されて前記ドアの前面外観を形成するフロントガラスと、前記接着剤充填溝に塗布され、前記フロントガラスを前記ドアフレームに付着する接着剤とを含み、前記接着剤は、前記接着剤充填溝に所定の離隔間隔をおいて複数回にわたって塗布される、衣類処理装置を開示する。
【0042】
前記接着剤充填溝は、前記開口部を囲むように形成され、前記接着剤が塗布される空間を形成する接着剤塗布部と、前記接着剤塗布部の両側から流出する接着剤を捕集するように、前記接着剤塗布部の両側において前記接着剤塗布部に沿って並んで延設される接着剤捕集部とを含んでもよい。
【0043】
前記接着剤塗布部は、所定の半径を有するリング状に形成されるようにしてもよい。
【0044】
前記接着剤塗布部の中心は、前記フロントガラスの中心に対応するようにしてもよい。
【0045】
前記フロントガラスは、ガラス材質からなり、所定の半径を有する真円形状に形成されるようにしてもよい。
【0046】
前記フロントガラスは、前面及び背面が平坦に形成されるようにしてもよい。
【0047】
前記接着剤充填溝は、所定の半径を有するリング状に形成され、前記接着剤充填溝の中心は、前記フロントガラスの中心に対応するようにしてもよい。
【0048】
前記フロントガラスは、前記開口部に対応する透光領域と、前記透光領域を囲むように形成される非透光領域と、前記非透光領域内に形成され、前記ドアフレームへの前記フロントガラスの付着位置をガイドする透光性のアライメントマークとを含み、前記接着剤は、前記アライメントマークを覆うように塗布されるようにしてもよい。
【0049】
前記接着剤は、前記非透光領域の色と同じ系統の色で形成されるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0050】
第一に、ガラス製のフロントガラスが平坦な前面及び背面を有して完全な円形状に形成されるので、凸状の前面を有して不完全な円形状に形成されていた合成樹脂製の従来のドアカバーに比べて、ドアの高級感が向上する。
【0051】
第二に、フロントガラスをフロントガラス取付治具に取り付ける際に、フロントガラスの非透光領域内に形成される透光性のアライメントマークを通してフロントガラス取付治具に形成されるガイドマークが見えるように位置合わせを行うことにより、フロントガラスとドアフレームとの位置合わせを行うことができる。
【0052】
第三に、接着剤がアライメントマークを覆うように配置され、非透光領域の色と同じ系統の色で形成されるので、フロントガラスとドアフレームとの位置合わせのためのアライメントマークがドアの外部から見えなくなり、ドアの外観が綺麗になる。
【0053】
第四に、ドアフレームに接着剤を塗布するステップにおいて、ドアフレームの開口部を囲むように形成された接着剤充填溝に接着剤を複数回にわたって塗布することにより、フロントガラスとドアフレームとの接着のために用いられる接着剤の使用を最小限に抑えることができ、接着剤ガンに充填された接着剤が乾く時間を遅らせることができる。
【0054】
また、圧着治具を用いてフロントガラスをドアフレームに付着するステップ、及びドアフレーム取付治具を圧着治具から分離して初期位置に移動させるステップにおいて、接着剤ガンに充填された接着剤の一部を捨てることにより、接着剤を塗布する接着剤ガンの孔が閉塞されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【
図1】本発明による衣類処理装置の一例を示す斜視図である。
【
図7A】
図3に示すフロントガラスの正面図である。
【
図7B】アウターフレームに形成される位置合わせガイドによりフロントガラスの位置がガイドされる概念を示す概念図である。
【
図7C】位置合わせガイドとアライメントマークの配置関係を示す概念図である。
【
図8】
図7Aに示すフロントガラスを上方、下方、左側及び右側からそれぞれ見た図である。
【
図11】
図3に示すフロントガラスをドアフレームの定位置に付着するための装置を簡単に示す概念図である。
【
図12】
図11の装置を用いたフロントガラスとドアフレームの組立プロセスを説明するためのフローチャートである。
【
図13】
図11に示すフロントガラス取付治具の概念図である。
【
図14】
図12におけるフロントガラスをフロントガラス取付治具の定位置に取り付ける方法を説明するための概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
以下、図面を参照して、本発明による衣類処理装置についてより詳細に説明する。
【0057】
単数の表現には、特に断らない限り複数の表現が含まれる。
【0058】
異なる実施形態であっても、前の実施形態と同一又は類似の構成要素には同一又は類似の符号を付し、それについての重複する説明は省略する。
【0059】
本明細書に開示された実施形態について説明するにあたり、関連する公知技術についての具体的な説明が本明細書に開示された実施形態の要旨を不明にすると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。
【0060】
添付図面は本明細書に開示された実施形態を容易に理解できるようにするためのものにすぎず、添付図面により本明細書に開示された技術的思想が限定されるものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むものと理解されるべきである。
【0061】
図1は本発明による衣類処理装置の一例を示す斜視図である。
【0062】
図1に示すように、本発明による衣類処理装置は、本体10、コントロールユニット30及びドア20を含む。
【0063】
本体10は、衣類処理装置の外形を形成し、衣類の投入のための衣類投入口を備える。本実施形態においては、六面体形状の本体10の前面部に衣類投入口が形成された場合を示す。衣類投入口は円形状に形成されてもよい。
【0064】
本体10の内部には、衣類投入口に連通する内部空間である衣類収容部が備えられる。衣類は衣類投入口から衣類収容部に収容される。
【0065】
一例として、本発明による衣類処理装置が衣類の乾燥を行う装置として構成された場合、衣類収容部は、本体10の内部に回転可能に備えられるドラムから構成されてもよい。
【0066】
他の例として、本発明による衣類処理装置が衣類の洗濯及び乾燥を共に行う装置として構成された場合、衣類収容部は、本体10の内部に備えられて洗濯水が貯蔵されるタブと、前記タブの内部に回転可能に備えられて衣類が収容されるドラムとから構成されてもよい。
【0067】
コントロールユニット30は、衣類処理装置で処理される行程に関する視覚情報を表示し、ユーザ操作の入力を受けるように構成される。このために、コントロールユニット30は、視覚情報の表示のためのディスプレイ部を備え、ユーザ操作の入力のためのノブやボタンを備えるようにしてもよい。あるいは、コントロールユニット30は、これら2つの機能を兼ね備えるタッチスクリーンで構成されてもよい。
【0068】
コントロールユニット30は、本体10に備えられてもよく、ドア20に備えられてもよい。同図においては、コントロールユニット30がドア20の上方となる本体10上部に配置された場合を示す。
【0069】
ドア20は、衣類投入口を開閉するように、本体10に対して相対移動可能に構成される。同図においては、ドア20がヒンジユニット24により本体10に対して相対回転可能に構成された場合を示す。
【0070】
以下、ドア20についてより具体的に説明する。
【0071】
図2は
図1に示すドア20の正面図であり、
図3は
図2に示すドア20の分解斜視図である。
図4は
図2に示すドア20の平面図であり、
図5は
図2に示すドア20の左側面図であり、
図6は
図2に示すドア20の背面図である。
【0072】
図2~
図6に示すように、ドア20は、ドアフレーム21、ドアウィンドウ22及びフロントガラス23を含む。
【0073】
ドアフレーム21は、ヒンジユニット24により本体10に回転可能に結合される。ドアフレーム21は、アウターフレーム21a及びインナーフレーム21bを含む。アウターフレーム21a及びインナーフレーム21bは、合成樹脂材質(例えば、ABS材質、PC材質など)からなるようにしてもよい。
【0074】
アウターフレーム21a及びインナーフレーム21bは、それぞれリング状に形成され、互いに前後方向に重なるように配置されて結合されるようにしてもよい。アウターフレーム21a及びインナーフレーム21bは、それぞれ外周部にフック(図示せず)を備え、互いに係合されるようにしてもよい。
【0075】
アウターフレーム21a及びインナーフレーム21bは、それぞれ円周方向に幅が異なるように形成されてもよい。
【0076】
すなわち、アウターフレーム21aは、外径と内径(開口部の直径)の距離(幅)が最上端から最下端へ行くほど大きくなる(広くなる)ように構成されてもよい。同様に、インナーフレーム21bは、外径と内径(開口部の直径)の距離(幅)が最上端から最下端へ行くほど大きくなる(広くなる)ように構成されてもよい。
【0077】
また、アウターフレーム21aの前面及び外周面には、保護層(図示せず)がクロムメッキにより形成されてもよい。アウターフレーム21aは、クロムメッキ液に完全に浸漬されてクロムメッキが施されることにより、アウターフレーム21aの表面全体に保護層(図示せず)が形成されるようにしてもよい。
【0078】
さらに、インナーフレーム21bは、クロムメッキ液に完全に浸漬されてクロムメッキが施されることにより、インナーフレーム21bの表面全体に保護層(図示せず)が形成されるようにしてもよい。
【0079】
アウターフレーム21aの保護層(図示せず)は、アウターフレーム21aに銀色の金属光沢を持たせるように構成されてもよい。よって、保護層(図示せず)は、明るい銀色により円形の水滴のように見える効果を奏する。また、保護層(図示せず)は、目視で高級感などの感性を感じるようにする。
【0080】
なお、ドアフレーム21の両フレームをアウターフレーム21a、インナーフレーム21bと命名するのは、ドアフレーム21自体のみを見ると、ドア20が閉じた状態で、アウターフレーム21aは本体10の外部を向き、インナーフレーム21bは本体10の内部を向くからである。このように区別するのではなく、アウターフレーム21a及びインナーフレーム21bをそれぞれ第1フレーム及び第2フレームと命名してもよい。
【0081】
ドアフレーム21は、ドア20が閉じた状態で衣類投入口に対向する開口部21’を備える。開口部21’の中心は、ドアフレーム21の中心に一致してもよく、図示のように、ドアフレーム21の中心から偏心して配置されてもよい。開口部21’は、円形状に形成されてもよい。
【0082】
開口部21’にはドアウィンドウ22が設置される。よって、開口部21’はドアウィンドウホールともいえる。開口部21’の形成のために、アウターフレーム21aには開口21a’が形成され、インナーフレーム21bには開口21b’が形成される。
【0083】
インナーフレーム21bには凹部21b’’が形成されてもよい。ドア20が閉じた状態で、ユーザは凹部21b’’に手を入れてドア20を引くことにより、ドア20を開くことができる。
【0084】
ドアウィンドウ22は、開口部21’に対応するようにドアフレーム21に設置される。ドアウィンドウ22は、透光性を有する合成樹脂材質からなり、ドア20が閉じた状態で衣類投入口に対応するように配置される。
【0085】
ドアウィンドウ22は、ガラス材質からなるようにしてもよく、また、アウターフレーム21aとインナーフレーム21b間にドアウィンドウ22の周縁部(図示せず)が挿入されて結合されるようにしてもよい。
【0086】
ドアウィンドウ22の周縁部(図示せず)は、平面状に形成され、アウターフレーム21aの曲面部の後端とインナーフレーム21bの内側端間に配置されて固定されるようにしてもよい。よって、ドア20は、ヒンジユニット24により本体10に対して前後方向に回転可能に設置することができる。
【0087】
前述したように、ヒンジユニット24により、ドア20を本体10に対して回転可能に設置することができる。
【0088】
ヒンジユニット24は、ヒンジ24a、ヒンジホルダ24b及びブッシュ24cを含んでもよい。
【0089】
ヒンジ24aは、本体10に固定され、ドアフレーム21に回転可能に結合される。ヒンジ24aは、本体10に固定される板状のベース部24a’と、ベース部24a’から突設されてドアフレーム21に回転可能に結合される回転結合部24a’’とを含んでもよい。回転結合部24a’’は、複数備えられ、上下に離隔して配置されてもよい。
【0090】
ヒンジホルダ24bは、ドアフレーム21に結合されて回転結合部24a’’の離脱を防止するように構成される。ヒンジホルダ24bは、回転結合部24a’’を覆うように配置される。ヒンジホルダ24bは、回転結合部24a’’と結合されてもよい。
【0091】
ブッシュ24cは、回転結合部24a’’の回転軸に嵌められ、回転軸が円滑に回転できるようにする。
【0092】
ドア20の一側にヒンジユニット24が取り付けられた構造において、ドア20の他側には、ドア20を本体10に固定又は固定解除するロック装置25が備えられる。
【0093】
ロック装置25は、シャフト25a、ドアラッチ25b及び弾性部材25cを含んでもよい。
【0094】
シャフト25aは、ドアラッチ25bを貫通するように構成され、ドアフレーム21に取り付けられる。弾性部材25cは、ドアラッチ25bの回転時にドアラッチ25bが復元できるように付勢する。つまり、ドアラッチ25bは、ドアフレーム21に回転及び復元可能に構成される。
【0095】
フロントガラス23は、ドアフレーム21に付着されてドア20の前面外観を形成する。フロントガラス23は、ドアフレーム21の開口部21’を覆うように配置される。同図においては、フロントガラス23がアウターフレーム21aに付着された場合を示す。
【0096】
図7Aは
図3に示すフロントガラス23の正面図であり、
図8は
図7Aに示すフロントガラス23を上方、下方、左側及び右側からそれぞれ見た図である。
【0097】
図7A及び
図8に示すように、フロントガラス23は、透光領域23a及び非透光領域23bを含む。ここで、透光領域23aとは、光の少なくとも一部が透過するように構成され、反対側や内部が見えるように構成される領域を意味する。よって、透光領域23aは、半透光領域を含む概念である。
【0098】
フロントガラス23がドアフレーム21に付着された状態で、透光領域23aは、開口部21’及びドアウィンドウ22に対応して配置される。よって、ドア20が閉じた状態で、ユーザは透光領域23aを通して衣類収容部を見ることができる。
【0099】
開口部21’の中心がドアフレーム21の中心から偏心して配置された場合、透光領域23aの中心O’は、フロントガラス23の中心Oから偏心して配置される。
【0100】
透光領域23aの中心O’は、開口部21’の中心に対応する位置に配置される。ここで、対応する位置には、中心が完全に一致する場合の位置だけでなく、中心の偏心方向が同じ場合の位置も含まれる。すなわち、透光領域23aの中心O’と開口部21’の中心が一致してもよく、透光領域23aの偏心した方向と開口部21’の偏心した方向が同じでもよい。
【0101】
同図においては、開口部21’の中心がドアフレーム21の中心から上方(12時方向)に偏心して配置され、それに対応して、透光領域23aの中心O’がフロントガラス23の中心Oから上方(12時方向)に偏心して配置された場合を示す。ここで、透光領域23aの中心O’と開口部21’の中心が一致するようにしてもよい。
【0102】
非透光領域23bは、透光領域23aを囲むように形成される。非透光領域23bは、ドアフレーム21の開口部21’を除く部分を覆って遮蔽するように配置される。
【0103】
透光領域23aとそれを囲む非透光領域23bとは、非透光領域23bにより境界線を有して明確に区分されるようにしてもよい。
【0104】
あるいは、網点(ハーフトーン)技法により透光領域23aと非透光領域23bとの境界をぼかし、透光領域23aから非透光領域23bへと視覚的になめらかに移行するようにしてもよい。そのために、非透光領域23bは、透光領域23aの周辺に形成される複数の遮蔽ドットを含み、前記複数の遮蔽ドットは、透光領域23aへ行くほど密度が低くなるように形成されてもよい。
【0105】
フロントガラス23は、所定の半径を有する真円形状に形成される。フロントガラス23はガラス材質からなる。よって、フロントガラス23は、前面及び背面が平坦に形成される。
図8から分かるように、フロントガラス23は、厚さが一定の円板状に形成され、上下左右のどこから見ても屈曲がない。
【0106】
このように、ガラス製のフロントガラス23が平坦な前面及び背面を有して完全な円形状に形成されるので、凸状の前面を有して不完全な円形状に形成されていた合成樹脂製の従来のドアカバーに比べて、ドア20の高級感が向上する。
【0107】
非透光領域23b内には透光性のアライメントマーク23cが形成される。アライメントマーク23cは、ドアフレーム21へのフロントガラス23の付着位置をガイドするための構成である。同図においては、フロントガラス23の下部(6時方向)に円形のアライメントマーク23cが形成された場合を示す。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。アライメントマーク23cは、多角形状に形成されてもよく、ライン状に形成されてもよい。アライメントマーク23cの位置を変更してもよいことは言うまでもない。
【0108】
アライメントマーク23cは、フロントガラス23の非透光領域23bの形状に対応する形状に形成されてもよい。
【0109】
また、アライメントマーク23cは、非透光領域23b内に透光性を有するように形成され、フロントガラス23の付着位置をガイドするようにしてもよい。
【0110】
前述したように、アライメントマーク23cは、円形状に形成されてもよい。ここで、アライメントマーク23cは、フロントガラス23の最下端に点接触するように形成される円形状のものであってもよい。
【0111】
この場合、円形状に形成されるアライメントマーク23cとフロントガラス23の最下端とを当接させて配置することにより、アウターフレーム21aに取り付けられるフロントガラス23の付着位置をガイドすることができる。例えば、円形のアライメントマーク23cの下端部とフロントガラス23の最下端とが当接して配置されて点接触すると、アウターフレーム21aに取り付けられるフロントガラス23の付着位置が決定される。
【0112】
また、アライメントマーク23cは、多角形状に形成されてもよい。ここで、アライメントマーク23cは、一角部がフロントガラス23の最下端に接するように配置される多角形状のものであってもよい。例えば、アライメントマーク23cは、一角部がフロントガラス23の最下端に接するように形成される多角形状のものであってもよい。
【0113】
図7Bに示すように、フロントガラス23の付着位置は、アウターフレーム21aに形成される位置合わせガイド21cによりガイドすることができる。
【0114】
アウターフレーム21aにおいて、アライメントマーク23cに対応する位置には、位置合わせガイド21cが形成されてもよい。
【0115】
図7Bに示すように、アウターフレーム21aの一側、とりわけ、アライメントマーク23cに対応する位置には、位置合わせガイド21cが形成されてもよい。位置合わせガイド21cは、アウターフレーム21aの前面部の一側に形成されてもよい。位置合わせガイド21cとは、アライメントマーク23cに対応するように円形又は多角形状に形成される標識を意味する。
【0116】
例えば、非透光領域23b内に形成されるアライメントマーク23cが円形状に形成される場合、位置合わせガイド21cも、それに対応する大きさの円形状に形成されてもよい。また、非透光領域23b内に形成されるアライメントマーク23cが多角形状に形成される場合、位置合わせガイド21cも、それに対応するように多角形状に形成されてもよい。
【0117】
すなわち、位置合わせガイド21cとアライメントマーク23cとが重なるように配置することにより、ドアフレーム21へのフロントガラス23の付着位置をガイドすることができる。
【0118】
また、
図7Cに示すように、位置合わせガイド21cは、矢印21c’の形状に形成されてもよい。
【0119】
ドアフレーム21にフロントガラス23を取り付ける際に、位置合わせガイド21cを構成する矢印21c’の一端部がアライメントマーク23cの一端部に接するように配置することにより、ドアフレーム21へのフロントガラス23の付着位置をより正確に決定することができる。
【0120】
また、位置合わせガイド21cをアウターフレーム21aの前面部の一側に形成し、位置合わせガイド21cを構成する矢印21c’の両端部がアライメントマーク23cの両端部にそれぞれ接するように配置することにより、ドアフレーム21へのフロントガラス23の付着位置をより精密に決定することができる。
【0121】
アライメントマーク23cを用いてフロントガラス23の位置合わせを行う方法については後述する。
【0122】
一方、フロントガラス23は、次のレイヤ構造により、透光領域23a、非透光領域23b及びアライメントマーク23cを実現することができる。
【0123】
第1例として、フロントガラス23は、透光性のガラス材質からなるガラス本体と、前記ガラス本体の背面を覆うように配置され、非透光領域23bを形成する遮蔽層とを含む。ここで、前記遮蔽層が配置されていない部分は、透光領域23a及びアライメントマーク23cを形成する。前記遮蔽層は、前記ガラス本体の背面にガラス印刷により形成されるようにしてもよい。
【0124】
第2例として、フロントガラス23は、透光性のガラス材質からなるガラス本体と、前記ガラス本体の背面を覆うように配置されるフィルムとを含み、前記フィルムは、透光領域23aに対応して透光性を有するように形成される透光部と、非透光領域23bに対応して非透光性を有するように形成される非透光部と、アライメントマーク23cに対応して透光性を有するように形成されるアライメント部とを含む。
【0125】
第3例として、フロントガラス23は、透光性のガラス材質からなるガラス本体と、前記ガラス本体の背面を覆うように配置されるフィルムとを含み、前記第2例とは異なり、前記フィルムが、透光領域23aに対応して形成される第1ホールと、非透光領域23bに対応して非透光性を有するように形成される非透光部と、アライメントマーク23cに対応して形成される第2ホールとを含む。すなわち、前記第2例では、前記フィルムにおいて透光領域23a及びアライメントマーク23cに対応する部分が透光性を有するように形成され、それに対し、前記第3例では、前記フィルムにおいて透光領域23a及びアライメントマーク23cに対応する部分が穿孔形成される。
【0126】
【0127】
図9及び
図10に示すように、ドアフレーム21は、アウターフレーム21a及びインナーフレーム21bを含む。
【0128】
アウターフレーム21aは、前面にフロントガラス23を付着できるように構成される。インナーフレーム21bは、アウターフレーム21aの背面に結合される。アウターフレーム21aとインナーフレーム21bとの結合は、ピン溝結合、フック結合、螺合、接着などにより行われてもよい。
【0129】
アウターフレーム21aには、周縁部に沿って付着ガイド21a’’が突設されてもよい。付着ガイド21a’’は、リング状に延設され、内部にフロントガラス23が収容される空間を形成する。
【0130】
付着ガイド21a’’は、フロントガラス23の外周面を囲むように配置される。付着ガイド21a’’は、所定の内径を有するように形成される。すなわち、付着ガイド21a’’は真円形に形成される。付着ガイド21a’’の内径は、フロントガラス23の外径に対応するようにしてもよい。
【0131】
付着ガイド21a’’は、フロントガラス23の上面と同一平面を形成するように、所定の高さで突設されてもよい。上記構成によれば、付着ガイド21a’’とフロントガラス23間に段差がないので、よりシンプルな外観を実現することができる。
【0132】
付着ガイド21a’’は、フロントガラス23の外周面を囲むように、アウターフレーム21aの前面外周端から前方に突設され、フロントガラス23の荷重を支持すると共に、外部の衝撃からフロントガラス23の側面を保護する。
【0133】
付着ガイド21a’’の突出長さは、少なくともフロントガラス23の厚さの約2/3を覆う長さにしてもよい。これは、付着ガイド21a’’の突出長さが短すぎると、外部の衝撃がフロントガラス23の外周面に加わり、フロントガラス23の荷重を十分に支持できないからである。
【0134】
付着ガイド21a’’は、アウターフレーム21aの前面縁部から突設されてもよい。付着ガイド21a’’は、リング状に形成され、内部にフロントガラス23を収容するための空間を形成する。
【0135】
付着ガイド21a’’は、所定の内径を有し、円形状に形成されてもよい。付着ガイド21a’’の内径は、フロントガラス23の外径に対応する大きさにし、付着ガイド21a’’がフロントガラス23の外周面を囲むようにしてもよい。
【0136】
ドアフレーム21とフロントガラス23との結合のために、ドアフレーム21とフロントガラス23間には接着剤26が配置され、ドアフレーム21には接着剤26が塗布される接着剤充填溝21a1が形成される。同図においては、アウターフレーム21aの前面に接着剤充填溝21a1が形成された場合を示す。
【0137】
接着剤充填溝21a1は、付着ガイド21a’’の周面に沿って所定の半径を有するリング状に形成されて開口部21’を囲むようにする。付着ガイド21a’’と接着剤充填溝21a1との間隔は、付着ガイド21a’’の周面に沿って一定に保たれるようにしてもよい。すなわち、接着剤充填溝21a1の中心は、付着ガイド21a’’の中心に対応するようにしてもよい。
【0138】
図示のように、接着剤充填溝21a1は、接着剤塗布部21a1’及び接着剤捕集部21a1’’を含んでもよい。
【0139】
接着剤塗布部21a1’は、接着剤26の塗布のための部分であり、開口部21’を囲むリング状に形成される。付着ガイド21a’’と接着剤塗布部21a1’との間隔は、付着ガイド21a’’の周面に沿って一定に保たれるようにしてもよい。この場合、接着剤塗布部21a1’の中心は、付着ガイド21a’’の中心に対応する。また、付着ガイド21a’’は、真円形状に形成されるフロントガラス23の外周を囲むように形成されるので、接着剤塗布部21a1’の中心は、フロントガラス23の中心にも対応する。
【0140】
接着剤塗布部21a1’の両側には、接着剤塗布部21a1’の内外側からそれぞれ流出する接着剤26を捕集するための接着剤捕集部21a1’’が備えられる。接着剤捕集部21a1’’は、接着剤塗布部21a1’から所定間隔離隔して、接着剤塗布部21a1’に沿って並んで延設されてもよい。
【0141】
すなわち、接着剤捕集部21a1’’は、接着剤塗布部21a1’を囲むリング状の第1接着剤捕集部と、接着剤塗布部21a1’の内側に配置されるリング状の第2接着剤捕集部とを含む。すなわち、接着剤塗布部21a1’は、第2接着剤捕集部を囲むように形成される。ここで、第1接着剤捕集部の中心と第2接着剤捕集部の中心は、接着剤塗布部21a1’の中心に対応する。
【0142】
接着剤塗布部21a1’は、接着剤26が塗布される部分であり、接着剤捕集部21a1’’は、想定される接着剤26の溢れに備えて設けられる部分であるので、接着剤捕集部21a1’’の幅は、接着剤塗布部21a1’の幅より狭くしてもよい。
【0143】
上記構造によれば、フロントガラス23がアウターフレーム21aに結合される過程で接着剤塗布部21a1’に充填された接着剤26が漏れても、漏れた接着剤26を接着剤塗布部21a1’の内外側にそれぞれ備えられる接着剤捕集部21a1’’に捕集することができる。よって、接着剤26の漏れによる外観品質の低下を防止することができる。
【0144】
また、上記構造によれば、接着剤塗布部21a1’をできるだけアウターフレーム21aの周縁部に近い位置に配置することができる。よって、それに対応するフロントガラス23の周縁部の非接合部分を最小限に抑えることができるので、接合強度を向上させることができる。
【0145】
一方、フロントガラス23に対応する構成として合成樹脂製のドアカバーを用いる場合は、ドアカバーにドアフレーム21との結合時に正確な付着位置をガイドするための構造物(ピン、フックなど)を形成してもよい。例えば、ドアカバーの背面にピンを形成し、ドアフレーム21に前記ピンが挿入される溝を形成し、ピン溝結合によりドアカバーをドアフレーム21の定位置に付着できるようにする。
【0146】
しかし、ガラス製のフロントガラス23を用いる場合は、フロントガラス23にドアフレーム21との結合時に正確な付着位置をガイドするための構造物を形成することができないという問題がある。よって、他の方式でフロントガラス23をドアフレーム21の定位置に付着できるようにする。
【0147】
以下、フロントガラス23をドアフレーム21の定位置に付着するための装置と、前記装置を用いたドア20の製造方法について説明する。
【0148】
図11は
図3に示すフロントガラス23をドアフレーム21の定位置に付着するための装置を簡単に示す概念図である。
【0149】
図11に示すように、フロントガラス23をドアフレーム21の定位置に付着するための装置は、フロントガラス取付治具1、ドアフレーム取付治具2、圧着治具3及びロボットアーム4を含む。
【0150】
ドアフレーム取付治具2は、自動化レール5により水平移動可能に構成される。自動化レール5は、ドアフレーム取付治具2が圧着治具3まで移動できるように、圧着治具3まで延設される。
【0151】
ロボットアーム4は、フロントガラス取付治具1とドアフレーム取付治具2(初期位置)とをカバーする移動範囲を有する。ロボットアーム4には、接着剤ガン4a及び吸着部4bが備えられる。
【0152】
次に、前記装置を用いたドア20の製造方法について説明する。
【0153】
図12は
図11の装置を用いたフロントガラス23とドアフレーム21の組立プロセスを説明するためのフローチャートである。
【0154】
まず、
図12に示すように、フロントガラス23をフロントガラス取付治具1に取り付け、ドアフレーム21をドアフレーム取付治具2に取り付ける(S10)。この2つの過程は順序に関係なく行ってもよい。
【0155】
後述する製造方法から分かるように、フロントガラス取付治具1へのフロントガラス23の取付位置により、ドアフレーム21へのフロントガラス23の付着位置が決定される。よって、フロントガラス23をフロントガラス取付治具1の定位置に取り付けなければならない。
【0156】
図13は
図11に示すフロントガラス取付治具1の概念図であり、
図14は
図12におけるフロントガラス23をフロントガラス取付治具1の定位置に取り付ける方法を説明するための概念図である。
【0157】
図13に示すように、フロントガラス取付治具1には、上面から凹んで形成される凹状のフロントガラス取付部1aが備えられる。フロントガラス取付部1aは、フロントガラス23に対応する大きさに形成される。よって、フロントガラス取付部1aの内周面とフロントガラス23の外周面とは微小な所定の間隔をおいて対向して配置される。
【0158】
フロントガラス23は、円形状に形成されるので、フロントガラス取付部1aに取り付けられた状態で回転させてもよい。すなわち、フロントガラス取付部1aへのフロントガラス23の取付位置が特定の位置に限定されるものではない。
【0159】
フロントガラス取付治具1へのフロントガラス23の取付位置をガイドするために、フロントガラス取付治具1にはガイドマーク1bが形成され、フロントガラス23の非透光領域23b内には透光性のアライメントマーク23cが形成される。
【0160】
同図においては、ガイドマーク1bがフロントガラス23の上側(12時方向)と下側(6時方向)を結ぶ直線状に形成された場合を示す。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。ガイドマーク1bは、ライン状ではなく、多角形、円形、点などの形状に形成されてもよい。ガイドマーク1bの位置が変更可能であることは言うまでもない。
【0161】
図14に示すように、フロントガラス23のアライメントマーク23cを通してフロントガラス取付治具1に形成されるガイドマーク1bが見えるようにすると、フロントガラス23がフロントガラス取付治具1の定位置に取り付けられた状態となる。
【0162】
次に、
図12に示すように、ドアフレーム取付治具2に取り付けられたドアフレーム21に接着剤26を塗布する(S20)。接着剤26の塗布は、ロボットアーム4とそれに取り付けられた接着剤ガン4aを用いて精密に行うことができる。ここで、ロボットアーム4が初期位置からドアフレーム取付治具2に移動し、接着剤ガン4aによりドアフレーム21に接着剤26を塗布し、ロボットアーム4が初期位置に復帰するようにしてもよい。
【0163】
なお、通常、接着剤充填溝21a1に接着剤26が一度に塗布されるのに対し(全体塗布方式)、本発明においては、ドアフレーム21の開口部21’を囲むように形成される接着剤充填溝21a1に接着剤26が複数回にわたって塗布される(分割塗布方式)。
【0164】
接着剤充填溝21a1に複数回にわたって塗布された接着剤26は、所定の離隔間隔gにより互いに区別されるようにしてもよい。すなわち、各回に塗布された接着剤26は、所定の離隔間隔gをおいて配置される。ここで、接着剤26は、少なくとも4回以上にわたって塗布されるようにしてもよい。
【0165】
本発明の分割塗布方式においては、通常の全体塗布方式に比べて、塗布時間は相対的に長いが、接着剤26の塗布量が減少するという利点がある。また、本発明の分割塗布方式においては、分割塗布する毎に接着剤ガン4aに少しずつ接着剤26が供給されるので、通常の全体塗布方式に比べて、接着剤ガン4aに充填された接着剤26が乾く時間を遅らせることができるという利点がある。
【0166】
次に、ロボットアーム4の吸着部4bが、フロントガラス取付治具1に取り付けられたフロントガラス23を吸着して持ち上げ、その後ドアフレーム取付治具2に取り付けられたドアフレーム21上に載置する(S30)。その後、ロボットアーム4は、初期位置に復帰するようにしてもよい。
【0167】
次に、ドアフレーム取付治具2を圧着治具3に移動させる(S40)。ここで、ドアフレーム取付治具2は、自動化レール5により圧着治具3に移動するようにしてもよい。
【0168】
次に、圧着治具3を用いてフロントガラス23をドアフレーム21に付着する(S50)。このとき、圧着治具3のカバーの下に移動したフロントガラス23をカバーの下降により加圧してドアフレーム21に付着するようにしてもよい。
【0169】
次に、ドアフレーム取付治具2を圧着治具3から分離して初期位置に移動させる(S60)。
図11においては、前記カバーが初期位置である上側に移動し、ドアフレーム取付治具2が自動化レール5により初期位置に復帰した状態を示す。
【0170】
前述した圧着治具3を用いてフロントガラス23をドアフレーム21に付着するステップ、及びドアフレーム取付治具2を圧着治具3から分離して初期位置に移動させるステップにおいては、接着剤ガン4aに充填された接着剤26の一部を捨てる。これは、接着剤26を塗布する接着剤ガン4aの孔が閉塞されることを防止するためである。
【0171】
具体的には、フロントガラス23とドアフレーム21の組立プロセスは繰り返し行われるが、接着剤26を接着剤充填溝21a1に塗布してから再びその過程を行うまで接着剤ガン4aを用いないと、接着剤26が乾いて接着剤ガン4aの孔が閉塞される問題が生じ得る。それを防止するために、接着剤26を接着剤充填溝21a1に塗布する過程と次に繰り返される過程間に、接着剤ガン4aに充填された接着剤26の一部を捨てる過程をさらに行う。
【0172】
ここで、接着剤26の捨てられる量は、前述したドアフレーム21に接着剤26を塗布するステップにおいて接着剤26の塗布される量より多く設定される。
【0173】
次に、ドアフレーム21にフロントガラス23が付着されたアセンブリをドアフレーム取付治具2から分離する(S70)。
【0174】
一方、フロントガラス23をドアフレーム21の定位置に付着するためのアライメントマーク23cは、ドア20の前面外観を形成するフロントガラス23に形成されるので、そのまま残すと、外観の美観を損なう要因として作用する。特に、アライメントマーク23cは、非透光領域23b内に透光性を有するように形成されるので、非常に目立つ。
【0175】
以下、アライメントマーク23cがドア20の外部から見えない構造について説明する。
【0176】
図15は
図2に示すB部分の拡大図である。同図においては、理解を助けるために、フロントガラス23はアライメントマーク23cのみを示す。
【0177】
図15に示すように、接着剤26は、非透光性材質からなり、フロントガラス23の背面にアライメントマーク23cを覆うように配置される。すなわち、アライメントマーク23cは、ドアフレーム21に塗布された接着剤26上に重なるように配置される。よって、アライメントマーク23cは接着剤26により遮蔽される。
【0178】
接着剤26は、非透光領域23bの色と同じ系統の色(例えば、ブラック)で形成されてもよい。この場合、アライメントマーク23cはより完璧に遮蔽される。
【0179】
一方、前述したように、接着剤充填溝21a1は、接着剤26が塗布される接着剤塗布部21a1’と、接着剤塗布部21a1’の両側から流出する接着剤26を捕集する接着剤捕集部21a1’’とを含む。フロントガラス23とドアフレーム21の関係において、アライメントマーク23cは、接着剤塗布部21a1’と重なるように配置される。
【0180】
前述したドアフレーム21に接着剤26を塗布するステップにおいて、接着剤26を接着剤塗布部21a1’に複数回にわたって塗布する際に、アライメントマーク23cと重なる部分には必ず接着剤26を塗布する。
【0181】
このように、接着剤26がアライメントマーク23cを覆うように配置され、非透光性材質、とりわけ非透光領域23bの色と同じ系統の色で形成されることにより、フロントガラス23とドアフレーム21との位置合わせのためのアライメントマーク23cがドア20の外部から識別されにくくなり、ドア20の外観が綺麗になる。
【符号の説明】
【0182】
10 本体
20 ドア
21 ドアフレーム
21a アウターフレーム
21b インナーフレーム
21c 位置合わせガイド
21’ 開口部
21a’ 開口
21b’ 開口
21a’’ 付着ガイド
21b’’ 凹部
21a1 接着剤充填溝
21a1’ 接着剤塗布部
21a1’’ 接着剤捕集部
22 ドアウィンドウ
23 フロントガラス
23a 透光領域
23b 非透光領域
23c アライメントマーク