IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー エナジー ソリューション リミテッドの特許一覧

特許7086170電流遮断部を備えたバスバー及びこれを含むバッテリーモジュール
<>
  • 特許-電流遮断部を備えたバスバー及びこれを含むバッテリーモジュール 図1
  • 特許-電流遮断部を備えたバスバー及びこれを含むバッテリーモジュール 図2
  • 特許-電流遮断部を備えたバスバー及びこれを含むバッテリーモジュール 図3
  • 特許-電流遮断部を備えたバスバー及びこれを含むバッテリーモジュール 図4
  • 特許-電流遮断部を備えたバスバー及びこれを含むバッテリーモジュール 図5
  • 特許-電流遮断部を備えたバスバー及びこれを含むバッテリーモジュール 図6
  • 特許-電流遮断部を備えたバスバー及びこれを含むバッテリーモジュール 図7
  • 特許-電流遮断部を備えたバスバー及びこれを含むバッテリーモジュール 図8
  • 特許-電流遮断部を備えたバスバー及びこれを含むバッテリーモジュール 図9
  • 特許-電流遮断部を備えたバスバー及びこれを含むバッテリーモジュール 図10
  • 特許-電流遮断部を備えたバスバー及びこれを含むバッテリーモジュール 図11
  • 特許-電流遮断部を備えたバスバー及びこれを含むバッテリーモジュール 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-09
(45)【発行日】2022-06-17
(54)【発明の名称】電流遮断部を備えたバスバー及びこれを含むバッテリーモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/583 20210101AFI20220610BHJP
   H01M 50/503 20210101ALI20220610BHJP
   H01M 50/505 20210101ALI20220610BHJP
   H01M 50/522 20210101ALI20220610BHJP
   H01M 50/526 20210101ALI20220610BHJP
   H01M 50/50 20210101ALI20220610BHJP
   H01M 50/296 20210101ALI20220610BHJP
【FI】
H01M50/583
H01M50/503
H01M50/505
H01M50/522
H01M50/526
H01M50/50 101
H01M50/296
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020503914
(86)(22)【出願日】2019-01-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-09-24
(86)【国際出願番号】 KR2019000852
(87)【国際公開番号】W WO2019156390
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2020-01-24
(31)【優先権主張番号】10-2018-0016388
(32)【優先日】2018-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジェ-ミン・ユ
(72)【発明者】
【氏名】ミン-ホ・クォン
(72)【発明者】
【氏名】ジェ-ウク・リュ
(72)【発明者】
【氏名】ダル-モ・カン
(72)【発明者】
【氏名】ス-チャン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジョン-オ・ムン
(72)【発明者】
【氏名】ジ-ス・ユン
【審査官】森 透
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-521449(JP,A)
【文献】特開平11-317301(JP,A)
【文献】特開2015-053260(JP,A)
【文献】特開2013-026226(JP,A)
【文献】特表2014-530456(JP,A)
【文献】特表2014-512071(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50-50/598
H01M 50/20-50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーモジュールに備えられるように構成され、第1金属を備える本体部であって、前記バッテリーモジュールの外側方向の表面が内側方向へ凹んだ段差構造が一部に形成され、一つ以上の二次電池と電気的に接続するように構成された本体部と、
前記段差構造の表面が内側方向へ凹んで形成された空間に挿入され、前記第1金属よりも相対的に溶融点が低い第2金属を備える電流遮断部と、
前記電流遮断部の表面の少なくとも一部及び前記段差構造における段差部位の表面の少なくとも一部を囲むように構成された被覆部材と、を含むバスバーであって、
前記被覆部材には、前記バスバーの内部と外部とが連通するように穿孔された排出口が形成され、前記排出口が、前記電流遮断部の表面と対向する部位及び前記段差構造における段差部位の表面と対向する部位に各々形成され
前記段差構造における前記段差部位に、バスバーの内部と外部とが連通するように穿孔された貫通孔が形成され、
前記段差構造の前記段差部位に形成された前記貫通孔が、前記段差構造の前記段差部位の表面に対向する部位に形成された前記排出口と連通するように位置することを特徴とするバスバー。
【請求項2】
前記電流遮断部は、前記段差構造における凹んだ空間の相互離隔した上側壁と下側壁とを電気的に接続するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載のバスバー。
【請求項3】
前記段差構造において、段差部位の電流の流れ方向に直交する断面の面積が、前記電流遮断部の電流の流れ方向に直交する断面の面積よりも小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載のバスバー。
【請求項4】
前記段差構造における段差部位の外側面が、前記電流遮断部の内側面と対向するように位置し、
前記段差構造における凹んだ空間の相互離隔した前記上側壁と前記下側壁とを連結し、前記電流遮断部の外側面を覆うように延びて形成された延長部をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のバスバー。
【請求項5】
前記電流遮断部には少なくとも一つ以上のスリットが形成されたことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のバスバー。
【請求項6】
前記電流遮断部には、一部に、前記段差構造の段差部位に形成された前記貫通孔を貫通するように延びて突出した突起構造が形成されたことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のバスバー。
【請求項7】
前記被覆部材が、雲母シートであることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のバスバー。
【請求項8】
複数の二次電池と、
前記複数の二次電池を電気的に相互接続するように構成された請求項1からのいずれか一項に記載のバスバーと、
電気絶縁性素材を備え、前記バスバーを外側面に据え付けるように構成されたバスバーフレームと、を含むことを特徴とするバッテリーモジュール。
【請求項9】
請求項に記載のバッテリーモジュールを少なくとも一つ以上含む、バッテリーパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電流遮断部を備えたバスバー及びこれを含むバッテリーモジュールに関し、より詳しくは、過電流の発生時、バッテリーモジュールの安全性を効果的に確保できるバスバー及びこれを含むバッテリーモジュールに関する。
【0002】
本出願は、2018年2月9日出願の韓国特許出願第10-2018-0016388号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
最近、ノートブックPC、ビデオカメラ、携帯電話などのような携帯用電子製品の需要が急増し、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化するにつれ、反復的な充放電の可能な高性能二次電池についての研究が活発に進行しつつある。
【0004】
現在、商用化した二次電池としては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがあり、このうち、リチウム二次電池は、ニッケル系の二次電池に比べてメモリ効果がほとんど起こらず、充放電が自由で、自己放電率が非常に低くてエネルギー密度が高いという長所から脚光を浴びている。
【0005】
このようなリチウム二次電池は、主にリチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質と負極活物質に用いる。リチウム二次電池は、このような正極活物質と負極活物質がそれぞれ塗布された正極板と負極板とがセパレーターを挟んで配置された電極組立体と、電極組立体を電解液とともに封止収納する外装材、即ち、電池ケースを備える。
【0006】
一般的にリチウム二次電池は、外装材の形状に応じて、電極組立体が金属缶に内蔵されている缶型二次電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに内蔵されているパウチ型二次電池と、に分けることができる。
【0007】
なお、最近は、携帯型電子機器のような小型装置のみならず、自動車や電力貯蔵装置のような中・大型装置にも二次電池が広く用いられている。このような中・大型装置に用いられる場合、容量及び出力を高めるために複数の二次電池を電気的に接続する。特に、このような中・大型装置には、積層が容易であり、軽いという長所からパウチ型二次電池がよく用いられる。
【0008】
また、バッテリーモジュールの内部で二次電池が電気的に接続するためには、電極リードが相互接続し、そのような接続状態を維持するために接続部分が溶接され得る。さらに、このようなバッテリーモジュールは、二次電池間の並列及び/または直列の電気的接続を有し得、このために電極リードの一端部は、二次電池同士の電気的接続のためのバスバーに溶接するなどの方式で接触固定され得る。
【0009】
そして、二次電池同士の電気的接続は、電極リードをバスバーに接合する方式で行われる場合が多い。この際、複数の二次電池を並列に電気的に接続するためには、同じ極性の電極リードを相互接続して接合し、直列に電気的に接続するためには、異なる極性の電極リードを相互接続して接合する。
【0010】
従来技術では、バッテリーモジュールの複数の二次電池を電気的に接続するようにプレート形状のバスバーを用いた。そして、バスバーは、複数の単位セルの電極端子に接続し、電力ケーブルに接続する。したがって、単位セルの電流は、バスバーを介して電力ケーブルで放電されるか、または外部電源に電力ケーブルに接続するバスバーを介して単位セルへ電流が充電できる。
【0011】
しかし、バッテリーモジュールの過電流の発生時、複数の二次電池に熱爆走などが発生し得、バッテリーモジュールの爆発や発火が起こる恐れがあった。さらに、外部装置と接続するバスバーへの電流集中現象が現われ得、これによって発生する高熱によって、バスバーの周辺部品が損傷することがあった。したがって、バッテリーモジュールは、高容量の電気自動車で安定的に使用しにくかった。
【0012】
したがって、従来技術では、バッテリーモジュールに過電流が発生する場合、電力を制御して外部デバイスやバッテリーモジュールに問題が発生することを防止する電装部品を備えていた。しかし、このような電装部品に過負荷がかかるか、または故障が発生する場合には、電装部品が本来の機能を発揮できなかった。このため、従来技術のバッテリーモジュールは、電装部品とは別に、外部との電気的接続を遮断するようにヒューズを備えていた。
【0013】
しかし、このようなヒューズがバッテリーモジュール内に装着される場合、ヒューズ周辺のハウジングなどの部品に熱的損傷を加え得るという問題があった。さらに、このようなヒューズがバッテリーモジュールに装着されれば、多くの空間を占めるようになり、バッテリーモジュールのエネルギー密度が減少することがあった。そして、別のヒューズを備えることは、バッテリーモジュールの製造コストの大きい上昇をもたらし、望ましくないという問題があった。
【0014】
そこで、このような問題点を解決し、バッテリーモジュールの安定性を向上させるための技術が必要な状況である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、過電流の発生時、バッテリーモジュールの安全性を効果的に確保できるバスバー及びこれを含んだバッテリーモジュールを提供することを目的にする。
【0016】
本発明の他の目的及び長所は、下記する説明によって理解でき、本発明の実施例によってより明らかに分かるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の課題を達成するため、本発明によるバスバーは、
バッテリーモジュールに備えられるように構成され、第1金属を備え、前記バッテリーモジュールの外側方向の表面が内側方向へ凹んだ段差構造が一部に形成され、一つ以上の二次電池と電気的に接続するように構成された本体部と、
前記段差構造の表面が内側方向へ凹んで形成された空間に挿入され、前記第1金属よりも相対的に溶融点が低い第2金属を備える電流遮断部と、
前記電流遮断部の表面の少なくとも一部を囲むように構成された被覆部材と、を含み得る。
【0018】
また、前記電流遮断部は、前記段差構造における凹んだ空間の相互離隔した上側壁と下側壁とを電気的に接続するように構成され得る。
【0019】
さらに、前記段差構造において、段差部位の電流の流れ方向に直交する断面の面積が、前記電流遮断部の電流の流れ方向に直交する断面の面積よりも小さいことがある。
【0020】
そして、前記段差構造において、段差部位の外側面は、前記電流遮断部の内側面と対向するように位置し得る。
【0021】
また、前記バスバーは、前記段差構造における凹んだ空間の相互離隔した上側壁と下側壁とを連結し、前記電流遮断部の外側面を覆うように延びて形成された延長部をさらに含み得る。
【0022】
さらに、前記電流遮断部には少なくとも一つ以上のスリットが形成され得る。
【0023】
そして、前記被覆部材には、バスバーの内部と外部とが連通するように穿孔された排出口が形成され得る。
【0024】
また、前記段差構造における段差部位に、バスバーの内部と外部とが連通するように穿孔された貫通孔が形成され得る。
【0025】
さらに、前記電流遮断部には、一部に、前記段差構造の段差部位に形成された貫通孔を貫通するように延びて突出した突起構造が形成され得る。
【0026】
そして、前記段差構造の段差部位に形成された貫通孔は、前記被覆部材の排出口と連通するように位置し得る。
【0027】
また、前記被覆部材は、雲母シートであり得る。
【0028】
また、上記の課題を達成するため、本発明によるバッテリーモジュールは、
複数の二次電池と、
前記複数の二次電池を相互電気的に接続するように構成されたバスバーと、
電気絶縁性素材を備え、前記バスバーを外側面に据え付けるように構成されたバスバーフレームと、を含む。
【0029】
なお、上記の課題を達成するため、本発明によるバッテリーパックは、本発明によるバッテリーモジュールを少なくとも一つ以上含む。
【0030】
さらに、上記の課題を達成するため、本発明による自動車は、本発明によるバッテリーモジュールを含む。
【発明の効果】
【0031】
本発明の一面によれば、バスバーは、本体部に段差構造を形成することで、前記バスバーに所定値以上の過電流が流れる場合、本体部の段差構造が高い抵抗熱によって溶融して切れるように構成されるため、前記バスバーは、前記段差構造によってヒューズ機能を果し、バッテリーモジュールの安全性を向上させることができる。
【0032】
また、本発明のこのような面によれば、バスバーは、本体部の段差構造によって形成された内部空間に電流遮断部を形成することで、過電流が流れる場合、前記電流遮断部及び本体部の段差構造が迅速に溶融して流失でき、速かに断線が行われる。
【0033】
さらに、本発明の一面によれば、本体部と電流遮断部とは、圧延によって機械的に結合することで、本体部と電流遮断部との電気的接続性が非常に優秀であるだけでなく、接合性に優れ、バスバーの耐久性が弱化することを防止することができる。
【0034】
そして、本発明の一面によれば、本体部の段差構造の厚さまたは断面積が電流遮断部の厚さまたは断面積よりも小さく構成されることで、本体部の段差構造における段差部位で抵抗を高く発生させることができ、溶融する厚さや面積が小さいので、迅速かつ確実に切れるようにすることができる。即ち、本発明のバスバーのヒューズ機能の信頼度を大幅向上させることができる。
【0035】
また、本発明の一面によれば、被覆部材が電流遮断部の表面の少なくとも一部を囲むことで、バスバーに過電流が通電するとき、電流遮断部に発生した高熱がバスバーに隣接した構成に損傷を与えないように熱を遮断することができる。また、前記被覆部材は、電流遮断部を断熱させることで、バスバーに過電流が流れるとき、電流遮断部の温度を迅速に上昇させることができる。これによって、本発明のバスバーの過電流に対する反応性を高めることができ、迅速な電流遮断機能を発揮できる。
【0036】
また、本発明の他面によれば、被覆部材に排出口を形成することで、溶融した電流遮断部、または本体部の段差構造の溶融した段差部位が排出口を通して外部へ円滑に排出されるように助ける。これによって、本発明のバスバーの過電流に対する反応性をさらに高め、迅速に断線することができる。
【0037】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本発明の一実施例によるバッテリーモジュールを概略的に示す斜視図である。
図2】本発明の一実施例によるバスバーを概略的に示す斜視図である。
図3】本発明の一実施例による二次電池を概略的に示す側面図である。
図4図2の線A-A’に沿って見たバスバーの一部を概略的に示す部分断面図である。
図5】本発明の他の実施例によるバスバーの一部を概略的に示す部分断面図である。
図6】本発明の一実施例によるバスバーを概略的に示す正面図である。
図7図6の線B-B’に沿って見たバスバーの一部を概略的に示す断面図である。
図8】本発明の他の実施例によるバスバーの一部構成を概略的に示す正面図である。
図9図8の線C-C’に沿って見たバスバーの一部を概略的に示す断面図である。
図10】本発明のさらに他の実施例によるバスバーの一部を概略的に示す部分断面図である。
図11】本発明のさらに他の実施例によるバスバーの一部構成を概略的に示す正面図である。
図12】本発明の一実施例によるバッテリーモジュールを概略的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0040】
したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0041】
図1は、本発明の一実施例によるバッテリーモジュールを概略的に示す斜視図である。図2は、本発明の一実施例によるバスバーを概略的に示す斜視図である。図3は、本発明の一実施例による二次電池を概略的に示す側面図である。また、図4は、図2の線A-A’に沿って切断したバスバーの一部を概略的に示す部分断面図である。
【0042】
図1図4を参照すれば、本発明の一実施例によるバスバー240は、本体部241、電流遮断部244(隠れ線で表示)、及び被覆部材245を含む。また、本発明の一実施例によるバッテリーモジュールは、複数の二次電池を電気的に相互接続するために、少なくとも一つ以上の前記バスバーを備え得る。
【0043】
ここで、前記本体部241は、第1金属を備え得る。前記第1金属は、40%未満の電力損失で電気を伝達できる高い電気伝導性の素材であり得る。例えば、前記第1金属は銅であり得る。しかし、必ずしも銅のみに限定されず、銅のように高い電気伝導性を有する金属であればよく、例えば、銅合金または金などを用い得る。
【0044】
また、前記本体部241は、図1のF方向から見た場合、上下方向へ延長されたバー形態を有し得る。さらに、前記バー形態の本体部241の一部には、バッテリーモジュールの全体形状の中央部を基準で外側方向の表面が内側へ凹んだ段差構造242が形成され得る。ここで、前記バッテリーモジュール300の外側方向とは、前記バッテリーモジュール300の中央部を基準で相対的に外部に向けた方向を意味する。逆に、前記バッテリーモジュール300の内側方向とは、外部から前記バッテリーモジュールの中央部に向ける方向を意味する。場合によっては、本明細書において、「外側方向」及び「内側方向」を単に「外側」及び「内側」と称することがある。
【0045】
即ち、前記段差構造242の段差部位242aは、前記本体部241の一部が、残りの部分よりも前後方向の厚さZが相対的に薄く構成され得る。一方、本明細書においては、特に説明しない限り、上、下、前、後、左、右方向は、F方向から見たときを基準にする。
【0046】
そして、前記段差構造242は、前記本体部241の外側方向の表面が内側方向へ凹んで所定の空間を形成し得る。また、前記段差構造242は、前記本体部241の内側表面が外側方向へ凹んだ構造であり得る。即ち、前記段差構造242の段差部位242aは、前後方向が共に凹んで形成された構造であり得る。
【0047】
さらに、前記段差構造242は、所定の空間を挟んで相互離隔した上側壁242b及び下側壁242cを備え得る。また、前記段差構造242は、内側方向の内部側壁242dを備え得る。
【0048】
したがって、本発明のこのような構成によれば、前記本体部241の段差構造242を形成することで、前記バスバー240に所定値以上の過電流が流れる場合、前記本体部241の段差構造242は、高い抵抗熱によって溶融して切れるように(断線)構成されるので、前記バスバー240は、前記段差構造242によってヒューズ機能を果たすことができる。
【0049】
また、前記本体部241は、一つ以上の二次電池100と電気的に接続するように構成され得る。
【0050】
ここで、二次電池100は、パウチ型二次電池100であり得る。特に、このようなパウチ型二次電池100は、パウチ120を備え得る。そして、前記二次電池100は、前記パウチ120の内部に収容された電極組立体(図示せず)及び電解液(図示せず)を含み得る。
【0051】
ここで、前記パウチ120は、凹んだ形態の収納部115が形成されている左側パウチ及び右側パウチの二つのパウチから構成され得る。また、前記収納部115に電極組立体及び電解液が収納され得る。そして、各々のパウチは、外部絶縁層、金属層及び内部接着層を備え、パウチ120の縁部には内部接着層が相互溶着することで、封止部が形成され得る。さらに、前記パウチ120の正極リード111及び負極リード112が形成された両端部の各々にテラス部が形成され得る。
【0052】
そして、前記電極組立体は、電極と分離膜との組立体であって、一つ以上の正極板及び一つ以上の負極板が分離膜を間に挟んで配置された形態で構成され得る。また、前記電極組立体の正極板には正極タブが備えられ、一つ以上の正極タブが正極リード111と接続し得る。
【0053】
ここで、前記正極リード111は、一端が前記正極タブに連結され、他端がパウチ120の外部に露出し、このように露出した部分が二次電池100の電極端子、例えば、二次電池100の正極端子として機能できる。
【0054】
また、前記電極組立体の負極板には負極タブが備えられ、一つ以上の負極タブが負極リード112と接続し得る。そして、前記負極リード112は、一端が前記負極タブに接続し、他端がパウチの外部に露出し、このように露出した部分が二次電池100の電極端子、例えば、二次電池100の負極端子として機能できる。
【0055】
さらに、前記正極リード111及び前記負極リード112は、二次電池100の中心を基準にして相互反対方向(前後方向)の両端部に形成され得る。即ち、前記正極リード111は、前記二次電池100の中心を基準にして一端部に備えられ得る。また、前記負極リード112は、二次電池100の中心を基準にして他端部に備えられ得る。例えば、図1及び図2に示したように、各二次電池100は、正極リード111及び負極リード112が前方と後方へ突出するように構成され得る。
【0056】
したがって、本発明のこのような構成によれば、一つの二次電池100において、正極リード111と負極リード112との間における干渉がなくなり、電極リード110の面積を広げることができる。
【0057】
また、前記正極リード111及び前記負極リード112は、プレート形態で構成され得る。特に、前記正極リード111及び前記負極リード112は、広い面が左側及び右側に向けるように立てられた状態で水平方向へ突出し得る。
【0058】
そして、前記二次電池100は、バッテリーモジュール300に複数個が含まれ、少なくとも一方向へ積層されるように配列され得る。例えば、複数のパウチ型二次電池100が左右方向へ並んで相互積層した形態で構成され得る。
【0059】
この際、各々のパウチ型二次電池100は、F方向(図1に図示)から見たとき、二つの広い面が左右側に各々位置し、上部及び下部、前方及び後方には封止部が位置するように地面に略垂直に立てられて配置され得る。言い換えれば、各二次電池100は、上下方向へ立てられて構成され得る。
【0060】
しかし、本発明によるバッテリーモジュール300には、前述したパウチ型二次電池100にのみ限定されず、本願発明の出願時点における公知の多様な二次電池100が採用できる。
【0061】
一方、前記本体部241は、一部の表面に前記二次電池100の正極リード111または負極リード112が接触するように構成され得る。また、前記バッテリーモジュール300は、連結バスバー250をさらに備え得る。前記連結バスバー250には、前記バスバー240とは異なり、段差構造242が形成されないこともある。また、前記連結バスバー250には、正極リード111または負極リード112が挿入される挿入口O1(図12に参照)が形成され得る。
【0062】
例えば、図1に示したように、バッテリーモジュール300には、外部デバイスまたは他のバッテリーモジュールと電気的に接続するように構成された二つのバスバー240、240Bが備えられ得る。このような二つのバスバー240、240Bには、二つとも電流遮断部244が備えられ得、または、このうち一つのバスバー240のみに電流遮断部244が備えられ得る。そして、電流遮断部244が備えられていない5個の連結バスバー250が備えられ得る。
【0063】
また、例えば、図1に示したように、7個のバスバー240、240B、250は、12個の二次電池100が電気的に並列及び直列に接続するように構成され得る。さらに、5個の連結バスバー250には、二つの正極リード111、または二つの負極リード112、または正極リード111及び負極リード112が接触し得る。そして、外部デバイスまたは他のバッテリーモジュール300と電気的に接続するように構成された二つのバスバー240、240Bには、正極リード111または負極リード112が接触し得る。
【0064】
図2及び図4をさらに参照すれば、前記電流遮断部244は、前記本体部241の前記段差構造242の表面が内側へ凹んで形成された空間に挿入され得る。即ち、前記電流遮断部244は、前記段差構造242における凹んで形成された空間の内面に少なくとも一部が接触するように挿入され得る。または、前記電流遮断部244は、前記段差構造242における凹んで形成された空間に隙間なく挿入され得る。
【0065】
具体的に、前記電流遮断部244は、前記段差構造242の凹んだ空間において相互離隔した両内側壁の間を電気的に接続するように構成され得る。例えば、前記電流遮断部244は、前記段差構造242の凹んだ空間の相互離隔した上側壁242bと下側壁242cとの間を接続するように構成され得る。さらに、前記電流遮断部244は、前記段差構造242の凹んだ空間の内部側壁242dと接触するように構成され得る。
【0066】
また、前記電流遮断部244は、前記第1金属よりも相対的に溶融点が低い第2金属を備え得る。具体的に、前記第2金属は、電気伝導性が高く、40%未満の電力損失で電気を伝達できる素材であり得る。例えば、前記第2金属は、アルミニウムであり得る。しかし、前記第2金属が必ずしもアルミニウムのみに限定されることではなく、前記第1金属よりも溶融点が低く、かつ電気伝導性に優れた金属であればよく、例えば、アルミニウム合金などが使用可能である。
【0067】
したがって、本発明のこのような構成によれば、前記本体部241の段差構造242によって形成された内部空間に前記電流遮断部244を形成することによって、前記バスバー240に過電流が流れる場合、前記第1金属よりも溶融点が低い第2金属を備える電流遮断部244が先に溶けてバスバー240の外部へ流失できる。即ち、前記電流遮断部244は、先に前記本体部241の段差構造242から溶けて排出されることで、前記本体部241の段差構造242の厚さが薄い部分に電流が集中でき、これによって、速く前記本体部241の段差構造242が溶けて流失可能となる。このように、前記バスバー240は、過電流が通電する場合、前記電流遮断部244及び前記本体部241の段差構造242が迅速に溶融して流失することで、速かに断線することができる。
【0068】
ここで、前記溶融した電流遮断部244は、前記被覆部材245と前記本体部241との間における外部と連通した隙間を通して排出され得る。または、前記被覆部材245の内部に吸収されるか、前記被覆部材245を通して外部へ排出され得る。
【0069】
同様に、前記溶融した本体部241の段差構造242は、前記被覆部材245の外部と連通した隙間を通して排出され得る。または、前記被覆部材245の内部に吸収されるか、前記被覆部材245に形成された複数の細孔を通して外部へ排出され得る。
【0070】
さらに、前記バスバー240の本体部241に前記電流遮断部244を形成する方法は多様である。例えば、前記電流遮断部244は、第1金属を備えた第1金属板の一部に前記第2金属を備えた第2金属板を重ねた後、高温環境で、前記第2金属板を前記第1金属板の内側へ圧延して機械的に結合させることで、形成し得る。即ち、前記バスバー240の本体部241と電流遮断部244とは、機械的に接合したクラッド形態であり得る。この際、前記第1金属板及び前記第2金属板の各々の一部は、第1金属と第2金属とが相互混和した形態であり得る。
【0071】
したがって、本発明のこのような構成によれば、前記本体部241と前記電流遮断部244は、圧延によって機械的に結合することで、前記本体部241と前記電流遮断部244との電気的接続性が非常に優秀であるだけでなく、接合性(接着性)に優れ、前記バスバー240の耐久性の弱化を防止することができる。
【0072】
または、前記バスバー240は、前記本体部241及び前記電流遮断部244を鋳造方式で形成し得る。即ち、溶融した第1金属を金型に流し込んで硬化させることで段差構造242が形成された本体部241を製造した後、溶融した第2金属が前記本体部241の段差構造242に挿入されるように金型に注入し、充分硬化させることで製造することができる。
【0073】
また、前記段差構造242の段差部位242aの電流の流れ方向Sに直交する断面の面積は、前記電流遮断部244の電流の流れ方向Sに直交する断面の面積よりも小さくてもよい。言い換えれば、前記段差構造242の段差部位242aの上下方向に直交する水平方向の断面積は、前記電流遮断部244の水平方向の断面積よりも小さくてもよい。
【0074】
即ち、前記バスバー240に過電流が通電するとき、前記電流遮断部244の溶融が行われ、また前記本体部241の段差構造242に高い抵抗が発生するように、前記段差構造242の段差部位242aの断面積を前記電流遮断部244よりも相対的に小さく構成し得る。
【0075】
さらに、前記段差構造242の段差部位242aの前後方向の厚さzは、前記電流遮断部244の前後方向の厚さよりも薄く構成し得る。そして、前記段差構造242の段差部位242aの外側面は、前記電流遮断部244の内側面と対向するように位置し得る。ここで、前記外側面とは、前記段差構造の表面において、前記バッテリーモジュールの中央部を基準で相対的に外部に向けた方向に位置した表面を意味する。そして、前記内側面とは、前記段差構造の表面において、外部から前記バッテリーモジュールの中央部に向けた方向に位置した表面を意味する。
【0076】
したがって、本発明のこのような構成によれば、前記本体部241の段差構造242の厚さまたは断面積が、電流遮断部244の厚さまたは断面積よりも少なく構成されることで、前記本体部241の段差構造242における段差部位242aで抵抗が高く発生し、溶融する厚さや面積が小さいので、確実かつ迅速に切れる。即ち、前記バスバー240のヒューズ機能の信頼度及び反応速度を大幅向上させることができる。
【0077】
図5は、本発明の一実施例によるバスバーの一部を概略的に示す部分断面図である。
【0078】
図5を参照すれば、図5に示したバスバー240Cには、図4のバスバー240と比較する場合、段差構造242の両内側壁の間を連結し、前記電流遮断部244の外側面を覆うように延びた第1金属が備えられた延長部243がさらに形成され得る。具体的に、前記バスバー240Cは、段差構造242における凹んだ空間の相互離隔した上側壁242bと下側壁242cとの間を連結するように構成された延長部243をさらに備え得る。また、前記延長部243は、前記電流遮断部244の外側面244bを覆うように延びて形成され得る。
【0079】
例えば、図5に示したように、前記延長部243は、前記延長部243の内側面243aが前記電流遮断部244の外側面244bと対向するように形成し得る。また、前記本体部241には、前記電流遮断部244の内側面と対向するように段差構造242が形成され得る。
【0080】
したがって、本発明のこのような構成によれば、他の一実施例によるバスバー240に前記電流遮断部244の外側面244bを覆い、前記段差構造242における凹んだ空間の相互離隔した上側壁242bと下側壁242cとの間を連結するように構成された延長部243を構成することで、前記本体部241の前記段差構造242に前記電流遮断部244が挿入された部位の耐久性をより強化することができる。
【0081】
図6は、本発明の一実施例によるバスバーを概略的に示す正面図である。そして、図7は、図6の線B-B’に沿って見たバスバーの一部を概略的に示す断面図である。
【0082】
図4と共に図6及び図7を参照すれば、前記被覆部材245は、断熱性が高くて耐熱性に優れた素材からなり得る。具体的に、前記被覆部材245は、雲母素材であり得る。また、前記被覆部材245は、薄い厚さのシート形態であり得る。例えば、前記被覆部材245は、雲母シートであり得る。しかし、必ずしも前記被覆部材245が雲母シートに限定されることではなく、断熱性及び耐熱性に優れた素材からなるシートでれば、いずれも適用可能である。
【0083】
さらに、前記被覆部材245は、前記電流遮断部244の表面の少なくとも一部を囲むように構成され得る。そして、前記被覆部材245は、前記本体部241の段差構造242の表面の少なくとも一部を囲むように構成され得る。例えば、図7に示したように、前記バスバー240は、前記電流遮断部244及び前記本体部241の表面の一部を囲むように構成された被覆部材245を備え得る。
【0084】
したがって、本発明のこのような構成によれば、前記被覆部材245が前記電流遮断部244の表面の少なくとも一部を囲むことで、前記バスバー240に所定の電流値以上の過電流が通電するとき、前記電流遮断部244に発生した抵抗熱が前記バスバー240に隣接した構成に損傷を与えないように熱を遮断できる。また、前記被覆部材245は、前記電流遮断部244を断熱することで、前記バスバー240に過電流が通電するとき、迅速に前記電流遮断部244の温度を上昇させることができる。これによって、前記バスバー240の過電流に対する反応速度を高めることができ、迅速な電流遮断機能を発揮できる。
【0085】
図8は、本発明の他の一実施例によるバスバーの一部構成を概略的に示す正面図である。そして、図9は、図8の線C-C’に沿って見たバスバーの一部を概略的に示す断面図である。ここで、図8は、図面の説明の便宜のために、電流遮断部及び被覆部材を省略して示した。
【0086】
図8及び図9を参照すれば、他の一実施例によるバスバー240Dは、図6の前記本体部241の段差構造242と比較すると、図8の本体部241の段差構造242Dには、段差部位242eの外側面に溶融した電流遮断部が容易に流れて排出されるように誘導する排出構造がさらに形成され得る。
【0087】
具体的に、図9の本体部241には、一部に、外側面が内側へ凹んだ段差構造242Dが形成され得、前記本体部241の段差構造242Dには、外側方向へ連続的に凹んで形成された斜面G1が少なくとも一つ以上形成され得る。また、前記段差構造242Dの段差部位242eは、左右方向Wの端部に近くなるほど連続的に厚さが減少するように構成され得る。
【0088】
例えば、図8及び図9に示したように、前記本体部241の段差構造242Dの段差部位242eには、中心から左右方向Wへ延びた一つの斜面G1が形成され得る。
【0089】
したがって、本発明のこのような構成によれば、前記本体部241の段差構造242Dの段差部位242eに斜面G1を形成することで、電流遮断部が溶融する場合、溶融した電流遮断部が前記斜面G1に沿って流れて外部へ排出されるように誘導することで、前記融融した電流遮断部の排出を迅速かつ容易にすることができる。これによって、前記バスバー240Dの過電流に対する反応性を一層高めることで、迅速に断線することができる。
【0090】
図10は、本発明のさらに他の実施例によるバスバーの一部を概略的に示し部分断面図である。
【0091】
図2と共に図10を参照すれば、前記被覆部材245Eには、内部と外部とが連通するように穿孔された排出口245hが形成され得る。具体的に、前記排出口245hは、円形の開口であり得る。さらに、前記排出口245hは、前記電流遮断部244Eの外側面244bと対向する部位に形成され得る。そして、前記排出口245hは、前記本体部241の段差構造242の段差部位242fと対向する部位に形成され得る。
【0092】
例えば、図10に示したように、前記被覆部材245Eには、5個の排出口245hが形成され得る。このうち、二つの排出口245hは、前記本体部241の段差構造242の段差部位242fと対向するように構成され得る。また、このうち、3個の排出口245hは、前記電流遮断部244Eの外側面244bと対向するように構成され得る。
【0093】
したがって、本発明のこのような構成によれば、前記被覆部材245Eに排出口245hを形成することで、前記溶融した電流遮断部244Eまたは前記本体部241の段差構造242の溶融した段差部位242fが排出口245hを通して外部へ円滑に排出されるように助ける。これによって、前記バスバー240Eの過電流に対して迅速に断線することができる。
【0094】
また、前記本体部241の段差構造242の段差部位242fに、内部及び外部が連通するように穿孔された貫通孔242hが少なくとも一つ以上形成され得る。
【0095】
さらに、前記電流遮断部244Eには、一部に、前記段差構造242の段差部位242fに形成された貫通孔242hを貫くように延びて突出した突起構造244pが形成され得る。そして、前記段差構造242の段差部位242fに形成された貫通孔242hは、前記被覆部材245Eの排出口245hと連通するように位置し得る。
【0096】
例えば、図10に示したように、前記本体部241の段差構造242の段差部位242fに二つの貫通孔242hが形成され得る。また、前記電流遮断部244Eには、前記二つの貫通孔242hのうち、一つの貫通孔242hを貫くように延びて突出した突起構造244pが形成され得る。さらに、前記二つの貫通孔242hは、前記被覆部材245Eの排出口245hと連通するように位置し得る。
【0097】
したがって、本発明のこのような構成によれば、前記本体部241の段差構造242の段差部位242fに貫通孔242hを形成することで、溶融した電流遮断部244Eが前記貫通孔242hを通して外部に排出されるように助ける。また、前記貫通孔242hを前記被覆部材245Eの排出口245hと連通するように位置させて形成することで、前記貫通孔242hを通して排出された、溶融した電流遮断部244Eがさらに前記被覆部材245Eの排出口245hを通して外部に最終排出され得る。これによって、前記バスバー240Eの過電流に対する反応性を一層高めて、迅速に断線することができる。
【0098】
図11は、本発明のさらに他の一実施例によるバスバーの一部構成を概略的に示す正面図である。ここで、図11では、図面説明の便宜のために被覆部材を省略して示した。
【0099】
図11を参照すれば、図11のバスバー240Gは、電流遮断部244Gに少なくとも一つ以上のスリット244Lが形成され得る。ここで、前記スリット244Lは狭くて長い隙間(穴)であり得る。
【0100】
また、前記スリット244Lの個数及び大きさは、前記電流遮断部244Gがヒューズ機能を適切に果たすことができるように抵抗の大きさを考慮して適切に設定することができる。即ち、前記スリット244Lの個数及び大きさが増加するほど、前記電流遮断部244Gの上下方向に直交する水平方向の断面積が減少し、通電時における電気抵抗の大きさが大きくなる。例えば、図11に示したように、前記電流遮断部244Gには、二つのスリット244Lが形成され得る。
【0101】
したがって、本発明のこのような構成によれば、前記電流遮断部244Gに少なくとも一つ以上のスリット244Lを形成することで、前記電流遮断部244Gがヒューズ機能を適切に果たすことができるように抵抗の大きさを適切に設定することができる。これによって、さらに正確度の高いヒューズ機能を果すことができる。
【0102】
図12は、本発明の一実施例によるバッテリーモジュールを概略的に示す斜視図である。
【0103】
図1及び図3と共に図12を参照すれば、本発明によるバッテリーモジュール300は、少なくとも一つ以上のバスバー240と、バスバーフレーム230と、前記複数の二次電池100を内蔵しているモジュールハウジング210と、を含み得る。
【0104】
ここで、前記バスバー240は、複数の二次電池100と電気的に接続するように構成され得る。また、前記バッテリーモジュール300は、前述したバスバー240と同じ構造及び構成を備え得る。
【0105】
そして、前記バスバーフレーム230は、電気絶縁性の素材を備え得る。例えば、前記バスバーフレーム230は、プラスチック素材を少なくとも一部備え得る。なお、前記バスバーフレーム230は、射出成形によって製造され得る。
【0106】
また、前記バスバーフレーム230は、前記バスバー240を外側面に据え付けるように据付け部232を備え得る。ここで、前記バスバーフレーム230の外側面とは、前記バスバーフレーム230の表面において、前記バッテリーモジュール300の中央部を基準で相対的に外部に向けた方向に位置した表面を意味する。そして、前記内側面とは、前記バスバーフレーム230の表面において、外部から前記バッテリーモジュールの中央部に向けた方向に位置した表面を意味する。
【0107】
前記据付け部232には、前記バスバー240を固定できる固定構造が形成され得る。例えば、前記バスバー240には、固定ホール240iまたは固定溝240gが形成され得、前記バスバーフレーム230の据付け部232には、前記固定ホール240iを貫通するか、前記固定溝240gに挿入される固定突起232pが形成され得る。
【0108】
例えば、図12に示したように、前記バスバー240の上部には、内側へ凹んだ固定溝240gが形成され得る。そして、前記バスバー240の下部には、固定ホール240iが形成され得る。前記固定溝240gには、前記据付け部232に形成された固定突起232pが上方へ挿入され得、前記固定ホール240iには、前記固定突起232pが貫通して挿入され得る。
【0109】
したがって、本発明のこのような構成によれば、前記バスバーフレーム230に形成された据付け部232に前記バスバー240を固定する固定構造を形成することで、前記バスバー240が安定的に固定され、前記バスバー240と前記複数の二次電池100との電気的・物理的な接続構造を安定的に維持できる。これによって、前記バッテリーモジュール300の耐久性を効果的に向上させることができる。
【0110】
一方、本発明によるバッテリーパック(図示せず)は、本発明によるバッテリーモジュール300を一つ以上含み得る。また、前記バッテリーパックは、このようなバッテリーモジュール300に加え、バッテリーモジュール300を収納するためのパックケース、バッテリーモジュール300の充放電を制御するための各種装置、例えば、BMS、電流センサー、ヒューズなどをさらに含み得る。
【0111】
また、本発明によるバッテリーパックは、自動車のような移動手段に適用可能である。例えば、本発明による電気自動車は、本発明によるバッテリーパックを含み得る。
【0112】
一方、本明細書において、上、下、左、右、前、後のような方向を示す用語が使用されたが、このような用語は相対的な位置を示し、説明の便宜のためのものであるだけで、対象となる事物の位置や観測者の位置などによって変わり得ることは、当業者にとって自明である。
【0113】
以上のように、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明の電流遮断部を備えたバスバー及びこれを含むバッテリーモジュールに関する。また、本発明は、前記バッテリーモジュールを備えるバッテリーパック、自動車及び電子デバイス関連産業に利用可能である。
【符号の説明】
【0115】
100 二次電池
110 電極リード
300 バッテリーモジュール
210 モジュールハウジング
230 バスバーフレーム
232 据付け部
240 バスバー
241 本体部
242 段差構造
242a 段差部位
243 延長部
242h 貫通孔
244 電流遮断部
244L スリット
245 被覆部材
245h 排出口
244p 突起構造
250 連結バスバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12