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特許7086420電池モジュール、その製造方法および電池モジュールを含む電池パック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-10
(45)【発行日】2022-06-20
(54)【発明の名称】電池モジュール、その製造方法および電池モジュールを含む電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/653 20140101AFI20220613BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20220613BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20220613BHJP
   H01M 50/507 20210101ALI20220613BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20220613BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20220613BHJP
【FI】
H01M10/653
H01M50/204 401H
H01M10/625
H01M50/507
H01M10/613
H01M10/647
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020568809
(86)(22)【出願日】2020-02-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-21
(86)【国際出願番号】 KR2020002049
(87)【国際公開番号】W WO2020166998
(87)【国際公開日】2020-08-20
【審査請求日】2020-12-10
(31)【優先権主張番号】10-2019-0016864
(32)【優先日】2019-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0108423
(32)【優先日】2019-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0017528
(32)【優先日】2020-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジス・ユン
(72)【発明者】
【氏名】ジェ・ヒョン・ジュ
(72)【発明者】
【氏名】ダフン・カン
(72)【発明者】
【氏名】キョンホ・ソ
【審査官】佐藤 卓馬
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/70694(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/171509(WO,A1)
【文献】特開2017-103159(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/653
H01M 50/204
H01M 10/625
H01M 50/507
H01M 10/613
H01M 10/647
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルが積層されている電池セル積層体、および
前記電池セル積層体を収容し、互いに対応する上部面と下部面を有するフレーム部材を含み、
前記フレーム部材の前記下部面には熱伝導性樹脂を注入するための注液ホールが形成され、
前記フレーム部材の前記上部面には支持治具の突起が貫通するための挿入ホールが形成される電池モジュール。
【請求項2】
前記フレーム部材の前記下部面と前記電池セル積層体との間に位置する熱伝導性樹脂層をさらに含む、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記フレーム部材の前記上部面と前記電池セル積層体との間に位置する絶縁カバーをさらに含む、請求項2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記フレーム部材の前記上部面と前記絶縁カバーとの間には前記支持治具の前記突起が前記挿入ホールを貫通した後から前記電池セル積層体を支持する面までの距離だけ離隔空間が形成される、請求項3に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記挿入ホールは、複数個が形成され、前記複数個が形成された前記挿入ホールは、前記フレーム部材の前記上部面の中間部分および長さ方向に沿って両端部に形成される、請求項1~4の何れか一項に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記フレーム部材の前後面を覆うバスバーフレームをさらに含み、
前記フレーム部材は、前記電池セル積層体の上下左右面を囲む、請求項1~5の何れか一項に記載の電池モジュール。
【請求項7】
前記フレーム部材の前記上部面および前記下部面は、前記電池セル積層体の積層方向と垂直な方向に沿って互いに向き合う、請求項1~6の何れか一項に記載の電池モジュール。
【請求項8】
複数の電池セルが積層されている電池セル積層体をフレーム部材内に収容する段階、
前記フレーム部材の上部面に支持治具を装着する段階、および
前記フレーム部材の下部面に形成された注液ホールを通じて熱伝導性樹脂を注入する段階を含み、
前記熱伝導性樹脂を注入する段階において、前記フレーム部材内の部品が流動しないように前記支持治具が前記部品を支える電池モジュールの製造方法。
【請求項9】

前記フレーム部材の前記上部面に形成された挿入ホールに挿入されるように前記支持治具は少なくとも一つの突起を含む、請求項8に記載の電池モジュールの製造方法。
【請求項10】
前記熱伝導性樹脂を注入する段階後に、前記支持治具を前記フレーム部材から取り外す段階をさらに含む、請求項9に記載の電池モジュールの製造方法。
【請求項11】
前記フレーム部材の前記下部面に形成された前記注液ホールを通じて前記熱伝導性樹脂を注入する段階は、前記フレーム部材を上下反転させた状態で行われ、
前記支持治具を前記フレーム部材から取り外す段階は、前記フレーム部材を元の状態に再び上下反転させた状態で行う、請求項10に記載の電池モジュールの製造方法。
【請求項12】
前記支持治具は、プラスチック材質から形成される、請求項9~11の何れか一項に記載の電池モジュールの製造方法。
【請求項13】
前記フレーム部材の前記上部面と前記電池セル積層体との間に絶縁カバーを形成する段階をさらに含む、請求項8~12の何れか一項に記載の電池モジュールの製造方法。
【請求項14】
前記部品は、前記電池セル積層体および前記絶縁カバーを含む、請求項13に記載の電池モジュールの製造方法。
【請求項15】
請求項1~7の何れか一項に記載の電池モジュールを含む電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願との相互参照)
本出願は、2019年2月13日付韓国特許出願第10-2019-0016864号、2019年9月2日付韓国特許出願第10-2019-0108423号および2020年2月13日付韓国特許出願第10-2020-0017528号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として組み含まれる。
【0002】
本発明は、電池モジュール、その製造方法および電池モジュールを含む電池パックに関し、より具体的に熱伝導性樹脂が注液される空間を一定に維持する電池モジュール、その製造方法および電池モジュールを含む電池パックに関する。
【背景技術】
【0003】
製品群による適用容易性が高く、高いエネルギー密度などの電気的特性を有する二次電池は、携帯用機器だけでなく、電気的駆動源により駆動される電気自動車またはハイブリッド自動車、電力貯蔵装置などに普遍的に応用されている。このような二次電池は、化石燃料の使用を画期的に減少させることができるという一次的な長所だけでなく、エネルギーの使用による副産物が全く発生しないという点から、環境親和性およびエネルギー効率性の向上のための新しいエネルギー源として注目されていている。
【0004】
小型モバイル機器にはデバイス1台当たり1個または2~4個の電池セルが使用されることに対し、自動車などのように中大型デバイスには高出力大容量が必要である。したがって、多数の電池セルを電気的に連結した中大型電池モジュールが使用される。
【0005】
中大型電池モジュールは、可能な限り小さい大きさと重量で製造されることが好ましいため、高い集積度に積層可能であり、容量に比べて中量が小さい角型電池、パウチ型電池などが中大型電池モジュールの電池セルとして主に使用されている。
【0006】
図1は従来の電池モジュールにおけるフレーム底部に形成されたホールを示す斜視図である。図2図1の電池モジュールを上下反転させた様子を示す斜視図である。図3図1の切断線A-Aに沿って切断した断面図である。
【0007】
図1および図2を参照すると、電池モジュールは、セル積層体を外部衝撃、熱または振動から保護するために、前面と後面が開放されて電池セル積層体を内部空間に収納するフレーム部材10を含むことができる。フレーム部材10は、上端部12と底部11を有し、図1の電池モジュールを上下反転させた様子を示す図2を参照すると、フレーム部材10の底部11には注液ホール20が形成され、このような注液ホール20を通じて熱伝導性樹脂が電池セル積層体とフレーム部材10の間に注液されて熱伝導性樹脂層を形成することができる。
【0008】
熱伝導性樹脂層は、電池セル積層体で発生した熱を電池モジュール外側に伝達し、電池セル積層体を電池モジュール内に固定する役割になる。フレーム部材10の底部11にはチェッキングホール30がさらに形成され、熱伝導性樹脂を注液する時に必要以上に注入された熱伝導性樹脂は、チェッキングホール30を通じて電池モジュール外側に吐出され、これによって注液量を確認することができる。
【0009】
図1は、熱伝導性樹脂を注液するために電池モジュールを180度反転させた状態であり、この時、図3に示したように、電池モジュール内部の部品が重力により下へ移動することがある。電池モジュール内部には複数の電池セル14が積層されて形成された集合体である電池セル積層体15が装着されており、重力により電池セル積層体15の移動によって、熱伝導性樹脂を注液することができる空間が元来設計された空間より広くなり、この時、熱伝導性樹脂が注液されてフレーム底部と電池セル積層体の間の空間を満たす熱伝導性樹脂の量が必要以上に増加することがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、熱伝導性樹脂が注液される空間を一定に維持して製造工程の費用を節減すると共に、不必要な重量増加を防止する電池モジュール、その製造方法および電池モジュールを含む電池パックを提供することにある。
【0011】
しかし、本発明の実施例が解決しようとする課題は、前述した課題に限定されずに本発明に含まれている技術的な思想の範囲で多様に拡張され得る。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施例による電池モジュールは、複数の電池セルが積層されている電池セル積層体、および前記電池セル積層体を収容し、互いに対応する上部面と下部面を有するフレーム部材を含み、前記フレーム部材の下部面には熱伝導性樹脂を注入するための注液ホールが形成され、前記フレーム部材の上部面には支持治具の突起が貫通するための挿入ホールが形成される。
【0013】
前記電池モジュールは、前記フレーム部材の下部面と前記電池セル積層体との間に位置する熱伝導性樹脂層をさらに含むことができる。
【0014】
前記電池モジュールは、前記フレーム部材の上部面と前記電池セル積層体との間に位置する絶縁カバーをさらに含むことができる。
【0015】
前記フレーム部材の上部面と前記絶縁カバーとの間には前記支持治具の突起が前記挿入ホールを貫通した後から前記電池セル積層体を支持する面までの距離だけ離隔空間が形成されてもよい。
【0016】
前記挿入ホールは、複数個が形成され、前記複数個が形成された挿入ホールは、前記フレーム部材の上部面の中間部分および長さ方向に沿って両端部に形成されてもよい。
【0017】
前記電池モジュールは、前記フレーム部材の前後面を覆うバスバーフレームをさらに含み、前記フレーム部材は、前記電池セル積層体の上下左右面を囲んでもよい。
【0018】
前記フレーム部材の上部面および下部面は、前記電池セル積層体の積層方向と垂直な方向に沿って互いに向き合ってもよい。
【0019】
本発明の他の一実施例による電池モジュールの製造方法は、複数の電池セルが積層されている電池セル積層体をフレーム部材内に収容する段階、前記フレーム部材の上部面に支持治具を装着する段階、および前記フレーム部材の下部面に形成された注液ホールを通じて熱伝導性樹脂を注入する段階を含み、前記熱伝導性樹脂を注入する段階において、前記フレーム部材内の部品が流動しないように前記支持治具が前記部品を支える。
【0020】
前記フレーム部材の上部面に形成された挿入ホールに挿入されるように前記支持治具は少なくとも一つの突起を含むことができる。
【0021】
前記電池モジュールの製造方法は、前記熱伝導性樹脂を注入する段階後に、前記支持治具を前記フレーム部材から取り外す段階をさらに含むことができる。
【0022】
前記フレーム部材の下部面に形成された注液ホールを通じて熱伝導性樹脂を注入する段階は、前記フレーム部材を上下反転させた状態で行われ、前記支持治具を前記フレーム部材から取り外す段階は、前記フレーム部材を元の状態に再び上下反転させた状態で行ってもよい。
【0023】
前記支持治具は、プラスチック材質から形成されてもよい。
【0024】
前記電池モジュールの製造方法は、前記フレーム部材の上部面と前記電池セル積層体との間に絶縁カバーを形成する段階をさらに含むことができる。
【0025】
前記部品は、前記電池セル積層体および前記絶縁カバーを含むことができる。
【0026】
本発明の他の一実施例による電池パックは、前述した電池モジュールを含む。
【発明の効果】
【0027】
実施例によれば、ジグを用いて電池モジュール内部部品が重力により下へ移動しないようにし、電池モジュールの上部面にホールを加工することによってジグに形成された突起が電池モジュール上部面ホールに挿入されることによって熱伝導性樹脂が注液される空間を常時一定になるように維持することができる。
【0028】
また、樹脂をモジュール内に適正量だけ注入して製造工程の費用を節減し、不必要な重量増加を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】従来の電池モジュールにおけるフレーム底部に形成されたホールを示す斜視図である。
図2図1の電池モジュールを上下反転させた様子を示す斜視図である。
図3図1の切断線A-Aに沿って切断した断面図である。
図4】本発明の一実施例による電池モジュールを示す分解斜視図である。
図5図4の電池モジュール構成要素が結合された様子を示す図面である。
図6図5の電池モジュールを上下反転させた様子を示す斜視図である。
図7図6の切断線B-Bに沿って切断した断面図である。
図8】本実施例によるジグが電池モジュール上端に結合された様子を示す図面である。
図9図8で支持治具を電池モジュールに結合する前の様子を示す図面である。
図10図8の電池モジュールを上下反転させた様子を示す図面である。
図11図10の切断線C-Cに沿って切断した断面図で支持治具を分離した様子を示す図面である。
図12図11でジグを電池モジュール内部に挿入した様子を示す断面図である。
図13図12のP領域を拡大した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付した図面を参照して本発明の多様な実施例について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳細に説明する。本発明は、多様な異なる形態に実現することができ、ここで説明する実施例に限定されない。
【0031】
本発明を明確に説明するために、説明上不要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付した。
【0032】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜のために任意に示したため、本発明が必ず図示されたところに限定されるのではない。図面において、複数の層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0033】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるという時、これは他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。反対に、ある部分が他の部分の「直上」にあるという時には、中間にまた他の部分がないことを意味する。また、基準となる部分の「上」にあるということは、基準となる部分の上または下に位置することであり、必ず重力反対方向に向かって「上」に位置することを意味するのではない。
【0034】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除外せず、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0035】
また、明細書全体において、「平面状」という時、これは対象部分を上方から見た時を意味し、「断面状」という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を側方から見た時を意味する。
【0036】
図4は本発明の一実施例による電池モジュールを示す分解斜視図である。図5図4の電池モジュール構成要素が結合された様子を示す図面である。図6図5の電池モジュールを上下反転させた様子を示す斜視図である。図7図6の切断線B-Bに沿って切断した断面図である。
【0037】
図4および図5を参照すると、本実施例による電池モジュールは、複数の電池セル110が積層されている電池セル積層体120、および電池セル積層体120を収容し、互いに対応する下部面101と上部面102を有するフレーム部材100を含み、フレーム部材100の下部面101には熱伝導性樹脂を注入するための注液ホール135および/または注液ホール135に注入される熱伝導性樹脂の流れを検出するためのチェッキングホール130が形成される。チェッキングホール130から熱伝導性樹脂が観察されると注入を中止することによって熱伝導性樹脂の注入を完了することができる。本実施例によれば、フレーム部材100の上部面102には支持治具の突起が貫通するための挿入ホール140が形成されている。挿入ホール140は、複数個が形成され、複数個が形成された挿入ホール140は、フレーム部材100の上部面102の中間部分および長さ方向に沿って両端部に形成されてもよい。ここで、長さ方向は電池セル積層体120がフレーム部材100に挿入される方向と同じ方向であり得る。
【0038】
本実施例によるフレーム部材100は、電池セル積層体120の前面と後面を除いた残りの外面を囲んでおり、電池セル積層体120の前面と後面にそれぞれエンドプレート150が位置し、電池セル積層体120とエンドプレート150の間にバスバーフレーム145が位置する。電池セル積層体120の前面と後面を除いた残りの外面は電池セル積層体の上下左右面であり得る。
【0039】
本実施例によるフレーム部材100の下部面101と電池セル積層体120の間に熱伝導性樹脂層400が位置する。熱伝導性樹脂層400は、注液ホール135を通じて注入された熱伝導性樹脂が硬化して形成され得、電池セル積層体120で発生した熱を電池モジュール外側に伝達し、電池セル積層体120を電池モジュール内に固定する役割になる。熱伝導性樹脂層400は、電池セル積層体120から発生する熱を外部に放出することができるように熱伝導物質から形成され、シリコン、ウレタン、エポキシなどを含むことができる。
【0040】
図6および図7を参照すると、本実施例による電池モジュールは、フレーム部材100の上部面102と電池セル積層体120との間に位置する絶縁カバー105をさらに含むことができる。絶縁カバー105は、プラスチック射出物から形成されてもよい。後述する支持治具の突起が挿入ホール140を貫通して絶縁カバー105および絶縁カバー105が支えている電池セル積層体120が移動しないように支持することができる。この時、本実施例による電池モジュールではフレーム部材100の上部面102と絶縁カバー105の間には離隔空間SDが形成されてもよい。
【0041】
以下、図8乃至図13を参照して、本発明の他の一実施例による電池モジュールの製造方法について説明する。
【0042】
図8は、本実施例による支持治具が電池モジュール上端に結合された様子を示す図面である。図9は、図8で支持治具を電池モジュールに結合する前の様子を示す図面である。図10は、図8の電池モジュールを上下反転させた様子を示す図面である。図11は、図10の切断線C-Cに沿って切断した断面図で支持治具を分離した様子を示す図面である。図12は、図11で支持治具を電池モジュール内部に挿入した様子を示す断面図である。図13は、図12のP領域を拡大した図面である。
【0043】
まず、図4に示した内容を参照すると、本実施例による電池モジュールの製造方法は、複数の電池セル110が積層されている電池セル積層体120を収容するようにフレーム部材100を電池セル積層体120に挿入する段階を含む。図5に示したように、フレーム部材100の上部面102には従来の電池モジュールとは異なり挿入ホール140が形成されており、このような挿入ホール140は、熱伝導性樹脂注入のための用途ではなく、図8乃至図10に示した支持治具300の突起310が挿入されるための用途である。
【0044】
次に、図8を参照すると、本実施例による電池モジュールの製造方法は、電池モジュールのフレーム部材100の上部面上に支持治具300を装着する段階を含む。支持治具300は、プラスチック材質から形成されてもよい。図9は支持治具を電池モジュールに結合する前の様子を示すために電池モジュールを上下反転させた状態である。図9および図11を参照すると、本実施例による支持治具300は、電池モジュールを支持するための支持面と、前記支持面から電池モジュールに向かって突出した少なくとも一つの突起310が形成されている。少なくとも一つの突起310は、フレーム部材100上部面102に形成された挿入ホール140に対応するように位置する。突起310の直径は、挿入ホール140の直径と同じか、またはそれより小さくてもよい。突起310の高さは、フレーム部材100と支持治具300の結合体を反転させる前の電池セル積層体120とフレーム部材100の上部面102との間の空間の間隔より大きい値を有することができる。
【0045】
次に、図10を参照すると、本実施例による電池モジュールの製造方法は、支持治具300がフレーム部材100上部面上に装着し、電池モジュールの上下を反転させた状態で、フレーム部材100の下部面101に形成された注液ホール135を通じて熱伝導性樹脂を注入する段階を含む。熱伝導性樹脂を注液ホール135を通じて注液する時、重力が作用する方向(図10で下端方向)に電池モジュールの下端部で支持治具300が電池モジュールを支持している状態である。具体的に、図12に示したように、支持治具300の突起310が電池モジュール内部の部品を支持するため、重力により前記部品が下へ動かない。したがって、フレーム部材100の下部面101と電池セル積層体120との間の空間が増えずに維持された状態で熱伝導性樹脂が一定量注液され得る。ここで、重力により動くことができる部品は、電池セル積層体120および電池セル積層体120とフレーム部材100との間に位置する絶縁カバー105を含むことができる。例えば、図13を参照すると、支持治具300の突起310は、絶縁カバー105を重力反対方向に支持することによって、絶縁カバー150および電池セル積層体120が重力により移動することを最小化することができる。
【0046】
次に、図示していないが、本実施例による電池モジュールの製造方法は、熱伝導性樹脂を注入する段階後に支持治具をフレーム部材から取り外す段階をさらに含むことができる。支持治具をフレーム部材から取り外す段階は、フレーム部材を元の状態に再び上下を反転させた状態で行うことができる。このような工程によって、図13に示したように、絶縁カバー105とフレーム部材の上部面102との間に離隔空間SDが維持され得る。
【0047】
一方、本発明の実施例による電池モジュールは、一つまたはそれ以上がパックケース内にパッケージングされて電池パックを形成することができる。
【0048】
前述した電池モジュールおよびこれを含む電池パックは、多様なデバイスに適用さ得る。このようなデバイスには、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド自動車などの運送手段に適用され得るが、本発明はこれに制限されず、電池モジュールおよびこれを含む電池パックを用いることができる多様なデバイスに適用可能であり、これも本発明の権利範囲に属する。
【0049】
以上で本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるのではなく、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多様な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0050】
10:フレーム部材
11:底部
12:上端部
14:電池セル
15:電池セル積層体
20:注液ホール
30:チェッキングホール
100:フレーム部材
100:フレーム部材
101:下部面
102:上部面
105:絶縁カバー
110:電池セル
120:電池セル積層体
135:注液ホール
140:挿入ホール
145:バスバーフレーム
300:支持治具
310:突起
400:熱伝導性樹脂層
SD:離隔空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13