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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-10
(45)【発行日】2022-06-20
(54)【発明の名称】インジェクター及び組み立ての方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/28 20060101AFI20220613BHJP
【FI】
A61M5/28 530
【請求項の数】 42
(21)【出願番号】P 2016550467
(86)(22)【出願日】2014-10-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2016-12-22
(86)【国際出願番号】 US2014061675
(87)【国際公開番号】W WO2015061386
(87)【国際公開日】2015-04-30
【審査請求日】2017-09-26
【審判番号】
【審判請求日】2021-01-25
(31)【優先権主張番号】61/895,390
(32)【優先日】2013-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500049716
【氏名又は名称】アムジエン・インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ギブソン,スコット・アール
【合議体】
【審判長】佐々木 一浩
【審判官】内藤 真徳
【審判官】木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/055873(WO,A1)
【文献】特開2004-305621(JP,A)
【文献】特開平7-148258(JP,A)
【文献】特表2009-511192(JP,A)
【文献】特表2012-528636(JP,A)
【文献】米国特許第3757779(US,A)
【文献】特表2012-500679(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/00 - 5/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インジェクターであって、前記インジェクターは、
内面を有する容器壁を含む容器であって、前記容器壁が孔を形成し、前記孔に沿って移動可能なストッパーをさらに含む、容器と;
内面を有する密閉壁、及び、前記密閉壁の外部に配置されるバリアであって前記密閉壁と前記バリアとの間に画定される滅菌の密閉したスペースを形成する前記バリアを含む、密閉アセンブリであって、前記ストッパーと、前記容器壁及び前記密閉壁の内面とが、医療用流体又は製剤で充填された、閉じた滅菌貯蓄所を画定する、密閉アセンブリと;
前記バリアを貫通し、前記密閉壁を貫通する先端を有する滅菌容器針を含む流体送達システムと;
アクチュエーターと
を備え、
前記滅菌容器針の前記先端は、前記滅菌容器針が保管状態では前記滅菌貯蓄所に流体連通しないように、保管状態では前記バリアのみを貫通するよう配置され、前記滅菌容器針の前記先端は、前記滅菌容器針が送達状態では前記滅菌貯留所に流体連通するように、送達状態では前記滅菌貯蓄所内へ前記密閉壁を貫通するよう配置され、
前記滅菌容器針は、コネクターに取り付けられ、前記コネクターは、機械的に前記容器に結合され且つプレスばめされることで、前記滅菌容器針が保管状態の時に前記容器に前記滅菌容器針を固定させ、前記滅菌容器針が保管状態にあるときに、前記滅菌容器針の先端は前記滅菌の密閉したスペースに配置されており、
前記アクチュエーターは、前記滅菌容器針を保管状態から送達状態へ動かすよう構成される、前記インジェクター。
【請求項2】
前記コネクターが、一対のコネクターあり、前記一対のコネクターのうちの第1のコネクターは前記滅菌容器針に取り付けられており、前記一対のコネクターのうちの第2のコネクターは前記容器に取り付けられており、保管状態では、前記第1コネクター及び前記容器の前記第2のコネクターが機械的に結合されて前記容器に前記滅菌容器針を固定させる、請求項1に記載のインジェクター。
【請求項3】
前記第1及び第2のコネクターがそれぞれ一対の対面する表面のうちの1つを含み、前記対面する表面が接触して前記滅菌容器針の長手方向の軸に沿った前記第1及び第2のコネクターの軸方向の運動を制限する、請求項2に記載のインジェクター。
【請求項4】
保管状態では、前記第1及び第2のコネクターがかみ合って前記一対のコネクターを回転可能なように結合させ、前記容器に前記滅菌容器針を固定させる、請求項2又は3のいずれか1項に記載のインジェクター。
【請求項5】
前記容器が、開口の周囲に配置される縁部、前記容器の前記開口を覆うように配置されている前記密閉アセンブリ、及び、縁部を含む前記第2のコネクターであって、前記密閉アセンブリ上に配置される前記第2のコネクターを含み、前記容器は、前記密閉アセンブリが縁部間に配置された状態で、前記容器の縁部及び前記第2のコネクターの縁部の周りに形成されるクリンプリングをさらに含み、前記容器の縁部と前記第2のコネクターの縁部との間に前記密閉アセンブリを固定する、請求項2~のいずれか1項に記載のインジェクター。
【請求項6】
前記第2のコネクターが、その間を通る通路を有し、前記滅菌容器針が保管状態で前記第2のコネクターの前記通路及び前記バリアを貫通して配置される、請求項に記載のインジェクター。
【請求項7】
前記第1のコネクターが、前記滅菌容器針の周囲に絶え間なく配置されるカラーを含む、請求項2~のいずれか1項に記載のインジェクター。
【請求項8】
前記第1のコネクターが、前記滅菌容器針の周囲に途切れて配置されるカラーを含む、請求項2~のいずれか1項に記載のインジェクター。
【請求項9】
前記容器の壁が硬い壁を含む、請求項1~のいずれか1項に記載のインジェクター。
【請求項10】
前記孔が開口を備え、前記開口は、前記孔の第1の端部と流体連通しており、前記密閉壁が、前記開口を横切って配置され、前記容器壁に固定して取り付けられるセプタムを形成する、請求項1~のいずれか1項に記載のインジェクター。
【請求項11】
前記流体送達システムが、第1の端部が前記滅菌容器針に結合し、第2の端部が滅菌注入針を封鎖する滅菌カバーに収容される滅菌注入針に結合する、滅菌柔軟性管を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載のインジェクター。
【請求項12】
前記アクチュエーターが、入力を受信した後に前記滅菌容器針の保管状態から送達状態への動きを先延ばしするよう制御される、請求項1~11のいずれか1項に記載のインジェクター。
【請求項13】
前記アクチュエーターに結合される、機械的、電気機械的又は電気入力デバイスをさらに含む、請求項12に記載のインジェクター。
【請求項14】
前記医療用流体又は製剤が、ある体積の赤血球生成促進剤を含む、請求項1~13のいずれか1項に記載のインジェクター。
【請求項15】
前記医療用流体又は製剤が、ある体積の顆粒球コロニー刺激因子を含む、請求項1~13のいずれか1項に記載のインジェクター。
【請求項16】
前記医療用流体又は製剤が、ある体積のTNF遮断薬を含む、請求項1~13のいずれか1項に記載のインジェクター。
【請求項17】
前記医療用流体又は製剤が、ある体積のペグ化顆粒球コロニー刺激因子を含む、請求項1~13のいずれか1項に記載のインジェクター。
【請求項18】
前記医療用流体又は製剤が、ある体積のインターロイキン-レセプター特異性を含む、請求項1~13のいずれか1項に記載のインジェクター。
【請求項19】
前記医療用流体又は製剤が、ある体積のIGF-レセプター(インスリン成長因子レセプター)特異性抗体を含む、請求項1~13のいずれか1項に記載のインジェクター。
【請求項20】
前記医療用流体又は製剤が、ある体積のTGF-特異性抗体を含む、請求項1~13のいずれか1項に記載のインジェクター。
【請求項21】
前記医療用流体又は製剤が、ある体積のPCSK9(プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型)-特異性抗体を含む、請求項1~13のいずれか1項に記載のインジェクター。
【請求項22】
請求項1に記載のインジェクターを組み立てる方法であって、前記方法は:
容器の壁の内面によって画定される、前記容器の滅菌貯蓄所に、滅菌状態下で医療用流体又は製剤を充填することであって、前記容器は、孔と、前記孔に沿って移動可能なストッパーと、密閉アセンブリとを画定し、前記密閉アセンブリは、内面を有する密閉壁を有する、滅菌状態下で医療用流体又は製剤を充填すること;
滅菌容器針を有する滅菌流体送達システムのコネクターを滅菌状態下で前記容器に機械的に結合することであって、前記流体送達システムは、保管状態では前記貯蓄所と流体連通しておらず、前記流体送達システムの前記滅菌容器針が、バリアを通して前記密閉壁および前記バリアとの間の滅菌の密閉したスペース内に配置されており、前記流体送達システムは、送達状態では前記貯蓄所と流体連通し、前記滅菌容器針が、前記密閉壁を通して前記滅菌貯留所内に配置されていること;並びに、
前記インジェクターの残りの部分をクリーンルーム状態下で組み立てることを含み、
前記コネクターが前記容器にプレスばめされる、前記方法。
【請求項23】
前記滅菌貯蓄所を充填する工程が、前記滅菌流体送達システムの前記コネクターを前記容器に機械的に結合する工程の後に続く、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記滅菌流体送達システムの前記コネクターを前記容器に機械的に結合する工程が、前記滅菌貯蓄所を充填する工程の後に続く、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記滅菌流体送達システムの前記コネクターを前記容器に機械的に結合する工程が、一連の充填/製剤化の流れ内で生じる、請求項2224のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記インジェクターの残りの部分を組み立てることが、
前記流体送達システムをクリーンルーム状態下でアクチュエーターに取り付けることを含み、前記アクチュエーターは、前記滅菌容器針を保管状態から送達状態へ動かすように構成される、請求項2225のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
サブアセンブリであって、前記サブアセンブリは、
内面を有する容器壁を含む容器であって、前記容器壁が孔を形成し、前記容器は、前記孔に沿って移動可能なストッパーをさらに含む、容器と;
内面を有する密閉壁、及び、前記密閉壁の外部に配置されるバリアであって前記密閉壁と前記バリアとの間に滅菌の密閉したスペースを形成する前記バリアを含む、密閉アセンブリであって、前記ストッパーと、前記容器壁及び前記密閉壁の内面とが、医療用流体又は製剤で充填された、閉じた滅菌貯蓄所を画定する、前記密閉アセンブリと;
前記バリアを貫通し、前記密閉壁を貫通する先端を有する滅菌容器針を含む流体送達システム
を含み、
前記滅菌容器針の前記先端は、保管状態では前記滅菌容器針が前記滅菌の密閉したスペースに流体連通するように、前記バリアのみを貫通するよう配置され、前記滅菌容器針の前記先端は、送達状態では前記滅菌容器針が前記滅菌貯留所に流体連通するように、前記滅菌貯蓄所内へ前記密閉壁を貫通するよう配置され、
前記滅菌容器針は、コネクターに取り付けられ、
前記コネクターは前記容器に機械的に結合され且つプレスばめされることで、前記滅菌容器針が保管状態の時に前記容器に前記滅菌容器針を固定させる、前記サブアセンブリ。
【請求項28】
前記コネクターが一対のコネクターあり、前記一対のコネクターのうちの第1のコネクターは前記滅菌容器針に取り付けられており、前記一対のコネクターのうちの第2のコネクターは前記容器に取り付けられており、保管状態では、前記第1のコネクター及び前記容器の前記第2のコネクターは機械的に結合されて前記容器に前記滅菌容器針を固定させる、請求項27に記載のサブアセンブリ。
【請求項29】
前記第1及び第2のコネクターがそれぞれ一対の対面する表面のうちの1つを含み、前記対面する表面が接触して前記滅菌容器針の長手方向の軸に沿った前記第1及び第2のコネクターの軸方向の運動を制限する、請求項28に記載のサブアセンブリ。
【請求項30】
保管状態では、前記第1及び第2のコネクターがかみ合って前記一対のコネクターを回転可能なように結合させ、前記容器に前記滅菌容器針を固定させる、請求項29に記載のサブアセンブリ。
【請求項31】
前記容器が、開口の周囲に配置される縁部、前記容器の前記開口を覆うように配置されている前記密閉アセンブリ、及び、縁部を含む前記第2のコネクターであって、前記密閉アセンブリ上に配置される前記第2のコネクターを含み、前記容器は、前記密閉アセンブリが縁部間に配置された状態で、前記容器の縁部及び前記第2のコネクターの縁部の周りに形成されるクリンプリングをさらに含み、前記容器の縁部と前記第2のコネクターの縁部との間に前記密閉アセンブリを固定する、請求項2830のいずれか1項に記載のサブアセンブリ。
【請求項32】
前記第2のコネクターが、その間を通る通路を有し、前記滅菌容器針は、保管状態で、前記第2のコネクターの前記通路及び前記バリアを貫通して配置される、請求項31に記載のサブアセンブリ。
【請求項33】
前記第1のコネクターが、前記滅菌容器針の周囲に絶え間なく配置されるカラーを含む、請求項2830のいずれか1項に記載のサブアセンブリ。
【請求項34】
前記第1のコネクターが、前記滅菌容器針の周囲に途切れて配置されるカラーを含む、請求項2830のいずれか1項に記載のサブアセンブリ。
【請求項35】
インジェクターであって、前記インジェクターは、
内面を有する容器壁を含む容器であって、前記容器壁が孔を形成し、前記孔に沿って移動可能なストッパーをさらに含む、容器と;
内面を有する密閉壁を含む密閉アセンブリであって、前記ストッパーと、前記容器壁及び前記密閉壁の内面とが、医療用流体又は製剤で充填された、閉じた滅菌貯蓄所を画定する、前記密閉アセンブリと;
先端を有する滅菌容器針を含む流体送達システムと;
アクチュエーターと
を備え、
前記滅菌容器針の前記先端は、前記滅菌容器針が保管状態では前記滅菌貯蓄所に流体連通しないように、保管状態では前記密閉壁を部分的にのみ貫通するよう配置され、前記滅菌容器針の前記先端は、前記滅菌容器針が送達状態では前記滅菌貯留所に流体連通するように、送達状態では前記滅菌貯蓄所内へ前記密閉壁を貫通するよう配置され、
前記滅菌容器針は、コネクターに取り付けられ、
前記コネクターは、前記容器に機械的に結合され且つプレスばめされて前記滅菌容器針が保管状態の時に前記容器に前記滅菌容器針を固定させ、
前記アクチュエーターは、前記滅菌容器針を保管状態から送達状態へ動かすよう構成される、前記インジェクター。
【請求項36】
前記コネクターが、一対のコネクターであり、前記一対のコネクターのうちの第1のコネクターは前記滅菌容器針に取り付けられており、前記一対のコネクターのうちの第2のコネクターは前記容器に取り付けられており、保管状態では、前記第1のコネクター及び前記容器の前記第2のコネクターは機械的に結合されて前記容器に前記滅菌容器針を固定させる、請求項35に記載のインジェクター。
【請求項37】
前記第1及び第2のコネクターがそれぞれ一対の対面する面のうちの1つを含み、前記対面する面が接触して前記滅菌容器針の長手方向の軸に沿った前記第1及び第2のコネクターの軸方向の運動を制限する、請求項36に記載のインジェクター。
【請求項38】
保管状態では、前記第1及び第2のコネクターがかみ合って前記一対のコネクターを回転可能なように結合させ、前記容器に前記滅菌容器針を固定させる、請求項37に記載のインジェクター。
【請求項39】
前記容器が、開口の周囲に配置される縁部、前記容器の前記開口を覆うように配置されている前記密閉アセンブリ、及び、縁部を含む前記第2のコネクターであって、前記密閉アセンブリ上に配置される前記第2のコネクターを含み、前記容器は、前記密閉アセンブリが縁部間に配置される状態で、前記容器の縁部及び前記第2のコネクターの縁部の周りに形成されるクリンプリングをさらに含み、前記容器の縁部と前記第2のコネクターの縁部との間で前記密閉アセンブリを固定する、請求項3638のいずれか1項に記載のインジェクター。
【請求項40】
前記第2のコネクターがその間を通る通路を有し、前記滅菌容器針が保管状態で、前記第2のコネクターの前記通路を貫通して配置される、請求項39に記載のインジェクター。
【請求項41】
前記第1のコネクターが、前記滅菌容器針の周囲に絶え間なく配置されるカラーを含む、請求項3640のいずれか1項に記載のインジェクター。
【請求項42】
前記第1のコネクターが、前記滅菌容器針の周囲に途切れて配置されるカラーを含む、請求項3640のいずれか1項に記載のインジェクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
2013年10月24日出願の、米国仮特許出願第61/895,390号の優先権の利益を主張し、当該仮特許出願の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本特許は、インジェクター及びインジェクターを組み立てる方法を対象とし、特に、充填済みインジェクター及び充填済みインジェクターを組み立てる方法を対象とする。
【0003】
インジェクターは、液剤といった医療用流体又は製剤を患者に送達するために使用される。特に、インジェクターは、患者内への流路を形成する針、カニューレ又はカテーテルを介して、流体を患者に提供する。特定のインジェクターは、製造業者が組み立て、流路に既に結合された貯蓄所を有する。これら貯蓄所は通常、製造業者から患者又はヘルスケア提供者(例えば医師、看護師、ヘルスケアアシスタント等)に空の状態で提供され、次いで、使用の際に充填される。または、インジェクターは、患者又はヘルスケア提供者に充填済みの状態で提供された貯蓄所と組み合わせて使用され得る。
【0004】
いずれの場合も、インジェクターは使用前に準備が必要である。例えば、貯蓄所が空で提供される場合、貯蓄所は充填されなくてはいけない。これを行うために、注射器に送達する医療用流体又は製剤を充填し、次いで、医療用流体又は製剤を、入口ポートを介して貯蓄所に注入する。注入の前に、入口ポートは、例えばアルコールワイプを外面に塗付することで滅菌されなくてはいけない。同様に、充填済み貯蓄所が代替インジェクターの流路に結合される前に、結合コネクターは、アルコールワイプを表面に塗付することで、滅菌されなくてはいけない。
【0005】
いずれの事象でも、インジェクターの使用には追加の材料及び時間が必要である。
【0006】
以下でさらに詳細に記される通り、本開示は、上記した従来のデバイス及び方法に対して効果的な代替物を具体化した、改善されたインジェクターを提供する。
【発明の概要】
【0007】
本開示の一態様に従うと、インジェクターは、容器、密閉アセンブリ、流体送達システム及びアクチュエーターを含む。密閉アセンブリは、内面を有する柔軟性密閉アセンブリ壁を含み、容器壁及び密閉アセンブリ壁の内面は、医療用流体又は製剤で充填した閉じた滅菌貯蓄所を画定し、また、密閉アセンブリ壁の外部に配置されるバリアであって、柔軟性壁とバリアとの間の密閉した空間を画定するバリアを含む。流体送達システムは、保管状態ではバリアのみを貫通するよう配置され、送達状態では滅菌貯蓄所内へ柔軟性壁を貫通するよう配置される先端を有する滅菌容器針を含む。滅菌容器針は、コネクターに取り付けられ、コネクターは容器に機械的に結合しており、針が保管状態である容器に滅菌容器針を固定させる。アクチュエーターは、容器針を保管状態から送達状態へ動かすように構成される。
【0008】
本開示の別の態様に従うと、インジェクターを組み立てる方法には、滅菌状態で、容器の壁の内面によって画定される容器の滅菌貯蓄所に、医療用流体又は製剤を充填すること、滅菌状態で滅菌流体送達システムを容器に機械的に結合させること、及び、インジェクターの残りの部分をクリーンルームの状態で組み立てることが含まれ、前記流体送達システムは、保管状態では貯蓄所と流体連通しておらず、また、送達状態では貯蓄所と流体連通している。
【0009】
本開示は、添付の図面と合わせた次の説明からより完全に理解されるだろう。いくつかの図は、他の要素をより明確に図示する目的で、選択された要素を省略して簡略化した可能性がある。いくつかの図におけるそのような要素の省略は、対応する文章の説明で明確に記載され得る場合を除いて、例示的な実施形態のいずれかにおいても特定の要素の存在又は不在を意味するわけではない。どの図も必ずしも正確な縮尺ではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本開示に従ったインジェクターの一実施形態の断面図であり、容器針は保管状態であり、針が容器の単一の壁を部分的に貫通している。
図2図2は、図1のインジェクターの容器と用いられ、容器針による容器の柔軟性単一壁の貫通を制御するためのジグの透視図である。
図3図3は、図1のインジェクターの断面図であり、容器針が送達状態にあり、針が、柔軟性壁の内面を通って貯蓄所に配置されるように容器の単一壁を貫通している。
図4図4は、製造用設備の模式図であり、本開示に従ったインジェクターが充填及び組み立てられ得る。
図5図5は、本開示に従ったインジェクターの一実施形態の断面図であり、容器針が保管状態にあり、針が容器の単一壁を部分的に貫通している。
図6図6は、本開示に従ったインジェクターの一実施形態の断面図であり、容器針は保管状態にあり、針が容器の単一壁を部分的に貫通している。
図7図7は、本開示に従ったインジェクターの一実施形態の断面図であり、容器針は保管状態にあり、針は密閉アセンブリのバリアを部分的に貫通しているが、密閉アセンブリの柔軟性壁には貫通していない。
図8図8は、本開示に従ったインジェクターの一実施形態の断面図であり、容器針は保管状態にあり、針は密閉アセンブリのバリアを部分的に貫通しているが、密閉アセンブリの柔軟性壁には貫通していない。
図9図9は、本開示に従ったインジェクターの一実施形態の断面図であり、関連した容器針が保管状態と送達状態との間を移動するにつれて柔軟性壁と外部に配置されるバリアとの間のスペースを排気する通気口を含む。
図10図10は、本開示に従ったインジェクターの一実施形態の断面図であり、関連した容器針が保管状態と送達状態との間を移動するにつれて柔軟性壁と外部に配置されるバリアとの間のスペースを排気するバイパスを含む。
図11図11は、バイパスが柔軟性壁とバリアとの間で画定されるスペースと流体連通している中間状態にある、図10の容器の断面図である。
図12図12は、本開示の実施形態に従ったインジェクターの断面図であり、滅菌状態が流体送達システムの作動まで貯蓄所で維持されている。
図13図13は、本開示の実施形態に従ったインジェクターの断面図であり、滅菌状態が流体送達システムの作動まで貯蓄所で維持されている。
図14図14は、本開示の実施形態に従ったインジェクターの断面図であり、滅菌状態が流体送達システムの作動まで貯蓄所で維持されている。
図15図15は、本開示に従ったインジェクターを組み立てる方法を例示したフローチャートである。
図16図16は、組み立て前の、本開示に従ったインジェクターの一実施形態の断面図である。
図17図17は、図16のインジェクターの一実施形態の断面図であり、容器針は保管状態にあり、針は密閉アセンブリのバリアを部分的に貫通しているが、密閉アセンブリの柔軟性壁には貫通していない。
図18図18は、図16のインジェクターの一実施形態の断面図であり、容器針は送達状態にあり、針が密閉アセンブリのバリア及び柔軟性壁を貫通している。
図19図19は、図16~18に例示されるものと類似した容器針及び容器との使用のためのコネクターの一実施形態である。
図20図20は、図16~18に例示されるものと類似した容器針及び容器との使用のためのコネクターの一実施形態である。
図21図21は、図16~18に例示されるものと類似した容器針及び容器との使用のためのコネクターの一実施形態である。
図22図22は、図16~18に例示されるものと類似した容器針及び容器との使用のためのコネクターの一実施形態である。
図23図23は、本開示に従ったインジェクターを組み立てる方法を例示したフローチャートである。
図24図24は、図16のインジェクターの一実施形態の断面図であり、容器針は保管状態にあり、針が密閉アセンブリの柔軟性壁を部分的に貫通している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次の文章では本発明の異なる実施形態の詳細な説明が記載されるが、本発明の法的な範囲は本特許の最後に記載される特許請求の範囲の文言によって定義されることが理解されるべきである。また、ある用語が「本明細書で用いられる『___』という用語は本明細書で・・・を意味するよう定義される」という文又は同様の文を用いて本特許で明確に定義されない限りは、その用語の意味が、明示的でも黙示的でも、その率直又は通常の意味を超えて限定される意図は一切ないことが理解されるべきであり、そのような用語は、本特許のあらゆるセクション(特許請求の範囲の言葉以外)でなされるいずれかの記述に基づいて範囲が限定されるよう解釈されるべきではない。本特許の最後の特許請求の範囲で引用されるあらゆる用語が本特許では単一の意味に一貫した様式で言及される範囲において、それは読み手を混乱させないためだけの明確性のためになされ、そのような特許請求の範囲の用語が、黙示的又はそうでなくても、その単一の意味に限定されることは意図していない。さらに、いずれかの構造を詳述することなく「手段(means)」という言葉及び機能を記載して特許請求の要素が定義されない限りは、いずれの特許請求の要素の範囲も米国特許法第112条第6パラグラフの適用に基づいて解釈されることは意図されていない。
【0012】
詳細な説明は、例示に過ぎないことが理解され、本発明の全ての可能な実施形態を記載するわけではない。現在の技術又は本特許の出願日の後に発達した技術のいずれかを用いて数多くの代替実施形態が実装され得、これらは依然として本発明を定義する特許請求の範囲内に包含される。
【0013】
総括的に、本開示に従ったインジェクターは、容器、流体送達システム及びアクチュエーターを含む。インジェクターに言及し、いくつかの例では、インジェクターが設定体積の医療用流体又は製剤が送達されることを確実にする送達デバイスを指し得る一方で、本開示は、いくつかの例では特定の速度の送達が達成されることを確実にする送達デバイスを指し得る、注入デバイスも包含することが理解される。本明細書で使用される医療用流体及び製剤という用語は、同一又は異なる意味を有し得る。医療用流体という用語は、製剤並びに他の患者に送達可能な物質を包含し得る。インジェクター及び注入器という用語は明細書の実施形態を指す場合は同じ意味で用いられ得ることが理解されるべきである。さらに、容器及び流体送達システムのサブアセンブリは、そのようなサブアセンブリが医療用流体又は製剤で充填済みであろうと未充填であろうと、インジェクターの残りの部分とは別々に取り組まれ得;例えば、そのようなサブアセンブリはインジェクターを製造する組み立てプロセス中に単一のユニットとして輸送され得る。
【0014】
図1~3及び5~11で例示される通り、容器は内面を有する壁及び内面を有する密閉アセンブリを含み得、壁及び密閉アセンブリの内面は医療用流体又は製剤で充填した、閉じた滅菌貯蓄所を画定する。さらに、これらの実施形態で例示される流体送達システムは、保管状態では密閉アセンブリを部分的にのみ貫通するよう配置され、送達状態では滅菌貯蓄所内へ密閉アセンブリの内面を貫通するよう配置される先端を有する、被鞘がなくてもよい滅菌容器針を含み得る。よって、針は送達状態では容器と流体連通しているが、保管状態ではしていない。これらの実施形態に従うと、インジェクターは、容器針を保管状態から送達状態へ動かすよう構成されたアクチュエーターを含み得、これは、容器に対する針の移動又は針に対する容器の移動に関し得る。
【0015】
図1、3及び4~6で例示される通り、密閉アセンブリは、密閉アセンブリの内面を画定する、内面を有した柔軟性の単一壁であり得、容器針の先端は、部分的に単一壁内に配置され得る。または、図7~11で例示される通り、密閉アセンブリは、密閉アセンブリの内面を画定する、内面を有した柔軟性壁、及び、柔軟性壁の外部に配置されるバリアであって、柔軟性壁とバリアとの間に密閉したスペースを形成するバリアを含み得る。そのような実施形態に従うと、容器針の先端は、保管状態ではバリアを介してスペース内に配置される。
【0016】
本開示に従ったインジェクター100の一実施形態が図1に例示されている。インジェクター100は、容器102、流体送達システム104及びアクチュエーター106を含む。
【0017】
容器102(カートリッジとも呼ばれ得る)は、内面112及び外面114を有する壁110を含む。内面及び外面112、114の双方を画定する単一(すなわちワンピース)壁110が図1に図示される一方で、他の実施形態では、壁110は内面及び外面112、114を画定する異なる層を有する複数の層を含み得る。
【0018】
本開示の特定の実施形態に従うと、壁110は硬い。他の実施形態では、壁110は柔軟性であり、壁を形成する材料又は壁の構造(例えば鞴構造)のためである。壁110は、例えばガラス、金属又はポリマーから作られ得る。特に、ポリマーバージョンは、例えばポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン(高密度ポリエチレンといった)、ポリテトラフルオロエチレン、環状オレフィンポリマー、環状オレフィン共重合体、Crystal Zenith(登録商標)オレフィンポリマー(株式会社大協精工、日本から入手可能)、ナイロン又はエンジニアリングレジンから作られ得る。壁110の柔軟バージョンに関しては、ブチルゴム、シリコンベースのゴム、ラテックベースのゴム、コーティングしたゴム、並びに、ポリエチレン(低密度ポリエチレンといった)及びポリプロピレンを含み得るといった多層ポリマーフィルムが用いられ得る。
【0019】
壁110は通常、円柱状の形状を有し得、肩部120が、第1の断面直径を有する第1の円柱セクション122を、第2の断面直径を有する第2の円柱セクション124から区別しており、第1の断面直径は、第2の断面直径よりも小さい。壁110は、反対側にある2つの開いた端部126、128も画定し得る。壁110、又は具体的には壁110の内面112は、孔130も画定し得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、容器102は、内面142及び外面144を有する柔軟性単一壁140(シール又はセプタムとも呼ばれ得る)を含み得る。壁140は、例えば壁140が開いた端部又は開口部126を横切って壁110に接着する点において壁140と壁110との間で制限された相対運動があるように、壁110が画定する第1の開いた端部126に配置され得、また、容器102の壁110に固定して取り付けられ得る。壁110及び柔軟性壁140の内面112、142は、少なくとも部分的に、医療用流体又は製剤160で充填された閉じた滅菌貯蓄所150を画定し得、これは以下でさらに詳細が説明される。壁140は例えば、ブロモブチル、クロロブチル若しくはクロロブロモブチルゴム、フルオロポリマーゴム、天然ゴム、シリコンベースのゴム、シリコン又はサントプレンから作られ得る。
【0021】
容器102はまた、内面及び外面172、174を有するストッパー又はピストン170も含み得る。ピストン170は、壁110が画定する端部128内に収容され得、また、容器102の端部126と128との間の孔130に沿って移動可能であり得る。そのような実施形態に従うと、医療用流体又は製剤160が配置される貯蓄所150は、壁110、140及びピストン170の内面112、142、172によって画定され得る。
【0022】
容器102は、流体送達システム104と合わせて用いられ得、その関連分部が図1で例示されている。特に、流体送達システム104は、先端182を有する容器針180を含み得る。例示の通り、先端182は、保管状態では柔軟性壁140内に部分的のみで貫通している。針180の先端182の壁140内への貫通は、複数の方法及び/又は機構によって制御され得る。例えば、図2は、容器102を一緒に用いられ得、先端182が壁140を貫通する深さを制御するためのジグを例示している。
【0023】
流体送達システム104はまた、先端192を有する注入針190を含み得る。注入針190の先端192は、先端192との接触及び先端192の汚染を防止するために針シールド194で覆われ得る。容器針180及び注入針190は、カニューレ又は管200によって結合され得、当該カニューレ又は管は、本開示の特定の実施形態に従った柔軟性カニューレであり得る。針180と同様に、針190は、例えばステンレススチールで作られ得る。いくつかの実施形態では、容器針180及び注入針190は、一体的(すなわちワンピースとして)に形成され得る。
【0024】
流体送達システム104は、図1で例示するアクチュエーター106と一緒に用いられ得る。アクチュエーター106は、容器針180を、図1で例示する保管状態と図3で例示する送達状態との間で動かし、したがって、流体送達システム104を保管状態と送達状態との間で動かすよう構成され得る。送達状態では、容器針180は、柔軟性壁140の内面142を介して滅菌貯蓄所150内へ配置され、貯蓄所150と流体連通する。
【0025】
状態間での針180の動きは、様々な方法で生じ得る。例えば、針180はインジェクター100のハウジングに固定して保持され得、また、容器102は、針180及びハウジングに対して動き得る。または、容器102がハウジングに固定して保持され得、針180が容器102及びハウジングに対して動かされ得る。他の実施形態では、容器102及び針180の双方がインジェクター100のハウジングに対して動き得る。これら作用の全てが、アクチュエーター106が保管状態と送達状態との間で容器針180を動かすよう構成されるという記述に包含されていることが理解される。
【0026】
アクチュエーター106は、機械的、電気機械的又は電気的であり得る。例えば、アクチュエーター106は、ソレノイド、モーター駆動レバー、関連ギアリングを有するモーター等を含み得る。いくつかの実施形態では、容器102又は針180に取り付けられたタブ又はボタンによって、ユーザーは容器102と針180との間の相対運動を手動で達成することが可能になる。容器102は、インジェクター100が容器102を(固定)針180に対して動かすよう作動されたときに、ハウジング内に押し下げられるタブ又はボタン内に収容され得る。
【0027】
アクチュエーター106は、針180を保管状態から送達状態へ動かす、又は、針180を送達状態から保管状態へ動かすことで、保管状態と送達状態との間で容器針180を動かし得る。いくつかの実施形態では、アクチュエーターは、容器針180を保管状態と送達状態との間で繰り返し動かし得る(すなわち複数回又は繰り返し)。アクチュエーター106は、入力又は信号(例えば、アクチュエーター106に結合されたボタン、スイッチ又は他の入力デバイスを押すこと又は操作を通して作製される入力又は信号であり、これは、性質的に機械的、電気機械的又は電気的であり得る)の受信直後に容器針180を動かし得、又は、入力を受信後に、ある期間だけ、保管状態と送達状態との間での容器針180の動きを遅らせ得る。特定の実施形態に従うと、アクチュエーター106は、そのような時間遅延後まで、保管状態から送達状態への針180の動きを遅らせ得る。
【0028】
本開示の実施形態に従うと、貯蓄所150及び容器針180(並びにいずれかの装着管200及び注入針190)の双方は滅菌として説明されており、一方で、送達デバイス/インジェクター100の残りの部分(例えばアクチュエーター106)は清浄として説明されている。これらの用語は、混入物を指定されたレベルで含まないことを確実にし、滅菌対象又はデバイスが清浄な対象又はデバイスよりも混入物を含まないレベルが比較的高いと理解される状態で、組み立てられた結果としての、貯蓄所150、針180又は送達デバイスの残りの部分の状態を説明する。非制限的な例として、滅菌及び清浄度の概念は、図4を参照して考察され得、この考察は本明細書に記載する全実施形態に適用される。
【0029】
図4は、製造用設備250を例示し、また、設備250内で実施される製造プロセスを考察するのに用いられ得る。設備250は、複数のスペース252、254、256、258、260、262、264、266、268に分割され、当該分割は、永久又は半永久壁又は他のバリアによって維持され得ることが留意される。理解される通り、特定のスペース又は領域は、バリア又は壁なしで分割され得るが、その代わり、構造レベルで分離されるだけであり得る。さらに、当業者であれば容易に決定可能な異なる数のスペース又は異なる配置といった、より多い数若しくはより少ない数のスペース、又は、スペースの代替配置が用いられ得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、容器102(壁110、140及びストッパー/ピストン170)及び流体送達システム104の構成要素は、スペース252を解して設備250に入り、ここで、構成要素は、例えばeビーム技術を用いて滅菌される。または、図1及び3の実施形態を参照すると容器102及び流体送達システム104は別々の構造として定義される一方で、スペース254に導入される前に容器102が流体送達システム104に取り付けられる製品(例えば容器102/流体送達システム104は注射器である)に本明細書の製造プロセスを用いて、製品を滅菌することは公知である。いくつかの実施形態では、構成要素が入口点252、264、266から設備250に入る際に、他の既存の(例えば、二酸化塩素又は蒸気相過酸化水素での処理)又は後に開発される滅菌手順によって滅菌され得る。容器102及び流体送達システム104は次いで、医療用流体又は製剤を充填するためにスペース254内へ通過する。スペース254は、殺菌したクラス100のクリーンルームとして操作され得る。クラス100のクリーンルームは、1立方フィートの空気中に許容される粒径0.5μm以上の粒子が100未満であるルームである。充填が実施され、ストッパー170が容器102の端部128に配置されると、容器針180は壁/セプタム140に部分的に挿入される。容器針180は壁140を貫通しないため、貯蓄所150及び医療用流体又は製剤160は、滅菌(すなわち、より高いレベルの清浄度)のままである。さらに、流体送達システム104は滅菌した状態であり、滅菌状態で容器102に組み立てられるため、流体送達システム104は滅菌のままであると考えられ、その理由の一部としては、容器針180の部分的な挿入、及び、シールド194のためである。
【0031】
関連する流体送達システム104と組み合わせた充填済み容器102(この組み合わせは充填済み滅菌容器の組み合わせと呼ばれ得、又は流体送達システム104及び容器102が互いに取り付けられ又は一体的に形成されている(例えば注射器)実施形態では、容器102及び流体送達システム104はまた、充填済み滅菌注射器とも呼ばれ得る)は、伝達スペース256(クラス100のクリーンルームとしても動作し、特定の実施形態では殺菌した状態でもある)を介して移動し、保管スペース258内に収容される。充填済み滅菌容器の組み合わせは保管スペース258から検査エリア260(特定の実施形態では殺菌)に移動し、ここで、充填済み滅菌容器の組み合わせはアクチュエーター106及びインジェクター100の他の要素との組み立て前に検査される。医療用流体又は製剤160が密閉容器102に包含され、流体送達システム104の滅菌性がこの時点で保存されるため(すなわち、容器針180は壁140内に挿入され、インジェクター針190はシールド194で覆われる)、検査エリアはクラス10,000のクリーンルームとして操作され得る。検査されると、充填済み滅菌容器の組み合わせは検査スペース260から組み立てスペース262へ通過し得る。
【0032】
検査スペース260と同様に、組み立てスペース262は、殺菌クラス10,000のクリーンルーム、又はいくつかの実施形態では、クラス100,000のクリーンルームとして操作され得る。スペース264、266からクリーンルーム内へ通過する材料は滅菌状態であり得、又は、例えばeビーム技術を用いて滅菌され得る。組み立てスペース262内では、インジェクター100(例えばアクチュエーター106)の残りの部分は、インジェクター100が包装スペース268内へ通過する前に、組み立てられ得る(すなわち容器102及び流体送達システム104はインジェクター100内の残りの部分内に配置され得る)。
【0033】
組み立てに加えた他のプロセスもこの時点で起こり得る。特定の実施形態に従うと、例えば輸送の容易性のために、インジェクター100の残りの部分との組み立て前に流体送達システム104を1つの構成で配置するが、インジェクター100へ組み立てられると流体送達システム104が異なる配置を有するようにすることが所望され得る。例えば、容器針180及びインジェクター針190との間に、インジェクターの残りの部分との組み立て前にはまっすぐな構成を有するが、インジェクター100の残りの部分と組み立てた際時には婉曲で曲がった(例えば60度、90度等)、又は、他のまっすぐではない構成を想定することが流路にとっては望ましい。まっすぐな構成で流体送達システム104を維持することで、充填済み滅菌容器の組み合わせを輸送するために用いるトレー又は他のホルダー内での充填済み滅菌容器の組み合わせの間隔は、婉曲の曲がった、又は、他のまっすぐでない構成を収容するのに必要な追加的な空間が回避され得るという点で、最大化され得る。これはまた、各トレーがより多い数の容器102/流体送達システム104の組み合わせを収容でき、したがって、スペース254を通過するトレーの数が限定され得るという点で、容器102の充填のコストに効果を有し得る。構成の変化は、例えば、設備250のどこかで、婉曲の曲がった又はそうでなければまっすぐでない流体送達システム104を収容する必要性を最小限にするために、組み立てスペース262で実施され得る。
【0034】
図1及び3に例示されるインジェクター100の実施形態は例示的である。図5及び6は、図1及び3のインジェクターの異なる形を例示する。
【0035】
図5の実施形態に従うと、インジェクター300は、容器302、流体送達デバイス304及びアクチュエーター306を含む。図1及び3の実施形態と同様に、容器302は、内面及び外面312、314を有する壁310を含む。壁310は、反対側にある2つの端部320、322を有し得、壁310の内面312が反対側の端部320、322との間の孔324を画定する。
【0036】
容器102と違って、容器302は、端部320を閉じる固定プラグ326を有する。さらに、容器302が内面及び外面332、334を伴う柔軟性単一壁330を有する一方で、壁330は、容器302の端部322内に配置され、したがって、容器102におけるストッパー/ピストン170の役割を果たす。したがって、壁330は、反対側の端部320、322の間の孔324に沿って移動可能である。壁310、330の内面312、332は、医療用流体又は製剤350が配置される滅菌貯蓄所340を画定する。
【0037】
流体送達デバイス304は、先端362を有する滅菌容器針360を含み得る。針360の先端362は、針180の先端182のように、保管状態では柔軟性壁330内に部分的のみに配置され、アクチュエーター306は、先端362を、保管状態と、先端362が柔軟性壁330の内面332を介して滅菌貯蓄所340内に配置される送達状態との間で移動させる。容器針360は、シールド374で覆われた先端372を有する注入針370と、例えばピストンロッド382内に収容されるカニューレ380を介して流体連通している可能性があり、当該ロッド382を用いて、容器302の端部320、322の間でストッパー/ピストン330を動かし得る。
【0038】
図6に例示される実施形態に従うと、容器は、内面及び外面392、394を伴う壁390を有する。前述した容器と違って、壁390は、閉じた端部及び396及び開いた端部398を画定する。容器はまた、図5の実施形態の壁330のような柔軟性壁400を含み、当該壁400は、開いた端部398と閉じた端部396との間で、容器内を移動可能である。この実施形態に従うと、壁390が閉じた端部396そのものを画定するため、端部396、398のうち1つを閉じるのに別々の構造は必要ではない。閉じた端部396は、図6で例示されるよりも放射状に大きくなるようサイズ変更され得る。
【0039】
密閉アセンブリが柔軟な単一壁のみを含む実施形態を複数考察してきたが、密閉アセンブリが複数の壁及び/又はシールを含むさらに複数の実施形態が、図7~11を参照しながら考察される。この構造は、区画化シール(又は、図7を参照するとセプタム、又は、図8~11を参照するとストッパー)とも呼ばれ得る。これらの壁及び/又はシールが壁及びバリアとして例示及び言及される一方で、これらの構造は単一の構造の一部分(例えば中央にスペースが形成された単一セプタム)として形成され得ることが理解される。
【0040】
図7を参照すると、インジェクター450は、容器452、流体送達システム454及びアクチュエーター456を含む。
【0041】
容器452は、内面462及び外面464を有する壁460を含む。図1及び2の容器と同様に、壁460は、通常円柱状の形状を有し得、第1の第1の断面直径を有する第1の円柱セクション472を、第2の断面直径を有する第2の円柱セクション474から区別する肩部470を伴い、第1の断面直径は第2の断面直径よりも小さい。壁460はまた、反対側のにある2つの開いた端部476、478を画定し得る。壁460又は具体的に壁460の内面462はまた、孔480も画定し得る。
【0042】
図1及び3の容器102と違い、図7の容器452は、1つの単一壁よりも多く含む密閉アセンブリを有する。容器452の密閉アセンブリは、柔軟性壁490及びバリア492を含む。柔軟性壁490は、内面494及び外面496を有し、一方でバリア492は、内面498及び外面500を有する。壁460及び柔軟性壁490の内面462、494は、医療用流体又は製剤520で充填される閉じた滅菌貯蓄所510を画定する。いくつかの実施形態では、バリア492は、柔軟性壁490の外側に配置され、柔軟性壁490とバリア492との間で密閉したスペース530を画定する。スペース530は、壁460の内面462、柔軟性壁490の外面496及びバリア492の内面498によって画定され得る。
【0043】
容器452はまた、内面及び外面542、544を有するストッパー又はピストン540を含み得る。ピストン540は、壁460が画定する端部478内に収容され得、また、容器452の端部476、478の間の孔480に沿って移動可能であり得る。そのような実施形態に従うと、医療用流体又は製剤520が配置される貯蓄所510は、壁460、490及びピストン540の内面462、494、542によって画定され得る。
【0044】
図7の実施形態はまた、保管状態ではバリア492を介してスペース530内に配置され、送達状態では柔軟性壁490の内面494を介して滅菌貯蓄所510内へ配置される先端552を有する滅菌容器針550を含む流体送達システム454を含む。容器針550は、密閉アセンブリを部分的にのみ貫通する。流体送達システム454はまた、先端562との接触及び先端562の汚染を防止するための針シールド564で少なくとも最初は覆われている先端562を有する注入針560を含み得る。容器針550及び注入針560は、カニューレ又は管570によって結合され得、当該カニューレ又は管は、本開示の特定の実施形態に従うと、柔軟性カニューレであり得る。
【0045】
図8で示す通り、インジェクター600の密閉アセンブリは、容器452に関して例示されたストッパー/ピストン540のかわりに容器602内に配置される。すなわち、容器602は、孔606を画定する壁604を含み、柔軟性壁608及びバリア610はそれぞれ、孔606に沿って移動可能なストッパーを画定する。容器602の壁604が例示される実施形態で開いた端部及び閉じた端部を画定しない一方で、そのような代替案も可能である。
【0046】
図9~11は、図8で例示する実施形態の異なる形を例示しており、異なる形は、柔軟性壁とバリアとの間のスペース又は領域が排気又は排出されることを可能にする追加の特徴を含む。これら追加の特徴は、通気口、弁又はバイパスと呼ばれ得るが、これらの構造は全て、アクチュエーターが関連する容器針を保管状態から送達状態に動かす際に、柔軟性壁とバリアとの間のスペース又は領域から気体が逃れることを可能にする。このことは、内壁及び外バリアが、本開示の他の実施形態に従って例えばスペーサー(複数可)を介して分離した状態でいられないことを示唆するためではない。図9~11の実施形態は、内壁及び外バリアが一緒になった時にスペースを排気させるための選択肢を例示している。通気口、弁及びバイパスは、スペースが排気又は排出されるまで、スペース内で滅菌状態を保存することが理解される。
【0047】
図9に、壁652及び密閉アセンブリを含み、当該アセンブリが柔軟性壁654及びバリア656を含んでいる容器650が例示されている。柔軟性壁654は、内面658及び外面660を有し、一方で、バリア654は、内面662及び外面664を有する。壁652の内面668及び柔軟性壁654の内面658は、医療用流体又は製剤680で充填される閉じた滅菌貯蓄所670を画定する。バリア656は、柔軟性壁654の外側に配置され、柔軟性壁654とバリア656との間の密閉したスペース690を画定する。スペース690は、壁652の内面668、柔軟性壁652の外面660及びバリア656の内面662によって画定され得る。
【0048】
図10で例示する通り、容器針702を含む流体送達システム700は、密閉アセンブリと合わせて使用される。容器針702は、保管状態で示されている。容器針702は、針702の先端704がスペース690内に配置されるようにバリア656を貫通して配置される。先端704は、送達状態(図示せず)では柔軟性壁654を貫通して貯蓄所670内へ配置される。針702は特にその長さに対して正確な縮尺であるように描かれていない。
【0049】
図9に例示される容器650は、少なくとも1つの通気口710を含む。通気口710は、バリア656と柔軟性壁654との間のスペース690と流体連通している。通気口710は、密閉アセンブリが例示される保管状態と送達状態との間で移動する時に、バリア656と柔軟性壁654との間に捕まった気体が通気口710を通って逃れることが可能になるように選択的に作動され、ここで、バリア656は、柔軟性壁654の方向に進み、容器針702の先端704が壁654を貫通するのを可能にする。いくつかの実施形態では、通気口710は、例えばスペース690内の気圧の変化によって作動するまで、環境に対して密閉された状態であり得る。
【0050】
通気口710は、バリア656内に配置され、バリア656の内面662と外面664との間で延びる。フラップ712が外面664に近接する通気口710の端部を覆い、それによって通気口が作動するまで通気口710の端部を密閉し、バリア656と柔軟性壁654との間のスペース690の滅菌製性を維持する。または、通気口710は、例えば、容器650の壁652内に配置され得る。
【0051】
図10及び11は、図8のシステムの異なる形をさらに例示し、容器720は、壁722及び密閉アセンブリを含み、当該アセンブリは、柔軟性壁724及びバリア726を含む。柔軟性壁724は内面728及び外面730を有し、一方で、バリア726は内面732及び外面734を有する。壁722の内面738及び柔軟性壁724の内面728は、医療用流体又は製剤750で充填される閉じた滅菌貯蓄所740を画定する。バリア726は、柔軟性壁724の外側に配置され、柔軟性壁724とバリア726との間に密閉したスペース760を画定する。スペース760は、壁722の内面738、柔軟性壁722の外面730及びバリア726の内面732によって画定され得る。
【0052】
図10で例示する通り、容器針772を含む流体送達システム770は密閉アセンブリと合わせて用いられる。容器針772は保管状態で例示されており、容器針772は、針772の先端774がスペース760内に配置されるように、バリア726を貫通して配置されている。先端774は、図示されないが、送達状態で、柔軟性壁724を貫通し、貯蓄所740内に配置される。
【0053】
前述の実施形態とは対照的に、図10で例示する容器720は、少なくとも1つのバイパス又は通気口780を含む。バイパス780は、貯蓄所740と流体連通している。バイパス780は、密閉アセンブリが例示される保管状態と送達状態との間で移動する際に、バリア726と柔軟性壁724との間で捕まった気体がバイパス780を介して貯蓄所740内へ逃れることを可能にするように選択的に作動し、ここで、バリア726は柔軟性壁724の方向に進み、容器針772の先端774が壁724を貫通することを可能にする。
【0054】
バイパス780は、柔軟性壁724が図10で例示される保管状態から図11に例示される中間状態に移動するまで、スペース760と流体連通していない。図10及び11で例示する通り、バイパス780は、壁722の内面738で画定され得、壁722に形成される溝782の形式を取り得る。溝782は、遠位端部784及び近位端部786を有し得る。理解される通り、柔軟性壁724の外面730が溝782の遠位端部784を通過するまで、貯蓄所740は、スペース760に対して密閉された状態である。しかし、柔軟性壁724の外面730が溝782の遠位端部784を通過すると、バリア726と柔軟性壁724との間に捕まっている気体が貯蓄所740内へ排出され得る。これは、バリア726及び針770の柔軟性壁724への動きを容易にし得る。
【0055】
本開示の他の実施形態は、容器針が密閉アセンブリを貫通して配置されていない、又は容器針が密閉アセンブリを完全に貫通して配置されている実施形態を含む。2つのそのような代替案が図12及び13で例示されている。
【0056】
図12及び13は、容器針が柔軟性壁(ストッパー又はセプタムを画定)を貫通して配置され、弁を用いて貯蓄所を注入針から封鎖する実施形態を例示する。弁は、容器の貯蓄所からの医療用流体又は製剤の流れを制御するのにも用いられ得る。この方法で、弁は貯蓄所からの医療用流体又は製剤の量を計量し、又は、例えば入力デバイス(例えばボタン又はスイッチ)からの入力の受信に対して、時間の遅延が経過するまで医療用流体又は製剤の流れを遅らせるために用いられ得る。
【0057】
図12は、容器852、流体送達システム854及びアクチュエーター856を有するインジェクター850を例示している。容器852は、セプタムの形式であり得る柔軟性壁860を含む。柔軟性壁860は、内面862及び外面864を有する。さらに、流体送達システム854は、容器針866、注入針868、並びに、容器針866及び注入針868を結合する柔軟性カニューレ又は管870を含む。注入針868は、針868の滅菌性を維持するカバー872内に収容され得る。
【0058】
容器針866(特に、容器針866の先端874)は、柔軟性壁860及び内面862を貫通して配置される。このように、針866は、滅菌貯蓄所880及び貯蓄所880内に配置される医療用流体又は製剤890と流体連通している。容器針866と注入針868との間の流体連通は、柔軟性管870内又は柔軟性管870に沿って配置される弁900によって妨害される。図1~11に対して上記した他の実施形態と違って、インジェクター850のアクチュエーター856は、容器針866を柔軟性壁860に対して動かすためには使用されず、その代わりに、流体連通が針866、868間で妨害されている閉じた状態と、容器針866が注入針868と流体連通している開いた状態との間で、弁を操作するために使用される。
【0059】
弁900は、様々な形状及び形式を取り得、そのうちの2つが図12及び13で例示されている。特に、図12は、回転式弁900が柔軟性管870内に配置される、又は容器針866と注入針868との間で画定される流体の流路と流体連通している内部弁メンバーを有するインジェクター850の実施形態を例示する。図13は、ピンチ弁902が柔軟性管870に沿って配置され、したがって、管870の外面と協働して容器針866と注入針868との間の流体連通を妨害する、インジェクターの実施形態を例示する。
【0060】
図12及び13に例示されるような実施形態はまた、例えば容器が注射器の形式であるような、針が永久的に取り付けられた容器とも一緒に用いられ得る。さらに、図4に対して説明される方法は、前述のいずれかの実施形態、並びに、弁は一切使用されないが、注射器(すなわち針が永久的に取り付けられた容器)が滅菌性を維持するためにシールドで覆われた注入針を有する、図12及び13で例示されたものに類似した実施形態と一緒に用いられ得る。
【0061】
図12及び13で例示する実施形態はさらに、例えば図7に例示されるような壁及び/又はシールを複数含む密閉アセンブリを組み込むように修飾され得る。図14は、そのような実施形態を例示する。
【0062】
特に、図14は、容器922、流体送達システム924、アクチュエーター926及び密閉アセンブリ928を有するインジェクター920を例示する。流体送達システム924は、容器針930、注入針932、並びに、容器針930及び注入針932を結合する柔軟性カニューレ又は管934を含み得る。注入針932は、針932の滅菌性を維持するカバー936内に収容され得る。針932はまた、滅菌貯蓄所940及び貯蓄所940内に配置される医療用流体又は製剤942と、柔軟性管934内又は柔軟性管934内に沿って配置される弁944を介して選択的に流体連通している可能性がある。この点で、インジェクター920は、図12及び13に例示するインジェクターの実施形態と類似している。
【0063】
しかし、インジェクター920の密閉アセンブリ928も、柔軟性壁950及びバリア952を有する。柔軟性壁950及びバリア952はそれぞれ内面及び外面を有し、柔軟性壁950の内面は、部分的に閉じた滅菌貯蓄所940を画定する。バリア952は、柔軟性壁950の外側に配置され、柔軟性壁950とバリア952との間に密閉したスペース954を画定し、ここで、容器針930の先端956が配置され得る。
【0064】
図14の実施形態は、2つの可能性のあるバリアを有する:1つは弁944の形式で、2つ目はスペース954内の先端956の配置という形式である。いくつかの実施形態では、容器針930が柔軟性壁950を通って貯蓄所940内へ貫通させられた後に、弁944を制御して医療用流体又は製剤942の注入の遅れを提供し得る。
【0065】
本開示に従ったデバイスは、従来の技術に対して1つ又は複数の利点を有し得、そのいずれか1つ又は複数は、実施形態に含まれる本開示の特徴に従った特定の実施形態に存在し得る。一例として、これらの実施形態では、使用時まで、医療用流体又は製剤の滅菌性が維持される。別の例としては、医療用流体又は製剤の混合の可能性が、使用前に制限又は除去される。さらに別の例としては、医療用流体又は製剤の意図しない送達が、使用前に制限又は防止される。
【0066】
例示的な目的のみで、図15は、上記のいずれかの実施形態に従った送達デバイスを組み立てるためのさらなる方法1000を提供する。方法1000は、図4に関する上記の概略的なプロセスの流れに従う。しかし、米国連邦規準209Eに従ったクリーンルーム分類を参照するのではなく、GMP EU規準に従ったクリーンルーム分類を参照する。さらに、方法1000は、送達デバイスの組み立てにおいて従い得る、あってもなくてもよい経路(左の分岐路又は右の分岐路として表す)をさらに提供する。したがって、図15の方法1000は、図4に関する上記考察を補足するものとして見なされ得る。
【0067】
送達デバイスを組み立てる方法1000は、ブロック1002で始まる。デバイスで用いられる容器は、最初に、密閉されたタブ内に保管されている。これらの容器は滅菌され得る。ブロック1002で、例えばグレードCのクリーンルームで自動開放具(debagger)を用いてタブを袋から出す(debag)。ブロック1004で、例えば、グレードAのクリーンルームとして操作されるスペース、そうでなければCのクリーンルームとして操作されるスペース内のアイソレーター内でおそらく、Tyvekシールが剥がされ(例えばロボットによって)、取り除かれる。
【0068】
ブロック1006では、グレードAのクリーンルームとして操作されるスペース、そうでなければCのクリーンルームとして操作されるスペース内のアイソレーター内でおそらく、容器が充填され、及びストッパー及び流体システムが取り付けられ、次いで、容器は開いたタブに再び入れられる(renest)。この時点から、2つの異なる代替経路、すなわち分岐路が可能になる。
【0069】
充填された容器は、ブロック1008で、開いたタブに放置され得る。タブはブロック1010で保管スペース(例えば冷室)に輸送及び運搬される。
【0070】
ブロック1008、1010の経路に従う場合は、次いで、方法1000では、ブロック1012における検査室へのプロセスのために輸送されるタブが続き得る。充填された容器は次いで、ブロック1014でタブから取り出され(denest)、ブロック1016で自動検査機に送られる。充填済み容器の自動検査は、ブロック1016で起こり、次に、あってもなくてもよい、追加の半自動又は手動検査がブロック1018で続く。
【0071】
または、タブは、ブロック1020で、再密閉され得、再び袋に入れられ得(rebag)、及びラベル付けされ得る。例えば、タブは、ブロック1020において、グレードCのクリーンルームで、Tyvekで再密閉(例えば、Bausch+Strobelタブシーラーを用いて)され得、再び袋に入れられ得、及びラベル付けされ得る。タブは次いで保管され得、又は、必要な場合は1022、1024で搬送され得る。
【0072】
保管又は輸送が完了したら、ブロック1026で、例えば自動開放具を用いてタブを袋から出す。ブロック1028で、Tyvekシールを剥がして取り除く。充填済み容器は次いで、ブロック1030で検査のために取り出され得る。ブロック1026、1028、1030での作動は、グレードCのクリーンルームで実施される。ブロック1032で、グレードCのクリーンルームでの操作用に設計された目視検査機を用いて、自動検査が次いで実行され得る。
【0073】
いずれかの手順に従い、充填済みの検査された容器は次いで、ブロック1034でロンドトレイに輸送され得る。
【0074】
第1の手順に従うと、ロンドトレイは、ブロック1036で直接保管に送られ得る。ブロック1036の経路に従う場合、ロンドトレイは加工処理のためにブロック1038でデバイス組み立て室へ輸送される。容器はブロック1040で取り出され、及び、ブロック1042で送達デバイスの他の要素と組み立てられ、組み立てられた送達デバイス(例えばインジェクター又は注入器)を形成する。
【0075】
または、容器はタブ内に移動し得、当該タブは、ブロック1044で密閉され、詰められ、及びラベル化される。例えば、タブは、グレードCのクリーンルームで、Tyvekで再密閉され得、袋に入れられ得、及び次いでラベル付けされ得る。タブは次いで保管され得、又は、必要な場合はブロック1046、1048でさらなる加工処理のために搬送され得る。保管又は輸送が完了したら、ブロック1050で、例えば自動開放具を用いてタブを袋から出す。ブロック1052で、Tyvekシールを剥がして取り除き、容器は取り出され得る。充填済み容器は次いで、ブロック1054で送達デバイスの他の要素と組み立てられ得る。ブロック1050、1052、1054での作動は全て、グレードCのクリーンルームで生じ得る。
【0076】
いずれの事象においても、組み立てられたデバイスは、ブロック1056で包装され、包装された、組み立てデバイスはブロック1058で保管される。最終的に、包装された組み立てデバイスは、ブロック1060で、配給業者に、及び/又は、他の配給活動のために輸送される。
【0077】
インジェクターの多くの実施形態を上述したが、さらに別の実施形態が可能である。図16~22及び24は、容器と容器針との間で機械的な結合又は連結を用いた複数の実施形態を例示する。図16~18を参照すると、そのような追加の実施形態に従ったインジェクター1100は、容器1102、密閉アセンブリ1104及び流体送達システム1106を含み、流体送達システム1106は、滅菌容器針1108を含む。流体送達システム1106は、上記の通り、第1の端部が容器針1108に結合し、第2の端部が滅菌注入針を封鎖する滅菌カバー内に収容される滅菌注入針に結合した、滅菌柔軟性管を含み得る。上記の実施形態と異なって、滅菌容器針1108は、コネクター1110に取り付けられ、コネクター1110は、容器1102に機械的に結合又は連結され、容器1102の滅菌コネクター針1108を固定する。
【0078】
図16で例示する通り、容器1102は、内面1122を有する容器壁1120を有し得る。いくつかの実施形態では、容器1102は、例えば、本明細書で考察する他の容器に関して上記したいずれかの材料を用いて形成した硬い壁を含み得る。容器1102及び具体的に容器壁1120は、孔1124を画定し、容器1102は、反対側の端部1128、1130の間を孔1124に沿って移動可能なストッパー(又はプランジャー)1126を含み得る。
【0079】
プランジャー1126が容器1102の一方の端部1130を閉じる一方で、容器1102のもう一方の端部1128は、密閉アセンブリ1104によって閉じられる。例示する通り、密閉アセンブリ1104は、柔軟性密閉アセンブリ壁1140及びバリア1142を含む。
【0080】
柔軟性密閉アセンブリ壁1140は、内面1144を有し、容器壁1120の内面1122、1144及び密閉アセンブリ壁1140は、医療用流体又は製剤で充填され得る閉じた滅菌貯蓄所1146を画定している。容器1102は、孔1124の第1の端部1128に開口1148を有し、当該開口1148は、貯蓄所1146と流体連通しており、柔軟性密閉アセンブリ壁1140は、開口1148を横切って配置されるセプタムを画定する。柔軟性密閉アセンブリ壁1140は、例示的な実施形態に関して以下で詳細を記載する通り、容器壁1120に固定して取り付けられる。
【0081】
バリア1142は、密閉アセンブリ壁1140の外側(貯蓄所1146に対して)に配置され、柔軟性壁1140とバリア1142との間に密閉したスペース1150を画定する。特に、バリア1142は、外面及び内面1154、1156を有する板1152、及び、板1152の内面1156から軸方向に配置される縁部1158によって形成されるカップの様な形状を有し得る。縁部1158の表面1160は、密閉アセンブリ壁1140の外面1162上に配置され、密閉したスペース1150は、板1152の内面1156、密閉アセンブリ壁1140の外面1162及び縁部1158の間に配置される。いくつかの実施形態では、バリア1142及び柔軟性密閉アセンブリ壁1140は、その間にスペースが形成された単一の構造として形成され得る。
【0082】
流体送達システム1100は、滅菌容器針1108を含む。針1108は、保管状態でバリア1142のみを貫通するよう配置され(図17参照)、送達状態では柔軟性壁1140を貫通して滅菌貯蓄所1146内に配置される(図18参照)、先端1170を有する。上記の通り、滅菌容器針1108は、容器1102に機械的に取り付けられたコネクター1110に取り付けられ、針1108が保管状態の時に、滅菌容器針1108を容器1102に固定する。例えばアクチュエーター1180に結合された機械的、電気機械的又は電気入力デバイスから信号を受信した後に、それ自体が容器針1108を保管状態から送達状態へ動かすように構成された、アクチュエーター1180(図16参照)が含まれる。特定の実施形態に従うと、アクチュエーター1180は、入力を受信した後、ある所定の時間まで、容器針1108を保管状態から送達状態へ動かすのを先延ばしするよう構成される。
【0083】
コネクター1110は、様々な異なる機構を用いて、容器1102に機械的に結合又は連結され得る。例えば、コネクターは単に、容器上にプレスばめされ得る。図19は、コネクターのそのような実施形態を例示し、コネクターはカップ状カラー1190の形状に形成され、滅菌容器針1108は当該カラー1190を通って配置される。カラー1190は、外面及び内面1194、1196を有する板1192及び板1192の内面1196から軸方向に配置される縁部1198を有する。容器の端部は、板1192の内面1196及び縁部1198によって画定されるスペース1200内に収容され、縁部1198の内面1202は、摩擦によって容器とかみ合い、分離を制限又は防止する。
【0084】
または、コネクター1110は、一対のコネクターの第1のコネクターであり得、一対のコネクターの第2のコネクター1210が容器1102に取り付けられ得る。例えば図16~18を参照されたい。第1及び第2のコネクター1110、1210は、機械的に連結され、図17に例示される通り、保管状態で滅菌容器針1108を容器1102に固定し得る。例えば、本開示の実施形態に従った有用なコネクターのファミリーは、第1及び第2のコネクターを含み得、これらはそれぞれ、一対の対面する表面を1つ含む。対面する表面は接触し、滅菌容器針の長手方向の軸に沿った第1及び第2のコネクターの軸方向の動きを制限し、したがって、滅菌容器針が容器及び密閉アセンブリから分離するのを制限又は防止する。
【0085】
図16~18及び20は、そのようなコネクター対の実施形態を例示している。この実施形態に従うと、第1及び第2のコネクター1110、1210はかみ合ってコネクター1110、1210の対を回転可能なように連結し、保管状態で滅菌容器針1108を容器1102に固定する。すなわち、例示される第1及び第2のコネクター1110、1210は、滅菌コネクター針1108が容器1102から軸方向の方向で分離するのを制限又は防止するが、針1108及び関連するコネクター1110が容器/密閉アセンブリ1102/1104に対して回転するのを制限又は防止するようには機能しない。
【0086】
図20に図示される通り、コネクターは、その間を滅菌容器針1108が通って配置されるカップ状のカラー1220を含む。カラー1220は、外面及び内面1224、1226を有する板1222、及び、板1222の内面1126から軸方向に配置される縁部1228を有する。縁部1228は、開口1230を画定し、滅菌容器針1108が容器1102に固定されているとき、容器1102の端部は当該開口1230を貫通するよう配置される。開口1230の周りには、一対の対面する表面のうち1つの表面1234を画定する内向きのフランジ1232、もう一方の表面1238を画定する容器1102に取り付けられた外向きのフランジ1236はが配置される。図16及び17も参照されたい。針1108及びコネクター1110が、フランジ1232が容器1102の方向にフランジ1236を軸方向に通り過ぎて移動するよう容器1102の方向に進むと、対面する表面1234、1238の接触によって、分離が制限又は防止される。
【0087】
図16、17及び19に例示される実施形態に従うと、容器1102は、開口1148の周りに配置された縁部1240を含む。密閉アセンブリ1104は、容器1102の開口1148を覆うよう配置され、密閉アセンブリ壁1140の一部分が開口1148を通って配置される。第2のコネクター1210は、縁部を画定する外向きのフランジ1246を含み、端部1246が画定する第2のコネクター1210の少なくとも一部分は、密閉アセンブリ1104上に配置される。容器1102はさらに、クリンプリング1250を含み、当該リング1250は、密閉アセンブリ1104が縁部1240、1246の間に配置された状態で、容器1102の縁部1240及び第2のコネクター1210の縁部1246の周囲に形成され、容器1102の縁部1240と第2のコネクター1210の縁部1246との間に密閉アセンブリ1104を固定する。
【0088】
この実施形態に従うと、第2のコネクター1210はまた、その間を通る通路1252を有する。滅菌容器針1108は保管状態で、第2のコネクター1210の通路1252及びバリア1142を貫通するよう配置され、送達状態では通路1252、バリア1142及び密閉アセンブリ壁1140を貫通するよう配置される。そのような実施形態は当然、制限のためではなく、例示のために包含されている。
【0089】
図16~18に例示するデバイスを組み立てるために、容器針1108及びコネクター1110は、容器1102の方向に進む。針1108がバリア1142を通過するに連れて、コネクター1110の内向きのフランジ1232が、容器1102に取り付けられたコネクター1210の外向きのフランジ1236を通り過ぎるよう移動する。フランジ1232がフランジ1236を通り過ぎたら、容器針1108及び関連するコネクター1110の動きは接触した表面1234、1238によって防止される。フランジ1232及び/又はフランジ1236用に選択される材料は、針1108を容器1102から分離するために容器針1108及びコネクター1110に適用される相当な力に抵抗するよう選択され得る。しかし、材料はまた、フランジ1232、1236が互いに通り過ぎるよう移動して機械的な連結が形成され得るように選択され、及び/又は、コネクター1110のカラー1220は、カラー1220又はカラー1220のセクションが曲がってフランジ1232がフランジ1236を通り過ぎる運動を許容することを可能にする特徴(例えば、軸スロット)を有し得る。
【0090】
図21は、コネクター対の異なる実施形態で用いられ得るコネクターを例示する。この実施形態に従うと、コネクター対の第1及び第2のコネクターは、ねじのように(threadingly)かみ合ってコネクター対を連結し、保管状態の容器に滅菌容器針を固定させる。したがって、第1のコネクターと第2のコネクターとの間の相対回転運動によって、コネクターは互いに固定して連結されるか、互いに脱連結するかのいずれかが引き起こされ、よって、相対回転運動は制限される(相対回転運動が許容される図16~18及び20の実施形態とは異なる)。図21に例示する通り、そのようなコネクターペイド(paid)の第1のコネクターは、外面及び内面1264、1266を有する板1262、及び、板1262の内面1266から配置される縁部1268を有するカラー1260を有し得る。縁部1268は、滅菌容器針が容器に固定されている時に、容器の一端が間を通って配置される開口1270を画定する。縁部1268の内面には、ねじ山1272が形成され、当該ねじ山1272は、第2のコネクター上に形成されるかみ合いねじ山と対応する。
【0091】
図16~21に例示される通り、コネクター対の第1のコネクターは、滅菌コネクター針の周囲に絶え間なく配置されるカラーを含み得る。代替的には、図22で例示する通り、第1のコネクターは、滅菌コネクター針の周囲に途切れて配置されるカラーを含み得る。図22に例示される実施形態に従うと、コネクターは、カラー1280が2つのアーム1282の間に配置される容器針1108に対して互いに反対側に配置される一対のアーム1282のみを画定するという程度の相当不連続なカラー1280を含む。アーム1282は、外面及び内面1286、1288を有する板1284に結合される。アーム1282の比較的制限された幅のために、アーム1282は、板1284に取り付けられ、一体丁番を画定する端部1290を有し、アーム1282が板1284及び端部1290に対して回転することを可能にする。アーム1282はまた、図16及び17に例示する容器1102のフランジ1236といった、容器の対応する構造とかみ合う内向きのフランジ又はフィンガー1292を有し得、容器針1108が容器1102から分離しするように容器1102と針1108との間の軸方向運動を制限又は防止し得る。
【0092】
したがって、図16~18及び19に例示するインジェクター1100といったインジェクターを組み立てるため方法1300が、図23に例示される。方法1300は、ブロック1302で貯蓄所1146を滅菌化すること、及び、ブロック1304において滅菌状態で容器1102の滅菌貯蓄所1146を医療用流体又は製剤で充填することを含み得、ここで貯蓄所1146は、容器1102の壁1120の内面1122によって画定される。滅菌流体送達システム1106(例えば容器針1108)は、滅菌状態下で容器1102に機械的に結合又は連結され得、流体送達システム1106は、保管状態では貯蓄所1146と流体連通しておらず、送達状態では貯蓄所1146と流体連通しており、また、インジェクター1100の残りの部分をクリーンルーム状態下で組み立てることである。特に、滅菌貯蓄所1146の滅菌化及び充填する工程は、ブロック1306で例示される通り、滅菌流体送達システム1106を容器1102に機械的に結合又は連結する工程の後に続き得る。他の実施形態に従うと、ブロック1308で例示する通り、滅菌流体送達システム1106を容器1102に機械的に結合又は連結する工程は、滅菌貯蓄所1146の充填の工程に続き得る。滅菌流体送達システム1106を機械的に結合又は連結する工程は、例えば一連の充填/製剤化の流れ内で起こり得る。インジェクター1100の残りの部分の組み立てはまた、ブロック1310で、クリーンルーム状態下で流体送達システム1106をアクチュエーター1180に取り付けることを含み得、アクチュエーター1180は、流体送達システム1106の状態を保管状態から送達状態へ変えるよう構成される。
【0093】
容器の滅菌化及び充填の前の針の容器(及び具体的には柔軟性密閉アセンブリ壁/バリア)への結合は、図16~22の実施形態に限定されない。図15に関する方法1000は、図23で記載する方法に従って実施され得ることが理解される。特に、図15の方法1000のブロック1006で容器針を貯蓄所と組み立てるのではなく、ブロック1006において容器針/容器アセンブリが充填及びタブに再び入れられ得るように、容器針(及び関連する管/送達針)をブロック1002よりも前に貯蓄所と組み立て得る。方法1000は次いで、上記のように続き得る。
【0094】
図16~22の実施形態が、密閉壁及びバリアの組み合わせが提供されるシステムに関して説明される一方で、容器針及び容器の機械的な結合又は連結を有する類似したシステムが、図1~14に記載されるいずれかの実施形態を用いて提供され得る。この点を例示するために、本開示に従った追加の実施形態が、容器1332、密閉アセンブリ1334及び流体送達システム1336を含み、流体送達システム1336が滅菌容器針1338を含む、インジェクター1330と一緒に図24に例示される。流体送達システム1336は、上記の通り、第1の端部が容器針1338に結合し、第2の端部が、滅菌注入針を封鎖する滅菌カバー内に収容される滅菌注入針に結合する、滅菌柔軟性管を含み得る。滅菌容器針1338は、コネクター1340に取り付けられ、コネクター1340は容器1332に機械的に結合又は連結され、滅菌コネクター針1338を容器1332に固定する。
【0095】
容器1332は、内面1344、及び、反対側にある端部1348、1350間で移動可能なストッパー(又はプランジャー)1346を有する容器壁1342を有し得る。プランジャー1346が容器1332の一方の端部1350を閉じる一方で、容器1332のもう一方の端部1348は密閉アセンブリ1334によって閉じられる。例示する通り、密閉アセンブリ1334は、柔軟性密閉アセンブリ壁1352を含む。
【0096】
柔軟性密閉アセンブリ壁1352は、内面1354を有し、容器壁1342及び密閉アセンブリ壁1352の内面1344、1354は、閉じた滅菌貯蓄所1356を画定する。容器1332は、第1の端部1348に、貯蓄所1356と流体連通している開口1358を有し、柔軟性密閉アセンブリ壁1352は、開口1358を横切って配置されるセプタムを画定する。針1338は、保管状態では図24に例示する通り壁1352の一部分のみを貫通して配置され、送達状態では柔軟性壁1352を貫通して滅菌貯蓄所1356内へ配置される先端1360を有する。
【0097】
上記の通り、滅菌容器針1338は機械的に容器1332に取り付けられたコネクター1340に取り付けられ、針1338が保管状態の時に容器1332に滅菌容器針1338を固定する。特に、第2のコネクター1362は、容器1332に結合される。コネクター1340は、一対の対面する表面のうちの1つの表面1366を画定する内向きのフランジ1364、もう一方の表面1370を画定する容器1332に取り付けられた外向きのフランジ1368を有する。針1338及びコネクター1340が容器1332の方向に進んでフランジ1364が容器1332の方向にフランジ1368を軸方向に通り過ぎて移動すると、対面する表面1366、1370の接触によって、分離が制限又は防止される。
本明細書で具体的に列挙されない利点及び実施形態もまた認知され得る。例えば、アクチュエーターの操作は、前述の実施形態に関して、容器針を保管状態から送達状態へ動かすこととして記載してきたが、アクチュエーターは容器針を送達状態から保管状態へも動かし得ることが理解される。貯蓄所の容積未満である投与量の医療用流体又は製剤が送達される場合(インジェクターが患者の必要(例えば小児患者対成人患者)に応じて調節可能な投与量を送達するようプログラムされるように設計される場合といった)、アクチュエーターは、容器針を、投与量の送達前に保管状態から送達状態へ動かし、投与量の送達後に送達状態から保管状態へ動かし得る。送達状態から保管状態への移動は、事実上、容器を再密閉し、患者への流路を閉じる。この一連の保管状態と送達状態との間の移動は、繰り返し得る。上記の通り、送達が開始されるまで閉じた流路を維持することは、患者への意図されない医療用流体又は製剤の送達及び/又は患者の体液と医療用流体又は製剤の混合の可能性が緩和されるという点で利点である。
【0098】
本開示に従ったインジェクターは、各種医療用流体又は製剤と一緒に用いられ得、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)といったコロニー刺激因子が挙げられる。そのようなG-CSF剤には、限定はしないが、Neupogen(登録商標)(フィルグラスチム)及びNeulasta(登録商標)(ペグフィルグラスチム)が挙げられる。他の様々な実施形態では、薬剤送達デバイスは、赤血球生成促進剤(ESA)といった、液体形態又は凍結乾燥形態であり得る、様々な医薬製品と用いられ得る。ESAは、Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ)、Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ)、Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール-エポエチンベータ)、Hematide(登録商標)、MRK-2578、INS-22、Retacrit(登録商標)(エポエチンゼータ)、Neorecormon(登録商標)(エポエチンベータ)、Silapo(登録商標)(エポエチンゼータ)、Binocrit(登録商標)(エポエチンアルファ)、エポエチンアルファヘキサル、Abseamed(登録商標)(エポエチンアルファ)、Ratioepo(登録商標)(エポエチンシータ)、Eporatio(登録商標)(エポエチンシータ)、Biopoin(登録商標)(エポエチンシータ)、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンゼータ、エポエチンシータ、及びエポエチンデルタといった赤血球生成を促進するいずれかの分子、並びに、次に記載する特許又は特許出願に記載される分子又はその変異体若しくは類似体であり、当該特許又は特許出願は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる:米国特許第4,703,008号;第5,441,868号;第5,547,933号;第5,618,698号;第5,621,080号;第5,756,349号;第5,767,078号;第5,773,569号;第5,955,422号;第5,986,047号;第6,583,272号;第7,084,245号;第及び7,271,689号;第及びPCT出願国際公開第91/05867号;国際公開第95/05465号;国際公開第96/40772号国際公開第00/24893号;国際公開第01/81405号;及び国際公開第2007/136752号。
【0099】
ESAは、赤血球生成促進タンパク質であり得る。本明細書で用いる「赤血球生成促進タンパク質」は、例えばエリスロポエチンレセプターに結合して二量体形成を引き起こすことで、エリスロポエチンレセプターの活性化を直接又は間接的に引き起こすタンパク質を意味する。赤血球生成促進タンパク質としては、エリスロポエチンレセプターに結合してエリスロポエチンレセプターを活性化させるエリスロポエチン及びその変異体、類似体又は誘導体;エリスロポエチンレセプターに結合してレセプターを活性化させる抗体;又は、エリスロポエチンレセプターに結合し、活性化させるペプチドが挙げられる。赤血球生成促進タンパク質としては、限定はしないが、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンデルタ、エポエチンオメガ、エポエチンイオタ、エポエチンゼータ及びその類似体、ペグ化エリスロポエチン、カルバミル化エリスロポエチン、模倣ペプチド(EMP1/ヘマチドを包含する)及び模倣抗体が挙げられる。例示的な赤血球生成促進タンパク質としては、エリスロポエチン、ダルベポエチン、エリスロポエチンアゴニスト変異体、及び、エリスロポエチンレセプターに結合して活性化させるペプチド又は抗体(また、米国出願第2003/0215444号及び2006/0040858号に報告される化合物も包含され、各開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、並びに、次に記載する特許又は特許出願に記載されるエリスロポエチン分子又はその変異体若しくは類似体が挙げられ、当該特許又は特許出願は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる:米国特許第4,703,008号;第5,441,868号;第5,547,933号;第5,618,698号;第5,621,080号;第5,756,349号;第5,767,078号;第5,773,569号;第5,955,422号;第5,830,851号;第5,856,298号;第5,986,047号;第6,030,086号;第6,310,078号;第6,391,633号;第6,583,272号;第6,586,398号;第6,900,292号;第6,750,369号;第7,030,226号;第7,084,245号;第及び7,217,689号;米国出願第2002/0155998号;第2003/0077753号;第2003/0082749号;第2003/0143202号;第2004/0009902号;第2004/0071694号;第2004/0091961号;第2004/0143857号;第2004/0157293号;第2004/0175379号;第2004/0175824号;第2004/0229318号;第2004/0248815号;第2004/0266690号;第2005/0019914号;第2005/0026834号;第2005/0096461号;第2005/0107297号;第2005/0107591号;第2005/0124045号;第2005/0124564号;第2005/0137329号;第2005/0142642号;第2005/0143292号;第2005/0153879号;第2005/0158822号;第2005/0158832号;第2005/0170457号;第2005/0181359号;第2005/0181482号;第2005/0192211号;第2005/0202538号;第2005/0227289号;第2005/0244409号;第2006/0088906号;及び第2006/0111279号;並びにPCT出願国際公開第91/05867号;国際公開第95/05465号;国際公開第99/66054号;国際公開第00/24893号;国際公開第01/81405号;国際公開第00/61637号;国際公開第01/36489号;国際公開第02/014356号;国際公開第02/19963号;国際公開第02/20034号;国際公開第02/49673号;国際公開第02/085940号;国際公開第03/029291号;国際公開第2003/055526号;国際公開第2003/084477号;国際公開第2003/094858号;国際公開第2004/002417号;国際公開第2004/002424号;国際公開第2004/009627号;国際公開第2004/024761号;国際公開第2004/033651号;国際公開第2004/035603号;国際公開第2004/043382号;国際公開第2004/101600号;国際公開第2004/101606号;国際公開第2004/101611号;国際公開第2004/106373号;国際公開第2004/018667号;国際公開第2005/001025号;国際公開第2005/001136号;国際公開第2005/021579号;国際公開第2005/025606号;国際公開第2005/032460号;国際公開第2005/051327号;国際公開第2005/063808号;国際公開第2005/063809号;国際公開第2005/070451号;国際公開第2005/081687号;国際公開第2005/084711号;国際公開第2005/103076号;国際公開第2005/100403号;国際公開第2005/092369号;国際公開第2006/50959号;国際公開第2006/02646号;及び国際公開第2006/29094号。
【0100】
デバイスとの使用のための他の医薬製品の例としては、限定はしないが、Vectibix(登録商標)(パニツムマブ)、Xgeva(商標)(デノスマブ)及びProlia(商標)(デノサマブ(denosamab))といった抗体;Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF-レセプター/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬)、Neulasta(登録商標)(ペグフィルグラスチム、ペグ化フィルグラスチム、ペグ化G-CSF、ペグ化hu-Met-G-CSF)及びNplate(登録商標)(ロミプロスチム)といった他の生物剤;Sensipar(登録商標)(シナカルセト)といった小分子薬剤が挙げられ得る。デバイスはまた、治療用抗体、ポリペプチド、タンパク質、又は、鉄、例えばフェルモキシトール、鉄デキストラン、グルコン酸第二鉄、及び鉄スクロースといった他の化学物質と用いられ得る。医薬製品は、液体形態であり得、又は、凍結乾燥形態から再構成され得る。
【0101】
特定の例示的なタンパク質の中には、以下の特定のタンパク質が包含され、その融合体、断片、類似体、変異体又は誘導体が包含される:
【0102】
完全ヒト化及びヒトOPGL特異性抗体、特に完全にヒト化されたモノクローナル抗体を包含するOPGL特異性抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質等(RANKL特異性抗体、ぺプチボディ等とも呼ばれる)であって、限定はしないが、OPGL特異性抗体及び抗体関連タンパク質に関してその全体が本明細書に組み込まれるPCT出願国際公開第03/002713号に記載される抗体、特に、当該出願に記載される配列を有するもの、限定はしないが、特に当該出願に示されるもの:9H7;18B2;2D8;2E11;16E1;及び22B3が挙げられ、特に当該出願の図2に記載される配列番号2の軽鎖及び/又は当該出願の図4に記載される配列番号4の重鎖のいずれかを有するOPGL特異性抗体が挙げられ;それぞれは、参照により前記出願が開示するその全体が完全に本明細書に個別的及び具体的に組み込まれる;
【0103】
ミオスタチン結合タンパク質、ぺプチボディ及び関連タンパク質等であり、ミオスタチン特異性ぺプチボディ、特に、参照により、その全体、特にミオスタチン特異性ぺプチボディに関する部分が本明細書に組み込まれる米国出願第2004/0181033号及びPCT出願国際公開第2004/058988号に記載されるものが挙げられ、限定はしないが、配列番号305-351のもの、TN8-19-1からTN8-19-40、TN8-19con1及びTN8-19con2を包含するmTN8-19ファミリーのぺプチボディ;配列番号357-383のmL2ファミリーのペプチボディ;配列番号384-409のmL15ファミリー;配列番号410-438のmL17ファミリー;配列番号439-446のmL20ファミリー;配列番号447-452のmL21ファミリー;配列番号453-454のmL24ファミリー;及び配列番号615-631のものが挙げられ、これらはそれぞれ、参照により前記出願が開示するその全体が完全に本明細書に個別的及び具体的に組み込まれる;
【0104】
IL-4レセプター特異性抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質等、特に、IL-4及び/又はIL-13のレセプターへの結合によって媒介される活性を阻害するものであって、PCT出願国際公開第2005/047331号又はPCT出願PCT/US2004/37242及び米国出願第2005/112694号に記載されるものが挙げられ、当該出願は、その全体、特に前記出願に記載される抗体といったIL-4レセプター特異性抗体に関する部分が参照によって本明細書に組み込まれ、及び、限定はしないが前記出願で指定されるもの:L1H1;L1H2;L1H3;L1H4;L1H5;L1H6;L1H7;L1H8;L1H9;L1H10;L1H11;L2H1;L2H2;L2H3;L2H4;L2H5;L2H6;L2H7;L2H8;L2H9;L2H10;L2H11;L2H12;L2H13;L2H14;L3H1;L4H1;L5H1;L6H1が挙げられ、それぞれが、参照により前記出願が開示するその全体が完全に本明細書に個別的及び具体的に組み込まれる;
【0105】
インターロイキン1-レセプター1(「IL1-R1」)特異性抗体、ぺプチボディ及び関連タンパク質等であって、限定はしないが、米国出願第2004/097712A1号に記載されるものが挙げられ、当該出願は参照によりその全体、特にIL1-R1特異性抗体、モノクローナル抗体に関する部分が本明細書に組み込まれ、特に、限定はしないが、当該出願に記載されるもの:15CA、26F5、27F2、24E12、及び10H7が挙げられ、これらはそれぞれ、参照により前記米国出願が開示するその全体が完全に本明細書に個別的及び具体的に組み込まれる;
【0106】
Ang2特異性抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質等であり、限定はしないが、参照によりその全体、特にAng2特異性抗体及びペプチボディ等に関する部分が本明細書に組み込まれるPCT出願国際公開第03/057134号及び米国出願第2003/0229023号に記載されるもの、特に当該出願に記載される配列のものが挙げられ、限定はしないが:L1(N);L1(N)WT;L1(N)1K WT;2xL1(N);2xL1(N)WT;Con4(N)、Con4(N)1K WT、2xCon4(N)1K;L1C;L1C 1K;2xL1C;Con4C;Con4C 1K;2xCon4C 1K;Con4-L1(N);Con4-L1C;TN-12-9(N);C17(N);TN8-8(N);TN8-14(N);Con1(N)が挙げられ、また、参照により同一に関するその全体が本明細書に組み込まれるPCT出願国際公開第2003/030833号に記載される抗Ang2抗体及び製剤、特に、当該出願に記載され様々な順序である、Ab526;Ab528;Ab531;Ab533;Ab535;Ab536;Ab537;Ab540;Ab543;Ab544;Ab545;Ab546;A551;Ab553;Ab555;Ab558;Ab559;Ab565;AbF1AbFD;AbFE;AbFJ;AbFK;AbG1D4;AbGC1E8;AbH1C12;AblA1;AblF;AblK、AblP;及びAblPが挙げられ、それぞれ参照により前記出願が開示するその全体が完全に本明細書に個別的及び具体的に組み込まれる;
【0107】
NGF特異性抗体、ぺプチボディ及び関連タンパク質等であって、特に、限定はしないが、NGF特異性抗体及び関連タンパク質に特に関するその全体が参照により本明細書に組み込まれる米国出願第2005/0074821号及び米国特許第6,919,426号に記載されるものが挙げられ、特に、限定はしないが、当該出願で4D4、4G6、6H9、7H2、14D10及び14D11と指定されるNGF特異性抗体が挙げられ、それぞれ、参照により前記出願が開示するその全体が完全に本明細書に個別的及び具体的に組み込まれる;
【0108】
参照によりCD22特異性抗体及び関連タンパク質に関するその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第5,789,554号に記載されるものといったCD22特異性抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質等であり、特に、限定はしないがヒト化及び完全ヒト抗体といったヒトCD22特異性抗体であり、限定はしないが、ヒト化及び完全ヒトモノクローナル抗体が挙げられ、特に、限定はしないが、例えばヒト-マウスモノクローナルhLL2カッパ鎖に結合したヒト-マウスモノクローナルhLL2ガンマ鎖ジスルフィドのダイマーといったヒトCD22特異性IgG抗体が挙げられ、限定はしないが、例えばエピラツズマブのヒトCD22特異性完全ヒト化抗体エピラツズマブ、CAS登録番号501423-23-0が挙げられる;
【0109】
参照によりIGF-1レセプター特異性抗体及び関連タンパク質に関してその全体が本明細書に組み込まれるPCT出願国際公開第06/069202号に記載されるものといったIGF-1レセプター特異性抗体、ぺプチボディ及び関連タンパク質等であり、限定はしないが、L1H1、L2H2、L3H3、L4H4、L5H5、L6H6、L7H7、L8H8、L9H9、L10H10、L11H11、L12H12、L13H13、L14H14、L15H15、L16H16、L17H17、L18H18、L19H19、L20H20、L21H21、L22H22、L23H23、L24H24、L25H25、L26H26、L27H27、L28H28、L29H29、L30H30、L31H31、L32H32、L33H33、L34H34、L35H35、L36H36、L37H37、L38H38、L39H39、L40H40、L41H41、L42H42、L43H43、L44H44、L45H45、L46H46、L47H47、L48H48、L49H49、L50H50、L51H51、L52H52、及びIGF-1R結合断片及びその誘導体と当該出願で指定されるIGF-1特異性抗体であり、それぞれは参照により前記国際出願が開示するその全体が完全に本明細書に個別的及び具体的に組み込まれる;
【0110】
また、本発明の方法及び組成での使用に関する抗IGF-1R抗体の非制限的な例は、それら全てがそれぞれ以下に記載される:
(i)米国出願第2006/0040358号(2006年2月23日出願)、第2005/0008642号(2005年1月13日出願)、第2004/0228859号(2004年11月18日出願)に記載され、限定はしないが、例えば当該出願に記載される抗体1A(DSMZ受託番号DSM ACC 2586)、抗体8(DSMZ受託番号DSM ACC 2589)、抗体23(DSMZ受託番号DSM ACC 2588)及び抗体18が包含される;
(ii)PCT出願国際公開第06/138729号(2006年12月28日出願)及び国際公開第05/016970号(2005年2月24日出願)及びLu et al., 2004, J Biol. Chem. 279:2856-65に記載され、限定はしないが、当該出願に記載される抗体2F8、A12及びIMC-A12が包含される;
(iii)PCT出願国際公開第07/012614号(2007年2月1日出願)、国際公開第07/000328号(2007年1月4日出願)、国際公開第06/013472号(2006年2月9日出願)、国際公開第05/058967号(2005年6月30日出願)及び国際公開第03/059951号(2003年7月24日出願);
(iv)米国出願第2005/0084906号(2005年4月21日出願)に記載され、限定はしないが、当該出願に記載される抗体7C10、キメラ抗体C7C10、抗体h7C10、抗体7H2M、キメラ抗体*7C10、抗体GM607、ヒト化抗体7C10バージョン1、ヒト化抗体7C10バージョン2、ヒト化抗体7C10バージョン3、及び抗体7H2HMが包含される;
(v)米国出願第2005/0249728号(2005年11月10日出願)、第2005/0186203号(2005年8月25日出願)、第2004/0265307号(2004年12月30日出願)及び第2003/0235582号(2003年12月25日出願)及びMaloney et al., 2003, Cancer Res. 63:5073-83に記載され、限定はしないが、当該出願に記載される抗体EM164、表面を変えた(resurfaced)EM164、ヒト化EM164、huEM164 v1.0、huEM164 v1.1、huEM164 v1.2及びhuEM164 v1.3が包含される;
(vi)米国特許第7,037,498号(2006年5月2日出願)、米国出願第2005/0244408号(2005年11月30日出願)及び第2004/0086503号(2004年5月6日出願)及びCohen, et al., 2005, Clinical Cancer Res. 11:2063-73、例えば抗体CP-751,871、限定はしないが、当該出願に記載される、ATCC受託番号PTA-2792、PTA-2788、PTA-2790、PTA-2791、PTA-2789、PTA-2793を有するハイブリドーマによって生成された抗体及び抗体2.12.1、2.13.2、2.14.3、3.1.1、4.9.2及び4.17.3それぞれが包含される;
(vii)米国出願第2005/0136063号(2005年6月23日出願)及び第2004/0018191号(2004年1月29日出願)に記載され、限定はしないが、当該出願に記載される抗体19D12、並びに、番号PTA-5214でATCCに寄託されるプラスミド15H12/19D12 HCA(γ4)のポリヌクレオチドがコードする重鎖、及び、番号PTA-5220でATCCに寄託されるプラスミド15H12/19D12 LCF(κ)のポリヌクレオチドがコードする軽鎖を含む抗体;並びに、
(viii)米国出願第2004/0202655号(2004年10月14日)に記載され、限定はしないが、当該出願に記載される抗体PINT-6A1、PINT-7A2、PINT-7A4、PINT-7A5、PINT-7A6、PINT-8A1、PINT-9A2、PINT-11A1、PINT-11A2、PINT-11A3、PINT-11A4、PINT-11A5、PINT-11A7、PINT-11A12、PINT-12A1、PINT-12A2、PINT-12A3、PINT-12A4、及びPINT-12A5が包含され;これらのそれぞれ及び全てが、その全体、特に上記のIGF-1レセプターを標的にする抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質等に関して、本明細書に組み込まれる;
【0111】
B-7関連タンパク質1特異性抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等(「B7RP-1」、文献ではB7H2、ICOSL、B7h及びCD275とも呼ばれる)、特にB7RP特異性完全ヒトモノクローナルIgG2抗体、特に、B7RP-1の第1のイムノグロブリン様ドメインのエピトープに結合する完全ヒトIgG2モノクローナル抗体、特に、活性化T細胞上で特にその本来のレセプターとB7RP-1の相互作用を阻害するもの、前述した全ての中でも特に、そのような抗体及び関連タンパク質に関してその全体が参照によって組み込まれる、米国出願第2008/0166352号及びPCT出願国際公開第07/011941号に記載されるもの、限定はしないが、以下の通り当該出願で指定された抗体が包含される:16H(それぞれの出願で軽鎖可変配列及び重鎖可変配列、配列番号1及び配列番号7を有する);5D(それぞれの出願で軽鎖可変配列及び重鎖可変配列、配列番号2及び配列番号9を有する);2H(それぞれの出願で軽鎖可変配列及び重鎖可変配列、配列番号3及び配列番号10を有する);43H(それぞれの出願で軽鎖可変配列及び重鎖可変配列、配列番号6及び配列番号14を有する);41H(それぞれの出願で軽鎖可変配列及び重鎖可変配列、配列番号5及び配列番号13を有する);及び15H(それぞれの出願で軽鎖可変配列及び重鎖可変配列、配列番号4及び配列番号12を有する)、それぞれ、参照により前記米国出願が開示するその全体が完全に本明細書に個別的及び具体的に組み込まれる;
【0112】
特にヒト化モノクローナル抗体といったIL-15特異性抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質等、具体的には、参照によりその全体がIL-15特異性抗体及び関連タンパク質に関して本明細書に組み込まれる米国出願第2003/0138421号;第2003/023586号;及び第2004/0071702号;及び米国特許第7,153,507号に記載されるものといった抗体であり、具体的に、例えば、限定はしないが例えば146B7といったHuMaxIL-15抗体及び関連タンパク質を包含するぺプチボディが包含される;
【0113】
IFNガンマ特異性抗体、ぺプチボディ及び関連タンパク質等、特にヒトIFNガンマ特異性抗体、具体的には、例えば参照によりその全体がIFNガンマ特異性抗体に関して本明細書に組み込まれる米国出願第2005/0004353号に記載されるものといった完全ヒト抗IFNガンマ抗体、具体的には、例えば、当該出願で指定された抗体1118;1118*;1119;1121;及び1121*である。これら抗体それぞれの重鎖及び軽鎖の全体の配列、並びに、その重鎖可変部分及び軽鎖可変部分、及び、相補性決定領域の配列が、それぞれ、前述の米国出願及びThakur et al., Mol. Immunol. 36:1107-1115 (1999)が開示するその全体が参照により完全に本明細書に個別的及び具体的に組み込まれる。さらに、前述のUS出願で提供されるこれら抗体の特性の説明も、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。特異性抗体としては、前記出願に記載される、配列番号17の重鎖及び配列番号18の軽鎖を有するもの;配列番号6の重鎖可変領域及び配列番号8の軽鎖可変領域を有するもの;配列番号19の重鎖及び配列番号20の軽鎖を有するもの;配列番号10の重鎖可変領域及び配列番号12の軽鎖可変領域を有するもの;配列番号32の重鎖及びの配列番号20の軽鎖を有するもの;配列番号30の重鎖可変領域及び配列番号12の軽鎖可変領域を有するもの;配列番号21の重鎖配列及び配列番号22の軽鎖配列を有するもの;配列番号14の重鎖可変領域及び配列番号16の軽鎖可変領域を有するもの;配列番号21の重鎖及び配列番号33の軽鎖を有するもの;並びに、配列番号14重鎖可変領域及び配列番号31軽鎖可変領域が挙げられる。企図される特異性抗体は、前記US出願に記載され、前記出願に記載される通り配列番号17の完全な重鎖を有し、また、前記出願に記載される通り配列番号18の完全な軽鎖を有する、抗体1119である;
【0114】
TALL-1特異性抗体、ぺプチボディ及び関連タンパク質等、並びに、それぞれが参照によりTALL-1結合タンパク質に関してその全体が本明細書に組み込まれる米国出願第2003/0195156号及び第2006/0135431号に記載されるものといった、他のTALL特異性結合タンパク質、具体的には、それぞれが参照により前記出願が開示するその全体が完全に本明細書に個別的及び具体的に組み込まれる、表4及び5Bの分子;
【0115】
参照によりその全体、特にPTHに結合するタンパク質に関する部分が本明細書に組み込まれる米国特許第6,756,480号に記載されるものといった、副甲状腺ホルモン(「PTH」)特異性抗体、ぺプチボディ及び関連タンパク質等;
【0116】
参照によりその全体、特にTPO-Rに結合するタンパク質に関する部分が本明細書に組み込まれる米国特許第6,835,809号に記載されるものといった、トロンボポエチンレセプター(「TPO-R」)特異性抗体、ぺプチボディ及び関連タンパク質等;
【0117】
肝細胞増殖因子(「HGF」)特異性抗体、ぺプチボディ及び関連タンパク質等であり、米国出願第2005/0118643号及びPCT出願国際公開第2005/017107に記載される、肝細胞増殖因子/分散(HGF/SF)を中和する完全ヒトモノクローナル抗体、米国特許第7,220,410号に記載されるhuL2G7、及び、米国特許出願第5,686,292号及び第6,468,529号及びPCT出願国際公開第96/38557号に記載されるOA-5d5といった、HGF/SF:cMet軸(HGF/SF:c-Met)を標的にするものが包含され、それぞれ、参照によりその全体、特にHGFに結合するタンパク質に関する部分が本明細書に組み込まれる;
【0118】
参照によりその全体、特にTRAIL-R2に結合するに関する部分が本明細書に組み込まれる米国特許第7,521,048号に記載されるものといったTRAIL-R2特異性抗体、ぺプチボディ、関連タンパク質等;
【0119】
限定はしないが、参照によりその全体、特にアクチビンAに結合するに関する部分が本明細書に組み込まれる米国出願第2009/0234106号に記載されるものを包含する、アクチビンA特異性抗体、ぺプチボディ、関連タンパク質等;
【0120】
限定はしないが、それぞれが参照によりその全体、特にTGF-ベータに結合するタンパク質に関する部分が本明細書に組み込まれる米国特許第6,803,453号及び米国出願第2007/0110747号に記載されるものを包含する、TGF-ベータ特異性抗体、ぺプチボディ、関連タンパク質等;
【0121】
限定はしないが、参照によりその全体、特にアミロイド-ベータタンパク質に結合するタンパク質に関する部分が本明細書に組み込まれるPCT出願国際公開第2006/081171号に記載されるものを包含する、アミロイド-ベータタンパク質特異性抗体、ぺプチボディ、関連タンパク質等である。1つの企図される抗体は、前記国際出願に記載される、配列番号8を含む重鎖可変領域及び配列番号6を有する軽鎖可変領域を有する抗体である;
【0122】
限定はしないが、参照によりその全体、特にc-Kit及び/又は他の幹細胞因子レセプターに結合するタンパク質に関する部分が本明細書に組み込まれる出願第2007/0253951号に記載されるものを包含する、c-Kit特異性抗体、ぺプチボディ、関連タンパク質等;
【0123】
限定はしないが、参照によりその全体、特にOX40L及び/又は他のOX40レセプターのリガンドに結合するタンパク質に関する部分が本明細書に組み込まれる米国出願第11/086,289号に記載されるものを包含する、OX40L特異性抗体、ぺプチボディ、関連タンパク質等;並びに、
【0124】
Activase(登録商標)(アルテプラーゼ、tPA);Aranesp(登録商標)(ダーベポエチンアルファ);Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ又はエリスロポエチン);GLP-1、Avonex(登録商標)(インターフェロンベータ1a);Bexxar(登録商標)(トシツモマブ、抗CD22単クローン抗体);Betaseron(登録商標)(アンターフェロンベータ);Campath(登録商標)(アレムツズマブ、抗CD52単クローン抗体);Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ);Velcade(登録商標)(ボルテゾミブ);MLN0002(抗α4β7 mAb);MLN1202(反CCR2ケモカインレセプターmAb);Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNFレセプター/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬);Eprex(登録商標)(エポエチンアルファ);Erbitux(登録商標)(セツキシマブ(抗EGFR/HER1/c-ErbB-1));Genotropin(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン);Herceptin(登録商標)(トラスツズマブ、抗HER2/neu(erbB2)レセプターmAb);Humatrope(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン);Humira(登録商標)(アダリムマブ);溶液中インスリン;Infergen(登録商標)(インターフェロンアルファコン-1);Natrecor(登録商標)(ネシリチド;組み換えヒトB型ナトリウム利尿ペプチド(hBNP);Kineret(登録商標)(アナキンラ);Leukine(登録商標)(サルグラモスチム、rhuGM-CSF);LymphoCide(登録商標)(エピラツズマブ、抗CD22 mAb);Benlysta(商標)(リンフォスタット(lymphostat)B、ベリムマブ、抗BlyS mAb);Metalyse(登録商標)(テネクテプラーゼ、t-PA類似体);Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコールーエポエチンベータ);Mylotarg(登録商標)(ジェムツツマブオゾガミシン);Raptiva(登録商標)(エファリズマブ);Cimzia(登録商標)(セルトリズマブペゴール(CDP 870));Soliris(商標)(エクリズマブ);パキセリズマブ(抗補体C5);Numax(登録商標)(MEDI-524);Lucentis(登録商標)(ラニビズマブ);Panorex(登録商標)(17-1A、エドレコロマブ);Trabio(登録商標)(レルデリムマブ);TheraCim hR3(ニモツズマブ);Omnitarg(ペルツズマブ、2C4);Osidem(登録商標)(IDM-1);OvaRex(登録商標)(B43.13);Nuvion(登録商標)(ビジリズマブ);カンツズマブメルタンシン(huC242-DM1);NeoRecormon(登録商標)(エポエチンベータ);Neumega(登録商標)(オプレルベキン、ヒトインターロイキン-11);Neulasta(登録商標)(ペグ化フィルグラスチム、ペグ化G-CSF及びペグ化hu-Met-G-CSF);Neupogen(登録商標)(フィルグラスチム、G-CSF、hu-MetG-CSF);Orthoclone OKT3(登録商標)(ムロモナブ-CD3、抗CD3単クローン抗体);Procrit(登録商標)(エポエチンアルファ);Remicade(登録商標)(インフリキシマブ、抗TNFα単クローン抗体);Reopro(登録商標)(アブシキシマブ、抗GP lIb/Iliaレセプター単クローン抗体);Actemra(登録商標)(抗IL6レセプターmAb);Avastin(登録商標)(ベバシズマブ)、HuMax-CD4(ザノリムマブ);Rituxan(登録商標)(リツキシマブ、抗CD20 mAb);Tarceva(登録商標)(エルロチニブ);ロフェロン-Aエルロチニブ-(インターフェロンアルファ-2a);Simulect(登録商標)(バシリキシマブ);Prexige(登録商標)(ルミラコキシブ);Synagis(登録商標)(パリビズマブ);146B7-CHO(抗IL15抗体、米国特許第7,153,507号を参照);Tysabri(登録商標)(ナタリズマブ、抗α4インテグリンmAb);Valortim(登録商標)(MDX-1303、抗B.anthracis防御抗原mAb);ABthrax(商標);Vectibix(登録商標)(パニツムマブ);Xolair(登録商標)(オマリズマブ);ETI211(抗MRSA mAb);IL-1トラップ(ヒトIgG1並びにIL-1レセプター成分双方の細胞外領域のFc部分(I型レセプター及びレセプター補助タンパク質));VEGFトラップ(IgG1 Fcに融合したVEGFR1のIg領域);Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ);Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ、抗-IL-2Rα mAb);Zevalin(登録商標)(イブリツモマブチウクセタン);Zetia(登録商標)(エゼチミブ);Orencia(登録商標)(アタシセプト、TACI-Ig);抗CD80モノクローナル抗体(ガリキシマブ);抗CD23 mAb(ルミリキシマブ);BR2-Fc(huBR3/huFc融合タンパク質(可溶性BAFFアンタゴニスト);CNTO 148(ゴリムマブ、抗TNFα mAb);HGS-ETR1(マパツムマブ;ヒト抗-TRAILレセプター1 mAb);HuMax-CD20(オクレリズマブ、抗-CD20ヒトmAb);HuMax-EGFR(ザルツムマブ);M200(ボロシキシマブ、抗α5β1インテグリンmAb);MDX-010(イピリムマブ、抗CTLA-4 mAb及びVEGFR-1(IMC-18F1);抗BR3 mAb;抗C.difficileトキシンA及びトキシンB C mAbs MDX-066(CDA-1)及びMDX-1388);抗CD22 dsFv-PE38共役体(CAT-3888及びCAT-8015);抗CD25 mAb(HuMax-TAC);抗CD3 mAb(NI-0401);アデカツムマブ;抗CD30 mAb(MDX-060);MDX-1333(抗IFNAR);抗CD38 mAb(HuMax CD38);抗CD40L mAb;抗Cripto mAb;抗CTGF特発性肺線維症第I相、Fibrogen(FG-3019);抗CTLA4 mAb;抗エオタキシン1 mAb(CAT-213);抗FGF8 mAb;抗ガングリオシドGD2 mAb;抗ガングリオシドGM2 mAb;抗GDF-8ヒトmAb(MYO-029);抗GM-CSFレセプターmAb(CAM-3001);抗HepC mAb(HuMax HepC);抗IFNαmAb(MEDI-545、MDX-1103);抗IGF1R mAb;抗IGF-1R mAb(HuMax-Inflam);抗IL12 mAb(ABT-874);抗IL12/IL23 mAb(CNTO 1275);抗IL13 mAb(CAT-354);抗IL2Ra mAb(HuMax-TAC);抗IL5レセプターmAb;抗インテグリンレセプターmAb(MDX-018、CNTO 95);抗IP10潰瘍性大腸炎mAb(MDX-1100);抗LLY抗体;BMS-66513;抗マンノースレセプター/hCGβmAb(MDX-1307);抗メソテリンdsFv-PE38共役体(CAT-5001);抗PD1mAb(MDX-1106(ONO-4538));抗PDGFRα抗体(IMC-3G3);抗TGF mAb(GC-1008);抗TRAILレセプター2ヒトmAb(HGS-ETR2);抗TWEAK mAb;抗VEGFR/Flt-1、mAb;抗ZP3 mAb(HuMax-ZP3);NVS抗体#1;及びNVS抗体#2)を包含する他の例示的なタンパク質。
【0125】
限定はしないが、ロモソズマブ、ブロソズマブ又はBPS 804(Novartis社)といったスクレロスチン抗体も包含され得る。さらに、リロツムマブ(rilotumumab)、ビキサロマー、トレバナニブ(trebananib)、ガニツマブ(ganitumab)、コナツムマブ(conatumumab)、モテサニブ二リン酸塩(motesanib diphosphate)、ブロダルマブ(brodalumab)、ビドゥピラント(vidupiprant)、パニツムマブ、デノスマブ、NPLATE、PROLIA、VECTIBIX又はXGEVAといった治療剤がさらに包含され得る。さらに、デバイスには、ヒトプロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)に結合するモノクローナル抗体(IgG)が含まれ得、例えば米国特許第8,030,547号、米国特許第13/469,032号、国際公開第2008/057457号、国際公開第2008/057458号、国際公開第2008/057459号、国際公開第2008/063382号、国際公開第2008/133647号、国際公開第2009/100297号、国際公開第2009/100318号、国際公開第2011/037791号、国際公開第2011/053759号、国際公開第2011/053783号、国際公開第2008/125623号、国際公開第2011/072263号、国際公開第2009/055783号、国際公開第2012/0544438号、国際公開第2010/029513号、国際公開第2011/111007号、国際公開第2010/077854号、国際公開第2012/088313号、国際公開第2012/101251号、国際公開第2012/101252号、国際公開第2012/101253号、国際公開第2012/109530号、及び国際公開第2001/031007号を参照されたい。
【0126】
メラノーマ又は他のがんの治療のためのタリモジーン・ラハーパレプベック(talimogene laherparepvec)又は他の腫瘍退縮性HSVも包含され得る。腫瘍退縮性HSVの例としては、限定はしないが、タリモジーン・ラハーパレプベック(米国特許第7,223,593号及び米国特許第7,537,924号);OncoVEXGALV/CD(米国特許第7,981,669号);OrienX010(Lei et al., 2013, World Journal of Gastroenterology, 19:5138-5143);G207、1716;NV1020;NV12023;NV1034及びNV1042(Vargehes et al. 2002, Cancer Gene Ther, 2002, 9 (12): 967-978)が挙げられる。
【0127】
TIMPも包含される。TIMPは、内因性の内因性組織メタロプロテアーゼ阻害物質(TIMP)であり、多くの自然プロセスにおいて重要である。TIMP-3は、様々な細胞によって発現され、及び又は、胞外マトリックスに存在する;TIMP-3は、軟骨を破壊する主要なメタロプロテアーゼを全て阻害し、関節リウマチ及び変形性関節症を包含する結合組織の多くの崩壊性疾患並びにがん及び循環器状態において役割を有し得る。TIMP-3のアミノ酸配列及びTIMP-3をコードするDNAの核酸配列が、2003年5月13日出願の米国特許第6,562,596号に記載され、当該特許の開示は参照により本明細書に組み込まれる。TIMP突然変異の説明は、米国特許第61/782,613号、米国特許第61/798,160号、米国特許第61/802,988号及び米国特許61/940,67号で示される。
【0128】
ヒトカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)レセプターのための拮抗性抗体並びにCGRPレセプター及び他の頭痛標的を標的にする二重特異性抗体分子もまた包含される。これらの分子に関するさらなる情報は、国際公開第2A075238A1号に示され得る。
【0129】
さらに、二重特異性T細胞誘導抗体(BiTe)、例えばブリナツモマブもデバイス内で用い得る。代替的に、APJ大分子アゴニスト、例えばアペリン又はその類似体がデバイス内に含まれ得る。そのような分子に関する情報は、PCT/2013/075773に示され、それぞれ(米国及びPCT)が参照によりその全体、特にPCSK9に結合するタンパク質に関する部分が本明細書に組み込まれる。
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