(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】フォークリフト用遠隔操作システム
(51)【国際特許分類】
B66F 9/24 20060101AFI20220614BHJP
【FI】
B66F9/24 L
(21)【出願番号】P 2018126751
(22)【出願日】2018-07-03
【審査請求日】2020-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】井上 順治
(72)【発明者】
【氏名】比嘉 孝治
【審査官】小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-072945(JP,A)
【文献】特開2003-034496(JP,A)
【文献】特開2005-104652(JP,A)
【文献】特開2003-341996(JP,A)
【文献】特開2003-212495(JP,A)
【文献】特開2001-253699(JP,A)
【文献】特開平09-175798(JP,A)
【文献】特開2007-269452(JP,A)
【文献】特開2014-11518(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66F 9/00-11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機台に荷役装置を備えるとともに車両通信部を有するフォークリフトと、
前記車両通信部と無線通信を行う操作装置通信部を有し、前記フォークリフトの走行及び前記荷役装置による荷役を遠隔操作するのに用いられる遠隔操作装置と、を備えたフォークリフト用遠隔操作システムであって、
前記機台に取り付けられて前記フォークリフトの周囲を撮像する
第1カメラ及び前記荷役装置に取り付けられて前記荷役装置における荷役対象領域を撮像する第2カメラを有するカメラと、
前記カメラにて撮像された画像から
パレットの外形とパレット穴の位置を画像認識
して、フォークのパレット穴への地切り可能差込位置に対する現在位置のずれ量を検知するずれ量検知部と、を備えることを特徴とするフォークリフト用遠隔操作システム。
【請求項2】
前記地切り可能差込位置に対する現在位置のずれ量を操作者に通知する通知部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のフォークリフト用遠隔操作システム。
【請求項3】
前記地切り可能差込位置に対する現在位置のずれ量を解消するように自動制御する自動制御部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のフォークリフト用遠隔操作システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォークリフト用遠隔操作システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
フォークリフトにおいて周囲の環境を把握すべくカメラを搭載することが行われている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、フォークリフト用遠隔操作システムにおいて、フォークリフトにカメラを搭載して画面を見て操作することになるが、遠隔操作用のカメラ画像からではフォークの差込量が把握しにくく、作業性が悪かった。
【0005】
本発明の目的は、フォーク差込の際の作業性向上を図ることが可能なフォークリフト用遠隔操作システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明では、機台に荷役装置を備えるとともに車両通信部を有するフォークリフトと、前記車両通信部と無線通信を行う操作装置通信部を有し、前記フォークリフトの走行及び前記荷役装置による荷役を遠隔操作するのに用いられる遠隔操作装置と、を備えたフォークリフト用遠隔操作システムであって、前記フォークリフトの周囲を撮像するカメラと、前記カメラにて撮像された画像から画像認識により、フォークのパレット穴への地切り可能差込位置に対する現在位置のずれ量を検知するずれ量検知部と、を備えることを要旨とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、ずれ量検知部によって、カメラにて撮像された画像から画像認識により、フォークのパレット穴への地切り可能差込位置に対する現在位置のずれ量が検知される。よって、フォーク差込の際の作業性向上を図ることが可能となる。
【0008】
請求項2に記載のように、請求項1に記載のフォークリフト用遠隔操作システムにおいて、前記地切り可能差込位置に対する現在位置のずれ量を操作者に通知する通知部を更に備えるとよい。
【0009】
請求項3に記載のように、請求項1に記載のフォークリフト用遠隔操作システムにおいて、前記地切り可能差込位置に対する現在位置のずれ量を解消するように自動制御する自動制御部を更に備えるとよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、フォーク差込の際の作業性向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】フォークリフト用遠隔操作システムの電気的構成を示すブロック図。
【
図4】作業場でのリーチ式フォークリフトとパレットの状況を説明するための概略図。
【
図5】リーチ式フォークリフトとパレットの関係を示す概略平面図。
【
図6】リーチ式フォークリフトとパレットの関係を示す概略側面図。
【
図8】リーチ式フォークリフトとパレットの関係を示す概略平面図。
【
図9】リーチ式フォークリフトとパレットの関係を示す概略側面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、フォークリフト用遠隔操作システム10は、リーチ式フォークリフト20と、リーチ式フォークリフト20を遠隔操作するのに用いられる遠隔操作装置50と、を備えている。リーチ式フォークリフト20は、作業場に配置される。遠隔操作装置50は、操作室に配置される。そして、遠隔操作装置50を用いて操作室から、作業場のリーチ式フォークリフト20を遠隔操作することができるようになっている。
【0013】
図4に示すように、作業場においては、棚60が設置されている。棚60は2段にわたりパレット61及び荷物Wを配置することができる。つまり、下の段においてパレット61に荷物Wが配置されるとともに、その上の段においてパレット61に荷物Wが配置される。この状態から、操作者はリーチ式フォークリフト20を遠隔操作して荷物を取りに行く。
【0014】
図4において、各パレット61にはフォーク挿入用穴が形成されており、このフォーク挿入用穴にフォークが差し込まれる。
図2に示すように、リーチ式フォークリフト20の機台21には荷役装置22が設けられている。荷役装置22は前方へ延出している一対のリーチレグ23を備える。各リーチレグ23にはそれぞれ前輪24が設けられている。つまり、機台21の前側に左右一対の前輪24が設けられている。また、機台21の後ろ側には後輪25が設けられている。本実施形態では、後輪25が、操舵輪及び駆動輪となる。
【0015】
荷役装置22は、2段式のマスト26を備える。マスト26は、アウタマスト27と、インナマスト28とを備える。荷役装置22は、インナマスト28に連結されたリフトシリンダ29を備える。荷役装置22は、マスト26に連結されたリーチシリンダ30を備える。インナマスト28は、リフトシリンダ29への作動油の給排によって昇降する。マスト26は、リーチシリンダ30への作動油の給排によってリーチレグ23に沿って移動する。
【0016】
荷役装置22は、一対のフォーク31と、フォーク31をマスト26に固定するリフトブラケット32とを備える。フォーク31及びリフトブラケット32は、インナマスト28の昇降とともに昇降する。リーチ式フォークリフト20は、後輪25を駆動させる走行モータ33を備える。
【0017】
リーチ式フォークリフト20には各種のアクチュエータが備えられている。具体的には例えば、走行用アクチュエータとして、後輪25を駆動させる走行モータ33、図示しない操舵モータ等が挙げられる。走行用アクチュエータにより車輪が回転及び操舵される。また、荷役用アクチュエータとして、インナマスト28に連結されたリフトシリンダ29、マスト26に連結されたリーチシリンダ30、図示しないティルトシリンダ等が挙げられる。荷役用アクチュエータにより昇降、リーチ、ティルト等の荷役動作を行うことができる。
【0018】
図1に示すように、リーチ式フォークリフト20は、車両通信部としての無線部40と、制御部41と、映像信号処理部42と、カメラ43a,43b,43c,43d,43e,43f,43g,43hを有する。
【0019】
遠隔操作装置50は、操作装置通信部としての無線部51と、制御部52と、操作部53と、表示部(モニタ)54と、映像信号処理部55を有する。操作部53における操作方式として、タッチパネル方式、マウス方式、ジョイスティック方式等が用いられる。
【0020】
無線部51はリーチ式フォークリフト20の無線部40と無線通信を行うことができる。つまり、リーチ式フォークリフト20の無線部40と遠隔操作装置50の無線部51とは無線通信可能となっている。
【0021】
そして、遠隔操作装置50において、操作部53を用いて操作者が所望の操作を行うと制御部52により操作内容が無線部51を介してリーチ式フォークリフト20側に送られる。リーチ式フォークリフト20において、無線部40で遠隔操作装置50からの操作内容が受信され、制御部41により遠隔操作装置50側からの指示により走行系アクチュエータ(走行モータ33、図示しない操舵モータ等)及び荷役系アクチュエータ(リフトシリンダ29、リーチシリンダ30、図示しないティルトシリンダ等)を駆動することができる。このように、制御部52は、無線部51、無線部40及び制御部41を介してリーチ式フォークリフト20の走行及び荷役装置22による荷役を遠隔操作することができるようになっている。
【0022】
一方、走行系のカメラ43a,43b,43c,43dは、
図2,3に示すように設けられている。走行系のカメラ43a,43b,43c,43dは、リーチ式フォークリフト20の機台21に取り付けられている。走行系のカメラ43a,43b,43c,43dは、機台21の周囲を撮像する。詳しくは、走行系のカメラ43aは、進行方向前方を撮像する。走行系のカメラ43bは、後方を撮像する。走行系のカメラ43cは、右方を撮像する。走行系のカメラ43dは、左方を撮像する。
【0023】
荷役系のカメラ43e,43f,43g,43hは、
図2,3に示すように設けられている。荷役系のカメラ43e,43f,43g,43hは、リーチ式フォークリフト20の荷役装置22に取り付けられている。荷役系のカメラ43e,43f,43g,43hは、荷役装置22における荷役対象領域を撮像する。詳しくは、荷役系のカメラ43eは、リフトブラケット32の右側の上部に取り付けられ、荷役装置22における右側から前方を撮像する。荷役系のカメラ43fは、リフトブラケット32の左側の上部に取り付けられ、荷役装置22における左側から前方を撮像する。荷役系のカメラ43gは、インナマスト28の上部に取り付けられ、前方下方を撮像する。荷役系のカメラ43hは、右側のフォーク31の先端部に埋め込まれており、フォーク31の前方を撮像する。
【0024】
リーチ式フォークリフト20において、カメラ43a,43b,43c,43d,43e,43f,43g,43hにより撮像された画像は制御部41により映像信号処理部42及び無線部40を介して遠隔操作装置50側に送られる。遠隔操作装置50において、無線部51でリーチ式フォークリフト20からのカメラ画像が受信されて制御部52により映像信号処理部55を介して表示部54で表示される。操作者は表示部54におけるカメラ画像を見ながら操作することになる。
【0025】
次に、作用について説明する。
今、
図5に示すリーチ式フォークリフト20とパレット61の関係を示す概略平面図、及び、
図6に示すリーチ式フォークリフト20とパレット61の関係を示す概略側面図において、パレット61の前面に対し所定の距離だけ離間した位置においてリーチ式フォークリフト20が正対している。つまり、パレット61の左右の穴61aに対し所定の距離だけ離間してリーチ式フォークリフト20の左右のフォーク31が位置しており、フォーク31が前方に移動することにより左右のフォーク31をパレット61の左右の穴61aに差し込むことができる。
【0026】
図8,9に示すように、制御部52は、カメラ画像から、線L1,L2,L3,L4,L5,L6を演算する。線L1は、
図8の平面図においてパレット61の前面となる線(パレット線)であり、線L2は、
図8において左右のフォーク31の先端を結ぶように延びる機台線であり、線L3は、
図8において左のフォーク31の中心から前方に延びるフォーク延長線であり、線L4は、
図8において左のパレット穴61aの中心線であり、線L5は、
図8においてフォーク31のパレット穴61aへの地切り可能差込位置となる線(地切り可能線)である。なお、地切り可能差込位置とは、パレット61を地切りするのに最低限必要な挿入量を確保できるフォーク31の挿入位置である。線L6は、
図9の側面図においてフォーク31の高さ位置に相当するフォーク延長線であり、線L7は、
図9においてパレット穴61aの高さ位置に相当する線(パレット線)である。
【0027】
制御部52は、荷降ろしの際に、線L1,L2,L3,L4,L5,L6に基づいて、複数カメラで3次元計測し、その情報から操作者が見る画面から各種の情報を表示する。
図7に示すように、遠隔操作装置50の制御部52は、ステップS100でカメラ画像からパレットを認識して、ステップS101において、
図8に示すように、パレット線L1と機台線L2を比較する。制御部52は、
図7のステップS102でパレット線L1と機台線L2の差であるずれ量ΔL1を通知する。具体的には、表示部54においてずれ量ΔL1を表示させる。遠隔操作装置50の制御部52はステップS103においてずれ量ΔL1が基準値内か否か判定してずれ量ΔL1が基準値内になるとステップS104で「マッチングOK」を通知する。具体的には、表示部54において「マッチングOK」と表示させる。
【0028】
また、遠隔操作装置50の制御部52は、ステップS105において、
図8に示すように、フォーク延長線L3とパレット穴(ポケット)の中心線L4を比較する。制御部52は、
図7のステップS106でフォーク延長線L3とパレット穴(ポケット)の線L4の差であるずれ量ΔL2を通知する。具体的には、表示部54においてずれ量ΔL2を表示させる。遠隔操作装置50の制御部52はステップS107においてずれ量ΔL2が基準値内か否か判定してずれ量ΔL2が基準値内になるとステップS104で「マッチングOK」を通知する。具体的には、表示部54において「マッチングOK」と表示させる。
【0029】
また、遠隔操作装置50の制御部52は、ステップS108において、
図9に示すように、フォーク延長線L6とパレット穴(ポケット)の線(パレット線)L7を比較する。制御部52は、
図7のステップS109でフォーク延長線L6とパレット穴(ポケット)の線L7の差であるずれ量ΔL3を通知する。具体的には、表示部54においてずれ量ΔL3を表示させる。遠隔操作装置50の制御部52はステップS110においてずれ量ΔL3が基準値内か否か判定してずれ量ΔL3が基準値内になるとステップS104で「マッチングOK」を通知する。具体的には、表示部54において「マッチングOK」と表示させる。
【0030】
また、遠隔操作装置50の制御部52は、ステップS111において、
図8に示すように、パレット線L1と地切り可能線L5を比較する。制御部52は、
図7のステップS112でパレット線L1と地切り可能線L5の差であるずれ量ΔL4を通知する。具体的には、表示部54においてずれ量ΔL4を表示させる。遠隔操作装置50の制御部52はステップS113においてずれ量ΔL4が基準値内か否か判定してずれ量ΔL4が基準値内になるとステップS104で「マッチングOK」を通知する。具体的には、表示部54において「マッチングOK」と表示させる。
【0031】
なお、ずれ量ΔL1,ΔL2,ΔL3,ΔL4が基準値内に到達したら数値で画面表示することにより通知するようにしてもよい。
このように、ずれ量検知部としての制御部52は、カメラ43a,43b,43c,43d,43e,43f,43g,43hにて撮像された画像から画像認識により、フォーク31のパレット穴61aへの地切り可能差込位置(地切り可能線L5)に対する現在位置のずれ量(ΔL4)を検知する。
【0032】
よって、容易にフォークの差込量を把握することができる。そして、操作者はずれ量を解消するように手動で操作する。
詳しく説明する。
【0033】
フォークリフトにカメラを搭載して画像を見て荷役作業の遠隔操作を行う際において、パレットとフォークが正対しているか分かりづらい。また、パレット穴とフォークの位置が合っているか分かりづらい(横方向及び高さ方向)。さらに、パレット(荷物)との距離感が分かりづらい。
【0034】
本実施形態においては、車両に搭載したカメラの画像から、パレットを外形、パレット穴(ポケット)の位置などの特徴点を捉え、画像認識させることにより、パレットとフォークに対しX,Y,Z方向の位置ずれ量と、位置ずれが解消したことを操作者に通知する。具体的には、ずれ量ΔL1,ΔL2,ΔL3,ΔL4を表示部54で表示する。
【0035】
このような荷役支援による通知により、荷役作業の効率向上が図られる。
詳しくは、
図8においてリーチ式フォークリフト20の左右方向であるX及び前後方向であるY方向について、パレット線L1と機台線(X方向線)L2を比較して平行な状態(正対した状態)でのずれ量ΔL1を数値で画面表示することにより通知するとともに、ずれ量ΔL1が基準値内に到達したらマッチングOKを表示することにより通知する。また、
図8においてフォーク延長線L3とパレット穴(ポケット)の中心線L4を比較してずれ量ΔL2を数値で画面表示することにより通知するとともに、ずれ量ΔL2が基準値内に到達したらマッチングOKを表示することにより通知する。
【0036】
図9においてリーチ式フォークリフト20の上下方向であるZ方向について、フォーク延長線L6とパレット線L7を比較してずれ量ΔL3を数値で画面表示することにより通知するとともに、ずれ量ΔL3が基準値内に到達したらマッチングOKを表示することにより通知する。
【0037】
図8においてリーチ式フォークリフト20の前後方向であるY方向について、パレット線L1と地切り可能線L5を比較してずれ量ΔL4を数値で画面表示することにより通知するとともに、ずれ量ΔL4が基準値内に到達したらマッチングOKを表示することにより表示する。
【0038】
そのための構成としては、車両でのカメラ配置は、カメラ視点がカバーできる範囲に配置する。
このようにすることにより、画像を見て遠隔操作する場合において、操作性や作業効率が良くなる。
【0039】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)フォークリフト用遠隔操作システム10の構成として、機台21に荷役装置22を備えるとともに車両通信部としての無線部40を有するリーチ式フォークリフト20と、車両通信部としての無線部40と無線通信を行う操作装置通信部としての無線部51を有し、リーチ式フォークリフト20の走行及び荷役装置22による荷役を遠隔操作するのに用いられる遠隔操作装置50と、を備える。リーチ式フォークリフト20の周囲を撮像するカメラ43a,43b,43c,43d,43e,43f,43g,43hと、カメラ43a,43b,43c,43d,43e,43f,43g,43hにて撮像された画像から画像認識により、フォーク31のパレット穴61aへの地切り可能差込位置に対する現在位置のずれ量を検知するずれ量検知部としての制御部52と、を備える。よって、容易にフォークの差込量を把握することが可能となり、フォーク差込の際の作業性向上を図ることが可能となる。
【0040】
(2)地切り可能差込位置(地切り可能線L5)に対する現在位置のずれ量(ΔL4)を操作者に通知する通知部としての制御部52を更に備える。よって、容易にフォークの差込量を把握することができる。
【0041】
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○制御部52は、地切り可能差込位置に対する現在位置のずれ量を、複数カメラ画像から俯瞰図(
図8参照)を用いて操作者に通知するようにしてもよい。このように、操作者に通知する通知部は、複数カメラ画像から俯瞰図(
図8参照)を用いて通知を行うことにより、容易にフォークの差込量を把握することができる。
【0042】
○ 位置ずれが解消したことの通知方法として、表示部54の画面で範囲内になったら色が変わる(例えば、赤色に変わる)ことにより知らせてもよい。
○ 地切り可能差込位置に対する現在位置のずれ量の検知結果は表示部で表示させたが、音声で知らせてもよい。
【0043】
○
図7の処理は遠隔操作装置50の制御部52が実行した。これに代わりリーチ式フォークリフト20の制御部41が行ってもよい。
○ずれ量を操作者に通知した後の処理として、ずれ量を解消すべく自動制御により正対位置からパレットにフォークを挿入するようにしてもよい。つまり、正対かつ、フォーク延長線L3がパレット穴(ポケット)61aに入った場合に、検出したパレット61を操作者が選択すれば、自動制御(パレットに対するフォークの挿入)を開始する。具体的には、パレットを目標にフォーク高さ位置を調整するとともに、パレットを目標に収まるまでリーチアウトする。
【0044】
このように、地切り可能差込位置に対する現在位置のずれ量を解消するように自動制御する自動制御部としての制御部52を更に備える。よって、フォーク差込の際の作業性向上を図ることが可能となる。
【0045】
○ インフラカメラを設置したシステム構成としてもよい。
○ フォークリフトはリーチ式フォークリフトであったが、これに限るものではなく、リーチ式フォークリフト以外のフォークリフトであってもよい。
【符号の説明】
【0046】
10…フォークリフト用遠隔操作システム、20…リーチ式フォークリフト、21…機台、22…荷役装置、31…フォーク、40…無線部、43a,43b,43c,43d,43e,43f,43g,43h…カメラ、50…遠隔操作装置、51…無線部、52…制御部、54…表示部、61a…パレット穴、L5…地切り可能線、ΔL4…ずれ量。