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特許7089023バッテリーハウジング及びこれを含むバッテリーモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】バッテリーハウジング及びこれを含むバッテリーモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/271 20210101AFI20220614BHJP
【FI】
H01M50/271 B
H01M50/271 S
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020509040
(86)(22)【出願日】2019-03-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-05
(86)【国際出願番号】 KR2019002475
(87)【国際公開番号】W WO2019225838
(87)【国際公開日】2019-11-28
【審査請求日】2020-02-17
(31)【優先権主張番号】10-2018-0059804
(32)【優先日】2018-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0017321
(32)【優先日】2019-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジン-ヨン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ジョン-オ・ムン
(72)【発明者】
【氏名】ホ-ジュネ・チ
(72)【発明者】
【氏名】キュン-モ・キム
(72)【発明者】
【氏名】スン-ジュン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジュン-ビン・ユ
(72)【発明者】
【氏名】ジュン-フン・イ
【審査官】森 透
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-117621(JP,A)
【文献】特表2010-522952(JP,A)
【文献】特開2008-210735(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0106196(US,A1)
【文献】特開2006-147193(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0311486(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーを収容するバッテリーハウジングであって、
相互結合してバッテリーが収容される空間を形成する複数のカバーを含み、
前記複数のカバーのいずれか一つの第1カバーと、
前記第1カバーに隣接して配置されて前記第1カバーに結合する第2カバーと、
前記第1カバーと前記第2カバーとを結合する結合棒と、を含み、
前記第1カバーには、前記結合棒の一端が挿入される少なくとも一つの第1挿入孔が形成され、前記第2カバーには、前記結合棒の他端が挿入される少なくとも一つの第2挿入孔が形成され、
前記第1挿入孔は、前記第2挿入孔側に開口した有底孔であり、前記第2挿入孔は、前記第1挿入孔側に開口した有底孔であり、
前記第1カバーと前記第2カバーとは、有底状に形成された前記第1挿入孔に前記結合棒の一端が挿入され、且つ、有底状に形成された前記第2挿入孔に前記結合棒の他端が挿入されることで、互いに結合されている、バッテリーハウジング。
【請求項2】
前記第1カバー及び前記第2カバーに前記結合棒を結合できるように、前記第1挿入孔及び前記第2挿入孔に粘着剤が注入されたことを特徴とする請求項1に記載のバッテリーハウジング。
【請求項3】
前記第1カバーには、前記第2カバーが据え付けられる据付け溝が形成され、前記第1挿入孔は、前記据付け溝の内部に形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載のバッテリーハウジング。
【請求項4】
前記第1カバーの前記据付け溝に据え付けられるように、前記第2カバーには、端部から突出する突出部が形成され、前記第2挿入孔は、前記突出部に形成されたことを特徴とする請求項3に記載のバッテリーハウジング。
【請求項5】
前記第2カバーは、エンドプレートを含み、
前記突出部は、前記エンドプレートから折り曲げられて形成されたことを特徴とする請求項4に記載のバッテリーハウジング。
【請求項6】
前記第1挿入孔及び前記第2挿入孔の少なくとも一つには、収容溝が形成されたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のバッテリーハウジング。
【請求項7】
前記収容溝は、螺旋状に形成されたことを特徴とする請求項6に記載のバッテリーハウジング。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のバッテリーハウジングと、
前記バッテリーハウジングに収容されるバッテリーセル積層体と、を含む、バッテリーモジュール。
【請求項9】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のバッテリーハウジングと、
前記バッテリーハウジングに収容されるバッテリーモジュールと、を含む、バッテリーパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーハウジング及びこれを含むバッテリーモジュールに関し、より詳しくは、製作が簡便であり、製作時における熱損傷を防止し、また、剛性が補強できるバッテリーハウジング及びこれを含むバッテリーモジュールに関する。
【0002】
本出願は、2018年5月25日出願の韓国特許出願第10-2018-0059804号及び2019年2月14日出願の韓国特許出願第10-2019-0017321号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
モバイル機器に関する技術開発及び需要が増加するにつれ、エネルギー源としての二次電池の需要が急激に増加しつつあり、従来、二次電池としてニッケルカドミウム電池または水素イオン電池が用いられていたが、最近は、ニッケル系の二次電池に比べてメモリー効果がほとんど起こらないため充電及び放電が自由であり、自己放電率が非常に低く、エネルギー密度が高いリチウム二次電池が広く用いられている。
【0004】
このようなリチウム二次電池は、主にリチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質と負極活物質として使用する。リチウム二次電池は、このような正極活物質及び負極活物質がそれぞれ塗布された正極板及び負極板がセパレータを挟んで配置された電極組立体と、電極組立体を電解液とともに封止して収納する外装材、即ち、電池ケースと、を備える。
【0005】
リチウム二次電池は、正極、負極及びこれらの間に介されるセパレータ及び電解質で構成され、正極活物質及び負極活物質に何を使用するかによって、リチウムイオン電池(Lithium Ion Battery,LIB)、リチウムポリマー電池(Polymer Lithium Ion Battery,PLIB)などに分けられる。通常、これらのリチウム二次電池の電極は、アルミニウムまたは銅シート、メッシュ、フィルム、ホイルなどの集電体に、正極または負極活物質を塗布した後、乾燥することで形成される。
【0006】
従来、二次電池を保護するためのバッテリーハウジングは、レーザー溶接のような多様な方式の溶接によって接合して製作された。即ち、複数の部材が重ね溶接または突き合わせ溶接によって相互接合されることでバッテリーハウジングが製作された。しかし、溶接によってバッテリーハウジングを製作する場合、溶接時に発生する熱によってバッテリーハウジングの内部に配置されたバッテリーセルまたは周辺部品が損傷または変形される恐れがあり、溶接区間が長くなるほど熱の累積による部材の変形によって溶接性が低下するという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、内部に配置されたバッテリーセルまたは周辺部品の損傷を防止できるバッテリーハウジング及びこれを含むバッテリーモジュールを提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、接合が容易であり、かつ剛性が増大できるバッテリーハウジング及びこれを含むバッテリーモジュールを提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を達成するため、本発明の一面によれば、バッテリーを収容するバッテリーハウジングであって、相互結合してバッテリーが収容される空間を形成する複数のカバーを含み、前記複数のカバーのいずれか一つの第1カバーと、前記第1カバーに隣接して配置されて前記第1カバーに結合する第2カバーと、前記第1カバーと前記第2カバーとを結合する結合棒と、を含む、バッテリーハウジングを提供することができる。
【0010】
また、前記第1カバーには、前記結合棒の一端が挿入される少なくとも一つの第1挿入孔が形成され、前記第2カバーには、前記結合棒の他端が挿入される少なくとも一つの第2挿入孔が形成され得る。
【0011】
そして、前記第1カバー及び前記第2カバーに前記結合棒を結合できるように、前記第1挿入孔及び前記第2挿入孔に粘着剤が注入され得る。
【0012】
また、前記第1カバーには、前記第2カバーが据え付けられる据付け溝が形成され、前記第1挿入孔は、前記据付け溝の内部に形成され得る。
【0013】
そして、前記第1カバーの据付け溝に据え付けられるように、前記第2カバーには、端部から突出する突出部が形成され、前記第2挿入孔は、前記突出部に形成され得る。
【0014】
また、前記第2カバーは、エンドプレートを含み、前記突出部は、前記エンドプレートから折り曲げられて形成され得る。
【0015】
そして、前記第1挿入孔及び前記第2挿入孔の少なくとも一つには、収容溝が形成され得る。
【0016】
また、前記収容溝は、螺旋状に形成され得る。
【0017】
なお、本発明の他面によれば、前述のバッテリーハウジングと、前記バッテリーハウジングに収容されるバッテリーセル積層体と、を含む、バッテリーモジュールが提供される。
【0018】
さらに、本発明のさらに他面によれば、前述のバッテリーハウジングと、前記バッテリーハウジングに収容されるバッテリーモジュールと、を含む、バッテリーパックが提供される。
【発明の効果】
【0019】
本発明の実施例によれば、結合棒を介してカバーを接合するため、カバーの接合時に熱が発生せず、これによって、バッテリーハウジングの内部に配置されたバッテリーセルまたは周辺部品の損傷が防止される。
【0020】
また、カバーの内部に結合棒が挿入されるため、カバーの接合が容易であり、かつ剛性が増大する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施例によるバッテリーハウジングの全体斜視図である。
図2】本発明の一実施例によるバッテリーハウジングにおいて、第1カバーと第2カバーとが分離した様子を示した部分斜視図である。
図3】本発明の一実施例によるバッテリーハウジングにおいて、第1カバーと第2カバーとが結合棒によって結合する過程を示した断面図である。
図4】本発明の一実施例によるバッテリーハウジングにおいて、第1カバーと第2カバーとが結合棒によって結合する過程を示した断面図である。
図5】本発明の一実施例によるバッテリーハウジングにおいて、第1カバーと第2カバーとが結合棒によって結合する過程を示した断面図である。
図6】本発明の一実施例によるバッテリーハウジングにおいて、第1カバーと第2カバーとが結合棒によって結合する過程を示した断面図である。
図7】本発明の他の実施例によるバッテリーハウジングにおいて、第1カバーと第2カバーとが結合棒によって結合する過程を示した断面図である。
図8】本発明の他の実施例によるバッテリーハウジングにおいて、第1カバーと第2カバーとが結合棒によって結合する過程を示した断面図である。
図9】本発明の他の実施例によるバッテリーハウジングにおいて、第1カバーと第2カバーとが結合棒によって結合する過程を示した断面図である。
図10】本発明の他の実施例によるバッテリーハウジングにおいて、第1カバーと第2カバーとが結合棒によって結合する過程を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0023】
図面における各構成要素またはその構成要素をなす特定部分の大きさは、説明の便宜及び明確性のために誇張または省略されるか、概略的に示されることがある。したがって、各構成要素の大きさは、実際の大きさを完全に反映することではない。本発明に関連する公知の機能または構成についての具体的な説明が、本発明の要旨を不要にぼやかすと判断される場合、その説明を略する。
【0024】
本明細書において使用される「結合」または「連結(接続)」という用語は、一つの部材と他の部材とが直接結合するか、直接連結(接続)される場合のみならず、一つの部材が継ぎ部材を介して他の部材に間接的に接合するか、間接的に連結(接続)される場合をも含む。
【0025】
図1は、本発明の一実施例によるバッテリーハウジングの全体斜視図であり、図2は、本発明の一実施例によるバッテリーハウジングにおいて、第1カバーと第2カバーとが分離した様子を示した部分斜視図である。
【0026】
本発明の一実施例によるバッテリーハウジング100は、バッテリーを収容するように設けられ、後述するように、バッテリーセル積層体200が収容されるモジュールハウジングであってもよく、または、バッテリーモジュール10が収容されるパックハウジングであってもよく、その他の多様な種類のバッテリーを含む各種ハウジングを全て含む概念として理解されるべきである。以下では、説明の便宜のために、バッテリーハウジング100にバッテリーセル積層体200が収容されたバッテリーモジュール10の場合を中心にして説明するが、バッテリーハウジング100の権利範囲がこれに限定されることではない。
【0027】
バッテリーハウジング100は、複数のカバーを含み、複数のカバーが相互結合してバッテリーセル積層体200を収容する空間を形成する。即ち、複数のカバーが相互結合して形成された内部空間に、バッテリーセル積層体200が収容され得、バッテリーセル積層体200は、複数のカバーによって保護され得る。ここで、複数のカバーは、第1カバー110及び第2カバー120を含み得る。
【0028】
バッテリーハウジング100は、第1カバー110と、第2カバー120と、結合棒130と、を含み得る。
【0029】
第1カバー110は、複数のカバーのいずれか一つの任意のカバーであって、多様な形状を有し得、図1及び図2を参照すれば、例えば、四角形の形状に形成され得る。但し、第1カバー110の形状がこれに限定されることではない。そして、第1カバー110は、多様な材質からなり得る。例えば、アルミニウムのような金属材質であり得、またはプラスチックのような多様な複合樹脂であり得る。
【0030】
第2カバー120は、第1カバー110に隣接して配置され、第1カバー110に結合する。第2カバー120は、第1カバー110と同様に四角形の形状に形成され得、また、アルミニウムのような金属材質またはプラスチックのような多様な複合樹脂材質から製作され得るが、第2カバー120の形状と材質がこれに限定されることではない。
【0031】
結合棒130は、第1カバー110と第2カバー120とを結合する。結合棒130が第1カバー110及び第2カバー120に結合する方式は、多様である。例えば、結合棒130に雄ねじ部または雌ねじ部が形成され、第1カバー110及び第2カバー120に、これに対応する雌ねじ部または雄ねじ部が形成され、相互結合し得る。または、第1カバー110及び第2カバー120に形成されたホールに結合棒130を締まりばめ方式で結合してもよい。または、粘着剤140(図4参照)を用いて結合棒130が第1カバー110及び第2カバー120に結合するようにしてもよい。ここで、粘着剤140は、同種の物質または他種の物質を相互付着させることができる各種物質を全て含み、接着剤を含む概念である。以下では、結合棒130が粘着剤140によって第1カバー110及び第2カバー120に結合する場合を中心にして説明する。
【0032】
図2を参照すれば、第1カバー110には少なくとも一つの第1挿入孔112が形成され得、結合棒130の一端が第1カバー110の第1挿入孔112に挿入され得る。そして、結合棒130の一端は第1挿入孔112に挿入され、粘着剤140によって固定される。例えば、粘着剤140が第1挿入孔112に注入され、結合棒130の一端が第1挿入孔112に挿入され、粘着剤140が硬化して結合棒130の一端が第1カバー110に固定結合することも可能であり、または、粘着剤140が結合棒130に塗布された状態で結合棒130の一端が第1挿入孔112に挿入されて第1カバー110に固定されることも可能である。
【0033】
そして、第2カバー120には、第1カバー110と同様に、少なくとも一つの第2挿入孔122が形成され得、結合棒130の他端が、第2カバー120の第2挿入孔122に挿入され得る。そして、結合棒130の他端は、第2挿入孔122に挿入され、粘着剤140によって固定される。例えば、粘着剤140が第2挿入孔122に注入され、結合棒130の他端が第2挿入孔122に挿入され、粘着剤140が硬化して結合棒130の他端が第2カバー120に固定結合することも可能であり、または、粘着剤140が結合棒130に塗布された状態で結合棒130の他端が第2挿入孔122に挿入されて第2カバー120に固定されることも可能である。粘着剤140は、第1挿入孔112及び第2挿入孔122に注入され得、また、第1カバー110及び第2カバー120の面に提供され、第1カバー110と第2カバー120とが付着されるように設けられ得る。
【0034】
図2を参照すれば、第1カバー110には、据付け溝111が形成され得、据付け溝111には、第2カバー120が据え付けられ得る。このように第1カバー110に据付け溝111が形成され、第2カバー120が第1カバー110の据付け溝111に据え付けられれば、第1カバー110と第2カバー120とがより安定的に結合できる。ここで、第1挿入孔112は、据付け溝111の内部に形成され得る。
【0035】
そして、第2カバー120には、端部から突出する突出部121が形成され得、第2カバー120の突出部121が第1カバー110の据付け溝111に据え付けられ得る。ここで、第2挿入孔122は、突出部121に形成され得る。
【0036】
第2カバー120はエンドプレートを含み得、突出部121はエンドプレートから折り曲げられて形成され得る。第2カバー120のエンドプレートは平板形状であり、エンドプレートの両側端部からほぼ直角に折り曲げられることで突出部121が形成され得る。
【0037】
図3図6は、本発明の一実施例によるバッテリーハウジングにおいて、第1カバーと第2カバーとが結合棒によって結合する過程を示した断面図である。
【0038】
以下、図面を参照して本発明の一実施例によるバッテリーハウジング100において、第1カバー110と第2カバー120とが結合棒130によって結合する過程について説明する。
【0039】
図3は、バッテリーハウジング100の一側端部、例えば、図1のA部分において、第1カバー110のみを示した断面図である。図3を参照すれば、第1カバー110には据付け溝111が形成され、第1カバー110の据付け溝111に4個の第1挿入孔112が形成されている。ここで、第1挿入孔112の個数は一例であるだけで、第1挿入孔112は一つ以上であり得る。図4を参照すれば、第1カバー110の4個の第1挿入孔112に粘着剤140が注入されている。そして、図5を参照すれば、4個の結合棒130の各々の一端が第1カバー110の4個の第1挿入孔112に各々挿入され、粘着剤140が硬化すれば、結合棒130の一端が第1挿入孔112に挿入されたまま、第1カバー110に固定される。そして、第2カバー120の4個の第2挿入孔122に粘着剤140が注入される。そして、図6を参照すれば、第2カバー120の突出部121が第1カバー110の据付け溝111に据え付けられて第1カバー110と安定的に連結される。この際、第2カバー120の突出部121に形成された第2挿入孔122に4個の結合棒130の各々の他端が挿入され、粘着剤140が硬化すれば、結合棒130の他端が第2挿入孔122に挿入されたまま第2カバー120に固定される。このような方式によって第1カバー110と第2カバー120との接合時に熱が発生しないため、ハウジングの内部に配置されたバッテリーセルまたは周辺部品の損傷を防止することができる。そして、第1カバー110及び第2カバー120の内部に挿入された結合棒130によって、第1カバー110と第2カバー120との結合剛性が増大する効果を奏する。一方、本実施例において、挿入孔112、122及び結合棒130の個数は多様に設定可能であり、図面に示したことに限定されない。
【0040】
図7図10は、本発明の他の実施例によるバッテリーハウジングにおいて第1カバーと第2カバーとが結合棒によって結合する過程を示した断面図である。
【0041】
以下、図面を参照して本発明の他の実施例によるバッテリーハウジング100の作用及び効果について説明するが、本発明の一実施例で説明した内容と共通する部分は前述の説明を代わりにする。
【0042】
本発明の他の実施例の場合、第1挿入孔112または第2挿入孔122の各々に収容溝115または収容溝125が形成されるという点で一実施例と相違する。
【0043】
図7図10を参照すれば、第1挿入孔112には収容溝115が形成され、または、第2挿入孔122にも収容溝125が形成され得る。ここで、収容溝115または収容溝125の形状は多様である。例えば、図面のようにねじ山とねじ谷が繰り返される螺旋状に形成され得る。以下では、収容溝115または収容溝125がこのように螺旋状に形成された場合を中心にして説明する。
【0044】
ここで、本発明の他の実施例の場合、例えば、第1挿入孔112のみに収容溝115が形成されるか、第2挿入孔122のみに収容溝125が形成されるか、または第1挿入孔112と第2挿入孔122との両方に各々収容溝115、125が形成されることも可能である。第1挿入孔112または第2挿入孔122に、収容溝115または収容溝125が形成されれば、収容溝115、125が形成されていない場合に比べて、粘着剤140が第1挿入孔112または第2挿入孔122に接触する面積が増大するので、全体的に粘着面積が増大し、これによって、第1カバー110または第2カバー120と結合棒130との結合力が増大する効果を奏する。
【0045】
そして、結合棒130には、ねじ山とねじ谷とが繰り返される螺旋135を形成してもよく(図9及び図10参照)、図5及び図6のように、結合棒130に螺旋135を形成しなくてもよい。もし、結合棒130に螺旋135が形成された場合であれば、結合棒130の螺旋135が、第1挿入孔112または第2挿入孔122に形成された螺旋状の収容溝115、125にねじ結合し、また、粘着剤140によっても結合棒130が結合するので、螺合及び粘着剤140の結合による二重結合で、第1カバー110または第2カバー120と結合棒130との結合力がさらに増大する効果を奏する。ここで、図9の収容溝115と、図10の収容溝115、125には、粘着剤140が注入されている。そして、図示していないが、結合棒130に螺旋135が形成されていない場合でも、前述のように、第1挿入孔112または第2挿入孔122に収容溝115または収容溝125が形成されれば、収容溝115、125が形成されていない場合に比べて、粘着剤140が第1挿入孔112または第2挿入孔122に接触する面積が増大するので、全体的に粘着面積が増大し、これによって、第1カバー110または第2カバー120と結合棒130との結合力が増大する。
【0046】
一方、図1を参照すれば、本発明の一実施例によるバッテリーモジュール10は、前述のような本発明の一実施例によるバッテリーハウジング100と、バッテリーハウジング100に収容されるバッテリーセル積層体200と、を含み得る。バッテリーセル積層体200には、電極リードが備えられるバッテリーセルが複数設けられる。バッテリーセルに備えられる電極リードは、外部に露出して外部機器に連結される一種の端子として伝導性材質からなり得る。電極リードは、正極電極リード及び負極電極リードを含み得る。正極電極リードと負極電極リードとは、バッテリーセルの長手方向において相互反対方向に位置してもよく、または、正極電極リードと負極電極リードとがバッテリーセルの長手方向において相互同じ方向に位置してもよい。電極リードは、バスバーに電気的に接合し得る。バッテリーセルは、正極板/セパレーター/負極板の順に配列される単位セル(Unit Cell)、または、正極板/セパレーター/負極板/セパレーター/正極板/セパレーター/負極板の順に配列されたバイセル(Bi-Cell)を電池容量に合わせて複数個を積層した構造を有し得る。
【0047】
バッテリーセル積層体200は、複数のバッテリーセルが相互積層されるように構成され得る。ここで、バッテリーセルは多様な構造を有し、また、複数のバッテリーセルは多様な方式で積層できる。
【0048】
バッテリーセル積層体200は、バッテリーセルを収納する複数のカートリッジ(図示せず)を備え得る。各々のカートリッジ(図示せず)は、プラスチックの射出成形によって製造でき、バッテリーセルを収納できる収納部が形成された複数のカートリッジ(図示せず)が積層され得る。複数のカートリッジ(図示せず)が積層されたカートリッジ組立体には、コネクター要素または端子要素が備えられ得る。コネクター要素は、例えば、バッテリーセルの電圧または温度に関わるデータを提供できるBMS(Battery Management System,図示せず)などに接続するための多様な形態の電気的接続部品または接続部材が含まれ得る。そして、端子要素は、バッテリーセルに接続するメイン端子として、正極端子および負極端子を含み、端子要素には、ターミナルボルトが備えられ、外部と電気的に接続し得る。一方、バッテリーセルは、多様な形状を有し得る。また、バッテリーセル積層体200は、バッテリーセル同士が両面テープによって接着されて相互積層され得る。本発明の一実施例によるバッテリーモジュール10に含まれたバッテリーハウジング100は、バッテリーセル積層体200を収容するモジュールハウジングの機能を有する。
【0049】
一方、本発明の一実施例によるバッテリーパック(図示せず)は、バッテリーハウジングと、バッテリーハウジングに収容されるバッテリーモジュール10と、を含み得る。また、前記バッテリーパック(図示せず)は、このようなバッテリーモジュール10に加え、バッテリーモジュール10の充放電を制御するための各種装置、例えば、BMS、電流センサー、ヒューズなどをさらに含み得る。ここで、バッテリーパックに含まれたバッテリーハウジングは、バッテリーモジュール10を収容するパックハウジングの機能を有する。
【0050】
以上のように、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、バッテリーハウジング及びこれを含むバッテリーモジュールに関し、特に、二次電池関連産業に利用可能である。
【符号の説明】
【0052】
10 バッテリーモジュール
100 バッテリーハウジング
110 第1カバー
111 据付け溝
112 第1挿入孔
115 収容溝
120 第2カバー
121 突出部
122 第2挿入孔
125 収容溝
130 結合棒
135 螺旋
140 粘着剤
200 バッテリーセル積層体
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