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特許7089508複素環式化合物及び細菌感染症の予防又は治療におけるそれらの使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-14
(45)【発行日】2022-06-22
(54)【発明の名称】複素環式化合物及び細菌感染症の予防又は治療におけるそれらの使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/08 20060101AFI20220615BHJP
   A61K 31/439 20060101ALI20220615BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20220615BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220615BHJP
   A61K 31/545 20060101ALI20220615BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20220615BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20220615BHJP
   A61K 31/4545 20060101ALI20220615BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20220615BHJP
   A61K 31/444 20060101ALI20220615BHJP
【FI】
C07D471/08 CSP
A61K31/439
A61P31/04
A61P43/00 121
A61P43/00 111
A61K31/545
A61K45/00
A61K31/5377
A61K31/4545
A61K31/496
A61K31/444
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2019516955
(86)(22)【出願日】2017-09-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-10-24
(86)【国際出願番号】 EP2017074873
(87)【国際公開番号】W WO2018060481
(87)【国際公開日】2018-04-05
【審査請求日】2020-08-28
(31)【優先権主張番号】16306261.5
(32)【優先日】2016-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516118969
【氏名又は名称】ミュタビリス
【氏名又は名称原語表記】MUTABILIS
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアン バービオン
(72)【発明者】
【氏名】オドレイ カラバーノ
(72)【発明者】
【氏名】ソフィ シャセ
(72)【発明者】
【氏名】フランシス シェブルイユ
(72)【発明者】
【氏名】ファビアン フェーブル
(72)【発明者】
【氏名】レミ ルベル
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ ルコワント
(72)【発明者】
【氏名】ブノワ ルドゥサル
(72)【発明者】
【氏名】フレデリク ル-ストラ
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ シモン
(72)【発明者】
【氏名】クリステル オリベイラ
(72)【発明者】
【氏名】ジェラルディーヌ ル フラリーク
(72)【発明者】
【氏名】ジュリー ブリア
(72)【発明者】
【氏名】ロランス ファレクール
(72)【発明者】
【氏名】ソフィ ボンシェド
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン リシャール
【審査官】三上 晶子
(56)【参考文献】
【文献】特許第6767392(JP,B2)
【文献】特表2015-512440(JP,A)
【文献】国際公開第2014/141132(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D201/00-521/00
A61K 31/33- 33/44
A61P 1/00- 43/00
A61K 45/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】
(式中:
・Rは、1又は複数のTにより任意に置換された、少なくとも1個の窒素原子を含む、飽和、部分的不飽和又は芳香族の5-員のヘテロ環を表し、該ヘテロ環は、窒素原子により該構造に連結され、窒素原子の少なくとも1個は、四級化されることができ;
・Rは、-SOH、-CFHCOOH又は-CFCOOHを表し;
・Tは、同一又は異なり、フッ素原子;=O;-C(O)Q;-(CH-S(O)-NQ;-(CH-C(=NOQ)Q;-(X)-(CH-S(O)NQ;-C(O)-(CH-S(O)NQ;-(CH-O-(CH-O-(CH-NQ;-(CHOQ;-(CH-CN;-(CH-OC(O)Q;-(CH-C(O)OQ;-(CH-OC(O)OQ;-(CH-OC(O)NQ;-(CH-C(O)NQ;-(CH-C(O)ONQ;-(CH-C(O)NQOQ;-(CH-C(O)NQ-NQ;-(CH-NQC(O)Q;-(CH-NQS(O)NQ;-(CH-NQS(O);-(CH-NQC(O)OQ;-(CH-NQC(O)NQ;-(CH-NQ;-(CH-NH-C(NHQ)=NQ;-(CH-NH-CH=NQ;-(CH-C(NHQ)=NQ;-(X)-(CHOQ;-(X)-(CH-CN;-(X)-(CH-OC(O)Q;-(X)-(CH-C(O)OQ;-(X)-(CH-OC(O)OQ;-(X)-(CH-OC(O)NQ;-(X)-(CH-C(O)NQ;-(X)-(CH-C(O)ONQ;-(X)-(CH-C(O)NQOQ;-(X)-(CH-C(O)NQ-NQ;-(X)-(CH-NQC(O)Q;-(X)-(CH-NQS(O)NQ;-(X)-(CH-NQS(O);-(X)-(CH-NQC(O)OQ;-(X)-(CH-NQC(O)NQ;-(X)-(CH-NQ;-(X)-(CH-NH-C(NHQ)=NQ;-(X)-(CH-NH-CH=NQ;-(X)-(CH-C(NHQ)=NQ;-C(O)-(CHOQ;-C(O)-(CH-CN;-C(O)-(CH-OC(O)Q;-C(O)-(CH-C(O)OQ;-C(O)-(CH-OC(O)OQ;-C(O)-(CH-OC(O)NQ;-C(O)-(CH-C(O)NQ;-C(O)-(CH-C(O)ONQ;-C(O)-(CH-C(O)NQOQ;-C(O)-(CH-C(O)NQ-NQ;-C(O)-(CH-NQC(O)Q;-C(O)-(CH-NQS(O)NQ;-C(O)-(CH-NQS(O);-C(O)-(CH-NQC(O)OQ;-C(O)-(CH-NQC(O)NQ;-C(O)-(CH-NQ;-C(O)-(CH-NH-C(NHQ)=NQ;-C(O)-(CH-NH-CH=NQ;-C(O)-(CH-C(NHQ)=NQを、独立して表すか、あるいは
は、同一又は異なり、非置換もしくは1又は複数のTにより置換された、-(CH-(4-、5-又は6-員の飽和、部分的もしくは完全に不飽和又は芳香族のヘテロ環);-(X)-(CH-(4-、5-又は6-員の飽和、部分的もしくは完全に不飽和又は芳香族のヘテロ環);(C-C)-アルキル;(C-C)-フルオロアルキル;-(X)-(C-C)-アルキル;-(X)-(C-C)-フルオロアルキル;-(CH-(C-C)-シクロアルキル;-(X)-(CH-(C-C)-シクロアルキル;-(CH-(C-C)-シクロフルオロアルキル;-(X)-(CH-(C-C)-シクロフルオロアルキル;-C(O)-(CH-(4-、5-又は6-員の飽和、部分的もしくは完全に不飽和又は芳香族のヘテロ環);-C(O)-(C-C)-アルキル;-C(O)-(C-C)-フルオロアルキル;-C(O)O-(C-C)-フルオロアルキル;-C(O)-(CH-(C-C)-シクロアルキル;-C(O)-(CH-(C-C)-シクロアルキル;-C(O)-(CH-(C-C)-シクロフルオロアルキル;-C(O)-(CH-(C-C)-シクロフルオロアルキルを、独立して表し;
・Tは、同一又は異なり、-OH;-NH;-CONHを、独立して表し;
・Q及びQは、同一又は異なり、水素原子;-(CH-NHQ;-(CH-NH-C(NHQ)=NQ;-(CH-NH-CH=NQ;(CH-C(NHQ)=NQ;-(CH-OQ;-(CH-CONHQ;もしくは
非置換又は1もしくは複数のTにより置換された、(C-C)-アルキル;(C-C)-フルオロアルキル;飽和、部分的もしくは完全に不飽和又は芳香族の-(CH-(少なくとも1個の窒素原子を含む、4-、5-又は6-員のヘテロ環)を、独立して表すか;あるいは
、Q及びそれに結合された窒素原子は、一緒に非置換又は1もしくは複数のTにより置換された、1、2もしくは3個のヘテロ原子を含む飽和又は部分的不飽和の4-、5-又は6-員のヘテロ環を形成し;
・Q及びQは、同一又は異なり、水素原子又は(C-C)-アルキルを独立して表し;
・mは、同一又は異なり、0、1、2又は3を独立して表し;
・nは、同一又は異なり、1、2又は3を独立して表し;
・pは、同一又は異なり、2又は3を独立して表し;
・rは、(CHが炭素原子へ直接連結された場合に、1、2又は3であるか、そうでなければ2又は3であり;
・Xは、同一又は異なり、O;S;S(O);S(O)、又はN(Q)を独立して表し;ここで
・アルキル、シクロアルキル、フルオロアルキル、シクロフルオロアルキル及びヘテロ環から選択された基内に存在する任意の炭素原子は、酸化され、C=O基を形成することができ;
・ヘテロ環内に存在する任意の硫黄原子は、酸化され、S=O基又はS(O)基を形成することができ;
・ヘテロ環内に存在するか又は三置換され、従って第三級アミノ基を形成する基内に存在する任意の窒素原子は、メチル基により更に四級化されることができる);
並びに、そのラセミ化合物、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、幾何異性体又は医薬として許容し得る塩であり、
但し以下の化合物を除く、化合物:
【化2】
およびこれらに対応するスルホン酸化合物。
【請求項2】
式(I)の、請求項1記載の化合物:
【化3】
(式中、R及びRは、請求項1記載のものである)。
【請求項3】
が、1又は複数のTにより任意に置換された、少なくとも1個の窒素原子及び任意に1、2もしくは3個のN、OもしくはSの中で選択された他のヘテロ原子を含む、不飽和、部分的に飽和又は芳香族のヘテロ環を表し、該ヘテロ環は、窒素原子により該構造へ連結され、少なくとも1個の窒素原子は、四級化され得る、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項4】
が、同一又は異なり、フッ素原子;=O;-C(O)Q;-(CH-S(O)-NQ;-(CH-C(=NOQ)Q;-(CHOQ;-(CH-CN;-(CH-C(O)OQ;-(CH-C(O)NQ;-(CH-C(O)NQOQ;-(CH-NQC(O)Q;-(CH-NQを独立して表すか;又は
が、同一又は異なり、非置換の又は1もしくは複数のTにより置換された、-(CH-(4-、5-又は6-員の飽和、部分的もしくは完全に不飽和又は芳香族のヘテロ環);(C-C)-アルキル;又は、(C-C)-フルオロアルキルを独立して表す、請求項1~3のいずれか一項記載の化合物。
【請求項5】
が、以下の中で選択され:
【化4】
該環が、請求項1又は4記載の1又は複数のTにより任意に置換されている、請求項1~4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項6】
が、以下の中で選択され:
【化5】
該環が、請求項1又は4記載の1又は複数のTにより任意に置換されている、請求項1~4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項7】
が、-SOH又は-CFCOOHを表す、請求項1~6のいずれか一項記載の化合物。
【請求項8】
以下の中で選択される、請求項1~7のいずれか一項記載の化合物:
ナトリウム[7-オキソ-3-(2-オキソ-チアゾール-3-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム[7-オキソ-3-(トリアゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム[7-オキソ-3-(トリアゾール-2-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
リチウムジフルオロ-(7-オキソ-3-ピラゾール-1-イル-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イルオキシ)-アセテート、
ナトリウム[7-オキソ-3-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム[(5R)-7-オキソ-3-(トリアゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム[3-(4-カルバモイルピラゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム[3-(4-シアノピラゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム[7-オキソ-3-(4-メトキシピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
[3-[3-(2-アミノエチル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩、
ナトリウム[3-[3-(2-ヒドロキシエチルカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
トリエチルアンモニウム[3-[3-(ヒドロキシメチル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム[3-[3-[(2-アミノチアゾール-5-カルボニル)アミノ]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム(7-オキソ-3-(4-フルオロピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)スルフェート、
ナトリウム2,2,2-トリフルオロアセテート[3-(4-メチレンアンモニウムピラゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
2,2,2-トリフルオロアセテート[3-(4-メチレンアンモニウムピラゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム[7-オキソ-3-(4-スルファモイルピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム[3-(3-カルボニトリルピラゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム[7-オキソ-3-(3-フルオロピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム[3-(3-カルバモイルピラゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム[7-オキソ-3-[4-(N-モルホリン)-ピラゾール-1-イル)]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム[3-(4-アセトアミドピラゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム[7-オキソ-3-[4-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム(7-オキソ-3-(3-カルボキサミド-5-メチル-ピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)スルフェート、
ナトリウム2,2,2-トリフルオロアセテート[7-オキソ-3-[4-カルボキサミド,N-(2-アンモニウムエトキシ)-ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
2,2,2-トリフルオロアセテート[7-オキソ-3-[4-カルボキサミド,N-(2-アンモニウムエトキシ)-ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム[7-オキソ-3-[3-(チアゾール-2-イルカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム(7-オキソ-3-(3-カルボキサミド-4-フルオロ-ピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)スルフェート、
ナトリウム(7-オキソ-3-(3-(メトキシカルバモイル)-ピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)スルフェートおよびナトリウム(7-オキソ-3-(5-(メトキシカルバモイル)-ピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)スルフェート、
ナトリウム(7-オキソ-3-(3-アセチルピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)スルフェート、
(7-オキソ-3-(3-[(Z,E)-N-(2-アミノエトキシ)-C-メチル-カーボンイミドイル]-ピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)硫酸水素塩、
ナトリウム(7-オキソ-3-(3-カルボキサミド-5-フルオロ-ピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)スルフェート、
ナトリウム(7-オキソ-3-[3-(モルホリン-4-カルボニル)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)、
(7-オキソ-3-[3-(4-ピペリジルカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)硫酸水素塩、
トリエチルアンモニウム{[3-(N-アセトアミド)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル}スルフェート、
ナトリウム{7-オキソ-3-[3-(チアゾール-2-カルボニルアミノ)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル}スルフェート、
ナトリウム2,2,2-トリフルオロアセテート[7-オキソ-3-[3-(メチレン-2-アンモニウムチアゾール)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
2,2,2-トリフルオロアセテート[7-オキソ-3-[3-(メチレン-2-アンモニウムチアゾール)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム[7-オキソ-3-[3-(オキサゾール-2-イルカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
3[3-[4-(2-アミノエチルカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩、
ナトリウム[3-[4-[(Z,E)-N-ヒドロキシ-C-メチル-カーボンイミドイル]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム[3-(4-アセチルピラゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
[3-[4-(2-アミノエチル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩、
2,2,2-トリフルオロアセテート[7-オキソ-3-(4-ピペラジン-4-イウム-1-イルピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩、
ナトリウム[7-オキソ-3-(3,4,5-トリジューテリオピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム[7-オキソ-3-(テトラゾール-2-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム[3-[3-(2-アミノ-2-オキソ-エチル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
[3-[3-(2-アミノエトキシカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩、
ナトリウム[3-[3-(2-ヒドロキシエトキシカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム2,2,2-トリフルオロアセテート[3-[3-[2-(2-アンモニウムメチルアミノ)-2-オキソ-エチル]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
2,2,2-トリフルオロアセテート[3-[3-[2-(2-アンモニウムメチルアミノ)-2-オキソ-エチル]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム2,2,2-トリフルオロアセテート[3-[3-(アンモニウムメチル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
2,2,2-トリフルオロアセテート[3-[3-(アンモニウムメチル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム[3-[3-[(2-ヒドロキシアセチル)アミノ]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム[3-[3-(3-ヒドロキシプロパノイルアミノ)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム[3-[3-[(2-アミノ-2-オキソ-エトキシ)カルバモイル]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム[7-オキソ-3-(4-チアゾール-2-イルトリアゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム[3-(4-カルバモイルトリアゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム2,2,2-トリフルオロアセテート[3-[4-(アンモニウムメチル)トリアゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
2,2,2-トリフルオロアセテート[3-[4-(アンモニウムメチル)トリアゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム[3-[4-(ジメチルアミノ)メチルトリアゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
[3-[4-(メチルアミノメチル)トリアゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩、
ジナトリウム[[3-[4-(カルボキシメチル)トリアゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
[3-[4-(2-アミノエトキシカルバモイル)トリアゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩、
ナトリウム[3-[4-(ヒドロキシメチル)トリアゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ジナトリウム[3-[4-(プロパノエート)トリアゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
[3-(4-(2-(メチルアミノ)アセトアミド)トリアゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩、
[3-(4-(2-(メチルアミノ)エタノール)トリアゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩、
ナトリウム[3-[5-(2-ヒドロキシエチル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム[3-[3-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム[3-[2-(ヒドロキシメチル)イミダゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム[3-[4-(ヒドロキシメチル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
[3-[3-(2-モルホリノエチルカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩、
トリメチルアンモニウム[3-[2-(3-アミノ-3-オキソ-プロピル)イミダゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム[3-[4-(2-ヒドロキシエチルスルファモイル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム[3-[3-[(1S)-1,2-ジヒドロキシエチル]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
[3-[3-[チアゾール-5-カルボニル]アミノ]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩、
ナトリウム[3-(2-オキサゾリル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イルスルフェート、
[7-オキソ-3-[3-(1,2,4-チアジアゾール-5-イルカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩、
ナトリウム[7-オキソ-3-[3-(2-ピリジルカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
[7-オキソ-3-[3-[[(3S)-ピロリジン-3-イル]カルバモイル]ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩、
[7-オキソ-3-[3-[[(3R)-ピロリジン-3-イル]カルバモイル]ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩、
ナトリウム[7-オキソ-3-[3-(1,3,4-チアジアゾール-2-イルカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム[7-オキソ-3-[3-(ピラゾール-3-イルカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート。
【請求項9】
以下の中で選択される、請求項1~7のいずれか一項記載の化合物:
ナトリウム[7-オキソ-3-(トリアゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム[7-オキソ-3-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート。
【請求項10】
下記式:
【化6】
を有する化合物又は医薬として許容し得る塩である、請求項1記載の化合物。
【請求項11】
ナトリウム[7-オキソ-3-(トリアゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートである、請求項10記載の化合物。
【請求項12】
下記式:
【化7】
を有する化合物又は医薬として許容し得る塩である、請求項1記載の化合物。
【請求項13】
ナトリウム[(5R)-7-オキソ-3-(トリアゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートである、請求項12記載の化合物。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項記載の少なくとも1種の化合物及び医薬として許容し得る賦形剤を含有する、医薬組成物。
【請求項15】
抗菌化合物から選択される少なくとも1種の化合物を更に含有する、請求項14記載の医薬組成物。
【請求項16】
・請求項1~13のいずれか一項記載の単独の化合物;
・請求項1~13のいずれか一項記載の化合物及び1又は複数の抗菌化合物;
・請求項1~13のいずれか一項記載の化合物及び1又は複数のβ-ラクタム化合物;
・請求項1~13のいずれか一項記載の化合物、1又は複数の抗菌化合物及び1又は複数のβ-ラクタム化合物:を含有する、請求項14又は15のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項17】
・抗菌化合物が、アミノ配糖体、β-ラクタム、グリシルサイクリン、テトラサイクリン、キノロン、フルオロキノロン、糖ペプチド、リポペプチド、マクロライド、ケトライド、リンコサミド、ストレプトグラミン、オキサゾリジノン、ポリミキシン及びそれらの混合物から選択されるか;又は
・β-ラクタム化合物が、ペニシリン、セファロスポリン、ペネム、カルバペネム及びモノバクタムの中で選択されるβ-ラクタム及びそれらの混合物から選択される、請求項15又は16のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項18】
少なくとも請求項1~13のいずれか一項記載の化合物及びセフタジジムを含有する、医薬組成物。
【請求項19】
請求項14~16のいずれか一項記載の医薬組成物、及び請求項14~16のいずれか一項記載の少なくとも1種の第二の組成物を含む、キット。
【請求項20】
・少なくとも請求項1~13のいずれか一項記載の化合物を含有する、医薬組成物;及び
・セフタジジムを含有する医薬組成物:を含む、キット。
【請求項21】
-医薬品としてのその使用;あるいは
-細菌感染症の治療又は予防のためのその使用;あるいは
-抗菌薬及び/又はβ-ラクタマーゼインヒビターとしてのその使用;あるいは
-1又は複数のβ-ラクタマーゼを産生する細菌により引き起こされた細菌感染症の治療又は予防のためのその使用;あるいは
-グラム陽性菌又はグラム陰性菌により引き起こされた細菌感染症を治療又は予防するためのその使用:のための、請求項1~13のいずれか一項記載の化合物を含有する組成物又は請求項14~18のいずれか一項記載の組成物。
【請求項22】
それを必要とする患者への、その同時、個別又は逐次投与により細菌感染症を治療又は予防するための、請求項19又は20記載のキット。
【請求項23】
細菌感染症の治療又は予防における使用のための、請求項1~13のいずれか一項記載の化合物を含有する組成物又は請求項14~18のいずれか一項記載の組成物。
【請求項24】
細菌感染症が、尿路感染症(UTI)、腎感染症(腎盂腎炎)、婦人科及び産科感染症、気道感染症(RTI)、慢性気管支炎の急性増悪(AECB)、市中肺炎(CAP)、院内感染性肺炎(HAP)、人工呼吸器関連肺炎(VAP)、腹腔内感染性肺炎(IAI)、急性中耳炎、急性静脈洞炎、敗血症、カテーテル-関連敗血症、軟性下疳、クラミジア、皮膚感染症、又は菌血症の中で選択される、請求項23記載の使用のための組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複素環式化合物、それらの調製プロセス、細菌感染症の予防又は治療のための、任意に他の抗菌薬及び/又はベータ-ラクタム化合物との組み合わせた、これらの化合物を含有する医薬組成物及びそれらの使用に関する。本発明はまた、β-ラクタマーゼインヒビターとして及び/又は抗菌薬としての、これらの化合物の使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
株に対し既知の抗菌化合物が無効である細菌株に繋がり得る抗菌耐性の継続的な発達が存在することは説明されている。
【0003】
従って、細菌の抗生物質耐性を克服することができる有効な化合物及び組成物を提供することが必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、抗菌薬及び/又はベータ-ラクタマーゼインヒビターとして使用することができる複素環式化合物を提供することである。
本発明の目的はまた、細菌感染症を予防又は治療するために使用することができる複素環式化合物を提供することである。
本発明の別の目的は、細菌の抗生物質耐性を克服することができる複素環式化合物を提供することである。
本発明の目的はまた、細菌感染症の予防又は治療のために、及び細菌の抗生物質耐性を克服することができるように、かかる複素環式化合物を、任意に1又は複数の他の抗菌薬と組合せて含有する医薬組成物を提供することである。
他の目的は、本発明の説明を通じて明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って本発明は、式(I)の化合物:
【化1】
(式中:
・R1は、1又は複数のT1により任意に置換された、少なくとも1個の窒素原子を含む、飽和、部分的不飽和又は芳香族の5-員のヘテロ環を表し、該ヘテロ環は、窒素原子により該構造に連結され、窒素原子の少なくとも1個は、四級化されることができ;
・R2は、-SO3H、-CFHCOOH又は-CF2COOHを表し;
・T1は、同一又は異なり、フッ素原子;=O;-C(O)Q1;-(CH2)m-S(O)2-NQ1Q2;-(CH2)m-C(=NOQ1)Q3;-(X)-(CH2)p-S(O)2NQ1Q2;-C(O)-(CH2)n-S(O)2NQ1Q2;-(CH2)m-O-(CH2)p-O-(CH2)p-NQ1Q2;-(CH2)mOQ1;-(CH2)m-CN;-(CH2)m-OC(O)Q1;-(CH2)m-C(O)OQ1;-(CH2)m-OC(O)OQ1;-(CH2)m-OC(O)NQ1Q2;-(CH2)m-C(O)NQ1Q2;-(CH2)m-C(O)ONQ1Q2;-(CH2)m-C(O)NQ1OQ2;-(CH2)m-C(O)NQ1-NQ1Q2;-(CH2)m-NQ1C(O)Q2;-(CH2)m-NQ1S(O)2NQ1Q2;-(CH2)m-NQ1S(O)2Q2;-(CH2)m-NQ1C(O)OQ2;-(CH2)m-NQ1C(O)NQ1Q2;-(CH2)m-NQ1Q2;-(CH2)m-NH-C(NHQ3)=NQ4;-(CH2)m-NH-CH=NQ3;-(CH2)m-C(NHQ3)=NQ4;-(X)-(CH2)pOQ1;-(X)-(CH2)n-CN;-(X)-(CH2)p-OC(O)Q1;-(X)-(CH2)n-C(O)OQ1;-(X)-(CH2)p-OC(O)OQ1;-(X)-(CH2)P-OC(O)NQ1Q2;-(X)-(CH2)n-C(O)NQ1Q2;-(X)-(CH2)n-C(O)ONQ1Q2;-(X)-(CH2)n-C(O)NQ1OQ2;-(X)-(CH2)n-C(O)NQ1-NQ1Q2;-(X)-(CH2)p-NQ1C(O)Q2;-(X)-(CH2)P-NQ1S(O)2NQ1Q2;-(X)-(CH2)p-NQ1S(O)2Q2;-(X)-(CH2)p-NQ1C(O)OQ2;-(X)-(CH2)P-NQ1C(O)NQ1Q2;-(X)-(CH2)P-NQ1Q2;-(X)-(CH2)P-NH-C(NHQ3)=NQ4;-(X)-(CH2)P-NH-CH=NQ3;-(X)-(CH2)n-C(NHQ3)=NQ4;-C(O)-(CH2)nOQ1;-C(O)-(CH2)n-CN;-C(O)-(CH2)n-OC(O)Q1;-C(O)-(CH2)n-C(O)OQ1;-C(O)-(CH2)n-OC(O)OQ1;-C(O)-(CH2)n-OC(O)NQ1Q2;-C(O)-(CH2)n-C(O)NQ1Q2;-C(O)-(CH2)n-C(O)ONQ1Q2;-C(O)-(CH2)n-C(O)NQ1OQ2;-C(O)-(CH2)n-C(O)NQ1-NQ1Q2;-C(O)-(CH2)n-NQ1C(O)Q2;-C(O)-(CH2)n-NQ1S(O)2NQ1Q2;-C(O)-(CH2)n-NQ1S(O)2Q2;-C(O)-(CH2)n-NQ1C(O)OQ2;-C(O)-(CH2)n-NQ1C(O)NQ1Q2;-C(O)-(CH2)n-NQ1Q2;-C(O)-(CH2)n-NH-C(NHQ3)=NQ4;-C(O)-(CH2)n-NH-CH=NQ3;-C(O)-(CH2)n-C(NHQ3)=NQ4を、独立して表すか、あるいは
T1は、同一又は異なり、非置換もしくは1又は複数のT2により置換された、-(CH2)m-(4-、5-又は6-員の飽和、部分的もしくは完全に不飽和又は芳香族のヘテロ環);-(X)-(CH2)m-(4-、5-又は6-員の飽和、部分的もしくは完全に不飽和又は芳香族のヘテロ環);(C1-C3)-アルキル;(C1-C3)-フルオロアルキル;-(X)-(C1-C3)-アルキル;-(X)-(C1-C3)-フルオロアルキル;-(CH2)m-(C3-C6)-シクロアルキル;-(X)-(CH2)m-(C3-C6)-シクロアルキル;-(CH2)m-(C3-C6)-シクロフルオロアルキル;-(X)-(CH2)m-(C3-C6)-シクロフルオロアルキル;-C(O)-(CH2)m-(4-、5-又は6-員の飽和、部分的もしくは完全に不飽和又は芳香族のヘテロ環);-C(O)-(C1-C3)-アルキル;-C(O)-(C1-C3)-フルオロアルキル;-C(O)O-(C1-C3)-フルオロアルキル;-C(O)-(CH2)m-(C3-C6)-シクロアルキル;-C(O)-(CH2)m-(C3-C6)-シクロアルキル;-C(O)-(CH2)m-(C3-C6)-シクロフルオロアルキル;-C(O)-(CH2)m-(C3-C6)-シクロフルオロアルキルを独立して表し;
・T2は、同一又は異なり、-OH;-NH2;-CONH2を、独立して表し;
・Q1及びQ2は、同一又は異なり、水素原子;-(CH2)r-NHQ3;-(CH2)r-NH-C(NHQ3)=NQ4;-(CH2)r-NH-CH=NQ3;(CH2)n-C(NHQ3)=NQ4;-(CH2)r-OQ3;-(CH2)n-CONHQ3;もしくは
非置換又は1もしくは複数のT2により置換された、(C1-C3)-アルキル;(C1-C3)-フルオロアルキル;飽和、部分的もしくは完全に不飽和又は芳香族の-(CH2)m-(少なくとも1個の窒素原子を含む、4-、5-又は6-員のヘテロ環)を、独立して表すか;あるいは
Q1、Q2及びそれに結合された窒素原子は、一緒に非置換又は1もしくは複数のT2により置換された、1、2もしくは3個のヘテロ原子を含む飽和又は部分的不飽和の4-、5-又は6-員のヘテロ環を形成し;
・Q3及びQ4は、同一又は異なり、水素原子又は(C1-C3)-アルキルを独立して表し;
・mは、同一又は異なり、0、1、2又は3を独立して表し;
・nは、同一又は異なり、1、2又は3を独立して表し;
・pは、同一又は異なり、2又は3を独立して表し;
・rは、(CH2)rが炭素原子へ直接連結された場合に、1、2又は3であるか、そうでなければ2又は3であり、好ましくはrは、2又は3であり;
・Xは、同一又は異なり、O;S;S(O);S(O)2、又はN(Q3)を独立して表し;ここで
・アルキル、シクロアルキル、フルオロアルキル、シクロフルオロアルキル及びヘテロ環から選択された基内に存在する任意の炭素原子は、酸化され、C=O基を形成することができ;
・ヘテロ環内に存在する任意の硫黄原子は、酸化され、S=O基又はS(O)2基を形成することができ;
・ヘテロ環内に存在するか又は三置換され、従って第三級アミノ基を形成する基内に存在する任意の窒素原子は、メチル基により更に四級化されることができる);
並びに、そのラセミ化合物、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、幾何異性体又は医薬として許容し得る塩であり、
但し以下の化合物を除く、化合物:
【化2】
【0006】
一実施態様において、本発明は、以下の化合物を除く、先に定義したような式(I)の化合物に関する:
【化3】
【0007】
好ましくは、本発明は、下記化合物を除く、式(I)の化合物:
【化4】
並びに、そのラセミ化合物、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、幾何異性体又は医薬として許容し得る塩に関する。
【0008】
一実施態様において、本発明は、以下の化合物を除く、式(I)の化合物:
【化5】
並びに、そのラセミ化合物、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、幾何異性体又は医薬として許容し得る塩に関する。
【0009】
本発明はまた、式(I*)の化合物:
【化6】
(式中、R1及びR2は、式(I)の化合物について定義したものである)に関する。
【0010】
好ましくは、式(I)又は(I*)の化合物において、R1は、1又は複数のT1により任意に置換された、少なくとも1個の窒素原子及び任意に1、2もしくは3個の、好ましくは1もしくは2個のN、OもしくはSの中で選択された他のヘテロ原子を含む、不飽和、部分的に飽和又は芳香族のヘテロ環を表し、該ヘテロ環は、窒素原子により該構造へ連結され、少なくとも1個の窒素原子は、四級化され得る。
【0011】
好ましくは、式(I)又は(I*)の化合物において、T1は、=O、フッ素原子、-(CH2)m-NQ1Q2;-CN;-(CH2)m-C(0)NQ1Q2;-(CH2)m-OQ1;-(CH2)m-COOQ1;-(CH2)m-C(O)NQ1NQ1Q2;-(CH2)m-NQ1NQ1Q2;-(CH2)m-O-(CH2)p-O-(CH2)p-NQ1Q2;-(CH2)m-NQ1S(O)2Q2;非置換のもしくは1又は複数のT2により置換された、-(CH2)m-(4-、5-又は6-員の飽和、部分的もしくは完全に不飽和又は芳香族のヘテロ環)、-(X)-(CH2)m-(4-、5-又は6-員の飽和、部分的もしくは完全に不飽和又は芳香族のヘテロ環);(C1-C3)-フルオロアルキル;-(CH2)m-C(NOQ1)Q3;-(CH2)m-C(O)NQ1OQ2を表し、ここでQ1、Q2、Q3、m及びnは、先に定義したようなものである。
【0012】
好ましくは、式(I)又は(I*)の化合物において、T1は、=O、フッ素原子、-(CH2)m-NH2、-CN、-(CH2)m-C(O)NH2、-(CH2)m-COOH、-O-(CH2)2NH2、-C(O)NHNHC(O)Het、-NHCONH2、-(CH2)2-O-(CH2)2-O(CH2)2NH2、-NH-S(O2)-NH2、-Het、C(O)CH3、-C(=NOH)CH3、-CF3、-CONHO(CH2)2NH2、-OHet、-CH2-Hetを表し、ここでHetは、4、5もしくは6員及びN、OもしくはSの中で選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む、飽和、部分的不飽和又は芳香族の、ヘテロ環であり、ここでmは、先に定義したようなものである。
【0013】
好ましくは、式(I)又は(I*)の化合物において、T1は、フッ素原子;=O;-C(O)Q1;-(CH2)m-S(O)2-NQ1Q2;-(CH2)m-C(=NOQ1)Q3;-(CH2)mOQ1;-(CH2)m-CN;-(CH2)m-C(O)OQ1;-(CH2)m-C(O)NQ1Q2;-(CH2)m-C(O)NQ1OQ2;-(CH2)m-NQ1C(O)Q2;-(CH2)m-NQ1Q2を表すか;又は
T1が、同一又は異なり、非置換の又は1もしくは複数のT2により置換された、-(CH2)m-(4-、5-又は6-員の飽和、部分的もしくは完全に不飽和又は芳香族のヘテロ環);(C1-C3)-アルキル;(C1-C3)-フルオロアルキルを独立して表す。
【0014】
好ましくは、R1は非置換であるか、又はR1が芳香族ヘテロ環でない場合、T1は、=Oであることができる。
【0015】
一実施態様において、R1が芳香族ヘテロ環でない場合、これは、下記式を有する:
【化7】
【0016】
一実施態様において、R1は、1又は複数のT1により任意に置換された、少なくとも1個の窒素原子を含む、5-員の芳香族ヘテロ環を表し、該ヘテロ環は、窒素原子、又は2-オキソ-チアゾール-3-イルにより、該構造に連結され、ここで窒素原子の少なくとも1個は、四級化されることができる。
【0017】
好ましくは、式(I)又は(I*)の化合物において、R1は、下記の中で選択され:
【化8】
該環は、先に定義したように1又は複数のT1により任意に置換され、好ましくはT1は存在しない。
【0018】
一実施態様において、式(I)又は(I*)の化合物において、R1は、下記の中で選択され:
【化9】
該環は、先に定義したように1又は複数のT1により任意に置換され、好ましくはT1は存在しない。
【0019】
好ましくは、式(I)又は(I*)の化合物において、R1は、下記の中で選択され:
【化10】
該環は、先に定義したように1又は複数のT1により任意に置換され、好ましくはこれには置換基は存在しない。
【0020】
一実施態様において、式(I)又は(I*)の化合物において、R1は、下記の中で選択され:
【化11】
該環は、先に定義したように1又は複数のT1により任意に置換され、好ましくはこれには置換基T1は存在しない。
【0021】
好ましくは、式(I)又は(I*)の化合物において、R2は、-SO3H又は-CF2COOHを表す。一実施態様において、R2は、-SO3H、又はその医薬として許容し得る塩の一種である。
【0022】
R1及びR2の好ましいものは全て、本発明の実施態様をもたらすために組合せることができる。
【0023】
一実施態様において、Q1及びQ2は、同一又は異なり、水素原子;-(CH2)r-NHQ3;-(CH2)r-OQ3;-(CH2)n-CONHQ3;又は
非置換もしくは1又は複数のT2により置換された(C1-C3)-アルキル;-(CH2)m-(少なくとも1個の窒素原子を含む、飽和、部分的もしくは完全に不飽和又は芳香族の、4-、5-又は6-員のヘテロ環)を独立して表すか;又は
Q1、Q2、及びそれらが結合した窒素原子は、一緒に、1、2又は3個のヘテロ原子を含む、非置換もしくは1又は複数のT2により置換された、飽和又は部分的不飽和の4-、5-又は6-員のヘテロ環を形成する。
【0024】
好ましくは、式(I)又は(I*)の化合物は、以下の中で選択される:
ナトリウム[7-オキソ-3-(2-オキソ-チアゾール-3-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム[7-オキソ-3-(トリアゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム[7-オキソ-3-(トリアゾール-2-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
リチウムジフルオロ-(7-オキソ-3-ピラゾール-1-イル-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イルオキシ)-アセテート、
ナトリウム[7-オキソ-3-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート、
ナトリウム[(5R)-7-オキソ-3-(トリアゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート。
【0025】
一実施態様において、式(I)又は(I*)の化合物は、以下の中で選択される:
ナトリウム[3-(4-カルバモイルピラゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(7)、
ナトリウム[3-(4-シアノピラゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(8)、
ナトリウム[7-オキソ-3-(4-メトキシピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(9)、
[3-[3-(2-アミノエチル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩(10)、
ナトリウム[3-[3-(2-ヒドロキシエチルカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(11)、
トリエチルアンモニウム[3-[3-(ヒドロキシメチル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(12)、
ナトリウム[3-[3-[(2-アミノチアゾール-5-カルボニル)アミノ]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(13)、
ナトリウム(7-オキソ-3-(4-フルオロピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)スルフェート(14)、
ナトリウム及び2,2,2-トリフルオロアセテート[3-(4-メチレンアンモニウムピラゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(15)、
ナトリウム[7-オキソ-3-(4-スルファモイルピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(16)、
ナトリウム[3-(3-カルボニトリルピラゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(17)、
ナトリウム[7-オキソ-3-(3-フルオロピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(18)、
ナトリウム[3-(3-カルバモイルピラゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(19)、
ナトリウム[7-オキソ-3-[4-(N-モルホリン)-ピラゾール-1-イル)]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(20)、
ナトリウム[3-(4-アセトアミドピラゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(21)、
ナトリウム[7-オキソ-3-[4-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(22)、
ナトリウム(7-オキソ-3-(3-カルボキサミド-5-メチル-ピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)スルフェート(23)、
ナトリウム及び2,2,2-トリフルオロアセテート[7-オキソ-3-[4-カルボキサミド,N-(2-アンモニウムエトキシ)-ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(24)、
ナトリウム[7-オキソ-3-[3-(チアゾール-2-イルカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(25)、
ナトリウム(7-オキソ-3-(3-カルボキサミド-4-フルオロ-ピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)スルフェート(26)、
ナトリウム(7-オキソ-3-(3-(メトキシカルバモイル)-ピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)スルフェート(27-1)、
ナトリウム(7-オキソ-3-(5-(メトキシカルバモイル)-ピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)スルフェート(27-2)、
ナトリウム(7-オキソ-3-(3-アセチルピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)スルフェート(28)、
(7-オキソ-3-(3-[(Z,E)-N-(2-アミノエトキシ)-C-メチル-カーボンイミドイル]-ピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)硫酸水素塩(29)、
ナトリウム(7-オキソ-3-(3-カルボキサミド-5-フルオロ-ピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)スルフェート(30)、
ナトリウム(7-オキソ-3-[3-(モルホリン-4-カルボニル)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)(31)、
(7-オキソ-3-[3-(4-ピペリジルカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)硫酸水素塩(32)、
トリエチルアンモニウム{[3-(N-アセトアミド)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル}スルフェート(33)、
ナトリウム{7-オキソ-3-[3-(チアゾール-2-カルボニルアミノ)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル}スルフェート(34)、
ナトリウム[7-オキソ-3-[3-(メチレン-2-アンモニウムチアゾール)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(35-1)、
2,2,2-トリフルオロアセテート[7-オキソ-3-[3-(メチレン-2-アンモニウムチアゾール)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(35-2)、
ナトリウム[7-オキソ-3-[3-(オキサゾール-2-イルカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(37)、
3[3-[4-(2-アミノエチルカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩(38)、
ナトリウム[3-[4-[(Z,E)-N-ヒドロキシ-C-メチル-カーボンイミドイル]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(39)、
ナトリウム[3-(4-アセチルピラゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(40)、
[3-[4-(2-アミノエチル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩(41)、
2,2,2-トリフルオロアセテート[7-オキソ-3-(4-ピペラジン-4-イウム-1-イルピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩(42)、
ナトリウム[7-オキソ-3-(3,4,5-トリジューテリオピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(43)、
ナトリウム[7-オキソ-3-(テトラゾール-2-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(44)、
ナトリウム[3-[3-(2-アミノ-2-オキソ-エチル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(45)、
[3-[3-(2-アミノエトキシカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩(46)、
ナトリウム[3-[3-(2-ヒドロキシエトキシカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(47)、
ナトリウム[3-[3-[2-(2-アンモニウムメチルアミノ)-2-オキソ-エチル]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(48-1)、
2,2,2-トリフルオロアセテート[3-[3-[2-(2-アンモニウムメチルアミノ)-2-オキソ-エチル]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(48-2)、
ナトリウム[3-[3-(アンモニウムメチル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(49-1)、
2,2,2-トリフルオロアセテート[3-[3-(アンモニウムメチル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(49-2)、
ナトリウム[3-[3-[(2-ヒドロキシアセチル)アミノ]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(50)、
ナトリウム[3-[3-(3-ヒドロキシプロパノイルアミノ)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(51)、
ナトリウム[3-[3-[(2-アミノ-2-オキソ-エトキシ)カルバモイル]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(52)、
ナトリウム[7-オキソ-3-(4-チアゾール-2-イルトリアゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(55)、
ナトリウム[3-(4-カルバモイルトリアゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(56)、
ナトリウム[3-[4-(アンモニウムメチル)トリアゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(57-1)、
2,2,2-トリフルオロアセテート[3-[4-(アンモニウムメチル)トリアゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(57-2)、
ナトリウム[3-[4-(ジメチルアミノ)メチルトリアゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(59)、
[3-[4-(メチルアミノメチル)トリアゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩(60)、
ジナトリウム[[3-[4-(カルボキシメチル)トリアゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(61)、
[3-[4-(2-アミノエトキシカルバモイル)トリアゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩(63)、
ナトリウム[3-[4-(ヒドロキシメチル)トリアゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(64)、
ジナトリウム[3-[4-(プロパノエート)トリアゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(65)、
[3-(4-(2-(メチルアミノ)アセトアミド)トリアゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩(66)、
[3-(4-(2-(メチルアミノ)エタノール)トリアゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩(67)、
ナトリウム[3-[5-(2-ヒドロキシエチル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(68)、
ナトリウム[3-[3-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(69)、
ナトリウム[3-[2-(ヒドロキシメチル)イミダゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(70)、
ナトリウム[3-[4-(ヒドロキシメチル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(71)、
[3-[3-(2-モルホリノエチルカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩(72)、
トリメチルアンモニウム[3-[2-(3-アミノ-3-オキソ-プロピル)イミダゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(73)、
ナトリウム[3-[4-(2-ヒドロキシエチルスルファモイル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(74)、
ナトリウム[3-[3-[(1S)-1,2-ジヒドロキシエチル]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(76)、
[3-[3-[チアゾール-5-カルボニル]アミノ]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩(77)、
ナトリウム[3-(2-オキサゾリル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イルスルフェート(78)、
[7-オキソ-3-[3-(1,2,4-チアジアゾール-5-イルカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩(79)、
ナトリウム[7-オキソ-3-[3-(2-ピリジルカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(80)、
[7-オキソ-3-[3-[[(3S)-ピロリジン-3-イル]カルバモイル]ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩(82)、
[7-オキソ-3-[3-[[(3R)-ピロリジン-3-イル]カルバモイル]ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩(83)、
ナトリウム[7-オキソ-3-[3-(1,3,4-チアジアゾール-2-イルカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(84)、
ナトリウム[7-オキソ-3-[3-(ピラゾール-3-イルカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(85)。
【0026】
本明細書において使用される用語「アルキル」とは、別に特定しない限りは、鎖内に1~3個の炭素原子を有する、線状又は分岐してよい、脂肪族-炭化水素基を指す。好ましいアルキル基は、鎖内に1又は2個の炭素原子を有する。アルキル基の具体例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルを含むが、これらに限定されるものではない。好ましくは、アルキル基は、メチル又はエチルである。
【0027】
本明細書において使用される用語「フルオロアルキル」は、少なくとも1個のフッ素原子により置換されたアルキル基を指す。用語「アルキル」は、先に定義したようなものである。フルオロアルキル基の具体例は、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチルを含むが、これらに限定されるものではない。
【0028】
用語「シクロアルキル」は、3~6個の炭素原子、好ましくは3~4個の炭素原子の、飽和された単環式又は二環式の非-芳香族炭化水素環を指し、これは、1又は複数の不飽和を含むことができる。単環式シクロアルキル基の具体例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルを含む。好ましくは、シクロアルキル基は、シクロプロピル又はシクロブチルである。
【0029】
用語「シクロフルオロアルキル」は、少なくとも1個のフッ素原子により置換されたシクロアルキル基を指す。用語「シクロアルキル」は、先に定義したようなものである。シクロフルオロアルキル基の具体例は、シクロフルオロプロピル、シクロジフルオロプロピル、シクロフルオロブチル、シクロジフルオロブチルを含む。
【0030】
本明細書において使用され且つ具体的に言及される反対の定義がない限りは、用語「ヘテロ環」は、単独で又は別のラジカルと組合せてのいずれかで、N、O、S、S(O)又はS(O)2などの少なくとも1個のヘテロ原子を含む、単環の飽和、部分的もしくは完全に不飽和又は芳香族の炭化水素ラジカルを指し、好ましくは4-~10-員の炭化水素ラジカルを指す。好ましくは、ヘテロ環は、少なくとも1個の窒素原子及びN、O、S、S(O)又はS(O)2などの、少なくとも1個の更なるヘテロ原子を含む、単環の飽和、部分的もしくは完全に不飽和又は芳香族の炭化水素ラジカル、好ましくは4-~6-員の炭化水素ラジカルを指す。ヘテロ環の炭素原子はまた、酸化され、C(O)基を形成することができる。好適なヘテロ環はまた、「Handbook of Chemistry and Physics」第76版、CRC Press社、1995-1996、2-25~2-26頁においても明らかにされている。ヘテロ環基の例は、アゼチジニル、オキセタニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、オキサジアゾリル、ピロリル、ピロリジニル、ピリジル、テトラヒドロピリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピラゾリル、ピリミジニル、ピラジニル、テトラゾリル、イミダゾリル、チエニル、チアゾリル、フラニル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、2-ピロジノニル、イミダゾール-2,4-ジオン、1,2,4-オキサジアゾール-5-オン、1,5-ジヒドロピロリル-2-オン、ピラジノン、ピリダジノン、ピリドン、ピリミドン、ジオキサニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラニル、テトラヒドロフラニル、ジオキソラニル、テトラヒドロピラニルを含むが、これらに限定されるものではない。好ましくは、ヘテロ環は、N、O又はSの中で選択される1~4個のヘテロ原子、好ましくは1、2又は3個のヘテロ原子を含む。
【0031】
更に一部の本発明の化合物は、塩基性アミノ基を含んでよく、従って酸性基-OSO3H、-OCFHCO2H又は-OCF2CO2Hと共に、分子内双性イオン性塩(又は両性イオン)を形成してよく、かかる分子内双性イオン性塩もまた、本発明に含まれる。
【0032】
表現「任意に置換された」とは、「更に定義された化学基により非置換の又は置換された」又は「更に定義された非置換の又は置換された化学基」を意味する。
【0033】
用語「ラセミ化合物」は、等量である2種の特定のエナンチオマーを指すように、本明細書において利用される。
【0034】
用語「エナンチオマー」は、互いに重ねることができない鏡像であるが、反転により互いに関連している、2種の特定の立体異性体の一方を指すように本明細書において利用される。
【0035】
本発明の化合物はまた、1又は複数の不斉炭素原子を含んでよく、従って、光学異性体の形で、並びにそれらのラセミ又はそれらの非ラセミ混合物の形で存在してよい。本発明の化合物は、単独の異性体として、又は立体化学的異性体型の混合物として利用することができる。ジアステレオ異性体、すなわち、重ねることができない立体化学的異性体は、クロマトグラフィー、蒸留、結晶化又は昇華などの、従来の手段により分離することができる。光学異性体(エナンチオマー)は、光学活性のある出発材料を使用することにより、従来のプロセスに従うラセミ混合物の分割により、例えば光学活性のある酸又は塩基による処理によるジアステレオ異性体塩の形成により、あるいはキラルクロマトグラフィーカラムの使用により得ることができる。
【0036】
本明細書において使用される表現「医薬として許容し得る塩」は、親化合物が、それらの酸性塩又は塩基性塩を作製することにより修飾されている、明らかにされた化合物の誘導体を指す。医薬として許容し得る塩の例は、アミンなどの塩基性残基の無機酸又は有機酸の塩;カルボン酸又はアミノヒドロキシル-O-スルホン酸などの酸性残基のアルカリ塩又は有機塩;及び同類のものを含むが、これらに限定されるものではない。本発明の医薬として許容し得る塩は、従来の化学方法により、塩基性部分又は酸性部分を含む親化合物から合成することができる。更に表現「医薬として許容し得る塩」は、本発明の化合物の比較的無毒の、無機及び有機の酸又は塩基の付加塩を指す。これらの塩は、化合物の最終の単離及び精製時に、現場で調製することができる。特に酸付加塩は、有機酸又は無機酸と、その精製された形状で精製された化合物を、個別に反応させ、且つこうして形成された塩を単離することにより、調製することができる。中でも酸付加塩の例は、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、スルファミン酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、シュウ酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、ホウ酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、ナフチル酸塩、メシル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グルクロン酸塩、グルタミン酸塩、ラクトビオン酸塩、マロン酸塩、サリチル酸塩、メチレンビス-b-ヒドロキシナフトエ酸塩、ゲンチジン酸塩、イセチオン酸塩、ジ-p-トルオイル酒石酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、シクロヘキシルスルファミン酸塩、キナ酸塩、ラウリルスルホン酸塩、及び同類のものがある。塩基付加塩の例は、トロメタミン、メグルミン、エポラミンなどのアンモニウム塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N-メチル-D-グルカミンなどの有機塩基との、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、亜鉛又はマグネシウムの塩などの金属塩を含む。好適な塩基の一覧は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、第17版、Mack Publishing Company、Easton、PA、1985、p.1418;P.H. Stahl、C.G. Wermuthの「Handbook of Pharmaceutical salts - Properties, Selection and Use」、Wiley-VCH、2002;及び、S.M. Bergeらの「Pharmaceutical Salts」、J. Pharm. Sci、66:p.1-19(1977)において認めることができる。
【0037】
本発明の化合物はまた、その中の1又は複数の原子が、同じ原子番号を有するが、原子質量又は質量数が天然に通常認められる原子質量又は質量数とは異なる原子により、置き換えられている、同位体標識された化合物も含む。先に説明された化合物内に含まれるのに適している同位体の例は、非限定的に、2H、3H、11C、13C、14C、18F、19F、13N、15N、33S、34S、35S、36S、17O、又は18Oを含む。同位体標識された化合物は、薬物及び/又は基質の組織分布の研究において有用である。重水素(2H)などの比較的重い同位体との置換は、より大きい代謝安定性(例えば、増大したインビボ半減期又は減少した必要用量)をもたらす。同位体標識された化合物は、任意の好適な方法により、又はそうでなければ利用される非標識の試薬の代わりに適切な同位体標識された試薬を使用するプロセスにより、調製される。
【0038】
本発明は、抗菌特性を有する化合物及び/又はβ-ラクタマーゼインヒビターとして作用する化合物を提供する。
【0039】
本発明はまた、本発明の化合物の調製のプロセスを提供する。
【化12-1】
【化12-2】
【化12-3】
【0040】
本発明はまた、R1、R2が様々な置換基を表している、本発明の化合物の調製に関して、本明細書に提供される実験部分のスキームにおいて説明される特定のプロセスも提供する。これらのプロセスはまた、本発明の更なる化合物を調製するために適合させることができる。本発明の化合物の調製のための更なるプロセスは、これらのプロセスから誘導することができる。
【0041】
本発明はまた、下記式の化合物にも関する:
【化13】
(式中:
R1は、式(I)又は(I*)の化合物について定義されたものであり、
Yは、ハロゲン、-B(OR)2又はSnR3であり、ここでRは、アルキルであるか、又はORは、Bと一緒に連結され、例えば5員を含む環を形成し;並びに
PGは、例えば、アリル、ベンジル、tertブチルジメチルシリル(TBDMS)、tert-ブトキシカルボニル(Boc)の中で選択される保護基である)。これらの化合物は、本発明の式(I)、(I*)の化合物の調製のための特別な中間体化合物である。
【0042】
本発明はまた、細菌の制御における本発明の化合物の使用を提供する。本発明の化合物は次に、少なくとも1種の医薬として許容し得る賦形剤と組合せて、通常使用される。
【0043】
表現「医薬として許容し得る」は、堅実な医学的判断の範囲内で、妥当なベネフィット/リスク比にふさわしい、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、又は他の問題点もしくは合併症を伴わずに、ヒト及び動物の組織との接触における使用に適している、それらの化合物、物質、組成物、及び/又は剤形を指すように、本明細書において利用される。
【0044】
本発明はまた、医薬として許容し得る賦形剤との混合物中に、少なくとも1種の本発明の化合物を含有する、組成物、好ましくは医薬組成物を提供する。従って本発明の組成物は、医薬として許容し得る賦形剤との混合物中に、式(I)、(I*)の化合物から選択された少なくとも1種の化合物を含有してよい。
【0045】
本発明の組成物は更に、少なくとも1又は複数の抗菌薬を含有することができ、好ましくは少なくとも1種のこれらの抗菌薬は、ベータ-ラクタムである。
【0046】
用語「ベータ-ラクタム」又は「β-ラクタム」は、β-ラクタム単位、すなわちβ-ラクタム化学基又は部分を含有する抗菌化合物を指す。
【0047】
用語「医薬として許容し得る担体」又は「医薬として許容し得る賦形剤」は、ヒト又は動物において、二次反応、例えばアレルギー反応を生じない、保存剤又は抗酸化剤、充填剤、結合剤、崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤、等張剤及び吸収遅延剤などの、任意の賦形剤、溶媒、分散媒体、吸収遅延剤、希釈剤又はアジュバントなどについて利用される。典型的には、賦形剤の非限定的例は、マンニトール、乳糖、ステアリン酸マグネシウム、サッカライドナトリウム、滑石粉、セルロース、クロスカルメロースナトリウム、グルコース、ゼラチン、デンプン、乳糖、リン酸二カルシウム、ショ糖、カオリン、炭酸マグネシウム、湿潤剤、乳化剤、可溶化剤、滅菌水、食塩水、pH緩衝液、非イオン性界面活性剤、滑沢剤、安定化剤、結合剤、及びピーナッツ油、ゴマ油などの食用油である。加えて、当該技術分野において通常使用される様々な賦形剤を、含んでよい。医薬として許容し得る担体又は賦形剤は、当業者に周知であり、且つ「Remington’s Pharmaceutical Sciences」(Mack Publishing Company、Easton、USA, 1985)、「Merck Index」(Merck & Company, Rahway, N.J.)、Gilmanらの編集した「The pharmacological basis of therapeutics」、第8版、Pergamon press.、1990において説明されたものを含む。常用の媒体又はアジュバントが本発明の活性成分と適合できない場合を除いて、治療的組成物におけるその使用が、企図されている。
【0048】
本明細書において使用される表現「抗菌薬」は、細菌の成長を阻害、減少もしくは予防すること、細菌が対象において感染症を生じる能力を阻害もしくは減少すること、又は環境において増殖するかもしくは感染力を維持する細菌の能力を阻害もしくは減少すること、あるいは細菌の感染力もしくはビルレンスを減少することが可能である、任意の物質、化合物又はそれらの組合せを指す。
【0049】
抗菌薬は、以下のファミリーの中で選択することができる:単独で又は混合物において、アミノ配糖体、ベータ-ラクタム、グリシルサイクリン、テトラサイクリン、キノロン、フルオロキノロン、糖ペプチド、リポペプチド、マクロライド、ケトライド、リンコサミド、ストレプトグラミン、オキサゾリジノン及びポリミキシン。好ましくは、更なる抗菌薬は、ベータ-ラクタムファミリーの中で、より好ましくは、単独で又は混合物において、ペニシリン、セファロスポリン、ペネム、カルバペネム及びモノバクタムの中で選択される。
【0050】
ペニシリンの中で、抗菌薬は好ましくは、単独で又は混合物において、アモキシシリン、アンピシリン、アズロシリン、メゾシリン、アパラシリン、ヘタシリン、バカンピシリン、カルベニシリン、スルベニシリン、テモシリン、チカルシリン、ピベラシリン、メシリナム、ピブメシリナム、メチシリン、シクラシリン、タランピシリン、アスポキシシリン、オキサシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、ナフシリン、及びピバンピシリンからなる群から選択される。
セファロスポリンの中で、抗菌薬は好ましくは、単独で又は混合物において、セファトリアジン、セファゾリン、セフォキシチン、セファレキシン、セフラジン、セフチゾキシム、セファセトリル、セフブペラゾン、セフプロジル、セフトビプロール、セフトビプロールメドカリル、セフタロリン、セフタロリンフォサミル、セファロニウム、セフミノクス、セフォラニド、セフォテタン、セフチブテン、セフカペンピボキシル、セフジトレンピボキシル、セフダロキシム、セフロキサジン、セフトロザン及びS-649266、セファロチン、セファロリジン、セファクロール、セファドロキシル、セファマンドール、セファゾリン、セファレキシン、セフラジン、セフチゾキシム、セファセトリル、セフォチアム、セフォタキシム、セフスロジン、セフォペラゾン、セフメノキシム、セフメタゾール、セファログリシン、セフォニシド、セフォジジム、セフピロム、セフタジジム、セフトリアキソン、セフピラミド、セフブペラゾン、セフォゾプラン、セフェピム、セフォセリス、セフルプレナム、セフゾナム、セフピミゾール、セフクリジン、セフィキシム、セフチブテン、セフジニル、セフポドキシムアキセチル、セフポドキシムプロキセチル、セフテラムピボキシル、セフェタメトピボキシル、セフカペンピボキシル、セフジトレンピボキシル、セフロキシム、セフロキシムアキセチル、ロラカルベフ、及びラタモキセフからなる群から選択される。
カルバペネムの中で、抗菌薬は好ましくは、単独で又は混合物において、イミペネム、ドリペネム、メロペネム、ビアペネム、エルタペネム及びパニペネムからなる群から選択される。
モノバクタムの中で、抗菌薬は好ましくは、単独で又は混合物において、アズトレオナム、チゲモナム(tigemonam)、カルモナム、BAL30072及びノカルジシンAからなる群から選択される。
【0051】
本発明はまた、少なくとも本発明の式(I)、(I*)の化合物、及びセフタジジムを含有する組成物に関する。
【0052】
本発明はまた:
-本発明の医薬組成物、及び
-1又は複数の抗菌薬を含有する、少なくとも1種の他の組成物:を含有するキットを提供し、好ましくはこれらの抗菌薬の少なくとも1種は、ベータ-ラクタムである。
これら2種の組成物は、各々、1種の特定の医薬として許容し得る担体と共に個別に調製することができ、且つ次に、特に即座に、混合することができる。
【0053】
本発明はまた:
-少なくとも本発明の式(I)又は(I*)の化合物を含有する医薬組成物;及び
-セフタジジムを含有する医薬組成物:を含有するキットに関連する。
【0054】
本発明はまた、医薬品としてのその使用のために、本発明の式(I)又は(I*)の化合物内で選択された化合物を指す。
【0055】
本発明はまた、医薬品の調製に関するその使用のために、本発明の式(I)又は(I*)の化合物内で選択された化合物を指す。
【0056】
本発明はまた、抗菌薬としてのその使用のために、本発明の式(I)又は(I*)の化合物内で選択された化合物を指す。
【0057】
本発明はまた、抗菌薬含有医薬品の調製のための、本発明の式(I)又は(I*)の化合物内で選択された化合物の使用、あるいは本発明の医薬組成物の使用を指す。
【0058】
本発明はまた、ベータ-ラクタマーゼインヒビター含有医薬品の調製のための、本発明の式(I)又は(I*)の化合物内で選択された化合物の使用、あるいは本発明の医薬組成物の使用を指す。
【0059】
本発明はまた、抗菌薬及びベータ-ラクタマーゼインヒビターを含有する医薬品の調製のための、本発明の式(I)又は(I*)の化合物内で選択された化合物の使用、あるいは本発明の医薬組成物の使用を指す。
【0060】
本発明はまた、少なくとも1種の細菌感染症の治療又は予防のための、本発明の式(I)又は(I*)の化合物内で選択された化合物の使用、あるいは本発明の医薬組成物の使用、あるいは本発明のキットの使用を指す。
【0061】
本発明はまた、少なくとも1種の細菌感染症の治療又は予防において有用な医薬品の調製のための、本発明の式(I)又は(I*)の化合物内で選択された化合物の使用、あるいは本発明の医薬組成物の使用、あるいは本発明のキットの使用を指す。
【0062】
本明細書において使用される用語「予防」、「予防する」及び「予防している」は、細菌による感染症を予防するため、又は関連した感染症及び/もしくは疾患の発症を予防するための、本発明の化合物又は組成物の投与を意味することが意図される。用語「予防」、「予防する」及び「予防している」はまた、易感染性の患者、そうでなければこの細菌により感染されるリスクのある患者へ投与することにより、少なくとも1種の細菌感染症を予防するための、本発明の化合物又は組成物の投与も包含している。
【0063】
本明細書において使用される用語「治療」、「治療する」及び「治療している」は、特に、感染症に罹患した患者への本発明の化合物又は組成物を含む治療の投与を意味することが意図される。本明細書において使用される用語「治療」、「治療する」及び「治療している」はまた:
-細菌感染症の又は細菌感染症に関連した1もしくは複数の症状のいずれかを軽減又は解消するため;あるいは
-細菌感染症の又は細菌感染症に関連した1もしくは複数の症状の進行を遅延するため;あるいは
-細菌感染症の又は細菌感染症に関連したもしくは複数の症状の重症度を軽減するため;あるいは
-細菌感染症の臨床兆候を抑制するため;あるいは、
-細菌感染症により引き起こされた有害症状の兆候を抑制するため:
に、本発明の化合物又は組成物を、任意に1又は複数の更なる抗菌薬と組合せて、投与することも指す。
【0064】
本明細書において使用される表現「感染症」又は「細菌感染症」は、その成長が阻害される場合に、対象に恩恵をもたらすであろう、対象内又は対象上の細菌の存在を含む。従って、用語「感染症」又は「細菌感染症」は、細菌の存在に言及することに加え、望ましくない、正常叢も指す。用語「感染症」は、細菌により引き起こされた感染症を含む。かかる細菌感染症の例は、尿路感染症(UTI)、腎感染症(腎盂腎炎)、婦人科及び産科感染症、気道感染症(RTI)、慢性気管支炎の急性増悪(AECB)、市中肺炎(CAP)、院内感染性肺炎(HAP)、人工呼吸器関連肺炎(VAP)、腹腔内感染性肺炎(IAI)、急性中耳炎、急性静脈洞炎、敗血症、カテーテル-関連敗血症、軟性下疳、クラミジア、皮膚感染症、菌血症がある。
【0065】
本明細書において使用される用語「成長」は、1又は複数の微生物の成長を指し、且つ細菌などの微生物の繁殖又は集団の拡大を含む。この用語はまた、微生物が生存を維持するプロセスを含む、微生物の進行中の代謝プロセスを維持することを含む。
【0066】
本発明の細菌は、グラム陽性菌又はグラム陰性菌の中で、好ましくはグラム陰性菌の中で選択される。本発明の細菌はまた、「ベータ-ラクタマーゼ」又は「β-ラクタマーゼ」を産生する細菌の中で選択される。これらの細菌は、当業者により周知である。本明細書において使用される用語「ベータ-ラクタマーゼ」又は「β-ラクタマーゼ」は、ベータ-ラクタム環を破壊することができる、任意の酵素もしくはタンパク質又は任意の他の物質を指す。用語「ベータ-ラクタマーゼ」又は「β-ラクタマーゼ」は、細菌により産生された酵素、及び抗菌薬などの化合物中に存在するベータ-ラクタム環を部分的もしくは完全に加水分解する能力を有する酵素を含む。
グラム陽性菌中で、本発明の細菌は好ましくは、ブドウ球菌属、連鎖球菌属、スタフィロコッカス種(スタフィロコッカス・アウレウス、スタフィロコッカス・エピデルミディスを含む)、ストレプトコッカス種(ストレプトコッカス・ニューモニア、ストレプトコッカス・アガラクチアエを含む)、エンテロコッカス種(エンテロコッカス・フェーカリス及びエンテロコッカス・フェシウムを含む)の中で選択される。
グラム陰性菌中で、本発明の細菌は好ましくは、アシネトバクター種(アシネトバクター・バウマンニを含む)、シトロバクター種、エシェリキア種(エシェリキア・コリを含む)、ハエモフィリス・インフルエンザ、モーガネラ・モーガニー、クレブシエラ種(クレブシエラ・ニューモニアを含む)、エンテロバクター種(エンテロバクター・クロアカを含む)、ナイセリア・ゴノレア、ブルコルデリア種(ブルコリデリア・セパシアを含む)、プロテウス種(プロテウス・ミラビリスを含む)、セラチア種(セラチア・マルセセンスを含む)、シュードモナス・アエルギノーサの中で選択される。
【0067】
従って本発明は、好ましくは1又は複数のベータ-ラクタマーゼを産生する細菌により引き起こされる、細菌感染症の治療又は予防のためのその使用に関する、本発明の式(I)又は(I*)の化合物内で選択された化合物又は本発明の医薬組成物又は本発明のキットを指すことが好ましい。好ましくは、この細菌は、グラム陽性菌又はグラム陰性菌の中で、より好ましくはグラム陰性菌の中で選択される。
【0068】
本発明はまた、好ましくは1又は複数のベータ-ラクタマーゼを産生する細菌により引き起こされる、細菌感染症の治療又は予防のための医薬品の調製に関する、本発明の式(I)又は(I*)の化合物内で選択された化合物又は本発明の医薬組成物の使用を指す。好ましくは、この細菌は、グラム陽性菌又はグラム陰性菌の中で、より好ましくはグラム陰性菌の中で選択される。
【0069】
本発明はまた、好ましくは1又は複数のベータ-ラクタマーゼを産生する細菌により引き起こされる、細菌感染症の治療又は予防において、それを必要とする患者へのその同時、個別又は逐次投与のための、本発明のキットに関する。好ましくは、この細菌は、グラム陽性菌又はグラム陰性菌の中で、より好ましくはグラム陰性菌の中で選択される。
【0070】
本発明はまた、好ましくは1又は複数のベータ-ラクタマーゼを産生する細菌により引き起こされる、細菌感染症の治療又は予防のための、1又は複数の更なる抗菌薬、好ましくはベータラクタム化合物である少なくとも1種の更なる抗菌薬と組合せたその使用に関する、本発明の式(I)又は(I*)の化合物内で選択された化合物を指す。好ましくは、この細菌は、グラム陽性菌又はグラム陰性菌の中で、より好ましくはグラム陰性菌の中で選択され、且つここで本発明の式(I)又は(I*)の化合物内で選択された化合物及び更なる抗菌薬は、同時、個別又は逐次投与される。
【0071】
本発明はまた、細菌感染症の、好ましくは1又は複数のベータ-ラクタマーゼを産生する細菌により引き起こされる、好ましくは細菌感染症の予防又は治療に関する、本発明の式(I)又は(I*)の化合物内で選択された化合物又は本発明の医薬組成物又は本発明のキットの使用を指す。好ましくは、この細菌は、グラム陽性菌又はグラム陰性菌の中で、より好ましくはグラム陰性菌の中で選択される。
【0072】
本発明はまた、治療的有効量の本発明の式(I)又は(I*)の化合物内で選択された化合物又は本発明の医薬組成物又は本発明のキットを、それを必要とする患者へ投与することを含む、好ましくは1又は複数のベータ-ラクタマーゼを産生する細菌により引き起こされる、細菌感染症の治療又は予防の方法に関する。好ましくは、この細菌は、グラム陽性菌又はグラム陰性菌の中で、より好ましくはグラム陰性菌の中で選択される。
【0073】
用語「患者」は、細菌により感染されるリスクのあるヒト又は動物を、あるいは細菌により、好ましくはグラム陽性菌及びグラム陰性菌により、より好ましくはグラム陰性菌により感染されたヒト又は動物を意味する。本明細書において使用される用語「患者」は、本明細書に記載された1又は複数の感染症及び状態に罹患している、又は罹患する可能性のある、恒温のヒト又は動物、例えば哺乳動物、好ましくは成人もしくは小児を指す。本明細書に説明された疾患及び状態の治療の必要があるこれらの対象の確定は、当業者の能力及び知識内に収まる。当該技術分野の獣医師又は医師は、臨床試験、理学的検査、病歴もしくは家族歴、又は生物学的試験及び診断試験の使用により、そのような治療を必要とする対象を、容易に確定することができる。
【0074】
本明細書において使用される表現「治療的有効量」又は「薬学的有効量」は、それを必要とする患者へ投与した場合に、該化合物が利用される病態、状態又は障害の治療を実現するのに十分である、本発明の化合物の量を指す。かかる量は、研究者又は臨床医により求められる、組織系、又は患者の生物学的反応又は医学的反応を誘発するのに十分であろう。「治療的有効量」を構成する本発明の化合物の量は、とりわけ化合物それ自身及びその生物活性、投与に使用される組成物、投与の時刻、投与経路、化合物の排泄速度、治療期間、治療される病態もしくは障害の種類及びその重症度、本発明の化合物と組合せて又は同時に使用される薬物、並びに患者の年齢、体重、全身の健康状態、性別及び食事に応じて、変動するであろう。かかる「治療的有効量」は、それ自身の知識、及びこの開示に関係する当業者により決定することができる。好ましくは、本発明の化合物は、1日につき0.1~30gで構成される量で投与される。
【0075】
本発明の化合物は、非経口的投与のために、水性の生理的緩衝溶液中で提供されてよい。本発明の化合物はまた、単位投与量剤形で投与することが可能であり、ここで表現「単位投与量」は、患者へ投与することが可能であり、且つ本明細書記載のように、活性化合物それ自身、又は医薬として許容し得る組成物としてのいずれかを含有する物理的及び化学的に安定した単位投与量として維持する、容易に取り扱い且つ包装することができる、単回投与量を意味する。本明細書に提供される化合物は、1又は複数の医薬として許容し得る賦形剤と混合することにより、医薬組成物に製剤化することができる。かかる単位投与量組成物は、経口投与により、特に錠剤、単純なカプセル剤もしくは軟ゲルカプセル剤の形状で;又は、経鼻的に、特に散剤、点鼻薬、もしくはエアロゾルの形状で;又は、経皮的に、例えば、軟膏、クリーム、ローション、ゲルもしくはシロップで局所的に、又は経皮貼付剤を介しての使用のために、調製されてよい。
【0076】
この医薬組成物は、好都合なことに、単位剤形で投与され、且つ例えば、「Remington: The Science and Practice of Pharmacy」第20版;Gennaro, A. R.編集、Lippincott Williams & Wilkins: Philadelphia, PA, 2000において説明されたような、医薬分野において周知の任意の方法により調製され得る。
【0077】
好ましい製剤は、本発明の化合物が経口又は非経口的投与のために製剤化されている医薬組成物を含む。
【0078】
経口投与のために、錠剤、丸剤、散剤、カプセル剤、トローチ剤などは、以下の成分、又は類似の性質の化合物のいずれかの1又は複数を含有することができる:結合剤、例えば微結晶性セルロース、又はトラガカントガム;希釈剤、例えばデンプン又は乳糖;崩壊剤、例えばデンプン及びセルロース誘導体;滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム;流動促進剤、例えばコロイド状二酸化ケイ素;甘味剤、例えばショ糖又はサッカリン;あるいは、香味剤、例えばペパーミント又はサリチル酸メチル。カプセル剤は、一般に、可塑剤と任意に配合されたゼラチンブレンドから製造される硬カプセル又は軟カプセル、並びにデンプンカプセルの形状であることができる。加えて、単位剤形は、例えば、糖のコーティング、シェラック、又は腸溶性物質など、用量単位の物理的形状を変更する様々な他の材料を含むことができる。他の経口剤形、シロップ剤又はエリキシル剤は、甘味剤、保存剤、色素、着色剤及び香味剤を含んでよい。加えて、この活性化合物は、即時溶解性、改変された放出性又は持続放出性の調製品及び製剤へ混入されてよく、ここでこのような持続放出性製剤は、二峰性であることが好ましい。好ましい錠剤は、乳糖、トウモロコシデンプン、ケイ酸マグネシウム、クロスカルメロースナトリウム、ポビドン、ステアリン酸マグネシウム又はタルクを任意の組合せで含む。
【0079】
非経口的投与のための液体調製品は、無菌の水性又は非水性の液剤、懸濁剤及び乳剤を含む。この液体組成物はまた、結合剤、緩衝液、保存剤、キレート剤、甘味剤、香味剤及び着色剤などを含んでよい。非水性溶媒は、アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物油、及びオレイン酸エチルなどの有機エステルを含む。水性担体は、アルコールと水の混合液、緩衝された媒体、及び食塩水を含む。特に生体適合性、生分解性のラクチドポリマー、ラクチド/グリコリドコポリマー、又はポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマーは、この活性化合物の放出を制御するのに有用な賦形剤である。静脈内ビヒクルは、流体及び栄養素補充物、電解質補充物、例えばリンガーデキストロースを基にしたものなどを含むことができる。この活性化合物のための他の可能性のある有用な非経口送達システムは、エチレン-酢酸ビニルコポリマー粒子、浸透圧ポンプ、植え込み可能な注入システム及びリポソームを含む。
【0080】
代替の投与様式は、吸入のための製剤を含み、これは乾燥散剤、エアロゾル、又は液滴などの手段を含む。これらは、例えばポリオキシエチレン-9-ラウリルエーテル、グリココレート(glycocholate)及びデオキシコレートなどを含有する水溶液、又は点鼻用液滴の形状での投与のための油性溶液、又は鼻腔内塗布のためのゲルとしてなどであってよい。口腔内投与のための製剤は、例えば、舐剤又は香錠を含み、且つまたショ糖又はアカシアゴムなどの香味基剤、及びグリココレートなどの他の賦形剤を含んでよい。直腸投与に適した製剤は、好ましくは、固体ベースの担体との、単位-投与量坐薬として提示され、サリチル酸塩を含んでよい。皮膚への局所塗布のための製剤は、好ましくは、軟膏、クリーム、ローション、泥膏、ゲル、スプレー、エアロゾル、又はオイルの形状をとる。使用することができる担体は、ワセリン、ラノリン、ポリエチレングリコール、アルコール、又はそれらの組合せを含む。
【0081】
経皮投与に適した製剤は、個別の貼付剤として存在することができ、且つポリマー又は接着剤中に溶解された及び/又は分散された、親油性乳剤又は緩衝された水溶液であることができる。
【実施例
【0082】
実施例
下記実施例は、本発明を例示することを目的として提供され、決して本発明の範囲を限定するものと理解されるべきではない。
第一部分は、本化合物(中間体及び最終化合物)の調製を表すのに対し、第二部分は、本発明の化合物の抗菌活性の評価を説明する。
【0083】
化合物の調製及び生物活性:
本明細書において使用される略語又は記号は、以下を含む:
ACN:アセトニトリル
AcOH:酢酸
Bn:ベンジル
Boc:tert-ブトキシカルボニル
Boc2O:無水tert-ブトキシカルボニル
br:広幅(NMRシグナル)
Cbz:カルボキシベンジル
CbzCl:クロロギ酸ベンジル
CFU:コロニー形成単位
CLSI:臨床検査標準施設
d:二重線
DBU:1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ-7-エン
DCM:ジクロロメタン
DCE:1,2-ジクロロエタン
dd:二重の二重線
ddd:二重の二重の二重線
ddt:二重の二重の三重線
dq:二重の四重線
dt:二重の三重線
DIAD:ジイソプロピルアゾジカルボキシラート
DIPEA:N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMA:ジメチルアセトアミド
DMAP:N,N-ジメチル-4-アミノピリジン
DMCyDA:trans-N,N’-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミン
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
EDCHCl:N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド塩酸塩
EtOAc:酢酸エチル
Et2O:ジエチルエーテル
h:時間
HATU:1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート
HOBt:1-ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物
iPrOH:イソプロパノール
m:多重線
min:分間
MeOH:メタノール
MeONa:ナトリウムメトキシド
MIC:最小阻害濃度
MS:質量分析
MsCl:メタンスルホニルクロリド
NMR:核磁気共鳴分光法
Nos:ノシル、ニトロベンゼンスルホニル
Pd(Ph3)4:テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)
PG:保護基
PhSH:チオフェノール
PhSiH3:フェニルシラン
PPh3:トリフェニルホスフィン
ppm:百万分の一
q:四重線
rt:室温
s:単一線
t:三重線
td:二重の三重線
TBDMSCl:tert-ブチルジメチルシリルクロリド
TBDPSCl:tert-ブチルジフェニルクロロシラン
tBuOH:tert-ブタノール
tBuOK:カリウムtert-ブトキシド
TEA:トリエチルアミン
Tf:トリフルオロメタンスルホン酸エステル
TFA:トリフルオロ酢酸
THF:テトラヒドロフラン
TLC:薄層クロマトグラフィー
Tr:トリチル(トリフェニルメチル)。
【0084】
実施例1:ナトリウム[7-オキソ-3-(2-オキソ-チアゾール-3-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イルスルフェートの合成
【化14】
【0085】
工程1:中間体(1-ベンジル-5-オキソ-2,6-ジヒドロピリジン-3-イル)トリフルオロメタンスルホン酸塩(1b)の調製
500mLの丸底フラスコ中、窒素大気下で、tBuOK(2.7g、24.07mmol)を、無水THF(180mL)中に溶解し、生じた溶液を、0℃で冷却した。無水THF(60mL)中に溶解したN-ベンジル-N-アセトニルグリシン酸エチル(1a)(文献(J.Org.Chem. 2006, 71(21), 8256、J.Med.Chem. 2012, 55(11), 5403、WO2013/181741)記載の手順に従い合成した)(6g、24.07mmol)を、5分間かけて滴下漏斗により添加した。生じた粘性溶液を、0℃で30分間攪拌した(LC/MSは、対応するジオンの形成を示した。
m/z ([M+H]+ 204, [M+H20+H]+ 222, [M-H]- 202)。
【0086】
0℃で、THF(20mL)に溶解したN-(5-クロロ-2-ピリジル)ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(Comins試薬)(9.7g、24.07mmol)を添加し、この反応物を、更に30分間撹拌した。反応混合物を、Et2Oで希釈し、この溶液を、H2Oで洗浄した。有機層を、Na2SO4上で乾燥させ、真空において濃縮した。残渣を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(トルエン/アセトン100/0から95/5又はシクロヘキサン/EtOAcの100/0から50/50)、中間体(1b)を提供し、これを石油エーテル及びジエチルエーテル(9/1)の混合物中、-78℃で、摩砕した。濾過後、中間体(1b)を、白色固形物(5.80g、17.29mmol、71%)として得、冷凍庫において貯蔵した。
【0087】
MS m/z ([M+H]+) 336。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ(ppm) 3.27 (s, 2H), 3.49 (s, 2H), 3.73 (s, 2H), 6.17 (t, J = 1.3 Hz, 1H), 7.27-7.40 (m, 5H)。
【0088】
工程2:中間体1-ベンジル-5-ヨード-2,6-ジヒドロピリジン-3-オン(1c)の調製
1Lの丸底フラスコ中に、窒素大気下で、中間体(1b)(16.1g、48.02mmol)を、アセトン(480mL)中に溶解した。無水LiIを添加し(12.9g、96.03mmol)、生じた淡黄色溶液を、45℃で3.5時間撹拌した。この混合物を、減圧下で、濃縮乾固した。残渣を、DCM(350mL)で希釈し、塩沈殿物を生じ、これをセライト(登録商標)パッド上で濾過した。濾液を、H2O(2×100mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、真空において濃縮し、中間体(1c)(15.3g、予想値15.0g)を淡黄色固形物として供した。
【0089】
MS m/z ([M+H]+) 314。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ(ppm) 3.29 (br s, 2H), 3.66 (br s, 2H), 3.73 (br s, 2H), 6.89 (t, J = 1.7 Hz, 1H), 7.29-7.37 (m, 5H)。
【0090】
工程3:中間体1-ベンジル-5-ヨード-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-3-オール(1d)の調製
1Lの三首丸底フラスコ中、窒素大気下で、中間体(1c)(15.3g、理論的に48.02mmol)を、5/1のMeOH/THF混合液(0.16M)中に溶解し、0℃まで冷却した。15分後、NaBH4(2.1g、55.2mmol)を、10分間かけて、少量づつ添加した。この反応は、10分以内で完了した。溶媒を、真空において、外界温度で、およそ60mLの容積まで、除去した。次にこの混合物を、DCM(500mL)で希釈し、粉砕した氷/H2O(100ml)で洗浄した。水層を、DCM(2×30mL)により抽出した。一緒にした有機層を、Na2SO4上で乾燥させ、蒸発乾固し、粗中間体(1d)(15.4g、予想値15.1g)を、固形物として得、これを更に精製することなく使用した。
【0091】
MS m/z ([M+H]+) 316。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 2.36 (br s, 1H), 2.57 (dd, J = 12.0, 2.4 Hz, 1H), 2.86 (dd, J = 12.0, 2.4 Hz, 1H), 3.04 (d, J = 16.3 Hz, 1H), 3.43 (d, J = 16.3 Hz, 1H), 3.61 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 3.66 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 3.99-4.06 (m, 1H), 6.52-6.57 (m, 1H), 7.28-7.38 (m, 5H)。
【0092】
工程4:中間体N-アリルオキシ-N-(1-ベンジル-5-ヨード-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-3-イル)-2-ニトロ-ベンゼンスルホンアミド(1e)の調製
無水THF(400mL)中の中間体(1d)(15.4g、理論的に48.02mmol)の溶液へ、PPh3(15.1g、57.6mmol)、N-アリルオキシ-2-ニトロ-ベンゼンスルホンアミド(18.6g、72.0mmol)及びDIAD(11.3mL、57.6mmol)を連続して添加した。室温で15分間撹拌した後、混合物を、真空において濃縮した。残渣を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(石油エーテル/Et2Oの100/0から40/60)、過剰な未反応のN-アリルオキシ-2-ニトロ-ベンゼンスルホンアミド及び還元されたDIADが夾雑した、中間体(1e)(39.0g、予想値26.7g)を供した。油性の残渣を、冷ジイソプロピルエーテルで覆い、部分的に還元されたDIAD沈殿物を生成した。白色固形物の濾過後、中間体(1e)(34g)を回収し、更に精製することなく次工程で使用した。
MS m/z ([M+H]+) 556。
【0093】
工程5:中間体N-アリルオキシ-1-ベンジル-5-ヨード-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-3-アミン(1f)の調製
窒素大気下で、K2CO3(50.0g、360.1mmol)を、PhSH(25.0mL、240.1mmol)の存在下で、ACN(400mL)中の中間体(1e)(理論的に48.02mmol)の溶液へ添加した。室温で3時間撹拌した後、反応混合物をセライト(登録商標)上で濾過し、ケーキをDCM(3×150mL)で洗浄した。濾液を濃縮し、粗黄色スラリー(60g)を、ヘプタン(500mL)中に注ぎ、還元されたDIAD沈殿物を生成した。濾過及び濾液の濃縮後、透明な黄色油状物を得た(51g)。シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル/Et2Oの100/0から40/60)による第一の精製後に、第二の精製(DCMの100%、次にDCM/EtOAcの15/85)を続け、摩砕後、中間体(1f)を淡黄色固形物として供した(12.2g、4工程にわたり68%)。
【0094】
MS m/z ([M+H]+) 371。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 2.48 (dd, J = 11.7, 3.4 Hz, 1H), 2.96-3.08 (m, 2H), 3.34 (d, J = 16.5Hz, 1H), 3.57 (br s, 1H), 3.60 (d, J = 13.5 Hz, 1H), 3.65 (d, J = 13.5 Hz, 1H), 4.09-4.22 (m, 2H), 5.15-5.30 (m, 2H), 5.73 (br s, 1H), 5.84-5.96 (m, 1H), 6.37-6.43 (m, 1H), 7.25-7.38 (m, 5H)。
【0095】
工程6:中間体6-アリルオキシ-3-ヨード-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(1g)の調製
添加漏斗及びH2O凝縮器を備えた2Lの三首丸底フラスコ中、不活性大気下で、中間体(1f)(12.2g、32.96mmol)を、無水DCE(350mL)中に希釈した。DCE(150mL)中のトリホスゲン(12.7g、42.84mmol)の溶液を、室温で、5分間かけて添加し、この溶液を、淡黄色溶液が白色懸濁液に変化するまで、撹拌した。次に反応混合物を、55℃で20分間加熱した。
【0096】
次に無水アセトン(170mL)中の無水NaI(49.2g、329.6mmol)の溶液を滴下し、黄色懸濁液は茶色スラリーへ変化し、これを65℃で25分間加熱した。ピリジン(66mL、823.9mmol)を、10分間かけて慎重に滴加した。反応物を、65℃で30分間撹拌した。反応物を、0℃まで冷却し、DCM(600mL)で希釈し、セライト(登録商標)上で濾過し、真空において濃縮乾燥させた。茶色残渣を、DCM(600mL)で希釈し、セライト(登録商標)上で濾過し、NaH2PO4の0.2M水溶液(2×200mL)及びNa2S2O3の1M水溶液(2×200mL)で洗浄した。有機層を、Na2SO4上で乾燥させ、真空において濃縮した。残渣(14.5g)を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(石油エーテル/Et2Oの100/0から40/60)、中間体(1g)(7.1g、23.2mmol、70%)をオレンジ色油状物として供した。
【0097】
MS m/z ([M+H]+) 307。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ(ppm) 3.21 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 3.51-3.58 (m, 1H), 3.83-3.86 (m, 1H), 3.90 (dd, J = 18.0, 2.2 Hz, 1H), 4.07 (dd, J = 18.0, 1.4 Hz, 1H), 4.36-4.53 (m, 2H), 5.28-5.46 (m, 2H), 5.95-6.13 (m, 1H), 6.87-6.97 (m, 1H)。
【0098】
工程7:中間体6-アリルオキシ-3-(2-オキソ-チアゾール-3-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(1h)の調製
DMSO(6mL)中の中間体(1g)(0.1g、0.33mmol)、3H-チアゾール-2-オン(0.05g、0.49mmol)、N,N-ジメチルグリシン塩酸塩(0.007g、0.05mmol)、CuI(0.006g、0.033mmol)及び無水K2CO3(0.137g、0,99mmol)の混合物を、アルゴン下で、数時間(1~18時間)加熱した(80~100℃)。この混合物を、H2Oに注ぎ、次にDCMにより抽出した。有機層を、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空において濃縮した。残渣を、シリカゲル上で精製し(DCM/アセトン:100/0から90/10)、中間体(1h)(0.092g、0.33mmol、定量的収量)を供した。
【0099】
MS m/z ([M+H]+) 280。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 3.18 (d, J = 11.1 Hz, 1H), 3.48 (dd, J = 2.6, 10.9 Hz, 1H), 4.04 (d, J = 17.6 Hz, 1H), 4.07-4.08 (m, 1H), 4.25 (dd, J = 2.0, 17.6 Hz, 1H), 4.37-4.48 (m, 2H), 5.31-5.42 (m, 2H), 5.91-6.09 (m, 1H), 6.16 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 6.44-6.50 (m, 1H), 6.58 (d, J = 5.6 Hz, 1H)。
【0100】
工程8:中間体6-ヒドロキシ-3-(2-オキソ-チアゾール-3-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(1i)の調製
無水DCM(3.5mL)中の中間体(1h)(0.098g、0.35mmol)の溶液を、アルゴン大気下で、10分間脱気した。AcOH(0.040mL、0.7mmol)及びPd(PPh3)4(0.203g、0.175mmol)を連続して添加した。室温で30分間攪拌した後、この混合物を、真空において濃縮した。残渣を、C-18逆相上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(H2O/ACN:99/1から80/20)。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、凍結し、且つ凍結乾燥させ、中間体(1i)(0.083g、0.35mmol、定量的収量)を供した。
【0101】
MS m/z ([M+H]+) 240。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 3.05 (d, J = 10.6 Hz, 1H), 3.42 (dd, J = 2.4, 10.6 Hz, 1H), 3.94 (d, J = 17.7 Hz, 1H), 4.13 (dd, J = 2.7, 5.4 Hz, 1H), 4.19 (dd, J = 1.9, 17.7 Hz, 1H), 6.11 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 6.49 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 6.70 (d, J = 5.5 Hz, 1H)。
【0102】
工程9:ナトリウム[7-オキソ-3-(2-オキソ-チアゾール-3-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例1)の調製
無水ピリジン(4mL)中の中間体(1i)(0.083g、0.35mmol)の溶液へ、不活性大気下で、三酸化硫黄ピリジン錯体(0.225g、1.42mmol)を添加した。18時間攪拌した後、不均一な混合物を、真空において濃縮した。DCMを、この残渣へ添加し、固形物を濾過した。濾液を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/MeOH:100/0から80/20)、固形物0.017gを生じ、これを、Dowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまでH2Oにより洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)上に適用した。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、凍結し、且つ凍結乾燥させ、実施例(1)(0.0074g、0.02mmol、6%)を供した。
【0103】
MS m/z ([M-H]-) 318。
1H NMR (400 MHz, D2O): δ(ppm) 3.45 (d, J = 11.3 Hz, 1H), 3.65 (dd, J = 2.6, 11.4 Hz, 1H), 4.13 (d, J= 17.8 Hz, 1H), 4.27 (dd, J= 2.1, 17.8 Hz, 1H), 4.55 (dd, J= 2.7, 5.5 Hz, 1H), 6.48 (d, J= 5.4 Hz, 1H), 6.55-6.70 (m, 1H), 6.87 (d, J= 5.4 Hz, 1H)。
【0104】
実施例2:ナトリウム[7-オキソ-3-(トリアゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化15】
【0105】
工程1a:中間体6-アリルオキシ-3-(トリアゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(2a)及び6-アリルオキシ-3-(トリアゾール-2-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(2b)の調製
DMSO(20mL)中の中間体(1g)(629mg、2.05mmol)、1H-1,2,3-トリアゾール(237μL、4.10mmol)、ジピバロイルメタン(86μL、0.41mmol)、CuI(37mg、0.20mmol)及び無水K2CO3(567mg、4.40mmol)の混合物を、アルゴン下で、数時間(1~30時間)、加熱した(80~100℃)。この混合物を、窒素フラックス下で、濃縮し乾燥させた。残渣を、シリカゲル上で精製し(DCM/EtOAc:100/0から0/100)、中間体(2a)(243mg、0.982mmol、48%)を黄色油状物として、及び中間体(2b)(131mg、0.530mmol、26%)を黄色油状物として供した。
【0106】
6-アリルオキシ-3-(トリアゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(2a)
MS m/z ([M+H]+) 248, ([2M+H]+) 495。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ(ppm) 3.20 (dd, J= 11.0, 0.7 Hz, 1H), 3.58 (ddd, J= 11.0, 2.9, 1.1 Hz, 1H), 4.16 (dd, J= 5.4, 2.8 Hz, 1H), 4.30-4.55 (m, 4H), 5.30-5.41 (m, 2H), 5.95-6.08 (m, 1H), 6.64-6.68 (m, 1H), 7.72 (d, J= 1.2 Hz, 1H), 7.76 (d, J= 1.2 Hz, 1H)。
13C-NMR (75 MHz, CDCl3): δ(ppm) 134.1, 133.7, 132.5, 120.6, 120.4, 116.4, 77.3, 75.5, 56.7, 53.1, 49.8。
6-アリルオキシ-3-(トリアゾール-2-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(2b)
MS m/z ([M+H]+) 248。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 3.17 (d, J= 10.9 Hz, 1H), 3.52-3.60 (m, 1H), 4.16 (dd, J= 5.6, 2.7 Hz, 1H), 4.26 (dd, J= 17.9, 2.0 Hz, 1H), 4.44 (qd, J= 12.3, 6.3 Hz, 2H), 4.63 (d, J= 17.8 Hz, 1H), 5.27-5.43 (m, 2H), 6.03 (ddt, J= 16.9, 10.3, 6.4 Hz, 1H), 6.99 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 7.69 (s, 2H)。
13C NMR (75 MHz, CDCl3): δ(ppm) 170.1, 135.6, 135.3, 132.8, 120.3, 114.2, 76.7, 60.4, 56.8, 52.7, 50.1。
【0107】
工程1b:中間体6-アリルオキシ-3-(トリアゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(2a)の調製
不活性大気下で、100mLの密封したフラスコ中で、中間体(1g)(4g、13.07mmol)を、無水DMSO(40mL)により希釈した。CuI(249mg、1.31mmol)、アジ化ナトリウム(1.27g、19.60mmol)、アスコルビン酸ナトリウム(259mg、1.31mmol)及びDMCyDA(309μL、1.96mmol)を連続して添加した。緑色溶液は、迅速に茶色へ変化した。この混合物を、室温で30分間、出発材料の全てが変換するまで攪拌した。エチニルトリメチルシラン(2.21mL、15.68mmol)を、この混合物へ添加し、これを室温で30分間、中間体アジドの全てが変換するまで攪拌した。この混合物を、H2O(400mL)で希釈し、EtOAc(3×200mL)により抽出した。一緒にした有機層を乾燥させ(Na2SO4)、且つ真空において濃縮し、茶色油状物4.50gを生じた。この油状物を、無水THF(87mL)中に溶解させ、3HF・TEA(2.13mL、13.07mmol)をこの溶液へ添加し、これを50℃で1時間攪拌した。混合物を、真空において濃縮し、粗物質(6.35g)を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(シクロヘキサン/EtOAc:100/0から0/100)、中間体(2a)(1.30g、5.25mmol、40%)を黄色油状物として生じ、これを黄色固形物として結晶化した。
【0108】
MS m/z ([M+H]+) 248, ([2M+H]+) 495。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ(ppm) 3.20 (dd, J= 11.0, 0.7 Hz, 1H), 3.58 (ddd, J= 11.0, 2.9, 1.1 Hz, 1H), 4.16 (dd, J= 5.4, 2.8 Hz, 1H), 4.30-4.55 (m, 4H), 5.30-5.41 (m, 2H), 5.95-6.08 (m, 1H), 6.64-6.68 (m, 1H), 7.72 (d, J= 1.2 Hz, 1H), 7.76 (d, J= 1.2 Hz, 1H)。
【0109】
工程2:ナトリウム[7-オキソ-3-(トリアゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例2)の調製
無水DCM(6.1mL)中の中間体(2a)(150mg、0.607mmol)の溶液へ、氷酢酸(69μL、1.21mmol)及びPd(PPh3)4(351mg、0.303mmol)を添加した。室温で45分間攪拌した後、ピリジン(6.1mL)及び三酸化硫黄ピリジン錯体(483mg、3.03mmol)を、この反応混合物へ添加した。生じた懸濁液を遮光し、反応が完了するまで、一晩攪拌した。反応混合物を濃縮し、次にDCMにより希釈し、濾過した。濾液を、真空下で濃縮し、次にシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から0/100)、トリフェニル-(プロペニル)-ホスホニウム7-オキソ-3-(トリアゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(215.7mg)を淡黄色泡状物として得た。この泡状物を、最小量のH2O/ACNの20/80混合物中に溶解し、Dowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまでH2Oにより洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)上に適用した。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、濃縮した(浴温度<30℃)。この化合物を、H2O中で希釈し、ミリポア0.22μM上で濾過し、凍結し、且つ凍結乾燥させ、実施例(2)(96mg、0.310mmol、3工程にわたり51%、純度95%)をベージュ色の非晶質固形物として得た。
【0110】
MS m/z ([M-H]-) 286。
1H-NMR (300 MHz, D2O): δ(ppm) 3.52 (d, J= 11.4 Hz, 1H), 3.73 (dd, J= 11.5, 2.8 Hz, 1H), 4.42-4.56 (m, 2H), 4.65 (dd, J= 5.6, 2.9 Hz, 1H), 6.91-6.93 (m, 1H), 7.85 (d, J= 1.3 Hz, 1H), 8.26 (d, J= 1.3 Hz, 1H)。
【0111】
実施例3:ナトリウム[7-オキソ-3-(トリアゾール-2-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化16】
【0112】
工程1:ナトリウム[7-オキソ-3-(トリアゾール-2-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例3)の調製
実施例2(工程2)において説明した手順を使用し、中間体(2b)(180mg、0.725mmol)を、凍結乾燥後、白色固形物としての実施例(3)(102mg、0.330mmol、46%)へ変換した。
【0113】
MS m/z ([M+H]+) 288。
MS m/z ([M-H]-) 286。
1H-NMR (300 MHz, D2O): δ(ppm) 3.39 (d, J= 11.3 Hz, 1H), 3.58-3.66 (m, 1H), 4.40 (d, J = 1.6 Hz, 2H), 4.54 (dd, J= 5.7, 2.7 Hz, 1H), 6.89 (dd, J= 5.4, 1.5 Hz, 1H), 7.81 (s, 2H)。
【0114】
実施例4:リチウムジフルオロ-(7-オキソ-3-ピラゾール-1-イル-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イルオキシ)-アセテートの合成
【化17】
【0115】
工程1:中間体6-アリルオキシ-3-ピラゾール-1-イル-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(4a)の調製
実施例1(工程7)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(0.5g、1.63mmol)を、1H-ピラゾール(0.169g、2.45mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン:100/0から90/10)の後に、中間体(4a)(0.349g、1.42mmol、86%)へ変換した。
【0116】
MS m/z ([M+H]+) 247。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm): 3.15 (d, J= 10.8 Hz, 1H), 3.53 (dd, J= 2.1, 10.8 Hz, 1H), 4.10 (dd, J= 2.5, 5.5 Hz, 1H), 4.21 (dd, J= 1.9, 17.6 Hz, 1H), 4.34-4.53 (m, 3H), 5.28-5.33 (m, 1H), 5.37 (dq, J= 1.3, 17.2 Hz, 1H), 6.02 (ddt, J= 6.4, 10.3, 17.0 Hz, 1H), 6.32-6.37 (m, 1H), 6.46 (d, J= 5.5 Hz, 1H), 7.57 (d, J= 1.5 Hz, 1H), 7.61 (d, J= 2.5 Hz, 1H)。
【0117】
工程2:中間体6-ヒドロキシ-3-ピラゾール-1-イル-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(4b)の調製
無水DCM(4mL)中の中間体(4a)(0.100g、0.41mmol)の溶液を、アルゴン大気下で、10分間脱気した。AcOH(0.047mL、0.81mmol)及びPd(PPh3)4(0.237g、0.205mmol)を、連続して添加した。室温で30分間攪拌した後、沈殿物を濾過し、DCMにより洗浄し、白色固形物0.05mgを得た。濾液を、シリカゲル上の分取TLC(DCM/アセトン60/40)により精製し、更に0.013gを生じた。これらの固形物を一緒にし、中間体(4b)(0.063g、0.31mmol、75%)を供した。
【0118】
MS m/z([M+H]+) 207。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm): 3.22 (d, J= 10.7 Hz, 1H), 3.36 (dd, J= 2.0, 10.8 Hz, 1H), 4.02 (dd, J= 2.5, 5.6 Hz, 1H), 4.18 (d, J= 1.1 Hz, 2H), 6.43-6.47 (m, 1H), 6.65 (d, J= 5.0 Hz, 1H), 7.64 (d, J= 1.5 Hz, 1H), 8.18 (d, J= 2.4 Hz, 1H), 9.65 (s, 1H)。
【0119】
工程3:中間体エチルジフルオロ-(7-オキソ-3-ピラゾール-1-イル-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イルオキシ)-アセテート(4c)の調製
中間体(4b)(0.154g、0.75mmol)を、DBU(0.123mL、0.825mmol)及びブロモ-ジフルオロ-酢酸エチル(0.250mL、1.94mmol)を含むDMSO(7.5mL)中で可溶化し、30分間攪拌した。混合物を、2M NaH2PO4で洗浄し、生成物を、EtOAcにより抽出した。有機層を、シリカパッド上で濾過し、次に真空において濃縮した。残渣を、Et2O中で摩砕し、PTFEメンブレン上で濾過し、中間体(4c)(0.155g、0.47mmol、63%)を生じた。
【0120】
MS m/z([M+H]+) 329。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ(ppm): 1.38 (t, J= 7.2 Hz, 3H), 3.25 (d, J= 11.1 Hz, 1H), 3.66 (dd, J = 1.7, 11.1 Hz, 1H), 4.24-4.44 (m, 4H), 4.59 (dd, J= 0.9, 17.7 Hz, 1H), 6.39 (dd, J= 1.8, 2.5 Hz, 1H), 6.40-6.45 (m, 1H), 7.60 (d, J= 1.7 Hz, 1H), 7.64 (d, J= 2.6 Hz, 1H)。
【0121】
工程4:リチウム ジフルオロ-(7-オキソ-3-ピラゾール-1-イル-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イルオキシ)-アセテート(実施例4)の調製
THF(4mL)及びH2O(0.4mL)中の中間体(4c)(0.143g、0.435mmol)の溶液へ、0℃で、0.1N LiOH溶液(4.8mL、0.48mmol)を滴加した。モニタリングがこの反応が完了したことを示した時点で、混合物を、HCl(0.1N)(0.7mL)により0℃で中和した。この溶液を凍結し、真空でTHFを蒸発させ、この水溶液を凍結乾燥した。残渣を、Et2Oにおいて摩砕し、PTFEメンブレン上で濾過した。次に、固形物をシリカゲル上で精製した(iPrOH)。所望の生成物を含有する画分を、真空において濃縮した。固形物をEt2O中で摩砕し、生じた固形物を、H2O上で可溶化させ、凍結乾燥し、実施例(4)(0.88g、0.286mmol、66%)を供した。
【0122】
MS m/z([M+H]+) 301。
1H NMR (300 MHz, D2O) δ(ppm) : 3.44 (d, J= 11.4 Hz, 1H), 3.66 (ddd, J= 0.9, 2.7, 11.3 Hz, 1H), 4.38 (d, J= 1.4 Hz, 2H), 4.49 (dd, J= 2.5, 5.6 Hz, 1H), 6.48 (dd, J= 2.0, 2.6 Hz, 1H), 6.56-6.61 (m, 1H), 7.69 (d, J= 1.8 Hz, 1H), 7.92 (d, J= 2.6 Hz, 1H)。
【0123】
実施例5:ナトリウム[7-オキソ-3-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化18】
【0124】
工程1:中間体6-アリルオキシ-3-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(5a)の調製
実施例2(工程1a)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(200mg、0.65mmol)を、1,2,4-トリアゾール(54mg、0.78mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン:100/0から50/50)の後、オレンジ色油状物としての中間体(5a)(110mg、0.44mmol、48%)へ変換した。
【0125】
MS m/z ([M+H]+) 248。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 3.17 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 3.57 (dd, J= 10.9, 2.0 Hz, 1H), 4.14 (dd, J= 5.5, 2.6 Hz, 1H), 4.18 (dd, J= 17.6, 2.6 Hz, 1H), 4.35-4.50 (m, 3H), 5.30-5.34 (m, 1H), 5.37 (dq, J= 17.2, 1.4 Hz, 1H), 5.96-6.07 (m, 1H), 6.68 (d, J= 5.4 Hz, 1H), 7.97 (s, 1H), 8.26 (s, 1H)。
【0126】
工程2:中間体6-ヒドロキシ-3-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(5b)の調製
不活性大気下、PhSiH3(32μL、0.308mmol)及びPd(PPh3)4(7mg、0.006mmol)を、無水DCM(2mL)中の中間体(5a)(51mg、0.154mmol)の溶液へ添加した。反応混合物を、室温で1時間攪拌し、濾過した。沈殿物を、DCM(2mL)により洗浄し、中間体(5b)(26mg、0.125mmol、81%)を生じ、これを更に精製することなく使用した。
MS m/z ([M+H]+) 208。
【0127】
工程3:ナトリウム[7-オキソ-3-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例5)の調製
中間体(5b)(13mg、0.063mmol)を、tBuOH(0.3mL)及びH2O(0.3mL)の混合液中に溶解した。TEA(2.2μL、0.016mmol)及び三酸化硫黄トリメチルアミン錯体(10mg、0.075mmol)を添加した。この混合物を、室温で2時間攪拌し、次に真空において濃縮した。反応混合物を濾過し、濾液を真空において濃縮した。残渣を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(DCM/アセトン:100/0から0/100)。予想される中間体を含有する画分を一緒にし、真空において濃縮した。残渣を、H2O中に溶解し、Dowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまでH2Oにより洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)によるイオン交換後、実施例(5)(5mg、0.016mmol、26%)へ変換した。
【0128】
MS m/z ([M-H]-) 286.。
1H NMR (400 MHz, D2O): δ(ppm): 3.47 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 3.71 (dd, J = 11.4, 2.8 Hz, 1H), 4.33 (d, J = 17.5 Hz, 1H), 4.41 (dd, J = 17.5, 1.9 Hz, 1H), 4.61 (dd, J = 5.6, 2.8 Hz, 1H), 6.85 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 8.12 (s, 1H), 8.71 (s, 1H)。
【0129】
実施例6:ナトリウム[(5R)-7-オキソ-3-(トリアゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化19】
【0130】
工程1:中間体(5R)-6-アリルオキシ-3-(トリアゾール-1-イル-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(6a)及び(5S)-6-アリルオキシ-3-(トリアゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(6b)の調製
中間体(2a)(1021mg、4.13mmol)の両方のエナンチオマーは、超臨界液体クロマトグラフィー(LUX C4 5μm、250×21.2mm、iPrOH/CO2の35/65、50mL/分)を用いて分割し、中間体(6a)(455mg、1.84mmol、44%、98.9%ee、保持時間2.23分)及び中間体(6b)(482mg、1.95mmol、47%、97.6%ee、保持時間2.48分)を供した。
【0131】
MS m/z ([M+H]+) 248。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 3.20 (d, J= 11.0 Hz, 1H), 3.54-3.63 (m, 1H), 4.16 (dd, J= 5.5, 2.7 Hz, 1H), 4.34 (dd, J= 17.9, 2.0 Hz, 1H), 4.38-4.57 (m, 3H), 5.30-5.35 (m, 1H), 5.38 (dq, J= 17.2, 1.4 Hz, 1H), 5.95-6.10 (m, 1H), 6.62-6.70 (m, 1H), 7.73 (d, J= 1.2 Hz, 1H), 7.76 (d, J= 1.2 Hz, 1H)。
1H NMR (300 MHz, D2O): δ(ppm) 3.49 (d, J= 11.4 Hz, 1H), 3.71 (dd, J= 11.4, 2.8 Hz, 1H), 4.42 (dd, J= 17.7, 1.3 Hz, 1H), 4.51 (dd, J= 17.7, 1.9 Hz, 1H), 4.63 (dd, J= 5.6, 2.7 Hz, 1H), 6.90 (d, J= 5.7 Hz, 1H), 7.82 (d, J= 1.3 Hz, 1H), 8.24 (d, J= 1.3 Hz, 1H)。
【0132】
分取方法
カラム:Lux C4(21.2mm×250mm、5μm)
アイソクラチック条件:IPA:CO2の35:65
流量:50ml/分
検出:UV 242nm
BPR 125 BarG
分析方法:
カラム:Lux C4(4.6mm×250mm、5μm)
アイソクラチック条件:IPA:CO2の35:65
流量:4ml/分
検出:210-400nm
BPR 125 BarG
カラム温度:40℃。
【0133】
工程2:ナトリウム[(5R)-7-オキソ-3-(トリアゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例6)の調製
実施例2(工程2)において説明した手順を使用し、中間体(6a)(422mg、1.70mmol)を、凍結乾燥後、実施例(6)(0.243g、0.785mmol、46%)へ変換した。
【0134】
MS m/z ([M-H]-) 286。
1H NMR (300 MHz, D2O): δ(ppm) 3.49 (d, J= 11.4 Hz, 1H), 3.71 (dd, J= 11.4, 2.8 Hz, 1H), 4.42 (dd, J= 17.7, 1.3 Hz, 1H), 4.51 (dd, J= 17.7, 1.9 Hz, 1H), 4.63 (dd, J= 5.6, 2.7 Hz, 1H), 6.90 (d, J= 5.7 Hz, 1H), 7.82 (d, J= 1.3 Hz, 1H), 8.24 (d, J= 1.3 Hz, 1H)。
【0135】
実施例7:ナトリウム[3-(4-カルバモイルピラゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化20】
【0136】
工程1:中間体1-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド(7a)の調製
DMSO(8.2mL)中の中間体(1g)(0.250g、0.817mmol)、1H-ピラゾール-4-カルボン酸アミド(0.182g、1.633mmol)、N,N-ジメチルグリシン塩酸塩(0.017g、0.122mmol)、CuI(0.016g、0.082mmol)及びK2CO3(0.339g、2,45mmol)の混合物を、アルゴン下で、80℃で18時間加熱した。次にこの混合物を、H2Oで希釈し、生成物をDCM及びn-BuOHにより抽出した。有機層を、真空において濃縮した。粗生成物を、IPA中に可溶化した。不溶性の物質は、PTFEメンブレン上で濾過し、濾液を、真空において濃縮し、中間体(7a)(0.220g、0.760mmol、93%)を供した。
【0137】
MS m/z ([M+H]+) 290。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ(ppm) : 3.27 (d, J= 10.9 Hz, 1H), 3.32-3.35 (m, 1H), 4.15 (d, J = 17.4 Hz, 1H), 4.26 (dd, J= 1.9, 17.4 Hz, 1H), 4.30 (dd, J= 2.4, 5.7 Hz, 1H), 4.39 (d, J= 6.0 Hz, 2H), 5.27 (d, J= 10.5 Hz, 1H), 5.33-5.41 (m, 1H), 5.90-6.01 (m, 1H), 6.68 (d, J= 5.4 Hz, 1H), 7.17 (s, 1H), 7.62 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 8.54 (s, 1H)。
【0138】
工程2:中間体1-(6-ヒドロキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド(7b)の調製
無水DCM(5mL)中の中間体(7a)(0.100g、0.345mmol)の溶液を、アルゴン大気下で、10分間脱気した。AcOH(0.040mL、0.69mmol)及びPd(PPh3)4(0.090g、0.345mmol)を、連続して添加した。室温で30分間攪拌した後、この混合物を濃縮した。残渣をEt2O中で摩砕し、濾過し、中間体(7b)(0.558g、0.224mmol、64%)を供した。
【0139】
MS m/z ([M+H]+) 250。
1 H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ(ppm) : 3.22 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 3.34-3.38 (m, 1H), 4.05 (dd, J = 2.5, 5.5 Hz, 1H), 4.11 (d, J = 17.4 Hz, 1H), 4.21 (dd, J = 1.7, 17.4 Hz, 1H), 6.72 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 7.17 (br s, 1H), 7.63 (br s, 1H), 8.00 (s, 1H), 8.54 (s, 1H), 9.72 (br s, 1H)。
【0140】
工程3:ナトリウム[3-(4-カルバモイルピラゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例7)の調製
無水ピリジン(2.5mL)中の中間体(7b)(0.537g、0.215mmol)の溶液へ、不活性大気下で、三酸化硫黄ピリジン錯体(0.139g、0.872mmol)を添加した。18時間攪拌した後、不均一な混合物を、真空において濃縮した。DCMを、残渣へ添加し、不溶性物質を濾過した。濾液を真空において濃縮し、生成物を、Dowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまで水により洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)に適用した。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、凍結し、且つ凍結乾燥させ、固形物を生じ、これをC18-逆相シリカゲル(H2O/ACN:98/2)上で精製し、Dowexナトリウム型カラムに再度適用し、実施例(7)(0.117g、0.033mmol、15%)を供した。
【0141】
MS m/z ([M-H]-) 328。
1H NMR (400 MHz, D2O) δ(ppm) : 3.46 (d, J = 11.3 Hz, 1H), 3.70 (dd, J = 2.5, 11.2 Hz, 1H), 4.35 (d, J = 17.6 Hz, 1H), 4.41 (dd, J = 1.6, 17.6 Hz, 1H), 4.60 (dd, J = 2.5, 5.6 Hz, 1H), 6.74 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 8.03 (s, 1H), 8.37 (s, 1H)。
【0142】
実施例8:ナトリウム[3-(4-シアノピラゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化21】
【0143】
工程1:中間体1-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル-1H-ピラゾール-4-カルボニトリル(8a)の調製
実施例1(工程7)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(0.2g、0.653mmol)を、1H-ピラゾール-4-カルボニトリル(0.122g、1.307mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(i-PrOH)後に、約30%の1H-ピラゾール-4-カルボニトリルを含有する中間体(8a)(0.177g、0.653mmol、定量的収量)へ変換した。
【0144】
MS m/z ([M+H]+) 272。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 3.13 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 3.54 (dd, J = 2.2, 11.0 Hz, 1H), 4.12-4.19 (m, 2H), 4.31-4.51 (m, 3H), 5.21-5.45 (m, 2H), 5.88-6.11 (m, 1H), 6.63 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 7.82 (s, 1H), 8.05 (s, 1H)。
【0145】
工程2:中間体1-(6-ヒドロキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)-1H-ピラゾール-4-カルボニトリル(8b)の調製
実施例7(工程2)において説明した手順を使用し、中間体(8a)(177mg、0.65mmol)を、シリカゲル上の精製(DCM/アセトン100/0から70/30)、それに続くEt2O中の摩砕後、約30%トリフェニルホスフィンオキシドを含有する中間体(8b)(0.132g、0.57mmol、88%)へ変換した。
【0146】
MS m/z ([M+H]+) 232。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 3.10 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 3.42-3.53 (m, 1H), 4.08 (dd, J= 2.6, 5.5 Hz, 1H), 4.15 (dd, J= 17.7, 1.8 Hz, 1H), 4.34 (d, J= 17.7 Hz, 1H), 6.67 (d, J= 5.4 Hz, 1H), 7.83 (s, 1H), 8.09 (s, 1H)。
【0147】
工程3:ナトリウム[3-(4-シアノピラゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例8)の調製
無水ピリジン(5.7mL)中の中間体(8b)(0.132g、0.57mmol)の溶液へ、不活性大気下で、三酸化硫黄ピリジン錯体(0.368g、3.31mmol)を添加した。室温で18時間攪拌した後、不均一な混合物を、真空において濃縮した。DCMを、この残渣へ添加し、固形物を濾過除去した。濾液を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン100/0から0/100)、固形物を生じ、これをDowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまで水により洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)に適用した。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、凍結し、且つ凍結乾燥させ、実施例(8)(0.334g、0.010mmol、17%)を供した。
【0148】
MS m/z ([M-H]-) 310。
1H NMR (400 MHz, D2O) δ(ppm) : 3.45 (d, J= 11.4 Hz, 1H), 3.70 (dd, J= 2.4, 11.4 Hz, 1H), 4.33 (d, J= 17.5 Hz, 1H), 4.40 (d, J= 17.5 Hz, 1H), 4.61 (dd, J= 2.6, 5.6 Hz, 1H), 6.79 (d, J= 5.4 Hz, 1H), 8.05 (s, 1H), 8.50 (s, 1H)。
【0149】
実施例9:ナトリウム[7-オキソ-3-(4-メトキシピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化22】
【0150】
工程1:中間体6-アリルオキシ-3-(4-メトキシピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(9a)の調製
実施例1(工程7)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(0.26g、0.85mmol)を、4-メトキシ-1H-ピラゾール(125mg、1.27mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン:100/0から0/100)後、黄色固形物としての中間体(9a)(114mg、0.41mmol、49%)へ変換した。
【0151】
MS m/z ([M+H]+) 277。
1H NMR (300 MHz, アセトン-d6) δ 3.26 (dd, J = 10.8, 0.7 Hz, 1H), 3.39-3.44 (m, 1H), 3.74 (s, 3H), 4.17 (dd, J = 17.5, 1.9 Hz, 1H), 4.24 (ddd, J = 5.6, 2.7, 0.7 Hz, 1H), 4.34 (dd, J = 0.7, 17.4 Hz, 1H), 4.37-4.41 (m, 2H), 5.20-5.25 (m, 1H), 5.32-5.39 (m, 1H), 5.93-6.07 (m, 1H), 6.40-6.44 (m, 1H), 7.34 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 7.76 (d, J = 0.8 Hz, 1H)。
【0152】
工程2:中間体6-ヒドロキシ-3-(4-メトキシピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(9b)の調製
不活性大気下、PhSiH3(100μL、0.80mmol)及びPd(PPh3)4(18.6mg、0.02mmol)を、無水DCM(3.7mL)中の中間体(9a)(111mg、0.40mmol)の溶液へ、連続して添加した。この反応混合物を、室温で30分間攪拌した。次にこの混合物を、アルゴンのフラックス下で濃縮し、残渣を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から0/100)、中間体(9b)(142mg、0.60mmol)を供した。
MS m/z([M+H]+) 237。
【0153】
工程3:ナトリウム[7-オキソ-3-(4-メトキシピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例9)の調製
不活性大気下でiPrOH/H2O(3.2mL/1.2mL)中の中間体(9b)(142mg、0.60mmol)の溶液へ、三酸化硫黄トリメチルアミン錯体(67mg、0.48mmol)及びTEA(14μL、0.1mmol)を添加した。この混合物を、一晩攪拌した。反応混合物を、アルゴンのフラックス下で濃縮した。残渣を、最小量のH2O/ACN(1:1)中に溶解し、Dowexナトリウム型(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまでH2Oにより洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)を充填したイオン交換カラムを通過させた。所望の化合物を含有する画分を、凍結乾燥させ、次に残渣を、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(H2O/MeCNの99/1)、実施例(9)(28mg、0.06mmol、20%)を白色固形物として供した。
【0154】
MS m/z([M+H]+) 317。
MS m/z ([M-H]-) 315。
1H NMR (400 MHz, D2O) δ3.45 (d, J= 11.3 Hz, 1H), 3.69 (dd, J= 11.3, 2.9 Hz, 1H), 3.81 (s, 3H), 4.36 (s, 2H), 4.57 (dd, J= 5.7, 2.7 Hz, 1H), 6.49 (d, J= 5.7 Hz, 1H), 7.50 (s, 1H), 7.73 (s, 1H)。
【0155】
実施例10:[3-[3-(2-アミノエチル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩の合成
【化23】
【0156】
工程1:中間体tert-ブチルN-[2-(1H-ピラゾール-3-イル)エチル]カルバメート(10a)の調製
DCM(15mL)中の2-(1H-ピラゾール-3-イル)エタンアミン(0.15g、1.35mmol)の溶液へ、アルゴン下で、Boc2O(0.295g、1.35mmol)を添加した。この混合物を、18時間攪拌し、次に水及びブラインで洗浄した。残渣を、シリカゲル上で精製し(DCM/アセトン100/0から0/100)、中間体(10a)(0.186g、0.88mmol、65%)を供した。
【0157】
MS m/z ([M+H]+) 212。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 1.43 (s, 9H), 2.88 (t, J= 6.7 Hz, 2H), 3.31-3.56 (m, 2H), 4.94 (br s, 1H), 6.13 (d, J= 2.1 Hz, 1H), 7.51 (d, J= 2.1 Hz, 1H)。
【0158】
工程2:中間体tert-ブチルN-[2-[1-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-3-イル]エチル]カルバメート(10b)の調製
実施例1(工程7)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(0.207g、0.68mmol)を、中間体(10a)(0.186g、0.88mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン100/0から90/10)後、中間体(10b)(0.158g、0.405mmol、59%)へ変換した。
【0159】
MS m/z([M+H]+) 390。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 1.44 (s, 9H), 2.78 (t, J= 6.6 Hz, 2H), 3.14 (d, J= 10.7 Hz, 1H), 3.42 (q, J= 6.6 Hz, 2H), 3.53 (dd, J= 2.1, 10.8 Hz, 1H), 4.09 (dd, J= 2.5, 5.5 Hz, 1H), 4.16 (dd, J= 1.8, 17.5 Hz, 1H), 4.37-4.50 (m, 3H), 4.84 (br s, 1H), 5.27-5.41 (m, 2H), 5.96-6.08 (m, 1H), 6.17 (d, J= 2.5 Hz, 1H), 6.42 (d, J= 5.4 Hz, 1H), 7.49 (d, J= 2.5 Hz, 1H)。
【0160】
工程3:中間体tert-ブチルN-[2-[1-(6-ヒドロキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-3-イル]エチル]カルバメート(10c)の調製
実施例8(工程2)において説明した手順を使用し、中間体(10b)(158mg、0.405mmol)を、シリカゲル上の精製(DCM/アセトン100/0から70/30)後、中間体(10c)(118mg、0.338mmol、83%)へ変換した。
【0161】
MS m/z ([M+H]+) 350。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 1.39 (s, 9H), 2.75 (t, J= 6.6 Hz, 2H), 3.07 (d, J= 10.7 Hz, 1H), 3.30-3.48 (m, 3H), 4.02 (dd, J= 2.6, 5.5 Hz, 1H), 4.10 (dd, J= 1.5, 17.6 Hz, 1H), 4.36 (d, J= 17.6 Hz, 1H), 5.00 (br s, 1H), 6.14 (d, J= 2.5 Hz, 1H), 6.44 (d, J= 5.5 Hz, 1H), 7.50 (d, J=2.5 Hz, 1H)。
【0162】
工程4:中間体ナトリウム[3-[3-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エチル]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(10d)の調製
実施例8(工程3)において説明した手順を使用し、中間体(10c)(118mg、0.338mmol)を、シリカゲル上の精製(DCM/MeOHの100/0から90/10)及びDowexナトリウム型カラムの通過後、中間体(10d)(57mg、0.126mmol, 37%)へ変換した。
【0163】
1H NMR (300 MHz, D2O): δ(ppm) 1.35 (br s, 9H), 2.77 (t, J= 6.4 Hz, 2H), 3.34 (t, J= 6.4 Hz, 2H), 3.42 (d, J= 11.3 Hz, 1H), 3.68 (dd, J= 2.2, 11.3 Hz, 1H), 4.33 (s, 2H), 4.56 (dd, J = 2.5, 5.6 Hz, 1H), 6.36 (d, J= 2.2 Hz, 1H), 6.54 (d, J= 4.6 Hz, 1H), 7.78 (s, 1H)。
【0164】
工程5:[3-[3-(2-アミノエチル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩(実施例10)の調製
中間体(10d)(57mg、0.126mmol)を、不活性大気下0℃で、TFA(1mL)中に可溶化した。15分間攪拌した後、混合物を、窒素(azote)フラックス下で乾燥した。固形物を、ACNにより摩砕し、PTFEメンブレン上で濾過し、P205の存在下、真空で乾燥させ、実施例(10)(25.7mg、0.078mmol、82%)を供した。
【0165】
MS m/z ([M-H]-) 328。
1H NMR (300 MHz, DMSO-cfe): δ(ppm) 2.86 (t, J= 7.2 Hz, 2H), 3.10 (t, J= 7.2 Hz, 2H), 3.23 (d, J= 11.0 Hz, 1H), 3.39 (dd, J= 2.5, 11.0 Hz, 1H), 4.21 (s, 2H), 4.35 (dd, J= 2.4, 5.6 Hz, 1H), 6.38 (d, J= 2.5 Hz, 1H), 6.61 (d, J= 5.4 Hz, 1H), 7.72 (br s, 3H), 8.14 (d, J = 2.5 Hz, 1H)。
【0166】
実施例11:ナトリウム[3-[3-(2-ヒドロキシエチルカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化24】
【0167】
工程1:中間体1-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)-N-(2-ヒドロキシエチル)ピラゾール-3-カルボキサミド(11a)の調製
実施例1(工程7)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(0.250g、0.817mmol)を、N-(2-ヒドロキシエチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(0.165g、1.062mmol)との反応により、中間体(11a)(0.272g、0.817mmol、定量的収量)へ変換し、これを更に精製することなく使用した。
MS m/z([M+H]+) 334。
【0168】
工程2:中間体1-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)-N-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]ピラゾール-3-カルボキサミド(11b)の調製
無水THF(8mL)中の中間体(11a)(0.272g、0.817mmol)の溶液へ、不活性大気下で、TBDMSCl(0.185g、1.225mmol)及びイミダゾール(0.945g、1.390mmol)を添加した。18時間攪拌した後、反応物を、水で希釈し、生成物を、AcOEtにより抽出し、真空において濃縮した。残渣を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から85/15)、中間体(11b)(0.126g、0.281mmol、34%)を供した。
【0169】
MS m/z ([M+H]+) 448。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 0.04 (s, 3H), 0.05 (s, 3H), 0.89 (s, 9H), 3.11 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 3.46-3.54 (m, 3H), 3.73 (t, J = 5.3 Hz, 2H), 4.07-4.17 (m, 2H), 4.33-4.46 (m, 3H), 5.25-5.37 (m, 2H), 5.93-6.03 (m, 1H), 6.48 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 6.83 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.62 (d, J = 2.6 Hz, 1H)。
【0170】
工程3:中間体N-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-1-(6-ヒドロキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-3-カルボキサミド(11c)の調製
無水DCM(2.9mL)中の中間体(11b)(0.126g、0.281mmol)の溶液を、アルゴン大気下で10分間脱気した。AcOH(0.032mL、0.562mmol)、Pd(PPh3)4(0.049g、0.042mmol)及びPPh3(0.074g、0.281mmol)を、連続して添加した。室温で30分間攪拌した後、混合物を真空において濃縮した。残渣を、シリカゲル上で精製し(DCM/アセトン100/0から70/30)、中間体(11c)(63mg、0.154mmol、55%)を供した。
MS m/z ([M+H]+) 408。
【0171】
工程4:中間体ナトリウム[3-[3-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチルカルバモイル]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(11d)の調製
tBuOH/H2O:1/1(1.7mL)の混合液中の中間体(11c)(63mg、0.155mmol)の溶液へ、三酸化硫黄トリエチルアミン錯体(26mg、0.185mmol)及びEt3N(6μL、0.039mmol)を添加した。2時間攪拌した後、この混合物を、真空において濃縮した。残渣を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン100/0から0/100)、固形物を生じ、これをDowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまで水により洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)に適用した。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、凍結し、且つ凍結乾燥させ、中間体(11d)(37mg、0.072mmol、46%)を供した。
MS m/z([M+H]+) 488。
【0172】
工程5:ナトリウム[3-[3-(2-ヒドロキシエチルカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例11)の調製
中間体(11d)を、不活性大気下0℃で、TFA(0.037g、0.072mmol)に可溶化した。1時間攪拌した後、混合物を、窒素フラックス上で乾燥した。残渣を、Et2O中で摩砕し、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(水/CAN:98/2)。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、凍結し、且つ凍結乾燥させた。固形物を、Dowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまで水により洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)に適用した。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、凍結し、且つ凍結乾燥させ、実施例(11)(15mg、0.029mmol、40%)を供した。
【0173】
MS m/z ([M-H]-) 372。
1H RMN (300 MHz, D2O): δ(ppm) 3.44 (d, J= 11.2 Hz, 1H), 3.51 (t, J= 5.5 Hz, 2H), 3.70 (dd, J= 2.8, 11.2 Hz, 1H), 3.74 (t, J= 5.5 Hz, 2H), 4.40 (s, 2H), 4.58 (dd, J= 2.5, 5.5 Hz, 1H), 6.72 (d, J= 5.5 Hz, 1H), 6.83 (d, J= 2.7 Hz, 1H), 7.96 (d, J= 2.7 Hz, 1H)。
【0174】
実施例12:トリエチルアンモニウム[3-[3-(ヒドロキシメチル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化25】
【0175】
工程1:中間体3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-1H-ピラゾール(12a)の調製
無水DMF(8mL)中の(1H-ピラゾール-3-イル)-メタノール(0.150g、1.53mmol)の溶液へ、アルゴン下で、TBDMSCl(0.345g、2.29mmol)及びイミダゾール(0.177g、2.60mmol)を添加した。この混合物を、室温で18時間攪拌した。混合物を、EtOAc/Et2O:1/1の混合液により抽出し、水により洗浄し、中間体(12a)(0.324g、1.53mmol、定量的収量)を供し、これを更に精製することなく使用した。
MS m/z ([M+H]+) 213。
【0176】
工程2:中間体6-アリルオキシ-3-[3-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(12b)の調製
実施例1(工程7)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(0.292g、0.95mmol)を、中間体(12a)(0.324g、1.526mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン100/0から95/5)後、中間体(12b)(0.124g、0.317mmol、33%)へ変換した。
【0177】
MS m/z([M+H]+) 391。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 0.08 (s, 6H), 0.90 (s, 9H), 3.13 (d, J= 10.7 Hz, 1H), 3.52 (dd, J= 2.2, 10.7 Hz, 1H), 4.08 (dd, J= 2.4, 5.5 Hz, 1H), 4.17 (dd, J= 1.8, 17.6 Hz, 1H), 4.36-4.49 (m, 3H), 4.69 (s, 2H), 5.22-5.44 (m, 2H), 5.96-6.07 (m, 1H), 6.35 (d, J= 2.5 Hz, 1H), 6.40 (d, J= 5.5 Hz, 1H), 7.52 (d, J= 2.5 Hz, 1H)。
【0178】
工程3:中間体3-[3-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]ピラゾール-1-イル]-6-ヒドロキシ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(12c)の調製
実施例11(工程3)において説明した手順を使用し、中間体(12b)(124mg、0.317mmol)を、シリカゲル上の精製(DCM/アセトン100/0から70/30)後、中間体(12c)(111mg、0.317mmol、定量的収量)へ変換した。
【0179】
MS m/z ([M+H]+) 351。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 0.08 (s, 6H), 0.91 (s, 9H), 3.12 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 3.50 (dd, J= 2.3, 10.7 Hz, 1H), 4.05 (dd, J= 2.5, 5.5 Hz, 1H), 4.16 (dd, J= 1.8, 17.6 Hz, 1H), 4.39 (d, J= 17.6 Hz, 1H), 4.70 (s, 2H), 6.36 (d, J= 2.5 Hz, 1H), 6.43 (d, J= 5.5 Hz, 1H), 7.54 (d, J=2.5 Hz, 1H)。
【0180】
工程4:中間体ピリジニウム[3-[3-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(12d)の調製
無水ピリジン(3.2mL)中の中間体(12c)(0.111g、0.317mmol)の溶液へ、不活性大気下で、三酸化硫黄ピリジン錯体(0.204g、1.28mmol)を添加した。18時間攪拌した後、不均一な混合物を、真空において濃縮した。DCMを残渣へ添加し、固形物を濾過除去した。濾液を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン100/0から0/100)、中間体(12d)(0.067g、0.131mmol、41%)を供した。
【0181】
MS m/z([M+H]+) 431。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ(ppm) 0.08 (s, 6H), 0.90 (s, 9H), 3.17 (d, J= 10.9 Hz, 1H), 3.72 (dd, J= 2.1, 10.9 Hz, 1H), 4.19 (dd, J= 1.7, 17.9 Hz, 1H), 4.43 (d, J= 17.9 Hz, 1H), 4.57 (dd, J= 2.5, 5.6 Hz, 1H), 4.67 (s, 2H), 6.34 (d, J= 2.5 Hz, 1H), 6.40 (d, J= 5.5 Hz, 1H), 7.61 (d, J= 2.5 Hz, 1H), 7.96 (dd, J = 6.7, 6.7 Hz, 2H), 8.43 (ddd, J= 1.5, 6.7, 6.7 Hz, 1H), 9.02 (dd, J= 1.5, 6.7 Hz, 2H)。
【0182】
工程5:トリエチルアンモニウム[3-[3-(ヒドロキシメチル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例12)の調製
無水ACN(1.3mL)中の中間体(12d)(0.067g、0.131mmol)の溶液へ、不活性大気下で、トリエチルアミン三フッ化水素酸塩(0.022mL、0.131mmol)を添加した。40℃で140分間攪拌した後、混合物を、窒素フラックス上で濃縮した。残渣を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン100/0から0/100)、実施例(12)(0.031g、0.074mmol、56%)を供した。
【0183】
MS m/z([M+H]+) 317。
1H NMR (400 MHz, アセトン-d6): δ(ppm) 1.32 (t, J= 7.3 Hz, 9H), 3.30 (qd, J= 4.8, 14.6 Hz, 6H), 3.33 (d, J= 11.0 Hz, 1H), 3.51 (dd, J= 2.1, 11.0 Hz, 1H), 4.16-4.28 (m, 2H), 4.34 (d, J= 17.6 Hz, 1H), 4.45 (dd, J= 2.5, 5.6 Hz, 1H), 4.56 (d, J= 5.6 Hz, 2H), 6.42 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 6.56 (d, J= 5.5 Hz, 1H), 7.98 (d, J= 2.5 Hz, 1H), 8.44 (br s, 1H)。
【0184】
実施例13:ナトリウム[3-[3-[(2-アミノチアゾール-5-カルボニル)アミノ]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化26】
【0185】
工程1:中間体6-アリルオキシ-3-(3-ニトロ-ピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(13a)の調製
実施例1(工程7)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(2g、6.53mmol)を、3-ニトロ-1H-ピラゾール(0.960g、8.49mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン100/0から94/6)、次にEt2Oによる摩砕後、中間体(13a)(1.42g、4.875mmol、74%)へ変換した。
【0186】
MS m/z([M+H]+) 292。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 3.15 (d, J= 11.0 Hz, 1H), 3.56 (dd, J= 2.1, 11.0 Hz, 1H), 4.16 (dd, J= 2.4, 5.5 Hz, 1H), 4.24 (dd, J= 1.9, 17.7 Hz, 1H), 4.34-4.49 (m, 3H), 5.28-5.41 (m, 2H), 5.94-6.06 (m, 1H), 6.71 (d, J= 5.5 Hz, 1H), 6.98 (d, J= 2.7 Hz, 1H), 7.70 (d, J= 2.7 Hz, 1H)。
【0187】
工程2:中間体6-アリルオキシ-3-(3-アミノ-ピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(13b)の調製
無水DCM(48mL)中の中間体(13a)(1.42g、4.875mmol)の溶液へ、0℃で、亜鉛(3.19g、48.75mmol)及びAcOH(2.8mL、48.75mmol)を添加した。1時間0℃で攪拌した後、混合物を、セライトケーキ上で濾過し、濾液を直ちに、10℃のシクロヘキサンへ注いだ。この混合物のDCMを、窒素のフラックス下で蒸発させ、沈殿物を、PTFEメンブレン上で濾過除去し、中間体(13b)(1.27g、4.87mmol、定量的収量)を供した。
【0188】
MS m/z([M+H]+) 262。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 3.11 (d, J= 10.7 Hz, 1H), 3.50 (dd, J= 2.2, 10.7 Hz, 1H), 3.77 (br s, 2H), 4.03-4.11 (m, 2H), 4.34 (d, J= 17.8 Hz, 1H), 4.36-4.48 (m, 2H), 5.27-5.39 (m, 2H), 5.73 (d, J= 2.6 Hz, 1H), 5.96-6.06 (m, 1H), 6.28 (d, J= 5.5 Hz, 1H), 7.28 (d, J= 2.6 Hz, 1H)。
【0189】
工程3:中間体tert-ブチルN-[5-[[1-[6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル]ピラゾール-3-イル]カルバモイル]チアゾール-2-イル]カルバメート(13c)の調製
DMA(8mL)中の中間体(13b)(0.214g、0.818mmol)の溶液へ、不活性大気下0℃で、DMA(1.5mL)中のN-(5-クロロカルボニルチアゾール-2-イル)カルバミン酸tert-ブチル(特許WO2014102759の記載に従い調製)(0.215g、0.818mmol)の溶液を滴加した。35分間攪拌した後、この混合物を、窒素のフラックス下で濃縮した。残渣を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/EtOAc:100/0から0/100)、Et2Oにより摩砕し、中間体(13c)(0.399g、0.818mmol、定量的収量)を供した。
【0190】
MS m/z([M+H]+) 488。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 1.50 (s, 9H), 3.27 (d, J= 10.8 Hz, 1H), 3.30-3.36 (m, 1H), 4.16-4.29 (m, 3H), 4.39 (d, J= 6.0 Hz, 2H), 5.23-5.26 (m, 1H), 5.32-5.40 (m, 1H), 5.90-6.01 (m, 1H), 6.53 (d, J= 5.4 Hz, 1H), 6.77 (d, J= 2.6 Hz, 1H), 8.08 (d, J= 2.6 Hz, 1H), 8.33 (s, 1H), 11.11 (s, 1H), 11.80 (s, 1H)。
【0191】
工程4:中間体tert-ブチルN-[1-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-3-イル]-N-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)チアゾール-5-カルボニル]カルバメート(13d)及びtert-ブチルN-[1-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-3-イル]-N-[2-[ビス(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]チアゾール-5-カルボニル]カルバメート(13e)の調製
無水ピリジン(0.3mL)中の中間体(13c)(0.030g、0.061mmol)の溶液へ、不活性大気下0℃で、Boc2O(0.133g、0.61mmol)及びDMAP(0.008g、0.006mmol)を添加した。1時間攪拌した後、混合物を、窒素のフラックス下で濃縮した。残渣を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から90/10)、中間体(13d)(0.014g、0.024mmol、39%)及び中間体(13e)(0.020g、0.029mmol、47%)を供した。
【0192】
MS m/z ([M+H]+) 588。
中間体(13d)
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 1.45 (s, 9H), 1.56 (s, 9H), 3.10 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 3.49 (dd, J= 2.7, 10.7 Hz, 1H), 4.06 (dd, J= 2.4, 5.6 Hz, 1H), 4.12 (dd, J= 1.8, 17.7 Hz, 1H), 4.32 (dd, J = 1.1, 17.7 Hz, 1H), 4.33-4.49 (m, 2H), 5.26-5.39 (m, 2H), 5.93-6.08 (m, 1H), 6.40 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 6.42 (br s, 1H), 7.57 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.88 (s, 1H), 11.03 (br s, 1H)。
中間体(13e)
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 1.45 (s, 9H), 1.47 (s, 9H), 1.53 (s, 9H), 1.56 (s, 9H), 1.59 (s, 9H), 1.61 (s, 9H), 3.10 (2d, J= 10.7 Hz, 1H), 3.47-3.54 (m, 1H), 4.04-4.16 (m, 2H), 4.28-4.49 (m, 3H), 5.27-5.40 (m, 2H), 5.93-6.08 (m, 1H), 6.36 (d, J= 2.6 Hz, 1H), 6.37 (d, J= 2.6 Hz, 1H), 6.42 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 6.46 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 7.55 (d, J= 2.6 Hz, 1H), 7.60 (d, J= 2.6 Hz, 1H), 7.81 (s, 1H), 7.93 (s, 1H)。
【0193】
工程5:中間体tert-ブチルN-[1-(6-ヒドロキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-3-イル]-N-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)チアゾール-5-カルボニル]カルバメート(13f)の調製
実施例7(工程2)において説明した手順を使用し、中間体(13d)(132mg、0.225mmol)を、シリカゲル上の精製(DCM/アセトン100/0から70/30)後、中間体(13f)(0.59mg、0.108mmol、48%)へ変換した。
MS m/z ([M+H]+) 548。
【0194】
工程6:中間体ピリジニウム[3-[3-[tert-ブトキシカルボニル-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)チアゾール-5-カルボニル]アミノ]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(13g)の調製
無水ピリジン(3.5mL)中の中間体(13f)(0.224g、0.346mmol)の溶液へ、不活性大気下で、三酸化硫黄ピリジン錯体(0.223g、1.40mmol)を添加した。16時間攪拌した後、不均一な混合物を、真空において濃縮した。DCMを残渣へ添加し、固形物を濾過除去した。濾液を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン100/0から0/100)、中間体(13g)(0.141g、0.199mmol、57%)を供した。
【0195】
MS m/z ([M+H]+) 628。
1H NMR (400 MHz, アセトン-d6) δ(ppm) : 1.45 (s, 9H), 1.54 (s, 9H), 3.31 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 3.48 (dd, J = 2.2, 10.8 Hz, 1H), 4.17 (dd, J = 1.8, 17.6 Hz, 1H), 4.22 (dd, J = 1.2, 17.6 Hz, 1H), 4.43 (dd, J = 2.6, 5.6 Hz, 1H), 6.53 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 6.60 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 7.79 (s, 1H), 8.15-8.20 (m, 1H), 8.68-8.73 (m, 2H), 9.06 (dd, J = 1.6, 6.8 Hz, 2H), 10.69 (br s, 1H)。
【0196】
工程7:ナトリウム[3-[3-[(2-アミノチアゾール-5-カルボニル)アミノ]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例13)の調製
TFA(0.5mL)中の中間体(13g)(0.064g、0.090mmol)の溶液を、不活性大気下で、-14℃で30分間、次に0℃で4時間攪拌した。この混合物を、窒素のフラックス下で濃縮した。固形物を、Et2O及びACNにより摩砕し、黄色固形物を供し、これをDowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまで水により洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)に適用した。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、凍結し、且つ凍結乾燥させた。固形物を、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(水からACN)。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、凍結し、且つ凍結乾燥させ、実施例(13)(2.7mg、0.006mmol、6%)を供した。
【0197】
MS m/z ([M-H]-) 428。
1H NMR (300 MHz, D2O) δ(ppm) : 3.45 (d, J = 11.2 Hz, 1H), 3.71 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 4.36 (s, 2H), 4.58 (dd, J = 2.1, 5.7 Hz, 1H), 6.55 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 6.62 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.73 (s, 1H), 7.79 (d, J = 2.7 Hz, 1H)。
【0198】
実施例14:ナトリウム(7-オキソ-3-(4-フルオロピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)スルフェートの合成
【化27】
【0199】
工程1:中間体6-アリルオキシ-3-(4-フルオロピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(14a)の調製
実施例2(工程1a)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(250mg、0.817mmol)を、4-フルオロ-1H-ピラゾール(84.4mg、0.980mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(シクロヘキサン/EtOAc:100/0から50/50)後、油状物としての中間体(14a)(179mg、0.678mmol、83%)へ変換した。
【0200】
MS m/z ([M+H]+) 264, ([2M+H]+) 529。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ(ppm) 3.12 (d, J= 10.9 Hz, 1H), 3.52 (ddd, J= 11.0, 2.9, 1.1 Hz, 1H), 4.09 (dd, J= 5.6, 2.8 Hz, 1H), 4.16 (dd, J= 17.7, 1.9 Hz, 1H), 4.36-4.50 (m, 3H), 5.29-5.40 (m, 2H), 5.95-6.08 (m, 1H), 6.31-6.33 (m, 1H), 7.42 (dd, J= 4.2, 0.7 Hz, 1H), 7.51 (dd, J= 4.8, 0.7 Hz, 1H)。
【0201】
工程2:ナトリウム(7-オキソ-3-(4-フルオロピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)スルフェート(実施例14)の調製
実施例2(工程2)において説明した手順を使用し、中間体(14a)(179mg、0.678mmol)を、凍結乾燥後、白色固形物としての実施例(14)(115mg、0.352mmol、52%)へ変換した。
【0202】
MS m/z ([M-H]-) 303。
1H-NMR (300 MHz, D2O): δ(ppm) 3.44 (dd, J= 11.3, 0.7 Hz, 1H), 3.69 (ddd, J= 11.3, 2.9, 1.1 Hz, 1H), 4.35 (d, J= 1.5 Hz, 2H), 4.58-4.60 (m, 1H), 6.53-6.57 (m, 1H), 7.62 (dd, J = 4.0, 0.7 Hz, 1H), 7.93 (dd, J= 4.4, 0.8 Hz, 1H)。
19F-NMR (282 MHz, D2O): δ(ppm) -174.56 (t, J= 4.2 Hz, 1F)。
【0203】
実施例15:ナトリウム及び2,2,2-トリフルオロアセテート[3-(4-メチレンアンモニウムピラゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化28】
【0204】
工程1:中間体tert-ブチルN-[N-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-4-イルメチル]カルバメート(15a)の調製
実施例2(工程1a)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(500mg、1.63mmol)を、N-(1H-ピラゾール-4-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(387mg、1.96mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(シクロヘキサン/EtOAc:100/0から50/50)後、黄色油状物としての中間体(15a)(362mg、0.869mmol、53%)へ変換した。
【0205】
MS m/z ([M+H]+) 376。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.45 (s, 9H), 3.13 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 3.53 (dd, J = 10.8, 2.3 Hz, 1H), 4.07-4.21 (m, 5H), 4.38-4.46 (m, 2H), 4.74 (br s, 1H), 5.28-5.40 (m, 2H), 5.95-6.08 (m, 1H), 6.40 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 7.50 (s, 1H), 7.56 (s, 1H)。
【0206】
工程2:中間体ナトリウム[3-[4-[(tert-ブトキシカルボニルアミノ)メチル]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(15b)の調製
不活性大気下で、PhSiH3(238μL、1.93mmol)及びPd(PPh3)4(45mg、0.039mmol)を、無水DCM(35mL)中の中間体(15a)(362mg、0.869mmol)の溶液へ添加した。この反応混合物を、室温で2時間攪拌した。ピリジン(35mL)及び三酸化硫黄ピリジン錯体(769mg、4.83mmol)を、この反応混合物へ添加した。生じた懸濁液を遮光し、反応が完了するまで、一晩攪拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮し、次にDCMで希釈し、濾過した。濾液を、減圧下で濃縮し、次にシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(DCM/アセトン:100/0から80/20)。予想される中間体を含有する画分を一緒にし、濃縮し、茶色固形物を生じた。この固形物を、最小量のH2O/ACNの混合液中に溶解し、Dowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまでH2Oにより洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)の後、茶色固形物として中間体(15b)(142mg、0.300mmol、31%)へ変換した。
【0207】
MS m/z ([M-H]-) 414。
1H NMR (300 MHz, D2O) δ 1.41 (s, 9H), 3.43 (d, J= 11.3 Hz, 1H), 3.67 (dd, J= 11.3, 2.6 Hz, 1H), 4.12-4.15 (m, 2H), 4.32-4.36 (m, 2H), 4.55 (dd, J= 5.7, 2.6 Hz, 1H), 6.55 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 7.62 (s, 1H), 7.84 (s, 1H)。
【0208】
工程3:ナトリウム及び2,2,2-トリフルオロアセテート[3-(4-メチレンアンモニウムピラゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例15)の調製
中間体(15b)(10mg、0.021mmol)を、DCM/TFA(2:1)の混合液(0.5mL)中に溶解した。この混合物を、0℃で30分間攪拌した。残渣を、Et2O及びDCM中で摩砕した。固形物を、H2O中に希釈し、凍結乾燥させ、且つ凍結乾燥させ、実施例(15)(1.4mg、0.003mmol、12%)を白色固形物として得た。
【0209】
MS m/z ([M-H]-) 314。
1H NMR (400 MHz, D2O) δ3.46 (d, J= 11.3 Hz, 1H), 3.70 (dd, J= 11.3, 2.0 Hz, 1H), 4.12-4.18 (m, 2H), 4.36-4.40 (m, 2H), 4.59 (dd, J= 5.7, 2.7 Hz, 1H), 6.66 (d, J= 5.7 Hz, 1H), 7.78 (s, 1H), 8.08 (s, 1H)。
19F NMR (367 MHz, D2O) δ -75.54 (s, 3F)。
【0210】
実施例16:ナトリウム[7-オキソ-3-(4-スルファモイルピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化29】
【0211】
工程1:中間体N-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-4-スルホンアミド(16a)の調製
実施例2(工程1a)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(400mg、1.31mmol)を、1H-ピラゾール-4-スルホンアミド(231mg、1.57mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン:100/0から80/20)後、黄色油状物としての中間体(16a)(362mg、0.869mmol、53%)へ変換した。
【0212】
MS m/z ([M+H]+) 326。
MS m/z ([M-H]-) 324。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.15 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 3.53 (dd, J = 10.9, 2.0 Hz, 1H), 4.13-4.18 (m, 2H), 4.35 (d, J = 17.4 Hz, 1H), 4.37-4.48 (m, 2H), 5.30-5.34 (m, 2H), 5.33-5.40 (m, 2H), 5.95-6.05 (m, 1H), 6.62 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 7.85 (s, 1H), 8.10 (s, 1H)。
【0213】
工程2:ナトリウム[7-オキソ-3-(4-スルファモイルピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例16)の調製
不活性大気下で、PhSiH3(99μL、0.805mmol)及びPd(PPh3)4(19mg、0.016mmol)を、無水DCM(13mL)中の中間体(16a)(131mg、0.403mmol)の溶液へ添加した。この反応混合物を、室温で2時間攪拌した。生じた懸濁液を濾過し、中間体N-(6-ヒドロキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-4-スルホンアミドを茶色固形物として生じた。不活性大気下で、この中間体N-(6-ヒドロキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-4-スルホンアミド(31mg、0.109mmol)を、無水ピリジン(4mL)中に希釈した。三酸化硫黄ピリジン錯体(87mg、0.543mmol)を、この反応混合物へ添加した。生じた懸濁液を遮光し、反応が完了するまで、一晩攪拌した。反応混合物を濃縮し、残渣を、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(H2O/ACN:100/0から98/2)。予想される化合物を含有する画分を集成し、Dowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまでH2Oにより洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)によりイオン交換した後、白色固形物として実施例(16)(1.4mg、0.003mmol、3%)へ変換した。
【0214】
MS m/z ([M+H]+) 366。
MS m/z ([M-H]-) 364。
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 3.48 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 3.72 (dd, J = 11.4, 2.7 Hz, 1H), 4.37 (d, J = 17.5 Hz, 1H), 4.43 (dd, J = 17.5, 1.9 Hz, 1H), 4.63 (dd, J = 5.6, 2.7 Hz, 1H), 6.82 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 8.05 (s, 1H), 8.51 (s, 1H)。
【0215】
実施例17:ナトリウム[3-(3-カルボニトリルピラゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化30】
【0216】
工程1:中間体N-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)-3-カルボニトリルピラゾール(17a)の調製
不活性大気下で、中間体(1g)(200mg、0.653mmol)を、無水DMSO(6.5mL)により希釈した。NH-ピラゾール-3-カルボニトリル(122mg、1.31mmol)、無水K2CO3(271mg、1.96mmol)、CuI(12mg、0.065mmol)及びN,N-ジメチルグリシン塩酸塩(14mg、0.098mmol)を、連続して添加した。この青色の懸濁液を、100℃で加熱した。18時間後、混合物を、H2O(10mL)中で希釈し、EtOAc(20mL)を添加した。水層を、EtOAc(3×20mL)により抽出し、且つ一緒にした有機層を、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗化合物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(シクロヘキサン/EtOAc:100/0から50/50)、中間体(17a)(66mg、0.243mmol、37%)を黄色油状物として生じた。
実施例1(工程7)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(0.2g、0.653mmol)を、NH-ピラゾール-3-カルボニトリル(122mg、1.31mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(シクロヘキサン/EtOAcの100/0から50/50)後、黄色油状物としての中間体(17a)(66mg、0.243mmol、37%)へ変換した。
【0217】
MS m/z ([M+H]+) 272。
MS m/z ([M-H]-) 270。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ3.14 (d, J= 10.9 Hz, 1H), 3.56 (ddd, J= 10.9, 2.7, 1.1 Hz, 1H), 4.14 (dd, J= 5.6, 2.7 Hz, 1H), 4.20 (dd, J= 17.8, 2.0 Hz, 1H), 4.38-4.49 (m, 3H), 5.32 (ddd, J= 10.3, 1.4, 1.1 Hz, 1H), 5.38 (ddd, J= 17.2, 1.4, 1.1 Hz, 1H), 5.96-6.08 (m, 1H), 6.62 (d, J= 5.5 Hz, 1H), 6.75 (d, J= 2.7 Hz, 1H), 7.70 (d, J= 2.7 Hz, 1H)。
【0218】
工程2:ナトリウム[3-(3-カルボニトリルピラゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例17)の調製
不活性大気下で、中間体(17a)(66mg、0.243mmol)を、無水DCM(2.5mL)中に希釈した。AcOH(28μL、0.487mmol)及びPd(PPh3)4(141mg、0.122mmol)を、連続して添加した。この反応混合物を、室温で2時間攪拌した。混合物を濃縮し、シリカゲル上で精製し(DCM/アセトン:100/0から70/30)、中間体N-(6-ヒドロキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)-3-カルボニトリルピラゾールを供した。不活性大気下で、この中間体N-(6-ヒドロキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)-3-カルボニトリルピラゾールを、無水ピリジン(2.5mL)中に希釈した。三酸化硫黄ピリジン錯体(194mg、1.21mmol)を、反応混合物に添加した。生じた懸濁液を遮光し、反応が完了するまで、一晩攪拌した。反応混合物を濃縮し、次に最小量のH2O(及び少量のACN)中に溶解し、Dowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまでH2Oにより洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)によりイオン交換した後、白色固形物としての実施例(17)(12.5mg、0.038mmol、15%)に変換した。
【0219】
MS m/z([M+H]+) 312。
MS m/z ([M-H]-) 310。
1H NMR (400 MHz, D2O) δ3.47 (d, J= 11.4 Hz, 1H), 3.71 (dd, J= 11.4, 2.8 Hz, 1H), 4.37 (d, J = 17.4 Hz, 1H), 4.42 (dd, J= 17.4, 1.4 Hz, 1H), 4.62 (dd, J= 5.7, 2.8 Hz, 1H), 6.82 (d, J= 5.6 Hz, 1H), 6.97 (d, J= 2.7 Hz, 1H), 8.11 (d, J= 2.7 Hz, 1H)。
【0220】
実施例18:ナトリウム[7-オキソ-3-(3-フルオロピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化31】
【0221】
工程1:中間体6-アリルオキシ-3-(3-フルオロピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(18a)の調製
実施例1(工程7)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(0.26g、0.85mmol)を、3-フルオロ-1H-ピラゾール(110mg、1.27mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(石油エーテル/アセトン:100/0から0/100)後に、黄色油状物としての中間体(18a)(186mg、0.70mmol、82%)へ変換した。
【0222】
MS m/z ([M+H]+) 265。
1H NMR (400 MHz, アセトン) δ 3.27 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 3.43 (ddd, J = 0.6, 2.6, 10.9 Hz, 1H), 4.17 (dd, J = 17.4, 1.8 Hz, 1H), 4.21-4.30 (m, 2H), 4.36-4.45 (m, 2H), 5.20-5.26 (m, 1H), 5.32-5.39 (m, 1H), 5.95-6.06 (m, 1H), 6.10 (dd, J = 5.8, 2.7 Hz, 1H), 6.57 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 7.91 (t, J = 2.6 Hz, 1H)。
【0223】
工程2:中間体3-(3-フルオロピラゾール-1-イル)-6-ヒドロキシ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(18b)の調製
実施例9(工程2)において説明した手順を使用し、中間体(18a)(190mg、0.73mmol)を、シリカゲル上の精製(DCM/アセトン:100/0から0/100)後に、中間体(18b)(56mg、0.25mmol、34%)へ変換した。
MS m/z ([M+H]+) 225。
【0224】
工程3:ナトリウム[7-オキソ-3-(3-フルオロピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例18)の調製
無水ピリジン(5.68mL)中の中間体(18b)(56mg、0.25mmol)の溶液へ、不活性大気下で、三酸化硫黄ピリジン錯体(193mg、3.27mmol)を添加した。生じた懸濁液を、一晩攪拌した。この混合物を、アルゴンのフラックス下で濃縮した。残渣を、最小量のH2O/ACN(1:1)中に溶解し、Dowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまでH2Oにより洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)を充填したイオン交換カラムを通した。所望の化合物を含有する画分を、凍結乾燥させ、残渣を、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(H2O/MeCNの99/1)、実施例(18)(19mg、0.06mmol、8%)を白色固形物として供した。
【0225】
MS m/z ([M-H]-) 303。
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 3.43 (d, J = 11.3 Hz, 1H), 3.68 (dd, J = 11.3, 2.4 Hz, 1H), 4.26-4.36 (m, 2H), 4.56 (dd, J = 5.7, 2.7Hz, 1H), 6.11 (dd, J = 5.7, 2.7 Hz, 1H), 6.54 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 7.78 (t, J = 2.7 Hz , 1H)。
【0226】
実施例19:ナトリウム[3-(3-カルバモイルピラゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化32】
【0227】
工程1:中間体1-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-3-カルボキサミド(19a)の調製
実施例1(工程7)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(100mg、0.33mmol)を、1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(44mg、0.39mmol)との反応により、アセトン中の再結晶による精製後に、白色固形物としての中間体(19a)(30mg、0.10mmol、31%)へ変換した。
【0228】
MS m/z ([M+H]+) 290。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.25-3.36 (m, 2H), 4.16-4.35 (m, 3H), 4.39 (d, J = 6.1 Hz, 2H), 5.27(d, J = 10.6, 1H), 5.32-5.42 (m, 1H), 5.92-6.00 (m, 1H), 6.63-6.84 (m, 2H), 7.36 (s, 1H), 7.64 (s, 1H), 8.23 (d, J = 2.6 Hz, 1H)。
【0229】
工程2:中間体1-(6-ヒドロキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-3-カルボキサミド(19b)の調製
無水DCM(1mL)中の中間体(19a)(26mg、0.09mmol)の脱気した懸濁液へ、PhSiH3(22μL、0.18mmol)及びPd(PPh3)4(4mg、0.0034mmol)を添加した。この混合物を、室温で5時間攪拌し、且つ固形物を濾過した。固形物を、iPr2Oにより洗浄し、純粋な中間体(19b)(19mg、0.076mmol、86%)を供した。
【0230】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.23 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 3.37 (dd, J = 10.8, 2.8 Hz, 1H), 4.05 (dd, J = 5.6, 2.6 Hz, 1H), 4.18 (dd, J = 17.6, 1.9 Hz, 1H), 4.27 (d, J = 17.6 Hz, 1H), 6.69-6.86 (m, 2H), 7.36 (s, 1H), 7.63 (s, 1H), 8.23 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 9.68 (s, 1H)。
【0231】
工程3:ナトリウム[3-(3-カルバモイルピラゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例19)の調製
無水ピリジン(0.4mL)中の中間体(19b)(14mg、0.056mmol)の溶液へ、不活性大気下で、三酸化硫黄ピリジン錯体(45mg、0.28mmol)を添加した。室温で18時間攪拌した後、不均一な混合物を真空において濃縮した。THFを残渣へ添加し、固形物を濾過した。固形物を、アセトニトリル中で摩砕し、次に濾液を真空において濃縮し、固形物を供し、これを水及びアセトニトリルの混合液中に可溶化させ、Dowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまで水により洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)に適用した。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、凍結し、且つ凍結乾燥させた。次に固形物を、C18-逆相(reversed)シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより精製し(水/アセトニトリル98/2から0/100)、実施例(19)(4.1mg、0.011mmol、20%)を供した。
【0232】
MS m/z ([M-H]-) 328。
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 1 .89 (s, 1H), 3.45 (d, J = 11.3 Hz, 1H), 3.61-3.75 (m, 1H), 4.31-4.49 (m, 2H), 4.58 (dd, J = 5.7, 2.7 Hz, 1H), 6.74 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 6.85 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.99 (d, J = 2.7 Hz, 1H)。
【0233】
実施例20:ナトリウム[7-オキソ-3-[4-(N-モルホリン)-ピラゾール-1-イル)]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化33】
【0234】
工程1:中間体tert-ブチル4-(N-モルホリン)-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート(20a)の調製
DMF(28mL)中の4-アミノ-1H-ピラゾール-1-カルボン酸tert-ブチル(512mg、2.795mmol)及びビス(2-ブロモエチル)エーテル(778mg、3.354mmol)の攪拌した混合物へ、DIPEA(1.46mL、8.384mmol)を添加し、生じた溶液を、90℃で16時間攪拌した。反応混合物を、AcOEtで希釈し、水で2回、次にブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲル上で精製し(DCM/アセトン:100/0から80/20)、中間体(20a)(282mg、1.113mmol、40%)を明茶色固形物として供した。
【0235】
MS m/z ([M+H]+) 254。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 1.55 (s, 9H), 2.93 (dd, J = 5.1, 4.2 Hz, 4H), 3.69 (dd, J= 5.1, 4.2 Hz, 4H), 7.62 (d, J= 0.7 Hz, 1H), 7.74 (d, J= 0.7 Hz, 1H)。
【0236】
工程2:中間体4-(N-モルホリン)-1H-ピラゾール(20b)の調製
DCM(5.6mL)中の中間体(20a)(282mg、1.113mmol)の攪拌した混合物へ、ジオキサン中の4M HCl(2.78mL、11.13mmol)の溶液を添加し、生じた混合物を、室温で1時間攪拌した。形成された沈殿物を、空気流による蒸発により濃縮した。残渣を、DCM、Et2O、アセトンで洗浄し、次にAcOEtで洗浄し、明茶色固形物(113mg)を得た。ピラゾール塩酸塩を、AcOEtと飽和NaHCO3水溶液の間で分配し、室温で5分間攪拌した。次に有機層を分離し、水層をAcOEtにより3回抽出した。一緒にした有機層を、Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、中間体(20b)(90mg、0.588mmol、53%)を明茶色固形物として得た。
【0237】
MS m/z([M+H]+) 154。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 2.91-2.95 (m, 4H), 3.80-3.84 (m, 4H), 7.74 (s, 2H)。
【0238】
工程3:中間体6-アリルオキシ-3-[4-(N-モルホリン)-ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(20c)の調製
実施例2(工程1a)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(171mg、0.559mmol)を、中間体(20b)(90mg、0.587mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン:100/0から70/30)後、茶色泡状物としての中間体(20c)(181mg、0.546mmol、98%)へ変換した。
【0239】
MS m/z([M+H]+) 332。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 2.88-2.93 (m, 4H), 3.11 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 3.49 (dd, J= 10.7, 2.2 Hz, 1H), 3.78-3.82 (m, 4H), 4.06 (dd, J= 5.6, 2.4 Hz, 1H), 4.16 (dd, J = 17.6, 1.8 Hz, 1H), 4.34-4.48 (m, 3H), 5.26-5.30 (m, 1H), 5.31-5.38 (m, 1H), 5.93-6.06 (m, 1H), 6.22 (d, J= 5.5 Hz, 1H), 7.09 (s, 1H), 7.28 (s, 1H)。
【0240】
工程4:ナトリウム[7-オキソ-3-[4-(N-モルホリン)-ピラゾール-1-イル)]-1,6-ジアザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例20)の調製
実施例2(工程2)において説明した手順を使用し、中間体(20c)(181mg、0.546mmol)を、凍結乾燥後、明茶色固形物として実施例(20)(40mg、0.102mmol、3工程にわたり19%)へ変換した。
【0241】
MS m/z([M+H]+) 372。
MS m/z ([M-H]-) 370。
1H NMR (400 MHz, D2O): δ(ppm) 2.98-3.03 (m, 4H), 3.43 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 3.68 (d, J
= 11.4 Hz, 1H), 3.84-3.89 (m, 4H), 4.34 (s, 2H), 4.57 (dd, J= 5.9, 2.5 Hz, 1H), 6.48 (d, J =0.9 Hz, 1H), 7.56 (s, 1H), 7.65 (s, 1H)。
【0242】
実施例21:ナトリウム[3-(4-アセトアミドピラゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化34】
【0243】
工程1:中間体N-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)-4-アセトアミドピラゾール(21a)の調製
実施例1(工程7)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(121g、0.395mmol)を、1H-ピラゾール-4-アセトアミド(99mg、0.791mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン:100/0から40/60)後、黄色油状物としての中間体(21a)(50.5mg、0.166mmol、42%)へ変換した。
【0244】
MS m/z ([M+H]+) 304。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.14 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 3.43 (s, 2H), 3.53 (dd, J = 10.8, 2.9 Hz, 1H), 4.10 (dd, J = 5.6, 2.6 Hz, 1H), 4.19 (dd, J = 17.6, 1.9 Hz, 1H), 4.37-4.49 (m, 3H), 5.31 (ddd, J = 10.3, 1.5, 1.4 Hz, 1H), 5.37 (ddd, J = 17.2, 1.5, 1.4 Hz, 1H), 5.42 (br s, 1H), 5.57 (br s, 1H), 5.96-6.06 (m, 1H), 6.43 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 7.49 (s, 1H), 7.62 (s, 1H)。
【0245】
工程2:ナトリウム[3-(4-アセトアミドピラゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例21)の調製
不活性大気下、中間体(21a)(50mg、0.165mmol)を、無水DCM(1.7mL)中に希釈した。AcOH(19μL、0.330mmol)及びPd(PPh3)4(95mg、0.082mmol)を、連続して添加した。この反応混合物を、室温で2時間攪拌した。混合物を、減圧下で濃縮した。粗生成物を、DCMにより摩砕し、濾過し、中間体N-(6-ヒドロキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)-4-アセトアミドピラゾールを供した。不活性大気下で、この中間体(20mg、0.076mmol)を、無水ピリジン(0.8mL)中に希釈した。三酸化硫黄ピリジン錯体(60.5mg、0.380mmol)を、この反応混合物へ添加した。生じた懸濁液を遮光し、反応が完了するまで、一晩攪拌した。反応混合物を濃縮し、次にC18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(H2O/ACN:100/0から98/2)。生成物を含有する画分を一緒にし、且つ濃縮した。残渣を、最小量のH2O中に溶解し、Dowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまでH2Oにより洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)によるイオン交換後に、白色固形物としての実施例(21)(3mg、0.008mmol、3工程にわたり5%)へ変換した。
【0246】
MS m/z ([M+H]+) 344。
MS m/z ([M-H]-) 342。
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 3.46 (d, J= 11.3 Hz, 1H), 3.52 (s, 2H), 3.69 (dd, J= 11.3, 2.7 Hz, 1H), 4.35 (dd, J= 17.4, 1.1 Hz, 1H), 4.39 (dd, J= 17.4, 1.6 Hz, 1H), 4.58 (dd, J= 5.6, 2.7 Hz, 1H), 6.60 (d, J= 5.8 Hz, 1H), 7.64 (s, 1H), 7.90 (s, 1H)。
【0247】
実施例22:ナトリウム[7-オキソ-3-[4-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化35】
【0248】
工程1:中間体6-アリルオキシ-3-[4-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(22a)の調製
実施例1(工程7)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(0.26g、0.85mmol)を、4-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール(165mg、1.19mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(ヘプタン/AcOEt:100/0から0/100)後に、白色固形物としての中間体(22a)(0.181g、0.58mmol、68%)へ変換した。
【0249】
MS m/z([M+H]+) 315。
1H NMR (400 MHz, アセトン) δ 3.62 (dd, J= 11.0, 0.7 Hz, 1H), 3.46 (ddd, J= 10.9, 2.8, 1.0 Hz, 1H), 4.28 (dd, J= 17.5, 1.9 Hz, 1H), 4.31-4.43 (m, 4H), 5.22-5.26 (m, 1H), 5.34-5.39 (m, 1H), 5.96-6.06 (m, 1H), 6.83-6.86 (m, 1H), 7.95 (s, 1H), 8.56 (s, 1H)。
【0250】
工程2:中間体6-ヒドロキシ-3-[4-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(22b)の調製
不活性大気下で、無水DCM(3.8mL)中の中間体(22a)(119mg、0.38mmol)の溶液へ、AcOH(43μL、0.76mmol)、PPh3(99mg、0.38mmol)及びPd(PPh3)4(66mg、0.06mmol)を、連続して添加した。この反応混合物を、室温で30分間攪拌した。次に混合物を、アルゴンのフラックス下で濃縮し、残渣を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から0/100)、中間体(22b)(105mg、0.38mmol)を供した。
MS m/z ([M+H]+) 275。
【0251】
工程3:ナトリウム[7-オキソ-3-[4-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例22)の調製
実施例1(工程9)において説明した手順を使用し、中間体(22b)(100mg、0.36mmol)を、イオン交換カラムの通過及びC18-逆相シリカゲル上での精製(H2O/MeCN:99/1)後、白色固形物としての実施例(22)(0.181g、0.58mmol、78%)へ変換した。
【0252】
MS m/z ([M+H]+) 355。
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 3.44 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 3.68 (dd, J = 11.4, 2.8 Hz, 1H), 4.33 (d, J = 17.5 Hz, 1H), 4.39 (dd, J = 1.2, 17.5 Hz, 1H), 4.58 (dd, J = 5.7, 2.7 Hz, 1H), 6.72 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 7.96 (s, 1H), 8.40 (s, 1H)。
【0253】
実施例23:ナトリウム(7-オキソ-3-(3-カルボキサミド-5-メチル-ピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)スルフェートの合成
【化36】
【0254】
工程1:中間体6-アリルオキシ-3-(3-カルボキシアミド-5-メチル-ピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(23a)の調製
実施例1(工程7)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(0.25g、0.817mmol)を、5-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(123mg、0.98mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン:100/0から50/50)、その後のアセトン中での摩砕後に、ベージュ色固形物としての中間体(23a)(95.7mg、0.315mmol、39%)へ変換した。
【0255】
MS m/z ([M+H]+) 304, ([2M+H]+) 607。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 2.33 (s, 3H), 3.28-3.36 (m, 2H), 4.01 (dd, J= 17.6, 2.0 Hz, 1H), 4.19 (d, J= 17.6 Hz, 1H), 4.31 (dd, J= 5.6, 2.3 Hz, 1H), 4.38-4.40 (m, 2H), 5.24-5.39 (m, 2H), 5.91-6.01 (m, 1H), 6.46 (d, J= 5.4 Hz, 1H), 6.52 (d, J= 0.9 Hz, 1H), 7.24 (s, 1H), 7.56 (s, 1H)。
【0256】
工程2:ナトリウム(7-オキソ-3-(3-カルボキサミド-5-メチル-ピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)スルフェート(実施例23)の調製
実施例2(工程2)において説明した手順を使用し、中間体(23a)(76mg、0.251mmol)を、凍結乾燥後、白色固形物としての実施例(23)(58.4mg、0.160mmol、52%)へ変換した。
【0257】
MS m/z ([M-H]-) 342、([2M-H]-) 685。
1H-NMR (300 MHz, D2O): δ(ppm) 2.32 (s, 3H), 3.51 (d, J= 11.4 Hz, 1H), 3.69 (dd, J = 11.5, 2.8 Hz, 1H), 4.12-4.29 (m, 2H), 4.61 (dd, J= 5.5, 2.6 Hz, 1H), 6.50-6.59 (m, 2H)。
【0258】
実施例24:ナトリウム及び2,2,2-トリフルオロアセテート[7-オキソ-3-[4-カルボキサミド,N-(2-アンモニウムエトキシ)-ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化37】
【0259】
工程1:中間体tert-ブチル[4-カルボキサミド,N-(2-アミノエトキシ)-ピラゾール]カルバメート(24a)の調製
不活性大気下で、NH-ピラゾール-4-カルボン酸(207mg、1.87mmol)を、無水DMF(19mL)中に希釈した。HOBt・H2O(367mg、2.40mmol)及びEDC・HCl(460mg、2.40mmol)を、連続して添加した。この反応混合物を、室温で10分間攪拌した。N-(2-アミノキシエチル)カルバミン酸tert-ブチル(325mg、1.87mmol)及びDIPEA(420μL、2.40mmol)を添加した。この反応混合物を、室温で16時間攪拌した。反応混合物を、真空において濃縮し、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から20/80)、中間体(24a)(198mg、0.72mmol、39%)を白色固形物として生じた。
【0260】
MS m/z ([M+H]+) 271。
MS m/z ([M-H]-) 269。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.42 (s, 9H), 3.38-3.41 (m, 2H), 3.92-3.95 (m, 2H), 5.56 (br s, 1H), 8.02 (s, 2H), 10.52 (s, 1H)。
【0261】
工程2:中間体tert-ブチル[1-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)]ピラゾール-4-カルボキサミド,N-(2-アミノエトキシ)]オキシブタノエート(24b)の調製
実施例1(工程7)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(112mg、0.37mmol)を、中間体(24a)(198mg、0.73mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン:100/0から30/70)後、黄色油状物としての中間体(24b)(83mg、0.18mmol、49%)へ変換した。
【0262】
MS m/z ([M+H]+) 449。
MS m/z ([M-H]-) 447。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.46 (s, 9H), 3.15 (d, J = 11.2 Hz, 1H), 3.43 (dd, J = 5.7, 5.7 Hz, 2H), 3.54 (dd, J = 11.2, 2.0 Hz, 1H), 3.93 (dd, J = 4.9, 4.9 Hz, 2H), 4.13 (dd, J = 5.6, 2.6 Hz, 1H), 4.18 (dd, J = 17.8, 1.9 Hz, 1H), 4.37-4.49 (m, 3H), 5.21 (br s, 1H), 5.31 (dd, J = 10.2, 1.5 Hz, 1H), 5.37 (ddt, J = 17.2, 1.5, 1.4 Hz, 1H), 5.96-6.06 (m, 1H), 6.59 (t, J = 5.5 Hz, 1H), 7.92 (s, 1H), 8.14 (s, 1H), 10.05 (s, 1H)。
【0263】
工程3:中間体tert-ブチル[1-(6-ヒドロキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)]ピラゾール-4-カルボキサミド,N-(2-アミノエトキシ)]オキシブタノエート(24c)の調製
不活性大気下で、PhSiH3(45μL、0.368mmol)及びPd(PPh3)4(11mg、0.009mmol)を、DCM(1.8mL)中の中間体(24b)(83mg、0.181mmol)の溶液へ添加した。この反応混合物を、室温で2時間攪拌した。混合物を濃縮し、次にシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(DCM/アセトン:100/0から20/80)。予想される中間体を含有する画分を一緒にし、且つ濃縮し、中間体(24c)(30mg、0.074mmol、41%)を生じた。
【0264】
MS m/z ([M+H]+) 409。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.41 (s, 9H), 3.09 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 3.27-3.41 (m, 2H), 3.46 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 3.86-4.00 (m, 2H), 4.03-4.10 (m, 2H), 4.03-4.34 (m, 1H), 5.79 (br s, 1H), 6.60 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 7.89 (s, 1H), 8.21 (s, 1H), 10.69 (s, 1H)。
【0265】
工程4:ナトリウム及び2,2,2-トリフルオロアセテート[7-オキソ-3-[4-カルボキサミド,N-(2-アンモニウムエトキシ)-ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例24)の調製
中間体(24c)(30mg、0.074mmol)を、水/tBuOH(1:1)(0.74mL)中に希釈した。三酸化硫黄トリメチルアミン錯体(12mg、0.089mmol)及びTEA(3μL、0.043mmol)を、連続して添加した。この反応混合物を、室温で一晩攪拌した。粗化合物を真空において濃縮し、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から0/100)、対応する硫酸塩中間体を無色油状物として生じた。この中間体(10mg、0.020mmol)を、DCM/TFA(5:1)(0.4mL)の混合液中に0℃で溶解し、この混合物を、0℃で30分間攪拌した。残渣をEt2O及びDCM中で摩砕した。固形物を、H2O中に希釈し、凍結乾燥させ、実施例(24)(3.4mg、0.007mmol、2工程にわたり9%)を得た。
【0266】
MS m/z ([M+H]+) 389。
MS m/z ([M-H]-) 387。
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 3.31-3.35 (m, 2H), 3.45 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 3.69 (dd, J = 11.5, 2.1 Hz, 1H), 4.22-4.26 (m, 2H), 4.34 (d, J = 17.6 Hz, 1H), 4.40 (dd, J = 17.6, 1.8 Hz, 1H), 4.60 (dd, J = 5.7, 2.6 Hz, 1H), 6.75 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 8.00 (s, 1H), 8.37 (s, 1H)。
19F NMR (367 MHz, D2O) δ -75.56 (s, 3F)。
【0267】
実施例25:ナトリウム[7-オキソ-3-[3-(チアゾール-2-イルカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化38】
【0268】
工程1:中間体N-チアゾール-2-イル-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(25a)の調製
不活性大気下で、1H-ピラゾール-3-カルボン酸(245mg、2.19mmol)及びDMAP(668mg、5.46mmol)を、無水DMF(10mL)中に希釈した。EDC HCl(1.05g、5.46mmol)を、一気に添加した。この反応混合物を、室温で10分間攪拌した。DMF(5mL)中の2-アミノチアゾール(219mg、2.19mmol)の混合液を滴加した。この反応混合物を、室温で16時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、且つDCMにより摩砕し、中間体(25a)(168mg、0.865mmol、39%)を白色固形物として生じた。
【0269】
MS m/z ([M+H]+)195。
MS m/z ([M-H]-)193。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 6.98 (br s, 1H), 7.26 (d, J= 3.6 Hz, 1H), 7.53 (d, J= 3.6 Hz, 1H), 7.91 (br s, 1H), 12.02 (br s, 1H), 13.58 (br s, 1H)。
【0270】
工程2:中間体N-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)-3-(N-チアゾール-2-イル-カルボキサミド)ピラゾール(25b)の調製
実施例1(工程7)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(123mg、0.402mmol)を、中間体(25a)(156mg、0.804mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン:100/0から0/100)後、白色固形物としての中間体(25b)(71mg、0.191mmol、48%)へ変換した。
【0271】
MS m/z ([M+H]+) 373。
MS m/z ([M-H]-) 371。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ3.18 (d, J= 11.0 Hz, 1H), 3.58 (ddd, J= 11.0, 2.9, 1.1 Hz, 1H), 4.16 (dd, J= 5.5, 2.6 Hz, 1H), 4.23 (dd, J= 17.6, 1.9 Hz, 1H), 4.39-4.51 (m, 3H), 5.33 (dd, J= 10.3, 1.6 Hz, 1H), 5.39 (ddd, J= 17.6, 1.6, 1.4 Hz, 1H), 5.98-6.08 (m, 1H), 6.63 (d, J= 5.5 Hz, 1H), 7.02 (d, J= 3.5 Hz, 1H), 7.02 (d, J= 2.7 Hz, 1H), 7.50 (d, J= 3.5 Hz, 1H), 7.71 (d, J= 2.7 Hz, 1H), 10.04 (br s, 1H)。
【0272】
工程3:中間体N-(6-ヒドロキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)-3-(N-チアゾール-2-イル-カルボキサミド)ピラゾール(25c)の調製
不活性大気下で、中間体(25b)(71mg、0.191mmol)を、無水DCM(2.3ml)中に希釈した。AcOH(27μL、0.466mmol)、Pd(PPh3)4(40mg、0.035mmol)及びPPh3(61mg、0.233mmol)を、連続して添加した。この反応混合物を、室温で3時間撹拌した。この混合物を、減圧下で濃縮し、次にシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(DCM/アセトン:100/0から30/70)。予想された中間体を含有する画分を一緒にし、濃縮し、中間体(25c)(51mg、0.153mmol、80%)を白色固形物として生じた。
【0273】
MS m/z([M+H]+) 333。
MS m/z ([M-H]-) 331。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.24 (d, J= 11.0 Hz, 1H), 3.38 (dd, J= 11.0, 2.6 Hz, 1H), 4.07 (dd, J= 5.6, 2.6 Hz, 1H), 4.22 (dd, J= 17.7, 2.0 Hz, 1H), 4.37 (dd, J= 17.7, 1.0 Hz, 1H), 6.91 (d, J= 5.6 Hz, 1H), 7.09 (d, J= 2.7 Hz, 1H), 7.28 (d, J= 3.6 Hz, 1H), 7.55 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 8.37 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 9.70 (s, 1H), 12.36 (s, 1H)。
【0274】
工程4:ナトリウム[7-オキソ-3-[3-(チアゾール-2-イルカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例25)の調製
中間体(25c)(45.5mg、0.137mmol)を、水/tBuOH(1:1)(1.4mL)中に希釈した。三酸化硫黄トリメチルアミン錯体(23mg、0.164mmol)及びTEA(5μL、0.034mmol)を、連続して添加した。この反応混合物を、室温で一晩攪拌した。粗化合物を、真空において濃縮し、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(H2O/ACN:100/0から80/20)。予想された中間体を含有する画分を一緒にし、濃縮し、白色固形物を生じた。この固形物を、最小量のH2Oに溶解し、Dowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまでH2Oにより洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)によるイオン交換後に、白色固形物としての実施例(25)(25mg、0.056mmol、41%)へ変換した。
【0275】
MS m/z([M+H]+) 413。
MS m/z ([M-H]-) 411。
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 3.44 (d, J= 11.4 Hz, 1H), 3.71 (dd, J= 11.4, 2.6 Hz, 1H), 4.36 (dd, J= 17.6, 1.6 Hz, 1H), 4.42 (d, J = 17.6 Hz, 1H), 4.60 (dd, J= 5.7, 2.6 Hz, 1H), 6.66 (d, J= 5.7 Hz, 1H), 6.90 (d, J= 2.7 Hz, 1H), 7.17 (d, J= 3.6 Hz, 1H), 7.43 (d, J= 3.6 Hz, 1H), 7.85 (d, J=2.7 Hz, 1H)。
【0276】
実施例26:ナトリウム(7-オキソ-3-(3-カルボキサミド-4-フルオロ-ピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)スルフェートの合成
【化39】
【0277】
工程1:中間体6-アリルオキシ-3-(3-カルボキサミド-4-フルオロ-ピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(26a)の調製
実施例1(工程7)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(220mg、0.719mmol)を、3-カルボキサミド-4-フルオロ-1H-ピラゾール(111mg、0.862mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン:100/0から50/50)、次にアセトン中の摩砕後に、白色固形物としての中間体(26a)(63mg、0.206mmol、29%)へ変換した。
【0278】
MS m/z ([M+H]+) 308、([2M+H]+) 615。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 3.24-3.35 (m, 2H), 4.17-4.40 (m, 5H), 5.25-5.40 (m, 2H), 5.91-6.01 (m, 1H), 6.71-6.73 (m, 1H), 7.49 (br s, 1H), 7.66 (br s, 1H), 8.50 (d, J = 4.4 Hz, 1H)。
19F-NMR (282 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) -169.53 (d, J= 4.4 Hz, 1F)。
【0279】
工程2:ナトリウム(7-オキソ-3-(3-カルボキサミド-4-フルオロ-ピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)スルフェート(実施例26)の調製
実施例2(工程2)において説明した手順を使用し、中間体(26a)(63mg、0.203mmol)を、凍結乾燥後に、白色固形物としての実施例(26)(20.6mg、0.056mmol、27%)へ変換した。
【0280】
MS m/z ([M+H]+) 348。
MS m/z ([M-H]-) 346、([2M-H]-) 693。
1H-NMR (300 MHz, D2O): δ(ppm) 3.42 (d, J= 11.3 Hz, 1H), 3.66-3.71 (m, 1H), 4.35-4.39 (m, 2H), 4.59 (dd, J= 5.6, 2.6 Hz, 1H), 6.66-6.68 (m, 1H), 7.99 (d, J= 4.4 Hz, 1H)。
19F-NMR (282 MHz, D2O): δ(ppm) -168.25 (d, J= 4.6 Hz, 1F)。
【0281】
実施例27:ナトリウム(7-オキソ-3-(3-(メトキシカルバモイル)-ピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)スルフェート及びナトリウム(7-オキソ-3-(5-(メトキシカルバモイル)-ピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)スルフェートの合成
【化40】
【0282】
工程1:中間体N-メトキシ-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(27a)の調製
不活性大気下で、1H-ピラゾール-3-カルボン酸(250mg、2.23mmol)を、無水DMF(7.4mL)中に希釈し、且つHOBt・H2O(444mg、2.90mmol)及びEDC・HCl(556mg、2.90mmol)を連続して添加した。反応混合物を、室温で10分間攪拌した。メトキシアミン塩酸塩(335mg、4.01mmol)及びDIPEA(1.17mL、6.69mmol)を添加し、反応混合物を、室温で16時間攪拌した。反応混合物を、真空において濃縮し、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより(DCM/メタノール:100/0から90/10)、次にC-18逆相(H2O/ACN:98/2から50/50)により精製し、白色固形物としての中間体(27a)(297.5mg、2.11mmol、94%)を生じた。
【0283】
MS m/z ([M+H]+) 142。
MS m/z ([M-H]-) 140。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 3.65 (s, 3H), 6.63 (t, J = 2.2 Hz, 1H), 7.82 (dd, J = 2.4, 1.4 Hz, 1H), 11.49 (s, 1H), 13.27 (s, 1H)。
【0284】
工程2:中間体6-アリルオキシ-3-(3-(メトキシカルバモイル)-ピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン及び6-アリルオキシ-3-(5-(メトキシカルバモイル)-ピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(27b)の調製
実施例1(工程7)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(250mg、0.817mmol)を、中間体(27a)(127mg、0.898mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン:100/0から0/100)後、黄色ゴム状物としての位置異性体(27b)の混合物(58mg、0.181mmol、22%、位置異性体比:55/45)へ変換した。
【0285】
MS m/z ([M+H]+) 320、([2M+H]+) 639。
MS m/z ([M-H]-) 318。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ(ppm) 3.13 (d, J = 11.0 Hz, 0.45H), 3.28 (d, J = 10.8 Hz, 0.55H), 3.43-3.61 (m, 1H), 3.83 (s, 1.35H), 3.86 (s, 1.65H), 4.02-4.31 (m, 2H), 4.32-4.53 (m, 3H), 5.15-5.46 (m, 2H), 5.79-6.16 (m, 1H), 6.39 (d, J = 5.5 Hz, 0.55H), 6.52 (d, J = 5.6 Hz, 0.45H), 6.61 (d, J = 1.9 Hz, 0.55H), 6.89 (d, J = 2.6 Hz, 0.45H), 7.50 (d, J = 1.8 Hz, 0.55H), 7.65 (d, J = 2.6 Hz, 0.45H), 9.37 (br s, 0.55H), 9.51 (s, 0.45H)。
【0286】
工程3:ナトリウム(7-オキソ-3-(3-(メトキシカルバモイル)-ピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)スルフェート及びナトリウム(7-オキソ-3-(5-(メトキシカルバモイル)-ピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)スルフェート(実施例27)の調製
実施例2(工程2)において説明した手順を使用し、中間体(27b)(58mg、0.181mmol)を、凍結乾燥後、白色固形物としての実施例(36)の位置異性体の混合物(25.4mg、0.067mmol、37%、位置異性体比:56/44)へ変換した。
【0287】
MS m/z ([M-H]-) 358、([2M-H]-) 71。
MS m/z ([M+H-SO3H]+) 280, ([M+H]+) 360。
1H-NMR (400 MHz, D2O): δ(ppm) 3.35 (d, J= 8.6 Hz, 0.44H), 3.38 (d, J= 8.7 Hz, 0.56H), 3.59 (dt, J= 2.9, 1.6 Hz, 0.56H), 3.62 (dt, J= 2.9, 1.8 Hz, 0.44H), 3.74 (s, 1.68H), 3.76 (s, 1.32H), 4.01-4.21 (m, 1H), 4.29 (d, J= 1.5 Hz, 1H), 4.48 (dd, J= 5.5, 2.6 Hz, 0.44H), 4.51 (dd, J= 5.7, 2.6 Hz, 0.56H), 6.41 (d, J= 5.3 Hz, 0.44H), 6.63 (dt, J= 5.6, 1.3 Hz, 0.56H), 6.67 (d, J= 2.1 Hz, 0.44H), 6.72 (d, J= 2.7 Hz, 0.56H), 7.62 (d, J= 2.1 Hz, 0.44H), 7.88 (d, J= 2.7 Hz, 0.56H。
【0288】
実施例28:ナトリウム(7-オキソ-3-(3-アセチルピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)スルフェートの合成
【化41】
【0289】
工程1:中間体6-アリルオキシ-3-(3-アセチルピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(28a)の調製
実施例2(工程1a)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(450mg、1.47mmol)を、1-(1H-ピラゾール-3-イル)エタノン(194mg、1.76mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン:100/0から50/50)後、油状物としての中間体(28a)(336mg、1.17mmol、79%)へ変換した。
【0290】
MS m/z ([M+H]+) 289, ([2M+H]+) 577。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ(ppm) 2.55 (s, 3H), 3.16 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 3.54-3.58 (m, 1H), 4.11-4.17 (m, 1H), 4.22 (dd, J= 17.8, 1.9 Hz, 1H), 4.37-4.57 (m, 3H), 5.30-5.41 (m, 2H), 6.02 (dddd, J = 17.1, 10.3, 6.7, 6.1 Hz, 1H), 6.55-6.58 (m, 1H), 6.84 (d, J= 2.6 Hz, 1H), 7.64 (d, J=2.6 Hz, 1H)。
【0291】
工程2:ナトリウム(7-オキソ-3-(3-アセチルピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)スルフェート(実施例28)の調製
実施例2(工程2)において説明した手順を使用し、中間体(28a)(50mg、0.173mmol)を、凍結乾燥後、白色固形物としての実施例(28)(31.7mg、0.090mmol、52%)へ変換した。
【0292】
MS m/z ([M-H]-) 327, ([2M-H]-) 655。
MS m/z ([M+H-SO3H]+) 249, ([M+H]+) 329。
1H-NMR (300 MHz, D2O): δ(ppm) 2.59 (s, 3H), 3.46 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 3.67-3.72 (m, 1H), 4.42 (d, J = 1.5 Hz, 2H), 4.60 (dd, J = 5.7, 2.6 Hz, 1H), 6.79 (dd, J = 5.8, 1.3 Hz, 1H), 6.93 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.99 (d, J = 2.7 Hz, 1H)。
【0293】
実施例29:(7-オキソ-3-(3-[(Z,E)-N-(2-アミノエトキシ)-C-メチル-カーボンイミドイル]-ピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)硫酸水素塩の合成
【化42】
【0294】
工程1:中間体6-アリルオキシ-3-(3-[(Z,E-N-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エトキシ]-C-メチル-カーボンイミドイル)-ピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(29a)の調製
50mLのフラスコ中不活性大気下、中間体(28a)(282mg、0.978mmol)及び[2-(アミノオキシ)エチル]カルバミン酸tert-ブチル(189.6mg、1.076mmol)を、無水ピリジン(9.8mL)中に溶解した。12M HCl/MeOHの1/1の混合液の液滴を添加し、この反応混合物を、室温で一晩攪拌した。この混合物を、真空下で濃縮し、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(シクロヘキサン/EtOAc:100/0から30/70)、中間体(29a)(419mg、0.938mmol、96%、Z/E:15/85)を粘性のゴム状物として生じた。
【0295】
MS m/z ([M+H-Boc]+) 347、([M+H-tBu]+) 391、([M+H]+) 447。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ(ppm) 1.49 (s, 9H), 2.26 (s, 3H), 3.19 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 3.50-3.60 (m, 3H), 4.12-4.27 (m, 4H), 4.39-4.60 (m, 3H), 4.97 (br s, 1H), 5.33-5.45 (m, 2H), 6.07 (dddd, J = 17.0, 10.3, 6.7, 6.0 Hz, 1H), 6.50 (dd, J = 5.5, 1.2 Hz, 1H), 6.70 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.59 (d, J = 2.6 Hz, 1H)。
【0296】
工程2:中間体ナトリウム(7-オキソ-3-(3-[(Z,E)-N-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エトキシ]-C-メチル-カーボンイミドイル]-ピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)スルフェート(29b)の調製
実施例2(工程2)において説明した手順を使用し、中間体(29a)(441mg、0.988mmol)を、凍結乾燥後に、白色固形物としての中間体(29b)(129.7mg、0.255mmol、26%、Z/E比:17/83)へ変換した。
【0297】
MS m/z ([M-H]-) 485。
MS m/z ([M+H-Boc-SO3H]+) 307、([M+H-Boc]+) 387、([M+H]+) 487。
1H-NMR (300 MHz, D2O): δ(ppm) 1.33 (s, 9H), 2.21 (s, 3H), 3.30-3.48 (m, 3H), 3.67 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 4.18-4.22 (m, 2H), 4.36 (br s, 2H), 4.55 (dd, J = 5.6, 2.6 Hz, 1H), 6.64 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 6.70 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.87 (d, J= 2.7 Hz, 1H)。
【0298】
工程3:(7-オキソ-3-(3-[(Z,E)-N-(2-アミノエトキシ)-C-メチル-カーボンイミドイル]-ピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)硫酸水素塩(実施例29)の調製
中間体(29b)(117mg、0.230mmol)を、DCM/TFAの2.5/1混合液(2.8mL、0.08M)中に、不活性大気下0℃で、溶解した。45分間攪拌した後(出発材料の変換はLC/MSによりモニタリングした)、冷Et2O(3mL)を、0℃で添加した。0℃で10分間攪拌した後、沈殿物を濾過し(Pall VWR 514-4084、045μm、GHポリプロ、Nanosep(登録商標)MF)、冷Et2Oにより洗浄した。次に固形物を、ACN中で摩砕し、両性イオン性化合物を形成した。この白色固形物を濾過し、ACNにより洗浄した。この固形物を、MilliQ水(登録商標)中に溶解し、凍結乾燥させ、白色固形物としての実施例(29)(58.8mg、0.177mmol、77%、Z/E比:14/86)を供した。
【0299】
MS m/z ([M-H]-) 385、([2M-H]-) 771。
MS m/z ([M+H-SO3H]+) 307、([M+H]+) 387。
1H-NMR (300 MHz, D2O): δ(ppm) 2.17 (s, 3H), 3.30-3.45 (m, 3H), 3.64 (dd, J= 11.5, 2.6 Hz, 1H), 4.26-4.43 (m, 4H), 4.52 (dd, J= 5.8, 2.6 Hz, 1H), 6.56 (d, J= 5.6 Hz, 1H), 6.63 (d, J= 2.7 Hz, 1H), 7.77 (d, J= 2.7 Hz, 1H)。
【0300】
実施例30:ナトリウム(7-オキソ-3-(3-カルボキサミド-5-フルオロ-ピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)スルフェートの合成
【化43】
【0301】
工程1:中間体5-フルオロ-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(30a)の調製
5-フルオロ-1H-ピラゾール-3-カルボン酸エチル(200mg、1.26mmol)を、MeOH中の7M NH3(3.6mL)及び濃水酸化アンモニウム溶液(3.6mL)中に溶解し、この混合物を、室温で一晩攪拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、中間体(30a)(150mg、0.920mmol、92%)を白色固形物として生じ、これを更に精製することなく次工程で使用した。
【0302】
MS m/z ([M+H]+) 130。
MS m/z ([M-H]-) 128。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 6.49 (d, J= 6.2 Hz, 1H), 7.63 (s, 1H), 7.98 (s, 1H), 13.10 (br s, 1H)。
19F-NMR (282 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) -131.06 (s, 1F)。
【0303】
工程2:中間体6-アリルオキシ-3-(3-カルボキサミド-5-フルオロ-ピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(30b)の調製
実施例2(工程1a)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(225mg、0.735mmol)を、中間体(30a)(123mg、0.956mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン:100/0から0/100)後、ベージュ色固形物としての中間体(30b)(19mg、0.061mmol、8%)へ変換した。
【0304】
MS m/z ([M+H]+) 308、([2M+H]+) 615。
MS m/z ([M-H]-) 306。
1H NMR (300 MHz, MeOD): δ(ppm) 3.33 (m, 1H), 3.48 (d, J = 10.1 Hz, 1H), 4.04-4.53 (m, 5H), 5.25-5.45 (m, 2H), 6.03 (ddt, J = 16.7, 10.4, 6.3 Hz, 1H), 6.40 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 6.66 (d, J = 5.5 Hz, 1H)。
19F-NMR (282 MHz, MeOD): δ(ppm) -128.49 (s, 1F)。
【0305】
工程3:ナトリウム(7-オキソ-3-(3-カルボキサミド-5-フルオロ-ピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)スルフェート(実施例30)の調製
実施例2(工程2)において説明した手順を使用し、中間体(30b)(18mg、0.059mmol)を、凍結乾燥後に、白色固形物としての実施例(30)(7.2mg、0.019mmol、33%)へ変換した。
【0306】
MS m/z ([M+H]+) 348、([M+H-SO3H]+) 268。
MS m/z ([M-H]-) 347、([2M-H]- ) 693。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 3.20-3.46 (m, 2H), 4.18 (br s, 2H), 4.41 (dd, J = 5.7, 2.5 Hz, 1H), 6.50 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 6.56-6.65 (m, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.80 (s, 1H)。
19F-NMR (282 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) -126.94 (s, 1F)。
【0307】
実施例31:ナトリウム(7-オキソ-3-[3-(モルホリン-4-カルボニル)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)スルフェートの合成
【化44】
【0308】
工程1:中間体モルホリノ(1H-ピラゾール-3-イル)メタノン(31a)の調製
ジピラゾロ[3,1-a:3’,1’-d]ピラジン-4,9-ジオン(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 2015, 25(15), 3024-3029に従い調製)(300mg、1.59mmol)及びモルホリン(293μL、3.35mmol)を、無水THF(8mL)中に溶解し、且つ80℃で1時間30分間攪拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で蒸発させ、中間体(31a)(500mg、2.75mmol、87%)をベージュ色固形物として得、これを更に精製することなく次工程で使用した。
【0309】
MS m/z ([M+H]+) 182。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ(ppm) 3.49-4.17 (m, 8H), 6.67 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 7.59 (d, J = 2.3 Hz, 1H)。
【0310】
工程2:中間体6-アリルオキシ-3-[3-(モルホリン-4-カルボニル)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(31b)の調製
実施例2(工程1a)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(250mg、0.817mmol)を、中間体(31a)(192mg、1.062mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン:100/0から0/100)後、オレンジ色ゴム状物としての中間体(31b)(271mg、0.753mmol、92%)へ変換した。
【0311】
MS m/z ([M+H]+) 360、([2M+H]+) 719。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ(ppm) 3.14 (d, J= 10.8 Hz, 1H), 3.49-3.61 (m, 1H), 3.68-3.80 (m, 6H), 4.02 (t, J= 4.8 Hz, 2H), 4.08-4.23 (m, 2H), 4.35-4.53 (m, 3H), 5.25-5.44 (m, 2H), 6.02 (dddd, J= 17.1, 10.3, 6.7, 6.1 Hz, 1H), 6.49 (dt, J= 5.5, 1.2 Hz, 1H), 6.80 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.63 (d, J= 2.6 Hz, 1H)。
【0312】
工程3:ナトリウム(7-オキソ-3-[3-(モルホリン-4-カルボニル)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)スルフェート(実施例31)の調製
実施例2(工程2)において説明した手順を使用し、中間体(31b)(246mg、0.683mmol)を、凍結乾燥後、白色固形物としての実施例(31)(173mg、0.409mmol、60%)へ変換した。
【0313】
MS m/z ([M+H]+) 400、([M+H-SO3H]+) 320。
MS m/z ([M-H]-) 398、([2M-H]-) 797。
1H-NMR (400 MHz, D2O): δ(ppm) 3.44 (d, J= 11.3 Hz, 1H), 3.64-3.86 (m, 9H), 4.29-4.44 (m, 2H), 4.58 (dd, J= 5.7, 2.6 Hz, 1H), 6.70-6.71 (m, 2H), 7.99 (d, J= 2.7 Hz, 1H)。
【0314】
実施例32:(7-オキソ-3-[3-(4-ピペリジルカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)硫酸水素塩の合成
【化45】
【0315】
工程1:中間体4-(1H-ピラゾール-3-カルボニルアミノ)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(32a)の調製
ジピラゾロ[3,1-a:3’,1’-d]ピラジン-4,9-ジオン(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 2015, 25(15), 3024-3029に従い調製)(250mg、1.33mmol)及び4-アミノピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(532.2mg、2.66mmol)を、無水THF(6.6mL)中に溶解し、80℃で1時間10分撹拌した。この反応混合物を、減圧下で蒸発させ、シリカゲルパッド上で精製し(DCM/アセトン:50/50)、中間体(32a)(755mg、2.56mmol、97%)をベージュ色固形物として得た。
【0316】
MS m/z ([M+H-Boc]+) 195、([M+H-tBu]+) 239、([M+H]+) 295。
MS m/z ([M-H]-) 293。
1H NMR (300 MHz, MeOD): δ(ppm) 1.46 (s, 9H), 1.47-1.56 (m, 2H), 1.92 (d, J = 11.4 Hz, 2H), 2.92 (br s, 2H), 3.88-4.22 (m, 3H), 6.75 (s, 1H), 7.69 (s, 1H)。
【0317】
工程2:中間体6-アリルオキシ-3-[3-[(1-tert-ブトキシカルボニル-4-ピペリジル)カルバモイル]ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(32b)の調製
実施例2(工程1a)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(250mg、0.817mmol)を、中間体(32a)(313mg、1.06mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン:100/0から0/100)後、オレンジ色ゴム状物としての中間体(32b)(289mg、0.611mmol、75%)へ変換した。
【0318】
MS m/z ([M+H-tBu]+) 417、([M+H-Boc]+) 373、([2M+H]+) 945。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 1.46 (s, 9H), 1.46-1.48 (m, 2H), 1.97 (dd, J = 12.7, 3.7 Hz, 2H), 2.90 (t, J = 12.5 Hz, 2H), 3.14 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 3.55 (ddd, J = 10.8, 2.8, 1.1 Hz, 1H), 3.98-4.21 (m, 5H), 4.36-4.55 (m, 2H), 5.23-5.47 (m, 2H), 6.01 (dddd, J = 17.1, 10.3, 6.7, 6.1 Hz, 1H), 6.53 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 6.69 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.87 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.61 (d, J = 2.6 Hz, 1H)。
【0319】
工程3:中間体ナトリウム(7-オキソ-3[3-[(1-tert-ブトキシカルボニル-4-ピペリジル)カルバモイル]ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)スルフェート(32c)の調製
実施例2(工程2)において説明した手順を使用し、中間体(32b)(279mg、0.590mmol)を、凍結乾燥後、白色固形物としての中間体(32c)(131.2mg、0.245mmol、41%)へ変換した。
【0320】
MS m/z ([M-H]-) 511。
MS m/z ([M+H-tBu-SO3H]+) 377、([M+H-SO3H]+) 457。
1H-NMR (300 MHz, D2O): δ(ppm) 1.34-1.48 (m, 2H), 1.42 (s, 9H), 1.89 (d, J = 12.7 Hz, 2H), 2.90 (t, J = 12.6 Hz, 2H), 3.42 (d, J = 11.3 Hz, 1H), 3.60-3.72 (m, 1H), 3.90-4.10 (m, 3H), 4.37 (br s, 2H), 4.55 (dd, J = 5.7, 2.6 Hz, 1H), 6.72 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 6.82 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.96 (d, J = 2.6 Hz, 1H)。
【0321】
工程4:(7-オキソ-3-[3-(4-ピペリジルカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)硫酸水素塩(実施例32)の調製
中間体(32c)(40mg、0.075mmol)を、DCM/TFAの2.5/1混合液(0.93mL、0.08M)中に、不活性大気下、0℃で、溶解した。45分間攪拌した後(出発材料の変換はLC/MSによりモニタリングした)、冷Et2O(1mL)を、0℃で添加した。0℃で10分間攪拌した後、沈殿物を濾過し(Pall VWR 514-4084、045μm、GHポリプロ、Nanosep(登録商標)MF)、冷Et2Oで洗浄した。次に固形物をACN中で摩砕し、両性イオン性化合物を形成した。この白色固形物を濾過し、且つACNで洗浄した。固形物を、C-18逆相により精製し(H2O/ACN:98/2から30/70)、凍結乾燥後に、実施例(32)(18mg、0.044mmol、59%)を白色固形物として得た。
【0322】
MS m/z([M+H]+) 413、([M+H-SO3H]+) 333。
MS m/z ([M-H]-) 411。
1H-NMR (300 MHz, D2O): δ(ppm) 1.71-1.95 (m, 2H), 2.09-2.28 (m, 2H), 3.13 (td, J= 12.9, 3.1 Hz, 2H), 3.40 (d, J= 11.3 Hz, 1H), 3.44-3.56 (m, 2H), 3.60-3.73 (dd, J= 11.6, 3.7 Hz, 1H), 4.09 (m, 1H), 4.34 (d, J= 1.4 Hz, 2H), 4.55 (dd, J= 5.7, 2.5 Hz, 1H), 6.63-6.71 (d, J = 5.6 Hz 1 H), 6.76 (d, J= 2.6 Hz, 1H), 7.88 (d, J= 2.6 Hz, 1H)。
【0323】
実施例33:トリエチルアンモニウム{[3-(N-アセトアミド)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル}スルフェートの合成
【化46】
【0324】
工程1:中間体N-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)-3-(N-アセトアミド)ピラゾール(33a)の調製
実施例1(工程7)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(200mg、0.653mmol)を、N-(1H-ピラゾール-3-イル)アセトアミド(164mg、1.31mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン:100/0から50/50)後、オレンジ色油状物としての中間体(33a)(72mg、0.237mmol、36%)へ変換した。
【0325】
MS m/z ([M+H]+) 304。
MS m/z ([M-H]-) 302。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ2.10 (s, 3H), 3.10 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 3.47 (dd, J= 10.8, 2.2 Hz, 1H), 4.06 (dd, J= 5.6, 2.6 Hz, 1H), 4.13 (dd, J= 17.7, 1.9 Hz, 1H), 4.34-4.44 (m, 3H), 5.27 (dd, J= 10.4, 1.1 Hz, 1H), 5.33 (ddd, J= 17.2, 1.4, 1.1 Hz, 1H), 5.92-6.02 (m, 1H), 6.28 (d, J= 5.6 Hz, 1H), 6.82 (d, J= 2.6 Hz, 1H), 7.49 (d, J= 2.6 Hz, 1H), 8.90 (s, 1H)。
【0326】
工程2:中間体N-(6-ヒドロキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)-3-(N-アセトアミド)ピラゾール(33b)の調製
不活性大気下、中間体(33a)(72mg、0.237mmol)を、無水DCM(2.4mL)中に希釈した。AcOH(29μL、0.477mmol)、Pd(PPh3)4(41mg、0.036mmol)及びPPh3(63mg、0.238mmol)を、連続して添加した。この反応混合物を、室温で2時間攪拌した。混合物を濾過し、中間体(33b)(50mg、0.190mmol、80%)を帯黄白色固形物として供した。
【0327】
MS m/z ([M+H]+) 264。
MS m/z ([M-H]-) 262。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 2.00 (s, 3H), 3.20 (d, J= 10.7 Hz, 1H), 3.34 (dd, J= 10.7, 2.9 Hz, 1H), 4.00 (dd, J= 5.6, 2.6 Hz, 1H), 4.10 (dd, J= 17.5, 1.1 Hz, 1H), 4.15 (dd, J = 17.5, 1.6 Hz, 1H), 6.51 (d, J= 5.6 Hz, 1H), 6.67 (d, J= 2.6 Hz, 1H), 8.01 (d, J= 2.6 Hz, 1H), 9.64 (br s, 1H), 10.63 (s, 1H)。
【0328】
工程3:トリエチルアンモニウム{[3-(N-アセトアミド)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル}スルフェート(実施例33)の調製
中間体(33b)(46mg、0.175mmol)を、水/tBuOH(1:1)(1.7mL)中に希釈した。三酸化硫黄トリメチルアミン錯体(29mg、0.208mmol)及びTEA(6μL、0.043mmol)を、連続して添加した。反応混合物を、室温で一晩攪拌した。粗化合物を濃縮し、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(H2O/ACN:100/0から90/10)、帯黄白色固形物としての実施例(33)(24mg、0.054mmol、31%)を生じた。
【0329】
MS m/z ([M+H]+) 344。
MS m/z ([M-H]-) 342。
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 1.24 (t, J= 7.3 Hz, 9H), 2.14 (s, 3H), 3.16 (q, J= 7.3 Hz, 6H), 3.40 (d, J= 11.2 Hz, 1H), 3.65 (dd, J= 11.2, 2.5 Hz, 1H), 4.31 (m, 2H), 4.53 (dd, J= 5.7, 2.7 Hz, 1H), 6.54 (d, J= 5.7 Hz, 1H), 6.55 (d, J= 2.8 Hz, 1H), 7.79 (d, J= 2.8 Hz, 1H)。
【0330】
実施例34:ナトリウム{7-オキソ-3-[3-(チアゾール-2-カルボニルアミノ)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル}スルフェートの合成
【化47】
【0331】
工程1:中間体6-アリルオキシ-3-(3-ニトロピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(34a)の調製
実施例1(工程7)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(2.00g、6.53mmol)を、3-ニトロ-1H-ピラゾール(961mg、8.49mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン:100/0から70/30)、その後のEt2Oにおける摩砕後、白色固形物としての中間体(34a)(1.07g、3.61mmol、55%)へ変換した。
【0332】
MS m/z([M+H]+) 292。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.15 (d, J= 11.0 Hz, 1H), 3.57 (dd, J = 11.0, 2.8 Hz, 1H), 4.16 (dd, J= 5.5, 2.5 Hz, 1H), 4.25 (dd, J= 17.7, 1.9 Hz, 1H), 4.38-4.49 (m, 3H), 5.33 (ddd, J= 10.3, 1.7, 0.9 Hz, 1H), 5.38 (ddd, J= 17.2, 1.7, 1.4 Hz, 1H), 5.96-6.06 (m, 1H), 6.72 (d, J= 5.5 Hz, 1H), 6.99 (d, J= 2.7 Hz, 1H), 7.69 (d, J= 2.7 Hz, 1H)。
【0333】
工程2:中間体6-アリルオキシ-3-(3-アミノピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(34b)の調製
不活性大気下で、中間体(34a)(1.07g、3.61mmol)及びAcOH(2.1mL、36.84mmol)を、DCM(37mL)中に希釈した。この溶液を、0℃で冷却し、次にZn末(2.4g、36.84mmol)を添加した。この反応混合物を、0℃で1.5時間攪拌した。混合物を濾過し、且つ濾液を濃縮した。残渣を、Et2Oにより摩砕し、中間体(34b)(958mg、2.75mmol、76%)を生じた。
【0334】
MS m/z([M+H]+) 262。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.16 (d, J= 10.7 Hz, 1H), 3.50 (dd, J= 10.7, 2.6 Hz, 1H), 4.04-4.06 (m, 1H), 4.08 (dd, J= 12.8, 2.2Hz, 1H), 4.30 (d, J= 17.2 Hz, 1H), 4.36-4.48 (m, 2H), 5.30 (ddd, J= 10.3, 1.6, 1.3 Hz, 1H), 5.36 (ddd, J= 17.2, 1.6, 1.4 Hz, 1H), 5.74 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 5.96-6.06 (m, 1H), 6.30 (d, J= 5.9 Hz, 1H), 7.28 (d, J= 2.6 Hz, 1H)。
【0335】
工程3:中間体N-[N-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-3-イル]チアゾール-2-カルボキサミド(34c)の調製
不活性大気下で、中間体(34b)(500mg、1.91mmol)を、DMA(19mL)中に希釈した。1,3-チアゾール-2-カルボニルクロリド(565mg、3.83mmol)を添加した。この混合物を、室温で2時間攪拌した。形成された沈殿物を濾過し、Et2Oで洗浄し、中間体(34c)(386mg、1.01mmol、53%)を帯黄白色固形物として生じた。
【0336】
MS m/z([M+H]+) 373。
MS m/z ([M-H]-) 371。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.27 (d, J= 10.9 Hz, 1H), 3.33 (dd, J= 10.9, 2.4 Hz, 1H), 4.19 (dd, J= 17.4, 1.2 Hz, 1H), 4.24 (dd, J= 17.4, 1.5 Hz, 1H), 4.29 (dd, J= 5.7, 2.4 Hz, 1H), 4.39 (d, J= 5.5 Hz, 2H), 5.26 (ddd, J= 10.4, 1.6, 1.4 Hz, 1H), 5.37 (ddd, J= 17.3, 1.6, 1.6 Hz, 1H), 5.91-6.01 (m, 1H), 6.57 (d, J= 5.7 Hz, 1H), 6.76 (d, J= 2.6 Hz, 1H), 8.10 (d, J= 3.1 Hz, 1H), 8.12 (d, J= 2.6 Hz, 1H), 8.14 (d, J= 3.1 Hz, 1H), 10.99 (br s, 1H)。
【0337】
工程4:中間体tert-ブチルN-[N-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-3-イル]チアゾール-2-カルボニル カルバメート(34d)の調製
不活性大気下で、中間体(34c)(226mg、0.61mmol)を、DCM(6mL)中に希釈した。Boc2O(154μL、0.67mmol)、TEA(93μL、0.67mmol)及びDMAP(7mg、0.06mmol)を添加した。この反応性混合物(mixture reaction)を、室温で16時間攪拌した。粗化合物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から70/30)、中間体(34d)(295mg、0.54mmol、88%)を無色油状物として生じた。
【0338】
MS m/z ([M+H]+) 473。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.39 (s, 9H), 3.10 (d, J= 10.8 Hz, 1H), 3.50 (dd, J= 10.8, 2.8 Hz, 1H), 4.07 (dd, J= 5.6, 2.6 Hz, 1H), 4.14 (dd, J= 17.6, 1.8 Hz, 1H), 4.32 (dd, J = 17.6, 1.0 Hz, 1H), 4.38-4.48 (m, 2H), 5.30 (ddd, J= 10.3, 1.6, 1.4 Hz, 1H), 5.36 (dd, J = 17.2, 1.4 Hz, 1H), 5.96-6.06 (m, 1H), 6.41 (d, J= 5.6 Hz, 1H), 6.42 (d, J= 2.6 Hz, 1H), 7.61 (d, J= 2.6 Hz, 1H), 7.62 (d, J= 3.1 Hz, 1H), 7.92 (d, J= 3.1 Hz, 1H)。
【0339】
工程5:ナトリウム{7-オキソ-3-[3-(チアゾール-2-カルボニルアミノ)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル}スルフェート(実施例34)の調製
不活性大気下で、中間体(34d)(290mg、0.61mmol)を、無水DCM(6mL)中に希釈した。AcOH(70μL、1.23mmol)及びPd(PPh3)4(354mg、0.31mmol)を、連続して添加した。反応混合物を、室温で2時間攪拌した。2時間後、無水ピリジン(6mL)及び三酸化硫黄ピリジン錯体(488mg、3.06mmol)を、この反応混合物に添加した。生じた懸濁液を遮光し、反応が完了するまで、一晩攪拌した。反応混合物を濃縮し、次にシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(DCM/アセトン:100/0から0/100)。生成物を含有する画分を一緒にし、濃縮した。得られた中間体(195mg、0.24mmol)を、最小量のH2O/アセトン(1:1)中に溶解し、且つDowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまでH2Oにより洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)によるイオン交換後、変換した。生成物を含有する画分を一緒にし、凍結乾燥した。得られた固形物を、水(5mL)中で摩砕し、0℃で8時間攪拌した。この混合物を濾過し、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(H2O/ACN:100/0から60/40)。生成物を含有する画分を一緒にし、凍結乾燥させ、実施例(34)(5mg、0.11mmol、3工程にわたり18%)を黄色固形物として生じた。
【0340】
MS m/z ([M+H]+) 413。
MS m/z ([M-H]-) 411。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 3.27 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 3.39 (dd, J = 11.0, 2.3 Hz, 1H), 4.19-4.23 (m, 2H), 4.37 (dd, J = 5.7, 2.4 Hz, 1H), 6.60 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 6.78 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 8.11 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 8.14 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 8.17 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 11.02 (br s, 1H)。
【0341】
実施例35:ナトリウム及び2.2.2-トリフルオロアセテート[7-オキソ-3-[3-(メチレン-2-アンモニウムチアゾール)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化48】
【0342】
工程1:中間体N-チアゾール-2-イル-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(35a)の調製
ジピラゾロ[3,1-a:3’,1’-d]ピラジン-4,9-ジオン(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 2015, 25(15), 3024-3029に従い調製)(500mg、2.66mmol)及び2-アミノチアゾール(532mg、5.32mmol)を、THF(5mL)中に希釈した。反応性混合物を、60℃で2時間加熱した。室温まで冷却した後、この混合物を濾過し、ACN及びEt2Oにより洗浄し、中間体(35a)(843mg、4.34mmol、82%)を帯黄白色固形物として生じた。
【0343】
MS m/z ([M+H]+) 195。
MS m/z ([M-H]-) 193。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 7.00 (s, 1H), 7.26 (d, J= 3.6 Hz, 1H), 7.53 (d, J= 3.6 Hz, 1H), 7.88 (s, 1H), 12.04 (br s, 1H), 13.57 (br s, 1H)。
【0344】
工程2:中間体N-(1H-ピラゾール-3-イルメチル)チアゾール-2-アミン(35b)の調製
不活性大気下で、THF(8mL)中の中間体(35a)(750mg、3.86mmol)の溶液へ、0℃で、THF中のLiAlH4の溶液(2M、3.9mL、7.72mmol)を滴加した。この混合物を、4時間還流加熱した。室温に冷却後、反応混合物を0℃に冷却し、次に水でクエンチし、濾過した。濾液を、EtOAc(5×50mL)により抽出した。この有機層を、Na2SO4で乾燥させ、濾過し濃縮し、中間体(35b)(342mg、1.89mmol、49%)を帯黄白色固形物として生じた。
【0345】
MS m/z([M+H]+) 181。
MS m/z ([M-H]-) 179。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 4.40 (m, 2H), 6.18 (d, J= 2.1 Hz, 1H), 6.61 (d, J= 3.7 Hz, 1H), 7.02 (d, J= 3.7 Hz, 1H), 7.63 (s, 1H), 7.84 (s, 1H), 12.62 (br s, 1H)。
【0346】
工程3:中間体6-アリルオキシ-3-[3-[(チアゾール-2-イルアミノ)メチル]ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(35c)の調製
実施例1(工程7)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(420mg、1.37mmol)を、N-(1H-ピラゾール-3-イルメチル)チアゾール-2-アミン(35b)(322mg、1.78mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン:100/0から0/100)後、オレンジ色油状物としての中間体(35c)(194mg、0.49mmol、35%)へ変換した。
【0347】
MS m/z([M+H]+) 359。
MS m/z ([M-H]-) 357。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.14 (d, J= 10.8 Hz, 1H), 3.53 (dd, J= 10.8, 1.9 Hz, 1H), 4.10 (dd, J= 5.6, 2.6 Hz, 1H), 4.17 (dd, J= 17.6, 1.9 Hz, 1H), 4.37-4.54 (m, 3H), 4.50 (m, 2H), 5.31 (m, 1H), 3.37 (ddd, J= 17.2, 1.6, 1.4 Hz, 1H), 5.97-6.07 (m, 1H), 6.35 (d, J= 2.5 Hz, 1H) 6.46 (d, J= 5.6 Hz, 1H), 6.54 (s, 1H), 7.14 (s, 1H), 7.55 (d, J= 2.5 Hz, 1H)。
【0348】
工程4:中間体tert-ブチル{[1-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-3-イル]メチレンアミノ)-N-チアゾール-2-イル-カルバメート(35d)の調製
不活性大気下で、中間体(35c)(166mg、0.46mmol)を、DCM(5mL)中で希釈した。Boc2O(117μL、0.51mmol)、TEA(71μL、0.51mmol)及びDMAP(6mg、0.05mmol)を添加した。この反応混合物を、室温で16時間攪拌した。粗化合物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から20/80)、中間体(35d)(137mg、0.29mmol、62%)を黄色油状物として生じた。
【0349】
MS m/z([M+H]+) 459。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.53 (s, 9H), 3.11 (d, J= 10.7 Hz, 1H), 3.51 (dd, J= 10.7, 1.9 Hz, 1H), 4.06 (dd, J= 5.6, 2.6 Hz, 1H), 4.15 (dd, J= 17.6, 1.9 Hz, 1H), 4.36-4.48 (m, 3H), 5.30 (dd, J= 10.3, 1.3 Hz, 1H), 5.33-5.35 (m, 2H), 5.38 (ddd, J= 17.2, 1.6, 1.4 Hz, 1H), 6.01 (dddd, J= 17.6, 10.3, 6.7, 6.0 Hz, 1H), 6.24 (d, J= 2.6 Hz, 1H), 6.37 (d, J= 5.6 Hz, 1H), 6.93 (d, J= 3.7 Hz, 1H), 7.42 (d, J= 3.7 Hz, 1H), 7.48 (d, J= 2.6 Hz, 1H)。
【0350】
工程5:中間体ナトリウム{3-[tert-ブトキシカルボニル-N-(チアゾール-2-イル)-3-アミノメチルピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル)スルフェート(35e)の調製
不活性大気下で、中間体(35d)(127mg、0.28mmol)を、無水DCM(2.8mL)中に希釈した。AcOH(32μL、0.55mmol)及びPd(PPh3)4(160mg、0.14mmol)を連続して添加した。反応混合物を、室温で2時間攪拌した。次に無水ピリジン(2.8mL)及び三酸化硫黄ピリジン錯体(220mg、1.38mmol)を、この反応している混合物に添加した。生じた懸濁液を遮光し、反応が完了するまで一晩攪拌した。反応混合物を濃縮し、次にシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(DCM/アセトン:100/0から0/100)。生成物を含有する画分を一緒にし、濃縮した。残渣を、最小量のH2O/ACN(1:1)中に溶解し、Dowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまでH2Oにより洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)によるイオン交換後、黄色固形物としての中間体(35e)(68mg、0.13mmol、47%)を生じた。
【0351】
MS m/z([M+H]+) 499。
MS m/z ([M-H]-) 497。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.48 (s, 9H), 3.24 (d, J= 10.9 Hz, 1H), 3.35 (dd, J= 10.9, 2.5 Hz, 1H), 4.12-4.16 (m, 2H), 4.32 (dd, J= 5.7, 2.5 Hz, 1H), 5.23 (s, 2H), 6.20 (d, J= 2.6 Hz, 1H), 6.54 (d, J= 5.7 Hz, 1H), 7.24 (d, J= 3.6 Hz, 1H), 7.43 (d, J= 3.6 Hz, 1H), 8.10 (d, J= 2.6 Hz, 1H)。
【0352】
工程6:ナトリウム及び2.2.2-トリフルオロアセテート[7-オキソ-3-[3-(メチレン-2-アンモニウムチアゾール)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例35)の調製
中間体(35e)(57mg、0.11mmol)を、DCM/TFA(3:2)の混合液(2.2mL)中に溶解し、0℃で攪拌した。0℃で48時間後、混合物を濃縮した。残渣を、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(H2O/ACN:100/0から70/30)。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、凍結乾燥させ、実施例(35)(1.7mg、0.003mmol、3%)を明ピンク色固形物として得た。
【0353】
MS m/z ([M+H]+) 399。
MS m/z ([M-H]-) 397。
1H NMR (300 MHz, D2O) δ 3.44 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 3.68 (dd, J = 11.4, 2.1 Hz, 1H), 4.34-4.37 (m, 2H), 4.49-4.51 (m, 2H), 4.56 (dd, J = 5.7, 2.6 Hz, 1H), 6.45 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 6.58 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 6.68 (d, J = 3.8 Hz, 1H), 7.07 (d, J = 3.8 Hz, 1H), 7.38 (br s, 1H), 7.84 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.45 (br s, 1H)。
19F NMR (367 MHz, D2O) δ -75.55 (s, 3F)。
【0354】
実施例37:ナトリウム[7-オキソ-3-[3-(オキサゾール-2-イルカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化49】
【0355】
工程1:中間体tert-ブチルN-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-3-カルボキシラート(37a)の調製
実施例1(工程7)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(500mg、1.63mmol)を、1H-ピラゾール-3-カルボン酸tert-ブチル(550mg、3.27mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン:100/0から50/50)後、黄色油状物としての中間体(37a)(300mg、0.78mmol、48%)へ変換した。
【0356】
MS m/z ([M+H]+) 347。
MS m/z ([M-H]-) 345。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.58 (s, 9H), 3.13 (d, J= 10.8 Hz, 1H), 3.53 (dd, J= 10.8, 1.8 Hz, 1H), 4.11 (dd, J= 5.6, 2.6 Hz, 1H), 4.27 (dd, J= 17.7, 1.8 Hz, 1H), 4.37-4.49 (m, 3H), 5.31 (dt, J= 10.4, 1.6 Hz, 1H), 5.37 (ddd, J= 17.2, 1.6, 1.4 Hz, 1H), 5.96-6.06 (m, 1H), 6.58 (d, J= 5.6 Hz, 1H), 6.77 (d, J= 2.6 Hz, 1H), 7.60 (d, J= 2.6 Hz, 1H)。
【0357】
工程2:中間体N-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-3-カルボン酸(37b)の調製
中間体(37a)(300mg、0.78mmol)を、DCM及びTFA(5:1)の混合液(4.3mL)中に溶解した。この混合物を、室温で4時間攪拌した。混合物を濃縮し、次にシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(DCM/アセトン:100/0から60/40)。予想される中間体を含有する画分を一緒にし、濃縮し、中間体(37b)(162mg、0.53mmol、68%)を黄色固形物として生じた。
【0358】
MS m/z([M+H]+) 291。
MS m/z ([M-H]-) 289。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 3.27 (d, J= 11.0 Hz, 1H), 3.34 (dd, J= 11.0, 2.6 Hz, 1H), 4.24 (m, 2H), 4.32 (dd, J= 5.6, 2.2 Hz, 1H), 4.39 (d, J= 6.3 Hz, 2H), 5.26 (dd, J= 10.4, 1.9 Hz, 1H), 5.36 (ddd, J= 17.4, 1.9, 1.6 Hz, 1H), 5.89-6.02 (m, 1H), 6.77 (d, J= 5.6 Hz, 1H), 6.85 (d, J= 2.6 Hz, 1H), 8.29 (d, J= 2.6 Hz, 1H), 12.99 (br s, 1H)。
【0359】
工程3:中間体N-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)-3-(N-オキサゾール-2-イル-カルボキサミド)ピラゾール(37c)の調製
不活性大気下で、中間体(37b)(300mg、1.03mmol)を、無水DMF(10mL)中に希釈した。HOBt・H2O(206mg、1.34mmol)及びEDC・HCl(258mg、1.34mmol)を連続して添加した。この反応混合物を、室温で10分間攪拌した。2-アミノオキサゾール(304mg、3.62mmol)及びDIPEA(451μL、2.58mmol)を添加した。反応混合物を、室温で16時間攪拌した。次に混合物を、H2O(150mL)中に希釈した。水層を、EtOAc(3×150mL)により抽出した。有機層を一緒にし、飽和NaHCO3で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し濃縮した。粗化合物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から40/60)、中間体(37c)(182mg、0.42mmol、41%)を無色油状物として供した。
【0360】
MS m/z ([M+H]+) 357。
MS m/z ([M-H]-) 355。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.17 (d, J= 10.9 Hz, 1H), 3.57 (dd, J= 10.9, 1.9 Hz, 1H), 4.16 (dd, J= 5.5, 2.6 Hz, 1H), 4.23 (dd, J= 17.6, 1.9 Hz, 1H), 4.29-4.50 (m, 3H), 5.33 (dd, J= 10.3, 1.5 Hz, 1H), 5.38 (ddd, J= 17.6, 1.5, 1.4 Hz, 1H), 5.98-6.08 (m, 1H), 6.65 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 7.03 (d, J= 2.7 Hz, 1H), 7.08 (d, J= 1.1 Hz, 1H), 7.51 (d, J= 1.1 Hz, 1H), 7.70 (d, J= 2.7 Hz, 1H), 8.02 (br s, 1H)。
【0361】
工程4:ナトリウム[7-オキソ-3-[3-(オキサゾール-2-イルカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例37)の調製
実施例2(工程2)において説明した手順を使用し、中間体(37c)(106mg、0.30mmol)を、Dowex上のイオン交換前の、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン:100/0から0/100)後、明黄色固形物としての実施例(37)(46mg、0.11mmol、3工程にわたり40%)へ変換した。
【0362】
MS m/z([M+H]+) 397。
MS m/z ([M-H]-) 395。
1H NMR (300 MHz, D2O) δ 3.45 (d, J= 11.1 Hz, 1H), 3.70 (dd, J= 11.1, 1.9 Hz, 1H), 4.40-4.46 (m, 2H), 4.60 (dd, J= 5.6, 2.5 Hz, 1H), 6.77 (d, J= 5.6 Hz, 1H), 6.98 (d, J= 2.7 Hz, 1H), 7.11 (d, J= 1.1 Hz, 1H), 7.64 (d, J= 1.1 Hz, 1H), 8.03 (d, J= 2.7 Hz, 1H)。
【0363】
実施例38:3[3-[4-(2-アミノエチルカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩の合成
【化50】
【0364】
工程1:中間体tert-ブチルN-[2-(1H-ピラゾール-4-カルボニルアミノ)エチル]カルバメート(38a)の調製
1H-ピラゾール-4-カルボン酸(50mg、4.46mmol)を、DMF(45mL)中に溶解した。N-(2-アミノエチル)カルバミン酸tert-ブチル(1.44mL、9.82mmol)、HATU(1.87g、4.91mmol)及びDIPEA(2.33mL、13.4mmol)を添加し、この混合物を、50℃で一晩攪拌した。濃縮後、残渣を、シリカゲル上で精製し(DCM/MeOH:100/0から80/20)、中間体(38a)(408mg、1.61mmol、36%)を供した。
【0365】
MS m/z ([M+H]+) 255。
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ(ppm) 1.42 (s, 9H), 3.25 (t, J= 6.1 Hz, 2H), 3.41 (t, J= 6.1 Hz, 2H), 8.04 (s, 2H)。
【0366】
工程2:中間体tert-ブチルN-[2-[[1-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-4-カルボニル]アミノ]エチル]カルバメート(38b)の調製
実施例1(工程7)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(0.15g、0.49mmol)を、中間体(38a)(0.14g、0.55mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン:100/0から0/100)後、中間体(38b)(0.138g、0.32mmol、66%)へ変換した。
【0367】
MS m/z ([2M+H]+) 865。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ(ppm) 1.40 (s, 9H), 3.13 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 3.28-3.38 (m, 2H), 3.39-3.57 (m, 3H), 4.07-4.21 (m, 2H), 4.31-4.51 (m, 3H), 5.20-5.42 (m, 3H), 5.89-6.08 (m, 1H), 6.54 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 7.35 (s, 1H), 7.85 (s, 1H), 8.07 (s, 1H)。
【0368】
工程3:中間体tert-ブチルN-[2-[[1-(6-ヒドロキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-4-カルボニル]アミノ]エチル]カルバメート(38c)の調製
不活性大気下で、フェニルシラン(68μL、0.546mmol)及びPd(PPh3)4(16mg、0.014mmol)を、無水DCM(2.8ml)中の中間体(38b)(118mg、0.273mmol)の溶液へ添加した。反応混合物を、室温で1時間30分撹拌し、濃縮した。粗生成物を、シリカゲル上で精製し(DCM/アセトン:100/0から0/100)、中間体(38c)(52mg、0.132mmol、48%)を供した。
MS m/z ([M+H]+) 393。
【0369】
工程4:中間体ナトリウム[3-[4-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エチルカルバモイル]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(38d)の調製
中間体(38c)(52mg、0.132mmol)を、tBuOH(0.7mL)及びH2O(0.7mL)の混合液中に溶解した。TEA(4.6μL、0.032mmol)及び三酸化硫黄トリメチルアミン錯体(22mg、0.158mmol)を添加した。この混合物を、室温で2時間攪拌し、次に真空において濃縮した。残渣を、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(H2O/ACNの98/2から0/100)。予想される中間体を含有する画分を一緒にし、真空において濃縮した。残渣を、H2O中に溶解し、Dowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまでH2Oにより洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)によるイオン交換後、中間体(38d)(25mg、0.050mmol、39%)へ変換した。
MS m/z ([M-H]-) 471。
【0370】
工程5:[3-[4-(2-アミノエチルカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩(実施例38)の調製
中間体(38d)(25mg、0.050mmol)を、DCM(0.5mL)中に溶解した。0℃で、TFA(0.25mL)を添加し、この混合物を、0℃で20分間攪拌した。Et2Oを添加し、沈殿物を生じ、エーテル相を除去した。残渣を、ACN中で数回摩砕し、得られた固形物を窒素(azote)下で乾燥させた。残渣を、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(H2O/ACN:98/2から0/100)。所望の生成物を含有する画分を一緒にし、真空において濃縮し、実施例(38)(6.1mg、0.016mmol、34%)を生じた。
【0371】
MS m/z ([M-H]+) 373。
1H NMR (400 MHz, D2O): δ(ppm) 3.24 (t, J= 5.8 Hz, 2H), 3.45 (d, J= 11.4 Hz, 1H), 3.66 (t, J= 5.9 Hz, 2H), 3.67-3.72 (m, 1H), 4.34 (dd, J= 17.5, 1.2 Hz, 1H), 4.40 (dd, J= 17.5, 1.8 Hz, 1H), 4.60 (dd, J= 5.7, 2.6 Hz, 1H), 6.73 (d, J= 5.5 Hz, 1H), 8.01 (s, 1H), 8.35 (s, 1H)。
【0372】
実施例39:ナトリウム[3-[4-[(Z,E)-N-ヒドロキシ-C-メチル-カーボンイミドイル]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化51】
【0373】
工程1:中間体3-(4-アセチルピラゾール-1-イル)-6-アリルオキシ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(39a)の調製
実施例2(工程1a)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(250mg、0.817mmol)を、1-(1H-ピラゾール-4-イル)エタノン(108mg、0.98mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(シクロヘキサン/EtOAc:100/0から100/0)後、中間体(39a)(197mg、0.553mmol、68%)へ変換した。
【0374】
MS m/z([M+H]+) 289。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 2.46 (s, 3H), 3.17 (d, J= 5.6 Hz, 1H), 3.57 (dd, J = 1.8, 10.9 Hz, 1H), 4.10-4.25 (m, 2H), 4.39-4.52 (m, 3H), 5.30-5.43 (m, 2H), 5.97-6.09 (m, 1H), 6.65 (d, J= 5.6 Hz, 1H), 7.96 (s, 1H), 8.08 (s, 1H)。
【0375】
工程2:中間体6-アリルオキシ-3-[4-[(Z,E)-N-ヒドロキシ-C-メチル-カーボンイミドイル]ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(39b)の調製
MeOH(8.7mL)中の中間体(39a)(25mg、0.867mmol)の溶液へ、ヒドロキシルアミン塩酸塩(90mg、1.302mmol)及びピリジン(141μL、1.735mmol)を添加した。室温で2時間攪拌した後、混合物を真空において濃縮した。残渣を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(シクロヘキサン/EtOAc:100/0から100/0)、中間体(39b)(100mg、0.330mmol、38%)を黄色油状物として供した。
MS m/z ([M+H]+) 304。
【0376】
工程3:中間体[(Z,E)-1-[1-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-4-イル]エチリデンアミノ]tert-ブチルカーボネート(39c)の調製
DCM(3.3mL)中の中間体(39b)(100mg、0.33mmol)の溶液へ、Boc2O(108mg、0.495mmol)、TEA(70μL、0.495mmol)及びDMAP(40mg、0.33mmol)を添加した。室温で1時間攪拌した後、混合物を真空において濃縮した。残渣を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(シクロヘキサン/EtOAc:100/0から100/0)、中間体(39c)(110mg、0.273mmol、Z/E比:62/38、83%)を無色油状物として供した。
【0377】
MS m/z ([M+H]+) 404、([2M+H]+) 807。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 1.58 (s, 9H), 2.30 (s, 1.86H), 2.34 (s, 1.14H), 3.16 (d, J = 10.9 Hz, 0.62H), 3.19 (d, J = 10.9 Hz, 0.38H), 3.52-3.62 (m, 1H), 4.13-4.27 (m, 2H), 4.38-4.53 (m, 3H), 5.29-5.44 (m, 2H), 5.98-6.10 (m, 1H), 6.56 (d, J = 5.4 Hz, 0.62H), 6.64 (d, J = 5.4 Hz, 0.38H), 7.90 (s, 0.62H), 7.99 (s, 0.38H), 8.00 (s, 0.62H), 8.21 (s, 0.38H)。
【0378】
工程4:中間体tert-ブチル[(Z,E)-1-[1-(6-ヒドロキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-4-イル]エチリデンアミノ]カーボネート(39d)の調製
無水DCM(2.7mL)中の中間体(39c)(110mg、0.273mmol)の溶液を、アルゴン大気下10分間脱気した。フェニルシラン(67μL、0.546mmol)及びPd(PPh3)4(13mg、0.011mmol)を連続して添加した。室温で2時間攪拌した後、混合物を真空において濃縮した。残渣を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から100/0)、トリフェニルホスフィンオキシドが夾雑した中間体(39d)(31mg、0.062mmol、22%)をオレンジ色粉末として供した。
MS m/z ([M+H]+) 364。
【0379】
工程5:ナトリウム[3-[4-[(Z,E)-N-ヒドロキシ-C-メチル-カーボンイミドイル]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例39)の調製
tBuOH(0.427mL)及び水(0.427mL)中の中間体(39d)(31mg、0.062mmol)の溶液へ、不活性大気下で、三酸化硫黄トリメチルアミン錯体(14.3mg、0.102mmol)及びTEA(3.0μL、0.021mmol)を添加した。2時間攪拌した後、不均一な混合物を、真空において濃縮した。この粗物質を、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(H2O/ACN:勾配98/2から0/100)。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、固形物14mgを供し、これをDowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまでH2Oにより洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)に適用した。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、真空において濃縮した。粗物質を、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(H2O/ACN:勾配98/2から0/100)。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、凍結し、且つ凍結乾燥させ、実施例(39)(5.8mg、0.015mmol、Z/E比50/50、18%)を白色粉末として供した。
【0380】
MS m/z ([M-H]-) 342。
1H NMR (400 MHz, D2O): δ(ppm) 2.12 (s, 1.5H), 2.13 (s, 1.5H), 3.39 (dd, J = 11.3, 3.9 Hz, 1H), 3.60-3.67 (m, 1H), 4.24-4.37 (m, 2H), 4.50-4.56 (m, 1H), 6.58 (d, J = 5.7 Hz, 0.5H), 6.64 (d, J = 5.7 Hz, 0.5H), 7.83 (s, 0.5H), 8.11 (s, 1H), 8.47 (s, 0.5H)。
【0381】
実施例40:ナトリウム[3-(4-アセチルピラゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化52】
【0382】
工程1:中間体3-(4-アセチルピラゾール-1-イル)-6-ヒドロキシ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(40a)の調製
無水DCM(4.1mL)中の中間体(39a)(145mg、0.407mmol)の溶液を、アルゴン大気下で10分間脱気した。AcOH(47μL、0.815mmol)及びPd(PPh3)4(236mg、0.204mmol)を連続して添加した。室温で2時間攪拌した後、混合物を真空において濃縮した。残渣を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から100/0)、トリフェニルホスフィンオキシドが夾雑した中間体(40a)(90mg、0.150mmol、37%)を黄色粉末として供した。
【0383】
MS m/z ([M+H]+) 249。
1H NMR (400 MHz, アセトン-d6): δ(ppm) 2.42 (s, 3H), 3.31 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 3.47 (dd, J = 10.8, 2.8 Hz, 1H), 4.15 (dd, J = 5.5, 2.7 Hz, 1H), 4.26 (dd, J = 17.4, 1.9 Hz, 1H), 4.35 (d, J = 17.3 Hz, 1H), 6.88 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 8.00 (s, 1H), 8.61 (s, 1H)。
【0384】
工程2:ナトリウム[3-(4-アセチルピラゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例40)の調製
tBuOH(1.01mL)及びH2O(1.01mL)中の中間体(40a)(85mg、0.20mmol)の溶液へ、不活性大気下で、三酸化硫黄トリメチルアミン錯体(33.8mg、0.243mmol)及びTEA(7.1μL、0.051mmol)を添加した。1時間攪拌した後、不均一な混合物を真空において濃縮した。粗物質を、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(H2O/ACN:98/2から0/100)。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、固形物67mgを供し、これをDowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまでH2Oにより洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)に適用した。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、凍結し且つ凍結乾燥させ、固形物35mgを供し、これを再度C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(H2O/ACN:98/2から0/100)。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、実施例(40)(22.8mg、0.065mmol、30%)を白色粉末として供した。
【0385】
MS m/z ([M-H]-) 327。
1H NMR (400 MHz, D2O): δ(ppm): 2.46 (s, 3H), 3.41 (d, J = 11.3 Hz, 1H), 3.65 (dd, J = 11.4, 2.1 Hz, 1H), 4.33 (dd, J = 7.2, 1.3 Hz, 2H), 4.55 (dd, J = 5.6, 2.5 Hz, 1H), 6.74 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 8.06 (s, 1H), 8.49 (s, 1H)。
【0386】
実施例41:[3-[4-(2-アミノエチル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩の合成
【化53】
【0387】
工程1:中間体tert-ブチルN-[2-[1-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-4-イル]エチル]カルバメート(41a)の調製
実施例1(工程7)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(0.25g、0.82mmol)を、N-[2-(1H-ピラゾール-4-イル)エチル]カルバミン酸tert-ブチル(0.275g、1.31mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン:100/0から80/20)後、中間体(41a)(0.208g、0.53mmol、66%)へ変換した。
【0388】
MS m/z ([M+H]+) 390。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 1.44 (s, 9H), 2.64 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.14 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 3.25-3.34 (m, 2H), 3.52 (dd, J = 10.8, 2.2 Hz, 1H), 4.09 (dd, J = 5.5, 2.5 Hz, 1H), 4.19 (dd, J = 17.6, 1.8 Hz, 1H), 4.26-4.54 (m, 3H), 4.57 (br s, 1H), 5.27-5.42 (m, 2H), 5.96-6.08 (m, 1H), 6.37 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 7.41 (s, 1H), 7.45 (s, 1H)。
【0389】
工程2:中間体tert-ブチルN-[2-[1-(6-ヒドロキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-4-イル]エチル]カルバメート(41b)の調製
不活性大気下で、フェニルシラン(123μL、1.028mmol)及びPd(PPh3)4(30mg、0.026mmol)を、無水DCM(3.4ml)中の中間体(41a)(200mg、0.514mmol)の溶液へ添加した。反応混合物を、室温で1時間攪拌し、且つ濃縮した。粗生成物を、シリカゲル上で精製し(DCM/アセトン:100/0から80/20)、トリフェニルホスフィンオキシドが夾雑した中間体(41b)(85mg、0.244mmol、48%)を供した。
MS m/z ([M+H]+) 350。
【0390】
工程3:ナトリウム[3-[4-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エチル]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(41c)の調製
中間体(41b)(33mg、0.094mmol)を、tBuOH(0.47mL)及びH2O(0.47mL)の混合液中に溶解した。TEA(3.3μL、0.024mmol)及び三酸化硫黄トリメチルアミン錯体(16mg、0.113mmol)を添加した。この混合物を、室温で2時間攪拌し、次に真空において濃縮した。残渣を、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(H2O/ACN:98/2から0/100)。予想される中間体を含有する画分を一緒にし、真空において濃縮した。残渣をH2O中に溶解し、Dowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまでH2Oにより洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)によるイオン交換後、中間体(41c)(18mg、0.040mmol、43%)へ変換した。
MS m/z ([M-H]-) 428。
【0391】
工程4:[3-[4-(2-アミノエチル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩(実施例41)の調製
TFA(300μL)を、トルエン(600μL)中の中間体(41c)(18mg、0.040mmol)の溶液へ添加した。この混合物を、室温で30分間攪拌し、次に窒素(azote)下で濃縮した。残渣を、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(H2O/ACN:98/2から0/100)。予想される生成物を含有する画分を一緒にし、真空において濃縮し、実施例(41)(1.6mg、0.005mmol、13%)を生じた。
【0392】
MS m/z ([M-H]-) 328。
1H NMR (400 MHz, D2O): δ(ppm) 2.89 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 3.21 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 3.45 (d, J = 11.3 Hz, 1H), 3.66-3.73 (m, 1H), 4.33 (d, J = 17.5 Hz, 1H), 4.39 (dd, J = 17.5, 1.8 Hz, 1H), 4.58 (dd, J = 5.7, 2.7 Hz, 1H), 6.58 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 7.65 (s, 1H), 7.89 (s, 1H)。
【0393】
実施例42:2.2.2-トリフルオロアセテート[7-オキソ-3-(4-ピペラジン-4-イウム-1-イルピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩の合成
【化54】
【0394】
工程1:中間体tert-ブチル4-(1-ベンジルピラゾール-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシラート(42a)の調製
密封したフラスコ中で、1-ベンジル-4-ヨード-ピラゾール(7.2g、25.35mmol)を、DMSO(72mL)中に溶解した。溶液を、アルゴン下で5分間脱気した。次にピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(5.67g、30.42mmol)、S-プロリン(1.17g、10.14mmol)、CuI(0.965g、5.07mmol)及びK2CO3(10.51g、76.05mmol)を添加し、混合物を、100℃で一晩攪拌した。この混合物をH2Oに注ぎ、次にDCMで抽出した。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空において濃縮した。粗生成物を、シリカゲル上で精製し(DCM/アセトン:100/0から80/20)、中間体(42a)(3.88g、11.34mmol、45%)を供した。
【0395】
MS m/z ([M+H]+) 343。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 1.46 (s, 9H), 2.86 (t, J = 5.1 Hz, 4H), 3.53 (t, J = 5.1 Hz, 4H), 5.22 (s, 2H), 6.93 (s, 1H), 7.16-7.21 (m, 2H), 7.25-7.37 (m, 4H)。
【0396】
工程2:中間体tert-ブチル4-(1H-ピラゾール-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシラート(42b)の調製
中間体(42a)(0.3g、0.88mmol)を、DMSO(0.6mL)中に溶解した。THF中の1MのtBuOK溶液(8.8mmol、8.8mL)を添加し、混合物を酸素下で泡立てながら30分間攪拌した。THF中の1MのtBuOK溶液(5mmol、5mL)を再度添加し、混合物を酸素下で泡立てながら20分間攪拌した。反応混合物を塩化アンモニウム溶液の添加によりクエンチし、水で希釈し、AcOEtにより抽出した。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空において濃縮した。粗生成物を、シリカゲル上で精製し(DCM/アセトン:100/0から0/100)、中間体(42b)(156mg、0.62mmol、71%)を供した。
【0397】
MS m/z ([M+H]+) 253。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 1.47 (s, 9H), 2.91 (t, J = 5.2 Hz, 4H), 3.57 (t, J = 5.2 Hz, 4H), 7.25 (s, 2H)。
【0398】
工程3:中間体tert-ブチル4-[1-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシラート(42c)の調製
実施例2(工程1a)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(0.53g、1.74mmol)を、中間体(42b)(0.53g、2.08mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン:100/0から50/50)後、中間体(42c)(0.5g、1.16mmol、67%)へ変換した。
【0399】
MS m/z ([M+H]+) 431。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 1.47 (s, 9H), 2.87 (t, J = 5.2 Hz, 4H), 3.13 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 3.47-3.59 (m, 5H), 4.07 (dd, J = 5.6, 2.6 Hz, 1H), 4.18 (dd, J = 17.6, 1.8 Hz, 1H), 4.35-4.50 (m, 3H), 5.26-5.42 (m, 2H), 5.96-6.07 (m, 1H), 6.24 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 7.10 (br s, 1H), 7.31 (br s, 1H)。
【0400】
工程4:中間体tert-ブチル4-[1-(6-ヒドロキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-4-イル]ピペラジン-1-カルボキシラート(42d)の調製
不活性大気下で、酢酸(133μL、2.32mmol)及びPd(PPh3)4(335mg、0.29mmol)を、無水DCM(5.8mL)中の中間体(42c)(250mg、0.581mmol)の溶液へ添加した。この反応混合物を、室温で1時間30分撹拌し、且つ濃縮した。粗生成物をシリカゲル上で精製し(DCM/アセトン:100/0から0/100)、中間体(42d)(180mg、0.461mmol、80%)を供した。
MS m/z ([M+H]+) 391。
【0401】
工程5:トリメチルアンモニウム[3-[4-(4-tert-ブトキシカルボニルピペラジン-1-イル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(42e)の調製
中間体(42d)(180mg、0.461mmol)を、tBuOH(2.3mL)及びH2O(2.3mL)の混合液に溶解した。TEA(16μL、0.115mmol)及び三酸化硫黄トリメチルアミン錯体(77mg、0.553mmol)を添加した。この混合物を、室温で一晩攪拌し、次に濃縮した。残渣を、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(H2O/ACN:98/2から0/100)、中間体(42e)(154mg、0.291mmol、64%)を供した。
MS m/z ([M-H]-) 469。
【0402】
工程6:2,2,2-トリフルオロアセテート[7-オキソ-3-(4-ピペラジン-4-イウム-1-イルピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩(実施例42)の調製
中間体(42e)(130mg、0.245mmol)を、DCM(1.2mL)中に溶解した。0℃で、TFA(0.6mL)を添加し、混合物を、0℃で45分間攪拌した。Et2Oを添加し、沈殿物を生じ、エーテル相を除去した。残渣をACN中で数回摩砕し、得られた固形物を窒素(azote)下で乾燥させた。残渣を、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(H2O/ACN:98/2から0/100)。所望の生成物を含有する画分を一緒にし、真空において濃縮し、実施例(42)(5.4mg、0.012mmol、5%)を生じた。
【0403】
MS m/z ([M-H]-) 369。
1H NMR (400 MHz, D2O): δ(ppm) 3.20-3.29 (m, 4H), 3.35-3.46 (m, 5H), 3.61-3.70 (m, 1H), 4.32 (s, 2H), 4.55 (dd, J = 5.7, 2.6 Hz, 1H), 6.44 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 7.52 (s, 1H), 7.62 (s, 1H)。
【0404】
実施例43:ナトリウム[7-オキソ-3-(3,4,5-トリジューテリオピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化55】
【0405】
工程1:中間体6-アリルオキシ-3-(3,4,5-トリジューテリオピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(43a)の調製
実施例2(工程1a)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(200mg、0.65mmol)を、3,4,5-トリジューテリオ-1H-ピラゾール(Catalysis Communication, 2001, 2: 125-128に記載のように調製)(56mg、0.78mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン:100/0から90/10)後、中間体(43a)(101mg、0.41mmol、63%)へ変換した。
【0406】
MS m/z ([M+H]+) 250。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 3.14 (d, J= 10.8 Hz, 1H), 3.52 (dd, J= 10.8, 2.3 Hz, 1H), 4.09 (dd, J= 5.6, 2.7 Hz, 1H), 4.20 (dd, J= 17.5, 1.9 Hz, 1H), 4.35-4.50 (m, 3H), 5.27-5.31 (m, 1H), 5.32-5.39 (m, 1H), 5.94-6.06 (m, 1H), 6.45 (d, J= 5.5 Hz, 2H)。
【0407】
工程2:ナトリウム[7-オキソ-3-(3,4,5-トリジューテリオピラゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例43)の調製
実施例2(工程2)において説明した手順を使用し、中間体(43a)(100mg、0.40mmol)を、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(H2O/ACNの98/2からACN)、それに続く凍結乾燥後、実施例(43)(43mg、0.14mmol、35%)へ変換した。
【0408】
MS m/z ([M-H]-) 288。
1H NMR (400 MHz, D2O): δ(ppm) 3.43 (d, J= 11.3 Hz, 1H), 3.66 (dd, J= 11.3, 2.1 Hz, 1H), 4.32-4.37 (m, 2H), 4.55 (dd, J= 5.6, 2.6 Hz, 1H), 6.57 (d, J= 5.6 Hz, 1H)。
【0409】
実施例44:ナトリウム[7-オキソ-3-(テトラゾール-2-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化56】
【0410】
工程1:中間体1-ベンジル-5-(テトラゾール-2-イル)-2,6-ジヒドロピリジン-3-オン(44a)の調製
0℃で、ACN中の3重量%テトラゾール(57.4g、32.8mmol)及びNa2CO3(4.14g、39.42mmol)を、DMF(16.4mL)中の(1-ベンジル-5-オキソ-2,6-ジヒドロピリジン-3-イル)トリフルオロメタンスルホネート(2.2g、6.57mmol)の溶液へ添加した。この混合物を、0℃で4時間攪拌し、次に水で希釈し、AcOEtにより抽出した。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空において濃縮した。粗生成物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/MeOH:100/0から90/10)、中間体(44a)(370mg、1.45mmol、22%)を供した。
【0411】
MS m/z ([M-H]-) 254。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 3.36 (br s, 2H), 3.86 (s, 2H), 4.15 (br s, 2H), 7.00 (t, J = 1.5 Hz, 1H), 7.28-7.42 (m, 5H), 8.66 (s, 1H)。
【0412】
工程2:中間体1-ベンジル-5-(テトラゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-3-オール(44b)の調製
中間体(44a)(428mg、1.68mmol)を、MeOH(15mL)及びTHF(3mL)の混合液中に溶解した。0℃で、無水CeCl3(163mg、1.68mmol)及びNaBH4(70mg、1.85mmol)を添加した。この混合物を、0℃で30分間攪拌し、次にアセトン及びH2Oを連続して添加した。混合物を濃縮した。H2O及びNH4Cl溶液を、残渣に添加し、所望の生成物を、AcOEtにより抽出した。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空において濃縮した。粗生成物を、シリカゲル上で精製し(DCM/アセトン:100/0から70/30)、中間体(44b)(407mg、1.58mmol、95%)を供した。
【0413】
MS m/z ([M+H]+) 258。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 2.40 (br s, 1H), 2.67 (dd, J = 11.8, 2.9 Hz, 1H), 2.96 (dd, J = 11.9, 3.2 Hz, 1H), 3.44 (d, J = 16.6 Hz, 1H), 3.72-3.88 (m, 2H), 4.03 (d, J = 16.6 Hz, 1H), 4.38 (br s, 1H), 6.91 (d, J = 4.5 Hz, 1H), 7.27-7.41 (m, 5H), 8.53 (s, 1H)。
【0414】
工程3:中間体N-アリルオキシ-N-[1-ベンジル-5-(テトラゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-3-イル]-2-ニトロ-ベンゼンスルホンアミド(44c)の調製
アルゴン大気下、中間体(44b)(400mg、1.56mmol)を、トルエン(16mL)中に溶解し、N-アリルオキシ-2-ニトロ-ベンゼンスルホンアミド(402mg、1.56mmol)及びPPh3(409mg、1.56mmol)を添加した。0℃で、DTAD(395mg、1.71mmol)をこの混合物へ少量づつ添加し、室温で4時間攪拌した。濃縮後、残渣を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から80/20)、中間体(44c)(714mg、1.44mmol、92%)を供した。
【0415】
MS m/z ([M+H]+) 498。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 2.85 (br s, 2H), 3.53-3.90 (m, 4H), 4.46-4.58 (m, 2H), 4.94 (br s, 1H), 5.16-5.29 (m, 2H), 5.82 (ddt, J = 16.8, 10.4, 6.4 Hz, 1H), 6.48 (br s, 1H), 7.27-7.38 (m, 5H), 7.49-7.84 (m, 3H), 8.09 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 8.47 (s, 1H)。
【0416】
工程4:中間体N-アリルオキシ-1-ベンジル-5-(テトラゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-3-アミン(44d)の調製
0℃で、K2CO3(1.48g、10.72mmol)及びチオフェノール(732μL、7.14mmol)を、ACN(14mL)中の中間体(44c)(710mg、1.43mmol)の溶液へ添加した。この混合物を、室温で3時間30分撹拌した。粗生成物をセライト上で濾過し、ACN及びDCMで洗浄した。濾液を濃縮し、残渣をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から70/30)、中間体(44d)(368mg、1.18mmol、83%)を供した。
【0417】
MS m/z ([M+H]+) 313。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 2.58 (d, J = 11.7 Hz, 1H), 3.09 (d, J = 11.7 Hz, 1H), 3.44 (d, J= 16.5 Hz, 1H), 3.70-4.00 (m, 4H), 4.20 (d, J= 5.9 Hz, 2H), 5.14-5.33 (m, 2H), 5.75 (br s, 1H), 5.92 (ddt, J= 16.5, 11.0, 5.9 Hz, 1H), 6.82 (br s, 1H), 7.28-7.43 (m, 5H), 8.51 (s, 1H)。
【0418】
工程5:中間体6-アリルオキシ-3-(テトラゾール-2-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(44e)の調製
DCE(2mL)中のトリホスゲン(455mg、1.53mmol)の溶液を、DCE(12mL)中の中間体(44d)(368mg、1.18mmol)の溶液へ添加した。この混合物を、室温で30分間攪拌した。アセトン(7.5mL)中のNaI(1.77g、11.8mmol)の溶液を添加し、混合物を室温で15分間攪拌した。次に溶液を、55℃で15分間加熱し、ピリジン(2.38mL、29.5mmol)を添加した。この混合物を、55℃で2時間30分撹拌した。冷却及びDCMによる希釈後、混合物をセライト上で濾過し、濾液を濃縮した。残渣を、DCM中に溶解した。有機層をNa2S2O3溶液で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空において濃縮した。粗生成物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(トルエン/アセトン:100/0から80/20)、中間体(44e)(132mg、0.53mmol、45%)を供した。
【0419】
MS m/z ([M+H]+) 249。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ(ppm) 3.20 (d, J= 11.0 Hz, 1H), 3.61 (ddd, J= 11.2, 2.9, 1.2 Hz, 1H), 4.23 (dd, J= 5.5, 2.3 Hz, 1H), 4.34 (dd, J= 18.0, 2.0 Hz, 1H), 4.38-4.52 (m, 2H), 4.65 (dd, J= 18.0, 1.2 Hz, 1H), 5.28-5.43 (m, 2H), 5.94-6.10 (m, 1H), 7.25-7.29 (m, 1H), 8.54 (s, 1H)。
【0420】
工程6:ナトリウム[7-オキソ-3-(テトラゾール-2-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例44)の調製
実施例2(工程2)において説明した手順を使用し、中間体(44e)(130mg、0.52mmol)を、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(H2O/ACN:99/1から0/100)、それに続く凍結乾燥後、実施例(44)(5mg、0.02mmol、8%)へ変換した。
【0421】
MS m/z ([M-H]-) 287。
1H NMR (400 MHz, D2O): δ(ppm) 3.52 (d, J= 11.5 Hz, 1H), 3.75 (ddd, J= 11.5, 2.8, 1.1 Hz, 1H), 4.57 (dd, J= 3.6, 1.6 Hz, 2H), 4.70 (dd, J= 5.6, 2.7 Hz, 1H), 7.35 (dd, J= 5.6, 1.5 Hz, 1H), 8.82 (s, 1H)。
【0422】
実施例45:ナトリウム[3-[3-(2-アミノ-2-オキソ-エチル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化57】
【0423】
工程1:中間体2-(1H-ピラゾール-3-イル)アセトアミド(45a)の調製
MeOH中7Mアンモニア(20mL、140mmol)中の(1H-ピラゾール-3-イル)-酢酸メチルエステル(0.50g、3.57mmol)の混合物を、55℃で4日間加熱した。この反応混合物を真空において濃縮し、中間体(45a)(0.44g、3.52mmol、98%)をピンク色粉末として供した。
【0424】
MS m/z ([M+H]+) 126。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 3.39 (s, 2H), 6.10 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.90 (s, 1H), 7.35 (s, 1H), 7.51 (s, 1H), 12.52 (br s, 1H)。
【0425】
工程2:中間体2-[1-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-3-イル]アセトアミド(45b)の調製
実施例1(工程7)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(600mg、1.96mmol)を、中間体(45a)(490mg、3.27mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン:60/40から30/70)後、両方の位置異性体の混合物由来の主要生成物(比83/16)としての中間体(45b)(200mg、0.66mmol、34%)へ変換した。
【0426】
MS m/z ([M+H]+) 304。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 3.15 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 3.49-3.55 (m, 1H), 3.60 (s, 2H), 4.12 (dd, J = 2.6, 5.6 Hz, 1H), 4.17 (dd, J = 2.0, 17.5 Hz, 1H), 4.37-4.51 (m, 3H), 5.29-5.44 (m, 2H), 5.53 (s, 1H), 5.97-6.08 (m, 1H), 6.30 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 6.37 (s, 1H), 6.46-6.48 (m, 1H), 7.57 (d, J = 2.6 Hz, 1H)。
【0427】
工程3:中間体2-[1-(6-ヒドロキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-3-イル]アセトアミド(45c)の調製
不活性大気下、中間体(45b)(130mg、0.66mmol)の溶液を、無水DCM(18mL)中に希釈した。PhSiH3(326μL、2.64mmol)及びPd(PPh3)4(76mg、0.066mmol)を連続して添加した。1時間撹拌した後、DCMを添加し、固形物を濾過し、中間体(45c)(70mg、0.26mmol、63%)を供した。
MS m/z ([M-H]-) 263。
【0428】
工程4:ナトリウム[3-[3-(2-アミノ-2-オキソ-エチル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例45)の調製
不活性大気下の無水ピリジン(3mL)中の中間体(45c)(70mg、0.26mmol)の溶液へ、三酸化硫黄ピリジン錯体(212mg、1.33mmol)を添加した。18時間攪拌した後、DCMを残渣へ添加し、この固形物を濾過し、DCM/アセトン(50/50)により洗浄した。濾液を蒸発させ、固形物を生じ、これをDowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまで水により洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)に適用した。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、凍結し、且つ凍結乾燥させ、主要生成物として実施例(45)の両方の位置異性体の混合物(比91/9)(46mg、0.13mmol、51%、白色粉末)を生じた。
【0429】
MS m/z ([M-H]-) 342。
1H NMR (400 MHz, D2O): δ(ppm) 3.35 (d, J = 11.3 Hz, 1H), 3.56 (s, 3H), 4.26 (t, J = 1.7 Hz, 2H), 4.46 (dd, J = 5.7, 2.7 Hz, 1H), 6.32 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 6.46-6.53 (m, 1H), 7.77 (d, J = 2.6 Hz, 1H)。
【0430】
実施例46:[3-[3-(2-アミノエトキシカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩の合成
【化58】
【0431】
工程1:中間体tert-ブチルN-[2-(1H-ピラゾール-3-カルボニルアミノ)オキシエチル]カルバメート(46a)の調製
N-(2-アミノオキシエチル)カルバミン酸tert-ブチル(510mg、2.90mmol)、HATU(932mg、2.45mmol)及びDIPEA(1.16mL、6.69mmol)を、DMF(11mL)中の1H-ピラゾール-3-カルボン酸(250mg、2.23mmol)の溶液へ添加した。この混合物を、40℃で一晩攪拌した。濃縮、水の添加及びAcOEtによる抽出の後、有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空において濃縮し、残渣を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から70/30)、中間体(46a)(575mg、2.13mmol、95%)を供した。
【0432】
MS m/z ([M+H]+) 271。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 1.39 (s, 9H), 3.14-3.22 (m, 2H), 3.80 (t, J = 5.2 Hz, 2H), 6.66 (s, 1H), 6.82 (t, J = 5.5 Hz, 1H), 7.84 (s, 1H), 11.37 (s, 1H), 13.31 (s, 1H)。
【0433】
工程2:中間体tert-ブチルN-[2-[[1-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-3-カルボニル]アミノ]オキシエチル]カルバメート(46b)の調製
実施例2(工程1a)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(0.30g、0.98mmol)を、中間体(46a)(0.32g、1.17mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン:100/0から60/40)後、所望の異性体が多い比8/2を持つ中間体(46b)(0.147g、0.33mmol、25%)へ、変換した。
【0434】
MS m/z ([M+H]+) 449。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 1.45 (s, 9H), 3.13 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 3.27-3.57 (m, 3H), 3.90-4.02 (m, 2H), 4.09-4.21 (m, 2H), 4.35-4.50 (m, 3H), 5.25-5.40 (m, 2H), 5.50-5.72 (m, 1H), 5.90-6.07 (m, 1H), 6.42 (d, J = 5.4 Hz, 0.2H), 6.54 (d, J = 5.5 Hz, 0.8H), 6.64 (d, J = 1.9 Hz, 0.2H), 6.88 (d, J = 2.6 Hz, 0.8H), 7.52 (br s, 0.2H), 7.66 (d, J = 2.6 Hz, 0.8H), 9.71 (br s, 0.8H), 10.37 (br s, 0.2H)。
【0435】
工程3:中間体トリフェニル-[(E)-プロパ-1-エニル]ホスホニウム[3-[3-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エトキシカルバモイル]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(46c)の調製
不活性大気下で、酢酸(46μL、0.80mmol)及びPd(PPh3)4(231mg、0.20mmol)を、無水DCM(4mL)中の中間体(46b)(180mg、0.40mmol)の溶液へ添加した。反応混合物を、室温で2時間攪拌し、次にピリジン(4mL)及び三酸化硫黄ピリジン錯体(319mg、2.00mmol)を添加した。この混合物を、暗所において室温で一晩攪拌した。混合物をDCMで希釈し、濾過した。濾液を濃縮し、粗生成物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から0/100)、所望の異性体が多い比8/2を持つ中間体(46c)(135mg、0.17mmol、43%)を供した。
MS m/z ([M-H]-) 487。
【0436】
工程5:[3-[3-(2-アミノエトキシカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩(実施例46)の調製
0℃で、TFA(0.2mL)を、DCM(0.6mL)中の中間体(46c)(70mg、0.063mmol)の溶液へ添加した。この混合物を、0℃で40分間攪拌した。Et2Oを添加し、沈殿物を生じ、エーテル相を除去した。残渣を、ACN中で数回摩砕し、得られた固形物を窒素(azote)下で乾燥させた。残渣を、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(H2O/ACN:98/2から0/100)。所望の生成物を含有する画分を一緒にし、真空において濃縮し、実施例(46)(10mg、0.026mmol、42%)を生じた。
【0437】
MS m/z ([M-H]-) 387。
1H NMR (300 MHz, D2O): δ(ppm) 3.25-3.35 (m, 2H), 3.38-3.49 (m, 1H), 3.66 (dd, J = 11.4, 2.9 Hz, 1H), 4.05 (d, J = 17.7 Hz, 0.2H), 4.18-4.26 (m, 2.2H), 4.36 (d, J = 1.5 Hz, 1.6H), 4.49-4.61 (m, 1H), 6.51 (d, J = 5.4 Hz, 0.2H), 6.69-6.74 (m, 1H), 6.83 (d, J = 2.7 Hz, 0.8H), 7.67 (d, J = 2.0 Hz, 0.2H), 7.98 (d, J = 2.7 Hz, 0.8H)。
【0438】
実施例47:ナトリウム[3-[3-(2-ヒドロキシエトキシカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化59】
【0439】
工程1:中間体O-[2-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシエチル]ヒドロキシルアミン(47a)の調製
DMAP(80mg、0.65mmol)、イミダゾール(1.10g、16.22mmol)及びTBDPSCl(2.2mL、8.44mmol)を、DCM(33mL)中の2-アミノオキシエタノール(500mg、6.49mmol)の溶液へ連続して添加した。混合物を、室温で18時間攪拌した。不溶性物質を濾過し、濾液を濃縮した。粗生成物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/MeOH:100/0から80/20)、中間体(47a)(2.1g、6.49mmol、100%)を供した。
【0440】
MS m/z ([M+H]+) 316。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ(ppm) 1.06 (s, 9H), 3.80-3.91 (m, 4H), 7.34-7.46 (m, 6H), 7.64-7.73 (m, 4H)。
【0441】
工程2:中間体N-[2-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシエトキシ]-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド)(47b)の調製
中間体(47a)(1.052g、3.34mmol)、HATU(932mg、2.45mmol)及びDIPEA(1.16mL、6.69mmol)を、DMF(11mL)中の1H-ピラゾール-3-カルボン酸(250mg、2.23mmol)の溶液へ連続して添加した。この混合物を、40℃で一晩攪拌し、次に濃縮した。残渣を水中に可溶化し、次にAcOEtにより抽出した。有機層を、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空において濃縮した。残渣を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から70/30)、中間体(47b)(600mg、1.47mmol、66%)を供した。
【0442】
MS m/z ([M-H]-) 408。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 1.00 (s, 9H), 3.87 (t, J = 5.0 Hz, 2H), 4.01 (t, J = 5.0 Hz, 2H), 6.65 (s, 1H), 7.37-7.51 (m, 6H), 7.60-7.69 (m, 4H), 7.83 (s, 1H), 11.47 (s, 1H), 13.27 (s, 1H)。
【0443】
工程3:中間体1-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)-N-[2-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシエトキシ]ピラゾール-3-カルボキサミド(47c)の調製
実施例2(工程1a)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(0.20g、0.65mmol)を、中間体(47b)(0.32g、0.78mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン:100/0から50/50)後、所望の異性体が多い比6/4を持つ中間体(47c)(0.089g、0.15mmol、24%)へ変換した。
【0444】
MS m/z ([M+H]+) 588。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.03-1.09 (m, 9H), 2.65-2.87 (m, 2H), 3.06-3.33 (m, 1H), 3.44-3.56 (m, 1H), 3.84-3.98 (m, 2H), 3.98-4.18 (m, 3H), 4.25-4.52 (m, 3H), 5.22-5.42 (m, 2H), 5.89-6.09 (m, 1H), 6.29-6.53 (m, 1H), 6.89 (d, J = 2.6 Hz, 0.6H), 7.31-7.49 (m, 6H), 7.62 (d, J = 2.6 Hz, 0.4H), 7.64-7.72 (m, 4H), 8.83 (br s, 0.4H), 9.29 (s, 0.6H)。
【0445】
工程4:中間体トリフェニル-[(E)-プロパ-1-エニル]ホスホニウム[3-[3-[2-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシエトキシカルバモイル]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(47d)の調製
不活性大気下で、酢酸(18μL、0.30mmol)及びPd(PPh3)4(87mg、0.07mmol)を、無水DCM(1.5mL)中の中間体(47c)(89mg、0.15mmol)の溶液へ添加した。反応混合物を、室温で2時間30分撹拌し、次にピリジン(1.5mL)及び三酸化硫黄ピリジン錯体(120mg、0.75mmol)を添加し、混合物を暗所において室温で一晩攪拌した。混合物をDCMで希釈し、濾過した。濾液を濃縮した。粗生成物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から0/100)、所望の異性体が多い6/4比を持つ中間体(47d)(38mg、0.04mmol、28%)を供した。
MS m/z ([M-H]-) 626。
【0446】
工程5:ナトリウム[3-[3-(2-ヒドロキシエトキシカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例47)の調製
0℃で、3HF・NEt3(6.7μL、0.041mmol)を、THF(0.2mL)中の中間体(47d)(38mg、0.041mmol)の溶液へ添加した。混合物を、0℃で1時間攪拌した。更なる3HF・NEt3(26.8μL、0.164mmol)を添加し、混合物を室温で一晩攪拌した。濃縮後、Et2Oを添加し、沈殿物を生じ、これを濾過した。沈殿物を、ACN(0.2mL)中に溶解した。ACN(0.3mL)中のNaI(60mg、0.40mmol)の溶液を添加し、混合物を室温で2時間攪拌した。沈殿物を濾過し、ACNで洗浄し、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(H2O/ACN:98/2から0/100)。所望の生成物を含有する画分を一緒にし、真空において濃縮し、所望の異性体が多い比7/3を持つ実施例(47)(7.7mg、0.019mmol、47%)を生じた。
【0447】
MS m/z ([M-H]-) 388。
1H NMR (300 MHz, D2O) δ 3.38-3.47 (m, 1H), 3.59-3.72 (m, 1H), 3.78-3.85 (m, 2H), 4.03-4.41 (m, 4H), 4.50-4.59 (m, 1H), 6.44-6.85 (m, 2H), 7.68 (d, J = 2.1 Hz, 0.3H), 7.97 (d, J = 2.7 Hz, 0.7H)。
【0448】
実施例48:ナトリウム及び2,2,2-トリフルオロアセテート[3-[3-[2-(2-アンモニウムエチルアミノ)-2-オキソ-エチル]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化60】
工程1:中間体2-(1H-ピラゾール-3-イル)酢酸(48a)の調製
(1H-ピラゾール-3-イル)-酢酸メチルエステル(0.85g、6.07mmol)及び6N NaOH(1.27mL、7.65mmol)の混合物を、MeOH(17mL)に希釈した。一晩撹拌した後、反応混合物を真空において濃縮した。残渣を水で希釈し、37%HClによりpH1となるまで酸性とした。この混合物を、窒素フラックス下で濃縮した。ACNを添加し、固形物を濾過し、中間体(48a)(200mg、6.07mmol、100%)を供した。
【0449】
MS m/z ([M+H]+) 127。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ(ppm) 4.61 (s, 2H), 6.14 (s, 1H), 7.46 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.02 (s, 1H)。
【0450】
工程2:中間体tert-ブチルN-[2-[[2-(1H-ピラゾール-3-イル)アセチル]アミノ]エチル]カルバメート(48b)の調製
無水DMF(30mL)中の中間体(48a)(0.75g、5.79mmol)の溶液へ、HATU(1.7g、6.37mmol)、DIPEA(6.1mL、34.74mmol)及びN-(2-アミノエチル)カルバミン酸tert-ブチル(1.2mL、7.52mmol)を添加した。この懸濁液を、室温で一晩攪拌した。残渣を真空において濃縮し、シリカゲル上で精製し(DCM/アセトン:70/30から30/70)、中間体(XXb)(620mg、2.31mmol、40%)を茶色粉末として供した。
【0451】
MS m/z ([M+H]+) 269。
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ(ppm) 1.44 (s, 9H), 3.16 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 3.26-3.30 (m, 2H), 3.58 (s, 2H), 6.26 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 2.2 Hz, 1H)。
【0452】
工程3:中間体tert-ブチルN-[2-[[2-[1-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-3-イル]アセチル]アミノ]エチル]カルバメート(48c)の調製
実施例1(工程7)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(352mg、1.15mmol)を、中間体(48b)(620mg、2.32mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン:70/30から30/70)後、中間体(48c)(220mg、0.49mmol、43%)へ変換した。
【0453】
MS m/z ([M+H]+) 347。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 1.45 (s, 9H), 3.12-3.43 (m, 5H), 3.50-3.66 (m, 3H), 4.14-4.24 (m, 2H), 4.40-4.55 (m, 3H), 4.92 (br s, 1H), 5.33-5.47 (m, 2H), 5.96-6.12 (m, 1H), 6.31 (br s, 1H), 6.49 (br s, 1H), 6.60 (br s, 1H), 7.57 (br s, 1H)。
【0454】
工程4:中間体tert-ブチルN-[2-[[2-[1-(6-ヒドロキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-3-イル]アセチル]アミノ]エチル]カルバメート(48d)の調製
不活性大気下、中間体(48c)(50mg、0.11mmol)の溶液を、無水DCM(2.8mL)中に希釈した。AcOH(13μL、0.22mmol)及びPd(PPh3)4(64mg、0.055mmol)を、連続して添加した。2時間撹拌した後、残渣を真空において濃縮し、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:70/30から50/50)、中間体(48d)(30mg、0.073mmol、67%)を供した。
MS m/z ([M+H]+) 407。
【0455】
工程5:中間体ナトリウム[3-[3-[2-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エチルアミノ]-2-オキソ-エチル]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(48e)の調製
無水ピリジン(3mL)中の中間体(48d)(30mg、0.073mmol)の溶液へ、不活性大気下で、三酸化硫黄ピリジン錯体(58mg、0.365mmol)を添加した。18時間攪拌した後、DCMを残渣へ添加し、固形物を濾過した。濾液を蒸発させ、固形物を生じ、これをDowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまでH2Oにより洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)に適用した。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、凍結し、且つ凍結乾燥させ、主要生成物としての中間体(48e)の位置異性体の混合物(比80/20)(20mg、0.039mmol、54%)を生じた。
【0456】
MS m/z ([M-H]-) 485。
1H NMR (300 MHz, D2O): δ(ppm) 1.33 (s, 9H), 3.13-3.18 (m, 2H), 3.23-3.30 (m, 2H), 3.41 (d, J = 11.3 Hz, 1H), 3.57-3.68 (m, 3H), 4.32 (s, 2H), 4.53 (dd, J = 2.6, 5.7 Hz, 1H), 6.38 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 6.56 (d, J = 5.8 Hz, 1H), 7.84 (d, J = 2.6 Hz, 1H)。
【0457】
工程6:ナトリウム[3-[3-[2-(2-アンモニウムエチルアミノ)-2-オキソ-エチル]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート 2,2,2-トリフルオロアセテート(実施例48)の調製
中間体(48e)(20mg、0.04mmol)を、TFA(350μL)及びDCM(1.25mL)中に、不活性大気下0℃で、可溶化した。1時間攪拌した後、Et2Oを添加した。沈殿物を、Et2Oにより数回、次にACNにより摩砕し、実施例48(4.7mg、0.011mmol、30%)を黄色粉末として生じた。
【0458】
MS m/z ([M-H]-) 385。
1H NMR (400 MHz, D2O): δ(ppm) 3.05-3.08 (m, 2H), 3.35-3.38 (m, 1H), 3.42-3.45 (m, 2H), 3.58-3.63 (m, 2H), 4.15-4.19 (m, 1H), 4.27-4.30 (m, 2H), 4.49 (dd, J = 5.6, 2.7 Hz, 1H), 6.34 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 6.51 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 7.78 (d, J = 2.6 Hz, 1H)。
【0459】
実施例49:ナトリウム及び2,2,2-トリフルオロアセテート[3-[3-(アンモニウムメチル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化61】
【0460】
工程1:中間体tert-ブチルN-[[1-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-3-イル]メチル]カルバメート(49a)の調製
実施例1(工程7)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(700mg、2.30mmol)を、N-(1H-ピラゾール-3-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(910mg、4.60mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン:100/0から80/20)後、中間体(49a)(380mg、1.01mmol、44%)へ変換した。
【0461】
MS m/z ([M+H]+) 376。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 1.41 (s, 9H), 3.08 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 3.46 (dd, J = 2.8, 10.9 Hz, 1H), 4.03-4.15 (m, 2H), 4.19-4.24 (m, 2H), 4.32-4.43 (m, 3H), 5.14 (br s, 1H), 5.23-5.35 (m, 2H), 5.96 (ddt, J = 6.3, 10.3, 16.8 Hz, 1H), 6.22 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 6.37 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 2.6 Hz, 1H)。
【0462】
工程2:中間体tert-ブチルN-[[1-(6-ヒドロキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-3-イル]メチル]カルバメート(49b)の調製
不活性大気下、中間体(49a)(50mg、0.11mmol)の溶液を、無水DCM(1mL)中に希釈した。PhSiH3(7.4μL、0.08mmol)及びPd(PPh3)4(2.4mg、0.002mmol)を連続して添加した。2時間30分撹拌した後、残渣を真空において濃縮し、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から70/30)、中間体(49b)(13mg、0.038mmol、98%)を供した。
MS m/z ([M+H]+) 336。
【0463】
工程3:ナトリウム[3-[3-[(tert-ブトキシカルボニルアミノ)メチル]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(49c)の調製
無水ピリジン(0.5mL)中の中間体(49b)(13mg、0.04mmol)の溶液へ、不活性大気下、三酸化硫黄ピリジン錯体(26mg、0.20mmol)を添加した。18時間攪拌した後、DCMを残渣に添加し、固形物を濾過し、DCMで洗浄した。濾液を蒸発させ、固形物を生じ、これをDowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまで水により洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)に適用した。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、凍結し、且つ凍結乾燥させ、中間体(49c)(10mg、0.02mmol、50%)を供した。
【0464】
MS m/z ([M-H]-) 415。
1H NMR (300 MHz, D2O): δ(ppm) 1.38 (s, 9H), 3.40 (d, J = 11.2 Hz, 1H), 3.59-3.68 (m, 1H), 4.19 (s, 2H), 4.30 (s, 2H), 4.52 (dd, J = 2.6, 5.7 Hz, 1H), 6.35 (s, 1H), 6.52 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 7.78 (d, J = 2.7 Hz, 1H)。
【0465】
工程4:ナトリウム及び2.2.2-トリフルオロアセテート[3-[3-(アンモニウムメチル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例49)の調製
中間体(49c)(10mg、0.02mmol)を、TFA(250μL)及びDCM(750μL)中に、不活性大気下0℃で可溶化した。1時間攪拌した後、残渣を、Et2O及びACNにより0℃で数回摩砕し、実施例(49)(2.5mg、0.0079mmol、33%)を黄色粉末として生じた。
【0466】
MS m/z ([M-H]-) 314。
1H NMR (400 MHz, D2O): δ(ppm) δ 3.42-3.48 (m, 1H), 3.67-3.72 (m, 1H), 4.22 (s, 2H), 4.38 (d, J = 1.6 Hz, 2H), 4.58 (dd, J = 2.5, 5.7 Hz, 1H), 6.27 (s, 1H), 6.53 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.93 (d, J = 2.7 Hz, 1H)。
【0467】
実施例50:ナトリウム[3-[3-[(2-ヒドロキシアセチル)アミノ]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化62】
【0468】
工程1:中間体N-[1-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-3-イル]-2-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ-アセトアミド(50a)の調製
0℃で、TEA(0.24mL、1.78mmol)及びピバロイルクロリド(88μL、0.71mmol)を、DCM(6mL)中の2-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ酢酸(224mg、0.71mmol)の溶液へ添加した。この混合物を、0℃で45分間攪拌した。次にDCM(2.5mL)中の中間体(13b)(155mg、0.59mmol)の溶液を添加し、混合物を室温で一晩攪拌した。濃縮後、粗生成物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から80/20)、中間体(50a)(260mg、0.47mmol、79%)を供した。
【0469】
MS m/z ([M+H]+) 558。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ(ppm) 1.14 (s, 9H), 3.14 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 3.50-3.58 (m, 1H), 4.07-4.19 (m, 2H), 4.21 (s, 2H), 4.36-4.53 (m, 3H), 5.30-5.43 (m, 2H), 5.95-6.10 (m, 1H), 6.43 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 6.89 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.37-7.48 (m, 6H), 7.50 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.60-7.69 (m, 4H), 9.03 (s, 1H)。
【0470】
工程2:中間体トリフェニル-[(E)-プロパ-1-エニル]ホスホニウム[3-[3-[[2-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシアセチル]アミノ]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(50b)の調製
不活性大気下、酢酸(52μL、0.90mmol)及びPd(PPh3)4(260mg、0.22mmol)を、無水DCM(4.5mL)中の中間体(50a)(250mg、0.45mmol)の溶液へ添加した。この反応混合物を、室温で2時間30分撹拌し、次にピリジン(4.5mL)及び三酸化硫黄ピリジン錯体(357mg、2.25mmol)を添加し、混合物を暗所において室温で一晩攪拌した。混合物をDCMで希釈し、得られた沈殿物を濾過し、濾液を濃縮した。粗生成物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から0/100)、中間体(50b)(269mg、0.30mmol、67%)を供した。
MS m/z ([M-H]-) 596。
【0471】
工程3:トリエチルアンモニウム[3-[3-[(2-ヒドロキシアセチル)アミノ]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(50c)の調製
中間体(50b)(269mg、0.30mmol)を、ACN(1.5mL)中に溶解した。次に3HF・NEt3(98μL、0.59mmol)を添加し、混合物を室温で一晩攪拌した。得られた固形物を濾過し、中間体(50c)(89mg、0.19mmol、65%)を生じた。
【0472】
MS m/z ([M-H]-) 358。
1H NMR (300 MHz, D2O): δ(ppm) 1.26 (t, J= 7.3 Hz, 9H), 3.18 (q, J= 7.3 Hz, 6H), 3.43 (d, J= 11.3 Hz, 1H), 3.62-3.72 (m, 1H), 4.24 (s, 2H), 4.34 (d, J= 1.5 Hz, 2H), 4.55 (dd, J = 5.7, 2.6 Hz, 1H), 6.58 (d, J= 5.8 Hz, 1H), 6.62 (d, J= 2.7 Hz, 1H), 7.85 (d, J= 2.7 Hz, 1H)。
【0473】
工程4:ナトリウム[3-[3-[(2-ヒドロキシアセチル)アミノ]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例50)の調製
中間体(50c)(75mg、0.16mmol)を、H2O中に溶解し、Dowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまでH2Oにより洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)によるイオン交換後、実施例(50)(55mg、0.14mmol、89%)へ変換した。
【0474】
MS m/z ([M-H]-) 358。
1H NMR (300 MHz, D2O): δ(ppm) 3.43 (d, J= 11.3 Hz, 1H), 3.61-3.73 (m, 1H), 4.24 (s, 2H), 4.34 (d, J= 1.5 Hz, 2H), 4.55 (dd, J= 5.7, 2.6 Hz, 1H), 6.53-6.61 (m, 1H), 6.61 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.84 (d, J= 2.7 Hz, 1H)。
【0475】
実施例51:ナトリウム[3-[3-(3-ヒドロキシプロパノイルアミノ)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化63】
【0476】
工程1:中間体N-[1-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-3-イル]-3-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ-プロパンアミド(51a)の調製
実施例50(工程1)において説明した手順を使用し、中間体(13b)(100mg、0.38mmol)を、3-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシプロパン酸(151mg、0.46mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン:100/0から80/20)後、中間体(51a)(130mg、0.23mmol、50%)へ変換した。
【0477】
MS m/z ([M+H]+) 572。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ(ppm) 1.11 (s, 9H), 2.57 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 3.13 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 3.52 (dd, J = 10.7, 2.7 Hz, 1H), 3.96 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 4.04-4.18 (m, 2H), 4.34-4.54 (m, 3H), 5.27-5.44 (m, 2H), 5.94-6.11 (m, 1H), 6.34 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 6.87 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.35-7.49 (m, 6H), 7.51 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.63-7.72 (m, 4H), 9.21 (s, 1H)。
【0478】
工程2:中間体トリフェニル-[(E)-プロパ-1-エニル]ホスホニウム[3-[3-[3-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシプロパノイルアミノ]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(51b)の調製
実施例50(工程2)において説明した手順を使用し、中間体(51a)(130mg、0.23mmol)を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン:100/0から0/100)後、中間体(51b)(107mg、0.12mmol、52%)へ変換した。
MS m/z ([M-H]-) 610。
【0479】
工程3:トリフェニル-[(E)-プロパ-1-エニル]ホスホニウム[3-[3-(3-ヒドロキシプロパノイルアミノ)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(51c)の調製
中間体(51b)(107mg、0.12mmol)を、ACN(1.2mL)中に溶解し、次に3HF・NEt3(39μL、0.23mmol)を添加した。混合物を、室温で一晩攪拌した。濃縮後、粗生成物を、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(H2O/ACN:99/1から0/100)、中間体(51c)(40mg、0.059mmol、51%)を供した。
MS m/z ([M-H]-) 372。
【0480】
工程4:ナトリウム[3-[3-(3-ヒドロキシプロパノイルアミノ)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例51)の調製
中間体(51c)(40mg、0.059mmol)を、Dowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまでH2Oにより洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)によるイオン交換後、実施例(51)(12mg、0.03mmol、52%)へ変換した。
【0481】
MS m/z ([M-H]-) 372。
1H NMR (300 MHz, D2O): δ(ppm) 2.66 (t, J= 6.0 Hz, 2H), 3.42 (d, J= 11.3 Hz, 1H), 3.63-3.71 (m, 1H), 3.91 (t, J= 6.0 Hz, 2H), 4.33 (d, J= 1.5 Hz, 2H), 4.55 (dd, J= 5.7, 2.6 Hz, 1H), 6.55 (d, J= 5.7 Hz, 1H), 6.60 (d, J= 2.7 Hz, 1H), 7.80 (d, J= 2.7 Hz, 1H)。
【0482】
実施例52:ナトリウム[3-[3-[(2-アミノ-2-オキソ-エトキシ)カルバモイル]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化64】
【0483】
工程1:1-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)-N-(2-アミノ-2-オキソ-エトキシ)ピラゾール-3-カルボキサミド(52a)の調製
実施例36(工程4)において説明した手順を使用し、中間体(36c)(126mg、0.434mmol)を、2-アミノオキシアセトアミド塩酸塩(51mg、0.659mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン100/0から0/100)後、中間体(52a)(70mg、0.193mmol、44%)へ変換した。
MS m/z ([M-H]-) 361。
MS m/z ([M+H]+) 363。
【0484】
工程2:N-(2-アミノ-2-オキソ-エトキシ)-1-(6-ヒドロキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-3-カルボキサミド(52b)の調製
中間体(52a)(70mg、0.193mmol)を、無水DCM(1.4mL)中に溶解した。この溶液を、アルゴン大気下で10分間脱気し、AcOH(22μL、0.386mmol)及びPd(PPh3)4(111mg、0.097mmol)を連続して添加した。室温で45分間攪拌した後、白色固形物を濾過し、中間体(52b)(40mg、0.122mmol、2工程にわたり28%)を得た。
MS m/z ([M+H]+) 323。
MS m/z ([M-H]-) 321。
【0485】
工程3:ナトリウム[3-[3-[(2-アミノ-2-オキソ-エトキシ)カルバモイル]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例52)の調製
不活性大気下で無水ピリジン(0.720mL)中の中間体(52b)(40mg、0.122mmol)の溶液へ、三酸化硫黄ピリジン錯体(98mg、0.613mmol)を添加した。18時間攪拌した後、この不均一な混合物を真空において濃縮した。DCMを残渣に添加し、混合物を濾過し、塩を除いた。同じ操作を、アセトン及びACNで行った。次にこの濾液をDowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまで水により洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)に適用した。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、凍結し、且つ凍結乾燥させ、C18-逆相シリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製し(水/ACN:99/1)、実施例(52)(2mg、0.005mmol、4%)を生じた。
【0486】
MS m/z ([M-H]-) 401。
MS m/z ([M+H]+) 403。
1H NMR (300 MHz, D2O) : δ(ppm) 3.44 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 3.65-3.72 (m, 1H), 4.39 (d, J = 1.4 Hz, 2H), 4.53 (s, 2H), 4.56-4.60 (m, 1H), 6.73-6.75 (m, 1H), 6.85 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.01 (d, J = 2.7 Hz, 1H)。
【0487】
実施例55:ナトリウム[7-オキソ-3-(4-チアゾール-2-イルトリアゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化65】
【0488】
工程1:中間体6-アリルオキシ-3-(4-チアゾール-2-イルトリアゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(55a)の調製
不活性大気下5mLの密封したフラスコ中で、中間体(1g)(250mg、0.82mmol)を、無水DMSO(3mL)に希釈した。CuI(16mg、0.08mmol)、アジ化ナトリウム(80mg、1.22mmol)、アスコルビン酸ナトリウム(16mg、0.08mmol)及びDMCyDA(19μL、0.12mmol)を連続して添加した。緑色溶液は、迅速に茶色へ変化した。この混合物を、反応が完了するまで、室温で攪拌した、1時間後、2-エチニルチアゾール(89μL、0.98mmol)をこの混合物へ添加した。この混合物を、中間体アジドが消失するまで、室温で攪拌した。30分後、この混合物を、H2O(30mL)で希釈し、EtOAc(3×15mL)で抽出した。一緒にした有機相を乾燥させ(Na2SO4)、真空において濃縮し、茶色油状物を生じ、これをシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(シクロヘキサン/EtOAc:100/0から0/100)、中間体(55a)(80mg、0.24mmol、30%)を茶色固形物として生じた。
【0489】
MS m/z([M+H]+) 331、([2M+H]+) 661。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ(ppm) 3.22 (d, J= 11.0 Hz, 1H), 3.60 (dd, J= 11.0, 2.8 Hz, 1H), 4.19 (dd, J= 5.5, 2.6 Hz, 1H), 4.29-4.64 (m, 4H), 5.26-5.45 (m, 2H), 6.03 (ddt, J = 16.8, 10.3, 6.4 Hz, 1H), 6.74 (d, J= 5.5 Hz, 1H), 7.40 (d, J= 3.2 Hz, 1H), 7.87 (d, J= 3.2 Hz, 1H), 8.28 (s, 1H)。
【0490】
工程2:中間体6-ヒドロキシ-3-(4-チアゾール-2-イルトリアゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(55b)の調製
実施例(4)(工程2)において説明した手順を使用し、中間体(55a)(80mg、0.24mmol)を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン:100/0から0/100)後、中間体(55b)(32mg、0.11mmol、45%)へ変換した。
MS m/z([M+H]+) 291。
【0491】
工程3:ナトリウム[7-オキソ-3-(4-チアゾール-2-イルトリアゾール-1-イル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例55)の調製
実施例(5)(工程3)において説明した手順を使用し、中間体(55b)(32mg、0.11mmol)を、イオン交換(Dowexナトリウム型カラム)後、白色粉末としての実施例(55)(31mg、0.08mmol、70%)へ変換した。
【0492】
MS m/z ([M-H]-) 369。
1H-NMR (400 MHz, D2O): δ(ppm) 3.53 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 3.77 (dd, J= 11.6, 2.8 Hz, 1H), 4.39-4.56 (m, 2H), 4.70 (dd, J= 5.7, 2.6 Hz, 1H), 6.95 (s, 1H), 7.59-7.69 (m, 1H), 7.77-7.82 (m, 1H), 8.40-8.48 (m, 1H)。
【0493】
実施例56:ナトリウム[3-(4-カルバモイルトリアゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化66】
【0494】
工程1:中間体1-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)トリアゾール-4-カルボキサミド(56a)の調製
不活性大気下の5mLの密封したフラスコ中で、中間体(1g)(250mg、0.82mmol)を、無水DMSO(3mL)に希釈した。CuI(16mg、0.08mmol)、アジ化ナトリウム(80mg、1.22mmol)、アスコルビン酸ナトリウム(16mg、0.08mmol)、及びDMCyDA(19μL、0.12mmol)を、連続して添加した。緑色溶液は、迅速に茶色へ変わった。この混合物を、反応が完了するまで室温で攪拌した。45分後、プロピオルアミド(68mg、0.98mmol)を添加し、この混合物を、中間体アジドが消失するまで、室温で攪拌した。1時間後、反応混合物を、窒素フラックス下で濃縮した。粗物質を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(シクロヘキサン/EtOAc:100/0から0/100)、且つEt2Oにより摩砕し、中間体(56a)(88mg、0.30mmol、37%)を白色固形物として生じた。
【0495】
MS m/z ([M+H]+) 291、([2M+H]+) 581。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 3.19 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 3.54-3.63 (m, 1H), 4.19 (dd, J = 5.5, 2.6 Hz, 1H), 4.30 (dd, J = 17.8, 2.0 Hz, 1H), 4.36-4.50 (m, 2H), 4.54 (dd, J = 17.8, 1.1 Hz, 1H), 5.28-5.42 (m, 2H), 5.85-6.09 (m, 2H), 6.74-6.80 (m, 1H), 7.08 (s, 1H), 8.36 (s, 1H)。
【0496】
工程2:中間体1-(6-ヒドロキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)トリアゾール-4-カルボキサミド(56b)の調製
無水DCM(4mL)中の中間体(56a)(88mg、0.30mmol)の溶液を、アルゴン大気下で10分間脱気した。AcOH(35μL、0.61mmol)及びPd(PPh3)4(0.18g、0.15mmol)を連続して添加した。室温で2時間30分攪拌した後、沈殿物を濾過し、DCMにより洗浄し、白色固形物(45mg)を得た。この固形物を、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(H2O/ACN:100/0から0/100)。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、凍結し、且つ凍結乾燥させ、中間体(56b)(25mg、0.10mmol、33%)を白色固形物として生じた。
MS m/z ([M+H]+) 251。
【0497】
工程3:ナトリウム[3-(4-カルバモイルトリアゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例56)の調製
実施例(5)(工程3)において説明した手順を使用し、中間体(56b)(25mg、0.10mmol)を、イオン交換(Dowexナトリウム型カラム)及びC18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(H2O/ACN:98/2)後に、白色粉末としての実施例(56)(14mg、0.04mmol、39%)へ変換した。
【0498】
MS m/z ([M+H-S03H]+) 251、([M+H]+) 331。
MS m/z ([M-H]-) 329。
1H-NMR (300 MHz, D2O): δ(ppm) 3.51 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 3.73 (dd, J = 11.4, 2.8 Hz, 1H), 4.43 (dd, J = 17.7, 1.3 Hz, 1H), 4.52 (dd, J = 17.7, 1.9 Hz, 1H), (m, 1H), 4.66 (dd, J =5.6, 2.6 Hz, 1H), 7.00 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 8.70 (s, 1H)。
【0499】
実施例57:ナトリウム及び2,2,2-トリフルオロアセテート[3-[4-(アンモニウムメチル)トリアゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化67】
【0500】
工程1:中間体tert-ブチルN-[[1-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)トリアゾール-4-イル]メチル]カルバメート(57a)の調製
不活性大気下5mLの密封したフラスコ中で、中間体(1g)(250mg、0.82mmol)を、無水DMSO(3mL)により希釈した。CuI(16mg、0.08mmol)、アジ化ナトリウム(80mg、1.22mmol)、アスコルビン酸ナトリウム(68mg、0.34mmol)、N-Boc-プロパルギルアミン(152mg、0.98mmol)及びDMCyDA(19μL、0.12mmol)を、連続して添加した。緑色溶液は、迅速に茶色へ変わった。この混合物を、反応が完了するまで室温で攪拌した。1時間後、反応混合物をH2O(30mL)中に希釈し、EtOAc(3×15mL)により抽出した。有機相を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、粗物質を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(シクロヘキサン/EtOAc:100/0から0/100)、中間体(57a)(259mg、0.69mmol、84%)を黄色油状物として生じた。
【0501】
MS m/z ([M+H]+) 377、([2M+H]+) 753。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 1.44 (s, 9H), 3.18 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 3.52-3.61 (m, 1H), 4.15 (dd, J = 5.5, 2.6 Hz, 1H), 4.30 (dd, J = 17.9, 2.0 Hz, 1H), 4.36-4.55 (m, 5H), 5.11 (br s, 1H), 5.28-5.43 (m, 2H), 6.01 (ddt, J = 16.9, 10.3, 6.4 Hz, 1H), 6.57-6.65 (m, 1H), 7.73 (s, 1H)。
【0502】
工程2:中間体tert-ブチルN-[[1-(6-ヒドロキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)トリアゾール-4-イル]メチル]カルバメート(57b)の調製
実施例(4)(工程2)において説明した手順を使用し、中間体(57a)(259mg、0.69mmol)を、トリフェニルホスフィンオキシドが混入したオレンジ油状物としての中間体(57b)(104mg、0.31mmol、45%)へ変換した。
MS m/z ([M+H]+) 337。
【0503】
工程3:ナトリウム[3-[4-[(tert-ブトキシカルボニルアミノ)メチル]トリアゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(57c)の調製
中間体(57b)(104mg、0.31mmol)を、tBuOH(1.5mL)及びH2O(1.5mL)の混合物中に溶解した。TEA(11μL、0.08mmol)及び三酸化硫黄トリメチルアミン錯体(52mg、0.37mmol)を添加し、この混合物を、室温で一晩攪拌した。反応混合物を真空において濃縮し、C-18逆相上のクロマトグラフィーにより直接精製した(H2O/ACN:98/2から0/100)。予想される中間体を含有する画分を一緒にし、真空において濃縮した。残渣を、H2O中に溶解し、Dowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまでH2Oにより洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)によるイオン交換後、凍結乾燥後に、白色粉末としての中間体(57c)(58mg、0.13mmol、42%)へ変換した。
【0504】
MS m/z ([M+H]+) 331。
MS m/z ([M-H]-) 329。
1H-NMR (400 MHz, D2O): δ(ppm) 1.39 (s, 9H), 3.48 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 3.70 (dd, J = 11.4, 2.8 Hz, 1H), 4.32 (s, 2H), 4.40 (dd, J = 17.7, 1.2 Hz, 1H), 4.48 (dd, J = 17.7, 1.9 Hz, 1H), 4.62 (dd, J = 5.6, 2.6 Hz, 1H), 6.86 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 8.13 (s, 1H)。
【0505】
工程4:ナトリウム及び2,2,2-トリフルオロアセテート[3-[4-(アンモニウムメチル)トリアゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例57)の調製
0℃に冷却した無水DCM(2mL)中の中間体(57c)(46mg、0.11mmol)の懸濁液へ、無水DCM(1mL)中のTFA(160μL、2.10mmol)の溶液をゆっくり添加した。0℃で1時間及び室温で1時間攪拌した後、この混合物を、Et2O(5mL)中に希釈した。形成された沈殿物を分離し、ACN及びDCMで洗浄し、次に乾燥させた。残渣を、C-18逆相上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(H2O/ACN:99/1)。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、凍結し且つ凍結乾燥させ、実施例(57)(4.9mg、0.01mmol、7%)を白色固形物として供した。
【0506】
MS m/z ([M-H]-) 315。
1H-NMR (400 MHz, D2O): δ(ppm) 3.49 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 3.71 (dd, J = 11.4, 2.8 Hz, 1H), 4.33-4.55 (m, 4H), 4.63 (dd, J = 5.6, 2.6 Hz, 1H), 6.88-6.95 (m, 1H), 8.37 (s, 1H)。
19F NMR (367 MHz, D2O) δ -75.54 (s, 3F)。
【0507】
実施例59:ナトリウム[3-[4-(ジメチルアミノ)メチルトリアゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化68】
【0508】
工程1:中間体6-アリルオキシ-3-[4-(ジメチルアミノ)メチルトリアゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(59a)の調製
不活性大気下の5mLの密封したフラスコ中で、中間体(1g)(250mg、0.82mmol)を、無水DMSO(3mL)により希釈した。CuI(16mg、0.08mmol)、アジ化ナトリウム(80mg、1.22mmol)、アスコルビン酸ナトリウム(16mg、0.08mmol)、3-ジメチルアミノ-1-プロピン(105μL、0.98mmol)及びDMCyDA(19μL、0.12mmol)を連続して添加した。緑色溶液は、迅速に茶色へ変わった。この混合物を、反応が完了するまで室温で攪拌した。1時間後、反応混合物を、窒素フラックス下で濃縮した。粗物質を、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(H2O/ACN:勾配98/2から0/100)。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、中間体(59a)(196mg、0.64mmol、79%)を茶色油状物として生じた。
【0509】
MS m/z ([M+H]+) 305。
MS m/z ([M-H]-) 303。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 2.24 (s, 3H), 2.28 (s, 3H), 3.18 (dd, J = 11.0, 2.2 Hz, 1H), 3.51-3.64 (m, 3H), 4.14 (dt, J = 5.4, 2.0 Hz, 1H), 4.25-4.34 (m, 1H), 4.36-4.56 (m, 3H), 5.27-5.42 (m, 2H), 5.92-6.08 (m, 1H), 6.61 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 7.71 (s, 1H)。
【0510】
工程2:中間体3-[4-(ジメチルアミノ)メチルトリアゾール-1-イル]-6-ヒドロキシ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(59b)の調製
実施例(4)(工程2)において説明した手順を使用し、中間体(59a)(196mg、0.64mmol)を、茶色油状物としての中間体(59b)(150mg、0.57mmol、88%)へ変換した。
MS m/z ([M+H]+) 265。
【0511】
工程3:ナトリウム[3-[4-(ジメチルアミノ)メチルトリアゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例59)の調製
中間体(59b)(150mg、0.57mmol)を、tBuOH(1mL)及びH2O(1mL)の混合液中に溶解した。TEA(20μL、0.14mmol)及び三酸化硫黄トリメチルアミン錯体(95mg、0.68mmol)を添加した。この混合物を、室温で一晩攪拌し、真空において濃縮した。残渣を、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(H2O/ACN:98/2から0/100)。予想される中間体を含有する画分を一緒にし、真空において濃縮した。残渣を、H2O中に溶解し、Dowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまでH2Oにより洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)によるイオン交換後、凍結乾燥後に、白色粉末としての実施例(59)(3.8mg、0.01mmol、1.8%)へ変換した。
【0512】
MS m/z ([M+H]+) 345。
MS m/z ([M-H]-) 343。
1H-NMR (300 MHz, D2O): δ(ppm) 2.83 (s, 6H), 3.48 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 3.70 (dd, J = 11.4, 2.8 Hz, 1H), 4.35-4.57 (m, 4H), 4.63 (dd, J = 5.6, 2.6 Hz, 1H), 6.93 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 8.49 (s, 1H)。
【0513】
実施例60:[3-[4-(メチルアミノメチル)トリアゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩の合成
【化69】
【0514】
工程1:中間体tert-ブチルN-[[1-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)トリアゾール-4-イル]アミノメチル]-N-メチル-カルバメート(60a)の調製
不活性大気下で5mLの密封したフラスコ中で、中間体(1g)(250mg、0.82mmol)を、無水DMSO(3mL)により希釈した。CuI(16mg、0.08mmol)、アジ化ナトリウム(80mg、1.22mmol)、アスコルビン酸ナトリウム(16mg、0.08mmol)、Boc-N-メチルプロパルギルアミン(147mg、0.86mmol)及びDMCyDA(19μL、0.12mmol)を、連続して添加した。緑色溶液は、迅速に茶色へ変わった。この混合物を、反応が完了するまで室温で攪拌した。1時間後、反応混合物を、H2O(5mL)で希釈し、EtOAc(3×5mL)により抽出した。有機相を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。粗物質を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(シクロヘキサン/EtOAc:100/0から0/100)、中間体(60a)(293mg、0.75mmol、92%)を茶色油状物として生じた。
【0515】
MS m/z ([M+H]+) 391。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ(ppm) 1.44 (s, 9H), 2.88 (s, 3H), 3.17 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 3.55 (dd, J = 11.0, 2.7 Hz, 1H), 4.05-4.19 (m, 1H), 4.29 (dd, J = 17.9, 2.0 Hz, 1H), 4.34-4.56 (m, 5H), 5.28-5.42 (m, 2H), 5.89-6.09 (m, 1H), 6.54-6.64 (m, 1H), 7.64 (br s, 1H)。
【0516】
工程2:中間体ナトリウム[3-[4-[[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]メチル]トリアゾル-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(60b)の調製
実施例(2)(工程2)において説明した手順を使用し、中間体(60a)(250mg、0.64mmol)を、ベージュ色固形物としての中間体(60b)(72mg、0.16mmol、25%)へ変換した。
【0517】
MS m/z([M+H]+) 431。
MS m/z ([M-H]-) 429。
1H-NMR (300 MHz, D2O): δ(ppm) 1.36 (s, 9H), 2.89 (s, 3H), 3.47 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 3.64-3.76 (m, 1H), 4.33-4.54 (m, 4H), 4.62 (dd, J= 5.6, 2.5 Hz, 1H), 6.85 (d, J= 5.6 Hz, 1H), 8.15 (s, 1H)。
【0518】
工程3:[3-[4-(メチルアミノメチル)トリアゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩(実施例60)の調製
実施例(15)(工程3)において説明した手順を使用し、中間体(60b)(88mg、0.19mmol)を、実施例(60)(15mg、0.05mmol、24%)へ変換した。
【0519】
MS m/z ([M-H]-) 330。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 2.61 (s, 3H), 3.35 (m, 1H), 3.45 (d, J = 11.1 Hz, 1H), 4.23 (d, J= 17.8 Hz, 1H), 4.29 (s, 2H), 4.41 (dd, J= 17.5, 2.0 Hz, 1H), 4.47 (dd, J = 5.6, 2.4 Hz, 1H), 7.00 (d, J= 5.6 Hz, 1H), 8.67 (s, 1H), 8.89 (br s, 1H)。
【0520】
実施例61:ジナトリウム[[3-[4-(カルボキシメチル)トリアゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化70】
【0521】
工程1:中間体2-[1-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)トリアゾール-4-イル]酢酸(61a)の調製
不活性大気下10mLの密封したフラスコ中で、中間体(1g)(500mg、1.63mmol)を、無水DMSO(6mL)で希釈した。CuI(50mg、0.27mmol)、アジ化ナトリウム(160mg、2.45mmol)、アスコルビン酸ナトリウム(53mg、0.27mmol)、ブチ-3-イン酸(164mg、1.95mmol)及びDMCyDA(38μL、0.24mmol)を連続して添加した。緑色溶液は、迅速に茶色へ変わった。この混合物を、反応が完了するまで室温で攪拌した。5時間後、この反応液を、1N HCl(10mL)で処理し、EtOAc(5×5mL)により抽出した。一緒にした有機相を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(H2O/ACN:勾配95/5から0/100)。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、凍結乾燥させ、中間体(61a)(189mg、0.62mmol、38%)を緑色固形物として供した。
【0522】
MS m/z ([M+H]+) 306。
MS m/z ([M-H]-) 304。
1H-NMR (400 MHz, MeOD): δ(ppm) 3.32-3.39 (m, 1H), 3.44-3.55 (m, 1H), 3.64 (s, 2H), 4.28-4.48 (m, 5H), 5.24-5.46 (m, 2H), 5.93-6.13 (m, 1H), 6.83 (d, J= 5.5 Hz, 1H), 8.16 (br s, 1H)。
【0523】
工程2:中間体プロペニルトリフェニルホスホニウム2-[1-(6-ヒドロキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)トリアゾール-4-イル]アセテート(61b)の調製
実施例(4)(工程2)において説明した手順を使用し、中間体(61a)(185mg、0.61mmol)を、茶色油状物としての中間体(61b)(321mg、0.57mmol、93%)へ変換した。
MS m/z([M+H]+) 266。
MS m/z ([M-H]-) 264、([2M-H]-) 529。
【0524】
工程3:ジナトリウム[[3-[4-(カルボキシメチル)トリアゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル](実施例61)の調製
実施例(5)(工程3)において説明した手順を使用し、中間体(61b)(300mg、0.53mmol)を、ベージュ色粉末としての実施例(61)(26mg、0.07mmol、13%)へ変換した。
【0525】
MS m/z ([M+H]+) 346。
MS m/z ([M-H]-) 344。
1H-NMR (400 MHz, D2O): δ(ppm) 3.51 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 3.60 (m, 2H), 3.72 (dd, J = 11.4, 2.8 Hz, 1H), 4.39-4.60 (m, 2H), 4.63 (dd, J= 5.6, 2.6 Hz, 1H), 6.90 (d, J= 5.6 Hz, 1H),8.17(br s, 1H)。
【0526】
実施例63:[3-[4-(2-アミノエトキシカルバモイル)トリアゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩の合成
【化71】
【0527】
工程1:中間体tert-ブチルN-[2-(プロピ-2-ノイルアミノ)オキシエチル]カルバメート(63a)の調製
DCM(5mL)中のプロピ-2-オール酸(62μL、1.00mmol)及びEDC・HCK(206mg、1.00mmol)の溶液へ、0℃で、DCM(3mL)中のN-(2-アミノオキシエチル)カルバミン酸tert-ブチル(176mg、1.00mmol)の溶液を添加した。この反応物を、一晩室温で攪拌した。次に反応混合物を濾過し、固形物を除去した。濾液をEt2O(5mL)で希釈し、濾過し、減圧下で濃縮し、中間体(63a)(229mg、1.00mmol、定量的収量)を茶色油状物として供し、これを更に精製することなく次工程で使用した。
【0528】
MS m/z ([M+Na]+) 251。
MS m/z ([M-H]-) 227。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 1.45 (s, 9H), 2.88 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 3.35-3.44 (m, 2H), 3.91 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 5.09 (s, 1H), 9.51 (s, 1H)。
【0529】
工程2:tert-ブチルN-[2-[[1-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)トリアゾール-4-カルボニル]アミノ]オキシエチル]カルバメート(63b)の調製
不活性大気下5mLの密封したフラスコ中で、中間体(1g)(250mg、0.82mmol)を、無水DMSO(3mL)により希釈した。CuI(32mg、0.16mmol)、アジ化ナトリウム(80mg、1.22mmol)、アスコルビン酸ナトリウム(32mg、0.16mmol)、中間体(63a)(229mg、0.98mmol)及びDMCyDA(19μL、0.12mmol)を連続して添加した。緑色溶液は、迅速に茶色へ変わった。この混合物を、室温で1時間攪拌し、窒素フラックス下で濃縮した。粗物質を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から0/100)、中間体(63b)(251mg、0.56mmol、68%)を茶色固形物として生じた。
【0530】
MS m/z ([M+H]+) 450、([2M+H]+) 899。
MS m/z ([M-H]-) 448、([2M-H]-) 897。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 1.39 (s, 9H), 3.16-3.26 (m, 2H), 3.28-3.43 (m, 2H), 3.86 (t, J = 5.7 Hz, 2H), 4.25 (d, J = 17.6 Hz, 1H), 4.33-4.46 (m, 4H), 5.33-5.46 (m, 2H), 5.88-6.07 (m, 1H), 6.84 (t, J = 5.8 Hz, 1H), 7.06 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 9.13 (s, 1H), 11.94 (s, 1H)。
【0531】
工程3:中間体tert-ブチルN-[2-[[1-(6-ヒドロキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)トリアゾール-4-カルボニル]アミノ]オキシエチル]カルバメート(63c)の調製
実施例(4)(工程2)において説明した手順を使用し、中間体(63b)(251mg、0.56mmol)を、トリフェニルホスフィンオキシドが夾雑した黄色固形物としての中間体(63c)(68mg、0.17mmol、30%)へ変換した。
MS m/z ([M+H]+) 410。
MS m/z ([M-H]-) 408。
【0532】
工程4:中間体ナトリウム[3-[4-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エトキシカルバモイル]トリアゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(63d)の調製
実施例(5)(工程3)において説明した手順を使用し、中間体(63c)(76mg、0.19mmol)を、ベージュ色固形物としての中間体(63d)(11mg、0.02mmol、11%)へ変換した。
MS m/z ([M-H]-) 488。
【0533】
工程5:[3-[4-(2-アミノエトキシカルバモイル)トリアゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩(実施例63)の調製
実施例(15)(工程3)において説明した手順を使用し、中間体(63d)(11mg、0.02mmol)を、白色固形物としての実施例(63)(1.9mg、0.005mmol、23%)へ変換した。
【0534】
MS m/z ([M+H]+) 390。
MS m/z ([M-H]-) 388。
1H-NMR (300 MHz, D2O): δ(ppm) 3.27-3.37 (m, 2H), 3.49 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 3.72 (dd, J = 11.4, 2.8 Hz, 1H), 4.17-4.27 (m, 2H), 4.37-4.58 (m, 2H), 4.64 (dd, J = 5.6, 2.6 Hz, 1H), 6.97 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 8.57 (s, 1H)。
【0535】
実施例64:ナトリウム[3-[4-(ヒドロキシメチル)トリアゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化72】
【0536】
工程1:中間体6-アリルオキシ-3-[4-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]トリアゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(64a)の調製
不活性大気下5mLの密封したフラスコ中で、中間体(1g)(250mg、0.82mmol)を、無水DMSO(3mL)により希釈した。CuI(16mg、0.08mmol)、アジ化ナトリウム(80mg、1.22mmol)、アスコルビン酸ナトリウム(16mg、0.08mmol)、tert-ブチル-ジメチル(2-プロピニルオキシ)シラン(192μL、0.95mmol)及びDMCyDA(19μL、0.12mmol)を連続して添加した。緑色溶液は迅速にオレンジ色に変化した。この混合物を、反応が完了するまで室温で攪拌した。1時間30分後、反応混合物を、H2O(5mL)で希釈し、EtOAc(5×5mL)により抽出した。有機相を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。粗物質を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(シクロヘキサン/EtOAc:100/0から0/100)、中間体(64a)(252mg、0.64mmol、79%)を黄色油状物として生じた。
【0537】
MS m/z ([M+H]+) 392、([2M+H]+) 783。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 0.09 (s, 3H), 0.13 (s, 3H), 0.92 (s, 9H), 3.19 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 3.52-3.63 (m, 1H), 4.15 (dd, J = 5.6, 2.6 Hz, 1H), 4.32 (dd, J = 17.9, 2.0 Hz, 1H), 4.36-4.58 (m, 3H), 4.84 (d, J = 0.9 Hz, 2H), 5.26-5.45 (m, 2H), 5.92-6.12 (m, 1H), 6.57-6.66 (m, 1H), 7.65 (m, 1H)。
【0538】
工程2:中間体3-[4-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]トリアゾール-1-イル]-6-ヒドロキシ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(64b)の調製
実施例(4)(工程2)において説明した手順を使用し、中間体(64a)(252mg、0.64mmol)を、シリカゲル上の精製(DCM/アセトン:100/0から0/100)後、トリフェニルホスフィンオキシドが夾雑したオレンジ色油状物としての中間体(64b)(0.64mmol、推定された定量的収量)へ変換した。この混合物を、更に精製することなく次工程で使用する。
MS m/z ([M+H]+) 352。
【0539】
工程3:ピリジニウム[3-[4-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]トリアゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(64c)の調製
不活性大気下で、無水ピリジン(6mL)中の中間体(64b)(0.64mmol)の溶液へ、三酸化硫黄ピリジン錯体(512mg、3.22mmol)を添加した。1時間30分攪拌した後、不均一な混合物を真空において濃縮した。DCMを残渣へ添加し、固形物を濾過した。濾液を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から0/100)、中間体(64c)(110mg、0.22mmol、2工程にわたり33%)を白色固形物として生じた。
【0540】
MS m/z ([M+H]+) 432。
MS m/z ([M-H]-) 430。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 0.09 (s, 3H), 0.11 (s, 3H), 0.91 (s, 9H), 3.15-3.25 (m, 1H), 3.78 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 4.32 (d, J = 18.0 Hz, 1H), 4.51 (d, J = 18.0 Hz, 1H), 4.65 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 4.81 (s, 2H), 6.64 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 7.75 (s, 1H), 7.92-8.01 (m, 2H), 8.45 (ddd, J = 7.8, 7.8, 1.6 Hz, 1H), 8.99-9.06 (m, 2H)。
【0541】
工程4:ナトリウム[3-[4-(ヒドロキシメチル)トリアゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例64)の調製
無水THF(4.5mL)中の中間体(64c)(110mg、0.22mmol)の懸濁液へ、3HF・TEA(70μL、0.43mmol)をゆっくり添加した。20℃で2時間及び50℃で3時間攪拌した後、混合物を濃縮乾固した。この油状物を、Dowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまでH2Oにより洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)に適用した。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、凍結し、且つ凍結乾燥させ、実施例(64)(72mg、0.21mmol、99%)を白色固形物として供した。
【0542】
MS m/z([M+H]+) 318。
MS m/z ([M-H]-) 316。
1H-NMR (400 MHz, D2O): δ(ppm) 3.50 (d, J= 11.4 Hz, 1H), 3.72 (ddd, J= 11.4, 2.8, 1.0 Hz, 1H), 4.44 (dd, J= 17.7, 1.3 Hz, 1H), 4.51 (dd, J= 17.7, 1.9 Hz, 1H), 4.64 (dd, J= 5.6, 2.7 Hz, 1H), 4.73 (s, 2H), 6.90 (d, J= 5.6 Hz, 1H), 8.24 (s, 1H)。
【0543】
実施例65:ジナトリウム[3-[4-(プロパノエート)トリアゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化73】
【0544】
工程1:中間体3-[1-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)トリアゾール-4-イル]プロパン酸(65a)の調製
不活性大気下5mLの密封したフラスコ中で、中間体(1g)(250mg、0.82mmol)を、無水DMSO(3mL)により希釈した。CuI(50mg、0.26mmol)、アジ化ナトリウム(80mg、1.22mmol)、アスコルビン酸ナトリウム(50mg、0.25mmol)、4-ペンチン酸(92mg、0.94mmol)及びDMCyDA(20μL、0.12mmol)を、連続して添加した。緑色溶液は、迅速に茶色へ変わった。この混合物を、室温で2時間攪拌した。次に反応混合物を、1N HCl(10mL)により処理し、EtOH(5×5mL)により抽出した。有機相を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。粗物質を、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(H2O/ACN:100/0から0/100)、中間体(65a)(137mg、0.43mmol、52%)を茶色油状物として生じた。
【0545】
MS m/z ([M+H]+) 320、([2M+H]+) 639。
MS m/z ([2M-H]-) 637。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 2.69 (dd, J = 7.1 , 7.1 Hz, 2H), 2.96 (dd, J = 7.1 , 7.1 Hz, 2H), 3.16 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 3.45-3.53 (m, 1H), 4.15 (dd, J = 5.6, 2.6 Hz, 1H), 4.22 (dd, J = 17.8, 1.9 Hz, 1H), 4.31-4.45 (m, 3H), 5.26 (dd, J = 10.2, 1.4 Hz, 1H), 5.29-5.37 (m, 1H), 5.94 (ddt, J = 16.9, 10.3, 6.4 Hz, 1H), 6.60 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 7.66 (s, 1H), 8.95 (br s, 1H)。
【0546】
工程2:中間体3-[1-(6-ヒドロキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)トリアゾール-4-イル]プロパン酸(65b)の調製
無水DCM(4mL)中の中間体(65a)(137mg、0.43mmol)の溶液を、アルゴン大気下で10分間脱気した。AcOH(49μL、0.86mmol)及びPd(PPh3)4(248mg、0.22mmol)を、連続して添加した。室温で1時間攪拌した後、沈殿物を濾過し、且つDCMにより洗浄し、中間体(65b)(120mg、0.43mmol、定量的収量)を得た。
MS m/z ([M+H]+) 280。
MS m/z ([M-H]-) 278、([2M-H]-) 557。
【0547】
工程3:ジナトリウム[3-[4-(プロパノエート)トリアゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例65)の調製
中間体(65b)(0.43mmol)を、tBuOH(2mL)及びH2O(2mL)の混合液中に溶解した。TEA(15μL、0.10mmol)及び三酸化硫黄トリメチルアミン錯体(72mg、0.52mmol)を添加した。この混合物を、室温で19時間攪拌し、次に真空において濃縮した。残渣を、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(H2O/ACN:98/2から0/100)。予想された中間体を含有する画分を一緒にし、真空において濃縮した。残渣をH2O中に溶解し、Dowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまでH2Oにより洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)によるイオン交換後に、実施例(65)(10mg、0.03mmol、2工程にわたり6%)へ変換した。
【0548】
MS m/z ([M+H]+) 360。
MS m/z ([M-H]-) 358。
1H NMR (300 MHz, D2O): δ(ppm) 2.64-2.79 (m, 2H), 2.91-3.09 (m, 2H), 3.46 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 3.62-3.82 (m, 1H), 4.21-4.48 (m, 2H), 4.48-4.64 (m, 1H), 6.77-6.86 (m, 1H), 7.99-8.16 (m, 1H)。
【0549】
実施例66:[3-(4-(2-(メチルアミノ)アセトアミド)トリアゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩の合成
【化74】
【0550】
工程1:中間体tert-ブチルN-アセトアミド-N-プロピ-2-イニル-カルバメート(66a)の調製
DMF(3mL)中のN-(2-アミノ-2-オキソ-エチル)カルバミン酸tert-ブチル(300mg、1.72mmol)の溶液へ、0℃で、油中60%水素化ナトリウム(103mg、2.58mmol)を添加した。この混合物を30分間攪拌し、次に臭化プロパルギル(323μL、4.30mmol)を添加した。導入の終了時に、反応物を室温で一晩攪拌した。MeOH(1mL)、次にH2O(10mL)を、この混合物へ添加した。この溶液を、Et2O(3×10mL)により抽出した。一緒にした有機相を乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。粗物質を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(シクロヘキサン/EtOAc:100/0から0/100)、中間体(66a)(146mg、0.69mmol、40%)を黄色油状物として供した。
【0551】
MS m/z ([M+H]+) 213。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 1.47 (s, 9H), 2.28 (s, 1H), 3.96 (s, 2H), 4.15 (s, 2H), 5.62 (s, 1H), 6.06 (s, 1H)。
【0552】
工程2:tert-ブチルN-[[1-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)トリアゾール-4-イル]メチル]-N-アセトアミドカルバメート(66b)の調製
不活性大気下5mLの密封したフラスコ中で、中間体(1g)(188mg、0.61mmol)を、無水DMSO(2.5mL)により希釈した。CuI(58mg、0.31mmol)、アジ化ナトリウム(60mg、0.92mmol)、アスコルビン酸ナトリウム(58mg、0.31mmol)、中間体(66a)(150mg、0.71mmol)及びDMCyDA(14μL、0.09mmol)を連続して添加した。緑色溶液は、迅速に茶色へ変わった。この混合物を、反応が完了するまで室温で攪拌した。1時間後、反応混合物を、1N HCL(10mL)により処理し、EtOAc(5×5mL)により抽出した。有機相を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、粗物質を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から0/100)、中間体(66b)(136mg、0.31mmol、51%)を茶色油状物として生じた。
MS m/z ([M+H]+) 434。
【0553】
工程3:中間体tert-ブチルN-アセトアミド-N-[[1-(6-ヒドロキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)トリアゾール-4-イル]メチル]カルバメート(66c)の調製
無水DCM(4mL)中の中間体(66b)(136mg、0.31mmol)の溶液を、アルゴン大気下で10分間脱気した。AcOH(36μL、0.63mmol)及びPd(PPh3)4(181mg、0.16mmol)を連続して添加した。1時間後、この反応物を、減圧下で濃縮した。粗物質を、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(H2O/ACN:95/5から0/100)、中間体(66c)(38mg、0.10mmol、30%)を白色固形物として生じた。
【0554】
MS m/z ([M+H]+) 394。
MS m/z ([2M-H]-) 785。
1H-NMR (400 MHz, D2O): δ(ppm) 1.38 (s, 9H), 3.37 (d, J = 11.1 Hz, 1H), 3.59 (dd, J = 11.1, 2.9 Hz, 1H), 3.99 (dd, J = 5.4, 2.6 Hz, 2H), 4.22-4.43 (m, 3H), 4.58 (s, 2H), 6.92 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 8.18 (s, 1H)。
【0555】
工程4:中間体ナトリウム[3-[4-[[(2-アミノ-2-オキソ-エチル)-tert-ブトキシカルボニル-アミノ]メチル]トリアゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(66d)の調製
中間体(66c)(38mg、0.10mmol)を、tBuOH(1mL)及びH2O(1mL)の混合液中に溶解した。TEA(3μL、0.02mmol)及び三酸化硫黄トリメチルアミン錯体(16mg、0.12mmol)を添加した。この混合物を、室温で1時間攪拌し、次に真空において濃縮した。残渣を、H2O中に溶解し、Dowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまでH2Oにより洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)上で溶出した。所望の化合物を含む画分を一緒にし、濃縮した。残渣を、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(H2O/ACN:100/0から0/100)、凍結乾燥後に、中間体(66d)(27mg、0.06mmol、56%)を白色固形物として供した。
【0556】
MS m/z ([M+H]+) 474。
MS m/z ([M-H]-) 472。
1H-NMR (300 MHz, D2O): δ(ppm) 1.41 (s, 9H), 3.49 (d, J= 11.4 Hz, 1H), 3.71 (d, J= 11.4 Hz, 1H), 4.00 (d, J = 15.1 Hz, 2H), 4.37-4.54 (m, 2H), 4.57-4.67 (m, 3H), 6.87 (d, J= 5.6 Hz, 1H), 8.20 (s, 1H)。
【0557】
工程5:[3-(4-(2-(メチルアミノ)アセトアミド)トリアゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩(実施例66)の調製
実施例(15)(工程3)において説明した手順を使用し、中間体(66d)(27mg、0.06mmol)を、白色固形物としての実施例(66)(4.6mg、0.01mmol、22%)へ変換した。
【0558】
MS m/z ([M+H]+) 374。
MS m/z ([M-H]-) 372。
1H-NMR (300 MHz, D2O): δ(ppm) 3.48 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 3.70 (dd, J= 11.4, 2.8 Hz, 1H), 3.89 (s, 2H), 4.34-4.45 (m, 3H), 4.50 (dd, J= 17.8, 1.9 Hz, 1H), 4.62 (dd, J= 5.6, 2.6 Hz, 1H), 6.92 (d, J= 5.6 Hz, 1H), 8.41 (s, 1H)。
【0559】
実施例67:[3-(4-(2-(メチルアミノ)エタノール)トリアゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩の合成
【化75】
【0560】
工程1:中間体tert-ブチルN-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]カルバメート(67a)の調製
DCM(7mL)中のBoc-グリシノール(520mg、3.22mmol)の溶液へ、TBDMSCl(533mg、3.54mmol)、イミダゾール(329mg、4.83mmol)及びDMAP(59mg、0.48mmol)を添加した。この混合物を室温で一晩攪拌した。飽和NH4Cl水溶液(20mL)を、この混合物へ添加し、溶液をDCM(3×20mL)により抽出した。一緒にした有機相を乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。この粗物質を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(シクロヘキサン/EtOAc:70/30から0/100)、中間体(67a)(336mg、1.22mmol、38%)を黄色油状物として生じた。
【0561】
MS m/z ([M+H-Boc]+) 176。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ(ppm) 0.06 (s, 6H), 0.89 (s, 9H), 1.45 (s, 9H), 3.23 (dd, J = 5.6, 5.2 Hz, 2H), 3.66 (dd, J= 5.6, 5.2 Hz, 2H), 4.83 (s, 1H)。
【0562】
工程2:中間体tert-ブチルN-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-N-プロピ-2-イニル-カルバメート(67b)の調製
THF(3mL)中の中間体(67a)(336mg、1.22mmol)の溶液へ、油中の60%水素化ナトリウム(73mg、1.83mmol)を0℃で添加した。この混合物を、1時間30分撹拌し、次に臭化プロパルギル(229μL、3.05mmol)を添加した。導入の終了時に、反応物を、室温で一晩攪拌した。MeOH(1mL)、次にH2O(10mL)を、この混合物へ添加した。この溶液を、Et2Oで抽出した(3×10mL)。一緒にした有機相を乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。粗物質を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(シクロヘキサン/EtOAc:90/10から0/100)、中間体(67b)(130mg、0.41mmol、34%)を黄色油状物として供した。
【0563】
MS m/z ([M+H-Boc]+) 214、([M+Na]+) 336。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ(ppm) 0.04 (s, 3H), 0.06 (s, 3H), 0.89 (s, 9H), 1.47 (s, 9H), 2.18 (s, 1H), 3.42 (dd, J= 5.9, 5.4 Hz, 2H), 3.74 (s, 2H), 4.13 (m, 2H)。
【0564】
工程3:tert-ブチルN-[[1-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)トリアゾール-4-イル]メチル]-N-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]カルバメート(67c)の調製
不活性大気下5mLの密封したフラスコ中で、中間体(1g)(194mg、0.64mmol)を、無水DMSO(2.5mL)で希釈した。CuI(18mg、0.10mmol)、アジ化ナトリウム(62mg、0.95mmol)、アスコルビン酸ナトリウム(18mg、0.10mmol)、中間体(67b)(229mg、0.73mmol)及びDMCyDA(15μL、0.10mmol)を連続して添加した。緑色溶液は、迅速に茶色へ変わった。この混合物を、反応が完了するまで室温で攪拌した。1時間30分後、反応混合物をH2O(5mL)で処理し、EtOAcで抽出した(3×5mL)。有機相を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、粗物質をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(シクロヘキサン/EtOAc:100/0から0/100)、中間体(67c)(186mg、0.35mmol、55%)を無色油状物として生じた。
【0565】
MS m/z ([M+H]+) 535。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 0.05 (s, 6H), 0.89 (s, 9H), 1.45 (s, 9H), 3.17 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 3.33-3.41 (m, 2H), 3.57 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 3.66-3.79 (m, 2H), 4.12-4.17 (m, 1H), 4.31 (d, J = 17.8 Hz, 1H), 4.37-4.62 (m, 5H), 5.28-5.43 (m, 3H), 5.94-6.09 (m, 1H), 6.59 (d, J = 5.4 Hz, 1H)。
【0566】
工程4:中間体プロペニルトリフェニルホスホニウム[3-[4-[[tert-ブトキシカルボニル-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]アミノ]メチル]トリアゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(67d)の調製
無水DCM(4mL)中の中間体(67c)(186mg、0.35mmol)の溶液へ、氷酢酸(40μL、0.70mmol)及びPd(PPh3)4(201mg、0.17mmol)を添加した。室温で1時間撹拌した後、反応物を減圧下で濃縮した。ピリジン(4mL)及び三酸化硫黄ピリジン錯体(277mg、1.74mmol)を添加した。生じた懸濁液を遮光し、且つ反応が完了するまで攪拌した。1時間30分後、反応混合物を濃縮し、次にDCMにより希釈し且つ濾過した。濾液を真空下で濃縮し、次にシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から0/100)、中間体(67d)(117mg、0.13mmol、38%)を黄色油状物として得た。
MS m/z ([M+H]+) 575。
MS m/z ([M-H]-) 573。
【0567】
工程5:中間体[3-[4-[[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチルアミノ]メチル]トリアゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩(67e)の調製
0℃に冷却した無水 DCM(3mL)中の中間体(67d)(117mg、0.13mmol)の溶液へ、無水DCM(2mL)中のTFA(225μL、2.94mmol)の溶液をゆっくり添加した。1時間0℃で攪拌した後、この混合物をEt2O(10mL)で希釈した。この溶液を、窒素フラックス下で濃縮した。残渣を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(勾配DCM/アセトン/MeOH:100/0/0から0/100/0から0/0/100)。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、減圧下で濃縮し、中間体(67e)(26mg、0.06mmol、41%)をベージュ色固形物として供した。
MS m/z ([M+H]+) 475。
MS m/z ([M-H]-) 473。
【0568】
工程6:[3-(4-(2-(メチルアミノ)エタノール)トリアゾール-1-イル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩(実施例67)の調製
無水THF(2mL)中の中間体(67e)(26mg、0.06mmol)の懸濁液へ、3HF・TEA(9μL、0.06mmol)をゆっくり添加し、反応物を室温で一晩攪拌した。この混合物を濃縮し、茶色油状物を生じた。この油状物を、Dowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまでH2Oにより洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)に適用した。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、濃縮した。残渣を、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(H2O/ACN:98/2から95/5)。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、凍結し、凍結乾燥させ、実施例(67)(1.4mg、0.004mmol、7%)を白色固形物として供した。
【0569】
MS m/z([M+H]+) 361。
MS m/z ([M-H]-) 359。
1H-NMR (400 MHz, D2O): δ(ppm) 3.16-3.26 (m, 2H), 3.48 (d, J= 11.4 Hz, 1H), 3.70 (dd, J = 11.4, 2.8 Hz, 1H), 3.78-3.88 (m, 2H), 4.35-4.57 (m, 4H), 4.63 (dd, J= 5.6, 2.5 Hz, 1H), 6.92 (d, J= 5.5 Hz, 1H), 8.42 (s, 1H)。
【0570】
実施例68:ナトリウム[3-[5-(2-ヒドロキシエチル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化76】
【0571】
工程1:中間体tert-ブチル-ジメチル-[2-(1H-ピラゾール-3-イル)エトキシ]シラン(68a)の調製
DMF(17.8mL)中の2-(1H-ピラゾール-3-イル)エタノール(400mg、3.57mmol)、TBDMSCl(928μL、5.35mmol)、イミダゾール(389mg、5.71mmol)及びDMAP(480mg、3.93mmol)の混合物を、アルゴン下で、50℃で1時間加熱した。この混合物を真空において濃縮し、残渣をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(シクロヘキサン/EtOAc:100/0から100/0)、中間体(68a)(744mg、3.29mmol、92%)を無色油状物として供した。
【0572】
MS m/z([M+H]+) 227。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ(ppm) 0.00 (s, 6H), 0.85 (s, 9H), 2.82 (t, J= 6.0 Hz, 2H), 3.82 (t, J= 6.0 Hz, 2H), 6.03 (d, J= 1.9 Hz, 1H), 7.42 (d, J= 1.9 Hz, 1H)。
【0573】
工程2:中間体6-アリルオキシ-3-[5-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(68b)及び6-アリルオキシ-3-[3-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(68c)の調製
実施例1(工程7)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(400mg、1.31mmol)を、中間体(68a)(355mg、1.57mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(シクロヘキサン/EtOAc、次にDCM/アセトン)後、オレンジ色油状物としての中間体(68b)(42mg、0.105mmol、8%)及び黄色粉末としての中間体(68c)(130mg、0.32mmol、25%)へ変換した。
【0574】
中間体68b
MS m/z([M+H]+) 405。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ(ppm) 0.00 (d, J= 3.1 Hz, 6H), 0.84 (s, 9H), 2.88 (t, J= 6.4 Hz, 2H), 3.20 (d, J= 10.6 Hz, 1H), 3.44-3.51 (m, 1H), 3.75-3.90 (m, 2H), 4.05 (dd, J= 5.5, 2.5 Hz, 1H), 4.11 (dd, J= 17.8, 1.1 Hz, 1H), 4.21 (dd, J= 17.8, 1.9 Hz, 1H), 4.34-4.50 (m, 2H), 5.23-5.38 (m, 2H), 6.00 (dddd, J= 17.1, 10.3, 6.6, 6.0 Hz, 1H), 6.16 (d, J= 1.6 Hz, 1H), 6.26-6.33 (m, 1H), 7.45 (d, J= 1.8 Hz, 1H)。
中間体68c
MS m/z([M+H]+) 405。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ(ppm) 0.00 (s, 6H), 0.85 (s, 9H), 2.80 (t, J= 6.9 Hz, 2H), 3.11 (d, J= 10.7 Hz, 1H), 3.46-3.52 (m, 1H), 3.80 (t, J= 6.9 Hz, 2H), 4.05 (dd, J= 5.6, 2.5 Hz, 1H), 4.13 (dd, J= 17.5, 1.9 Hz, 1H), 4.32-4.49 (m, 3H), 5.23-5.39 (m, 2H), 6.00 (dddd, J= 17.0, 10.3, 6.7, 6.0 Hz, 1H), 6.18 (d, J= 2.5 Hz, 1H), 6.35-6.40 (m, 1H), 7.44 (d, J = 2.5 Hz, 1H)。
【0575】
工程3:中間体3-[5-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]ピラゾール-1-イル]-6-ヒドロキシ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(68d)の調製
無水DCM(4.1mL)中の中間体(68b)(42mg、0.093mmol)の溶液を、アルゴン大気下で10分間脱気した。AcOH(12μL、0.208mmol)及びPd(PPh3)4(60mg、0.052mmol)を連続して添加した。室温で2時間攪拌した後、AcOH(6μL、0.10mmol)を添加した。室温で3時間30分攪拌した後、この混合物を真空において濃縮した。残渣を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から0/100)、トリフェニルホスフィンオキシドが夾雑した中間体(68d)(30mg)を黄色油状物として供した。
MS m/z ([M+H]+) 365。
【0576】
工程4:トリメチルアンモニウム[3-[5-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(68e)の調製
tBuOH(0.412mL)及びH2O(0.412mL)中の中間体(68d)(30mg)の溶液へ、不活性大気下で、三酸化硫黄トリメチルアミン錯体(14mg、0.099mmol)及びTEA(2.9μL、0.021mmol)を添加した。室温で1時間攪拌した後、三酸化硫黄トリメチルアミン錯体(7mg、0.045mmol)を添加した。室温で16時間攪拌した後、この混合物を真空において濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から0/100)、中間体(68e)(15mg、0.026mmol、2工程にわたり28%)を白色粉末として供した。
MS m/z ([M+H]+) 445。
MS m/z ([M-H]-) 443。
【0577】
工程5:ナトリウム[3-[5-(2-ヒドロキシエチル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例68)の調製
無水ACN(0.3mL)中の中間体(68e)(15mg、0.030mmol)の懸濁液へ、3HF・TEA(4.9μL、0.030mmol)をゆっくり添加した。40℃で7時間攪拌した後、混合物を濃縮し、黄色粉末を生じた。この粉末を、Dowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまでH2Oにより洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)に適用した。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、凍結し、且つ凍結乾燥させ、実施例(68)(7.5mg、0.021mmol、75%)を白色固形物として供した。
【0578】
MS m/z ([M-H]-) 329。
1H NMR (400 MHz, D2O): δ(ppm) 2.94 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 3.52 (d, J = 11.3 Hz, 1H), 3.66-3.73 (m, 1H), 3.83 (td, J = 6.3, 1.7 Hz, 2H), 4.04 (d, J = 17.9 Hz, 1H), 4.23 (dd, J = 17.9, 2.1 Hz, 1H), 4.60 (dd, J = 5.5, 2.6 Hz, 1H), 6.35 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.49-6.59 (m, 1H), 7.61 (d, J = 2.0 Hz, 1H)。
【0579】
実施例69:ナトリウム[3-[3-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化77】
【0580】
工程1:中間体3-[3-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]ピラゾール-1-イル]-6-ヒドロキシ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(69a)の調製
無水DCM(3.1mL)中の中間体(68c)(125mg、0.309mmol)の溶液を、アルゴン大気下で10分間脱気した。AcOH(0.036mL、0.618mmol)及びPd(PPh3)4(179mg、0.154mmol)を、連続して添加した。室温で1時間攪拌した後、混合物を真空において濃縮した。残渣を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から0/100)、トリフェニルホスフィンオキシドが夾雑した中間体(69a)(51mg)を無色油状物として供した。
MS m/z ([M]+) 365。
【0581】
工程2:トリメチルアンモニウム[3-[3-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(69b)の調製
tBuOH(1.05mL)及びH2O(1.05mL)中の中間体(69a)(76mg)の溶液へ、不活性大気下で、三酸化硫黄トリメチルアミン錯体(35mg、0.251mmol)及びトリエチルアミン(7.3μL、0.052mmol)を添加した。室温で1時間攪拌した後、三酸化硫黄トリメチルアミン錯体(16mg、0.0115mmol)を添加した。室温で16時間攪拌した後、混合物を真空において濃縮し、残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から0/100)、トリメチルアンモニウム[3-[3-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(69b)(39mg、0.077mmol、2工程にわたり25%)を白色粉末として供した。
MS m/z ([M-H]-) 443。
【0582】
工程3:ナトリウム[3-[3-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例69)の調製
無水ACN(0.775mL)中の中間体(69b)(39mg、0.077mmol)の懸濁液へ、3HF・TEA(12.6μL、0.078mmol)をゆっくり添加した。2時間30分40℃で攪拌した後、3HF・TEA(12.6μL、0.078mmol)を添加した。4時間30分40℃で攪拌した後、3HF・TEA(12.6μL、0.078mmol)を添加した。40℃で8時間及び室温で16時間攪拌した後、混合物を濃縮し、黄色粉末を生じた。この粉末を、Dowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまでH2Oにより洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)に適用した。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、凍結し、且つ凍結乾燥させ、白色固形物を供し、これをC18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより2回精製した(H2O/ACN:98/2から95/5)。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、凍結し、且つ凍結乾燥させて、実施例(69)(3mg、0.0085mmol、11%)をベージュ色粉末として供した。
【0583】
MS m/z ([M-H]-) 329。
1H NMR (300 MHz, D2O): δ(ppm) 2.85 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 3.43 (d, J = 11.3 Hz, 1H), 3.67 (dd, J = 11.3, 2.4 Hz, 1H), 3.83 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 4.33 (s, 2H), 4.55 (dd, J = 5.7, 2.6 Hz, 1H), 6.37 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 6.54 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 7.80 (d, J = 2.6 Hz, 1H)。
【0584】
実施例70:ナトリウム[3-[2-(ヒドロキシメチル)イミダゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化78】
【0585】
工程1:中間体tert-ブチル-(1H-イミダゾール-2-イルメトキシ)-ジメチル-シラン(70a)の調製
DMF(15.3mL)中の1H-イミダゾール-2-イルメタノール(30mg、3.06mmol)、TBDMSCl(795μL、4.59mmol)、イミダゾール(0,333g、4.89mmol)及びDMAP(411mg、3.366mmol)の混合物を、アルゴン下で、室温で4時間30分撹拌し、且つ40℃で1時間加熱し、出発材料を全て変換した。この混合物を真空において濃縮し、残渣を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から50/50)、中間体(70a)(592mg、2.45mmol、80%)を無色油状物として供した。
【0586】
MS m/z ([M+H]+) 213。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ(ppm) 0.11 (s, 6H), 0.93 (s, 9H), 4.82 (s, 2H), 7.01 (s, 2H)。
【0587】
工程2:中間体6-アリルオキシ-3-[2-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]イミダゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(70b)の調製
実施例2(工程1a)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(300mg、0.98mmol)を、中間体(70a)(0.32g、0.78mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(シクロヘキサン/EtOAc:100/0から50/50)後、黄色油状物としての中間体(70b)(239mg、0.50mmol、51%)へ変換した。
【0588】
MS m/z ([M+H]+) 391。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ(ppm) 0.00 (d, J = 2.3 Hz, 6H), 0.80 (s, 9H), 3.10 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 3.46 (ddd, J = 10.9, 2.8, 1.2 Hz, 1H), 3.92-4.09 (m, 3H), 4.27-4.45 (m, 2H), 4.50-4.68 (m, 2H), 5.20-5.36 (m, 2H), 5.94 (dddd, J = 17.1, 10.3, 6.7, 6.0 Hz, 1H), 6.55 (dd, J = 5.7, 1.4 Hz, 1H), 6.81 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 6.91 (d, J = 1.4 Hz, 1H)。
【0589】
工程3:中間体アリル(トリフェニル)ホスホニウム[3-[2-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]イミダゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(70c)の調製
無水DCM(2.52mL)中の中間体(70b)(120mg、0.252mmol)の溶液を、アルゴン大気下で10分間脱気した。AcOH(29μL、0.504mmol)及びPd(PPh3)4(146mg、0.126mmol)を連続して添加した。室温で1時間30分撹拌した後、ピリジン(2.52mL)及び三酸化硫黄ピリジン錯体(200mg、1.26mmol)を、反応混合物へ添加した。生じた懸濁液を遮光し、反応が完了するまで一晩攪拌した。反応混合物を濃縮し、次にDCMにより希釈し、濾過した。濾液を真空下で濃縮し、次にシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から0/100)、中間体(70c)(78mg、0.106mmol、42%)を黄色粉末として供した。
MS m/z ([M+H]+) 431。
【0590】
工程4:ナトリウム[3-[2-(ヒドロキシメチル)イミダゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例70)の調製
無水ACN(1.06mL)中の中間体(70c)(78mg、0.107mmol)の懸濁液へ、3HF・TEA(17.4μL、0.107mmol)をゆっくり添加した。40℃で7時間及び室温で17時間攪拌した後、混合物を濃縮し、黄色油状物を生じた。粗物質を、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(H2O/ACN:98/2から0/100)。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、固形物27mgを供し、これをDowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまでH2Oにより洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)に適用した。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、凍結し、且つ凍結乾燥させ、実施例(70)(5.8mg、0.017mmol、16%)を白色固形物として供した。
【0591】
MS m/z ([M-H]-) 315。
1H NMR (400 MHz, D2O): δ(ppm) 3.50 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 3.70 (dd, J = 11.6, 2.8 Hz, 1H), 4.02 (dd, J = 18.0, 1.1 Hz, 1H), 4.27 (dd, J = 17.9, 2.2 Hz, 1H), 4.61 (dd, J = 5.4, 2.6 Hz, 1H), 4.81 (s, 2H), 6.80 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 7.37 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.43 (d, J = 2.0 Hz, 1H)。
【0592】
実施例71:ナトリウム[3-[4-(ヒドロキシメチル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化79】
【0593】
工程1:中間体6-アリルオキシ-3-[4-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(71a)の調製
実施例1(工程7)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(230mg、0.751mmol)を、tert-ブチル-ジメチル-(1H-ピラゾール-4-イルメトキシ)シラン(WO2010/108902記載のプロトコールに従い入手)(239mg、1.113mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン:100/0から95/5)後、中間体(71a)(209mg、0.535mmol、71%)へ変換した。
【0594】
MS m/z([M+H]+) 391。
1H RMN (300MHz, CDCl3): δ(ppm) 0.07 (s, 6H), 0.90 (s, 9H), 3.13 (d, J= 10.7 Hz, 1H), 3.52 (dd, J= 10.4, 2.3Hz, 1H), 4.08 (dd, J= 2.4, 5.5Hz, 1H), 4.18 (dd, J= 1.8, 17.6Hz, 1H), 4.40-4.48 (m, 3H), 4.60 (s, 2H), 5.30-5.40 (m, 2H), 5.96-6.08 (m, 1H), 6.40 (d, J= 5.4 Hz, 1H), 7.48 (s, 1H), 7.52 (s, 1H)。
【0595】
工程2:中間体3-[4-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]ピラゾール-1-イル]-6-ヒドロキシ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(71b)の調製
中間体(71a)(140mg、0.358mmol)を、無水DCM(2.6mL)中に溶解した。この溶液を、アルゴン大気下で10分間脱気し、AcOH(41μL、0.717mmol)及びPd(PPh3)4(207mg、0.179mmol)を連続して添加した。室温で1時間攪拌した後、混合物を蒸発させた。残渣を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から0/100)、中間体(71b)(55mg、0.158mmol、44%)を得た。
MS m/z([M+H]+) 351。
【0596】
工程3:中間体ピリジン-1-イウム[3-[4-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(71c)の調製
無水ピリジン(0.920mL)中の中間体(71b)(55mg、0.157mmol)の溶液へ、不活性大気下で、三酸化硫黄ピリジン錯体(125mg、0.783mmol)を添加した。室温で18時間攪拌した後、不均一な混合物を真空において濃縮した。DCMを残渣へ添加し、固形物を濾過除去した。濾液を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から0/100)、中間体(71c)(62mg、0.122mmol、77%)を得た。
MS m/z([M+H]+) 431。
MS m/z ([M-H]-) 429。
【0597】
工程4:中間体トリエチルアンモニウム[3-[4-(ヒドロキシメチル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(71d)の調製
ACN(1.2mL)中の中間体(71c)(60mg、0.118mmol)の溶液へ、不活性大気下で、トリエチルアミン三フッ化水素酸塩(19μL、0.118mmol)を添加した。40℃で2.5時間攪拌した後、混合物を真空において濃縮し、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにおいて精製し(H2O/ACN:98/2から0/100)、中間体(71d)(49mg、0.117mmol、定量的収量)を白色固形物として得た。
MS m/z ([M+H]+) 317。
MS m/z ([M-H]-) 315。
【0598】
工程5:ナトリウム[3-[4-(ヒドロキシメチル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例71)の調製
中間体(71d)(49mg、0.117mmol)を、最小量のH2O及び数滴のACN中に溶解し、Dowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまでH2Oにより洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)に適用した。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、凍結し、且つ凍結乾燥させた。MeOHを残渣に添加し、固形物を濾過除去した。濾液を真空において濃縮し、実施例(71)(22mg、0.066mmol、56%)を得た。
MS m/z ([M+H]+) 317。
MS m/z ([M-H]-) 315。
1H RMN (300MHz, D2O): δ(ppm) 3.44 (d, J = 11.1 Hz, 1H), 3.65-3.70 (m, 1H), 4.35-4.36 (m, 2H), 4.54-4.57 (m, 3H), 6.56-6.63 (m, 1H), 7.69 (s, 1H), 7.95-7.85 (m, 1H)。
【0599】
実施例72:[3-[3-(2-モルホリノエチルカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩の合成
【化80】
【0600】
工程1:中間体N-(2-モルホリノエチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(72a)の調製
THF(0.32mL)中のジピラゾロ[3,1-a:3’,1’-d]ピラジン-4,9-ジオン(Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters, 2015, 25(15), 3024-3029)に従い調製)(30mg、0.159mmol)、2-モルホリノエタンアミン(42mg、0.319mmol)の混合物を、80℃で18時間加熱した。この混合物を真空において濃縮し、中間体(72a)(70mg、0.313mmol、98%)を茶色油状物として供した。
【0601】
MS m/z ([M+H]+) 225。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 2.48 (s, 4H), 2.58 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 3.52 (q, J = 5.9 Hz, 2H), 3.60-3.77 (m, 4H), 6.74 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.51 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.69 (br s, 1H)。
【0602】
工程2:中間体1-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)-N-(2-モルホリノエチル)ピラゾール-3-カルボキサミド(72b)の調製
実施例2(工程1a)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(168mg、0.55mmol)を、中間体(72a)(185mg、0.824mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン:100/0から100/0)後、黄色油状物としての中間体(72b)(217mg、0.54mmol、99%)へ変換した。
【0603】
MS m/z ([M+H]+) 403。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 2.50-2.63 (m, 4H), 2.60-2.69 (m, 2H), 3.18 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 3.50-3.63 (m, 3H), 3.78 (q, J = 4.5 Hz, 4H), 4.13-4.26 (m, 2H), 4.36-4.59 (m, 3H), 5.31-5.48 (m, 2H), 6.04 (ddt, J = 17.0, 10.3, 6.5 Hz, 1H), 6.55 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 6.90 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 2.6 Hz, 1H)。
【0604】
工程3:中間体1-(6-ヒドロキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)-N-(2-モルホリノエチル)ピラゾール-3-カルボキサミド(72c)の調製
無水DCM(2.9mL)中の中間体(72b)(149mg、0.296mmol)の溶液を、アルゴン大気下で10分間脱気した。AcOH(34μL、0.59mmol)及びPd(PPh3)4(172mg、0.148mmol)を連続して添加した。室温で1時間30分攪拌した後、混合物を真空において濃縮した。残渣を、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(H2O/ACN:98/2から0/100)、中間体(72c)(46mg、0.127mmol、43%)を黄色粉末として供した。
MS m/z ([M+H]+) 363。
【0605】
工程4:[3-[3-(2-モルホリノエチルカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩(実施例72)の調製
tBuOH(0.39mL)及びH2O(0.39mL)中の中間体(72c)(28mg、0.077mmol)の溶液へ、不活性大気下で、三酸化硫黄トリメチルアミン錯体(12.9mg、0.093mmol)及びTEA(2.7μL、0.019mmol)を添加した。23時間攪拌した後、不均一な混合物を真空において濃縮した。粗物質を、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(H2O/ACN:98/2から0/100)。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、実施例(72)(14mg、0.031mmol、41%)を白色粉末として供した。
【0606】
MS m/z ([M+H]+) 443。
MS m/z ([M-H]-) 441。
1H NMR (300 MHz, D2O): δ(ppm) 3.11-3.29 (m, 6H), 3.44 (d, J = 11.3 Hz, 1H), 3.63-3.77 (m, 2H), 3.84-3.96 (m, 5H), 4.39 (br s, 2H), 4.58 (dd, J = 5.7, 2.6 Hz, 1H), 6.73 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 6.83 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.97 (d, J = 2.7 Hz, 1H)。
【0607】
実施例73:トリメチルアンモニウム[3-[2-(3-アミノ-3-オキソ-プロピル)イミダゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化81】
【0608】
工程1:中間体3-(1H-イミダゾール-2-イル)プロペンアミド(73a)の調製
3-(1H-イミダゾール-2-イル)プロパン酸エチル(0.50g、2.826mmol)、30%アンモニア水溶液(2mL)及び7Mメタノール性アンモニア溶液(2mL)を、連続して添加した。室温で42時間撹拌後、反応混合物を濾過した。濾液を真空において濃縮し、中間体(73a)(0.318g、2.28mmol、81%)を白色粉末として生じた。
【0609】
MS m/z ([M+H]+) 140。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 2.41-2.49 (m, 2H), 2.75-2.83 (m, 2H), 6.70-6.95 (m, 3H), 7.37 (br s, 1H), 11.65 (br s, 1H)。
【0610】
工程2:中間体3-[1-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)イミダゾール-2-イル]プロペンアミド(73b)の調製
実施例1(工程7)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(400mg、1.31mmol)を、中間体(73a)(218mg、1.57mmol)との反応により、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(H2O/ACN:98/2から0/100)後、緑色油状物としての中間体(73b)(261mg、0.823mmol、63%)へ変換した。
【0611】
MS m/z ([M+H]+) 318。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 2.42-2.61 (m, 2H), 2.70-2.90 (m, 2H), 3.27-3.43 (m, 3H), 3.81 (d, J = 17.5 Hz, 1H), 4.03 (d, J = 18.3 Hz, 1H), 4.31 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 4.40 (dt, J = 6.0, 1.3 Hz, 1H), 5.23-5.44 (m, 2H), 5.89-6.06 (m, 1H), 6.44 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 6.79 (br s, 2H), 7.15 (br s, 1H), 7.32 (br s, 1H)。
【0612】
工程3:中間体3-[1-(6-ヒドロキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)イミダゾール-2-イル]プロペンアミド(73c)の調製
無水DCM(1.89mL)中の中間体(73b)(60mg、0.189mmol)の溶液を、アルゴン大気下で、10分間脱気した。AcOH(22μL、0.378mmol)及びPd(PPh3)4(109mg、0.095mmol)を連続して添加した。室温で2時間30分攪拌した後、混合物を濃縮した。粗物質を、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(H2O/ACN:98/2から0/100)。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、凍結し、且つ凍結乾燥させ、トリフェニルホスフィンオキシドが夾雑した中間体(73c)(70mg)を黄色粉末として供した。
MS m/z ([M+H]+) 278。
【0613】
工程4:トリメチルアンモニウム[3-[2-(3-アミノ-3-オキソ-プロピル)イミダゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例73)の調製
tBuOH(1.26mL)及びH2O(1.26mL)中の中間体(73c)(70mg、0.25mmol)の溶液へ、不活性大気下で、三酸化硫黄トリメチルアミン錯体(42.2mg、0.303mmol)及びTEA(8.9μL、0.063mmol)を添加した。2時間20分攪拌した後、不均一な混合物を真空において濃縮した。粗物質を、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(H2O/ACN:98/2から0/100)。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、C18逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(H2O/ACN:99/1から95/5)、三酸化硫黄トリメチルアミン錯体が夾雑した実施例(73)(4mg、0.0055mmol、2%)を白色粉末として供した。
【0614】
MS m/z ([M+H]+) 358。
MS m/z ([M-H]-) 356。
1H NMR (300 MHz, D2O): δ(ppm) 2.69-2.82 (m, 2H), 3.15 (td, J = 7.1 , 3.1 Hz, 2H), 3.23 (s, 9H), 3.55 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 3.72 (dd, J = 11.5, 2.6 Hz, 1H), 3.99 (d, J = 18.6 Hz, 1H), 4.28 (dd, J = 18.1, 2.2 Hz, 1H), 4.64 (dd, J = 5.4, 2.6 Hz, 1H), 6.83 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.30-7.32 (m, 1H), 7.35 (d, J = 2.0 Hz, 1H)。
【0615】
実施例74:ナトリウム[3-[4-(2-ヒドロキシエチルスルファモイル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化82】
【0616】
工程1:中間体N-(2-ヒドロキシエチル)-2-(メトキシメチル)ピラゾール-3-スルホンアミド(74a)の調製
無水DCM(36.5mL)中の2-アミノエタノール(223mg、3.652mmol)の溶液へ、不活性大気下で、2-(メトキシメチル)ピラゾール-3-スルホニルクロリド(1.0g、4.747mmol)及びTEA(1.02mL、7.304mmol)を添加した。この混合物を、室温で1時間攪拌し、次に真空において濃縮した。残渣を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/MeOH:95/5から0/100)、中間体(74a)(0.733g、3.116mmol、85%)とした。
【0617】
MS m/z ([M+H]+) 236。
MS m/z ([M-H]-) 234。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 2.6-2.66 (m, 1H), 3.29-3.33 (m, 2H), 3.36 (s, 3H), 3.69-3.74 (m, 2H), 5.33 (br s, 1H), 5.44 (s, 2H), 6.80 (d, J = 2.4Hz, 1H), 7.65 (d, J = 2.4Hz, 1H)。
【0618】
工程2:中間体N-(2-ヒドロキシエチル)-1H-ピラゾール-3-スルホンアミド(74b)の調製
ジオキサン中の4N HCl(28.6mL)中の中間体(74a)(0.673g、2.86mmol)の溶液へ、不活性大気下で、4N HCl(8mL)を添加した。この混合物を50℃で4時間温めた。不均一な混合物を真空において濃縮し、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から95/5)、中間体(74b)(310mg、1.62mmol、56%)を得た。
【0619】
MS m/z ([M+H]+) 192。
MS m/z ([M-H]-) 191。
1H NMR (300 MHz, MeOD): δ(ppm) 3.09 (t, J = 6.0Hz, 2H), 3.57 (t, J = 6.0Hz, 2H), 6.71 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.79 (d, J = 2.4 Hz, 1H)。
【0620】
工程3:中間体N-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-1H-ピラゾール-3-スルホンアミド(74c)の調製
無水DMF中の中間体(74b)(0.264g、1.381mmol)の溶液へ、不活性大気下で、TBDMSCl(312mg、0.207mmol)、イミダゾール(160mg、0.235mmol)及びDMAP(169mg、1.381mmol)を添加した。室温で1.5時間攪拌した後、不均一な混合物を、EtOAc及びEt2Oで希釈した。有機層をH2Oで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空において濃縮した。混合物を蒸発させ、中間体(74c)(374mg、1.224mmol、88%)を得た。
MS m/z ([M+H]+) 306。
MS m/z ([M-H]-) 304。
【0621】
工程4:中間体1-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)-N-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]ピラゾール-4-スルホンアミド(74d)の調製
実施例1(工程7)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(266mg、0.868mmol)を、中間体(74c)(371mg、1.273mmol)との反応により、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン:100/0から70/30)後、中間体(74d)(96mg、0.198mmol、23%)へ変換した。
【0622】
MS m/z ([M+H]+) 484。
MS m/z ([M-H]-) 482。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 0.05 (s, 6H), 0.08 (s, 9H), 3.13 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 3.20 (q, J = 5.6 Hz, 2H), 3.55 (dd, J = 10.6, 2.4 Hz, 1H), 3.69-3.74 (m, 2H), 4.13 (dd, J = 5.5, 2.5 Hz, 1H), 4.16-4.25 (m, 1H), 4.38-4.50 (m, 3H), 4.99 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 5.31-5.41 (m, 2H), 5.97-6.07 (m, 1H), 6.61 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 6.78 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.61 (d, J = 2.6 Hz, 1H)。
【0623】
工程5:中間体トリフェニル-[(E)プロパ-1-エニル]ホスホニウム[3-[4-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチルスルファモイル]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(74e)の調製
中間体(74d)(100mg、0.207mmol)を、無水DCM(1.5mL)中に溶解した。AcOH(2μL、0.414mmol)及びPd(PPh3)4(120mg、0.103mmol)を、連続して添加し、室温で45分間攪拌した。ピリジン(1.2mL)及び三酸化硫黄ピリジン錯体(165mg、1.036mmol)を添加し、18時間攪拌した。不均一な混合物を真空において濃縮し、DCMを残渣に添加し、この塩を濾過した。濾液を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から0/100)、中間体(74e)(49mg、0.059mmol、2工程にわたり28%)を得た。
MS m/z ([M+H]+) 524。
MS m/z ([M-H]-) 522。
【0624】
工程6:ナトリウム[3-[4-(2-ヒドロキシエチルスルファモイル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例74)の調製
ACN(590μL)中の中間体(74e)(49mg、0.059mmol)の溶液へ、不活性大気下で、3HF・TEA(10μL、0.059mmol)を添加した。室温で18時間攪拌した後、混合物を真空において濃縮した。この粗物質を、8/2のH2O/ACN混合液中に溶解し、Dowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまでH2Oにより洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)に適用した。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、凍結し、且つ凍結乾燥させた。MeOHを残渣に添加し、固形物を濾過除去した。濾液を真空において濃縮し、実施例(74)(22mg、0.050mmol、85%)を得た。
【0625】
MS m/z ([M+H]+) 410。
MS m/z ([M-H]-) 408。
1H NMR (400MHz, D2O): δ(ppm) 3.12 (t, J = 5.4 Hz, 2H), 3.42 (d, J = 11.3 Hz, 1H), 3.59 (t, J = 5.4 Hz, 2H), 3.67 (dd, J = 11.4, 2.2 Hz, 1H), 4.36 (d, J = 3.5 Hz, 2H), 4.58 (dd, J =
5.6, 2.6 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 6.85 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.06 (d, J = 2.7 Hz, 1H)。
【0626】
実施例76:ナトリウム[3-[3-[(1S)-1,2-ジヒドロキシエチル]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化83】
【0627】
工程1:中間体(E)-3-(ジメチルアミノ)-1-[(4R)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル]プロパ-2-エン-1-オン(76a)の調製
N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(9.6mL)中の1-[(4R)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル]エタノン(Organic Letters, 1999, 1(7), 1067記載のプロトコールに従い入手)(1.27g、8.64mmol)を、100℃で23時間加熱した。この反応物を水(50mL)に注ぎ、混合物をDCM(4×20mL)により抽出した。一緒にした有機層を、Na2SO4により乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。残渣を、シリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から50/50)、DMFの夾雑したオレンジ色油状物としての中間体(76a)(3.31g、6.32mmol、73%)を供した。
【0628】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 1.43 (s, 3H), 1.50 (s, 3H), 2.89 (s, 3H), 2.97 (s, 3H), 3.99 (dd, J= 8.4, 6.4 Hz, 1H), 4.27 (dd, J= 8.4, 7.5 Hz, 1H), 4.48 (dd, J= 7.5, 6.4 Hz, 1H), 5.49 (d, J= 12.7 Hz, 1H), 7.70 (d, J= 12.7 Hz, 1H)。
【0629】
工程2:中間体3-[(4S)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル]-1H-ピラゾール(76b)の調製
中間体(76a)(3.31g、6.32mmol)及びヒドラジン水和物(1.23mL、12.6mmol)の50%水溶液の混合物を、EtOH(63mL)中に溶解した。90℃で1時間攪拌した後、混合物を真空において濃縮した。残渣を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(シクロヘキサン/EtOAc:100/0から0/100)、中間体(76b)(832mg、4.45mmol、70%)を黄色油状物として供した。
【0630】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 1.40 (br s, 3H), 1.43 (br s, 3H), 3.92 (dd, J= 8.2, 7.2 Hz, 1H), 4.25 (dd, J= 8.2, 6.3 Hz, 1H), 5.16 (dd, J= 7.2, 6.3 Hz, 1H), 6.27 (d, J= 2.3 Hz, 1H), 7.48 (d, J=2.3 Hz, 1H)。
【0631】
工程3:中間体6-アリルオキシ-3-[3-[(4S)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル]ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(76c)の調製
実施例1(工程7)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(250mg、0.82mmol)を、中間体(76b)(165mg、0.98mmol)との反応により、シリカゲル上のクロマトグラフィーによる精製(シクロヘキサン/EtOAc:100/0から0/100)後、茶色油状物としての中間体(76c)(163mg、0.36mmol、44%)へ変換した。
【0632】
MS m/z ([M+H]+) 347。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 1.46 (s, 3H), 1.50 (s, 3H), 3.15 (d, J= 10.8 Hz, 1H), 3.54 (ddd, J= 10.8, 3.1, 1.0 Hz, 1H), 3.99 (dd, J= 8.4, 7.2 Hz, 1H), 4.10 (dd, J= 5.6, 2.7 Hz, 1H), 4.14-4.22 (m, 1H), 4.27-4.36 (m, 1H), 4.38-4.52 (m, 3H), 5.14 (t, J= 6.8 Hz, 1H), 5.30-5.42 (m, 2H), 5.97-6.11 (m, 1H), 6.40-6.43 (m, 1H), 6.43-6.48 (m, 1H), 7.54-7.59 (m, 1H)。
【0633】
工程4:中間体6-ヒドロキシ-3-[3-[(4S)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル]ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(76d)の調製
無水DCM(3.6mL)中の中間体(76c)(163mg、0.36mmol)の溶液を、アルゴン大気下で10分間脱気した。AcOH(41μL、0.72mmol)及びPd(PPh3)4(210mg、0.18mmol)を連続して添加した。室温で1時間30分攪拌した後、AcOH(10μL、0.17mmol)及びPd(PPh3)4(50mg、0.04mmol)を連続して添加した。室温で更に2時間撹拌した後、混合物を真空において濃縮した。残渣を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から0/100)、トリフェニルホスフィンオキシドが夾雑した中間体(76d)(95mg)を黄色油状物として供した。
MS m/z ([M+H]+) 307。
【0634】
工程5:中間体トリメチルアンモニウム[3-[3-[(4S)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(76e)の調製
tBuOH(1.1mL)及び水(1.1mL)中の中間体(76d)(95mg)の溶液へ、不活性大気下で、三酸化硫黄トリメチルアミン錯体(36mg、0.26mmol)及びトリエチルアミン(8μL、0.05mmol)を添加した。16時間攪拌した後、不均一な混合物を真空において濃縮した。粗物質を、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(水/ACN:98/2から0/100)、中間体(76e)(46mg、0.10mmol、2工程にわたり28%)を茶色粉末として供した。
MS m/z ([M+H]+) 387/307。
MS m/z ([M-H]-) 385。
【0635】
工程6:ナトリウム[3-[3-[(1S)-1,2-ジヒドロキシエチル]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの調製(実施例76)
中間体(76e)(46mg、0.10mmol)を、DCM/TFA(3:1)混合物(260μL)に、不活性大気下、0℃で溶解した。1時間15分攪拌した後、冷Et2O(3mL)を、0℃で添加した。10分間0℃で攪拌した後、沈殿物を濾過し、冷Et2O及び冷ACNにより洗浄した。濾液を真空において濃縮した。この固形物を、Dowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまでH2Oにより洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)に適用した。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、凍結し、且つ凍結乾燥させ、白色固形物を供し、これをC18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(水/ACN:99/1から95/5)、(1S)-1-(1H-ピラゾール-3-イル)エタン-1,2-ジオールが夾雑した実施例(76)(0.5mg、0.0001mmol、1%)を白色粉末として供した。
【0636】
MS m/z ([M+H]+) 347。
MS m/z ([M-H]-) 345。
1H NMR (400 MHz, D2O): δ(ppm) 3.39 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 3.63 (dd, J = 11.4, 2.7 Hz, 1H), 3.70-3.82 (m, 2H), 4.29-4.33 (m, 2H), 4.51 (dd, J = 5.7, 2.7 Hz, 1H), 4.74-4.86 (m, 1H), 6.44 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 6.55 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 7.82 (d, J = 2.7 Hz, 1H)。
【0637】
実施例77:[3-[3-[チアゾール-5-カルボニル]アミノ]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩の合成
【化84】
【0638】
工程1:中間体5-チアゾールカルボニルクロリド(77a)の調製
密封したチューブ中で、塩化チオニル(2.3mL)中の5-チアゾールカルボン酸(400mg、3.10mmol)の溶液を、80℃で5時間加熱した。次にこの混合物を、減圧下で濃縮し(トルエンと2回共蒸発させる)、中間体(77a)(422mg、2.87mmol、92%)を黄色固形物として供し、これを更に精製することなく使用した。
【0639】
工程2:中間体5-[[N-[6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル]ピラゾール-3-イル]カルバモイル]チアゾール-2-イル(77b)の調製
DMA(1mL)中の中間体(13b)(100mg、0.38mmol)の溶液に、不活性大気下0℃で、DMA(0.9mL)中の中間体(77a)(84mg、0.57mmol)の溶液を滴加した。室温で45分間攪拌した後、混合物を、水(20mL)でクエンチし、0℃で10分間攪拌した。形成された沈殿物を濾過し、水で2回、次にペンタンで洗浄し、減圧下で乾燥させ、中間体(77b)(87mg、0.23mmol、61%)を帯黄白色固形物として供した。
【0640】
MS m/z([M+H]+) 373。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ(ppm) : 3.28 (d, J= 10.8 Hz, 1H), 3.33 (dd, J= 10.8, 2.1 Hz, 1H), 4.21-4.25 (m, 2H), 4.29 (dd, J= 5.6, 2.4 Hz, 1H), 4.37-4.41 (m, 2H), 5.27 (dd, J = 10.4, 1.6 Hz, 1H), 5.37 (dd, J= 17.3, 1.6 Hz, 1H), 5.91-6.01 (m, 1H), 6.55 (d, J= 5.6 Hz, 1H), 6.79 (d, J= 2.6 Hz, 1H), 8.11 (d, J= 2.6 Hz, 1H), 8.79 (s, 1H), 9.29 (s, 1H), 11.43 (br s, 1H)。
【0641】
工程3:中間体tert-ブチルN-[5-[[N-[6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル]ピラゾール-3-イル]カルバモイル]チアゾール-2-イル]カルバメート(77c)の調製
DCM(1.9mL)中の中間体(77b)(72mg、0.19mmol)の溶液へ、不活性大気下室温で、Boc2O(63mg、0.29mmol)、Et3N(41μL、0.29mmol)及びDMAP(24mg、0.19mmol)を連続して添加した。室温で4時間撹拌した後、混合物を濃縮乾固した。残渣を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/EtOAc:100/0から0/100)、中間体(77c)(63mg、0.13mmol、64%)をオレンジ色固形物として供した。
【0642】
MS m/z ([M+H]+) 473。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 1.45 (s, 9H), 3.10 (d, J= 10.8 Hz, 1H), 3.51 (dd, J = 10.8, 1.8 Hz, 1H), 4.08 (dd, J= 5.6, 2.5 Hz, 1H), 4.11 (dd, J= 17.8, 1.8 Hz, 1H), 4.32 (dd, J = 17.8, 1.1 Hz, 1H), 4.36-4.48 (m, 2H), 5.31 (dd, J= 10.3, 1.5 Hz, 1H), 5.36 (dd, J = 17.2, 1.5 Hz, 1H), 5.96-6.06 (m, 1H), 6.37 (d, J= 2.6 Hz, 1H), 6.44 (d, J= 5.6 Hz, 1H), 7.60 (d, J= 2.6 Hz, 1H), 8.23 (d, J= 0.7 Hz, 1H), 8.91 (d, J= 0.7 Hz, 1H)。
【0643】
工程4:中間体トリフェニル(アリル)ホスホニウム[3-[3-[tert-ブトキシカルボニル-[チアゾール-5-カルボニル]アミノ]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(77d)の調製
実施例(2)(工程2)において説明した手順を使用し、中間体(77c)(63mg、0.13mmol)を、シリカゲル上の精製(DCM/アセトンの100/0から0/100)後に、白色固形物としての中間体(77d)(9mg、0.011mmol、98%)へ変換した。
MS m/z([M+H]+) 513/433。
MS m/z ([M-H]-) 511。
【0644】
工程5:[3-[3-[チアゾール-5-カルボニル]アミノ]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩(実施例77)の調製
DCM/TFA混合液(3:1)(0.6mL)中の中間体(77d)(9mg、0.011mmol)の溶液を、不活性大気下、0℃で、1時間攪拌し、その後Et2O(1mL)を添加し、0℃での撹拌を5分間続けた。その後溶媒をこの混合物から除去し、Et2O(1mL)を残渣に添加し、室温での撹拌を5分間継続した。この順番を、Et2O(1mL)で2回、次にACN(1mL)で2回実行し、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(ACN/水:2/98から30/70)後、実施例(77)(0.5mg、0.001mmol、1%)を白色固形物として供した。
【0645】
MS m/z ([M+H]+) 413。
1H NMR (300 MHz, D2O) δ(ppm) : 2.94 (d, J = 12.8 Hz, 1H), 3.25 (d, J = 12.8, 1.8 Hz, 1H), 3.47 (d, J = 11.2 Hz, 1H), 3.72 (dd, J = 11.2, 1.8 Hz, 1H), 4.60 (dd, J = 5.7, 2.6 Hz, 1H), 6.64 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 6.73 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.90 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.55 (s, 1H), 9.22 (s, 1H)。
【0646】
実施例78:ナトリウム[3-(2-オキサゾリル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イルスルフェートの合成
【化85】
【0647】
工程1:中間体(E)-3-(ジメチルアミノ)-1-(2-オキサゾリル)-プロパ-2-エン-1-オン(78a)の調製
不活性大気下、1-(オキサゾール-2-イル)エタノン(500mg、4.50mmol)を、N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(0.74mL、5.60mmol)中に希釈した。この反応性混合物を、100℃で16時間加熱した。次に混合物を、H2O(5mL)で希釈し、DCM(5mL)を添加した。水層を、DCM(5×5mL)により抽出し、一緒にした有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、中間体(78a)(656mg、3.95mmol、88%)をオレンジ色固形物として生じた。
【0648】
MS m/z ([M+H]+) 167。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.96 (s, 3H), 3.18 (s, 3H), 6.01 (d, J = 10.3 Hz, 1H), 7.23 (d, J = 0.7 Hz, 1H), 7.74 (d, J = 0.7 Hz, 1H), 7.93 (d, J = 10.3 Hz, 1H)。
【0649】
工程2:中間体3-(2-オキサゾリル)-1H-ピラゾール(78b)の調製
冷却器を装着したフラスコ中で、中間体(78a)(656mg、3.95mmol)を、EtOH(39mL)中に可溶化した。ヒドラジン(0.76mL、7.77mmol)を添加し、混合物を90℃で加熱した。1時間反応させた後、混合物を濃縮した。残渣を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から20/80)、中間体(78b)(374mg、2.77mmol、70%)を黄色固形物として生じた。
【0650】
MS m/z ([M+H]+) 136。
MS m/z ([M-H]-) 134。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.92 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 7.31 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 7.75 (d, J =
0.8 Hz, 1H), 7.85 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 8.22 (bs, 1H)。
【0651】
工程3:中間体6-アリルオキシ-3-[3-(2-オキサゾリル)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-7-オン(78c)の調製
不活性大気下で、中間体(1g)(200mg、0.653mmol)を、無水DMSO(6.5mL)に希釈した。中間体(78b)(106mg、0.784mmol)、無水K2CO3(271mg、1.96mmol)、CuI(12mg、0.065mmol)及びN,N-ジメチルグリシン塩酸塩(14mg、0.098mmol)を、連続して添加した。青色の懸濁液を、100℃で加熱した。18時間後、この混合物をH2O(20mL)中で希釈し、EtOAc(20mL)を添加した。水層を、EtOAc(5×20mL)により抽出し、一緒にした有機層を、H2Oにより洗浄し、次にNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗化合物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から50/50)、中間体(78c)(55mg、0.176mmol、25%)を黄色油状物として生じた。
【0652】
MS m/z ([M+H]+) 314。
MS m/z ([M-H]-) 312。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.16 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 3.56 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 4.13 (dd, J = 5.5/2.5 Hz, 1H), 4.30 (dd, J = 17.8/2.5 Hz, 1H), 4.38-4.50 (m, 2H), 4.51 (d, J = 17.8 Hz, 1H), 5.31 (ddd, J = 10.3/1.7/1.0 Hz, 1H), 5.38 (ddd, J = 17.2/1.7/1.4 Hz, 1H), 5.97- 6.07 (m, 1H), 6.62 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 6.94 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.24 (s, 1H), 7.68 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.73 (s, 1H)。
【0653】
工程4:ナトリウム[3-(2-オキサゾリル)ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イルスルフェート(実施例78)の調製
不活性大気下で、中間体(78c)(49mg、0.156mmol)を、無水DCM(1.6mL)中に希釈した。AcOH(18μL、0.316mmol)及びPd(PPh3)4(91mg、0.078mmol)を、連続して添加した。反応混合物を、室温で2時間攪拌した。次に無水ピリジン(1.6mL)及び三酸化硫黄ピリジン錯体(125mg、0.782mmol)を、この反応混合物へ添加した。生じた懸濁液を遮光し、反応が完了するまで一晩攪拌した。反応混合物を濃縮し、DCMにより摩砕し、次に濾過した。濾液を濃縮し、次にシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(DCM/アセトン:100/0から0/100)。生成物を含有する画分を一緒にし、濃縮した。残渣を、最小量のH2O/ACN(2:1)中に溶解し、Dowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまでH2Oにより洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)によるイオン交換後に変換し、実施例(78)(18mg、0.043mmol、36%)を帯黄白色固形物として供した。
【0654】
MS m/z ([M+H]+) 354/274。
MS m/z ([M-H]-) 352。
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 3.50 (d, J = 11.3 Hz, 1H), 3.74 (dd, J = 11.3/2.6 Hz, 1H), 4.42-4.48 (m, 2H), 4.64 (dd, J = 5.6/2.6 Hz, 1H), 6.78 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 6.97 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.33 (t, J = 0.9 Hz, 1H), 7.97 (d, J = 0.9 Hz, 1H), 8.04 (d, J = 2.7 Hz, 1H)。
【0655】
実施例79:[7-オキソ-3-[3-(1,2,4-チアジアゾール-5-イルカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩の合成
【化86】
【0656】
工程1:中間体1-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)-N-(1,2,4-チアジアゾール-5-イル)ピラゾール-3-カルボキサミド(79a)の調製
不活性大気下、中間体(36c)(150mg、0.52mmol)を、無水DMF(3mL)の混合液中に希釈した。HATU(198mg、0.52mmol)、DIPEA(91μL、0.52mmol)及び1,2,4-チアジアゾール-5-アミン(53mg、0.52mmol)を、連続して添加した。反応混合物を、室温で一晩攪拌した。次に混合物を、H2Oで希釈した。水層を、EtOAcにより抽出した。有機層を一緒にし、飽和NaHCO3で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗化合物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から60/40)、中間体(79a)(194mg、0.71mmol、定量的収量)を無色油状物として供した。
【0657】
MS m/z ([M+H]+) 374。
MS m/z ([M-H]-) 372。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 3.18 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 3.59 (dd, J = 2.1 , 11.0 Hz, 1H), 4.18 (dd, J = 2.6, 5.5 Hz, 1H), 4.23 (dd, J = 1.9, 17.6 Hz, 1H), 4.40-4.50 (m, 3H), 5.30-5.42 (m, 2H), 5.98-6.08 (m, 1H), 6.67 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 6.68 (br s, 1H), 7.07 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.76 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 8.37 (s, 1H)。
【0658】
工程2:[7-オキソ-3-[3-(1,2,4-チアジアゾール-5-イルカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩(実施例79)の調製
無水DCM(3mL)中の中間体(79a)(130mg、0.35mmol)の溶液へ、氷酢酸(40μL、0.70mmol)及びPd(PPh3)4(203mg、0.18mmol)を添加した。この混合物を、室温で2時間攪拌し、その後ピリジン(3mL)及び三酸化硫黄ピリジン錯体(280mg、1.75mmol)を添加した。生じた懸濁液を遮光し、一晩攪拌した。反応混合物を濃縮し、次にDCMで希釈し、濾過した。濾液を真空において濃縮し、次にシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(DCM/アセトン:100/0から0/100)。この固形物をACNにより摩砕し、実施例(79)(14mg、0.03mmol、2工程にわたり10%)をベージュ色固形物として得た。
【0659】
MS m/z([M+H]+) 414。
MS m/z ([M-H]-) 412。
1H-NMR (300 MHz, D2O): δ(ppm) 3.50 (d, J= 11.4 Hz, 1H), 3.75 (d, J= 11.4 Hz, 1H), 4.46 (m, 2H), 4.66 (dd, J= 2.4, 5.6 Hz, 1H), 6.81 (d, J= 5.6 Hz, 1H), 7.07 (d, J= 2.6 Hz, 1H), 8.05 (d, J= 2.6 Hz, 1H), 8.41 (s, 1H)。
【0660】
実施例80:ナトリウム[7-オキソ-3-[3-(2-ピリジルカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化87】
【0661】
工程1:中間体N-(2-ピリジル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(80a)の調製
ジケトピペラジン(200mg、1.06mmol)及び2-アミノピリジン(300mg、3.19mmol)を、THF(2mL)中に希釈した。反応性混合物を、70℃で4時間加熱した。室温まで冷却した後、この混合物を濾過し、ACN及びEt2Oにより洗浄し、中間体(80a)(129mg、0.62mmol、29%)を白色固形物として供した。
【0662】
MS m/z([M+H]+) 189。
MS m/z ([M-H]-) 187。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.03 (d, J= 2.4 Hz, 1H), 7.16 (ddd, J= 7.4/4.4/1.0 Hz, 1H), 7.70 (d, J= 2.4 Hz, 1H), 7.86 (ddd, J= 8.5/7.4/1.9 Hz, 1H), 8.37 (d, J= 4.4 Hz, 1H), 8.53 (d, J= 8.5 Hz, 1H), 10.10 (bs, 1H)。
【0663】
工程2:中間体1-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)-N-(2-ピリジル)ピラゾール-3-カルボキサミド(80b)の調製
不活性大気下で、中間体(1g)(150mg、0.49mmol)を、無水DMSO(4.9mL)により希釈した。中間体(80a)(111mg、0.59mmol)、無水K2CO3(203mg、1.47mmol)、CuI(9mg、0.05mmol)及びN,N-ジメチルグリシン塩酸塩(10mg、0.07mmol)を、連続して添加した。青色懸濁液を、100℃で加熱した。18時間後、混合物をH2O(20mL)中に希釈し、EtOAc(20mL)を添加した。水層を、EtOAc(4×20mL)により抽出し、一緒にした有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗化合物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から50/50)、中間体(80b)(79mg、0.19mmol、40%)を黄色油状物として生じた。
【0664】
MS m/z ([M+H]+) 367。
MS m/z ([M-H]-) 365。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.17 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 3.57 (dd, J = 10.9/1.7 Hz, 1H), 4.14 (dd, J = 5.6/2.6 Hz, 1H), 4.24 (dd, J = 17.6/1.9 Hz, 1H), 4.39-4.51 (m, 2H), 4.50 (d, J = 17.6 Hz, 1H), 5.32 (ddd, J = 10.3/1.7/1.0 Hz, 1H), 5.38 (ddd, J = 17.2/1.7/1.4 Hz, 1H), 5.98-6.08 (m, 1H), 6.63 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 6.99 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.06 (ddd, J = 7.4/4.8/1.1 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.74 (ddd, J = 8.9/7.4/1.7 Hz, 1H), 8.32-8.34 (m, 2H), 9.21 (bs, 1H)。
【0665】
工程3:ナトリウム[7-オキソ-3-[3-(2-ピリジルカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例80)の調製
不活性大気下、中間体(80b)(79mg、0.19mmol)を、無水DCM(2.2mL)中に希釈した。AcOH(25μL、0.43mmol)及びPd(PPh3)4(125mg、0.11mmol)を、連続して添加した。反応混合物を、室温で2時間攪拌した。次に無水ピリジン(2.2mL)及び三酸化硫黄ピリジン錯体(2mg、1.08mmol)を、この反応混合物へ添加した。生じた懸濁液を遮光し、反応が完了するまで一晩攪拌した。反応混合物を濃縮し、DCMにより摩砕し、その後濾過した。濾液を濃縮し、次にシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(DCM/アセトン:100/0から0/100)。生成物を含有する画分を一緒にし、濃縮した。残渣を最小量のH2O/ACN(1:1)中に溶解し、Dowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまでH2Oにより洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)によるイオン交換後に変換し、実施例(80)(8mg、0.02mmol、8%)を黄色固形物として生じた。
【0666】
MS m/z ([M+H]+) 407/327。
MS m/z ([M-H]-) 405。
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 3.49 (d, J= 11.3 Hz, 1H), 3.74 (dd, J= 11.3/2.6 Hz, 1H), 4.44 (dd, J= 18.1/1.4 Hz, 1H), 4.49 (d, J= 18.1 Hz, 1H), 4.64 (dd, J= 5.7/2.6 Hz, 1H), 6.77 (d, J= 5.7 Hz, 1H), 6.97 (d, J= 2.7 Hz, 1H), 7.24-7.30 (m, 1H), 7.88-7.91 (m, 2H), 8.00 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.34 (d, J= 5.1 Hz, 1H)。
【0667】
実施例82:[7-オキソ-3-[3-[[(3S)-ピロリジン-3-イル]カルバモイル]ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩の合成
【化88】
【0668】
工程1:中間体tert-ブチル(3S)-3-(1H-ピラゾール-3-カルボニルアミノ)ピロリジン-1-カルボキシラート(82a)の調製
THF(10mL)中のジピラゾロ[3,1-a:3’,1’-d]ピラジン-4,9-ジオン(200mg、1.06mmol)及び(S)-1-Boc-3-アミノピロリジン(396mg、2.12mmol)の混合物を、80℃で1時間加熱した。混合物を真空において濃縮し、中間体(82a)を供し、これを更に精製することなく使用した。
MS m/z ([M-H]-) 279。
【0669】
工程2:中間体tert-ブチル(3S)-3-[[1-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-3-カルボニル]アミノ]ピロリジン-1-カルボキシラート(82b)の調製
実施例(2)(工程1a)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(200mg、0.65mmol)を、中間体(82a)(192mg、0.69mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン:100/0から60/40)後、中間体(82b)(190mg、0.41mmol、63%)へ変換した。
【0670】
MS m/z ([M+H-tBu]+) 403、([M+H-Boc]+) 359。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.47 (s, 9H), 1.87-2.05 (m, 1H), 2.19-2.31 (m, 1H), 3.15 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 3.19-3.37 (m, 1H), 3.39-3.61 (m, 3H), 3.66-3.79 (m, 1H), 4.04-4.22 (m, 2H), 4.33-4.55 (m, 3H), 4.56-4.68 (m, 1H), 5.23-5.46 (m, 2H), 5.93-6.11 (m, 1H), 6.56 (m, 1H), 6.83 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 6.88 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.62 (br s, 1H)。
【0671】
工程3:中間体ナトリウム[3-[3-[[(3S)-1-tert-ブトキシカルボニルピロリジン-3-イル]カルバモイル]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(82c)の調製
実施例(2)(工程2)において説明した手順を使用し、中間体(82b)(190mg、0.41mmol)を、白色固形物としての中間体(82c)(103mg、0.20mmol、3工程にわたり48%)へ変換した。
MS m/z ([M]-) 497。
【0672】
工程4:[7-オキソ-3-[3-[[(3S)-ピロリジン-3-イル]カルバモイル]ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩(実施例82)の調製
DCM(1mL)中の中間体(82c)(50mg、0.10mmol)の溶液へ、0℃で、TFA(0.5mL)を添加した。混合物を、0℃で1時間維持した。Et2Oを添加し、沈殿物を濾過した。固形物をACN中で摩砕し、次に濾過した。次に固形物を、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(水/ACN:98/2から0/100)、実施例(82)(8mg、0.02mmol、21%)を、ジアステレオ異性体の混合物として供した。
【0673】
MS m/z ([M+H]+) 399。
MS m/z ([M-H]-) 397。
1H NMR (400 MHz, D2O) δ(ppm) 2.14-2.28 (m, 1H), 2.39-2.53 (m, 1H), 3.38-3.53 (m, 3H), 3.55-3.76 (m, 3H), 4.40 (s, 2H), 4.61 (dd, J = 5.7, 2.6 Hz, 1H), 4.64-4.73 (m, 1H), 6.74 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 6.84 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.94及び7.95 (d, J = 2.7 Hz, 1H)。
【0674】
実施例83:[7-オキソ-3-[3-[[(3R)-ピロリジン-3-イル]カルバモイル]ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩の合成
【化89】
【0675】
工程1:中間体tert-ブチル(3R)-3-(1H-ピラゾール-3-カルボニルアミノ)ピロリジン-1-カルボキシラート(83a)の調製
THF(10mL)中のジピラゾロ[3,1-a:3’,1’-d]ピラジン-4,9-ジオン(200mg、1.06mmol)及び(R)-1-Boc-3-アミノピロリジン(396mg、2.12mmol)の混合物を、80℃で1時間加熱した。この混合物を真空において濃縮し、中間体(83a)を供し、これを更に精製することなく使用した。
MS m/z ([M-H]-) 279。
【0676】
工程2:中間体tert-ブチル(3R)-3-[[1-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-3-カルボニル]アミノ]ピロリジン-1-カルボキシラート(83b)の調製
実施例(2)(工程1a)において説明した手順を使用し、中間体(1g)(200mg、0.65mmol)を、中間体(83a)(192mg、0.69mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン:100/0から60/40)後、中間体(83b)(198mg、0.43mmol、66%)へ変換した。
【0677】
MS m/z ([M+H-tBu]+) 403、([M+H-Boc]+) 359。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.47 (s, 9H), 1.87-2.05 (m, 1H), 2.19-2.31 (m, 1H), 3.15 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 3.19-3.37 (m, 1H), 3.39-3.61 (m, 3H), 3.66-3.79 (m, 1H), 4.04-4.22 (m, 2H), 4.33-4.55 (m, 3H), 4.56-4.68 (m, 1H), 5.23-5.46 (m, 2H), 5.93-6.11 (m, 1H), 6.56 (m, 1H), 6.83 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 6.88 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.62 (br s, 1H)。
【0678】
工程3:中間体ナトリウム[3-[3-[[(3R)-1-tert-ブトキシカルボニルピロリジン-3-イル]カルバモイル]ピラゾール-1-イル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(83c)の調製
実施例(2)(工程2)において説明した手順を使用し、中間体(83b)(198mg、0.43mmol)を、白色固形物としての中間体(83c)(98mg、0.19mmol、3工程にわたり43%)へ変換した。
MS m/z ([M]-) 497。
【0679】
工程4:[7-オキソ-3-[3-[[(3R)-ピロリジン-3-イル]カルバモイル]ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]硫酸水素塩(実施例83)の調製
実施例(82)(工程4)において説明した手順を使用し、中間体(83c)(80mg、0.15mmol)を、ジアステレオ異性体の混合物としての実施例(83)(26mg、0.07mmol、42%)へ変換した。
【0680】
MS m/z ([M+H]+) 399。
MS m/z ([M-H]-) 397。
1H NMR (400 MHz, D2O) δ(ppm) 2.10-2.29 (m, 1H), 2.35-2.57 (m, 1H), 3.34-3.54 (m, 3H), 3.56-3.76 (m, 3H), 4.37 (s, 2H), 4.59 (dd, J = 5.7, 2.6 Hz, 1H), 4.62-4.71 (m, 1H), 6.70 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 6.79及び6.80 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.89及び7.90 (d, J = 2.6, 1H)。
【0681】
実施例84:ナトリウム[7-オキソ-3-[3-(1,3,4-チアジアゾール-2-イルカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化90】
【0682】
工程1:1-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)-N-(1,3,4-チアジアゾール-2-イル)ピラゾール-3-カルボキサミド(84a)の調製
実施例(79)(工程1)において説明した手順を使用し、中間体(36c)(80mg、0.28mmol)を、1,3,4-チアジアゾール-2-アミン(28mg、0.28mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン:100/0から0/100)及びDCM中の摩砕後、中間体(84a)(8mg、0.02mmol、8%)へ変換した。
【0683】
MS m/z ([M+H]+) 374。
MS m/z ([M-H]-) 372。
1H NMR (400 MHz, MeOD): δ(ppm) 3.33-3.35 (m, 1H), 3.52-3.54 (m, 1H), 4.32 (dd, J = 5.6, 2.6 Hz, 1H), 4.36 (dd, J= 2.1, 17.6 Hz, 1H), 4.42-4.46 (m, 2H), 4.49 (d, J = 17.6 Hz, 1H), 5.28-5.42 (m, 2H), 6.01-6.08 (m, 1H), 6.83 (d, J= 5.6 Hz, 1H), 7.05 (d, J= 2.6 Hz, 1H), 8.15 (d, J= 2.6 Hz, 1H), 9.09 (s, 1H)。
【0684】
工程2:1-(6-ヒドロキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)-N-(1,3,4-チアジアゾール-2-イル)ピラゾール-3-カルボキサミド(84b)の調製
不活性大気下、無水DCM(155μL)中の中間体(84a)(8.1mg、0.02mmol)の懸濁液に、AcOH(3μL、0.04mmol)及びPd(PPh3)4(13mg、0.01mmol)を連続して添加した。この混合物を室温で1時間攪拌した。Et2Oを、生じた懸濁液に添加し、沈殿物を濾過し、中間体(84b)(5mg、0.016mmol、71%)を白色固形物として得た。
【0685】
MS m/z ([M+H]+) 334。
MS m/z ([M-H-]) 332。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 3.25 (d, J= 10.9 Hz, 1H), 3.35-3.40 (m, 1H), 4.09 (dd, J= 5.5, 2.5 Hz, 1H), 4.23 (dd, J= 17.6, 1.9 Hz, 1H), 4.38 (d, J = 17.6 Hz, 1H), 6.93 (br s, 1H), 7.11 (br s, 1H), 8.39 (s, 1H), 9.19 (br s, 1H), 11.93 (br s, 1H), 12.87 (br s, 1H)。
【0686】
工程3:ナトリウム[7-オキソ-3-[3-(1,3,4-チアジアゾール-2-イルカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例84)の調製
tBuOH/H2O(1:1)混合液(160μL)中の中間体(84b)(5mg、0.016mmol)の溶液へ、NMe3SO3(3mg、0.018mmol)及びEt3N(0.5μL、0.004mmol)を添加した。生じた懸濁液を遮光し、室温で45分間攪拌した。混合物を真空において濃縮し、次にC18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(水/ACN:95/5から0/100)。生成物を含有する画分を一緒にし、凍結し、且つ凍結乾燥させた。残渣を、水/ACN(9:1)の混合液中に溶解し、Dowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまでH2Oにより洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)によるイオン交換後、変換した。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、凍結し、且つ凍結乾燥させ、実施例(84)(4mg、0.009mmol、2工程にわたり69%)を帯黄白色固形物として得た。
【0687】
MS m/z([M+H]+) 414。
MS m/z ([M-H]-) 412。
1H NMR (400MHz, D2O): δ(ppm) 3.50 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 3.75 (dd, J= 11.4, 2.4 Hz, 1H), 4.46 (m, 2H), 4.65 (dd, J= 5.6, 2.6 Hz, 1H), 6.78 (d, J= 5.6 Hz, 1H), 7.04 (d, J= 2.7 Hz, 1H), 8.01 (d, J=2.7Hz, 1H), 9.12 (s, 1H)。
【0688】
実施例85:ナトリウム[7-オキソ-3-[3-(ピラゾール-3-イルカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェートの合成
【化91】
【0689】
工程1:tert-ブチル3-[[1-(6-アリルオキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-3-カルボニル]アミノ]ピラゾール-1-カルボキシラート(85a)の調製
実施例(79)(工程1)において説明した手順を使用し、中間体(36c)(130mg、0.45mmol)を、3-アミノピラゾール-1-カルボン酸tert-ブチル(82mg、0.45mmol)との反応により、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/アセトン:100/0から0/100)後、中間体(85a)(117mg、0.26mmol、57%)へ変換した。
【0690】
MS m/z([M+H]+) 456。
MS m/z ([M-H]-) 454。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 1.66 (s, 9H), 3.18 (d, J= 10.9 Hz, 1H), 3.57 (dd, J = 10.9, 2.1 Hz, 1H), 4.15 (dd, J= 5.5, 2.5 Hz, 1H), 4.22 (dd, J= 17.6, 1.9 Hz, 1H), 4.39-4.52 (m, 3H), 5.30-5.43 (m, 2H), 5.98-6.09 (m, 1H), 6.60 (d, J= 5.5 Hz, 1H), 6.97 (d, J= 2.6 Hz, 1H), 7.07 (d, J= 2.9 Hz, 1H), 7.67 (d, J= 2.6 Hz, 1H), 8.01 (d, J= 2.9 Hz, 1H), 9.31 (s, 1H)。
【0691】
工程2:tert-ブチル3-[[1-(6-ヒドロキシ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-3-イル)ピラゾール-3-カルボニル]アミノ]ピラゾール-1-カルボキシラート(85b)の調製
不活性大気下、無水DCM(1.8mL)中の中間体(85a)(115mg、0.25mmol)の溶液へ、AcOH(29μL、0.51mmol)及びPd(PPh3)4(146mg、0.13mmol)を連続して添加した。1時間攪拌した後、粗物質を真空において濃縮し、残渣を、シリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製し(DCM/アセトン:100/0から0/100)、中間体(85b)(105mg、0.25mmol、定量的収量)を淡黄色固形物として得た。
【0692】
MS m/z ([M+H]+) 416。
MS m/z ([M-H]-) 414。
1H NMR (400 MHz, MeOD):δ(ppm) 1.65 (s, 9H), 3.30 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 3.53 (dd, J = 10.9, 2.4 Hz, 1H), 4.13 (dd, J = 5.5, 2.6 Hz, 1H), 4.33 (dd, J = 17.7, 2.0 Hz, 1H), 4.45 (dd, J = 17.7, 1.1 Hz, 1H), 6.85 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 6.96 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.00 (d, J = 2.9 Hz, 1H), 8.12 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 8.15 (d, J = 2.9 Hz, 1H)。
【0693】
工程3:ナトリウム[7-オキソ-3-[3-(ピラゾール-3-イルカルバモイル)ピラゾール-1-イル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-6-イル]スルフェート(実施例85)の調製
t-BuOH/H2O(1:1)混合液(1.2mL)中の中間体(85b)(102mg、0.25mmol)の溶液へ、NMe3SO3(41mg、0.30mmol)及びTEA(9μL、0.06mmol)を添加した。生じた懸濁液を遮光し、室温で1時間攪拌した。混合物を真空において濃縮し、次にC18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(水/ACN:95/5から0/100)。生成物を含有する画分を一緒にし、凍結し、且つ凍結乾燥させた。残渣をH2O/ACN(9:1)混合液中に溶解し、Dowexナトリウム型カラム(2N NaOH水溶液中に貯蔵され且つ中性pHとなるまでH2Oにより洗浄されたDowex(登録商標)50WX8水素型)によるイオン交換後、変換した。所望の化合物を含有する画分を一緒にし、凍結し、且つ凍結乾燥させた。残渣を、C18-逆相シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(H2O/ACN:98/2から0/100)。予想される中間体を含有する画分を、真空において濃縮し、実施例(85)(10mg、0.02mmol、2工程にわたり6%)を白色固形物として得た。
【0694】
MS m/z ([M+H]+) 396。
MS m/z ([M-H]-) 394。
1H RMN (400MHz, D2O) δ(ppm) 3.51 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 3.74 (dd, J = 11.4, 2.4 Hz, 1H), 4.48-4.51 (m, 2H), 4.65 (dd, J = 5.6, 2.6 Hz, 1H), 6.55-6.60 (m, 1H), 6.83 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 2.7 Hz, 0.6H), 7.06 (d, J = 2.7 Hz, 0.4H), 7.73-7.78 (m, 1H), 8.09 (d, J = 2.7 Hz, 0.6H), 8.19 (d, J = 2.7 Hz, 0.4H)。
【0695】
実施例86:生物活性
方法1:β-ラクタマーゼ阻害活性、IC50の決定(表1及び2)
酵素活性を、485nm、室温において、且つアッセイ緩衝液A:100mMリン酸塩(pH7)、2%グリセロール及び0.1mg/mLウシ血清アルブミン(Sigma、B4287)中でのニトロセフィン(NCF-TOKU-E、N005)加水分解の分光光度計による測定によりモニタリングした。酵素を、大腸菌発現ベクターにクローニングし、発現させ、古典的手順を使用し実験室において精製した。透明なポリスチレンプレート(Corning、3628)に、各ウェルにつき5μLのDMSO又はDMSO中のインヒビター希釈物及び緩衝液A中の80μL酵素を添加した。プレートを、バックグラウンドの減算を可能にするため、直ちにマイクロプレート分光光度計(BioTek、PowerWave HT)において485nmで測定した。室温で30分間のプレインキュベーション後、NCFの15μL(最終200μM)を、各ウェルに最終的に添加した。最終的な酵素濃度は、0.1nM(TEM-1)、0.075nM(SHV-1)、0.4nM(CTX-M-15)、1nM(KPC-2)、0.2nM(P99AmpC)、0.2nM(CMY-37)、0.4nM(AmpC緑膿菌(PAE))、0.2nM(OXA-1)、1.2nM(OXA-11)、0.4nM(OXA-15)及び0.3nM(OXA-48)であった。室温で20分間インキュベーションした後、プレートを再度485nmで測定した。酵素活性を、最終シグナルからバックグラウンドを減算することにより得、これを非阻害ウェルを用い酵素阻害へ変換した。IC50曲線を、XLFIT(IDBS)を使用し、ヒル勾配の古典的ラングミュア平衡モデルにフィッティングさせた。
【0696】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【0697】
【表2-1】
【表2-2】
【0698】
方法2:細菌単離株に対する化合物のMIC及びセフタジジムとの相乗性(表3、4、5及び6)
本発明の化合物を、単独で又はβ-ラクタムセフタジジム(CAZ)との組合せで、遺伝子型同定した細菌株に対して評価した。これらのアッセイにおいて、該化合物のMIC、又は該化合物の固定濃度でのセフタジジムのMICは、臨床検査標準協会(Clinical Laboratory Standards Institute)(CLSI-M7-A7)に従うブロスマイクロ希釈法により決定した。簡単にいうと、本発明の化合物単独を、DMSO中に調製し、滅菌ポリスチレンプレート(Corning、3788)上にスポットした(各2μL)。化合物及びセフタジジムの希釈物を、DMSO中に調製し、滅菌ポリスチレンプレート(Corning、3788)上にスポットした(各1μL)。対数増殖期の細菌浮遊液を、陽イオン-調節したミュラー-ヒントンブロス(Becton-Dickinson)中で最終密度5×105cfu/mLに調節し、各ウェルに添加した(98μL)。マイクロプレートを、外界空気中、35℃で、16~20時間インキュベーションした。本化合物のMICを、目視検査により読み取った細菌成長を妨害した該化合物の最低濃度と規定した。各化合物濃度でのセフタジジムのMICは、目視検査により読み取った細菌成長を妨害したセフタジジムの最低濃度と規定した。
【0699】
【表3】
表3:MIC決定に使用した細菌種
【0700】
【表4】
表4:化合物のMIC
【0701】
【表5】
* CAZ及び化合物8μg/mLの組合せのMIC
表5:セフタジジム/化合物組合せのMIC
【0702】
【表6-1】
【表6-2】
表6:化合物及びセフタジジム/化合物組合せのMIC