(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-16
(45)【発行日】2022-06-24
(54)【発明の名称】医療システム及び医療プログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 10/60 20180101AFI20220617BHJP
【FI】
G16H10/60
(21)【出願番号】P 2021120257
(22)【出願日】2021-07-21
【審査請求日】2021-08-02
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 刊行物 :Precision Medicine 2020年 Vol.3 No.9 (通巻26号) 8月号 p.34~p.38 株式会社 北隆館 発行日 :令和2年8月25日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
(73)【特許権者】
【識別番号】320005903
【氏名又は名称】新医療リアルワールドデータ研究機構株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】松本 繁巳
(72)【発明者】
【氏名】武藤 学
(72)【発明者】
【氏名】加藤 康之
【審査官】大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-133704(JP,A)
【文献】国際公開第2017/022611(WO,A1)
【文献】特開2020-170549(JP,A)
【文献】特開2019-057159(JP,A)
【文献】特開2010-055396(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0297331(US,A1)
【文献】特開2009-054084(JP,A)
【文献】特開2011-044084(JP,A)
【文献】国際公開第2014/157729(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療システムであって、
患者に関する複数種類の医療情報を格納する医療情報格納手段と、
医療情報を前記医療システムに入力する入力者の属性を示す入力者属性情報、前記患者が罹患している病気を示す病気情報、又は前記患者の情報の取り扱いに関する当該患者の同意状況を示す同意状況情報の内の1個以上の情報に基づいて前記医療情報格納手段に格納する対象となる医療情報の種類を特定するための種類特定用情報を格納する種類特定用情報格納手段と、
前記種類特定用情報格納手段に格納されている前記種類特定用情報に基づいて前記医療情報格納手段に格納する対象となる医療情報の種類を特定し、特定した種類の医療情報を入力して前記医療情報格納手段に格納するための情報入力欄を表示手段に表示
し、且つ、特定した種類の医療情報以外の他の種類の医療情報を入力して前記医療情報格納手段に格納するための他の情報入力欄を前記表示手段に表示しない表示制御手段と、
を備える医療システム。
【請求項2】
前記入力者属性情報は、医療情報を前記医療システムに入力する主入力者の属性を示す主入力者属性情報、及び医療情報を前記医療システムに前記主入力者の代わり入力する副入力者の属性を示す副入力者属性情報を含み、
前記種類特定用情報は、前記主入力者属性情報又は前記副入力者属性情報と、前記医療情報格納手段に格納する対象となる医療情報の種類とを相互に関連付けている情報を含み、
前記表示制御手段は、前記医療システムに入力者がログインした場合に、ログインした当該入力者の属性を特定し、当該特定した属性と前記種類特定用情報とに基づいて、当該特定した属性を示している前記主入力者属性情
報と関連付けられている医療情報の種類
である第1種類と、当該特定した属性を示している前記副入力者属性情報と関連付けられている医療情報の種類である第2種類とを特定し、特定した前記第1種類の医療情報を入力して格納するための前記情報入力欄
である第1情報入力欄と、特定した前記第2種類の医療情報を入力して格納するための前記情報入力欄である第2情報入力欄と、を表示する、
請求項1に記載の医療システム。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記第1情報入力欄及び前記第2情報入力欄を、前記表示手段における1個の画面上に表示する、
請求項2に記載の医療システム。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記第1情報入力欄の表示態様と、前記第2情報入力欄の表示態様と、を相互に異ならせる、
請求項2又は3に記載の医療システム。
【請求項5】
前記同意状況情報は、医療に関する機関において前記患者の情報を利用することに同意したか否かを示し、
前記種類特定用情報は、前記患者によって情報を利用することが同意されている前記機関を示す情報と、前記医療情報格納手段に格納する対象となる医療情報の種類とを相互に関連付けている情報を含み、
前記表示制御手段は、
前記同意状況情報に基づいて、前記医療情報格納手段に医療情報が入力される対象の前記患者によって情報を利用することが同意されている前記機関を特定する第1処理と、
前記種類特定用情報格納手段に格納されている前記種類特定用情報に基づいて、前記医療情報格納手段に格納する対象となる医療情報の種類であって、前記種類特定用情報において前記第1処理で特定した前記機関に関連付けられている医療情報の種類を特定し、特定した種類の医療情報を入力して前記医療情報格納手段に格納するための前記情報入力欄を表示する第2処理と、を実行する、
請求項1から4の何れか一項に記載の医療システム。
【請求項6】
前記表示制御手段は、相互に関連する複数種類の医療情報を入力して格納するための複数の前記情報入力欄を表示し、
前記医療システムは、
複数の前記情報入力欄に入力された複数種類の医療情報相互間の整合性を確認する処理を行う確認手段、を更に備える、
請求項1から5の何れか一項に記載の医療システム。
【請求項7】
前記情報入力欄に入力された医療情報を前記医療情報格納手段に格納する格納制御手段、を更に備える、
請求項1から6の何れか一項に記載の医療システム。
【請求項8】
医療プログラムであって、
コンピュータを、
患者に関する複数種類の医療情報を格納する医療情報格納手段と、
医療情報を前記コンピュータに入力する入力者の属性を示す入力者属性情報、前記患者が罹患している病気を示す病気情報、又は前記患者の情報の取り扱いに関する当該患者の同意状況を示す同意状況情報の内の1個以上の情報に基づいて前記医療情報格納手段に格納する対象となる医療情報の種類を特定するための種類特定用情報を格納する種類特定用情報格納手段と、
前記種類特定用情報格納手段に格納されている前記種類特定用情報に基づいて前記医療情報格納手段に格納する対象となる医療情報の種類を特定し、特定した種類の医療情報を入力して前記医療情報格納手段に格納するための情報入力欄を表示手段に表示
し、且つ、特定した種類の医療情報以外の他の種類の医療情報を入力して前記医療情報格納手段に格納するための他の情報入力欄を前記表示手段に表示しない表示制御手段と、
として機能させる医療プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療システム及び医療プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療に関する情報を格納して、医療従事者の医療行為を支援する装置として、医療情報入力装置(特許文献1参照)や、いわゆる院内癌登録装置が知られていた。この医療情報入力装置は、医療従事者が患者に対して行った様々な検査のデータを含む病気の状態のデータを格納し、格納したデータを出力するように構成されていた。また、院内癌登録装置は、医療従事者が患者に対して行った治療のデータを格納し、格納したデータを出力するように構成されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の医療情報入力装置及び院内癌登録装置においては、例えば、多種類の医療情報を入力するための多数の入力欄が存在していたので、各入力者が所望する情報を入力するための入力欄を見つけ出して当該入力欄に情報を入力する入力作業が手間となり、当該入力作業の効率化の観点から改善の余地があった。
【0005】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、医療情報を効率的に入力することを可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の医療システムは、医療システムであって、患者に関する複数種類の医療情報を格納する医療情報格納手段と、医療情報を前記医療システムに入力する入力者の属性を示す入力者属性情報、前記患者が罹患している病気を示す病気情報、又は前記患者の情報の取り扱いに関する当該患者の同意状況を示す同意状況情報の内の1個以上の情報に基づいて前記医療情報格納手段に格納する対象となる医療情報の種類を特定するための種類特定用情報を格納する種類特定用情報格納手段と、前記種類特定用情報格納手段に格納されている前記種類特定用情報に基づいて前記医療情報格納手段に格納する対象となる医療情報の種類を特定し、特定した種類の医療情報を入力して前記医療情報格納手段に格納するための情報入力欄を表示手段に表示し、且つ、特定した種類の医療情報以外の他の種類の医療情報を入力して前記医療情報格納手段に格納するための他の情報入力欄を前記表示手段に表示しない表示制御手段と、を備える。
【0007】
また、請求項2に記載の医療システムは、請求項1に記載の医療システムにおいて、前記入力者属性情報は、医療情報を前記医療システムに入力する主入力者の属性を示す主入力者属性情報、及び医療情報を前記医療システムに前記主入力者の代わり入力する副入力者の属性を示す副入力者属性情報を含み、前記種類特定用情報は、前記主入力者属性情報又は前記副入力者属性情報と、前記医療情報格納手段に格納する対象となる医療情報の種類とを相互に関連付けている情報を含み、前記表示制御手段は、前記医療システムに入力者がログインした場合に、ログインした当該入力者の属性を特定し、当該特定した属性と前記種類特定用情報とに基づいて、当該特定した属性を示している前記主入力者属性情報と関連付けられている医療情報の種類である第1種類と、当該特定した属性を示している前記副入力者属性情報と関連付けられている医療情報の種類である第2種類とを特定し、特定した前記第1種類の医療情報を入力して格納するための前記情報入力欄である第1情報入力欄と、特定した前記第2種類の医療情報を入力して格納するための前記情報入力欄である第2情報入力欄と、を表示する。
また、請求項3に記載の医療システムは、請求項2に記載の医療システムにおいて、前記表示制御手段は、前記第1情報入力欄及び前記第2情報入力欄を、前記表示手段における1個の画面上に表示する。
また、請求項4に記載の医療システムは、請求項2又は3に記載の医療システムにおいて、前記表示制御手段は、前記第1情報入力欄の表示態様と、前記第2情報入力欄の表示態様と、を相互に異ならせる。
また、請求項5に記載の医療システムは、請求項1から4の何れか一項に記載の医療システムにおいて、前記同意状況情報は、医療に関する機関において前記患者の情報を利用することに同意したか否かを示し、前記種類特定用情報は、前記患者によって情報を利用することが同意されている前記機関を示す情報と、前記医療情報格納手段に格納する対象となる医療情報の種類とを相互に関連付けている情報を含み、前記表示制御手段は、前記同意状況情報に基づいて、前記医療情報格納手段に医療情報が入力される対象の前記患者によって情報を利用することが同意されている前記機関を特定する第1処理と、前記種類特定用情報格納手段に格納されている前記種類特定用情報に基づいて、前記医療情報格納手段に格納する対象となる医療情報の種類であって、前記種類特定用情報において前記第1処理で特定した前記機関に関連付けられている医療情報の種類を特定し、特定した種類の医療情報を入力して前記医療情報格納手段に格納するための前記情報入力欄を表示する第2処理と、を実行する。
【0008】
また、請求項6に記載の医療システムは、請求項1から5の何れか一項に記載の医療システムにおいて、前記表示制御手段は、相互に関連する複数種類の医療情報を入力して格納するための複数の前記情報入力欄を表示し、前記医療システムは、複数の前記情報入力欄に入力された複数種類の医療情報相互間の整合性を確認する処理を行う確認手段、を更に備える。
【0009】
また、請求項7に記載の医療システムは、請求項1から6の何れか一項に記載の医療システムにおいて、前記情報入力欄に入力された医療情報を前記医療情報格納手段に格納する格納制御手段、を更に備える。
【0010】
また、請求項8に記載の医療プログラムは、医療プログラムであって、コンピュータを、患者に関する複数種類の医療情報を格納する医療情報格納手段と、医療情報を前記コンピュータに入力する入力者の属性を示す入力者属性情報、前記患者が罹患している病気を示す病気情報、又は前記患者の情報の取り扱いに関する当該患者の同意状況を示す同意状況情報の内の1個以上の情報に基づいて前記医療情報格納手段に格納する対象となる医療情報の種類を特定するための種類特定用情報を格納する種類特定用情報格納手段と、前記種類特定用情報格納手段に格納されている前記種類特定用情報に基づいて前記医療情報格納手段に格納する対象となる医療情報の種類を特定し、特定した種類の医療情報を入力して前記医療情報格納手段に格納するための情報入力欄を表示手段に表示し、且つ、特定した種類の医療情報以外の他の種類の医療情報を入力して前記医療情報格納手段に格納するための他の情報入力欄を前記表示手段に表示しない表示制御手段と、として機能させる。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の医療システム、及び請求項8に記載の医療プログラムによれば、種類特定用情報に基づいて医療情報格納手段に格納する対象となる医療情報の種類を特定し、特定した種類の医療情報を入力して格納するための情報入力欄を表示することにより、例えば、必要な情報入力欄を表示することができるので、医療情報を効率的に入力することが可能となる。
【0012】
請求項2に記載の医療システムによれば、例えば、ログインした入力者が入力を担当している医療情報に関する情報入力欄を表示することができるので、医療情報を効率的に入力することが可能となる。
【0013】
請求項6に記載の医療システムによれば、複数種類の医療情報相互間の整合性を確認することにより、例えば、複数種類の医療情報の整合性を維持することが可能となる。
【0014】
請求項7に記載の医療システムによれば、情報入力欄に入力された医療情報を格納することにより、例えば、医療情報を適切に格納することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施の形態に係る医療関連システムを示すブロック図である。
【
図4】医療情報として格納されている各種テーブルを例示した図である。
【
図7】エピソード情報テーブルを例示した図である。
【
図17】看護師用情報格納処理のフローチャートである。
【
図19】医師用情報格納処理のフローチャートである。
【
図21】CRC用情報格納処理のフローチャートである。
【
図23】検査技師用情報格納処理のフローチャートである。
【
図26】他の入力情報特定情報を例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明に係る医療システム及び医療プログラムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0017】
〔実施の形態の基本的概念〕
まずは、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、医療システム及び医療プログラムに関するものである。
【0018】
ここで、「医療システム」とは、医療に関するシステムであり、例えば、医療行為に従事する者である医療従事者(例えば、医師、看護師、CRC(Clinical Research Coordinator:治験コーディネーター)、検査技師、薬剤師、又は医療事務員等)の業務を支援するためのシステム等を含む概念であり、例えば、医療情報格納手段、種類特定用情報格納手段、及び表示制御手段を備え、任意で、確認手段、及び格納制御手段を備える。なお、この「医療システム」は、例えば、医療に関する専用システムとして構成されたシステム、又は、汎用のシステム(例えば、パーソナルコンピュータ、又はサーバコンピュータ等)に医療に関する機能を実装することにより構成されたシステム等を含む概念である。また、この「医療システム」とは、1つのみのコンピュータによって実現されるもの、あるいは、分散配置されている複数のコンピュータ(つまり、クラウドコンピュータ)によって実現されるもの等を含む概念である。
【0019】
「医療情報格納手段」とは、患者に関する複数種類の医療情報を格納する手段である。「医療情報」とは、医療に関連する情報であり、具体的な情報は任意であるが、実施の形態において例示する。
【0020】
「種類特定用情報格納手段」とは、種類特定用情報を格納する手段である。「種類特定用情報」とは、入力者属性情報、病気情報、又は同意状況情報の内の1個以上の情報に基づいて医療情報格納手段に格納する対象となる医療情報の種類を特定するための情報であり、例えば、主入力者属性情報又は副入力者属性情報と、医療情報格納手段に格納する対象となる医療情報の種類とを相互に関連付けている情報等を含む概念である。
【0021】
「入力者属性情報」とは、医療情報を医療システムに入力する入力者の属性を示す情報であり、例えば、主入力者属性情報、及び副入力者属性を含む概念である。「入力者の属性」とは、入力者の特性又は性質を示す概念であり、例えば、入力者の職種(医師、看護師、CRC、検査技師、薬剤師、又は医療事務員等)等を含む概念である。「主入力者属性情報」とは、医療情報を医療システムに入力する主入力者の属性を示す情報であり、また、「副入力者属性情報」とは、医療情報を医療システムに主入力者の代わり入力する副入力者の属性を示す情報である。
【0022】
なお、医療情報の入力者については、例えば、前述のように主入力者及び副入力者に分けてもよいし、あるいは、主入力者のみとしてもよい。主入力者及び副入力者に分ける場合、基本的には主入力者が情報を入力することになるが、入力するべき情報を当該主入力者が入力していない場合に、副入力者が主入力者の代わりに情報を入力することも可能となる。
【0023】
「病気情報」とは、患者が罹患している病気を示す情報である。
【0024】
「同意状況情報」とは、患者の情報の取り扱いに関する当該患者又は患者の家族の同意状況を示す情報であり、例えば、医療の発展のために患者の情報を様々な機構、機関、会社、又は計画等(以下、様々な機構、機関、会社、又は計画等を「様々な機関等」とも称する)において利用することについて、当該患者等が同意しているか否かを示す情報、あるいは、同意した日付を示す情報等を含む概念である。
【0025】
「表示制御手段」とは、種類特定用情報格納手段に格納されている種類特定用情報に基づいて医療情報格納手段に格納する対象となる医療情報の種類を特定し、特定した種類の医療情報を入力して医療情報格納手段に格納するための情報入力欄を表示手段に表示する手段である。「表示制御手段」とは、例えば、医療システムに入力者がログインした場合に、ログインした当該入力者の属性を特定し、当該特定した属性と種類特定用情報とに基づいて、当該特定した属性を示している主入力者属性情報又は副入力者属性情報と関連付けられている医療情報の種類を特定し、特定した種類の医療情報を入力して格納するための情報入力欄を表示する手段等を含む概念であり、また、相互に関連する複数種類の医療情報を入力して格納するための複数の情報入力欄を表示する手段等を含む概念である。
【0026】
「確認手段」とは、複数の情報入力欄に入力された複数種類の医療情報相互間の整合性を確認する処理を行う手段である。なお、「複数の情報入力欄に入力された複数種類の医療情報」とは、例えば、複数の情報入力欄に入力されて医療情報格納手段に格納された複数種類の医療情報を含む概念であるものと解釈してもよい。また、「格納制御手段」とは、情報入力欄に入力された医療情報を医療情報格納手段に格納する手段である。
【0027】
そして、以下に示す実施の形態では、入力者属性情報、病気情報、又は同意状況情報の内の、入力者属性情報又は病気情報に基づいて、医療情報格納手段に格納する対象となる医療情報の種類を特定する場合を例示して説明し、同意状況情報に基づいて、医療情報格納手段に格納する対象となる医療情報の種類を特定する場合については、変形例において説明する。
【0028】
(構成)
まず、本実施の形態に係る医療関連システムの構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係る医療関連システムを示すブロック図である。なお、実際には、医療関連システム100においては、様々な属性の多数のユーザが自己の端末装置1を用いて、医療支援装置2にアクセスすることになるが、本実施の形態では、1個の病院の医療従事者であるユーザが医療支援装置2にアクセスする場合を例示して説明する。例えば、
図1に示すように、氏名が「U1」である看護師のユーザ、氏名が「U2」である医師のユーザ、氏名が「U3」であるCRCのユーザ、及び氏名が「U4」である検査技師のユーザが、自己の端末装置101~104を用いて、医療支援装置2にアクセスする場合について説明する。なお、「U1」等は便宜上の記載である。また、端末装置101~104に総称する場合、端末装置1と称する。
【0029】
図1に示す医療関連システム100は、例えば、端末装置1、及び医療支援装置2を備える。
【0030】
(構成-端末装置)
図2は、端末装置を示すブロック図である。
図1の端末装置1は、ユーザによって用いられるコンピュータであり、例えば、タブレット端末、又はパーソナルコンピュータ等として構成することができるが、本実施の形態では、タブレット端末である場合について説明する。端末装置1は、
図2に示すように、例えば、通信部11、タッチパッド12、ディスプレイ13、記録部14、及び制御部15を備える。
【0031】
(構成-端末装置-通信部)
図2の通信部11は、外部装置(例えば、医療支援装置2)との間で通信を行う通信手段であり、例えば、公知の通信回路等を用いて構成することができる。
【0032】
(構成-端末装置-タッチパッド)
図2のタッチパッド12は、ユーザの指等で押圧されることにより、当該ユーザから各種操作入力を受け付ける操作手段である。このタッチパッド12の具体的な構成は任意であるが、例えば、抵抗膜方式や静電容量方式等による操作位置検出手段を備えた公知のものを用いることができる。
【0033】
(構成-端末装置-ディスプレイ)
図2のディスプレイ13は、制御部15の制御に基づいて各種の画像を表示する表示手段である。このディスプレイ13の具体的な構成は任意であるが、例えば、公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイ等を用いることができる。なお、上記のタッチパッド12とディスプレイ13とを相互に重畳させてタッチパネルとして一体形成しても構わない。
【0034】
(構成-端末装置-記録部)
図2の記録部14は、端末装置1の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、公知の記録装置を用いて構成される。この公知の記録装置としては、例えば、フラッシュメモリ等を用いて構成することができる。
【0035】
(構成-端末装置-制御部)
図1の制御部15は、端末装置1を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである(他の装置の制御部も同様とする)。特に、実施の形態に係るプログラムは、任意の記録媒体又はネットワークを介して端末装置1にインストールされることで、制御部15の各部を実質的に構成する(他の装置の制御部も同様とする)。なお、この制御部15により行われる処理については後述する。
【0036】
(構成-医療支援装置)
図1の医療支援装置2は、医療システムであり、例えば、通信部21、記録部22、及び制御部23を備える。
【0037】
(構成-医療支援装置-通信部)
図1の通信部21は、外部装置(例えば、端末装置1)との間で通信を行う通信手段であり、例えば、端末装置1の通信部11と同様にして構成することができる。
【0038】
(構成-医療支援装置-記録部)
図1の記録部22は、医療支援装置2の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、公知の記録装置を用いて構成される。この公知の記録装置としては、例えば、外部記録装置としてのハードディスク、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、DVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体、又はFlash、ROM、USBメモリ、又は、SDカードの如き電気的記録媒体、あるいは、その他の任意の記録媒体を用いることができる。
【0039】
この記録部22は、ユーザ情報データベース(以下、「データベース」を「DB」と称する)221、医療情報DB222、入力情報特定情報DB223、検査項目特定情報DB224、確認用基準情報DB225、及び入力画面関連情報DB226を備える。
【0040】
(構成-医療支援装置-記録部-ユーザ情報DB)
図1のユーザ情報DB221は、ユーザ情報を格納するユーザ情報格納手段である。「ユーザ情報」とは、医療関連システム100のユーザに関する情報である。
図3は、ユーザ情報を例示した図である。なお、
図3における「…」は、情報が省略されていること示す(他の図でも同様とする)。ユーザ情報においては、
図3に示すように、項目「ユーザID」に対応する情報と、項目「ユーザ名」に対応する情報と、項目「職種」に対応する情報とが相互に関連付けられている。項目「ユーザID」に対応する情報は、ユーザを一意に識別するためのユーザ識別情報(識別情報を「ID」とも称する)である(
図3では、「IDu1」等)。項目「ユーザ名」に対応する情報は、ユーザの氏名を示す情報である(
図3では、前述の便宜上の記載である「U1」等)。項目「職種」に対応する情報は、ユーザの職種(つまり、属性)を示す情報である(
図3では、「看護師」等)。
【0041】
そして、このユーザ情報における例えば最上段の情報(「IDu1」、「U1」、及び「看護師」の組み合わせの情報)については、
図1に示す「U1」のユーザに関する情報であり、例えば、氏名が「U1」のユーザのユーザIDが「IDu1」であることが示されており、また、当該ユーザの職種が「看護師」であることが示されている。なお、このようなユーザ情報の具体的な格納手法は任意であるが、例えば、医療関連システム100が適用される病院の医療従事者(つまり、ユーザ)に関する情報を任意の手法(例えば、各ユーザが自己の端末装置1を用いて医療支援装置2にアクセスして入力する手法、管理者が自己の端末装置を用いて医療支援装置2にアクセスして入力する手法、あるいは、医療支援装置2の不図示の入力手段(キーボード又はマウス等)を用いて入力する手法等)で医療支援装置2に入力した場合、制御部23が、当該入力された情報に基づいて格納することとする。
【0042】
(構成-医療支援装置-記録部-医療情報DB)
図1の医療情報DB222は、医療情報を格納する医療情報格納手段である。「医療情報」とは、前述したように、医療に関連する情報であり、本実施の形態では、病気である癌に関する様々な情報が医療情報である場合について説明する。
図4は、医療情報として格納されている各種テーブルを例示した図である。
図1の医療情報DB222には、医療情報として、例えば
図4に示すように、患者情報テーブルT1、患者詳細情報テーブルT2、エピソード情報テーブルT3、治療情報テーブルT4、効果判定情報テーブルT5、副作用情報テーブルT6、及び検査情報テーブルT7が格納されている。なお、「テーブル」とは、例えば、相互に関連付けられている複数種類の情報を示す概念であるものと解釈してもよい。
【0043】
(構成-医療支援装置-記録部-医療情報DB-患者情報テーブル)
図4の患者情報テーブルT1は、患者に関する情報を示すテーブルである。
図5は、患者情報テーブルを例示した図である。患者情報テーブルT1においては、
図5に示すように、例えば、項目「患者ID」に対応する情報と、項目「患者名」に対応する情報と、項目「性別」に対応する情報と、項目「生年月日」に対応する情報と、項目「更新日」に対応する情報とが相互に関連付けられている。
【0044】
項目「患者ID」に対応する情報は、患者を一意に識別するための患者IDである(
図5では、「IDp1」等)。項目「患者名」に対応する情報は、患者の氏名を示す情報である(
図5では、「AA」等)。項目「性別」に対応する情報は、患者の性別を示す情報である(
図5では、「男性」等)。項目「生年月日」に対応する情報は、患者の生年月日を示す情報である(
図5では、1960年01月01日を示す「1960/1/1」等)。項目「更新日」に対応する情報は、前述の各情報が格納又は更新された日を示す情報である(
図5では、2020年6月20日を示す「2020/6/20」等)。
【0045】
なお、各テーブルにおいて具体的に図示されている各情報は、説明の便宜上の記載であることとする(各テーブル以外の各図の具体的に図示されている各情報も同様とする)。
【0046】
そして、このような患者情報テーブルT1における例えば最上段の情報(「IDp1」、「AA」、「男性」、「1960/1/1」、及び「2020/6/20」の組み合わせの情報)については、例えば、氏名が「AA」である患者の患者IDが「IDp1」であることが示されており、また、当該患者の性別及び生年月日が「男性」及び「1960/1/1」が示す日であることが示されており、また、当該各情報が格納又は更新された日が「2020/6/20」が示す日であることが示されている。なお、この患者情報テーブルT1の具体的な格納手法については後述する(他の各テーブルも同様とする)。
【0047】
(構成-医療支援装置-記録部-医療情報DB-患者詳細情報テーブル)
図4の患者詳細情報テーブルT2は、患者に関する詳細情報を示すテーブルである。
図6は、患者詳細情報テーブルを例示した図である。患者詳細情報テーブルT2においては、
図6に示すように、例えば、項目「患者ID」に対応する情報と、項目「A同意」に対応する情報と、項目「B同意」に対応する情報と、項目「C同意」に対応する情報と、項目「喫煙歴有無」に対応する情報と、項目「喫煙年数」に対応する情報と、項目「1日の本数」に対応する情報と、項目「アルコール多飲」に対応する情報と、項目「家族歴」に対応する情報と、項目「更新日」に対応する情報とが相互に関連付けられている。なお、項目「患者ID」に対応する情報、及び項目「更新日」に対応する情報は、
図5の同一名称の情報と同様である。
【0048】
項目「A同意」に対応する情報、項目「B同意」に対応する情報、及び項目「C同意」に対応する情報は、前述の同意状況情報であり、具体的には、「様々な機関等」において患者の情報の取り扱いに関する当該患者又は患者の家族の同意状況を示す情報である。詳細には、項目「A同意」に対応する情報は、A機関で情報を利用することに関する同意状況を示す情報である(
図6では、利用することについて2020年7月10日に同意したことを示す「有(2020/7/10)」、又は、利用することについて同意していないことを示す「無」等)。項目「B同意」に対応する情報は、B機関で情報を利用することに関する同意状況を示す情報であり、また、項目「C同意」に対応する情報は、C機関で情報を利用することに関する同意状況を示す情報であり、
図6には、項目「A同意」に対応する情報と同様な情報が例示されている。
【0049】
項目「喫煙歴有無」に対応する情報は、喫煙習慣の有無を示す情報である(
図6では、喫煙習慣が有ることを示す「有」、及び不図示であるが、当該習慣が無いことを示す「無」等)。項目「喫煙年数」に対応する情報は、喫煙習慣の継続年数を示す情報である(
図6では、「50年」等)。項目「1日の本数」に対応する情報は、1日に喫煙する煙草の本数を示す情報である(
図6では、「20本」等)。項目「アルコール多飲」に対応する情報は、1回の飲酒の機会において所定量以上のアルコール飲料を飲むか否かを示す情報である(
図6では、所定量以上のアルコール飲料を飲まないことを示す「無」、及び不図示であるが、当該所定量以上のアルコール飲料を飲むことを示す「有」)。項目「家族歴」に対応する情報は、患者の家族における癌の罹患歴を示す情報である(
図6では、癌に罹患した家族が存在しないことを示す「無」、及び癌に罹患した家族が存在し、当該家族が患者の父であり、罹患した癌種区分が肝臓癌であり、罹患した年齢が80歳であることを示す「有,父,肝臓癌,80歳」等)。
【0050】
そして、このような患者詳細情報テーブルT2における例えば最上段の情報(「IDp1」、「有(2020/7/10)」、「有(2020/7/10)」、「有(2020/7/10)」、「有」、「50年」、「20本」、「無」、「無」、「2020/7/10」の組み合わせの情報)については、例えば、「IDp1」が識別する患者について、A機関~C機関において情報を利用することについて、当該患者又は家族が2020年7月10日に同意したことが示されており、また、当該患者が50年の喫煙習慣を有することが示されており、また、1日に喫煙する煙草の本数が20本であることが示されており、また、1回の飲酒の機会において所定量以上のアルコール飲料を飲まないことが示されており、また、癌に罹患した家族が存在しないことが示されており、また、当該各情報が格納又は更新された日が「2020/7/10」が示す日であることが示されている。
【0051】
(構成-医療支援装置-記録部-医療情報DB-エピソード情報テーブル)
図4のエピソード情報テーブルT3は、患者の病気(本実施の形態では癌)の状態に関する情報を示すテーブルである。
図7は、エピソード情報テーブルを例示した図である。エピソード情報テーブルT3においては、
図7に示すように、例えば、項目「エピソードID」に対応する情報と、項目「患者ID」に対応する情報と、項目「癌種区分」に対応する情報と、項目「癌組織」に対応する情報と、項目「癌分化度」に対応する情報と、項目「癌部位」に対応する情報と、項目「TNM分類」に対応する情報と、項目「ステージ」に対応する情報と、項目「更新日」に対応する情報とが相互に関連付けられている。なお、項目「患者ID」に対応する情報、及び項目「更新日」に対応する情報は、
図5の同一名称の情報と同様である。
【0052】
項目「エピソードID」に対応する情報は、エピソードを一意に識別するエピソードIDである(
図7では、「IDse1」等)。なお、この「エピソードID」に対応する情報は、病気の治療に関する推移を特定するために用いられる情報であり、本実施の形態では、進行又は回復して状態が経時的に変化し得る病気である癌に関する治療の推移を特定するために用いられる情報であり、例えば、癌の状態を一意に識別する情報でもある。すなわち、本実施の形態では、「エピソード」が「癌の状態」に対応するものと解釈してもよい。
【0053】
項目「癌種区分」に対応する情報は、前述の病気情報であり、癌の種類の区分を示す情報である(
図7では、癌が局在する(存在する)部位に基づく種類の区分であり、「胃癌」、及び不図示であるが「肺癌」等)。項目「癌組織」に対応する情報は、癌の組織型を示す情報である(
図7では、「管状腺癌」等)。項目「癌分化度」に対応する情報は、癌の分化度を示す情報である(
図7では、「低分化型」等)。項目「癌部位」に対応する情報は、癌が局在する(存在する)部位を示す情報である(
図7では、「胃・噴門」等)。項目「TNM分類」に対応する情報は、癌の進行の度合いを判断するための癌に関する指標を示す情報であり、例えば、UICC(Unio Internationalis Contra Cancrum)の基準又はその他の基準を含む任意の基準に応じて定められ得る情報であり、例えば、T因子としての癌の大きさ及び浸潤の情報、N因子としての癌のリンパ節転移の情報、及びM因子としての癌の遠隔転移の情報を含む情報である(
図7では、胃癌について、T因子が「1」であり且つN因子が「1」であり且つM因子が「0」であることを特定する「T=1,N=1,M=0」等)。項目「ステージ」に対応する情報は、癌の進行の度合いとして病期を示す情報であり、例えば、UICCの基準又はその他の基準を含む任意の基準に応じて定められ得る情報である(
図7では、ステージ1Aを示す「1A」等)。
【0054】
そして、このようなエピソード情報テーブルT3における例えば最上段の情報(「IDse1」、「IDp1」、「胃癌」、「管状腺癌」、「低分化型」、「胃・噴門」、「T=1,N=1,M=0」、「1A」、及び「2020/7/10」の組み合わせの情報)については、例えば、「IDp1」が識別する患者の癌種区分、癌組織、癌分化度、癌が局在する部位、TNM分類、及びステージが、「胃癌」、「管状腺癌」、「低分化型」、「胃・噴門」、「T=1,N=1,M=0」、及び「1A」であることが示されており、また、エピソードIDが「IDse1」であることが示されており、また、各情報が格納又は更新された日が「2020/7/10」が示す日であることが示されている。
【0055】
また、エピソード情報テーブルT3に項目「患者ID」に対応する情報が含まれているので、
図4に示すように、1人の患者の患者情報テーブルT1及び患者詳細情報テーブルT2に対して、多数のエピソード情報テーブルT3を関連付けることが可能となる。
【0056】
(構成-医療支援装置-記録部-医療情報DB-治療情報テーブル)
図4の治療情報テーブルT4は、患者の病気の治療に関する情報を示すテーブルである。
図8は、治療情報テーブルを例示した図である。治療情報テーブルT4においては、
図8に示すように、例えば、項目「治療情報ID」に対応する情報と、項目「エピソードID」に対応する情報と、項目「患者ID」に対応する情報と、項目「薬剤名」に対応する情報と、項目「処方日」に対応する情報と、項目「更新日」に対応する情報とが相互に関連付けられている。なお、項目「エピソードID」に対応する情報、項目「患者ID」に対応する情報、及び項目「更新日」に対応する情報は、
図7の同一名称の情報と同様である(後述する
図11の同一名称の情報も同様である)。
【0057】
項目「治療情報ID」に対応する情報は、患者の病気の治療に関する情報を一意に識別するための治療情報IDである(
図8では、「IDsm1」等)。項目「薬剤名」に対応する情報は、患者の病気の治療のために用いた薬剤の名称を示す情報である(
図8では、「A1薬」等)。項目「処方日」に対応する情報は、患者に対して薬剤を処方した日を示す情報である(
図8では、「2020/7/10」等)。
【0058】
そして、このような治療情報テーブルT4における例えば最上段の情報(「IDsm1」、「IDse1」、「IDp1」、「A1薬」、「2020/7/10」、及び「2020/7/10」の組み合わせの情報)については、例えば、「IDse1」が識別するエピソードとなっている患者(「IDp1」が識別する患者)に対して、「2020/7/10」が示す日に、「A1薬」が処方されたことが示されており、また、治療情報IDが「IDsm1」であることが示されており、また、各情報が格納又は更新された日が「2020/7/10」が示す日であることが示されている。
【0059】
また、治療情報テーブルT4に項目「エピソードID」及び項目「患者ID」に対応する情報が含まれているので、
図4に示すように、1人の患者の1個のエピソードを示すエピソード情報テーブルT3に対して、多数の治療情報テーブルT4を関連付けることが可能となる(後述の検査情報テーブルT7も同様である)。
【0060】
(構成-医療支援装置-記録部-医療情報DB-効果判定情報テーブル)
図4の効果判定情報テーブルT5は、患者に対して行った治療の効果に関する情報を示すテーブルである。
図9は、効果判定情報テーブルを例示した図である。効果判定情報テーブルT5においては、
図9に示すように、例えば、項目「効果判定情報ID」に対応する情報と、項目「エピソードID」に対応する情報と、項目「患者ID」に対応する情報と、項目「治療情報ID」に対応する情報と、項目「効果判定結果」に対応する情報と、項目「効果判定日」に対応する情報と、項目「更新日」に対応する情報とが相互に関連付けられている。なお、項目「エピソードID」に対応する情報、項目「患者ID」に対応する情報、項目「治療情報ID」に対応する情報、及び項目「更新日」に対応する情報は、
図8の同一名称の情報と同様である(後述する
図10の同一名称の情報も同様である)。
【0061】
項目「効果判定情報ID」に対応する情報は、患者に対して行った治療の効果に関する情報を一意に識別する効果判定情報IDである(
図9では、「IDsj1」等)。項目「効果判定結果」に対応する情報は、患者に対して行った治療の効果について判定した判定結果を示す情報である(
図9では、治療の効果が比較的小さく癌が進行したことを示す「進行」、及び治療の効果が比較的大きく癌の進行が停止又は癌が縮小したことを示す「奏功」等)。項目「効果判定日」に対応する情報は、患者に対して行った治療について判定した日を示す情報である(
図9では、「2020/8/15」等)。
【0062】
そして、このような効果判定情報テーブルT5における例えば最上段の情報(「IDsj1」、「IDse1」、「IDp1」、「IDsm1」、「進行」、「2020/8/15」、「2020/8/15」の組み合わせの情報)については、例えば、「IDse1」が識別するエピソードとなっている患者(「IDp1」が識別する患者)に対して行われた「IDsm1」が示す治療について判定した効果が「進行」であることが示されており、また、当該判定が行われた日が「2020/8/15」が示す日であることが示されており、また、効果判定情報IDが「IDsj1」であることが示されており、また、各情報が格納又は更新された日が「2020/8/15」が示す日であることが示されている。
【0063】
また、効果判定情報テーブルT5に項目「エピソードID」、項目「患者ID」、及び項目「治療情報ID」に対応する情報が含まれているので、
図4に示すように、1人の患者の1個のエピソードにおける治療に関する治療情報テーブルT4に対して、多数の効果判定情報テーブルT5を関連付けることが可能となる(後述する副作用情報テーブルT6も同様である)。
【0064】
(構成-医療支援装置-記録部-医療情報DB-副作用情報テーブル)
図4の副作用情報テーブルT6は、患者に対して行った治療の副作用に関する情報を示すテーブルである。
図10は、副作用情報テーブルを例示した図である。副作用情報テーブルT6においては、
図10に示すように、例えば、項目「副作用情報ID」に対応する情報と、項目「エピソードID」に対応する情報と、項目「患者ID」に対応する情報と、項目「治療情報ID」に対応する情報と、項目「副作用名」に対応する情報と、項目「グレード」に対応する情報と、項目「副作用発現日」に対応する情報と、項目「副作用収束日」に対応する情報と、項目「更新日」に対応する情報とが相互に関連付けられている。
【0065】
項目「副作用情報ID」に対応する情報は、患者に対して行った治療の副作用に関する情報を一意に識別する副作用情報IDである(
図10では、「IDss1」等)。項目「副作用名」に対応する情報は、発生した副作用の名称を示す情報である(
図10では、「嘔吐」等)。項目「グレード」に対応する情報は、発生した副作用の程度を示す情報である(
図10では、所定個数の段階に副作用の程度が分けられており、何れの段階に該当するかを数値で示すこととし「2」等)。項目「副作用発現日」に対応する情報は、副作用が発生した日を示す情報である(
図10では、「2020/7/12」等)。項目「副作用収束日」に対応する情報は、副作用が収束した日を示す情報である(
図10では、「2020/7/15」等)。
【0066】
そして、このような副作用情報テーブルT6における例えば最上段の情報(「IDss1」、「IDse1」、「IDp1」、「IDsm1」、「嘔吐」、「2」、「2020/7/12」、「2020/7/15」、「2020/7/20」の組み合わせの情報)については、例えば、「IDse1」が識別するエピソードとなっている患者(「IDp1」が識別する患者)に対して行われた「IDsm1」が示す治療についての副作用名、グレード、副作用発現日、副作用収束日が、「嘔吐」、「2」、「2020/7/12」が示す日、「2020/7/15」が示す日であることが示されており、また、副作用情報IDが「IDss1」であることが示されており、また、各情報が格納又は更新された日が「2020/7/20」が示す日であることが示されている。
【0067】
(構成-医療支援装置-記録部-医療情報DB-検査情報テーブル)
図4の検査情報テーブルT7は、患者に対して行った検査に関する情報を示すテーブルである。
図11は、検査情報テーブルを例示した図である。検査情報テーブルT7においては、
図11に示すように、例えば、項目「検査情報ID」に対応する情報と、項目「エピソードID」に対応する情報と、項目「患者ID」に対応する情報と、項目「検査項目名」に対応する情報と、項目「検査値」に対応する情報と、項目「検査日」に対応する情報と、項目「更新日」に対応する情報とが相互に関連付けられている。
【0068】
項目「検査情報ID」に対応する情報は、患者に対して行った検査に関する情報を一意に識別する検査情報IDである(
図11では、「IDst1」等)。項目「検査項目名」に対応する情報は、患者に対して行った又は行う検査項目の名称を示す情報である(
図11では、「KRAS」等)。項目「検査値」に対応する情報は、患者に対して行った検査の結果である検査値を示す情報である(
図11では、「D1」等)。項目「検査日」に対応する情報は、患者に対して検査を行った日を示す情報である(
図11では、「2020/7/10」等)。
【0069】
そして、このような検査情報テーブルT7における例えば最上段の情報(「IDst1」、「IDse1」、「IDp1」、「KRAS」、「D1」、「2020/7/10」、及び「2020/7/10」の組み合わせの情報)については、例えば、「IDse1」が識別するエピソードとなっている患者(「IDp1」が識別する患者)に対して行われた検査項目の名称、検査値、検査日が、「KRAS」、「D1」、「2020/7/10」が示す日であることが示されており、また、検査情報IDが「IDst1」であることが示されており、また、各情報が格納又は更新された日が「2020/7/10」が示す日であることが示されている。
【0070】
(構成-医療支援装置-記録部-入力情報特定情報DB)
図1の入力情報特定情報DB223は、前述の種類特定用情報格納手段であり、具体的には、入力情報特定情報を格納する入力情報特定情報格納手段である。「入力情報特定情報」とは、前述の種類特定用情報であり、少なくとも、入力者の属性に基づいて医療情報DB222に格納する対象となる医療情報の種類を特定するための情報である。
図12は、入力情報特定情報を例示した図である。
【0071】
図12の入力情報特定情報においては、概略的には、項目「医療情報」に対応する情報と、項目「ユーザの職種」に対応する情報とが相互に関連付けられており、各医療情報を入力するユーザの職種に対応する欄に、主入力者であることを示す「主」又は副入力者であることを示す「副」が格納されている。
【0072】
詳細には、例えば、項目「医療情報」に対応する情報には、項目「テーブル」に対応する情報と、項目「情報」に対応する情報とが含まれている。項目「テーブル」に対応する情報は、
図5~
図11に示す医療情報として格納されている各テーブルを示す情報であり、また、項目「情報」に対応する情報は、当該各テーブルに含まれている具体的な情報の種類を示している。すなわち、例えば、
図12の最上段の項目「テーブル」=「患者情報」及び項目「情報」=「患者名」に対応する情報は、
図5の患者情報テーブルT1の項目「患者名」に対応する情報を示している。また、例えば、
図12の4段目の項目「テーブル」=「エピソード情報」及び項目「情報」=「癌種区分」に対応する情報は、
図7のエピソード情報テーブルT3の項目「癌種区分」に対応する情報を示している。
【0073】
また、例えば、項目「医療情報」に対応する情報には、項目「医師」、項目「看護師」、項目「CRC」、及び項目「検査技師」に対応する情報が含まれており、これらの各情報に対応する欄の少なくとも一部に前述の「主」又は「副」が格納されている。なお、ここで格納されている「主」が「主入力者属性情報」に対応しており、また、「副」が「副入力者属性情報」に対応しているものと解釈してもよい。
【0074】
そして、この
図12の入力情報特定情報においては、例えば、項目「テーブル」及び項目「情報」が示す医療情報について、項目「医師」に対応する欄に「主」が格納されている場合、当該医療情報の主入力者の属性(職種)が「医師」であることが示されており、また、項目「医師」に対応する欄に「副」が格納されている場合、当該医療情報の副入力者の属性(職種)が「医師」であることが示されていることになる。また、同様にして、例えば、項目「テーブル」及び項目「情報」が示す医療情報について、項目「看護師」に対応する欄に「主」が格納されている場合、当該医療情報の主入力者の属性(職種)が「看護師」であることが示されており、また、項目「看護師」に対応する欄に「副」が格納されている場合、当該医療情報の副入力者の属性(職種)が「看護師」であることが示されていることになる。また、同様にして、例えば、項目「テーブル」及び項目「情報」が示す医療情報について、項目「CRC」に対応する欄に「主」が格納されている場合、当該医療情報の主入力者の属性(職種)が「CRC」であることが示されており、また、項目「CRC」に対応する欄に「副」が格納されている場合、当該医療情報の副入力者の属性(職種)が「CRC」であることが示されていることになる。また、同様にして、例えば、項目「テーブル」及び項目「情報」が示す医療情報について、項目「検査技師」に対応する欄に「主」が格納されている場合、当該医療情報の主入力者の属性(職種)が「検査技師」であることが示されており、また、項目「検査技師」に対応する欄に「副」が格納されている場合、当該医療情報の副入力者の属性(職種)が「検査技師」であることが示されていることになる。
【0075】
よって、例えば、
図12の8段目の項目「テーブル」=「患者詳細情報」及び項目「情報」=「喫煙歴有無」に対応する情報については、項目「医師」に対応する欄に「副」が格納されており、また、項目「看護師」に対応する欄に「主」が格納されており、また、項目「CRC」及び「検査技師」に対応する欄には「主」及び「副」が格納されていないので、項目「テーブル」=「患者詳細情報」及び項目「情報」=「喫煙歴有無」に対応する
図6の患者詳細情報テーブルT2の項目「喫煙歴有無」に対応する情報については、主入力者が「看護師」であり且つ副入力者が「医師」であることが示されていることになる。
【0076】
なお、
図12において、項目「情報」=「TNM分類(T)」、「TNM分類(N)」、及び「TNM分類(M)」は、
図7の項目「TNM分類」に対応する情報の内のT因子、N因子、M因子に関する情報を示していることとする。また、
図12において、項目「情報」=「検査値(EGFR)」は、
図11の項目「検査項目名」に対応する情報が「EGFR」である項目「検査値」に対応する情報(つまり、項目「検査項目名」=「EGFR」(
図11では「EGFR」は不図示)に関連付けられている項目「検査値」の情報)を示していることとする(後述する
図15の入力画面関連情報でも同様とする)。
【0077】
なお、このような入力情報特定情報の具体的な格納手法は任意であるが、例えば、入力情報特定情報に関する情報を任意の手法(例えば、管理者が自己の端末装置を用いて医療支援装置2にアクセスして入力する手法、あるいは、医療支援装置2の不図示の入力手段(キーボード又はマウス等)を用いて入力する手法等)で医療支援装置2に入力した場合、制御部23が、当該入力された情報に基づいて格納することとする(なお、後述する
図13の検査項目特定情報、及び
図15の入力画面関連情報も同様とする)。
【0078】
(構成-医療支援装置-記録部-検査項目特定情報DB)
図1の検査項目特定情報DB224は、前述の種類特定用情報格納手段であり、具体的には、検査項目特定情報を格納する検査項目特定情報格納手段である。「検査項目特定情報」とは、前述の種類特定用情報であり、少なくとも、患者が罹患している病気に基づいて医療情報DB222に格納する対象となる医療情報の種類を特定するための情報である。
図13は、検査項目特定情報を例示した図である。検査項目特定情報においては、
図13に示すように、項目「癌種区分」に対応する情報と、項目「検査項目名」に対応する情報とが相互に関連付けられている。なお、この各項目に対応する情報は、
図7及び
図11の同一名称の情報と同様である。
【0079】
そして、この検査項目特定情報における例えば最上段の情報(「肺癌」及び「EGFR」の組み合わせの情報)については、患者が罹患して病気が「肺癌」である場合に、当該患者に対して行う検査項目の名称が「EGFR」であることが示されている。すなわち、この検査項目特定情報においては、例えば、患者が罹患して病気が「肺癌」である場合に、当該患者に対して行う検査項目の名称が「EGFR」、「ALK融合」、及び「ROS1」であること、及び、患者が罹患して病気が「乳癌」である場合に、当該患者に対して行う検査項目の名称が「HER2(IHC)」、及び「HER2(FISH)」であることと等が示されている。
【0080】
(構成-医療支援装置-記録部-確認用基準情報DB)
図1の確認用基準情報DB225は、確認用基準情報を格納する確認用基準情報格納手段である。「確認用基準情報」とは、医療情報DB222に格納されている複数種類の医療情報相互間の整合性を確認するための基準となる情報である。
図14は、確認用基準情報を例示した図である。確認用基準情報においては、
図14に示すように、項目「癌種区分」に対応する情報と、項目「TNM分類」に対応する情報と、項目「ステージ」に対応する情報とが相互に関連付けられている。なお、この各項目に対応する情報は、
図7の同一名称の情報と同様である。
【0081】
そして、この確認用基準情報における例えば最上段の情報(「胃癌」、「T=1,N=1,M=0」、及び「1A」の組み合わせの情報)については、患者が罹患して病気が「胃癌」である場合において、TNM分類が「T=1,N=1,M=0」である場合、ステージが「1A」であること(すなわち、患者が罹患して病気が「胃癌」である場合において、ステージが「1A」である場合、TNM分類が「T=1,N=1,M=0」であること)が示されている。
【0082】
なお、このような確認用基準情報の具体的な格納手法は任意であるが、例えば、各癌腫区分の癌における予め定められているTNM分類とステージとの相互間の対応関係を把握した上で、把握結果を反映する情報を任意の手法(前述と同様な各入力手法等)で医療支援装置2に入力した場合、制御部23が、当該入力された情報に基づいて格納することとする。
【0083】
(構成-医療支援装置-記録部-入力画面関連情報DB)
図1の入力画面関連情報DB226は、入力画面関連情報を格納する入力画面関連情報格納手段である。「入力画面関連情報」とは、入力者であるユーザが医療情報を医療支援装置2に入力するための各種入力画面に関連する情報である。
図15は、入力画面関連情報を例示した図であり、
図16は、各入力画面を例示した図である。なお、各入力画面については、医療情報を入力するユーザの職種に応じた種類の入力画面が表示され、また、当該入力画面には当該ユーザの職種に応じた入力欄(情報入力欄)が表示されることになるが、これらの詳細事項については後述し、ここでは、
図16の各入力画面を適宜参照して入力画面関連情報について説明する。
【0084】
===入力画面===
まず、入力画面について説明する。「入力画面」とは、医療情報を医療支援装置2に入力して医療情報DB222に格納するための画面であり、例えば、医療支援装置2側で生成される入力画面情報(入力画面を表示するための情報)に基づいて、端末装置1のディスプレイ13に表示される画面である。「入力画面」は、例えば、
図16に示すように、症例基本情報入力画面、同意情報入力画面、患者背景情報入力画面、癌詳細情報入力画面、有害事象情報入力画面、及び治療歴情報入力画面を含む。なお、これらの各入力画面については、任意の技術(例えば、タブを用いて画面を切り替える技術等)を適用して、端末装置1側で所定操作を行うことにより各画面が切り替えられるように構成してもよい。
【0085】
=症例基本情報入力画面=
図16の「症例基本情報入力画面」とは、患者に関する属性等の基本的な情報を入力するための画面であり、例えば、入力欄P11~P14が適宜表示される画面である。各入力欄は、入力画面の各入力欄の左側に表示されている情報の名称に対応する情報(つまり、
図5~
図11の各テーブルにおける各項目に対応する情報)を入力して格納するための欄であり、また、適宜各情報を表示することも可能となっている欄である(他の各画面の入力欄も同様とする)。入力欄P11~P14は、例えば、
図5の項目「患者名」、項目「性別」、項目「生年月日」、及び
図7の項目「癌種区分」に対応する情報を入力等するための欄であり、例えば、各欄を一意に識別するための入力欄IDとして「ID11」~「ID14」が対応付けられている欄である。
【0086】
=同意情報入力画面=
図16の「同意情報入力画面」とは、患者の情報の取り扱いに関する同意状況の情報を入力するための画面であり、例えば、入力欄P21~P23が適宜表示される画面である。入力欄P21~P23は、例えば、
図6の項目「A同意」、項目「B同意」、及び項目「C同意」に対応する情報を入力等するための欄であり、例えば、各欄を一意に識別するための入力欄IDとして「ID21」~「ID23」が対応付けられている欄である。
【0087】
=患者背景情報入力画面=
図16の「患者背景情報入力画面」とは、患者の病気に関する背景等の情報を入力するための画面であり、例えば、入力欄P31~P39が適宜表示される画面である。入力欄P31~P35は、例えば、
図6の項目「喫煙歴有無」、項目「喫煙年数」、項目「1日の本数」、項目「アルコール多飲」、及び項目「家族歴」に対応する情報を入力等するための欄であり、例えば、各欄を一意に識別するための入力欄IDとして「ID31」~「ID35」が対応付けられている欄である。また、入力欄P36~P39は、例えば、
図7の項目「TNM分類」に対応する情報の内のT因子、N因子、M因子に関する情報、及び項目「ステージ」に対応する情報を入力等するための欄であり、例えば、各欄を一意に識別するための入力欄IDとして「ID36」~「ID39」が対応付けられている欄である。
【0088】
=癌詳細情報入力画面=
図16の「癌詳細情報入力画面」とは、患者の病気に関する詳細の情報を入力するための画面であり、例えば、入力欄P41~P44が適宜表示され、また、入力表示領域P400が設けられている画面である。入力欄P41~P44は、例えば、
図7の項目「癌組織」、項目「癌分化度」、項目「癌部位」、及び
図11の項目「検査日」に対応する情報を入力等するための欄であり、例えば、各欄を一意に識別するための入力欄IDとして「ID41」~「ID44」が対応付けられている欄である。また、入力表示領域P400は、例えば、
図11の項目「検査値」に対応する情報を入力等するための入力欄が表示される領域であり、
図16では、入力欄P45~P47が例示されている。入力欄P45~P47は、例えば、
図11の項目「検査項目名」に対応する情報である「KRAS」、「NRAS」、及び「HER2」に関連付けられている、項目「検査値」に対応する情報を入力等するための欄であり、例えば、各欄を一意に識別するための入力欄IDとして「ID45」~「ID47」が対応付けられている欄である。
【0089】
=有害事象情報入力画面=
図16の「有害事象情報入力画面」とは、患者の有害な事象(つまり、副作用)に関する情報を入力するための画面であり、例えば、入力欄P51~P54が適宜表示される画面である。入力欄P51~P54は、例えば、
図10の項目「副作用名」、項目「グレード」、項目「副作用発現日」、及び項目「副作用収束日」に対応する情報を入力等するための欄であり、例えば、各欄を一意に識別するための入力欄IDとして「ID51」~「ID54」が対応付けられている欄である。
【0090】
=治療歴情報入力画面=
図16の「治療歴情報入力画面」とは、患者の治療に関する情報を入力するための画面であり、例えば、入力欄P61~P64が適宜表示される画面である。入力欄P61~P64は、例えば、
図8の項目「薬剤名」、項目「処方日」、
図9の項目「効果判定結果」、及び項目「効果判定日」に対応する情報を入力等するための欄であり、例えば、各欄を一意に識別するための入力欄IDとして「ID61」~「ID64」が対応付けられている欄である。
【0091】
===入力画面関連情報===
次に、入力画面関連情報について説明する。
図15の入力画面関連情報においては、例えば、項目「入力画面」に対応する情報と、項目「入力欄ID」に対応する情報と、項目「医療情報」の項目「テーブル」に対応する情報と、項目「医療情報」の項目「情報」に対応する情報とが相互に関連付けられている。
【0092】
項目「入力画面」に対応する情報は、前述の各入力画面を示す情報である(
図15では、症例基本情報入力画面を示す「症例基本情報」等)。項目「入力欄ID」に対応する情報は、前述の入力欄IDである。項目「医療情報」の項目「テーブル」に対応する情報、及び項目「医療情報」の項目「情報」に対応する情報は、
図12の同一名称の情報と同様である。
【0093】
そして、このような入力画面関連情報における例えば最上段の情報(「症例基本情報」、「ID11」、「患者情報」、及び「患者名」の組み合わせの情報)については、例えば、「症例基本情報」が示す症例基本情報入力画面には、「ID11」が識別する入力欄P11(
図16)が適宜表示され、当該「ID11」が識別する入力欄P11は、「患者情報」が示す患者情報テーブルT1における、「患者名」が示す
図5の項目「患者名」に対応する情報に関連付けられていることが示されている。なお、
図15の一部の入力欄IDについては説明の便宜上「・・・」と図示されて具体的な情報の記載が省略されている。
【0094】
(構成-医療支援装置-制御部)
図1の制御部23は医療支援装置2を制御する制御手段であり、機能概念的には、例えば、表示制御部231、確認部232、及び格納制御部233を備える。表示制御部231は、入力情報特定情報DB223に格納されている入力情報特定情報及び検査項目特定情報DB224に格納されている検査項目特定情報に基づいて医療情報DB222に格納する対象となる医療情報の種類を特定し、特定した種類の医療情報を入力して医療情報DB222に格納するための入力欄を端末装置1のディスプレイ13に表示する表示制御手段である。確認部232は、複数の入力欄に入力された複数種類の医療情報相互間の整合性を確認する処理を行う確認手段である。格納制御部233は、入力欄に入力された医療情報を医療情報DB222に格納する格納制御手段である。なお、この制御部23の各部により行われる処理については後述する。
【0095】
(処理)
次に、このように構成される医療関連システム100によって実行される看護師用情報格納処理、医師用情報格納処理、CRC用情報格納処理、検査技師用情報格納処理、及び情報確認処理について説明する。
【0096】
ここでは、例えば、
図1では不図示のユーザである医療事務員が、自己のコンピュータを用いて、患者の氏名、性別、及び生年月日を入力した場合、当該コンピュータが当該入力された情報を医療支援装置2に送信し、医療支援装置2の制御部23が、当該送信された情報を受信した場合に、
図5の患者情報テーブルT1において、一意となる患者IDを生成し、また、任意の手法(例えば、不図示のタイマ等の計時手段の計時結果を用いる手法等)で現在の日付を特定した上で、生成した患者ID、受信した情報、及び特定した日付に基づいて
図5の患者情報テーブルT1の各項目に対応する情報が格納されていることとして説明する。一例としては、
図5の最上段の情報(「IDp1」、「AA」、「男性」、「1960/1/1」、及び「2020/6/20」の組み合わせの情報)が格納されていることし、この「IDp1」が識別する患者に関する情報を入力又は格納等する場合を例示して説明する。
【0097】
(処理-看護師用情報格納処理)
図17は、看護師用情報格納処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。「看護師用情報格納処理」とは、概略的には、医療支援装置2によって実行される処理であり、具体的には、看護師に医療情報を入力させて当該情報を格納する処理である。
【0098】
この看護師用情報格納処理を実行するタイミングは任意であるが、例えば、ユーザである看護師が、自己の端末装置1のタッチパッド12を介して、自己の氏名、及び情報を格納する対象となる患者の氏名を入力した上で所定操作(看護師用情報格納処理を起動するための操作)を行ってログインした場合に、端末装置1の制御部15が、入力されたユーザの氏名を示すユーザ氏名情報及び入力された患者の氏名を示す患者氏名情報を、ログイン情報として医療支援装置2に送信することとする。一方、医療支援装置2の制御部23は、端末装置1から送信されたログイン情報であるユーザ氏名情報及び患者氏名情報を受信し、
図3のユーザ情報を参照して、受信したユーザ氏名情報と同じ情報が格納されている項目「ユーザ名」の情報に関連付けられている項目「職種」の情報を特定し(つまり、ログインしたユーザの職種を特定し)、特定した当該項目「職種」の情報が「看護師」である場合に起動することとし、当該看護師用情報格納処理が起動したところから説明する。なお、ここのでの「項目「ユーザ名」の情報」という表現は、「項目「ユーザ名」に対応する情報」を示すものとして説明する(なお、他の各項目の情報も同様とする)。
【0099】
ここでは、例えば、
図1の氏名「U1」のユーザである看護師が、自己の端末装置101のタッチパッド12を介して、自己の氏名である「U1」、及び情報を格納する対象となる患者の氏名である「AA」を入力した上で所定操作(看護師用情報格納処理を起動するための操作)を行ってログインした場合に、端末装置101の制御部15が、ログイン情報として「ユーザ氏名情報」=「U1」及び「患者氏名情報」=「AA」を、医療支援装置2に送信することとする。一方、医療支援装置2の制御部23は、端末装置1から送信されたログイン情報である「ユーザ氏名情報」=「U1」及び「患者氏名情報」=「AA」を受信し、
図3のユーザ情報を参照して、受信した「ユーザ氏名情報」=「U1」と同じ情報が格納されている項目「ユーザ名」の情報に関連付けられている項目「職種」の情報として「看護師」を特定し(つまり、ログインした氏名「U1」のユーザの職種を「看護師」と特定し)、特定した当該項目「職種」の情報が「看護師」であるので看護師用情報格納処理を起動する。
【0100】
===SA1===
図17のSA1において医療支援装置2の表示制御部231は、情報を格納する対象となる患者の患者IDを特定する。具体的には任意であるが、例えば、看護師用情報格納処理の起動時に受信した患者氏名情報を取得し、
図5の患者情報テーブルT1を参照して、前述の取得した患者氏名情報と同じ情報が格納されている項目「患者名」の情報に関連付けられている項目「患者ID」の情報を、情報を格納する対象となる患者の患者IDとして特定する。
【0101】
ここでは、例えば、看護師用情報格納処理の起動時に受信した「患者氏名情報」=「AA」を取得し、
図5の患者情報テーブルT1を参照して、前述の取得した「患者氏名情報」=「AA」と同じ情報が格納されている項目「患者名」の情報に関連付けられている項目「患者ID」の情報である「IDp1」を、情報を格納する対象となる患者の患者IDとして特定する。
【0102】
===SA2===
図17のSA2において医療支援装置2の表示制御部231は、看護師用入力画面情報を生成する。「看護師用入力画面情報」とは、看護師が入力するべき情報に対応する入力欄を含む看護師用入力画面を表示するための入力画面情報である。
【0103】
処理について具体的には任意であるが、概略的には、例えば、看護師用情報格納処理の起動時に特定したユーザの職種(つまり、ログインしたユーザの職種)及び
図12の入力情報特定情報に基づいて、当該特定した職種が主入力者又は副入力者となっている医療情報の種類を特定し、特定した種類の医療情報を入力するための入力欄を有する入力画面を表示するための入力画面情報を、看護師用入力画面情報として生成する。詳細には、例えば、「SA2の第1処理」~「SA2の第2処理」を実行する。
【0104】
=SA2の第1処理=
「SA2の第1処理」においては、
図12の入力情報特定情報を参照して、項目「ユーザの職種」に対応する欄の内の、看護師用情報格納処理の起動時に特定したユーザの職種(つまり、ログインしたユーザの職種)に対応する欄である項目「看護師」の欄に「主」又は「副」が格納されている医療情報の種類を、ログインしたユーザの職種が主入力者又は副入力者となっている医療情報の種類として特定する。
【0105】
ここでは、例えば、
図12の入力情報特定情報において、項目「看護師」の欄に「副」が格納されている医療情報が、項目「情報」=「患者名」、「性別」、及び「生年月日」であり、また、項目「看護師」の欄に「主」が格納されている医療情報が、項目「情報」=「喫煙歴有無」、「喫煙年数」、「1日の本数」、「アルコール多飲」、及び「家族歴」であるので、これらの項目「情報」の情報である「患者名」、「性別」、「生年月日」、「喫煙歴有無」、「喫煙年数」、「1日の本数」、「アルコール多飲」、及び「家族歴」を特定する。
【0106】
=SA2の第2処理=
「SA2の第2処理」においては、
図15の入力画面関連情報を参照して、「SA2の第1処理」で特定した種類の医療情報と同じ情報が格納されている項目「医療情報」の項目「情報」に関連付けられている項目「入力画面」の情報及び項目「入力欄ID」の情報を特定し、当該特定した項目「入力画面」の情報が示す入力画面であって、当該特定した項目「入力欄ID」の情報が識別する入力欄を含む入力画面を表示するための入力画面情報を、看護師用入力画面情報として生成する。
【0107】
図18は、看護師用入力画面を例示した図である。ここでは、例えば、「SA2の第1処理」で「患者名」、「性別」、「生年月日」、「喫煙歴有無」、「喫煙年数」、「1日の本数」、「アルコール多飲」、及び「家族歴」を特定したので、
図15の入力画面関連情報を参照して、項目「入力画面」=「症例基本情報」及び「患者背景情報」を特定し、また、項目「入力欄ID」=「ID11」~「ID13」及び「ID31」~「ID35」を特定し、
図18に示すように、特定した「ID11」~「ID13」が識別する入力欄P11~P13を含む症例基本情報入力画面、及び特定した「ID31」~「ID35」が識別する入力欄P31~P35を含む患者背景情報入力画面を表示するための入力画面情報を、看護師用入力画面情報として生成する。なお、ここでの看護師用入力画面情報については、前述したように各入力画面がいわゆるタブにて切り替え可能となるように構成されていることとしてもよい(他の各入力画面情報も同様とする)。
【0108】
なお、症例基本情報入力画面の入力欄P11~P13については、各種情報を入力する場合の便宜のために、医療情報DB222に既に格納されている情報を表示するように構成してもよい。この場合、例えば、表示制御部231は、
図5の患者情報テーブルT1を参照して、SA1で特定した患者IDと同じ情報が格納されている項目「患者ID」の情報に関連付けられている項目「患者名」の情報、項目「性別」の情報、及び項目「生年月日」の情報を取得し、取得した各情報が、当該各情報に対応するの入力欄P11~P13に表示されるように、看護師用入力画面情報を生成してもよい(他の各入力画面情報も同様とする)。
【0109】
===SA3===
図17のSA3において医療支援装置2の表示制御部231は、SA2で生成した看護師用入力画面情報を、ログインしたユーザである看護師の端末装置1に送信する。具体的には任意であるが、例えば、看護師用情報格納処理の起動時にログイン情報を送信した端末装置1に対して、SA2で生成した看護師用入力画面情報を送信する。
【0110】
一方、ログインしたユーザの端末装置1の制御部23は、当該送信された看護師用入力画面情報を受信した場合に、当該受信した看護師用入力画面情報に基づいて、ディスプレイ13に看護師用入力画面を表示する。
【0111】
ここでは、例えば、看護師用情報格納処理の起動時にログイン情報を送信した端末装置101(つまり、
図1の氏名「U1」のユーザである看護師が携帯する端末装置101)に対して、SA2で生成した
図18の看護師用入力画面を表示するための看護師用入力画面情報を送信する。
【0112】
一方、ログインしたユーザの端末装置101の制御部23は、当該送信された看護師用入力画面情報を受信した場合に、当該受信した看護師用入力画面情報に基づいて、ディスプレイ13に
図18の看護師用入力画面を表示する。
【0113】
この場合、看護師が主入力者又は副入力者となっている種類の医療情報を入力するための各入力欄が看護師用入力画面に表示されることになるのでユーザである看護師に対して、多数種類の医療情報の内の看護師が入力するべき種類の医療情報を、迅速かつ的確に入力させることが可能となる。
【0114】
===SA4===
図17のSA4において医療支援装置2の格納制御部233は、ログインしたユーザによって看護師用入力画面の入力欄に入力された医療情報等を受信して取得する。具体的には任意であるが、例えば、ユーザが、SA3で端末装置1のディスプレイ13に表示された看護師用入力画面の入力欄に対して、タッチパッド12を介して当該入力欄に対応する医療情報を入力した場合、端末装置1の制御部15が、入力された医療情報及び当該医療情報が入力された入力欄を識別する入力欄IDの組み合わせの情報を、医療支援装置2に送信することとする。そして、医療支援装置2の格納制御部233は、端末装置1から送信された医療情報及び入力欄IDの組み合わせの情報を受信して取得する。
【0115】
ここでは、例えば、患者来院時に待合室等で当該患者が関係書類に記載した情報に基づいて、氏名「U1」の看護師であるユーザは、SA3で端末装置101のディスプレイ13に表示された
図18の患者背景情報入力画面の入力欄P31~P35に対して、タッチパッド12を介して「有」、「50年」、「20本」、「無」、及び「無」を入力して不図示の記録ボタン(入力した情報を医療支援装置2に送信して格納するためのボタン)をタップした場合、端末装置101の制御部15は、「有」及び「ID31」、「50年」及び「ID32」、「20本」及び「ID33」、「無」及び「ID34」、及び「無」及び「ID35」の各組み合わせの情報を、医療支援装置2に送信する。
【0116】
なお、
図18の看護師用入力画面においては、症例基本情報入力画面も含まれているが、看護師である氏名「U1」のユーザは、入力欄P11~P13の各情報に関して自己が副入力者であることを自己の業務内容として把握しており、当該入力欄P11~P13には具体的な情報が表示されており、既に医療情報DB222に医療情報が格納されているので、この入力欄P11~P13には何らの情報も入力しないことになる(後述する他の処理でも同様とする)。
【0117】
そして、医療支援装置2の格納制御部233は、端末装置101から送信された「有」及び「ID31」、「50年」及び「ID32」、「20本」及び「ID33」、「無」及び「ID34」、及び「無」及び「ID35」の組み合わせの情報を受信して取得する。
【0118】
===SA5===
図17のSA5において医療支援装置2の格納制御部233は、SA4で受信して取得した情報に基づいて、ユーザに入力された医療情報を医療情報DB222に格納する。具体的には任意であるが、概略的には、例えば、
図15の入力画面関連情報を参照して、SA4で受信した医療情報を格納する対象となるテーブル及び当該テーブル内の医療情報の種類を特定し、特定結果に基づいて格納する。詳細には、例えば、「SA5の第1処理」~「SA5の第2処理」を、SA4で受信した各組み合わせの情報について実行する。
【0119】
=SA5の第1処理=
「SA5の第1処理」において、
図15の入力画面関連情報を参照して、SA4で受信した医療情報及び入力欄IDの内の入力欄IDと同じ情報が格納されている項目「入力欄ID」の情報に関連付けられている項目「テーブル」の情報及び項目「情報」の情報を特定し、特定した項目「テーブル」の情報が示すテーブルを、SA4で受信した医療情報を格納する対象となるテーブルとして特定し、また、特定した項目「情報」の情報が示す具体的な医療情報の種類を、SA4で受信した医療情報を格納する対象となる医療情報の種類として特定する。
【0120】
ここでは、例えば、SA4で受信した「有」及び「ID31」については、
図15の入力画面関連情報において、項目「入力欄ID」=「ID31」が項目「テーブル」=「患者詳細情報」及び項目「情報」=「喫煙歴有無」に関連付けれているので、SA4で受信した医療情報である「有」を格納する対象となるテーブルとして「患者詳細情報テーブルT2」を特定し、また、「喫煙歴有無」を、SA4で受信した医療情報である「有」を格納する対象となる医療情報の種類として特定する。また、同様にして、SA4で受信した医療情報である「50年」、「20本」、「無」、及び「無」については、格納する対象となるテーブルとして「患者詳細情報テーブルT2」を特定し、また、「喫煙年数」、「1日の本数」、「アルコール多飲」、及び「家族歴」を、各医療情報の格納する対象となる医療情報の種類として特定する。
【0121】
=SA5の第2処理=
「SA5の第2処理」において、「SA5の第1処理」の特定結果に従って、SA4で受信した医療情報を格納する。詳細には、
図6の患者詳細情報テーブルT2において、SA1で特定した患者IDと同じ情報が項目「患者ID」の情報として格納されている場合、当該SA1で特定した患者IDと同じ情報となっている項目「患者ID」の情報に関連付けて、SA4で受信した医療情報を格納し、一方、SA1で特定した患者IDと同じ情報が項目「患者ID」の情報として格納されていない場合、項目「患者ID」の情報としてSA1で特定した患者IDを格納した上で、当該格納した患者IDに関連付けて、SA4で受信した医療情報を格納する。また、任意の手法で現在の日付を特定した上で、特定した日付を示す情報を項目「更新日」の情報として格納する。
【0122】
ここでは、例えば、
図6の患者詳細情報テーブルT2において、項目「患者ID」の情報にSA1で特定した「患者ID」=「IDp1」と同じ情報が項目「患者ID」の情報として格納されていない場合、
図6の最上段に示すように項目「患者ID」=「IDp」を格納し、また、項目「喫煙歴有無」=「有」、項目「喫煙年数」=「50年」、項目「1日の本数」=「20本」、項目「アルコール多飲」=「無」、項目「家族歴」=「無」、項目「更新日」=「2020/6/20」を格納する。これにて、看護師用情報格納処理を終了する。
【0123】
(処理-医師用情報格納処理)
図19は、医師用情報格納処理のフローチャートである。「医師用情報格納処理」とは、概略的には、医療支援装置2によって実行される処理であり、具体的には、医師に医療情報を入力させて当該情報を格納する処理である。
【0124】
この医師用情報格納処理を実行するタイミングは任意であり、看護師用情報格納処理と同様であるが、例えば、ユーザである医師が、自己の端末装置1のタッチパッド12を介して、自己の氏名、及び情報を格納する対象となる患者の氏名を入力した上で所定操作(医師用情報格納処理を起動するための操作)を行ってログインした場合に、端末装置1の制御部15が、入力されたユーザのユーザ氏名情報及び入力された患者の患者氏名情報を、ログイン情報として医療支援装置2に送信することとする。一方、医療支援装置2の制御部23は、端末装置1から送信されたログイン情報であるユーザ氏名情報及び患者氏名情報を受信し、
図3のユーザ情報を参照して、受信したユーザ氏名情報と同じ情報が格納されている項目「ユーザ名」の情報に関連付けられている項目「職種」の情報を特定し(つまり、ログインしたユーザの職種を特定し)、特定した当該項目「職種」の情報が「医師」である場合に起動することとし、当該医師用情報格納処理が起動したところから説明する。
【0125】
ここでは、例えば、
図1の氏名「U2」のユーザである医師が、自己の端末装置102のタッチパッド12を介して、自己の氏名である「U2」、及び情報を格納する対象となる患者の氏名である「AA」を入力した上で所定操作(医師用情報格納処理を起動するための操作)を行ってログインした場合に、端末装置102の制御部15が、ログイン情報として「ユーザ氏名情報」=「U2」及び「患者氏名情報」=「AA」を、医療支援装置2に送信することとする。一方、医療支援装置2の制御部23は、端末装置1から送信されたログイン情報である「ユーザ氏名情報」=「U2」及び「患者氏名情報」=「AA」を受信し、
図3のユーザ情報を参照して、受信した「ユーザ氏名情報」=「U2」と同じ情報が格納されている項目「ユーザ名」の情報に関連付けられている項目「職種」の情報として「医師」を特定し(つまり、ログインした氏名「U2」のユーザの職種を「医師」と特定し)、特定した当該項目「職種」の情報が「医師」であるので医師用情報格納処理を起動する。
【0126】
===SB1===
図19のSB1において医療支援装置2の表示制御部231は、情報を格納する対象となる患者の患者IDを特定する。具体的には任意であるが、例えば、
図17のSA1と同様な処理を行う。ここでは、例えば、「患者氏名情報」=「AA」に対応する「IDp1」を、情報を格納する対象となる患者の患者IDとして特定する。
【0127】
===SB2===
図19のSB2において医療支援装置2の表示制御部231は、医師用入力画面情報を生成する。「医師用入力画面情報」とは、医師が入力するべき情報に対応する入力欄を含む医師用入力画面を表示するための入力画面情報である。
【0128】
処理について具体的には任意であるが、概略的には、例えば、
図17のSA2と同様な処理を行う。詳細には、例えば、「SB2の第1処理」~「SB2の第2処理」を実行する。
【0129】
=SB2の第1処理=
「SB2の第1処理」においては、基本的には
図17の「SA2の第1処理」と同様であり、すなわち、
図12の入力情報特定情報を参照して、項目「ユーザの職種」に対応する欄の内の、医師用情報格納処理の起動時に特定したユーザの職種(つまり、ログインしたユーザの職種)に対応する欄である項目「医師」の欄に「主」又は「副」が格納されている医療情報の種類を、ログインしたユーザの職種が主入力者又は副入力者となっている医療情報の種類として特定する。
【0130】
ここでは、例えば、
図12の入力情報特定情報において、項目「医師」の欄に「副」が格納されている医療情報が、項目「情報」=「患者名」、「性別」、「生年月日」、及び「喫煙歴有無」等であり、項目「医師」の欄に「主」が格納されている医療情報が、項目「情報」=「癌種区分」、「ステージ」、「癌組織」、及び「癌分化度」等であるので、これらの項目「情報」の情報を特定する。
【0131】
=SB2の第2処理=
「SB2の第2処理」においては、
図17の「SA2の第2処理」と同様の処理を行って、医師用入力画面情報を生成する。
【0132】
図20は、医師用入力画面を例示した図である。ここでは、例えば、
図20に示すように、症例基本情報入力画面、患者背景情報入力画面、癌詳細情報入力画面、有害事象情報入力画面、及び治療歴情報入力画面を表示するための入力画面情報を、医師用入力画面情報として生成する。
【0133】
===SB3===
図19のSB3において医療支援装置2の表示制御部231は、SB2で生成した医師用入力画面情報を、ログインしたユーザである医師の端末装置1に送信する。具体的には任意であるが、例えば、
図17のSA3と同様な処理を行う。
【0134】
ここでは、例えば、医師用情報格納処理の起動時にログイン情報を送信した端末装置102(つまり、
図1の氏名「U2」のユーザである医師が携帯する端末装置102)に対して、SB2で生成した
図20の医師用入力画面を表示するための医師用入力画面情報を送信する。
【0135】
一方、ログインしたユーザの端末装置102の制御部23は、当該送信された医師用入力画面情報を受信した場合に、当該受信した医師用入力画面情報に基づいて、ディスプレイ13に
図20の医師用入力画面を表示する。
【0136】
この場合、医師が主入力者又は副入力者となっている種類の医療情報を入力するための各入力欄が医師用入力画面に表示されることになるのでユーザである医師に対して、多数種類の医療情報の内の医師が入力するべき種類の医療情報を、迅速かつ的確に入力させることが可能となる。
【0137】
===SB4===
図19のSB4において医療支援装置2の格納制御部233は、ログインしたユーザによって医師用入力画面の入力欄に入力された医療情報等を受信して取得する。具体的には任意であるが、例えば、
図17のSA4と同様な処理を行う。
【0138】
ここでは、例えば、医師であるユーザが診断を行って病気に関する情報を入力する場合(以下、「診断時」)、診断した病気に関する治療を開始して当該治療に関する情報を入力する場合(以下、「治療開始時」、治療の経過に関する情報を入力する場合(以下、「経過観察時」)、及び治療の効果に関する情報を入力する場合(以下、「効果入力時」)を想定して、これらの各場合において医師であるユーザが、自己が主入力者となっている医療情報を入力する場合について説明する。
【0139】
<診断時>
例えば、「診断時」に氏名「U2」のユーザは、患者に関する様々な情報を考慮して患者を診断して診断結果に基づいて、タッチパッド12を介して、SB3で端末装置102のディスプレイ13に表示された
図20の症例基本情報入力画面の入力欄P14に「胃癌」を入力し、また、癌詳細情報入力画面の入力欄P41~P43に「管状腺癌」、「低分化型」、及び「胃・噴門」を入力し、また、患者背景情報入力画面の入力欄P39に「1A」を入力して不図示の記録ボタンをタップした場合、端末装置102の制御部15は、「胃癌」及び「ID14」、「管状腺癌」及び「ID41」、「低分化型」及び「ID42」、「胃・噴門」及び「ID43」、「1A」及び「ID39」の各組み合わせの情報を、医療支援装置2に送信する。この場合、医療支援装置2の格納制御部233は、端末装置102から送信された各組み合わせの情報を受信して取得する。
【0140】
<治療開始時>
例えば、「治療開始時」に氏名「U2」のユーザは、患者の治療方針に対応する薬剤を処方し、当該処方に基づいて、タッチパッド12を介して、SB3で端末装置102のディスプレイ13に表示された
図20の治療歴情報入力画面の入力欄P61~P62に「A1薬」及び「2020/7/10」を入力して不図示の記録ボタンをタップした場合、端末装置102の制御部15は、「A1薬」及び「ID61」、「2020/7/10」及び「ID62」の各組み合わせの情報を、医療支援装置2に送信する。この場合、医療支援装置2の格納制御部233は、端末装置102から送信された各組み合わせの情報を受信して取得する。
【0141】
<経過観察時>
例えば、「経過観察時」に氏名「U2」のユーザは、患者の経過観察の結果に基づいて、タッチパッド12を介して、SB3で端末装置102のディスプレイ13に表示された
図20の有害事象情報入力画面の入力欄P51~P54に「嘔吐」、「2」、「2020/7/12」、及び「2020/7/15」を入力して不図示の記録ボタンをタップした場合、端末装置102の制御部15は、「嘔吐」及び「ID51」、「2」及び「ID52」、「2020/7/12」及び「ID53」、「2020/7/15」及び「ID54」の各組み合わせの情報を、医療支援装置2に送信する。この場合、医療支援装置2の格納制御部233は、端末装置102から送信された各組み合わせの情報を受信して取得する。
【0142】
<効果入力時>
例えば、「効果入力時」に氏名「U2」のユーザは、患者の経過観察の結果に基づいて、タッチパッド12を介して、SB3で端末装置102のディスプレイ13に表示された
図20の治療履歴情報入力画面の入力欄P63~P64に「進行」、及び「2020/8/15」を入力して不図示の記録ボタンをタップした場合、端末装置102の制御部15は、「進行」及び「ID63」、「2020/8/15」及び「ID64」の各組み合わせの情報を、医療支援装置2に送信する。この場合、医療支援装置2の格納制御部233は、端末装置102から送信された各組み合わせの情報を受信して取得する。
【0143】
===SB5===
図19のSB5において医療支援装置2の格納制御部233は、SB4で受信して取得した情報に基づいて、ユーザに入力された医療情報を医療情報DB222に格納する。具体的には任意であるが、概略的には、例えば、
図17のSA5と同様な処理を行う。詳細には、例えば、「SB5の第1処理」~「SB5の第2処理」を、SB4で受信した各組み合わせの情報について実行する。
【0144】
=SB5の第1処理=
「SB5の第1処理」において、
図17の「SA5の第1処理」と同様な処理を行う。
【0145】
<診断時>
「診断時」の「SB5の第1処理」において、SB4で受信した医療情報である「胃癌」及び「ID14」については、
図15の入力画面関連情報において、項目「入力欄ID」=「ID14」が項目「テーブル」=「エピソード情報」及び項目「情報」=「癌種区分」に関連付けれているので、SB4で受信した医療情報である「胃癌」を格納する対象となるテーブルとして「エピソード情報T3」を特定し、また、「癌種区分」を、SB4で受信した医療情報である「胃癌」を格納する対象となる医療情報の種類として特定する。同様にして、SB4で受信した医療情報である「管状腺癌」、「低分化型」、「胃・噴門」、及び「1A」については、格納する対象となるテーブルとして「エピソード情報T3」を特定し、また、「癌組織」、「癌分化度」、「癌部位」、及び「ステージ」を、各医療情報の格納する対象となる医療情報の種類として特定する。
【0146】
<治療開始時>
「診断時」の「SB5の第1処理」において、SB4で受信した医療情報である「A1薬」、及び「2020/7/10」については、同様にして、格納する対象となるテーブルとして「治療情報テーブルT4」を特定し、また、「薬剤名」、及び「処方日」を、各医療情報の格納する対象となる医療情報の種類として特定する。
【0147】
<経過観察時>
「経過観察時」の「SB5の第1処理」において、SB4で受信した医療情報である「嘔吐」、「2」、「2020/7/12」、及び「2020/7/15」については、同様にして、格納する対象となるテーブルとして「副作用情報テーブルT6」を特定し、また、「副作用名」、「グレード」、「副作用発現日」、及び「副作用収束日」を、各医療情報の格納する対象となる医療情報の種類として特定する。
【0148】
<効果入力時>
「効果入力時」の「SB5の第1処理」において、SB4で受信した医療情報である「進行」、及び「2020/8/15」については、同様にして、格納する対象となるテーブルとして「効果判定情報テーブルT5」を特定し、また、「効果判定結果」、及び「効果判定日」を、各医療情報の格納する対象となる医療情報の種類として特定する。
【0149】
=SB5の第2処理=
「SB5の第2処理」において、基本的には
図17の「SA5の第2処理」と同様な処理を行い、すなわち、「SB5の第1処理」の特定結果に従って、SB4で受信した医療情報を格納する。
【0150】
<診断時>
「診断時」の「SB5の第2処理」においては、
図4及び
図7のエピソード情報テーブルT3の情報を新たに格納することになるので、一意となるエピソードIDを生成し、また、任意の手法で現在の日付を特定した上で、
図7のエピソード情報テーブルT3において、項目「エピソードID」の情報、項目「患者ID」の情報、及び項目「更新日」の情報として、前述の生成したエピソードID、SB1で特定した患者ID、及び前述の特定した日付を示す情報を格納し、当該格納した各情報に関連付けて、SB4で受信した医療情報を格納する。
【0151】
ここでは、例えば、「エピソードID」=「IDse1」を生成し、また、任意の手法で現在の日付として「2020/7/10」を特定した上で、
図7の最上段に示すように、項目「エピソードID」=「「Dse1」、項目「患者ID」=「IDp1」(SB1で特定した患者ID)、及び項目「更新日」=「2020/7/10」を格納し、また、項目「癌種区分」=「胃癌」、項目「癌組織」=「管状腺癌」、項目「癌分化度」=「低分化型」、項目「癌部位」=「胃・噴門」、及び項目「ステージ」=「1A」を格納する。
【0152】
<治療開始時>
「治療開始時」の「SB5の第2処理」においては、
図4及び
図8の治療情報テーブルT4の情報を新たに格納することになるので、一意となる治療情報IDを生成し、また、後述する手法でエピソードIDを特定し、また、任意の手法で現在の日付を特定した上で、
図8の治療情報テーブルT4において、項目「治療情報ID」の情報、項目「エピソードID」の情報、項目「患者ID」の情報、及び項目「更新日」の情報として、前述の生成した治療情報ID、前述の特定したエピソードID、SB1で特定した患者ID、及び前述の特定した日付を示す情報を格納し、当該格納した各情報に関連付けて、SB4で受信した医療情報を格納する。
【0153】
なお、エピソードIDを特定する手法は任意であるが、例えば、
図7のエピソード情報テーブルT3を参照して、SB1で特定した患者IDと同じ情報が格納されている項目「患者ID」の情報に関連付けられている項目「エピソードID」の情報を特定してもよい。なお、この場合、例えば、患者の癌が進行した場合、以前患っていた癌とは異なる癌を現在患っている場合、あるいは、複数種類の癌を患っている場合等の様々な場合に、
図7のエピソード情報テーブルT3において、SB1で特定した患者ID(つまり、情報を格納する対象となる患者を識別する患者ID)に関連付けられているエピソードIDが複数存在する場合も想定されるが、この場合、以下の「第1の手法」又は「第2の手法」を用いて1個のエピソードIDを特定してもよい。
【0154】
「第1の手法」は、
図7のエピソード情報テーブルT3における項目「更新日」の情報に着目する手法である。この手法では、例えば、エピソード情報テーブルT3において、SB1で特定した患者IDに関連付けられている項目「エピソードID」の情報が複数存在する場合、各項目「エピソードID」の情報に関連付けられている項目「更新日」の情報として、最も現在の日付に近い日付を示す情報が格納されている1個の項目「エピソードID」の情報を特定する。
【0155】
「第2の手法」は、ユーザに選択させる手法である。この手法では、例えば、エピソード情報テーブルT3において、SB1で特定した患者IDに関連付けられている項目「エピソードID」の情報が複数存在する場合、当該複数の項目「エピソードID」の情報が関連付けられている各情報(つまり、
図7に図示されている各項目の情報)を端末装置1に送信してディスプレイ13に表示し、ユーザがタッチパッド12を介して1個の項目「エピソードID」の情報をタップして選択した場合に、端末装置1が当該タップされた項目「エピソードID」の情報を医療支援装置2に送信し、この送信された項目「エピソードID」の情報を特定する。
【0156】
ここでは、例えば、「治療情報ID」=「IDsm1」を生成し、また、
図7のエピソード情報テーブルT3を参照して、SB1で特定した「患者ID」=「IDp1」と同じ情報が格納されている項目「患者ID」の情報に関連付けられている項目「エピソードID」=「IDse1」を特定し、また、任意の手法で現在の日付として「2020/7/10」を特定した上で、
図8の最上段の情報を格納する。
【0157】
<経過観察時>
「経過観察時」の「SB5の第2処理」においては、
図4及び
図10の副作用情報テーブルT6の情報を新たに格納することになるので、一意となる副作用情報IDを生成し、また、前述の「<治療開始時>」で説明した手法でエピソードIDを特定し、また、後述する手法で治療情報IDを特定し、また、任意の手法で現在の日付を特定した上で、
図10の副作用情報テーブルT6において、項目「副作用情報ID」の情報、項目「エピソードID」の情報、項目「患者ID」の情報、項目「治療情報ID」の情報、及び項目「更新日」の情報として、前述の生成した副作用情報ID、前述の特定したエピソードID、SB1で特定した患者ID、前述の特定した治療情報ID、及び前述の特定した日付を示す情報を格納し、当該格納した各情報に関連付けて、SB4で受信した医療情報を格納する。
【0158】
なお、治療情報IDを特定する手法は任意であり、例えば、
図8の治療情報テーブルT4を参照して、SB1で特定した患者IDと同じ情報が格納されている項目「患者ID」の情報、及び前述の特定したエピソードIDに関連付けられている項目「治療情報ID」の情報を特定してもよい。なお、この場合、例えば、複数の薬剤を投与して治療する場合等の様々な場合に、
図8の治療情報テーブルT4において、SB1で特定した患者ID(つまり、情報を格納する対象となる患者を識別する患者ID)、及び前述の特定したエピソードIDに関連付けられている治療情報IDが複数存在する場合も想定されるが、この場合、前述のエピソードIDの場合の「第1の手法」及び「第2の手法」と同様にして、
図8の治療情報テーブルT4における項目「更新日」の情報に着目する手法、あるいは、ユーザに選択させる手法を用いて1個の治療情報IDを特定してもよい。
【0159】
ここでは、例えば、「副作用情報ID」=「IDss1」を生成し、また、「エピソードID」=「IDse1」を特定し、また、「治療情報ID」=「IDsm1」を特定し、また、任意の手法で現在の日付として「2020/7/20」を特定した上で、
図10の最上段の情報を格納する。
【0160】
<効果入力時>
「効果入力時」の「SB5の第2処理」においては、
図4及び
図9の効果判定情報テーブルT5の情報を新たに格納することになるので、一意となる効果判定情報IDを生成し、また、前述の「<治療開始時>」で説明した手法でエピソードIDを特定し、また、前述の「<経過観察時>」で説明した手法で治療情報IDを特定し、また、任意の手法で現在の日付を特定した上で、
図9の効果判定情報テーブルT5において、項目「効果判定情報ID」の情報、項目「エピソードID」の情報、項目「患者ID」の情報、項目「治療情報ID」の情報、及び項目「更新日」の情報として、前述の生成した効果判定情報ID、前述の特定したエピソードID、SB1で特定した患者ID、前述の特定した治療情報ID、及び前述の特定した日付を示す情報を格納し、当該格納した各情報に関連付けて、SB4で受信した医療情報を格納する。
【0161】
ここでは、例えば、「効果判定情報ID」=「IDsj1」を生成し、また、「エピソードID」=「IDse1」を特定し、また、「治療情報ID」=「IDsm1」を特定し、また、任意の手法で現在の日付として「2020/7/20」を特定した上で、
図10の最上段の情報を格納する。これにて、医師用情報格納処理を終了する。
【0162】
(処理-CRC用情報格納処理)
図21は、CRC用情報格納処理のフローチャートである。「CRC用情報格納処理」とは、概略的には、医療支援装置2によって実行される処理であり、具体的には、CRCに医療情報を入力させて当該情報を格納する処理である。
【0163】
このCRC用情報格納処理を実行するタイミングは任意であり、看護師用情報格納処理と同様であるが、例えば、ユーザであるCRCが、自己の端末装置1のタッチパッド12を介して、自己の氏名、及び情報を格納する対象となる患者の氏名を入力した上で所定操作(CRC用情報格納処理を起動するための操作)を行ってログインした場合に、端末装置1の制御部15が、入力されたユーザのユーザ氏名情報及び入力された患者の患者氏名情報を、ログイン情報として医療支援装置2に送信することとする。一方、医療支援装置2の制御部23は、端末装置1から送信されたログイン情報であるユーザ氏名情報及び患者氏名情報を受信し、
図3のユーザ情報を参照して、受信したユーザ氏名情報と同じ情報が格納されている項目「ユーザ名」の情報に関連付けられている項目「職種」の情報を特定し(つまり、ログインしたユーザの職種を特定し)、特定した当該項目「職種」の情報が「CRC」である場合に起動することとし、当該CRC用情報格納処理が起動したところから説明する。
【0164】
ここでは、例えば、
図1の氏名「U3」のユーザであるCRCが、自己の端末装置103のタッチパッド12を介して、自己の氏名である「U3」、及び情報を格納する対象となる患者の氏名である「AA」を入力した上で所定操作(CRC用情報格納処理を起動するための操作)を行ってログインした場合に、端末装置103の制御部15が、ログイン情報として「ユーザ氏名情報」=「U3」及び「患者氏名情報」=「AA」を、医療支援装置2に送信することとする。一方、医療支援装置2の制御部23は、端末装置1から送信されたログイン情報である「ユーザ氏名情報」=「U3」及び「患者氏名情報」=「AA」を受信し、
図3のユーザ情報を参照して、受信した「ユーザ氏名情報」=「U3」と同じ情報が格納されている項目「ユーザ名」の情報に関連付けられている項目「職種」の情報として「CRC」を特定し(つまり、ログインした氏名「U3」のユーザの職種を「CRC」と特定し)、特定した当該項目「職種」の情報が「CRC」であるのでCRC用情報格納処理を起動する。
【0165】
===SC1===
図21のSC1において医療支援装置2の表示制御部231は、情報を格納する対象となる患者の患者IDを特定する。具体的には任意であるが、例えば、
図17のSA1と同様な処理を行う。ここでは、例えば、「患者氏名情報」=「AA」に対応する「IDp1」を、情報を格納する対象となる患者の患者IDとして特定する。
【0166】
===SC2===
図21のSC2において医療支援装置2の表示制御部231は、CRC用入力画面情報を生成する。「CRC用入力画面情報」とは、CRCが入力するべき情報に対応する入力欄を含むCRC用入力画面を表示するための入力画面情報である。
【0167】
処理について具体的には任意であるが、概略的には、例えば、
図17のSA2と同様な処理を行う。詳細には、例えば、「SC2の第1処理」~「SC2の第2処理」を実行する。
【0168】
=SC2の第1処理=
「SC2の第1処理」においては、基本的には
図17の「SA2の第1処理」と同様であり、すなわち、
図12の入力情報特定情報を参照して、項目「ユーザの職種」に対応する欄の内の、CRC用情報格納処理の起動時に特定したユーザの職種(つまり、ログインしたユーザの職種)に対応する欄である項目「CRC」の欄に「主」又は「副」が格納されている医療情報の種類を、ログインしたユーザの職種が主入力者又は副入力者となっている医療情報の種類として特定する。
【0169】
ここでは、例えば、
図12の入力情報特定情報において、項目「CRC」の欄に「副」が格納されている医療情報が、項目「情報」=「患者名」、「性別」、及び「生年月日」であり、項目「CRC」の欄に「主」が格納されている医療情報が、項目「情報」=「A同意」、「B同意」、及び「C同意」であるので、これらの項目「情報」の情報を特定する。
【0170】
=SC2の第2処理=
「SC2の第2処理」においては、
図17の「SA2の第2処理」と同様の処理を行って、CRC用入力画面情報を生成する。
【0171】
図22は、CRC用入力画面を例示した図である。ここでは、例えば、
図22に示すように、症例基本情報入力画面、及び同意情報入力画面を表示するための入力画面情報を、CRC用入力画面情報として生成する。
【0172】
===SC3===
図21のSC3において医療支援装置2の表示制御部231は、SC2で生成したCRC用入力画面情報を、ログインしたユーザであるCRCの端末装置1に送信する。具体的には任意であるが、例えば、
図17のSA3と同様な処理を行う。
【0173】
ここでは、例えば、CRC用情報格納処理の起動時にログイン情報を送信した端末装置103(つまり、
図1の氏名「U3」のユーザであるCRCが携帯する端末装置103)に対して、SC2で生成した
図22のCRC用入力画面を表示するためのCRC用入力画面情報を送信する。
【0174】
一方、ログインしたユーザの端末装置103の制御部23は、当該送信されたCRC用入力画面情報を受信した場合に、当該受信したCRC用入力画面情報に基づいて、ディスプレイ13に
図22のCRC用入力画面を表示する。
【0175】
この場合、CRCが主入力者又は副入力者となっている種類の医療情報を入力するための各入力欄がCRC用入力画面に表示されることになるのでユーザであるCRCに対して、多数種類の医療情報の内のCRCが入力するべき種類の医療情報を、迅速かつ的確に入力させることが可能となる。
【0176】
===SC4===
図21のSC4において医療支援装置2の格納制御部233は、ログインしたユーザによってCRC用入力画面の入力欄に入力された医療情報等を受信して取得する。具体的には任意であるが、例えば、
図17のSA4と同様な処理を行う。
【0177】
ここでは、例えば、患者来院時に待合室等で当該患者が関係書類に記載した情報に基づいて、氏名「U3」のCRCであるユーザは、SC3で端末装置103のディスプレイ13に表示された
図22の同意情報入力画面の入力欄P21~P23の全てに対して、タッチパッド12を介して「有(2020/7/10)」を入力して不図示の記録ボタンをタップした場合、端末装置103の制御部15は、「有(2020/7/10)」及び「ID21」、「有(2020/7/10)」及び「ID22」、及び「有(2020/7/10)」及び「ID23」の各組み合わせの情報を、医療支援装置2に送信する。この場合、医療支援装置2の格納制御部233は、端末装置103から送信された各組み合わせの情報を受信して取得する。
【0178】
===SC5===
図21のSC5において医療支援装置2の格納制御部233は、SC4で受信して取得した情報に基づいて、ユーザに入力された医療情報を医療情報DB222に格納する。具体的には任意であるが、概略的には、例えば、
図17のSA5と同様な処理を行う。詳細には、例えば、「SC5の第1処理」~「SC5の第2処理」を、SC4で受信した各組み合わせの情報について実行する。
【0179】
=SC5の第1処理=
「SC5の第1処理」において、
図17の「SA5の第1処理」と同様な処理を行う。ここでは、例えば、SC4で受信した「有(2020/7/10)」、「有(2020/7/10)」、及び「有(2020/7/10)」については、格納する対象となるテーブルとして「患者詳細情報テーブルT2」を特定し、また、「A同意」、「B同意」、及び「C同意」を、各医療情報の格納する対象となる医療情報の種類として特定する。
【0180】
=SC5の第2処理=
「SC5の第2処理」において、
図17の「SA5の第2処理」と同様な処理を行う。ここでは、例えば、
図6の患者詳細情報テーブルT2において、項目「患者ID」の情報にSC1で特定した「患者ID」=「IDp1」と同じ情報が項目「患者ID」の情報として格納されている場合、当該「IDp1」に関連付けて、項目「A同意」=「有(2020/7/10)」、項目「B同意」=「有(2020/7/10)」、及び項目「C同意」=「有(2020/7/10)」を格納する。これにて、看護師用情報格納処理を終了する。
【0181】
(処理-検査技師用情報格納処理)
図23は、検査技師用情報格納処理のフローチャートである。「検査技師用情報格納処理」とは、概略的には、医療支援装置2によって実行される処理であり、具体的には、検査技師に医療情報を入力させて当該情報を格納する処理である。
【0182】
この検査技師用情報格納処理を実行するタイミングは任意であり、看護師用情報格納処理と同様であるが、例えば、ユーザである検査技師が、自己の端末装置1のタッチパッド12を介して、自己の氏名、及び情報を格納する対象となる患者の氏名を入力した上で所定操作(検査技師用情報格納処理を起動するための操作)を行ってログインした場合に、端末装置1の制御部15が、入力されたユーザのユーザ氏名情報及び入力された患者の患者氏名情報を、ログイン情報として医療支援装置2に送信することとする。一方、医療支援装置2の制御部23は、端末装置1から送信されたログイン情報であるユーザ氏名情報及び患者氏名情報を受信し、
図3のユーザ情報を参照して、受信したユーザ氏名情報と同じ情報が格納されている項目「ユーザ名」の情報に関連付けられている項目「職種」の情報を特定し(つまり、ログインしたユーザの職種を特定し)、特定した当該項目「職種」の情報が「検査技師」である場合に起動することとし、当該検査技師用情報格納処理が起動したところから説明する。
【0183】
ここでは、例えば、
図1の氏名「U4」のユーザである検査技師が、自己の端末装置104のタッチパッド12を介して、自己の氏名である「U4」、及び情報を格納する対象となる患者の氏名である「AA」を入力した上で所定操作(検査技師用情報格納処理を起動するための操作)を行ってログインした場合に、端末装置104の制御部15が、ログイン情報として「ユーザ氏名情報」=「U4」及び「患者氏名情報」=「AA」を、医療支援装置2に送信することとする。一方、医療支援装置2の制御部23は、端末装置1から送信されたログイン情報である「ユーザ氏名情報」=「U4」及び「患者氏名情報」=「AA」を受信し、
図3のユーザ情報を参照して、受信した「ユーザ氏名情報」=「U4」と同じ情報が格納されている項目「ユーザ名」の情報に関連付けられている項目「職種」の情報として「検査技師」を特定し(つまり、ログインした氏名「U3」のユーザの職種を「検査技師」と特定し)、特定した当該項目「職種」の情報が「検査技師」であるので検査技師用情報格納処理を起動する。
【0184】
===SD1===
図23のSD1において医療支援装置2の表示制御部231は、情報を格納する対象となる患者の患者IDを特定する。具体的には任意であるが、例えば、
図17のSA1と同様な処理を行う。ここでは、例えば、「患者氏名情報」=「AA」に対応する「IDp1」を、情報を格納する対象となる患者の患者IDとして特定する。
【0185】
===SD2===
図23のSD2において医療支援装置2の表示制御部231は、検査技師用入力画面情報を生成する。「検査技師用入力画面情報」とは、検査技師が入力するべき情報に対応する入力欄を含む検査技師用入力画面を表示するための入力画面情報である。
【0186】
処理について具体的には任意であるが、概略的には、例えば、
図17のSA2と同様な処理を行う。詳細には、例えば、「SD2の第1処理」~「SD2の第3処理」を実行する。
【0187】
=SD2の第1処理=
「SD2の第1処理」においては、基本的には
図17の「SA2の第1処理」と同様であり、すなわち、
図12の入力情報特定情報を参照して、項目「ユーザの職種」に対応する欄の内の、検査技師用情報格納処理の起動時に特定したユーザの職種(つまり、ログインしたユーザの職種)に対応する欄である項目「検査技師」の欄に「主」又は「副」が格納されている医療情報の種類を、ログインしたユーザの職種が主入力者又は副入力者となっている医療情報の種類として特定する。
【0188】
ここでは、例えば、
図12の入力情報特定情報において、項目「検査技師」の欄に「副」が格納されている医療情報が、項目「情報」=「患者名」、「性別」、「生年月日」であり、項目「検査技師」の欄に「主」が格納されている医療情報が、項目「情報」=「TNM分類(T)」、「TNM分類(N)」、「TNM分類(M)」、「検査日」、「検査値(EGFR)」、・・・、「検査値(KRAS)」、「検査値(NRAS)」、「検査値(HER2)」等であるので、これらの項目「情報」の情報を特定する。
【0189】
=SD2の第2処理=
「SD2の第1処理」においては、患者が罹患している病気に対応する検査項目を特定する。具体的には任意であるが、例えば、
図7のエピソード情報テーブルT3を参照して、SD1で特定した患者IDと同じ情報が格納されている項目「患者ID」の情報に関連付けられている項目「エピソードID」の情報を特定する。なお、前述のSB5で説明したように、
図7のエピソード情報テーブルT3において、SD1で特定した患者ID(つまり、情報を格納する対象となる患者を識別する患者ID)に関連付けられているエピソードIDが複数存在する場合も想定されるが、この場合、当該SB5で説明した「第1の手法」又は「第2の手法」を用いて1個のエピソードIDを特定してもよい。次に、
図7のエピソード情報テーブルT3を参照して、前述の特定した項目「エピソードID」の情報に関連付けられている項目「癌種区分」の情報を特定し、
図13の検査項目特定情報を参照して、当該特定した項目「癌種区分」の情報と同じ情報が格納されている
図13の項目「癌種区分」の情報に関連付けられている項目「検査項目名」の情報を特定する。
【0190】
ここでは、例えば、
図7のエピソード情報テーブルT3を参照して、SD1で特定した「患者ID」=「IDp1」と同じ情報が格納されている項目「患者ID」=「IDp1」に関連付けられている項目「エピソードID」=「IDse1」の情報を特定する。次に、
図7のエピソード情報テーブルT3を参照して、前述の特定した項目「エピソードID=「IDse1」に関連付けられている項目「癌種区分」=「胃癌」を特定し、
図13の検査項目特定情報を参照して、当該特定した項目「癌種区分」=「胃癌」と同じ情報が格納されている
図13の項目「癌種区分」の情報に関連付けられている項目「検査項目名」=「KRAS」、「NRAS」、及び「HER2」を特定する。
【0191】
=SD2の第3処理=
「SD2の第3処理」においては、検査値の入力欄以外は基本的には
図17の「SA2の第2処理」と同様の処理を行って、検査技師用入力画面情報を生成する。すなわち、以下の「検査値に関する処理」、「検査値以外に関する処理」、及び「入力画面情報生成処理」を行う。
【0192】
<検査値に関する処理>
「検査値に関する処理」においては、「SD2の第1処理」で特定した種類の医療情報の内の、検査値の種類に対応する医療情報(つまり、「検査値(EGFR)」等の本実施の形態では「検査値」という用語が含まれている種類の医療情報であり、
図11の検査情報テーブルT7の項目「検査値」の情報に対応する種類の医療情報)を特定し、特定した医療情報の内の「SD2の第2処理」で特定した
図13の項目「検査項目名」の情報に対応する医療情報の種類を選択し、
図15の入力画面関連情報を参照して、当該選択した種類の医療情報と同じ情報が格納されている項目「医療情報」の項目「情報」に関連付けられている項目「入力画面」の情報及び項目「入力欄ID」の情報を特定する。
【0193】
ここでは、例えば、「SD2の第1処理」で特定した種類の医療情報の内の、検査値の種類に対応する医療情報として、「検査値(EGFR)」、・・・、「検査値(KRAS)」、「検査値(NRAS)」、「検査値(HER2)」等を特定するが、「SD2の第2処理」で項目「検査項目名」=「KRAS」、「NRAS」、及び「HER2」を特定したので、「検査値(KRAS)」、「検査値(NRAS)」、「検査値(HER2)」を選択し、
図15の入力画面関連情報を参照して、項目「入力画面」=「癌詳細情報」を特定し、また、項目「入力欄ID」=「ID45」~「ID47」を特定する。
【0194】
<検査値以外に関する処理>
「検査値以外に関する処理」においては、「SD2の第1処理」で特定した種類の医療情報の内の、検査値の種類以外の種類に対応する医療情報(つまり、「患者名」等の本実施の形態では「検査値」という用語が含まれていない種類の医療情報)を特定し、
図15の入力画面関連情報を参照して、当該特定した種類の医療情報と同じ情報が格納されている項目「医療情報」の項目「情報」に関連付けられている項目「入力画面」の情報及び項目「入力欄ID」の情報を特定する。
【0195】
ここでは、例えば、「SD2の第1処理」で特定した種類の医療情報の内の、検査値の種類以外の種類に対応する医療情報として、「患者名」、「性別」、「生年月日」、「TNM分類(T)」、「TNM分類(N)」、「TNM分類(M)」、及び「検査日」を特定し、
図15の入力画面関連情報を参照して、項目「入力画面」=「症例基本情報」、「患者背景情報」、及び「癌詳細情報」を特定し、また、項目「入力欄ID」=「ID11」~「ID13」、「ID36」~「ID38」、及び「ID44」を特定する。
【0196】
<入力画面情報生成処理>
「入力画面情報生成処理」においては、「検査値に関する処理」又は「検査値以外に関する処理」で特定した項目「入力画面」の情報が示す入力画面であって、「検査値に関する処理」又は「検査値以外に関する処理」で特定した項目「入力欄ID」の情報が識別する入力欄を含む入力画面を表示するための入力画面情報を、検査技師用入力画面情報として生成する。
【0197】
図24は、検査技師用入力画面を例示した図である。ここでは、例えば、
図24に示すように、症例基本情報入力画面、患者背景情報入力画面、及び癌詳細情報入力画面を表示するための入力画面情報を、検査技師用入力画面情報として生成する。特に、癌詳細情報入力画面については、前述の「検査値に関する処理」で特定した「ID45」~「ID47」が識別する入力欄P45~P47が入力表示領域P400に表示される入力画面情報を生成する。
【0198】
===SD3===
図23のSD3において医療支援装置2の表示制御部231は、SD2で生成した検査技師用入力画面情報を、ログインしたユーザである検査技師の端末装置1に送信する。具体的には任意であるが、例えば、
図17のSA3と同様な処理を行う。
【0199】
ここでは、例えば、検査技師用情報格納処理の起動時にログイン情報を送信した端末装置104(つまり、
図1の氏名「U4」のユーザである検査技師が携帯する端末装置104)に対して、SD2で生成した
図24の検査技師用入力画面を表示するための検査技師用入力画面情報を送信する。
【0200】
一方、ログインしたユーザの端末装置104の制御部23は、当該送信された検査技師用入力画面情報を受信した場合に、当該受信した検査技師用入力画面情報に基づいて、ディスプレイ13に
図24の検査技師用入力画面を表示する。
【0201】
この場合、検査技師が主入力者又は副入力者となっている種類の医療情報を入力するための各入力欄が検査技師用入力画面に表示されることになるのでユーザである検査技師に対して、多数種類の医療情報の内の検査技師が入力するべき種類の医療情報を、迅速かつ的確に入力させることが可能となる。
【0202】
===SD4===
図23のSD4において医療支援装置2の格納制御部233は、ログインしたユーザによって検査技師用入力画面の入力欄に入力された医療情報等を受信して取得する。具体的には任意であるが、例えば、
図17のSA4と同様な処理を行う。
【0203】
ここでは、例えば、患者の検査結果に情報に基づいて、氏名「U4」の検査技師であるユーザは、タッチパッド12を介して、SD3で端末装置104のディスプレイ13に表示された
図24の患者背景情報入力画面の入力欄P36~P38に「1」、「1」、「0」を入力し、また、癌詳細情報入力画面の入力欄P44~P47に「2020/7/10」、「D1」、「D2」、及び「D3」入力した上で、不図示の記録ボタンをタップした場合、端末装置104の制御部15は、「1」及び「ID36」、「1」及び「ID37」、「0」及び「ID38」、「2020/7/10」及び「ID44」、「D1」及び「ID45」、「「D2」及び「ID46」、及び「D3」及び「ID47」の各組み合わせの情報を、医療支援装置2に送信する。この場合、医療支援装置2の格納制御部233は、端末装置104から送信された各組み合わせの情報を受信して取得する。
【0204】
===SD5===
図23のSD5において医療支援装置2の格納制御部233は、SD4で受信して取得した情報に基づいて、ユーザに入力された医療情報を医療情報DB222に格納する。具体的には任意であるが、概略的には、例えば、
図17のSA5と同様な処理を行う。詳細には、例えば、「SD5の第1処理」~「SD5の第2処理」を、SD4で受信した各組み合わせの情報について実行する。
【0205】
=SD5の第1処理=
「SD5の第1処理」において、
図17の「SA5の第1処理」と同様な処理を行う。
【0206】
ここでは、例えば、SD4で受信した「1」及び「ID36」、「1」及び「ID37」、「0」及び「ID38」の医療情報である「1」、「1」、「0」については、格納する対象となるテーブルとして「エピソード情報テーブルT3」を特定し、また、「TNM分類」のT因子、N因子、及びM因子を、当該医療情報である「1」、「1」、「0」の格納する対象となる医療情報の種類として特定する。
【0207】
また、例えば、SD4で受信した「2020/7/10」及び「ID44」、「D1」及び「ID45」、「D2」及び「ID46」、及び「D3」及び「ID47」の医療情報である「2020/7/10」、「D1」、「D2」、及び「D3」については、格納する対象となるテーブルとして「検査情報テーブルT7」を特定する。そして、「2020/7/10」については、格納する対象となる医療情報の種類として「検査日」を特定する。また、「D1」については、格納する対象となる医療情報の種類として、項目「検査項目」=「KRAS」(
図11参照)に関連付けられている「検査値」を特定する。また、同様にして、「D2」及び「D3」については、格納する対象となる医療情報の種類として、項目「検査項目」=「NRAS」及び「HER2」(
図11参照)に関連付けられている「検査値」を特定する。
【0208】
=SD5の第2処理=
「SD5の第2処理」において、
図17の「SA5の第2処理」と同様な処理を行う。詳細には、
図4及び
図11の検査情報テーブルT7の情報を新たに格納することになるが、「SD5の第1処理」で格納する対象となる医療情報の種類として「検査値」を特定した個数分(つまり、
図24の癌詳細情報入力画面における入力表示領域P400に表示されている入力欄に入力された情報の個数分)だけ、一意となる検査情報IDを生成し、また、前述のSB5で説明した手法と同様な手法を用いて1個のエピソードIDを特定し、また、任意の手法で現在の日付を特定した上で、
図11の検査情報テーブルT7において、項目「検査情報ID」の情報、項目「エピソードID」の情報、項目「患者ID」の情報、及び項目「更新日」の情報として、前述の生成した検査情報IDの内の1個の検査情報ID、前述の特定したエピソードID、SD1で特定した患者ID、及び前述の特定した日付を示す情報を格納し、当該格納した各情報に関連付けて、SD4で受信した医療情報等を格納する。
【0209】
ここでは、例えば、「SD5の第1処理」で格納する対象となる医療情報の種類として「検査値」を特定した個数が、「D1」~「D3」に対応する3個であるので、「検査情報ID」=「IDst1」、「IDst2」、及び「IDst3」を生成し、また、
図7のエピソード情報テーブルT3を参照して、SD1で特定した「患者ID」=「IDp1」と同じ情報が格納されている項目「患者ID」の情報に関連付けられている項目「エピソードID」=「IDse1」を特定し、また、任意の手法で現在の日付として「2020/7/10」を特定した上で、以下の処理を行う。具体的には、「D1」~「D3」を個別に格納することになるが、
図11の検査情報テーブルT7において、項目「検査情報ID」の情報、項目「エピソードID」の情報、項目「患者ID」の情報、及び項目「更新日」の情報として、前述の生成した「検査情報ID」=「IDst1」、「IDst2」、及び「IDst3」の内の例えば「IDst1」、前述の特定した「エピソードID」=「IDse1」、SD1で特定した「患者ID」=「IDp1」、及び前述の特定した日付を示す情報である「2020/7/10」を格納し、また、項目「検査項目名」の情報として、検査値の医療情報である「D1」の検査項目としての「KRAS」を格納し、また、項目「検査値」の情報として当該「D1」を格納し、また、項目「検査日」の情報として「2020/7/10」を格納することにより、
図11の最上段の情報を格納する。そして、同様な処理を「D2」及び「D3」についても行うことにより、
図11に図示されている2段目及び3段目の情報も格納する。これにて、検査技師用情報格納処理を終了する。
【0210】
(処理-情報確認処理)
図25は、情報確認処理のフローチャートである。「情報確認処理」とは、概略的には、医療支援装置2によって実行される処理であり、具体的には、複数種類の医療情報相互間の整合性を確認する処理である。なお、整合性を確認する対象となる医療情報の種類は任意であるが、本実施の形態では、
図7のエピソード情報テーブルT3の項目「癌種区分」の情報、項目「TNM分類」の情報、及び項目「ステージ」の情報の相互間の整合性を確認する場合について説明する。
【0211】
この情報確認処理を実行するタイミングは任意であり、例えば、整合性を確認する対象となる情報(以下、「整合性確認対象情報」)(つまり、例えば、
図7のエピソード情報テーブルT3の項目「癌種区分」の情報、項目「TNM分類」の情報、及び項目「ステージ」の情報)が格納された後の任意のタイミングに起動することとし、当該情報確認処理が起動したところから説明する。
【0212】
図25のSE1において医療支援装置2の確認部232は、「整合性確認対象情報」を取得する。具体的には任意であるが、例えば、
図7のエピソード情報テーブルT3を参照して、相互に関連付けられている項目「癌種区分」の情報、項目「TNM分類」の情報、及び項目「ステージ」の情報の組み合わせの情報を取得する。
【0213】
ここでは、例えば、項目「癌種区分」=「胃癌」、項目「TNM分類」=「T=1,N=1,M=0」、及び項目「ステージ」=「1A」を取得する。
【0214】
図25のSE2において医療支援装置2の確認部232は、SE1で取得した「整合性確認対象情報」の相互間の整合性を確認する。具体的には任意であるが、例えば、
図14の確認用基準情報を参照して、当該確認用基準情報にSE1で取得した「整合性確認対象情報」と一致する組み合わせの情報が格納されているか否かに基づいて整合性を確認する。そして、一致する組み合わせの情報が存在する場合、「整合性確認対象情報」は相互に整合しているものと確認し、一方、一致する組み合わせの情報が存在しない場合、「整合性確認対象情報」は相互に整合していないものと確認する。
【0215】
ここでは、例えば、
図14の確認用基準情報の最上段の情報(つまり、「胃癌」、「T=1,N=1,M=0」、及び「1A」の組み合わせの情報)が、SE1で取得した「整合性確認対象情報」である項目「癌種区分」=「胃癌」、項目「TNM分類」=「T=1,N=1,M=0」、及び項目「ステージ」=「1A」と一致しているので、「整合性確認対象情報」は相互に整合しているものと確認する。
【0216】
図25のSE3において医療支援装置2の確認部232は、SE2の確認結果を適宜出力する。具体的には任意であり、例えば、SE2において「整合性確認対象情報」が整合しているものと確認した場合の当該確認結果(以下、「整合確認結果」)、又は、SE2において「整合性確認対象情報」が整合していないものと確認した場合の当該確認結果(以下、「不整合確認結果」)の内の両方又は何れか一方のみを出力するように構成してもよいが、本実施の形態では、「不整合確認結果」のみを出力する場合について説明する。
【0217】
詳細には、SE2で整合していないものと確認された「整合性確認対象情報」に関連付けられている患者に関する情報と、整合していないものと確認された旨を示す情報とを、任意の出力対象に出力する。ここでの出力対象としては、例えば、医療情報DB222に格納されている医療情報を管理する管理者が存在することとし、当該管理者のコンピュータに送信して、当該コンピュータのディスプレイを介して前述の各情報(つまり、患者に関する情報、及び整合していないものと確認された旨を示す情報)を表示出力したり、スピーカを介して音声出力したりしてもよい。
【0218】
より詳細には、エピソード情報テーブルT3を参照して、SE1で「整合性確認対象情報」として取得した項目「癌種区分」の情報、項目「TNM分類」の情報、及び項目「ステージ」の情報に関連付けられている患者IDを特定し、患者情報テーブルT1を参照して、当該特定した患者IDと同じ情報が格納されている項目「患者」の情報に関連付けられている項目「患者名」の情報、項目「性別」の情報、及び項目「生年月日」の情報を特定した上で、当該特定した項目「患者名」の情報、項目「性別」の情報、及び項目「生年月日」の情報と、項目「癌種区分」の情報、項目「TNM分類」の情報、及び項目「ステージ」の情報が相互に整合していないものと確認された旨を示す情報を出力してもよい。これにて、情報確認処理を終了する。
【0219】
(実施の形態の効果)
このように本実施の形態によれば、入力情報特定情報又は検査項目特定情報に基づいて医療情報DB222に格納する対象となる医療情報の種類を特定し、特定した種類の医療情報を入力して格納するための入力欄(情報入力欄)を表示することにより、例えば、必要な入力欄を表示することができるので、医療情報を効率的に入力することが可能となる。
【0220】
また、ユーザ(入力者)がログインした場合に、ログインした当該ユーザの職種(属性)を特定し、当該特定した職種と入力情報特定情報とに基づいて、当該特定した職種を示している「主」(主入力者属性情報)又は「副」(副入力者属性情報)と関連付けられている医療情報の種類を特定し、特定した種類の医療情報を入力して格納するための入力欄を表示することにより、例えば、ログインしたユーザが入力を担当している医療情報に関する入力欄を表示することができるので、医療情報を効率的に入力することが可能となる。
【0221】
また、複数種類の医療情報相互間の整合性を確認することにより、例えば、複数種類の医療情報の整合性を維持することが可能となる。
【0222】
また、入力欄に入力された医療情報を格納することにより、例えば、医療情報を適切に格納することが可能となる。
【0223】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0224】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の詳細に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏したりすることがある。
【0225】
(分散や統合について)
また、上述した構成は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。本出願における「システム」とは、複数の装置によって構成されたものに限定されず、単一の装置によって構成されたものを含む。また、本出願における「装置」とは、単一の装置によって構成されたものに限定されず、複数の装置によって構成されたものを含む。
【0226】
(主入力者及び副入力者に関する表示について)
また、上記実施の形態の各入力画面において、各ユーザ自身が主入力者となっている種類の医療情報に関する入力欄(以下、「主入力欄」)の表示態様と、各ユーザ自身が副入力者となっている種類の医療情報に関する入力欄(以下、「副入力欄」)の表示態様とを、相互に異ならせてもよい。具体的には、例えば、「主入力欄」の背景色を白色とし、「副入力欄」の背景色を灰色としてもよいし、あるいは、「主入力欄」を「副入力欄」よりも目立たせてもよい。
【0227】
この場合の具体的な処理は任意であるが、例えば、
図17の看護師用情報格納処理に対して、この概念を適用する場合、
図17のSA1の後のSA2において、
図12の入力情報特定情報において、項目「看護師」の欄に「副」が格納されている医療情報である項目「情報」=「患者名」等を入力するための
図18の入力欄P11等の背景色が灰色となり、また、項目「看護師」の欄に「主」が格納されている医療情報である項目「情報」=「喫煙歴有無」等を入力するための
図18の入力欄P31頭の背景色が白色となるように、看護師用入力画面情報を生成するように構成してもよい。なお、他の情報格納処理についても同様にして適用してもよい。
【0228】
(主入力者及び副入力者の別について)
また、上記実施の形態では、主入力者及び副入力者が存在する場合について説明したが、これに限らない。例えば、
図12の入力情報特定情報に「主」のみを格納して、主入力者のみが存在することとして、各処理を実行するように構成してもよい。
【0229】
(同意状況情報について)
また、上記実施の形態において、同意状況情報に基づいて、医療情報格納手段に格納する対象となる医療情報の種類を特定するように構成してもよい。
図26は、他の入力情報特定情報を例示した図である。
図1の入力情報特定情報DB223に、
図26の入力情報特定情報(種類特定用情報)を格納して、当該入力情報特定情報を用いて、医療情報DB222に格納する対象となる医療情報の種類を特定するように構成してもよい。
【0230】
図26の入力情報特定情報は、
図12の入力情報特定情報において、項目「同意状況」に対応する情報を更に関連付けた情報である。この項目「同意状況」の項目「A同意」においては、A機関で情報を利用することに同意している場合に医療情報DB222に格納する対象となる医療情報に対応する欄に「〇」印が付されており、また、項目「B同意」及び項目「C同意」においても、同様に、B機関及びC機関で情報を利用することに同意している場合に医療情報DB222に格納する対象となる医療情報に対応する欄に「〇」印が付されている。つまり、この
図26の入力情報特定情報においては、例えば図面中段に記載の項目「情報」=「ステージ」については、患者又は家族がA機関又はB機関で情報を利用することに同意していたとしても、医療情報DB222に格納する対象とならずに、一方、C機関で情報を利用することに同意していた場合に、医療情報DB222に格納する対象となること等が示されている。なお、ここで図示されている「〇」印を付す対象の医療情報は任意に決定してもよく、各機関等の研究等で必要となる医療情報の種類に「〇」印を付してもよく、図示されているパターン以外の他の任意のパターンで「〇」印を付してもよい。
【0231】
ここで示す特徴を実現するための手法は任意であり、例えば、各情報格納処理の任意の処理として実装してもよく、例えば、
図19のSB2の処理として実装する場合について代表して説明する。なお、特記する部分を除いて、実施の形態と同様な処理を行うこととする。例えば、
図6の患者詳細情報テーブルT2の少なくとも項目「患者ID」の情報、項目「A同意」の情報、項目「B同意」の情報、及び項目「C同意」の情報が格納されている場合について説明する。
【0232】
具体的には、
図19のSB1の後のSB2において医療支援装置2の表示制御部231は、まず、
図6の患者詳細情報テーブルT2を参照して、SB1で特定した患者ID(情報を格納する対象となる患者の患者ID)と同じ情報が格納されている項目「患者ID」の情報に関連付けられている項目「A同意」の情報、項目「B同意」の情報、及び項目「C同意」の情報を取得し、取得した情報に基づいて、情報を格納する対象となる患者の情報を利用する機関として同意がされている機関を特定し、
図26の入力情報特定情報の項目「同意状況」の各情報の欄を参照して、項目「A同意」の欄、項目「B同意」の欄、又は項目「C同意」の欄の内の前述の同意がされているものと特定した機関に対応する欄を参照して、「〇」印が格納されている項目「医療情報」における項目「情報」の情報を特定する。そして、この後、基本的には実施の形態で説明した「SB1の第1処理」と同様な処理を行うが、すなわち、
図26の入力情報特定情報を参照して、前述の特定した項目「医療情報」における項目「情報」の情報に対応する医療情報の種類の中から、項目「医師」の欄に「主」又は「副」が格納されている医療情報の種類を、ログインしたユーザの職種である医師が主入力者又は副入力者となっている医療情報の種類として特定する。さらにこの後、「SB2の第2処理」と同様な処理を行う。
【0233】
図27は、医師用入力画面を例示した図である。ここでは、例えば、
図6の項目「患者ID」=「IDp1」に対して、
図6では不図示であるが、項目「A同意」=「無」、項目「B同意」=「有(2020/7/10)」の情報、項目「C同意」=「無」が格納されている場合(つまり、「IDp1」の患者がB機関のみで情報を利用することに同意している場合)を例示して説明する。この場合、
図19のSB2において医療支援装置2の表示制御部231は、まず、
図6の患者詳細情報テーブルT2を参照して、SB1で特定した「患者ID」=「IDp1」と同じ情報が格納されている項目「患者ID」の情報に関連付けられている項目「A同意」=「無」、項目「B同意」=「有(2020/7/10)」の情報、項目「C同意」=「無」を取得し、取得した情報に基づいて、情報を格納する対象となる患者の情報の利用が同意されている機関として「B機関」を特定し、
図26の入力情報特定情報の項目「同意状況」の各情報の欄の内の前述の特定した「B機関」に対応する項目「B同意」の欄を参照して、当該項目「B同意」の欄に「〇」印が格納されている項目「医療情報」における項目「情報」の情報として「患者名」、「性別」等の情報を特定する。そして、この後、基本的には実施の形態で説明した「SB1の第1処理」と同様な処理を行うが、すなわち、
図26の入力情報特定情報を参照して、前述の特定した項目「医療情報」における項目「情報」の情報に対応する医療情報の種類の中から(つまり、項目「B同意」の欄に「〇」印が格納されている情報の中から)、項目「医師」の欄に「主」又は「副」が格納されている医療情報の種類を、ログインしたユーザの職種である医師が主入力者又は副入力者となっている医療情報の種類として特定する。なお、この場合、項目「情報」=「喫煙歴有無」及び「喫煙年数」等は項目「医師」の欄に「副」が格納されているものの、前述の項目「B同意」の欄に「〇」印が格納されていないので、ここでは特定しないことになる。また、項目「情報」=「ステージ」等も項目「医師」の欄に「主」が格納されているものの、前述の項目「B同意」の欄に「〇」印が格納されていないので、ここでは特定しないことになる。さらにこの後、「SB2の第2処理」と同様な処理を行うことにより、例えば、
図27に示すように、症例基本情報入力画面、癌詳細情報入力画面、有害事象情報入力画面、及び治療歴情報入力画面を表示するための入力画面情報を、医師用入力画面情報として生成する。そして、この後、SB3~SB5の処理を行う。
【0234】
なお、ここでの特徴を実現する処理を実装する対象は医師用情報格納処理に限らず、看護師用情報格納処理、又は検査技師用情報格納処理に実装してもよい。
【0235】
(情報の入力について)
また、上記実施の形態の
図18等の各入力画面においては、各ユーザが当該入力画面に表示されている任意の入力欄に情報を入力すればよく、すなわち、全ての入力欄に情報を入力する必要はない。
【0236】
(医療情報DBについて)
また、上記実施の形態では、医療情報DB222においては、
図4等に示す各テーブルが格納されている場合について説明したが、この医療情報DB222に格納されているデータ構造としては、他の任意のデータ構造を採用してもよい。
【0237】
また、上記実施の形態では、医療情報DB222として、
図4等に示す各テーブルを図示して説明したが、ここで図示した医療情報の種類の個数は、説明の便宜上のものであり、より多い個数(例えば、200個以上等)の医療情報の種類を有する場合に上記実施の形態で説明した概念を適用してもよい。
【0238】
(特徴について)
また、上記実施の形態の特徴及び変形例の特徴を任意に組合わせてもよい。
【0239】
(付記)
付記1の医療システムは、医療システムであって、患者に関する複数種類の医療情報を格納する医療情報格納手段と、医療情報を前記医療システムに入力する入力者の属性を示す入力者属性情報、前記患者が罹患している病気を示す病気情報、又は前記患者の情報の取り扱いに関する当該患者の同意状況を示す同意状況情報の内の1個以上の情報に基づいて前記医療情報格納手段に格納する対象となる医療情報の種類を特定するための種類特定用情報を格納する種類特定用情報格納手段と前記種類特定用情報格納手段に格納されている前記種類特定用情報に基づいて前記医療情報格納手段に格納する対象となる医療情報の種類を特定し、特定した種類の医療情報を入力して前記医療情報格納手段に格納するための情報入力欄を表示手段に表示する表示制御手段と、を備える。
【0240】
付記2の医療システムは、付記1に記載の医療システムにおいて、前記入力者属性情報は、医療情報を前記医療システムに入力する主入力者の属性を示す主入力者属性情報、及び医療情報を前記医療システムに前記主入力者の代わり入力する副入力者の属性を示す副入力者属性情報を含み、前記種類特定用情報は、前記主入力者属性情報又は前記副入力者属性情報と、前記医療情報格納手段に格納する対象となる医療情報の種類とを相互に関連付けている情報を含み、前記表示制御手段は、前記医療システムに入力者がログインした場合に、ログインした当該入力者の属性を特定し、当該特定した属性と前記種類特定用情報とに基づいて、当該特定した属性を示している前記主入力者属性情報又は前記副入力者属性情報と関連付けられている医療情報の種類を特定し、特定した種類の医療情報を入力して格納するための前記情報入力欄を表示する。
【0241】
付記3の医療システムは、付記1又は2に記載の医療システムにおいて、前記表示制御手段は、相互に関連する複数種類の医療情報を入力して格納するための複数の前記情報入力欄を表示し、前記医療システムは、複数の前記情報入力欄に入力された複数種類の医療情報相互間の整合性を確認する処理を行う確認手段、を更に備える。
【0242】
付記4の医療システムは、付記1から3の何れか一項に記載の医療システムにおいて、前記情報入力欄に入力された医療情報を前記医療情報格納手段に格納する格納制御手段、を更に備える。
【0243】
付記5の医療プログラムは、医療プログラムであって、コンピュータを、患者に関する複数種類の医療情報を格納する医療情報格納手段と、医療情報を前記コンピュータに入力する入力者の属性を示す入力者属性情報、前記患者が罹患している病気を示す病気情報、又は前記患者の情報の取り扱いに関する当該患者の同意状況を示す同意状況情報の内の1個以上の情報に基づいて前記医療情報格納手段に格納する対象となる医療情報の種類を特定するための種類特定用情報を格納する種類特定用情報格納手段と、前記種類特定用情報格納手段に格納されている前記種類特定用情報に基づいて前記医療情報格納手段に格納する対象となる医療情報の種類を特定し、特定した種類の医療情報を入力して前記医療情報格納手段に格納するための情報入力欄を表示手段に表示する表示制御手段と、として機能させる。
【0244】
(付記の効果)
付記1に記載の医療システム、及び付記5に記載の医療プログラムによれば、種類特定用情報に基づいて医療情報格納手段に格納する対象となる医療情報の種類を特定し、特定した種類の医療情報を入力して格納するための情報入力欄を表示することにより、例えば、必要な情報入力欄を表示することができるので、医療情報を効率的に入力することが可能となる。
【0245】
付記2に記載の医療システムによれば、入力者がログインした場合に、ログインした当該入力者の属性を特定し、当該特定した属性と種類特定用情報とに基づいて、当該特定した属性を示している主入力者属性情報又は副入力者属性情報と関連付けられている医療情報の種類を特定し、特定した種類の医療情報を入力して格納するための情報入力欄を表示することにより、例えば、ログインした入力者が入力を担当している医療情報に関する情報入力欄を表示することができるので、医療情報を効率的に入力することが可能となる。
【0246】
付記3に記載の医療システムによれば、複数種類の医療情報相互間の整合性を確認することにより、例えば、複数種類の医療情報の整合性を維持することが可能となる。
【0247】
付記4に記載の医療システムによれば、情報入力欄に入力された医療情報を格納することにより、例えば、医療情報を適切に格納することが可能となる。
【符号の説明】
【0248】
1 端末装置
2 医療支援装置
11 通信部
12 タッチパッド
13 ディスプレイ
14 記録部
15 制御部
21 通信部
22 記録部
23 制御部
100 医療関連システム
101 端末装置
102 端末装置
103 端末装置
104 端末装置
221 ユーザ情報DB
222 医療情報DB
223 入力情報特定情報DB
224 検査項目特定情報DB
225 確認用基準情報DB
226 入力画面関連情報DB
231 表示制御部
232 確認部
233 格納制御部
P11~P14 入力欄
P21~P23 入力欄
P31~P39 入力欄
P41~P44 入力欄
P45~P47 入力欄
P51~P54 入力欄
P61~P64 入力欄
P400 入力表示領域
T1 患者情報テーブル
T2 患者詳細情報テーブル
T3 エピソード情報テーブル
T4 治療情報テーブル
T5 効果判定情報テーブル
T6 副作用情報テーブル
T7 検査情報テーブル
【要約】
【課題】医療情報を効率的に入力することを可能にすること。
【解決手段】医療支援装置2であって、患者に関する複数種類の医療情報を格納する医療情報DB222と、医療情報を医療支援装置2に入力する入力者の属性を示す入力者属性情報、患者が罹患している病気を示す病気情報、又は患者の情報の取り扱いに関する当該患者の同意状況を示す同意状況情報の内の1個以上の情報に基づいて医療情報DB222に格納する対象となる医療情報の種類を特定するための種類特定用情報に基づいて医療情報DB222に格納する対象となる医療情報の種類を特定し、特定した種類の医療情報を入力して医療情報DB222に格納するための入力欄を表示する表示制御部231を備える。
【選択図】
図1