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特許7091344アミロース分解活性および短鎖脂肪酸産生微生物の活性を促進するためのプレバイオティクス栄養補助食品
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  • 特許-アミロース分解活性および短鎖脂肪酸産生微生物の活性を促進するためのプレバイオティクス栄養補助食品 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-17
(45)【発行日】2022-06-27
(54)【発明の名称】アミロース分解活性および短鎖脂肪酸産生微生物の活性を促進するためのプレバイオティクス栄養補助食品
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/736 20060101AFI20220620BHJP
   A61K 31/715 20060101ALI20220620BHJP
   A61K 31/718 20060101ALI20220620BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20220620BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220620BHJP
   A23L 33/125 20160101ALI20220620BHJP
   A23L 33/21 20160101ALI20220620BHJP
【FI】
A61K31/736
A61K31/715
A61K31/718
A61P1/00
A61P43/00 111
A61P43/00 121
A23L33/125
A23L33/21
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019538181
(86)(22)【出願日】2018-01-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-02-06
(86)【国際出願番号】 US2018013433
(87)【国際公開番号】W WO2018132627
(87)【国際公開日】2018-07-19
【審査請求日】2020-12-01
(31)【優先権主張番号】62/446,042
(32)【優先日】2017-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/869,032
(32)【優先日】2018-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】302070822
【氏名又は名称】アクセス ビジネス グループ インターナショナル リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【弁理士】
【氏名又は名称】武居 良太郎
(72)【発明者】
【氏名】ブランドン シー.アイカー
(72)【発明者】
【氏名】グレッグ ヒレブランド
【審査官】福山 則明
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-093017(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0182579(US,A1)
【文献】特表2004-504332(JP,A)
【文献】米国特許第05792754(US,A)
【文献】日本内科学会雑誌,2015年,Vol. 104, No. 1,pp. 29-34
【文献】腸内細菌学雑誌,2005年,Vol. 19, No. 3,pp. 169-177
【文献】腸内細菌学雑誌,2002年,Vol. 16, No. 1,pp. 35-42
【文献】Asia Pacific J Clin Nutr,1999年,Vol. 8 (Suppl.),S14-S21
【文献】J. Nutr.,2002年,Vol. 132,pp. 3098-3104
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00-31/80
A23L 33/00-33/29
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトの胃腸(GI)の微生物叢を操作するための組成物であって、
微生物叢が利用可能な炭水化物(MACs)の混合物であって
エンドウデンプン、ジャガイモデンプン、生青バナナデンプン、およびヤーコンデンプンからなる群から選択される、少なくともつの異なる難消化性デンプン、および
グルコマンナン、アカシアガム、およびグアーガムからなる群から選択される、少なくとも二つの異なる非デンプン多糖類
を含む混合物;および
一つまたは複数の薬学的に許容される添加剤;
を含み、
ここで組成物をヒトに経口投与した後、MACsの混合物はヒトのGIにおいてアミロース分解活性および短鎖脂肪酸(SCFA)産生微生物の活性を促進し;
ここで該難消化性デンプンの少なくとも一つは、A型デンプン粒を含む;および
ここで該難消化性デンプンの少なくとも一つは、B型デンプン粒を含む、
組成物。
【請求項2】
前記少なくとも三つの異なる難消化性デンプンは、少なくともエンドウデンプン、ジャガイモデンプン、および生青バナナデンプンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記少なくとも三つの異なる難消化性デンプンは、i)生青バナナデンプン;およびii)エンドウデンプン、ジャガイモデンプン、およびヤーコンデンプンからなる群から選択される少なくとも二つの異なる難消化性デンプンからなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記異なる非デンプン多糖類は、少なくともグルコマンナンおよびアカシアガムを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
記異なる難消化性デンプンのそれぞれは、前記異なる非デンプン多糖類のそれぞれの量の少なくとも二倍で前記組成物中に存在する、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記MACsの混合物は、ヒトの結腸に存在するクロストリジウム科(Clostridiaceae)、放線菌門(Actinobacteria)、およびバクテロイデス門(Bacteroidetes)に属する分類群に属する個々の微生物のアミロース分解活性およびSCFA産生活性を促進する、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記MACsの混合物は、
前記少なくとも三つの異なる難消化性デンプン;および少なくともグルコマンナン(glucomannon)およびアカシアガムが存在する、前記少なくとも二つの異なる非デンプン多糖類からなる、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記MACsの混合物は、
エンドウデンプン、ジャガイモデンプン、および生青バナナデンプンからなる三つの異なる難消化性デンプン;および
グルコマンナン、アカシアガム、およびグアーガムからなる、三つの異なる非デンプン多糖類
からなる、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
それぞれが前記組成物の総重量に基づき、前記三つの異なる難消化性デンプンは、15~20重量%の量で個別に存在し、前記三つの異なる非デンプン多糖類は、1~5重量%の量で個別に存在する、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記MACsの混合物は、
エンドウデンプン、ジャガイモデンプン、生青バナナデンプン、およびヤーコンデンプンからなる四つの異なる難消化性デンプン;および
グルコマンナンおよびアカシアガムからなる、二つの異なる非デンプン多糖類
からなる、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
それぞれが前記組成物の総重量に基づき、前記四つの異なる難消化性デンプンが15~20重量%の量で個別に存在し、前記二つの異なる非デンプン多糖類が1~10重量%の量で個別に存在する、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
それぞれが前記組成物の総重量に基づき、前記非デンプン多糖類の一つが1~5重量%の量で存在し、他の前記非デンプン多糖類が5~10重量%の量で存在する、請求項11に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、2018年1月12日に出願された米国特許出願15/869,032号の優先権および全ての利益を主張し、それは2017年1月13日に出願された米国仮特許出願第62/446,042号の優先権および全ての利益を主張し、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本実施形態は、一般に、ヒト対象のGI系においてアミロース分解活性および短鎖脂肪酸(SCFA)産生微生物の活性を促進することにより、ヒト対象の胃腸(GI)の健康を改善するための組成物および方法に関する。組成物は、異なる種類の微生物叢が利用可能な炭水化物(MACs)の混合物、そしてより具体的には少なくとも二つの異なる難消化性デンプンおよび少なくとも二つの異なる非デンプン多糖類の混合物を含みうる。
【0003】
関連技術の説明
ヒトの胃腸(GI)系は、宿主の消化器系、免疫系、および代謝の健康を含む、宿主の健康の多様な側面に関連するGI微生物叢を形成する様々な微生物細胞を含む。食事、抗生物質、および病気を含む、様々な要因がヒトのGI微生物叢に影響を与える可能性がある。微生物叢腸内毒素症は、様々な疾患、たとえばメタボリックシンドローム、炎症性腸疾患、およびがんと関連している。したがって、GI微生物叢を操作することは、疾患を治療および/または予防するために使用することができると考えられている。
【0004】
宿主により消化された食物、特に可溶性食物繊維は、GI微生物叢にとって最も一般的な栄養である。微生物叢が利用可能な炭水化物(MACs)は、食物であり、そして宿主による分解および吸収に対して耐性があるが、GI微生物によって代謝的に処理されうる炭水化物として定義される。GI微生物代謝の副産物は、しばしば宿主により利用され、そしてしたがって宿主の健康に影響を与えうる。たとえば、可溶性食物繊維は宿主に有用である短鎖脂肪酸(SCFA)、たとえば酪酸塩、プロピオン酸塩、および酢酸塩を産生するためにGI微生物叢によって利用されうる。特に酪酸塩は、結腸細胞の主要エネルギー源として利用され、そしてしたがって結腸の健康に影響を与える可能性があるため、重要なSCFAである。
【0005】
MACsは、ヒトGI微生物叢の組成、多様性、および機能(たとえば、代謝産物)に影響を与えうる。特定の微生物種の増殖は、宿主によって摂取されるMACsの種類に応じて影響を受ける可能性があり、その結果、特定の微生物種が他の微生物種より増殖する。MACsは微生物種に応じて異なるように代謝的に処理されてもよく、または全く処理されなくてもよく、したがって宿主により利用される特定の発酵副産物の利用率(availability)に影響しうる。宿主によって摂取されるMACsおよび宿主のGI微生物叢の組成に応じて、所与の発酵副産物の産生量は、異なる宿主の間で大きく変わりうる。換言すれば、宿主により代謝される炭水化物は、それぞれの宿主の微生物叢の組成または構成によって決まるので、ヒトに対する特定のMACの効果は時とともに変化し、そして異なる個体間で変化しうる。
【0006】
様々な努力がなされてきた一方で、ヒトGI微生物叢の組成、多様性、および/または機能を調節することによってヒト対象のGIの健康を改善するためのさらなる方法および組成物を提供する機会は残っている。さらに、多様な範囲のヒト対象にわたって所望の腸内微生物叢発酵副産物の産生を促進するための方法および組成物を提供する機会は残っている。
【発明の概要】
【0007】
方法および組成物は開示されている。上記方法および組成物は、ヒトGI微生物叢のアミロース分解活性および短鎖脂肪酸(SCFA)産生微生物の活性を促進することによって、ヒト対象の胃腸(GI)の健康を改善するために有用である。上記組成物は、アミロース分解性微生物の活性を促進することを通じてヒト対象のGIにおけるSCFAの産生を促進する、異なる種類の微生物叢が利用可能な炭水化物(MACs)の混合物を含む。上記組成はまた一つまたは複数の薬学的に許容される添加物を含んでもよい。上記組成物は、各ヒト対象の腸内微生物叢の個人内のおよび個人間の変動を軽減するための、SCFAsを産生する微生物の活性を刺激する、複数のMACs源を提供するよう処方される。いくつかの実施形態では、組成物は、GI系内の異なる場所においてSCFAsを産生する微生物中の活性を刺激するMACsの混合物を提供するために処方される。
【0008】
一つの実施形態では、ヒトのGI微生物叢の治療のための組成物は、MACsの混合物および一つまたは複数の薬学的に許容される添加物を含む。上記混合物は、少なくとも二つの異なる難消化性デンプン、少なくとも二つの異なる非デンプン多糖類を含む。上記混合物は、ヒトのGI系においてアミロース分解活性および短鎖脂肪酸(SCFA)産生微生物(たとえば、酢酸生成微生物および/または酪酸生成微生物)の活性を促進する。
【0009】
別の実施形態では、難消化性デンプンは、デンプン質の野菜、デンプン産生根、塊茎、球根、球茎、マメ、ナッツ、種子、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。前記難消化性デンプンは、ジャガイモデンプン、エンドウデンプン、タイガーナッツデンプン、ヤーコンデンプン、青プランテンデンプン、生青バナナデンプン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。前記非デンプン多糖類は、マンナン、アラビノグリカン(arabinoglycan)、アラビノガラクタン、ラムナン、ベータグルカン、ガラクタン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
【0010】
さらに別の実施形態では、少なくとも二つの異なる難消化性デンプンのそれぞれは、上記少なくとも二つの異なる非デンプン多糖類のそれぞれの量の少なくとも二倍で前記組成物中に存在する。
【0011】
別の実施形態では、上記混合物は、ヒトの結腸に存在するクロストリジウム科(Clostridiaceae)、放線菌門(Actinobacteria)、および/またはバクテロイデス門(Bacteroidetes)に属する分類群の少なくともいくつかのメンバーのアミロース分解活性およびSCFA産生活性を促進する。
【0012】
さらに別の実施形態では、上記少なくとも二つの異なる難消化性デンプンは、エンドウデンプン、ジャガイモデンプン、生青バナナデンプン、およびヤーコンデンプンの少なくとも三つを含む。上記少なくとも二つの異なる非デンプン多糖類は、グルコマンナン(glucomannon)およびアカシアガムを含む。
【0013】
別の実施形態では、一つまたは複数の薬学的に許容される添加物は、賦形剤、希釈剤、結合剤、造粒剤、滑剤、流動助剤、充填剤、滑沢剤、保存剤、安定剤、コーティング剤、崩壊剤、甘味剤、香味剤、顔料、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0014】
別の実施形態では、上記少なくとも二つの異なる難消化性デンプンおよび上記少なくとも二つの異なる非デンプン多糖類は、GI微生物叢の健康を改善するのに有効な量でMACs混合物中に存在する。GI微生物叢の健康を改善することは、GI微生物叢の多様性を増加させること、GI微生物叢の組成を改善すること、および/またはGI微生物叢によるSCFA産生を増加させることの少なくとも一つを含みうる。様々な実施形態では、少なくともGI微生物叢によるSCFA産生は増加する。
【0015】
別の実施形態では、上記少なくとも二つの異なる難消化性デンプンおよび上記少なくとも二つの異なる非デンプン多糖類は、ヒトの便通の健康を改善するのに有効な量でMACs混合物中に存在する。
【0016】
さらに別の実施形態では、上記少なくとも二つの異なる難消化性デンプンおよび上記少なくとも二つの異なる非デンプン多糖類は、満腹感の改善、全身性炎症の軽減、顔面皮膚および頭皮皮膚の少なくとも一つにおいて皮膚の微生物叢多様性を高める、顔面皮膚の肌色を改善する、睡眠の質を改善する、血中テストステロンレベルを改善する、エストラジオールの血中濃度を改善する、血中リポタンパク脂質レベルを改善する、血中トリグリセリドレベルを改善する、気分を改善する、認知を改善する、および/または血中コレステロールレベルを改善することの少なくとも一つに有効な量でMACs混合物中に存在する。
【0017】
一つの実施形態では、栄養補助食品への組み入れのためのブレンドは、少なくとも二つの異なる難消化性デンプンおよび少なくとも二つの異なる非デンプン多糖類からなる。上記少なくとも二つの異なる難消化性デンプンおよび少なくとも二つの異なる非デンプン多糖類は、ヒトのGI系においてアミロース分解活性および短鎖脂肪酸(SCFA)産生微生物の活性を促進するのに有効な量でブレンド中に存在する。
【0018】
一つの実施形態では、ヒトのGI系におけるSCFAの産生を増加させる方法が提供される。上記方法は、ヒトに少なくとも二つの異なる難消化性デンプンおよび少なくとも二つの異なる非デンプン多糖類を含むMACs混合物を経口投与することを含む。上記少なくとも二つの異なる難消化性デンプンおよび少なくとも二つの異なる非デンプン多糖類は、ヒトのGI系においてアミロース分解活性および短鎖脂肪酸(SCFA)産生微生物の活性を促進するのに有効な量でブレンド中に存在する。
【0019】
任意の特定の理論に拘束または制限されることなく、本開示の方法および組成物は、ヒトGI微生物叢の組成、多様性、および/または機能を調節することによって、ヒト対象のGIの健康を改善するのに有用であると考えられる。さらに、本開示の方法および組成物は、SCFAを産生する最近の活性を促進するのに有用である。さらに、本開示の方法および組成物は、アミロース分解性およびSCFA産生性の細菌(たとえば、酢酸生成性および/または酪酸生成性細菌)の活性を促進するのに有用であると考えられる。なおさらに、本開示の方法および組成物は、ヒト対象の結腸における嫌気性発酵槽、たとえばクロストリジウム科(Clostridiaceae)、放線菌門(Actinobacteria)、および/またはバクテロイデス門(Bacteroidetes)に属する分類群の活性を促進するのに有用であると考えられる。さらに、上記方法および組成物は、各ヒト対象のGI微生物叢の個人内のおよび個人間の変動を軽減するための、SCFAsを産生する微生物の活性を刺激する、複数のMACs供給源を提供する。なおさらに、少なくとも二つの非デンプン多糖類と少なくとも二つの難消化性デンプンの組み合わせは、難消化性デンプンを代謝する微生物とは異なる、GI系の異なる部分に位置する微生物におけるSCFA産生を促進する。
【0020】
本開示の方法および組成物に従ってGI健康を改善することは、ヒト対象の一つまたは複数のさらなる態様の健康を改善することに関連しうると考えられる。たとえば、上記方法および組成物は、GI微生物叢の健康を改善することができる。GI微生物叢の健康を改善することは、GI微生物叢の多様性を増加させること、GI微生物叢の組成を改善すること、および/またはGI微生物叢によるSCFA産生を増加させることを含みうる。別の例では、本開示の方法および組成物は、ヒトの腸運動の健康を、たとえば腸運動の質、頻度、および/または快適さを改善することによって、改善することに関連しうる。さらに別の例では、本開示の方法および組成物は、一つまたは複数のさらなる態様の健康、たとえば満腹感の改善、全身性炎症の軽減、顔面皮膚および/または頭皮皮膚において皮膚の微生物叢多様性を高める、顔面皮膚の肌色を改善する、睡眠の質を改善する、血中テストステロンレベルを改善する、エストラジオールの血中濃度を改善する、血中リポタンパク脂質レベルを改善する、血中トリグリセリドレベルを改善する、気分を改善する、認知を改善する、および/または血中コレステロールレベルを改善することに関連しうる。様々な実施形態では、以下の効果のうちの少なくとも一つが達成される:満腹感の増加(たとえば、食欲減退)、減量の促進、全身性炎症の軽減、顔面皮膚の肌色の改善、血中テストステロンレベルの増加、血中リポタンパク脂質レベルの改善、血中トリグリセリドレベルの減少、気分の改善、認知の改善、および/または血中コレステロールレベルの減少。
【0021】
本発明のこれらおよび他の目的、利点、および特徴は、現在の実施形態の説明および図面の参照により、より完全に理解および認識されるであろう。本発明の実施形態が詳細に説明される前に、本発明は、以下の説明に記載され、または図示されている動作の詳細、または工程もしくは構成要素の構成および配置の詳細に限定されないことを理解されたい。
【0022】
また、本明細書で使用される語法および用語は、説明を目的とするものであり、そして限定と見なされるべきではないことを理解されたい。「含む(including)」および「含む(comprising)」ならびにその変形の使用は、その後にリストされるアイテムおよびその同等物、ならびに追加のアイテムおよびその同等物を包含することを意味する。さらに、列挙は様々な実施形態の説明において使用されてもよい。他に明記しない限り、列挙の使用は、本発明を特定の順序または工程もしくは構成要素の数に限定するものと解釈されるべきではない。また、列挙の使用は、本範囲の説明から、列挙された工程または構成要素と組み合わせられるか、または組み込まれる可能性がある追加の工程または構成要素を除外するものと解釈されるべきではない。
【0023】
本開示の他の利点は、添付の図面に関連して考慮される場合に、以下の詳細な説明の参照によってよりよく理解されるので、容易に理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、ヒト微生物叢および関連パラメータに対する実施例1の組成物の効果を評価するために完了した、ランダム化された、2周期クロスオーバー研究の実験設計の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
発明の詳細な説明
組成物、ブレンド、および方法を開示する。組成物、ブレンド、および方法は、短鎖脂肪酸(SCFA)を産生するアミロース分解性微生物の活性を促進することにより、ヒト対象の胃腸(GI)の健康を改善するのに有用である。様々な実施形態では、方法、ブレンド、および組成物はアミロース分解性および酢酸生成性および/または酪酸生成性の微生物の活性を促進する。方法、ブレンド、および組成物はまた、特にヒト対象の結腸における、ヒト対象のGI内のクロストリジウム科(Clostridiaceae)、放線菌門(Actinobacteria)、および/またはバクテロイデス門(Bacteroidetes)に属する分類群の嫌気性発酵槽の活性を促進するのに有用である。組成物、ブレンド、および方法はまた、SCFAsを産生する微生物の活性を刺激する微生物叢が利用可能な炭水化物(MACs)の複数の源を提供することにより、各ヒト対象のGI微生物叢の個人内のおよび個人間の変動を軽減しうる。組成、ブレンド、および方法はまた、GI系内の複数の場所でアミロース分解性およびSCFA産生微生物を促進しうる。組成、ブレンド、および方法は、腸管壁浸漏に関連する腸の透過性も低下させうる。本明細書では、他の潜在的な非限定的な利点について説明する。
【0026】
組成物およびブレンドのそれぞれは、異なるタイプのMACsの混合物を含む。様々な実施形態では、MAC混合物は少なくとも二つの異なる難消化性デンプンおよび少なくとも二つの異なる非デンプン多糖類を含む。本明細書で使用する場合、語句「微生物叢が利用可能な炭水化物(microbiota accessible carbohydrates)」は、「MACs」とも呼ばれ、ヒト対象によって摂取することができるが、消化に耐性があり、そしてヒト対象の腸内微生物によって代謝的に利用できる炭水化物を包含する。本明細書で使用する場合、語句「難消化性デンプン」は、宿主による消化に耐性があるが、ヒト腸内微生物叢による発酵により代謝されるデンプン高分子および/またはデンプン分解産物を包含する。様々な実施形態では、健康補助食品に含めるためのブレンドは、MAC混合物を含むか、またはMAC混合物である。
【0027】
特定の実施形態では、MAC混合物は、少なくとも二つの異なる難消化性デンプンおよび少なくとも二つの異なる非デンプン多糖類から本質的になる。本明細書で使用する場合、語句「本質的に~からなる」は、一般に、特定の実施形態について具体的に列挙された要素/構成要素を包含する。さらに、語句「本質的に~からなる」は、一般に、上記特定の実施形態の基本的および/または新規の特性に実質的に影響を与えない要素/構成要素の存在を包含および可能にする。特定の実施形態では、「本質的に~からなる」は、組成物の総重量に基づき、≦10、≦5、または1≦重量%(% wt.)の追加または任意の成分の存在を許容する。
【0028】
様々な実施形態では、少なくとも二つの異なる難消化性デンプンおよび少なくとも二つの異なる非デンプン多糖類を含むMAC混合物を含む組成物は、以下に記載の不活性成分である薬学的に許容される添加物をさらに含む。利用される場合、不活性成分はMAC混合物の難消化性デンプンおよび非デンプン多糖類(および任意の他の活性成分)とは異なる。
【0029】
主に不活性な成分の例は、香料(flavoring);イナゴマメ;アルカリ化された、有機、または他の形態のココア;天然チョコレートフレーバー、天然バニラフレーバー、または他の天然香料;ココナッツシュガー;エンドウタンパク質または他の食物タンパク質源;海塩;ステビア粉末または他の甘味剤;コーンシロップ、たとえば加水分解されたコーンシロップ固形物、変性セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロース;マルトデキストリンおよびマルトデキストリンおよびマルトール、たとえば天然マルトール;フルクトース;ソルビトール;保存剤;アルコール、たとえばエタノール、プロピルアルコール、ベンジルアルコール;グリセリン;ソルビン酸カリウム;安息香酸ナトリウム;結合剤;流動性向上剤(flow agent);ステアリン酸塩、たとえばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、およびステアリン酸ナトリウムマグネシウム;リン酸二カルシウム;グリセリルトリアセテート;植物油、たとえば硬化植物油;鉱物油;水;シリコーン、たとえばシリコーンオイル;二酸化ケイ素;ステアリン酸;蝋、たとえばカルナウバ蝋および蜜蝋;脂肪エステルおよび脂肪アルコール;グリコールおよびポリグリコール;およびそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。組成物を形成するために利用される場合、組成物を形成するために、不活性成分は様々な量で使用されてもよく、MAC混合物の難消化性デンプンおよび非デンプン多糖類と組み合わせてもよい。さらに、本明細書に記載の活性物質の量は、不活性成分(利用される場合)の存在を説明するために、組成物の100重量部に対して正規化できることを理解されたい。
【0030】
MAC混合物の難消化性デンプンに関して、難消化性デンプンは、一般にヒトの消費にとって安全だと考えられている供給源由来の任意の好適なタイプの難消化性デンプンであってもよい。様々な実施形態では、MAC混合物は、GI微生物叢によって代謝されてSCFAsを生成する一つまたは複数のタイプの難消化性デンプンを含む。特定の実施形態では、MAC混合物中の難消化性デンプンは、物理的に利用できないデンプン(physically inaccessible starch;RS1型)、結晶性難消化性デンプン粒(crystalline resistant starch granule;RS2型)、またはそれらの組み合わせを含む。RS1型デンプンの供給源の非限定的な例は、全体的または部分的に製粉された穀物、種子、およびマメを含む。RS2型デンプンの供給源の非限定的な例は、生ジャガイモ、サツマイモ、マメ、プランテン、および高アミローストウモロコシを含む。供給源および加工方法に応じて、特定の難消化性デンプン供給源は、RS1型とRS2型の両方のデンプンを提供しうる。
【0031】
様々な実施形態では、RS1デンプン成分は、デンプン質の野菜、全粒穀物、マメ、乾燥および粉砕された根、塊茎、球茎、球根、ナッツ、種子、タイガーナッツ、サツマイモデンプン、ガマ根デンプン、ガマ根茎デンプン、キャッサバデンプン、アロールートデンプン、ヤシデンプン、ヒヨコマメデンプン、およびそれらの組み合わせから選択される。特定の実施形態では、MAC混合物は少なくとも二つの異なるタイプのRS1デンプンを含む。
【0032】
様々な実施形態では、RS2型デンプン成分は、生の未加工のまたは天然のジャガイモデンプン、生の未加工のタイガーナッツ粉、生の未加工の青バナナ粉、生の未加工のまたは天然のエンドウデンプン、生の未加工のまたは天然のヤーコンデンプン/粉、青プランテンデンプン、サツマイモデンプン、ガマ根デンプン、ガマ根茎デンプン、キャッサバデンプン、アロールートデンプン、ヤシデンプン、ヒヨコマメデンプン、およびそれらの組み合わせから選択される。特定の実施形態では、MAC混合物は、少なくとも二つの異なるタイプのR2デンプンを含む。
【0033】
様々な実施形態では、難消化性デンプンは、デンプンの構造を保持し、そして場合によりアミロプラストの構造を保持するために、最小限の加工および調理を使用して植物源から得られる。生の植物源から得られるデンプンは、一般に、加熱または調理された植物源から得られたデンプンより多量の難消化性デンプンを有する。しかしながら、難消化性デンプンを得るのに使用される加工および調理技術は、アミロプラストおよび/またはデンプン粒の所望の保持レベルに応じて変化しうる。
【0034】
様々な実施形態では、難消化性デンプンの供給源は、デンプン粒の形態に基づいて選択されてもよい。特定の実施形態では、難消化性デンプンの供給源は、消化に耐性のあるA型および/またはB型デンプン粒を提供するように選択される。A型および/またはB型デンプン粒の存在は、変更を使用する従来の方法に従って決定することができる。MAC混合物中に所望の量のA型および/またはB型デンプン粒を提供するために、一つまたは複数の難消化性デンプンが選択されてもよい。難消化性デンプンは、ヒトの消費に好適な形で商業的に購入することができる。
【0035】
MAC混合物の非デンプン多糖類に関して、非デンプン多糖類は、SCFAsを生成する腸内微生物の活性を促進する任意の好適な多糖類でありうる。特定の実施形態では、非デンプン多糖類は、難消化性デンプンのものとは異なるGI系の領域のSCFA生成微生物の活性を促進するために選択される。特定の実施形態では、非デンプン多糖類は、酪酸塩を生成する腸内微生物の活性を促進するために選択される。MAC混合物での使用に好適な非デンプン多糖類の非限定的な例は、マンナン、グルコマンナン、アラビノグリカン(arabinoglycan)、アラビノガラクタン、ガラクタン、ラムナン、ガラクタン、グアーガム、ベータグルカン、キサンタンガム、アカシアまたはアカシアガム、およびそれらの組み合わせを含む。非デンプン多糖類は、ヒトの消費に好適な形で商業的に購入することができる。市販のグアーガムおよびアカシア製品の例は、それぞれ、Sunfiber(登録商標)およびFibregum(商標)を含み、どちらも複数の供給源から市販されている。
【0036】
MAC混合物は、少なくとも二つの異なる難消化性デンプン、場合により少なくとも三つの異なる難消化性デンプン、場合により少なくとも四つの異なる難消化性デンプンを含む。さらなる実施形態では、MAC混合物(または組成物全体)は、ちょうど二つの異なる難消化性デンプン、場合によりちょうど三つの異なる難消化性デンプン、場合によりちょうど四つの異なる難消化性デンプンを含む。代替の実施形態では、MAC混合物(または組成物全体)は、少なくとも一つまたはちょうど一つの難消化性デンプンを含む。
【0037】
MAC混合物は、少なくとも二つの異なる非デンプン多糖類、場合により少なくとも三つの異なる非デンプン多糖類をさらに含む。さらなる実施形態では、MAC混合物(または組成物全体)は、ちょうど二つの非デンプン多糖類、場合によりちょうど三つの異なる非デンプン多糖類を含む。代替の実施形態では、MAC混合物(または組成物全体)は、少なくとも一つまたはちょうど一つの非デンプン多糖類を含む。他の代替の実施形態では、MAC混合物(または組成物全体)は、非デンプン多糖類を含まない。
【0038】
特定の実施形態では、MAC混合物は、三つの異なる難消化性デンプン、および三つの異なる非デンプン多糖類を含む。他の実施形態では、MAC混合物は、三つの異なる難消化性デンプン、および二つの異なる非デンプン多糖類を含む。さらに他の実施形態では、MAC混合物は、四つの異なる難消化性デンプン、および二つの異なる非デンプン多糖類を含む。少なくとも二つの異なる難消化性デンプンは、供給源、化学構造、および/または物理構造に基づいて互いに異なっていてもよい。少なくとも二つの異なる非デンプン多糖類は、供給源、化学構造、および/または物理構造に基づいて互いに異なっていてもよい。
【0039】
様々な実施形態では、少なくとも二つの異なる難消化性デンプンは、エンドウデンプン、ジャガイモデンプン、生青バナナデンプン、およびヤーコンデンプンの少なくとも二つ、場合により少なくとも三つ、場合により四つ全てを含む。これらおよび他の実施形態では、少なくとも二つの異なる非デンプン多糖類は、グルコマンナン(glucomannon)およびアカシアガムを含む。
【0040】
様々な実施形態では、少なくとも二つの異なる難消化性デンプンは、組成物中にそれぞれ個別に約1~約95重量%(% wt.)、場合により約5~約90重量%、場合により約10~約80重量%、場合により約10~約50重量%、場合により約15~約35重量%、場合により約15~約20重量%、場合により約16~約19重量%、場合により約18重量%、の量で存在することができる。異なる難消化性デンプンのそれぞれは、組成物中に同一のまたは異なる量で存在しうる。たとえば、一つの難消化性デンプンは約20重量%の量で存在し、そして別の難消化性デンプンは約12重量%の量で存在する、三つの異なる難消化性デンプンのそれぞれは個別に約18重量%の量で存在する、等である。ブレンドは、薬学的に許容される添加物を含まないことを説明するため、同一の量、またはそれより高い、正規化された量を含んでもよい。
【0041】
特定の実施形態では、少なくとも二つの異なる難消化性デンプンは、ヒト対象によって摂取される難消化性デンプンの総量が、1日あたり約1~約250グラム、場合により1日あたり約5~約200グラム、場合により1日あたり約10~約150グラム、場合により1日あたり約15~約100グラムであるように組成物中に存在する。組成物は、単回投与または反復投与で難消化性デンプンの所望の総量を提供するよう製剤化されてもよい。特定の実施形態では、少なくとも二つの異なる難消化性デンプンは、MAC混合物中にそれぞれ用量あたり約1~約10グラム、場合により用量あたり約2~約8グラム、用量あたり約3~約6グラム、用量あたり約4グラム、存在することができる。ヒト対象によって摂取される用量の総数は、1日あたりに消費する難消化性デンプンの所望の総量に基づいて変化しうる。難消化性デンプンは、それぞれ同一または異なる量で存在してもよい。上記の値の間のありとあらゆる値または値の範囲も利用できると考えられる。
【0042】
様々な実施形態では、少なくとも二つの異なる非デンプン多糖類は、組成物中にそれぞれ約0.1~約25重量%、場合により約0.5~約15重量%、場合により約1~約10重量%、場合により約1~約5重量%の量で存在することができる。異なる非デンプン多糖類は、それぞれ同一または異なる量で存在してもよい。たとえば、一つの非デンプン多糖類は約10重量%の量で存在し、そして別の非デンプン多糖類は約5重量%の量で存在する、二つの異なる難消化性デンプンのそれぞれは個別に約8重量%の量で存在する、等である。ブレンドは、薬学的に許容される添加物を含まないことを説明するため、同一の量、またはそれより高い、正規化された量を含んでもよい。
【0043】
特定の実施形態では、少なくとも二つの異なる非デンプン多糖類は、ヒト対象によって消費される非デンプン多糖類の総量が、1日あたり約1~約100グラム、場合により1日あたり約1~約75グラム、場合により1日あたり約1~約50グラム、場合により1日あたり約1~約25グラムであるように組成物中に存在する。組成物は、単回投与または反復投与で難消化性デンプンの所望の総量を提供するよう製剤化されてもよい。特定の実施形態では、少なくとも二つの異なる非デンプン多糖類は、MAC混合物中にそれぞれ用量あたり約0.05~約10グラム、場合により用量あたり約0.1~約7.5グラム、場合により用量あたり約0.25~約5グラム、場合により用量あたり約0.5~約3グラム、場合により用量あたり約1~約2グラム、存在することができる。ヒト対象によって消費される用量の総数は、1日あたりに消費する非デンプン多糖類の所望の総量に基づいて変化しうる。非デンプン多糖類は、それぞれ同一または異なる量で存在してもよい。上記の値の間のありとあらゆる値または値の範囲も利用できると考えられる。
【0044】
様々な実施形態では、難消化性デンプンの総量、および非デンプン多糖類の総量は、約6:1、場合により5:1、場合により4:1の難消化性デンプン:非デンプン多糖類の重量比でMAC混合物中に存在することができる。換言すれば、難消化性デンプンの総量は、非デンプン多糖類の量の約4~約6倍多い量で存在しうる。
【0045】
様々な実施形態では、それぞれ個別の難消化性デンプンの量およびそれぞれ個別の非デンプン多糖類の量は、約4:1、場合により約2:1の難消化性デンプン:非デンプン多糖類の重量比でMAC混合物中に存在する。換言すれば、それぞれ個別の難消化性デンプンは、それぞれ個別の非デンプン多糖類の量の約2~約4倍多い量で存在しうる。
【0046】
様々な実施形態では、組成物中に存在する難消化性デンプンの総量は、MAC混合物の約10~約90重量%である。さらなる実施形態では、組成物中に存在する非デンプン多糖類の総量は、MAC混合物の約10~約90重量%である。上記の値の間のありとあらゆる値または値の範囲も利用できると考えられる。
【0047】
驚くべきことに、少なくとも二つの異なる非デンプン多糖類よりも多い量の少なくとも二つの異なる難消化性デンプンが、ヒト対象に予想外の利益を提供することが見出された。存在する微生物の組成および個体数の両方の観点から、各ヒト微生物叢には、個人内のおよび個人間の幅広い変動がある。ある個体の微生物叢は、食事、薬剤、および他の健康問題に応じて変わりうる。さらに、ある個体の微生物叢は、別の個体の微生物叢とは大きく変わる場合があり、同一の治療に対して異なる生理学的反応をもたらしうる。なおさらに、いくつかのMAC、たとえば非デンプン多糖グアーガムは、難消化性デンプンが代謝されるのとは異なるGI系内の一で代謝され、SCFAsを生成する。本発明の組み合わせ/混合物における、少なくとも二つの難消化性デンプン、および少なくとも二つの非デンプン多糖類の組み合わせは、難消化性デンプン、および他の発酵性の炭水化物の多様な混合物を提供することによって、各ヒトGI微生物叢の個人内のおよび個人間の変動を軽減すると考えられている。また、本発明の組み合わせ/混合物における、少なくとも二つの難消化性デンプン、および少なくとも二つの非デンプン多糖類の組み合わせは、アミロース分解性およびSCFA産生微生物叢のGI系内の位置の変動に対処することも考えられている。
【0048】
具体的には、本明細書に記載の組み合わせ/混合物は、ヒト対象のGI微生物叢の組成、多様性、および/または機能を調節することが見出された。GI微生物叢の調節は、ヒトの健康の他の側面に加えて、ヒト対象のGIの健康に直接有利な効果を提供しうる。追加の有益な効果はSCFAの産生の促進、そして特に酪酸塩、プロピオン酸塩、および/または酢酸塩の少なくとも一つ、場合により少なくとも酪酸塩、場合により少なくとも酢酸塩、場合により少なくとも酢酸塩および酪酸塩の産生の促進を含む。追加の有益な効果は、ヒト結腸に存在する少なくともいくつかの嫌気性発酵槽の活性の促進を含み、その例はクロストリジウム科(Clostridiaceae)、放線菌門(Actinobacteria)、および/またはバクテロイデス門(Bacteroidetes)に属する分類群のメンバーを含む。これらの嫌気性発酵槽は、結腸内のSCFAsの産生を改善しうる。さらなる利点は、皮膚および航空微生物叢の変化、顔面皮膚の特徴、GI微生物叢代謝産物の産生、睡眠結果の変化、食欲感覚の変化、排便習慣の変化、GIの質と耐性、心拍の変動、空腹時リポタンパク質脂質、および/またはGI透過性および全身性炎症に関連する血液マーカーに見られうる。本明細書の組み合わせ/混合物は、腸管壁浸漏に関連する腸透過性を透過するとも考えられている。特定の理論に縛られることも制限されることもないが、本明細書の組み合わせ/混合物は、ヒトの腸障壁を強化するのに役立つと考えられる。
【0049】
組成物は多様な方法を使用して調製することができる。たとえば、組成物の活性成分、および場合により一つまたは複数の不活性成分は、当技術分野で理解されている様々な技術を利用して混合またはブレンドされ、そして圧縮または配合されうる。本開示の組成物は製造工程または製造方法の特定の順序に限定されない。
【0050】
典型的には、組成物は、たとえば口を経由して(または「per os」)、経口投与される(または経口摂取される)。より典型的には、組成物の少なくとも一部は、たとえばGIトラック(GI track)を経由して(または「enteros」)、経腸的に投与(または消化)される。対象は典型的にはヒトであり、そして様々な年齢の男性および女性を含んでもよい。本開示の方法/組成物は、特定の主題に限定されない。
【0051】
組成物は様々な形態であってもよい。好適な形態の例は固体、ゲル、および液体を含む。様々な実施形態では、組成物は固体であってもよい。たとえば、組成物は錠剤、カプセル剤、およびカプレットを含む丸剤の形態であってもよい。一般に、これらの用語のそれぞれは、当技術分野において交換可能に使用できる。たとえば、錠剤を丸剤に、またはその逆である。さらなる形態の例は、従来の食品および/または飲料を模倣するもの、たとえばバー、シェイク、グミ、サシェ、シリアル等を含む。
【0052】
MACs(すなわち、「活性成分(actives)」または「活性成分(active ingredients)」)以外に、組成物は、賦形剤、たとえば希釈剤および結合剤;造粒剤;流動促進剤(または流動助剤);充填剤;滑沢剤;保存剤;安定剤;コーティング剤;崩壊剤;甘味剤または香味剤;および含量を含むがこれらに限定されない、不活性な(または「不活性成分」)薬学的に許容される添加物を含んでもよい。不活性成分のさらなる例は上記に記載されている。MACsおよび薬学的に許容される添加物は、消費される際にヒト対象に所望の量のMACsを提供する個別の用量を形成するために、必要に応じて組み合わせ、または配合されてもよい。場合により、消費しやすいより小さい錠剤に対する対象の好みを満たすために、有効成分が適切に送達される限り、賦形剤の数および量は最小限に保つことができる。様々な実施形態では、MACsおよび薬学的に許容される添加物は、治療中に所望の総量の難消化性デンプンおよび非デンプン多糖MACsをヒト対象に提供するため、ヒト対象によって複数回消費されることを意図した個別の用量を形成するために組み合わせられる。
【0053】
組成物およびブレンドのそれぞれは、粉体形状であってもよく、または粉末から固体用量に圧縮(press)または圧縮(compact)されてもよい。コーティング、たとえばポリマーコーティングは、錠剤をより滑らかで飲み込みやすくするため、活性物質の放出速度を制御するため、弾力性(または保存可能期間)を高めるため、および/または外観を向上させるために使用されてもよい。組成物の他の好適な経口剤形はシロップ剤、エリキシル剤、懸濁剤、およびエマルジョンを含む。
【0054】
一般に、錠剤は、経口経路による送達の固体剤形を提供する。通常、錠剤製剤の主な目的は、活性成分を対象/消費者に送達することである。不活性成分は、活性成分の送達のための担体および製剤サポートとして使用される不活性物質である。不活性成分は、少量(低mgおよびmcg用量)の活性成分の取り扱い、正確な投与、不安定な活性成分の安定化、胃における活性成分の分解、GI管の損傷の可能性の予防のための活性成分の希釈、および/または活性成分の不快な官能特性(味および匂い)のマスキングを含む、様々な理由で使用することができる。
【0055】
組成物は、様々な量でヒト対象に投与することができる。様々な実施形態では、組成物は、対象に投与されるMACsの総量が少なくとも約5グラム/日、場合により少なくとも約15グラム/日、場合により少なくとも約20グラム/日、場合により少なくとも約25グラム/日、場合により少なくとも約30グラム/日、場合により少なくとも約40グラム/日、場合により少なくとも約45グラム/日となるように投与されてもよい。特定の実施形態では、MACsの総量は、それぞれ約5グラム、場合によりそれぞれ約10グラム、場合によりそれぞれ約15グラムの複数回用量に分割される。投与回数および1回の投与あたりのMACsの量は、ヒト対象の耐容性および所望の結果に基づいて異なりうる。たとえば、投与回数および1回の投与あたりのMACsの量は、ヒト対象の糞便中のSCFAsの最少量または増加を提供するように選択することができる。
【0056】
組成物は、所望の結果が達成されるように、必要に応じて、毎日、1日に数回、または任意の好適なレジメンで投与されてもよい。本開示の方法では、投与の頻度(たとえば、摂取および/または消化の)は、SCFA産生およびGI耐容性の所望のレベルを含む、いくつかの要因に依存しうる。一般に、レジメンは朝の投与および/または夜の投与を含む、1日に1回または2回の組成物の投与を含む。特定の実施形態では、レジメンは朝、午後、および夜に1日3回の投与を含んでもよい。投与される組成物の量は、所望の結果のレベルおよび特定の組成物を含むいくつかの要因に依存しうる。
【0057】
様々な実施形態では、ヒト対象のGIの健康を改善するための栄養補助療法の一環として、組成物は定期的に、場合により毎日、対象に投与される。これらの実施形態では、MAC混合物は、摂取用の飲料を形成するために、液体、たとえば水と混合される粉末として提供されてもよい。飲料は、食事時間中、または食事時間の間に摂取されてもよい。様々な実施形態では、MAC混合物は食物と混合されてもよく、その例はヨーグルトまたはオートミールを含み、そしてヒト対象によって摂取される。
【0058】
本開示の組成物および方法を例示する以下の実施例は、本開示を例示することを意図しており、限定することを意図していない。
【実施例
【0059】
実施例1
三つの異なる難消化性デンプン、および三つの異なる非デンプン多糖類を含むMAC混合物を、追加の不活性成分とブレンドし、乾燥チョコレートシェイクミックス組成物(「シェイクミックスA」)を形成した。甘味剤、香味剤、および他の不活性成分を含むシェイクミックスA組成物は、組成物と水の混合を促進して、ヒト対象による摂取のためのチョコレートシェイクテイスティング飲料を形成するように処方される。以下の表1はシェイクミックスAの成分およびその相対量を明らかにする。シェイクミックスAは、組成物とともに提供される計量容器を使用して、粉末の一杯分に対応する用量で、1用量あたり合計15グラムのMACsを提供するように処方できる。シェイクミックスAは、いくつかの要因、たとえばSCFA産生およびGI耐容性の所望のレベルに応じて、1日に1回または2回以上、ヒト対象によって摂取されてもよい。
【0060】
【表1】
【0061】
実施例2
4つの異なる難消化性デンプン、および2つの異なる非デンプン多糖類を含むMAC混合物を、追加の不活性成分とブレンドして、乾燥チョコレートシェイクミックス組成物(「シェイクミックスB」)を形成した。甘味剤および香味剤を含むシェイクミックスB組成物は、組成物と水の混合を促進して、ヒト対象による摂取のためのチョコレートシェイクテイスティング飲料を形成するように処方される。以下の表2はシェイクミックスBの成分およびその相対量を明らかにする。シェイクミックスBは、組成物とともに提供される計量容器を使用して、粉末の一杯分に対応する用量で、1用量あたり合計19グラムのMACsを提供するように処方できる。シェイクミックスBは、いくつかの要因、たとえばSCFA産生およびGI耐容性の所望のレベルに応じて、1日に1回または2回以上、ヒト対象によって摂取されてもよい。
【0062】
【表2】
【0063】
本明細書に記載のMAC混合物を含む組成物は、ヒト対象のGI微生物叢の組成、耐容性、および/または機能を調節することにより、ヒト対象のGI微生物叢の健康を改善するために使用できる。MAC混合物は、ヒト対象のGIの健康だけでなく、ヒトの健康の他の側面にも有益な効果をもたらし、その例はヒト対象の免疫系および代謝を含む。たとえば、MAC混合物を含む組成物およびブレンドは、腸管壁浸漏に関連する腸の透過性を低下させうる。
【0064】
治療されたヒト対象のGI微生物叢の経時的変化は、シャノン多様度指数(SDI)を使用して糞便微生物叢を評価することによって決定することができる。必要に応じて、治療されたヒト対象のGI微生物叢の経時的変化は、アミロース分解性およびSCFA産生性(たとえば、酢酸生成性および/または酪酸生成性)微生物叢の相対的存在量の変化を評価することによって決定することができる。
【0065】
一つの例では、MAC混合物は、GI微生物叢によるSCFAsの産生を促進しうる。SCFA産生の変化は、対象の糞便中に存在するSCFAの量を分析することによって測定できる。
【0066】
別の例では、MAC混合物は、ヒト対象の糞便、皮膚、および/または口腔の微生物組成に影響を及ぼしうる。このような変化は、16SリボソームRNA遺伝子アンプリコンシーケンスによる分類学的プロファイリングを使用して評価できる。皮膚および口腔の微生物叢は、必要に応じてシャノン多様度指数を使用して評価できる。サンプルは対象の額の皮膚、頭皮の皮膚、および/または頬の皮膚から収集されてもよい。
【0067】
別の例では、MAC混合物は、経時的に対象の外観に影響を及ぼしうる。たとえば、対象は、顔の特徴、たとえばしわ、テクスチャー、毛穴、色素斑、発赤、および/またはポルフィリンの変化を経験しうる。対象の外観に対する影響は、美容アンケートへの対象の回答に従って決定される。必要に応じて、対象の外観に対する影響は、顔画像とそれに続くコンピュータ支援画像解析を使用して評価される。
【0068】
別の例では、MAC混合物は、対象のGIの健康、たとえば排便の頻度および種類、ならびに排便のし易さに影響を及ぼしうる。GIの健康はまた、特定のGIイベント、たとえば腹部膨満(abdominal distention)/腹部膨満(abdominal bloating)、ガス/鼓腸、腹鳴/胃のゴロゴロ(stomach rumbling)、および腹部けいれんの量および/または頻度に従って評価されうる。GI健康はまた、対象の食欲の評価に基づいて評価することもできる。たとえば、MAC混合物は、対象の満腹感に有責な効果をもたらしうる。追加の利点は、対象の減量の促進を含みうる。
【0069】
別の例では、対象の健康に対するMAC混合物の効果は、対象の血液中の特定の生化学マーカーの存在および/または特定の生化学マーカーの変化に基づいて評価されうる。評価できる非限定的な生化学マーカーは、空腹時炎症マーカー(たとえば、C反応性タンパク質、インターロイキン6、インターロイキン10、TNF-α)、リポ多糖、空腹時リポタンパク質脂質、空腹時テストステロン、および空腹時エストラジオールを含む。必要に応じて、MAC混合物の効果はまた、対象の血液化学プロファイルの変化に従って評価されてもよい。血液化学マーカーの非限定的な例は、アルブミン、アルカリホスファターゼ、総ビリルビン、直接ビリルビン、カルシウム、塩化物、クレアチン、血中尿素窒素、カリウム、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、アラニンアミノトランスフェラーゼ、ナトリウム、総タンパク質、二酸化炭素、浸透圧、およびグルコースを含む。場合により、血液の血液学的プロファイル(blood hematology profile)を実行して、白血球数、赤血球数、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット、平均細胞体積、平均細胞ヘモグロビン、平均細胞ヘモグロビン濃度、好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球、および血小板数を評価してもよい。
【0070】
別の例では、対象の睡眠習慣に対するMAC混合物の効果、たとえば一晩あたりの平均睡眠時間もまた評価されうる。
【0071】
別の実施例では、対象の心臓血管の健康に対するMAC混合物の効果もまた評価されうる。たとえば、対象の心拍数の変動に対するMAC混合物の効果が評価されてもよい。心拍数の変動の変化は、全身性炎症の変化を示している可能性がある。
【0072】
実施例3
毎日8週間摂取された実施例1の混合物がヒトGI微生物叢の組成、多様性、および/または機能を調節するかどうかを実証するため、ランダム化比較クロスオーバー試験が完了した。副次的目的は、皮膚および口腔の微生物叢、顔の皮膚の特徴、GI微生物叢代謝物の産生、ならびに以下で詳細に説明する特定の健康パラメータで観察される二次的変化を調べることであった。
【0073】
この研究は、50%の男性および50%の女性、年齢40~60歳(両端を含む)、男性では40インチを超える(両端を含む)、または女性では35インチを超える(両端を含む)、胴囲を有する者を含む。
【0074】
大将軍は治療を受けず、そしてアクティブ群(active group)は一杯分あたり15gのMACsを提供する実施例1の混合物の1日3回分を受けた。粉末状の混合物は、アクティブ群の個人に摂取される前に6~8オンスの水と混合された。すべてのアクティブ群の対象は、5日間の用量漸増期間を経た。漸増期間の初回の用量は、以下で詳しく説明するように、訪問2(0週目)である。
【0075】
用量漸増のレジメンは以下の通りである:
1日目=朝に一杯分の製品;
2日目=朝に一杯分の製品;
3日目=朝に一杯分の製品、および夜に一杯分の製品;
4日目=朝に一杯分の製品、および夜に一杯分の製品;および
5日目=朝に一杯分の製品、午後に一杯分の製品、および夜に一杯分の製品。
【0076】
対象が有害な副作用に苦しんでいると判定された場合、臨床研究者は対象の最大耐量を決定し、そしてその後対象は有効な試験期間中、その最大耐量を維持する。
【0077】
この研究は、ランダム化された、2期間クロスオーバー研究であった。対象は1回のスクリーニング訪問(訪問1a/b、1週目)に参加し、資格がある場合は、図1(アクティブ→コントロール、またはコントロール→アクティブ)に示すように2つのシーケンスのいずれかにランダムに割り当てられた。対象は2つの別の8週間の試験期間にわたって評価のためにクリニックを合計10回訪問した[訪問2、3、4、5、および6;0、2、4、6、および8週目(期間I);訪問7、8、9、10、および11;0、2、4、6、および8週目(期間II)]。2つの試験期間は、対象が実施例1の混合物を摂取しない2週間のウォッシュアウトで区切られている。
【0078】
訪問1a(1週目)でインフォームドコンセントを提供した後、対象は、上記のように、最初の試験対象患者基準として、男性では102cm(40インチ)以上、女性では89cm(35インチ)以上の個人を特定するために胴囲の評価を受けた。
【0079】
資格のある対象は、病歴の評価、包含および除外基準、以前および現在の薬剤/サプリメントの使用、身長、体重、バイタルサイン、および適切な場合は最終月経クエリを含む残りのスクリーニング訪問手順を受けるため、訪問1b(1週目)を続けた。上記で紹介したウエスト(waste)サイズおよび年齢を含む包含および除外基準は、関心のある集団を対象とし、そして研究結果に偏りまたは望ましくない影響を与える可能性のある要因、たとえば、例として、対象の研究への適切な参加の不能さまたは不本意、薬物の使用もしくは薬剤の服用、またはGIの不健康を反映する病歴を除外するように定義されている。空腹時(12±2時間、水のみ)の化学プロファイルおよび血液学パネル、ならびに院内尿妊娠検査(すべての女性)が得られた。対象はそれから、訪問2(0週目)の直前の3日間(3-d)の期間にわたって完了するための排便習慣日記を分配された。さらに、対象が排便習慣日記をつける同一の3-d期間の間に発生する糞便(1回の排便)を収集するための説明書とともに糞便サンプル収集キットが分配された。対象がこの期間中に糞便サンプルを作成できなかった場合、糞便サンプルが提供できるまで訪問は再スケジュールされた。同一の3-d期間の間の摂取量を記録する指示を伴う3-d食事記録も分配された。
【0080】
訪問2(0週目)に、対象は絶食でクリニックに到着し(12±2時間、水のみ)、クリニック訪問手続きを受けた(包含/除外基準のレビュー、付随する薬剤/サプリメント使用、体重、バイタルサイン評価、および該当する場合、最終月経クエリ)。有害事象(AE)が評価され、空腹時血液サンプルがテストステロン(遊離および合計)およびエストラジオール、脂質、炎症マーカー、ならびにリポ多糖濃度の分析のために収集された。追加の血液サンプルはバックアップ用に収集され、そして代謝の非遺伝的指標の考えられる将来の分析のためにアーカイブされた。処理された糞便サンプルが収集され、そして3-d食事記録および排便習慣日記が収集/レビューされた。その後、対象は額の皮膚、頭皮の皮膚、および頬の微生物叢のサンプリング、顔の画像、心拍数の変動試験を受けた。さらに、電子食欲アンケートおよび睡眠アンケートが実施された。それから、対象者は来訪3(2週目)の直前の3-d期間にわたって完了するための排便習慣日記が分配された。さらに、対象が排便習慣日記をつける同一の3-d期間の間に発生する糞便(1回の排便)を収集するための説明書とともに糞便サンプル収集キットが分配された。対象がこの期間中に糞便サンプルを作成できなかった場合、糞便サンプルが提供できるまで訪問は再スケジュールされた。同一の3-d期間の間の摂取量を記録する指示を伴う3-d食事記録も分配された。身に着けられるアクティビティ・トラッカーは、睡眠時間を含めてトラッカーを24時間/日着用するための説明書とともに分配された。対象は、その後の14-d期間の24時間期間ごとのGIイベントを記録したGI耐容性アンケートが分配された。次に、対象は2つのシーケンスのいずれかにランダム化された(アクティブ→コントロール、またはコントロール→アクティブ)。次に、活動状態の対象は試験製品が分配され、最初の用量は混合され、クリニック内で摂取された。対象は、上記の5日間(5-d)の用量漸増期間に従うよう指示され、用量は1日3回(毎日ほぼ同じ時間に、朝、午後、夜)に漸増された。対象は、コンプライアンス評価のために試験製品摂取量を記録するための試験製品日記が分配された。
【0081】
訪問3(2週目)に、対象は絶食でクリニックに到着し(12±2時間、水のみ)、クリニック訪問手続きを受けた(包含/除外基準のレビュー、付随する薬剤/サプリメント使用、体重、バイタルサイン評価、および該当する場合、最終月経クエリ)。AEが評価され、処理された糞便サンプルが収集された。そして3-d食事記録、排便習慣日記、およびGI耐容性アンケートが収集/レビューされ、そしてアクティビティ・トラッカーがダウンロードされた。試験製品日記が収集/レビューされ、そしてコンプライアンスが評価された(活動状態のみ)。対象は、その後、額の皮膚、頭皮の皮膚、および頬の微生物叢のサンプリングを受け、電子食欲アンケートが実施された。次に、対象は訪問4(4週目)の直前の3日間(3-d)の期間にわたって完了するための排便習慣日記を分配された。さらに、対象が排便習慣日記をつける同一の3-d期間の間に発生する糞便(1回の排便)を収集するための説明書とともに糞便サンプル収集キットが分配された。対象がこの期間中に糞便サンプルを作成できなかった場合、糞便サンプルが提供できるまで訪問は再スケジュールされた。同一の3-d期間の間の摂取量を記録する指示を伴う3-d食事記録も分配された。試験製品および試験製品日記は活動状態の対象に分配された。
【0082】
訪問4(4週目)に、対象は絶食でクリニックに到着し(12±2時間、水のみ)、クリニック訪問手続きを受けた(包含/除外基準のレビュー、付随する薬剤/サプリメント使用、体重、バイタルサイン評価、および該当する場合、最終月経クエリ)。処理された糞便サンプルが収集された。そして3-d食事記録、排便習慣日記、およびGI耐容性アンケートが収集およびレビューされ、そしてアクティビティ・トラッカーがダウンロードされた。試験製品日記が収集/レビューされ、そしてコンプライアンスが評価された(活動状態のみ)。AEが評価され、炎症マーカーおよびリポ多糖濃度の分析のために空腹時血液サンプルが収集された。追加の血液サンプルがバックアップ用に収集され、そして代謝の非遺伝的指標の考えられる将来の分析のためにアーカイブされた。その後、対象は額の皮膚、頭皮の皮膚、および頬の微生物叢のサンプリング、顔の画像、および心拍数の変動試験を受けた。さらに、対象は、電子食欲アンケート、GIライフクオリティ指標、および睡眠アンケートが実施された。試験製品および試験製品日記はその後、活動状態の対象に分配された。
【0083】
訪問5(6週目)に、対象はAE評価のためにクリニックに到着し(絶食は不要)、そしてアクティビティ・トラッカー・データがダウンロードされた。試験製品日記が収集/レビューされ、そしてコンプライアンスが評価された(活動状態のみ)。次に、対象は訪問6(8週目)の直前の3日間(3-d)の期間にわたって完了するための排便習慣日記を分配された。さらに、対象が同一の3-d期間の間に発生する糞便(1回の排便)を収集するための説明書とともに糞便サンプル収集キットが分配された。対象がこの期間中に糞便サンプルを作成できなかった場合、糞便サンプルが提供できるまで訪問は再スケジュールされた。同一の3-d期間の間の摂取量を記録する指示を伴う3-d食事記録も分配された。その後、試験製品および試験製品日記は活動状態の対象に分配された。
【0084】
訪問6(8週目)に、対象は絶食でクリニックに到着し(12±2時間、水のみ)、クリニック訪問手続きを受けた(包含/除外基準のレビュー、付随する薬剤/サプリメント使用、体重、バイタルサイン評価、および該当する場合、最終月経クエリ)。処理された糞便サンプルが収集された。さらに、3-d食事記録および排便習慣日記が収集され、そしてレビューされ、そしてアクティビティ・トラッカー・データがダウンロードされた。試験製品日記が収集/レビューされ、そしてコンプライアンスが評価された(活動状態のみ)。AEが評価され、テストステロン(遊離および合計)およびエストラジオール、化学プロファイル、血液学パネル、脂質、炎症マーカー、ならびにリポ多糖濃度の分析のために空腹時血液サンプルが収集された。追加の血液サンプルがバックアップ用に収集され、そして代謝の非遺伝的指標の考えられる将来の分析のためにアーカイブされた。対象は額の皮膚、頭皮の皮膚、および頬の微生物叢のサンプリング、顔の画像、および心拍数の変動試験を受けた。さらに、対象は、電子食欲アンケート、GIライフクオリティ指標、睡眠アンケート、製品好感度アンケート(Product Likeability Questionnaire)、および美容ライフクオリティアンケート(Beauty Quality of Life Questionnaire)が実施された。次に、対象は、訪問7(0週目)の直前の3日間(3-d)の期間にわたって完了するための排便習慣日記を分配された。さらに、対象が排便習慣日記をつける同一の3-d期間の間に発生する糞便(1回の排便)を収集するための説明書とともに糞便サンプル収集キットが分配された。対象がこの期間中に糞便サンプルを作成できなかった場合、糞便サンプルが提供できるまで訪問は再スケジュールされた。同一の3-d期間の間の摂取量を記録する指示を伴う3-d食事記録も分配された。アクティビティ・トラッカーが回収され、そして対象は2週間のウォッシュアウトを開始する。
【0085】
訪問7(0週目)に、対象はクリニックに戻り、訪問7(0週目)の睡眠アンケートを除き、試験期間Iについて上位の手順を繰り返すために次の試験手順に移行した。さらに、テストステロン(遊離および合計)およびエストラジオール、化学プロファイル、および血液学パネルが訪問7(0週目)に含まれた。
【0086】
データは統計分析における標準的な一般的方法を使用して分析された。これは、反復測定分散分析(RMANOVA)とそれに続く多重比較事後分析、たとえばステップダウン式ボンフェローニの修正(stepdown Bonferroni adjustment)を含む。対照群よりもアクティブ群の試験参加者における糞便SCFA産生において統計的に優位な増加があった。以下の表3を参照のこと。
【0087】
【表3】
【0088】
上記の表3において、「*」とマークされた行は、ランク付けされた値で生成されたモデルを使用して計算された、アクティブ群と対照群の間の統計的に有意な差(p値<0.05)を示す。Nは、各群の対象の数を示す。表3のすべての値は、平均±SEM(平均の標準誤差)として示されている。
【0089】
データの第2の分析は、酢酸塩産生(「A」群)または酪酸塩産生(「B」群)のいずれかについてベースライン(「レスポンダー」集団(”Responder” population))より少なくとも20%の増加を示す対象についてのみ完了した。これら2つの対象の群は、以下の表4に示すように、下記の統計的に有意な(p≦0.11)二次転帰を示した:
1.腫瘍壊死因子(TNF)アルファが減少した;
2.皮膚の赤色斑が減少した;
3.食欲および軽食への衝動が減少した;
4.LDLコレステロール、非HDLコレステロール、および総コレステロールが減少した;
5.糞便の固さおよび排便の容易さが改善された;および
6.GIガスは増加したが、けいれんおよび膨満(bloating)は優位な効果を示さなかった。
【0090】
【表4】
【0091】
上記の表4では、対照群(C)測定値に対するアクティブ群(A)測定値の方向変化が示されている。統計計算が表4の特定の週の測定値のみに適用される場合、適切な週が示される;それ以外の場合、計算はすべての週にわたって行われた。参照される週は、前述の図1に示されている週に対応する。「ns」とマークされた行は重要ではないとみなされた。
【0092】
以下の追加の実施例が提供され、その番号付けは重要度のレベルを指定するものとして解釈されるべきではない。
【0093】
追加の実施例
実施例1は、ヒトの胃腸(GI)微生物叢を治療するための組成物に関し、この組成物は、少なくとも二つの異なる難消化性デンプン、および少なくとも二つの異なる非デンプン多糖類;ならびに一つまたは複数の薬学的に許容される添加物;を含む微生物叢が利用可能な炭水化物(MACs)の混合物を含む。ここでMACsの混合物は、ヒトのGI系におけるアミロース分解性および短鎖脂肪酸(SCFA)産生性微生物の活性を促進する。
【0094】
実施形態2は、難消化性デンプンが、デンプン質野菜、デンプン産生根、塊茎、球根、球茎、マメ、ナッツ、種子、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態1の組成物に関する。
【0095】
実施形態3は、難消化性デンプンが、ジャガイモデンプン、エンドウデンプン、青プランテンデンプン、タイガーナッツデンプン、ヤーコンデンプン、サツマイモデンプン、ガマ根デンプン、ガマ根茎デンプン、キャッサバデンプン、アロールートデンプン、ヤシデンプン、ヒヨコマメデンプン、生青バナナデンプン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態1または2の組成物に関する。
【0096】
実施形態4は、非デンプン多糖類が、マンナン、アラビノグリカン(arabinoglycan)、アラビノガラクタン、ラムナン、ベータグルカン、ガラクタン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態1~3のいずれか一つに記載の組成物に関する。
【0097】
実施形態5は、少なくとも二つの異なる難消化性デンプンのそれぞれは、少なくとも二つの異なる非デンプン多糖類のそれぞれの量の少なくとも二倍で組成物中に存在する、実施形態1~4のいずれか一つに記載の組成物に関する。
【0098】
実施形態6は、MACs混合物は、ヒトの結腸に存在するクロストリジウム科(Clostridiaceae)、放線菌門(Actinobacteria)、および/またはバクテロイデス門(Bacteroidetes)に属する分類群の少なくともいくつかのメンバーのアミロース分解活性およびSCFA産生活性を促進する、実施形態1~5のいずれか一つに記載の組成物に関する。
【0099】
実施形態7は、少なくとも二つの異なる難消化性デンプンは、エンドウデンプン、ジャガイモデンプン、生青バナナデンプンを含み;そして少なくとも二つの異なる非デンプン多糖類は、グルコマンナン(glucomannon)およびアカシアガムを含む、実施形態1~6のいずれか一つに記載の組成物に関する。さらなる実施形態7aでは、少なくとも二つの異なる難消化性デンプンは、ヤーコンデンプンをさらに含む。
【0100】
実施例8は、少なくとも二つの異なる難消化性デンプンおよび少なくとも二つの異なる非デンプン多糖類は、GI微生物叢の健康を改善するのに有効な量でMACs混合物中に存在する、実施形態1~7のいずれか一つに記載の組成物に関する。
【0101】
実施形態9は、GI微生物叢の健康を改善することは、GI微生物叢の多様性を増加させること、GI微生物叢の組成を改善すること、および/またはGI微生物叢によるSCFA産生を増加させることの少なくとも一つを含む、実施形態8の組成物に関する。
【0102】
実施形態10は、少なくとも二つの異なる難消化性デンプンおよび少なくとも二つの異なる非デンプン多糖類は、ヒトの便通の健康を改善するのに有効な量でMACs混合物中に存在する、実施形態1~9のいずれか一つに記載の組成物に関する。
【0103】
実施形態11は、少なくとも二つの異なる難消化性デンプンおよび少なくとも二つの異なる非デンプン多糖類は、満腹感を改善する;減量を促進する;全身性炎症を軽減する;心拍数の変動を増加させる;顔面皮膚および頭皮皮膚の少なくとも一つにおいて皮膚の微生物叢多様性を高める;顔面皮膚の肌色を改善する;睡眠の質を改善する;血中テストステロンレベルを改善する;エストラジオールの血中濃度を改善する;血中リポタンパク脂質レベルを改善する;血中トリグリセリドレベルを改善する;気分を改善する;認知を改善する;および/または血中コレステロールレベルを改善することの少なくとも一つに有効な量でMACs混合物中に存在する、実施形態1~10のいずれか一つに記載の組成物に関する。
【0104】
実施形態12は、栄養補助食品への組み入れのためのブレンドに関し、当該ブレンドは、ヒトのGI系においてアミロース分解活性および短鎖脂肪酸(SCFA)産生微生物の活性を促進するのに有効な量で存在する、少なくとも二つの異なる難消化性デンプンおよび少なくとも二つの異なる非デンプン多糖類からなる。
【0105】
実施形態13は、少なくとも二つの異なる難消化性デンプンのそれぞれが、少なくとも二つの異なる非デンプン多糖類のそれぞれよりも多い量で存在する、実施形態12に記載のブレンドに関する。
【0106】
実施形態14は、難消化性デンプンは、デンプン質の野菜、デンプン産生根、塊茎、球根、球茎、マメ、ナッツ、種子、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態12または13に記載のブレンドに関する。
【0107】
実施形態15は、難消化性デンプンは、ジャガイモデンプン、エンドウデンプン、青プランテンデンプン、タイガーナッツデンプン、ヤーコンデンプン、サツマイモデンプン、ガマ根デンプン、ガマ根茎デンプン、キャッサバデンプン、アロールートデンプン、ヤシデンプン、ヒヨコマメデンプン、生青バナナデンプン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態12~14のいずれか一つに記載のブレンドに関する。
【0108】
実施形態16は、非デンプン多糖類は、マンナン、アラビノグリカン(arabinoglycan)、アラビノガラクタン、ラムナン、ベータグルカン、ガラクタン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態12~15のいずれか一つに記載のブレンドに関する。
【0109】
実施形態17は、ブレンドがヒトの結腸に存在するクロストリジウム科(Clostridiaceae)、放線菌門(Actinobacteria)、および/またはバクテロイデス門(Bacteroidetes)に属する分類群の少なくともいくつかのメンバーのアミロース分解活性およびSCFA産生活性を促進する、実施形態12~16のいずれか一つに記載のブレンドに関する。
【0110】
実施形態18は、少なくとも二つの異なる難消化性デンプンは、エンドウデンプン、ジャガイモデンプン、および生青バナナデンプンを含み;そして少なくとも二つの異なる非デンプン多糖類は、グルコマンナン(glucomannon)およびアカシアガムを含む、実施形態12~17のいずれか一つに記載のブレンドに関する。さらなる実施形態18aでは、少なくとも二つの異なる難消化性デンプンは、ヤーコンデンプンをさらに含む。
【0111】
実施形態19は、ヒトの胃腸(GI)系における短鎖脂肪酸の産生を増加させる方法に関し、当該方法は、少なくとも二つの異なる難消化性デンプンおよび少なくとも二つの異なる非デンプン多糖類を含む微生物叢が利用可能な炭水化物(MACs)の混合物を経口投与することを含み、ここで少なくとも二つの異なる難消化性デンプンおよび少なくとも二つの異なる非デンプン多糖類は、ヒトのGI系においてアミロース分解活性および短鎖脂肪酸(SCFA)産生微生物の活性を促進するのに有効な量でブレンド中に存在する。
【0112】
実施形態20は、難消化性デンプンが、デンプン質の野菜、デンプン産生根、塊茎、球根、球茎、マメ、ナッツ、種子、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態19の方法に関する。
【0113】
実施形態21は、難消化性デンプンが、ジャガイモデンプン、エンドウデンプン、青プランテンデンプン、タイガーナッツデンプン、ヤーコンデンプン、サツマイモデンプン、ガマ根デンプン、ガマ根茎デンプン、キャッサバデンプン、アロールートデンプン、ヤシデンプン、ヒヨコマメデンプン、生青バナナデンプン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態19または20に記載の方法に関する。
【0114】
実施形態22は、非デンプン多糖類が、マンナン、アラビノグリカン(arabinoglycan)、アラビノガラクタン、ラムナン、ベータグルカン、ガラクタン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態19~21のいずれか一つに記載の方法に関する。
【0115】
実施形態23は、少なくとも二つの異なる難消化性デンプンおよび少なくとも二つの異なる非デンプン多糖類が、ヒトの結腸に存在するクロストリジウム科(Clostridiaceae)、放線菌門(Actinobacteria)、および/またはバクテロイデス門(Bacteroidetes)に属する分類群の少なくともいくつかのメンバーのアミロース分解活性およびSCFA産生活性を促進するのに有効な量で混合物中に存在する、実施形態19~22のいずれか一つに記載の方法に関する。
【0116】
実施形態24は、二つの異なる難消化性デンプンのそれぞれは、少なくとも二つの異なる非デンプン多糖類のそれぞれの量の少なくとも二倍で混合物中に存在する、実施形態19~23のいずれか一つに記載の方法に関する。
【0117】
実施形態25は、少なくとも二つの異なる難消化性デンプンは、エンドウデンプン、ジャガイモデンプン、および生青バナナデンプンを含み;そして少なくとも二つの異なる非デンプン多糖類は、グルコマンナン(glucomannon)およびアカシアガムを含む、実施形態19~24のいずれか一つに記載の方法に関する。さらなる実施形態25aでは、少なくとも二つの異なる難消化性デンプンは、ヤーコンデンプンをさらに含む。
【0118】
実施形態26は、少なくとも二つの異なる難消化性デンプンおよび少なくとも二つの異なる非デンプン多糖類が、ヒトGI微生物叢の健康を改善するのに有効な量でMACs混合物中に存在する、実施形態19~25のいずれか一つに記載の方法に関する。
【0119】
実施形態27は、GI微生物叢の健康を改善することは、GI微生物叢の多様性を増加させること、GI微生物叢の組成を改善すること、および/またはGI微生物叢によるSCFA産生を増加させることの少なくとも一つを含む、実施形態26に記載の方法に関する。
【0120】
実施形態28は、少なくとも二つの異なる難消化性デンプンおよび少なくとも二つの異なる非デンプン多糖類が、ヒトの便通の健康を改善するのに有効な量でMACs混合物中に存在する、実施形態19~27のいずれか一つに記載の方法に関する。
【0121】
実施形態29は、少なくとも二つの異なる難消化性デンプンおよび少なくとも二つの異なる非デンプン多糖類は、満腹感を改善する;減量を促進する;全身性炎症を軽減する;心拍数の変動を増加させる;顔面皮膚および頭皮皮膚の少なくとも一つにおいて皮膚の微生物叢多様性を高める;顔面皮膚の肌色を改善する;睡眠の質を改善する;血中テストステロンレベルを改善する;エストラジオールの血中濃度を改善する;血中リポタンパク脂質レベルを改善する;血中トリグリセリドレベルを改善する;気分を改善する;認知を改善する;および/または血中コレステロールレベルを改善することの少なくとも一つに有効な量でMACs混合物中に存在する、実施形態19~28のいずれか一つに記載の方法に関する。
【0122】
実施形態30は、SCFA産生微生物は、酢酸生成微生物、酪酸生成微生物、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態1~29のいずれか一つに関する。
【0123】
実施形態31は、ヒトGI微生物叢を治療するための、実施形態1~11のいずれか一つに記載の組成物の使用、実施形態12~18のいずれか一つに記載のブレンドの使用、または実施形態19~29のいずれか一つに記載の方法に関する。
【0124】
実施形態32は、ヒトGI微生物叢を治療するための製品を製造するための、実施形態1~11のいずれか一つに記載の組成物の使用、または実施形態12~18のいずれか一つに記載のブレンドの使用に関する。
【0125】
用語「含む(comprising)」または「含む(comprise)」は、本明細書において最も広い意味で使用され、そして「包含する(including)」、「包含する(include)」、「から本質的になる(consist(ing) essentially of)」、および「からなる(consist(ing) of)」の概念を意味および包含する。例示的な例を列挙するための「たとえば(for example)」、「たとえば(e.g.)」、「たとえば(such as)」、および「包含する(including)」の使用は、列挙された例のみに限定しない。したがって、「たとえば(for example)」、または「たとえば(such as)」は、「たとえば、限定されない(for example, but not limited to)」、または「たとえば、限定されない(such as, but not limited to)」を意味し、そして他の類似または同等の例を包含する。本明細書で使用される用語「約」は、機器分析によって、またはサンプル処理の結果として測定される数値の軽微な変動を合理的に包含、または説明するのに役立つ。そのような小さな変動は、数値の±0~10、±0~5、または±0~2.5%のオーダーになりうる。さらに、用語「約」は、値の範囲に関連付けられている場合、両方の数値に適用される。さらに、用語「約」は、明示的に述べられていない場合でも数値に適用されうる。
【0126】
一般に、本明細書で使用される場合、値の範囲内のハイフン「-」またはダッシュ「-」は「to」または「through」;「>」は「より上(above)」または「より大きい(greater-than)」である;「≧」は「少なくとも(at least)」または「以上(greater-than or equal to)」である;「<」は「より下(below)」または「未満(less-than)」である;そして「≦」は「最大(at most)」または「以下(less-than or equal to)」である。個別に、前述の特許出願、特許、および/または特許出願公開のそれぞれは、参照によりその全体が一つまたは複数の非限定的な実施形態に明示的に組み込まれている。
【0127】
添付の特許請求の範囲は、詳細な説明に記載された特定の化合物、組成物、または方法に限定されず、添付の特許請求の範囲内の特定の実施形態間で異なりうることを理解されたい。様々な実施形態の特定の特徴または態様を説明するために本明細書に依存するマーカッシュグループに関して、他のすべてのマーカッシュメンバーから独立したそれぞれのマーカッシュグループの各メンバーから、異なる、特別な、および/または予期しない結果が得られうることが理解されるべきである。マーカッシュグループの各メンバーは、個別に、および/または組み合わせて依存されてもよく、そして添付の特許請求の範囲内の特定の実施形態のための適切なサポートを提供する。
【0128】
本発明の様々な実施形態を独立的におよび集合的に説明する際に依存する任意の範囲および下位範囲は、添付の特許請求の範囲内にあり、そしてそのような値が本明細書に明示的に書かれていなくても、全体および/またはその中の小数値を包含するすべての範囲を説明および企図すると理解されることも理解されたい。当業者は、列挙された範囲および部分範囲が本発明の様々な実施形態を十分に説明および可能にし、そしてそのような範囲および部分範囲は関連する半分、三分の一、四分の一、五分の一等にさらに記述されうることを容易に認識する。単なる一例として、「0.1~0.9」の範囲は、下三分の一、すなわち0.1~0.3、中三分の一、すなわち0.4~0.6、および上三分の一、すなわち0.7~0.9にさらに記述されてもよく、これは独立的にまたは集合的に添付の特許請求の範囲内にあり、そして独立的におよび/または集合的に信頼でき、そして添付の特許請求の範囲内の特定の実施形態のための適切なサポートを提供する。さらに、範囲を定義または変更する語、たとえば「少なくとも」、「より大きい」、「より少ない、」、「以下」等に関して、そのような語は部分範囲および/または上限または下限を含むことを理解されたい。別の例として、「少なくとも10」の範囲は、少なくとも10~35の部分範囲、少なくとも10~25の部分範囲、25~35の部分範囲等を本質的に包含し、そして各部分範囲は独立的におよび/または集合的に信頼でき、そして添付の特許請求の範囲内の特定の実施形態のための適切なサポートを提供する。最後に、開示された範囲内の個別の数は、添付の特許請求の範囲内の特定の実施形態に依存することができ、そしてそのための適切なサポートを提供する。たとえば、「1~9」の範囲は、様々な個々の整数、たとえば3および小数点(または小数)、たとえば4.1を包含する個々の数値を含み、添付の特許請求の範囲内の特定の実施形態に依存することができ、そしてそのための適切なサポートを提供する。
【0129】
本発明は、本明細書において例示的な方法で説明されており、そして使用されている用語は、限定的ではなく、説明の性質を意図していることを理解されたい。上記の教示に照らし、本発明の多くの修正および変更が可能である。本発明は、添付の特許請求の範囲内で具体的に説明されたもの以外で実施されてもよい。独立請求項および従属請求項、単一および複数の従属請求項のすべての組み合わせの主題が本明細書において明示的に意図されている。
図1