IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本航空電子工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-タッチパネル 図1
  • 特許-タッチパネル 図2
  • 特許-タッチパネル 図3
  • 特許-タッチパネル 図4
  • 特許-タッチパネル 図5
  • 特許-タッチパネル 図6
  • 特許-タッチパネル 図7
  • 特許-タッチパネル 図8
  • 特許-タッチパネル 図9
  • 特許-タッチパネル 図10
  • 特許-タッチパネル 図11
  • 特許-タッチパネル 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-21
(45)【発行日】2022-06-29
(54)【発明の名称】タッチパネル
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20220622BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20220622BHJP
【FI】
G06F3/041 430
G06F3/041 422
G06F3/044 122
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018016453
(22)【出願日】2018-02-01
(65)【公開番号】P2019133501
(43)【公開日】2019-08-08
【審査請求日】2020-10-20
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121706
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128705
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147773
【弁理士】
【氏名又は名称】義村 宗洋
(72)【発明者】
【氏名】坂上 彰利
(72)【発明者】
【氏名】奥村 寛
【審査官】岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-152599(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0018348(US,A1)
【文献】特開2015-167007(JP,A)
【文献】特開2017-103318(JP,A)
【文献】特開2017-182214(JP,A)
【文献】特開2014-206936(JP,A)
【文献】特開2009-123106(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
H05K 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一列に配列された複数の島状電極と、隣接する前記島状電極どうしを連結する連結部とよりなるセンサ電極列が基材の一面側に複数、並列配置されて形成され、前記センサ電極列の少なくとも前記島状電極は硬化した導電インキの細線のメッシュで構成されているタッチパネルであって、
各前記センサ電極列の少なくとも一方の端部には電極パッドが終端の前記島状電極に接続されて設けられ、
前記電極パッドは硬化した導電インキの、互いに交差しない第1の細線の並びと前記第1の細線どうしを前記第1の細線の延伸方向中間部で連結する第2の細線とによって構成され、
前記第2の細線は各隣接する2本の前記第1の細線に対して2本以下の本数とされて設けられていることを特徴とするタッチパネル。
【請求項2】
請求項1に記載のタッチパネルにおいて、
隣接する前記第1の細線どうしの間隔は、前記メッシュにおける互いに平行な隣接する前記細線どうしの間隔よりも狭小とされていることを特徴とするタッチパネル。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のタッチパネルにおいて、
前記電極パッドは各前記センサ電極列の両方の端部にそれぞれ設けられ、それら両方の端部の前記電極パッドのうち、少なくとも一方は前記一面側に形成されている引出し配線に接続されていることを特徴とするタッチパネル。
【請求項4】
請求項3に記載のタッチパネルにおいて、
前記センサ電極列である第1のセンサ電極列と第2のセンサ電極列とを備え、前記電極パッドである第1の電極パッドと第2の電極パッドとを備え、前記引出し配線である第1の引出し配線と第2の引出し配線とを備え、
前記一面側には硬化した導電インキの層である第1の導体層と絶縁層と硬化した導電インキの層である第2の導体層とが順次、積層形成されており、
前記第1の導体層には、前記一面に含まれるX,Y2方向のうちのY方向の入力位置を検出するための複数の前記第1のセンサ電極列と、各前記第1のセンサ電極列に設けられた前記第1の電極パッドと、各前記第1の電極パッドにそれぞれ接続された前記第1の引出し配線と、複数の前記第2の引出し配線とが形成されており、
前記絶縁層の、各前記第2の引出し配線の一部と重畳する部位にはそれぞれ貫通穴が形成され、
前記第2の導体層には、X方向の入力位置を検出するための複数の前記第2のセンサ電極列と、各前記第2のセンサ電極列に設けられた前記第2の電極パッドとが形成されており、
前記第2のセンサ電極列の両方の端部に設けられた前記第2の電極パッドのうちの一方は前記貫通穴において前記第2の引出し配線とそれぞれ接続されていることを特徴とするタッチパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は電極パターンや配線パターンが印刷によって形成されてなるタッチパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
図9はこの種のタッチパネルの従来例として特許文献1に記載されている静電容量式のタッチパネルの構成を示したものであり、このタッチパネルは方形状の透明な基材(基板)10の一面側に第1の導体層、絶縁層、第2の導体層及び保護膜が順次、積層形成された構成を有している。
【0003】
センサ電極列は複数の第1のセンサ電極列20と複数の第2のセンサ電極列30とよりなり、複数の第1のセンサ電極列20は第1の導体層によって形成され、複数の第2のセンサ電極列30は絶縁層によって第1の導体層と絶縁された第2の導体層によって形成されている。
【0004】
第1のセンサ電極列20は基材10の一辺と平行なX方向に一列に配列された複数の島状電極21と、隣接する島状電極21どうしを連結する連結部22とよりなる。第1のセンサ電極列20は基材10の上記一辺と隣接する他辺と平行なY方向に複数、並列配置されて設けられている。第2のセンサ電極列30はY方向に一列に配列された複数の島状電極31と、隣接する島状電極31どうしを連結する連結部32とよりなる。第2のセンサ電極列30はX方向に複数、並列配置されて設けられている。第1のセンサ電極列20と第2のセンサ電極列30は互いに絶縁された状態で交差され、連結部22と32は互いに重なる位置に位置されている。
【0005】
各第1のセンサ電極列20のX方向両端には引出し配線41が接続され、各第2のセンサ電極列30のY方向一端には引出し配線42が接続されている。基材10の一辺(下辺)の中央部分には端子43が配列形成されており、引出し配線41,42はそれぞれ端子43まで延びて端子43に接続されている。
【0006】
引出し配線41,42及び端子43は第1の導体層によって形成され、引出し配線42の、端子43と接続されている一端と反対側の他端には第2のセンサ電極列30と接続される接続部42aが形成されている。第2のセンサ電極列30と接続部42aとは絶縁層に形成された貫通穴51を介して互いに接続されている。
【0007】
一方、各第2のセンサ電極列30の、接続部42aと接続される一端と反対側の他端には島状電極31に続いて検査端子33が形成されており、保護膜には検査端子33を露出させる貫通穴61が形成されている。
【0008】
上記のような構成において、第1及び第2の導体層の電極パターン、配線パターンは銀粒子などの導電粒子を含んだ導電インキを用い、グラビアオフセット印刷によって形成され、絶縁層及び保護膜は絶縁性インキを用い、フレキソ印刷やインクジェット印刷によって形成されるものとなっている。なお、第1のセンサ電極列20、第2のセンサ電極列30、引出し配線42の接続部42a、端子43及び検査端子33は図9では詳細図示が省略されているが、それぞれ硬化した導電インキの細線のメッシュで形成されている。
【0009】
図10は検査端子33が形成されている部分の詳細を透視図で示したものである。検査端子33は第2の導体層の上に保護膜を形成した後、各第2のセンサ電極列30が所定の抵抗値になっているか検査を行うために使用されるもので、この検査端子33と端子43とを用いて検査が行われる。図11は引出し配線42の接続部42aが形成されている部分の詳細を透視図で示したものである。図10,11に示したように、検査端子33や接続部42aは細線の狭ピッチなメッシュによって形成されている。
【0010】
上述した特許文献1に記載されているタッチパネルでは、第1のセンサ電極列20と引出し配線41の接続部の詳細は示されていないが、特許文献1と同様、タッチパネルにおける電極パターンや配線パターンの形成にグラビアオフセット印刷を用いる特許文献2にはこの部分の詳細が示されている。図12は特許文献2に記載されている構成を示したものであり、図9と対応する部分には同一符号を付している。
【0011】
引出し配線41の、第1のセンサ電極列20との接続部分(特許文献2では引出し配線41の長辺平行部分と称している)41aは、図12に示したように細線の狭ピッチなメッシュによって形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】特開2017-103318号公報
【文献】特開2017-103317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述したように、電極パターンや配線パターンを導電インキを用い、グラビアオフセット印刷によって形成するタッチパネルでは、センサ領域に位置するセンサ電極列はタッチパネルが配置される表示部の視認性を損うことのないように、視認されにくいようにすることが重要であり、このため細線のメッシュで構成されるものとなっている。
【0014】
一方、センサ電極列の検査端子やセンサ電極列と引出し配線との接続部分(以下、これらを総称して電極パッドと言う)は、図10に示した検査端子33、図11に示した接続部42a及び図12に示した接続部分41aのように、センサ電極列のメッシュより極めて狭ピッチなメッシュで構成されるものとなっており、このように狭ピッチなメッシュで構成することにより、検査端子33においては検査用プローブとの良好な接触性能が得られ、接続部42aにおいては良好な接続性能が得られるものとなっている。
【0015】
なお、図9に示した構成において、各第1のセンサ電極列20の抵抗値の検査は、第1のセンサ電極列20の両端から引出し配線41が引き出されているため、対応する2つの端子43を用いて行うこともできるが、第1のセンサ電極列20自体の検査を行うために両端の接続部分41aに検査用プローブを当てるといったことも行われ、この点から接続部分41aも狭ピッチなメッシュで構成することが必要とされる。
【0016】
このように従来においては電極パッドを細線の狭ピッチなメッシュで構成するといったことが行われているが、細線が高密度に集約した狭ピッチのメッシュをグラビアオフセット印刷で印刷すると、印刷回数を重ねるに従って、その狭ピッチなメッシュ部分及びドクターブレードのスキージング方向における狭ピッチなメッシュ部分の下流領域において印刷の滲みが発生することが判明した。
【0017】
この印刷の滲みはグラビア版のメッシュをなす凹部における交差点に存在する角部にドクターブレードの刃先が衝突することによってドクターブレードの刃先が部分的に磨滅し、インキのスキージング能(掻き取り能)が劣化することによって発生していると考えられる。
【0018】
この発明の目的はこの問題に鑑み、細線を高密度に集約しながらもドクターブレードの磨滅を大幅に低減することができるようにした電極パッドを具備するタッチパネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
請求項1の発明によれば、一列に配列された複数の島状電極と、隣接する島状電極どうしを連結する連結部とよりなるセンサ電極列が基材の一面側に複数、並列配置されて形成され、センサ電極列の少なくとも島状電極は硬化した導電インキの細線のメッシュで構成されているタッチパネルにおいて、各センサ電極列の少なくとも一方の端部には電極パッドが終端の島状電極に接続されて設けられ、電極パッドは硬化した導電インキの、互いに交差しない第1の細線の並びと第1の細線どうしを第1の細線の延伸方向中間部で連結する第2の細線とによって構成され、第2の細線は各隣接する2本の第1の細線に対して2本以下の本数とされて設けられているものとされる。
【0021】
請求項の発明では請求項1の発明において、隣接する第1の細線どうしの間隔は、前記メッシュにおける互いに平行な隣接する細線どうしの間隔よりも狭小とされる。
【0022】
請求項の発明では請求項1又は2の発明において、電極パッドは各センサ電極列の両方の端部にそれぞれ設けられ、それら両方の端部の電極パッドのうち、少なくとも一方は前記一面側に形成されている引出し配線に接続されているものとされる。
【0023】
請求項の発明では請求項の発明において、前記センサ電極列である第1のセンサ電極列と第2のセンサ電極列とを備え、前記電極パッドである第1の電極パッドと第2の電極パッドとを備え、前記引出し配線である第1の引出し配線と第2の引出し配線とを備え、前記一面側には硬化した導電インキの層である第1の導体層と絶縁層と硬化した導電インキの層である第2の導体層とが順次、積層形成され、第1の導体層には、前記一面に含まれるX,Y2方向のうちのY方向の入力位置を検出するための複数の第1のセンサ電極列と、各第1のセンサ電極列に設けられた第1の電極パッドと、各第1の電極パッドにそれぞれ接続された第1の引出し配線と、複数の第2の引出し配線とが形成され、絶縁層の、各第2の引出し配線の一部と重畳する部位にはそれぞれ貫通穴が形成され、第2の導体層には、X方向の入力位置を検出するための複数の第2のセンサ電極列と、各第2のセンサ電極列に設けられた第2の電極パッドとが形成され、第2のセンサ電極列の両方の端部に設けられた第2の電極パッドのうちの一方は前記貫通穴において第2の引出し配線とそれぞれ接続されているものとされる。
【発明の効果】
【0024】
この発明によれば、従来、細線の狭ピッチなメッシュで電極パッドが構成されていたことにより発生していたドクターブレードの部分的な磨滅及びそれに基因する印刷の滲みの発生を解消することができ、よってタッチパネルが配置される表示部の視認性を損うことのない優れた品質のタッチパネルを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】この発明によるタッチパネルが第1のセンサ電極列の端部に具備する電極パッドの第1の構成例を示す部分拡大図。
図2図1に示した電極パッドの第1の変形例を示す部分拡大図。
図3図1に示した電極パッドの第2の変形例を示す部分拡大図。
図4】この発明によるタッチパネルが第1のセンサ電極列の端部に具備する電極パッドの第2の構成例を示す部分拡大図。
図5図4に示した電極パッドの変形例を示す部分拡大図。
図6】この発明によるタッチパネルが第1のセンサ電極列の端部に具備する電極パッドの第3の構成例を示す部分拡大図。
図7】この発明によるタッチパネルが第2のセンサ電極列の端部に具備する電極パッドの構成例を示す部分拡大図。
図8図7に示した電極パッドの変形例を示す部分拡大図。
図9】従来のタッチパネルの一構成例を示す平面図。
図10図9における検査端子が形成されている部分の部分拡大図。
図11図9における接続部が形成されている部分の構成を説明するための図。
図12】従来のタッチパネルの他の構成例における第1のセンサ電極列と引出し配線の接続部分を示す部分拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
この発明によるタッチパネルの特徴はセンサ電極列に接続されて設けられる電極パッドの構成を、従来のような細線の狭ピッチなメッシュとせず、変えた点にあり、電極パッド以外の構成は基本的に図9に示した従来のタッチパネルと同様の構成を有する。以下、図面を参照してこの発明の実施例を説明する。なお、図9に示したタッチパネルと対応する部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0027】
図1はY方向の入力位置を検出する第1のセンサ電極列20の一方の端部を示したものであり、図1中、二点鎖線は第1及び第2のセンサ電極列20,30が位置するセンサ領域と、そのセンサ領域を囲む額縁領域との境界線71を示す。この例では第1のセンサ電極列20の終端の島状電極21には境界線71を越えて額縁領域に入り込む延長部21aが形成されており、この延長部21aと引出し配線41間に電極パッド80が形成されている。
【0028】
電極パッド80はこの例では硬化した導電インキの、互いに交差しない平行な細線81の並びによって構成されており、隣接する細線81どうしの間隔は島状電極21のメッシュにおける互いに平行な隣接する細線23どうしの間隔よりも大幅に狭小とされている。具体的数値の一例を示せば、島状電極21のメッシュの単位格子は例えば一辺の長さが400μm、図1中に示した内角θが70°の菱形とされ、よって島状電極21の細線23の配列ピッチは376μmであり、これに対し、電極パッド80の細線81の配列ピッチは10~20μm程度とされる。なお、細線23,81の線幅は共に7μmとされる。
【0029】
このように、この例では電極パッド80を互いに交差しない細線81の狭ピッチな並び(配列)で構成するものとなっており、細線81を高密度化しても、グラビア版の凹部には前述したようなドクターブレードの磨滅を誘起する角部が存在しないため、ドクターブレードの磨滅を従来に比し、大幅に低減することができ、よってドクターブレードの磨滅に基因する印刷の滲みの発生を防止することができる。
【0030】
なお、グラビア版に対するドクターブレードのスキージング方向Sを図1中に矢印で示したようにX方向とする時、スキージング方向Sにおける電極パッド80の下流領域にはセンサ領域が位置し、つまり第1及び第2のセンサ電極列20,30が位置しており、これら第1及び第2のセンサ電極列20,30に印刷の滲みが生じると、見栄えが悪くなり、タッチパネルが配置される表示部の視認性に影響を及ぼすことになるが、この例では滲みの発生を防止することができるため、そのような表示部の視認性を損うような不具合の発生を防止することができる。
【0031】
上述したように、この例では電極パッド80を互いに交差しない細線81の狭ピッチな並びで構成するものとなっており、よってメッシュと異なり、細線81は個々独立しているため、例えば印刷のかすれ等により細線81に断線が発生すると、メッシュ構成と比べ、島状電極21と引出し配線41間の接続抵抗値はより大きく増大することになる。
【0032】
図2及び図3はこのような細線81の断線による電極パッド80の抵抗値の増大を極力抑えるために、第1の細線である細線81に加え、細線81どうしを連結する第2の細線として細線82を具備する電極パッド80’及び80”の構成をそれぞれ示したものである。
【0033】
図2に示した電極パッド80’では細線82が4本ずつの細線81の集合を連結するように設けられ、かつ複数(この例では8本)の細線82によって全ての細線81がその延伸方向中間部で連結される(短絡される)構成となっている。
【0034】
図3に示した電極パッド80”は図2における8本の細線82に加え、細線82をさらに8本追加し、全ての細線81がその延伸方向2箇所で連結される構成となっている。
【0035】
このような細線81どうしを連結する細線82を設けることはグラビア版の凹部にドクターブレードの磨滅を誘起する角部が多少なりとも生じることになるので、細線81どうしを連結する細線82の数は極力少なくすることが好ましく、各隣接する2本の細線81に対して細線82を設ける本数は2本以下とする。
【0036】
以上説明した例では電極パッドを構成する細線81は直線をなすものとしているが、これに限らず、例えば波線としてもよい。
【0037】
図4は三角波状の波線をなす細線91の互いに交差しない並びによって構成した電極パッド90を示したものであり、図5図4の電極パッド90に対し、細線91どうしを連結する細線92を追加した電極パッド90’を示したものである。また、図6は正弦波状の波線をなす細線101の互いに交差しない並びによって構成した電極パッド100を示したものである。これら図4~6に示している個所はいずれも図1に示した個所と対応しており、第1のセンサ電極列20の端部に設ける電極パッドの構成をこれら図4~6に示した構成としてもよい。なお、第1のセンサ電極列20はその両端にそれぞれ引出し配線41が接続され、よって第1のセンサ電極列20の、図1~6に示していない他方の端部の電極パッドも上述した構成と同様の構成が採用される。
【0038】
図7はX方向の入力位置を検出する第2のセンサ電極列30の一方の端部を示したものであり、図7中、二点鎖線は第1及び第2のセンサ電極列20,30が位置するセンサ領域と、センサ領域を囲む額縁領域との境界線72を示す。第2のセンサ領域30の終端の島状電極31には境界線72を越えて額縁領域に入り込む延長部31aが形成されており、この延長部31aと引出し配線42間に電極パッド110が形成されている。電極パッド110はこの例では前述した電極パッド100と同様、正弦波状の波線をなす細線111の互いに交差しない並びによって構成されている。
【0039】
図8図7に示した電極パッド110に対し、細線111どうしを連結する第2の細線として細線112を加えた電極パッド110’の構成を示したものである。この例では各隣接する2本の細線111に対して細線112は1本ずつ存在するように設けられている。なお、図7及び8は引出し配線42と接続される第2のセンサ電極列30の一方の端部を示したものであるが、第2のセンサ電極列30の他方の端部にも例えば検査に使用するための電極パッドが設けられ、この電極パッドも図7図8に示した構成と同様の構成を有するものとされる。互いに交差しない並びを構成する細線は正弦波状の波線111でもよく、また三角波状の波線や直線としてもよい。
【符号の説明】
【0040】
10 基材 20 第1のセンサ電極列
21 島状電極 21a 延長部
22 連結部 23 細線
30 第2のセンサ電極列 31 島状電極
31a 延長部 32 連結部
33 検査端子 41 引出し配線
41a 接続部分 42 引出し配線
42a 接続部 43 端子
51,61 貫通穴 71,72 境界線
80,80’,80” 電極パッド 81,82 細線
90,90’ 電極パッド 91,92 細線
100 電極パッド 101 細線
110,110’ 電極パッド 111,112 細線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12