IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー エレクトロニクス インコーポレイティドの特許一覧

<>
  • 特許-バッテリーセル 図1
  • 特許-バッテリーセル 図2
  • 特許-バッテリーセル 図3
  • 特許-バッテリーセル 図4a
  • 特許-バッテリーセル 図4b
  • 特許-バッテリーセル 図5
  • 特許-バッテリーセル 図6
  • 特許-バッテリーセル 図7a
  • 特許-バッテリーセル 図7b
  • 特許-バッテリーセル 図8
  • 特許-バッテリーセル 図9
  • 特許-バッテリーセル 図10
  • 特許-バッテリーセル 図11
  • 特許-バッテリーセル 図12
  • 特許-バッテリーセル 図13
  • 特許-バッテリーセル 図14
  • 特許-バッテリーセル 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-23
(45)【発行日】2022-07-01
(54)【発明の名称】バッテリーセル
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/342 20210101AFI20220624BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20220624BHJP
   H01M 50/152 20210101ALI20220624BHJP
【FI】
H01M50/342 101
H01M10/04 Z
H01M50/152
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021015553
(22)【出願日】2021-02-03
(65)【公開番号】P2021125467
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2021-02-03
(31)【優先権主張番号】10-2020-0013374
(32)【優先日】2020-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100109841
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 健史
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【弁護士】
【氏名又は名称】小林 英了
(72)【発明者】
【氏名】ジヨン アン
(72)【発明者】
【氏名】ソンフン ハン
【審査官】近藤 政克
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-125737(JP,A)
【文献】特開2014-150045(JP,A)
【文献】特開2017-004917(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/342
H01M 10/04
H01M 50/152
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーセルであって、
電気エネルギーを提供するコア材料と、
前記コア材料を収容するセルハウジングと、を備えてなり、
前記セルハウジングは、
上下方向に開口し、ハウジング軸を包むサイドカバーと、
前記セルハウジングの上部方向開口を遮蔽するアッパーカバーと、
前記セルハウジングの下部方向開口を遮蔽するロアーカバーと、
前記サイドカバーに形成された側面ベント溝と、を備え、
前記側面ベント溝は、前記ロアーカバーと平行方向に延長される、バッテリーセル。
【請求項2】
前記側面ベント溝は、前記サイドカバーにおいて前記ロアーカバーに偏って配置される、請求項1に記載のバッテリーセル。
【請求項3】
前記側面ベント溝と前記ロアーカバーとの間の距離は0.5mmないし2mmである、請求項1又は2に記載のバッテリーセル。
【請求項4】
前記側面ベント溝は、前記サイドカバーより薄い厚さを有する、請求項1~3の何れか一項に記載のバッテリーセル。
【請求項5】
前記側面ベント溝は、前記サイドカバーと同一の材質を備える、請求項1~4の何れか一項に記載のバッテリーセル。
【請求項6】
前記側面ベント溝は、前記ハウジング軸を包む閉曲線を定義する、請求項1~の何れか一項に記載のバッテリーセル。
【請求項7】
前記側面ベント溝は、
前記ロアーカバーと平行方向に延長される第1側面ベント溝と、
前記ロアーカバーと平行方向に延長され、前記第1側面ベント溝から上部に離隔する第2側面ベント溝とを備える、請求項1~の何れか一項に記載のバッテリーセル。
【請求項8】
前記第1側面ベント溝及び前記第2側面ベント溝は、前記ハウジング軸を包む閉曲線を定義する、請求項に記載のバッテリーセル。
【請求項9】
前記セルハウジングは、前記アッパーカバーに形成された上面ベント溝を更に備える、請求項1~の何れか一項に記載のバッテリーセル。
【請求項10】
前記上面ベント溝は前記ハウジング軸を包むライン形状である、請求項に記載のバッテリーセル。
【請求項11】
バッテリーセルであって、
電気エネルギーを提供するコア材料と、
前記コア材料を収容するセルハウジングと、を備えてなり、
前記セルハウジングは、
上下方向に開口し、ハウジング軸を包むサイドカバーと、
前記セルハウジングの上部方向開口を遮蔽するアッパーカバーと、
前記セルハウジングの下部方向開口を遮蔽するロアーカバーと、
前記サイドカバーに形成され、前記セルハウジング内部の圧力が既に設定された圧力を超過すると破損する側面ベント溝と、を備え、
前記側面ベント溝は、前記ロアーカバーと平行方向に延長される、バッテリーセル。
【請求項12】
バッテリーセルであって、
電気エネルギーを提供するコア材料と、
前記コア材料を収容するセルハウジングと、
前記セルハウジングの側面において下端に隣接して位置される側面ベント溝と、を備え、
前記側面ベント溝は、前記ロアーカバーと平行方向に延長される、バッテリーセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーセルの排気ガス排出構造に関する。
〔関連技術〕
本願は、韓国特許出願第10-2020-0013374号(出願日:2020年2月4日)に基づくパリ条約4条の優先権主張を伴ったものであり、本発明は当該韓国特許出願に開示された内容に基づくものである。参考のために、当該韓国特許出願の明細書及び図面の内容は本願明細書の一部に包摂されるものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、モバイル機器に対する技術開発と需要の増加により二次電池の需要も急激に増加しており、その中でもエネルギー密度と作動電圧が高く、保存と寿命特性に優れているリチウム(イオン/ポリマー)二次電池は各種モバイル機器はもちろん様々な電子製品のエネルギー源として広く使われている。
【0003】
従来技術は、安全性が改善されたパウチ型二次電池を開示しており、このパウチ型二次電池は、セルの内部と電極タブのシーリング部にチャンネルが形成されている。過充電又は内部短絡などの原因によりパウチの内部にガスが過度に発生して圧力が高くなると、前記チャンネルを介してガスがパウチの外部に排出される。すなわち、セル内部のガスが外部に排出されるときは常に電極タブのシーリング部を介して排出されるため、ガスの排出方向を予め予測することができる。
【0004】
ただし、先行技術の場合、パウチの上面と下面にチャンネルが形成されるが、パウチの上面と下面には電極が配置され、外部のリードフレームとパウチの上面と下面は連結のために抵抗溶接機で溶接される。
【0005】
パウチの上面及び下面にチャンネルが形成される溶接過程において、チャンネルが開放又は破損してバッテリーセルが破損する問題点が存在する。
【0006】
また、パウチの上面又は下面にチャンネルが形成される場合、バッテリーセルの内部の排気ガスが排出される場合、バッテリーセルがバッテリーパックの外部に放出される問題点が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
大韓民国特許公開公報第2014-0130859号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の第1課題は、バッテリーセルの側面に排気ガス排出構造を配置して、排気ガスが排出されても、バッテリーセルがバッテリーパックから放出されることがないバッテリーセルを提供することである。
【0009】
本発明の第2課題は、バッテリーセルの側面に排気ガス排出構造を配置し、バッテリーセルの下面には排出構造を配置しなくて、電極連結のための溶接のときに排出構造が破損する可能性が低いバッテリーセルを提供することである。
【0010】
本発明の第3課題は、バッテリーセルから排気ガスが排出されるとき、排気ガス排出構造がバッテリーセルから離脱しないバッテリーセルを提供することである。
【0011】
本発明の第4課題は、バッテリーセルから排気ガスが排出されるとき、排気ガスの排出方向をバッテリーセルが放出されない方向に調整し、周辺に危険を軽減する方向に調整したバッテリーセルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するために、本発明はバッテリーセルの側面に排気ガス排出構造を配置している。
【0013】
また、本発明は、バッテリーセルの側面に排気ガスの排出方向を下方と側方との間の角度に排出するためのV溝を特徴とする。
【0014】
具体的に、本発明は、前記エネルギーを提供するコア材料と、前記コア材料を収容するセルハウジングとを含み、前記セルハウジングは、上下方向に開口し、ハウジング軸を包むサイドカバーと、前記セルハウジングの上部方向の開口を遮蔽するアッパーカバーと、前記セルハウジングの下部方向の開口を遮蔽するロアーカバーと、前記サイドカバーに形成された側面ベント溝とを含むことを特徴とする。
〔本発明の一の態様〕
本発明の一の態様は以下の通りである。
〔1〕 バッテリーセルであって、
電気エネルギーを提供するコア材料と、
前記コア材料を収容するセルハウジングと、を備えてなり、
前記セルハウジングは、
上下方向に開口し、ハウジング軸を包むサイドカバーと、
前記セルハウジングの上部方向開口を遮蔽するアッパーカバーと、
前記セルハウジングの下部方向開口を遮蔽するロアーカバーと、
前記サイドカバーに形成された側面ベント溝と、を備える、バッテリーセル。
〔2〕 前記側面ベント溝は、前記サイドカバーにおいて前記ロアーカバーに偏って配置される、〔1〕に記載のバッテリーセル。
〔3〕 前記側面ベント溝と前記ロアーカバーとの間の距離は0.5mmないし2mmである、〔1〕又は〔2〕に記載のバッテリーセル。
〔4〕 前記側面ベント溝は、前記サイドカバーより薄い厚さを有する、〔1〕~〔3〕の何れか一項に記載のバッテリーセル。
〔5〕 前記側面ベント溝は、前記サイドカバーと同一の材質を備える、〔1〕~〔4〕の何れか一項に記載のバッテリーセル。
〔6〕 前記側面ベント溝は、前記ロアーカバーと平行方向に延長される、〔1〕~〔5〕の何れか一項に記載のバッテリーセル。
〔7〕 前記側面ベント溝は、前記ハウジング軸を包む閉曲線を定義する、〔1〕~〔6〕の何れか一項に記載のバッテリーセル。
〔8〕 前記側面ベント溝は、
前記ロアーカバーと平行方向に延長される第1側面ベント溝と、
前記ロアーカバーと平行方向に延長され、前記第1側面ベント溝から上部に離隔する第2側面ベント溝とを備える、〔1〕~〔7〕の何れか一項に記載のバッテリーセル。
〔9〕 前記第1側面ベント溝及び前記第2側面ベント溝は、前記ハウジング軸を包む閉曲線を定義する、〔8〕に記載のバッテリーセル。
〔10〕 前記側面ベント溝は、
第1方向に延長される第1オープンベント溝と、
第2方向に延長され、前記第1オープンベント溝の一端と連結される第2オープンベント溝と、を備える、〔1〕~〔8〕の何れか一項に記載のバッテリーセル。
〔11〕 前記第1オープンベント溝と前記第2オープンベント溝とがなす角は鋭角である、〔10〕に記載のバッテリーセル。
〔12〕 前記第1オープンベント溝の一端の深さは、前記第1オープンベント溝の他端の深さより深く、
前記第2オープンベント溝の一端の深さは、前記第2オープンベント溝の他端の深さより深く、
前記第1オープンベント溝の一端は、前記第2オープンベント溝の一端と連結される、〔10〕に記載のバッテリーセル。
〔13〕 前記第1オープンベント溝と前記第2オープンベント溝とがなす角の方向は、上部方向と45度以内の角度を形成する、〔11〕に記載のバッテリーセル。
〔14〕 前記側面ベント溝は、
前記第1オープンベント溝の一端と前記第2オープンベント溝の一端を連結する第3オープンベント溝を更に備え、
前記第1オープンベント溝と前記第2オープンベント溝との間の距離は、上部方向に行くほど遠くなる、〔10〕に記載のバッテリーセル。
〔15〕 前記第3オープンベント溝の深さは、前記第1オープンベント溝及び前記第2オープンベント溝より深い、〔14〕に記載のバッテリーセル。
〔16〕 前記第1オープンベント溝の深さ及び前記第2オープンベント溝の深さは、前記第3オープンベント溝に近づくほど深くなる、〔14〕に記載のバッテリーセル。
〔17〕 前記セルハウジングは、
前記アッパーカバーに形成された上面ベント溝を更に備える、〔1〕~〔9〕の何れか一項に記載のバッテリーセル。
〔18〕 前記上面ベント溝は前記ハウジング軸を包むライン形状である、〔17〕に記載のバッテリーセル。
〔19〕 バッテリーセルであって、
電気エネルギーを提供するコア材料と、
前記コア材料を収容するセルハウジングと、を備えてなり、
前記セルハウジングは、
上下方向に開口し、ハウジング軸を包むサイドカバーと、
前記セルハウジングの上部方向開口を遮蔽するアッパーカバーと、
前記セルハウジングの下部方向開口を遮蔽するロアーカバーと、
前記サイドカバーに形成され、前記セルハウジング内部の圧力が既に設定された圧力を超過すると破損する側面ベント溝と、を備える、バッテリーセル。
〔20〕 バッテリーセルであって、
電気エネルギーを提供するコア材料と、
前記コア材料を収容するセルハウジングと、
前記セルハウジングの側面において下端に隣接して位置される側面ベント溝と、を備える、バッテリーセル。
【0015】
前記側面ベント溝は、前記サイドカバーにおいて前記ロアーカバーに偏って配置されてもよい。
【0016】
前記側面ベント溝と前記ロアーカバーとの間の距離は0.5mmないし2mmであってもよい。
【0017】
前記側面ベント溝は、前記サイドカバーより小さい厚さを有してもよい。
【0018】
前記側面ベント溝は、前記サイドカバーと同一の材質を含んでもよい。
【0019】
前記側面ベント溝は、前記ロアーカバーと平行方向に延長される。
【0020】
前記側面ベント溝は、前記ハウジング軸を包む閉曲線を定義する。
【0021】
前記側面ベント溝は、前記ロアーカバーと平行方向に延長される第1側面ベント溝と、前記ロアーカバーと平行方向に延長され、前記第1側面ベント溝から上部に離隔する第2側面ベント溝とを含む。
【0022】
前記第1側面ベント溝及び前記第2側面ベント溝は、前記ハウジング軸を包む閉曲線を定義する。
【0023】
前記側面ベント溝は、第1方向に延長される第1オープンベント溝と、第2方向に延長され、前記第1オープンベント溝の一端と連結される第2オープンベント溝とを含む。
【0024】
前記第1オープンベント溝と前記第2オープンベント溝とがなす角は、鋭角であってもよい。
【0025】
前記第1オープンベント溝の一端の深さは前記第1オープンベント溝の他端の深さより深く、前記第2オープンベント溝の一端の深さは前記第2オープンベント溝の他端の深さより深く、前記第1オープンベント溝の一端は前記第2オープンベント溝の一端と連結される。
【0026】
前記第1オープンベント溝と前記第2オープンベント溝とがなす角の方向は、上部方向と45度以内の角度を形成する。
【0027】
前記側面ベント溝は、前記第1オープンベント溝の一端と前記第2オープンベント溝の一端とを連結する第3オープンベント溝をさらに含み、前記第1オープンベント溝と前記第2オープンベント溝との間の距離は、上部方向に行くほど遠くなる。
【0028】
前記第3オープンベント溝の深さは、前記第1オープンベント溝及び前記第2オープンベント溝より深くてもよい。
【0029】
前記第1オープンベント溝の深さ及び前記第2オープンベント溝の深さは、前記第3オープンベント溝に近づくほど深くなる。
【0030】
前記セルハウジングは、前記アッパーカバーに形成された上面ベント溝をさらに含む。
【0031】
前記上面ベント溝は、前記ハウジング軸を包むライン形状であってもよい。
【0032】
また、本発明は、前記エネルギーを提供するコア材料と、前記コア材料を収容するセルハウジングとを含み、前記セルハウジングは、上下方向に開口し、ハウジング軸を包むサイドカバーと、前記セルハウジングの上部方向開口を遮蔽するアッパーカバーと、前記セルハウジングの下部方向開口を遮蔽するロアーカバーと、前記サイドカバーに形成されて、前記セルハウジング内部の圧力が既に設定された圧力を超えると破損する側面ベント溝とを含む。
【0033】
また、本発明は、前記バッテリーセルを含む掃除機を含む。
【発明の効果】
【0034】
前記解決手段により、本発明は、バッテリーセルの側面に排気ガス排出構造を配置して、排気ガスが排出されても、バッテリーセルがバッテリーパックから放出されないようにし、バッテリーセルの放出によるバッテリー周辺部品の破損危険を低減し、使用者の負傷危険を低減するという利点を有する。
【0035】
また、本発明は、バッテリーセルの側面に排気ガス排出構造を配置し、バッテリーセルの下面には排出構造を配置しないので、電極連結のための溶接のときに排出構造が破損する可能性が低く、電極連結のための溶接が容易であるという利点を有する。
【0036】
また、本発明は、バッテリーセルの上面と、バッテリーセルの側面において下面に近く位置したガス排出構造を有することにより、排気ガスが一方向に排出してバッテリーセルの推進力として作動することなく、バッテリーセルの側面がバッテリーセルの上下面より広いため、広い空間に多数又は広い排出構造を形成するので、排気ガスの噴出速度を低減する利点を有する。
【0037】
また、本発明は、バッテリーセルの側面に形成されたガス排出構造が、下方から上方に切開されるとともに排気ガスが噴出し、ガス排出構造の上端がバッテリーセルの側面に連結されるので、バッテリーセルから排気ガスが排出されるとき、排気ガスの排出方向を下方と側方の間に調節するので、排気ガスの排出がバッテリーセルの推進力として作用せず、他の部品の破損を減らす方向になり、ガス排出構造がバッテリーセルから離脱することが防止できるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1図1は、本発明の一実施形態による掃除機の使用状態を示す側面立面図である。
図2図2は、図1においてノズルモジュール70を脱去させた掃除機1の斜視図である。
図3図3は、図2の掃除機1の側面立面図である。
図4a図4aは、図2の掃除機1の上側立面図である。
図4b図4bは、本発明の他の実施形態による掃除機1の上側立面図である。
図5図5は、図3の掃除機1をラインS1-S1'に沿って水平に切った断面図である。
図6図6は、図4aの掃除機1をラインS2-S2'に沿って垂直に切った断面図である。
図7a図7aは、本発明の一実施形態によるバッテリーセルの分解斜視図である。
図7b図7bは、図7aのバッテリーセルの結合斜視図である。
図8図8は、図7bのバッテリーセルの縦断面図である。
図9図9は、図8のバッテリーセルにおけるガス排出時の作動図である。
図10図10は、本発明の他の実施形態によるバッテリーセルの斜視図である。
図11図11は、図10のS11-S12線に沿う断面図である。
図12図12は、図10のバッテリーセルにおけるガス排出時の作動図である。
図13図13は、本発明のまた他の実施形態によるバッテリーセルの斜視図である。
図14図14は、図13のS21-S22線に沿う断面図である。
図15図15は、図13のバッテリーセルにおけるガス排出時の作動図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明を説明するために、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸による空間直交座標系を基準として後述する。各軸方向(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向)は、各軸が延びる両方向を意味する。各軸方向の前に「+」符号が付いているもの(+X軸方向、+Y軸方向、+Z軸方向)は、各軸が延びる両方向のいずれか一方向である正の方向を意味する。各軸方向の前に「-」符号が付いているもの(-X軸方向、-Y軸方向、-Z軸方向)は、各軸が延びる両方向のうち残りの一方向である負の方向を意味する。
【0040】
以下において「前(+Y)後(-Y)左(+X)右(-X)上(+Z)下(-Z)」などの方向を指す表現は、XYZ座標軸によって定義するが、これは、本発明が明確に理解できるように説明するためのものであり、基準をどこに置くかによって各方向を異なるように定義できることは言うまでもない。
【0041】
以下において、構成要素の前に「第1、第2、第3」などの表現が付く用語の使用は、指す構成要素の混同を避けるためであって、構成要素間の順序、重要度又は主従関係などとは関係ない。例えば、第1構成要素なしに第2構成要素のみを含む発明も実現可能である。
【0042】
本明細書において使用される単数の表現は、文脈上明らかに別の意味を有しない限り、複数の表現を含む。
【0043】
本発明による掃除機は手動掃除機又はロボット掃除機であってもよい。以下、本実施形態による掃除機1はハンディ型手動掃除機に限定して説明するが、本発明による掃除機はこれに制限される必要はない。
【0044】
<バッテリーを含む掃除機>
【0045】
図1ないし図6を参照すると、一実施形態による掃除機1は、吸入された空気が外部に排出されるように案内する流路Pを形成するメインボディ10を含む。掃除機1は、流路P上に配置されて空気中の塵埃を分離させる塵埃分離部(図示せず)を含む。掃除機1は、メインボディ10の後側に結合されたハンドル30を含む。
【0046】
掃除機1は、電源を供給するバッテリーBtとバッテリーBtが収容されるバッテリーハウジング40とを含む。掃除機1は、流路P上に配置されて流路内の空気を移動させるファンモジュール50を含む。掃除機1は、塵埃分離部(図示せず)以外にも、流路P上に配置されて空気中の塵埃を分離させるフィルタ61、62を含む。
【0047】
掃除機1は、メインボディ10の吸入管11に着脱可能に連結されるノズルモジュール70を含む。掃除機1は、使用者が掃除機1のOn/Offや吸入モードなどを入力できる入力部3と、使用者に掃除機1の各種状態を表示する出力部4とを含む。
【0048】
掃除機1は、i)可聴周波数のうち相対的に低域帯領域の騒音の大きさを減少させる第1機能、及びii)可聴周波数のうち相対的に高域帯領域の騒音の大きさを増加させる第2機能のうち少なくとも1つを行う騒音制御モジュール80を含む。騒音制御モジュールは、音を出力するスピーカ89を含む。実施形態により、掃除機1はスピーカ89の音を音放出口10b、10b’に伝達させる音伝達管(図示せず)をさらに含む。
【0049】
図1に示すように、ノズルモジュール70は、外部の空気を吸入するように備えられたノズル部71と、ノズル部71から長く延長される延長管73とを含む。延長管73はノズル部71と吸入管11を連結する。延長管73は、ノズル部71から吸入された空気が吸入流路P1内に流入するように案内する。延長管73の一側端部は、メインボディ10の吸入管11に着脱可能に結合される。使用者は、ノズル部71を床に置いた状態でハンドル30を持ってノズル部71を移動させながら掃除する。
【0050】
図2ないし図6を参照すると、メインボディ10は、掃除機1の外観を形成する。メインボディ10は、全体的に上下に長い円筒状に形成される。メインボディ10の内部に塵埃分離部(図示せず)が収容される。メインボディ10の内部にファンモジュール50が収容される。メインボディ10の後側にハンドル30が結合される。メインボディ10の後側にバッテリーハウジング40が結合される。
【0051】
メインボディ10は、メインボディ10内に空気の吸入を案内する吸入管11を含む。吸入管11は吸入流路P1を形成する。吸入管11は、メインボディ10の前方に突出する。
【0052】
メインボディ10は、排気口10a、10a’を形成する排出カバー12、12’を含む。排出カバー12、12’は、音放出口10b、10b’をさらに形成する。排出カバー12、12’は、メインボディ10の上側表面を形成する。排出カバー12、12’は、ファンモジュールハウジング14の上側部を覆う。
【0053】
メインボディ10は、塵埃分離部(図示せず)から分離された塵埃を貯蔵するための塵埃収集部13を含む。塵埃収集部13内に塵埃分離部(図示せず)の少なくとも一部が配置されてもよい。塵埃収集部13の上側部の内側面は、後述する第1サイクロン部21の機能を果たす(この場合、塵埃収集部13の上側部は第1サイクロン部21と称されてもよい。)。塵埃収集部13の内部に第2サイクロン部22及び塵埃流動ガイド24が配置される。
【0054】
塵埃収集部13は円筒形状に形成されてもよい。塵埃収集部13は、ファンモジュールハウジング14の下側に配置される。塵埃収集部13の内部に塵埃の貯留空間S1、S2が形成される。塵埃収集部13と塵埃流動ガイド24との間に第1貯蔵空間S1が形成される。塵埃流動ガイド24の内部に第2貯蔵空間S2が形成される。
【0055】
メインボディ10は、内部にファンモジュール50を収容するファンモジュールハウジング14を含む。ファンモジュールハウジング14は、塵埃収集部13から上側に延長して形成されてもよい。ファンモジュールハウジング14は円筒形に形成される。ファンモジュールハウジング14の後側にハンドル30の延長部31が配置される。
【0056】
メインボディ10は、塵埃収集部13を開閉するように備えられた塵埃カバー15を含む。塵埃カバー15は、塵埃収集部13の下方に回転可能に結合できる。塵埃カバー15は、回転動作により塵埃収集部13の下側を開閉できる。塵埃カバー15は、回転のためのヒンジ(図示せず)を含む。ヒンジは塵埃収集部13に結合される。塵埃カバー15は、第1貯蔵空間S1と第2貯蔵空間S2を共に開閉できる。
【0057】
メインボディ10は、塵埃分離部(図示せず)から流出した空気を案内する空気ガイド16を含む。空気ガイド16は、塵埃分離部(図示せず)からインペラ51まで空気を案内するファンモジュール流路P4を形成する。空気ガイド16は、インペラ51を通過した空気を排気口10a、10a’まで案内する排気流路P5を含む。空気ガイド16は、ファンモジュールハウジング14内に配置されてもよい。
【0058】
一例として、図6を参照すると、空気ガイド16は、塵埃分離部(図示せず)から流出した空気が上昇してインペラ51を通過すると下降し、また排気口10a、10a’まで上昇するように流路P4、P5を形成する。
【0059】
空気ガイド16は、塵埃分離部(図示せず)から流出した空気がインペラ51を通過し、排気口10a、10a’まで上昇し続けるように流路P4、P5を形成してもよい。
【0060】
図2図4a、図4b、及び図6を参照すると、メインボディ10は、流路P内の空気がメインボディ10の外部に排出される排気口10a、10a’を形成する。排気口10a、10a’は、排出カバー12、12’に形成される。
【0061】
排気口10a、10a’はメインボディ10の一面に配置されてもよい。排気口10a、10a’はメインボディ10の上側面に形成されてもよい。これにより、排気口10a、10a’から排出される空気により掃除機の周辺の塵埃が飛散することが防止されるとともに、排気口10a、10a’から排出される空気が使用者に直接ぶつかる現象を防止することができる。また、音放出口は、メインボディ10の複数の面のうち排気口10a、10a’が形成される面と同一の面に配置されてもよい。
【0062】
排気口10a、10a’は、特定方向(例えば、上側方向)を見るように配置されてもよい。排気口10a、10a'を介して排出される空気の排出方向(Ae)は、特定方向となり得る。
【0063】
本説明において、所定の軸Oは、メインボディ10の中心部を横切って特定方向に延長された仮想の軸を意味する。「遠心方向」は軸Oから離れる方向を意味し、「遠心反対方向」は軸Oに近づく方向を意味する。また、「円周方向」は、軸Oを中心とした周方向(又は回転方向)を意味する。円周方向は時計方向と反時計方向を包括する意味である。
【0064】
空気の排出方向(Ae)は、特定方向と遠心方向の間の方向であり得る。空気の排出方向(Ae)は、特定方向と円周方向との間の方向であり得る。具体的に、空気の排出方向(Ae)は特定方向と反時計方向の間の方向であり得る。空気の排出方向(Ae)は、特定方向と遠心方向と円周方向が3次元的に合成された方向であり得る。
【0065】
排気口10a、10a’は軸Oを囲むように配置されてもよい。排気口10a、10a’は、円周方向に沿って配列されるか延長されてもよい。排気口10a、10a’は、所定の軸Oを中心として円周方向に沿って中心角180度を超過して延長された所定の周辺領域(B1、B1')に配置されてもよい。
【0066】
一例として、図4aを参照すると、周辺領域(B1)は軸Oを中心に円周方向に沿って中心角360度に延長される。すなわち、周辺領域(B1)は軸Oの周りを完全に囲む。
【0067】
他の例として、図4bを参照すると、周辺領域(B1')は軸Oを中心として円周方向に沿って中心角(Ag1)の分だけ延長される。ここで、中心角(Ag1)は270度以上360度未満の値となり得る。図4aにおいて中心角(Ag1)は約270度である。
【0068】
一方、図4bを参照すると、軸Oを基準として周辺領域(B1')が囲んでいない方向は、ハンドル30が配置された方向(後方)であることが好ましい。排気口10a’から排出される空気が使用者側に流動することを防止するように、軸Oとハンドル30との間の領域には排気口10a’が形成されなくてもよい。軸Oとハンドル30との間の領域には、空気の排出を遮断するためのバリア12b’が備えられる。これにより、ハンドル30を握っている使用者に排気口10a’から排出される空気が直接ぶつからないようにすることができる。
【0069】
排気口10a、10a’は、周辺領域(B1、B1’)において、i)円周方向に沿って延長されるか、ii)複数に分割されて円周方向に沿って配列されてもよい。
【0070】
一例として、図4aを参照すると、複数の排気口10aが周辺領域(B1)に沿って配列される。複数の排気ガイド12aにより、複数の排気口10aが円周方向に互いに分割される。複数の排気口10aは、円周方向に沿って互いに一定間隔離隔して配列されてもよい。
【0071】
他の例として、図4bを参照すると、排気口10a’は周辺領域(B1')に沿って長く延長される。複数の排気口10a’が遠心方向に沿って互いに離隔して配置されてもよい。排気ガイド12a'により複数の排気口10a’が遠心方向に互いに分割される。それぞれの排気口10a’は軸Oを中心に中心角(Ag1)の分だけ円周方向に延長される。
【0072】
メインボディ10は、排気口10a、10a'を介して排出される空気が軸Oを基準に傾斜する方向に排出されるように備えられた排気ガイド12a、12a’を含む。排気ガイド12a、12a’は軸Oを基準に傾斜して配置されてもよい。排出カバー12、12’は、排気口10a、10a’を複数に分割させる排気ガイド12a、12a’を含む。
【0073】
一例として、図4aを参照すると、排出カバー12は排気口10aを複数に分割させる複数の排気ガイド12aを含む。複数の排気ガイド12aは、円周方向に沿って離隔して配列される。それぞれの排気ガイド12aは、円周方向及び遠心方向の間の方向に延長され、隣接する2つの排気口10aを分割させる。隣接する2つの排気ガイド12aの間の離隔した空間が排気口10aとなる。排気ガイド12aは、空気が特定方向と遠心方向と円周方向が3次元的に合成された方向に排出されるように誘導する。
【0074】
他の例として、図4bを参照すると、排出カバー12’は排気口10a’を2つに分割させる1つの排気ガイド12a'を含む。排気ガイド12a'は、円周方向に沿って長く延長される。排気ガイド12a‘は、バリア12b’の一端から他端まで軸Oを中心に中心角(Ag1)の分だけ円周方向に延長される。排気ガイド12a’は、空気が特定方向と遠心方向が合成された方向に排出されるように誘導する。
【0075】
図2図4a、図4b、及び図6を参照すると、メインボディ10は、スピーカ89の音が放出される音放出口10b、10b’を形成する。音放出口10b、10b’は排出カバー12、12’に形成されてもよい。
【0076】
音放出口10b、10b’は、メインボディ10の上側面に形成されてもよい。音放出口10b、10b’は、特定方向(例えば、上側方向)を見るように配置されてもよい。音放出口10b、10b’を介して放出される音の放出方向(Se)は、特定方向となる。
【0077】
音放出口10b、10b’は排気口10a、10a’とは別に備えられることが好ましい。これにより、流路P内を移動する空気や塵埃などがスピーカ89の性能に与える影響を防ぐことができる。
【0078】
排気口10a、10a’及び音放出口10b、10b’は、メインボディ10を基準に同方向を眺めることが好ましい。これにより、排気口10a、10a’を介して放出される騒音と音放出口10b、10b’を介して放出される音とが合成されて使用者の耳に到達するとき、使用者の耳の位置によって騒音の大きさと音の大きさの割合が変化する現象を軽減でき、既に設定された割合どおりに音を騒音に合成させることができる。
【0079】
音放出口10b、10b’は、排出カバー12、12’の中心部に配置されてもよい。音放出口10b、10b’は軸Oを基準に周辺領域(B1、B1’)の遠心の反対方向に配置される。音放出口10b、10b’は、軸Oが貫通する中央部に配置される。音放出口10b、10b’は、周辺領域(B1、B1’)から遠心反対方向に離隔され、軸Oが貫通する所定の中心領域(B2)内に配置される。これにより、排気口10a、10a’による騒音発生領域の中心部の音放出口10b、10b’による音発生領域を設けることができ、排気口10a、10a’による騒音とスピーカ89による音が既に設定された通り相殺干渉や補強干渉されることができる。これは、発生した騒音の低域周波数領域をスピーカ89の180度位相変化させた音で相殺させること(相殺干渉)において、特に効果的である。
【0080】
一例として、図4aを参照すると、音放出口10bは中心領域(B2)内に互いに離隔して形成された複数のホールを含む。
【0081】
別の例として、図4bを参照すると、中心領域(B2)内にマッシュ(mash)型の構造が配置され、マッシュ型の構造が形成する多くのホールが音放出口10bの機能を果たすことができる。
【0082】
また他の例として、図4bを参照すると、音放出口10b’は、中心領域(B2)内において軸Oを中心に円周方向に長く延長された隙間を含む。具体的には、音放出口10b’はリング形状の隙間を含んでもよい。
【0083】
図5ないし図6を参照すると、塵埃分離部(図示せず)は流路P上の塵埃を濾過する機能を果たす。塵埃分離部(図示せず)は、吸入管11を介してメインボディ10の内部に吸入された塵埃を空気から分離する。
【0084】
一例として、塵埃分離部(図示せず)は、サイクロン流動により塵埃を分離できる第1サイクロン部21及び第2サイクロン部22を含む。第1サイクロン部21が形成する流路P2は、吸入管11が形成する吸入流路P1と連結される。吸入管11を介して吸入される空気と塵埃は第1サイクロン部21の内周面に沿って螺旋流動する。
【0085】
第1サイクロン部21のサイクロン流動の軸A2は、上下方向に延長できる。サイクロン流動の軸A2は軸Oと一致してもよい。第2サイクロン部22は、第1サイクロン部21を経た空気から追加的に塵埃を分離する。第2サイクロン部22は、第1サイクロン部21の内部に位置してもよい。第2サイクロン部22は、境界部23の内部に位置してもよい。第2サイクロン部22は、並列に配置される多数のサイクロンボディを含んでもよい。
【0086】
他の例として、塵埃分離部(図示せず)は単一のサイクロン部を有することも可能である。この場合も、サイクロン流動の軸A2は上下方向に延長できる。
【0087】
また他の例として、塵埃分離部(図示せず)は、サイクロン部の代わりにメインフィルタ部(図示せず)を含むことも可能である。メインフィルタ部は吸入管11から流入される空気中の塵埃を分離できる。
【0088】
以下、塵埃分離部(図示せず)は、第1サイクロン部21及び第2サイクロン部22を含む本実施形態を基準に説明するが、必ずしもこれに制限される必要はない。
【0089】
塵埃分離部(図示せず)は塵埃分離流路P2、P3を形成する。空気が塵埃分離流路P2、P3を速いスピードで移動し、空気中の塵埃が分離され、分離された塵埃は第1貯蔵空間S1に貯蔵される。
【0090】
第1サイクロン部21の内周面と境界部23の外周面の間の空間は、第1サイクロンの流路P2となる。吸入流路P1を経た空気は、第1サイクロンの流路P2において下降螺旋方向に移動し、空気中の塵埃が遠心分離される。ここで、軸A2は下降螺旋方向の流動の軸A2となる。
【0091】
塵埃分離部(図示せず)は、第1サイクロン部21の内部に円筒状に配置された境界部23を含む。境界部23は、外周面に複数のホールを形成する。第1サイクロンの流路P2内の空気が境界部23の複数のホールを通過して、第2サイクロン流路P3に流入することができる。かさばる塵埃は境界部23の複数のホールによっても濾過できる。
【0092】
境界部23の内部には第2サイクロン部22の上側部が配置される。第2サイクロン部22は、内部が空洞で上下に貫通した複数のサイクロンボディを含む。それぞれのサイクロンボディは、下側に行くほど細くなるパイプ型に形成されてもよい。それぞれのサイクロンボディの内部に第2サイクロン流路P3が形成される。境界部23を経た空気は、サイクロンボディの上側部に配置された下向き螺旋方向に空気の流れを誘導するガイドに沿って第2サイクロン流路P3に移動する。空気はサイクロンボディの内周面に沿って下向き螺旋運動をし、空気中の塵埃が遠心分離され、分離された空気は第2貯蔵空間S2に貯蔵される。第2サイクロン流路P3に沿ってサイクロンボディの下側部まで移動した空気は、第2サイクロン流路P3の上下方向の中心軸に沿って上側方向に上昇移動し、ファンモジュール流路P4に流入される。
【0093】
塵埃分離部(図示せず)は、塵埃収集部13内において第1貯蔵空間S1と第2貯蔵空間S2とを区分させる塵埃流動ガイド24を含む。塵埃流動ガイド24と塵埃収集部13の内側面間の空間が第1貯蔵空間S1である。塵埃流動ガイド24の内部空間が第2貯蔵空間S2である。
【0094】
塵埃流動ガイド24は第2サイクロン部22の下側に結合される。塵埃流動ガイド24は塵埃カバー15の上面に接触する。塵埃流動ガイド24の一部分は、上側から下側に行くほど直径が小さくなるように形成されてもよい。一例として、塵埃流動ガイド24の上側部は下側に行くほど直径が小さくなるように形成され、塵埃流動ガイド24の下側部は上下に延長された円筒状に形成される。
【0095】
塵埃分離部(図示せず)は、塵埃流動ガイド24の上端部から下方に延長される飛散防止リブ25を含む。塵埃流動ガイド24の上側部の周りを囲んでもよい。飛散防止リブ25は流動の軸A2を中心とした円周方向に沿って延長される。一例として、飛散防止リブ25は円筒状に形成されてもよい。
【0096】
塵埃流動ガイド24の上側部が下側に行くほど直径が小さくなるように形成された場合、塵埃流動ガイド24の上側部の外周面と飛散防止リブ25との間には空間が形成される。第1貯蔵空間S1内において塵埃流動ガイド24に沿って空気の上昇流動が発生するとき、飛散防止リブ25と塵埃流動ガイド24の上側部との間の空間により上昇する塵埃がかかるようになる。これにより、第1貯蔵空間S1内の塵埃が上側に逆流することが防止できる。
【0097】
ハンドル30はメインボディ10に結合される。ハンドル30は、メインボディ10の後側に結合されてもよい。ハンドル30は、バッテリーハウジング40の上側に結合されてもよい。
【0098】
ハンドル30は、メインボディ10から後側に突出して延長される延長部31を含む。延長部31は、追加延長部32の上側部から前方に延長される。延長部31は水平方向に延長される。
【0099】
ハンドル30は、上下方向に延長され、追加延長部32を含む。追加延長部32はメインボディ10と前後方向に離隔されてもよい。使用者は、追加延長部32を持って掃除機1を利用することができる。追加延長部32の上端は延長部31の後端に連結される。追加延長部32の下端はバッテリーハウジング40に連結される。
【0100】
追加延長部32には、使用者が追加延長部32を握った状態で手が追加延長部32の長さ方向(上下方向)に移動することを防止するための移動制限部32aが備えられる。移動制限部32aは、追加延長部32から前方に向かって突出する。
【0101】
移動制限部32aは延長部31と上下に離隔して配置される。使用者が追加延長部32を握った状態で、使用者の握った手の一部の指は移動制限部32aの上方に位置し、残りの指は移動制限部32aの下方に位置するように備えられる。
【0102】
ハンドル30は、上側と後方の間の方向を眺める傾斜面33を含む。傾斜面33は、延長部31の後面に位置してもよい。傾斜面33に入力部3が配置されてもよい。
【0103】
バッテリーBtはファンモジュール50に電源を供給する。バッテリーBtは騒音制御モジュールに電源を供給する。バッテリーBtはバッテリーハウジング40の内部に分離可能に配置されてもよい。
【0104】
バッテリーハウジング40はメインボディ10の後側に結合される。バッテリーハウジング40はハンドル30の下側に配置される。バッテリーハウジング40の内部にバッテリーBtが収容される。バッテリーハウジング40にはバッテリーBtから発生する熱を外部に排出させるための放熱ホールが形成されてもよい。
【0105】
図6を参照すると、ファンモジュール50は外部の空気が流路P内に流入するように吸入力を発生させる。ファンモジュール50はメインボディ10内に配置される。ファンモジュール50は音放出口10b、10b’より下に配置される。ファンモジュール50は、塵埃分離部(図示せず)の上方に配置される。
【0106】
ファンモジュール50は、回転により吸入力を発生させるインペラ51を含む。流路P内の空気が排気口10a、10a'を介して排出されるように、インペラ51は空気を加圧する。インペラ51が空気を加圧するときに騒音及び振動が発生し、このような騒音は主に排気口10a、10a’を介して放出される。
【0107】
インペラ51の回転軸A1(吸入モータの軸ともいえる)の延長線は、流動の軸A2と一致し得る。
【0108】
また、回転軸A1は、軸Oと一致し得る。この場合、インペラ51は、軸Oを中心に回転して空気を加圧する。これにより、周辺領域(B1、B1’)に形成された排気口10a、10a’を介して相対的に均等に騒音が放出されるようになる。
【0109】
ファンモジュール50は、インペラ51を回転させる吸入モータ52を含む。吸入モータ52は、掃除機1の唯一のモータであり得る。吸入モータ52は、塵埃分離部(図示せず)の上方に位置する。吸入モータ52が動作するときに騒音及び振動が発生し、このような騒音は主に排気口10a、10a’を介して放出される。
【0110】
一例として、図6を参照すると、吸入モータ52の下方にインペラ51が配置されたファンモジュール50が備えられる。インペラ51は、回転時に空気を上側方向に加圧する。
【0111】
吸入モータ52の下側にインペラ51が配置されたファンモジュール50が備えられる。インペラ51は回転時に空気を下側方向に加圧する。
【0112】
ファンモジュール50は、インペラ51の中心に固定されたシャフト53を含む。シャフト53は、回転軸A1上に上下方向に延長されて配置される。シャフト53は、吸入モータ52のモータ軸の機能を果たす。
【0113】
一方、掃除機1は吸入モータ52の制御のためのPCB55を含む。PCB55は、吸入モータ52と塵埃分離部(図示せず)の間に配置される。
【0114】
掃除機1は、吸入モータ52に空気が吸入される前に空気をフィルタリングするプレフィルタ61を含んでもよい。プレフィルタ61はインペラ51を囲むように配置される。ファンモジュール流路P4上の空気は、プレフィルタ61を通過してインペラ51に到達する。プレフィルタ61は、メインボディ10の内部に配置される。プレフィルタ61は、排出カバー12、12’の下方に配置される。使用者は排出カバー12、12’を掃除機1から分離することにより、プレフィルタ61をメインボディ10の内部から引き出すことができる。
【0115】
掃除機1は排気口10a、10a’に空気が排出される前に空気をフィルタリングするヘパフィルタ(HEPAフィルタ)62を含んでもよい。インペラ51を通過した空気は、ヘパフィルタ62を通過した後、排気口10aを介して外部に排出される。ヘパフィルタ62は排気流路P5上に配置される。
【0116】
排出カバー12、12’は、ヘパフィルタ62を収容するためのフィルタ収容空間(図示せず)を形成してもよい。フィルタ収容空間は下側が開口するように形成され、排出カバー12、12’の下側においてヘパフィルタ62がフィルタ収容空間に収容される。
【0117】
ヘパフィルタ62と対向するように排気口10aが形成されてもよい。排気口10a、10a’の下側にヘパフィルタ62が配置される。ヘパフィルタ62は、排気口10a、10a’に沿って円周方向に延長配置される。
【0118】
メインボディ10は、ヘパフィルタ62の下側面を覆うフィルタカバー17を含む。ヘパフィルタ62がフィルタ収容空間に収容された状態で、ヘパフィルタ62の下側はフィルタカバー17によりカバーされるが、フィルタカバー17には排気流路P5上の空気が通過するためのホールが形成される。フィルタカバー17は排出カバー12、12’に分離可能に結合される。
【0119】
排出カバー12、12’は、ファンモジュールハウジング14に分離可能に結合される。ファンモジュールハウジング14と分離された排出カバー12、12’においてフィルタカバー17を排出カバー12、12’から分離すると、ヘパフィルタ62をフィルタ収容空間から引き出すことができる。
【0120】
本発明において掃除機1がプレフィルタ61とヘパフィルタ62を含んでいると説明しているが、フィルタの種類及び個数には制限がないことは言うまでもない。
【0121】
一方、入力部3は、ハンドル30を基準として移動制限部32aの反対側に位置してもよい。入力部3は傾斜面33に配置されてもよい。
【0122】
また、出力部4は、延長部31に配置されてもよい。一例として、出力部4は延長部31の上面に位置する。出力部4は複数の発信部111を含む。複数の発信部111は延長部31の長さ方向(前後方向)に離隔して配列される。
【0123】
一方、流路Pは、吸入流路P1、塵埃分離流路P2、P3、ファンモジュール流路P4及び排気流路P5、P5が順次連結されて形成される。
【0124】
特に、図5を参照すると、吸入流路P1は外部の空気を塵埃分離部(図示せず)に提供する。吸入流路P1は塵埃分離部(図示せず)と連結される。具体的に、吸入流路P1は吸入管11により定義され、吸入流路P1の一部はメインボディ10の外側に露出し、吸入流路P1の他側はメインボディ10内に位置する。吸入流路P1の一側は、ノズル部71と連結された延長管73と結合される。吸入流路P1内の空気はファンモジュールにより移動する。
【0125】
吸入管11には、吸入管11を開閉するフラップドア44が設置される。
【0126】
吸入モータ52の作動により吸入流路P1を介して吸入された空気と塵埃は、第1流路P2と第2サイクロン流路P3内で流動し、互いに分離される。第2サイクロン流路P3において空気は前述したように上側に移動し、ファンモジュール流路P4に流入される。
【0127】
ファンモジュール流路P4は、空気をプレフィルタ61側に案内する。プレフィルタ61及びインペラ51を順次通過した空気は、排気流路P5、P5に流入する。排気流路P5、P5上の空気は、ヘパフィルタ62を通過した後、排気口10a、10a’を介して外部に排出される。
【0128】
ファンモジュール流路P4は、塵埃分離部(図示せず)から流出した空気が上昇してインペラ51を通過して下降するように、空気を案内する。ここで、排気流路P5はインペラ51を通過し、下降した空気が再び排気口10a、10a’まで上昇するように、空気を案内する。
【0129】
以下、前述のバッテリーBtを構成するバッテリーセル100について詳述する。
【0130】
図7a、図7b及び図8を参照すると、本発明のバッテリーセル100は、電気エネルギーを提供するコア材料140及びコア材料140を収容するセルハウジング110、120、130を含む。
【0131】
コア材料140は放電しながら電気エネルギーを提供する。例えば、コア材料140は正極板、負極板、セパレータを有し、正極板と負極板のそれぞれから延長された電極タブに電極リードが連結される。
【0132】
セルハウジング110、120、130はコア材料140を収容する空間を提供し、正極板及び負極板と連結された電源端子が形成される。セルハウジング110、120、130はコア材料140を収容する多様な形状を有してもよい。
【0133】
例えば、セルハウジング110、120、130は、円柱、多角柱及びパウチ状などの多様な形状を有してもよい。具体的に、セルハウジング110、120、130は、上下方向に開口し、ハウジング軸Gを包むサイドカバー110と、セルハウジングの上部方向開口を遮蔽するアッパーカバー120と、セルハウジングの下部方向開口を遮蔽するロアーカバー130とを含む。
【0134】
サイドカバー110はハウジング軸Gを中心とする円筒形状であり、上部開口111と下部開口112が形成される。サイドカバー110はハウジング軸Gと平行方向に延長される面を有する。
【0135】
アッパーカバー120は上部開口111をカバーする。アッパーカバー120はハウジング軸Gと交差する面を定義する。アッパーカバー120には電極端子(図示せず)が形成されることもできる。好ましくは、アッパーカバー120には電極端子が形成されず、上面ベント溝160が形成される。
【0136】
上面ベント溝160は、セルハウジング110、120、130の内部の排気ガスにより圧力が増加したとき、アッパーカバー120の一部が破損する構造である。例えば、上面ベント溝160はアッパーカバー120の一部が陥没して形成されてもよい。他の例を挙げると、上面ベント溝160は、アッパーカバー120においてアッパーカバー120の厚さより小さい厚さを有する領域として定義されることができる。
【0137】
上面ベント溝160の断面形状は、V又はU字型であり得る。上面ベント溝160は、ライン(Line)形状で一方向に延長されてもよい。上面ベント溝160は、ハウジング軸Gを包む環状に形成されることが好ましい。
【0138】
ロアーカバー130は下部開口112をカバーする。ロアーカバー130は、ハウジング軸Gと交差する面を定義する。ロアーカバー130には電極端子(図示せず)が形成されることもできる。好ましくは、ロアーカバー130には正極板と連結された正極端子(図示せず)と、負極板と連結された負極端子(図示せず)とが形成されてもよい。
【0139】
ロアーカバー130とリードフレームは互いに溶接で連結されるので、ロアーカバー130にベント溝が形成される場合、溶接の過程でベント溝が破損してバッテリーセル100が破損する可能性がある。従って、本発明は、ロアーカバー130にベント溝を形成せず、後述するようにサイドカバー110にベント溝を形成することによりこのような問題を解決している。
【0140】
サイドカバー110には側面ベント溝150が形成される。側面ベント溝150は、セルハウジング110、120、130の内部の圧力が既に設定された圧力を超過すると破損する構造を有する。また、側面ベント溝150は、セルハウジング110、120、130の内部の圧力が既に設定された圧力を超過すると破損及び変形して、セルハウジング110、120、130の内部から排出される排気ガスの排出方向を案内する構造を有する。
【0141】
側面ベント溝150は、セルハウジング110、120、130の側面において下端に隣接して位置してもよい。
【0142】
例えば、側面ベント溝150は、サイドカバー110の一部が陥没して形成されてもよい。他の例を挙げると、側面ベント溝150は、サイドカバー110においてサイドカバー110の厚さより薄い厚さを有する領域として定義することができる。すなわち、サイドカバー110において厚さが基準厚さより薄い部分を側面ベント溝150と定義することができる。側面ベント溝150はサイドカバー110より薄い厚さを有する。側面ベント溝150はサイドカバー110と同一材質のものが製造が容易である。
【0143】
側面ベント溝150の断面形状は、V又はU字型であり得る。側面ベント溝150はライン(Line)形状で一方向に延長されることができる。また、側面ベント溝150は、複数の直線が互いに連結された形態であるか、円形であってもよい。また、側面ベント溝150は連続的に連結されることもできる。また、側面ベント溝150は、複数が互いに離隔して配置されてもよい。
【0144】
例えば、側面ベント溝150はハウジング軸Gを包む環状に形成される。側面ベント溝150はハウジング軸Gを包む閉曲線を定義する。具体的に、側面ベント溝150はサイドカバー110の円周に沿って延長される。もちろん、側面バント溝150はサイドカバー110の円周に沿って延長されて途中で断続する部分もある。側面ベント溝150は、ロアーカバー130と平行方向に延長されてもよい。
【0145】
他の例において、側面ベント溝150は、ロアーカバー130と平行方向に延長される第1側面ベント溝151と、ロアーカバー130と平行方向に延長し、第1側面ベント溝151から上部に離隔する第2側面ベント溝152とを含む。第1側面ベント溝151及び第2側面ベント溝152は、ハウジング軸Gを包む閉曲線を定義する。もちろん、他の例として、側面ベント溝150は、ロアーカバー130と平行方向に延長される多数のラインであってもよい。
【0146】
側面ベント溝150がサイドカバー110の円周に沿って形成されると、ロアーカバー130に比べて広い面積にベント溝が形成できるため、セルハウジング110、120、130から排出される排気ガスの圧力を下げることができ、排気ガスの圧力によるバッテリー以外の部品の破損を減らすことができる。
【0147】
側面ベント溝150は、サイドカバー110においてロアーカバー130側に偏って配置される。例えば、側面ベント溝150とロアーカバー130との間の距離0.5mmないし2mmであることが好ましい。側面ベント溝150がロアーカバー130側に偏って配置されると、アッパーカバー120の上面ベント溝160から排出される排気ガスと側面ベント溝150から排出される排気ガスのバランスによりバッテリーセル100の移動を防止することができる。
【0148】
図9を参照すると、過充電又は内部短絡などの原因によりセルハウジング110、120、130の内部にガスが過度に発生して圧力が高くなると、側面ベント溝150が破損して、外部とセルハウジング110、120、130の内部を連通する空間が生じる。この空間を介してセルハウジング110、120、130の内部の排気ガスが噴出すると、バッテリーセル100の爆発が防止される。もちろん、図面には図示していないが、上面ベント溝160も破損するとともに、破損した空間にガスが排出される。
【0149】
以下、第2実施形態によるバッテリーセル100Aを説明する。以下において、第1実施形態(図7及び図8)との相違点を中心に説明し、同様の説明は省略する。別の説明がない構成は、第1実施形態と同様のものであるとみなす。
【0150】
図10及び図11を参照すると、第2実施形態は、第1実施形態と側面ベント溝150Aの構造に相違点が存在する。
【0151】
第2実施形態による側面ベント溝150Aは、セルハウジング110、120、130の内部の圧力により側面ベント溝150Aが破損するとともに、側面ベント溝150Aの周辺のサイドカバー110が変形して排気ガスの排出方向をガイドする構造を有する。
【0152】
側面ベント溝150Aは、複数が互いに離隔して配置されてもよい。具体的に、側面ベント溝150Aは、複数がサイドカバー110の円周に沿って配置される。
【0153】
例えば、側面ベント溝150Aは、第1方向に延長される第1オープンベント溝153と、第2方向に延長され、第1オープンベント溝153の一端と連結される第2オープンベント溝154とを含む。第1オープンベント溝153の一端は、第2オープンベント溝154の一端と連結される。第1オープンベント溝153と第2オープンベント溝154は、直線又は曲線の形態を有してもよい。
【0154】
第1オープンベント溝153の一端と第2オープンベント溝154の一端は互いに連結され、第1オープンベント溝153と第2オープンベント溝154の間の距離は、第1オープンベント溝153の一端から他端方向に行くほど互いに遠くなる。第1方向と第2方向は、上部と側方向との間の方向であり得る。
【0155】
第1オープンベント溝153と第2オープンベント溝154とがなす角(Ag10)は、鋭角であり得る。好ましくは、第1オープンベント溝153と第2オープンベント溝154がなす角(Ag10)は20度ないし40度であり得る。第1オープンベント溝153と第2オープンベント溝154は、V字形状を有する。サイドカバー110が第1オープンベント溝153と第2オープンベント溝154に沿って切開されると、排気ガスを排出できる大きな空間が確保できるため、排出される排気ガスの圧力が非常に低くなり、時間当たりに排出できる排気ガス量が増加する。
【0156】
第1オープンベント溝153と第2オープンベント溝154の間の距離は、上部方向に行くほど遠くなることがある。第1オープンベント溝153と第2オープンベント溝154がなす角(Ag10)が20度より小さい場合は、排気ガスにより切開されるとき、排気ガスが十分に排出される空間が確保できず、第1オープンベント溝153と第2オープンベント溝154がなす角(Ag10)が40度より大きい場合は、排気ガスによりサイドカバー110が第1オープンベント溝153と第2オープンベント溝154に沿って切開され難しく、サイドカバー110の変形も大変になる。
【0157】
第1オープンベント溝153と第2オープンベント溝154とがなす角の方向(VD)は、上部方向と45度以内の角度を形成してもよい。好ましくは、第1オープンベント溝153と第2オープンベント溝154とがなす角の方向(VD)は上部方向と平行である。第1オープンベント溝153と第2オープンベント溝154とがなす角の方向(VD)が上部方向と平行であると、排気ガスによりサイドカバー110が第1オープンベント溝153と第2オープンベント溝154に沿って切開されて排気ガスが下部と側方との間の方向に案内される。
【0158】
排気ガスが下部と側方の間に排出されると、上面ベント溝160から排出される排気ガスのベクトルの和が0に近くなってバッテリーセル100が放出されることが防止される。
【0159】
第1オープンベント溝153の一端(h2)の深さは第1オープンベント溝153の他端(h1)の深さより深く、第2オープンベント溝154の一端(h2)の深さは第2オープンベント溝154の他端(h3)の深さより深い。
【0160】
他の例として、第1オープンベント溝153の深さは、他端から一端方向に行くほど深くなり、第2オープンベント溝154の深さは、他端から一端方向に行くほど深くなる。
【0161】
第1オープンベント溝153と第2オープンベント溝154が連結された部分の深さが深いと、排気ガスにより第1オープンベント溝153の一端と第2オープンベント溝154の一端から破損が始まるようになり、第1オープンベント溝153の他端と、第2オープンベント溝154の他端方向に破損するとともに、第1オープンベント溝153と第2オープンベント溝154との間のサイドカーバ110はベンディングされる。
【0162】
図12を参照すると、過充電又は内部短絡などの原因によりセルハウジング110、120、130の内部にガスが過度に発生して圧力が高くなると、第1オープンベント溝153の一端と第2オープンベント溝154の一端から破損が始まるようになり、第1オープンベント溝153の他端と、第2オープンベント溝154の他端方向に破損するとともに、第1オープンベント溝153と第2オープンベント溝154との間のサイドカーバ110はベンディングされ、サイドカバーがオープンされる。
【0163】
サイドカバー110のオープンした空間に排気ガスが噴出すると、サイドカバー110のベンディングされた部分により排気ガスの排出方向が外側方向と下部方向の間に案内される。
【0164】
以下、第3実施形態によるバッテリーセル100Bを説明する。以下において、第2実施形態(図10及び図11)との相違点を中心に説明し、同様の説明は省略する。別の説明がない構成は、第2実施形態と同様のものであるとみなす。
【0165】
図13及び図14を参照すると、第3実施形態は、第2実施形態と側面ベント溝150Bの構造に相違点が存在する。
【0166】
第3実施形態による側面ベント溝150Bは、セルハウジング110、120、130の内部の圧力により側面ベント溝150Bが破損するとともに、側面ベント溝150Bの周辺のサイドカバー110が変形して排気ガスの排出方向をガイドする構造を有する。
【0167】
例えば、側面ベント溝150Bは、第1方向に延長される第1オープンベント溝155と、第2方向に延長され、第1オープンベント溝155の一端と連結される第2オープンベント溝156と、第1オープンベント溝155の一端と第2オープンベント溝156の一端とを連結する第3オープンベント溝157とを含む。
【0168】
第1オープンベント溝155の一端と第2オープンベント溝156の一端は第3オープンベント溝157の両端に連結される。第3オープンベント溝157は上下方向と交差する方向に延長されてもよい。好ましくは、第3オープンベント溝157はロアーカバー130と平行方向に延長されてもよい。
【0169】
第1オープンベント溝155と第2オープンベント溝156の間の距離は、第1オープンベント溝155の一端から他端方向(上部方向)に行くほど互いに遠くなる。
【0170】
第1オープンベント溝155と第2オープンベント溝156とがなす角は鋭角であり得る。好ましくは、第1オープンベント溝155と第2オープンベント溝156がなす角は10度ないし30度であり得る。
【0171】
初期に第3オープンベント溝157により排気ガスの排出スペースが大きく確保されるので、第1オープンベント溝155と第2オープンベント溝156がなす角が大きくなる必要がない。
【0172】
第1オープンベント溝155と第2オープンベント溝156とがなす角の方向(VD2)は、上部方向と45度以内の角度を形成する。好ましくは、第1オープンベント溝155と第2オープンベント溝156がなす角の方向(VD2)は上部方向と平行であってもよい。第1オープンベント溝155と第2オープンベント溝156がなす角の方向(VD2)が上部方向と平行であると、排気ガスによりサイドカバー110が第1オープンベント溝155と第2オープンベント溝156に沿って切開されて排気ガスを下部と側方との間の方向に案内する。
【0173】
第3オープンベント溝157の深さ(h6)は、第1オープンベント溝155の深さ(h4)及び第2オープンベント溝156の深さ(h5)より深い。第1オープンベント溝155の深さ及び第2オープンベント溝156の深さは、第3オープンベント溝157に近づくほど深くなる。第3オープンベント溝157の深さは両端から中央に行くほど深くなる。
【0174】
第3オープンベント溝157の深さが深いと、排気ガスにより第3オープンベント溝157から破損が始まるようになり、第1オープンベント溝155の他端と、第2オープンベント溝156の他端方向に破損が行われるとともに、第1オープンベント溝155と第2オープンベント溝156の間のサイドカバー110はベンディングバンディングされてオープンされる。
【0175】
第3実施形態によると、初期の大量の排気ガスを排出できるため、排気ガスの圧力を初期に非常に低くすることができる。
【0176】
図15を参照すると、過充電又は内部短絡などの原因によりセルハウジング110、120、130の内部にガスが過度に発生して圧力が高くなると、第3オープンベント溝157から破損が始まるようになり、第1オープンベント溝155の他端と、第2オープンベント溝156の他端方向に破損が行われるとともに、第1オープンベント溝155と第2オープンベント溝156との間のサイドカバー110はベンディングされて、サードカバー110がオープンされる。
【0177】
サイドカバー110のオープンした空間に排気ガスが噴出すると、サイドカバー110のベンディングされた部分により排気ガスの排出方向が外側方向と下部方向の間に案内される。
【0178】
前記解決手段により、本発明は、バッテリーセルの側面に排気ガス排出構造を配置して、排気ガスが排出されても、バッテリーセルがバッテリーパックから放出されないようにし、バッテリーセルの放出によるバッテリー周辺部品の破損危険を軽減し、使用者の負傷危険を軽減する利点が存在する。
【0179】
また、本発明は、バッテリーセルの側面に排気ガス排出構造を配置し、バッテリーセルの下面には排出構造を配置しないので、電極連結のための溶接時に排出構造が破損する可能性が低く、電極連結のための溶接が容易である利点が存在する。
【0180】
また、本発明は、バッテリーセルの上面と、バッテリーセルの側面において下面に近く位置されたガス排出構造を有することにより、排気ガスが一方向に排出されてバッテリーセルの推進力として作動することなく、バッテリーセルの側面がバッテリーセルの上下面より広いため、広い空間に多数又は広い排出構造を形成するので、排気ガスの噴出速度を低減させる利点が存在する。
【0181】
また、本発明は、バッテリーセルの側面に形成されたガス排出構造が、下方から上方に切開されるとともに、排気ガスが噴出し、ガス排出構造の上端がバッテリーセルの側面に連結されるため、バッテリーセルから排気ガスが排出されるとき、排気ガスの排出方向を下方と側方の間に調節するので、排気ガスの排出がバッテリーセルの推進力として作用することなく、他の部品の破損を減らす方向に行われ、ガス排出構造がバッテリーセルから離脱することが防止される利点が存在する。
【0182】
前述した特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれ、1つの実施形態のみに限定されるものではない。また、他の実施形態についても各実施形態に示す特徴、構造、効果などは当業者により組み合わせ又は変更されることができる。従って、このような組み合わせ及び変更に関連する内容は、添付の請求項に開示されている発明の範囲及び精神に含まれるものと解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6
図7a
図7b
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15