(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-27
(45)【発行日】2022-07-05
(54)【発明の名称】自動運転フォークリフト用荷置き位置検出装置
(51)【国際特許分類】
B66F 9/24 20060101AFI20220628BHJP
【FI】
B66F9/24 L
(21)【出願番号】P 2019095076
(22)【出願日】2019-05-21
【審査請求日】2021-08-19
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構生物系特定産業技術研究支援センター「革新的技術開発・緊急展開事業(うち人工知能未来農業創造プロジェクト)」、産業技術力強化法第17条の適用を受けるもの
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岸田 博一
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-210586(JP,A)
【文献】特開2013-230903(JP,A)
【文献】特開2004-136418(JP,A)
【文献】特開2018-158779(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66F 9/00-11/04
G01C 3/00- 3/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷役作業における荷置き位置を検出し、この検出結果に基づいてフォークリフトを荷置き位置に向けて走行させる自動運転フォークリフトにおいて、
フォークに積載される荷の後方に配置され、フォークと共に移動するリフトブラケットに対し、その上端部より上方に突出して取り付けられ、フォークリフト前方の水平方向に広がる所定角度範囲に存在する前記荷置き位置までの距離を、前記荷置き位置に向けて照射されたレーザー光により検出する水平距離センサと、
前記リフトブラケットに対し、その側端部より外側方に突出して取り付けられ、フォークリフト前方の垂直方向に広がる所定角度範囲に存在する前記荷置き位置までの距離を、前記荷置き位置に向けて照射されたレーザー光により検出する垂直距離センサと、
前記水平距離センサ及び前記垂直距離センサの検出結果に基づいて、前記荷置き位置を検出する荷置き位置検出手段と
を備える自動運転フォークリフト用荷置き位置検出装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記水平距離センサ及び前記垂直距離センサは、前記フォークに積載される荷、若しくは前記荷置き位置にある物体と干渉しないように前記リフトブラケットより前記フォークの背後側にオフセットして支持されている
自動運転フォークリフト用荷置き位置検出装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記垂直距離センサは、前記リフトブラケットより前記フォークの背後側に設けられてフォークリフトの天井を成すヘッドガードに支持されており、しかも前記ヘッドガードの前側部位で、前記リフトブラケットの側端部より外側方に突出して取り付けられている
自動運転フォークリフト用荷置き位置検出装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかにおいて、
前記垂直距離センサの検出結果に基づいて前記荷置き位置の高さを確定する角部を特定して、前記角部までの距離及び角度に基づいて前記荷置き位置までの水平距離を検出する距離検出手段を備える
自動運転フォークリフト用荷置き位置検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動運転フォークリフトに用いられる荷置き位置検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動運転フォークリフトが開発されている。この自動運転システムでは、フォークリフトの前方の状況をカメラで撮影して、その撮影映像から荷役作業における荷置き位置を含めた自動運転に必要な情報を把握している。カメラによる撮影情報は、情報量が多く、荷置き位置を含めた情報を把握するための情報解析システムが高速処理を要求され高価になる問題がある。
【0003】
それに対し、特許文献1には、特定の場所での使用に限定して、荷置き位置を簡単なシステムで把握する発明が開示されている。この発明は、予め荷置き位置に設けたマークをカメラにより撮影して、マークを含んだ撮影画像に基づいて荷置き位置を把握し、荷置き位置に向けてフォークを自動的に操作するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の発明のシステムでは、荷置き位置にマークを設けることが可能な場合しか使用することができず、汎用性に欠ける問題がある。
【0006】
本発明の課題は、自動運転フォークリフトに用いられる荷置き位置検出装置において、荷置き位置を距離センサの検出結果に基づいて把握することにより、マークを設けることなく自動運転フォークリフトにおける荷置き位置を検出することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1発明の自動運転フォークリフト用荷置き位置検出装置は、荷役作業における荷置き位置を検出し、この検出結果に基づいてフォークリフトを荷置き位置に向けて走行させる自動運転フォークリフトにおいて、フォークに積載される荷の後方に配置され、フォークと共に移動するリフトブラケットに対し、その上端部より上方に突出して取り付けられ、フォークリフト前方の水平方向に広がる所定角度範囲に存在する前記荷置き位置までの距離を、前記荷置き位置に向けて照射されたレーザー光により検出する水平距離センサと、前記リフトブラケットに対し、その側端部より外側方に突出して取り付けられ、フォークリフト前方の垂直方向に広がる所定角度範囲に存在する前記荷置き位置までの距離を、前記荷置き位置に向けて照射されたレーザー光により検出する垂直距離センサと、前記水平距離センサ及び前記垂直距離センサの検出結果に基づいて、前記荷置き位置を検出する荷置き位置検出手段とを備える。
【0008】
第1発明によれば、水平距離センサ及び垂直距離センサの検出結果に基づいて、荷役作業における荷置き位置を検出することができる。そのため、荷置き位置に対応してマークを設けることなく、且つカメラの撮影情報に基づいて検出する場合に比べて簡単なシステムで、自動運転フォークリフトにおける荷置き位置を検出することができる。
【0009】
本発明の第2発明は、上記第1発明において、前記水平距離センサ及び前記垂直距離センサは、前記フォークに積載される荷、若しくは前記荷置き位置にある物体と干渉しないように前記リフトブラケットより前記フォークの背後側にオフセットして支持されている。
【0010】
例えば、荷置き位置に荷を降ろす際、リフトブラケットは、荷を積載したフォークと共に荷置き位置の積載スペース内に入ることになる。その際、リフトブラケットに取り付けられた水平距離センサ及び垂直距離センサは、積載スペースを仕切る壁、天井、若しくは先に積載済の荷に干渉して破損する恐れがある。第2発明によれば、水平距離センサ及び垂直距離センサは、リフトブラケットよりフォークの背後側にオフセットされているため、そのような干渉を回避することができる。
【0011】
本発明の第3発明は、上記第2発明において、前記垂直距離センサは、前記リフトブラケットより前記フォークの背後側に設けられてフォークリフトの天井を成すヘッドガードに支持されており、しかも前記ヘッドガードの前側部位で、前記リフトブラケットの側端部より外側方に突出して取り付けられている。
【0012】
第3発明によれば、垂直距離センサがリフトブラケットより後方のヘッドガードに支持されている。そのため、荷の積み降ろしの際に垂直距離センサが積載スペースを仕切る壁、天井、若しくは先に積載済の荷に干渉して破損する恐れを抑制することができる。
【0013】
本発明の第4発明は、上記第1~第3発明のいずれかにおいて、前記垂直距離センサの検出結果に基づいて前記荷置き位置の高さを確定する角部を特定して、前記角部までの距離及び角度に基づいて前記荷置き位置までの水平距離を検出する距離検出手段を備える。
【0014】
第4発明によれば、垂直距離センサにより荷置き位置の高さを確定する角部を特定して、その角部までの距離及び角度情報からフォークリフトが荷役作業のために進むべき荷置き位置までの水平距離を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1実施形態を適用した自動運転フォークリフトの側面図である。
【
図3】上記実施形態の水平距離センサ及び垂直距離センサの作用説明図である。
【
図4】上記実施形態の自動運転制御手段を示すブロック図である。
【
図5】上記実施形態の水平距離センサの作用説明図である。
【
図6】上記実施形態の垂直距離センサの作用説明図である。
【
図7】上記フォークリフトによる荷役作業の説明図である。
【
図8】
図7と同様の説明図であり、
図7より荷役作業が進展した状態を示す。
【
図9】
図7、8と同様の説明図であり、
図8より荷役作業が進展した状態を示す。
【
図10】本発明の第2実施形態を適用した自動運転フォークリフトの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1、2は、本発明の第1実施形態を適用した自動運転フォークリフト1を示す。このフォークリフト1は、電動駆動の4輪タイプであり、自動運転可能とされている。しかし、マニュアル運転も可能とされており、運転者着座用シート5を備える。但し、本発明の自動運転フォークリフト1は、この構造のものに限定されず、駆動方式、ボデー形状等、各種のものを採用することができる。
【0017】
各図中、フォークリフト1が車輪4を「下」にして路面上に走行可能に置かれた状態を基準とし、フォークリフト1の前進方向、及びフォーク2の先端が指す方向を「前」として各方向を矢印により示している。以下の説明において、方向に関する記述は、この方向を基準として行うものとする。
【0018】
図1、2のように、フォークリフト1の前側には側面視でL字形のフォーク2が左右一対設けられている。フォーク2は、上下に昇降可能で、先端を持ち上げるように角度を変更可能とされている。フォーク2の後部にはバックレスト3が設けられている。バックレスト3は、フォーク2により持ち上げられる荷(図示略)の後方に配置され、荷の後方を支持可能とするように、前面視で概ね四角形のフレーム構造とされている。
図2のように、バックレスト3は、左右の車輪4間に丁度収まる左右寸法とされている。また、バックレスト3の上下寸法は、フォーク2により持ち上げられる荷の後方を支持可能とする寸法とされている。
【0019】
図1、2のように、バックレスト3の左右両側の縦フレームの後部には、延長ブラケット30が一体に取り付けられている。延長ブラケット30は、門型に組み合わされたフレームから成り、バックレスト3の高さを補うように、バックレスト3の上方に延びて設けられている。
図1、2では、延長ブラケット30を他の部材から判別し易くするためにマスキングを施して示している。バックレスト3及び延長ブラケット30を合わせて本発明のリフトブラケットに相当する。
【0020】
延長ブラケット30の上端中央部には、水平距離センサ10が取付ブラケット11を介して上方に突出して取り付けられている。また、延長ブラケット30の右側端上部には、垂直距離センサ20が取付ブラケット21を介して側方に突出して取り付けられている。この場合、水平距離センサ10及び垂直距離センサ20は、公知の広角距離センサであるレーザーレンジファインダであり、
図3にマスキングを施した円弧で示すようにフォークリフト1前方の所定角度範囲の水平領域12及び垂直領域22に存在する物体との距離を検出可能とされている。
図3では、手前側開放のコンテナ(本発明の荷置き位置を含んでいる)Cの左右側壁C3、C4、及び対向壁C5との距離を水平距離センサ10により検出し、コンテナCの天井C1、床C2、及び対向壁C5との距離を垂直距離センサ20により検出している。なお、水平距離センサ10及び垂直距離センサ20としては、レーザーレンジファインダ以外に各種の距離センサを用いることができる。
【0021】
図1、2のように、水平距離センサ10は、クランク形状の取付ブラケット11により延長ブラケット30の上方、且つ後方にシフトして取り付けられており、延長ブラケット30の上端から後方(フォーク2の背後側)にオフセットして支持されている。また、垂直距離センサ20は、後方に直線状に延びる取付ブラケット21により延長ブラケット30の後方にシフトして取り付けられており、延長ブラケット30の右側端から後方(フォーク2の背後側)にオフセットして支持されている。
【0022】
図4は、フォークリフト1を自動運転するためのコンピュータ内蔵の制御手段を示す。ここで、自動運転制御手段40は、
図3のコンテナCの荷置き位置を検出する荷置き位置検出手段41を備える。また、荷置き位置検出手段41は、垂直距離センサ20から荷置き位置までの距離を検出する距離検出手段41a、及び荷置き位置の垂直距離センサ20からの高さを検出する高さ検出手段41bを備える。荷置き位置検出手段41は、水平距離センサ10及び垂直距離センサ20からの検出信号を受けて、
図3のようにコンテナC内の荷置き位置を検出する。距離検出手段41a及び高さ検出手段41bの詳細については後述する。
【0023】
自動運転制御手段40は、車両位置検出センサ51からの検出信号によりフォークリフト1の現在位置を把握し、フォーク位置検出センサ52からの検出信号によりフォーク2の現在の高さ、仰角を把握する。また、自動運転制御手段40は、車両作動装置53及びフォーク作動装置54に作動信号を出力している。車両作動装置53は、自動運転制御手段40からの出力信号を受けてフォークリフト1を荷置き位置に向けて走行させる。また、フォーク作動装置54は、自動運転制御手段40からの出力信号を受けてフォーク2の高さ及び仰角を制御して、荷を荷置き位置に降ろすように作動させる。
【0024】
自動運転制御手段40は、荷置き位置検出手段41により検出される荷置き位置に対して車両位置検出センサ51により検出されるフォークリフト1の現在位置が予め設定した接近位置に到達するように車両作動装置53を作動させてフォークリフト1を走行させる。また、自動運転制御手段40は、車両作動装置53によりフォークリフト1が荷を降ろすことが可能な位置に到達した状態で、フォーク作動装置54によりフォーク2の高さ、仰角を制御し、同時に車両作動装置53によりフォークリフト1を後退させて荷降ろしを行う。
【0025】
図5により、車両作動装置53によるフォークリフト1の走行制御について説明する。自動運転制御手段40は、水平距離センサ10の検出信号に基づき荷置き位置検出手段41が把握するコンテナCの荷置き位置に対して、車両作動装置53を作動させてフォークリフト1の走行を制御する。荷置き位置検出手段41によるコンテナCの水平方向における荷置き位置の把握は、水平距離センサ10が水平領域12内で、例えば1度間隔でレーザー光をコンテナCに照射してコンテナC各部からの反射光を受けるまでの時間差により距離を検出して行う。
【0026】
例えば、
図5の黒点で示すように、コンテナCの左側壁C3及び右側壁C4の内壁面上の複数点における距離が検出される。この結果、左側壁C3及び右側壁C4の形状、位置が検出される。このように左側壁C3及び右側壁C4の形状、位置が検出されると、左側壁C3及び右側壁C4の中間点C6、並びにコンテナCの左側壁C3及び右側壁C4に沿った正面方向C7が把握される。一方、自動運転制御手段40は、フォークリフト1が中間点C6に向けて正面方向C7を向くように車両作動装置53を作動させてフォークリフト1を走行させる。
【0027】
図6により、コンテナCの床C2の上端の角部C2aと垂直距離センサ20との間の垂直高さH、並びに角部C2aと垂直距離センサ20との間の水平距離Lの把握の仕方について説明する。荷置き位置検出手段41によるコンテナCの垂直方向における荷置き位置の把握は、垂直距離センサ20が垂直領域22内で、例えば1度間隔でレーザー光をコンテナCに照射してコンテナC各部からの反射光を受けるまでの時間差により距離を検出して行う。
【0028】
例えば、
図6の黒点で示すように、コンテナCの天井C1及び床C2の内壁面上の複数点における距離が検出される。この結果、天井C1及び床C2の形状、位置が検出される。垂直距離センサ20から床C2の上端の角部C2aまでの距離S、並びに垂直距離センサ20と角部C2aとを結ぶ直線が水平面に対して成す角度θが検出されると、
図6のように、角部C2aと垂直距離センサ20との間の垂直高さH、並びに角部C2aと垂直距離センサ20との間の水平距離Lが把握される。角部C2aは、コンテナCの荷置き位置の高さを確定する部位として特定されている。このようにして、
図4の距離検出手段41aは水平距離Lを検出し、高さ検出手段41bは垂直高さHを検出する。水平距離Lに基づき車両作動装置53によるフォークリフト1が前進制御され、垂直高さHに基づきフォーク作動装置54によるフォーク2の上下動が制御される。
【0029】
ここでは、垂直距離センサ20によりコンテナCの角部C2aを検出する例を説明したが、角部C2aよりも手前側にコンテナCとは別の段部がある場合、その段部が垂直距離センサ20の垂直領域22内にあれば、垂直距離センサ20によりその段部を検出することもできる。例えば、コンテナCを搭載する何等かの台があれば、垂直距離センサ20がその台の段部を検出することにより、自動運転制御手段40は、その台にフォークリフト1が衝突しないように制御することができる。
【0030】
図7~9は、フォークリフト1が、自動運転によりフォーク2上に積載した荷BをコンテナCの荷置き位置に移載する荷役作業の様子を示す。
図7の状態では、検出された垂直高さHに基づいてフォーク2の高さを制御して荷Bを持ち上げ、検出された水平距離Lに基づいてフォークリフト1をコンテナCに向けて走行させる。このとき、フォークリフト1の走行方向は、
図5に基づいて説明したように制御される。
【0031】
図8の状態では、荷BがコンテナCの内部に搬入されている。この状態でも、垂直距離センサ20による垂直高さH及び水平距離Lの検出は継続されている。また、垂直距離センサ20は、対向壁C5までの距離も検出している。それらの検出に基づき、荷BのコンテナC内への搬入が完了していないことが判定されている。
【0032】
図9の状態では、荷BのコンテナC内部への搬入が完了して、フォークリフト1の走行は停止されている。このとき、バックレスト3及び延長ブラケット30もコンテナCの内部に進入した状態となる。水平距離センサ10及び垂直距離センサ20は、延長ブラケット30よりも後方にオフセットされているため、コンテナCの左右の側壁C3、C4、天井C1、若しくは先に積載済の荷Bと干渉することは回避される。そのため、係る干渉による水平距離センサ10及び垂直距離センサ20の損傷を回避することができる。
【0033】
図10~12は、本発明の第2実施形態を適用した自動運転フォークリフト1を示す。第2実施形態が第1実施形態に対して特徴とする点は、垂直距離センサ20をフォークリフト1の天井を成すヘッドガード6に支持した点である。その他の構成は、第2実施形態においても第1実施形態と同一であり、再度の説明は省略する。
【0034】
フォークリフト1には、運転者着座用シート5の上方を覆うようにヘッドガード6が設けられている。ヘッドガード6は、運転者着座用シート5の前方から上方まで延びた左右一対のピラー61と天板62とから成り、ヘッドガード6の天板62の前側には、ロッド状のセンサ取付フレーム23が設けられている。センサ取付フレーム23は、左右方向の長さがヘッドガード6の左右幅より大きくされており、特にセンサ取付フレーム23の右側端部は、ヘッドガード6の右側端より外側に突出されている。そして、そのように突出されたセンサ取付フレーム23の右側端部に、垂直距離センサ20が更に右外側に突出して取り付けられている。その結果、垂直距離センサ20は、延長ブラケット30の右側端部より右外側に突出されている。なお、垂直距離センサ20は、センサ取付フレーム23を用いることなく取り付けても延長ブラケット30の右側端部より右外側に突出する位置に配置可能な場合は、ヘッドガード6のピラー61に直接取付けることもできる。
【0035】
第2実施形態によれば、垂直距離センサ20が第1実施形態に比べて後方に支持されている。そのため、荷の積み降ろしの際に垂直距離センサ20がコンテナCの左右の側壁C3、C4、天井C1、若しくは先に積載済の荷Bと干渉して破損する恐れをより一層抑制することができる。
【0036】
以上、特定の実施形態について説明したが、本発明は、それらの外観、構成に限定されず、種々の変更、追加、削除が可能である。例えば、上記実施形態では、水平距離センサ10及び垂直距離センサ20を、バックレスト3に対して延長ブラケット30を介して取り付けたが、バックレスト3の大きさ、形状等が延長ブラケット30を設けるまでもない場合は、水平距離センサ10及び垂直距離センサ20をバックレスト3に直接取り付けてもよい。
【0037】
上記実施形態では、荷置き位置がコンテナCにある例を説明したが、荷置き位置は、工場の棚、トラックの荷台等でもよい。
【0038】
上記実施形態では、自動運転フォークリフト用荷置き位置検出装置を、フォークリフト1のフォーク2に積載した荷を荷置き位置に降ろす際の荷置き位置の検出に使用する例について説明したが、荷置き位置にある荷をフォーク2に積載する際の荷置き位置の検出に使用することもできる。
【符号の説明】
【0039】
1 フォークリフト
2 フォーク
3 バックレスト(リフトブラケット)
4 車輪
5 運転者着座用シート
6 ヘッドガード
61 ピラー
62 天板
10 水平距離センサ
20 垂直距離センサ
11、21 取付ブラケット
12 水平領域
22 垂直領域
23 センサ取付フレーム
30 延長ブラケット(リフトブラケット)
40 自動運転制御手段
41 荷置き位置検出手段
41a 距離検出手段
41b 高さ検出手段
51 車両位置検出センサ
52 フォーク位置検出センサ
53 車両作動装置
54 フォーク作動装置
B 荷
C コンテナ(荷置き位置)
C1 天井
C2 床
C2a 角部
C3 左側壁
C4 右側壁
C5 対向壁
C6 中間点
C7 正面方向