(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-27
(45)【発行日】2022-07-05
(54)【発明の名称】充電システム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20220628BHJP
G01R 31/3828 20190101ALI20220628BHJP
G01R 31/388 20190101ALI20220628BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20220628BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20220628BHJP
B60L 53/14 20190101ALI20220628BHJP
B60L 53/68 20190101ALI20220628BHJP
【FI】
H02J7/00 Y
H02J7/00 P
G01R31/3828
G01R31/388
H01M10/44 Q
H01M10/48 P
B60L53/14
B60L53/68
(21)【出願番号】P 2019129749
(22)【出願日】2019-07-12
【審査請求日】2021-10-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】脇阪 伸也
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 大介
【審査官】宮本 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-166817(JP,A)
【文献】特開2014-115127(JP,A)
【文献】特開2015-114105(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L1/00-3/12
B60L7/00-13/00
B60L15/00-58/40
G01R31/36-31/396
H01M10/42-10/48
H02J7/00-7/12
H02J7/34-7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動車両の二次電池を充電する充電装置と、
前記二次電池の開回路電圧に基づいて前記二次電池の容量を推定する推定装置と、を有する充電システムであって、
前記電動車両の稼働開始時間と稼働終了時間とによって決まる稼働期間が予め複数設定された稼働計画を記憶するメモリを有し、
前記推定装置は、前記稼働終了時間から前記稼働開始時間までの期間中、前記二次電池の放電終了後から前記開回路電圧の変化率が予め定めた所定値以下となるまでに要する期間と、
前記二次電池の充電の終了から前記開回路電圧の変化率が、前記所定値以下となるまでに要する期間とを前記二次電池の充電の前後で確保できると判断した場合に、前記二次電池の容量を推定することを特徴とする充電システム。
【請求項2】
前記推定装置は、前記二次電池の容量が満充電となるまで充電する場合に前記二次電池の容量を推定する請求項1に記載の充電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、工場内では二次電池を搭載したフォークリフトの稼働によって、荷の運搬が行われている。フォークリフトの稼働は、稼働計画に準じて行われている。稼働計画は、例えば一週間毎に設定されており、一週間の各日について、フォークリフトが稼働する時間や、次回の稼働を可能にするために二次電池を充電するための時間等が予め設定されている。
【0003】
ところで、二次電池は使用年数の経過に伴って劣化し、容量が低下する。このため、現時点での二次電池の容量を把握し、二次電池の容量から、二次電池の劣化状態を把握する必要がある。そして、二次電池の劣化状態によっては、二次電池の交換を策定する必要がある。
【0004】
例えば特許文献1に開示の電池容量推定システムにおいては、二次電池の容量推定部は、記憶部に記憶された計測データの中から、充放電電流が一定値以上で継続する区間と、充放電電流が継続する区間の前後の安定期間を抽出する。そして、充放電の前後の安定期間の開回路電圧から充電率を取得し、充放電前後の充電率の差分と、充放電中に流れた充放電電流の積算値とから、二次電池の満充電時の容量を推定している。この方法により、二次電池の容量を適切に推定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示の電池容量推定システムの場合、二次電池の容量を推定するために長い期間が掛かってしまうため、二次電池の容量推定を開始するタイミングを考えないと、二次電池の容量推定が完了する前に二次電池を放電させるタイミングが来てしまい、適切な二次電池の容量推定ができないおそれがある。
【0007】
本発明の目的は、精度のよい二次電池の容量推定を確実に行うことができる充電システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題点を解決するための充電システムは、電動車両の二次電池を充電する充電装置と、前記二次電池の開回路電圧に基づいて前記二次電池の容量を推定する推定装置と、を有する充電システムであって、前記電動車両の稼働開始時間と稼働終了時間とによって決まる稼働期間が予め複数設定された稼働計画を記憶するメモリを有し、前記推定装置は、前記稼働終了時間から前記稼働開始時間までの期間中、前記二次電池の放電終了後から前記開回路電圧の変化率が予め定めた所定値以下となるまでに要する期間と、前記二次電池の充電の終了から前記開回路電圧の変化率が、前記所定値以下となるまでに要する期間とを前記二次電池の充電の前後で確保できると判断した場合に、前記二次電池の容量を推定することを要旨とする。
【0009】
これによれば、稼働終了時間から稼働開始時間までの期間の中に、充電及び放電の後の開回路電圧の変化率が所定値以下となるまでに要する期間を確保できる場合に、その期間の中で、推定装置は二次電池の容量の推定を行う。このため、二次電池の容量推定が完了する前に二次電池を放電させるタイミングが来ることはなく、しかも安定した開回路電圧を用いて二次電池の容量推定を行うことができ、精度の良い二次電池の容量推定を確実に行うことができる。
【0010】
また、充電システムについて、前記推定装置は、前記二次電池の容量が満充電となるまで充電する場合に前記二次電池の容量を推定してもよい。
これによれば、二次電池51の容量が満充電となるまで充電する場合に二次電池の容量を推定する場合であっても容量の推定精度を高めることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、精度のよい二次電池の容量推定を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、充電システムを具体化した一実施形態を
図1~
図2にしたがって説明する。
図1に示すように、充電システム10は、制御部27を備える複数の充電装置20と、充電制御装置30と、サーバ40と、を備える。制御部27と、充電制御装置30は、それぞれ、例えば、マイクロコンピュータを主体として構成される。制御部27及び充電制御装置30が実行する処理は、メモリに記憶された処理をCPUが実行することにより行われてもよいし、専用の電子回路によるハードウェア処理によって行われてもよい。
【0014】
充電システム10は、電力会社等の電力供給者から電力を供給される。充電システム10は、例えば、工場、公共施設、商用施設に設けられる。充電システム10は、電動車両50に搭載された二次電池51を充電するためのシステムである。
【0015】
電動車両50は、二次電池51と、電池制御部52と、通信部53と、を備える。電動車両50とは、充電可能な二次電池51を電力源として走行する車両である。電動車両50としては、電気自動車やプラグインハイブリッド自動車等の乗用車、フォークリフトなどの産業車両等どのような種類のものであってもよい。本実施形態においては、電動車両50はフォークリフトである。
【0016】
二次電池51は、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素二次電池、鉛電池等、どのような種類の二次電池を用いてもよい。
電池制御部52は、二次電池51の開回路電圧であるOCV:Open circuit voltageを測定する電圧センサと、二次電池51に流れる充放電電流を測定する電流センサとを有し、二次電池51のOCVや二次電池51に流れる充放電電流といった二次電池51の情報を取得し、二次電池51の状態の監視を行う。
【0017】
また、電池制御部52は、電動車両50に後述する充電プラグ24が接続されたことを検出するための図示しない検出部を有しており、電動車両50に充電プラグ24が接続されたことを検出すると、通信部53から充電装置20の後述する第1通信部25に充電プラグ24が電動車両50に接続されたことを示す情報や、開回路電圧、充放電電流等の二次電池51に関する情報を送信する。
【0018】
検出部としては、電動車両50に充電プラグ24が接続されたことを検出できればどのようなものでもよく、例えばセンサが挙げられる。
また、電池制御部52は、電動車両50に充電プラグ24が接続されたことを認識した後に定期的に二次電池51に関する情報を送信してもよいし、送信要求があったときに二次電池51に関する情報を送信してもよい。
【0019】
充電装置20は、電動車両50の二次電池51に系統電源11からの電力を供給する。すなわち、充電装置20は、電動車両50の二次電池51を充電する。また、充電装置20は、系統電源11から供給される交流電力を直流電力に変換する変換部23と、電動車両50に接続される充電プラグ24と、第1通信部25と、第2通信部26と、制御部27と、を備える。
【0020】
第1通信部25は、電動車両50の通信部53と情報の送受信を行うための部材である。第2通信部26は、充電制御装置30と情報の送受信を行うための部材である。
制御部27は、充電装置20の制御を行う。
【0021】
制御部27は、第1通信部25が、充電プラグ24が電動車両50に接続されたことを示す情報や二次電池51に関する情報を受信すると、第2通信部26から充電制御装置30の後述する通信部32に、充電プラグ24が電動車両50に接続されたことを示す情報や二次電池51に関する情報を送信するように第2通信部26を制御する。
【0022】
また、制御部27は、第2通信部26を通じて充電制御装置30から充電を開始するよう指示された場合、変換部23を制御し、電動車両50の二次電池51に系統電源11からの電力を供給する。
【0023】
充電制御装置30は、複数の充電装置20と通信するための通信部32を有しており、サーバ40に接続されている。
サーバ40は、メモリ41を有し、メモリ41には電動車両50の稼働計画が記憶されている。稼働計画には、電動車両50の稼働期間が予め複数設定されている。
【0024】
なお、「稼働期間」とは、途中で二次電池51を充電することなく、電動車両50を継続的または断続的に使用する期間であり、具体的には、管理者もしくは電動車両50の使用者によって予め予約された電動車両50の稼働開始時間と稼働終了時間とによって決まる期間である。
【0025】
ここで、稼働期間以外の期間を非稼働期間とする。「非稼働期間」は、具体的には、電動車両50が、イグニッションオフした状態で、充電装置20によって充電できる位置に置かれている期間である。
【0026】
図2に示すように、本実施形態では、サーバ40は、メモリ41に一週間の稼働計画を記憶している。一週間の稼働計画の中には、一週間の各日の稼働計画が含まれている。
本実施形態の稼働計画では、月曜日から金曜日までは、3回ある稼働期間の間にそれぞれ非稼働期間が存在する。土曜日の午前の稼働期間の後から月曜の0時までは非稼働期間である。したがって、月曜日から金曜日に存在する非稼働期間は、土曜日及び日曜日に存在する非稼働期間より短く、日曜日の非稼働期間は最も長い。
【0027】
複数の稼働期間は、非稼働期間中に、次回の稼働期間中、電動車両50が稼働できるだけの充電ができるようにそれぞれ間隔を空けて設定されている。
ここで、二次電池51は使用年数の経過に伴って劣化し、容量が低下する。このため、充電制御装置30は、定期的に二次電池51の容量を推定し、二次電池51の容量から二次電池51の劣化状態を把握する必要がある。そして、二次電池51の劣化状態によっては、二次電池51の交換を策定する必要がある。
【0028】
充電制御装置30が行う二次電池51の容量推定について説明する。
二次電池51の容量推定は、充電制御装置30によって行われる。つまり、充電制御装置30は推定装置にあたる。
【0029】
充電制御装置30は、開回路電圧に基づいて二次電池51の容量を推定する。
本実施形態では、開回路電圧に対応する充電率(SOC::State Of Charge)と充電中に二次電池51に流れる電流の積算値である電流積算値とから二次電池51の容量を推定する。
【0030】
さらに詳述すると、電流積算値を、稼働終了時間から二次電池51の充電を開始する時間までの期間中の二次電池51の開回路電圧に対応する充電率と、二次電池51の充電の終了時間から稼働開始時間までの期間中の二次電池51の開回路電圧に対応する充電率との差分である充電率差分値で除算することで二次電池51の容量を推定する。
【0031】
ところで、開回路電圧は、二次電池51に分極がある程度解消されるまでは値が大きく変化し、正しい開回路電圧を検出することができない。したがって、分極がある程度解消される前の開回路電圧の値に基づいて二次電池51の容量を推定することは好ましくない。
【0032】
二次電池51の充放電により生じる分極は、二次電池51を充放電することなく放置することで時間経過によって解消することから、二次電池51の容量推定を精度良く行うには、充放電前後において所定期間待つ必要がある。
【0033】
そこで、本発明では、二次電池51の放電終了後、所定期間経過することで、開回路電圧の変化率が予め定めた所定値以下となった後の開回路電圧と、二次電池51の充電の終了から所定期間経過することで、開回路電圧の変化率が予め定めた所定値以下となった後の開回路電圧に基づいて二次電池51の容量を推定している。
【0034】
なお、開回路電圧の変化率は、分極がある程度解消するために必要な期間よりも短い期間での開回路電圧の変化の比率である。
また、変化率と比較される所定値は、充電システム10や電動車両50の使用者や設計者が適宜決める値であり、使用者や設計者が電動車両50を使用する上で所望する容量推定精度に基づいて決められている。より精度の高い容量推定を求める場合は、所定値はより小さい値になる。なお、本発明の「二次電池の放電終了」とは、自然放電を含まないものとする。
【0035】
本実施形態では、電動車両50は、充電システム10を最初に使用する際に、自身の二次電池51が充放電後に開回路電圧の変化率が予め定めた所定値以下となるまでに要する期間(以降、不安定時間)を算出し、算出した不安定期間を図示しないメモリに記憶している。充電システム10の充電プラグ24が電動車両50に初めて接続されると、電動車両50は、充電装置20に不安定時間を送信し、充電装置20は、受信した不安定時間を充電制御装置30に送信する。
【0036】
本発明の充電システム10のように、分極がある程度解消された後の開回路電圧を使って二次電池51の容量を推定する場合、二次電池51の容量を推定するのに多くの時間が掛かってしまうため、いつ二次電池51の容量推定を行うのか検討する必要がある。
【0037】
そこで、本発明においては、充電制御装置30は、サーバ40のメモリ41に保存された電動車両50の稼働開始時間と稼働終了時間から、稼働終了時間から二次電池51の充電を開始する時間までの期間中、二次電池51の放電終了後から開回路電圧の変化率が、予め定めた所定値以下となるまでに要する期間と、二次電池51の充電の終了から開回路電圧の変化率が、予め定めた所定値以下となるまでに要する期間とを、二次電池51の充電の前後で確保できるか判断し、確保できると判断した場合に二次電池51の容量推定を行っている。
【0038】
本発明では、充電制御装置30は、通信部32で充電プラグ24が電動車両50に接続されたことを示す情報を受信すると、サーバ40のメモリ41に記憶された稼働計画と、充電装置20から受信した不安定時間を参照して、次回の稼働期間に、電動車両50が稼働できるだけの充電をするために必要な期間(以降、充電期間とする)と、2回の不安定期間の合計期間を算出し、算出した合計期間が、現在から次回の稼働開始時間までの期間より短いか否か判断する。なお、充電期間は、充電制御装置30が、次回の稼働期間の長さから算出する。
【0039】
充電制御装置30は、算出した合計期間が現在から次回の稼働開始時間までの期間より短いと判断した場合には、現在から不安定時間経過後に、充電装置20に対して開回路電圧の送信を要求する。要求を受けた充電装置20は、電動車両50に対し、開回路電圧の送信を要求し、受信した最新の開回路電圧(以降、充電前開回路電圧とする)を充電制御装置30に送信する。
【0040】
充電装置20から充電前開回路電圧を受信した充電制御装置30は、充電装置20に充電期間だけ充電するよう指示をする。充電装置20は、充電が終わると、充電が終わったことを充電制御装置30に伝え、充電制御装置30は、充電が終了してから不安定時間経過後に、充電装置20に対して開回路電圧と電流積算値の送信を要求する。
【0041】
要求を受けた充電装置20は、電動車両50に対し、開回路電圧と電流積算値の送信を要求し、受信した最新の開回路電圧(以降、充電後開回路電圧とする)と電流積算値を充電制御装置30に送信する。
【0042】
そして、充電制御装置30は、充電前開回路電圧、充電後開回路電圧及び電流積算値に基づいて二次電池51の容量を推定する。
充電制御装置30は、二次電池51の容量から二次電池51の劣化状態を把握するとき、上記のように推定した二次電池51の容量と、予めサーバ40に記憶されている二次電池51の容量とを比較し、二次電池51の劣化状態を診断する。
【0043】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)二次電池51の容量推定は、稼働終了時間から二次電池51の充電を開始する時間までの期間中、二次電池51の放電後と充電後の開回路電圧の変化率が所定値以下となるまでに要する期間を二次電池51の充電の前後で確保できる場合に行う。このため、二次電池51の容量推定が完了する前に二次電池51を放電させるタイミングが来ることはなく、ある程度安定した開回路電圧を用いて精度のよい二次電池の容量推定を確実に行うことができる。
【0044】
(2)二次電池51の容量が満充電となるまで充電する場合に二次電池51の容量を推定する場合であっても容量の推定精度を高めることができる。
実施形態は、以下のように変更して実施することができる。実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0045】
○ 実施形態では、電動車両50に充電プラグ24が接続されたことを電池制御部52の検出部が検出したが、充電プラグ24が接続されたことを検出する検出部を充電装置20に設け、充電装置20そのものが、電動車両50に充電プラグ24が接続されたこと検出してもよい。
【0046】
○ 充電装置20において、第1通信部25と第2通信部26を一つの通信部として構成してもよい。
○ 稼働計画は、サーバ40のメモリではなく、充電制御装置30のメモリや充電装置20のメモリに保存されていてもよい。
【0047】
○ 稼働期間に必要な充電期間は、充電制御装置30が算出するのではなく、サーバ40のメモリ41に稼働期間に合わせて記憶されていてもよい。
○ 実施形態では、電動車両50が充電システム10を最初に使用する際に不安定時間を算出し、電動車両50のメモリに記憶しておき、以降、電動車両50が充電システム10を使用し、容量推定する際に、電動車両50のメモリに記憶した不安定時間を用いたが、不安定時間は、容量推定の度に算出してもよい。
【0048】
例えば、充電制御装置30は、二次電池51の開回路電圧を充電装置20を介して定期的に受信し、今回受信した開回路電圧と、先回受信した開回路電圧との比率を変化率として算出し、算出した変化率と、予めメモリに記憶されている所定値とを比較し、算出した変化率が所定値以下となるかを繰り返し、変化率が所定値以下となるまでに要する期間を不安定時間として算出する。
【0049】
○ 実施形態では、充電制御装置30は、通信部32で充電プラグ24が電動車両50に接続されたことを示す情報を受信する度に充電時間を算出したが、これに限らない。例えば、稼働計画に設定された稼働時間毎に、必要な充電時間を算出しておき、充電制御装置30のメモリに保存しておいてもよい。
【0050】
○ 稼働計画は、一週間以外の長さで設定されてもよく、一ヶ月や、二ヶ月、三ヶ月等、適宜変更してもよい。
○ 二次電池51の満充電時の容量推定の後、二次電池51の状態診断は行わなくてもよい。又は、推定された二次電池51の容量を用いてその他の判定を行ってもよい。
【0051】
○ 充電装置20は単数であってもよいし、電動車両50も1台であってもよい。
【符号の説明】
【0052】
10…充電システム、20…充電装置、30…推定装置としての充電制御装置、41…メモリ、50…電動車両、51…二次電池。