(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-30
(45)【発行日】2022-07-08
(54)【発明の名称】ディスプレイ調光方法、装置、記憶媒体及びデバイス
(51)【国際特許分類】
G09G 3/3233 20160101AFI20220701BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20220701BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20220701BHJP
【FI】
G09G3/3233
G09G3/20 621K
G09G3/20 641A
G09G3/20 641D
G09G3/20 641P
H05B33/14 A
(21)【出願番号】P 2019540582
(86)(22)【出願日】2018-05-14
(86)【国際出願番号】 CN2018086764
(87)【国際公開番号】W WO2019001157
(87)【国際公開日】2019-01-03
【審査請求日】2019-07-26
(31)【優先権主張番号】201710524423.7
(32)【優先日】2017-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516189213
【氏名又は名称】クンシャン ゴー-ビシオノクス オプト-エレクトロニクス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Kunshan Go-Visionox Opto-Electronics Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Building 4, No. 1, Longteng Road, Development Zone, Kunshan, Jiangsu 215300, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン ユウチン
【審査官】武田 悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-107737(JP,A)
【文献】特表2008-529083(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0364076(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0097764(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 - 3/38
H01L 51/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ調光方法であって、
調整の必要があるディスプレイの輝度と対応する前記ディスプレイのパラメータ値を取得することと、
前記パラメータ値と設定された閾値とを比較して、比較結果に応じて対応する調光方法を選択し、前記調光方法を用いて前記ディスプレイに対し調光すること、を含み、
前記パラメータ値は輝度値であり、前記設定された閾値は70ニトから90ニトまでの範囲にあり、
前記ディスプレイは、薄膜トランジスタを用いて画素を駆動し、
そして、前記パラメータ値と前記
設定された閾値とを比較して、比較結果に応じて対応する調光方法を選択し前記ディスプレイに対し調光することは、さらに
前記パラメータ値が前記
設定された閾値より低いと判定した場合、調光する際に前記ディスプレイの画素駆動回路が受信したデータ信号の電圧を変更しない第1調光方法で前記ディスプレイに対し調光すること、
前記パラメータ値が前記
設定された閾値以上であると判定した場合、前記データ信号の電圧を調整することで調光する第2調光方法を利用して調光すること、を含み、
前記第2調光方法はソース調光方法を含み、
前記ソース調光方法は、前記ディスプレイの輝度をより高くするように調整する際に前記データ信号の電圧を減少させ、前記ディスプレイの輝度をより低くするように調整する際に前記データ信号の電圧を増加させ、
前記ディスプレイの画素駆動回路は、TFTトランジスタT1と、TFTトランジスタT2と、TFTトランジスタT3と、画素D1とを含み、前記TFTトランジスタT1のゲート端子及び前記TFTトランジスタT1の第1の電極が受信する信号は、それぞれ走査信号とデータ信号であり、前記TFTトランジスタT3のゲート端子及び前記TFTトランジスタT3の第1の電極が受信する信号は、それぞれPWM信号とT2の第2の電極の出力信号であり、T3の第2の電極は、前記画素D1に接続される、ディスプレイ調光方法。
【請求項2】
前記第1調光方法は、前記ディスプレイにおける各画素が1つのフレームに発光される時間を調整することにより調光する、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ディスプレイ調光装置であって、
調整の必要があるディスプレイの輝度と対応する前記ディスプレイのパラメータ値を取得するパラメータ値取得モジュールと、
前記パラメータ値と設定された閾値とを比較して、比較結果に応じて対応する調光方法を選択し前記ディスプレイに対し調光する調光選択モジュールと、を含み、
前記パラメータ値は輝度値であり、前記設定された閾値は70ニトから90ニトまでの範囲にあり、
前記調光選択モジュールは、比較結果に応じて対応する調光モードを決定するようにさらに構成され、
前記調光選択モジュールは、前記対応する調光モードを介して前記ディスプレイに対して調光を実行するようにさらに構成され、
前記ディスプレイは、薄膜トランジスタを用いて画素を駆動し、
前記調光選択モジュールは、
前記パラメータ値が前記
設定された閾値より低いと判定した場合、調光する際に前記ディスプレイの画素駆動回路が受信したデータ信号の電圧を変更しない第1調光方法で前記ディスプレイに対し調光するように構成される第1調光選択部と、
前記パラメータ値が前記
設定された閾値以上であると判定した場合、前記データ信号の電圧を調整することで調光する第2調光方法を利用して調光するように構成される第2調光選択部と、を含み、
前記第2調光方法はソース調光方法を含み、
前記ソース調光方法は、前記ディスプレイの輝度をより高くするように調整する際に前記データ信号の電圧を減少させ、前記ディスプレイの輝度をより低くするように調整する際に前記データ信号の電圧を増加させ、
前記ディスプレイの画素駆動回路は、TFTトランジスタT1と、TFTトランジスタT2と、TFTトランジスタT3と、画素D1とを含み、前記TFTトランジスタT1のゲート端子及び前記TFTトランジスタT1の第1の電極が受信する信号は、それぞれ走査信号とデータ信号であり、前記TFTトランジスタT3のゲート端子及び前記TFTトランジスタT3の第1の電極が受信する信号は、それぞれPWM信号とT2の第2の電極の出力信号であり、T3の第2の電極は、前記画素D1に接続される、ディスプレイ調光装置。
【請求項4】
前記ディスプレイを制御する駆動チップと前記ディスプレイとを含むデバイスであって、
前記駆動チップは、プログラムを格納するメモリとプロセッサとを含み、前記プログラムが前記プロセッサで実行される際に、前記プロセッサが請求項1
又は2に記載のディスプレイ調光方法を実行する、デバイス。
【請求項5】
プログラムを格納する記憶媒体であって、
当該プログラムがプロセッサで実行される際に、
調整の必要があるディスプレイの輝度と対応する前記ディスプレイのパラメータ値を取得するステップと、
前記パラメータ値と設定された閾値とを比較して、比較結果に応じて対応する調光方法を選択し、前記調光方法を用いて前記ディスプレイに対し調光するステップと、を含み、
前記パラメータ値は輝度値であり、前記設定された閾値は70ニトから90ニトまでの範囲にあり、
前記ディスプレイは、薄膜トランジスタを用いて画素を駆動し、
前記パラメータ値と前記
設定された閾値とを比較して、比較結果に応じて対応する調光方法を選択し、前記調光方法を用いて前記ディスプレイに対し調光することは、さらに
前記パラメータ値が前記
設定された閾値より低いと判定した場合、調光する際に前記ディスプレイの画素駆動回路が受信したデータ信号の電圧を変更しない第1調光方法で前記ディスプレイに対し調光すること、
前記パラメータ値が前記
設定された閾値以上であると判定した場合、前記データ信号の電圧を調整することで調光する第2調光方法を利用して調光すること、を含み、
前記第2調光方法はソース調光方法を含み、
前記ソース調光方法は、前記ディスプレイの輝度をより高くするように調整する際に前記データ信号の電圧を減少させ、前記ディスプレイの輝度をより低くするように調整する際に前記データ信号の電圧を増加させ、
前記ディスプレイの画素駆動回路は、TFTトランジスタT1と、TFTトランジスタT2と、TFTトランジスタT3と、画素D1とを含み、前記TFTトランジスタT1のゲート端子及び前記TFTトランジスタT1の第1の電極が受信する信号は、それぞれ走査信号とデータ信号であり、前記TFTトランジスタT3のゲート端子及び前記TFTトランジスタT3の第1の電極が受信する信号は、それぞれPWM信号とT2の第2の電極の出力信号であり、T3の第2の電極は、前記画素D1に接続される、記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示技術に関し、特にディスプレイ調光方法、装置、記憶媒体及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
操舵室、航空デバイス、携帯デバイスのディスプレイなどの特殊な応用分野で、昼と夜とのどちらの場合でもディスプレイを快適に見るために、ディスプレイは良好な調光特性を備える必要がある。しかし、従来の調光技術は、調光する際に表示品質が低下される場合があるため、調光する際に表示品質に対する影響を低減するのは、解決すべき課題になっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、上記問題に対し、ディスプレイ調光方法、装置、記憶媒体及びデバイスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
ディスプレイ調光方法であって、調整の必要があるディスプレイの輝度と対応する前記ディスプレイのパラメータ値を取得することと、前記パラメータ値と設定された閾値とを比較して、比較結果に応じて対応する調光方法を選択し前記ディスプレイに対し調光すること、を含むディスプレイ調光方法である。
【0005】
一実施例において、前記ディスプレイは、薄膜トランジスタを用いて画素を駆動する。そして、前記パラメータ値と設定された閾値とを比較して、比較結果に応じて対応する調光方法を選択し前記ディスプレイに対し調光することは、さらに前記パラメータ値が対応される輝度は設定された閾値より低いと判定された場合、調光する際に前記ディスプレイの画素駆動回路が受信したデータ信号の電圧を変更しない第1調光方法で前記ディスプレイに対し調光することを含む。
【0006】
一実施例において、前記パラメータ値と設定された閾値とを比較して、比較結果に応じて対応する調光方法を選択し前記ディスプレイに対し調光することは、さらに前記パラメータ値が設定された閾値以上であると判定された場合、前記データ信号の電圧を調整することで調光する第2調光方法を利用して調光することを含む。
【0007】
一実施例において、前記第2調光方法はソース調光方法である。
【0008】
一実施例において、前記第1調光方法は、ディスプレイにおける各画素が1つのフレームに発光される時間を調整することにより調光することである。
【0009】
一実施例において、前記第1調光方法はEM調光方法である。
【0010】
一実施例において、前記パラメータ値は輝度値である。
【0011】
一実施例において、前記設定された閾値は70ニトから90ニトまでの範囲にある。
【0012】
ディスプレイ調光装置であって、調整の必要がある前記ディスプレイの輝度と対応する前記ディスプレイのパラメータ値を取得するパラメータ値取得モジュールと、前記パラメータ値と設定された閾値とを比較して、比較結果に応じて対応する調光方法を選択し前記ディスプレイに対し調光する調光選択モジュールと、を含む。
【0013】
一実施例において、前記ディスプレイは、薄膜トランジスタを用いて画素を駆動する。そして、前記調光選択モジュールは、前記パラメータ値が対応される輝度は設定された閾値より低いと判定された場合、調光する際に前記ディスプレイの画素駆動回路が受信したデータ信号の電圧を変更しない第1調光方法で前記ディスプレイに対し調光するように構成される第1調光選択部、を含む。
【0014】
プログラムを格納する記憶媒体であって、当該プログラムがプロセッサで実行される際に、調整の必要があるディスプレイの輝度と対応する前記ディスプレイのパラメータ値を取得することと、前記パラメータ値と設定された閾値とを比較して、比較結果に応じて対応する調光方法を選択し前記ディスプレイに対し調光すること、を含むディスプレイ調光方法である。
【0015】
拡張駆動チップとディスプレイとを含むデバイスであって、前記拡張駆動チップは、プログラムを格納するメモリとプロセッサとを含み、前記プログラムが前記プロセッサで実行される際に、以下のように調整の必要があるディスプレイの輝度と対応する前記ディスプレイのパラメータ値を取得することと、前記パラメータ値と設定された閾値とを比較して、比較結果に応じて対応する調光方法を選択し前記ディスプレイに対し調光すること、を含むディスプレイ調光方法である。
【発明の効果】
【0016】
上記のディスプレイ調光方法、装置、記憶媒体及びデバイスにおいて、調整の必要があるディスプレイのパラメータ値を取得した後、当該パラメータ値と設定された閾値とを比較して、比較結果に応じて対応する調光方法を選択しディスプレイに対し調光する。それぞれの調光方法ごとは、異なる輝度において異なる効果を持つから、1つの調光方法を選択すると、輝度範囲は当該調光方法の効果が良くないになる場合、表示品質を低下させる可能性がある。このため、本願のディスプレイ調光方法において、比較結果に応じて対応する調光方法を選択するによれば、1つの調光方法のみを選択できる調光方法による上述欠陥を改善することができ、さらに調光する際に表示品質に対する影響を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の実施例または従来技術による技術案をより明らかに説明するために、実施例または従来技術を記述するのに必要な図面を簡単に説明する。後述する図面は本発明の実施例に過ぎず、当業者として創造的な努力を必要とせずに、これらの図面に基づいて他の実施例の図面を得られることが明らかである。
【
図1】一実施形態が提供するディスプレイ調光方法のフローチャートである。
【
図2】
図1に示される実施形態に係るディスプレイ調光方法における1つの実施例の具体的なフローチャートである。
【
図3】
図1に示される実施形態に係る画素駆動回路における1つの実施例の回路図である。
【
図4】
図1に示される実施形態に係るディスプレイ調光方法における他の実施例のフローチャートである。
【
図5】他の実施形態が提供するディスプレイ調光装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を容易に理解するために、図面を参照しながら本発明をさらに詳しく説明する。図面には、本発明の最適な実施例が示されている。しかし、本発明は様々な形で実現でき、本明細書で記述される実施例に限らない。その一方で、これらの実施例を挙げる目的は、本発明の開示をさらに徹底的かつ完全に理解することである。
【0019】
特に定義しない限り、本明細書中にて使用されるすべての技術用語および科学用語は、本考案の技術分野の当業者一般に理解されている意味とする。本明細書で使用される用語は、具体的な実施形態を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。本明細書で使用された用語「及び/又は」は、挙げられた一或いは複数の関連項目の任意な、あらゆる組み合わせを含む。
【0020】
一実施形態は、ディスプレイを制御する拡張駆動チップで実行するディスプレイ調光方法を提供する。具体的には、ディスプレイにおいて、薄膜トランジスタを用いて画素を駆動してもよい。具体的には、ディスプレイは、例えば、画素マトリクスと、行駆動回路と、列駆動回路とを含んでもよい。画素マトリクスは、複数の画素と複数の画素駆動回路とを含み、各画素ごとに一つの画素駆動回路を制御する。行駆動回路は、行(走査)アドレスバスを介して各画素駆動回路に走査信号を送信する。列駆動回路は、列(データ)アドレスバスを介して各画素駆動回路にデータ信号を送信する。拡張駆動チップは、行駆動回路及び列駆動回路にそれぞれで電気接続され、ディスプレイ全体のデータ処理と伝送、及び制御信号の送信など機能としている。拡張駆動チップは、例えば、シングルチップマイクロコンピュータ(又はFPGA)及び周辺回路で構成される。
【0021】
図1を参照すると、本実施形態によって提供されるディスプレイ調光方法は、以下の内容を含む。
【0022】
ステップS100:調整の必要があるディスプレイのパラメータ値を取得する。ここで、パラメータ値は、ディスプレイの輝度に対応する。ここで、調整の必要があるディスプレイのパラメータ値とは、ディスプレイのパラメータをこのパラメータ値までに調整してほしいとするパラメータ値である。パラメータ値はディスプレイの輝度に対応するとは、輝度が変化するにしたがって当該パラメータ値も変化することを意味する。パラメータ値は、例えば、輝度値、電圧値、電流値及び階調値であってもよい。当該パラメータ値は、ユーザが当該ディスプレイを装置したデバイスの対話型インターフェイスを介して設置されることができて、設置完了後、さらにデバイスのCPUで上記パラメータ値を上記拡張駆動チップに送信されることができる。或いは、調整の必要があるパラメータ値は、CPU又は上記拡張駆動チップで自動的に生成されてもよい(すなわち、自動調光機能が備えられることである)。例えば、パラメータ値を輝度値にすると、周辺光度を検知する光センサを設置し、CPU又は上記拡張駆動チップが、当該光センサで検出された光度に基づいて対応的に適度な輝度値を生成され、さらに当該輝度値をマラメータ値としてもよい。
【0023】
ステップS200:パラメータ値と設定された閾値とを比較し、比較結果に応じて対応する調光方法を選択しディスプレイに対し調光する。このステップにおいて、比較結果が異なる場合、異なる調光方法を選択することができる。例えば、パラメータ値が幾つの範囲にいずれかの範囲にある場合、他の範囲に対し最優な調光効果がある調光方法を選択する。例を挙げると、第1調光方法は、パラメータ値が第1の範囲にある場合に表示品質に対する影響は、パラメータ値が第2の範囲にある場合に表示品質に対する影響より低い一方、第2調光方法は、パラメータ値が上記第2の範囲にある場合に表示品質に対する影響は、パラメータ値が上記第1の範囲にある場合に表示品質に対する影響より低いにすると、パラメータ値が第1の範囲にあると判定された場合、上記第1調光方法を用いて調光し、パラメータ値が第2の範囲にあると判定された場合、上記第2調光方法を用いて調光することによって、調光する際に表示品質を向上させる。
【0024】
それぞれの調光方法ごとは、異なる輝度において異なる効果を持つから、1つの調光方法を選択すると、輝度範囲は当該調光方法の効果が良くないになる場合、表示品質を低下させる可能性がある。このため、本願のディスプレイ調光方法において、比較結果に応じて対応する調光方法を選択するによれば、1つの調光方法のみを選択できる調光方法による上述欠陥を改善することができ、さらに調光する際に表示品質に対する影響を低減することができる。
【0025】
一実施例において、上記のディスプレイは、薄膜トランジスタ(TFT、Thin Film Transistor)を用いて画素を駆動する。そして、
図2を参照すると、上記のステップS200は、以下の内容を含む。
【0026】
ステップS210:パラメータ値が対応される輝度は設定された閾値より低いと判定された場合、調光する際にディスプレイの画素駆動回路が受信したデータ信号の電圧を変更しない第1調光方法でディスプレイに対し調光する。ここで、設定された閾値は例えば70ニトから90ニトまでの範囲にいる。設定された閾値は80ニトであってもよい。画素駆動回路その一つの態様は、
図3に示されている。当該画素駆動回路にTFTトランジスタT1と、TFTトランジスタT2と、TFTトランジスタT3と、コンデンサC1と、画素D1を含む。ここで、TFTトランジスタT1のゲート端子及びドレイン端子は、それぞれに行アドレスバス及び列アドレスバスに接続されている。さらに、TFTトランジスタT1のゲート端子及びドレインそれぞれが受信する信号は、走査信号(Vscan)とデータ信号(Vdata)である。したがって、
図3に示される実施例において、第1調光方法は、調光する際にTFTトランジスタT1のドレイン端子が受信するデータ信号の電圧を変更しなく、当該画素駆動回路における他のデバイスの入力信号を変化して調光することである。
【0027】
調光する際に、データ信号の電圧を変化するより調光するという方法で、調整の必要がある輝度値が低いほどデータ信号の電圧を増加する必要があるから、TFTトランジスタの特性の偏りが増大し、ディスプレイにおいて行方向の輝度が不均一という現象の発生可能性がある。したがって、本実施例において、調整の必要があるパラメータ値が対応される輝度は設定された閾値より低い場合に、データ信号の電圧を変更する方法でなく他の方法で調光する第1調光方法を採用することにより、TFTトランジスタの特性の偏りが増大してディスプレイにおいて行方向の輝度が不均一という現象の発生を回避することができ、調光する際に表示品質に対する影響を更に低減することができる。
【0028】
一実施例において、上記のステップS200は、さらに上記パラメータ値が対応される輝度は設定された閾値以上であると判定された場合、第2調光方法を採用することを含む。この場合、
図4に示されたように、上記実施例のステップS210と組み合わせる上記ステップS200は、具体的には以下の内容を含む。
【0029】
ステップS211:パラメータ値が対応される輝度は設定された閾値より低いか否かを判断され、YESの場合ステップS212を実行し、NOの場合ステップS213を実行する。
【0030】
ステップS212:第1調光方法を採用する。
【0031】
ステップS213:第2調光方法を採用する。ここで、第2調光方法は、データ信号の電圧を調整することで調光する。
【0032】
よって、本実施例においては、高輝度と低輝度までに調整する場合に、異なる調光方法を採用することになる。すなわち、高輝度までに調整する場合に第2調光方法を採用し、低輝度までに調整する場合に第1調光方法を採用する。
【0033】
ここで、第2調光方法は、例えば、ソース調光方法である。
図3に示すように、画素D1において電流の算式は、
【数1】
である。ここで、I
oledは画素D1に流れる電流であり、kは係数である。式(1)から分かるように、電源VDD及びデータ信号(Vdata)の電圧が、画素D1に流れる電流の大小を決定的な影響があるため、電源VDDをそのままにしでデータ信号(Vdata)を調整すれば、画素D1に流れる電流を調整でき、よって輝度調整を実現できる。輝度が上昇する際に、データ信号(Vdata)の電圧を減少すればよく、輝度が降下する際に、データ信号(Vdata)の電圧を増加すればよい。
【0034】
上記によれば、第2調光方法は、高輝度までに調整する際に、データ信号(Vdata)の電圧を減少する必要があり、データ信号(Vdata)の電圧が小さい時、TFTトランジスタの特性の偏りが小さい、無視できるようになる。一方、輝度を低く調整する際に、データ信号(Vdata)の電圧を増加させる必要があり、調整される輝度値が低いほどデータ信号(Vdata)の電圧を大きくする必要がある。データ信号(Vdata)がより大きい時、TFTトランジスタの特性の偏りが大きくなるため、ディスプレイの行方向の輝度が不均一の現象や色点現象が発生する可能性がある。したがって、低輝度までに調整する必要がある場合、第2調光方法をそのまま利用すると、表示品質に影響がある。上記状況に基づいて、本実施例において、パラメータ値に対応する輝度を設定された閾値より低く調整する場合、第2調光方法が第1調光方法に切り替えられるより、ディスプレイの行方向の輝度不均一の現象の発生を回避できる。
【0035】
具体的には、第1調光方法は、各画素が1つのフレームに発光される時間を調整することにより調光する。第1調光方法はEM調光方法であってもよい。ここで、1つのフレームに発光される時間が減少するで、画素の輝度が低下できる。例えば、PWM信号を利用して画素の発光時間を制御する場合、PWM信号における有効レベル(例えばローレベルである)のデューティ比が減少するにより各画素が1つのフレームに発光される時間を減少でき、よって画素の輝度が低下できる。ここで、画素は有効レベルがなされる時のみに発光する。
【0036】
次に、
図3を例として第1調光方法の動作原理を説明する。第1調光方法を採用する場合、TFTトランジスタT3のゲート端子に印加されたVpwm信号のデューティ比のみを調整して画素D1が1つのフレームに発光される時間を変更すれば、画素D1の輝度を調整できるから、データ信号(Vdata)を変化する必要がない。
【0037】
また、第1調光方法ではPWMデューティ比を調整して調光する方法を利用すると、調光周波数が一定になっており、この場合、高輝度という条件で撮影のようにスクロール干渉という現象が発生することがある。したがって、本実施例において、調整の必要があるパラメータ値が設定された閾値より高い場合、第2調光方法を採用することにより、上述 した撮影のようにスクロール干渉という欠陥を回避でき、表示品質をさらに向上させることができる。
【0038】
なお、
図1、
図2及び
図4は、本発明の一実施例の方法のフローチャートの概略図である。当業者であれば分かるように、
図1、
図2及び
図4のフローチャートの各ステップは矢印のように順番に示されるが、必ずしも矢印のように順番に実行される必要はない。本明細書で特に説明しない限り、上記手順の実行流れが限定されなく、他の順番で実行されてもよい。さらに、
図1、
図2及び
図4のステップの少なくとも一部は、複数のサブステップ又は複数段階を含んでもよい。当該サブステップ又は段階は、必ずしも同じタイミングで実行されると限定されなく、異なるタイミングで実行されてもよい。さらに実行順番も、ある手順に限定されなく、他のステップ、他のステップにおけるサブステップ或は段階の少なくとも一部を交替で実行されてもよい。
【0039】
図4に示されたように、本願の他の実施形態がディスプレイ調光装置を提供している。具体的に、調整の必要がある前記ディスプレイの輝度と対応する前記ディスプレイのパラメータ値を取得するパラメータ値取得モジュール110と、前記パラメータ値と設定された閾値とを比較して、比較結果に応じて対応する調光方法を選択し前記ディスプレイに対し調光する調光選択モジュール120と、を含む。
【0040】
一実施例において、前記ディスプレイは、薄膜トランジスタを用いて画素を駆動する。そして、前記調光選択モジュール120は、前記パラメータ値が対応される輝度は設定された閾値より低いと判定された場合、調光する際に前記ディスプレイの画素駆動回路が受信したデータ信号の電圧を変更しない第1調光方法で前記ディスプレイに対し調光するように構成される第1調光選択部、を含む。
【0041】
一実施例において、前記調光選択モジュール120は、前記パラメータ値が設定された閾値以上であると判定された場合、前記データ信号の電圧を調整することで調光する第2調光方法を利用して調光するように構成される第2調光選択部、を含む。
【0042】
一実施例において、前記第1調光方法は、ディスプレイにおける各画素が1つのフレームに発光される時間を調整することにより調光することである。
【0043】
一実施例において、前記パラメータ値は輝度値である。
【0044】
一実施例において、前記設定された閾値は70ニトから90ニトまでの範囲にある。
【0045】
ここで説明したいのは、本実施形態によって提供したディスプレイ調光装置が、上記実施形態のディスプレイ調光方法に対応しているため、詳細な説明を省略する。
【0046】
他の実施形態において、記憶媒体を提供する。記憶媒体は、磁気ディスク、光ディスク、読出し専用メモリー(Read Only Memory、ROM)などであってもよい。記憶媒体にプログラムを格納して、当該プログラムがプロセッサで実行される際に、調整の必要があるディスプレイの輝度と対応する前記ディスプレイのパラメータ値を取得することと、前記パラメータ値と設定された閾値とを比較して、比較結果に応じて対応する調光方法を選択し前記ディスプレイに対し調光すること、を含むディスプレイ調光方法である。
【0047】
ここで説明したいのは、本実施形態においてプロセッサで実行されたステップが、上記実施形態のディスプレイ調光方法に対応しているため、詳細な説明を省略する。
【0048】
他の実施形態においてデバイスを提供する。デバイスとは、例えば携帯電話やコンピュータなどである。前記デバイスは、拡張駆動チップとディスプレイとを含み、前記拡張駆動チップは、プログラムを格納するメモリとプロセッサとを含み、前記プログラムが前記プロセッサで実行される際に、以下のように調整の必要があるディスプレイの輝度と対応する前記ディスプレイのパラメータ値を取得することと、前記パラメータ値と設定された閾値とを比較して、比較結果に応じて対応する調光方法を選択し前記ディスプレイに対し調光すること、を含むディスプレイ調光方法である。
【0049】
ここで説明したいのは、本実施形態においてプロセッサで実行されたステップが、上記実施形態のディスプレイ調光方法に対応しているため、詳細な説明を省略する。
【0050】
上述した実施例の各技術的特徴は任意に組み合わせることができる。記述の簡潔化のために、上述した実施例における各技術的特徴のあらゆる組合せについて説明していないが、これらの技術的特徴の組合せは矛盾しない限り、本明細書に記述されている範囲内であると考えられるべきである。
【0051】
上述した実施例は、本発明のいくつかの実施形態を示したものにすぎず、その記述が具体的かつ詳細であるが、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。なお、当業者にとって、本発明の趣旨から逸脱しないかぎり、若干の変形及び改良を行うことができ、これらもすべて本発明の保護範囲内にある。本発明の保護範囲は、特許請求の範囲に準ずるべきである。