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特許7099782ウォッチドッグタイマを診断するための装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-04
(45)【発行日】2022-07-12
(54)【発明の名称】ウォッチドッグタイマを診断するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/28 20060101AFI20220705BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20220705BHJP
   G01R 31/36 20200101ALI20220705BHJP
   G01R 35/00 20060101ALI20220705BHJP
【FI】
G01R31/28 H
H02J7/00 Q
G01R31/36
G01R35/00 L
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019568235
(86)(22)【出願日】2018-11-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-06
(86)【国際出願番号】 KR2018014872
(87)【国際公開番号】W WO2019117512
(87)【国際公開日】2019-06-20
【審査請求日】2019-12-11
(31)【優先権主張番号】10-2017-0173507
(32)【優先日】2017-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ユーン、イェオ-ボン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジューン-ジェ
【審査官】島田 保
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-104622(JP,A)
【文献】特開2011-127969(JP,A)
【文献】特開2002-278657(JP,A)
【文献】特開平04-268646(JP,A)
【文献】特開2013-062981(JP,A)
【文献】米国特許第04956842(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/28-31/3193
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウォッチドッグタイマを診断するための装置であって、
イネーブル端子、電源入力端子及び電源出力端子を含み、前記電源入力端子に印加される入力電圧を用いて、前記電源出力端子から前記ウォッチドッグタイマのための駆動電圧を出力するように構成された駆動電圧出力部と、
第1通信端子、前記イネーブル端子に電気的に連結されたホールド端子、トリガー端子及びリセット端子を含む制御部とを含み、
前記制御部は、
前記制御部のシャットダウンを指示する第1制御信号が前記第1通信端子に印加される場合、前記ホールド端子からホールド信号を出力し、前記トリガー端子から、前記ウォッチドッグタイマが前記リセット端子にリセット信号を出力するように誘導する信号である非有効トリガー信号を出力し、
前記駆動電圧出力部は、
前記イネーブル端子に前記ホールド信号が出力されることにより前記ウォッチドッグタイマに前記駆動電圧を出力して、前記イネーブル端子上に前記ホールド信号が出力される間に、前記電源出力端子に接続された前記ウォッチドッグタイマと前記制御部とに前記駆動電圧を出力するように構成され、
前記制御部は、
前記トリガー端子から前記非有効トリガー信号が出力された時点から予め決められた臨界時間内に前記リセット端子に前記リセット信号が印加されない場合、前記ウォッチドッグタイマが誤動作していることを示す診断データをメモリに保存するように構成され、
前記制御部は、
第2通信端子をさらに含み、
前記制御部のウェイクアップを指示する第2制御信号が前記第1通信端子に印加される場合、前記診断データに対応する診断信号を前記第2通信端子に出力するように構成され、
前記第2制御信号は、前記第1通信端子及び前記イネーブル端子に共通して印加され、
前記駆動電圧出力部は、
前記第2制御信号に応答して前記電源出力端子に駆動電圧を出力するように構成され、
前記ウォッチドッグタイマは、ウィンドウウォッチドッグタイマであり、
前記非有効トリガー信号は、隣接した第1トリガーパルス及び第2トリガーパルスを含み、
前記第1トリガーパルスと前記第2トリガーパルスとの時間間隔は、前記ウィンドウウォッチドッグタイマのために予め決められた最小時間間隔より短く、
前記ウォッチドッグタイマは、前記第1トリガーパルスと前記第2トリガーパルスとの時間間隔が前記予め決められた最小時間間隔より短いと検出すると前記リセット端子に前記リセット信号を出力する
ウォッチドッグタイマ診断装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記診断データを前記メモリに保存した後、前記第1制御信号に従ってシャットダウンモードに進入するため、前記ホールド信号の出力を中断するように構成され、
前記駆動電圧出力部は、
前記イネーブル端子への前記ホールド信号の出力が中断されたことに応じて、前記電源出力端子からの前記駆動電圧の出力を中断するように構成される、請求項1に記載のウォッチドッグタイマ診断装置。
【請求項3】
外部デバイスと前記第1通信端子との間に設けられ、前記外部デバイスからのシャットダウン命令を前記第1制御信号に変換するオプトカプラをさらに含む、請求項1または2に記載のウォッチドッグタイマ診断装置。
【請求項4】
請求項1~請求項のうちいずれか一項に記載の前記ウォッチドッグタイマ診断装置を含む、バッテリー管理システム。
【請求項5】
請求項に記載の前記バッテリー管理システムを含む、バッテリーパック。
【請求項6】
イネーブル端子、電源入力端子及び電源出力端子を含み、前記電源入力端子に印加される入力電圧を用いて、前記電源出力端子からウォッチドッグタイマのための駆動電圧を出力するように構成された駆動電圧出力部と、第1通信端子、第2通信端子、前記イネーブル端子に電気的に連結されたホールド端子、トリガー端子及びリセット端子を含む制御部とを含む診断装置を用いて前記ウォッチドッグタイマを診断するための方法であって、
前記制御部が、前記制御部のシャットダウンを指示する第1制御信号が前記第1通信端子に印加される場合、前記ホールド端子からホールド信号を出力する段階と、
前記駆動電圧出力部が、前記イネーブル端子に前記ホールド信号が出力されることにより前記ウォッチドッグタイマに前記駆動電圧を出力して、前記イネーブル端子に前記ホールド信号が印加される間に、前記電源出力端子に接続された前記ウォッチドッグタイマと前記制御部とに前記駆動電圧を出力する段階と、
前記制御部が、前記ホールド端子から前記ホールド信号が出力される間に、前記トリガー端子から、前記ウォッチドッグタイマが前記リセット端子にリセット信号を出力するように誘導する信号である非有効トリガー信号を出力する段階と、
前記制御部が、前記トリガー端子から前記非有効トリガー信号が出力された時点から予め決められた臨界時間内に前記リセット端子に前記リセット信号が印加されない場合、前記ウォッチドッグタイマが誤動作していることを示す診断データをメモリに保存する段階と
前記制御部が、前記制御部のウェイクアップを指示し且つ前記第1通信端子及び前記イネーブル端子に共通して印加される第2制御信号が前記第1通信端子に印加される場合、前記診断データに対応する診断信号を前記第2通信端子に出力する段階と、
前記駆動電圧出力部が、前記第2制御信号に応答して前記電源出力端子に駆動電圧を出力する段階とを含み、
前記ウォッチドッグタイマは、ウィンドウウォッチドッグタイマであり、
前記非有効トリガー信号は、隣接した第1トリガーパルス及び第2トリガーパルスを含み、
前記第1トリガーパルスと前記第2トリガーパルスとの時間間隔は、前記ウィンドウウォッチドッグタイマのために予め決められた最小時間間隔より短く、
前記ウォッチドッグタイマは、前記第1トリガーパルスと前記第2トリガーパルスとの時間間隔が前記予め決められた最小時間間隔より短いと検出すると前記リセット端子に前記リセット信号を出力する
ウォッチドッグタイマ診断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウォッチドッグタイマ(watchdog timer)を診断するための装置及び方法に関し、より詳しくは、バッテリー管理システムの誤動作を検出及び復旧するウォッチドッグタイマの動作状態を診断するための装置及び方法に関する。
【0002】
本出願は、2017年12月15日出願の韓国特許出願第10-2017-0173507号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
近年、ノートパソコン、ビデオカメラ、携帯電話などのような携帯用電子製品の需要が急増し、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化するにつれて、繰り返して充放電可能な高性能バッテリーに対する研究が活発に行われている。
【0004】
現在、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウムバッテリーなどのバッテリーが商用化しているが、中でもリチウムバッテリーはニッケル系列のバッテリーに比べてメモリ効果が殆ど起きず充放電が自在であり、自己放電率が非常に低くてエネルギー密度が高いという長所から脚光を浴びている。
【0005】
電気自動車などに搭載されるバッテリーパックは、一般に、少なくとも一つのバッテリーモジュールを含む。このとき、各バッテリーモジュールは、一つまたは互いに直列で接続された二つ以上のバッテリーセルを含む。
【0006】
このようなバッテリーパックに含まれた各バッテリーモジュールの状態は、バッテリー管理システム(BMS:Battery Management System)によってモニタリングされる。バッテリー管理システムは、各バッテリーモジュールからモニタリングしたパラメータ(例えば、電圧、電流、温度)に基づいて、バランシング動作、冷却動作、充電動作、放電動作などを制御するための信号を出力することができる。
【0007】
一方、バッテリー管理システムは、時々、ハードウェア的な欠陥やソフトウェアの誤謬などによって誤動作することがある。バッテリー管理システムの誤動作は安全の面で重大な問題を引き起こす恐れがあるため、バッテリー管理システムの誤動作を検出して復旧するため、ウォッチドッグタイマが用いられている。しかし、ウォッチドッグタイマが誤動作すれば、バッテリー管理システムの誤動作を検出できないか、または、バッテリー管理システムの誤動作を検出しても、ウォッチドッグタイマによる復旧が行われない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、バッテリーパックに含まれたバッテリー管理システムの誤動作を検出及び復旧するウォッチドッグタイマが誤動作しているか否かを診断するための装置及び方法を提供することを目的とする。
【0009】
本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施形態によってより明らかに分かるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するための本発明の多様な実施形態は以下のようである。
【0011】
本発明の一実施形態によるウォッチドッグタイマを診断するための装置は、イネーブル端子、電源入力端子及び電源出力端子を含み、前記電源入力端子に印加される入力電圧を用いて、前記電源出力端子から前記ウォッチドッグタイマのための駆動電圧を選択的に出力するように構成されたDC-DC電圧コンバータと、第1通信端子、前記イネーブル端子に電気的に連結されたホールド端子、トリガー端子及びリセット端子を含む制御部とを含む。前記制御部は、前記制御部のシャットダウンを指示する第1制御信号が前記第1通信端子に印加される場合、前記ホールド端子からホールド信号を出力し、前記トリガー端子から、前記ウォッチドッグタイマが前記リセット端子上にリセット信号を出力するように誘導する信号である非有効トリガー信号を出力するように構成される。前記DC-DC電圧コンバータは、前記イネーブル端子に前記ホールド信号が出力される間に、前記電源出力端子上に前記駆動電圧を出力するように構成される。前記制御部は、前記トリガー端子から前記非有効トリガー信号が出力された時点から予め決められた臨界時間内に前記リセット端子上に前記リセット信号が印加されない場合、前記ウォッチドッグタイマが誤動作していることを示す診断データをメモリに保存するように構成される。
【0012】
前記制御部は、前記診断データを前記メモリに保存した後、前記第1制御信号に従ってシャットダウンモードに進入するため、前記ホールド信号の出力を中断するように構成され得る。前記DC-DC電圧コンバータは、前記イネーブル端子に前記ホールド信号の出力が中断されたことに応じて、前記電源出力端子からの前記駆動電圧の出力を中断するように構成され得る。
【0013】
前記制御部は、第2通信端子をさらに含み得る。前記制御部のウェイクアップを指示する第2制御信号が前記第1通信端子に印加される場合、前記診断データに対応する診断信号を前記第2通信端子に出力し得る。
【0014】
前記ウォッチドッグタイマは、ウィンドウウォッチドッグタイマ(window watchdog timer)であり得る。この場合、前記非有効トリガー信号は、少なくとも第1トリガーパルス及び第2トリガーパルスを含み得る。前記第1トリガーパルスと前記第2トリガーパルスとの時間間隔は、前記ウィンドウウォッチドッグタイマのために予め決められた最小時間間隔より短い。
【0015】
前記ウォッチドッグタイマを診断するための装置は、外部デバイスと前記第1通信端子との間に設けられ、前記外部デバイスからのシャットダウン命令を前記第1制御信号に変換するオプトカプラ(optocoupler)をさらに含み得る。
【0016】
本発明の他の実施形態によるバッテリー管理システムは、前記ウォッチドッグタイマ診断装置を含む。
【0017】
本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーパックは、前記バッテリー管理システムを含む。
【0018】
本発明のさらに他の実施形態による前記ウォッチドッグタイマを診断するための方法は、イネーブル端子、電源入力端子及び電源出力端子を含み、前記電源入力端子に印加される入力電圧を用いて、前記電源出力端子からウォッチドッグタイマのための駆動電圧を出力するように構成されたDC-DC電圧コンバータと、第1通信端子、前記イネーブル端子に電気的に連結されたホールド端子、トリガー端子及びリセット端子を含む制御部とを含む診断装置を用いる。前記方法は、前記制御部が、前記制御部のシャットダウンを指示する第1制御信号が前記第1通信端子に印加される場合、前記ホールド端子からホールド信号を出力する段階と、前記DC-DC電圧コンバータが、前記イネーブル端子に前記ホールド信号が印加される間に、前記電源出力端子から前記駆動電圧を出力する段階と、前記制御部が、前記ホールド端子から前記ホールド信号が出力される間に、前記トリガー端子上に、前記ウォッチドッグタイマが前記リセット端子にリセット信号を出力するように誘導する信号である非有効トリガー信号を出力する段階と、前記制御部が、前記トリガー端子から前記非有効トリガー信号が出力された時点から予め決められた臨界時間内に前記リセット端子に前記リセット信号が印加されない場合、前記ウォッチドッグタイマが誤動作していることを示す診断データをメモリに保存する段階とを含む。
【0019】
前記ウォッチドッグタイマは、ウィンドウウォッチドッグタイマであり得る。この場合、前記非有効トリガー信号は、少なくとも第1トリガーパルス及び第2トリガーパルスを含み得る。前記第1トリガーパルスと前記第2トリガーパルスとの時間間隔は、前記ウィンドウウォッチドッグタイマのために予め決められた最小時間間隔より短い。
【発明の効果】
【0020】
本発明の実施形態のうち少なくとも一つによれば、バッテリーパックに含まれたバッテリー管理システムの誤動作を検出及び復旧するウォッチドッグタイマが誤動作しているか否かを診断することができる。
【0021】
特に、外部からのシャットダウン命令が受信された場合に限って、ウォッチドッグタイマが誤動作しているか否かを診断することで、ウォッチドッグタイマに対する診断によってバッテリーパックから負荷への電源供給が急に中断されることを防止することができる。
【0022】
外にも本発明は他の多様な効果を有し、このような本発明の他の効果は下記の説明によって理解でき、本発明の実施形態によってより明確に理解されるであろう。
【0023】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態によるバッテリーパックの機能的構成を示した図である。
【0025】
図2図1のバッテリー管理システムの機能的構成を示した図である。
【0026】
図3】本発明の他の実施形態によってウォッチドッグタイマを診断する方法を示したフロー図である。
【0027】
図4図2に示されたウォッチドッグタイマに適用可能な標準ウォッチドッグタイマ(standard watchdog timer)の動作を示したタイミング図である。
【0028】
図5図2に示されたウォッチドッグタイマに適用可能な標準ウォッチドッグタイマの動作を示したタイミング図である。
【0029】
図6図2に示されたウォッチドッグタイマに適用可能なウィンドウウォッチドッグタイマの動作を示したタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0031】
したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0032】
また、本発明の説明において、関連公知構成または機能についての具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にし得ると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0033】
第1、第2などのように序数を含む用語は、多様な構成要素のうちある一つをその他の要素と区別するために使われたものであり、これら用語によって構成要素が限定されることはない。
【0034】
明細書の全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは特に言及されない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。また、明細書に記載された「制御ユニット」のような用語は少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味し、ハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアとの組合せで具現され得る。
【0035】
さらに、明細書の全体において、ある部分が他の部分と「連結」されるとするとき、これは「直接的な連結」だけではなく、他の素子を介在した「間接的な連結」も含む。
【0036】
図1は、本発明の一実施形態によるバッテリーパック10の構成を示した図である。
【0037】
図1を参照すれば、バッテリーパック10は、バッテリーモジュール20、コンタクタ30、バッテリー管理システム100及びウォッチドッグタイマ300を含む。
【0038】
バッテリーモジュール20は、正極端子B+、負極端子B-及び少なくとも一つのバッテリーセル21を含む。バッテリーモジュール20に複数のバッテリーセル21が含まれる場合、複数のバッテリーセル21は互いに直列及び/または並列で連結され得る。バッテリーセル21としては、代表的にリチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などが挙げられる。勿論、繰り返して充放電可能なものであれば、セルの種類が上述した種類に限定されることはない。
【0039】
コンタクタ30は、バッテリーパック10の充放電電流を調節するため、バッテリーパック10の大電流経路に設けられる。バッテリーパック10の大電流経路は、バッテリーモジュール20の正極端子B+とバッテリーパック10の正極端子P+との間の経路及びバッテリーモジュール20の負極端子B-とバッテリーパック10の負極端子P-との間の経路を含み得る。図1においては、バッテリーパック10の正極端子P+とバッテリーモジュール20の正極端子B+との間にコンタクタ30が設けられているが、コンタクタ30の位置がここに限定されることはない。例えば、コンタクタ30は、バッテリーパック10の負極端子P-とバッテリーモジュール20の負極端子B-との間に設けられても良い。
【0040】
コンタクタ30は、バッテリー管理システム100からのスイッチング信号に応じてターンオン状態またはターンオフ状態に切り換えられることで、バッテリーモジュール20を通じる電流の流れを開閉することができる。
【0041】
バッテリー管理システム100は、バッテリーモジュール20及びコンタクタ30に動作可能に結合され、バッテリーモジュール20及びコンタクタ30の動作を個別的に制御することができる。バッテリー管理システム100は、バッテリーモジュール20の電圧、電流及び/または温度を個別的に測定し、測定された電圧、電流及び/または温度に基づいて予め決められた多様な機能(例えば、セルバランシング、充電、放電)のうち少なくとも一つを選択的に行うように構成される。
【0042】
ウォッチドッグタイマ300は、バッテリー管理システム100と動作可能に結合される。ウォッチドッグタイマ300は、バッテリー管理システム100から供給される駆動電源を用いて動作する。ウォッチドッグタイマ300は、動作中に、バッテリー管理システム100が誤動作しているか否かを繰り返して判断する。もし、バッテリー管理システム100が誤動作していると判断した場合、ウォッチドッグタイマ300は、バッテリー管理システム100をリセットすることで、バッテリー管理システム100の誤動作を復旧する。バッテリー管理システム100をリセットするということは、後述する制御部220をリセットすることを意味できる。
【0043】
図2は、図1のバッテリーパック10の構成をより詳しく示した図である。
【0044】
図2を参照すれば、バッテリー管理システム100は、センシング部110、通信部120及び診断装置200を含む。
【0045】
センシング部110は、バッテリーモジュール20の動作パラメータを測定するように構成される。そのため、センシング部110は、電圧センサ111、電流センサ112及び温度センサ113のうち少なくとも一つを含む。電圧センサ111は、バッテリーモジュール20の端子電圧及び/またはバッテリーモジュール20に含まれた各バッテリーセルのセル電圧を測定するように構成される。バッテリーモジュール20の端子電圧は、バッテリーモジュール20の正極端子B+と負極端子B-との電位差に対応する。電流センサ112は、コンタクタ30に電気的に直列で連結され得、バッテリーパック10の大電流経路を通じて流れる電流を測定するように構成される。温度センサ113は、バッテリーモジュール20の温度を測定するように構成される。センシング部110は、周期的に測定された端子電圧、セル電圧、電流及び/または温度を示すセンシング信号を診断装置200に伝送することができる。
【0046】
通信部120は、外部デバイス1(例えば、電気自動車のECU)とバッテリー管理システム100との間の両方向通信を支援するように構成される。通信部120は、外部デバイス1とバッテリー管理システム100との間の電気的な絶縁のために、外部デバイス1とバッテリー管理システム100との間に設けられ得る。
【0047】
通信部120は、第1フォトリレー131を含むことができる。第1フォトリレー131は、第1光源及び第1光検出器を含み、外部デバイス1からバッテリー管理システム100に伝送される命令をバッテリー管理システム100によって認識可能な形態の信号に変換する。具体的に、第1光源は、外部デバイス1から伝送される各命令をそれに対応する光信号に変換して出力する。第1光検出器は、第1光源から出力される光信号に応答して、光信号に対応する制御信号を生成する。第1光検出器によって生成された制御信号は、後述する制御部220の第1通信端子COM1上に印加される。一例として、第1フォトリレー131は、外部デバイス1からのシャットダウン命令を第1制御信号に変換し得る。他の例として、第1フォトリレー131は、外部デバイス1からのウェイクアップ命令を第2制御信号に変換し得る。シャットダウン命令は、バッテリー管理システム100をウェイクアップモードからシャットダウンモードに誘導するためのものである。ウェイクアップ命令は、バッテリー管理システム100をシャットダウンモードからウェイクアップモードに誘導するためのものである。シャットダウンモードでは、バッテリー管理システム100による電力消耗が中断される。一方、ウェイクアップモードでは、バッテリー管理システム100がバッテリーモジュール20または外部電源から供給される電力を用いて動作するようになる。
【0048】
通信部120は、第2フォトリレー132をさらに含むことができる。第2フォトリレー132は、第2光源及び第2光検出器を含み、バッテリー管理システム100から外部デバイス1に伝送されるメッセージを外部デバイス1によって認識可能な形態の信号に変換する。具体的に、第2光源は、バッテリー管理システム100から伝送される各メッセージをそれに対応する光信号に変換して出力する。第2光検出器は、第2光源から出力される光信号に応答して、光信号に対応する通知信号を生成する。
【0049】
上述した第1フォトリレー131及び第2フォトリレー132としては、例えばオプトカプラなどが用いられ得る。
【0050】
勿論、通信部120は、第1フォトリレー131及び第2フォトリレー132の代わりに、外部デバイス1との両方向通信を支援する他の形態の通信回路を含むこともできる。
【0051】
診断装置200は、バッテリーモジュール20のための診断動作及びウォッチドッグタイマ300のための診断動作を個別的に行うことができる。例えば、診断装置200は、バッテリーモジュール20の過電圧、過充電及び/または過放電如何をモニタリングする間に、ウォッチドッグタイマ300が正常に動作しているか否かを繰り返してモニタリングすることができる。
【0052】
そのため、診断装置200は、DC-DC電圧コンバータ210(駆動電圧出力部)及び制御部220を含む。制御部220は、ハードウェア的に、ASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、マイクロプロセッサ、その他の機能を実行するための電気的ユニットのうち少なくとも一つを用いて具現され得る。制御部220にはメモリが内蔵され得る。メモリは、バッテリー管理システム100の全般的な動作に求められるデータ、命令語及びソフトウェアをさらに保存し得る。メモリは、フラッシュメモリ、ハードディスク、SSD(solid state disk)、SDD(silicon disk drive)、マルチメディアマイクロカード、RAM(random access memory)、SRAM(static RAM)、ROM(read only memory)、EEPROM(electrically erasable programmable ROM)、PROM(programmable ROM)のうち少なくとも一つの形態の保存媒体を含み得る。
【0053】
DC-DC電圧コンバータ210は、イネーブル端子EN、電源入力端子IN及び電源出力端子OUTを含む。電源入力端子INは、バッテリーモジュール20または外部電源(例えば、電気自動車の補助バッテリー)からの入力電圧を受信する。すなわち、電源入力端子IN上には、バッテリーモジュール20または外部電源からの入力電圧が印加される。
【0054】
電源出力端子OUTは、入力電圧から生成された駆動電圧を出力する。すなわち、DC-DC電圧コンバータ210は、電源入力端子INに印加される入力電圧を用いて駆動電圧を生成し、生成された駆動電圧を電源出力端子OUTに出力することができる。電源出力端子OUT上に出力される駆動電圧は、ウォッチドッグタイマ300のためのものである。勿論、ウォッチドッグタイマ300だけでなく、センシング部110、通信部120及び制御部220のうち少なくとも一つは、DC-DC電圧コンバータ210からの駆動電圧を用いて動作できる。
【0055】
イネーブル端子ENは、後述する制御部220に動作可能に結合される。DC-DC電圧コンバータ210は、制御部220からイネーブル端子EN上に印加される信号に応じて、電源出力端子OUT上に駆動電圧を出力するか又は駆動電圧を出力を中断することができる。具体的に、DC-DC電圧コンバータ210は、イネーブル端子ENに印加される信号の電圧が臨界電圧(例えば、3V)以上である場合にのみ、駆動電圧を電源出力端子OUT上に出力し得る。
【0056】
制御部220は、センシング部110からのセンシング信号に基づいてバッテリーモジュール20のための診断動作を行うことができる。例えば、制御部220は、センシング部110によって測定されたセル電圧及び電流に基づいて、各バッテリーセル21の充電状態(SOC:State of Charge)を推定し得る。他の例として、制御部220は、少なくとも一つのバッテリーセル21の充電状態が予め決められた範囲から外れる場合、バッテリーモジュール20の充電または放電を遮断するためにコンタクタ30をターンオフさせ得る。
【0057】
制御部220は、ウォッチドッグタイマ300のための診断動作を行うことができる。そのため、制御部220は、電源入力端子POWER、第1通信端子COM1、ホールド端子HOLD、トリガー端子TRIG及びリセット端子RESを含み、第2通信端子COM2をさらに含むことができる。
【0058】
電源入力端子POWERは、DC-DC電圧コンバータ210の電源出力端子OUTに電気的に連結され、電源出力端子OUTから出力される駆動電圧を受信する。制御部220は、電源入力端子POWERによって受信した駆動電圧を用いて動作することができる。
【0059】
第1通信端子COM1は、通信部120からの制御信号を受信する。制御部220は、通信部120を通じて第1通信端子COM1に第1制御信号が印加された場合、ウォッチドッグタイマ300のための診断動作を行うことができる。第1制御信号は、上述したように、外部デバイス1からのシャットダウン命令に関連したものであり、制御部220にシャットダウンを指示する信号であり得る。
【0060】
ホールド端子HOLDは、イネーブル端子ENに電気的に連結され、ホールド信号を選択的に出力する。ホールド端子HOLDは、第1通信端子COM1にも共通的に電気的に連結される。制御部220は、第1制御信号に応じて、ホールド信号をホールド端子HOLDに少なくとも予め決められた基準時間の間連続的に出力した後、シャットダウンモードに進入することができる。図示されたように、ホールド端子HOLDは、DC-DC電圧コンバータ210のイネーブル端子ENに電気的に連結される。ホールド信号の電圧は臨界電圧(例えば、3V)以上であり得る。DC-DC電圧コンバータ210は、イネーブル端子ENに臨界電圧(例えば、3V)以上のホールド信号が出力される間に、入力電圧を用いて生成された駆動電圧を電源出力端子OUT上に出力し続けることができる。これによって、第1通信端子COM1に第1制御信号が最後に印加された時点から少なくとも前記基準時間の間は、ウォッチドッグタイマ300がDC-DC電圧コンバータ210からの駆動電圧を用いて動作することができる。
【0061】
トリガー端子TRIGは、有効トリガー信号または非有効トリガー信号を選択的に出力する。有効トリガー信号は、制御部220が、自分が正常動作中であることをウォッチドッグタイマ300に通知するためのものである。すなわち、ウォッチドッグタイマ300は、トリガー端子TRIGを通じて有効トリガー信号が出力される場合、制御部220が正常に動作していると処理することができる。非有効トリガー信号は、制御部220が、自分が非正常動作中であることをウォッチドッグタイマ300に通知するためのものであって、ウォッチドッグタイマ300がリセット端子RESにリセット信号(例えば、0V)を出力するように誘導する。
【0062】
制御部220は、第1通信端子COM1に第1制御信号が印加される前までは、トリガー端子TRIG上に有効トリガー信号を出力することができる。一方、制御部220は、第1通信端子COM1に第1制御信号が印加された場合、トリガー端子TRIGに非有効トリガー信号を出力することができる。正常に動作しているウォッチドッグタイマ300は、トリガー端子TRIGを通じて有効トリガー信号が出力される間はリセット信号を出力しない。一方、正常に動作しているウォッチドッグタイマ300は、トリガー端子TRIGを通じて予め決められたタイムアウト期間以上有効トリガー信号が出力されない場合、または、非有効トリガー信号が出力される場合、リセット信号を出力する。もし、ウォッチドッグタイマ300が誤動作中であれば、トリガー端子TRIGを通じて非有効トリガー信号が出力されても、ウォッチドッグタイマ300は制御部220のリセット端子RESにリセット信号を出力することができない。
【0063】
リセット端子RESは、ウォッチドッグタイマ300からのリセット信号を受信する。制御部220は、リセット端子RESを通じて受信したウォッチドッグタイマ300からのリセット信号に応じてリセットされるように構成される。
【0064】
第2通信端子COM2は、外部デバイス1へのメッセージを出力する。制御部220は、ウォッチドッグタイマ300に対した診断の結果を示すメッセージを第2通信端子COM2上に出力することができる。第2通信端子COM2を通じて出力されたメッセージは、第2フォトリレー132によって外部デバイス1が認識可能な形態の通知信号に変換される。
【0065】
制御部220は、センシング部110からのセンシング信号を受信するためのセンシング端子S1、S2、S3をさらに含むことができる。
【0066】
図3は、本発明の他の実施形態によってウォッチドッグタイマ300を診断する方法を示したフロー図である。図3による方法が開始する前に、制御部220はウェイクアップモードで正常に動作していると仮定する。
【0067】
図1図3を参照すれば、段階300において、制御部220は、制御部220のシャットダウンを指示する第1制御信号が第1通信端子COM1に印加されるか否かを判断する。段階300の結果が「はい」である場合、段階310に進む。
【0068】
段階310において、制御部220は、DC-DC電圧コンバータ210がウォッチドッグタイマ300に駆動電圧を出力するように、ホールド端子HOLDからホールド信号を出力する。ホールド信号は、DC-DC電圧コンバータ210が駆動電圧を出力するように誘導する信号であって、ホールド端子HOLDに電気的に連結されたDC-DC電圧コンバータ210のイネーブル端子ENに伝達される。これによって、DC-DC電圧コンバータ210は、イネーブル端子ENにホールド信号が印加される間に、電源出力端子OUT上に駆動電圧を出力する。段階310で出力される駆動電圧は、ウォッチドッグタイマ300の動作のために用いられる。
【0069】
段階320において、制御部220は、ホールド端子HOLDからホールド信号が出力される間(すなわち、ウォッチドッグタイマ300に駆動電圧が提供される間)、トリガー端子TRIGから非有効トリガー信号を出力する。非有効トリガー信号は、リセット端子RESにリセット信号を出力するようにウォッチドッグタイマ300を誘導する信号である。
【0070】
段階330において、制御部220は、トリガー端子TRIGから非有効トリガー信号が出力された時点から予め決められた臨界時間内にリセット端子RESにリセット信号が印加されるか否かを判断する。臨界時間は、前記基準時間と同一であるか又は短く予め決められたものであり得る。段階330の結果が「はい」である場合、段階340に進む。段階330の結果が「いいえ」である場合、段階350に進む。
【0071】
段階340において、制御部220は、ウォッチドッグタイマ300が正常動作中であることを示す第1診断データをメモリに保存する。
【0072】
段階350において、制御部220は、ウォッチドッグタイマ300が誤動作していることを示す第2診断データをメモリに保存する。
【0073】
段階360において、制御部220は、第1制御信号に従ってシャットダウンモードに進入するため、ホールド信号の出力を中断する。DC-DC電圧コンバータ210は、イネーブル端子ENへのホールド信号の出力が中断されたことに応じて、電源出力端子OUTからの駆動電圧の出力を中断する。これによって、制御部220はシャットダウンモードに進入するようになる。シャットダウンモードは、バッテリー管理システム100による電力消耗を遮断または低減するためのモードである。すなわち、シャットダウンモードでは、診断装置200はもちろん、センシング部110及び通信部120の動作が中断される。
【0074】
段階370において、制御部220は、シャットダウンモードで、制御部220のウェイクアップを指示する第2制御信号が前記第1通信端子COM1に印加されるか否かを判断する。第2制御信号は、制御部220の第1通信端子COM1及びDC-DC電圧コンバータ210のイネーブル端子ENに共通して印加される。DC-DC電圧コンバータ210は、第2制御信号に応じて電源出力端子OUTから駆動電圧を出力する。制御部220は、第2制御信号がイネーブル端子ENに印加されることによってDC-DC電圧コンバータ210から一時的に出力される駆動電圧を用いて動作することで、第2制御信号が前記第1通信端子COM1に印加されるか否かを判断することができる。段階370の結果が「はい」である場合、段階380に進む。
【0075】
段階380において、制御部220は、ウェイクアップモードに進入して、メモリに保存された前記第1診断データまたは前記第2診断データを示す診断信号を第2通信端子COM2から出力する。これによって、制御部220は、ウォッチドッグタイマ300が正常動作中であるか、それとも、誤動作しているかを外部デバイス1に通知することができる。
【0076】
図4及び図5は、図2に示されたウォッチドッグタイマ300に適用可能な標準ウォッチドッグタイマの動作を示したタイミング図である。
【0077】
標準ウォッチドッグタイマは、予め決められたタイムアウト期間(time out period)内に発生するトリガーパルスに応答してクリアされ、タイムアウト期間内にトリガーパルスが受信されなければリセット信号を出力する。
【0078】
図4を参照すれば、ウェイクアップモードで正常に動作している制御部220は、トリガー端子TRIGに有効トリガー信号400を出力することができる。有効トリガー信号400は、予め決められたハイレベルの電圧(例えば、3V)を有するトリガーパルス401、402、403を含むことができる。このとき、有効トリガー信号に含まれた、隣接した二つのトリガーパルス(例えば、402と403)間の時間間隔は、標準ウォッチドッグタイマのタイムアウト期間より短く、それによって標準ウォッチドッグタイマのタイムアウトが防止される。標準ウォッチドッグタイマは、タイムアウトが発生しない間は、予め決められたハイレベルの電圧(例えば、5V)を制御部220のリセット端子RESに出力することで、制御部220が不当にリセットされることを防止できる。
【0079】
一方、図5を参照すれば、制御部220の誤動作でよって、制御部220からのトリガーパルスがタイムアウト期間よりも長く中断される、いわゆる「遅い故障(late fault)」が発生し得る。例えば、図5のトリガーパルス503の消失(missing)などのような制御部220の遅い故障が発生した場合、標準ウォッチドッグタイマは制御部220のリセット端子RESにリセット信号(例えば、0V)を出力する。
【0080】
図6は、図2に示されたウォッチドッグタイマ300に適用可能なウィンドウウォッチドッグタイマの動作を示したタイミング図である。
【0081】
ウィンドウウォッチドッグタイマは、標準ウォッチドッグタイマのように、上述した遅い故障の発生を検出することができる。さらに、ウィンドウウォッチドッグタイマは、いわゆる「早い故障(fast fault)」も検出できるという点で、標準ウォッチドッグタイマよりも改善されたウォッチドッグタイマであると言える。
【0082】
図6を参照すれば、ウィンドウウォッチドッグタイマは、制御部220によって順次に出力されるトリガーパルス601、602、603、604、605の間の時間間隔を検出することができる。図示されたように、トリガーパルス602とトリガーパルス603との間の時間間隔(ΔT)がウィンドウウォッチドッグタイマのために予め決められた最小時間間隔(ΔTTH)より短いことは、制御部220に早い故障が発生したことを意味する。ウィンドウウォッチドッグタイマは、制御部220に早い故障が発生した場合、制御部220のリセット端子RESにリセット信号(例えば、0V)を出力する。上述した非有効トリガー信号は、トリガーパルス602及びトリガーパルス603のように、相互間の時間間隔(ΔT)が最小時間間隔(ΔTTH)より短い少なくとも二つのトリガーパルスを含む信号であり得る。
【0083】
一方、トリガーパルス605の消失などによって、上述したトリガーパルス604が終了した時点からタイムアウト期間中に如何なるトリガーパルスも発生しない制御部220の遅い故障が発生した場合、ウィンドウウォッチドッグタイマは制御部220のリセット端子RESにリセット信号(例えば、0V)を出力する。
【0084】
上述した本発明の実施形態は、装置及び方法のみによって具現されるものではなく、本発明の実施形態の構成に対応する機能を実現するプログラムまたはそのプログラムが記録された記録媒体を通じても具現され得、このような具現は上述した実施形態の記載から当業者であれば容易に具現できるであろう。
【0085】
以上のように、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【0086】
また、上述した本発明は、本発明が属する技術分野で通常の知識を持つ者により、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で様々な置換、変形及び変更が可能であって、上述した実施形態及び添付の図面によって限定されるものではなく、多様な変形のため各実施形態の全部または一部が選択的に組み合わせられて構成され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6