(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-04
(45)【発行日】2022-07-12
(54)【発明の名称】流体継手要素及び同要素を備える流体継手
(51)【国際特許分類】
F16L 37/30 20060101AFI20220705BHJP
F16J 15/18 20060101ALI20220705BHJP
F16K 15/18 20060101ALI20220705BHJP
F16L 37/24 20060101ALI20220705BHJP
【FI】
F16L37/30
F16J15/18 B
F16K15/18 D
F16L37/24
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018007861
(22)【出願日】2018-01-22
【審査請求日】2020-12-22
(32)【優先日】2017-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(32)【優先日】2017-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】591023572
【氏名又は名称】シュトイブリー・ファベルゲ
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(72)【発明者】
【氏名】アラン-クリストフ・ティベルギアン
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ・ドゥリュー
(72)【発明者】
【氏名】ロマン・マイエ
【審査官】伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第00621430(EP,A2)
【文献】特開2002-372184(JP,A)
【文献】特表2001-525526(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0033089(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第105378363(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0184242(US,A1)
【文献】特開2017-219201(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 37/30
F16J 15/18
F16K 15/18
F16L 37/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体継手(2)要素(100、200)であって、
流体流通管(104、204)の境界を定め、長手軸(X100、X200)に中心を合せられた本体(102、202)と、
封止ガスケット(114、214)を受け入れる周方向の周溝(1064、2064)を有するバルブ(106、206)であって、
前記バルブの前記
封止ガスケット(114、214)が、前記本体によって形成された対応する配置箇所(108、208)に接触する閉位置と、
前記
封止ガスケットが前記配置箇所に接触しない開位置と
の間で前記本体に対して軸方向に可動である、バルブ(106、206)と、
前記バルブをその閉位置に弾性的に返す(E1、E2)ための部材(132、232)と、
前記本体の内側に位置付けられたスカート(120、220)であって、
前記スカート(120、220)が前記
封止ガスケット(114、214)に対して軸方向に解放される第1の位置と、
前記スカート(120、220)が前記
封止ガスケット(114、214)を径方向に覆う第2の位置と
の間で前記バルブ(106、206)に対して軸方向に可動である、スカート(120、220)と、を備え、
前記継手要素は、前記スカート(120、220)に軸方向に固定された少なくとも1つの引掛け部材(130、230)であって、
前記引掛け部材(130、230)が前記スカート(120、220)及び前記本体(102、202)に軸方向に固定し、前記スカートに対する前記バルブの軸方向の相対的動きを可能にする、第1の径方向位置と、
前記引掛け部材(130、230)が前記スカート(120、220)及び前記バルブ(106、206)を軸方向に固定し、前記スカートが前記
封止ガスケット(114、214)を径方向に覆う構成において、前記本体に対する前記スカートの軸方向の相対的動きを可能にする、第2の径方向位置と
の間で前記本体(102、202)に関する前記長手軸(X100、X200)に対して径方向に可動する、引掛け部材(130、230)
を備えることを特徴とする、継手要素。
【請求項2】
前記バルブ(106、206)が、その第1の径方向位置において前記引掛け部材をブロックするための第1の表面(S1)、並びにその第2の径方向位置において前記引掛け部材の一部を受け入れる第1のハウジング(1068、2068)を備え、前記第1のハウジング(1068、2068)は、前記長手軸(X100、X200)に沿って前記第1のブロック面(S1)に隣接することと、
前記本体(102、202)が、その第2の径方向位置において前記引掛け部材をブロックするための第2の表面(S2)、並びにその第1の径方向位置において前記引掛け部材の一部を受け入れる第2のハウジング(1028、2028)を備え、前記第2の受け入れハウジング(1028、2028)は、前記長手軸(X100、X200)に沿って前記第2のブロック面(S2)に隣接することと、を特徴とする、請求項1に記載の継手要素。
【請求項3】
連結解除された構成において、前記バルブはその閉位置にあり、前記スカートはその第1の位置にあり、前記引掛け部材は前記バルブの第1のブロック面(S1)によってその第1の径方向位置に維持され、一方で、前記第1の受け入れハウジング(1068、2068)は前記第1のブロック面(S1)の前に位置付けられ、前記第2の受け入れハウジング(1028、2028)は前記第2のブロック面(S2)の前に位置付けられることを特徴とする、請求項2に記載の継手要素。
【請求項4】
前記スカート(120、220)は、前記引掛け部材(130、230)がその第1の径方向位置にある間、前記本体(102、202)に対して前方で当接するように構成されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一つに記載の継手要素。
【請求項5】
前記引掛け部材(130、230)がその第1の径方向位置にあるとき、前記スカート(120、220)と、前記配置箇所(108、208)を形成する前記本体の部分(112、202D)との間で計測された軸方向距離(L)の最大値(L
max)が、前記長手軸(X100、X200)に平行に計測された、前記
封止ガスケット(114、214)を受け入れる前記周方向の周溝(1064、2064)の幅(l1064、l2064)の半分以下、好ましくは3分の1以下であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一つに記載の継手要素。
【請求項6】
前記バルブ(106、206)の表面(1063、2063)は、前記引掛け部材(130、230)がその第2の径方向位置に入ることができる構成において、前記スカート(120、220)に対して後方に当接することができることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一つに記載の継手要素。
【請求項7】
前記スカート(120、220)に、前記
封止ガスケット(114、214)を径方向に覆う、円弧形断面を有する円筒形径方向面(S122、S222)を形成する管状部(122、222)が設けられ、前記表面の径(D122、D222
1)が、前記配置箇所(108、208)を形成する前記本体(102、202)の部分(112、202D)における表面の径(D110、D202)と等しいことを特徴とする、請求項1~6のいずれか一つに記載の継手要素。
【請求項8】
前記スカート(120、220)が径方向貫通ハウジング(128、228)を具備し、その中で前記引掛け部材(130、230)が可動であり、前記引掛け部材が、前記径方向貫通ハウジングの径方向寸法よりも大きい径方向寸法を有することを特徴とする、請求項1~7のいずれか一つに記載の継手要素。
【請求項9】
前記本体(102、202)によって形成される前記配置箇所(108、208)を構成する部分(112、202D)の表面(110、211)の軸方向長さ(L110、L211)が、一方の前記封止ガスケット(114、214)を受け入れるための前記周方向の周溝(1064、2064)の軸方向中間部(M1064、M2064)と、他方の前記バルブ(106、206)の前面(1067、2067)との間の軸方向距離(d4)の2倍以上であることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一つに記載の継手要素。
【請求項10】
前記封止ガスケット(114)が、前記バルブ(106)の前部(112)の外側周方向の周溝(1064)に収容されることと、
前記バルブが、前部(1062)の径方向厚さよりも小さい径方向厚さ(D1/2)のロッド(1066)を備えることと、
前記スカート(120)が前記バルブ(106)の周りに取り付けられることと、
前記引掛け部材(130)が、その第1の径方向位置において、前記本体の内側の環状の溝(1028)と協働することと、
前記引掛け部材(130)が、その第2の径方向位置において、前記ロッド(1066)の外側の環状の溝(1068)と協働することと、を特徴とする、請求項1~9のいずれか一つに記載の継手要素(100)。
【請求項11】
前記封止ガスケット(214)が、前記バルブ(206)の内側周方向の周溝(2064)に収容されることと、
前記本体(202)が、
前記配置箇所(208)を形成する、固定された中央プランジャ(202C)と、
第2の封止ガスケット(252)が設けられた管状要素(202B)と、
を備えることと、
前記バルブ(206)が、前記固定された中央プランジャの周り及び前記管状要素の内側に、摺動して取り付けられることと、
前記第2の
封止ガスケット(252)が、その閉位置において前記バルブ(206)と接触することと、
前記スカート(220)が、前記
固定された中央プランジャと前記バルブとの間に、前記長手軸(X200)に対して径方向に取り付けられることと、
前記引掛け部材(230)が、その第1の径方向位置において、前記
固定された中央プランジャの外側の環状の溝(2028)と協働することと、
前記引掛け部材(230)が、その第2の径方向位置において、前記バルブ(206)の内側の環状の溝(2068)と協働することと、を特徴とする、請求項1~9のいずれか一つに記載の継手要素(200)。
【請求項12】
加圧流体管を接合するための流体継手(2)であって、雄継手要素(100)及び雌継手要素(200)を備え、前記雄継手要素及び前記雌継手要素のうちの少なくとも1つ(100、200)は、請求項1~11のいずれか一つによることを特徴とする、継手。
【請求項13】
前記雄要素及び前記雌要素のうち、第1の継手要素(100、200)のみが請求項1~11のいずれか一つによるものであり、前記第1の継手要素のバルブ(106、206)が、前記雄要素及び前記雌要素のうち、前記第2の継手要素(200、100)の本体(202、102)によってその開位置に向かって動かされることが可能であり、連結された構成において、前記第1の継手要素のスカート(120、220)は、前記第1の継手要素の前記バルブ(106、206)の封止ガスケット(114、214)、並びに前記第2の継手要素(200、100)の前記本体(202、102)の周方向の周溝(202G、155)に受け入れられた封止ガスケット(254、154)を径方向に覆うことができることを特徴とする、請求項12に記載の継手。
【請求項14】
前記第1の継手要素の前記本体(102、202)によって形成される配置箇所(108、208)を作る部分(112、202D)の表面(110、211)の軸方向長さ(L100、L211)は、考えられる軸方向距離(d6)以上であり、前記継手の前記第1の要素と前記第2の要素(200、100)が連結中又は連結解除中であるときに、前記第1の継手要素の前記バルブ(106、206)の前面(1067、2067)は、一方の前記第1の継手要素の前記バルブ(106、206)の周方向の周溝(1064、2064)の軸方向中間部(M1064、M2064)と、他方の前記第2の継手要素(200、100)の前記本体(202、102)の前記周方向の周溝(202G、155)の軸方向中間(M202G、M155)との間で、前記第2の継手要素の前記本体(202、102)と接触することを特徴とする、請求項13に記載の継手。
【請求項15】
前記配置箇所(108、208)を作る前記部分(112、202D)における前記表面(110、211)の軸方向長さ(L110、L211)が、前記溝(1064、202G、2064、155)の前記軸方向中間部(M1064、M202G、M2064、M155)の間の軸方向距離(d6)よりも確実に長く、好ましくは軸方向距離(d6)の1.2倍以上であることを特徴とする、請求項14に記載の継手。
【請求項16】
前記継手(2)の前記雄要素(100)と前記雌要素(200)との連結中に、前記第2の継手要素(200、100)
の封止ガスケット(254、154)が前記第1の継手要素の前記本体(102、202)と封止接触していない限り、前記第1の継手要素(100、200)の前記封止ガスケット(114、214)は、前記配置箇所(108、208)を作る前記部分(112、202D)の前記表面(110、211)と封止接触して、加圧流体が流体流通管(104、204)と前記バルブ(106、206)の前記前面(1067、2067)との間を通過するのを防止することを特徴とする、請求項14又は15に記載の継手。
【請求項17】
前記継手(2)の前記雄要素(100)と前記雌要素(200)との連結中に、前記第2の継手要素(200、100)の前記封止ガスケット(254、154)が前記第1の継手要素の前記本体(102、202)との封止接触から離れる前に、前記第1の継手要素(100、200)の前記封止ガスケット(114、214)は、前記配置箇所(108、208)を作る前記部分(112、202D)の前記表面(110、211)と封止接触することを特徴とする、請求項14又は15に記載の継手。
【請求項18】
前記雄継手要素(100)が、請求項1~10のいずれか一つによることと、
相補的な前記雌継手要素(200)が、請求項1~9のいずれか一つ、又は請求項11によることと、
前記継手が連結された構成において、前記雄及び雌継手要素の引掛け部材(130、230)の各々がそれらの第2の径方向位置にあり、前記雄及び雌継手要素の前記バルブ(106、206)の各々がそれらの開位置にあることと、を特徴とする、請求項12に記載の継手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、継手内に流体が流れるように相補的要素に接続されることを意図された、流体継手要素に関する。
【0002】
本発明は、特に高圧流体又は高流量流体のための流体管継手の分野に該当する。
【背景技術】
【0003】
環状溝に収容されて、バルブが閉位置にあるときにバルブと継手要素の本体との間で径方向に圧縮される弾性Oリングを使用して、バルブを具備する雄又は雌の継手要素を封止することが知られている。このタイプの封止部は、継手要素を通過する流体の圧力、及び/又は流量に直接曝される場合に、封止部が溝から外れる恐れがあり、それによって、継手要素の連結解除された構成において漏出を引き起こす。
【0004】
この問題を補うために、雄継手要素内に保護スカートを使用し、雌継手要素内に別の保護スカートを使用することが、特許文献1から知られている。これらのスカートは、連結中及び連結解除中、並びに継手要素が連結された構成にあるときに、継手を越える流体と封止部との間に、径方向に挿置されるように意図される。通常これは、封止部がそのハウジングから外れるのを防止する。これらのスカートは、バネによって各継手要素の前部に向かって押圧され、それによって封止部を保護するように意図されたスカートの表面が、継手要素の前方部の延長部分内に来るようにする。しかし、高い圧力、特に200バールを超える圧力を受けた流体が継手要素に流れるとき、バネから加えられる力がスカートを所定の位置に維持するのに十分ではない恐れがあり、またスカートが流体からの圧力によって押し返されてスカートが保護すべき封止部を曝し、次に封止部が流体に曝されて、そのハウジングから放出される恐れがある。径8mmの継手の内側流路に、大流量、特に80リットル/分より多い流体が流れる場合には、同様な問題が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、新しい雄及び雌の流体継手要素を提供することによって、これらの欠点を解決することを具体的な目標としている。新しい雄及び雌の流体継手要素は、流体管を接合するために、相補的な継手要素に連結されることが意図され、継手を通過する流体が高い圧力又は大流量を有する場合を含めて、この継手要素のバルブを具備した封止ガスケットを効果的に保護することを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのために、本発明は、流体流通管の境界を定めて長手軸に中心を合せられた本体を備える流体継手要素、並びに封止ガスケットを受け入れる周方向の周溝を有するバルブに関する。このバルブは、ガスケットが、対応する本体によって形成された配置箇所と接触する閉位置と、ガスケットが配置箇所と接触しない開位置との間で、本体に対して軸方向に可動である。この継手要素は、バルブを閉位置に向かって戻すための弾性戻し部材、並びに本体の内側に位置付けられるスカートも備える。更にこのスカートは、スカートがガスケットに対して軸方向に自由にされる第1の位置と、スカートがガスケットを径方向に覆う第2の位置との間で、バルブに対して軸方向に可動である。本発明によると、継手要素は、軸方向にスカートに固定された少なくとも1つの引掛け部材を備える。スカートがガスケットを径方向に覆う構成において、引掛け部材は、引掛け部材がスカート及び本体を軸方向で固定しながら、スカートに対するバルブの軸方向の相対的な動きを可能にする第1の径方向位置と、引掛け部材がスカート及びバルブを軸方向で固定しながら、本体に対するスカートの軸方向の相対的な動きを可能にする第2の径方向位置との間で、本体の長手軸に対して径方向に可動である。
【0008】
本発明により、スカートは、バルブによって支持されたガスケットを径方向に覆い、ガスケットを主な流体流から保護する。引掛け部材は、継手要素の本体の長手軸に沿ったスカートの位置付け、特に継手要素のバルブによって支持されたガスケットに対する位置付けを確実に行うことを可能にして、タイミングを逸したスカートの動きを防止し、又は、このガスケットがスカートの流体によって加えられる力の影響に曝されるのを防ぐ。したがって、流体とバルブのガスケットとが直接接触する恐れが最小限に抑えられる。更に、引掛け部材でスカートを本体又はバルブに固定することによって、バネを使用する必要なく、このバルブを使用してスカートを動かすことが可能になる。
【0009】
本発明の有利であるが任意選択の態様によると、このような継手要素は、任意の技術的に許容される組み合わせを考慮して、下記の特徴のうちの1つ又は複数を組み入れてよい。
- バルブは、その第1の径方向位置において引掛け部材をブロックするための第1の表面、並びにその第2の径方向位置において引掛け部材の一部を受け入れるための第1のハウジングを備え、第1のハウジングは長手軸に沿って第1のブロック面に隣接する。一方で本体は、その第2の径方向位置において引掛け部材をブロックする第2の面、並びにその第1の径方向位置において引掛け部材の一部を受け入れるための第2のハウジングを備え、第2の受け入れハウジングは長手軸に沿って第2のブロック面と隣接する。
- 連結解除された構成において、バルブはその閉位置にあり、スカートはその第1の位置にあり、引掛け部材はバルブの第1のブロック面によってその第1の径方向位置に維持される。その一方で、第1の受け入れハウジングは、第1のブロック面の前に位置付けられ、第2の受け入れハウジングは、第2のブロック面の前に位置付けられる。
- スカートは、引掛け部材がその第1の径方向位置にある間、本体に対して前方で当接するように構成される。
- バルブはその閉位置において、スカートに対して前方で当接するように構成される。
- 部材がその第1の径方向位置にあるとき、スカートと、配置箇所を形成する本体の部分との間で計測される軸方向距離の最大値は、長手軸に平行に計測される、ガスケットを受け入れる周方向の周溝の幅の半分以下、好ましくは3分の1以下である。
- 引掛け部材がその第2の径方向位置に入ることができる構成において、バルブの表面は、スカートに対して後方で当接することができる。
- スカートには、ガスケットを径方向に覆う円弧形断面を有する円筒形の径方向面を形成する管状部が設けられる。この管状部の表面の径は、配置箇所を形成する本体の部分の表面の径と等しい。
- 管状部における円筒形の径方向面の軸方向長さは、バルブの前面とバルブの後方当接面との間で考慮される軸方向距離よりも確実に長い。
- スカートは径方向に貫通するハウジングを具備し、その中で引掛け部材が可動であり、引掛け部材は、径方向に貫通するハウジングの径方向寸法よりも大きい径方向寸法を有する。
- 引掛け部材は、少なくとも1つのビード、特に、長手軸に対して径方向に整合され、スカートの径方向に貫通する同じハウジング内で可動である2つのビードを備える。
- 引掛け部材は、封止ガスケットを伴う単一の部品を形成し、長手軸の径方向に弾性的に変形可能な部分によって封止ガスケットに装着される。
- 本体によって形成される配置箇所を構成する部分の表面の軸方向長さは、一方の封止ガスケットを受け入れる周方向の周溝の軸方向中間部と、他方のバルブの前面との間の軸方向距離の2倍以上である。配置箇所を形成する部分の表面距離は、バルブによって支持されるガスケットが、配置箇所を形成する面と確実に封止接触することを可能にして、連結中又は連結解除中の弾性部材の作用に対して、流体流路によってバルブを押し返す恐れがない。
- 配置箇所を作る部分の表面の軸方向長さは、溝の軸方向中間部とバルブの前面との間の軸方向距離の2倍より確実に大きく、好ましくはこの軸方向距離の2.5倍以上である。
- 封止ガスケットは、バルブ前部の外側周方向の周溝に収容される。バルブは、前方部分の径方向厚さよりも小さい径方向厚さのロッドを備え、スカートはバルブの周りに取り付けられ、対して、引掛け部材はその第1の径方向位置において本体内側の環状溝と協働し、引掛け部材はその第2の径方向位置においてロッドの外側の環状溝と協働する。
- 封止ガスケットは、バルブの内側周方向の周溝に収容される。本体は、配置箇所を形成する固定された中央プランジャと、第2の封止ガスケットが設けられた管状要素とを備える。バルブは、固定された中央プランジャ及び管状要素の内側の周りに摺動して取り付けられ、対して、第2のガスケットはその閉位置においてバルブと接触し、スカートがプランジャとバルブとの間に長手軸に対して径方向に取り付けられる。引掛け部材はその第1の径方向位置においてプランジャの外側環状溝と協働し、対して、引掛け部材はその第2の径方向位置においてバルブの内側環状溝と協働する。
- 固定された中央プランジャは、その内容積内から又はその内容積内への流体流路チャネルを具備し、対して、一方では配置箇所が、他方では第2のハウジングが、長手軸に沿って径方向流路の両側に位置付けられる。
【0010】
第2の態様によると、本発明は加圧流体管を接合するための流体継手に関し、この継手は、互いに嵌合するように設けられた雄要素及び雌要素を備え、そのうちの少なくとも1つは上述のようなものである。
【0011】
有利には、このような継手は、任意の技術的に許容される組み合わせを考慮して、下記の特徴のうちの1つ又は複数を組み入れてよい。
- 雄要素及び雌要素のうち、第1の継手要素のみが上述のようなものであり、一方で第1の継手要素のバルブは、雄要素及び雌要素のうち、第2の継手要素の本体によってその開位置に向かって動かされることが可能である。対して、連結された構成において、第1の継手要素のスカートは、第1の継手要素のバルブの封止ガスケット、並びに第2の継手要素の本体の周方向の周溝に受け入れられた封止ガスケットを、径方向に覆うことができる。
- 第1の継手要素の本体は、スカートが第1の継手要素の本体に対して後に向かう動きを制限する止め具を備える。この止め具は、連結中に引掛け部材がその第2の径方向位置にあるときに、スカートが第2の継手要素の封止ガスケットを径方向に覆わない軸方向位置に向かってスカートを動かすことができないように、位置付けられる。
- スカートは、段差がついた径方向面を有する管状部を有し、引掛け部材がその第2の径方向位置にあるときに、前部及び後部が、それぞれ第2の継手要素のガスケット及び第1の継手のガスケットを径方向に覆う。ガスケットを覆うこの構成において、後部と第1の継手要素のバルブとの間の径方向厚さは、前部と第2の継手要素の本体との間の径方向厚さよりも大きい。
- 第1の継手要素の本体によって形成される配置箇所を作る部分の表面の軸方向長さは、考えられる軸方向距離以上であり、継手の第1の要素と第2の要素とが連結中又は連結解除中であるときに、第1の継手要素のバルブの前面は、一方のバルブの周方向の周溝の軸方向中間部と、他方の第2の継手要素の本体の周方向の周溝の軸方向中間部との間で、第2の継手要素の本体と接触する。
- 配置箇所を作る部分の表面の軸方向長さは、溝の軸方向中間部間の軸方向距離より確実に大きく、好ましくはこの軸方向距離の1.2倍以上である。
- 継手の雄要素と雌要素との連結中に、第2の継手要素の第2の封止ガスケットが第1の継手要素の本体と封止接触していない限り、第1の継手要素の封止ガスケットは配置箇所を作る部分の表面と封止接触して、加圧流体が流体流通管とバルブの前面との間を通過するのを防止する。
- 継手の雄要素と雌要素の連結解除中に、第2の継手要素の封止ガスケットが第1の継手要素の本体と封止接触するのをやめる前に、本発明による第1の継手要素の封止ガスケットは、配置箇所を作る部分の表面と封止接触する。
- 雄継手要素及び相補的な雌継手要素は、上記の説明のようなものであるが、継手の連結された構成において、雄及び雌継手要素の引掛け部材は各々の第2の径方向位置にあり、雄及び雌継手要素のバルブ各々は開位置にある。
- 雄継手要素と雌継手要素との連結中に、雄及び雌要素のうち、第1の継手要素の引掛け部材がその第1の径方向位置からその第2の径方向位置に可動であるとき、これらの雄及び雌要素のうち第2の継手要素の引掛け部材は、第2の継手要素のバルブによってその第1の径方向位置に維持される。
- 継手の連結された構成において、雌要素のバルブの封止ガスケット及び雄継手要素の本体の部分が、雌継手要素のスカートを径方向に囲む。
【0012】
本発明は、添付の図を参照して単なる例として提供される、継手要素のいくつかの実施形態、及び原理による継手の以下の説明に照らして、よりよく理解され、かつ他の利点がより明白となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1の実施形態による継手の軸方向断面図であって、その雄及び雌要素は連結解除され、更に雄継手要素は本発明による。
【
図3】雄及び雌継手要素が第1の構成にあって連結中である、
図1と同様であるがより小さい縮尺の断面図である。
【
図5】
図1~
図4の継手に属するバルブ及びスカートを備える装置の部品の、
図2よりも大きい縮尺の斜視図である。
【
図6】雄及び雌継手要素が第2の構成にあって連結中である、
図1及び
図3と同様の断面図である。
【
図7】雄及び雌継手要素が第3の構成にあって連結中である、
図1、
図3、及び
図6と同様の断面図である。
【
図9】本発明の第2の実施形態による継手の
図1と同様の断面図であり、この雄要素もまた本発明による。
【
図10】第2の実施形態の継手が連結された構成である、
図9と同様の断面図である。
【
図12】本発明の第3の実施形態による継手の
図1と同様の断面図であり、この雌要素もまた本発明による。
【
図13】
図12のXIII-XIII線に沿った断面図である。
【
図14】雄及び雌継手要素が連結されている、
図12と同様の断面図である。
【
図16】継手が連結された構成である、
図14と同様の断面図である。
【
図17】本発明の第4の実施形態による継手の
図1と同様の断面図であり、この雄及び雌要素の各々もまた本発明による。
【
図18】
図16のXVIII-XVIII線に沿った小さい縮尺の断面図である。
【
図19】
図16のXIX-XIX線に沿った小さい縮尺の断面図である。
【
図21】雄及び雌継手要素が第1の構成にあって連結中である、
図17と同様の断面図である。
【
図22】雄及び雌継手要素が第2の構成にあって連結中である、
図21と同様の断面図である。
【
図23】雄及び雌継手要素が連結されて第3の構成にある、
図21及び
図22と同様の断面図である。
【
図25】本発明の第5の実施形態による継手の、
図1と同様の断面図であり、この雄要素もまた本発明による。
【
図26】第5の実施形態の継手の継手要素が連結中である、
図25と同様の断面図である。
【
図28】第5の実施形態の継手が連結された構成である、
図25と同様の断面図である。
【
図29】本発明の第6の実施形態による継手の
図1と同様の断面図であり、この雌要素もまた本発明による。
【
図30】第6の実施形態の継手が連結された構成である、
図29と同様の断面図である。
【
図31】第6の実施形態の継手の継手要素が連結解除中である、
図29と同様の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1~
図8に示された継手2は、加圧流体管を取り外し可能に接合するために継手2の中心軸X2に沿って互いに嵌合するように意図された、雄継手要素100及び雌継手要素200を備える。
【0015】
使用中の構成において、要素100及び要素200は、それぞれ管C1及び管C2に接続され、その中を、例えば200バールを超える、例えば300バールの圧力を受けた気体である加圧流体が流れる。図を明瞭にするために、管C1及び管C2は、
図1にのみ軸線が示される。同じタイプの管が他の実施形態の継手の雄及び雌要素と共に使用されるが、図示されない。継手2が連結された構成において、流体は、例えば継手内側における流体の流路の径が約8mmであるとき、毎分80リットルより多い高流量で流れることができる。
【0016】
雄継手要素100は長手軸X100に中央を合せられる。長手軸X100は、継手2が連結中/連結解除中及び連結された構成において、軸X2と一体化されるように意図され、それによって雄継手要素100の前後方向を画定する。連結の開始時に、この要素100の後部は管C1に向けられ、一方でこの要素の前部は雌要素200に向けられる。
【0017】
雌継手要素200もまた、長手軸X200に中央を合せられる。長手軸X200は、継手が連結中/連結解除中及び連結された構成において、軸X100及び軸X2と一体化されるように意図される。この軸X200はまた、要素200の前後方向を画定し、連結の開始時に、この要素200の後部は管C2に向けられ、この要素200の前部は雄要素100に向けられる。
【0018】
これ以降、形容詞「軸方向の」及び「径方向の」は、雄継手要素100に関しては軸X100に対して適用し、雌継手要素200に関しては軸X200に対して適用する。したがって、例えば長さ又は距離は、検討対象の軸に平行であるときは「軸方向の」と呼び、一方で表面がこの軸に垂直であるときは、この表面を「軸方向の」と呼び、この軸を通過する光線に垂直であるときは「径方向の」と呼ぶ。この軸に対してそれぞれ、径方向かつ集束方向、径方向かつ拡散方向であるとき、それぞれ外部から中心方向、中心から外部方向という。これは、他の実施形態でも有効である。雄継手要素100は、図では1つの部品で示される本体102を備えるが、互いに組み合せられたいくつかの部分で作られ得る。この本体102は、軸X100に中央を合せられ、雄継手要素100の内側における流体流通管を画定する中央内腔104によって貫通され、この管は、継手2が連結解除された構成において、配置箇所108に対して封止接触する封止ガスケットを具備するバルブ106によって締め切られる。この配置箇所108は、本体102の内側径方向面110に配置され、更に雄継手要素100の前端部112に位置付けられる。参照符号D110は、円形の表面110の径を示す。バルブ106は、外径D6を有する前方部分1062を含む。
【0019】
部分1062は外側の周溝1064を具備し、その中に弾性Oリングのガスケット114が受け入れられ、配置箇所108とバルブ106との間で径方向に圧縮されながら、雄継手要素100が閉じられた構成において、配置箇所108に対して封止接触する。参照符号l1064は、溝1064の幅すなわちこの溝の軸方向寸法を示す。
【0020】
バルブ106はロッド1066も備える。ロッド1066は、部分1062と一体であり、部分1062の後部方向、すなわち雄継手要素100の前面117から離れる方向に延びる。後部ストップ面1063は、部分1062の後部を画定する。
【0021】
参照符号1067はバルブ106の前面を示し、これは軸X100に中央が合せられた円盤形状である。参照符号1127は端部112の前面を示し、これは軸X100に中央が合せられた環状である。前面1067及び1127は、共に前面117を構成する。継手が連結解除された構成において、軸X100に対して垂直である前面1067及び1127は、平坦で互いに均一面であり、したがって前面117は平坦である。
【0022】
参照符号L1062は、部分1062の軸方向長さを示す。長さL1062は、後部ストップ面1063と前面1067との間で長手軸X100に沿って測定される。
【0023】
部分1062の反対側で、ロッド1066にネジ山1066aが設けられる。ネジ山1066aの上には、ナット1065がネジ締めされ、ナット1065は、ネジ立てが付いた円形部1065aと、ネジ立てが付いた部分1065aに対して2つの反対側の径方向に延びて、部分1065aを伴う単一の部品であるパッド1065bとを備える。ナット1065の外形は、
図1及び
図5の比較から明らかになる。
【0024】
ロッド1066は、その外側径方向面に対して軸X100に径方向に向かう窪んだハウジングを構成する、外側の周溝1068を具備する。参照符号D1は、溝1068の外側におけるロッド1066の径を示し、この径は径D6よりも確実に小さい。換言すると、前部分は、軸X100に対してロッド1066よりも大きい径方向の厚さを有し、例において、これらの径方向厚さはこれらの部分の径、すなわち、それぞれ径D6の半分、及び径D1の半分に対応する。
【0025】
ガスケット114は、溝1064がより良く見えるように、
図5には示されない。
【0026】
参照符号S1は、ロッド1066のネジ山1066aと環状の溝1068との間における、外側径方向面の部分を示す。この表面S1は、円弧形断面及び径D1を有する円筒形である。
【0027】
リング形状に作られたスカート120が、バルブ106の周りに取り付けられ、円弧形断面を伴う内径がD122で示される管状部122を備え、その内径D122は径D110と等しく、S122は内部の径方向面を示し、それは円弧形断面を伴う円筒形である。スカート120は、管状部122をスカート120の後部タブ126に接続する接続部124も含む。接続部124及び後部タブは、ロッド1066の流路として、軸方向中央穴によって穴が開けられている。後部タブ126内に、同じ軸Y128に沿って延びる2つのハウジング128が画定され、それらは軸X100に対して径方向であり、貫通ハウジングである。すなわち、それらは各々軸Y128に平行で径方向に、中心長手軸X100に向かうスカート100の内側と、スカート100の外側との両方に現われる。
【0028】
参照符号L122は、表面S122の軸方向長さを示す。軸方向長さL122は、スカート120の前縁部120aと、部分122及び124の交点に配置されるスカートの内側肩部123との間に画定される。この長さL122は、長さL1062よりも確実に大きく、好ましくは長さL1062の2倍以上である。
【0029】
スカート120にはまた、雄継手要素100が取り付けられた構成における軸X100の両側で、部分122と124との交点に延びる、2つの切り抜き部129が設けられる。それによって、スカート120とバルブ106との間に、部分124及び1062が互いに近づく方向への相対的な動きがある場合に、管状部122の内容積内に存在する流体を排出することが可能になる。
【0030】
バルブ106及びスカート120は共に、雄継手要素100の内側の装置Eの部品を構成し、それは
図5の斜視図に示される。
【0031】
軸X100に対して径方向に整合された、ビード130a及びビード130bの対130は、各ハウジング128に位置付けられる。各ビードの対130において、参照符号130aはロッド1066に最も近いビードを示し、130bは最も遠いビードを示す。実際に、各径方向のハウジング128は、フランジ・リング126内に配置された円弧形断面をもつ穴であり、受け入れるビード130a、130bの径よりも僅かに直径が大きい。したがって各ビード130a、130bは、スカート120に軸方向に固定される。
【0032】
各ビードの対130の径方向寸法は、各ハウジング128の径方向高さ、すなわち軸X100に対して径方向に計測された、このハウジングの寸法よりも大きい。実際に、ビード130a及び130bが図の例のように同じ径であるとき、ビード130a及び130bの径は、各ハウジング128の径方向高さの半分よりも確実に大きく選択される。したがって、ハウジング128に位置付けられた各ビードの対130は、後部タブ126に対して径方向外側か、又は軸X100に向かう径方向内側かいずれかで、このハウジングから常に突出している。各ビードの対130は、以下の説明によって示されるように、スカート220を本体102又はバルブ106に引掛けるための部材を構成する。
【0033】
バネ132は、前部でパッド1065bに、並びに後部で、止め輪136によって本体102の後方向でブロックされたリング134に突き当たる。このバネ132は、パッド1065bしたがってバルブ106に、前方に向けた軸方向の力E1を加える。力E1は前端部112において、バルブ106を、管104を閉じる位置に向けて戻すように働く。
【0034】
本体102には、ビード130bの各々の一部を受け入れるように意図された、内側周方向の周溝1028が設けられる。参照符号S2は、本体2の内側径方向面を示し、この面は、溝1028の後部に内腔104を画定する。参照符号D2は、この表面S2の径を示し、これは円弧形断面を伴う円筒形である。この径D2は、溝1028の溝底部の径よりも小さい。したがって溝1028は、表面S2に対して軸X100の径方向反対側に窪み状に延びる。表面S2は溝1028とリング134との間で軸X100に沿って位置付けられ、一方で止め輪136に突き当たる。
【0035】
本体102は、本体102の残りに対して径方向に突出して延びる3つの突起物138を具備し、図ではそのうちの1つしか見えないが、これら3つの突起物138が軸X100の周りに規則正しく配分されることを指定している。
【0036】
雌要素200は、軸X200に中央を合せられた本体202を備え、本体202には、加圧流体流路管を形成する中央内腔204が設けられる。本体202は複数のパーツを有し、2つの管状要素202A及び202B、並びに固定された中央プランジャ202Cを備える。固定された中央プランジャ202Cは、前端部すなわちヘッド202D、軸X200に沿って延びる中央ロッド202H、及び後部フランジ202Jを備え、流体のための流路202Kとして穴が開けられ、管状要素202Aと202Bとの間で軸方向に把持することによって、軸方向に不動にされる。参照符号2027は、プランジャ202Cの前面を示す。
【0037】
雌継手要素200は、固定された中央プランジャ202Cの周りを軸方向で可動に取り付けられる、管状要素202Bの径方向内側のバルブ206も備える。バルブ206は、バルブ206と本体202との間に挿入されたバネ232によって、閉位置に向けて弾性的に装填され、軸方向の力E2を加える。
【0038】
参照符号2067は、バルブ206の前部環状面を示す。継手が連結解除された構成において、軸X200に対して垂直である前面2027及び2067は、互いに同一面であり、それによって、前面2067及び2027で構成される雌継手要素200の前面217は平坦となり、管状要素202Bの径方向内側にある。
【0039】
本体202は、管状要素202Bの内側周辺面210における内側の周溝、及び固定された中央プランジャ202Cの前端部すなわちヘッド202Dの外側径方向周辺面211に設置された外側の周溝202Gに、それぞれ設置された2つの弾性Oリング252及び254を具備する。
【0040】
バルブ206の閉位置において、Oリング252及び254は、本体202とバルブ206との間で径方向に圧縮される。
【0041】
参照符号L202Dは、前面2027と溝202Gの後縁部202Fとの間で計測された、ヘッド202Dの軸方向長さを示す。
【0042】
長さL122は、長さL1062及びL202Dの合計以上である。これによって、スカート120が、管状部122の内容積内に前部1062及びヘッド202を収納することが可能になる。
【0043】
雌継手要素200はまた、本体202の周りを軸X200に対して回転して取り付けられるリング240を備える。リング240は、各々がラグ138を受け入れるように意図された3つのスロット242を具備する。ラグ138は、雄継手要素100及び雌継手要素200の連結中に、各スロットの底部に設けられた配置箇所244に達するまで、スロットの内側に動く。リング240は、管状要素202Aと202Bとの間で、本体202に対して軸方向に維持される。
【0044】
継手2は以下のように働く。
【0045】
図1に示される連結解除された構成において、スカート120は、後部タブ126に接触する弾性力E1を受けるパッド1065aによって、タブ126が本体102の内側肩部1022に対して前方に当接する地点まで前方向へ押し返される。肩部1022は、環状の溝1028の境界を前方向に定める。この構成において、スカート120の前縁部120aすなわち接続部124の反対側の管状部122の縁部は、本体102の前端部112と接触しない。換言すると、連結解除された構成において、縁部120aと本体102の内側肩部1024との間で軸方向に計測され、端部112の境界を後方向で定め、径D110よりも大きい内径を有する管104の部分の境界を前方向に定める距離Lは、ゼロではなく、機械削りしろ及び摩擦の観点から僅かに変化し得る。
【0046】
この構成において、バルブ106は雄要素100の閉位置にある。特に、ガスケット114は配置箇所108で表面110と封止可能に協働する。
【0047】
この連結解除された構成において、ビード130aは表面S1に力をかけ、それによって、各ビード130bの外側部分の受け入れハウジングを形成する溝1028内で、ビード130aはビード130bを径方向外側に向けて押す。したがってスカート120は、ビードの対130の両方によって本体102との軸X100に沿った平行移動が固定され、スカート120はガスケット114に対して軸方向に自由である。
【0048】
雄要素100と雌要素200の連結を始める際に、これらの継手要素は軸X2に整合され、次に
図3の矢印A1の方向に互いへと近付けられる。これによって、固定された中央プランジャ202Cの前面2027をバルブ106の前面1067に接触させ、一方で雄本体の前面1127をバルブ206の前面2067と接触させる。
【0049】
連結の動きを続けながら、同時に固定された中央プランジャ202Cを本体102の前端部112に貫入させると、ガスケット252及び254のそれぞれは、この端部112の外側及び内側径方向面に突き当たる。詳細には、ガスケット252によって、封止部が本体202と本体102との間で係合される。
【0050】
雄要素100と雌要素200との連結中、固定されたプランジャ202Cはバルブ106と接触し、バルブ106は、固定されたプランジャ202Cによって、前部1062Cがスカート120の管状部122と係合する地点まで、力E1に抗って雄継手要素100の後部へ、その開位置に向かって押し返される。スカート120は、ビード130bによって本体102に軸方向に固定されているので、本体102に対して後退できない。これは特に、径D110及び径D122が同じであることから可能になる。バルブ106が雄継手要素100の後部に向かって進む際に、ガスケット114は、雄要素100に含まれ得る任意の流体の圧力から、及び、雄要素100及び雌要素200が実際に連結されたときに継手2内に流れようとする流体の流れから保護される地点まで、スカート120の内側に貫入される。
【0051】
バルブ106が、本体102の後部に向かって摺動して動く間、溝1028で係合されたビードの対130によって要素120及び102が軸方向に相対的に不動となるため、距離Lは常に幅l1064の半分以下、好ましくは幅l1064の3分の1以下である。したがって、距離Lの最大値Lmaxは、ビードの対130がその第1の径方向位置にあるときに、l1064/2以下、好ましくはl1064/3以下である。これは、本体102及びバルブ106の軸方向寸法に対する、スカート120の軸方向寸法の適切な選択によって実現され得る。
【0052】
Lmax値が幅l1064の半分以下、好ましくは幅l1064の3分の1以下であることから、ガスケット114は、端部112の内側からスカート120の内側まで進むとき、流体からの圧力によって溝1064から外れる恐れがない。バルブ106の、本体102の後部に向かう第1の移動段階中に、スカート120は、軸X100に沿って本体102に対して固定されたままである。なぜなら、外側のビード130bがビード130aと、ビード130a、130bに対して軸方向に動く表面S1とによって溝1028内でブロックされるため、スカート120は、2対のビード130を介してこの本体102に引掛けられているからである。
【0053】
連続した嵌合の動きはガスケット254を部分112から離し、一方でバルブ206は、本体202内に押し返され、継手2の2つの要素100及び200の間の流体連通を開き、固定された中央プランジャ202Cのヘッド202Dをスカート120の内側に完全に貫入させ、ガスケット114及び254がスカート120によって外側から径方向に覆われる地点まで、バルブ106に突き当たる。これは、特に上記で述べた、L122≧L1062+L202Dの関係によって可能である。
【0054】
距離Lの最大値Lmaxは、溝202Gの幅l202Gの半分以下、好ましくは幅l202Gの3分の1以下である。これは、ガスケット254が流体からの圧力から保護され続け、流体の作用を受けて溝202Gから外されないことも保証する。
【0055】
次に、
図3及び
図4の構成に達すると、ここでは
図1の構成と比較して、内側ビード130aは表面S1に沿って摺動又は回転しており、一方で外側ビード130bは溝1028に係合したままである。
【0056】
動きの途中で、
図1の構成から
図3及び
図4の構成に移ることが可能であり、ラグ138は、差込みピンの動作を伴い、本体202の周りをリング240が回転可能であることによって、より容易にスロット242内に進む。
【0057】
連結動作を更に続けることによって、次に
図6の構成に達し、ここでは、バルブ106の前部1062の後部ストップ面1063は、内側肩部123に対して当接する。換言すると、バルブ106は、スカート120に対して後方で軸方向に当接する。
【0058】
図6に示されるこの構成において、本体102内のバルブ106の動きは、溝1068をビードの対130の真向かいに導き、それによって、それまで表面S1によってこれらのビードに加えられていた中心から外に向かう力が除かれる。
【0059】
連続した嵌合の動きによって、ビード130a及び130bは、そのハウジング128内で、及び本体102に対して、
図6の矢印A2によって表される中央に向かう動きを有することができ、それによってビード130aを溝1068に係合させる。
【0060】
要素100及び200の連結動作は、次にスロット242内のラグ138の進行によって行われ、それによってバルブ106を雄継手要素100の後部に向かって更に押し返す。バルブ106の、この追加の後退の動きは、外側ビード130bが溝1028を離れることができ、ビード130aが溝1068に納まることができ、かつ外側ビード130bが表面S2に沿って摺動又は回転できることから、可能となる。この表面S2は、上記で述べた矢印A2方向に、ビードの対130に中央に向かう力を加え、それによって溝1068内のビードの対130をブロックする。溝1068と係合するビード130aの内側径方向部は、要素106及び120を軸方向に固定する。したがってこの構成において、ビードの対130は、スカート120及びバルブ106を軸方向に固定する。
【0061】
ラグ138がスロット242の底部に達したとき、バルブ106及びスカート120は、本体102内でそれらの最も後部の位置に達し、その一方でバルブ206は本体202内でその最も後部位置に達する。これが
図7に示される構成である。
【0062】
本体202の周りにおけるリング240の回転によって、並びにバネ132及び232からの力による反発効果によって、ラグ138が配置箇所244に向かって誘導される。それによって反対方向に短いずれが生じ、
図8の構成に達することが可能になる。ここでは、雄継手要素100及び雌継手要素200は連結され、一方で差込みピン機構138/242によって共に係止され、その結果継手要素100及び200は互いに分離できなくなる。バルブ106はその開位置にあり、流体が2つの継手要素の間を流れることができる。このスカートがガスケット114及び254を圧力及び
図8の矢印Fで示される主流体流の流れから効果的に保護する構成で、ビードの対130は、スカート120及びバルブ106を軸方向に固定する。スカート120は、これらのガスケットとこの流体流との間に径方向で挿入され、溝1064及び202G、したがってガスケット114及び254を外側から径方向に完全に覆い、それによって、ガスケット114及び254は、バルブ206、プランジャ202C、及びスカート120それぞれの間で径方向に圧縮される。スカート120は、本体102の前端部112に対して後部に向かって軸方向に後退し、そのため、スカート120の周りで発生する矢印Fで示される流体流の流れを妨げない。
【0063】
連結解除は、上述に対して逆の操作によって行われる。この連係解除は、矢印A1の方向のオーバー・トラベルによって開始し、ラグ138を配置箇所244から解放して、スロット242内のこれらのラグをそれぞれの口に向かって係合する。次に、雄継手要素100が雌継手要素200から取り外される。力E1及びE2は、バルブ106及び206をそれぞれの閉位置に向かって押し返すことによって、継手要素100及び200を互いから分離するのに寄与する。この取り外しの動きの始めに、引掛けビード130aの作用によってバルブ106に固定されたスカート120は、固定された中央ピストン202Cに力をかけることによって、このバルブの動きに続き、バルブは、バルブ106及びスカート120に作用するバネ132の弾性力E1によって押し返され、一方でバルブ206はバネ232の弾性力E2によって押し返される。この動きによって、スカート120は雄継手要素100の前部に向かって移動し、ビード130bは溝1028の真向かいに達し、一方でスカート120は、前部が再び肩部1022に対して当接する。バルブ106をバネ132によって押し返して、雄継手要素100を雌継手要素200から続けて取り外すことによって、ロッド1066の表面S1をビード130aの真向かいに導く。それによって、矢印A2で示される動きと反対の、外に向かう動きに続いて、ビード130bを再び溝1028に係合させる。これは結果的に、スカート120及び本体102を軸方向に固定することになる。ほぼ
図3の構成に対応するこの構成において、ガスケット114及び254はまだスカート120に覆われている。したがって、それらは、管104及び204に存在する流体の作用に対して保護される。
【0064】
継続する連結解除する動きが、力E1の作用を受けてバルブ106が固定された中央プランジャ202Cに力をかける動き、及び力E2の作用を受けてバルブ206が端部112に突き当たる動きによって行われ、一方でスカート120は肩部1022に対して当接し続ける。これは、そのとき要素106及び120はもはや軸方向に固定されていないために可能となる。
【0065】
固定された中央プランジャ202Cのヘッド202Dは、最後にスカート120を離れて端部112に達し、継手2内の流体の流れを遮断する。バルブ106の前部1062は、次にスカート120から離れ、端部112に至り、この地点でガスケット114が配置箇所108に達し、そのことにより確実に雄継手要素100の閉鎖部を封止する。この継手要素100の閉鎖の動きは、L≦l1064/2又はL≦l1064/3の関係によって、ガスケット114が溝1064から外れる恐れなく行われる。バルブ206は、固定された中央プランジャ202Cのヘッド202Dの、ガスケット254がバルブ206と封止接触する地点、及びガスケット252が要素202Bに対して封止接触する地点に到達し、それによって確実に雌継手要素200の閉鎖部を封止する。
【0066】
図9以降の実施形態において、第1の実施形態の要素と同様の要素には同じ参照符号を付す。
【0067】
図9~
図11に示される第2の実施形態に関して、主に、前の実施形態との違いを説明する。
【0068】
本実施形態において、スカート120は、スカートの後部タブ126において、径方向の貫通ハウジング128の内側に位置付けられるハンマー形状の2つの引掛け部材130を伴う、1つの部品である。ハンマー130は、径方向に弾性的に変形可能な小さい舌部131によって、各々スカート120の管状部122に接続される。
【0069】
ハンマー130の径方向寸法は、ハウジング128の径方向高さよりも大きく、それによって、これらのハンマーは、雄継手要素100の本体102に配置される溝1028、又はこの雄継手要素100のバルブ106におけるロッド1066の周囲に配置される溝1068に、選択的に係合する。
【0070】
その他の部分に関して、第1のブロック面S1は、ロッド1066の周囲に、溝1068の背後に画定され、一方で第2のブロック面S2は、本体102によって溝1028の背後に画定される。この第2のブロック面S2は、
図10に示される継手の連結構成において、流体流通管を形成する本体102の内腔104の境界を定める。
図10の矢印Fは流体流を表わす。連結中において、ハンマー130は、バルブ106のブロック面S1によって溝1028と係合され続け、一方でバルブ106は、雌要素200のプランジャ202Cによって雄要素100の後部に向かって押し返される。溝1068はハンマー130の真向かいに達し、一方でガスケット114及び254は、スカート120によって径方向に覆われる。ハンマー130を軸X100に向かって戻すように働く、各小さい舌部131の弾性に関連付けられる連続した嵌合の動きA1は、小さい舌部131を径方向に変形させ、かつハンマー130を溝1068に係合させる。次にスカート120及びバルブ106は、本体のブロック面S2によってハンマー130を溝1068に維持したまま、バルブ106の開位置に向かって共に軸方向に動かされる。連結中及びこの連結された構成において、それぞれ雄継手要素100及び雌継手要素200に属するガスケット114及び254は、スカート120によって流体流から保護され、その管状部122は、これらのガスケットとこの流体流との間に径方向で挿入される。
【0071】
本実施形態において、本体102及び202は、各々プレート102E、202Eにそれぞれ取り付けられる。第1の実施形態の差込みピン・デバイスのような、継手に設けられる係止デバイスなしで、これらのプレートは近付けられて、
図9の矢印A1の方向に雄及び雌継手要素100に嵌合力を加え、互いに連結された構成が維持される。特に、このアプローチ・モードは、オーバー・トラベルなしで行われる。
【0072】
以下で述べる実施形態と置換可能な本発明の有利な一態様によると、バルブ106が後方に後退する動きを制限する止め具150が、バルブ106の背後に設けられる。この止め具150は、本体102の内側周辺スロット1025と係合された止め輪から作られる。このスロット1025は、内腔104にある。この止め具150は、軸X100に沿って、継手が連結された構成において、ナット1065のパッド1065bを支えることによって受けるように、位置付けられる。したがって、一旦スカート120がバルブ106に引掛けられると、すなわち一旦スカート120がガスケット114及び254を保護すると、継手2の内側の圧力が、スカート120及びバルブ106によって形成される装置を、雄継手要素100の後部に向かってガスケット254を曝す地点まで動かす恐れはない。したがって、スカート120は、ガスケット254を覆わない軸方向位置に向かって動かされない。実際に、止め具150は軸X100に沿って位置付けられ、それによって、バルブ106に引掛けられたスカート120は、ガスケット254を覆わない位置に向かって動かされない。
【0073】
より具体的には、スカート120及びバルブ106によって形成される装置に関して、一旦これらの要素が引掛けられたときの軸方向の最大後退距離を画定することが可能である。この軸方向の最大距離は、スカート120及びバルブ106が引掛けられたときにスカート120により第2のガスケット254を「曝す」長さ以下でなければならない。第2のガスケットを「曝す」長さは、スカート120の前縁部120aと、ヘッド202Dを囲み、ガスケット254が受け入れられる溝202Gの後縁部202Fとの間の、軸方向に画定される。
【0074】
図12~
図16に示された第3の実施形態の継手2は、継手2の中心軸X2に沿って互いに嵌合するように意図された、雄継手要素100及び雌継手要素200を備える。
【0075】
雄継手要素100は長手軸X100に中央を合せられる。長手軸X100は、継手2が連結中/連結解除中及び連結された構成において、軸X2と一体化されるように意図され、雄継手要素の前/後方向を画定する。連結の開始時に、この要素100の後部は、この要素100に接続された図示していない管に向けられ、一方でこの要素の前部は雌要素200に向けられる。
【0076】
雌継手要素200もまた、長手軸X200に中央を合せられる。長手軸X200は、継手が連結中/連結解除中及び連結された構成において、軸X100及び軸X2と一体化されるように意図される。この軸X200はまた、要素200の前後方向を画定し、連結の開始時に、この要素200の後部は、この要素に接続された管に向けられ、この要素200の前部は雄要素100に向けられる。
【0077】
雄継手要素100は、2つの管状要素102A及び102B、並びに内側スリーブ102Cによって形成される本体102を備える。要素102Aには、外側ネジ山138が設けられる。この本体102は、軸X100に中央を合せられ、雄継手要素100の内側における流体流通管を画定する中央内腔104によって貫通され、この管は、継手2が連結解除された構成において、中央内腔104の閉位置のバルブ106によって締め切られる。そのため、雄継手要素100の前端部112には、内側径方向の溝155が設けられ、その中に弾性Oリング154が収容される。雄継手要素100の閉じられた構成において、ガスケット154は、本体102の内側径方向面110と封止接触し、一方でバルブ106と本体102の前端部112との間で径方向に圧縮される。参照符号l155は、溝155の軸方向幅を示す。参照符号D110は、溝155が配置される部分の表面110の径を示す。参照符号D6はバルブ106の外面の径であり、バルブ106の外面とガスケット154がバルブ106の閉位置で協働する。
【0078】
雄継手要素100の閉じた構成において、ガスケット154はバルブ106に突き当たる。
【0079】
参照符号1067はバルブ106の前面を示し、これは軸X100に中央が合せられた円盤形状である。参照符号1127は端部112の前面を示し、これは軸X100に中央が合せられた環状である。前面1067及び1127は、共に雄継手要素100の前面117を構成する。継手が連結解除された構成において、軸X100に対して垂直である前面1067及び1127は、平坦で互いに均一面であり、したがって前面117は平坦である。
【0080】
バネ132は、前部でバルブ106の後部に突き当たり、後部でスリーブ102Cの周囲フランジに突き当たる。このバネ132は、バルブ106に、前方に向けた弾性力E1を加える。力E1は前端部112において、管104を閉じる位置に向けてバルブ106を戻すように働く。
【0081】
雌要素200は、軸X100に中央を合せられた本体202を備え、本体202には、加圧流体流路管を形成する中央内腔204が設けられる。本体202は複数の部分を有し、2つの管状要素202A及び202B、並びに、更に管状要素202Aと202Bとの間で軸方向に把持された、本体202の一部でもあるスリーブ202Hに、ネジ締めすることによって不動になる固定された中央プランジャ202Cを備える。固定された中央プランジャ202Cは、前部すなわち堅固なヘッド202Dを備える。ヘッド202Dの背後にはいくつかの径方向流路202Iが配置され、それによって、径方向流路202Iの背後で中空であって管204の一部を形成するために軸X200周りに延びる固定された中央プランジャ202Cの内容積内から、又は内容積内へ流体が流れるのを可能にする。参照符号2027は、プランジャ202Cの前面を示す。参照符号D202は、固定された中央プランジャ202Cのヘッド202Dの径を示す。本体202に軸方向に固定されたリング240は、この本体の周りを自由に回転するように取り付けられる。
【0082】
雌継手要素200はバルブ206も備え、バルブ206は、固定された中央プランジャ202Cの周りを軸方向に可動に、管状要素202Bの径方向内側に取り付けられ、軸方向の力E2を加えるバネ232によって閉位置に向かって弾性的に装填される。封止ガスケットを具備したバルブ206はその閉位置において、ヘッド202Dの外側径方向周辺面211で、本体202によって形成される配置箇所208に対して封止接触する。
【0083】
参照符号2067は、バルブ206の前部環状面を示す。継手が連結解除された構成において、軸X200に対して垂直である前面2027及び2067は、互いに同一面であり、そのため、前面2067及び2027で構成される雌継手要素200の前面217は平坦となり、管状要素202Bの径方向内側にある。
【0084】
本体202は、管状要素202Bの内側径方向面210に配置された内側の周溝に設置された弾性Oリング252を具備する。更にバルブ206は、バルブ206の前端部2062に配置された内側の周溝2064に設置された、弾性Oリング214を具備する。バルブ206はまた、その閉位置において、ガスケット252と封止可能に協働する。
【0085】
参照符号l2064は、長手軸X200に沿うと考えられる溝2064の幅を示し、参照符号D2062は、前端部2062の内側円筒面の径を示し、参照符号L2062は、前面2067と、前端部2062の境界を後部で定める肩部2063との間と考えられる、前端部2062の軸方向長さを示す。径D2062は、径D110と等しい。
【0086】
リング形状に作られたスカート220は、固定された中央プランジャ202Cの周りに、バルブ206の径方向内側に取り付けられる。このスカート220は、外形がD222で示される円弧形断面を有する前部管状部222を備える。S222は、円弧形断面を有する円筒形である外側径方向面を示す。この面S222は段差が付いている。実際、径D222は、面S222に沿って2つの別個の値、すなわち表面S222の前部S2221の第1の値S2221と、値D2221よりも確実に小さく、表面S222の後部S2222の第2の値D2222とを取る。
【0087】
スカート220はまた、表面S222に対して径方向外側に突出する後部フランジ226を備え、その中に、軸X222の径方向に延びる6つの径方向ハウジング228が配置され、それらは長手軸X200の周りに規則正しく配分された貫通ハウジングである。すなわち、それらはスカート220の両側に、軸X200に向かって、かつ軸X200の外側に向かって径方向に現われる。径D2222を有する部分222の部分は、軸X200に沿って、径D2221の部分とフランジ226との間に位置付けられる。
【0088】
径D2221は径D6及び径D202と等しく、それによって、雄継手要素100及び雌継手要素200を連結中に、固定された中央プランジャ202Cのヘッド202Dの後に、スカート200が雄継手要素の本体102の内側に貫入することが可能となる。
【0089】
参照符号L222は、表面S222の軸方向長さを示す。長さL222は、スカート220の前縁部220aとフランジ226との間の境界を定める。長さL222は、長さL2062の2倍以上である。参照符号L1は、雄継手要素100及び雌継手要素200の連結中/連結解除中、又は継手2が連結された構成において、端部112がバルブ206に突き当たっているときの、溝155と2064との間の軸方向距離を示す。
【0090】
参照符号L2は、部分222の前部の軸方向長さを示し、部分222の外径はD2211に等しい。長さL1及びL2は、L2がL1以下となるように選択される。したがって連結中、ガスケット154が後部S2222においてスカート220の周りで係合し、連結中のガスケットによる摩擦を制限するとき、スカート220の周りに係合されたガスケット214は、前部S2221を離れる。
【0091】
参照符号L3は、前面1127と溝155の後縁部との間の軸方向距離を示す。長さL222は、長さL2062とL3との合計以上である。
【0092】
ビード230は、各径方向ハウジング228内に位置付けられる。各ビード230の径は、各ハウジング128の径方向高さ、すなわち軸X200に対して径方向に計測された、このハウジングの寸法よりも確実に大きく選択される。したがって、ハウジング228に位置付けられた各ビード230は、フランジ226に対して径方向外側か、又は径方向内側のいずれかで、このハウジングから常に突出している。各ビード130は、以下の説明によって示されるように、スカート220を、本体202又はバルブ206に引掛けるための部材を構成する。実際に、各ハウジング228は、フランジ・リング226に配置された円弧形断面を伴い、受け入れるビード230の径よりも僅かに大きい径を有する径方向の穴である。そのため各ビード230は、スカート220に対して軸方向に固定され、かつハウジング228内で本体202に対して径方向に可動である。
【0093】
固定された中央プランジャ202Cには、各ビード230の一部を受け入れるよう意図された、外側周方向の周溝2028が設けられる。参照符号S2は、溝1028の背後にある、固定された中央プランジャの外側径方向面を示す。参照符号D2は、この表面S2の径を示し、表面S2は円弧形断面を伴う円筒形である。この径D2は、溝2028の溝底部の径よりも大きい。したがって溝2028は、表面S2に対して径方向に軸X200に向いた窪んだハウジングを形成する。表面S2は、溝2028とスリーブ202Hとの間で軸X200に沿って位置付けられる。
【0094】
ヘッド202Dの周辺面上に画定される配置箇所208の部分は、固定された中央プランジャ202Cの外側径方向面上の、径方向流路202Iの出口の前に位置付けられ、一方で第2のブロック面S2及び溝2028は、これらの出口の背後に位置付けられる。
【0095】
バルブ206は、内側周方向の周溝2068を具備する。溝2068は、この溝2068の背後のバルブ206の内側径方向面S1に対して、軸X200から径方向に離れる窪んだハウジングを構成する。参照符号D1は、バルブ206の円弧形断面を有する円筒形面S1の内径を示し、D1は、溝2068の溝底部の径よりも小さい。
【0096】
継手2は以下のように働く。
【0097】
図12及び
図13に示される連結解除された構成において、スカート220は、固定された中央プランジャ202Cの径方向流路202Iを囲む。スカート220は、ガスケット214に対して軸方向に自由にされる。
【0098】
この構成において、バルブ206は雌継手要素200の閉位置にある。具体的には、ガスケット214は、ヘッド202Dの外側径方向面と封止可能に協働し、一方でバルブ206とヘッド202Dとの間で径方向に圧縮される。
【0099】
この連結解除された構成において、ビード230は表面S1の真向かいにあり、それによってビード230は、これらビード各々の内側部分を受け入れるためのハウジングを形成する環状の溝2028に向かって、径方向に押し返される。したがってスカート220は、固定された中央プランジャ202Cしたがって本体202との、軸X200に沿った平行移動が固定される。
【0100】
参照符号Lは、スカート220の前縁部220aと、後部に向かいヘッド202Dの境界を定める固定された中央プランジャの、外側肩部2022との間の軸方向距離を示す。この連結解除された構成において、スカート220の前縁部220aすなわちフランジ224の反対側の管状部222の縁部は、外側肩部2022に対して軸方向に当接する。換言すると、距離Lはゼロである。溝2028とビード230との間の動作の遊びのため、前縁部220aはヘッド202Dから、ゼロではない小さい軸方向距離Lだけ延長できる。代替として、固定された中央プランジャに対して、ヘッド202Dからある距離だけ前部に向けて、スカート220の軸方向止め具を配置することによって、第1の実施形態のように、例えば開口部220Iの背後において、スカートの前縁部220aとヘッド202Dとの間で、上記で定義した軸方向距離Lをゼロにしないことも可能である。参照符号Lmaxは、ビード230がそれらの第1の径方向位置にあるときの距離Lの最大値を示す。
【0101】
要素202及び220が固定されている限り、スカート220とヘッド202Dとの間で計測される軸方向距離Lは、常に幅l2064の半分以下、好ましくは3分の1以下である。この構成において、軸方向距離Lを、幅l155の半分以下、好ましくは3分の1以下で提供することも可能である。換言すると、最大値Lmaxは、l1064/2以下、好ましくはl1064/3以下である。
【0102】
雄要素100及び雌要素200の連結を始める際に、継手要素は軸X2に整合され、次に
図14の矢印A1の方向に互いを近付ける。これによって、固定された中央プランジャ202Cの前面2027をバルブ106の前面1067に接触させ、一方で雄本体の前面1127はバルブ206の前面2067との接触をもたらす。
【0103】
雄継手要素100及び雌継手要素200の連結中、バルブ106は、固定されたプランジャ202Cによって雄継手要素100の後部に向かって、力E1に抗って、ヘッド202Dが本体102に貫入する地点まで、この本体102の後部に向かって押し返される。一方、溝2028に係合されたビード230を介して、バルブ106は自身と共に軸方向に固定されたスカート220を駆動する。これは特に、径D6、D202、及び径D2221が同じであるために可能となる。本体202と本体102との間の封止は、ガスケット252を介して行われる。ヘッド202Dが雄継手要素100の後部に向かって進むと、ガスケット214はスカート220を囲み、次にガスケット154がスカート220を囲む。ガスケット154がヘッド202Dから軸方向に離れて動くとき、継手2内の流体の流れが可能になる。
【0104】
雄継手要素100及び雌継手要素200互いの、矢印A1方向へ嵌合する動きは、リング240を本体102にネジ締めすることによって、かつネジ山138とネジ立て242との協働によって行われる。
【0105】
スカート220がガスケット154及び214の径方向内側を通過するため、スカート220はガスケット154及び214を、継手2を流れようとする流体の圧力から、かつ、雄継手要素100及び雌継手要素200が実際に連結されたときの流体の流れから防護する。
【0106】
距離Lが、この構成においては幅l2064の半分以下、好ましくは幅l2064の3分の1以下であることから、ガスケット214は、ヘッド202Dの外側からスカート220の外側まで進むときに溝2064から外れる恐れがない。
【0107】
バルブ206の、雌要素200の後部に向かう移動の間、スカート220は、軸X200に沿って本体202に対して固定されたままである。なぜならスカート220は、これらのビードが表面S1の外径によって溝2028内でブロックされるので、6つのビード230を介してこの本体202に引掛けられているためである。
【0108】
矢印A1の方向に連結の動きを続けることによって、同時に本体102の端部112が本体202に貫入する際に、ガスケット154は、スカート220の周りと係合するためにヘッド202Dを離れる。距離Lが、幅l155の半分以下、好ましくは幅l155の3分の1以下であることから、ガスケット154は、スカート220の周りを通るときに溝155から外れる恐れがない。
【0109】
2つのガスケット154及び214が完全にスカート220に覆われるとき、
図14及び
図15に示される、後部止め具面を形成するバルブ206の内側肩部2063が、フランジ226の表面によって形成されるスカート220の外側肩部223と接触する箇所に達するまで、バルブ206は、力E2に抗って本体102の端部112によって押し返される。換言すると、バルブ206は、スカート220に対して後方で軸方向に当接する。この構成において、環状の溝2068はハウジング228と軸方向に整合され、それによってビード230は、溝2068と係合するために中心から外に向かって動くことができる。中央から外に向かうビード230の動きは、
図14及び
図15の矢印A2によって示される。
【0110】
ビード230が中央から離れる動きの終わりに、それらの外側径方向部は溝2068と係合する。要素100及び200の連結の動きは、本体102にリング240をネジ締めすることによって継続し、それによって、固定された中央プランジャ202Cを本体102に更に押し入れ、本体102の端部112が本体202に更に押し入る。これによってバルブ106及び206それぞれを、雄継手要素100及び雌継手要素200の後部に向かって更に押し返す。この追加の嵌合の動きは、
図14の構成から
図16の構成への推移に対応するが、その間に、スカート220は、バルブ206及びそれに力をかける本体102の端部112と一緒に並進し、その結果、ガスケット154及び214はスカート220によって径方向内側に覆われ続ける。バルブ206が雌継手要素200の後部に向かうこの追加の動きの間に、このバルブ及びスカート220は、6つのビード230によって引掛けられる。ビード230の外側径方向部は溝2068と係合し、表面S2と整合されたビード230は、表面S2上を摺動又は回転する。したがってこの構成において、ビード230は、スカート220及びバルブ206を軸方向に固定する。
【0111】
この追加の動きによって、
図16の連結された構成に達することが可能になり、ここで、本体102は本体202に対して軸方向に当接する。バルブ206はその開位置にあり、流体が2つの継手要素の間を流れることができる。ビード230は、このスカートがガスケット154及び214を、
図16の矢印Fで示される主流体流の圧力及び流れから効果的に保護する構成で、スカート220及びバルブ206を軸方向に固定する。スカート220は、これらのガスケットとこの流体流との間に径方向で挿入され、溝155及び2064、したがってガスケット154及び214を外側から径方向に完全に覆う。スカート230は、貫通開口部202Iに対して後方向に軸方向で後退し、その結果スカートは、矢印Fで示される流体流の流れを妨げず、その一方で、この流れに対してガスケット154及び214を効果的に防護する。
【0112】
図15は、表面S222の段差が付いた構造を示す。連結中にビード230が溝2068に係合するとき、後部S222
2とバルブ206との間の最小径方向厚さ(D2062-D222
2)/2が、前部S222
1と本体102の前部112との間の最小径方向厚さ(D110-D222
1)/2よりも大きくなるように、径D222
1は径D222
2よりも大きい。換言すると、スカート220が2つのガスケット214及び154を径方向に覆うとき、溝2064の中のガスケット214は、溝155の中のガスケット154よりも圧縮されない。径D222
1の値は、径D6及びD202の値によって決められる。径D222
2がより小さい値を有することによって、ガスケット214が連結された構成において受ける圧力が減り、かつ、連結された構成において、スカート220がその長さL222にわたって径D222
1と等しい一定の径を有する場合よりも、表面S222上の摩擦をかなり小さくすることができる。これによって、ガスケット214の耐用年数が伸び、連結中及び連結解除中の両方の継手の操作を容易にする。詳細には、溝2064の中で圧縮されない、取り付けられた構成において、径D222
2はガスケット214の内径と同じであるか又は僅かに小さく選択され得る。
【0113】
連結解除は、上述に対して逆の操作によって行われる。リング240は、本体102に対してネジを緩められ、それによって雄継手要素100の、雌継手要素200に対する後退の動きが、矢印A1の反対方向に生じる。力E1及びE2は、バルブ106及び206をそれぞれの閉位置に向かって押し返すことによって、継手要素100及び200を互いから分離するのに寄与する。この取り外しの動きの始めに、引掛けビード230の作用によってバルブ206に固定されたスカート220は、本体102の前端部112に力をかけることによって、このバルブの動きに続く。バルブは、バネ232の弾性力E2によって押し返される。弾性力E2を加えるバネ232は、ビード230を介してスカート220にも作用する。
【0114】
スカート220及びバルブ206の接合の動きによって、スカート220は雌継手要素200の前部に向かって動き、ビード230は溝2028の真向かいに達し、一方でスカート220は、
図14及び
図15と類似の構成で、肩部2063に対して当接する。雄継手要素100を雌継手要素200から続けて取り外すことによって、かつ力E2によって、バルブ206の表面S1をビード230の真向かいに導く。それによって、矢印A2で示される動きの反対である中央に向かう力に続いて、ビード230を再び溝2028に係合させる。これは結果的に、スカート220及び本体202を、固定された中央プランジャ202Cに軸方向に固定することになる。この構成において、ガスケット154及び214はまだスカート220に覆われている。したがって、それらは管104及び204に存在する流体の作用に対して保護される。
【0115】
継続する連結解除する動きが、力E2の作用を受けて、バルブ206が本体102の端部112に力をかける追加の動きによって行われ、一方でスカート220は中央プランジャ202C上に軸方向に不動のままである。これは、そのときに要素206及び220がもはや軸方向に固定されていないために可能となる。
【0116】
ガスケット154が戻って来てヘッド202Dと接触し、これによって継手2内の流体の流れを遮断する。バルブ206は、固定された中央プランジャ202Cのヘッド202Dを覆うことによって、ガスケット214が、このヘッドの外側周辺面211によって形成される配置箇所208の部分に対して接触する地点に、及びガスケット252がバルブ206の外側径方向面に対して封止接触する地点に達し、それによって確実に雌継手要素200の閉鎖部を封止する。この継手要素200の閉鎖の動きは、L≦l2064の関係によって、ガスケット214が溝2064から外れる恐れなく行われる。
【0117】
図17~
図24に示される第4の実施形態は、第1及び第3の実施形態の代替であり、雄継手要素100及び雌継手要素200の両方が本発明によるものであり、各々がスカート120、220それぞれを備え、各々がリング形状に作られ、継手の連結中/連結解除中及び連結された構成において、この要素のガスケット114、214のそれぞれを径方向に覆うように意図される。
【0118】
第1の実施形態と同様に、雄継手要素100は、軸X100に中央を合せられた本体102を備え、バルブ106の前部1062に配置された外側の周溝1064に位置付けられる弾性Oリング114を具備するバルブ106によって、閉じられた構成における流体流通管104の閉鎖を画定し、連結解除された構成において、本体102の前部の内側径方向周辺面110で本体102によって形成される配置箇所108に対して封止接触する。この閉じられた位置において、ガスケット114は、バルブ106と本体102の前端部112との間で、径方向に圧縮される。スカート120は
図20の斜視図で見ることができ、管状部122を備える。管状部122は、円弧形断面を有する内側円筒径方向面S122の境界を定め、貫通径方向ハウジング128が各々に配置される3つの小突起又は後部タブ126を伴う3つの接続タブ124によって接続される。表面S122の径は、内側径方向面110の内径と等しい。後部タブ126は、連結解除された構成において、バルブ106に向けられた軸方向の力E1を加えるバネ132によって、本体102に対して前方に当接し続ける。ビードの対130は、各貫通ハウジング128に位置付けられて、第1の実施形態と同様に働く整合された内側ビード130a及び外側ビード130bを伴う。これら2つのビード130a及び130bのビードの対130は、同じハウジング128内で本体102に対して径方向に可動であり、スカート130に軸方向に固定される。
【0119】
これらのビード130a及び130bはビートの対130に属し、バルブ106のロッド1066の外側周方向の周溝1068又は本体102の内側周方向の周溝1028に交互に係合され、一方で、円弧形断面を有する円筒形ブロック面S1及びS2が、第1の実施形態のように雄要素100に設けられる。
【0120】
雌継手要素200の本体202は複数のパーツを有し、2つの管状要素202A及び202B、並びに固定された中央プランジャ202Cを備える。雌要素200内で、スカート220は、雌要素200の本体202に属する固定された中央プランジャ202Cの周りに取り付けられ、本体202は流体流通管204を画定する。バルブ206は、管状要素202Bの内側の、この固定された中央プランジャ202Cの周りに、軸X200に沿って摺動して取り付けられ、バルブ206の内側の周溝2064に位置付けられた弾性Oリング214を具備する。バルブ206は、その閉位置に向かって前方へ、バネ232の軸方向の力E2によって押し返される。連結解除された構成において、バルブ206のガスケット214はその閉位置で、ヘッド202Dの外側径方向周辺面211において、本体202によって形成される配置箇所208に対して封止接触する。ガスケット214は、ヘッド202Dとバルブ206との間で径方向に圧縮される。管状要素202Bの内側径方向周辺面210によって支持されるガスケット252は、その閉位置においても、バルブ206と管状要素202Bの前端部との間で径方向に圧縮され、ガスケット252とバルブ206との間に封止接触を作り出す。
【0121】
スカート220の管状部222は、ヘッド202Dの外側周辺面211の径と等しい径の、円弧形断面を有する外側円筒形の径方向面S222の境界を定める。
【0122】
6つのビード230はそれぞれ、スカート220の後部フランジ226に配置される、軸X200に向かう6つの貫通ハウジング228内に受け入れられる。これらのビード230の径は、それらが常に径方向ハウジング228から径方向内側又は径方向外側に突出するような径である。各ビード230は、スカート220に対して軸方向に固定され、ハウジング228内の本体202に対して径方向に可動である。
【0123】
これらのビード230は、バルブ206の内側周方向の周溝2068に、又は本体202の固定された中央プランジャ202Cの外側周方向の周溝2028に交互に係合され、一方で2つのブロック面S1及びS2が、第3の実施形態のように雌要素200に設けられる。
【0124】
この継手の動作は、本発明の第1及び第3の実施形態に関して、上記で提供された説明から推定される。
【0125】
図17の連結解除された構成において、ビード130はハウジング1028と係合され、ビード230はハウジング2028と係合される。スカート120は、ガスケット114に対して軸方向に自由にされる。スカート220は、固定された中央プランジャ202Cのヘッド202Dに対して前方に当接できる。スカート220は、ガスケット214に対して軸方向に自由にされる。
【0126】
このビード230の構成において、ビード230とハウジング228との間の遊びにもかかわらず、スカート220はヘッド202Dから、内側の周溝2064の幅の半分より大きくは離されず、好ましくは3分の1より大きくは離されない。このビード130の構成において、ビード130とハウジング128との間の遊びにもかかわらず、スカート120は前部112から、内側の周溝1064の幅の半分より大きくは離されず、好ましくは3分の1より大きくは離されない。
【0127】
連結の開始時に、雄継手要素100及び雌継手要素200のそれぞれの長手軸X100及びX200は、継手の中心軸X2に整合され、これらの要素は矢印A1の方向に近付けられる。継手要素の接近は、雌継手要素200のリング240の内側ネジ立て242を、雄継手要素100の本体102のネジ山138に、ネジ締めすることによって継続する。
図21の構成において、バルブ106の前部1062をスカート120の内側に押し返しながら、固定された中央プランジャ202Cのヘッド202Dは、本体102の前端部112に貫入し始め、それによってガスケット114が、スカート120の管状部122の表面S122によって径方向外側から覆われる。ガスケット114は、バルブ106とスカート120との間で圧縮される。バルブ106が後退の動きをする間、リング120は本体102の内側で後退しない。なぜなら、リング120は、環状の溝1028に係合されたビードの対130のうちの外側ビード130bによって、本体102に軸方向に固定されるからであり、一方でバルブ106によって画定された表面S1によって、径方向外側に圧力を受けるからである。同時に、スカート220の管状部222は、径方向内側に、バルブ206のガスケット214を覆う。次に、ガスケット214がスカート220とバルブ206との間で圧縮される。より詳細には、バルブ206は、本体102の端部112の作用を受けて後退し、それによってバルブ206が、バネ232によって加えられた弾性力E2に対して押し返され、一方でスカート220は、軸X200に沿ってその位置を保持する。なぜなら、環状の溝2028に係合されたビード230によって、スカート220は固定された中央プランジャ202Cに軸方向に固定され、その一方でバルブ206により画定された表面S1によって、径方向内側に圧力を受けるからである。
【0128】
矢印A1の方向に継続する嵌合の動きは、
図22に示されるように、バルブ106の前部1062が後部当接面1063によって、スカート120の肩部123に対して後部に当接するときに、雄継手要素100のビードの対130を、ロッド1066の溝1068の真向かいに導く。それによってビードの対130は、それらの第1の径方向位置と第2の径方向位置との間で可動となる。換言すると、ビードの対130は、
図22の矢印A2によって示されるように、軸X100に向けられた中心に向かう径方向に動くことができ、それによって、ビード130bを溝1028から自由にして、ビード130aを溝1068に係合することが可能となる。
【0129】
この位置で、ビード230はまだ溝2068に達しておらず、そのため雌継手要素200の表面S1によって溝2028に係合し続ける。換言すると、スカート120は、雄継手要素100の本体102と軸方向に固定されなくなり、一方で、スカート220はまだ雌継手要素200の本体202と軸方向に固定されている。
【0130】
この位置から、嵌合する動きを続けながら、ビードの対130はスロット1068と係合する。矢印A1の方向で嵌合する動きを続けながら、
図23の構成に達し、ここにおいてスカート120は、バルブ106と共に
図22の構成から移動している。バルブ206の後部肩部2063は、スカート22の外側肩部223と接触する。ビード230は環状の溝2068の真向かいに達し、これによってビード230は、
図23の矢印A2で示される中心から離れる動きによって、溝2028から自由にされる。したがって
図23の構成は、第3の実施形態の
図14に対応する。第3の実施形態では、ビード230が、要素220及び202を軸方向に固定する第1の位置から、要素220及び206を軸方向に固定する第2の位置に切り替える。
【0131】
矢印A1の方向で継続される嵌合によって、
図24に示される連結された構成に達することができ、そこで、本体102は本体202に対して軸方向に当接し、かつ流体が流体流Fによって示されるように流れる。
図23の構成から
図24の構成への推移は、雄継手要素100の内側のスカート120及びバルブ106と、雌継手要素の内側のスカート220及びバルブ206との接合移行を介して生じる。ビードの対130及びビード230は、装置の2つの部品を軸方向に固定し、したがって、一方で溝1068、2068それぞれに係合された状態で、かつ表面S2によって圧力を受けた状態で形成される。
【0132】
連結解除は、前述の実施形態の説明の逆手順に従って行われる。
【0133】
代替として、この第4の実施形態において、雄継手要素100及び雌継手要素200は、ビードの対130が、要素102及び120を軸方向に固定する第1の位置から、要素106及び120を軸方向に固定する第2の位置まで進むのと同時か又はその前に、嵌合中にビード230が、スカート220を本体202に軸方向に固定する第1の位置から、要素206及び220を軸方向に固定する第2の位置まで進むように、設けられ得る。ビードの対130が、それらの第1の位置と第2の位置との間で変化するときのモーメントを、ビード230がそれらの第1の位置と第2の位置との間で変化するモーメントから分離することによって、連結中及び連結解除中に力を制限してビード130、230の動きを容易にすることが可能となる。
【0134】
本実施形態において、雄要素のスカート120は、連結中及び連結された構成において、雌継手要素に属するガスケットを除いて、単一のガスケット、すなわち雄継手要素100のガスケット114のみを外側から径方向に覆う。同様に、本実施形態のスカート220は、連結中及び連結された構成において、雄継手要素に属するガスケットを除いて、単一のガスケット、すなわち雌継手要素200のガスケット214のみを内側から径方向に覆う。これによって、第1及び第3の実施形態とは別の構成となり、その中でスカート120及び220の各々は、少なくとも連結された構成において、雄及び雌要素それぞれに属する2つのガスケットを覆う。
【0135】
本実施形態において、
図24に示される連結された構成で、本体102の前部112は、雌継手要素200のスカート220を径方向に囲み、ヘッド202Dは、雄継手要素100のスカート120に部分的に受け入れられる。本体102がスカート220を径方向に囲むことにより、雄継手要素100及び雌継手要素200の誘導が容易になる。
【0136】
本実施形態においても、2つのガスケット114及び214は、継手2を通過しようとする加圧流体の作用に対して効果的に防護され、スカート120及び220が、これらのガスケットを流体の作用に曝すであろう位置に向かって偶発的に動かされる恐れはない。なぜなら、スカートはそれぞれ、これらのガスケット114及び214を径方向に完全に覆う位置にあるバルブ106及び206に、軸方向に固定されるためである。
【0137】
この第4の実施形態によって、雄継手要素100及び雌継手要素200の両方が圧力管に連結された継手2、又は無作為にこれらの要素の一方若しくは他方が圧力管に連結された継手2を使用することができる。それに対して、前述の実施形態において、継手は、加圧流体管に接続されたスカート120又は220を具備する要素が代わりに使用されるが、他の相補的な継手要素は加圧流体管に接続されない。
【0138】
【0139】
本実施形態において、雄継手要素100の本体102は、プレート300のネジ立てが付いた開口部302に、挿置された封止ガスケット303を伴ってネジ締めされる。ネジ立てが付いた開口部302が、加圧流体流通管304に接続される。部分302及び304は、第1の実施形態の管C1と同じ役割を担う。
【0140】
バルブ106は本体102に位置付けられる一方で、バルブ106によって支持される封止ガスケット114が、本体102の前端部112の内側径方向面110によって形成される配置箇所108と接触する位置に向かって、バルブ106を戻すように働くバネ132の作用を受ける。
【0141】
参照符号L110は、表面110の軸方向長さ、すなわち第1の実施形態で画定された軸X100に平行に計測されたこの表面の長さを示す。参照符号D110は、表面110の内径を示し、軸X100に中心を合せられた円弧形断面を有する。
【0142】
封止ガスケット114は、バルブ106の前部1062の外側の周溝1064に位置付けられる。参照符号l1064は、溝1064の軸方向幅を示し、参照符号M1064は、軸X100に対して垂直面で、かつ溝1064の前部と後部縁部との間の中間として画定される、軸方向中間部を示す。
【0143】
参照符号d4は、軸方向中間部M1064とバルブ106の前面1067との間の軸方向距離を示す。
【0144】
長さL110は、軸方向長さd4の2倍以上である。有利には、軸方向長さL110は軸方向距離d4の2倍より確実に大きく、好ましくはこの距離d4の2.5倍以上である。
【0145】
スカート120はバルブ106の周りを動くように取り付けられ、ビード130によってこのスカート120を、本体102及びバルブ106に選択的に引掛けることができる。
【0146】
本実施形態の継手2の雌継手要素200は、互いにネジ締めされた2つの管状要素202A及び202Bによって形成され、管C2に接続された本体202を備え、本体202は、本体202に対して固定された中央プランジャ202Cの周りに取り付けられるバルブ206を含む。バネ232は、バルブ206を本体202の前部に向けて、プランジャ202Cのヘッド202Dと、本体202の管状要素202Bの前部との間を径方向に押し出すように作用する。この前部及びヘッド202Dは、それぞれ2つの封止ガスケット252及び254を具備し、それらにバルブ206が雌要素200の閉位置において突き当たる。
【0147】
本実施形態において、本体202の周りを回転して取り付けられるリング240には、本体102の外側に設けられた、対応するネジ山146と協働することを意図されるネジ立て246が設けられる。したがって、本体102はリング240の内側にネジ締めされ得る。更にこのリング240は、本体202の周りを回転可能であり、本体102に対して軸方向に、第1の実施形態のように画定された軸X200に沿ってブロックされ、本体202の外側の周溝202P、並びにリング240の径方向の開口部248に係合されたビード250を使用してこの本体の周りで回転を誘導される。リング260は、要素202及び240の周りに取り付けられ、リング250を開口部248の所定の位置に維持する。
【0148】
封止ガスケット254は、ヘッド202Dの外側の周溝202Gに位置付けられる。参照符号M202Gは、溝202Gの軸方向中間部を示し、溝202Gは、軸X200に対して垂直であり、かつ溝202Gの前縁部と後縁部との間の中間にある面として画定される。
【0149】
連結中に、本体102及び202は、軸X200に沿って整合されて近付けられ、次に
図26及び
図27に示されるように、バルブ106の前面1067が、プランジャ202Cの前面2027に突き当たる。
【0150】
参照符号d6は、
図26及び
図27の構成、すなわち連結中及び前面1067と2067とが互いに接触しているときの、軸方向中間部M1064とM202Gとの間の軸方向距離を示す。この距離d6は、要素100及び200が連結解除中に、前面1067と2067とが互いに接触しているときと同じである。距離d6は、距離d4の2倍と実質的に等しく、好ましくは距離d6は、距離d4の2倍~2.5倍よりも大きい。
【0151】
長さL110は、軸方向距離d6以上である。有利には、長さL110は軸方向距離d6よりも確実に大きく、好ましくはこの軸方向距離d6の1.2倍以上である。
【0152】
換言すると、長さL110は、第1の実施形態で考慮された同じ長さに対して細長く、それによって、封止ガスケット254が本体102の表面110と封止接触しない限り、連結中にガスケット114が表面110と封止接触することを可能にする。換言すると、連結中に軸方向でガスケット114と254との間、特に前面1067及び2027の近くに画定されたゾーンZ1は、ガスケット254が本体102と封止接触しない限り、より詳細には表面110に突き当たらない限り、すなわちガスケット254が本体102との協働によって溝202Gから外れることから防護されない限り、流体を受け入れない。したがって、ソーンZ1内に加圧流体が流れ込む危険を避け、それによってバルブ206を、バネ232の作用に抗って、並びにガスケット254が溝202Gの外側に外れる危険を避けて、本体202の後部に向かって押し返す。ガスケット114がまだ配置箇所108と封止接触している間に、ガスケット254が表面110と封止接触する過渡的な連結段階が、
図26及び
図27に図示される。
【0153】
換言すると、連結中に封止ガスケット254が表面110に封止可能に突き当たらない限り、長さL110は、封止ガスケット114が表面110に封止可能に力をかけたままであるのに十分であり、それによって、ゾーンZ1及びガスケット254において継手2を流れようとする加圧流体のいかなる通過も効果的に防止する。
【0154】
図28に示される継手2の連結された構成において、スカート120は、第1の実施形態の
図8の構成のように、ガスケット114及び254を覆い、これによってこれらのガスケットを継手2内の加圧流体の流れに対して防護する。この流れは、
図28に矢印Fで図示される。
【0155】
雄継手要素100及び雌継手要素200の連結解除中に、表面110は徐々にガスケット254を覆い、次にガスケット114を覆う。一方の長さL110と、他方の距離d4及び/又はd6との間の比率の観点から、表面110は、ガスケット254がバルブ206の内側に係合する前に、ガスケット114を覆う。換言すると、ガスケット254が表面110との封止接触を離れる前に、ガスケット114は配置箇所108を形成する表面110に対して封止された状態になり、バルブ206と接触しない。これはまた、バネ232の作用に抗ってバルブ206を本体202の後部に向かって押し返し得る加圧流体の流れから、ゾーンZ1を防護する。
【0156】
上記で概要を述べていない他の態様について、本実施形態は、
図1~
図8の実施形態のように働く。詳細には、連結中及び連結された構成において、スカート120は、バルブ106の封止ガスケット114、並びに継手要素200の封止ガスケット254を径方向に覆う。
【0157】
【0158】
本実施形態において、戻りバネ232の作用を受けるバルブ206によって支持される封止ガスケット214を支えることによって受け入れるように、配置箇所208が雌要素200の中央プランジャ202Cのヘッド202Dの周りに形成される。
【0159】
配置箇所208は、ヘッド202Dの外側周辺面211によって形成され、その軸方向長さはL211で示される。
【0160】
更に参照符号L2064は、封止ガスケット214がその中に位置付けられるバルブ206の、内側径方向の溝2064の軸方向長さを示し、参照符号M2064はその軸方向中間部を示し、継手の雌要素200の長手軸X200に対して垂直面、かつ溝2064の前縁部と後縁部との間の中間として画定される。
【0161】
参照符号d4は、バルブ206の前面2067と軸方向中間部M2064との間の軸方向距離を示す。
【0162】
軸方向長さL211は、軸方向距離d4の2倍以上である。有利には、軸方向長さL211は軸方向距離d4よりも確実に大きく、好ましくはこの軸方向距離d4の2.5倍以上である。
【0163】
更に参照符号M155は、封止ガスケット154がそこに位置付けられる溝155の軸方向中間部を示し、封止ガスケット154は、雄要素の本体102の前端部112を具備し、バルブ106が閉位置にあるときに、本体102の前端部112によって形成される配置箇所108と接触する。軸方向中間部M155は、継手2の雄要素の長手軸X100に対して垂直面で、溝155の前縁部と後縁部との間の中間として画定される。
【0164】
継手2の雄継手要素100及び雌継手要素200の連結又は連結解除の構成において、プランジャ202Cの前面2027は、雄要素のバルブ106の前面1067に突き当たり、本体102の端部112の前面1127は、バルブ206の前面2067と接触する。参照符号d6は、前面1127が前面2067と接触している構成における、軸方向中間部M155とM2064との間の軸方向距離を示す。距離d6は、距離d4の2倍と実質的に等しく、好ましくは距離d6は、距離d4の2倍~2.5倍よりも大きい。軸方向長さL211は、軸方向距離d6よりも大きい。有利には、軸方向長さL211は軸方向距離d6よりも確実に大きく、好ましくはこの軸方向距離d6の1.2倍以上である。
【0165】
第5の実施形態に関して上述したものと同じ理由のため、長さL211と距離d4及び/又はd6との相対的値によって、雄要素100及び雌継手要素200が連結中に、封止ガスケット154が表面211に封止可能に突き当たることを可能にし、一方で封止ガスケット214は、まだこの表面と封止可能に突き当たり、それによって、本体102とプランジャ202Cのヘッド202Dとの間を、本体102とバルブ206との間の境界で画定されるゾーンZ1、詳細には1127における前面2067の近くで、加圧流体が通過するのを防止する。
【0166】
同様に、
図31の矢印A3及びA5によって示される、要素100及び200の連結解除中に、一方の長さL211と他方の距離d4及び/又はd6との間の比率の観点から、封止ガスケット214は、ガスケット154が表面211を離れてバルブ106と封止接触する前に、表面211と封止接触する。ガスケット154がまだ表面211と封止接触している間に、ガスケット214が表面211と封止接触する過渡的な連結解除段階が、
図31及び
図32に図示される。
【0167】
加圧流体が、第5の実施形態のように画定されたゾーンZ1を流れる恐れ、及びZ1を流れる流体からの圧力の力を受けたバネ132に抗って後部に向かうバルブ106の動きによって、溝155の外側にガスケット154が偶発的に外れる恐れは、それによって最小限に抑えられる。
【0168】
図12~
図16の実施形態で使用された表示を採用する場合、上記で表した軸方向長さL211と軸方向距離d6との間の関係は、L211≧l155/2+L1+l2064/2で表わすことができる。
【0169】
雄要素の本体102は、管状の本体102Bから構成される。管状の本体102Bは、バルブ106を収容し、第5実施形態のものと同等のプレート300と、本体102Bを囲んでプレート300の開口部302のネジ立てにネジ締めされる管状の本体102Aとの間に軸方向で挟まれ、本体102A及びプレート300に対する本体102Bの振動の可能性を伴う。第1の封止ガスケット303は、本体102Bと、本体102Aが係合されて流体流通管304が現われる開口部302の、内側周辺面との間に位置付けられる。第2の封止ガスケット305は、本体102Aと102Bとの間で、軸X300に沿ったガスケット303の前部に位置付けられる。封止ガスケット303は、本体102の前端部112によって形成される配置箇所108に接触して、本体102Bに形成される管104の封止、及びバルブ106が閉位置にあるときの管304の封止を確実にする。これらの封止ガスケット303及び305は、弾性的に変形可能で、また本体102Bを中立位置に戻す。このとき本体102Bの中心軸X102Bは、連結解除された構成において、本体102Aの中心軸X102Aと同軸である。この構成は
図29に示される。
【0170】
雌要素200の本体202は、管状の本体202Bから構成される。管状の本体202Bはバルブ206を収容し、プレート500と、プレート500の開口部502のネジ立てにネジ締めされた管状の本体202Aとの間に、軸方向に挟まれる。開口部502には、加圧流体流通管504が現われる。部分502及び504は、第1の実施形態の管C2と同じ役割を担う。第1の封止ガスケット503は、管状の本体202Bと開口部502の内側周辺面との間に位置付けられ、一方で第2の封止ガスケット505は、本体202を形成する管状の本体202Aと202Bとの間で、軸X200に沿ったガスケット503の前部に位置付けられる。ガスケット503及び505は、本体202A内で本体部202Bの振動を可能にする。ガスケット503は、バルブ206が閉位置で配置箇所208と接触するとき、雌要素200の内側管204及び管504の封止を確実にする。
【0171】
ガスケット303及び305のように、ガスケット503及び505は弾性的に変形可能で、デフォルトによって本体部202Bを中立位置に戻す。このとき中心軸X202Bは、連結解除された構成において、本体部202Aの中心軸X202Aと同軸である。
【0172】
図29、
図30、及び
図31に示されるように、特に
図29のオフセット角αによって、本体部102B及び202Bは、互いに嵌合される前は完全に整合されない場合がある。プレート300及び500上への本体102及び202の組立てモードによって、このような位置ずれを補うこと、及び、詰まって動かなくなる恐れなく連結中に本体部102B及び202Bを自動的に整合させることが可能となる。したがって、本体102B及び/又は202Bは、本体102A及び202Aそれぞれに対して傾いて、軸X102B及びX202Bの整合を可能にする。
【0173】
上記で概要を述べていない他の態様について、特にスカート220及びビード230に関して、本実施形態では
図12~
図16の実施形態のように働く。詳細には、連結中及び連結された構成において、スカート220は、バルブ206の封止ガスケット214、並びに継手要素100の封止ガスケット154を径方向に覆う。
【0174】
実施形態にかかわりなく、本発明は、覆うべきガスケット114又は214に対するスカート120及び/又は220の、最初の位置、連結中の位置、及び最後の位置を保証することが可能になる。本発明は、スカート120又は220が、覆うべきガスケット114又は214を完全に覆うことができることを保証する。スカート上のガスケットの摩擦が、対応するバネによって加えられる弾性力を超えるか、又はスカートを押し返すバネに欠陥があるかは、特許文献1の装置には当てはまらない。
【0175】
本発明はまた、対応するバルブの開位置で流体によって圧力が加えられる場合、ガスケット114又は214を効果的に防護することを保証することを可能にする。実際、実施形態にかかわらず、スカートは、バルブの全開位置において同じ継手要素に属するバルブに固定され続ける。
【0176】
更に、特許文献1と比較して、スカートを具備する継手要素又は各継手要素内の少なくとも1つのバネを排除することによって、構築が簡略化される。
【0177】
ブロック面S1並びにS2、並びに引掛け部材130及び/又は230の受け入れハウジング1068又は2068、1028又は2028を、それぞれバルブ及び本体に配置することによって、引掛けの配列の正確さを保証する。
【0178】
スカート120及び/又は220は、引掛け部材と本体の環状ハウジングとの協働に対応する引掛け部材の第1の径方向位置で、本体に対して前方で当接することができるので、連結解除中の引掛けの配列をより容易にする。
【0179】
引掛け部材がその第1の径方向位置にある限り、ガスケットの受け入れ溝の軸方向幅の半分以下又は3分の1以下である、距離Lの最大値Lmaxを提供することによって、ガスケットはスカート及び/又は本体によって十分に覆われ続け、これは、連結及び連結解除に際して流体の圧力によって、ガスケットがその溝から外れないことを保証する。詳細には、スカートによって覆われるOリングが、1mm以上のトロイドの径を有するスカートによって覆われる場合、0.5mm以下、好ましくは0.3mm以下の距離Lの最大値Lmaxを提供することが可能である。
【0180】
スカートに対するバルブの後部当接は、引掛け部材のその第1の径方向位置から、引掛け部材とバルブの環状ハウジングとの協働に対応する、その第2の径方向位置へ向かう動きを、詰まらせることなく保証する。
【0181】
バルブの閉位置で、スカートが覆う面がガスケットの配置箇所の径と同じであるとき、ガスケットが外れること、及びガスケットにかかる圧力が制限される。
【0182】
ビードの対130によって、スカート周りの径方向ハウジングの軸方向寸法を制限することが可能となる。
【0183】
図示されない本発明の代替によると、ビード230又はビードの対130は、スカートのハウジング128又は228内に少なくとも1つの径方向構成要素を有する、動きを伴って摺動する、細長いペグ又はピンで置き換えることができる。各ペグ又はピンの径方向寸法は、それが設置されるハウジングの径方向高さよりも確実に大きい。
【0184】
本発明の実施形態の全てに使用され得る、差込みピンによる、並びに雄及び雌継手要素をネジ締めすることによる係止とは別に、雄及び雌要素を互いに係止する他のタイプが考えられる。特に、軸方向に可動な係止リングと関連付けられ、雄要素の本体と軸方向に協働する係止された位置と、係止部材が雌要素の本体内で雄要素の本体の動きに抵抗しない係止解除された位置との間で、雌要素の本体内で可動である、ビード、フィンガー、若しくはセグメントのような係止部材を使用する係止、又は、それぞれが雄継手要素及び雌継手要素に固定されて、継手が連結された構成において互いに維持されるプレートを使用する係止が考えられる。
【0185】
雌継手要素200がスカート220を具備する場合、径方向で軸X200に向かって突出する部分をバルブ206に設け、それによって、連結解除された構成において、本体202に対して当接する代わりにスカート220に対して前方に当接できるようにすることが可能である。
【0186】
代替として、継手2内の流体の流れの方向は、
図8、
図10、
図16、及び
図24の矢印Fによって示される方向の反対にすることができる。
【0187】
実施形態にかかわらず、引掛け部材130及び230の数及び配分は、継手2の外形、及び継手2を通る流体の圧力及び/又は流量に基づいて適合され得る。この数は、1以上である。上記で考察した実施形態及び代替は、添付の特許請求の範囲に関連して、新しい実施形態を作りだすために互いに組み合せてもよい。特に、スカートを伴う単一の部品である、第2の実施形態の引掛け部材のタイプは、第3及び第4の実施形態に実装され得る。更に、第2の実施形態の、バルブがスカートに引掛けられたときの、バルブの動きに対する後部止め具タイプは、第3に実施形態で実装され得る。加えて、第3の実施形態のスカートの外側径方向面S222の径の変化は、第1の実施形態におけるスカートの内側径方向面で実装され得る。
【符号の説明】
【0188】
2 継手
100 雄継手要素
102 本体
102A 管状要素、要素、本体
102B 管状要素、本体
102C スリーブ
102E プレート
104 管、内腔
106 バルブ
108 配置箇所
110 内側径方向面、表面
112 前端部、端部
114 ガスケット
117 前面
120 スカート
120a 縁部、前縁部
122 管状部
123 肩部
124 接続部
126 後部タブ、フランジ・リング
128 ハウジング
129 切り抜き部
130 ビードの対
130a ビード
130b ビード
131 小さい舌部
132 バネ
134 リング
136 止め輪
138 ネジ山、突起物、ラグ
146 ネジ山
150 止め具
154 弾性Oリング、ガスケット
155 溝
200 雌継手要素
202 本体
202A 管状要素、本体
202B 管状要素
202C プランジャ
202D ヘッド
202F 後縁部
202G 周溝、溝
202H スリーブ
202I 径方向流路
202J 後部フランジ
202K 流路
202P 周溝
204 管、内腔
206 バルブ
208 配置箇所
210 内側周辺面、内側径方向面、内側径方向周辺面
211 外側径方向面、外側径方向周辺面
214 ガスケット
217 前面
220 スカート
220a 前縁部
222 管状部
223 肩部
226 フランジ、後部フランジ、フランジ・リング
228 ハウジング
230 ビード
232 バネ
240 リング
242 スロット
244 配置箇所
246 ネジ立て
248 穴
250 リング、ビード
252 ガスケット、弾性Oリング
254 ガスケット、弾性Oリング
260 リング
300 プレート
302 開口部、部分
303 ガスケット
304 流体流通管、加圧流体流通管
305 ガスケット
500 プレート
502 開口部
503 ガスケット
504 加圧流体流通管
505 ガスケット
1022 肩部
1024 肩部
1025 スロット
1028 溝、ハウジング
1062 バルブの前部、部分
1063 後部ストップ面、後部当接面
1064 周溝
1065 ナット
1065a パッド
1065b パッド
1066 ロッド
1066a ネジ山
1067 前面
1068 周溝、溝、
1127 前面
l155 溝155の幅
l202G 溝202Gの幅
2022 肩部
2027 前面
2028 周溝、溝、ハウジング
2062 前端部
2063 肩部
2064 周溝、溝
2067 前面
2068 周溝、溝
l1064 溝1064の幅
l2064 溝2064の幅
A1 方向
A2 方向
A3 方向
A5 方向
C1 管
C2 管
D1 表面110の内径
D2 表面S2の径
D6 バルブ106の外面の径
D110 表面110の径
D122 管状部122の内径
D202 プランジャ202Cのヘッド202Dの径
D2221 第1の値
D2222 第2の値
D2062 前端部2062の内側円筒面の径
D6 バルブ106の外面の径
d4 軸方向中間部M1064とバルブ106の前面1067との間の軸方向距離
d6 軸方向中間部M1064とM202Gとの間の軸方向距離
E 装置
E1 力
E2 力
F 流体流の流れ
L 長さ
L1 溝155と2064との間の軸方向距離
L2 部分222の前部の軸方向長さ
L3 前面1127と溝155の後縁部との間の軸方向距離
L110 表面110の軸方向長さ
L122 表面S122の軸方向長さ
L1062 部分1062の軸方向長さ
L211 配置箇所208の軸方向長さ
L222 表面S222の軸方向長さ
L202D ヘッド202Dの軸方向長さ
L2062 前端部2062の軸方向長さ
M155 溝155の軸方向中間部
M202G 溝202Gの軸方向中間部
M1064 溝1064の軸方向中間部
M2064 溝2064の軸方向中間部
S1 表面
S2 表面
S122 表面
S222 径方向面、表面
S2221 前部
S2222 後部
X2 継手2の中心軸
X100 雄継手要素100の長手軸
X102A 本体102Aの中心軸
X102B 本体102Bの中心軸
X200 雌継手要素200の長手軸
X202A 本体部202Aの中心軸
X202B 本体部202Bの中心軸
Y128 ハウジング128の軸
Z1 ゾーン
α オフセット角