(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-06
(45)【発行日】2022-07-14
(54)【発明の名称】ルアー
(51)【国際特許分類】
A01K 85/18 20060101AFI20220707BHJP
【FI】
A01K85/18
(21)【出願番号】P 2022069866
(22)【出願日】2022-04-21
【審査請求日】2022-04-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519323551
【氏名又は名称】マドタチ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180644
【氏名又は名称】▲崎▼山 博教
(72)【発明者】
【氏名】利川 哲也
【審査官】磯田 真美
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0360737(US,A1)
【文献】特開2011-092097(JP,A)
【文献】国際公開第2021/044881(WO,A1)
【文献】特許第6933419(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0293832(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 85/00 - 85/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水面付近又は水中を遊泳させるルアーであって、
所定方向に並ぶように設けられた複数の本体構成体を含み、隣接する前記本体構成体を互いに回動可能に連結した本体部と、
互いに隣接する少なくとも2つの前記本体構成体の回動範囲を調整する少なくとも1つの調整部材と、
前記調整部材を所定の位置で保持する保持部と、
を有し、
前記調整部材は、
前記本体構成体を介して配された一対の突出部と、
前記本体構成体を介して前記調整部材同士を接続する支持部と、
を備え
ると共に、前記本体構成体に対する位置を前記所定方向に沿って変更可能なものであり、
前記調整部材の位置を変更することにより、前記本体構成体の回動範囲を変更可能であり、
前記保持部は、前記調整部材の移動方向に沿って形成された係合溝を有しており、
前記調整部材に移動に伴って前記支持部及び前記係合溝が係合することにより、前記調整部材が所定の位置に保持されること、を特徴とす
るルアー。
【請求項2】
水面付近又は水中を遊泳させるルアーであって、
所定方向に並ぶように設けられた複数の本体構成体を含み、隣接する前記本体構成体を互いに回動可能に連結した本体部と、
互いに隣接する少なくとも2つの前記本体構成体の回動範囲を調整する少なくとも1つの調整部材と、
を有し、
前記調整部材
は、
前記本体構成体の表面側からの位置変更操作を可能にする操作部を有
すると共に、前記本体構成体に対する位置を前記所定方向に沿って変更可能なものであり、
前記調整部材の位置を変更することにより、前記本体構成体の回動範囲を変更可能であること、を特徴とす
るルアー。
【請求項3】
前記調整部材は、少なくとも一部が可撓性部材で形成されており、
前記可撓性部材は、隣接する前記本体構成体の回動に伴って、前記本体構成体と当接することにより弾性変形すること、を特徴とする請求項1又は2に記載のルアー。
【請求項4】
前記調整部材の位置を変更して、前記本体構成体が最大限回動可能な範囲内への前記調整部材の侵入具合を変化させることにより、前記本体構成体の回動範囲を変更可能であること、を特徴とする請求項1
又は2に記載のルアー。
【請求項5】
前記調整部材を所定の位置で保持する保持部を備えること、を特徴とする請求項
2に
記載のルアー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚釣りに用いられるルアーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、漁業やレジャー等の魚釣りにおいては、生餌に代えてルアー(疑似餌とも称する)が用いられることがある。前記ルアーは、対象魚に応じて、各種の形態のものが用いられる。例えば、ブラックバスやスズキ等の対象魚は、小魚を補食しており、当該対象魚を釣り上げるために小魚の形状をしたルアーが用いられることがある。前記ルアーは、集魚効果を上げるためにルアーの形や色彩等に工夫がなされている。また、上述したように小魚の形状をしたルアーでは、例えば、ルアー本体を複数の部片に分割して屈曲可能に連結したものが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に記載のルアーは、前後の各部片を留め金具で直線状にジョイントすると共に、内部収納された柔軟な弾性部材で前後の部片を関連づけしている。これにより、上記特許文献1に記載のルアーは、前方部片の動きに後方部片が追随し、ルアー全体が水平方向に自然に屈曲するものとされている。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のルアーは、製造時に取り付けられた弾性部材による反発力を利用してルアー全体に屈曲性を付与しているため、ルアー全体の屈曲性を変更する場合は、ルアーを分解して弾性部材を交換する必要がある。従って、上記特許文献1に記載のルアーは、用途や釣り場環境に応じて、ルアー全体の屈曲性を変更することが困難であった。また、上記特許文献1に記載のルアーを用いる場合は、弾性部材の特性(反発力)毎にルアーを用意する必要があり、用意するルアーが煩雑になる問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、ルアー本体を構成する複数の部片(本体構成体)の回動範囲を容易に変更することが可能なルアーを提供することを目的とする。また、本発明は、集魚効果や釣魚効果の向上が可能なルアーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上述した課題を解決すべく提供される本発明のルアーは、水面付近又は水中を遊泳させるルアーであって、所定方向に並ぶように設けられた複数の本体構成体を含み、隣接する前記本体構成体を互いに回動可能に連結した本体部と、互いに隣接する少なくとも2つの前記本体構成体の回動範囲を調整する少なくとも1つの調整部材と、を有し、前記調整部材が、前記本体構成体に対する位置を前記所定方向に沿って変更可能なものであり、 前記調整部材の位置を変更することにより、前記本体構成体の回動範囲を変更可能であること、を特徴とするものである。
【0008】
上述したルアーは、調整部材を本体構成体に対して所定方向に沿って変更することにより、容易に本体構成体の回動範囲を変更することができる。そのため、上述したルアーは、釣り場環境に応じて、容易に遊泳状態を変更することができる。従って、上述したルアーを使用することにより集魚効果や釣魚効果の向上が期待できる。
【0009】
(2)上述した本発明のルアーは、前記調整部材の位置を変更して、前記本体構成体が最大限回動可能な範囲内への前記調整部材の侵入具合を変化させることにより、前記本体構成体の回動範囲を変更可能であるとよい。
【0010】
上述したルアーは、かかる構成とすることにより、調整部材や本体構成体等を脱着することなく、容易に本体構成体の回動範囲を変更することができる。そのため、上述したルアーは、釣り場環境に応じて、容易に遊泳状態を変更することができる。従って、上述したルアーを使用することにより集魚効果や釣魚効果の向上が期待できる。
【0011】
(3)上述した本発明のルアーは、前記調整部材を所定の位置で保持する保持部を備えるとよい。
【0012】
上述したルアーは、かかる構成とすることにより、調整部材を所定の位置で保持できるので、調整部材の保持位置に応じて本体構成体の回動範囲を変更することができる。これにより、上述したルアーは、容易に遊泳状態を変更できる。また、上述したルアーを使用することにより集魚効果や釣魚効果の向上が期待できる。
【0013】
(4)上述した本発明のルアーは、前記調整部材が、前記本体構成体を介して配された一対の突出部と、前記本体構成体を介して前記調整部材同士を接続する支持部と、を備えており、前記保持部は、前記調整部材の移動方向に沿って形成された係合溝を有しており、前記調整部材に移動に伴って前記支持部及び前記係合溝が係合することにより、前記調整部材が所定の位置に保持されるとよい。
【0014】
上述したルアーは、調整部材の位置を変更した際に、突出部同士を接続する支持部が、係合溝に係合するように構成されているので、調整部材を確実に所定の位置に保持することができる。これにより、上述したルアーの使用時に、調整部材の位置が、勝手に変更されることを抑制できる。ここで、係合溝は、調整部材の移動方向に沿って複数形成するとよい。かかる構成を採用することで、上述したルアーは、釣り場環境に応じて、本体構成体の回動範囲を多段階で設定することができる。そのため、上述したルアーの汎用性が向上する。
【0015】
(5)上述した本発明のルアーにおいて、前記調整部材は、少なくとも一部が可撓性部材で形成されており、前記可撓性部材は、隣接する前記本体構成体の回動に伴って、前記本体構成体と当接することにより弾性変形するとよい。
【0016】
上述したルアーは、本体構成体の回動に伴って、可撓性部材が、本体構成体と当接して弾性変形するので、本体構成体を自然に回動させることができる。これにより、上述したルアーは、より自然に魚に似た動きを演出できる。また、上述したルアーによれば、集魚効果及び釣魚効果の向上が期待できる。
【0017】
(6)上述した本発明のルアーは、前記調整部材が、前記本体構成体の表面側からの位置変更操作を可能にする操作部を有しているとよい。
【0018】
上述したルアーは、かかる構成とすることにより、調整部材を本体構成体の表面側から操作することができる。これにより、上述したルアーは、調整部材を脱着することなく、容易に当該調整部材の位置変更操作を行うことができる。そのため、上述したルアーは、釣り場環境に応じて、容易に遊泳状態を変更することができる。また、上述したルアーによれば、集魚効果及び釣魚効果の向上が期待できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、ルアー本体を構成する複数の部片(本体構成体)の回動範囲を容易に変更することが可能なルアーを提供することができる。また、本発明は、集魚効果や釣魚効果の向上が可能なルアーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態に係るルアーの全体斜視図である。
【
図3】本発明のルアーを構成する調整部材の全体斜視図及び分解斜視図である。
【
図4】本発明のルアーを構成する調整部材周辺の切欠き斜視図である。
【
図5】本発明のルアーを構成する調整部材周辺の断面図である。
【
図6】(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係るルアーの一部を切り欠いた動作説明図である。
【
図7】(c)は、本発明の一実施形態に係るルアーの一部を切り欠いた動作説明図である。
【
図8】本発明の第一変形例に係るルアーの一部を切り欠いた動作説明図である。
【
図9】本発明の第二変形例に係るルアーの全体斜視図である。
【
図10】本発明の第二変形例に係るルアーの一部を切り欠いた動作説明図である。
【
図11】本発明の第三変形例に係るルアーの全体斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態に係るルアー1について、
図1~
図7を参照しつつ説明する。なお、本実施形態では、フック(釣針)を省略して描いていることに留意されたい。また、以下の説明において、ルアー1の頭部側を前方側、尻部側を後方側として説明する。
【0022】
図1及び
図2に示すようにルアー1は、小魚等の魚体を模したルアー本体2(本体部2とも称する)を備えている。本体部2は、複数の本体構成体10から構成されている。具体的に説明すると本体構成体10は、頭部を構成する本体構成体10A、胴体部を構成する本体構成体10B、及び尻部を構成する本体構成体10Cの3つに分割形成されている。
【0023】
本体部2は、隣接する本体構成体10A及び本体構成体10B、並びに隣接する本体構成体10B及び本体構成体10Cを互いに回動可能に連結することによって形成されている。
【0024】
本体構成体10Aは、前端側(図示左側)において魚の頭部を模した形状に形成されており、頭部の両端側に目や胸ビレなどが形成されている。また、本体構成体10Aは、左右方向の中間部において分割可能に形成されている。分割形成されたそれぞれの分割体を結合させることにより、本体構成体10Aが形成される。また、本体構成体10Aには、先端側に釣糸(ライン)を接続するためのラインアイ3が取り付けられている。ラインアイ3にラインを接続し、牽引することにより、ルアー1は、水面付近又は水中を遊泳するものとされている。また、本体構成体10Aは、下端側にフック(図示せず)を取り付けるためのフックアイ4(
図1参照)が設けられている。フックには、例えば、針先が3つに分岐したものなどが利用される。
【0025】
本体構成体10Aの後端側(図示右側)には、一対の連結部材11,11が設けられている。連結部材11,11は、円環状(
図4参照)に形成されており、本体構成体10Bの上下方向に配された軸12が挿し通されている。従って、本体構成体10Aは、連結部材11,11と共に軸12周りに回動することができる。すなわち、本体構成体10Aは、本体構成体10Bに対して水平方向に相対的に回動することができる。
【0026】
本体構成体10Bは、魚の胴体を模した形状として形成されており、下端側に上述したフック(図示せず)を取り付けるためのフックアイ4が設けられている。本体構成体10Bは、
図4及び
図5に示すように、左右方向の中央において分割可能に形成されている。分割形成されたそれぞれの分割体を結合させることにより、本体構成体10Bが形成される。
【0027】
本体構成体10Bは、本体構成体10Aに対する回動範囲を変更(制限)するための調整部材20と、調整部材20を前後方向に案内する保持部14を備えている。本体構成体10Bは、前記の他、上述した軸12と、本体構成体10Cを回動可能に連結するための軸13等を備えている。
【0028】
保持部14は、本体構成体10Bの前端側において、上下方向の中央付近に形成されている。保持部14は、前後方向に沿って形成されており、調整部材20の前後方向への移動を案内するものとされている。また、保持部14には、内面に係合溝14A(ラッチ溝14Aとも称する)が形成されている。係合溝14Aは、調整部材20の支持部22と係合し、調整部材20を前後方向において所定の位置(段階毎)に保持することができる。本実施形態では、係合溝14Aが、3段階の溝を有するものとされている。
【0029】
図3は、調整部材20の分解前の全体斜視図及び分解図である。調整部材20は、本体構成体10Bを介して左右対称に配された一対の突出部21,21と、突出部21,21を所定の間隔を空けて接続するための支持部22と、を備えている。
【0030】
突出部21,21は、支持部22に対して、前方側に向けて突出するように配されている。突出部21,21は、前後方向に移動することで、位置を変更することができる。詳細は後述するが、突出部21,21は、前後方向に位置を変更することで、本体構成体10A及び本体構成体10Bの回動範囲を変更することが可能である。また、突出部21,21は、それぞれ後端側にビス25,25を挿し通すための貫通孔21A,21Aが、左右方向に沿って形成されている。
【0031】
支持部22は、円筒形状に形成された外筒部23と、外筒部23に挿入可能な内筒部24と、突出部21,21を固定するための一対のビス25,25等を備えている。
【0032】
外筒部23は、例えば、円筒状のゴムや樹脂等で形成されており、本体構成体10Bの内部に形成された後述する保持部14に移動可能に支持されている。外筒部23は、内側に内筒部24が挿入される。また、外筒部23(支持部22)は、
図4及び
図5に示すように、保持部14における係合溝14Aと係合することにより、所定の位置に保持される。
【0033】
内筒部24は、例えば、円筒状のナット部材として形成されており、両端側にビス25,25を螺合させるためのネジ山(図示せず)が形成されている。内筒部24の両端側に突出部21,21を配し、貫通孔21A,21Aを介してビス25,25を螺合させることにより、調整部材20が一体的に形成される。
【0034】
軸13は、本体構成体10Bの後端側に立設されている。軸13は、本体構成体10Cの前端側に設けられた連結部材15を回動可能に支持している。
【0035】
本体構成体10Cは、本体部2の後端側(図示右側)において魚の尻部を模した形状として形成されており、後端側に尾ビレ5(
図1参照)が形成されている。本体構成体10Cは、軸13を中心として、水平方向に回動することが可能である。
【0036】
以上が、本発明の構成であり、次に本発明のルアー1の動作について
図6及び
図7を参照しながら説明する。
図6(a)、
図6(b)、及び
図7(c)は、調整部材20を段階毎に移動させた場合の動作説明図である。なお、理解が容易なように、本体構成体10Bの右半分を省略して描いていることに留意されたい。また、図示においては、本体構成体10B側を固定し、本体構成体10A側が、本体構成体10Bに対して回動するように描いていることに留意されたい。実際には、本体構成体10A及び本体構成体10Bは、相対的に回動することが可能である。
【0037】
図6(a)に示すように、初期位置においては、調整部材20が、係合溝14A(
図4及び
図5参照)の後端位置に位置するものとされている。すなわち、初期位置は、本体構成体10A及び本体構成体10Bの間における回動範囲に制限が掛けられていない状態とされている。従って、本体構成体10Aは、図示における二点鎖線のごとく、最大限の範囲で回動することが可能である。以下、初期位置における本体構成体10Aの最大限の回動範囲は、最大限回動可能範囲D1(最大限回動可能角度D1)として説明する。
【0038】
図6(b)は、調整部材20を前方側に1段階移動させた状態(中間位置とも称する)を表したものである。すなわち、中間位置では、支持部22が係合溝14A(
図4及び
図5参照)の中央部の溝に係合して保持される。これにより、調整部材20における突出部21が、本体構成体10Bよりも前方側に突出するものとされている。言い換えると、本体構成体10Aが最大限回動可能な範囲内へ調整部材20(突出部21)が侵入すると共に、調整部材20の侵入具合が変化する。これにより、本体構成体10Aの回動範囲が図示二点鎖線のように中間回動可能範囲D2(中間回動可能角度D2)に制限される。
【0039】
図7(c)は、調整部材20を前方側に2段階移動させた状態(終端位置とも称する)を表したものである。すなわち、終端位置では、支持部22が係合溝14A(
図4及び
図5参照)の前端位置に位置するものとされている。これにより、調整部材20における突出部21が、本体構成体10Bよりも前方側に最大量で突出するものとされている。言い換えると、本体構成体10Aが最大限回動可能な範囲内へ最大量の侵入具合で調整部材20(突出部21)が侵入する。このとき、本実施形態では、突出部21の突出端側が、本体構成体10Aの連結面に当接する。これにより、本体構成体10Aの回動が制限される。
【0040】
以上が、本発明の一実施形態に係るルアー1の構成であり、次に上述した実施形態に係るルアー1の作用効果について以下に説明する。なお、以下の説明では、上述したように、本体構成体10Aが本体構成体10Bに対して回動することを前提として説明する。
【0041】
上述したルアー1は、調整部材20を本体構成体10Bに対して所定方向(本実施形態では前後方向)に沿って変更することにより、容易に本体構成体10Aの回動範囲を変更することができる。そのため、上述したルアー1は、釣り場環境に応じて、容易に遊泳状態を変更することができる。従って、上述したルアー1を使用することにより集魚効果や釣魚効果の向上が期待できる。
【0042】
また、本実施形態では、本体構成体10Aの最大限回動可能範囲D1内に、調整部材20を侵入させて、侵入具合を変化させることにより、本体構成体10Aの回動範囲を変更するものとされている。
【0043】
従って、上述したルアー1は、調整部材20や本体構成体10A,10B等を脱着することなく、容易に本体構成体10Aの回動範囲を変更することができる。そのため、上述したルアー1は、釣り場環境に応じて、容易に遊泳状態を変更することができる。また、上述したルアー1を使用することにより集魚効果や釣魚効果の向上が期待できる。
【0044】
また、上述した本発明のルアー1は、調整部材20を所定の位置で保持する保持部14を備えているので、調整部材20を所定の位置で保持できる。そのため、調整部材20の保持位置に応じて本体構成体10Aの回動範囲を変更することができる。これにより、上述したルアー1は、容易に遊泳状態を変更できる。また、上述したルアー1を使用することにより集魚効果や釣魚効果の向上が期待できる。
【0045】
また、上述したルアー1は、調整部材20の位置を変更した際に、突出部21,21同士を接続する支持部22が、係合溝14Aに係合するように構成されているので、調整部材20を確実に所定の位置に保持することができる。これにより、上述したルアー1の使用時に、調整部材20の位置が、勝手に変更されることを抑制できる。また、本実施形態では、係合溝14Aが、調整部材20の移動方向に沿って複数形成されている。これにより、上述したルアー1は、釣り場環境に応じて、本体構成体10Aの回動範囲を多段階で設定することができる。そのため、上述したルアー1の汎用性が向上する。
【0046】
以上が、本発明の一実施形態に係るルアー1の作用効果であり、次に調整部材20の構成を変更した第一変形例に係るルアー100について以下に説明する。なお、同一の部材については、上述した実施形態と同一の符号を用いていることに留意されたい。また、上述した実施形態と同一の部材については、説明を省略する。
【0047】
≪第一変形例≫
図8に示すように、第一変形例に係るルアー100では、調整部材20が一体的に形成されている。また、ルアー100では、調整部材20における突出部21に相当する部分が可撓性部材26で形成されている。可撓性部材26は、例えば、ゴムで形成されており、所定の力が加わることで弾性変形するものとされている。
【0048】
従って、図示二点鎖線に示すように、可撓性部材26は、隣接する本体構成体10Aの回動に伴って、本体構成体10Aと当接することにより弾性変形する。そのため、上述したルアー100は、本体構成体10Aを自然に回動させることができる。これにより、上述したルアー100は、より自然に魚に似た動きを演出できる。また、上述したルアー100によれば、集魚効果及び釣魚効果の向上が期待できる。
【0049】
以上が、第一変形例に係るルアー100の構成及び作用効果であり、次に第二変形例に係るルアー200について以下に説明する。
【0050】
≪第二変形例≫
図9及び
図10に示すように、第二変形例に係るルアー200は、調整部材20が、本体構成体10Bの表面側からの位置変更操作を可能にする操作部16を有している。第二変形例では、操作部16が本体構成体10Bの表面から突出形成されている。そのため、上述したルアー200は、調整部材20を本体構成体10Bの表面側から操作することができる。これにより、上述したルアー200は、調整部材20を脱着することなく、容易に調整部材20の位置変更操作を行うことができる。そのため、上述したルアー200は、釣り場環境に応じて、容易に遊泳状態を変更することができる。また、上述したルアー200によれば、集魚効果及び釣魚効果の向上が期待できる。
【0051】
また、
図10に示すように、第二変形例に係るルアー200は、左右対称となるように一対の調整部材20,20を有している。そのため、ルアー200は、調整部材20,20をそれぞれ独立して位置変更することができる。すなわち、ルアー200は、本体構成体10Aの回動範囲を左右で独立して制限することができる。これにより、ルアー200は、例えば、本体構成体10Aの回動を左右非対称なものとすることができる。かかる構成とすることにより、上述したルアー200は、例えば、弱った魚や逃げ回る魚などのような、より一層釣魚効果の高い演出を行うことができる。
【0052】
以上が、第二変形例に係るルアー200の構成及び作用効果であり、次に第三変形例に係るルアー300について以下に説明する。
【0053】
≪第三変形例≫
図11に示すように、第三変形例に係るルアー300は、操作部16が穴として形成されている。ルアー300は、操作部16としての穴にピン等を引っ掛けて、調整部材20を所定方向(前後方向)に移動させるものとされている。それ以外の構成や作用効果は、上述した第二変形例と同様であるので説明を省略する。
【0054】
以上が、本発明のルアー1,100,200,300の構成及び作用効果であるが、本発明のルアー1,100,200,300は、上述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形を行うことができる。
【0055】
本実施形態では、ルアー本体2(本体部2)が、3つの本体構成体10A,10B,10Cに分割されている場合を例示したが、ルアー本体2は、2つ以上の本体構成体10で形成されていればよい。
【0056】
また、本実施形態では、本体構成体10Aの水平方向(左右方向)の回動範囲を変更する場合を例示したが、本体構成体10Aの回動方向は、水平方向のものに限定されず、例えば上下方向や斜め方向に回動するものとしてもよい。かかる場合は、回動方向に合わせて、調整部材20の移動方向を変更すればよい。
【0057】
また、本実施形態では、本体構成体10Bに調整部材20が設けられているものを例示したが、調整部材20は、本体構成体10における回動範囲の変更が可能な各所に配することができる。例えば、本体構成体10B及び本体構成体10Cの回動範囲を変更したい場合は、本体構成体10B及び本体構成体10Cのいずれか一方又は双方に調整部材20を設ければよい。また、調整部材20は、単数のものだけではなく、複数設けられていてもよく、例えば、本体構成体10A及び本体構成体10Bの双方に設けられていてもよい。
【0058】
また、本体構成体10の回動範囲は、各種の範囲に設定することができ、調整部材20によって変更可能な本体構成体10の回動範囲も各種の範囲に設定することができる。また、調整部材20を保持する保持部14は、係合溝14Aによるものだけではなく、各種の形態のものを利用することができる。また、係合溝14Aを採用する場合において、係合溝14Aには、各種の溝数(段数)のものが利用できる。
【0059】
また、本実施形態では、調整部材20が突出部21や支持部22等に分割形成されているが、調整部材20は、分割形成されているものだけではなく、一体的に形成されていてもよい。また、調整部材20,20は、左右対称に移動するものや左右非対称に移動するものなど各種の形態のものが利用できる。また、調整部材20,20は、左右対称のものだけではなく、左右非対称に形成されていてもよい。
【0060】
また、第一変形例では、調整部材20に可撓性部材26が設けられているが、可撓性部材26は、使用する釣り場環境に応じて、適宜、設ければよい。また、可撓性部材26の素材は、ゴムだけではなく、各種の素材のものを利用できる。また、可撓性部材26は、例えば、弾性を有するバネ等で形成されていてもよい。
【0061】
また、第二変形例及び第三変形例では、調整部材20が操作部16を有するものとしたが、操作部16は、必要に応じて設ければよく、調整部材20が操作部16を有しない構成とすることも可能である。また、操作部16を設ける場合において、操作部16の形態は、突出や穴によるものだけではなく、各種の形態のものを採用できる。
【0062】
また、本実施形態では、小魚の形状を模したルアー本体2を例示したが、ルアー本体2は、各種の形状・大きさ・色彩・模様のものを利用できる。例えば、ルアー本体2は、ネズミやカエルなどの小動物を模したものでもよい。
【0063】
以上が、本発明に係るルアーの各種の実施形態や変形例であるが、本発明は上述した実施形態や変形例において例示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示及び精神から他の実施形態があり得ることは当業者に容易に理解できよう。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明のルアーは、レジャーや漁業などの各種の釣りに利用することができる。また、本発明のルアーは、魚や小動物等を捕食する各種の生物を対象とした釣りに利用することができる。
【符号の説明】
【0065】
1 :ルアー
2 :ルアー本体(本体部)
10 :本体構成体
10A:本体構成体(頭部)
10B:本体構成体(胴体部)
10C:本体構成体(尻部)
14 :保持部
14A:係合溝(ラッチ溝)
16 :操作部
20 :調整部材
21 :突出部
22 :支持部
26 :可撓性部材
100:ルアー
200:ルアー
300:ルアー
【要約】
【課題】ルアー本体を構成する複数の部片(本体構成体)の回動範囲を容易に変更することが可能なルアーを提供すると共に、集魚効果や釣魚効果の向上が可能なルアーを提供する。
【解決手段】ルアー1は、所定方向に並ぶように設けられた複数の本体構成体10を含み、隣接する本体構成体10A,10Bを互いに回動可能に連結した本体部2と、互いに隣接する本体構成体10A,10Bの回動範囲を調整する調整部材20とを有する。ルアー1は、調整部材20が、本体構成体10Bに対する位置を所定方向に沿って変更可能なものであり、調整部材20の位置を変更することにより、本体構成体10の回動範囲を変更可能であることを特徴とする。ルアー1は、本体構成体10が最大限回動可能な範囲内への調整部材20の侵入具合を変化させることにより、本体構成体10の回動範囲を変更できる。
【選択図】
図6