(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-07
(45)【発行日】2022-07-15
(54)【発明の名称】作業車管理システム
(51)【国際特許分類】
A01D 41/127 20060101AFI20220708BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20220708BHJP
【FI】
A01D41/127
G08G1/00 D
G08G1/00 X
(21)【出願番号】P 2018013904
(22)【出願日】2018-01-30
【審査請求日】2020-06-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】安田 和男
(72)【発明者】
【氏名】小田 佑樹
【審査官】小島 洋志
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-005941(JP,A)
【文献】特開2017-068533(JP,A)
【文献】特開2017-174335(JP,A)
【文献】特開2014-067309(JP,A)
【文献】国際公開第2015/119266(WO,A1)
【文献】特開平07-203748(JP,A)
【文献】特開2017-055673(JP,A)
【文献】特開2015-112071(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 41/127
G08G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一圃場においてタイミングをずらして作業を行う複数の作業車を管理する作業車管理システムであって、
前記作業のうち先行して行われる先行作業を行う先行車が行った作業の情報である作業情報を生成する作業情報生成部と、
前記作業情報生成部によって生成された前記作業情報を取得する作業情報取得部と、
前記作業のうち前記先行作業よりも後に行われる前記作業であって、圃場における前記先行車による前記先行作業の全てが完了した後に当該圃場において行われる前記作業である後行作業を行う後行車が行うべき作業の指令である作業指令を、前記作業情報取得部により取得された前記作業情報に基づいて生成し、前記後行車に指令する作業指令部と、が備えられて
おり、
前記先行車及び前記後行車として、収穫機を管理し、
前記作業情報生成部によって生成される前記作業情報は、前記先行車による周囲刈りにおける前記先行車の経時的な位置情報を含んでいる作業車管理システム。
【請求項2】
前記先行車に、前記作業情報生成部によって生成された前記作業情報を前記作業情報取得部へ出力する作業情報出力部が備えられ、
前記後行車に、前記作業指令部によって指令された前記作業指令を取得する作業指令取得部が備えられている請求項1に記載の作業車管理システム。
【請求項3】
前記先行車として、前記後行車と同一機種であると共に前記後行車よりも小型の作業車を管理する請求項1または2に記載の作業車管理システム。
【請求項4】
前記先行車として、自脱型コンバイン及び普通型コンバインの何れか一方を管理し、
前記後行車として、前記自脱型コンバイン及び前記普通型コンバインの何れか他方を管理する請求項
1から3の何れか一項に記載の作業車管理システム。
【請求項5】
前記先行車として、手動走行機を管理し、
前記後行車として、自動走行機を管理する請求項1から
4の何れか一項に記載の作業車管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の作業車を管理する作業車管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような作業車管理システムとして、例えば、特許文献1に記載のものが既に知られている。この作業車管理システムにおいては、複数の作業車(特許文献1では「コンバイン」)から、各種の情報が農作管理コンピュータシステムに送られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、同一圃場においてタイミングをずらして作業を行う複数の作業車を管理することについては記載されていない。
【0005】
本発明の目的は、作業車が効率的に作業を行うことのできる作業車管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の特徴は、
同一圃場においてタイミングをずらして作業を行う複数の作業車を管理する作業車管理システムであって、
前記作業のうち先行して行われる先行作業を行う先行車が行った作業の情報である作業情報を生成する作業情報生成部と、
前記作業情報生成部によって生成された前記作業情報を取得する作業情報取得部と、
前記作業のうち前記先行作業よりも後に行われる前記作業であって、圃場における前記先行車による前記先行作業の全てが完了した後に当該圃場において行われる前記作業である後行作業を行う後行車が行うべき作業の指令である作業指令を、前記作業情報取得部により取得された前記作業情報に基づいて生成し、前記後行車に指令する作業指令部と、が備えられており、
前記先行車及び前記後行車として、収穫機を管理し、
前記作業情報生成部によって生成される前記作業情報は、前記先行車による周囲刈りにおける前記先行車の経時的な位置情報を含んでいることにある。
【0007】
本発明であれば、先行車により行われた先行作業に基づいて、作業情報が生成される。そして、後行車は、生成された作業情報に基づいて、後行作業を行うことができる。
【0008】
従って、後行車は、先行車により行われた先行作業の情報を有効利用して、後行作業を行うことができる。これにより、後行車の作業が効率的となる。即ち、本発明であれば、作業車が効率的に作業を行うことができる。
さらに、本発明であれば、後行車は、先行車による周囲刈りにおける先行車の経時的な位置情報に基づいて、周囲刈りされた領域の内側に未刈のまま残された領域における収穫作業を効率的に行うことができる。
【0009】
さらに、本発明において、
前記先行車に、前記作業情報生成部によって生成された前記作業情報を前記作業情報取得部へ出力する作業情報出力部が備えられ、
前記後行車に、前記作業指令部によって指令された前記作業指令を取得する作業指令取得部が備えられていると好適である。
【0010】
この構成によれば、先行車と後行車との間で、作業情報及び作業指令を通信によって送受信できる。これにより、汎用性の高い作業車管理システムを構築することが可能となる。
【0011】
さらに、本発明において、
前記先行車として、前記後行車と同一機種であると共に前記後行車よりも小型の作業車を管理すると好適である。
【0012】
先行車が後行車よりも大型である場合、大型の作業車により行われた先行作業に基づいて、作業情報が生成される。そして、小型の作業車は、生成された作業情報に基づいて、後行作業を行う。
【0013】
即ち、この場合は、小型の作業車の作業が効率的となる。
【0014】
これに対し、上記の構成によれば、小型の作業車により行われた先行作業に基づいて、作業情報が生成される。そして、大型の作業車は、生成された作業情報に基づいて、後行作業を行うことができる。
【0015】
従って、大型の作業車は、小型の作業車により行われた先行作業の情報を有効利用して、後行作業を行うことができる。これにより、大型の作業車の作業が効率的となる。
【0016】
ここで、小型の作業車の作業が効率的となる場合と、大型の作業車の作業が効率的となる場合と、を比べると、大型の作業車の作業が効率的となる場合の方が、作業全体の効率が向上しやすい。
【0017】
即ち、上記の構成によれば、先行車が後行車よりも大型である場合に比べて、作業全体の効率が向上しやすい。
【0018】
尚、同一機種とは、作業車としての種類が同一であることを意味する。例えば、先行車が自脱型コンバインであり、後行車が普通型コンバインである場合、先行車及び後行車は何れもコンバインであるため、同一機種である。
【0019】
【0020】
【0021】
さらに、本発明において、
前記先行車として、自脱型コンバイン及び普通型コンバインの何れか一方を管理し、
前記後行車として、前記自脱型コンバイン及び前記普通型コンバインの何れか他方を管理すると好適である。
【0022】
一般に、自脱型コンバインは、普通型コンバインに比べて収穫ロスが少ない。また、普通型コンバインは、条植えの圃場において、条による制限を受けることなく走行経路を決めることができる。
【0023】
ここで、上記の構成によれば、自脱型コンバインと普通型コンバインとのそれぞれの長所を組み合わせて、効率的な作業を行いやすい。
【0024】
さらに、本発明において、
前記先行車として、手動走行機を管理し、
前記後行車として、自動走行機を管理すると好適である。
【0025】
この構成によれば、手動走行機により行われた先行作業に基づいて、作業情報が生成される。そして、自動走行機は、作業情報に基づいて生成された作業指令に応じて、効率的に後行作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】作業車管理システムに関する構成を示すブロック図である。
【
図2】第1コンバインによる周囲刈りを示す図である。
【
図4】第2コンバインが収穫走行経路に沿った収穫走行を行う様子を示す図である。
【
図5】複数の圃場で行われる収穫作業を示す図である。
【
図6】複数の圃場で行われる収穫作業を示す図である。
【
図7】複数の圃場で行われる収穫作業を示す図である。
【
図8】複数の圃場で行われる収穫作業を示す図である。
【
図9】第1別実施形態における作業車管理システムに関する構成を示すブロック図である。
【
図10】第1別実施形態における作業車管理システムに関する構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
〔作業車管理システムの構成〕
図1に示すように、作業車管理システムAは、作業情報生成部12、作業情報出力部13、作業情報取得部31、作業指令部32、作業指令取得部23を備えている。そして、作業車管理システムAは、第1コンバイン1(本発明に係る「作業車」及び「収穫機」に相当)及び第2コンバイン2(本発明に係る「作業車」及び「収穫機」に相当)を管理する。
【0028】
第1コンバイン1及び第2コンバイン2は、同一圃場においてタイミングをずらして収穫作業を行う。第1コンバイン1は先行車であり、収穫作業のうち先行して行われる先行作業を行う。また、第2コンバイン2は後行車であり、収穫作業のうち先行作業よりも後に行われる後行作業を行う。
【0029】
ここで、第1コンバイン1及び第2コンバイン2による収穫作業の一例として、第1コンバイン1及び第2コンバイン2が、
図2から
図4に示す圃場Gにおいて収穫作業を行う場合について説明する。
【0030】
まず、
図2に示すように、第1コンバイン1が先行車として、周囲刈りを行う。そして、第1コンバイン1による周囲刈りが完了すると、圃場Gは、
図3に示す状態となる。即ち、圃場Gのうち、第1コンバイン1が周囲刈りを行った部分は既刈領域となる。そして、この既刈領域の内側の領域は、未刈のまま残されている。
【0031】
尚、
図3では、この既刈領域を外周領域SAとして示している。また、外周領域SAの内側に未刈のまま残された領域を、作業対象領域CAとして示している。
【0032】
そして、
図4に示すように、第2コンバイン2が後行車として、作業対象領域CAにおける収穫作業を行う。そして、作業対象領域CAにおける収穫作業が完了すると、圃場Gの全体が収穫済みとなる。
【0033】
尚、第1コンバイン1により行われる周囲刈りは、本発明に係る「先行作業」に相当する。また、第2コンバイン2により行われる作業対象領域CAにおける収穫作業は、本発明に係る「後行作業」に相当する。
【0034】
また、本実施形態においては、第1コンバイン1は第2コンバイン2よりも小型である。また、第1コンバイン1は自脱型コンバインであり、第2コンバイン2は普通型コンバインである。
【0035】
また、第1コンバイン1は作業者によって手動操作される。即ち、第1コンバイン1は手動走行機である。また、第2コンバイン2による収穫走行は、自動的に制御される。即ち、第2コンバイン2は自動走行機である。
【0036】
このように、作業車管理システムAは、先行車として、後行車と同一機種であると共に後行車よりも小型の作業車を管理する。また、作業車管理システムAは、先行車及び後行車として、収穫機を管理する。また、作業車管理システムAは、先行車として、自脱型コンバインを管理し、後行車として、普通型コンバインを管理する。また、作業車管理システムAは、先行車として、手動走行機を管理し、後行車として、自動走行機を管理する。
【0037】
図1に示すように、作業車管理システムAにおける作業情報生成部12及び作業情報出力部13は、第1コンバイン1に備えられている。また、第1コンバイン1は、第1自車位置算出部11を備えている。
【0038】
また、作業車管理システムAにおける作業指令取得部23は、第2コンバイン2に備えられている。また、第2コンバイン2は、第2自車位置算出部21及び走行制御部22を備えている。
【0039】
また、作業車管理システムAにおける作業情報取得部31及び作業指令部32は、管理サーバ3に備えられている。
【0040】
第1自車位置算出部11は、第1コンバイン1の位置座標を経時的に算出する。算出された第1コンバイン1の位置座標は、作業情報生成部12へ送られる。
【0041】
作業情報生成部12は、第1自車位置算出部11から受け取った位置座標に基づいて、作業情報を生成する。作業情報とは、先行車が行った作業の情報である。作業情報生成部12によって生成される作業情報は、第1コンバイン1による周囲刈りにおける第1コンバイン1の経時的な位置情報を含んでいる。
【0042】
尚、作業情報生成部12によって生成される作業情報は、周囲刈りにおいて第1コンバイン1により収穫された穀粒の収量及び食味の情報を含んでいても良いし、周囲刈りにおける第1コンバイン1の平均車速や、燃料消費量等の情報を含んでいても良い。
【0043】
このように、作業車管理システムAは、作業のうち先行して行われる先行作業を行う先行車が行った作業の情報である作業情報を生成する作業情報生成部12を備えている。
【0044】
作業情報生成部12により生成された作業情報は、作業情報出力部13へ送られる。作業情報出力部13は、作業情報生成部12から受け取った作業情報を、作業情報取得部31へ出力する。そして、作業情報取得部31は、作業情報出力部13から取得した作業情報を、作業指令部32へ送る。
【0045】
このように、先行車に、作業情報生成部12によって生成された作業情報を作業情報取得部31へ出力する作業情報出力部13が備えられている。また、作業車管理システムAは、作業情報生成部12によって生成された作業情報を取得する作業情報取得部31を備えている。
【0046】
作業指令部32は、作業情報取得部31から受け取った作業情報に基づいて、作業指令を生成し、第2コンバイン2に指令する。尚、作業指令とは、後行車が行うべき作業の指令である。
【0047】
より具体的には、作業指令部32は、作業情報取得部31から受け取った作業情報に基づいて、外周領域SA及び作業対象領域CAを算出する。例えば、
図2から
図4に示す圃場Gにおける収穫作業では、作業指令部32は、第1コンバイン1が周囲刈りを行った圃場Gの外周側の領域を外周領域SAとして算出する。そして、作業指令部32は、算出された外周領域SAの内側を、作業対象領域CAとして算出する。
【0048】
そして、作業指令部32は、作業対象領域CAにおける収穫走行のための走行経路である収穫走行経路LIを算出する。尚、
図3及び
図4に示すように、本実施形態においては、収穫走行経路LIは、互いに平行な複数の平行線である。
【0049】
作業指令部32により生成される作業指令は、このように算出された収穫走行経路LIを含んでいる。そして、
図1に示すように、作業指令部32によって指令された作業指令は、作業指令取得部23により取得される。
【0050】
このように、作業車管理システムAは、作業情報取得部31により取得された作業情報に基づいて、作業のうち先行作業よりも後に行われる後行作業を行う後行車が行うべき作業の指令である作業指令を生成し、後行車に指令する作業指令部32を備えている。また、後行車に、作業指令部32によって指令された作業指令を取得する作業指令取得部23が備えられている。
【0051】
作業指令取得部23は、作業指令部32から取得した作業指令を、走行制御部22へ送る。
【0052】
また、第2自車位置算出部21は、第2コンバイン2の位置座標を経時的に算出する。算出された第2コンバイン2の位置座標は、走行制御部22へ送られる。
【0053】
走行制御部22は、第2自車位置算出部21から受け取った第2コンバイン2の位置座標と、作業指令取得部23から受け取った作業指令と、に基づいて、第2コンバイン2の自動走行を制御する。より具体的には、走行制御部22は、
図4に示すように、収穫走行経路LIに沿った自動走行によって収穫走行が行われるように、第2コンバイン2の走行を制御する。
【0054】
〔複数の圃場における作業について〕
以下では、作業車管理システムAを利用した収穫作業の例として、第1コンバイン1及び第2コンバイン2が、
図5から
図8に示す第1圃場H1、第2圃場H2、第3圃場H3で収穫作業を行う場合の流れについて説明する。
【0055】
最初に、作業者は、第1コンバイン1を手動で操作し、
図5に示すように、第1圃場H1で周囲刈りを行う。本実施形態においては、
図5に示すように、3周の周囲刈りが行われる。
【0056】
第1圃場H1での周囲刈りが完了すると、
図6に示すように、作業指令部32により、第1圃場H1の作業対象領域CAにおける収穫走行経路LIが算出される。そして、第2コンバイン2が、収穫走行経路LIに沿った自動走行を開始する。
【0057】
また、
図6に示すように、作業者は、第1コンバイン1を手動で操作し、第2圃場H2へ移動する。そして、第2圃場H2における周囲刈りを開始する。
【0058】
尚、
図6に示すように、第1圃場H1における第2コンバイン2による収穫作業が完了する前に、第2圃場H2における周囲刈りを開始することができる。即ち、第1コンバイン1は、第2コンバイン2の収穫作業の完了を待たずに、次々と別圃場での周囲刈りを行うことができる。
【0059】
図7に示すように、第2圃場H2における周囲刈りが完了すると、
図8に示すように、作業指令部32により、第2圃場H2の作業対象領域CAにおける収穫走行経路LIが算出される。そして、作業者は、第1コンバイン1を手動で操作し、第3圃場H3へ移動する。そして、
図8に示すように、第3圃場H3における周囲刈りを開始する。
【0060】
また、
図7に示すように、この例においては、第2圃場H2における周囲刈りが完了した時点で、第1圃場H1における第2コンバイン2による収穫作業は完了していない。
【0061】
図8に示すように、第1圃場H1における第2コンバイン2による収穫作業が完了すると、第1圃場H1の全体が収穫済みとなる。これに伴い、第2コンバイン2は第2圃場H2へ移動する。そして、第2コンバイン2は、第2圃場H2において、収穫走行経路LIに沿った自動走行を開始する。
【0062】
その後、図示は省略するが、第2圃場H2における第2コンバイン2による収穫作業が完了すると、第2圃場H2の全体が収穫済みとなる。また、第3圃場H3において、第1コンバイン1による周囲刈りと、第2コンバイン2による収穫作業と、が完了すると、第3圃場H3の全体が収穫済みとなる。
【0063】
以上で説明した構成であれば、先行車により行われた先行作業に基づいて、作業情報が生成される。そして、後行車は、生成された作業情報に基づいて、後行作業を行うことができる。
【0064】
従って、後行車は、先行車により行われた先行作業の情報を有効利用して、後行作業を行うことができる。これにより、後行車の作業が効率的となる。即ち、以上で説明した構成であれば、作業車が効率的に作業を行うことができる。
【0065】
また、一般に、圃場の外周部分は複雑な形状であることが多い。ここで、以上で説明した構成であれば、先行車として手動走行機が管理される。そのため、圃場の外周部分の形状に沿った走行を行いやすい。
【0066】
また、周囲刈りが完了した後、未刈のまま残された中央側の領域の周囲には、旋回のためのスペースが確保される。そのため、中央側の領域における収穫作業は、自動走行機であっても適切に行いやすい。ここで、以上で説明した構成であれば、後行車として自動走行機が管理される。従って、中央側の領域における収穫作業を、労力をかけずに行うことができる。
【0067】
また、以上で説明した構成であれば、先行車として小型の第1コンバイン1が管理される。小型の第1コンバイン1は、大型の第2コンバイン2に比べて小回りが利くため、圃場の外周部分の形状に沿った走行を行いやすい。
【0068】
また、周囲刈りが完了した後、未刈のまま残された中央側の領域の周囲には、旋回のためのスペースが確保される。そのため、中央側の領域における収穫作業は、大型の第2コンバイン2であっても適切に行いやすい。ここで、以上で説明した構成であれば、後行車として第2コンバイン2が管理される。従って、中央側の領域における収穫作業を、大型の第2コンバイン2によって効率良く行うことができる。
【0069】
〔第1別実施形態〕
上記実施形態においては、
図1に示すように、作業情報取得部31は管理サーバ3に備えられている。しかしながら、本発明はこれに限定されない。作業情報取得部31は、管理サーバ3以外の要素に備えられていても良い。
【0070】
以下では、本発明に係る第1別実施形態について、上記実施形態とは異なる点を中心に説明する。以下で説明している部分以外の構成は、上記実施形態と同様である。また、上記実施形態と同様の構成については、同じ符号を付している。
【0071】
図9及び
図10は、本発明に係る第1別実施形態における作業車管理システムAに関する構成を示す図である。この第1別実施形態において、作業情報取得部31は、端末Tに備えられている。端末Tは、第1コンバイン1及び第2コンバイン2に着脱可能に構成されている。
【0072】
また、この第1別実施形態においては、作業情報出力部13、作業指令取得部23は設けられていない。そして、作業指令部32は、第2コンバイン2に備えられている。
【0073】
図9に示すように、端末Tが第1コンバイン1に装着されている状態では、作業情報生成部12により生成された作業情報は、端末Tにおける作業情報取得部31によって取得される。
【0074】
そして、端末Tにおける作業情報取得部31が作業情報を取得した後、
図10に示すように、作業者が端末Tを第1コンバイン1から取り外し、第2コンバイン2に装着すると、作業情報が、作業情報取得部31から第2コンバイン2における作業指令部32へ送られる。
【0075】
作業指令部32は、作業情報取得部31から受け取った作業情報に基づいて、作業指令を生成する。生成された作業指令は、作業指令部32から走行制御部22へ送られる。
【0076】
尚、以上に記載した各実施形態は一例に過ぎないのであり、本発明はこれに限定されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0077】
〔その他の実施形態〕
(1)上記実施形態においては、作業指令部32により算出される収穫走行経路LIは、互いに平行な複数の平行線であるが、本発明はこれに限定されず、作業指令部32により算出される収穫走行経路LIは、互いに平行な複数の平行線でなくても良い。例えば、作業指令部32により算出される収穫走行経路LIは、渦巻き状の走行経路であっても良い。
【0078】
(2)作業車管理システムAは、先行車として自動走行機を管理しても良い。
【0079】
(3)作業車管理システムAは、後行車として手動走行機を管理しても良い。
【0080】
(4)作業車管理システムAは、先行車として普通型コンバインを管理しても良い。
【0081】
(5)作業車管理システムAは、後行車として自脱型コンバインを管理しても良い。
【0082】
(6)先行車によって周囲刈りが行われなくても良い。即ち、作業情報には、先行車による周囲刈りにおける先行車の経時的な位置情報が含まれていなくても良い。
【0083】
(7)先行車と後行車とは、異なる機種であっても良い。例えば、先行車が田植機であり、後行車がコンバインであっても良い。また、先行車がトラクタであり、後行車が田植機であっても良い。
【0084】
(8)先行車は、後行車と同等の大きさを有していても良いし、後行車よりも大型の作業車であっても良い。
【0085】
(9)先行作業は、複数の作業車によって行われても良い。即ち、作業車管理システムAは、複数の先行車を管理しても良い。
【0086】
(10)後行作業は、複数の作業車によって行われても良い。即ち、作業車管理システムAは、複数の後行車を管理しても良い。
【0087】
(11)作業情報生成部12は、第1コンバイン1以外の要素に備えられていても良い。例えば、作業情報生成部12は、第2コンバイン2に備えられていても良いし、管理サーバ3に備えられていても良い。
【0088】
(12)作業情報取得部31は、管理サーバ3以外の要素に備えられていても良い。例えば、作業情報取得部31は、第1コンバイン1に備えられていても良いし、第2コンバイン2に備えられていても良い。
【0089】
(13)作業指令部32は、管理サーバ3以外の要素に備えられていても良い。例えば、作業指令部32は、第1コンバイン1に備えられていても良いし、第2コンバイン2に備えられていても良い。
【0090】
(14)作業情報取得部31及び作業指令部32が第2コンバイン2に備えられていても良い。即ち、管理サーバ3を介することなく、第1コンバイン1と第2コンバイン2との間での直接的な通信によって、作業情報が送受信されても良い。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、コンバインだけではなく、トウモロコシ収穫機、田植機、トラクタ等にも利用可能である。
【符号の説明】
【0092】
1 第1コンバイン(先行車)
2 第2コンバイン(後行車)
12 作業情報生成部
13 作業情報出力部
23 作業指令取得部
31 作業情報取得部
32 作業指令部
A 作業車管理システム