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特許7105012赤色OLED応用のための増加した放出量子収率を有する白金(II)シッフ塩基錯体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-13
(45)【発行日】2022-07-22
(54)【発明の名称】赤色OLED応用のための増加した放出量子収率を有する白金(II)シッフ塩基錯体
(51)【国際特許分類】
   H01L 51/50 20060101AFI20220714BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20220714BHJP
   C09K 11/06 20060101ALI20220714BHJP
   C07D 209/82 20060101ALI20220714BHJP
   C07D 241/20 20060101ALI20220714BHJP
   C07D 265/38 20060101ALI20220714BHJP
   C07D 279/24 20060101ALI20220714BHJP
   C07D 241/48 20060101ALI20220714BHJP
   C07C 251/24 20060101ALN20220714BHJP
   C07F 15/00 20060101ALN20220714BHJP
【FI】
H05B33/14 B
H05B33/10
C09K11/06 660
C07D209/82
C07D241/20
C07D265/38
C07D279/24
C07D241/48
C07C251/24
C07F15/00 F
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021523209
(86)(22)【出願日】2019-10-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-03
(86)【国際出願番号】 CN2019114666
(87)【国際公開番号】W WO2020088582
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-06-10
(31)【優先権主張番号】62/753,448
(32)【優先日】2018-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518032281
【氏名又は名称】四川知本快車創新科技研究院有限公司
【氏名又は名称原語表記】SICHUAN KNOWLEDGE EXPRESS INSTITUTE FOR INNOVATIVE TECHNOLOGIES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.3, Tengfei Road Shigao Renshou, Tianfuxinqu Meishan, Sichuan China
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】特許業務法人エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シェ チミン
(72)【発明者】
【氏名】クウォン チュンラム
(72)【発明者】
【氏名】ラム ツィーラン
【審査官】辻本 寛司
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108569995(CN,A)
【文献】特開2012-234956(JP,A)
【文献】特開2010-135689(JP,A)
【文献】BORISOV, Sergey M. et al.,New red-emitting Schiff base chelates: promising dyes for sensing and imaging of temperature and oxygen via phosphorescence decay time,Journal of Materials Chemistry C,2018年08月02日,Vol.6,pp.8999-9009
【文献】ZHANG, Jie et al.,Efficient and tunable phosphorescence of new platinum(II) complexes based on the donor-π-acceptor Schiff bases,Journal of Photochemistry and Photobiology, A: Chemistry,2015年10月14日,Vol.316,pp.12-18
【文献】ZHANG, Youming et al.,Achieving NIR emission for tetradentate platinum(II) salophen complexes by attaching dual donor-accepter frameworks in the heads of salophen,Dyes and Pigments,2016年11月21日,Vol.138,pp.100-106
【文献】CHE, Chi-Ming et al.,Photophysical Properties and OLED Applications of Phosphorescent Platinum(II) Schiff Base Complexes,Chemistry - A European Journal,2009年12月10日,Vol.16,pp.233-247
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 51/50
H05B 33/10
C09K 11/06
C07D 209/82
C07D 241/20
C07D 265/38
C07D 279/24
C07D 241/48
C07C 251/24
C07F 15/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式Iで表される化学構造を有するOLEDエミッタ。
【化1】
(式I中、Ptは四座配位子に錯体を形成したIIの酸化状態にある。X1~X4はそれぞれ独立して、炭素原子、窒素原子、ケイ素原子またはリン原子であり、R1~R12はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、非置換アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、非置換アリール基、置換アリール基、アシル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、ニトロ基、アシルアミノ基、アラルキル基、シアノ基、カルボキシル基、チオ基、スチリル基、アミノカルボニル基、カルバモイル基、アリールオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基またはアルコキシカルボニル基であり、Eは、配位子のフェニル基に共役した芳香族基を含む発光増強基であり、隣接するR1~R12及びE基は独立して5~8員環に結合され、R 1 、R 2 、R 11 及びR 12 は、アミノまたは、置換窒素複素環式芳香族の一部ではない。)
【請求項2】
E基は
【化2】
(式中、R13~R17はそれぞれ独立して、非置換アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、非置換アリール基、置換アリール基、アルコキシ基又はアミノ基であり、随意に隣接するR13~R17は独立して5~8員環に結合される)である、請求項1に記載のOLEDエミッタ。
【請求項3】
E基は
【化3】
(式中、R18及びR31はそれぞれ独立して、水素原子、メチル基、イソプロピル基又はフェニル基であり、R19~R30はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、非置換アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、非置換アリール基、置換アリール基、アシル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、ニトロ基、アシルアミノ基、アラルキル基、シアノ基、カルボキシル基、チオ基、スチリル基、アミノカルボニル基、カルバモイル基、アリールオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基又はアルコキシカルボニル基であり、随意に隣接するR18~R30は独立して5~8員環に結合される)である、請求項1に記載のOLEDエミッタ。
【請求項4】
1~R12は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数1~10の非置換アルキル基、炭素数1~20の置換アルキル基、炭素数4~20のシクロアルキル基、炭素数6~20の非置換アリール基、炭素数6~20個の置換アリール基、炭素数1~20のアシル基、炭素数1~20のアルコキシ基、炭素数1~20のアシルオキシ基、アミノ基、ニトロ基、炭素数1~20のアシルアミノ基、炭素数7~20のアラルキル基、シアノ基、炭素数1~20のカルボキシル基、チオール基、スチリル基、炭素数1~20のアミノカルボニル基、炭素数1~20のカルバモイル基、炭素数7~20のアリールオキシカルボニル基、炭素数1~20のフェノキシカルボニル基又は炭素数1~20のアルコキシカルボニル基である、請求項1~3のいずれか一項に記載のOLEDエミッタ。
【請求項5】
前記エミッタは下記構造式で少なくとも一つを有する、請求項1に記載のOLEDエミッタ。
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【請求項6】
少なくとも一つの発光層を備え、前記発光層の少なくとも1つは、請求項1~のいずれか一項に記載の少なくとも一つのOLEDエミッタを含むことを特徴とする、発光デバイス。
【請求項7】
前記デバイスは有機発光ダイオードであることを特徴とする、請求項に記載の発光デバイス。
【請求項8】
前記デバイスは多数の発光層を含むことを特徴とする、請求項又は請求項に記載の発光デバイス。
【請求項9】
透明な基板を提供すること、
透明電極を提供すること、
請求項1~のいずれか一項に記載のエミッタを含む発光層を沈着させること、及び
対電極を前記透明電極に沈着させることを含む、
発光デバイスの製造方法。
【請求項10】
溶液から発光層を沈着させることを特徴とする、請求項に記載の発光デバイスの製造方法。
【請求項11】
蒸着により発光層を沈着させることを特徴とする、請求項に記載の発光デバイスの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は白金(II)に基づく赤色エミッタとOLED応用へのその活用に関する。
【背景技術】
【0002】
白金に基づく有機発光ダイオード(OLED)エミッタは、従来のイリジウムエミッタに代わる潜在的なものであり、高いリン光量子収率と可視スペクトル全体にわたる発光色を備えると多数報告されている。それらの商業的導入を実現するために、白金OLEDエミッタの化学的安定性と製造コストに対処する必要がある。四座白金(II)-シッフ塩基錯体は、向上した安定性と合成が容易なため、これらの試みで好ましいものである。白金(II)-シッフ塩基錯体の構造は変えやすく、高いスペクトル純度を有する赤色スペクトル領域において発光することができることは、赤色OLED応用に有利である。例えば、Che et al., Chem. Eur. J., 2010, 16, 233; Opt. Lett., 2013, 38, 2373; Chem. Asian. J., 2014, 9, 984は、17.36cd/Aに至るまでの最大電流効率(CE)を示す単一ドープのほぼ純粋な赤色OLED素子(CIEx,y:0.61-0.65, 0.34-0.38)を製造するためのいくつかの白金(II)-シッフ塩基錯体を開示する。Wong et al., J. Mater. Chem., 2012, 22, 16448は、最大CE(1.3cd/A)を有する白金(II)-シッフ塩基錯体(CIEx,y:0.68, 0.32)に基づく赤色素子を開示する。ただし、蛍光量子収率は、素子の効率及び開示したすべての赤色発光の白金(II)-シッフ塩基錯体と強く相関するパラメータとして0.3を超えることはない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、白金(II)-シッフ塩基錯体のより効率的な赤色OLEDを実現するために、異なる分子設計を必要として蛍光量子収率を向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施例では、高い蛍光量子収率を示す赤色発光白金(II)-シッフ塩基錯体は、以下の一般式を有する。
【化1】
【0005】
一般式Iにおいて、Ptは四座配位子に錯体を形成したIIの酸化状態を有する。X1~X4はそれぞれ独立して、炭素原子、窒素原子、ケイ素原子またはリン原子であり、R1~R12はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、非置換アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、非置換アリール基、置換アリール基、アシル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、ニトロ基、アシルアミノ基、アラルキル基、シアノ基、カルボキシル基、チオ基、スチリル基、アミノカルボニル基、カルバモイル基、アリールオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基またはアルコキシカルボニル基であり、Eは、配位子のフェニル基に共役した芳香族基を含む発光増強基であり、隣接するR1~R12及びE基は独立して5~8員環を形成することがあり得る。
【0006】
本発明の一実施例は、一般式Iの白金(II)エミッタを含む赤色OLED素子に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】298KにおいてCH2Cl2中のエミッタ101~103の紫外可視及び蛍光スペクトルを示す図である。
図2】298KにおいてCH2Cl2中のエミッタ104~106の紫外可視及び蛍光スペクトルを示す図である。
図3】298KにおいてCH2Cl2中のエミッタ108~110の紫外可視及び蛍光スペクトルを示す図である。
図4】エミッタ102、108及び109のEQE輝度特性を示す図である。
図5】エミッタ102、108及び109の電界発光スペクトルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明により開示された用語、略語又は他の省略形は、以下に定義されている。定義されていない用語、略語又は省略形は、本出願の提出と同時に当業者に使用された通常の意味を有すると理解される。
【0009】
「アミノ」は、任意に置換され得る一級、二級、または三級アミンを指し、特に複素環員である第二級又は第三級アミン窒素原子を含み、また、特に、例えば、アシル部分によって置換された二級又は三級アミノ基を含む。アミノ基のいくつかの非限定的な例は-NR’R”を含み、ここで、R’及びR”はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、シクロアルキル基、アシル基、ヘテロアルキル基、ヘテロアリール基又はヘテロシリル基である。
【0010】
「アルキル」は、炭素および水素を含み、分岐鎖又は直鎖であり得る完全飽和した非環式の1価基を指す。アルキル基の例は、炭素数1~20、炭素数1~10又は炭素数1~6のアルキル、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、n-ヘプチル、n-ヘキシル、n-オクチル及びn-デシルを含むが、これらに限定されない。
【0011】
「アルキルアミノ」とは、ラジカル-NHR又は-NR2を指し、各Rは独立してアルキル基である。アルキルアミノ基の代表的な例は、メチルアミノ、(1-メチルエチル)アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ及びジ(1-メチル)アミノを含むが、これらに限定されない。
【0012】
「ヒドロキシアルキル」という用語は、1つ以上、好ましくは1つ、2つ又は3つのヒドロキシ基によって置換された本発明により定義された様なアルキルラジカル基を指す。ヒドロキシアルキル基の代表的な例は、ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、3-ヒドロキシプロピル、1-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピル、2-ヒドロキシブチル、3-ヒドロキシブチル、4-ヒドロキシブチル、2,3-ジヒドロキシプロピル、2-ヒドロキシ-1-ヒドロキシメチルエチル、2,3-ジヒドロキシブチル、3,4-ジヒドロキシブチルおよび2-(ヒドロキシメチル)-3-ヒドロキシ-プロピルを含むが、これらに限定されない。好ましくは、2-ヒドロキシエチル、2,3-ジヒドロキシプロピル及び1-(ヒドロキシメチル)-2-ヒドロキシエチルを含む。
【0013】
本発明に採用された「アルコキシ」という用語は、ラジカル-ORを指し、ここで、Rはアルキル基である。 例示的なアルコキシ基は、メトキシ、エトキシ及びプロポキシを含むが、これらに限定されない。
【0014】
「芳香族」または「芳香族基」は、アリール又はヘテロアリールを指す。
【0015】
「アリール」は、任意に置換された炭素環式芳香族基(例えば、炭素原子6~20)を指す。いくつかの実施形態において、アリール基は、フェニル、ビフェニル、ナフチル、置換フェニル、置換ビフェニル又は置換ナフチルを含む。 他の実施形態において、アリール基はフェニル又は置換フェニルである。
【0016】
「ヘテロアリール」は、1つ以上の5員又は6員の芳香環に1つ以上の非炭素原子を有する芳香族基を指す。ヘテロアリール基は、置換または非置換であり得る。ヘテロアリール基のいくつかの非限定的な例は、フラニル、チオフェニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ジオキサゾリル、ジチアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ホスフィニニル、ジアジン、イソインドリル、インドリジニル、キノリニル、イソキノリニル、プリニル、カルバキソリル及びジベンゾフラニルを含み、ここで、ヘテロアリール基の水素の置換により結合ができる。
【0017】
「アラルキル」は、アリール基によって置換されたアルキル基を指す。アラルキルのいくつかの非限定的な例は、ベンジル及びフェネチルを含む。
【0018】
「アシル」は、式-C(=O)H、-C(=O)-アルキル、-C(=O)-アリール、-C(=O)-アラルキル、-C(=O)-アルキルの1価基を指す。
【0019】
「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を指す。
【0020】
「スチリル」は、スチレンに由来する1価基C65-CH=CH-を指す。
【0021】
化合物又は化学部分を説明するために本発明に用いられるような「置換」は、その化合物又は化学部分の少なくとも1つの水素原子が第2の化学部分に置き換えられることを指す。置換基の非限定的な例は、本発明に開示された例示的な化合物及び実施形態に見られるものだけでなく、ハロゲン;アルキル;ヘテロアルキル;アルケニル;アルキニル;アリール;ヘテロアリール;ヒドロキシ;アルコキシル;アミノ;ニトロ;チオール;チオエーテル;イミン;シアノ;アミド;ホスホナト;ホスフィン;カルボキシル;チオカルボニル;スルホニル;スルホンアミド;ケトン;アルデヒド;エステル;オキソ;ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル);単環式又は縮合又は非縮合の多環式(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル)であり得る炭素環式シクロアルキル、或は単環式又は縮合又は非縮合の多環式であり得るヘテロシクロアルキル(例えば、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル又はチアジニル);炭素環式又は複素環式、或は単環式又は縮合又は非縮合の多環式アリール(例えば、フェニル、ナフチル、ピロリル、インドリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、キノリニル、イソキノリニル、アクリジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチオフェニル又はベンゾフラニル);アミノ(一級、二級又は三級);o-低級アルキル;o-アリール、アリール;アリール-低級アルキル;-CO2CH3;-CONH2;-OCH2CONH2;-NH2;-SO2NH2;-OCHF2;-CF3;-OCF3-NH(アルキル);-N(アルキル)2-NH(アリール);-N(アルキル)(アリール);-n(アリール)2;-CHO;-CO(アルキル);-CO(アリール);-CO2(アルキル)及び-CO2(アリール)でもある。そのような部分は、任意に-OCH2O-のような縮合環構造又は架橋環構造によって置換されることもできる。これらの置換基は、任意にそのような基から選択される置換基によってさらに置換されることができる。本発明に開示されているすべての化学基は、特に明記しない限り、置換されることができる。例えば、本発明に記載の「置換された」アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヒドロカルビル又はヘテロシクロの部分は、ヒドロカルビル部分、置換ヒドロカルビル部分、ヘテロ原子又はヘテロシクロによって置換された部分である。さらに、置換基は、炭素原子が窒素、酸素、ケイ素、リン、ホウ素、硫黄又はハロゲン原子などのヘテロ原子によって置換されている部分を含み得る。これらの置換基は、ハロゲン、ヘテロシクロ、アルコキシ、アルケノキシ、アルキノキシ、アリールオキシ、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、ケト、アシル、アシルオキシ、ニトロ、アミノ、アミド、シアノ、チオール、ケタール、アセタール、エステル及びエーテルを含み得る。
【0022】
白金(II)エミッタ:
本発明の実施形態において、白金(II)エミッタは一般式Iの化学構造を有する:
【化2】
【0023】
一般式Iにおいて、Ptは四座配位子に錯体を形成したIIの酸化状態を有する。X1~X4はそれぞれ独立して、炭素原子、窒素原子、ケイ素原子またはリン原子であり、R1~R12はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、非置換アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、非置換アリール基、置換アリール基、アシル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、ニトロ基、アシルアミノ基、アラルキル基、シアノ基、カルボキシル基、チオ基、スチリル基、アミノカルボニル基、カルバモイル基、アリールオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基またはアルコキシカルボニル基であり、Eは、配位子のフェニル基に共役した芳香族基を含む発光増強基であり、隣接するR1~R12及びE基は独立して5~8員環を形成することがあり得る。
【0024】
本発明の一実施例において、Pt(II)錯体のEは
【化3】
である。
【0025】
ここで、R13~R17はそれぞれ独立して、非置換アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、非置換アリール基、置換アリール基、アルコキシ基又はアミノ基である。
【0026】
本発明の別の実施例において、Pt(II)錯体のEは
【化4】
である。
【0027】
ここで、R18及びR31はそれぞれ独立して水素原子、メチル基、イソプロピル基又はフェニル基であり、R19~R30はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、非置換アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、非置換アリール基、置換アリール基、アシル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、ニトロ基、アシルアミノ基、アラルキル基、シアノ基、カルボキシル基、チオ基、スチリル基、アミノカルボニル基、カルバモイル基、アリールオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基又はアルコキシカルボニル基であり、R19~R30の隣接するR基の各対は、独立して5~8員環を形成することがあり得る。
【0028】
本発明の一実施例において、Pt(II)錯体のR1、R211およびR12は、アミノ又は、窒素原子が芳香環基に結合している置換窒素複素環式芳香族の一部ではない。
【0029】
本発明の実施例による白金(II)エミッタは以下の通りである:
【化5】
【0030】
【化6】
【0031】
【化7】
【0032】
【化8】
【0033】
本発明の一実施例は、一般式IIのようなシッフ塩基配位子に関する。
【化9】
【0034】
一般式IIにおいて、X1~X4はそれぞれ独立して炭素原子、窒素原子、ケイ素原子またはリン原子であり、R1~R12はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、非置換アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、非置換アリール基、置換アリール基、アシル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、ニトロ基、アシルアミノ基、アラルキル基、シアノ基、カルボキシル基、チオ基、スチリル基、アミノカルボニル基、カルバモイル基、アリールオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基又はアルコキシカルボニル基であり、Eは、配位子のフェニル基に共役した芳香族基を含む発光増強基であり、隣接するR1~R12及びE基は独立して5~8員環を形成することがあり得る。
【0035】
本発明の一実施例において、シッフ塩基四座配位子のEは
【化10】
である。
【0036】
ここで、R13~R17はそれぞれ独立して、非置換アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、非置換アリール基、置換アリール基、アルコキシ基又はアミノ基である。
【0037】
本発明の別の実施例において、シッフ塩基四座配位子のEは
【化11】
である。
【0038】
ここで、R18及びR31はそれぞれ独立して、水素原子、メチル基、イソプロピル基又はフェニル基であり、R19~R30はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、非置換アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、非置換アリール基、置換アリール基、アシル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、ニトロ基、アシルアミノ基、アラルキル基、シアノ基、カルボキシル基、チオ基、スチリル基、アミノカルボニル基、カルバモイル基、アリールオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基又はアルコキシカルボニル基である。R19~R30の隣接するR基の各対はそれぞれ独立して5~8員環を形成することがあり得る。
【0039】
本発明の一実施例において、シッフ塩基四座配位子のR1、R2、R11及びR12は、アミノまたは、窒素が芳香環に結合している置換窒素複素環式芳香族の一部ではない。
【0040】
エミッタの調製:
本発明の一実施例において、一般式Iの構造を有する白金(II)エミッタは、適切な溶媒の存在下及び適切な条件下で、白金塩と反応させることにより一般式IIの対応する配位子を調製することができる。
【0041】
原料と方法:
以下の実施例は、本発明を実施するための実施形態を説明する。これらの実施例は、限定的なものとして解釈されるべきではない。 特に記載がない限り、すべての百分率は重量によるものであり、すべての溶媒混合物の比率は体積によるものである。
【0042】
実施例201-白金(II)エミッタを調製する一般的な工程:
シッフ塩基配位子(1当量)と酢酸ナトリウム(2当量)の混合物を最小量の熱DMFに溶解する。熱DMSO中のテトラクロロ白金酸塩(1当量)を添加し、反応混合物を80℃で一晩維持する。
【0043】
沈殿物は、形成された場合、ろ過により回収し、熱DMFで再結晶し、CH2Cl2で洗浄する。沈殿物が形成されない場合、減圧下で溶媒を除去する。水は反応混合物に添加し、CH2Cl2で抽出される。粗生成物を、アルミナカラム(CH2Cl2/ヘキサン)でのクロマトグラフィーにより精製する。必要に応じて、ヘキサンでの再結晶によるさらなる精製を行う。
【0044】
実施例202-エミッタ101の調製:
【化12】
【0045】
実施例201の合成法を採用した。粗生成物を、アルミナカラム(CH2Cl2/ヘキサン=1:1)でのクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサンでの再結晶によるさらなる精製を行った。赤色生成物(0.06g、46%の収率)を得た。
【0046】
1H NMR(500MHz, CDCl3)δ 8.78(s, 2H), 7.92(dd, J=5.9, 3.4Hz, 2H), 7.71(d, J=7.1Hz, 4H), 7.66(d, J=0.8Hz, 2H), 7.56(d, J=8.3Hz, 2H)、 7.47(t, J=7.3Hz, 4H), 7.43(d, J=7.1Hz, 2H), 7.30-7.27(m, 2H), 7.02(dd, J=8.3, 1.3Hz, 2H). 13C NMR(101MHz, CDCl3)δ 148.92, 148.56, 145.90, 140.90, 135.84, 129.72, 129.12, 128.31, 127.86, 121.65, 121.42, 117.12, 116.08. 図1は、298KにおいてCH2Cl2中のエミッタ101の紫外可視及び蛍光スペクトルを示す。
【0047】
実施例203-エミッタ102の調製:
【化13】
【0048】
実施例201の合成法を採用した。赤色沈殿物を形成し、濾過により収集し、熱DMFで再結晶し、CH2Cl2で洗浄した。赤色生成物(0.16g、71%の収率)を得た。
【0049】
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 8.91(s, 2H), 8.02(dd, J=6.1, 3.5Hz, 2H), 7.61(d, J=8.2Hz, 2H), 7.37(dd, J=6.3, 3.2Hz, 2H), 7.19(s, 2H), 6.93(s, 4H), 6.57(d, J=8.1Hz, 2H), 2.33(s, 6H), 2.05(s, 12H). 13C NMR(101MHz, CDCl3) δ 166.69, 150.32, 149.27, 146.04, 139.26, 137.59, 135.88, 135.34, 128.81, 128.42, 124.31, 121.17, 119.82, 116.05, 21.84, 21.21. 図1は、298KにおいてCH2Cl2中のエミッタ102の紫外可視及び蛍光スペクトルを示す。
【0050】
実施例204-エミッタ103の調製:
【化14】
【0051】
実施例201の合成法を採用した。粗生成物を、アルミナカラム(CH2Cl2/ヘキサン=1:1)でのクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサンでの再結晶によるさらなる精製を行った。赤色生成物(0.05g、29%の収率)を得た。
【0052】
1H NMR(500MHz, CDCl3) δ 8.93(s, 1H), 8.85(s, 1H), 8.06(d, J=8.6Hz, 1H), 7.77(d, J=0.9Hz, 0H), 7.62(d, J=8.2Hz, 1H), 7.53(d, J=8.2Hz, 1H), 7.19(d, J=8.1Hz, 3H), 7.02(s, 2H), 6.93(S, 2H), 6.92(s, 2H), 6.58(dd, J=8.2, 1.3Hz, 1H), 6.54(dd, J=8.2, 1.3Hz, 1H), 2.38(S, 3H), 2.33(s, 3H), 2.32(s, 3H), 2.08(s, 6H),2.06(s, 6H), 2.03(s, 6H). 13C NMR(126MHz, CDCl3) δ 165.92, 165.81, 149.55, 149.47, 148.56, 148.30, 145.43, 143.93, 141.13, 138.45, 138.44, 137.70, 136.97, 136.76, 135.89, 135.08, 135.04, 134.54, 134.49, 128.62, 128.36, 128.00, 123.47, 120.43, 120.37, 119.05, 119.01, 116.05, 115.17, 21.04, 21.03, 20.77, 20.41, 20.35. 図1は、298KにおいてCH2Cl2中のエミッタ103の紫外可視及び蛍光スペクトルを示す。
【0053】
実施例205-エミッタ104の調製:
【化15】
【0054】
実施例201の合成法を採用した。粗生成物を、アルミナカラム(CH2Cl2/ヘキサン=1:4)でのクロマトグラフィーにより精製した。赤色生成物(0.37g、58%の収率)を得た。
【0055】
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 8.88(s, 2H), 8.00(dd, J=6.0, 3.2Hz, 2H), 7.82(d, J=7.2Hz, 2H), 7.76(s,2H), 7.54(s, 2H), 7.49-7.41(m, 4H), 7.41-7.35(m, 2H), 7.32(dd, J=5.8, 3.1Hz, 2H), 1.54(s, 12H). 図2は、298KにおいてCH2Cl2中のエミッタ104の紫外可視及び蛍光スペクトルを示す。
【0056】
実施例206-エミッタ105の調製:
【化16】
【0057】
実施例201の合成法を採用した。粗生成物を、アルミナカラム(CH2Cl2/ヘキサン=1:4)でのクロマトグラフィーにより精製した。赤色生成物(0.64g、60%の収率)を得た。
【0058】
1H NMR(300MHz, CDCl3) δ 13.39(s, 2H), 8.73(s, 2H), 7.80-7.66(m, 4H), 7.45-7.28(m, 14H), 1.96(t, J=8.2Hz, 8H), 1.18-0.97(m, 8H), 0.76-0.55(m, 20H). 図2は、298KにおいてCH2Cl2中のエミッタ105の紫外可視及び蛍光スペクトルを示す。
【0059】
実施例207-エミッタ106の調製:
【化17】
【0060】
実施例201の合成法を採用した。粗生成物を、アルミナカラム(CH2Cl2/ヘキサン=1:4)でのクロマトグラフィーにより精製した。赤色生成物(1.0g、69%の収率)を得た。
【0061】
1H NMR(400MHz, CD2Cl2) δ 13.38(s, 2H), 8.75(s, 2H), 7.75(s, 2H), 7.36(m, 14H), 1.98(t, J=7.9Hz, 8H), 1.06(m, 24H), 0.76(t, J=6.7Hz, 12H), 0.65(d, J=20.9Hz, 8H). 図2は、298KにおいてCH2Cl2中のエミッタ106の紫外可視及び蛍光スペクトルを示す。
【0062】
実施例208-エミッタ107の調製:
【化18】
【0063】
実施例201の合成法を採用した。赤色沈殿物を濾過により収集し、水、MeOH、CH2Cl2で順次洗浄した。赤色生成物(0.12g、30%の収率)を得た。
【0064】
1H NMR(500MHz, CDCl3) δ 8.92(s, 1H), 8.84(s, 1H), 8.07(d, J=8.5Hz, 1H), 7.80(t, J=6.4Hz, 2H), 7.77(d, J=7.4Hz, 3H), 7.45(s, 1H), 7.44-7.30(m, 7H), 7.13(d, J=8.3Hz, 1H), 7.00(s, 2H), 2.37(s, 3H), 2.07(s, 6H), 1.98(t, J=8.2Hz, 4H), 1.93(t, J=7.9Hz, 4H), 1.19-1.01(m, 8H), 0.83-0.62(m, 20H). 13C NMR(126MHz, CDCl3) δ 166.42, 166.29, 152.82, 152.79, 149.78, 149.71, 148.33, 148.17, 145.44, 143.94, 140.53, 140.07, 140.03, 138.93, 137.44, 137.19, 135.84, 128.98, 128.96, 128.24, 127.86, 127.16, 127.13, 127.10, 123.15, 121.40, 120.83, 120.74, 115.83, 114.98, 112.81, 53.82, 53.76, 40.86, 40.84, 27.38, 26.19, 26.17, 23.13, 23.10, 21.03, 20.74, 13.84, 13.82.
【0065】
実施例209-エミッタ108の調製:
【化19】
【0066】
実施例201の合成法を採用した。赤色沈殿物を濾過により収集し、大量のCH2Cl2に再溶解し、水で洗浄した。溶液を濃縮し、濾過により赤色沈殿物を収集した。赤色生成物(1.4g、57%の収率)を得た。
【0067】
1H NMR(400MHz, DMSO) δ 9.41(s, 2H), 8.38(s, 2H), 7.85(d, J=8.2Hz, 2H), 7.73(d, J=8.1Hz, 4H), 7.59-7.26(m, 12H), 7.26-7.04(m, 14H), 7.00(d, J=8.0Hz, 4H). 13C NMR(126MHz, CDCl3) δ 165.62, 148.18, 147.66, 147.38, 146.80, 144.93, 134.99, 133.10, 129.36, 127.68, 127.17, 124.91, 123.35, 122.97, 120.52, 119.28, 115.63, 115.15.図3は、298KにおいてCH2Cl2中のエミッタ108の紫外可視及び蛍光スペクトルを示す。
【0068】
実施例210-エミッタ109の調製:
【化20】
【0069】
実施例201の合成法を採用した。粗生成物を、アルミナカラム及びCH2Cl2移動相を使用するクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサンでの再結晶によるさらなる精製を行った。赤色生成物(0.05g、70%の収率)を得た。
【0070】
1H NMR(500MHz, CDCl3) δ 8.86(s, 2H), 7.98(dd, J=6.1, 3.2Hz, 2H), 7.58(d, J=8.2Hz, 2H), 7.33(dd, J=6.2, 3.2Hz, 2H), 7.28(t, J=7.9Hz, 8H), 7.22(s,2H), 7.16(d, J=7.7Hz, 8H), 7.02(t, J=7.3Hz, 4H), 6.81(s, 4H), 6.59(dd, J=8.2, 1.1Hz, 2H), 1.99(s, 12H). 13C NMR(126MHz, CDCl3) δ 163.37, 161.39, 147.87, 146.99, 146.54, 142.82, 136.54, 135.63, 132.26, 129.14, 127.67, 124.28, 122.71, 122.52, 120.74, 119.67, 118.59, 117.87, 20.79. 図3は、298KにおいてCH2Cl2中のエミッタ109の紫外可視及び蛍光スペクトルを示す。
【0071】
実施例211-エミッタ110の調製:
【化21】
【0072】
実施例201の合成法を採用した。赤色沈殿物を濾過により収集し、水、MeOH、CH2Cl2で順次洗浄した。赤色生成物(0.06g、45%の収率)を得た。
【0073】
1H NMR(500MHz, CDCl3) δ 8.92(s, 2H), 8.16(d, J=7.3Hz, 4H), 8.02(s, 2H), 7.96(d, J=7.3Hz, 4H), 7.81(s, 2H), 7.77-7.62(m, 6H), 7.53(d, J=7.6Hz, 4H), 7.44(t, J=7.0Hz, 4H), 7.38(s, 2H), 7.31(t, J=7.1Hz, 4H), 7.16(d, J=7.6Hz, 2H). 1H NMR(500NHz, DMSO) δ 9.58(s, 2H), 8.48(s, 2H), 8.25(d, J=7.7Hz, 4H), 8.13(d, J=7.5Hz, 4H), 8.02(d, J=8.4Hz, 2H), 7.76(d, J=7.8Hz, 4H), 7.55(s, 2H), 7.53-7.39(m, 10H), 7.35-7.21(m, J=7.4Hz, 6H). 13C NMR(at 370K, 126MHz, DMSO) δ 165.59, 151.15, 146.30, 145.34, 140.88, 139.04, 137.86, 136.76, 128.90, 128.37, 127.59, 126.66, 123.58, 122.00, 120.80, 120.63, 119.14, 117.13, 115.74, 110.23. 図3は、298KにおいてCH2Cl2中のエミッタ110の紫外可視及び蛍光スペクトルを示す。
【0074】
実施例212-光物理データ:
図4はエミッタ102、108及び109のEQE輝度特性を示す。図5は、エミッタ102、108及び109の電界発光スペクトルを示す。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】
上記のデータは、発光増強基Eを有する構造Iの赤色発光Pt(II)シッフ塩基錯体を表示し、0.38を超える高いΦemを示す。
【0078】
実施例213-OLED製造工程:
原料:PEDOT: PSS [ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン):ポリ(スチレンスルホン酸)](Clevios P AI 4083)は、Heraeusから購入した。OXD-7[(1,3-ビス[(4-tert-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾリル]レニレン)]及びTPBi [2,2’,2”-(1,3,5-ベンジントリイル)-トリス(1-フェニル-1-H-ベンズイミダゾール)は、Luminescence Technology Corpから購入した。すべての原料は受け取ったままの状態で使用された。
【0079】
基板の洗浄:OLEDの基板として使用される事前にパターン化されたITO電極を備えたガラススライドは、Decon 90洗剤と脱イオン水の超音波浴で洗浄され、脱イオン水で濯がれた後、脱イオン水、アセトン、イソプロパノールの連続超音波浴で洗浄され、続いてオーブンで1時間乾燥された。
【0080】
デバイスの製造と特性評価:洗浄されたITO塗布ガラス基板上にPEDOT:PSSを回転塗布し、120℃で20分間乾燥させて無塵室に残留水溶媒を除去した。窒素充填したグローブボックス内のPEDOT:PSS層の上にクロロベンゼンから発光層の混合物を回転塗布した。すべてのEMLの厚さは約60nmであった。その後、製品をグローブボックス内で、110℃で10分間焼き戻し、続いて空気にさらさずにKurt J. LeskerSPECTROS真空蒸着システムに移した。最後に、TPBi(40nm)、LiF(1.2nm)及びAl(100nm)を10-8mbarの圧力で熱蒸着により順番に堆積した。EQE、PE、CE及びCIE座標をKeithley 2400源計測器と絶対外部量子効率測定システム(C9920-12、浜松光学)で測定した。デバイス全体をカプセル化せずに室温で特性評価した。ランバート分布を仮定することによりEQEと電力効率を算出した。
【0081】
実施例214-溶液処理したOLEDの主要性能データ:
【0082】
【表3】
【0083】
【化22】
【0084】
表3は、溶液中のΦem、最大CE、PE及びEQE、並びに対応デバイスのCIEの観点から、Eグループなしのモデル錯体1及びモデル錯体2を、エミッタ102、108及び110と比較している。見てわかるように、エミッタ102、108及び110は、指定位置にEグループが存在するため、優れたΦem、最大CE、PE及びEQEを示す。
【0085】
【表4】
【0086】
所与の特性のための何れかの図又は数値範囲に関して、ある範囲からの図又はパラメータを、同じ特性のために異なる範囲からの別の図又はパラメータと組み合わせて、数値範囲を生成することができる。
【0087】
操作例又は特別説明の場合を除き、明細書及び請求項で使用された成分の量、反応条件などに関するすべての数、値及び式は、いずれの場合においても、「約」という用語によって修飾されると理解されるべきである。
【0088】
本発明に記載の実施例及び実施形態は、例示のみを目的として、それを考慮して様々な修正または変更を当業者に示唆し、本発明の主旨及び範囲内に含まれると理解されるべきである。
【0089】
本発明に記載の実施例及び実施形態は、例示のみを目的として、それを考慮して様々な修正または変更を当業者に示唆し、これらの修正または変更は本発明の主旨及び範囲内に含まれると理解されるべきである。さらに、本発明に開示された発明及びその実施形態におけるいずれか要素又は制限は、任意及び/又はすべての他の要素又は制限(個別又は任意の組合せで)又は本発明に開示されたいずれか他の発明又はその実施形態と組み合わせることができる。そのような組み合わせ全体は、これに限定されることなく、本発明の範囲内に含まれると期待される。
【0090】
本明細書で参照又は引用されているすべての特許、特許出願、臨時出願及び刊行物は、本明細書の明示的な教示と矛盾しない範囲で、参照によりすべての図及び表を含むその全体に包含される。
【0091】
以下は、本発明を実施するための工程を説明する実施例である。これらの実施例は、限定的なものとして解釈されるべきではない。特に記載がない限り、すべての百分率は重量によるものであり、すべての溶媒混合物の比率は体積によるものである。
図1
図2
図3
図4
図5