(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-19
(45)【発行日】2022-07-27
(54)【発明の名称】リレー
(51)【国際特許分類】
H01H 50/54 20060101AFI20220720BHJP
【FI】
H01H50/54 B
H01H50/54 E
(21)【出願番号】P 2018205100
(22)【出願日】2018-10-31
【審査請求日】2021-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】大塚 航平
(72)【発明者】
【氏名】箕輪 亮太
(72)【発明者】
【氏名】岩坂 博之
(72)【発明者】
【氏名】林田 靖雄
(72)【発明者】
【氏名】森 真吾
(72)【発明者】
【氏名】川口 直樹
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0032913(US,A1)
【文献】実開昭54-007372(JP,U)
【文献】特開昭48-051258(JP,A)
【文献】特開昭60-133613(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 50/00-50/92
H01H 45/00-45/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1固定端子と、
第2固定端子と、
前記第1固定端子及び前記第2固定端子に対向して配置され、前記第1固定端子及び前記第2固定端子に近接する接触方向と、前記第1固定端子及び前記第2固定端子から開離する開離方向とに移動可能に設けられた可動接触片と、
前記可動接触片に設けられた第1可動接点と、
前記可動接触片に設けられ、前記第1可動接点から前記可動接触片の長手方向に離れて配置された第2可動接点と、
前記第1固定端子に設けられ、前記第1可動接点と対向して配置された第1固定接点と、
前記第2固定端子に設けられ、前記第2可動接点と対向して配置された第2固定接点と、
前記可動接触片に設けられ、前記第1可動接点から前記長手方向に離れて配置された第1可動開閉部と、
前記可動接触片に設けられ、前記第2可動接点から前記長手方向に離れて配置された第2可動開閉部と、
前記第1固定端子に設けられ、前記第1可動開閉部と対向して配置された第1固定開閉部と、
前記第2固定端子に設けられ、前記第2可動開閉部と対向して配置された第2固定開閉部と、
を備え、
前記可動接触片は、第1アーム部と第2アーム部とを含み、
前記第1アーム部は、前記可動接触片の中央部から前記可動接触片の長手方向の一方に延びており、
前記第2アーム部は、前記可動接触片の中央部から前記可動接触片の長手方向の他方に延びており、
前記第1アーム部には、前記第1可動接点と前記第1可動開閉部とが設けられ、
前記第2アーム部には、前記第2可動接点と前記第2可動開閉部とが設けられ、
前記第1アーム部は、左右方向における外側に向かって前記第1固定端子に近づく方向に傾斜しており、
前記第2アーム部は、左右方向における外側に向かって前記第2固定端子に近づく方向に傾斜しており、
前記可動接触片の前記接触方向への移動時には、前記第1可動接点と前記第1固定接点との接触よりも先に、前記第1可動開閉部と前記第1固定開閉部とが互いに接触し、且つ、前記第2可動接点と前記第2固定接点との接触よりも先に、前記第2可動開閉部と前記第2固定開閉部とが互いに接触する、
リレー。
【請求項2】
前記可動接触片の前記開離方向への移動時には、前記第1可動接点と前記第1固定接点との開離よりも後に、前記第1可動開閉部と前記第1固定開閉部とが互いに開離し、且つ、前記第2可動接点と前記第2固定接点との開離よりも後に、前記第2可動開閉部と前記第2固定開閉部とが互いに開離する、
請求項1に記載のリレー。
【請求項3】
前記可動接触片の移動方向において、前記第1固定開閉部と前記第1可動開閉部との間の距離は、前記第1可動接点と前記第1固定接点との間の距離よりも小さく、
前記可動接触片の移動方向において、前記第2固定開閉部と前記第2可動開閉部との間の距離は、前記第2可動接点と前記第2固定接点との間の距離よりも小さい、
請求項1又は2に記載のリレー。
【請求項4】
前記可動接触片は、少なくとも一部に弾性を有し、
前記可動接触片の移動に応じた前記可動接触片の弾性変形により、前記第1可動開閉部と前記第1固定開閉部とが互いに接触した状態で、前記第1可動接点が前記第1固定接点に対して移動する、
請求項1から3のいずれかに記載のリレー。
【請求項5】
前記可動接触片は、少なくとも一部に弾性を有し、
前記可動接触片の移動に応じた前記可動接触片の弾性変形により、前記第2可動開閉部と前記第2固定開閉部とが接触した状態で、前記第2可動接点が前記第2固定接点に対して移動する、
請求項1から4のいずれかに記載のリレー。
【請求項6】
前記第1可動開閉部と前記第1固定開閉部との間に磁束を発生させる磁石をさらに備え、
前記磁石は、前記第1可動開閉部と前記第1固定開閉部との間で発生するアークに対して、前記第1可動接点及び前記第1固定接点から離れる方向にローレンツ力を作用させるように配置される、
請求項1から
5のいずれかに記載のリレー。
【請求項7】
前記第2可動開閉部と前記第2固定開閉部との間に磁束を発生させる磁石をさらに備え、
前記磁石は、前記第2可動開閉部と前記第2固定開閉部との間で発生するアークに対して、前記第2可動接点及び前記第2固定接点から離れる方向にローレンツ力を作用させるように配置される、
請求項1から
6のいずれかに記載のリレー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リレーに関する。
【背景技術】
【0002】
リレーには、例えば特許文献1のように、可動接触片と、第1可動接点と、第2可動接点と、第1固定接点と、第2固定接点とを備えるものがある。第1可動接点と第2可動接点とは可動接触片に設けられている。可動接触片が一方向に移動することにより、第1可動接点が第1固定接点に接触し、且つ、第2可動接点が第2固定接点に接触する。また、可動接触片が逆方向に移動することにより、第1可動接点が第1固定接点から開離し、且つ、第2可動接点が第2固定接点から開離する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
接点の開閉時には、接点においてアークが発生する。アークにより接点の接触面が損耗することで、接点の接触抵抗が増大する虞がある。また、接触抵抗が増大することで、通電時における接点での発熱が大きくなり、通電容量が低下する虞がある。
【0005】
本発明の目的は、接点の開閉時に発生するアークによって接点が損耗することを抑えることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様に係るリレーは、第1固定端子と、第2固定端子と、可動接触片と、第1可動接点と、第2可動接点と、第1固定接点と、第2固定接点と、第1可動開閉部と、第2可動開閉部と、第1固定開閉部と、第2固定開閉部とを備える。可動接触片は、第1固定端子及び第2固定端子に対向して配置される。可動接触片は、接触方向と開離方向とに移動可能に設けられる。接触方向は、可動接触片が第1固定端子及び第2固定端子に近接する方向である。開離方向は、可動接触片が第1固定端子及び第2固定端子から開離する方向である。
【0007】
第1可動接点は、可動接触片に設けられる。第2可動接点は、可動接触片に設けられる。第2可動接点は、第1可動接点から可動接触片の長手方向に離れて配置される。第1固定接点は、第1固定端子に設けられる。第1固定接点は、第1可動接点と対向して配置される。第2固定接点は、第2固定端子に設けられる。第2固定接点は、第2可動接点と対向して配置される。
【0008】
第1可動開閉部は、可動接触片に設けられる。第1可動開閉部は、第1可動接点から長手方向に離れて配置される。第2可動開閉部は、可動接触片に設けられる。第2可動開閉部は、第2可動接点から長手方向に離れて配置される。第1固定開閉部は、第1固定端子に設けられる。第1固定開閉部は、第1可動開閉部と対向して配置される。第2固定開閉部は、第2固定端子に設けられる。第2固定開閉部は、第2可動開閉部と対向して配置される。
【0009】
可動接触片の接触方向への移動時には、第1可動接点と第1固定接点との接触よりも先に、第1可動開閉部と第1固定開閉部とが互いに接触し、且つ、第2可動接点と第2固定接点との接触よりも先に、第2可動開閉部と第2固定開閉部とが互いに接触する。
【0010】
本態様に係るリレーでは、接点の接触時には、第1可動接点と第1固定接点との接触よりも先に、第1可動開閉部と第1固定開閉部とが互いに接触する。従って、アークは、第1可動開閉部と第1固定開閉部とにおいて発生する。そのため、第1可動接点と第1固定接点とがアークによって損耗することが抑えられる。また、接点の接触時には、第2可動接点と第2固定接点との接触よりも先に、第2可動開閉部と第2固定開閉部とが互いに接触する。従って、アークは、第2可動開閉部と第2固定開閉部とにおいて発生する。そのため、第2可動接点と第2固定接点とがアークによって損耗することが抑えられる。
【0011】
可動接触片の開離方向への移動時には、第1可動接点と第1固定接点との開離よりも後に、第1可動開閉部と第1固定開閉部とが互いに開離し、且つ、第2可動接点と第2固定接点との開離よりも後に、第2可動開閉部と第2固定開閉部とが互いに開離してもよい。この場合、接点の開離時には、第1可動接点と第1固定接点との開離よりも後に、第1可動開閉部と第1固定開閉部とが互いに開離する。従って、アークは、第1可動開閉部と第1固定開閉部とにおいて発生する。そのため、第1可動接点と第1固定接点とがアークによって損耗することが抑えられる。また、接点の開離時には、第2可動接点と第2固定接点との開離よりも後に、第2可動開閉部と第2固定開閉部とが互いに開離する。従って、アークは、第2可動開閉部と第2固定開閉部とにおいて発生する。そのため、第2可動接点と第2固定接点とがアークによって損耗することが抑えられる。
【0012】
可動接触片の移動方向において、第1固定開閉部と第1可動開閉部との間の距離は、第1可動接点と第1固定接点との間の距離よりも小さくてもよい。それにより、第1固定開閉部と第1可動開閉部との接触と、第1可動接点と第1固定接点との接触とのタイミングを異ならせることができる。
【0013】
可動接触片の移動方向において、第2固定開閉部と第2可動開閉部との間の距離は、第2可動接点と第2固定接点との間の距離よりも小さくてもよい。それにより、第2固定開閉部と第2可動開閉部との接触と、第2可動接点と第2固定接点との接触とのタイミングを異ならせることができる。
【0014】
可動接触片は、少なくとも一部に弾性を有してもよい。可動接触片の移動に応じた可動接触片の弾性変形により、第1可動開閉部と第1固定開閉部とが互いに接触した状態で、第1可動接点が第1固定接点に対して移動してもよい。この場合、可動接触片が弾性変形することで、第1可動接点を第1固定接点に対して接触又は開離させることができる。
【0015】
可動接触片の移動に応じた可動接触片の弾性変形により、第2可動開閉部と第2固定開閉部とが接触した状態で、第2可動接点が第2固定接点に対して移動してもよい。この場合、可動接触片が弾性変形することで、第2可動接点を第2固定接点に対して接触又は開離させることができる。
【0016】
第1可動開閉部は、少なくとも一部に弾性を有してもよい。可動接触片の移動に応じた第1可動開閉部の弾性変形により、第1可動開閉部と第1固定開閉部とが接触した状態で、第1可動接点が第1固定接点に対して移動してもよい。この場合、第1可動開閉部が弾性変形することで、第1可動接点を第1固定接点に対して接触又は開離させることができる。
【0017】
第2可動開閉部は、少なくとも一部に弾性を有してもよい。可動接触片の移動に応じた第2可動開閉部の弾性変形により、第2可動開閉部と第2固定開閉部とが接触した状態で、第2可動接点が第2固定接点に対して移動してもよい。この場合、第2可動開閉部が弾性変形することにより、第2可動接点を第2固定接点に対して接触又は開離させることができる。
【0018】
第1固定開閉部は、少なくとも一部に弾性を有してもよい。可動接触片の移動に応じた第1固定開閉部の弾性変形により、第1可動開閉部と第1固定開閉部とが接触した状態で、第1可動接点が第1固定接点に対して移動してもよい。この場合、第1固定開閉部が弾性変形することにより、第1可動接点を第1固定接点に対して接触又は開離させることができる。
【0019】
第2可動開閉部は、少なくとも一部に弾性を有してもよい。可動接触片の移動に応じた第2固定開閉部の弾性変形により、第2可動開閉部と第2固定開閉部とが接触した状態で、第2可動接点が第2固定接点に対して移動してもよい。この場合、第2固定開閉部が弾性変形することで、第2可動接点を第2固定接点に対して接触又は開離させることができる。
【0020】
リレーは、第1可動開閉部と第1固定開閉部との間に磁束を発生させる磁石をさらに備えてもよい。磁石は、第1可動開閉部と第1固定開閉部との間で発生するアークに対して、第1可動接点及び第1固定接点から離れる方向にローレンツ力を作用させるように配置されてもよい。この場合、第1可動開閉部と第1固定開閉部との間で発生したアークによって、第1可動接点及び第1固定接点が損耗することを抑えることができる。
【0021】
リレーは、第2可動開閉部と第2固定開閉部との間に磁束を発生させる磁石をさらに備えてもよい。磁石は、第2可動開閉部と第2固定開閉部との間で発生するアークに対して、第2可動接点及び第2固定接点から離れる方向にローレンツ力を作用させるように配置されてもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、接点の開閉時に発生するアークによって接点が損耗することを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】実施形態に係る開状態のリレーを示す側面断面図である。
【
図7】第1変形例に係る接点装置の一部の側面断面図である。
【
図8】第2変形例に係る接点装置の一部の側面断面図である。
【
図9】第3変形例に係る接点装置の一部の側面断面図である。
【
図10】第4変形例に係る接点装置の一部の側面断面図である。
【
図11】第5変形例に係る接点装置の一部の側面断面図である。
【
図12】第6変形例に係る接点装置の一部の側面断面図である。
【
図13】第7変形例に係る接点装置の一部の側面断面図である。
【
図14】第8変形例に係る接点装置の一部の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して実施形態に係るリレー1について説明する。
図1は実施形態に係るリレー1を示す側面断面図である。
図1に示すように、リレー1は、接点装置2と、ハウジング3と、コイルブロック4とを備える。なお、以下の説明において、上下左右の各方向は、
図1における上下左右の各方向を意味するものとする。詳細には、コイルブロック4から接点装置2に向かう方向を上方と定義する。また、接点装置2からコイルブロック4に向かう方向を下方と定義する。
図1において、上下方向に交差する方向を左右方向と定義する。また、上下方向及び左右方向に交差する方向を前後方向と定義する。前後方向は、
図1の紙面に垂直な方向である。ただし、これらの方向は、説明の便宜上、定義されるものであって、リレー1の配置方向を限定するものではない。
【0025】
接点装置2は、第1固定端子11と、第2固定端子12と、可動接触片13と、駆動軸19とを含む。第1固定端子11と、第2固定端子12と、可動接触片13とは、例えば銅などの導電性を有する材料で形成されている。第1固定端子11には、第1固定接点14が設けられている。第2固定端子12には、第2固定接点15が設けられている。第1固定接点14と第2固定接点15とは、左右方向に離れて配置されている。
【0026】
第1固定端子11は、第1接点支持部21と第1外部端子部22とを含む。第1固定接点14は、第1接点支持部21に接続されている。第1外部端子部22は、第1接点支持部21に接続されている。第1接点支持部21は、ハウジング3から外方に突出している。第2固定端子12は、第2接点支持部23と第2外部端子部24とを含む。第2固定接点15は、第2接点支持部23に接続されている。第2外部端子部24は、第2接点支持部23に接続されている。第2接点支持部23は、ハウジング3から外方に突出している。
【0027】
なお、
図1では、第1外部端子部22と第2外部端子部24とは、ハウジング3から左右方向に突出している。しかし、第1外部端子部22と第2外部端子部24とは、左右方向に限らず、上下方向など他の方向にハウジング3から突出してもよい。
【0028】
可動接触片13は、左右方向に延びている。本実施形態において、可動接触片13の長手方向は、左右方向に一致する。可動接触片13は、第1固定接点14及び第2固定接点15の上方に配置されている。可動接触片13は、第1固定端子11及び第2固定端子12に対向して配置されている。詳細には、可動接触片13は、第1接点支持部21と第2接点支持部23とに対向して配置されている。
【0029】
可動接触片13は、上下方向に移動可能に配置されている。詳細には、可動接触片13は、接触方向Z1と開離方向Z2とに移動可能に配置されている。本実施形態において、接触方向Z1は、可動接触片13が第1固定端子11及び第2固定端子12に近接する方向(
図1における下方)である。開離方向Z2は、可動接触片13が第1固定端子11及び第2固定端子12から開離する方向(
図1における上方)である。
【0030】
可動接触片13には、第1可動接点16と第2可動接点17とが設けられている。第1可動接点16と第2可動接点17とは、左右方向に離れて配置されている。第1可動接点16は、第1固定接点14に対向して配置されている。第2可動接点17は、第2固定接点15に対向して配置されている。
【0031】
駆動軸19は、上下方向に延びている。駆動軸19は、接触方向Z1及び開離方向Z2に移動可能に配置されている。駆動軸19は、可動接触片13に接続されている。駆動軸19は、可動接触片13から下方に延びている。駆動軸19は、ホルダ26及び接点バネ27を介して、可動接触片13に接続されている。ホルダ26は、可動接触片13に取り付けられている。接点バネ27は、ホルダ26と可動接触片13との間に配置されている。接点バネ27は、可動接点16,17が固定接点14,15に接触している状態で、可動接触片13を接触方向Z1に付勢する。
【0032】
ハウジング3は、接点装置2とコイルブロック4とを収容している。詳細には、ハウジング3内には、ケース18が配置されている。ケース18は、ハウジング3内を第1収納部S1と第2収納部S2とに区画している。可動接点16,17と、固定接点14,15と、可動接触片13とは、第1収納部S1内に配置されている。コイルブロック4は、第2収納部S2内に配置されている。
【0033】
コイルブロック4は、電磁力によって可動接触片13を動作させる。コイルブロック4は、接触方向Z1及び開離方向Z2に可動接触片13を移動させる。コイルブロック4は、ケース18の下方に配置されている。コイルブロック4は、スプール30と、可動鉄心31と、コイル32と、固定鉄心33と、ヨーク34と、復帰バネ35とを含む。
【0034】
スプール30は、ケース18の下方に配置されている。スプール30は、上下方向にスプール30を貫通する孔301を含む。可動鉄心31は、スプール30の孔301内に配置されている。可動鉄心31は、固定鉄心33と別体である。可動鉄心31は、駆動軸19に接続されている。可動鉄心31は、接触方向Z1及び開離方向Z2に移動可能に設けられている。コイル32は、スプール30に巻回されている。コイル32は、通電されることで可動鉄心31を接触方向Z1及び開離方向Z2に移動させる電磁力を発生させる。
【0035】
固定鉄心33は、スプール30の孔301内に配置されている。固定鉄心33は、可動鉄心31に対向して配置されている。固定鉄心33は、可動鉄心31の下方に配置されている。復帰バネ35は、可動鉄心31と固定鉄心33との間に配置されている。復帰バネ35は、可動鉄心31を開離方向Z2に付勢している。
【0036】
ヨーク34は、コイル32を囲むように配置されている。ヨーク34は、コイル32によって構成される磁気回路上に配置されている。ヨーク34は、コイル32の上方と、コイル32の側方と、コイル32の下方とに配置されている。
【0037】
次に、リレー1の動作について説明する。コイル32に通電されていないときには、コイルブロック4は励磁されていない。この場合、駆動軸19は、可動鉄心31と共に、復帰バネ35の弾性力によって開離方向Z2に押圧されている。そのため、可動接触片13も開離方向Z2に押圧されており、可動接触片13は、
図1に示すように開離位置に位置している。可動接触片13が開離位置に位置している状態では、第1可動接点16及び第2可動接点17は、第1固定接点14及び第2固定接点15から開離した開状態となっている。
【0038】
コイル32に通電されると、コイルブロック4が励磁される。この場合、コイル32の電磁力により、可動鉄心31が、復帰バネ35の弾性力に抗して、接触方向Z1に移動する。それにより、駆動軸19と可動接触片13とが共に接触方向Z1に移動して、可動接触片13は
図2に示す接触位置へ移動する。可動接触片13が接触位置に位置している状態では、第1可動接点16及び第2可動接点17は、第1固定接点14及び第2固定接点15に接触した閉状態となる。
【0039】
コイル32への電流が停止され消磁されると、可動鉄心31は、復帰バネ35の弾性力によって開離方向Z2に押圧される。それにより、可動鉄心31は駆動軸19に対して開離方向Z2に移動して、可動接触片13は
図1に示す開離位置へ戻る。その結果、第1可動接点16及び第2可動接点17は開状態に戻る。
【0040】
図3は、接点装置2の一部の拡大図である。
図3に示すように、可動接触片13には、第1可動開閉部41と第2可動開閉部42とが設けられている。第1可動開閉部41は、第1可動接点16から左右方向に離れて配置されている。第2可動開閉部42は、第2可動接点17から左右方向に離れて配置されている。詳細には、第1可動開閉部41は、左右方向において第1可動接点16の外側に配置されている。第2可動開閉部42は、左右方向において第2可動接点17の外側に配置されている。
【0041】
本実施形態において、第1可動開閉部41と第2可動開閉部42とは、可動接触片13と別体の部材であり、可動接触片13に取り付けられている。ただし、第1可動開閉部41と第2可動開閉部42とは、可動接触片13と一体的に形成されてもよい。すなわち、第1可動開閉部41と第2可動開閉部42とは、可動接触片13の一部であってもよい。
【0042】
第1固定端子11には、第1固定開閉部43が設けられている。第1固定開閉部43は、第1可動開閉部41と対向して配置されている。第1固定開閉部43は、左右方向において、第1固定接点14の外側に配置されている。第2固定端子12には、第2固定開閉部44が設けられている。第2固定開閉部44は、第2可動開閉部42と対向して配置されている。第2固定開閉部44は、左右方向において、第2固定接点15の外側に配置されている。
【0043】
本実施形態において、第1固定開閉部43は、第1固定端子11と別体の部材であり、第1固定端子11に取り付けられている。ただし、第1固定開閉部43は、第1固定端子11と一体的に形成されてもよい。すなわち、第1固定開閉部43は、第1固定端子11の一部であってもよい。第2固定開閉部44は、第2固定端子12と別体の部材であり、第2固定端子12に取り付けられている。ただし、第2固定開閉部44は、第2固定端子12と一体的に形成されてもよい。すなわち、第2固定開閉部44は、第2固定端子12の一部であってもよい。
【0044】
可動接触片13は、第1アーム部13aと第2アーム部13bとを含む。第1アーム部13aは、可動接触片13の中央部から可動接触片13の長手方向の一方に延びている。第2アーム部13bは、可動接触片13の中央部から可動接触片13の長手方向の他方に延びている。第1アーム部13aには、第1可動接点16と第1可動開閉部41とが設けられている。第2アーム部13bには、第2可動接点17と第2可動開閉部42とが設けられている。第1アーム部13aは、左右方向における外側に向かって第1固定端子11に近づく方向に傾斜している。第2アーム部13bは、左右方向における外側に向かって第2固定端子12に近づく方向に傾斜している。
【0045】
可動接触片13が開離位置で、第1可動開閉部41は、第1可動接点16よりも下方に位置している。詳細には、可動接触片13が開離位置で、第1可動開閉部41の接触面410は、第1可動接点16の接触面160よりも下方に位置している。可動接触片13が接触位置で、第1可動接点16の接触面160は、第1固定接点14の接触面140と接触し、第1可動開閉部41の接触面410は、第1固定開閉部43の接触面430と接触する。
【0046】
可動接触片13が開離位置で、第2可動開閉部42は、第2可動接点17よりも下方に位置している。詳細には、可動接触片13が開離位置で、第2可動開閉部42の接触面420は、第2可動接点17の接触面170よりも下方に位置している。可動接触片13が接触位置で、第2可動接点17の接触面170は、第2固定接点15の接触面150と接触し、第2可動開閉部42の接触面420は、第2固定開閉部44の接触面440と接触する。
【0047】
可動接触片13が開離位置で、可動接触片13の移動方向において、第1固定開閉部43と第1可動開閉部41との間の距離L1は、第1可動接点16と第1固定接点14との間の距離L2よりも小さい。可動接触片13が開離位置で、可動接触片13の移動方向において、第2固定開閉部44と第2可動開閉部42との間の距離L3は、第2可動接点17と第2固定接点15との間の距離L4よりも小さい。可動接触片13が開離位置で、可動接触片13の移動方向において、第1固定開閉部43と第1可動開閉部41との間の距離L1は、第2固定開閉部44と第2可動開閉部42との間の距離L3と概ね同じである。可動接触片13が開離位置で、可動接触片13の移動方向において、第1可動接点16と第1固定接点14との間の距離L2は、第2可動接点17と第2固定接点15との間の距離L4と概ね同じである。
【0048】
図4Aから
図4Cは、可動接触片13が開離位置から接触位置に向かって、接触方向Z1に移動するときの、接点の接触状態を示す図である。
図4Aでは、可動接触片13は開離位置にあり、可動接点16,17と固定接点14,15とは互いに開離している。また、可動開閉部41,42と固定開閉部43,44も互いに開離している。可動接触片13が接触方向Z1に移動すると、
図4Bに示すように、第1可動接点16と第1固定接点14との接触よりも先に、第1可動開閉部41と第1固定開閉部43とが互いに接触し、且つ、第2可動接点17と第2固定接点15との接触よりも先に、第2可動開閉部42と第2固定開閉部44とが互いに接触する。その後、可動接触片13が接触方向Z1にさらに移動すると、
図4Cに示すように、第1可動接点16と第1固定接点14とが互いに接触し、且つ、第2可動接点17と第2固定接点15とが互いに接触する。
【0049】
なお、可動接触片13は、弾性を有している。そのため、第1可動開閉部41と第1固定開閉部43とが互いに接触した状態で、可動接触片13が接触方向Z1に移動することで、可動接触片13が弾性変形し、それにより、第1可動接点16が第1固定接点14に向かって移動する。同様に、第2可動開閉部42と第2固定開閉部44とが互いに接触した状態で、可動接触片13が接触方向Z1に移動することで、可動接触片13が弾性変形し、それにより、第2可動接点17が第2固定接点15に向かって移動する。
【0050】
図5Aから
図5Cは、可動接触片13が接触位置から開離位置に向かって、開離方向Z2に移動するときの、接点の接触状態を示す図である。
図5Aでは、可動接触片13は接触位置にあり、可動接点16,17と固定接点14,15とは互いに接触している。また、可動開閉部41,42と固定開閉部43,44も互いに接触している。可動接触片13が開離方向Z2に移動すると、
図5Bに示すように、可動接触片13の弾性変形が元に戻ることで、先に、第1可動接点16が第1固定接点14から開離し、且つ、第2可動接点17が第2固定接点15から開離する。このとき、第1可動開閉部41と第1固定開閉部43との接触と、第2可動開閉部42と第2固定開閉部44との接触とは維持されている。その後、可動接触片13が開離方向Z2にさらに移動すると、
図5Cに示すように、第1可動開閉部41と第1固定開閉部43とが互いに開離し、且つ、第2可動開閉部42と第2固定開閉部44とが互いに開離する。
【0051】
本実施形態に係るリレー1は、接点間で生じるアークを迅速に消弧するための磁石51-53を備えている。
図6は、リレー1の内部の構成を示す平面図である。
図6に示すように、リレー1は、第1磁石51と、第2磁石52と、第2磁石53と、ヨーク54とを備えている。第1磁石51と第2磁石52とは左右方向に可動接触片13と対向して配置されている。第1磁石51と第2磁石52とは、S極の面51S,52Sが互いに向き合うように配置されている。第3磁石53は、前後方向に可動接触片13と対向して配置されている。第2磁石53は、N極の面53Nが可動接触片13と向き合うように配置されている。ヨーク54は、第1磁石51と第2磁石52と第2磁石53とを接続している。
【0052】
上記のような磁石の配置により、第1可動開閉部41と第1固定開閉部43との間の位置(以下、「第1接触位置P1」と呼ぶ)において左右方向外側に向かう磁束B1が生成される。また、第2可動開閉部42と第2固定開閉部44との間の位置(以下、「第2接触位置P2」と呼ぶ)において左右方向外側に向かう磁束B2が生成される。
【0053】
可動接触片13において第1可動開閉部41から第2可動開閉部42(
図6における右方)に電流が流れるときには、第1接触位置P1において、矢印F1で示すローレンツ力が作用する。それにより、第1接触位置P1において発生したアークは、前後方向において第1可動接点16及び第1固定接点14から離れる方向に引き伸ばされる。また、第2接触位置P2においては、矢印F2で示すローレンツ力が作用する。それにより、第2接触位置P2において発生したアークは、前後方向において第2可動接点17及び第2固定接点15から離れる方向に引き伸ばされる。
【0054】
可動接触片13において第2可動開閉部42から第1可動開閉部41(
図6における左方)に電流が流れるときには、第1接触位置P1では矢印F3で示すローレンツ力が作用する。それにより、第1接触位置P1において発生したアークは、前後方向において第1可動接点16及び第1固定接点14から離れる方向に引き伸ばされる。また、第2接触位置P2では、矢印F4で示すローレンツ力が作用する。それにより、第2接触位置P2において発生したアークは、前後方向において第2可動接点17及び第2固定接点15から離れる方向に引き伸ばされる。
【0055】
以上のように、アークにローレンツ力F1,F2或いはローレンツ力F3,F4が作用することで、アークは、矢印F1-F4で示す方向に引き伸ばされる。それにより、アークが迅速に消弧される。
【0056】
以上説明した本実施形態に係るリレー1では、接点の接触時には、第1可動接点16と第1固定接点14との接触よりも先に、第1可動開閉部41と第1固定開閉部43とが互いに接触する。従って、アークは、第1可動開閉部41と第1固定開閉部43とにおいて発生する。そのため、第1可動接点16と第1固定接点14とがアークによって損耗することが抑えられる。また、接点の接触時には、第2可動接点17と第2固定接点15との接触よりも先に、第2可動開閉部42と第2固定開閉部44とが互いに接触する。従って、アークは、第2可動開閉部42と第2固定開閉部44とにおいて発生する。そのため、第2可動接点17と第2固定接点15とがアークによって損耗することが抑えられる。
【0057】
接点の開離時には、第1可動接点16と第1固定接点14との開離よりも後に、第1可動開閉部41と第1固定開閉部43とが互いに開離する。従って、アークは、第1可動開閉部41と第1固定開閉部43とにおいて発生する。そのため、第1可動接点16と第1固定接点14とがアークによって損耗することが抑えられる。また、接点の開離時には、第2可動接点17と第2固定接点15との開離よりも後に、第2可動開閉部42と第2固定開閉部44とが互いに開離する。従って、アークは、第2可動開閉部42と第2固定開閉部44とにおいて発生する。そのため、第2可動接点17と第2固定接点15とがアークによって損耗することが抑えられる。
【0058】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、第1固定端子11、第2固定端子12、可動接触片13の形状、或いは配置が変更されてもよい。コイル32、スプール30、或いはヨーク5434の形状、或いは配置が変更されてもよい。
【0059】
第1固定接点14は、第1固定端子11と別体であってもよく、或いは一体であってもよい。第2固定接点15は、第2固定端子12と別体であってもよく、或いは一体であってもよい。第1可動接点16は、可動接触片13と別体であってもよく、或いは一体であってもよい。第2可動接点17は、可動接触片13と別体であってもよく、或いは一体であってもよい。
【0060】
可動開閉部41,42は、可動接点16,17と異なる材料であってもよい。固定開閉部43,44は、固定接点14,15と異なる材料であってもよい。例えば、可動開閉部41,42、及び/又は、固定開閉部43,44は、開閉に適した材料であってもよい。可動接点16,17、及び/又は、固定接点14,15は、通電に適した材料であってもよい。
【0061】
上記の実施形態では、コイルブロック4が駆動軸19をコイルブロック4側に引き込むことで、可動接触片13が接触方向Z1に移動する。また、コイルブロック4が駆動軸19をコイルブロック4側から押し出すことで、可動接触片13が開離方向Z2に移動する。しかし、接点を開閉するための駆動軸19の動作方向は、上記の実施形態と逆であってもよい。すなわち、コイルブロック4が駆動軸19をコイルブロック4側に引き込むことで、可動接触片13が開離方向Z2に移動してもよい。コイルブロック4が駆動軸19をコイルブロック4側から押し出すことで、可動接触片13が接触方向Z1に移動してもよい。すなわち、接触方向Z1と開離方向Z2とは、上記の実施形態とは逆であってもよい。
【0062】
上記の実施形態では、可動接触片13の第1アーム部13aは、第1固定端子11に向かって傾斜した形状を有している。また、可動接触片13の第2アーム部13bは、第2固定端子12に向かって傾斜した形状を有している。それにより、第1固定開閉部43と第1可動開閉部41との間の距離L1は、第1可動接点16と第1固定接点14との間の距離L2よりも小さい。また、第2固定開閉部44と第2可動開閉部42との間の距離L3は、第2可動接点17と第2固定接点15との間の距離L4よりも小さい。
【0063】
しかし、上記のような距離の違いは、可動開閉部41,42の形状、或いは、固定開閉部43,44の形状の違いによって生じてもよい。例えば、
図7に示す第1変形例のように、上下方向において、可動開閉部41,42が、可動接点16,17よりも大きくてもよい。或いは、
図8に示す第2変形例のように、上下方向において、固定開閉部43,44が、固定接点14,15よりも大きくてもよい。
【0064】
上記の実施形態では、可動接触片13の弾性変形によって、可動開閉部41,42と固定開閉部43,44とが接触した状態で、可動接点16,17が固定接点14,15に対して移動している。しかし、
図9に示す第3変形例のように、少なくとも一部に弾性を有する第1可動開閉部41が可動接触片13に取り付けられてもよい。例えば、第1可動開閉部41は、板状の部材であってもよい。また、少なくとも一部に弾性を有する第2可動開閉部42が可動接触片13に取り付けられてもよい。例えば、第2可動開閉部42は、板状の部材であってもよい。この場合、可動接触片13の移動に応じた第1可動開閉部41の弾性変形により、第1可動開閉部41と第1固定開閉部43とが接触した状態で、第1可動接点16が第1固定接点14に対して移動してもよい。また、可動接触片13の移動に応じた第2可動開閉部42の弾性変形により、第2可動開閉部42と第2固定開閉部44とが接触した状態で、第2可動接点17が第2固定接点15に対して移動してもよい。
【0065】
或いは、
図10に示す第4変形例のように、少なくとも一部に弾性を有する第1固定開閉部43が第1固定端子11に取り付けられてもよい。例えば、第1固定開閉部43は、板状の部材であってもよい。また、少なくとも一部に弾性を有する第2固定開閉部44が第2固定端子12に取り付けられてもよい。例えば、第2固定開閉部44は、板状の部材であってもよい。この場合、可動接触片13の移動に応じた第1固定開閉部43の弾性変形により、第1可動開閉部41と第1固定開閉部43とが接触した状態で、第1可動接点16が第1固定接点14に対して移動してもよい。また、可動接触片13の移動に応じた第2固定開閉部44の弾性変形により、第2可動開閉部42と第2固定開閉部44とが接触した状態で、第2可動接点17が第2固定接点15に対して移動してもよい。
【0066】
上述した第3変形例では、弾性を有する第1可動開閉部41は、可動接触片13と別体であり、可動接触片13に取り付けられている。しかし、弾性を有する第1可動開閉部41は、可動接触片13と一体であってもよい。例えば、
図11に示す第5変形例のように、可動接触片13の一部が折り曲げられることで、第1可動開閉部41が形成されてもよい。第2可動開閉部42についても、第1可動開閉部41と同様に、可動接触片13と一体であってもよい。可動接触片13の一部が折り曲げられることで、第2可動開閉部42が形成されてもよい。
【0067】
上述した第4変形例では、弾性を有する第1固定開閉部43は、第1固定端子11と別体であり、第1固定端子11に取り付けられている。しかし、弾性を有する第1固定開閉部43は、第1固定端子11と一体であってもよい。例えば、
図12に示す第6変形例のように、第1固定端子11の一部が折り曲げられることで、第1固定開閉部43が形成されてもよい。第2固定開閉部44についても、第2固定端子12と一体であってもよい。第2固定端子12の一部が折り曲げられることで、第2固定開閉部44が形成されてもよい。
【0068】
可動開閉部41,42及び固定開閉部43,44の位置は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。例えば、
図13に示す第7変形例のように、第1可動開閉部41は、左右方向において第1可動接点16の内側に配置されてもよい。第2可動開閉部42は、左右方向において第2可動接点17の内側に配置されてもよい。第1固定開閉部43は、左右方向において第1固定接点14の内側に配置されてもよい。第2固定開閉部44は、左右方向において第2固定接点15の内側に配置されてもよい。
【0069】
磁石の配置は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。例えば、
図14に示す第8変形例のように、第1接触位置P1において、前後方向に向かう磁束B1が生成されるように磁石が配置されてもよい。すなわち、第1接触位置P1において、左右方向において第1可動接点16及び第1固定接点14から離れる方向にローレンツ力F1が作用するように、磁石が配置されてもよい。また、第2接触位置P2において、前後方向に向かう磁束B2が生成されるように磁石が配置されてもよい。すなわち、第2接触位置P2において、左右方向において第2可動接点17及び第2固定接点15から離れる方向にローレンツ力F2が作用するように、磁石が配置されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明によれば、接点の開閉時に発生するアークによって接点が損耗することを抑えることができる。
【符号の説明】
【0071】
11 第1固定端子
12 第2固定端子
13 可動接触片
16 第1可動接点
17 第2可動接点
14 第1固定接点
15 第2固定接点
41 第1可動開閉部
42 第2可動開閉部
43 第1固定開閉部
44 第2固定開閉部
51-53 磁石