(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-19
(45)【発行日】2022-07-27
(54)【発明の名称】接着剤塗布装置及び接着剤塗布方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/105 20210101AFI20220720BHJP
H01M 50/193 20210101ALI20220720BHJP
B05C 3/09 20060101ALI20220720BHJP
B05C 11/10 20060101ALI20220720BHJP
B05C 13/02 20060101ALI20220720BHJP
B05D 1/18 20060101ALI20220720BHJP
B05D 3/06 20060101ALI20220720BHJP
B05D 7/24 20060101ALI20220720BHJP
B05D 7/00 20060101ALI20220720BHJP
【FI】
H01M50/105
H01M50/193
B05C3/09
B05C11/10
B05C13/02
B05D1/18
B05D3/06 102Z
B05D7/24 301T
B05D7/00 H
B05D7/24 301P
(21)【出願番号】P 2021525574
(86)(22)【出願日】2019-08-27
(86)【国際出願番号】 KR2019010932
(87)【国際公開番号】W WO2020105848
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2021-05-12
(31)【優先権主張番号】10-2018-0143264
(32)【優先日】2018-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、スン ホ
【審査官】守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第102019251(CN,A)
【文献】特開2010-192748(JP,A)
【文献】特開2017-195171(JP,A)
【文献】特開2015-222719(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第1909119(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/10
B05C 3/09
B05C 11/10
B05C 13/02
B05D 1/18
B05D 3/06
B05D 7/24
B05D 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直立した二次電池の片面を支持する支持面を含む側部と、
液状接着剤を収容して前記直立した二次電池の一側部のシーリング部が挿入される接着空間、及び前記接着空間と連結されて前記液状接着剤が前記接着空間に流動する流路を含み、前記側部の下方に位置する下部と、
を含む、接着剤塗布装置。
【請求項2】
前記接着空間は、前記下部の上面から下方に陥没して形成される、請求項1に記載の接着剤塗布装置。
【請求項3】
前記接着空間は、下方に行くほど幅が狭くなる、請求項2に記載の接着剤塗布装置。
【請求項4】
前記接着空間は、前記支持面に向く内壁が、角がチャンファリングまたはフィレッティングされた上側内壁、及び前記支持面と並んで形成された下側内壁を含む、請求項3に記載の接着剤塗布装置。
【請求項5】
前記液状接着剤を前記流路に注入するディスペンサーをさらに含む、請求項1から4の何れか一項に記載の接着剤塗布装置。
【請求項6】
前記液状接着剤を貯蔵し、前記ディスペンサーに前記液状接着剤を供給する接着剤タンクをさらに含む、請求項5に記載の接着剤塗布装置。
【請求項7】
前記流路は、複数形成される、請求項1に記載の接着剤塗布装置。
【請求項8】
前記側部は、前記支持面の下端から前記側部の内側に向かって特定の傾斜を有する傾斜面をさらに含む、請求項1から7の何れか一項に記載の接着剤塗布装置。
【請求項9】
流路を通じて接着剤塗布装置の接着空間が液状接着剤を収容するステップと、
二次電池を直立させ、前記二次電池の一側部のシーリング部を前記接着空間に挿入するステップと、
前記二次電池を引き出すステップと、
前記液状接着剤が塗布された前記シーリング部に紫外線を照射するステップと、
を含む、接着剤塗布方法。
【請求項10】
前記液状接着剤を注入するステップにおいて、
ディスペンサーを利用して前記流路に前記液状接着剤を注入する、請求項9に記載の接着剤塗布方法。
【請求項11】
前記ディスペンサーは、前記液状接着剤を貯蔵する接着剤タンクから前記液状接着剤の供給を受けて前記流路に前記液状接着剤を注入する、請求項10に記載の接着剤塗布方法。
【請求項12】
前記シーリング部を挿入するステップにおいて、
前記二次電池は、前記接着剤塗布装置の支持面から片面が支持され、前記一側部のシーリング部が前記接着空間に挿入される、請求項9に記載の接着剤塗布方法。
【請求項13】
前記液状接着剤は、ウレタンアクリレート系の接着剤である、請求項9に記載の接着剤塗布方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2018年11月20日付韓国特許出願第10-2018-0143264号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されている全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、接着剤塗布装置及び接着剤塗布方法に関し、より詳しくは、液状接着剤が塗布されないことを防止し、二次電池の生産性を向上させることができる接着剤塗布装置及び接着剤塗布方法に関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、二次電池の種類には、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池及びリチウムイオンポリマー電池などがある。このような二次電池は、デジタルカメラ、P-DVD、MP3P、携帯電話、PDA、ポータブルゲームデバイス(Portable Game Device)、パワーツール(Power Tool)及びイーバイク(E-bike)などの小型の製品だけでなく、電気自動車やハイブリッド自動車のような高出力が求められる大型の製品と、余剰の発電電力や新再生エネルギーを貯蔵する電力貯蔵装置とバックアップ用電力貯蔵装置にも適用され用いられている。
【0004】
このような二次電池を製造するため、先ず電極活物質スラリーを正極集電体及び負極集電体に塗布して正極と負極を製造し、これをセパレーター(Separator)の両側に積層することによって、所定の形状の電極組立体(Electrode Assembly)を形成する。そして、電池ケースに電極組立体を収納し、電解液を注入した後にシーリングする。
【0005】
二次電池は、電極組立体を収容するケースの材質に従い、パウチ型(Pouch Type)及びカン型(Can Type)などに分類される。パウチ型(Pouch Type)は、形態が一定しない軟性のポリマー材質で製造されたパウチに電極組立体を収容する。
【0006】
パウチ型電池ケースをシーリングした後にシーリング部をそのまま放置すると、シーリング部の端面を通じてパウチフィルムの金属が外部に露出される。よって、金属が腐食されるか二次電池の電極と接触して短絡(ショート、Short)が発生することもある。そのため、前記シーリング部の端面を露出させないことが必要である。
【0007】
従来は、前記シーリング部を二回フォールディングするダブルサイドフォールディング(Double Side Folding)方法を行うか、シーリング部に絶縁テープを付着する方法を行っていた。しかし、これは、二次電池の製造の歩留まりを低下させ、装備を最適化するために多くの時間が費やされた。このような問題を解決するため、最近は液状接着剤をシーリング部に塗布した後に硬化させる方法が開発された。しかし、液状接着剤を塗布する一部のノズルが詰まり、一部の二次電池のシーリング部に液状接着剤が塗布されないという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、液状接着剤が塗布されないことを防止し、二次電池の生産性を向上させることができる接着剤塗布装置及び接着剤塗布方法を提供することである。
【0009】
本発明の課題は以上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は、以下の記載から当業者に明確に理解され得るはずである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するための本発明の実施形態に係る接着剤塗布装置は、直立した二次電池の片面を支持する支持面を含む側部と、液状接着剤を収容して前記直立した二次電池の一側部のシーリング部が挿入される接着空間、及び前記接着空間と連結されて前記液状接着剤が前記接着空間に流動する流路を含み、前記側部の下方に位置する下部と、を含む。
【0011】
また、前記接着空間は、前記下部の上面から下方に陥没して形成されてよい。
また、前記接着空間は、下方に行くほど幅が狭くなってよい。
【0012】
また、前記接着空間は、前記支持面に向く内壁が、角がチャンファリングまたはフィレッティングされた上側内壁、及び前記支持面と並んで形成された下側内壁を含んでよい。
【0013】
また、前記液状接着剤を前記流路に注入するディスペンサーをさらに含んでよい。
【0014】
また、前記液状接着剤を貯蔵し、前記ディスペンサーに前記液状接着剤を供給する接着剤タンクをさらに含んでよい。
また、前記流路は、複数形成されてよい。
【0015】
また、前記側部は、前記支持面の下端から前記側部の内側に向かって特定の傾斜を有する傾斜面をさらに含んでよい。
【0016】
前記課題を解決するための本発明の実施形態に係る接着剤塗布方法は、流路を通じて接着剤塗布装置の接着空間が液状接着剤を収容するステップと、二次電池を直立させ、前記二次電池の一側部のシーリング部を前記接着空間に挿入するステップと、前記二次電池を引き出すステップと、前記液状接着剤が塗布された前記シーリング部に紫外線を照射するステップと、を含む。
【0017】
また、前記液状接着剤を注入するステップにおいて、ディスペンサーを利用して前記流路に前記液状接着剤を注入することができる。
【0018】
また、前記ディスペンサーは、前記液状接着剤を貯蔵する接着剤タンクから前記液状接着剤の供給を受けて前記流路に前記液状接着剤を注入することができる。
【0019】
また、前記シーリング部を挿入するステップにおいて、前記二次電池は、前記接着剤塗布装置の支持面から片面が支持され、前記一側部のシーリング部が前記接着空間に挿入されてよい。
【0020】
また、前記液状接着剤は、ウレタンアクリレート系の接着剤であってよい。
本発明のその他の具体的な事柄は、詳細な説明及び図に含まれている。
【発明の効果】
【0021】
本発明の実施形態によれば、少なくとも次のような効果がある。
ノズルを利用しないので、ノズルが詰まって液状接着剤が塗布されないことを防止することができる。
【0022】
また、液状接着剤を塗布するためにノズルが移動するライン及び塗布時間を設定する必要がないので、製造の歩留まりを改善し、二次電池の生産性を向上させることができる。
【0023】
本発明に係る効果は、以上で例示された内容によって制限されず、さらに多様な効果が本明細書内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の一実施形態に係るパウチ型二次電池の組立図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るパウチ型二次電池の斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る接着剤塗布方法のフローチャートである。
【
図4】本発明の一実施形態に係る接着剤塗布装置を側面から示した概略図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る接着剤塗布装置の接着空間に液状接着剤が収容された様子を側面から示した概略図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る接着剤塗布装置の接着空間に二次電池のシーリング部を挿入した様子を側面から示した概略図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る接着剤塗布装置の接着空間に二次電池のシーリング部を挿入した様子を正面から示した概略図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る二次電池のシーリング部に紫外線を照射する様子を示した概略図である。
【
図9】本発明の他の実施形態に係る接着剤塗布装置を側面から示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は、図と共に詳しく後述されている実施形態を参照すれば明確になるであろう。しかし、本発明は、以下に開示される実施形態に限定されるのではなく、互いに異なる多様な形態に具現されてよい。ただ、本実施形態は、本発明の開示を完全にし、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は特許請求の範囲の範疇によって定義されるだけである。明細書全体にかけて同一の参照符号は同一の構成要素を称する。
【0026】
別の定義がなければ、本明細書で用いられる全ての用語(技術的及び科学的な用語を含む)は、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者に共通的に理解できる意味として用いられ得るであろう。また、一般に用いられる辞書に定義されている用語は、明らかに特に定義されていない限り、理想的または過度に解釈されない。
【0027】
本明細書で用いられた用語は、実施形態を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書における単数形は、語句で特に言及しない限り複数形も含む。明細書で用いられる『含む(comprises)』及び/または『含んでいる(comprising)』は、言及された構成要素以外に一つ以上の他の構成要素の存在または追加を排除しない。
以下、図を参照しつつ、本発明の好ましい実施形態を詳しく説明する。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態に係るパウチ型二次電池1の組立図である。
図2は、本発明の一実施形態に係るパウチ型二次電池1の斜視図である。
【0029】
本発明の一実施形態に係るパウチ型二次電池1を製造する過程は、先ず、電極活物質とバインダー及び可塑剤を混合したスラリーを正極集電体及び負極集電体に塗布して正極と負極を製造し、これをセパレーター(Separator)の両側に積層することで所定の形状の電極組立体10を形成した後、電極組立体10を電池ケース13に挿入し、電解液を注入した後にシーリングする。
【0030】
電極組立体(Electrode Assembly)10は、
図1に示されている通り、電極タブ(Electrode Tab)11を含む。電極タブ11は、電極組立体10の正極及び負極とそれぞれ連結され、電極組立体10の外部に突出され、電極組立体10の内部と外部の間に電子が移動することができる経路になる。電極組立体10の集電体は、電極活物質が塗布された部分と、電極活物質が塗布されていない末端部分、すなわち無地部とからなる。また、電極タブ11は、無地部を裁断して形成されるか、無地部に別途の導電部材を超音波溶接などで連結して形成されてもよい。このような電極タブ11は、
図1に示されている通り、電極組立体10の一側部のから同一の方向に並んで突出されてもよいが、これに制限されず、それぞれ異なる方向に突出されてもよい。
【0031】
電極組立体10の電極タブ11には、電極リード(Electrode Lead)12がスポット(Spot)溶接などで連結される。そして、電極リード12の一部は絶縁部14で周りが包囲される。絶縁部14は、電池ケース13の上部パウチ131と下部パウチ132が熱融着されるシーリング部134に限定されて位置し、電極リード12を電池ケース13に接着させる。また、電極組立体10から生成される電気が電極リード12を通じて電池ケース13に流れることを防止し、電池ケース13のシーリングを保持する。よって、このような絶縁部14は、電気がよく通らない非伝導性を有する不導体で製造される。一般に絶縁部14には、電極リード12に付着するのが容易であり、厚さが比較的に薄い絶縁テープを多く用いるが、これに制限されず、電極リード12を絶縁することができれば多様な部材を用いてよい。
【0032】
電極リード12は、正極タブ111及び負極タブ112の形成位置に従って互いに同一の方向に延長されてもよく、互いに反対の方向に延長されてもよい。正極リード121及び負極リード122は、互いにその材質が異なってよい。すなわち、正極リード121は、正極板と同一のアルミニウム(Al)材質であり、負極リード122は、負極板と同一の銅(Cu)材質、またはニッケル(Ni)がコーティングされた銅材質であってよい。また、電池ケース13の外部に突出された電極リード12の一部分は端子部となって、外部端子と電気的に接続される。
【0033】
本発明の実施形態に係るパウチ型二次電池1における電池ケース13は、軟性の材質で製造されたパウチである。以下、電池ケース13はパウチであることで説明する。電池ケース13は、電極リード12の一部、すなわち、端子部が露出されるように電極組立体10を収容してシーリングされる。このような電池ケース13は、
図1に示されている通り、上部パウチ131と下部パウチ132を含む。下部パウチ132には、電極組立体10を収容することができる収容空間1331が設けられ、上部パウチ131は、前記電極組立体10が電池ケース13の外部に離脱されないよう前記収容空間1331を上部でカバーする。このとき、
図1に示されている通り、上部パウチ131にも収容空間1331が形成され、電極組立体10を上部で収容することもできる。上部パウチ131と下部パウチ132は、
図1に示されている通り、一側部が互いに連結されて製造されてよいが、これに制限されず、互いに分離して別に製造されるなど多様に製造されてよい。
【0034】
電極組立体10の電極タブ11に電極リード12が連結され、電極リード12の一部分に絶縁部14が形成されると、下部パウチ132に設けられた収容空間1331に電極組立体10が収容され、上部パウチ131が前記収容空間1331を上部でカバーする。また、内部に電解液を注入し、上部パウチ131と下部パウチ132の縁部に形成されたシーリング部134がシーリングされると、
図2に示されている通り、二次電池1が製造される。
【0035】
図3は、本発明の一実施形態に係る接着剤塗布方法のフローチャートである。
本発明の一実施形態に係る接着剤塗布方法によれば、ノズルを利用しないので、ノズルが詰まって液状接着剤3が塗布されないことを防止することができる。さらに、液状接着剤3を塗布するためにノズルが移動するライン及び塗布時間を設定する必要がないので、製造の歩留まりを改善し、二次電池1の生産性を向上させることができる。
【0036】
このために、本発明の一実施形態に係る接着剤塗布方法は、流路222を通じて接着剤塗布装置2の接着空間221が液状接着剤3を収容するステップと、二次電池1を直立させ、前記二次電池1の一側部のシーリング部134を前記接着空間221に挿入するステップと、前記二次電池1を引き出すステップと、前記液状接着剤3が塗布された前記シーリング部134に紫外線41を照射するステップと、を含む。
【0037】
以下、
図3のフローチャートに示されている各ステップを、
図4から
図8を参考にして具体的に説明する。
【0038】
図4は、本発明の一実施形態に係る接着剤塗布装置2を側面から示した概略図である。
【0039】
本発明の一実施形態に係る接着剤塗布装置2は、
図4に示されている通り、直立した二次電池1の片面を支持する支持面211を含む側部21と、液状接着剤3を収容して前記直立した二次電池1の一側部のシーリング部134が挿入される接着空間221、及び前記接着空間221と連結されて前記液状接着剤3が前記接着空間221に流動する流路222を含み、前記側部21の下方に位置する下部22と、を含む。
【0040】
接着剤塗布装置2の側部21は支持面211を含む。支持面211は、二次電池1が直立して接着空間221に挿入されるとき、二次電池1の片面を支持する。このために、支持面211は平たく形成され、前記直立した二次電池1の片面と並んでいることが好ましい。それにより、二次電池1の片面を安定的に支持することができる。
【0041】
接着剤塗布装置2の下部22は側部21の下方に位置し、接着空間221と流路222を含む。接着剤塗布装置2の側部21と下部22は別に製造された後に組み立てられてもよいが、最初から一体に製造されるなど、制限なく多様に形成されてよい。
【0042】
接着空間221は、液状接着剤(
図5を参照)3を収容し、直立した二次電池1の一側部のシーリング部134が挿入される。このために接着空間221は、
図4に示されている通り、接着剤塗布装置2の下部22の上面から下方に陥没して形成されてよい。二次電池1が直立すれば、支持面211が支持する二次電池1の片面は二次電池1の左側または右側の方向を向き、二次電池1の一側部のシーリング部134は下方を向く。したがって、接着空間221は、側部21の下方に位置する下部22に形成されることにより、二次電池1が支持面211に支持されながらシーリング部134が順調に接着空間221に挿入されてよい。
【0043】
接着空間221は液状接着剤3を収容する。よって、二次電池1のシーリング部134が接着空間221に挿入されると、二次電池1のシーリング部134が液状接着剤3に浸漬される。そして、再度二次電池1を引き出せば、液状接着剤3に浸漬されていたシーリング部134の一部の領域に液状接着剤3が塗布される。よって、前記接着空間221の深みが深いほど液状接着剤3が多く収容されるので、液状接着剤3が塗布されるシーリング部134の領域が広くなり、接着空間221の深みが浅いほど液状接着剤3が少なく収容されるので、液状接着剤3が塗布されるシーリング部134の領域が狭くなる。
【0044】
液状接着剤3は、紫外線(UV、Ultra-Violet rays)が照射されると硬化される、ウレタンアクリレート(UA)系の接着剤であってよい。ウレタンアクリレートは、ウレタン樹脂を紫外線硬化型(UV硬化型)に製造した化合物であって、ウレタン結合とアクリレート基を共に有する化合物の総称である。このようなウレタンアクリレートは、絶縁性、柔軟性及び耐磨耗性に優れる。よって、前記シーリング部134に塗布された液状接着剤3に紫外線(
図8を参照)41を照射すれば、硬化され、シーリング部134の端面を通じて露出される金属を絶縁させることができる。
【0045】
接着空間221は下方に行くほど幅が狭くなる。すなわち、接着空間221の上側の幅は下側の幅より相対的に広くてよく、逆に、接着空間221の下側の幅は上側の幅より相対的に狭くてよい。特に、
図4に示されている通り、接着空間221で前記支持面211に向かう内壁(
図4で左側内壁を指す)は、上側内壁2211と下側内壁2212を含むことができる。また、上側内壁2211は、接着空間221の幅が下方に行くほど連続的に狭くなるよう、角がチャンファリングまたはフィレッティングされた形状を有してよい。それにより、二次電池1のシーリング部134が容易に挿入され得る。また、下側内壁2212は、前記支持面211と並んで形成されてよい。それにより、二次電池1のシーリング部134が接着空間221に完全に挿入されたとき、二次電池1のシーリング部134が前記下側内壁2212に安定的に支持され得る。一方、接着空間221で前記支持面211の反対方向に向かう内壁(
図4で右側内壁を指す)2213には段差が形成されなくてよい。それにより、二次電池1のシーリング部134の挿入を妨げる障害物がなくなり得る。
【0046】
流路222は、接着空間221と連結されて液状接着剤3が接着空間221に流動する通路となる。このような流路222は一つだけ形成されてもよいが、液状接着剤3が接着空間221に速やかに収容されるために複数形成されることが好ましい。
【0047】
図示されてはいないが、液状接着剤3は、別に設けられた接着剤タンクに貯蔵される。また、接着剤タンクは、貯蔵された液状接着剤3をディスペンサーに供給し、ディスペンサーは、供給された液状接着剤3を流路222に注入する。それにより、流路222に注入された液状接着剤3は、流路222を通じて流動して接着空間221に収容され得る。流路222が複数形成される場合、ディスペンサーは一つだけ形成され、移動しながらそれぞれの流路222に液状接着剤3を注入することもできる。ただ、これに制限されず、ディスペンサーも複数形成され、それぞれの流路222ごとに対応されるディスペンサーが、前記対応される流路222に液状接着剤3をそれぞれ注入することもできる。
【0048】
二次電池1のシーリング部134を接着空間221に挿入するために、使用者が手で直接二次電池1の上部をグリップするか、別途のグリッパーがグリップしなければならない。ところが、もし接着剤塗布装置2の高さが二次電池1より高ければ、支持面211と使用者の手またはグリッパーに互いに衝突が発生し得る。したがって、接着剤塗布装置2は、二次電池1のシーリング部134が接着空間221に挿入されたとき、二次電池1より高さが低いことが好ましい。
【0049】
図5は、本発明の一実施形態に係る接着剤塗布装置2の接着空間221に液状接着剤3が収容された様子を側面から示した概略図である。
【0050】
二次電池1のシーリング部134に接着剤を塗布するため、
図5に示されている通り、先ず流路222を通じて接着剤塗布装置2の接着空間221が液状接着剤3を収容する(S301)。このとき、液状接着剤3を貯蔵する接着剤タンクがディスペンサーに液状接着剤3を供給すれば、ディスペンサーを利用して前記流路222に前記液状接着剤3を注入することができる。そうすると、液状接着剤3が前記流路222を通じて流動し、接着空間221に収容され得る。
【0051】
液状接着剤3の量が少な過ぎると、シーリング部134に液状接着剤3が十分塗布されないことがある。逆に、液状接着剤3の量が多過ぎると、シーリング部134が接着空間221に挿入されて液状接着剤3に浸漬されたとき、液状接着剤3が接着空間221の外部に漏れることもある。よって、シーリング部134に十分塗布でき、接着空間221の外部に漏れない液状接着剤3の最適の量を実験的に導き出すことができる。
【0052】
図6は、本発明の一実施形態に係る接着剤塗布装置2の接着空間221に二次電池1のシーリング部134を挿入した様子を側面から示した概略図である。
図7は、本発明の一実施形態に係る接着剤塗布装置2の接着空間221に二次電池1のシーリング部134を挿入した様子を正面から示した概略図である。
【0053】
接着空間221に液状接着剤3が十分収容されると、
図6及び
図7に示されている通り、二次電池1を直立させて二次電池1の一側部のシーリング部134を前記接着空間221に挿入する(S302)。このとき、二次電池1の片面が接着剤塗布装置2の支持面211によって支持されると、二次電池1が安定的に直立することができる。
【0054】
もし、電池ケース13の上部パウチ131と下部パウチ132の一側部が互いに連結されて製造されれば、上部パウチ131が収容空間1331をカバーするとき、前記連結された部分はフォールディングされる。このようなフォールディングされた部分は、パウチフィルムの金属が外部に露出されないので、液状接着剤3を塗布する必要がない。しかし、フォールディングされた部分でない熱融着されたシーリング部134は、パウチフィルムの金属が外部に露出されるので、液状接着剤3を塗布しなければならない。よって、電池ケース13を直立させる時には、液状接着剤3を塗布しようとするシーリング部134が下方に向かって位置するように直立させる。
【0055】
図6及び
図7には二次電池1の全幅が上下方向に向かうように二次電池1を直立させることが示されているが、これに制限されず、二次電池1の全長が上下方向に向かうように二次電池1を直立させることもできる。もし二次電池1の全幅が上下方向に向かうように二次電池1を直立させるとすれば、二次電池1の長手方向に長く形成されたシーリング部134が下方に向かって位置する。そして、長手方向に長く形成されたシーリング部134が接着空間221に挿入されて液状接着剤3に浸漬される。しかし、もし二次電池1の全長が上下方向に向かうように二次電池1を直立させるとすれば、二次電池1の幅方向に長く形成されたシーリング部134が下方に向かって位置する。そして、幅方向に長く形成されたシーリング部134が接着空間221に挿入されて液状接着剤3に浸漬される。
【0056】
図8は、本発明の一実施形態に係る二次電池1のシーリング部134に紫外線41を照射する様子を示した概略図である。
【0057】
二次電池1のシーリング部134を液状接着剤3に十分浸漬させた後、再度二次電池1を引き出す(S303)。そうすると、液状接着剤3に浸漬されていたシーリング部134の一部の領域に液状接着剤3が塗布される。そして、
図8に示されている通り、液状接着剤3が塗布されたシーリング部134にUVランプ4を利用して紫外線41を照射する(S304)。
【0058】
UVランプ4は、外部に紫外線41を照射するランプである。また、紫外線41は、可視光線より波長がさらに短い電磁波であって、大凡10nmから400nmの波長を有する。波長が非常に短いため人の目には見えず、エネルギーが高くて化学作用が大きいため殺菌、漂白などに容易に用いられる。
【0059】
一方、前述したところのように、液状接着剤3は、紫外線41が照射されると硬化されるウレタンアクリレート(UA)系の接着剤であってよい。よって、前記シーリング部134に塗布された液状接着剤3に紫外線41を照射すれば、硬化され、シーリング部134の端面を通じて露出される金属を絶縁させることができる。
【0060】
図9は、本発明の他の実施形態に係る接着剤塗布装置2aを側面から示した概略図である。
【0061】
本発明の一実施形態に係る接着剤塗布装置2は、側部21の支持面211が二次電池1の片面と並んでおり、このような支持面211は接着剤塗布装置2の下部22まで延長して形成される。ところが、二次電池1のシーリング部134が液状接着剤3に浸漬された後に引き出されるとき、二次電池1のシーリング部134に塗布された液状接着剤3の一部が落下して接着剤塗布装置2の下部22の上面を汚染させることがある。しかし、落下した液状接着剤3をきれいに掃除しても、接着剤塗布装置2の側部21と下部22の連結角に前記液状接着剤3が残存し得る。そうすると、追って再度二次電池1のシーリング部134が接着空間221に挿入されたとき、二次電池1の外面を汚染させることがある。
【0062】
本発明の他の実施形態によれば、
図9に示されている通り、接着剤塗布装置2aの側部21aは、支持面211aの下端から側部21aの内側に向かって特定の傾斜を有する傾斜面212aが形成される。それにより、下部22の上面から液状接着剤3の汚染の有無を目視で容易に判断することができ、汚染した下部22の上面を容易に掃除することもできる。また、二次電池1の外面が汚染することを防止することができる。
【0063】
本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明が、その技術的思想や必須の特徴を変更しなくとも、他の具体的な形態に実施され得るということを理解できるはずである。したがって、以上で記述した実施形態は全ての面で例示的なものであり、限定的でないものと理解しなければならない。本発明の範囲は、前記詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲によって表され、特許請求の範囲の意味及び範囲、そして、その均等の概念から導き出される多様な実施形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されなければならない。