(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-19
(45)【発行日】2022-07-27
(54)【発明の名称】上りリンク信号を送信する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H04W 72/12 20090101AFI20220720BHJP
H04W 76/27 20180101ALI20220720BHJP
H04W 74/08 20090101ALI20220720BHJP
【FI】
H04W72/12 150
H04W76/27
H04W74/08
(21)【出願番号】P 2019521751
(86)(22)【出願日】2017-11-01
(86)【国際出願番号】 KR2017012246
(87)【国際公開番号】W WO2018084565
(87)【国際公開日】2018-05-11
【審査請求日】2020-10-30
(32)【優先日】2016-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100109841
【氏名又は名称】堅田 健史
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【氏名又は名称】小林 英了
(72)【発明者】
【氏名】イ,スンジュン
(72)【発明者】
【氏名】リ,サンヤン
【審査官】桑江 晃
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-514831(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおいて、端末
(User Equipment:UE)が上りリンク(uplink:UL)信号を送信する方法であって、
前記端末がRRC
(Radio Resource Control)_
INACTIVEに進入する段階に基づいて、前記端末が時間整列タイマ
(A Time Alignment Timer:I-TAT)を開始する段階;
前記I-TAT動作段階に基づいて、任意接続(random access:RA)手順を開始せずに、
RRC_INACTIVEの為に構成されたULグラントを使用して、
RRC_INACTIVEにおいて、前記端末がULデータ送信
を実行する段階;
及び、
前記I-TAT非動作段階に基づいて、RRC_INACTIVEにおいて、前記端末が
RA手順を除いてUL送信を実行しない段階;を含んでなる、方法。
【請求項2】
前記I-TATの満了に基づいて、RRC_INACTIVEにおいて、前記端末がRRC_INACTIVEの為に構成された前記ULグラントを解除する段階;を更に含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
システム情報を介して、
RRC_INACTIVEにおいて、前記端末が前記I-TATを再開始するという指示を受信する段階;及び
前記指示を受信する段階に基づいて、
RRC_INACTIVEにおいて、前記端末が前記I-TATを再開始する段階;を更に含んでなる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記I-TATは、
RRC_INACTIVEにおいて、前記端末がULタイミング
(Timing)が同期化されたと判断する期間である、請求項1~3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記I-TAT動作段階に基づいて、RA手順を開始せずに、
RRC_INACTIVEの為に構成された前記ULグラントを使用して、
RRC_INACTIVEにおいて、前記端末が前記ULデータ送信
を実行する段階;
前記端末の識別子と共に前記ULデータ送信
を実行する段階;を更に含んでなる、請求項1~
4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記端末が前記RRC_
INACTIVEから離れる段階に基づいて、前記端末が前記I-TATを中断する段階;を更に含んでなる、請求項1~
5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記端末がRRC_
INACTIVEに進入する段階の為に、前記I-TATの値を受信する段階;を更に含んでなる、請求項1~
6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
無線通信システムにおいて、上りリンク(uplink:UL)信号を送信する端末
(User Equipment:UE)であって、
ラジオ周波数(radio frequency:RF)送受信装置;
プロセッサ;及び
前記プロセッサが動作を実行させる少なくとも1つのプログラムを格納するメモリ;を備えてなり、
前記動作は、
前記端末がRRC(Radio Resource Control)_
INACTIVEを発生する段階に基づいて、時間整列タイマ
(A Time Alignment Timer:I-TAT)を開始する段階;
前記RF送受信装置を介して、前記I-TAT動作段階に基づいて、任意接続(random access:RA)手順を開始せずに、
RRC_INACTIVEの為に構成されたULグラントを使用して、
RRC_INACTIVEにおいて、前記端末がULデータ送信
を実行する段階;
及び、
前記I-TAT非動作段階に基づいて、RRC_INACTIVEにおいて、前記端末が
RA手順を除いてUL送信を実行しない段階;を含んでなる、端末。
【請求項9】
前記動作は、
前記I-TATの満了に基づいて、RRC_INACTIVEにおいて、前記端末がRRC_INACTIVEの為に構成された前記ULグラントを解除する段階;を更に含んでなる、請求項
8に記載の端末。
【請求項10】
前記動作は、
システム情報を介して、
RRC_INACTIVEにおいて、
前記端末が前記I-TATを再開始するという指示を受信する段階;
前記指示を受信する段階に基づいて、
RRC_INACTIVEにおいて、
前記端末が前記I-TATを再開始する段階;を更に含んでなる、請求項
8又は
9に記載の端末。
【請求項11】
前記I-TATは、
RRC_INACTIVEにおいて、前記端末がULタイミング
(Timing)が同期化されたと判断する期間である、請求項
8~
10の何れか一項に記載の端末。
【請求項12】
前記動作は、
前記I-TAT動作段階に基づいて、RA手順を開始せずに、
RRC_INACTIVEの為に構成された前記ULグラントを使用して、
RRC_INACTIVEにおいて、前記端末が前記ULデータ送信
を実行する段階;
前記端末の識別子と共に前記ULデータ送信
を実行する段階;を更に含んでなる、請求項
8~
11の何れか一項に記載の端末。
【請求項13】
前記動作は、前記端末が前記RRC_
INACTIVEから離れる段階に基づいて、前記I-TATを中断する段階;を更に含んでなる、請求項
8~
12の何れか一項に記載の端末。
【請求項14】
前記動作は、前記端末がRRC_
INACTIVEに進入する段階の為に、前記I-TATの値を受信する段階;を更に含んでなる、請求項
8~
13の何れか一項に記載の端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線通信システムに関し、特に、上りリンク信号を送信する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明を適用できる無線通信システムの一例として、3GPP LTE(3rd Generation Partnership Project Long Term Evolution;以下、“LTE”という)通信システムについて概略的に説明する。
【0003】
図1は無線通信システムの一例であって、E-UMTSネットワーク構造を示す概略図である。E-UMTS(Evolved Universal Mobile Telecommunications System)は、既存のUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)から進化したシステムであって、現在、3GPPで基礎的な標準化作業を進めている。一般に、E-UMTSは、LTE(Long Term Evolution)システムと称することもできる。UMTS及びE-UMTSの技術規格(technical specification)の詳細な内容は、それぞれ「3rd Generation Partnership Project;Technical Specification Group Radio access Network」のRelease 7とRelease 8を参照することができる。
【0004】
図1を参照すると、E-UMTSは、端末(User Equipment;UE)、基地局(eNode B;eNB)、及びネットワーク(E-UTRAN)の終端に位置し、外部ネットワークと接続される接続ゲートウェイ(Access Gateway;AG)を含む。基地局は、ブロードキャストサービス、マルチキャストサービス及び/又はユニキャストサービスのために多重データストリームを同時に送信することができる。
【0005】
一つの基地局には一つ以上のセルが存在する。セルは、1.25Mhz、2.5Mhz、5Mhz、10Mhz、15Mhz、20Mhzなどの帯域幅のうち一つに設定され、多くの端末に下りリンク又は上りリンク送信サービスを提供する。互いに異なるセルは、互いに異なる帯域幅を提供するように設定することができる。基地局は、複数の端末に対するデータ送受信を制御する。下りリンク(Downlink;DL)データに対して、基地局は、下りリンクスケジューリング情報を送信し、該当の端末にデータが送信される時間/周波数領域、符号化、データサイズ、HARQ(Hybrid Automatic Repeat and reQuest)関連情報などを知らせる。また、上りリンク(Uplink;UL)データに対して、基地局は、上りリンクスケジューリング情報を該当の端末に送信し、該当の端末が使用可能な時間/周波数領域、符号化、データサイズ、HARQ関連情報などを知らせる。各基地局間には、ユーザトラフィック又は制御トラフィックの送信のためのインターフェースを使用することができる。核心網(Core Network;CN)は、AG及び端末のユーザ登録などのためのネットワークノードなどで構成することができる。AGは、複数のセルで構成されるTA(Tracking Area)単位で端末の移動性を管理する。
【0006】
無線通信技術は、WCDMA(登録商標)に基づいてLTEまで開発されてきたが、ユーザと事業者の要求と期待は持続的に増加している。また、他の無線接続技術が継続して開発されているので、今後、競合力を有するためには新たな技術進化が要求され、ビット当たりの費用減少、サービス可用性増大、融通性のある周波数バンドの使用、単純構造と開放型インターフェース、端末の適切なパワー消耗などが要求される。
【0007】
より多くの通信装置がより大きい通信容量を要求することにより、レガシー無線アクセス技術(radio access technology;RAT)に比べて向上したモバイル広帯域通信に対する必要性が台頭しつつある。また、複数の装置と客体(object)とを相互接続していつどこでも様々なサービスを提供するための大規模機械タイプ通信(massive machine type communication;mMTC)は、次世代通信において考慮すべき主要争点の一つである。また、信頼度及び待機時間に敏感なサービス/UEを考慮して設計される通信システムに関する議論が進行中である。次世代(next generation)無線アクセス技術の導入は、向上したモバイル広帯域通信(eMBB)、mMTC、超高信頼性及び低待機時間通信(ultra-reliable and low latency communication;URLLC)などを考慮して論議されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
新しい無線通信技術の導入から、基地局が所定リソース領域でサービスを提供すべきUEの個数が増加するだけでなく、上記基地局がサービスを提供するUEと送信/受信するデータと制御情報の量も増加している。基地局がUEとの通信に利用可能な無線リソースの量は有限のため、基地局が有限の無線リソースを用いて上りリンク/下りリンクデータ及び/又は上りリンク/下りリンク制御情報をUEから/に效率的に受信/送信するための新しい方案が要求される。
【0009】
なお、技術の発達に伴ってディレイ(delay)或いは遅延(latency)の克服が重要な課題として台頭しつつある。性能がディレイ/遅延によって大きく左右されるアプリケーションが増加していることから、既存システムに比べてディレイ/遅延を減らすための方案が要求されている。
【0010】
また、スマート機器の発達に伴って、少ない量のデータを効率的に送信/受信或いは低い頻度で発生するデータを効率的に送信/受信するための新しい方案も要求されている。
【0011】
また、新しい無線接続技術を支援するシステムで効率的に信号を送信/受信する方法が要求される。
【0012】
本発明が遂げようとする技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及していない他の技術的課題は、以下の発明の詳細な説明から本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者には明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一側面において、無線通信システムにおいて端末が上りリンク(uplink、UL)信号を送信する方法が提供される。該方法は、端末がRRC_CONNECTED状態ではない間に使用できるULグラントを端末が受信する段階;RRC_CONNECTED状態から離れることを指示するメッセージを端末が受信する段階;端末がRRC_CONNECTED状態から離れると、端末が時間整列タイマ(I-TAT)を開始する段階;及び端末がRRC_CONNECTED状態ではない時、送信するULデータがあり、またI-TATが動作中であると、端末がULグラントを使用してULデータを送信する段階を含む。
【0014】
本発明の他の側面において、無線通信システムにおいて上りリンク(uplink、UL)信号を送信する端末が提供される。端末はラジオ周波数(radio frequency、RF)ユニット及び該RFユニットを制御するように構成されるプロセッサを備える。プロセッサは、端末がRRC_CONNECTED状態ではない間に使用できるULグラントを受信するようにRFユニットを制御し;RRC_CONNECTED状態から離れることを指示するメッセージを受信するようにRFユニットを制御し;端末がRRC_CONNECTED状態から離れると、時間整列タイマ(I-TAT)を開始し;及び端末がRRC_CONNECTED状態ではない時、送信するULデータがあり、またI-TAT動作中であると、ULグラントを使用してULデータを送信するようにRFユニットを制御するように構成される。
【0015】
本発明の各側面において、端末がRRC_CONNECTED状態ではない時、送信するULデータがあり、またI-TATが動作中ではないと、端末が任意接続(random access、RA)手順を開始する。
【0016】
本発明の各側面において、端末はシステム情報によりI-TATを再開始するという指示を受信することができる。指示を受信すると、端末がI-TATを再開始する。
【0017】
本発明の各側面において、I-TATは、端末がRRC_CONNECTED状態ではない間にULタイミングが同期化されたと判断する期間であることができる。
【0018】
本発明の各側面において、端末がRRC_CONNECTED状態から離れることは、端末がRRC_INACTIVE状態に進入することである。
【0019】
本発明の各側面において、端末がRRC_CONNECTED状態ではない時、ULデータはULグラントを用いて端末の識別子と共に送信されることができる。
【0020】
本発明の各側面において、端末がRRC_CONNECTED状態に進入する時、端末はI-TATを中断することができる。
【0021】
上記の課題解決方法は、本発明の実施例の一部に過ぎず、当該技術の分野における通常の知識を有する者にとっては、本願発明の技術的特徴が反映された様々な実施例を、以下に説明する本発明の詳細な説明から導出できるということは明らかであろう。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、上りリンク/下りリンク信号を效率的に送信/受信することができる。これによって、無線通信システムの全体処理量(throughput)が向上する。
【0023】
本発明の一実施例によれば、低価/低複雑度のUEがレガシーシステムと互換性を維持しながら低コストで基地局(base station;BS)と通信を行うことができる。
【0024】
本発明の一実施例によれば、低価/低複雑度のUEを実現することができる。
【0025】
本発明の一実施例によれば、UEとBSとが低い帯域(narrowband)で互いに通信を行うことができる。
【0026】
本発明の一実施例によれば、UEとBSとの通信過程において発生するディレイ/遅延を低くできる。
【0027】
また、スマート機器のための少ない量のデータを効率的に送信/受信或いは低い頻度で発生するデータを効率的に送信/受信することができる。
【0028】
また、新しい無線接続技術を支援するシステムで信号が効率的に送信/受信されることができる。
【0029】
本発明の一実施例によれば、少ない量のデータを効率的に送信/受信することができる。
【0030】
本発明に係る効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及していない他の効果は、以下の発明の詳細な説明から、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者には明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本発明に関する理解を助けるために詳細な説明の一部として含まれる添付の図面は、本発明に関する実施例を提供し、詳細な説明と共に本発明の技術的思想を説明する。
【0032】
【
図1】無線通信システムの一例であって、E-UMTSネットワーク構造を示す概略図である。
【
図2】E-UMTS(Evolved-Universal Mobile Telecommunication System)のネットワーク構造を示すブロック図である。
【
図3】一般的なE-UTRAN及びEPCの構造を示すブロック図である。
【
図4】3GPP無線接続ネットワーク規格に基づくユーザ機器(user equipment、UE)とE-UTRANの間の無線インターフェースプロトコル(Radio Interface Protocol)の制御平面(Control Plane、CP)及びユーザ平面(User Plane、UP)構造を示す図である。
【
図5】E-UMTSシステムにおいて用いる物理チャネル構造の一例を示す図である。
【
図6】本発明によってULデータ送信の一例を示すフローチャートである。
【
図7】本発明を実行する送信装置100及び受信装置200の構成要素を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明に係る好適な実施の形態を、添付の図面を参照して詳しく説明する。添付の図面と共に以下に開示される詳細な説明は、本発明の例示的な実施の形態を説明するためのものであり、本発明が実施し得る唯一の実施の形態を示すためのものではない。以下の詳細な説明は、本発明の完全な理解を提供するために具体的な細部事項を含む。しかし、当業者にとってはこのような具体的な細部事項なしにも本発明を実施できることは明らかである。
【0034】
いくつかの場合、本発明の概念が曖昧になることを避けるために、公知の構造及び装置を省略したり、各構造及び装置の核心機能を中心にしたブロック図の形式で示すことができる。また、本明細書全体を通じて同一の構成要素については、同一の図面符号を付して説明する。
【0035】
以下に説明する技法(technique)及び装置、システムは、様々な無線多元接続システムに適用することができる。多元接続システムの例には、CDMA(code division multiple access)システム、FDMA(frequency division multiple access)システム、TDMA(time division multiple access)システム、OFDMA(orthogonal frequency division multiple access)システム、SC-FDMA(single carrier frequency division multiple access)システム、MC-FDMA(multi carrier frequency division multiple access)システムなどがある。CDMAは、UTRA(Universal Terrestrial Radio access)又はCDMA2000のような無線技術(technology)によって具現することができる。TDMAは、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communication)、GPRS(General Packet Radio Service)、EDGE(Enhanced Data Rates for GSM(登録商標)Evolution)(i.e.,GERAN)などのような無線技術によって具現することができる。OFDMAは、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11(Wi-Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802-20、E-UTRA(evolved-UTRA)などのような無線技術によって具現することができる。UTRAは、UMTS(Universal Mobile Telecommunication System)の一部であり、3GPP(3rd Generation Partnership Project)LTE(Long Term Evolution)は、E-UTRAを用いるE-UMTSの一部である。3GPP LTEは、下りリンク(downlink、DL)ではOFDMAを採択し、上りリンク(uplink、UL)ではSC-FDMAを採択している。LTE-A(LTE-advanced)は、3GPP LTEの進化した形態である。説明の便宜のために、以下では、本発明が3GPP LTE/LTE-Aに適用される場合を仮定して説明する。しかし、本発明の技術的特徴がこれに制限されるものではない。例えば、以下の詳細な説明が、移動通信システムが3GPP LTE/LTE-Aシステムに対応する移動通信システムに基づいて説明されても、3GPP LTE/LTE-A特有の事項以外は、他の任意の移動通信システムにも適用可能である。
【0036】
例えば、本発明は、3GPP LTE/LTE-Aシステムのように、eNBがUEに下りリンク/上りリンク時間/周波数リソースを割り当て、UEがeNBの割当てによって下りリンク信号を受信し、上りリンク信号を送信する非-競合ベース(non-contention based)通信だけでなく、Wi-Fiのような競合ベース(contention based)通信にも適用することができる。非-競合ベース通信技法は、接続ポイント(access point、AP)或いは上記接続ポイントを制御する制御ノード(node)が、UEと上記AP間の通信のためのリソースを割り当てるが、競合ベース通信技法は、APに接続しようとする複数UE間の競合によって通信リソースが占有される。競合ベース通信技法についして簡略に説明すると、競合ベース通信技法の一種として搬送波感知多元接続(carrier sense multiple access、CSMA)がある。CSMAとは、ノード或いは通信機器が周波数帯域(band)のような、共有送信媒体(shared transmission medium)(共有チャネルともいう。)上でトラフィック(traffic)を送信する前に、同一のまま、共有送信媒体上に他のトラフィックがないことを確認する確率的(probabilistic)媒体接続制御(media access control、MAC)プロトコル(protocol)を指す。CSMAにおいて送信装置は受信装置にトラフィックを送ることを試みる前に、他の送信が進行中であるか否か決定する。換言すれば、送信装置は、送信を試みる前に、他の送信装置からの搬送波(carrier)の存在を検出(detect)することを試みる。搬送波が感知されると、送信装置は、自身の送信を開始する前に、進行中の他の送信装置によって送信が完了(finish)することを待つ。結局、CSMAは、“sense before transmit”或いは“listen before talk”の原理を基盤にした通信技法といえる。CSMAを用いる競合ベース通信システムにおいて送信装置間の衝突を回避するための技法としてCSMA/CD(Carrier Sense Multiple access with Collision Detection)及び/又はCSMA/CA(Carrier Sense Multiple access with Collision Avoidance)が用いられる。CSMA/CDは、有線LAN環境での衝突検出技法であり、イーサネット(登録商標)(ethernet)環境で通信をしようとするPC(Personal Computer)やサーバー(server)がまず、ネットワーク上で通信が行われているか確認した後、他の装置(device)がデータを上記ネットワーク上で載せて送っていると、待ってからデータを送る。即ち、2人以上のユーザ(例、PC、UEなど)が同時にデータを乗せて送る場合、上記同時送信間に衝突が発生するが、CSMA/CDは、上記衝突を監視し、柔軟性あるデータ送信がなされるようにする技法である。CSMA/CDを用いる送信装置は、特定規則を用いて他の送信装置によるデータ送信を感知し、自身のデータ送信を調節する。CSMA/CAは、IEEE802.11標準に明示されている媒体接近制御プロトコルである。IEEE802.11標準に従うWLANシステムは、IEEE802.3標準で用いられたCSMA/CDを用いず、CA、即ち、衝突を回避する方式を用いている。送信装置は、常にネットワークの搬送波を感知しているが、ネットワークが空になると、目録に登載された自身の位置によって、定められた時間を待ってからデータを送る。目録内で送信装置間の優先順位を決め、これを再設定(reconfiguration)するためには様々方法を用いることができる。IEEE802.11標準の一部バージョンに従うシステムでは、衝突が起きることがあり、この場合には衝突感知手順が行われる。CSMA/CAを用いる送信装置は、特定規則を用いて、他の送信装置によるデータ送信と自身のデータ送信間の衝突を回避する。
【0037】
後述する本発明の実施例において「仮定する」という表現は、チャネルを送信する主体が該当の「仮定」に符合するように上記チャネルを送信することを意味できる。上記チャネルを受信する主体は、上記チャネルが該当の「仮定」に符合するように送信されたという前提下に、該当の「仮定」に符合する形態で上記チャネルを受信或いは復号するものであることを意味できる。
【0038】
本発明において、UEは、固定していても移動性を有してもよく、基地局(base station、BS)と通信してユーザデータ及び/又は各種制御情報を送受信する各種機器がこれに属する。UEは、端末(Terminal Equipment)、MS(Mobile Station)、MT(Mobile Terminal)、UT(User Terminal)、SS(Subscribe Station)、無線機器(wireless device)、PDA(Personal Digital Assistant)、無線モデム(wireless modem)、携帯機器(handheld device)などと呼ぶことができる。また、本発明において、BSは、一般に、UE及び/又は他のBSと通信する固定局(fixed station)のことをいい、UE及び他のBSと通信して各種データ及び制御情報を交換する。BSは、ABS(Advanced Base Station)、NB(Node-B)、eNB(evolved-NodeB)、BTS(Base Transceiver System)、接続ポイント(Access Point)、PS(Processing Server)等の他の用語と呼ぶこともできる。上記本発明において、BSはeNBと呼ばれることができる。
【0039】
本発明でいうノード(node)とは、UEと通信して無線信号を送信/受信し得る固定した地点(point)のことを指す。様々な形態のeNBを、その名称に関係なくノードとして用いることができる。例えば、BS、NB、eNB、ピコセルeNB(PeNB)、ホームeNB(HeNB)、リレー、リピータなどをノードとすることができる。また、ノードは、eNBでなくてもよい。例えば、無線リモートヘッド(radio remote head、RRH)、無線リモートユニット(radio remote unit、RRU)とすることもできる。RRH、RRUなどは、一般に、eNBの電力レベル(power level)よりも低い電力レベルを有する。RRH或いはRRU(以下、RRH/RRU)は、一般に、光ケーブルなどの専用回線(dedicated line)でeNBに接続されているため、一般に、無線回線で接続されたeNBによる協調通信に比べて、RRH/RRUとeNBによる協調通信を円滑に行うことができる。1つのノードには少なくとも1つのアンテナが設置される。上記アンテナは物理アンテナを意味することもでき、アンテナポート、仮想アンテナ、又はアンテナグループを意味することもできる。ノードは、ポイント(point)とも呼ばれる。
【0040】
本発明でいうセル(cell)とは、1つ以上のノードが通信サービスを提供する一定の地理的領域を指す。従って、本発明で特定セルと通信するということは、上記特定セルに通信サービスを提供するeNB或いはノードと通信するということを意味できる。また、特定セルの下りリンク/上りリンク信号は、上記特定セルに通信サービスを提供するeNB或いはノードからの/への下りリンク/上りリンク信号を意味する。UEに上りリンク/下りリンク通信サービスを提供するセルを特にサービングセル(serving cell)という。
【0041】
一方、3GPP LTE/LTE-Aシステムは、無線リソースを管理するためにセル(cell)の概念を用いているが、無線リソースと関連付く(cell)は、地理的領域のセル(cell)と区別される。
【0042】
地理的領域の“セル”は、ノードが搬送波を用いてサービスを提供できるカバレッジ(coverage)と理解することができ、無線リソースの“セル”は、上記搬送波によって設定(configure)される周波数範囲である帯域幅(bandwidth、BW)に関連する。ノードが有効な信号を送信できる範囲である下りリンクカバレッジと、UEから有効な信号を受信できる範囲である上りリンクカバレッジは、当該信号を運ぶ搬送波に依存するので、ノードのカバレッジは、上記ノードが用いる無線リソースの“セル”のカバレッジと関連することもある。従って、“セル”という用語は、時にはノードによるサービスのカバレッジを、時には無線リソースを、時には上記無線リソースを用いた信号が有効な強度で到達できる範囲を意味することに用いることができる。
【0043】
一方、3GPP LTE-A標準は無線リソースを管理するためにセル(cell)の概念を使用する。無線リソースと関連付く“セル”とは、下りリンクリソース(DL resources)と上りリンクリソース(UL resources)との組合せ、即ち、DL CCとUL CCの組合せと定義される。セルは、DLリソース単独、又はDLリソースとULリソースとの組合せで設定する(configure)ことができる。搬送波集約が支援される場合、DLリソース(又は、DL CC)の搬送波周波数(carrier frequency)とULリソース(又は、UL CC)の搬送波周波数(carrier frequency)間のリンケージ(linkage)をシステム情報によって示すことができる。例えば、システム情報ブロックタイプ2(System Information Block Type 2;SIB2)リンケージ(linkage)によってDLリソースとULリソースとの組合せを示すことができる。ここで、搬送波周波数とは、各セル或いはCCの中心周波数(center frequency)を意味する。以下では、1次周波数(primary frequency)上で動作するセルを1次セル(primary cell;Pcell)或いはPCCと呼び、2次周波数(Secondary frequency)(又は、SCC)上で動作するセルを2次セル(secondary cell;Scell)或いはSCCと呼ぶ。下りリンクにおいてPcellに対応する搬送波を下りリンク1次CC(DL PCC)と称し、上りリンクにおいてPcellに対応する搬送波を上りリンク1次CC(DL PCC)と称する。Scellとは、RRC(Radio Resource Control)接続樹立(connection establishment)の後に設定可能であり、追加の無線リソースを提供のために利用できるセルを意味する。UEの性能(capabilities)によって、ScellがPcellと共に、上記UEのためのサービングセルのセット(set)を形成することができる。下りリンクにおいてScellに対応する搬送波を下りリンク2次CC(DL SCC)と称し、上りリンクにおいて上記Scellに対応する搬送波を上りリンク2次CC(UL SCC)と称する。RRC_CONNECTED状態であるが、搬送波集成が設定されていないか或いは搬送波集成を支援しないUEの場合、Pcellだけで設定されたサービングセルがただ一つ存在する。
【0044】
本発明において、“物理下りリンク制御チャネル(physical downlink control channel、PDCCH)”は、PDCCH、(設定された場合、サブフレームにおいて)EPDCCH(enhanced PDCCH)、MTC PDCCH(MAChine type communication PDCCH、MPDCCH)、R-PDCCH(relay PDCCH)が設定されており、中止していないリレーノード(relay node、RN)の場合には、R-PDCCHに、又は狭帯域モノのインターネット(narrowband Internet of things、NB-IoT)については狭帯域PDCCH(narrowband PDCCH、NBPDCCH)を意味する。
【0045】
本発明において、二重連結動作について“特別のセル(Special Cell)”という用語は、マスターセルグループ(master cell group、MCG)のPCellや2次セルグループ(Secondary cell group、SCG)のPCellを称し、それ以外の場合、特別のセルはPCellを称する。MCGは少なくともS1-MMEを終了するMeNBに連関するサービングセルのグループであり、SCGはUEにさらなる無線リソースを提供するものの、MeNBではないSeNBに連関したサービングセルのグループである。SCGは1次SCell(primary SCell、PSCell)及び選択的に1つ以上のSCellで構成される。二重連結では、2つのMACエンティティーがUEに設定されるので、1つはMCGのために、他の1つはSCGのために設定される。RRCにより各々のMACエンティティーはPUCCH送信と競争方式のランダム接続(contention based random access)を支援するサービングセルを有するように設定される。この明細書において、SPCellという用語はこのようなセルを意味し、反面SCellはそれ以外のサービングセルを意味する。SPCellという用語は、MACエンティティーがMCGに連関するか、それともSCGに連関するかによって、MCGのPCell又はSCGのPSCellを示す。
【0046】
本発明において、“C-RNTI”はセルRNTIを示し、“G-RNTI”はグループRTNIを示し、“P-RNTI”はページングRNTIを示し、“RA-RNTI”はランダム接続RNTIを示し、“SC-RNTI”は単一セルRNTIを示し、“SL-RNTI”はサイドリンクRNTIを示し、また“SPS C-RNTI”は準-持続的(Semi-persistent)スケジューリングC-RNTIを示す。
【0047】
本発明で使用する用語及び技術のうち、具体的に説明されていない用語及び技術については、3GPP LTE/LTE-A標準文書、例えば、3GPP TS 36.211、3GPP TS 36.212、3GPP TS 36.213、3GPP TS 36.300、3GPP TS 36.321、3GPP TS 36.322、3GPP TS 36.323及び3GPP TS 36.331を参照できる。
【0048】
図2はE-UMTS(Evolved-Universal Mobile Telecommunication System)のネットワーク構造を示すブロック図である。E-UMTSはLTEシステムとも呼ばれる。通信ネットワークはIMS及びパケットデータを通じたVoIP(Voice over IP)のような様々なサービスを提供するために広く配置される。
【0049】
図2に示したように、E-UMTSネットワークはE-UTRAN(evolved UMTS terrestrial radio access network)、EPC(evolved Packet core)及び1つ以上のUEを含む。E-UTRANは1つのセルに位置可能な1つ以上のeNB(evolved NodeB)20及び複数のUE10を含む。一つ以上のE―UTRAN MME(Mobility Management Entity)/SAE(System Architecture Evolution)ゲートウェイ30は、ネットワークの終端に位置し、外部ネットワークに接続することもできる。
【0050】
本明細書において、「下りリンク(downlink)」は、eNB20からUE10への通信を称し、「上りリンク(uplink)」は、UE10からeNB20への通信を称する。
【0051】
図3は、一般的なE―UTRANと一般的なEPCの構造を示すブロック図である。
【0052】
図3に示したように、eNB20は、ユーザ平面及び制御平面のエンドポイント(end point)をUE10に提供する。MME/SAEゲートウェイ30は、セッション及び移動性管理機能のエンドポイントをUE10に提供する。eNB20及びMME/SAEゲートウェイ30は、S1インターフェースを介して接続することができる。
【0053】
eNB20は、一般にUE10と通信する固定局であって、基地局(BS)又はアクセスポイント(access point)と称することもある。一つのeNB20はセルごとに配置することができる。ユーザトラフィック又は制御トラフィックを送信するためのインターフェースをeNB20間で使用することができる。
【0054】
MMEは、eNB20に対するNASシグナリング、NASシグナリング保安、AS保安制御、3GPP接続ネットワーク間の移動性のためのインター(inter)CNノードシグナリング、(ページング再送信の制御及び実行を含む。)遊休モード(idle mode)UE接近性(Reachability)、(遊休モード及び活性モード(active mode)のUEのための)トラッキング領域リスト管理、PDN GW及びサービングGW選択、MME変化が伴うハンドオーバーのためのMME選択、2G又は3G 3GPP接続ネットワークへのハンドオーバーのためのSGSN選択、ローミング、認証、専用ベアラ設定を含むベアラ管理、(ETWS及びCMASを含む)PWSメッセージ送信のためのサポートを含む多様な機能を行う。SAEゲートウェイホストは、パー―ユーザ(Per―user)ベースのパケットフィルタリング(例えば、深層パケット検査を使用)、適法なインターセプション(Lawful Interception)、UE IPアドレス割当て、下りリンクでの送信(Transport)レベルパケットマーキング、UL及びDLサービスレベル課金、ゲーティング及びレート強化、APN―AMBRに基づいたDLレート強化を含む多様な機能を提供する。MME/SAEゲートウェイ30は、明確性のために、本明細書で単純に「ゲートウェイ」と称する。しかし、MME/SAEゲートウェイ30は、MME及びSAEゲートウェイの両者を全て含む。
【0055】
複数のノードは、eNB20とゲートウェイ30との間でS1インターフェースを介して接続することができる。各eNB20は、X2インターフェースを介して相互接続することができ、各隣接eNBは、X2インターフェースを有するメッシュネットワーク構造(meshed network structure)を有することができる。
【0056】
図3に示したように、eNB20は、ゲートウェイ30に対する選択、無線リソース制御(Radio Resource Control、RRC)活性化の間、ゲートウェイに向かうルーティング、ページングメッセージのスケジューリング及び送信、ブロードキャストチャネル(BCCH)情報のスケジューリング及び送信、上りリンク及び下りリンクの全てにおける各UE10のための動的リソース割当て、eNB測定の構成及び準備、無線ベアラ制御、無線承認制御(Radio Admission Control、RAC)、及びLTE_ACTIVE状態での接続移動性制御などの各機能を行うことができる。EPCにおいて、ゲートウェイ30は、ページング発信、LTE_IDLE状態管理、ユーザ平面暗号化、システム構造エボリューション(System Architecture Evolution、SAE)ベアラ制御、及び非―接続層(Non―Access Stratum、NAS)シグナリングの暗号化及び完全性保護などの各機能を行うことができる。
【0057】
EPCは、移動性管理エンティティ(Mobility Management Entity、MME)、サービング―ゲートウェイ(serving―gateway、S―GW)、及びパケットデータネットワーク―ゲートウェイ(Packet Data Network―Gateway、PDN―GW)を含む。MMEは主にUEの移動性を管理する目的で用いられる連結及び可用性に関する情報を有する。S―GWは、E―UTRANを終端点として有するゲートウェイであり、PDN―GWは、パケットデータネットワーク(PDN)を終端点として有するゲートウェイである。
【0058】
図4は、3GPP無線接続網規格に基づくUEとE―UTRANとの間の無線インターフェースプロトコルの制御平面及びユーザ平面の構造を示す図である。制御平面は、端末(User Equipment;UE)とネットワークがコールを管理するために用いる各制御メッセージが送信される通路を意味する。ユーザ平面は、アプリケーション層で生成されたデータ、例えば、音声データ又はインターネットパケットデータなどが送信される通路を意味する。
【0059】
LTE/LTE-Aシステムの階層1(即ち、L1)は物理階層に相当する。第1階層(即ち、階層1又はL1)である物理階層は物理チャネル(physical channel)を用いて上位階層に情報送信サービス(information transfer service)を提供する。物理層は、上位にある媒体接続制御(Medium access Control)層とは送信チャネル(Transport Channel)を介して接続されている。前記送信チャネルを介して媒体接続制御層と物理層との間にデータが移動する。送信側と受信側の物理層間には、物理チャネルを介してデータが移動する。前記物理チャネルは、時間と周波数を無線リソースとして活用する。具体的に、物理チャネルは、下りリンクでOFDMA(Orthogonal Frequency division Multiple access)方式で変調され、上りリンクでSC―FDMA(Single Carrier Frequency division Multiple access)方式で変調される。
【0060】
LTE/LTE-Aシステムの階層2(即ち、L2)は次のサブ階層に分けられる:媒体接続制御(Medium access Control、MAC)、無線リンク制御(Radio Link Control、RLC)及びパケットデータ収斂プロトコル(Packet Data Convergence Protocol、PDCP)物理階層に相当する。第2層のRLC層は、信頼性のあるデータ送信をサポートする。RLC層の機能は、MAC内部の機能ブロックで具現することもできる。第2層のPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層は、帯域幅の狭い無線インターフェースでIPバージョン4(IP version 4、IPv4)パケットやIPバージョン6(IPv6)パケットのようなIP(internet protocol)パケットを効率的に送信するために不必要な制御情報を減少させるヘッダー圧縮(Header Compression)機能を行う。
【0061】
LTE/LTE-Aシステムの第3階層(Layer3、L3)は無線リソース制御(radio resource control、RRC)及び非接続層(non access stratum、NAS)サブ階層を含む。第3階層(即ち、L3階層)の最下位に位置する無線リソース制御(radio resource control、RRC)階層は制御平面のみで定義される。RRC層は、各無線ベアラ(Radio Bearer;RB)の設定(Configuration)、再設定(Re―configuration)及び解除(Release)と関連して論理チャネル、送信チャネル及び物理チャネルの制御を担当する。RBは、端末とネットワークとの間のデータ伝達のために第2層によって提供されるサービスを意味する。このために、UEのRRC階層とE-UTRANのRRC階層はRRCメッセージをやり取る。RRC階層の上位に位置するNAS階層はセクション管理と移動性管理のような機能を行う。
【0062】
eNBの一つのセルは、1.25MHz、2.5MHz、5MHz、10MHz、15MHz及び20MHzなどの各帯域のうち一つで動作するように設定することができ、帯域で下りリンク又は上りリンク送信サービスを提供するように設定することができる。異なる各セルは、異なる各帯域を提供するように設定することもできる。
【0063】
E―UTRANから端末への送信のための下りリンク送信チャネル(Downlink transport Channel)は、システム情報を送信するBCH(Broadcast Channel)、各ページングメッセージを送信するPCH(Paging Channel)、及びユーザトラフィック又は各制御メッセージを送信するための下りリンク共有チャネル(Shared Channel、SCH)を含む。下りリンクマルチキャスト又はブロードキャストサービスのトラフィック又は制御メッセージの場合、下りリンクSCHを介して送信することもでき、又は別途の下りリンクMCH(Multicast Channel)を介して送信することもできる。
【0064】
端末からネットワークにデータを送信する上りリンク送信チャネルとしては、初期制御メッセージを送信するRACH(Random access Channel)と、その他にユーザトラフィックや制御メッセージを送信する上りリンクSCH(Shared Channel)とがある。送信チャネルの上位にあり、送信チャネルにマップされる論理チャネルとしては、BCCH(Broadcast Control Channel)、PCCH(Paging Control Channel)、CCCH(Common Control Channel)、MCCH(Multicast Control Channel)、及びMTCH(Multicast Traffic Channel)などがある。
【0065】
図5は、E―UMTSシステムで使用する物理チャネル構造の一例を示した図である。物理チャネルは、時間軸上にある複数のサブフレームと、周波数軸上にある複数のサブキャリア(Sub―carrier)とで構成される。ここで、一つのサブフレーム(Sub―frame)は、時間軸上に複数のシンボル(Symbol)で構成される。一つのサブフレームは、複数のリソースブロック(Resource Block)で構成され、一つのリソースブロックは、複数のシンボル及び複数のサブキャリアで構成される。また、各サブフレームは、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、即ち、L1/L2制御チャネルのために該当のサブフレームの特定シンボル(例えば、1番目のシンボル)の特定サブキャリアを用いることができる。
図5には、L1/L2制御情報送信領域(PDCCH)とデータ領域(PDSCH)を示した。一実施例において、10msの無線フレーム(radio frame)が使用され、一つの無線フレームは10個のサブフレーム(subframe)で構成される。また、一つのサブフレームは二つの連続するスロットで構成される。一つのスロットの長さは0.5msである。また、一つのサブフレームは複数のOFDMシンボルで構成され、複数のOFDMシンボルのうち一部のシンボル(例えば、1番目のシンボル)は、L1/L2制御情報を送信するために使用することができる。
【0066】
無線フレームはデュプレックス(duplex)モードによって異なるように設定(configure)され得る。例えば、FDDモードにおいて、下りリンク送信及び上りリンク送信は周波数によって区分されるため、無線フレームは特定の周波数帯域に対して下りリンクサブフレーム又は上りリンクサブフレームのいずれか一方だけを含む。TDDモードにおいて、下りリンク送信及び上りリンク送信は時間によって区分されるため、特定の周波数帯域に対して無線フレームは下りリンクサブフレーム及び上りリンクサブフレームの両方を含む。
【0067】
サブフレームを送信するための時間は送信時間間隔(transmission time interval;TTI)と定義される。時間リソースは、無線フレーム番号(或いは無線フレームインデックスともいう。)、サブフレーム番号(或いは、サブフレーム番号ともいう。)、スロット番号(或いはスロットインデックスともいう。)などによって区分することができる。TTIとは、データがスケジューリングされ得る間隔を意味する。例えば、現在LTE/LTE-AシステムにおいてULグラント或いはDLグラントの送信機会は1msごとに存在し、1msより短い時間内にはUL/DLグラント機会が複数回存在しない。従って、現在LTE/LTE-AシステムにおいてTTIは1msである。
【0068】
基地局と端末は、一般に特定制御信号又は特定サービスデータを除いては、送信チャネルであるDL―SCHを用いる物理チャネルであるPDSCHを介してデータを送信/受信する。PDSCHのデータがいずれの端末(一つ又は複数の端末)に送信されるもので、前記各端末がどのようにPDSCHデータを受信してデコード(decoding)しなければならないのかに対する情報などは、PDCCHに含まれて送信される。
【0069】
例えば、特定のPDCCHが"A"というRNTI(Radio Network Temporary Identity)にCRCマスキング(masking)されており、"B"という無線リソース(例えば、周波数位置)及び"C"という送信形式情報(例えば、輸送ブロックサイズ、変調方式、コーディング情報など)を用いて送信されるデータに関する情報が特定のサブフレームにより送信されると仮定する。その後、セルにいる1つ以上のUEは自分のRNTI情報を用いてPDCCHをモニタリングする。また、RNTI“A”を有する特定のUEは、PDCCHを読み出してPDCCH情報にいるBとCにより指示されるPDSCHを受信する。
【0070】
UEは電源を入れたり新しくセルに接続したりした場合に、セルとの時間及び周波数同期を得、セルの物理階層セル識別子(physical layer cell identity)Ncell
IDを検出するなどのセル探索(initial cell search)過程を行う。このために、UEはeNBから同期信号、例えば、1次同期信号(Primary Synchronization Signal、PSS)及び2次同期信号(Secondary Synchronization Signal、SSS)を受信して、eNBと同期を合わせ、セル識別子(identity、ID)などの情報を得る。初期セル探索を終えたUEは、eNBへの接続を完了するために、任意接続過程(random access procedure)を行う。このために、UEは物理任意接続チャネル(physical random access channel、PRACH)を介してプリアンブルを送信し、PDCCH及びPDSCHを介してプリアンブルに対する応答メッセージを受信する。競争基盤のランダム接続である場合、さらなるPRACHの送信と、PDCCH及びPDCCHに対応するPDSCHのための競争解決手順(contention resolution procedure)を行うことができる。このような手順を行ったUEは、その後、一般的な上/下りリンク信号の送信手順としてPDCCH/PDSCH受信及びPUSCH/PUCCH送信を行う。
【0071】
また任意接続手順は、任意接続チャネル(random Access channel、RACH)手順とも呼ぶ。任意接続手順はFDDとTDDに共通する手順であり、搬送波集成(carrier aggregation、CA)が設定される場合、セルのサイズとサービングセルの数とは関係ない手順である。任意接続手順は初期接続、上りリンク同期調整、リソース割り当て及びハンドオーバーを含む様々な目的のために使用される。任意接続手順は競争方式手順と専用方式(即ち、非競争方式)手順とに区分される。競争方式の任意接続手順は、初期接続を含む一般的な動作のために用いられ、専用方式の任意接続手順は、ハンドオーバーのように限定された動作のために使用される。競争方式の任意接続手順において、端末は任意にRACHプリアンブルシーケンスを選択する。よって、多数の端末が同一のRACHプリアンブルを同時に送信する可能性がある。よって、その後に競争解決手順を行う必要がある。なお、専用方式の任意接続手順において、端末は基地局が端末に固有に割り当てるRACHプリアンブルシーケンスを使用する。従って、任意接続手順は他の端末と競争せず行われることができる。
【0072】
次いで、端末のRRC状態について説明する。端末のRRC階層と無線ネットワークのRRC階層の間にRRC連結が設定されると、端末はRRC_CONNECTED状態になる。そうではない場合、端末はRRC_IDLE状態である。RRC状態とは、端末のRRCがE-UTRANのRRCと論理的に連結されるか又は連結されていない状態をいう。E-UTRANのRRCと論理的な連結を有する端末のRRC状態をRRC_CONNECTED状態という。E-UTRANのRRCと論理的連結を有しない端末のRRC状態をRRC_IDLE状態という。RRC_CONNECTED状態の端末はRRC連結を有するので、E-UTRANはセル単位で端末の存在を認識できる。従って、端末が効率的に制御される。なお、E-UTRANはRRC_IDLEである端末の存在は認識できない。RRC_IDLEである端末はセルより大きい領域単位のトラッキング領域(tracking area、TA)においてコアネットワークにより管理される。即ち、RRC_IDLEである端末について、端末の存在又は部材はセルより大きい領域単位で認識される。RRC_IDLEである端末に、音声サービス及びデータサービスのような一般的な移動通信サービスが提供されるためには、端末がRRC_CONNECTED状態に遷移する必要がある。TAは自分のトラッキング領域識別子(tracking area identity、TAI)により他のTAとは区別される。端末はセルで放送される情報であるトラッキング領域コードによりTAIを設定できる。ユーザが最初に端末をオンにする時、端末はまず適切なセルを探索する。その後、端末はセルでRRC連結を設定し、コアネットワークに自分の情報を登録する。その後、端末はRRC_IDLE状態に留まる。必要時、RRC_IDLE状態の端末はセルを(再)選択し、システム情報やページング情報を確認する。かかる動作をセルキャップ(camping on a cell)という。RRC_IDLE状態の端末がRRC連結を設定する必要がある時にのみ、端末がRRC連結手順によりE-UTRANのRRC階層とRRC連結を設定してRRC_CONNECTED状態に遷移することではない。通常、RRC_IDLE状態の端末がRRC連結を設定する必要がある。例えば、上記場合にはユーザの通話試み、データ送信試み又はE-UTRANからページングメッセージの受信後、応答メッセージの送信が含まれることができる。
【0073】
RRC階層はPLMN選択、NASにより設定されたDRX、システム情報放送、ページング、セル再選択のためにRRC_IDLE状態を用いる。RRC_IDLENの端末について、端末の特定のDRXがNASにより設定されることができる(NB-IoTには適用されない)。RRC_IDLEの端末は端末制御移動性(UE controlled mobility)を行うことができる。RRC_IDLEの端末は受信通話、システム情報の変化、地震と津波警告システム(earthquake and tsunami warning system ETWS)可能端末に対するETWS通知、そして常用移動性警告のサービス(commercial mobility alert service、CMAS)可能端末に対するCMAS通知を検出するために、ページングチャネルをモニタリングし、隣接セルの測定及びセル(再)選択を行い、システム情報を得て、ローギングされた測定が設定された端末に対する位置及び時間と共に利用可能な測定のローギングを行う。(再開手順のためにコンテキストが貯蔵可能なユーザ平面CIoT EPSの最適化を支援する端末以外には)RRCコンテキストが基地局に貯蔵されず、サイドリンク通信送受信及び/又はサイドリンク発見宣言及びモニタリングが行われない。
【0074】
RRC_CONNECTEDの端末は、E-UTRAN-RRC連結及びE-UTRANにコンテキストを有する。RRC_CONNECTEDの端末は、ネットワーク制御移動性(network controlled mobility)(NACCによりGERANへのハンドオーバー及びRAT間の(inter-RAT)セル変更指示)、隣接セルの測定を行うことができる。E-UTRANはRRC_CONNECTEDである端末が属するセルを知っており、サイドリンク通信送受信及び/又はサイドリンク発見宣言及びモニタリングが行われる。ネットワークはRRC_CONNECTEDである端末とデータを送受信できる。PDCP/RLC/MACレベルにおいて、RRC_CONNECTEDの端末はネットワークとデータを送受信でき;共有データチャネル上の送信が端末に割り当てられたか否かを調べるために共有データチャネルのための制御シグナリングチャネルをモニタリングし;基地局にチャネルの品質情報とフィードバック情報を報告する。RRC_CONNECTEDにおいて、端末電力節減と効率的なリソースの利用のために、基地局の制御下で端末の活動レベルによってDRX周期が設定されることができる。RRC_CONNECTEDの端末はシステム情報変更、ETWS可能端末のためのETWS通知、及びCMAS可能端末のためのCMAS通知を探索するために、ページングチャネル及び/又はシステム情報ブロック類型1(system information block type 1)コンテンツをモニタリングし(NB-IoTには適用されない);データが端末にスケジュールされたか否かを決定するために共有データチャネルに関連する制御チャネルをモニタリングし;チャネル品質及びフィードバック情報を提供し(NB-IoTには適用されない);隣接セルの測定及び測定報告を行い(NB-IoTには適用されない);またシステム情報を得る。3GPP TS 36.331を参照すると、RRC_CONNECTEDから離れると、端末は以下を実行する。
【0075】
1>MACをリセットする;
【0076】
1>T320、T325及びT330以外の動作中の全てのタイマを中断する;
【0077】
1>RRCの一時中断によりRRC_CONNECTED解除がトリガーされる場合:
【0078】
2>全てのSRBとDRBに対してRLCエンティティー(entity)を再設定する;
【0079】
2>現在のRRC設定、現在の保安コンテキスト、ROHC状態を含むPDCP状態、ソースPCellで使用されるC-RNTI、ソースPCellのcellIdentityと物理的セル識別子を含む端末ASコンテキストを貯蔵する;
【0080】
2>E-UTRANが提供する次の情報を貯蔵する:
【0081】
3>resumeIdentity;
【0082】
2>全てのSRB(s)とDRB(s)を中断する;
【0083】
2>RRC連結の一時中断を上位階層に知らせる;
【0084】
1>それ以外の場合:
【0085】
2>設定された全てのRBに対してRLCエンティティーの解除、MAC設定、また関連PDCPエンティティーを含む全ての無線リソースを解除する;
【0086】
2>解除の原因と共にRRC連結の解除を上位階層に知らせる;
【0087】
1>MobilityFromEUTRACommandメッセージ受信やT311動作中のRAT間のセル選択によってRRC_CONNECTED解除がトリガーされたことではない場合:
【0088】
2>タイマT350が設定された場合:
【0089】
3>タイマT350を開始する;
【0090】
3>rc/vW-Configurationが設定された場合は、それを適用し、そうではないと、SystemInformationBlockType17に含まれた、RPLMNに該当するwlan-Id-Listを適用する;
【0091】
2>それ以外の場合:
【0092】
3>wlan-OffloadConfigDedicatedを受信した場合は、それを解除する;
【0093】
3>RPLMNに該当するwlan-OffloadConfigCommonがセルにより放送される場合:
【0094】
4>SystemInformationBlockType17に含まれた、RPLMNに該当するwlan-OffloadConfigCommonを適用する;
【0095】
4>steerToWLANが設定された場合は、それを適用し、そうではないと、SystemInformationBlockType17に含まれた、RPLMNに該当するwlan-Id-Listを適用する;
【0096】
2>RRC_IDLEに進入して3GPP TS 36.304に明示された手順を行う;
【0097】
1>それ以外の場合:
【0098】
2>wlan-OffloadConfigDedicatedを受信した場合は、それを解除する;
【0099】
1>LWA設定が設定された場合は、LWA設定の解除を上位階層に知らせる;
【0100】
1>LWIP設定が設定された場合は、それを解除する。
【0101】
3GPP TS 36.321を参照すると、上位階層(例えば、RRC階層)がMACエンティティーのリセットを要求すると、MACエンティティーは各論理チャネルに対するBjを0に初期化し;(動作している場合)全てのタイマを停止し;全てのtimeAlignmentTimerが満了したと見なして該当動作を行い;全ての上りリンクHARQプロセスについて新しいデータ指示子(new data indicator、NDI)を0値に設定し;進行中のRACH手順があれば、その手順を中断して;明示的にシグナリングされたra-PreambleIndex及びra-PRACH-MaskIndexがあれば、それを廃棄し;Msg3バッファをフラッシュし;トリガーされたスケジューリング要求(scheduling Request)手順があればその手順を取り消し;トリガーされたバッファ状態報告手順があれば、その手順を取り消し;トリガーされた電力ヘッドローム(headroom)報告手順があれば、その手順を取り消し;全てのDL HARQプロセスについてソフトバッファをフラッシュし;各々のDL HARQプロセスについて、次に受信される送信ブロック(transport block、TB)の送信を初期送信と見なし;臨時C-RNTI(Temporary C-RNTI)があれば、それを解除する。
【0102】
従来のLTEシステムでは、timeAlignmentTimerの値は全端末に共通する無線リソース設定情報を含むシステム情報ブロックの類型2(system information block type 2、SIB2)により、又はRRC専用シグナリングにより提供される。timeAlignmentTimerの値はサブフレーム数に提供される。
【0103】
RRC_CONNECTEDにおいて、基地局はタイミングアドバンス(timing advance)の維持を担当する。(一般的に、同じ受信器が主管するサービングセルに該当する)同一のタイミングアドバンスが適用されるULを有し、同一のタイミング基準セルを使用するサービングセルはタイミングアドバンスグループ(timing advance group、TAG)にグルーピングされる。言い換えれば、TAGはRRCにより設定され、ULが設定されたセルについて同一のタイミング基準セルと同一のTA値を使用するサービングセルのグループである。各TAGは上りリンクが設定された少なくとも1つのサービングセルを含み、TAGへの各サービングセルマッピングはRRCにより設定される。二重連結(dual connectivity、DC)の場合、TAGは同一のCGに関連するセルのみを含み、TAGの最大数は8である。1次TAG(primary TAG、pTAG)について、端末はマスターセルグループ(master cell group、MCG)のPCellと2次セルグループ(secondary cell group、SCG)のPSCellをタイミング基準として使用する。2次TAG(secondary TAG、sTAG)において、端末はこのTAGの活性化されたSCellのうちの1つをタイミング基準セルとして使用できるが、不要な場合には変更してはいけない。例えば、DRXの場合、タイミングアドバンスが常に必ず維持されることではなく、MACサブレイヤはL1が同期化されたか否か、また上りリンクで送信を開始するためにどの手順を使用するかを知っている。L1が非同期化された場合に限って、上りリンク送信はPRACH上でのみ発生できる。TAGについて、UL同期化状態が“同期化”から“非同期化”に遷移する場合、TAG特定のタイマの満了と非同期ハンドオーバーが含まれる。MACエンティティーはタイミングアドバンスグループ(TAG)ごとに設定可能なタイマtimeAlignmentTimerを有する。timeAlignmentTimerは、MACエンティティーが関連TAGに属するサービングセルが上りリンク時間整列されたと見なす期間を制御するために使用される。MCGのpTAGに関連するタイマの値は端末特定的であり、端末と基地局の間の適用シグナリングにより管理されるか、又はセル特定的でありかつ放送される情報により指示される。この2つの場合、基地局がpTAGについて新しいタイミングアドバンスを提供する度に、おおよそタイマが再開始される。SCGのpTAGに関連するタイマの値とMCGのsTAG又はSCGのsTAGに関連するタイマ値は端末と基地局の間の専用シグナリングにより管理され、これらTAGに関連するタイマは互いに異なる値で設定されることができる。基地局が該当TAGについて新しいタイミングアドバンスを提供する度に、これらTAGのタイマはおおよそ再開始される。
【0104】
タイミングアドバンス命令MAC制御要素が受信されると、MACエンティティーは指示されたTAGについてタイミングアドバンス命令を適用し;指示されたTAGに関連するtimeAlignmentTimerを開始又は再開始する。言い換えれば、タイミングアドバンスMAC制御要素が受信されると、MACエンティティーは指示されたTAGについてタイミングアドバンス命令によってサブフレームの境界を調整し、指示されたTAGに関連するtimeAlignmentTimerを開始又は再開始する。タイミングアドバンス命令(timing advance command、TAC)MAC制御要素(control element、CE)は、TAG識別子とタイミングアドバンス命令を含む。TAG識別子は言及したTAGのTAG識別子である。TAC MAC CEにおけるタイミングアドバンス命令は、MACエンティティーが適用すべきタイミング調整量を調節するために使用されるインデックス値TAである。
【0105】
1次セル又はPSCellを含むTAGに対するタイミングアドバンス命令を受信すると、端末は受信されたタイミングアドバンス命令に基づいて1次セル又はPSCellのPUCCH/PUSCH/SRSに対する上りリンク送信タイミングを調整する。TAGに対するタイミングアドバンス命令は、TAGに対する現在の上りリンクタイミングに対する上りリンクタイミングの変化を16TSの倍数で示し、ここでTSは基本時間単位である。従来のLTEシステムでは、おおよそTS=1/(15000*2048)秒である。任意接続応答の場合、TAGに対する11ビットタイミングアドバンス命令TAは、端末がSCGに設定されると、TA=0、1、2、...、256のインデックス値により、そうではないと、TA=0、1、2、...、1282のインデックス値によりNTA値を示す。ここで、TAGに対する時間整列量はNTA=TA*16に与えられる。NTAは端末における上りリンクラジオフレームと下りリンクラジオフレームの間のタイミングオフセットであって、TS単位で示される。他の場合、TAGに対する6ビットタイミングアドバンス命令TAは、TA=0、1、2、...、63のインデックス値により、現在のNTA値であるNTA,oldを新しいNTA値、NTA,newに調整することを示す。ここで、NTA,new=NTA,old+(TA-31)*16。ここで、TA値を正の正或いは負の正ほど調整することは、TAGに対する上りリンク送信タイミングを与えられた量ほど各々先行又は遅延させることを示す。サブフレームnで受信したタイミングアドバンス命令について、上りリンク送信タイミングの該当調整はサブフレームn+6の開始から適用される。端末において、上りリンクラジオフレームiの送信は端末で該当下りリンクラジオフレームが始まる(NTA+NTAoffset)*TS秒前に始まる。ここで、端末が2次セルグループ(secondary cell group、SCG)に設定されると、0≦NTA≦4096であり、そうではないと、0≦NTA≦20512である。NTAoffsetは固定されたタイミングアドバンスのオフセットであり、TS単位で示される(3GPP TS 36.211参照)。
【0106】
timeAlignmentTimerの満了時、timeAlignmentTimerがpTAGに関連する場合、MACエンティティーは全てのサービングセルについて全てのHARQバッファをフラッシュし;RRCに全てのサービングセルについてPUCCHを解除することを通知し;RRCに全てのサービングセルについてSRSを解除することを通知し;設定された下りリンクの割り当てと上りリンクのグラントを削除し;全ての動作中のtimeAlignmentTimerが満了したと見なす。timeAlignmentTimerの満了時、timeAlignmentTimerがsTAGに関連すると、このTAGに属する全てのサービングセルについて、MACエンティティーは全てのHARQバッファをフラッシュし;RRCにSRSを解除することを通知し;設定されたPUCCHがあれば、RRCに該PUCCHを解除することを通知する。
【0107】
(3GPP TS 36.133のサブ7.9.2に記載したような)最大の上りリンク送信タイミングの差又は端末が処理可能な、端末の任意のMACエンティティーのTAGの間の最大の上りリンク送信タイミングの差が超えることにより、MACエンティティーがSCellについて上りリンク送信を中断する場合、MACエンティティーはSCellに関連するtimeAlignmentTimerが満了したと判断する。MACエンティティーは、サービングセルが属するTAGに関連するtimeAlignmentTimerが動作中ではないと、任意接続プリアンブル送信を除いてそのサービングセルにおける如何なる上りリンク送信も行わない。また、pTAGに関連するtimeAlignmentTimerが動作中ではない場合、MACエンティティーはSPCellにおける任意接続プリアンブル送信を除いてはいずれのサービングセルでも上りリンク送信を行わない。該当timeAlignmentTimerが動作していないと、該当サービングセルのULタイミングに基づいて行われるサイドリンク送信及び関連SCI送信を行わない。関連timeAlignmentTimerの満了時、MACエンティティーはNTAを貯蔵又は維持し、NTAはin 3GPP TS 36.211に定義されている。timeAlignmentTimerが動作していないと、MACエンティティーは受信されたタイミングアドバンス命令MAC制御要素を適用し、また関連timeAlignmentTimerを始まる。
【0108】
UL-SCHに送信するために、MACエンティティーはPDCCH上で動的に又は任意接続応答に受信されるか、又は準-持続的に設定可能な(非適応的HARQ再送信を除いた)有効上りリンクグラントを有する必要がある。求められる送信を行うために、MAC階層は下位階層からHARQ情報を受信する。物理階層が上りリンク空間多重化(spatial multiplexing)のために設定されると、MAC階層は下位階層から同一のTTIの間に最大2つのグラント(HARQプロセス当たり1つ)を受信することができる。
【0109】
近い未来に完全な移動性及び連結性を有する社会が期待されているが、これは連結性とトラフィックボリューム及びさらに広い使用シナリオの範囲における莫大な成長により特徴付けられる。一般的な趨勢はデータトラフィックの爆発的な増加、連結された装置の大幅増加及び新しいサービスの持続的な出表などを含む。市場の要求事項以外にも、モバイル通信社会自体が生態系の持続可能な開発を必要とし、これはスペクトル効率、エネルギー効率、動作効率及び費用効率などのシステム効率を一層改善する必要性を発生させる。市場及びモバイル通信社会からの増加する要求事項を満たすために、近い未来に次世代の接続技術が出現すると予想される。
【0110】
3GPP SA1研究課題であるNew Services and Markets Technology Enablers (SMARTER)とSA2研究課題であるArchitecture for the new RAT (NR) System (5G new RATと呼ぶ)だけではなく、Recommendation ITU-R M.2083 “Framework and overall objectives of the future development of IMT for 2020 and beyond"でのように、ITUと3GPPで新しい無線システムのための要求事項と標準を発展させるための作業が開始された。消費者の緊急要求と、ITU-R IMT-2020プロセスにより提示されるより長期的な要求事項を適時に満たすNRシステムを成功的に標準化するために必要な技術構成要素を確認して開発する必要がある。これを達成するために、"新しい無線接続技術"において無線インターフェース及び無線ネットワークアーキテクチャーの進歩を考慮する必要がある。
【0111】
5G New RATにおいて、RRC_IDLEとRRC_CONNECTEDに加えて、RRC_INACTIVEという新しい状態が導入される。端末をRRC_INACTIVEに維持すると、以下のような長所がある:
【0112】
-端末コンテキストが無線接続ネットワーク(radio Access network、RAN)に貯蔵されることにより、RRC連結が設定される時、コアネットワーク(core network、CN)のシグナリングが減少する;
【0113】
-端末がRANレベルで追跡されることにより、ページングオーバーヘッドが減少する;
【0114】
-端末がRRC_IDLEと類似するDRXに設定されることにより、端末電力消費が減少する。
【0115】
しかし、RRC_INACTIVEの長所を十分に生かすためには、端末がRRC_CONNECTED状態に遷移せず、RRC_INACTIVE状態で少ないデータを送信可能である必要がある。RRC_CONNECTEDへの状態遷移には何回のRRCメッセージ応答確認(handshake)が求められ、これは多い無線リソースと端末電力を消費する。さらに、端末がRRC_CONNECTEDに留まると、連結モードDRXが待機(又は非活性)モードDRXより電力が非効率的であるので、端末はRRC_INACTIVEより電力を多く消費する。よって、かかるRRC_INACTIVE状態において、端末は競争方式のULグラント(以下、CB-グラントという)を用いてULデータを送信する必要がある。端末がUL送信を行うために、端末は有効な上りリンクタイミングを有する必要がある。端末と基地局の間にUL送信タイミングが同期化されないと、この端末のUL送信データは他の端末に干渉として作用し、他の端末のデータだけではなく、この端末のULデータも基地局が正確に受信できない。UL送信タイミングはTimeAlignmentTimer(TAT)と呼ぶタイマにより制御される。TATが動作する間に、端末はULタイミングが同期化されていると判断し、UL送信を行うことができる。しかし、TATが動作していないと、端末はULタイミングが同期化されていないと判断して、UL送信を行う前に任意接続(random Access、RA)手順を行う必要がある。RA手順時、端末は任意接続応答メッセージに含まれたタイミングアドバンス命令(timing advance command、TAC)によりULタイミングを得ることができる。現在のLTEにおいて、端末がRRC_CONNECTEDから離れると、端末はMACをリセットする。MACがリセットされると、TATは端末で満了される。よって、端末がRRC_CONNECTEDにいないと、TATが動作しておらず、端末はUL送信を行うことができない。かかる問題を解決するために、以下のような方法が提案される。
【0116】
端末がRRC_CONNECTEDではない他の状態(即ち、RRC_INACTIVE又はRRC_IDLE)でUL送信を行うために、本発明は端末がRRC_CONNECTEDではない他の状態で使用する他のTimeAlignmentTimer(以下、I-TAT)を維持し、I-TATが動作中であると、RRC_CONNECTEDではない他の状態でUL送信を行うことを提案する。言い換えれば、I-TATが動作する間、RRC_CONNECTEDではない他の状態の端末は、ULタイミングが同期化されたと見なし、UL送信を行うことができる。I-TATが動作していないと、RRC_CONNECTEDではない他の状態の端末はUL送信を行わず、UL送信を行う前にUL送信を得るための任意接続手順を行う。
【0117】
本発明において、端末はRRC_INACTIVEのみのためのI-TAT、RRC_IDLEのみのためのI-TAT、RRC_INACTIVEとRRC_IDLEの両方のためのI-TAT、又はRRC_IDLEのためのI-TATとRRC IDLEのためのI-TATを維持することができる。
【0118】
端末は基地局からシステム情報、専用RRCシグナリング、又はMAC制御要素を通じてI-TAT値を受信することができる。端末がRRC_CONNECTEDから離れる時、RRC_CONNECTEDに進入する時、RRC_CONNECTEDである時、RRC_INACTIVEに進入する時、又はRRC_IDLEに進入する時、端末は基地局からI-TAT値を受信することができる。
【0119】
従来のLTEシステムにおいて、端末がRRC_CONNECTEDから離れる場合、RRC_CONNECTED状態で使用したタイマを中断又は終了する。従来のLTEシステムとは逆に、本発明では、端末がRRC_CONNECTEDから離れる時、RRC_INACTIVEに進入する時、RRC_IDLEに進入する時、MACをリセットする時、又はシステム情報やRRC/PDCP/RLC/MACシグナリングにより基地局からI-TATを開始するという指示を受信する時、端末はI-TATを開始する。かかる指示はタイミングアドバンス命令であることができる。
【0120】
端末がシステム情報又はRRC/PDCP/RLC/MACシグナリングにより基地局からI-TATを再開始するという指示を受信する場合、I-TATを再開始する。かかる指示はタイミングアドバンス命令であることができる。
【0121】
端末がRRC_CONNECTEDに進入する時、RRC_INACTIVEから離れる時、又はRRC_IDLEから離れる時、端末はI-TATを中断するか又はI-TATが満了する。
【0122】
I-TATが満了されると、端末はULタイミングが同期化されていないと判断して、UL送信を行わず、RRC_INACTIVE又はRRC_IDLE状態でUL送信のために使用可能な設定されたULグラントを解除し、及び/又は全てのサービングセルについて全てのHARQバッファをフラッシュする。
【0123】
図6は本発明によるULデータ送信の一例を示すフローチャートである。
【0124】
RRC_INACTIVE又はRRC_IDLEにおいて(S610)、ULデータが端末に到達すると(S620)、端末はI-TATが動作しているか否かを確認する(S630)。言い換えれば、端末がRRC_CONNECTEDではない場合、送信するULデータがあれば、端末はI-TATが動作しているか否かを確認する。
【0125】
I-TATが動作していると(S630においてYes)、端末はRRC_INACTIVE又はRRC_IDLEでUL送信のために使用可能な設定されたULグラントを使用してUL送信を行う(S640)。設定されたULグラントは競争方式又は専用方式である。端末はULデータと共に端末識別子(ID)を送信できる。
【0126】
I-TATが動作していないと(S630においてNo)、端末はUL送信が許容されないものと判断して、RA手順を開始する(S650)。RA手順において、端末は任意接続応答のメッセージによりタイミングアドバンス命令(TAC)を受信する。RA手順が成功的に終了すると、端末はRARで受信されたTACをI-TATに適用し、I-TATを開始する。その後、I-TATが動作中であるので、端末はRRC_INACTIVE又はRRC_IDLEにおいてUL送信のために使用できる設定されたULグラントを使用してUL送信を行う。
【0127】
RRC_CONNECTEDで使用されるTATは本発明のI-TATとして再使用できる。
【0128】
本発明のI-TATとRRC_CONNECTEDで使用されるTATは別々に設定されることができる。RRC_INACTIVEの端末はRANレベルで追跡でき、これは端末が多く移動しないことを意味する。これを考慮して、I-TATに対する値はRRC_CONNECTEDで使用されるTATに対する値より大きく設定可能である。
【0129】
本発明において、RRC_IDLE又はRRC_INACTIVEの端末は、I-TATが動作中であると、RA手順無しにUL送信を行うことができる。従って、RRC_IDLE又はRRC_INACTIVEにおいて無線リソースがさらに効果的に管理され、端末の電力がより効果的に節減される。
【0130】
本発明の端末はI-TATが動作中であると、RRC_IDLE又はRRC_INACTIVEでRA手順無しにUL送信を行うことができ、反面、制御平面CIoT EPSの最適化によってULユーザのデータはまずNAS PDUによりRRC連結設定の完了メッセージで送信されることができるので、制御平面CIoT EPSの最適化を用いる端末がUL送信を行うためには、RA手順の少なくとも一部を行う必要があるという点で、本発明は制御平面CIoT EPSの最適化とは異なる。
【0131】
図7は、本発明を実行する送信装置100及び受信装置200の構成要素を示すブロック図である。
【0132】
送信装置100及び受信装置200は、情報及び/又はデータ、信号、メッセージなどを搬送する無線信号を送信又は受信できる無線周波数(radio frequency、RF)ユニット13,23と、無線通信システムにおける通信と関連した各種情報を記憶するメモリ12,22と、上記RFユニット13,23及びメモリ12,22などの構成要素と動作的に連結され、上記構成要素を制御して該当装置が前述した本発明の実施例の少なくとも1つを行うようにメモリ12,22及び/又はRFユニット13,23を制御するように構成された(configured)プロセッサ11,21とをそれぞれ備える。
【0133】
メモリ12,22は、プロセッサ11,21の処理及び制御のためのプログラムを格納することができ、入/出力される情報を臨時記憶することができる。メモリ12,22をバッファーとして活用することができる。
【0134】
プロセッサ11,21は、通常、送信装置又は受信装置内の各種モジュールの全般的な動作を制御する。特に、プロセッサ11,21は、本発明を実行するための各種の制御機能を実行することができる。プロセッサ11,21は、コントローラ(controller)、マイクロコントローラ(microcontroller)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、マイクロコンピュータ(microcomputer)などと呼ぶこともできる。プロセッサ11,21は、ハードウェア(hardware)、ファームウェア(firmware)、ソフトウェア、又はそれらの結合によって具現することができる。ハードウェアを用いて本発明を具現する場合には、本発明を実行するように構成されたASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)などをプロセッサ11,21に具備することができる。一方、ファームウェアやソフトウェアを用いて本発明を具現する場合には、本発明の機能又は動作を実行するモジュール、手順又は関数などを含むようにファームウェアやソフトウェアを構成することができ、本発明を実行するように構成されたファームウェア又はソフトウェアは、プロセッサ11,21内に設けられてもよく、メモリ12,22に記憶されてプロセッサ11,21によって駆動されてもよい。
【0135】
送信装置100のプロセッサ11は、プロセッサ11又はプロセッサ11と接続されたスケジューラからスケジュールされて外部に送信される信号及び/又はデータに対して所定のコーディング(coding)及び変調(modulation)を行った後にRFユニット13に送信する。例えば、プロセッサ11は、送信しようとするデータ列を逆多重化及びチャネルコーディング、スクランブリング、変調過程などを経てK個のレイヤに変換する。コーディングされたデータ列はコードワードとも呼ばれ、MAC層の提供するデータブロックである輸送ブロックと等価である。1つの輸送ブロック(transport block、TB)は1つのコードワードにコーディングされ、各コードワードは、1つ以上のレイヤの形態で受信装置に送信される。周波数アップコンバートのためにRFユニット13はオシレーター(oscillator)を備えることができる。RFユニット13は、Nt個(Ntは1以上の正の整数)の送信アンテナを有することができる。
【0136】
受信装置200の信号処理過程は、送信装置100の信号処理過程の逆に構成される。プロセッサ21の制御下に、受信装置200のRFユニット23は送信装置100によって送信された無線信号を受信する。RFユニット23はNr個の受信アンテナを有することができ、RFユニット23は、受信アンテナで受信した信号のそれぞれを周波数ダウンコンバート(frequency down-convert)して基底帯域信号に復元する。RFユニット23は、周波数ダウンコンバートのためにオシレーターを備えることができる。プロセッサ21は、受信アンテナで受信した無線信号に対する復号(decoding)及び復調(demodulation)を行い、送信装置100が本来送信しようとしたデータを復元することができる。
【0137】
RFユニット13,23は、1つ以上のアンテナを具備する。アンテナは、プロセッサ11,21の制御下に、本発明の一実施例によって、RFユニット13,23によって処理された信号を外部に送信したり、外部から無線信号を受信してRFユニット13,23に伝達する機能を果たす。アンテナは、アンテナポートとも呼ばれる。各アンテナは、1つの物理アンテナに該当してもよく、1つよりも多い物理アンテナ要素(element)の組合せによって構成されてもよい。各アンテナから送信された信号は、受信装置200でそれ以上分解することができない。該当アンテナに対応して送信された参照信号(reference signal、RS)は、受信装置200の観点で見たアンテナを定義し、チャネルが1つの物理アンテナからの単一(single)無線チャネルか或いは上記アンテナを含む複数の物理アンテナ要素(element)からの合成(composite)チャネルかに関係なく、上記受信装置200にとって上記アンテナに対するチャネル推定を可能にする。即ち、アンテナは、上記アンテナ上のシンボルを伝達するチャネルが、上記同一アンテナ上の他のシンボルが伝達される上記チャネルから導出されうるように定義される。複数のアンテナを用いてデータを送受信する多重入出力(Multi-Input Multi-Output、MIMO)機能を支援するRFユニットの場合は、2個以上のアンテナと接続することができる。
【0138】
本発明の実施例において、UEは、上りリンクでは送信装置100として動作し、下りリンクでは受信装置200として動作する。本発明の実施例において、eNBは、上りリンクでは受信装置200として動作し、下りリンクでは送信装置100として動作する。以下、UEに具備されたプロセッサ、RFユニット及びメモリを、UEプロセッサ、UE RFユニット及びUEメモリとそれぞれ称し、eNBに具備されたプロセッサ、RFユニット及びメモリを、eNBプロセッサ、eNB RFユニット及びeNBメモリとそれぞれ称する。
【0139】
本発明による端末プロセッサは、端末がRRC_CONNECTED状態ではない間に使用できるULグラントを受信するように端末RFユニットを制御する。端末プロセッサは、RRC_CONNECTED状態から離れるように指示するメッセージを受信するように端末RFユニットを制御する。端末RFユニットがRRC_CONNECTED状態から離れるように指示するメッセージを受信すると、端末がRRC_CONNECTED状態を離れる時、端末プロセッサは時間整列タイマ(I-TAT)を開始することができる。端末がRRC_CONNECTED状態ではない時に送信するULデータがあり、I-TATが動作中であると、端末プロセッサはULグラントを用いてULデータを送信するようにUL RFユニットを制御することができる。端末がRRC_CONNECTED状態ではない時に送信するULデータがあり、I-TATが動作中ではないと、端末プロセッサはUL同期化を得るためにRA手順を開始する。端末プロセッサはシステム情報によりI-TATを再開始するという指示を受信するように端末RFユニットを制御することができる。端末RFユニットがI-TATを再開始するという指示を受信すると、端末はI-TATを再開始する。I-TATは端末がRRC_CONNECTEDではない間、ULタイミングが同期化されていないと見なす期間を指示することができる。端末がRRC_CONNECTED状態を離れることは、端末がRRC_INACTIVE状態に進入することを意味することができる。端末がRRC_CONNECTED状態ではない場合、端末プロセッサはULグラントを使用して端末の識別子と共にULデータを送信するように端末RFユニットを制御することができる。端末がRRC_CONNECTED状態に進入すると、端末プロセッサはI-TATを中断することができる。メッセージは時間整列タイマ(I-TAT)に対する値を含むことができる。
【0140】
上述したように開示された本発明の好適な実施例に関する詳細な説明は、当業者が本発明を具現して実施できるように提供された。上記では本発明の好適な実施例を参照して説明したが、当該技術の分野における熟練した当業者にとっては、添付の特許請求の範囲に記載された本発明を様々に修正及び変更させることができるということは明らかである。従って、本発明は、ここに開示された実施の形態に制限しようとするものではなく、ここに開示された原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を与えようとするものである。
【産業上の利用可能性】
【0141】
本発明の実施例は、無線通信システムにおいて、基地局又はユーザ機器、その他の装備に用いることができる。