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特許7108034特にスポーツ用途のためのマットシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-19
(45)【発行日】2022-07-27
(54)【発明の名称】特にスポーツ用途のためのマットシステム
(51)【国際特許分類】
   A63B 6/00 20060101AFI20220720BHJP
【FI】
A63B6/00
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020533361
(86)(22)【出願日】2018-09-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-12
(86)【国際出願番号】 EP2018073654
(87)【国際公開番号】W WO2019043236
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2020-03-05
(31)【優先権主張番号】17189283.9
(32)【優先日】2017-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】506405611
【氏名又は名称】トロセレン ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Trocellen GmbH
【住所又は居所原語表記】Muelheimer Strasse 26,D-53840,Troisdorf,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(72)【発明者】
【氏名】フロリアン パオロ
【審査官】石原 豊
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02957328(EP,A1)
【文献】登録実用新案第3122674(JP,U)
【文献】韓国公開実用新案第20-2016-0003169(KR,U)
【文献】仏国特許発明第2182378(FR,A5)
【文献】特開2004-033502(JP,A)
【文献】西独国実用新案公開第20107338(DE,U)
【文献】実開平03-116855(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 1/00-26/00
A63B69/00-71/16
E04F15/00-15/22
A47G27/00-27/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スポーツ用途のためのマットシステムであって、
各々が、上面(2)、前記上面(2)と平行に伸びる底面(3)、および少なくとも1つの直線状の側縁(7)を有する、複数の個別のマット(1、1’、1”)であって、前記個別のマット(1、1’、1”)の前記直線状の側縁(7)が、それぞれ、少なくとも1つのアンダーカット凹部(6、6’)を有するような複数の個別のマット(1、1’、1”)と、
各々の半体の1つがアンダーカット凹部(6、6’)内で係合することにより、2つのマット(1、1’、1”)を直線状の側縁(7)に沿って接続できるような形状を有した、接続手段(10、10’、10”、12)と、を備え、
前記個別のマット(1、1’、1”)および前記接続手段(10、10’、10”、12)は、それぞれ、フォーム材料からなる少なくとも1つの層を備え、
前記接続手段(10、10’、10”、12)は、それぞれ、半径(R、R’)と中心点(M、M’)とを有する2つの互いに接続された主円形セグメント領域(11、11’、13、13’)を備え、前記主円形セグメント領域(11、11’、13、13’)の中心点(M、M’)の間隔A(A、A’、A”、A’”)について、関係
(I)0.8×(R+R’)<A<1.3×(R+R’)が成り立ち、
前記接続手段(12)が副セグメント領域(14、14’)をさらに備え、
前記副セグメント領域(14、14’)が、前記接続手段(12)の前記2つの主円形セグメント領域(11、11’、13、13’)の間の連結ブリッジと反対側の2つの辺上に位置する
ことを特徴とするマットシステム。
【請求項2】
前記2つの主円形セグメント領域(11、11’、13、13’)のそれぞれが、前記個別のマット(1、1’、1”)における対応する形状のアンダーカット凹部(6、6’)内で回転可能な様態で係合する
ことを特徴とする請求項1に記載のマットシステム。
【請求項3】
前記縁(7)において互いに隣接する2つのマットがずらされると、前記接続手段(10、10’、10”、12)の各主円形セグメント領域(11、11’、13、13’)は、同様に円形のセグメントのアンダーカット凹部(6、6’)内で回転することができる
ことを特徴とする請求項2に記載のマットシステム。
【請求項4】
前記主円形セグメント領域(11、11’、13、13’)の前記中心点(M、M’)の前記間隔Aについて、関係
(II)0.9×(R+R’)<A<1.15×(R+R’)が成り立つ
ことを特徴とする請求項1~3のうちの1つに記載のマットシステム。
【請求項5】
前記接続手段(10、10’、10”、12)が鏡映対称に構成され、前記主円形セグメント領域(11、11’、13、13’)が同一の半径R=R’を有する
ことを特徴とする請求項1~4のうちの1つに記載のマットシステム。
【請求項6】
前記副セグメント領域(14、14’)が、円形セグメントである
ことを特徴とする請求項1~5のうちの1つに記載のマットシステム。
【請求項7】
前記副円形セグメント領域(14、14’)が、前記主円形セグメント領域(11、11’、13、13’)よりも半径が大きい
ことを特徴とする請求項に記載のマットシステム。
【請求項8】
前記個別のマット(1、1’、1”)が矩形の断面を有し、その各縁において、縁長100~1000mm毎にアンダーカット凹部(6、6’)を有する
ことを特徴とする請求項1~のうちの1つに記載のマットシステム。
【請求項9】
前記個別の接続手段(10、10’、10”、12)の係合に役立つアンダーカット凹部(6、6’)が、フォーム体層の高さ全体を貫通せず、その高さの一部のみを貫通している
ことを特徴とする請求項1~のうちの1つに記載のマットシステム。
【請求項10】
前記個別のマット(1、1’、1”)が、フォーム材料からなる幾つかの層を備える
ことを特徴とする請求項1~のうちの1つに記載のマットシステム。
【請求項11】
前記個別のマット(1、1’、1”)および/または接続手段(10、10’、10”、12)が、架橋ポリオレフィンに基づくフォーム材料の層を少なくとも1つ有する
ことを特徴とする請求項1~10のうちの1つに記載のマットシステム。
【請求項12】
前記個別のマット(1、1’、1”)の前記上面(2)における前記アンダーカット凹部(6、6’)がカバー層(4)に覆われており、前記上面(2)を見下ろしたときに前記アンダーカット凹部(6、6’)が見えない
ことを特徴とする請求項1~11のうちの1つに記載のマットシステム。
【請求項13】
請求項1~12のうちの1つに記載の接続手段(10、10’、10”、12)によって互いに接続された幾つかのマット(1、1’、1”)からなるマット配列。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スポーツ用途に適したマットシステムであって、各々が上面、それと平行に伸びる底面、および少なくとも1つの直線状の側縁を有する、複数の個別のマットを備え、個別のマットを接続手段によって互いに連結させることができる、マットシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
欧州特許第2243895A2号から接続手段を備えたマットシステムが知られており、当該マットシステムにおいて、接続手段は、連結ブリッジによって互いに連結された2つのほぼT字型のセグメントで構成され、連結ブリッジは、個別のマットの直線状の縁にある、対応するアンダーカット凹部に係合する。
【0003】
類似のシステムが欧州特許第2033547A1号からも知られている。
【0004】
欧州特許第2957328B1号から、出願人によるスポーツマットシステムが知られており、それを用いて、いくつかの色を有するマット配列を構築することができる。
【0005】
公知のマットシステムに共通することは、マットシステムを構築し接続手段によって個別のマットを連結するとき、マットを、互いに対して非常に正確に方向合わせしなければならないことである。しかし、学校でのスポーツや格闘技などの多くの用途では、個別のマットを互いに対して方向合わせする際の一定の許容範囲と、互いに対応する個別のマットのアンダーカットを配置する際の一定の許容範囲とを等しくする必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明が解決しようとする問題は、この種のマットシステムであって、特にスポーツ用途に適しており、個別のマットを互いに対して方向合わせする際、および個別のマットのアンダーカットを配置する際の許容範囲が大きくても、それらを等しくすることができるマットシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、好ましくは従属請求項2~8のうちの1つまたは複数の特徴との組み合わせにおいて、請求項1に記載のマットシステム、および請求項9に記載のマット配列によって、この問題を解決する。
【0008】
本発明の1つの重要な態様は、特に、短い連結ブリッジによって互いに連結された2つの円形セグメント領域をそれぞれ有する接続手段の構成である。ここでは、連結ブリッジとは、2つの円形セグメントを連結する領域を意味すると理解される。円形セグメントの中心点の間隔が、それらの半径の合計よりも小さい場合、これは2つの円形セグメントの重複領域である。このように、2つのセグメントのそれぞれを、個別のマットの、対応する形状を有する凹部内で回転可能に係合させることが好ましく、これにより、縁において互いに隣接する2つのマットがずらされると、接続手段の各円形セグメント領域は、同様に円形のセグメントのアンダーカット凹部内で回転することができ、かなりの大きさの許容範囲を等しくすることができる。
【0009】
しかし、その前提は、接続手段において互いに接続された円形セグメント同士を連結する連結ブリッジが、円形セグメント領域の半径に対して比較的小さいことである。
【0010】
円形セグメント領域の2つの中心点間の間隔Aが半径の合計(R+R’)の0.8倍より大きく、半径の合計(R+R’)の1.3倍より小さい場合にのみ十分な機能が得られることが分かった。
(I)0.8×(R+R’)<A<1.3×(R+R’)
【0011】
好ましくは、半径との関係における円形セグメント領域の中心点(M、M’)の間隔Aについて、次の関係が成り立つ。
(II)0.9×(R+R’)<A<1.15×(R+R’)
【0012】
基本的に、接続手段は、円形セグメント領域の半径が異なる構造において非対称であってもよい。しかし、好ましくは、2つの円形セグメント領域R+R’は同一であり、接続手段は、円形セグメント領域を接続する接続領域の中央、すなわち、2つの円形セグメント領域の中心点の接続線の中央を通る対称軸に関して対称である。好ましくは、半径RおよびR’は25~50mmである。
【0013】
原則として、個別の接続手段は、上記で定義した間隔で互いに隣り合って配置される、またはわずかに重なり短い連結ブリッジで互いに接続される、2つの主円形セグメント領域に加えて、特に、接続手段の、2つの円形セグメント領域間の連結ブリッジの反対側に位置する2つの辺に、さらなるセグメントを有することが可能である。これらの追加の副セグメントは、特に主円形セグメント領域よりも大きな半径を有する、さらなる円形セグメントとすることができる。副セグメントは、2つの主円形セグメント領域の実際に望まれる回転性を幾分損なうが、マットの接続部の全体的な耐荷重性が高くなる。本発明のこの実施形態では、適切な場合、接続手段に用いられる材料の柔軟性を高め、2つの主円形セグメント領域がそれぞれある程度ねじれるようにすることで、2つの主円形セグメント領域の損なわれた回転性を補うことができる。
【0014】
短い連結ブリッジによって互いに連結された2つの主円形セグメント領域、さらには副円形セグメント領域を備えた本発明の上記の実施形態では、主円形セグメント領域の半径RおよびR’は、好ましくは10~30mmであり、副円形セグメント領域は、好ましくは25mm~70mmである。
【0015】
個別のマットの形状は、それらの縁の少なくとも1つが直線である限り、本発明にとってそれほど重要ではない。ただし、すべてのマットのすべての縁が直線であれば有利である。しかしながら、好ましくは、個別のマットは上面視において矩形であり、断面においても矩形である。
【0016】
個別のマットは、好ましくは、接続手段の2つの円形セグメント領域とほぼ同じ半径を有する円形セグメント領域をそれぞれ有する複数のアンダーカット凹部をそれぞれ含む。しかしながら、マットの対応するアンダーカット凹部において、接続手段の円形セグメント領域を回転させる際に、摩擦トルクをより低く、またはより高くするために、アンダーカット凹部を、それらの半径が接続手段の円形セグメント領域の半径よりわずかに大きくまたは小さくなるように設計することが可能である。好ましくは、アンダーカット凹部の半径と接続手段の円形セグメント領域の半径の差は6%より小さく、より好ましくは3%より小さい。
【0017】
個別のマットの寸法も同様に、本発明における広い範囲内で基本的に自由に選択されるが、好ましくは、マットの縁の長さは0.5~4mである。個別のマットの個別のアンダーカット凹部の各縁における間隔は、好ましくは100~1000mmである。
【0018】
本発明にとって、個別のマット、および、好ましくは個別の接続手段も、一定の弾性を有することが不可欠である。この条件は基本的に、個別のマットと接続手段が、指定されているように一定の弾力性を有するフォーム素材で主に構成される場合に満たされる。本発明の特に好ましい一実施形態によれば、マットおよび接続手段はともに、少なくとも部分的に、密度が30~150kg/mのフォーム材料からなり、特に好ましくは、密度が50~100kg/mの架橋ポリオレフィンフォーム材料からなる。接続手段の材料のショア硬度は、好ましくは、適切な弾性を保証する5~50[Shore A、EN ISO 868:2003]である。
個別のマットは、フォーム材料で均一に構成することができるが、異なるフォーム材料のさまざまな層、および/または、フォーム材料のベースまたはさまざまなフォーム材料のさまざまな層、および、成型体の1つまたは2つのカバー層で構成することもでき、好ましくは、同様に弾性材料からなる。特に好ましくは、そのようなカバー層は、ゴム、軟質PVCまたは熱可塑性エラストマーなどの繊維強化弾性材料からなる。好ましくは、そのようなカバー層は、ベースフォーム材料に熱的にまたは接着剤、例えば反応性ポリウレタン接着剤を塗布することにより積層されてもよい。
【0019】
フォーム材料のベースと少なくとも1つのカバー層からなるマットが使用される限り、カバー層は、好ましくは、個別の接続手段の係合に役立つ上面のアンダーカット凹部を覆うことができる。次いで、マットを互いに連結するために、接続手段を、個別のマットの底面から凹部に挿入する。マットの上面を覆う層は、フォーム材料の層を備えていてもよい。
【0020】
個別の接続手段の係合に役立つアンダーカット凹部は、フォーム体層の高さ全体を貫通せず、その高さの一部のみを貫通していてもよい。本発明のこの実施形態では、アンダーカット凹部は、オプションとして、例えば繊維強化弾性材料からなるカバー層に加えて、一定の高さのフォーム材料で覆われるであろう。そのような実施形態では、個別の接続手段の高さは、それに応じてマットの高さよりも小さい。
【0021】
スポーツマットまたはそれぞれの層の厚みは、広い範囲内で自由に選択できるが、好ましくは個別のマットの厚みは5~100mm、より好ましくは30~60mmである。ベース層とカバー層からなるマットが使用される限り、カバー層の厚みは、好ましくは0.2~5mmである。
【0022】
好ましくは、各マットのアンダーカット凹部の半径との関係におけるスポーツマットの厚みについては、次の関係が成り立つ。
(III)R<厚み<3×R
【0023】
個別のマットは、最適なクッション性を有するように、またアスリートの力を吸収するために、いくつかの異なるフォーム素材のベースを有することもできる。適切な層の選択は、基本的に当業者によく知られている。
本発明は、図面と同様に、例である実施形態を用いて、以下に、より詳細に説明されるものとする。図面は以下を示す。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】上面から見た本発明によるスポーツマット。
図2】底面から見た本発明によるスポーツマット。
図3】側面から見た図1のスポーツマット(狭い側から見た図であり、縮尺どおりではない)。
図4図1図2、および図3の実施形態の例で用いられる接続手段の図。
図5】上面から見た、図1のスポーツマットと図4の接続手段とで構成されたマットフィールド。
図6】上方から見た、異なる3つの実施形態の接続手段。
図7】上方から見た、異なる3つの実施形態の接続手段。
図8】上方から見た、異なる3つの実施形態の接続手段。
図9】許容範囲の均等化を説明するための、互いに接続された2つのスポーツマット。
図10】上方から見た本発明によるさらなるスポーツマット。
図11】下方から見た、本発明の別の実施形態による、互いに接続された2つのスポーツマット。
図12】上方から見た拡大した図11による接続手段。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、上面2を見た本発明によるマット1を示し、図2は底面3を示す。マットは、かさ密度60kg/m、厚み45mmの化学架橋ポリエチレンからなるクッション層5と、厚み1mmの布強化型熱可塑性エラストマー(TPE)のカバー層とを備えた、2つの層で構成されている。カバー層4は、クッション層5に熱的に積層されている。マットの寸法は、0.75m×1.5mである。
【0026】
特に図1に見られるように、カバー層4は、すべてのアンダーカット凹部6を完全に覆っているため、上面2からは見えない。凹部6は、図示した例ではクッション層5を完全に貫通し、断面が略円形のセグメント形状を有する。凹部6はそれぞれ、半径35mmの円形セグメント領域を有する。
【0027】
図4および図7は、短い連結ブリッジ(図7の円形セグメント領域11、11’)によって互いに連結された2つの円形セグメント半体からなる接続手段10を示し、2つの半体はマット1の凹部6に正確に対応する。接続手段は、かさ密度60kg/m、厚み45mmの化学架橋ポリエチレンからなる。
【0028】
図5は、18個の個別のマット1からなるマットフィールドを示し、これらは合計42個の接続手段10によって互いに連結されている。図5に示す上面では、接続手段10はカバー層4によって覆われており、見えない。
【0029】
図7は、図4および図5で表され用いられている接続手段10の拡大図である。接続手段10は、同一の半径R、R’を有する2つの略円形のセグメントからなり、その間隔A’は、正確に2×RまたはR+R’に対応する。2つの円形セグメントは、短い連結ブリッジで連結されている。
【0030】
図6は、接続手段10’の別の実施形態を示す。これは同様に、それぞれが半径Rを有する2つの同一の円形セグメントからなり、これらは幾分長い連結ブリッジによって互いに連結されている。この実施形態の例における2つの円形セグメントの2つの中心点の間隔Aは、1.1×Rである。
【0031】
図8は、同様に同一の半径Rを有する2つの円形セグメントからなる、接続手段のさらに別の実施形態の例10”を示す。この実施形態の例において、2つの円形セグメントの中心点M、M’の間隔A”は、0.9Rである。
【0032】
すべての例において、半径RおよびR’は35mmである。
【0033】
本発明の機能的原理を、図9を用いてより詳細に説明する。図9には、底面から見た2つのマット1が示されており、図7に示されるように、2つの接続手段10によって互いに連結されている。図7の中央の2つの矢印によって表されるように、2つのマットは互いに対して幾分ずれる。互いに対するマットのこのずれに応じて、接続手段10の円形セグメント領域11、11’は、2つのマット1のそれぞれの凹部6内でわずかに回転し、弾性によりさらに変形することができ、それによって必要な許容範囲を等しくすることができる。このプロセスにおいて、互いに接する2つのマット1の縁7は、同様に、凹部6または2つの接続手段10の領域でわずかに変形する。これは、用いられている材料の弾性により、容易に行える。2つのマット1の互いに対するこのようなずれは、凹部6内の2つの接続手段のそれぞれの円形セグメント領域11、11’の回転により、かなり容易になる。
【0034】
図10は、わずかに修正したマットの例1’を示す。このマット1’は、かさ密度70kg/m、厚み49mmの化学架橋ポリエチレンからなるクッション層5と、厚み1mmの布強化型PVC―pのカバー層とを備えた、2つの層で構成されている。マットの寸法は1m×2mで、各凹部は、直径70mmの円形セグメント領域を有する。
【0035】
図11および図12は、本発明の別の実施形態を示す。本発明のこの実施形態の例による2つのマット1”は、かさ密度60kg/m、厚み45mmの化学架橋ポリエチレンからなるクッション層と、厚み1mmの布強化型熱可塑性エラストマー(TPE)のカバー層とを備えた、2つの層で構成されている。カバー層は、クッション層に熱的に積層されている。マット1”の寸法は、それぞれ、1m×2mである。マット1”の長辺には、各場合において、それぞれ4つの凹部6’があり、2つの短辺には、各場合において、それぞれ2つの凹部6’がある。図11に示す実施形態の例では、縁に対する凹部6’の間隔は、各場合において150mmであり、短辺にある2つの凹部6’の間隔は、各場合において700mmであり、2つの長辺の中央にある2つの凹部6’の間隔は、各場合において300mmであり、長辺の2つの外側の凹部6’の間隔も700mmである。
【0036】
図12では、図11の実施形態の例で用いられる接続手段12がより大きな縮尺で示されている。この場合の接続手段12は、まず、わずかに重なり合う2つのより小さな円形セグメント、主円形セグメント13、13’、および今度は2つの主円形セグメント13、13’にわずかに重なる、外側の2つのより大きな円形セグメント14、14’を含む。図示した実施形態の例では、主円形セグメント13、13’の2つの半径R、R’はそれぞれ17.5mmであり、より大きな2つの外側(副)円形セグメント14、14’の半径はそれぞれ35mmである。2つの主円形セグメント13、13’の中心点MおよびM’の間隔A’”は、32mmである。
【0037】
本発明のこの別の実施形態の機能的原理を、図11を用いてより詳細に説明する。図11には、下側から見た2つのマット1”が示されており、図12に示されるように、2つの接続手段12を介して互いに連結されている。図11の中央の2つの矢印によって表されるように、2つのマットは互いに対して幾分ずれる。マットが互いに対して変位する場合、接続手段12の2つの主要な円形セグメント領域13、13’は、それらの弾性により、2つのマット1”のそれぞれの凹部6’において、一定のねじれ運動により変形可能であり、場合により、隣接するサブ領域においてわずかに回転し、これにより、必要な許容範囲を補う。この場合、互いに接する2つのマット1”の縁は、同様に、凹部6’または4つの接続手段12の領域でわずかに変形する。これは、用いられている材料の弾性により、容易に行える。
【符号の説明】
【0038】
1、r、1” マット
2 上面
3 底面
4 カバー層
5 クッション層
6、6’ 凹部
7 縁
8、9 不使用
10、10’、10” 接続手段
11、11’ 円形セグメント領域
12 接続手段
13、13’ 主円形セグメント領域
14、14’ 副円形セグメント領域
R、R’ 半径
A、A’、A”、A’” 間隔
M、M’ 中心点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12