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  • 特許-ガス検出システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-20
(45)【発行日】2022-07-28
(54)【発明の名称】ガス検出システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/12 20060101AFI20220721BHJP
【FI】
G01N27/12 D
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018086559
(22)【出願日】2018-04-27
(65)【公開番号】P2019120673
(43)【公開日】2019-07-22
【審査請求日】2021-02-12
(31)【優先権主張番号】201810007686.5
(32)【優先日】2018-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521270306
【氏名又は名称】美らいず株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097559
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 浩司
(74)【代理人】
【識別番号】100123674
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 亮
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ビレイ
(72)【発明者】
【氏名】山口 一朗
【審査官】櫃本 研太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-270315(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0178185(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0309048(US,A1)
【文献】特開2012-042399(JP,A)
【文献】特開平02-045746(JP,A)
【文献】特開2000-146883(JP,A)
【文献】特開昭51-009898(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/00-27/49
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数台のガス検出センサー装置と、
前記ガス検出センサー装置と通信可能なコンピューターとを有し、
前記コンピューターは、前記ガス検出センサー装置のうち1台を基準装置とし、その出力値を基準値とする時、前記基準装置以外のガス検出センサー装置の出力値を前記基準値を基に補正すると共に、前記コンピューターの表示部又は前記コンピューターに接続された外部の表示端末に、前記出力値を装置別に表示する ガス検出システムであって、
同一の周囲環境における前記基準装置の出力値をOutA1、同一の周囲環境における前記基準装置以外の前記ガス検出センサー装置である補正装置の出力値をOutB1、異なる周囲環境における前記基準装置の出力値をOutA2、異なる周囲環境における前記補正装置の出力値をOutB2とする時、補正後の前記出力値OutB2_corは次式により算出される
【数1】

ことを特徴とするガス検出システム。
【請求項2】
前記コンピューターの表示部又は前記表示端末に、前記出力値が装置別に表示される際、グラフ表示されると共に、前記グラフの時間軸は自動スクロールされる
ことを特徴とする請求項1に記載のガス検出システム。
【請求項3】
前記ガス検出センサー装置は、ガス濃度に対する感度特性が異なる複数のガスセンサーを備える
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のガス検出システム。
【請求項4】
前記ガス検出センサー装置は、温湿度センサーを備えており、
前記コンピューターは、ガス検出センサー装置の出力値を前記温湿度センサーの出力を基に補正する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のガス検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大気中のガス濃度の変動を検出するガス検出センサー装置を有するガス検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ガス検出センサー装置は、家庭用のプロパンガス警報器や自動車等に広く用いられており、大気中に含まれる特定のガス(化学物質)を検出する。近年では、大気汚染や化学物質過敏症等への懸念から、空気清浄器やエアコン等に同様の機能を内蔵するものもある。
【0003】
ガス検出センサー装置に内蔵され、ガス濃度を検出するガスセンサーの一つに半導体式ガスセンサーがある。半導体式ガスセンサーは、半導体素子の成分等を変えることによって様々な種類のガスに対応することができ、低コストであるため、広く利用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この半導体式ガスセンサーを内蔵したガス検出センサー装置を用いてガス濃度を検出すると、使用環境によってはその検出値が安定せず、また製品によってバラつき(機差)が大きいことがある。半導体式ガスセンサーの感度特性は、ガスの濃度だけではなく、周囲環境の温度や湿度、大気の流れ等によっても変動することが一因と考えられる。
【0005】
また、半導体式ガスセンサーの半導体素子の成分は、製造上厳密には一様でなく、それによってガス検出センサー装置の感度特性に機差が生じていると考えられる。このため、複数台のガス検出センサー装置により異なる周囲環境のガス濃度を検出しても、機差によりそれらを正しく比較できない。
【0006】
本発明は、上記した課題に着目してなされたものであり、ガス検出センサー装置の感度特性の機差を補正でき、異なる周囲環境におけるガス濃度の比較が容易に行えるガス検出システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するために、本発明に係るガス検出システムは、複数台のガス検出センサー装置と、前記ガス検出センサー装置と通信可能なコンピューターとを有し、前記コンピューターは、前記ガス検出センサー装置のうち1台を基準装置とし、その出力値を基準値とする時、前記基準装置以外のガス検出センサー装置の出力値を前記基準値を基に補正すると共に、前記コンピューターの表示部又は前記コンピューターに接続された外部の表示端末に、前記出力値を装置別に表示することを特徴とする。
【0008】
上記したガス検出システムは、コンピューターが基準装置の出力値(基準値)を基に、基準装置以外のガス検出センサー装置の出力値を補正することによって、ガス検出センサー装置間の機差を埋め合わせることができる。また、複数台のガス検出センサー装置をコンピューターと通信させることによって、物理的に離れた場所や異なる空間(異なる周囲環境)におけるガス濃度を測定し、各ガス検出センサー装置の出力値をコンピューターの表示部又はコンピューターに接続された外部の表示端末に表示させる。この際、出力値を装置別に表示させることによって、異なる周囲環境におけるガス濃度の比較が容易に行える。
【0009】
具体的には、最初に、複数台のガス検出センサー装置を同一空間(同一の周囲環境)に設置して出力値を測定し、測定データをコンピューターに記憶しておく。次に、各装置を所望の測定空間(異なる周囲環境)に設置して出力値を測定し、記憶された同一の周囲環境における測定データを基に、コンピューターがその他のガス検出センサー装置の出力値を補正する。これによって、ガス検出センサー装置が複数台ある場合においても、各装置の感度特性の機差を補正することができ、異なる周囲環境におけるガス濃度の比較が正しく行える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ガス検出センサー装置の感度特性の機差を補正でき、異なる周囲環境におけるガス濃度の比較が容易に行えるガス検出システムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係るガス検出システムの一実施形態の全体構成を示す概略ブロック図である。
図2図1に示すガス検出センサー装置の一実施形態を示す図である。
図3図1に示すコンピューターに表示された画面表示の一実施例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明に係るガス検出システムの一実施形態の全体構成を示す概略ブロック図である。
【0013】
図1に示されるように、ガス検出システム500は、複数台のガス検出センサー装置100と、ガス検出センサー装置と通信可能なコンピューター300とを有する。ガス検出センサー装置100は2台以上であれば台数に制限はなく、図1に識別番号Unit No.1~Unit No.nで示すように、任意のn台とすることができる。
【0014】
前記ガス検出センサー装置100と前記コンピューター300は通信手段200により接続されており、その接続方式は有線、無線によらず、その通信方式も限られない。また、通信手段200はシリアル・ポート(通信規格RS-422)のように両者を直接的に接続するものだけでなく、インターネット等の通信ネットワークを介して接続するものであってもよい。
【0015】
前記コンピューター300は、前記通信手段200を通じて、前記複数台のガス検出センサー装置100からそれぞれの出力値を受信する。ここで、コンピューター300は、各ガス検出センサー装置100の出力値を装置別に識別できるようにデータ受信する。例えば、通信手段200が有線の場合、コンピューター300のポート番号で識別したり、通信手段200が無線の場合、各ガス検出センサー装置100にあらかじめ識別番号が付与されることによって識別可能となる。
【0016】
本実施形態に係るガス検出システム500は、前記複数台のガス検出センサー装置100のうち任意の1台を選択して基準装置とする。図1においてはUnit No.1が基準装置100Aである。そして、コンピューター300は、この基準装置100Aの出力値(基準値)を基に、基準装置100A以外のガス検出センサー装置(以下、補正装置100Bと記す)の出力値を補正して出力する。この補正によって、ガス検出センサー装置100の機差を埋め合わせることができる。
【0017】
具体的には、最初(測定開始時、又は開始前)に、基準装置100A及び補正装置100Bを同一の周囲環境に設置して出力値を測定し、基準装置100Aの出力値を基準値としてコンピューター300に記憶する。また、補正装置100Bについても各出力値、又は各出力値と基準値との差分をコンピューター300に装置別に記憶しておく。
【0018】
各ガス検出センサー装置100が後述する記憶部190を備える場合には、必ずしもコンピューター300に記憶しておく必要はなく、これらの数値を記憶部190に記録しておいてもよい。
【0019】
ここで、同一の周囲環境とは温度、湿度、風の向き、ガス濃度等、ガス検出センサー装置100の出力値の変動を引き起こす要因となる環境条件が同一、又は同一に限りなく近い環境を意味するものとする。また、これら以外の場合を異なる周囲環境とする。
【0020】
次に、基準装置100A及び補正装置100Bをそれぞれ所望の測定空間(異なる周囲環境)に設置して出力値を測定する。これらの異なる周囲環境における測定値、及び前記同一周囲環境における測定値を用いて、コンピューター300は、補正装置100Bの出力を補正する。
【0021】
この補正処理は、本実施形態においては比例配分で実施している。具体的には、同一の周囲環境における基準装置100Aの出力値をOutA1、補正装置100Bの出力値をOutB1、異なる周囲環境における基準装置100Aの出力値をOutA2、補正装置100Bの出力値をOutB2とする時、補正後の補正装置100Bの出力値OutB2_corは次式で表される。
【0022】
【数1】
【0023】
上記した補正処理は、基準装置100A(識別番号Unit No.1)以外の各ガス検出センサー装置100B(識別番号Unit No.2~Unit No.n)についてそれぞれ行う。これによって、基準装置100Aを基準として各補正装置100Bの出力値を補正できるため、識別番号Unit No.1からUnit No.nまでの全てのガス検出センサー装置100の感度特性の機差を埋め合わせることができる。
【0024】
なお、ガス検出センサー装置100の出力の時間変動が大きい場合には、所定時間にわたってガス検出センサー装置100の出力値を計測して、その測定値の平均化、平滑化処理等を行うことによって、上記した基準装置100Aの出力値OutA1、OutA2、補正装置100Bの出力値OutB1、OutB2を算出することが好ましい。
【0025】
また、ガス検出センサー装置100の出力が温度や湿度によって変動が大きい場合には、各装置の設置場所周辺の温度や湿度の違いによっても、ガス検出センサー装置100の感度特性の機差が生じてしまうことがある。この場合には、さらに、温度、湿度に対してもガス検出センサー装置100の出力値を補正することが好ましい。
【0026】
具体的には、温度又は湿度の少なくともいずれか一方を測定する温湿度センサーを各ガス検出センサー装置100に設けるか、その周辺に設ける。この計測された温度、湿度から、ガス検出センサー装置100の温度特性、湿度特性に基づき、コンピューター300がガス検出センサー装置100の出力値を補正する。温度特性及び湿度特性のデータをあらかじめコンピューター300に記憶しておき、補正時に、これらのデータ・テーブルや擬似近似式を参照すると、温度、湿度に対してガス検出センサー装置100の出力値を補正することができる。
【0027】
次に、図2を参照し、ガス検出センサー装置100について説明する。本実施形態において、ガス検出センサー装置100は、特定ガス濃度に応じて内部抵抗が変化するガスセンサー110と、ガスセンサー110の出力を測定する測定部120と、温度又は湿度の少なくともいずれか一方を測定する温湿度センサー170と、測定部120の測定値、温湿度センサー170の測定値等を外部に出力するためのデータ入出力部160と、これら各部を制御する制御部180を備える。また、数値計算を行う演算部130、測定値等を表示する表示部150、測定値等を記憶しておく記憶部190を備えていてもよく、データ入出力部160は外部からのデータ入力を許容する機能を有するものであってもよい。
【0028】
ガスセンサー110は一つ以上備えられていればよいが、本実施形態においては、ガス濃度に対する感度特性の異なる3つのガスセンサー110(Sensor1~Sensor3)が配置されており、各ガスセンサー110に測定部120がそれぞれ接続されている。ガスセンサー110は、設置された大気中のガス濃度に応じて内部抵抗が変化するセンサーであれば種類は限られないが、小型で低コストである半導体式ガスセンサーを用いることが好ましい。半導体式ガスセンサーは、構成材料である金属酸化物半導体の組成によって検知できるガスの種類が異なるため、複数種類のガスセンサーを備えることによってより多くの種類のガスを検出できるようになる。
【0029】
前記測定部120は、ガスセンサー110の内部抵抗に負荷抵抗(図示せず)を直列接続し、その負荷抵抗の電圧を、ガスセンサー110の出力に対応するデータとして測定している。ただし、測定部120の構成はこれに限られず、ガスセンサー110の内部抵抗の電圧や、内部抵抗に流れる電流等をガスセンサー110の出力に対応するデータとして測定できる構成であればよい。
【0030】
ガス検出センサー装置100は、初期測定モードと通常測定モードとを切り替えるスイッチ140をさらに備える。初期測定モードは、測定の開始時又は開始前に、各ガス検出センサー装置100を同一の周囲環境に設置してガスセンサー110の出力を測定するために用いられるモードであって、通常測定モードは、現在時点において各ガス検出センサー装置100を異なる周囲環境に設置してガスセンサー110の出力を測定するために用いられるモードである。
【0031】
このスイッチ140は必ずしも必要ないが、これによって測定モードを2種類用意可能となる。測定モードによって、コンピューター300は測定頻度、測定したデータの平均化・平滑化処理、測定データの記憶処理を変更することができるようになり便利である。例えば、本実施形態においては、初期測定モードの測定データは、記憶部190内の不揮発性記録媒体(例えばE2ROM)に記憶されるようになっている。これにより、停電等が発生した場合であっても、記憶部190に記憶された初期測定モードの測定データを読み出し可能となっている。
【0032】
初期測定モードにおける基準装置100Aの出力値は、上記した同一の周囲環境における基準装置100Aの出力値OutA1、初期測定モードにおける補正装置100Bの出力値は、同一の周囲環境における補正装置100Bの出力値OutB1である。同様に、前記通常測定モードにおける基準装置100Aの出力値は上記した異なる周囲環境における基準装置100Aの出力値OutA2、通常測定モードにおける補正装置100Bの出力値は異なる周囲環境における補正装置100Bの出力値OutB2である。
【0033】
前記出力値OutB2は、既述したようにコンピューター300によって補正され、補正後の補正装置100Bの出力値OutB2_corは上記式(1)で算出される。さらに、温度、湿度に対してガス検出センサー装置100の出力値を補正する場合には、各装置の温湿度センサー170の測定値に応じて、前記出力値OutA2、及び前記補正後の出力値OutB2_corを補正する。温度、湿度に対する補正方法は特に限られず、例えばガスセンサー110の温度特性、湿度特性のデータ・テーブルや擬似近似式を参照する方法を用いることができる。
【0034】
また、本実施形態においては、コンピューター300は、前記出力値OutA2、及び前記補正後の出力値OutB2_cor(温度、湿度補正を行う場合には、その補正後の値)を前記出力値OutA1の相対値とするため、比率OutA2/OutA1、OutB2_cor/OutA1を算出する。前記出力値OutA1の相対値とすることによって、Unit No.1とUnit No.2の出力値の比較がより容易に行える。なお、これらの算出はコンピューター300でなく、演算部130によって行われてもよい。
【0035】
次に図3を参照し、コンピューター300の表示部(又はコンピューター300に接続された外部の表示端末)に表示された画面表示の一例を示す。図3は、2台のガス検出センサー装置100(Unit No.1とUnit No.2)を含むガス検出システム500におけるコンピューター300の画面表示である。画面上部のグラフ欄310に、Unit No.1(基準装置100A)とUnit No.2(補正装置100B)のデータが折れ線グラフにて表示されている。グラフの線種(濃淡)により、どちらの装置のデータであるかが識別可能となっているが、色別に表示する等、その識別方法は限定されない。
【0036】
また、図3において画面下部の数値表示欄320には、測定開始日時や、温度補正の有無、通信手段200であるシリアル・ポートのポート番号、各ガス検出センサー装置の温度、湿度等が表示され、各種条件や測定データを具体的に把握可能となっている。図3の表示例の場合、Unit No.1とUnit No.2の各温度、湿度のデータも測定され、温度補正が有と選択されている。
【0037】
画面上部のグラフ欄310には、3つのガスセンサー110(Sensor1~Sensor3)について、各ガスセンサーが感知する主なガスの種類(アルデヒド類、TVOC、臭いセンサー)が表記され、各ガスセンサー110の出力に対応する前記比率OutA2/OutA1、OutB2_cor/OutA1の経時変化が、それぞれ折れ線グラフにてグラフ表示されている。縦軸の算出データは対数表示であり、横軸の時間軸の目盛は、測定の経過と共に自動更新され、それぞれ折れ線グラフは自動スクロール表示される。
【0038】
上述したように、Unit No.2のデータは、Unit No.1に合わせて補正処理されており、Unit No.1との比較が正しく行えるものとなっている。また、温度補正が有と選択されているため、前記比率OutA2/OutA1、OutB2_cor/OutA1は、Unit No.1とUnit No.2の各測定温度に基づき、温度補正されたデータとなっている。さらに、Unit No.1とUnit No.2の出力は同時に測定され、画面上においてリアルタイムで比較が可能となっている。
【0039】
以上のように、このようなガス検出システム500によれば、ガス検出センサー装置100のうち1台を基準装置100Aとし、この基準装置の出力値を基に、基準装置以外のガス検出センサー装置(補正装置100B)の出力値を補正することによって、各ガス検出センサー装置100の機差を埋め合わせることができる。また、機差を補正した出力値を基準値に対する相対値(比率)としてコンピューター300の表示部にグラフ表示させることによって、異なる周囲環境におけるガス濃度を容易に比較することができる。
【0040】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は、上記した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、本実施形態においては、コンピューター300によって、補正装置100Bの出力値を補正しているが、同様の機能を実現できる外部端末であれば、スマートフォン等であってもよく、分散コンピューティング等を用いて、ネットワーク空間上に仮想的に存在しているものでもよい。
【符号の説明】
【0041】
100 ガス検出センサー装置
100A 基準装置
100B 補正装置
110 ガスセンサー
120 測定部
130 演算部
140 スイッチ
150 表示部
160 データ入出力部
170 温湿度センサー
180 制御部
190 記憶部
200 通信手段
300 コンピューター
500 ガス検出システム
図1
図2
図3