(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-27
(45)【発行日】2022-08-04
(54)【発明の名称】工具棚
(51)【国際特許分類】
B25H 3/04 20060101AFI20220728BHJP
E05B 1/00 20060101ALI20220728BHJP
E05B 1/06 20060101ALI20220728BHJP
【FI】
B25H3/04
E05B1/00 311J
E05B1/06 105Z
(21)【出願番号】P 2018148785
(22)【出願日】2018-08-07
【審査請求日】2021-07-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000161909
【氏名又は名称】京都機械工具株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】頼富 士朗
(72)【発明者】
【氏名】前川 直史
(72)【発明者】
【氏名】高尾 茂行
【審査官】奥隅 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-165660(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25H 3/04
E05B 1/00
E05B 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具を収納するための工具棚であって、
工具を収納する収納部を有する引出しと、
上記引出しが収容され、該引出しを支持するための筐体とを備え、
上記引出しは、上方が開放された箱体をなしかつ上記収納部を構成する引出本体と、該引出本体が引き出される側を前側として、上記引出本体の前壁部の左側端部及び右側端部に設けられかつ上記引出本体を引き出し操作する際にユーザーが指をかける把手部とを有し、
上記各把手部は、上記前壁部よりも上記前側に突出する前側突部と、該前側突部から、左側の把手部は左側に、右側の把手部は右側にそれぞれ延びかつ上記ユーザーが指をかける指かけ部とを有し、
上記指かけ部と上記筐体の前側の端部との間には、上記ユーザーが指を挿入する指入れ空間が形成されてい
て、
さらに上記各把手部は、前側から見て、上記筐体と重複するように構成されており、
上記筐体の前側の端部であって、上記筐体における上記各把手部の後側に位置する部分は、上記指入れ空間が広くなるように、後側に向かってそれぞれ凹んでいることを特徴とする工具棚。
【請求項2】
請求項
1に記載の工具棚において、
上記筐体は、複数のフレームで構成されたフレームユニットであり、
上記フレームユニットは、
互いに平行に上下方向に延び、コーナー部分に位置する4つのコーナーフレームと、
左右方向に相隣接する上記コーナーフレーム同士を、上側同士及び下側同士でそれぞれ連結するように左右方向に延びる二対の第1の連結フレームと、
前後方向に相隣接する上記コーナーフレーム同士を、上側同士及び下側同士でそれぞれ連結するように前後方向に延びる二対の第2の連結フレームと、
を有し、
上記各把手部は、前側から見て、上記コーナーフレームと重複するように構成されており、
上記各コーナーフレームうち前側に位置する2つのコーナーフレームは、上記フレームユニットにおける、上記引出本体が押し込まれた状態で該引出本体の上記収納部が位置する側を内側として、後側に向かってそれぞれ凹むように、外側に開放されたL字状の横断面をそれぞれ有することを特徴とする工具棚。
【請求項3】
請求項1
又は2に記載の工具棚において、
上記引出しは、上記引出本体を前後方向にスライド可能に案内しかつ該引出本体が載置されるアンダーレールを更に備えることを特徴とする工具棚。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工具棚に関する技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来より、工具を収納可能な引出しを有する工具棚において、把手が左右に設けられたものが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ワゴン(工具棚)の引出しの正面板(前壁部)の側端部の背面側に上下方向のラッチ軸により枢支されるとともに、ワゴンに係脱可能な係合部を有するラッチと、正面板の側端部の背面側に上下方向のレバー軸により枢支されるとともに、外側端部に上下方向に長寸の把手部を有する操作レバーと、該操作レバーの回動をラッチに伝達可能な伝達手段とを備え、把手部の前方への回動操作に基づいて、伝達手段を介して前記ラッチを解除作動させるようにした引出しであって、操作レバーの把手部と前記レバー軸との間に開口部を設け、ラッチを開口部内に位置するように配置した引出しを有するワゴンが開示されている。この特許文献1では、引出しを操作する際にユーザーが指をかける部分が、引出しの正面板の左側部分及び右側部分の後側にそれぞれ設けられており、ワゴンの左側及び右側からラッチを解除可能であるとともに、ワゴンの左側及び右側からことが引出しを操作できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ユーザーが工具棚から工具を取り出すために、引出しを操作しようとするときには、ユーザーは工具棚の前側ではなく左側又は右側に位置していることがある。工具を収納する引出し付きの工具棚では、一般的に、引出しを操作するための把手は前壁部の下側の部分に設けられている。把手が前壁部の下側の部分に設けられていると、ユーザーが工具棚の左側又は右側に位置しているときには、引出しを操作しにくく、操作性が悪化してしまう。このため、引出しに収納された工具を取り出す際には、ユーザーは、一旦、引出しの前側に立ち直す必要があり、作業効率が悪化してしまう。
【0006】
これに対して、特許文献1に記載の工具棚では、ワゴンの左側及び右側から引出しを操作することができるようになっており、ユーザーが工具棚の左側又は右側に位置しているときであっても、該ユーザーは工具棚の前側に立ち直すことなく、引出しから工具を取り出すことができる。しかしながら、特許文献1に記載の工具棚では、引出しを操作する際にユーザーが指をかける部分が引出しの前壁部の後側に設けられている。このため、ユーザーが工具棚に対して左斜め前に位置したときなど、ユーザーが工具棚に対して前側寄りに位置しているときには、把手部が目視しにくく、ユーザーは把手部を探る必要がある。つまり、ユーザーが工具棚の前側に位置しているときの引出しの操作性が悪化するおそれがある。このように、単に、把手を左右に設けるだけでは、引出しの操作性の悪化を免れることができない。
【0007】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、工具を収納する引出しを備えた工具棚において、引出しの操作性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、工具を収納するための工具棚を対象として、工具を収納する収納部を有する引出しと、上記引出しが収容され、該引出しを支持するための筐体とを備え、上記引出しは、上方が開放された箱体をなしかつ上記収納部を構成する引出本体と、該引出本体が引き出される側を前側として、上記引出本体の前壁部の左側端部及び右側端部に設けられかつ上記引出本体を引き出し操作する際にユーザーが指をかける把手部を有し、上記各把手部は、上記前壁部よりも上記前側に突出する前側突部と、該前側突部から、左側の把手部は左側に、右側の把手部は右側にそれぞれ延びかつ上記ユーザーが指をかける指かけ部とを有し、上記指かけ部と上記筐体の前側の端部との間には、上記ユーザーが指を挿入する指入れ空間が形成されている、という構成とした。
【0009】
この構成によると、把手部が引出本体の前壁部の左側端部及び右側端部にそれぞれ設けられているため、ユーザーが工具棚の左側又は右側に位置しているときであっても、該ユーザーは工具棚の前側に立ち直すことなく、引出しから工具を取り出すことができる。また、各把手部は前壁部よりも前側に突出しているため、ユーザーが工具棚に対して前側寄りに位置しているときであっても、該ユーザーは把手部の位置を容易に見つけることができる。これにより、引出しの操作性を向上させることができる。
【0010】
また、上記工具棚において、上記各把手部は、前側から見て、上記筐体と重複するように構成されており、上記筐体の前側の端部であって、上記筐体における上記各把手部の後側に位置する部分は、上記指入れ空間が広くなるように、後側に向かってそれぞれ凹んでいる。
【0011】
この構成によると、指入れ空間が広くなるため、ユーザーが引き出し操作をしやすくなり、引出しの操作性をより向上させることができる。
【0012】
筐体の前側の端部が後側に凹んだ上記工具棚において、上記筐体は、複数のフレームで構成されたフレームユニットであり、上記フレームユニットは、互いに平行に上下方向に延び、コーナー部分に位置する4つのコーナーフレームと、左右方向に相隣接する上記コーナーフレーム同士を、上側同士及び下側同士でそれぞれ連結するように左右方向に延びる二対の第1の連結フレームと、前後方向に相隣接する上記コーナーフレーム同士を、上側同士及び下側同士でそれぞれ連結するように前後方向に延びる二対の第2の連結フレームと、を有し、上記各把手部は、前側から見て、上記コーナーフレームと部分的に重複するように構成されており、上記各コーナーフレームうち前側に位置する2つのコーナーフレームは、上記フレームユニットにおける、上記引出本体が押し込まれた状態で該引出本体の上記収納部が位置する側を内側として、後側に向かってそれぞれ凹むように、外側に開放されたL字状の横断面をそれぞれ有していてもよい。
【0013】
この構成によると、コーナーフレームが、ユーザーの指を指入れ空間に案内するガイドになるとともに、ユーザーが引き出し操作をする際のガイドになる。これにより、引出しの操作性を一層向上させることができる。
【0014】
上記工具棚において、上記引出しは、上記引出本体を前後方向にスライド可能に案内しかつ該引出本体が載置されるアンダーレールとを更に備えていてもよい。
【0015】
すなわち、例えば、左側の把手部を掴んで引出本体を引き出そうとしたときには、引出本体にかかる力の向きは、僅かに右側を向く。このため、仮に、引出本体を前後方向にスライド可能に案内するレールが、引出本体の左側及び右側の側壁部に設けられていると、片側の把手部のみを掴んで引出本体を引き出そうとした際に、上記レールがこじれて、引き出し操作ができなくなるおそれがある。これに対して、引出本体を前後方向にスライド可能に案内するレールを、引出本体が載置されるアンダーレールとすることで、片側の把手部のみを掴んで引出本体を引き出す際にこじれる可能性が低い。このため、引出しの操作性をより一層向上させることができる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明に係る工具棚によると、把手部が引出本体の前壁部の左側端部及び右側端部にそれぞれ設けられており、各把手部は前壁部よりも前側に突出しているため、ユーザーが工具棚の左側又は右側に位置しているとき、及び、ユーザーが工具棚に対して前側寄りに位置しているときであっても、ユーザーは把手部の位置をすぐに見つけて、引き出し操作を行うことができる。これにより、工具を収納する引出しを備えた工具棚において、引出しの操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態1に係る工具棚の構成を示す分解斜視図である。
【
図5】工具棚の正面図であって、引出本体が押し込まれた状態を示す。
【
図7】引出しの左側の把手部周辺の拡大断面図である。
【
図8】左側の引出用フレームをウェルドナットの位置で切断した横断面図である。
【
図9】引出しのロック機構と引出本体との位置関係を示す側面図である。
【
図10】実施形態2に係る工具棚の構成を示す分解斜視図である。
【
図11】実施形態2に係る工具棚の正面図であって、引出本体が押し込まれた状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る工具棚1の棚ユニット100の1つ分の構成を示す。この工具棚1は、筐体としてのフレームユニット10に工具を収納するため収納部31を有する引出し30を取り付けた状態で使用される。上記棚ユニット100は、1つのフレームユニット10に引出し30を取り付けて構成されたもののことを意味する。以下の説明では、引出し30の収納部31を構成する引出本体32が引き出される側を前側といい、引出本体32が押し込まれる側を後側という。また、後側から前側を見たときの左側を左側といい、右側を右側という。
【0020】
工具棚1は、1つの棚ユニット100で使用可能であり、複数の棚ユニット100を上下方向、左右方向及び前後方向に並べて使用することもできる。複数の棚ユニット100を上下方向、左右方向及び前後方向に並べて使用する場合には、隣接するフレームユニット10同士が連結される。
【0021】
〈フレームユニットの構成〉
フレームユニット10は、
図1に示すように、複数の金属製のフレームが、直方体のような形状をなすように配置されている。各フレームは、互いに一体的に接合されて構成されている。各フレームは、それぞれ中空になっている。
【0022】
フレームユニット10は、互いに平行に上下方向に延びかつコーナー部分に位置する4つのコーナーフレーム11を有する。本実施形態1では、
図2に示すように、上下方向から見て、コーナーフレーム11は、四角形の各頂点、詳しくは、長方形の各頂点に位置するように配設されている。
【0023】
フレームユニット10は、
図1及び
図2に示すように、左右方向に相隣接するコーナーフレーム11同士を、上側同士及び下側同士でそれぞれ連結するように延びる二対の第1の連結フレーム12を有する。フレームユニット10は、
図1及び
図3に示すように、前後方向に相隣接するコーナーフレーム11同士を、上側同士及び下側同士でそれぞれ連結するように延びる二対の第2の連結フレーム13を有する。
【0024】
各コーナーフレーム11は、
図4、
図6及び
図7に示すように、横断面がL字状をなしている。具体的には、
図6に示すように、引出本体32が押し込まれた状態で該引出本体32の収納部31が位置する側を内側として、外側に向かって開放されたL字状をなしている。より詳しくは、
図4、
図6及び
図7に示すように、前側に位置する2つのコーナーフレーム11は、前後方向かつ上下方向に延びる側面部と、該側面部の後側端部から、左側のコーナーフレーム11では左側に、右側のコーナーフレーム11では右側に向かって延びる後面部とを有している。また、
図6に示すように、後側に位置する2つのコーナーフレーム11は、前後方向かつ上下方向に延びる側面部と、該側面部の前側端部から、左側のコーナーフレーム11では左側に、右側のコーナーフレーム11では右側に向かって延びる前面部とを有している。尚、
図4及び
図7では、左前側のコーナーフレームのみを示している。
【0025】
各コーナーフレーム11のL字の開放側でかつ上下方向の両側の端部には、
図1~
図4に示すように、複数のフレームユニット10同士を連結固定するための連結固定部17がそれぞれ設けられている。各連結固定部17は、
図2に示すように、L字の部分を直交する2辺とする正方形状をなしている。各連結固定部17には、ボルト等の締結部材が挿通される挿通孔17aがそれぞれ形成されている。
【0026】
各第1の連結フレーム12は、
図1に示すように、左右方向の端部が、コーナーフレーム11の上下方向の端部にそれぞれ結合されている。各第1の連結フレーム12は、
図1及び
図2に示すように、それぞれ、左右方向の中間部分が、左右方向の両側の端部よりも、前後方向の中央寄りに位置している。具体的には、相対的に前側に位置する第1の連結フレーム12は、左右方向の中間部分が、左右方向の両側の端部よりも後側に位置しかつ左右方向に真っ直ぐに伸びている一方、相対的に後側に位置する第1の連結フレーム12は、左右方向の中間部分が、左右方向の両側の端部よりも前側に位置しかつ左右方向に真っ直ぐに延びている。これにより、各第1の連結フレーム12を、前後方向に対向する2つの第1の連結フレーム12で構成される二組の第1の連結フレーム群120に分けたときに、該各第1の連結フレーム群120を構成する2つの第1の連結フレーム12は、コーナーフレーム11よりも前後方向の中央寄りに位置しかつ左右方向に沿って平行に延びる第1の平行部12aをそれぞれ有するようになる。
【0027】
また、各第1の連結フレーム群120を構成する2つの第1の連結フレーム12は、
図1及び
図2に示すように、第1の平行部12aにおける左右方向の両側の端部から、互いに離間するように近い側のコーナーフレーム11に向かって傾斜して延びる第1の傾斜部12bをそれぞれ有している。より具体的には、相対的に前側に位置する第1の連結フレーム12については、左側に位置する第1の傾斜部12bは左側に向かって前側に傾斜する一方、右側に位置する第1の傾斜部12bは右側に向かって前側に傾斜している。一方で、相対的に後側に位置する第1の連結フレーム12については、左側に位置する第1の傾斜部12bは左側に向かって後側に傾斜する一方、右側に位置する第1の傾斜部12bは右側に向かって後側に傾斜している。
【0028】
第1の平行部12aと第1傾斜部12bとの接続部分には、各第1の連結フレーム群120を構成する2つの第1の連結フレーム12を、左側同士及び右側同士で前後方向にそれぞれ連結する第1の補強フレーム14がそれぞれ設けられている。
【0029】
第1の平行部12aには、複数の孔42が等間隔に並んで設けられている。この孔42は、本実施形態1では、後述する天板35を取り付けるボルト(図示省略)が挿通する孔である。
【0030】
各第2の連結フレーム13は、
図1及び
図3に示すように、前後方向の端部が、コーナーフレーム11における上下方向の端部よりも上下方向の中央寄りの部分にそれぞれ結合されている。各第2の連結フレーム13は、
図1及び
図3に示すように、それぞれ、前後方向の中央部分が、前後方向の両側の端部よりも上下方向の中央寄りに位置している。具体的には、
図3に示すように、相対的に上側に位置する第2の連結フレーム13は、前後方向の中央部分が、前後方向の両側の端部よりも下側に位置する一方、相対的に下側に位置する第2の連結フレーム13は、前後方向の中央部分が、前後方向の両側の端部よりも上側に位置する。これにより、各第2の連結フレーム13を、上下方向に対向する2つの第2の連結フレーム13で構成される二組の第1の連結フレーム群130に分けたときに、該各第2の連結フレーム群130を構成する2つの第1の連結フレーム13は、前後方向の中央部13aが、前後方向の端部よりも互いに接近するようになる。
【0031】
また、各第2の連結フレーム群130を構成する2つの第1の連結フレーム13は、上記中央部13aから前側及び後側に向かって互いに離れるように上側及び下側に傾斜して延びる第2の傾斜部13bをそれぞれ有している。より具体的には、相対的に上側に位置する第2の連結フレーム13については、前側に位置する第2の傾斜部13bは前側に向かって上側に傾斜する一方、後側に位置する第2の傾斜部13bは後側に向かって上側に傾斜している。一方で、相対的に下側に位置する第2の連結フレーム13については、前側に位置する第2の傾斜部13bは前側に向かって下側に傾斜する一方、後側に位置する第2の傾斜部13bは後側に向かって下側に傾斜している。
【0032】
上下に対向する中央部13aには、各第2の連結フレーム群130を構成する2つの第2の連結フレーム13を上下方向にそれぞれ連結する第2の補強フレーム15がそれぞれ設けられている。
【0033】
各第2の連結フレーム群130を構成する2つの第2の連結フレーム13は、
図3に示すように、第2の傾斜部13bの中央部とは反対側の端部から、すなわち、前側の第2の傾斜部13bは前側の端部から、後側の第2の傾斜部13bは後側の端部からそれぞれ近い側のコーナーフレーム11に向かって前後方向に沿って平行に延びる第2の平行部13cをそれぞれ有している。第2の平行部13cは、前側同士及び後側同士で、支持フレーム16によりそれぞれ上下方向に連結されている。支持フレーム16は、
図1及び
図5に示すように、引出し30を、収納部31に工具を収納可能状態で支持するためのフレームである。支持フレーム16には、複数(本実施形態では5個)の支持部41がそれぞれ設けられている。支持部41は、上下方向に等間隔に並んでいる。本実施形態では、支持部41は、ボルトが挿通される挿通孔として構成されている。
【0034】
支持部41を構成する挿通孔は、
図6に示すように、上記外側の孔の径が、上記内側の孔の径よりも大きくなるように設定されている。具体的には、上記内側の孔の径は、支持部41に挿通されるボルト(後述するボルト50)の軸部よりも大きくかつ頭部よりも小さい径である一方、上記外側の孔の径は、上記ボルトの頭部よりも大きい径である。
【0035】
フレームユニット10の上側の部分には、引出し30の引出本体32が引き込まれた状態で、最も上側に位置する引出本体32の収納部31の内部が上方から見えないようにするための天板35が取り付けられている。
【0036】
〈引出しの構成〉
引出し30は、収納部31を有する引出本体32と、左右の支持フレーム16にそれぞれ取り付けられる左右一対の引出用フレーム33と、側板の後側に溶接等により接合される背面板34と、左右の引出用フレーム33の下端部にそれぞれ固定されかつ引出本体32を下側から支持するアンダーレール36とを有する。また、左側の引出用フレーム33には、引出本体32の前後方向のスライド動作を禁止するためのロック機構37が設けられている。また、図示は省略しているが、引出本体32の底面には、アンダーレール36と係合して引出本体32をスライドさせるためのクリップが設けられている。
【0037】
引出本体32は、
図1に示すように、上方が開放された箱状をなしている。引出本体32は、
図6に示すように、前壁部321と、該前壁部321と対向して後側に設けられた後壁部322と、前壁部321と後壁部322とを左側端部同士及び右側端部同士でそれぞれ上下方向に連結させる側壁部323と、引出本体32の底を形成する底壁部とを有している。各壁部は互いに溶接により接合されている。また、側壁部323の前側端部には、
図6に示すように、左側の側壁部323の内面と右側の側壁部323の内面とを連結する補強部材325が設けられている。補強部材325は、引出本体32が変形しないように補強するための部材である。収納部31は、補強部材325と、左右の側壁部323と、後壁部322と、上記底壁部によって形成されている。
【0038】
側壁部323は、上側の略半部分の上部側壁部323a(
図9参照)が下側の半部分の下部側壁部323b(
図9参照)と比べて外側に位置しており、上部側壁部323aと下部側壁部323bとの間には、段差部323cが形成されている。詳しくは後述するが、左側の側壁部323の段差部323cの前側部分には、ロック機構37の爪部材372が挿入されるロック用係合孔323dが設けられている。
【0039】
引出本体32の前壁部321の左側端部及び右側端部には、引出本体32を引き出し操作する際にユーザーが指Fをかける左側及び右側把手部326,327がそれぞれ設けられている。左側及び右側把手部326,327は、前壁部321よりも前側に突出する前側突部326a,327aと、該前側突部326a,327aから、左側把手部326では左側に、右側把手部327では右側にそれぞれ延びかつユーザーが指Fをかける指かけ部326b,326bとを有する。
【0040】
左側把手部326の前側突部326aは、
図6及び
図7に示すように、前側に向かって、左側に傾斜して延びている。左側把手部326の指かけ部326bは、前側突部326aの前側の端部から左側に向かって延びている。指かけ部326bの左側の端部は、左前側のコーナーフレーム11の側面部よりも左側まで延びている。指かけ部326bの左側の端部は、左側把手部326を構成する金属板を右側に向かって折り返えされている。前側突部326aの後側端部からは右側に向かって溶接部326cが延びており、該溶接部326cは前壁部321の後側の面に溶接により接合されている。
【0041】
一方、右側把手部327は、
図6に示すように、左側把手部326と左右対称な構成となっている。具体的には、右側把手部327の前側突部327aは、前側に向かって、右側に傾斜して延びており、右側把手部327の指かけ部327bは、該前側突部327aの前側の端部から右側に向かって延びている。指かけ部327bの右側の端部は、右前側のコーナーフレーム11の側面部よりも右側まで延びている。指かけ部327bの右側の端部は、右側把手部327を構成する金属板を右側に向かって折り返えされている。前側突部327aの後側端部からは左側に向かって溶接部327cが延びており、該溶接部327cは前壁部321の後側の面に溶接により接合されている。
【0042】
左側及び右側把手部326,327が、上記のように構成されているため、
図5に示すように、工具棚1(棚ユニット100)を前側から見たときには、左側及び右側把手部326,327が、フレームユニット10、詳しくは、コーナーフレーム11と重複するようになる。これにより、
図6及び
図7に示すように、左側及び右側把手部326,327とフレームユニット10の前側端部との間、詳しくは、左側及び右側把手部326,327とコーナーフレーム11との間には、引出本体32を引き出し操作する際にユーザーが指Fを挿入する指入れ空間328が形成される。
【0043】
左右の引出用フレーム33は、それぞれ、2つの金属パネルを接合させて構成されている。具体的に左側の引出用フレーム33について説明すると、
図8に示すように、引出用フレーム33は、相対的に上記外側(左側)に位置する外側パネル33aと、該外側パネル33aの上記内側(右側)の面における上下方向の中間に位置し、前後方向に延びる内側パネル33bとを有している。内側パネル33bは、上記外側に向かって開放された断面U字状をなしており、外側パネル33aと内側パネル33bとで閉断面空間を形成している。
【0044】
外側パネル33aには、支持部41に対応する部分に孔33c(
図1参照)が形成されており、外側パネル33aの内面には、上記孔33cに対応する位置にウェルドナット33dがそれぞれ設けられている。外側パネル33aの後側の部分は、
図6に示すように、前側に向かってU字状に折り返されている。背面板34は、該折り返えされた部分の内側面に接するように取り付けられている。
【0045】
内側パネル33bには、
図8に示すように、アンダーレール36のアウターレール36aを取付固定するためのボルト孔が設けられている。このボルト孔には、ボルト51が締結され、これにより、アンダーレール36が引出用フレーム33に取付固定されるようになっている。
【0046】
アンダーレール36のアウターレール36aには、インナーレール36bが係合している。引出本体32に設けられた上記クリップが、インナーレール36bに取り付けられることで、引出本体32がアンダーレール36に取り付けられる。インナーレール36bは、アウターレール36aに対して相対的にスライド移動可能になっている。インナーレール36bがアウターレール36aに対してスライドすることで、引出本体32が引き出し操作又は押し込み操作される。
【0047】
引出し30をフレームユニット10に取り付ける際には、まず、左右の引出用フレーム33をそれぞれボルト孔33aと支持部41とが対応するように、フレームユニット10の上記内側に配置して、外側からボルト50を締結することで各側板32bが支持部41にそれぞれ支持される。次に、背面板34を引出用フレーム33の後側端部に取り付ける。そして、引出本体32をアンダーレール36に載置させて、引出本体32に設けられた上記クリップとアンダーレール36とを係合させる。これにより、引出本体32は、フレームユニット10に支持されるとともに、アンダーレール36によりスライド可能なる。以上により、引出し30がフレームユニット10に取り付けられる。
【0048】
ウェルドナット33dが上記閉断面空間内に位置することにより、引出用フレーム33をフレームユニット10に取り付けたときには、ボルト50の先端がフレームユニット10の上記内側の領域に突出しない。このため、ボルト50が引出本体32の引き出し操作を邪魔することがないため、引出本体32の引き出し操作を円滑にすることができる。
【0049】
ロック機構37は、
図7に示すように、引出用フレーム33の外側パネル33aの外側に位置するつまみ371と、つまみ371と連動して回動しかつ引出本体32のスライド移動を禁止するための爪部材372と、つまみ371と爪部材372とを連結する連結部材373とを有する。外側パネル33aには、連結部材373が貫通する貫通孔が設けられている。連結部材373は、該貫通孔よりも径の小さい小径部373aと、該貫通孔よりも径の大きい大径部373bとを有する。連結部材373は、外側から(本実施形態1では左側から)上記貫通孔に挿し込まれており、小径部373aが上記貫通孔を貫通し、大径部373bが外側パネル33aに引っ掛かることで、外側パネル33aに取り付けられている。つまみ371は、
図7に示すように、連結部材373の大径部373bに取り付けられている。爪部材372は、
図9に示すように、L字状をなしている。一端部は連結部材373の小径部373aの先端に取付固定される固定部372aであり、他端部は、引出本体32のロック用係合孔323dに係合する係合部372bである。
【0050】
図9に実線で示すように(係合部372bの先端のみ点線で示す)、ロック機構37が引出本体32のスライド移動を禁止した移動禁止状態では、係合部372bがロック用係合孔323d内に挿入される。これにより、引出本体32がスライドしようとしても、爪部材372の係合部372bに引っ掛かるため、引出本体32のスライド移動が禁止される。一方で、移動禁止状態からつまみ371を回動(ここでは、反時計周りに回動)させると、
図9に一点鎖線で示すように、係合部372bとロック用係合孔323dとの係合が解除される。これにより、引出本体32がスライド移動可能な状態となる。
【0051】
ここで、ユーザーが工具棚1から工具を取り出すために、引出し30から引出本体32を引き出そうとするときには、ユーザーは必ずしも工具棚1の前側に位置しているとは限らない。従来の引出し付きの工具棚では、引出本体を引き出し操作するための把手が前壁部の下側に付いていた。このような構成では、ユーザーは、一旦、工具棚の前側まで移動してからでないと、引出本体を引き出すことができず、引出しの操作性が低かった。
【0052】
これに対して、本実施形態1では、把手部326,327が引出本体32の前壁部321の左側端部及び右側端部にそれぞれ設けられているため、ユーザーが工具棚1の左側又は右側に位置しているときであっても、該ユーザーは工具棚1の前側に立ち直すことなく、引出し30から引出本体32を引き出して、収納部31内の工具を取り出すことができる。また、各把手部326,327は前壁部321よりも前側に突出しているため、ユーザーが工具棚1に対して前側寄りに位置しているときであっても、該ユーザーは把手部326,327の位置をすぐに見つけることができる。さらに、各把手部326,327は前壁部321よりも前側に突出していることにより、ユーザーは前側からでも引出本体32を引き出しやすい。したがって、引出し30の操作性を向上させることができる。
【0053】
また、本実施形態1では、各コーナーフレーム11、特に前側のコーナーフレーム11が外側に向かって開放されたL字状をなしていることにより、
図7に示すように、指入れ空間328が広くなっている。すなわち、各コーナーフレーム11うち前側に位置する2つのコーナーフレーム11は、指入れ空間328を広げるべく後側に向かってそれぞれ凹むように、外側に開放されたL字状の横断面をそれぞれ有している。これにより、指入れ空間328が広くなるため、ユーザーが引き出し操作をしやすくなり、引出し30の操作性をより向上させることができる。
【0054】
さらに、本実施形態1では、前側のコーナーフレーム11が外側に向かって開放されたL字状をなしていることにより、
図7に示すように、工具棚1に対して、ユーザーが前側に位置した状態で、指入れ空間328に指Fを入れる際に、前側のコーナーフレーム11の後面部が、ユーザーの指Fを指入れ空間328に案内するガイドになる。また、ユーザーが指入れ空間328に指Fを入れた後は、前側のコーナーフレーム11の側面部が、ユーザーが左側及び右側把手部326,327(
図7では、左側把手部326のみを示す)を掴んで手前に引く際のガイドになる。このため、ユーザーが一層引き出し操作をしやすくなり、引出し30の操作性を一層向上させることができる。
【0055】
また、本実施形態1では、引出し30は、引出本体32が載置するアンダーレール36を備えているため、把手部326,327を前壁部321の左右の両端部に設けたとしても、レールがこじれる可能性が低い。この結果、ユーザーがより一層引き出し操作をしやすくなり、引出し30の操作性をより一層向上させることができる。
【0056】
(実施形態2)
以下、実施形態2について、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下の説明において実施形態1と共通の部分については、同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0057】
図10は、実施形態2に係る工具棚201の棚ユニット200の1つ分の構成を示す。この工具棚201は、本実施形態1と同様に、筐体としてのフレームユニット210に工具を収納するため収納部231を有する引出し230を取り付けた状態で使用される。以下の説明では、引出し230の収納部31を構成する引出本体232が引き出される側を前側といい、引出本体232が押し込まれる側を後側という。また、後側から前側を見たときの左側を左側といい、右側を右側という。
【0058】
実施形態2のフレームユニット210は、上記実施形態1のフレームユニットを、第1の連結フレームが上下方向に延びるように配置した形状をなしており、上記実施形態1のフレームユニットと比べて上下方向に長くかつ左右方向に短い。具体的には、フレームユニット210は、互いに平行に左右方向に延びかつコーナー部分に位置する4つのコーナーフレーム211を有する。フレームユニット210は、
図10に示すように、上下方向に相隣接するコーナーフレーム211同士を、左右方向の一端側同士及び他端側同士でそれぞれ連結するように延びる二対の第1の連結フレーム212を有する。フレームユニット210は、
図3に示すように、前後方向に相隣接するコーナーフレーム211同士を、左右方向の一端側同士及び他端側同士でそれぞれ連結するように延びる二対の第2の連結フレーム213を有する。
【0059】
各コーナーフレーム211、各第1の連結フレーム212、及び、各第2の連結フレーム213の構成は、基本的には、上記実施形態1に係る工具棚のフレームユニット210における各フレームの構成に対して、上下方向と左右方向とを入れ替えたものである。すなわち、第1の連結フレーム212の第1の平行部は、上下方向に沿って平行に延びる平行部であり、第1の連結フレーム212の第1の傾斜部については、相対的に前側に位置する第1の連結フレーム212は、上側に位置する第1の傾斜部は上側に向かって前側に傾斜する一方、下側に位置する第1の傾斜部は下側に向かって前側に傾斜している。一方で、相対的に後側に位置する第1の連結フレーム212は、上側に位置する第1の傾斜部は左側に向かって後側に傾斜する一方、下側に位置する第1の傾斜部は下側に向かって後側に傾斜している。
【0060】
第1の連結フレーム212が、上記のような第1の平行部と第1の傾斜部とを備えることにより、フレームユニット210の前側端部が後側に向かって凹んだような形状になっている。
【0061】
本実施形態2では、各第1の連結フレーム212の平行部には、
図10に示すように、引出し230を、収納部231に工具を収納可能状態で支持するための複数(本実施形態2では、それぞれ11個)の支持部242がそれぞれ設けられている。支持部242は上下方向に等間隔に並んで形成されている。本実施形態では、支持部242は、ボルトが挿通される挿通孔で構成されている。
【0062】
支持部242を構成する挿通孔は、
図12に示すように、上記実施形態1の支持部41と同様に、上記外側の孔の径が、上記内側の孔の径よりも大きくなるように設定されている。具体的には、上記内側の孔の径は、支持部242に挿通されるボルト250の軸部よりも大きくかつ頭部よりも小さい径である一方、上記外側の孔の径は、ボルト250の頭部よりも大きい径である。
【0063】
引出し230は、左右方向の幅が小さいこと以外は、上記実施形態1と同じ構成である。すなわち、引出230は、収納部231を有する引出本体232と、左右の第1のフレーム212にそれぞれ取り付けられる左右一対の引出用フレーム233と、側板の後側に溶接等により接合される背面板234と、左右の引出用フレーム233の下端部にそれぞれ固定されかつ引出本体232を下側から支持するアンダーレール236と、引出本体232が引き込まれた状態で、最も上側に位置する収納部31の内部が上方から見えないようにするための天板235とを有する。また、左側の引出用フレーム233には、引出本体32の前後方向のスライド動作を禁止するためのロック機構237が設けられている。
【0064】
引出本体232は、本実施形態2でも、上方が開放された箱状をなしている。引出本体232は、
図12に示すように、前壁部2321と、該前壁部2321と対向して後側に設けられた後壁部2322と、前壁部2321と後壁部2322とを左側端部同士及び右側端部同士でそれぞれ上下方向に連結させる側壁部2323と、引出本体232の底を形成する底壁部とを有している。各壁部は互いに溶接により接合されている。また、側壁部2323の前側端部には、
図12に示すように、左側の側壁部2323の内面と右側の側壁部2323の内面とを連結する補強部材2325が設けられている。補強部材2325は、引出本体232が変形しないように補強するための部材である。補強部材325と、左右の側壁部2323と、後壁部2322と、上記底壁部によって、工具が収納される収納空間231が形成されている。
【0065】
本実施形態2でも、引出本体232の前壁部2321の左側端部及び右側端部には、引出本体32を引き出し操作する際にユーザーが指をかける左側及び右側把手部2326,2327がそれぞれ設けられている。本実施形態2でも、上記実施形態1のときと同様に、左側及び右側把手部2326,2327は、前壁部2321よりも前側に突出する前側突部2326a,2327aと、該前側突部2326a,2327aから、左側把手部2326では左側に、右側把手部2327では右側にそれぞれ延びかつユーザーが指をかける指かけ部2326b,2326bとを有する。
【0066】
図11に示すように、左右の指かけ部2326b,2327bは、それぞれ、工具棚201(棚ユニット202)を前側から見たときには、左側及び右側把手部2326,2327が、フレームユニット10、詳しくは、第1の連結フレーム212と重複する程度に左右方向にそれぞれ延びている。これにより、左側及び右側把手部2326,2327とフレームユニット210の前側端部との間、詳しくは、左側及び右側把手部2326,2327と第1の連結フレーム211との間には、引出本体32を引き出し操作する際にユーザーが指を挿入する指入れ空間2328が形成される。
【0067】
より具体的には、
図11に示すように、工具棚201を前側から見たときには、左側及び右側把手部2326,2327の各指かけ部2326b,2326bは、第1の連結フレーム212の第1の傾斜部212b又は第1の平行部212aと重複している。前側の第1の連結フレーム212における、第1の平行部212a及び第1の傾斜部212bの位置は、後側に向かって凹んだような形状になっていて、これにより、指入れ空間2328が広くなっている。すなわち、各第1の連結フレーム211うち前側に位置する2つの第1のフレーム212は、指入れ空間2328を広げるべく後側に向かってそれぞれ凹んでいる。
【0068】
本実施形態2の構成でも、把手部2326,2327が引出本体232の前壁部2321の左側端部及び右側端部にそれぞれ設けられているため、ユーザーが工具棚201の左側又は右側に位置しているときであっても、該ユーザーは工具棚201の前側に立ち直すことなく、引出し230から引出本体232を引き出して、収納部231内の工具を取り出すことができる。また、各把手部2326,2327は前壁部2321よりも前側に突出しているため、ユーザーが工具棚201に対して前側寄りに位置しているときであっても、該ユーザーは把手部2326,2327の位置をすぐに見つけることができる。したがって、引出し230の操作性を向上させることができる。
【0069】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
【0070】
例えば、上述の実施形態では、フレームユニット10,210では、複数の金属製のフレームが、直方体のような形状をなすように配置されていたが、これに限らず、複数の金属製のフレームが、立方体のような形状をなすように配置されていてもよい。
【0071】
また、上述の実施形態2では、第1の連結フレーム212の第1の平行部に支持部242が設けられていたが、これに限らず、第1の連結フレーム212とは別に、支持部242を形成するための支持フレームが設けられていてもよい。
【0072】
上述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、工具を収納するための収納部を有する引出しを備えた工具棚として有用である。
【符号の説明】
【0074】
1,201 工具棚
10,201 フレームユニット
11,211 コーナーフレーム
12,212 第1の連結フレーム
13,213 第2の連結フレーム
30,230 引出し
31,231 収納部
32,232 引出本体
35,235 アンダーレール
321,2321 前壁部
326,2326 左側把手部
326a,2326a 前突部
326b,2326b 指かけ部
327,2327 右側把手部
327a,2327a 前突部
327b,2327b 指かけ部
328,2328 指入れ空間