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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-27
(45)【発行日】2022-08-04
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20220728BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20220728BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20220728BHJP
   G02F 1/1345 20060101ALI20220728BHJP
【FI】
G09F9/00 346D
G09F9/00 348Z
G09F9/30 336
G09F9/30 348Z
G02F1/1368
G02F1/1345
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018190080
(22)【出願日】2018-10-05
(65)【公開番号】P2020060620
(43)【公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-07-08
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】勝田 忠義
(72)【発明者】
【氏名】乃一 俊祐
(72)【発明者】
【氏名】寺西 康幸
(72)【発明者】
【氏名】内野 聡
(72)【発明者】
【氏名】倉澤 隼人
(72)【発明者】
【氏名】仲島 義晴
【審査官】中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-109927(JP,A)
【文献】特開2014-052546(JP,A)
【文献】特開2016-045371(JP,A)
【文献】特開2008-015507(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0063970(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0365650(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00 - 9/46
G02F 1/1345
G02F 1/1368
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素を有する表示領域と、
前記表示領域の外側の額縁領域に設けられ、前記画素を駆動するドライバICと、
それぞれ前記ドライバICに電気的に接続される第1電源配線及び第2電源配線と、
第1絶縁層を介して前記第1電源配線及び前記第2電源配線と対向配置され、前記第1電源配線と電気的に接続される第1電極と、
を備え
前記第1電極は、前記ドライバICに重なる領域に設けられている
表示装置。
【請求項2】
前記画素は、画素トランジスタを備え、
前記第1電源配線及び前記第2電源配線と同層に、前記画素トランジスタのドレイン電極及びソース電極が設けられている
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
複数の画素を有する表示領域と、
前記表示領域の外側の額縁領域に設けられ、前記画素を駆動するドライバICと、
それぞれ前記ドライバICに電気的に接続される第1電源配線及び第2電源配線と、
第1絶縁層を介して前記第1電源配線及び前記第2電源配線と対向配置され、前記第1電源配線と電気的に接続される第1電極と、
を備え
第2絶縁層を介して前記第1電極と対向配置され、前記第2電源配線と電気的に接続される第2電極をさらに備え、
前記第2電極は、前記ドライバICに重なる領域に設けられている
表示装置。
【請求項4】
前記画素は、画素トランジスタを備え、
前記第1電源配線及び前記第2電源配線と同層に、前記画素トランジスタのドレイン電極及びソース電極が設けられている
請求項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記画素は、画素トランジスタを備え、
前記第2電極と同層に、前記画素トランジスタのゲート電極が設けられている
請求項3に記載の表示装置。
【請求項6】
前記画素は、画素トランジスタを備え、
前記第1電源配線及び前記第2電源配線と同層に、前記画素トランジスタのドレイン電極及びソース電極が設けられ、前記第2電極と同層に、前記画素トランジスタのゲート電極が設けられている
請求項3に記載の表示装置。
【請求項7】
複数の画素を有する表示領域と、
前記表示領域の外側の額縁領域に設けられ、前記画素を駆動するドライバICと、
それぞれ前記ドライバICに電気的に接続される第1電源配線及び第2電源配線と、
第1絶縁層を介して前記第1電源配線及び前記第2電源配線と対向配置され、前記第1電源配線と電気的に接続される第1電極と、
を備え
第2絶縁層を介して前記第1電極と対向配置され、前記第2電源配線と電気的に接続される第2電極をさらに備え、
前記画素は、画素トランジスタと、該画素トランジスタの半導体に対向して設けられる遮光膜とを備え、
前記第1電極と同層に、前記画素トランジスタの半導体が設けられ、
前記第2電極と同層に、前記遮光膜が設けられている
表示装置。
【請求項8】
第3絶縁層を介して前記第1電源配線及び前記第2電源配線と対向配置され、前記第1電源配線と電気的に接続される第3電極をさらに備える
請求項1乃至請求項の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記画素は、画素電極と、該画素電極に対向して設けられる共通電極とを備え、
前記第3電極と同層に、前記共通電極に駆動信号を供給する配線が設けられている
請求項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第3電極は、前記ドライバICに重なる領域に設けられている
請求項又はに記載の表示装置。
【請求項11】
前記表示領域は、第1方向に延在する上下辺と、該第1方向に直交する第2方向に延在する左右辺とを備え、前記下辺に沿って前記ドライバICが設けられており、
該ドライバICに対して第2方向に離れた位置には、少なくとも前記第1電源配線及び前記第2電源配線を介して当該ドライバICに電気的に接続される端子部が設けられ、
前記ドライバICと前記端子部とが、前記第1方向にずれて配置されている
請求項1乃至請求項10の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項12】
前記ドライバICの重なる位置に、前記第1方向に並んで設けられると共に前記ドライバICに接続される複数の第1パッドが設けられ、前記端子部は、前記第1方向に並んで設けられる複数の第2パッドを備え、複数の前記第1パッドと複数の前記第2パッドとは、前記第1電源配線及び前記第2電源配線を含む配線を介して、互いに対応してそれぞれ接続されており、互いに対応する前記第1パッドと前記第2パッドとの前記第2方向の距離は、これら第1パッドと第2パッドとの前記第1方向のずれ量よりも小さい
請求項11に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ノート型のパーソナルコンピュータ等の機器では、2つの筐体を物理的に接続しつつ開閉可能とした構成が一般的である。このような構成の機器では、2つの筐体が物理的に接続される辺の両側に2軸ヒンジが設けられる場合がある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-215012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、上記したような構成において、一方の筐体に設けられた表示パネルと、他方の筐体に設けられる回路基板との間の各配線は、ヒンジ間に設けられるフレキシブル配線基板を介して接続される。このような構成では、フレキシブル配線基板を設けるための幅は、ヒンジの幅により制限される。一方で、上述したような機器では、表示領域の外周に位置する額縁領域を狭くする、いわゆる狭額縁化が望まれている。狭額縁化に伴い、フレキシブル配線基板から延びる表示パネル側の配線が細くなる可能性がある。特に、電源配線が細くなり抵抗値が増大すると、電流量の瞬時的な変動によって電源電圧が不安定となり、誤動作や表示画像不良を招く場合がある。
【0005】
本発明は、電源電圧の安定化を図ることができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る表示装置は、複数の画素を用いて画像を表示する表示領域と、前記表示領域の外側の額縁領域に設けられ、前記画素を駆動するドライバICと、それぞれ前記ドライバICに電源信号を供給する第1電源配線及び第2電源配線と、第1絶縁層を介して前記第1電源配線及び前記第2電源配線と対向配置され、前記第1電源配線と電気的に接続される第1電極と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態1に係る表示装置の概略構成を示す模式図である。
図2図2は、表示領域における画素配列の一例を示す図である。
図3図3は、表示装置の概略断面構造を表す断面図である。
図4図4は、画素の構成例を示す平面図である。
図5図5は、図4のA1-A2線に沿う断面図である。
図6A図6Aは、図1に示す領域Dの拡大図である。
図6B図6Bは、図1に示す領域Dの拡大図である。
図7図7は、実施形態1に係る電源配線部の一例を示す平面図である。
図8図8は、図7のC1-C2線に沿う断面図である。
図9図9は、図7に示す電源配線部の等価回路図である。
図10図10は、実施形態2に係る電源配線部の一例を示す平面図である。
図11図11は、図10のD1-D2線に沿う断面図である。
図12図12は、図10に示す電源配線部の等価回路図である。
図13図13は、実施形態3における図4のA1-A2線に沿う断面図である。
図14図14は、実施形態3における図7のC1-C2線に沿う断面図である。
図15図15は、実施形態4における図7のC1-C2線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。また、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る表示装置の概略構成を示す模式図である。図2は、表示領域における画素配列の一例を示す図である。
【0010】
本実施形態において、表示装置1は、例えばノート型のパーソナルコンピュータ7の表示部として用いられる。パーソナルコンピュータ7は、第1筐体7aと第2筐体7bとがヒンジ部7cにより開閉可能に設けられている。本実施形態に係る表示装置1は、第1筐体7aに組み込まれる。
【0011】
図1に示すように、本実施形態に係る表示装置1は、表示領域11aを有する表示パネル10と、該表示パネル10の一辺に取り付けられる複数のフレキシブル配線基板9aとを有している。図2に示すように、表示領域11aには、図中のDx方向(第1方向)及びDy方向(第2方向)に並ぶ複数の画素Pixが設けられている。また、表示領域11aは、Dx方向に延在する上下辺と、該Dx方向に直交するDy方向に延在する左右辺とを備えている。なお、図2では一部の画素Pixについて示しているが、画素Pixは表示領域11aの全域に亘って配置される。また、図3に示すように、表示パネル10は、アレイ基板2と、アレイ基板2の表面に垂直な方向に対向して配置された対向基板3と、アレイ基板2と対向基板3との間に設けられた液晶層6(図3参照)とを有する。
【0012】
なお、本実施形態では、表示素子として液晶表示素子を用いた構成を例示しているが、例えば有機発光ダイオード(OLED:Organic Light Emitting Diode)やマイクロ発光ダイオード(MicroLED:Light Emitting Diode)を表示素子として備えた構成であっても良い。表示素子の態様により本開示が限定されるものではない。
【0013】
図2に示すように、表示領域11aには、画素Pixに走査信号(ゲート信号)GATE(・・・,m,m+1,・・・,m+n,・・・)を供給するゲート線GCLや、画素Pixに画素信号SIG(1,2,・・・,P)を供給する信号線SGLが設けられている。本実施形態において、ゲート線GCLは、Dx方向に延伸して設けられている。また、本実施形態において、信号線SGLは、Dy方向に延伸して設けられている。
【0014】
画素Pixは、それぞれ画素電極22及び画素トランジスタTrを備えている。画素トランジスタTrは、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、例えば、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFTで構成される。画素トランジスタTrのソースは信号線SGLに接続され、ゲートはゲート線GCLに接続され、ドレインは画素電極22に接続されている。
【0015】
図1に示すように、表示領域11aの外側の額縁領域11bには、駆動回路部5Aが設けられている。該駆動回路部5Aは、アレイ基板2上に実装される複数個のドライバIC5を備えている。図1に示す例では、水平方向に分割された複数の領域にそれぞれ対応する複数個のドライバIC5を設けた例を示している。ドライバIC5は、信号線駆動回路等が集積されている半導体チップであり、例えば信号線SGLに供給する画素信号SIG等がドライバIC5内で生成される。複数個のドライバIC5は、Dx方向に沿って所定の間隔を空けて並び実装される。
【0016】
なお、図1に示す例では、4個のドライバIC5を設けた構成を例示したが、1個、又は、2個あるいは4個以上の複数個のドライバIC5を設けた構成であっても良い。ドライバIC5の数により本開示が限定されるものではない。
【0017】
また、例えば、アレイ基板2上には、走査信号(ゲート信号)GATEを生成するゲートドライバ(不図示)等が形成される。
【0018】
第2筐体7bには、回路基板4が組み込まれる。回路基板4は、例えば、プリント回路板(Printed Circuit Board:PCB)等のリジッド基板である。回路基板4には、例えば、各種の基準電位を発生する電源回路、映像信号を処理する信号処理回路及びフレームメモリ等の回路要素を配置することができる。
【0019】
アレイ基板2の端部には、ドライバIC5に対してDy方向に離れた位置に、回路基板4側の各配線と接続するための複数個の端子部8が設けられている。本実施形態において、ドライバIC5と端子部8とは、1対1で対応している。複数個の端子部8は、アレイ基板2上に、Dx方向に沿って所定の間隔を空けて設けられている。また、回路基板4の端部には、表示パネル10側の各配線と接続するためのコネクタ9が設けられている。アレイ基板2の端子部8と回路基板4のコネクタ9とは、フレキシブル配線基板(FPC:Flexible Printed Circuits)9aにより接続される。フレキシブル配線基板9aは、端子部8に例えばACFを介して表示パネル10に接着される。
【0020】
次に、実施形態1に係る表示装置1の概略構造について、図3から図5を参照して説明する。図3は、表示装置の概略断面構造を表す断面図である。図4は、画素の構成例を示す平面図である。図5は、図4のA1-A2線に沿う断面図である。
【0021】
図3に示すように、アレイ基板2は、ガラス又は透明樹脂からなる第1基板21と、複数の画素電極22と、共通電極COMLと、画素電極22と共通電極COMLとを絶縁する絶縁層24と、を含む。複数の画素電極22は、第1基板21の上方に例えば行列状(マトリクス状)に配設される。共通電極COMLは、第1基板21と画素電極22との間に設けられる。
【0022】
画素電極22及び共通電極COMLは、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)等の透光性を有する導電性材料で構成されている。第1基板21の下側には、接着層(不図示)を介して偏光板35Bが設けられている。
【0023】
対向基板3は、ガラス又は透明樹脂からなる第2基板31と、この第2基板31の一方の面に形成されたカラーフィルタ32及び遮光層(図示省略)とを含む。また第2基板の上側には、接着層(不図示)を介して偏光板35Aが設けられている。
【0024】
アレイ基板2と対向基板3とは、所定の間隔(セルギャップ)を設けて対向して配置される。第1基板21と第2基板31との間の空間に、表示機能層として液晶層6が設けられる。液晶層6は、電界の状態に応じてそこを通過する光を変調するものであり、例えば、FFS(フリンジフィールドスイッチング)を含むIPS(インプレーンスイッチング)等の横電界モードに適した液晶が用いられる。
【0025】
アレイ基板2は、各画素Pixの画素トランジスタTr、各画素電極22に画素信号SIGを供給する信号線SGL、各画素トランジスタTrを駆動するゲート信号GATEを供給するゲート線GCL等の配線を備えている。信号線SGL及びゲート線GCLは、第1基板21の表面と平行な平面に延在する。
【0026】
図4に示すように、ゲート線GCLと信号線SGLとで囲まれた領域が画素Pixである。画素電極22は、複数の帯状電極22aと、連結部22bとを有する。
【0027】
図4に示すように、画素トランジスタTrは、半導体61、ソース電極62、ドレイン電極63及びゲート電極64を含む。
【0028】
図5に示すように、第1基板21の上にゲート線層51が設けられている。ゲート線層51には、ゲート電極64(ゲート線GCL)が設けられている。絶縁層58a(第2絶縁層)は、ゲート電極64を覆って第1基板21の上に設けられている。絶縁層58aの上には半導体層52が設けられている。半導体層52には、半導体61が設けられている。半導体層52の上側に、絶縁層58c(第1絶縁層)を介して信号線層53が設けられている。信号線層53には、ドレイン電極63及びソース電極62(信号線SGL)が設けられる。ドレイン電極63及びソース電極62(信号線SGL)の上側に、絶縁層58d(第3絶縁層)を介して補助配線層54が設けられている。補助配線層54の上側に、絶縁層58eを介して共通電極層55が設けられる。共通電極層55には、共通電極COMLが設けられる。なお、絶縁層を介することなく補助配線層と共通電極層とが重なっている構成も採用可能である。共通電極層55の上側に、絶縁層24を介して画素電極22が設けられる。
【0029】
図4及び図5に示すように、画素電極22は、コンタクトホールH11を介して画素トランジスタTrのドレイン電極63と接続されている。ドレイン電極63は、コンタクトホールH12を介して半導体61に接続される。半導体61は、平面視でゲート電極64と交差する。ゲート電極64はゲート線GCLに接続され、ゲート線GCLの一辺から突出して設けられている。半導体61は、ソース電極62と重畳する位置まで延びて、コンタクトホールH13を介してソース電極62と電気的に接続される。ソース電極62は、信号線SGLに接続され、信号線SGLの一辺から突出している。
【0030】
半導体61の材料としては、ポリシリコンや酸化物半導体などの公知の材料を用いることができる。例えばTAOS(Transparent Amorphous Oxide Semiconductor、透明アモルファス酸化物半導体)を用いることで、映像表示用の電圧を長時間保持する能力(保持率)が良く、表示品位を向上させることができる。
【0031】
ゲート電極64(ゲート線GCL)は、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)又はこれらの合金で構成される。ドレイン電極63及びソース電極62(信号線SGL)は、例えば、チタンとアルミニウムとの合金である、チタンアルミニウム(TiAl)で構成される。
【0032】
絶縁層24,58a,58c,58d,58eの材料としては、公知の絶縁材料を用いることができる。例えば、絶縁層58bの材料としては、TEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)を用いることができる。また、例えば、絶縁層58cの材料としては、シリコン酸化膜(SiO)を用いることができる。
【0033】
補助配線層54の材料としては、ゲート電極64(ゲート線GCL)と同様に、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)又はこれらの合金で構成される。
【0034】
図1に示すように、本実施形態においては、第1筐体7aと第2筐体7bとがヒンジ部7cにより開閉可能な構成である。このため、フレキシブル配線基板9aを設けるための幅(図中に示すDx方向の幅)がヒンジ部7cによって制限される。このような構成では、端子部8がそれぞれ対応するドライバIC5に対し、Dx方向にずれて配置される場合がある。図1では、両端に設けられた2つの端子部8が、それぞれ対応するドライバIC5に対し、Dx方向にずれて配置された例を示している。これに対し、中央付近に設けられた2つの端子部8は、それぞれ対応するドライバIC5に対し、Dx方向の位置が一致している。また、詳細な説明は後述するが、本実施形態において、各ドライバIC5には、コネクタ9、フレキシブル配線基板9a及び端子部8を介して回路基板4からロジック回路用の正電源VDDと負電源VSS、及び、アナログ回路用の正電源AVDDと負電源AVSSとが供給される。以下、図6A及び図6Bを参照して、各電源の供給経路について説明する。
【0035】
図6A及び図6Bは、図1に示す領域Bの拡大図である。図6A及び図6Bでは、ドライバIC5が実装される複数の第1パッド40bと、端子部8を構成する複数の第2パッド40aとが、それぞれDx方向に並び、Dy方向に距離dだけ離れて配置された例を示している。複数の第1パッド40bは、ドライバIC5の重なる位置に設けられ、それぞれドライバIC5に接続されている。
【0036】
また、図6A及び図6Bに示す例において、電源配線41は、ロジック回路用の正電源VDDを供給する。電源配線42は、ロジック回路用の負電源VSSを供給する。電源配線43は、アナログ回路用の正電源AVDDを供給する。電源配線44は、アナログ回路用の負電源AVSSを供給する。各電源配線41,42,43,44は、ドライバIC5に重なる領域に設けられている。また、図6A及び図6Bに示す例では、第2パッド40aと第1パッド40bとの間の各配線を「配線40」としている。本実施形態において、ドライバIC5は、ドライバIC5の両端部にそれぞれ2系統の入力を有している。各電源配線41,42,43,44は、それぞれ、2系統の入力間を接続する。各電源配線41,42,43,44は、2系統の入力の一方を介して、配線40に接続される。第2パッド40aと第1パッド40bとは、配線40を介して、互いに対応してそれぞれ接続されている。なお、図6Aに示す例と、図6Bに示す例とでは、第2パッド40aと第1パッド40bとのDy方向の距離dが異なっている。
【0037】
図1に示すように、端子部8とドライバIC5とがDx方向にずれて配置されている場合、図6A及び図6Bに示すように、第2パッド40aと第1パッド40bとの間の各配線40の幅が細くなる。特に、図6Bに示すように、第2パッド40aと第1パッド40bとのDy方向の距離dが小さくなると、図6Aに示す例よりも各配線40の幅がより細くなり配線抵抗が増大する。特に、各電源配線41,42,43,44に接続される各配線40の配線抵抗が増大すると、ドライバIC5の負荷電流の瞬時的な増加によって電源電圧が低下し、ドライバIC5の誤動作や表示画像不良の要因となる場合がある。
【0038】
図6Aに示すように、第2パッド40aと第1パッド40bとのDy方向の距離dを大きくすると、配線抵抗を小さくすることができドライバIC5の誤動作や表示画像不良を抑制することができる。しかしながら、この場合には、Dy方向の図中下側の額縁領域11bの狭額縁化が困難となる。具体的に、互いに対応する第2パッド40aと第1パッド40bとのDy方向の距離dは、これら第2パッド40aと第1パッド40bとのDx方向のずれ量よりも小さくすることで表示パネル10の下辺部の狭額縁化が図られる。
【0039】
図7は、実施形態1に係る電源配線部の一例を示す平面図である。図8は、図7のC1-C2線に沿う断面図である。図9は、図7に示す電源配線部の等価回路図である。
【0040】
まず、ロジック回路用の正電源VDD及び負電源VSSの関係について説明する。
【0041】
図8に示すように、ロジック回路用の正電源VDDをドライバIC5に供給する電源配線41(第1電源配線)、及び、ロジック回路用の負電源VSSをドライバIC5に供給する電源配線42(第2電源配線)は、信号線層53に設けられている。
【0042】
また、図8に示すように、半導体層52には、絶縁層58c(第1絶縁層)を介して電源配線41(第1電源配線)及び電源配線42(第2電源配線)と対向配置される第1電極41aが設けられ、ゲート線層51には、絶縁層58a(第2絶縁層)を介して第1電極41aと対向配置される第2電極42aが設けられている。第1電極41a及び第2電極42aは、ドライバIC5に重なる領域に設けられている。
【0043】
図7及び図8に示すように、第1電極41aは、コンタクトホールH21を介して、電源配線41(第1電源配線)に接続されている。これにより、図9に示すように、電源配線42(第2電源配線)と第1電極41aとが重なる領域に、静電容量C21が設けられる。
【0044】
また、図7及び図8に示すように、第2電極42aは、コンタクトホールH22を介して、電源配線42(第2電源配線)に接続されている。これにより、図9に示すように、第1電極41aと第2電極42aとが重なる領域に、静電容量C12が設けられる。
【0045】
上記構成により、ロジック回路用の正電源VDDと負電源VSSとの間には、静電容量C21と静電容量C12との合成静電容量が設けられる。これにより、ロジック回路用の正電源VDDと負電源VSSとの間で電荷供給を相互に補填することができる。
【0046】
なお、ゲート線層51に第2電極42aを構成しない態様であっても良い。この場合には、電源配線42(第2電源配線)と第1電極41aとが重なる領域に設けられた静電容量C21により、ロジック回路用の正電源VDDと負電源VSSとの間で電荷供給を相互に補填することができる。また、ロジック回路用の正電源VDDと負電源VSSとの構造上の位置関係は、図7,8,9に示す態様に限らず、ロジック回路用の正電源VDDと負電源VSSとの構造上の位置関係が逆であってもよい。
【0047】
これにより、ロジック回路用の正電源VDD及び負電源VSSの電圧変動を抑制することができる。
【0048】
次に、アナログ回路用の正電源AVDD及び負電源AVSSの関係について説明する。
【0049】
図8に示すように、アナログ回路用の正電源AVDDをドライバIC5に供給する電源配線43(第1電源配線)、及び、アナログ回路用の負電源AVSSをドライバIC5に供給する電源配線44(第2電源配線)は、信号線層53に設けられている。
【0050】
また、図8に示すように、半導体層52には、絶縁層58c(第1絶縁層)を介して電源配線43(第1電源配線)及び電源配線44(第2電源配線)と対向配置される第1電極43aが設けられ、ゲート線層51には、絶縁層58a(第2絶縁層)を介して第1電極43aと対向配置される第2電極44aが設けられている。第1電極43a及び第2電極44aは、ドライバIC5に重なる領域に設けられている。
【0051】
図7及び図8に示すように、第1電極43aは、コンタクトホールH23を介して、電源配線43(第1電源配線)に接続されている。これにより、図9に示すように、電源配線44(第2電源配線)と第1電極43aとが重なる領域に、静電容量C43が設けられる。
【0052】
また、図7及び図8に示すように、第2電極44aは、コンタクトホールH24を介して、電源配線44(第2電源配線)に接続されている。これにより、図9に示すように、第1電極43aと第2電極44aとが重なる領域に、静電容量C34が設けられる。
【0053】
上記構成により、アナログ回路用の正電源AVDDと負電源AVSSとの間には、静電容量C43と静電容量C34との合成静電容量が設けられる。これにより、アナログ回路用の正電源AVDDと負電源AVSSとの間で電荷供給を相互に補填することができる。
【0054】
なお、ゲート線層51に第2電極44aを構成しない態様であっても良い。この場合には、電源配線44(第2電源配線)と第1電極43aとが重なる領域に設けられた静電容量C43により、アナログ回路用の正電源AVDDと負電源AVSSとの間で電荷供給を相互に補填することができる。また、アナログ回路用の正電源AVDDと負電源AVSSとの構造上の位置関係は、図7,8,9に示す態様に限らず、アナログ回路用の正電源AVDDと負電源AVSSとの構造上の位置関係が逆であってもよい。
【0055】
これにより、アナログ回路用の正電源AVDD及び負電源AVSSの電圧変動を抑制することができる。
【0056】
以上説明したように、実施形態1に係る表示装置1は、複数の画素Pixを用いて画像を表示する表示領域11aと、表示領域11aの外側の額縁領域11bに設けられ、画素Pixを駆動するドライバIC5と、それぞれドライバIC5に電源信号を供給する第1電源配線(電源配線41,43)及び第2電源配線(電源配線42,44)と、第1絶縁層(絶縁層58c)を介して第1電源配線(電源配線41,43)及び第2電源配線(電源配線42,44)と対向配置され、第1電源配線(電源配線41,43)と電気的に接続される第1電極41a,43aと、を備える。
【0057】
上記構成により、第2電源配線(電源配線42,44)と第1電極41a,43aとが重なる領域に設けられた静電容量C21,C43により、第1電源配線(電源配線41,43)に供給される電源(ロジック回路用の正電源VDD、アナログ回路用の正電源AVDD)と第2電源配線(電源配線42,44)に供給される電源(ロジック回路用の負電源VSS、アナログ回路用の負電源AVSS)との間で電荷供給を相互に補填することができる。これにより、ドライバIC5内で瞬時的に大きな電圧負荷がかかる場合でも、電源電圧の変動を抑制することができる。また、表示領域11aの下側の額縁領域11bの幅を狭くすることができ、表示装置1の狭額縁化に寄与することができる。
【0058】
また、第2絶縁層(絶縁層58a)を介して第1電極41a,43aと対向配置され、第2電源配線(電源配線42,44)と接続される第2電極42a,44aをさらに備えることで、第2電源配線(電源配線42,44)と第1電極41a,43aとが重なる領域に設けられた静電容量C21,C43、及び、第1電極41a,43aと第2電極42a,44aとが重なる領域に設けられた静電容量C12,C34の合成静電容量により、第1電源配線(電源配線41,43)に供給される電源(ロジック回路用の正電源VDD、アナログ回路用の正電源AVDD)と第2電源配線(電源配線42,44)に供給される電源(ロジック回路用の負電源VSS、アナログ回路用の負電源AVSS)との間で電荷供給を相互に補填することができる。これにより、電源電圧の変動をさらに抑制することができる。
【0059】
本実施形態により、電源電圧の安定化を図ることができる表示装置を得ることができる。
【0060】
(実施形態2)
図10は、実施形態2に係る電源配線部の一例を示す平面図である。図11は、図10のD1-D2線に沿う断面図である。図12は、図10に示す電源配線部の等価回路図である。なお、上述した実施形態1と同等あるいは同一の構成部については、重複する説明を省略する。
【0061】
まず、ロジック回路用の正電源VDD及び負電源VSSの関係について説明する。
【0062】
図11に示すように、本実施形態では、補助配線層54に絶縁層58d(第3絶縁層)を介して電源配線41(第1電源配線)及び電源配線42(第2電源配線)と対向配置される第3電極41bを設け、コンタクトホールH31を介して、電源配線41(第1電源配線)に接続されている点で、実施形態1とは異なっている。第3電極41bは、ドライバIC5に重なる領域に設けられている。これにより、図12に示すように、第3電極41bと電源配線42(第2電源配線)とが重なる領域に、静電容量C12aが設けられる。
【0063】
上記構成により、ロジック回路用の正電源VDDと負電源VSSとの間には、静電容量C21、静電容量C12、及び静電容量12aの合成静電容量が設けられる。これにより、ロジック回路用の正電源VDDと負電源VSSとの間で電荷供給を相互に補填することができる。なお、ロジック回路用の正電源VDDと負電源VSSとの構造上の位置関係は、図10,11,12に示す態様に限らず、ロジック回路用の正電源VDDと負電源VSSとの構造上の位置関係が逆であってもよい。
【0064】
これにより、ロジック回路用の正電源VDD及び負電源VSSの電圧変動を実施形態1よりも抑制することができる。
【0065】
次に、アナログ回路用の正電源AVDD及び負電源AVSSの関係について説明する。
【0066】
図11に示すように、本実施形態では、補助配線層54に絶縁層58d(第3絶縁層)を介して電源配線43(第1電源配線)及び電源配線44(第2電源配線)と対向配置される第3電極43bを設け、コンタクトホールH33を介して、電源配線43(第1電源配線)に接続されている点で、実施形態1とは異なっている。第3電極43bは、ドライバIC5に重なる領域に設けられている。これにより、図12に示すように、第3電極43bと電源配線44(第2電源配線)とが重なる領域に、静電容量C34aが設けられる。
【0067】
上記構成により、アナログ回路用の正電源AVDDと負電源AVSSとの間には、静電容量C43、静電容量C34、及び静電容量34aの合成静電容量が設けられる。これにより、アナログ回路用の正電源AVDDと負電源AVSSとの間で電荷供給を相互に補填することができる。なお、アナログ回路用の正電源AVDDと負電源AVSSとの構造上の位置関係は、図10,11,12に示す態様に限らず、アナログ回路用の正電源AVDDと負電源AVSSとの構造上の位置関係が逆であってもよい。
【0068】
これにより、アナログ回路用の正電源AVDD及び負電源AVSSの電圧変動を実施形態1よりも抑制することができる。
【0069】
以上説明したように、実施形態2では、第3絶縁層(絶縁層58d)を介して第1電源配線(電源配線41,43)及び第2電源配線(電源配線42,44)と対向配置され、第1電源配線(電源配線41,43)と接続される第3電極41b,43bをさらに備えることで、第2電源配線(電源配線42,44)と第1電極41a,43aとが重なる領域に設けられた静電容量C21,C43、第1電極41a,43aと第2電極42a,44aとが重なる領域に設けられた静電容量C12,C34、及び、第3電極41b,43bと第2電源配線(電源配線42,44)とが重なる領域に設けられた静電容量C12a,C34aの合成静電容量により、第1電源配線(電源配線41,43)に供給される電源(ロジック回路用の正電源VDD、アナログ回路用の正電源AVDD)と第2電源配線(電源配線42,44)に供給される電源(ロジック回路用の負電源VSS、アナログ回路用の負電源AVSS)との間で電荷供給を相互に補填することができる。これにより、実施形態1よりも電源電圧の変動を抑制することができる。
【0070】
本実施形態により、電源電圧の安定化を図ることができる表示装置を得ることができる。
【0071】
(実施形態3)
図13は、実施形態3における図4のA1-A2線に沿う断面図である。図14は、実施形態3における図7のC1-C2線に沿う断面図である。なお、実施形態3に係る画素の構成例を示す平面図(実施形態1の図4に相当)、実施形態3に係る電源配線部の一例を示す平面図(実施形態1の図7に相当)、及び、実施形態3に係る電源配線部の等価回路図(実施形態1の図9に相当)については、実施形態1と同様であるので、ここでは説明を省略する。また、上述した実施形態1と同等あるいは同一の構成部については、重複する説明を省略する。
【0072】
本実施形態では、図13に示すように、遮光層56が第1基板21の上に設けられている。遮光層56には、遮光膜65が設けられている。絶縁層58aは、遮光層56の上に設けられている。絶縁層58aの上には半導体層52が設けられている。半導体層52には、半導体61が設けられている。半導体層52の上側に、絶縁層58bを介してゲート線層57が設けられているゲート線層57には、ゲート電極64(ゲート線GCL)が設けられている。絶縁層58c(第1絶縁層)を介して信号線層53が設けられている。信号線層53には、ドレイン電極63及びソース電極62(信号線SGL)が設けられる。ドレイン電極63及びソース電極62(信号線SGL)の上側に、絶縁層58d(第3絶縁層)を介して補助配線層54が設けられている。補助配線層54の上側に、絶縁層58eを介して共通電極層55が設けられる。共通電極層55には、共通電極COMLが設けられる。なお、絶縁層を介することなく補助配線層と共通電極層とが重なっている構成も採用可能である。共通電極層55の上側に、絶縁層24を介して画素電極22が設けられる。
【0073】
絶縁層58bの材料としては、公知の絶縁材料を用いることができる。例えば、絶縁層58bの材料としては、TEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)を用いることができる。
【0074】
本実施形態において、遮光層56には、半導体61に重畳する遮光膜65が設けられている。遮光膜65は、半導体61よりも大きい面積を有していることが好ましい。この遮光膜65により、バックライトから半導体61に入射する光が遮光される。
【0075】
図14に示すように、本実施形態では、遮光層56に第2電極42a及び第2電極44aが設けられている。このような構成であっても、実施形態1と同様に、電源配線42(第2電源配線)と第1電極41aとが重なる領域に、静電容量C21が設けられ、第1電極41aと第2電極42aとが重なる領域に、静電容量C12が設けられる。
【0076】
上記構成により、ロジック回路用の正電源VDDと負電源VSSとの間には、静電容量C21と静電容量C12との合成静電容量が設けられる。これにより、ロジック回路用の正電源VDDと負電源VSSとの間で電荷供給を相互に補填することができる。
【0077】
なお、遮光層56に第2電極42aを構成しない態様であっても良い。この場合には、電源配線42(第2電源配線)と第1電極41aとが重なる領域に設けられた静電容量C21により、ロジック回路用の正電源VDDと負電源VSSとの間で電荷供給を相互に補填することができる。また、ロジック回路用の正電源VDDと負電源VSSとの構造上の位置関係は、図14に示す態様に限らず、ロジック回路用の正電源VDDと負電源VSSとの構造上の位置関係が逆であってもよい。
【0078】
これにより、ロジック回路用の正電源VDD及び負電源VSSの電圧変動を抑制することができる。
【0079】
また、実施形態1と同様に、電源配線44(第2電源配線)と第1電極43aとが重なる領域に、静電容量C43が設けられ、第1電極43aと第2電極44aとが重なる領域に、静電容量C34が設けられる。
【0080】
上記構成により、アナログ回路用の正電源AVDDと負電源AVSSとの間には、静電容量C43と静電容量C34との合成静電容量が設けられる。これにより、アナログ回路用の正電源AVDDと負電源AVSSとの間で電荷供給を相互に補填することができる。
【0081】
なお、遮光層56に第2電極44aを構成しない態様であっても良い。この場合には、電源配線44(第2電源配線)と第1電極43aとが重なる領域に設けられた静電容量C43により、アナログ回路用の正電源AVDDと負電源AVSSとの間で電荷供給を相互に補填することができる。また、アナログ回路用の正電源AVDDと負電源AVSSとの構造上の位置関係は、図14に示す態様に限らず、アナログ回路用の正電源AVDDと負電源AVSSとの構造上の位置関係が逆であってもよい。
【0082】
これにより、アナログ回路用の正電源AVDD及び負電源AVSSの電圧変動を抑制することができる。
【0083】
(実施形態4)
図15は、実施形態4における図7のC1-C2線に沿う断面図である。なお、実施形態4における図4のA1-A2線に沿う断面図(実施形態3の図13に相当)、実施形態4に係る画素の構成例を示す平面図(実施形態1の図4に相当)、実施形態4に係る電源配線部の一例を示す平面図(実施形態2の図10に相当)、及び、実施形態4に係る電源配線部の等価回路図(実施形態2の図12に相当)については、上述した各実施形態と同様であるので、ここでは説明を省略する。また、上述した各実施形態と同等あるいは同一の構成部については、重複する説明を省略する。
【0084】
図15に示すように、本実施形態では、実施形態3と同様に、遮光層56に第2電極42a及び第2電極44aが設けられている。このような構成であっても、実施形態2と同様に、第3電極41bと電源配線42(第2電源配線)とが重なる領域に、静電容量C12aが設けられる。
【0085】
上記構成により、ロジック回路用の正電源VDDと負電源VSSとの間には、静電容量C21、静電容量C12、及び静電容量12aの合成静電容量が設けられる。これにより、ロジック回路用の正電源VDDと負電源VSSとの間で電荷供給を相互に補填することができる。なお、ロジック回路用の正電源VDDと負電源VSSとの構造上の位置関係は、図15に示す態様に限らず、ロジック回路用の正電源VDDと負電源VSSとの構造上の位置関係が逆であってもよい。
【0086】
これにより、ロジック回路用の正電源VDD及び負電源VSSの電圧変動を実施形態1よりも抑制することができる。
【0087】
また、実施形態2と同様に、第3電極43bと電源配線44(第2電源配線)とが重なる領域に、静電容量C34aが設けられる。
【0088】
上記構成により、アナログ回路用の正電源AVDDと負電源AVSSとの間には、静電容量C43、静電容量C34、及び静電容量34aの合成静電容量が設けられる。これにより、アナログ回路用の正電源AVDDと負電源AVSSとの間で電荷供給を相互に補填することができる。なお、アナログ回路用の正電源AVDDと負電源AVSSとの構造上の位置関係は、図15に示す態様に限らず、アナログ回路用の正電源AVDDと負電源AVSSとの構造上の位置関係が逆であってもよい。
【0089】
これにより、アナログ回路用の正電源AVDD及び負電源AVSSの電圧変動を実施形態1よりも抑制することができる。
【0090】
なお、上述した実施形態では、コンタクトホールH21,H22,H23,H24,H31,H33をそれぞれ複数個設けた例を示したが、これらコンタクトホールH21,H22,H23,H24,H31,H33はそれぞれ1個でも良いし、実施形態の各図に示した個数とは異なる複数個設けた構成であっても良い。
【0091】
また、上述した実施形態では、信号線層53に第1電源配線(電源配線41,43)及び第2電源配線(電源配線42,44)を設け、半導体層52に第1電極41a,43aを設け、ゲート線層51に第2電極42a,44aを設け、補助配線層54に第3電極41b,43bを設ける例を示したが、これに限るものではない。さらには、図5に示す各層とは異なる層に、第1電源配線(電源配線41,43)、第2電源配線(電源配線42,44)、第1電極41a,43a、第2電極42a,44a、又は第3電極41b,43bを設ける態様であっても良い。
【0092】
また、上述した実施形態では、ロジック回路用の正電源VDDと負電源VSSとの間、及び、アナログ回路用の正電源AVDDと負電源AVSSとの間でそれぞれ静電容量を設けた例を示したが、例えば、ロジック回路用の正電源VDDとアナログ回路用の正電源AVDDとの間に静電容量を設けた態様であっても良いし、ロジック回路用の負電源VSSとアナログ回路用の負電源AVSSとの間に静電容量を設けた態様であっても良い。さらには、ロジック回路用の正電源VDDとアナログ回路用の負電源AVSSとの間に静電容量を設けた態様であっても良いし、ロジック回路用の負電源VSSとアナログ回路用の正電源AVDDとの間に静電容量を設けた態様であっても良い。また、各電源と基準電位との間に静電容量を設けた態様であっても良い。電源配線とは異なる層に電極を設け、電源配線と電極とが重なる領域又は各電極が重なる領域に静電容量を設ける態様とすることで、実施形態の効果を得ることができる。
【0093】
以上、本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明はこのような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本発明の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0094】
1 表示装置
2 アレイ基板
3 対向基板
4 回路基板
5 ドライバIC
5A 駆動回路部
6 液晶層
8 端子部
9 コネクタ
9a フレキシブル配線基板
10 表示パネル
11a 表示領域
11b 額縁領域
21 第1基板
22 画素電極
24 絶縁層
31 第2基板
32 カラーフィルタ
40 配線
40a 第2パッド
40b 第1パッド
41 電源配線(第1電源配線)
41a 第1電極
41b 第3電極
42 電源配線(第2電源配線)
42a 第2電極
43 電源配線(第1電源配線)
43a 第1電極
43b 第3電極
44 電源配線(第2電源配線)
44a 第2電極
51,57 ゲート線層
52 半導体層
53 信号線層
54 補助配線層
56 遮光層
58a 絶縁層(第2絶縁層)
58b 絶縁層
58c 絶縁層(第1絶縁層)
58d 絶縁層(第3絶縁層)
58e 絶縁層
61 半導体
62 ソース電極
63 ドレイン電極
64 ゲート電極
65 遮光膜
C12,C12a,C21,C34,C34a,C43 静電容量
GCL ゲート線
Pix 画素
SGL 信号線
Tr 画素トランジスタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15