(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】リレー
(51)【国際特許分類】
H01H 50/54 20060101AFI20220802BHJP
H01H 50/02 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
H01H50/54 B
H01H50/02 B
(21)【出願番号】P 2018154579
(22)【出願日】2018-08-21
【審査請求日】2021-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】森 真吾
(72)【発明者】
【氏名】箕輪 亮太
(72)【発明者】
【氏名】林田 靖雄
(72)【発明者】
【氏名】川口 直樹
(72)【発明者】
【氏名】大塚 航平
(72)【発明者】
【氏名】岩坂 博之
【審査官】関 信之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/060090(WO,A1)
【文献】特開2008-282719(JP,A)
【文献】特開2007-214034(JP,A)
【文献】国際公開第2013/051263(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 50/54
H01H 50/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に互いに離れて配置された第1可動接点と第2可動接点とを含む可動接触片と
前記第1可動接点に対向して配置された第1固定接点を含む第1固定端子と、
前記第2可動接点に対向して配置された第2固定接点を含む第2固定端子と、
前記第1可動接点及び前記第2可動接点が前記第1固定接点及び前記第2固定接点に対して接触する方向及び開離する方向に前記可動接触片を移動させる駆動装置と、
前記長手方向において前記第1固定接点及び前記第2固定接点の内側に配置された壁部と、
を備え、
前記壁部の少なくとも一部は、前記可動接触片の移動方向において前記第1固定接点及び前記第2固定接点を前記可動接触片側に越えた位置に配置されており、
前記可動接触片は、前記第1可動接点及び前記第2可動接点が前記第1固定接点及び前記第2固定接点に接触している状態で前記壁部を避けた形状を
有し、
前記壁部は、アークの熱により消弧ガスを発生させる消弧材で形成されている、
リレー。
【請求項2】
前記可動接触片は、前記壁部から離れる方向に湾曲した曲げ部を含む、
請求項
1に記載のリレー。
【請求項3】
長手方向に互いに離れて配置された第1可動接点と第2可動接点とを含む可動接触片と
前記第1可動接点に対向して配置された第1固定接点を含む第1固定端子と、
前記第2可動接点に対向して配置された第2固定接点を含む第2固定端子と、
前記第1可動接点及び前記第2可動接点が前記第1固定接点及び前記第2固定接点に対して接触する方向及び開離する方向に前記可動接触片を移動させる駆動装置と、
前記長手方向において前記第1固定接点及び前記第2固定接点の内側に配置された壁部と、
を備え、
前記壁部の少なくとも一部は、前記可動接触片の移動方向において前記第1固定接点及び前記第2固定接点を前記可動接触片側に越えた位置に配置されており、
前記可動接触片は、前記第1可動接点及び前記第2可動接点が前記第1固定接点及び前記第2固定接点に接触している状態で前記壁部を避けた形状を有し、
前記可動接触片は、前記壁部から離れる方向に湾曲した曲げ部を含み、
前記曲げ部は、前記壁部に対向して配置される、
リレー。
【請求項4】
前記壁部は、アークの熱により消弧ガスを発生させる消弧材で形成されている、
請求項
3に記載のリレー。
【請求項5】
前記可動接触片は、前記壁部から離れる方向に凹んだ形状を有する、
請求項1
から3のいずれか1項に記載のリレー。
【請求項6】
長手方向に互いに離れて配置された第1可動接点と第2可動接点とを含む可動接触片と
前記第1可動接点に対向して配置された第1固定接点を含む第1固定端子と、
前記第2可動接点に対向して配置された第2固定接点を含む第2固定端子と、
前記第1可動接点及び前記第2可動接点が前記第1固定接点及び前記第2固定接点に対して接触する方向及び開離する方向に前記可動接触片を移動させる駆動装置と、
前記長手方向において前記第1固定接点及び前記第2固定接点の内側に配置された壁部と、
を備え、
前記壁部の少なくとも一部は、前記可動接触片の移動方向において前記第1固定接点及び前記第2固定接点を前記可動接触片側に越えた位置に配置されており、
前記可動接触片は、前記第1可動接点及び前記第2可動接点が前記第1固定接点及び前記第2固定接点に接触している状態で前記壁部を避けた形状を有し、
前記可動接触片は、前記壁部に対向して配置された孔を含む、
リレー。
【請求項7】
長手方向に互いに離れて配置された第1可動接点と第2可動接点とを含む可動接触片と
前記第1可動接点に対向して配置された第1固定接点を含む第1固定端子と、
前記第2可動接点に対向して配置された第2固定接点を含む第2固定端子と、
前記第1可動接点及び前記第2可動接点が前記第1固定接点及び前記第2固定接点に対して接触する方向及び開離する方向に前記可動接触片を移動させる駆動装置と、
前記長手方向において前記第1固定接点及び前記第2固定接点の内側に配置された壁部と、
を備え、
前記壁部の少なくとも一部は、前記可動接触片の移動方向において前記第1固定接点及び前記第2固定接点を前記可動接触片側に越えた位置に配置されており、
前記可動接触片は、前記第1可動接点及び前記第2可動接点が前記第1固定接点及び前記第2固定接点に接触している状態で前記壁部を避けた形状を有し、
前記可動接触片は、前記壁部に対向して配置された凹部を含
み、
前記凹部は、前記可動接触片において、前記第1可動接点及び前記第2可動接点が配置される面と同じ面に形成されている、
リレー。
【請求項8】
前記可動接触片は、
前記第1可動接点を支持する第1接点支持部と、
前記第2可動接点を支持する第2接点支持部と、
を含み、
前記可動接触片の長手方向において、前記第1接点支持部の内端部と前記第2接点支持部の内端部とは互いに離れて配置され、
前記壁部は、前記第1接点支持部の内端部と前記第2接点支持部の内端部との間の空間に対向して配置される、
請求項1に記載のリレー。
【請求項9】
前記第1可動接点及び前記第2可動接点が前記第1固定接点及び前記第2固定接点に接触している状態で、前記可動接触片の長手方向から見て、前記壁部は前記第1可動接点及び前記第1固定接点と重なる、
請求項1から8のいずれかに記載のリレー。
【請求項10】
前記第1固定端子は、
前記第1固定接点を支持しており、前記長手方向において前記第1固定接点から外側へ延びる接点支持部と、
前記接点支持部から前記可動接触片の移動方向と平行な方向に延びる中間部と、
を含む、
請求項1から9のいずれかに記載のリレー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリレーに関する。
【背景技術】
【0002】
リレーには、接点に発生するアークを消弧するための構造を備えるものがある。例えば,特許文献1では、固定接点部の内側に壁部が配置されている。固定接点部は、固定接点接触部と、固定接点接触部が固定された固定接点台座部とを含む。壁部の高さは、固定接点台座部よりも高く、固定接点接触部の高さよりも低い。
【0003】
特許文献1では、上記の壁部によって、アーク電流の沿面距離が大きくなる。それにより、アーク電流が短絡し難くなる。また、壁部が上記のような高さであることで、可動接点部の動作を阻害することが防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、可動接点部との干渉を避けるため、壁部を高くすることができない。そのため、壁部によるアークの遮断性能を向上させることは困難である。
【0006】
本発明の課題は、リレーにおいて、可動接触片の動作を阻害することを回避しながら、アークの遮断性能を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様に係るリレーは、可動接触片と、第1固定端子と、第2固定端子と、駆動装置と、壁部とを含む。可動接触片は、可動接触片の長手方向に互いに離れて配置された第1可動接点と第2可動接点とを含む。第1固定端子は、第1可動接点に対向して配置された第1固定接点を含む。第2固定端子は、第2可動接点に対向して配置された第2固定接点を含む。駆動装置は、第1可動接点及び第2可動接点が第1固定接点及び第2固定接点に対して接触する方向及び開離する方向に可動接触片を移動させる。壁部は、長手方向において第1固定接点及び第2固定接点の内側に配置される。壁部の少なくとも一部は、可動接触片の移動方向において、第1固定接点及び第2固定接点を可動接触片側に越えた位置に配置されている。可動接触片は、第1可動接点及び第2可動接点が第1固定接点及び第2固定接点に接触している状態で壁部を避けた形状を有する。
【0008】
本態様に係るリレーでは、壁部の少なくとも一部は、可動接触片の移動方向において、第1固定接点及び第2固定接点を可動接触片側に越えた位置に配置されている。そのため、アークが第1固定接点及び第2固定接点の内側へ向かって引き伸ばされた場合に、壁部に当たり易い。それにより、迅速にアークを消弧することができる。また、可動接触片は、第1可動接点及び第2可動接点が第1固定接点及び第2固定接点に接触している状態で壁部を避けた形状を有する。そのため、上記のように壁部が配置されても、可動接触片と壁部との干渉を回避することができる。
【0009】
壁部は、アークの熱により消弧ガスを発生させる消弧材で形成されてもよい。この場合、壁部から消弧ガスを発生させることで、より迅速にアークを消弧することができる。
【0010】
可動接触片は、壁部から離れる方向に凹んだ形状を有してもよい。この場合、可動接触片の凹んだ形状により、壁部との干渉を回避することができる。
【0011】
可動接触片は、壁部から離れる方向に湾曲した曲げ部を含んでもよい。この場合、可動接触片の曲げ部の形状により、壁部との干渉を回避することができる。また、アークの起点を曲げ部に限定することができる。
【0012】
曲げ部は、壁部に対向して配置されてもよい。この場合、曲げ部から引き伸ばされたアークが壁部に当たり易くなる。それにより、より迅速にアークを消弧することができる。
【0013】
可動接触片は、壁部に対向して配置された孔を含んでもよい。この場合、第1可動接点及び第2可動接点が第1固定接点及び第2固定接点に接触している状態で、壁部が孔内に配置されることで、壁部との干渉を回避することができる。
【0014】
可動接触片は、壁部に対向して配置された凹部を含んでもよい。この場合、第1可動接点及び第2可動接点が第1固定接点及び第2固定接点に接触している状態で、壁部が凹部内に配置されることで、壁部との干渉を回避することができる。
【0015】
可動接触片は、第1接点支持部と第2接点支持部とを含んでもよい。第1接点支持部は、第1可動接点を支持してもよい。第2接点支持部は、第2可動接点を支持してもよい。可動接触片の長手方向において、第1接点支持部の内端部と第2接点支持部の内端部とは互いに離れて配置されてもよい。壁部は、第1接点支持部の内端部と第2接点支持部の内端部との間の空間に対向して配置されてもよい。この場合、第1可動接点及び第2可動接点が第1固定接点及び第2固定接点に接触している状態で、壁部が第1接点支持部の内端部と第2接点支持部の内端部との間に配置されることで、壁部との干渉を回避することができる。
【0016】
第1可動接点及び第2可動接点が第1固定接点及び第2固定接点に接触している状態で、可動接触片の長手方向から見て、壁部は第1可動接点及び第1固定接点と重なってもよい。この場合、アークが壁部に当たり易くなる。それにより、より迅速にアークを消弧することができる。
【0017】
第1固定端子は、接点支持部と中間部とを含んでもよい。接点支持部は、第1固定接点を支持し、長手方向において第1固定接点から外側へ延びてもよい。中間部は、接点支持部から可動接触片の移動方向と平行な方向に延びてもよい。この場合、中間部を流れる電流により、第1固定接点及び第2固定接点の内側へ向かう方向へのローレンツ力がアークに作用し易い。しかし、アークが第1固定接点及び第2固定接点の内側へ向かって引き伸ばされても、壁部によって迅速にアークを消弧することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、リレーにおいて可動接触片の動作を阻害することを回避しながら、アークの遮断性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】第1実施形態に係るリレーを示す側面断面図である。
【
図2】第1実施形態に係るリレーの接点ケース内の構成を示す平面図である。
【
図3】第1実施形態に係るリレーの接点ケース内の構成を示す平面図である。
【
図7】第2実施形態に係るリレーの接点ケース内の構成を示す平面図である。
【
図8】第3実施形態に係るリレーの接点ケース内の構成を示す平面図である。
【
図9】第4実施形態に係るリレーの接点ケース内の構成を示す平面図及び側面図である。
【
図10】第5実施形態に係るリレーの接点ケース内の構成を示す平面図及び側面図である。
【
図11】第6実施形態に係るリレーの接点ケース内の構成を示す側面図である。
【
図12】第7実施形態に係るリレーの接点ケース内の構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して実施形態に係るリレーについて説明する。
図1は第1実施形態に係るリレー1aを示す側面断面図である。
図1に示すように、リレー1aは、ケース2と、接点装置3と、駆動装置4とを備える。なお、以下の説明において、上下左右の各方向は、
図1における上下左右の各方向を意味するものとする。また、前後方向は、
図1の紙面に垂直な方向を意味するものとする。ただし、これらの方向の定義は、リレー1aの配置方向を限定するものではない。
【0021】
ケース2は、接点装置3と駆動装置4とを収容している。ケース2は、絶縁性を有する樹脂で形成されている。ケース2は、ケース本体2aと蓋部2bとを含む。接点装置3と駆動装置4とは、ケース本体2a内に配置されている。蓋部2bは、ケース本体2aと別体である。蓋部2bは、ケース本体2aに取り付けられている。ケース本体2aは、接点ケース18とアウターケース19とを含む。接点ケース18は、ケース2の内部を第1収納部S1と第2収納部S2とに区画している。第1収納部S1内には、接点装置3が配置される。第2収納部S2内には、駆動装置4が配置される。アウターケース19は、接点ケース18を内部に収容している。
【0022】
接点装置3は、第1固定端子5と、第2固定端子6と、可動接触片7と、接触片保持部8とを含む。第1固定端子5と、第2固定端子6と、可動接触片7とは、例えば銅などの導電性を有する材料で形成されている。第1固定端子5は、第1固定接点11を含む。第2固定端子6は、第2固定接点12を含む。第1固定接点11と第2固定接点12とは、左右方向に離れて配置されている。
【0023】
可動接触片7は、左右方向に延びている。本実施形態において、可動接触片7の長手方向は、左右方向に一致する。可動接触片7は、第1可動接点13と第2可動接点14とを含む。第1可動接点13と第2可動接点14とは、左右方向に離れて配置されている。第1可動接点13は、第1固定接点11に対向して配置されている。第2可動接点14は、第2固定接点12に対向して配置されている。
【0024】
可動接触片7は、第1端部7aと第2端部7bとを含む。第1端部7aは、左右方向における可動接触片7の一方の端部である。第2端部7bは、左右方向における可動接触片7の他方の端部である。本実施形態では、第1端部7aは、可動接触片7の左方の端部である。第2端部7bは、可動接触片7の右方の端部である。第1可動接点13は、左右方向における可動接触片7の中央と第1端部7aとの間に配置される。第2可動接点14は、左右方向における可動接触片7の中央と第2端部7bとの間に配置される。
【0025】
可動接触片7は、上下方向に移動可能に配置されている。詳細には、可動接触片7は、接触方向Z1と開離方向Z2とに移動可能に配置されている。接触方向Z1は、第1可動接点13及び第2可動接点14が第1固定接点11及び第2固定接点12に対して接触する方向(
図1における下方)である。開離方向Z2は、第1可動接点13及び第2可動接点14が第1固定接点11及び第2固定接点12から開離する方向(
図1における上方)である。
【0026】
接触片保持部8は、可動接触片7を保持している。接触片保持部8は、可動接触片7において左右方向の中央で可動接触片7を保持している。従って、接触片保持部8は、左右方向において第1可動接点13と第2可動接点14との間の位置において可動接触片7を保持している。
【0027】
接触片保持部8は、駆動軸15と、ホルダ16と、接点バネ17とを含む。駆動軸15は、上下方向に延びている。駆動軸15は、可動接触片7と駆動装置4とを接続している。駆動軸15は、接触方向Z1及び開離方向Z2に移動可能に配置されている。ホルダ16は、可動接触片7に接続されており、可動接触片7を保持している。接点バネ17は、駆動軸15とホルダ16との間に配置されている。駆動軸15は、接点バネ17を介して、ホルダ16に接続されている。
【0028】
第1固定端子5は、第1接点支持部21と、第1中間部22と、第1外部接続部24とを含む。第1接点支持部21は、ケース2内において、第1固定接点11を支持している。第1接点支持部21は、左右方向において、第1固定接点11から外側へ延びる。なお、左右方向において外側とは、左右方向において駆動軸15の中心軸線から離れる方向を意味する。左右方向において内側とは、左右方向において駆動軸15の中心軸線に近づく方向を意味する。
【0029】
第1中間部22は、第1接点支持部21と第1外部接続部24との間に位置する。第1中間部22は、第1接点支持部21から、可動接触片7の移動方向に平行な方向、すなわち上下方向に延びている。詳細には、第1中間部22は、第1接点支持部21から上方に延びている。第1外部接続部24は、第1中間部22から左方に延びている。第1外部接続部24は、ケース2の外側に突出している。
【0030】
第1固定端子5は、第1接点支持部21と第1中間部22との間、及び、第1中間部22と第1外部接続部24との間で屈曲した形状を有している。第1接点支持部21と第1中間部22と第1外部接続部24とは、一体的に形成されてもよい。或いは、第1接点支持部21と第1中間部22と第1外部接続部24とは、互いに別体であり、溶接等の固定手段によって互いに接続されてもよい。
【0031】
第2固定端子6は、第2接点支持部31と、第2中間部32と、第2外部接続部34とを含む。第2接点支持部31は、ケース2内において、第2固定接点12を支持している。第2固定端子6は、第1固定端子5と左右対称な形状を有している。第2接点支持部31と、第2中間部32と、第2外部接続部34とは、それぞれ第1接点支持部21と、第1中間部22と、第1外部接続部24とに対応している。従って、第2固定端子6については詳細な説明を省略する。
【0032】
駆動装置4は、可動接触片7を動作させる駆動力を発生させる。駆動装置4は、電磁力によって可動接触片7を動作させる。駆動装置4は、接触方向Z1及び開離方向Z2に可動接触片7を移動させる。駆動装置4は、可動接触片7の下方に配置されている。駆動装置4は、コイル41と、スプール42と、鉄心43と、復帰バネ44と、ヨーク45とを含む。
【0033】
コイル41は、スプール42に巻回されている。コイル41及びスプール42は、駆動軸15と同軸に配置されている。スプール42は、スプール42の軸線方向に貫通する孔42aを含む。鉄心43と復帰バネ44とは、スプール42の孔42aに挿入されている。ヨーク45は、鉄心43に接続されている。
【0034】
ヨーク45は、第1ヨーク45aと第2ヨーク45bとを含む。第1ヨーク45aは、接点装置3とスプール42との間に配置されている。第2ヨーク45bは、第1ヨーク45aに接続されている。第2ヨーク45bは、U字状の形状を有している。第2ヨーク45bは、コイル41の両側方と、コイル41に対して第1ヨーク45aの反対側とに配置されている。
【0035】
鉄心43は、固定鉄心43aと可動鉄心43bとリング鉄心43cとを含む。固定鉄心43aは、第2ヨーク45bに固定されている。リング鉄心43cは、第1ヨーク45aに接触している。可動鉄心43bは、固定鉄心43a及びリング鉄心43cと別体である。可動鉄心43bは、接触方向Z1及び開離方向Z2に移動可能に配置されている。可動鉄心43bは、リング鉄心43c内で移動する。可動鉄心43bは、駆動軸15に接続されている。復帰バネ44は、可動鉄心43bと固定鉄心43aとの間に配置されている。復帰バネ44は、可動鉄心43bを開離方向Z2に付勢している。
【0036】
次に、リレー1aの動作について説明する。コイル41に電流が流されず励磁されていないときには、可動鉄心43bと共に、駆動軸15は、復帰バネ44の弾性力によって開離方向Z2に押圧されている。そのため、可動接触片7も開離方向Z2に押圧されており、
図1に示すように、第1可動接点13及び第2可動接点14は、第1固定接点11及び第2固定接点12から開離した開状態となっている。
【0037】
コイル41に電流が流されて励磁されると、コイル41の電磁力により、可動鉄心43bが、復帰バネ44の弾性力に抗して、接触方向Z1に移動する。それにより、駆動軸15とホルダ16と可動接触片7とが共に接触方向Z1に移動して、第1可動接点13及び第2可動接点14が、第1固定接点11及び第2固定接点12に接触した閉状態となる。
【0038】
コイル41への電流が停止され消磁されると、可動鉄心43bと共に、駆動軸15は、復帰バネ44の弾性力によって開離方向Z2に押圧される。そのため、可動接触片7も開離方向Z2に押圧されることで、第1可動接点13及び第2可動接点14は、開状態に戻る。
【0039】
図2は、リレー1aの接点ケース18内の構成を示す平面図である。
図2では、可動接触片7及び駆動軸15の位置が二点差線で示されている。
図1及び
図2に示すように、リレー1aは、第1磁石51と第2磁石52と第3磁石53とを含む。第1磁石51と第2磁石52と第3磁石53とは、接点間で生じたアークを消弧するための永久磁石である。
【0040】
第1磁石51と第2磁石52とは、左右方向に互いに離れて配置されている。第1磁石51は、左右方向において可動接触片7の一側方に配置されている。第2磁石52は、左右方向において可動接触片7の一側方に配置されている。詳細には、第1磁石51は、可動接触片7の左方に配置されている。第2磁石52は、可動接触片7の右方に配置されている。
【0041】
第1磁石51と第2磁石52とは、互いに同極が向き合うように配置されている。詳細には、第1磁石51は、可動接触片7に対向するS極面51Sと、S極面51Sの反対側のN極面51Nとを含む。第2磁石52は、可動接触片7に対向するS極面52Sと、S極面52Sの反対側のN極面52Nとを含む。
【0042】
第3磁石53は、可動接触片7に対して前後方向に対向して配置されている。なお、本実施形態において、前後方向は、可動接触片7の長手方向と交差する可動接触片7の幅方向と一致する。第3磁石53は、可動接触片7に対向するN極面53Nと、N極面53Nの反対側のS極面53Sとを含む。
【0043】
また、リレー1aは、ヨーク47を含む。ヨーク47は、第1磁石51と第2磁石52と第3磁石53とを接続している。詳細には、ヨーク47は、第1磁石51のN極面51Nと、第2磁石52のN極面52Nと、第3磁石53のS極面53Sとに接続されている。
【0044】
以上のような第1磁石51と、第2磁石52と、第3磁石53との配置により、
図2に示すように、第1固定接点11と第1可動接点13との間の位置(以下、「第1接点位置P1」と呼ぶ)において左右方向外側に向かう磁束B1が生成される。また、第2固定接点12と第2可動接点14との間の位置(以下、「第2接点位置P2」と呼ぶ)において左右方向外側に向かう磁束B2が生成される。詳細には、左右方向における中央から第1端部7aに向かう方向への磁束B1が、第1固定接点11と第1可動接点13との間において生成される。左右方向における中央から第2端部7bに向かう方向への磁束B2が、第2固定接点12と第2可動接点14との間において生成される。
【0045】
従って、可動接触片7において左方から右方に電流が流れるときには、
図2において矢印F1及び矢印F2で示すように前後方向にローレンツ力が作用する。また、可動接触片7において右方から左方に電流が流れるときには、
図2において矢印F3及び矢印F4で示すように前後方向にローレンツ力が作用する。それにより、アークが矢印F1-F4で示す方向に引き伸ばされ、アークを迅速に消弧することができる。
【0046】
ただし、
図3に示すように、アークには、第1固定端子5及び第2固定端子6の自己磁界によるローレンツ力が作用する場合がある。例えば、可動接触片7において左方から右方に電流が流れるときには、第1接点位置P1では、第1中間部22を流れる電流による磁界によって、左右方向における内側へ向かうローレンツ力F5がアークに作用する。この場合、アークには、ローレンツ力F1,F5の合力F1’が作用し、それにより、アークは、ローレンツ力の合力F1’の方向に引き伸ばされる。
【0047】
同様に、可動接触片7において左方から右方に電流が流れるときには、第2接点位置P2では、第2中間部32を流れる電流による磁界によって、左右方向における内側へ向かうローレンツ力F6が、アークに作用する。この場合、アークには、ローレンツ力F2,F6の合力F2’が作用し、それにより、アークは、ローレンツ力の合力F2’の方向に引き伸ばされる。
【0048】
本実施形態に係るリレー1aは、上記のように内側へ向かって引き伸ばされたアークを消弧するための壁部60を備えている。壁部60は、左右方向において第1固定接点11及び第2固定接点12の内側に配置されている。壁部60は、第1壁部61と第2壁部62とを含む。第1壁部61は、左右方向において第1接点位置P1と駆動軸15との間に配置されている。第1壁部61は、前後方向に延びている。第2壁部62は、左右方向において第2接点位置P2と駆動軸15との間に配置されている。第2壁部62は、前後方向に延びている。
【0049】
第1壁部61と第2壁部62とは、アークの熱により消弧ガスを発生させる消弧材で形成されている。第1壁部61と第2壁部62とは、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂などの熱硬化性樹脂で形成されてもよい。或いは、第1壁部61と第2壁部62とは、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂などの熱可塑性樹脂などで形成されてもよい。或いは、第1壁部61と第2壁部62とは、他の消弧材で形成されてもよい。
【0050】
図4及び
図5は、接点装置3及び壁部60の拡大側面断面図である。
図4は、開状態での可動接触片7の位置を示している。
図5は、閉状態での可動接触片7の位置を示している。
図4及び
図5に示すように、第1壁部61と第2壁部62とは、上下方向に延びている。第1壁部61は、第1固定接点11と対向している。第2壁部62は、第2固定接点12と対向している。第1壁部61は、可動接触片7の移動方向において第1固定接点11を可動接触片7側に越えた位置に配置されている。すなわち、第1壁部61の上端610は、第1固定接点11よりも上方に配置されている。第1壁部61は、第1固定接点11よりも下方の位置から第1固定接点11よりも上方の位置まで配置されている。
【0051】
第2壁部62は、第2固定接点12と対向している。第2壁部62は、可動接触片7の移動方向において第2固定接点12を可動接触片7側に越えた位置に配置されている。すなわち、第2壁部62の上端620は、第2固定接点12よりも上方に配置されている。第2壁部62は、第2固定接点12よりも下方の位置から第2固定接点12よりも上方の位置まで配置されている。
【0052】
図5に示すように、閉状態で、第1壁部61は、第1固定接点11及び第1可動接点
13と対向している。閉状態で、第1壁部61の上端610は、第1可動接点13の下端よりも上方に位置する。
図6は、
図5におけるVI-VI断面図である。
図6に示すように、閉状態で、可動接触片7の長手方向から見て、第1壁部61は第1可動接点13及び第1固定接点11と重なる。
【0053】
図4に示すように、閉状態で、第2壁部62は、第2固定接点12及び第2可動接点14と対向している。閉状態で、第2壁部62の上端620は、第2可動接点14の下端よりも上方に位置する。図示を省略するが第1壁部61と同様に、閉状態で、可動接触片7の長手方向から見て、第2壁部62は第2可動接点14及び第2固定接点12と重なる。
【0054】
図4及び
図5に示すように、可動接触片7は、壁部60との干渉を避けた形状を有する。可動接触片7は、壁部60から離れる方向に凹んだ形状を有する。すなわち、可動接触片7は、上方に向かって凸に湾曲した形状を有している。詳細には、可動接触片7は、第1接点支持部71と、第2接点支持部72と、中間部73と、第1曲げ部74と、第2曲げ部75とを含む。
【0055】
第1接点支持部71は、第1可動接点13を支持している。第1接点支持部71は、上述した第1端部7aを含む。第2接点支持部72は、第2可動接点14を支持している。第2接点支持部72は、上述した第2端部7bを含む。中間部73は、可動接触片7の左右方向における中央に位置する。中間部73には接触片保持部8が取り付けられる。中間部73には、駆動軸15が取り付けられる。中間部73は、第1接点支持部71及び第2接点支持部72よりも上方に位置する。
【0056】
第1曲げ部74は、第1接点支持部71と中間部73との間に位置する。第1曲げ部74は、第1壁部61から離れる方向に湾曲した形状を有している。すなわち、第1曲げ部74は、第1接点支持部71から上方に向かって湾曲した形状を有している。第1曲げ部74は、第1壁部61に対向して配置されている。
【0057】
第2曲げ部75は、第2接点支持部72と中間部73との間に位置する。第2曲げ部75は、第2壁部62から離れる方向に湾曲した形状を有している。すなわち、第2曲げ部75は、第2接点支持部72から上方に向かって湾曲した形状を有している。第2曲げ部75は、第2壁部62に対向して配置されている。
【0058】
図5に示すように、閉状態で、第1壁部61の上端610は、第1接点支持部71の底面よりも上方に位置する。閉状態で、第2壁部62の上端620は、第2接点支持部72の底面よりも上方に位置する。第1曲げ部74と第1接点支持部71との接続点76は、第1壁部61の外側に位置する。第2曲げ部75と第2接点支持部72との接続点77は、第2壁部62の外側に位置する。閉状態で、第1曲げ部74と第1接点支持部71との接続点76は、第1壁部61の上端610よりも下方に位置する。閉状態で、第2曲げ部75と第2接点支持部72との接続点77は、第2壁部62の上端620よりも下方に位置する。
【0059】
図2に示すように、壁部60は、第3壁部63と第4壁部64とをさらに含む。第3壁部63と第4壁部64とは、前後方向に互いに離れて配置される。第3壁部63と第4壁部64との間には、接触片支持部8が配置される。詳細には、第3壁部63と第4壁部64との間には、ホルダ16が配置される。第3壁部63と第4壁部64とによってホルダ16が回り止めされる。
【0060】
以上説明した第1実施形態に係るリレー1aでは、第1壁部61及び第2壁部62は、可動接触片7の移動方向において、第1固定接点11及び第2固定接点12を可動接触片7側に越えた位置に配置されている。そのため、アークが第1固定接点11及び第2固定接点12の内側へ向かって引き伸ばされた場合に、アークが第1壁部61及び第2壁部62に当たり易い。それにより、迅速にアークを消弧することができる。
【0061】
また、閉状態で、可動接触片7は、第1壁部61及び第2壁部62と干渉しないように湾曲した形状を有している。そのため、上記のように第1壁部61と第2壁部62とが配置されても、可動接触片7と、第1壁部61及び第2壁部62との干渉を回避することができる。
【0062】
可動接触片7は、第1曲げ部74と第2曲げ部75とを含む。このような可動接触片7の形状により、第1壁部61及び第2壁部62との干渉を回避することができる。また、アークの起点を第1曲げ部74及び第2曲げ部75に限定することができる。それにより、第1曲げ部74から引き伸ばされたアークが第1壁部61に当たり易くなる。また、第2曲げ部75から引き伸ばされたアークが第2壁部62に当たり易くなる。それにより、より迅速にアークを消弧することができる。
【0063】
閉状態で、可動接触片7の長手方向から見て、第1壁部61は第1可動接点13と重なる。また、閉状態で、可動接触片7の長手方向から見て、第2壁部62は第2可動接点14と重なる。そのため、アークが第1壁部61及び第2壁部62に当たり易くなる。それにより、より迅速にアークを消弧することができる。
【0064】
以上、第1実施形態に係るリレー1aについて説明したが、第1~第3磁石51-53の配置、或いは極性は、上記の第1実施形態のものに限らず変更されてもよい。例えば、
図7は、第2実施形態に係るリレー1bの接点ケース18内の構成を示す平面図である。
【0065】
第2実施形態に係るリレー1bでは、第1磁石51と第2磁石52とは、異極同士が対向するように配置されている。第1磁石51のS極面51Sが可動接触片7と対向して配置され、第2磁石52のN極面52Nが可動接触片7と対向して配置されている。第2実施形態に係るリレー1bでは、第1実施形態の第3磁石53は省略されている。第2実施形態に係るリレー1bの他の構成は、第1実施形態に係るリレー1aと同様である。
【0066】
第2実施形態に係るリレー1bでは、第1接点位置P1と第2接点位置P2とにおいて左方に向かう磁束B11が生成される。従って、可動接触片7において左方から右方に電流が流れるときには、矢印F11及び矢印F12で示すように前後方向にローレンツ力が作用する。
【0067】
また、アークには、第1固定端子5及び第2固定端子6の自己磁界によるローレンツ力が作用する場合がある。例えば、可動接触片7において左方から右方に電流が流れるときには、第1接点位置P1では、第1中間部22を流れる電流による磁界によって、左右方向における内側へ向かうローレンツ力F15がアークに作用する。この場合、アークには、ローレンツ力F11,F15の合力F11’が作用し、それにより、アークは、ローレンツ力の合力F11’の方向に引き伸ばされる。
【0068】
同様に、可動接触片7において左方から右方に電流が流れるときには、第2接点位置P2では、第2中間部32を流れる電流による磁界によって、左右方向における内側へ向かうローレンツ力F16が、アークに作用する。この場合、アークには、ローレンツ力F12,F16の合力F12’が作用し、それにより、アークは、ローレンツ力の合力F12’の方向に引き伸ばされる。このような場合であっても、第2実施形態に係るリレー1bでは、第1実施形態に係るリレー1aと同様に、第1壁部61及び第2壁部62によって、アークを迅速に消弧することができる。
【0069】
図8は、第3実施形態に係るリレー1cの接点ケース18内の構成を示す平面図である。第3実施形態に係るリレー1cでは、第1磁石51と第2磁石52とは、前後方向に離れて配置されている。第1磁石51と第2磁石52とは、異極同士が対向するように配置されている。詳細には、第1磁石51のS極面51Sが可動接触片7と対向して配置され、第2磁石52のN極面52Nが可動接触片7と対向して配置されている。第3実施形態に係るリレー1cの他の構成は、第1実施形態に係るリレー1aと同様である。
【0070】
第3実施形態に係るリレー1cでは、第1接点位置P1と第2接点位置P2とにおいて前後方向に沿う磁束B21が生成される。従って、可動接触片7において左方から右方に電流が流れるときには、矢印F21及び矢印F22で示すように左右方向における内側に向かってローレンツ力が作用する。従って、第3実施形態に係るリレー1cでは、第1固定端子5及び第2固定端子6の自己磁界によるローレンツ力が発生しなくても、アークは、内側に向かって引き伸ばされる。従って、第1中間部22及び第2中間部32が無くても、アークは、内側に向かって引き伸ばされる。このような場合であっても、第3実施形態に係るリレー1cでは、第1実施形態に係るリレー1aと同様に、第1壁部61及び第2壁部62によって、アークを迅速に消弧することができる。
【0071】
以上、第1~第3実施形態に係るリレー1a-1cについて説明したが、可動接触片7の形状、或いは配置は、上記の実施形態のものに限らず変更されてもよい。例えば、
図9Aは、第4実施形態に係るリレー1dの接点ケース18内の構成を示す平面図である。
図9Bは、第4実施形態に係るリレー1dの接点ケース18内の構成を示す側面図である。
【0072】
図9A及び
図9Bに示すように、可動接触片7は、第1孔81と第2孔82とを含む。第1孔81と第2孔82とは、上下方向に可動接触片7を貫通している。第1孔81は、上下方向において第1壁部61に対向して配置される。第2孔82は、上下方向において第2壁部62に対向して配置される。詳細には、第1孔81は、第1壁部61の上方に配置される。第2孔82は、第2壁部62の上方に配置される。第1孔81は、第1壁部61が挿入可能な大きさを有する。第2孔82は、第2壁部62が挿入可能な大きさを有する。
【0073】
第4実施形態に係るリレー1dでは、少なくとも閉状態で、第1壁部61が第1孔81内に配置され、第2壁部62が第2孔82内に配置される。それにより、第1壁部61及び第2壁部62と可動接触片7と干渉を回避することができる。なお、閉状態のみならず開状態でも、第1壁部61が第1孔81内に配置され、第2壁部62が第2孔82内に配置されてもよい。
【0074】
図10Aは、第5実施形態に係るリレー1eの接点ケース18内の構成を示す平面図である。
図10Bは、第5実施形態に係るリレー1eの接点ケース18内の構成を示す側面図である。
【0075】
図10A及び
図10Bに示すように、可動接触片7は、第1凹部83と第2凹部84とを含む。第1凹部83と第2凹部84とは、可動接触片7の底面から上方に凹んだ形状を有する。第1凹部83は、上下方向において第1壁部61に対向して配置される。第2凹部84は、上下方向において第2壁部62に対向して配置される。詳細には、第1凹部83は、第1壁部61の上方に配置される。第2凹部84は、第2壁部62の上方に配置される。第1凹部83は、第1壁部61の上端610が挿入可能な大きさを有する。第2凹部84は、第2壁部62の上端620が挿入可能な大きさを有する。
【0076】
第5実施形態に係るリレー1eでは、少なくとも閉状態で、第1壁部61が第1凹部83内に配置され、第2壁部62が第2凹部84内に配置される。それにより、第1壁部61及び第2壁部62と可動接触片7と干渉を回避することができる。なお、閉状態のみならず開状態でも、第1壁部61が第1凹部83内に配置され、第2壁部62が第2凹部84内に配置されてもよい。
【0077】
図11は、第6実施形態に係るリレー1fの接点ケース18内の構成を示す側面図である。
図11に示すように、可動接触片7は、第1接点支持部91と、第2接点支持部92と、中間部93と、第1屈曲部94と、第2屈曲部95とを含む。第1接点支持部91は、第1可動接点13を支持している。第2接点支持部92は、第2可動接点14を支持している。第1屈曲部94は、第1接点支持部91から上方に向かって屈曲した形状を有する。第1屈曲部94は、左右方向において第1接点支持部91の外側に位置する。第2屈曲部95は、第2接点支持部92から上方に向かって屈曲した形状を有する。第2屈曲部95は、左右方向において第2接点支持部92の外側に位置する。中間部93は、第1屈曲部94と第2屈曲部95との間に位置している。中間部93は、第1接点支持部91及び第2接点支持部92よりも上方に位置する。
【0078】
第6実施形態に係るリレー1fでは、第1接点支持部91の内端部910と第2接点支持部92の内端部920とが互いに離れて配置される。第1壁部61及び第2壁部62は、第1接点支持部91の内端部910と第2接点支持部92の内端部920との間の空間に対向して配置される。少なくとも閉状態で、第1接点支持部91の内端部910と第2接点支持部92の内端部920との間に、第1壁部61と第2壁部62とが配置される。それにより、第1壁部61及び第2壁部62と可動接触片7と干渉を回避することができる。なお、閉状態のみならず開状態でも、第1接点支持部91の内端部910と第2接点支持部92の内端部920との間に、第1壁部61と第2壁部62とが配置されてもよい。
【0079】
上記の実施形態では、駆動装置4が駆動軸15をコイル41側から引き込むことで、可動接触片7が接触方向Z1に移動する。また、駆動装置4が駆動軸15をコイル41側から押し出すことで、可動接触片7が開離方向Z2に移動する。しかし、接点を開閉するための駆動軸15の動作方向は、上記の実施形態と逆であってもよい。すなわち、駆動装置4が駆動軸15をコイル41側に引き込むことで、可動接触片7が開離方向Z2に移動してもよい。駆動装置4が駆動軸15をコイル41側から押し出すことで、可動接触片7が接触方向Z1に移動してもよい。すなわち、接触方向Z1と開離方向Z2とは、上記の実施形態とは上下に逆であってもよい。
【0080】
例えば、
図12は、第7実施形態に係るリレー1gの接点ケース18内の構成を示す側面図である。
図12に示すように、第7実施形態に係るリレー1gでは、可動接触片7は、第1固定接点11及び第2固定接点12の下方に配置される。可動接触片7が上方すなわち接触方向Z1に移動することで、第1可動接点13及び第2可動接点14が第1固定接点11及び第2固定接点12と接触する。可動接触片7が下方すなわち開離方向Z2に移動することで、第1可動接点13及び第2可動接点14が第1固定接点11及び第2固定接点12から開離する。
【0081】
第7実施形態に係るリレー1gにおいても、第1実施形態に係るリレー1aと同様に、第1壁部61及び第2壁部62が配置されている。第7実施形態に係るリレー1gでは、第1壁部61の下端611と第2壁部62の下端621とが、可動接触片7と対向している。また、可動接触片7は、第1壁部61及び第2壁部62との干渉を避けるように湾曲した形状を有している。なお、可動接触片7は、第4~第6実施形態に係るリレー1d-1fの可動接触片7と同様の形状であってもよい。
【0082】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、駆動装置4の構成が変更されてもよい。コイル41、スプール42、鉄心43、復帰バネ44、或いはヨーク45の形状、或いは配置が変更されてもよい。ケース2の形状、或いは配置が変更されてもよい。
【0083】
第1固定端子5、第2固定端子6、可動接触片7の形状、或いは配置が変更されてもよい。例えば、第1外部接続部24及び第2外部接続部34は、ケース2から上方に突出してもよい。或いは、第1外部接続部24及び第2外部接続部34は、ケース2から前後方向に突出してもよい。
【0084】
第1固定接点11は、第1固定端子5と別体であってもよく、或いは一体であってもよい。第2固定接点12は、第2固定端子6と別体であってもよく、或いは一体であってもよい。第1可動接点13は、可動接触片7と別体であってもよく、或いは一体であってもよい。第2可動接点14は、可動接触片7と別体であってもよく、或いは一体であってもよい。
【0085】
壁部60の形状、或いは配置が変更されてもよい。例えは、第1~第4壁部61-64の形状、或いは配置が変更されてもよい。第3壁部63及び第4壁部64が省略されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明によれば、リレーにおいて可動接触片の動作を阻害することを回避しながら、アークの遮断性能を向上させることができる。
【符号の説明】
【0087】
4 駆動装置
7 可動接触片
8 接触片保持部
11 第1固定接点
12 第2固定接点
13 第1可動接点
14 第2可動接点
60 壁部
71 第1接点支持部
73 中間部
74 第1曲げ部
81 第1孔