(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】携帯型情報端末、ゲートシステム、情報処理方法、および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06K 19/06 20060101AFI20220802BHJP
G06K 7/015 20060101ALI20220802BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20220802BHJP
G07B 15/00 20110101ALI20220802BHJP
【FI】
G06K19/06 112
G06K7/015
G06K7/10 464
G07B15/00 C
(21)【出願番号】P 2018046840
(22)【出願日】2018-03-14
【審査請求日】2020-03-05
【審判番号】
【審判請求日】2021-10-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西本 昌平
【合議体】
【審判長】田中 秀人
【審判官】山崎 慎一
【審判官】山澤 宏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0048826(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K19/06
G06K7/015
G06K7/10
G07B15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学的読取コードを配置した画像を生成する画像生成部と、
前記画像生成部が生成した前記画像を表示器の画面に表示させる表示部と、
前記表示器の画面の向きを検出する検出部と、
を備え、
前記画像生成部は、前記検出部によって、前記表示器の画面が予め定めた向きであることが検出されている間、所定の時間経過する毎に、前記光学的読取コードを前記画像上に配置する位置を、制御部において発生された乱数に対応する位置に決定し、ここで決定した位置に前記光学的読取コードを配置した前記画像を生成する処理を繰り返し、
前記表示部は、前記検出部によって、前記表示器の画面が予め定めた向きであることが検出されている間、前記画像生成部によって前記画像が生成される毎に、生成された前記画像を前記表示器の画面に表示させる、
携帯型情報端末。
【請求項2】
光学的読取コードを配置した画像を生成する画像生成部と、
前記画像生成部が生成した前記画像を表示器の画面に表示させる表示部と、
前記表示器の画面の向きを検出する検出部と、
を備え、
前記画像生成部は、前記検出部によって、前記表示器の画面が予め定めた向きであることが検出されている間、所定の時間経過する毎に、
前記光学的読取コードを画像上に配置する位置の決定に用いる方向を前回設定した方向とは別の方向に設定し、前記光学的読取コードを前記画像上に配置する位置を、前記光学的読取コードを前記画像上に配置する位置を、
今回設定した方向に、前記表示器の画面の中央を中心に、前回設定した位置と対称となる位置に決定し、ここで決定した位置に前記光学的読取コードを配置した前記画像を生成する処理を繰り返し、
前記表示部は、前記検出部によって、前記表示器の画面が予め定めた向きであることが検出されている間、前記画像生成部によって前記画像が生成される毎に、生成された前記画像を前記表示器の画面に表示させる、
携帯型情報端末。
【請求項3】
前記光学的読取コードは、乗車券情報を示す、
請求項1、または2に記載の携帯型情報端末。
【請求項4】
前記画像生成部は、前記画像の表示にかかる操作が行われると、初期画像として、前記光学的読取コードが前記表示器の画面の中央に配置される画像を生成する、
請求項1乃至3の何れかに記載の携帯型情報端末。
【請求項5】
前記表示部は、輝度センサで検出した周囲の明るさが低くなるにつれて、前記画面の輝度を上げる、
請求項1乃至4の何れかに記載の携帯型情報端末。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れかに記載の携帯型情報端末と、
ゲート装置と、
を備え、
前記ゲート装置は、読取領域に翳された前記携帯型情報端末の前記表示器の画面に表示されている前記光学的読取コードを読み取って通行を制限する、
ゲートシステム。
【請求項7】
光学的読取コードを配置した画像を生成する画像生成ステップと、
前記画像生成ステップで生成した前記画像を表示器の画面に表示させる表示ステップと、
前記表示器の画面の向きを検出する検出ステップと、
をコンピュータが実行し、
前記画像生成ステップは、前記検出ステップで前記表示器の画面が予め定めた向きであることが検出されている間、所定の時間経過する毎に、前記光学的読取コードを前記画像上に配置する位置を、制御部において発生された乱数に対応する位置に決定し、ここで決定した位置に前記光学的読取コードを配置した前記画像を生成する処理を繰り返すステップであり、
前記表示ステップは、前記検出ステップで前記表示器の画面が予め定めた向きであることが検出されている間、前記画像生成ステップで前記画像が生成される毎に、生成された前記画像を前記表示器の画面に表示させるステップである、
情報処理方法。
【請求項8】
光学的読取コードを配置した画像を生成する画像生成ステップと、
前記画像生成ステップで生成した前記画像を表示器の画面に表示させる表示ステップと、
前記表示器の画面の向きを検出する検出ステップと、
をコンピュータが実行し、
前記画像生成ステップは、前記検出ステップで前記表示器の画面が予め定めた向きであることが検出されている間、所定の時間経過する毎に、
前記光学的読取コードを画像上に配置する位置の決定に用いる方向を前回設定した方向とは別の方向に設定し、前記光学的読取コードを前記画像上に配置する位置を、
今回設定した方向に、前記表示器の画面の中央を中心に、前回設定した位置と対称となる位置に決定し、ここで決定した位置に前記光学的読取コードを配置した前記画像を生成する処理を繰り返すステップであり、
前記表示ステップは、前記検出ステップで前記表示器の画面が予め定めた向きであることが検出されている間、前記画像生成ステップで前記画像が生成される毎に、生成された前記画像を前記表示器の画面に表示させるステップである、
情報処理方法。
【請求項9】
光学的読取コードを配置した画像を生成する画像生成ステップと、
前記画像生成ステップで生成した前記画像を表示器の画面に表示させる表示ステップと、
前記表示器の画面の向きを検出する検出ステップと、
をコンピュータに実行させ、
前記画像生成ステップは、前記検出ステップで前記表示器の画面が予め定めた向きであることが検出されている間、所定の時間経過する毎に、前記光学的読取コードを前記画像上に配置する位置を、制御部において発生された乱数に対応する位置に決定し、ここで決定した位置に前記光学的読取コードを配置した前記画像を生成する処理を繰り返すステップであり、
前記表示ステップは、前記検出ステップで前記表示器の画面が予め定めた向きであることが検出されている間、前記画像生成ステップで前記画像が生成される毎に、生成された前記画像を前記表示器の画面に表示させるステップである、
情報処理プログラム。
【請求項10】
光学的読取コードを配置した画像を生成する画像生成ステップと、
前記画像生成ステップで生成した前記画像を表示器の画面に表示させる表示ステップと、
前記表示器の画面の向きを検出する検出ステップと、
をコンピュータに実行させ、
前記画像生成ステップは、前記検出ステップで前記表示器の画面が予め定めた向きであることが検出されている間、所定の時間経過する毎に、
前記光学的読取コードを画像上に配置する位置の決定に用いる方向を前回設定した方向とは別の方向に設定し、前記光学的読取コードを前記画像上に配置する位置を、
今回設定した方向に、前記表示器の画面の中央を中心に、前回設定した位置と対称となる位置に決定し、ここで決定した位置に前記光学的読取コードを配置した前記画像を生成する処理を繰り返すステップであり、
前記表示ステップは、前記検出ステップで前記表示器の画面が予め定めた向きであることが検出されている間、前記画像生成ステップで前記画像が生成される毎に、生成された前記画像を前記表示器の画面に表示させるステップである、
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像を制御する携帯型情報端末と、この携帯型情報端末の画像からの情報を処理するゲートシステム、画像を制御する情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動改札システムにおいて、利用者が携帯端末から行った乗車予約に対し、当該携帯端末にセンター装置から受信した乗車情報を含むQRコード(登録商標)(以下、光学的読取コードと呼ぶ)が当該携帯端末に表示される(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載の自動改札システムでは、利用者が当該携帯端末に表示された光学的読取コードを、読取部を有する自動改札機に読み取らせる。自動改札機は、光学的読取コードに含まれる乗車情報に基づいて利用者の通行の可否を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、自動改札システム(ゲートシステム)では、自動改札機(ゲート装置)に携帯端末(携帯型情報端末)に表示された光学的読取コードを読み取らせる際、利用者は、携帯端末の画面を読取部に対向させる(下側に向ける)ので、画面を見ながら翳すことができない。このため、利用者が、携帯端末に光学的読取コードが読取部の適正な位置からズレてしまい、表示させて翳した光学的読取コードを読取部に読み取らせることができない。
【0005】
利用者は、読取部が光学的読取コードを読み取れないと、光学的読取コードが携帯端末の画面に表示されているかなど確認して、繰り返し読取部に携帯端末を翳す。これにより、自動改札システムでは、光学的読取コードの読み取りに時間がかかってしまい、改札処理のスループットが低下してしまう。なお、ここでいうスループットとは、自動改札機が単位時間当たりに改札処理人数である。
【0006】
この発明の目的は、光学的読取コードの読み取りにかかる時間の増加を抑制する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の携帯型情報端末は、上記目的を達するために、以下のように構成している。
【0008】
この携帯型情報端末は、ゲート装置に読み取らせる光学的読取コードを配置した画像を生成する画像生成部と、前記画像を表示器の画面に表示させる表示部と、前記表示器の画面の向きを検出する検出部と、を備える。前記画像生成部は、前記検出部によって、前記表示器の画面が、前記ゲート装置の読取領域に対向する向きであることが検出されている間、時間の経過に伴って、前記光学的読取コードの表示位置を異なる位置に配置した画像を生成する。
【0009】
この構成では、光学的読取コードをゲート装置の読取領域に翳した場合、画像生成部が、光学的読取コードを前回の位置とは異なる位置に配置した画像を時間の経過に伴って生成し、表示部が、これら画像を表示する。これにより、利用者が光学的読取コードを読取領域の適正な位置に翳していない場合でも、光学的読取コードの位置が自動で変化するので、利用者が翳し直す必要がない。つまり、この構成では、光学的読取コードの読み取りにかかる処理時間の増加を抑制することができる。
【0010】
また、この携帯型情報端末では、前記光学的読取コードは、乗車券情報を示すことが好ましい。
【0011】
このように構成すれば、携帯型情報端末は、光学的読取コードに複数の情報、例えば有効期限、有効区間を含むことができ、鉄道を利用する際に使用されることができる。
【0012】
また、この携帯型情報端末では、前記画像生成部は、前記光学的読取コードの位置を前記表示器の画面の中央に配置した画像を生成することが好ましい。この携帯型情報端末では、画像生成部は、その後、前記光学的読取コードを前記表示器の画面の中央を中心に、前記一方向に離れた位置と対称となる位置に配置した画像を生成する。
【0013】
また、この携帯情報端末では、画像生成部は、光学的読取コードを、表示器の画面の中央を中心に、一方向に離れた位置と対称となる位置に配置した画像を生成することが好ましい。
【0014】
このように構成すれば、携帯型情報端末では、利用者がゲート装置の読取領域に画面を翳す際に、光学的読取コードが読み取るための適正な位置から一方向にズレた状態で利用者が画面を翳した場合でも、利用者は、翳し直す必要がなく、ゲートのスループットの低下が抑制される。
【0015】
また、この携帯型情報端末では、前記表示部は、前記画面の向きに応じて、前記画面の輝度を変化させることがよい。
【0016】
このように構成すれば、携帯型情報端末は、画面が読取領域に対向することで周囲の明るさが暗くなったことを検出しても、輝度を上げることで、光学的読取コードをより読取易くすることができる。
【0017】
この発明のゲートシステムは、上記目的を達するために、以下のように構成している。
【0018】
このゲートシステムは、携帯型情報端末と、ゲート装置と、を備える。ゲート装置は、読取領域に翳された光学的読取コードを読み取って通行を制限する。
【0019】
この構成では、利用者が光学的読取コードをゲート装置の読取領域に翳している間、画像生成部が、光学的読取コードを前回の位置とは異なる位置に配置した画像を時間の経過に伴って生成し、表示部が、これら画像を表示する。そして、ゲート装置が読み取った情報に基づいて、ゲートの動作を制限する。これにより、利用者が光学的読取コードを読取領域の適正な位置に翳していない場合でも、光学的読取コードの位置が自動で変化するので、利用者が翳し直す必要がない。つまり、この構成では、光学的読取コードの読み取りにかかる処理時間の増加を抑制することができる。
【発明の効果】
【0020】
この発明によれば、光学的読取コードの読み取りにかかる時間の増加を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図2】自動改札機の主要部の構成を示すブロック図である。
【
図3】携帯端末の主要部の構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4Aは、携帯端末の使用例を示す説明図であり、
図4Bは、携帯端末の別の使用例を示す説明図である。
【
図5】
図5Aは、光学的読取コードを表示した画像の一例を示す説明図であり、
図5Bは、光学的読取コードを表示した画像であって、
図5Aとは異なる例を示す説明図である。
【
図6】自動改札機の改札処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】携帯端末の画像表示処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8Aは、光学的読取コードを表示した画像の一例を示す説明図であり、
図8Bは、光学的読取コードを表示した画像であって、
図8Aとは異なる例を示す説明図である。
【
図9】
図9Aは、変形例にかかる光学的読取コードを表示した画像を示す説明図であり、
図9Bは、変形例にかかる光学的読取コードを表示した画像であって、
図9Aとは異なる例を示す説明図である。
【
図10】変形例にかかる携帯端末の画像表示処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、この発明の実施形態の1つである改札システム1の例について図面を参照して説明する。
【0023】
<1.適用例>
図1は、この例にかかる改札システム1の構成を示す概略図である。この例にかかる改札システム1は、
図1に示すように、光学的読取コード(例えば、QRコード(登録商標))10を表示する携帯型情報端末2と、利用者に対して改札処理を行う自動改札機3とを備えている。この例にかかる自動改札機3は、駅の改札口に設置されている。改札システム1では、携帯型情報端末(以下、携帯端末と呼ぶ)2が乗車券情報を示す光学的読取コード10を表示して、自動改札機3が携帯端末2に表示された光学的読取コード10を読み取ることで、利用者の改札通路30の通行を制限する。この例では、改札システム1がこの発明でいうゲートシステムに相当し、自動改札機3がこの発明でいうゲート装置に相当する。
【0024】
光学的読取コード10は、乗車券情報を示す。光学的読取コード10は、例えば、識別番号、有効期間、有効区間が含まれる。識別番号は、この光学的読取コード10を識別する固有の番号である。有効期間は、この光学的読取コード10が有効である期間を示す情報である。有効区間は、この光学的読取コード10で入出場できる駅を示す情報である。
【0025】
携帯端末2の利用者は、例えば、モバイルアプリケーションを動作させて、所望の入場駅、退場駅、乗車券の種類(例えば、回数券)などを画面200上で入力する。携帯端末2は、これら情報を基に、モバイルアプリケーションによって光学的読取コード10を生成する。なお、利用者は、例えば、インターネットを介して、サーバにアクセスし、所望の入場駅、退場駅、乗車券の種類をサーバに送信して、これに基づく光学的読取コード10の画像をサーバから受信してもよい。
【0026】
この例にかかる自動改札機3は、駅サーバ4と通信可能である(
図2参照)。自動改札機3は、例えば、読み取った光学的読取コード10に含まれる識別番号に、この光学的読取コード10を使用した利用者の入出場ログを対応付けて駅サーバ4に送信する。また、自動改札機3は、光学的読取コード10に含まれる識別番号に対応付けられた入出場ログを駅サーバから受信する。これにより、自動改札機3は、この識別番号を含む光学的読取コード10を後述する読取部32が読み取った場合、入出場ログに基づいて、利用者の通行を制限することができる。
【0027】
<2.構成例>
図2は、この例にかかる自動改札機3の主要部の構成を示すブロック図である。自動改札機3は、
図2に示すように、制御部31と、読取部32と、判定部33と、利用者検知部34と、扉開閉部35と、表示部36と、通信部37と、を備える。
【0028】
制御部31は、自動改札機3の読取部32、判定部33、利用者検知部34、扉開閉部35、表示部36及び通信部37の各部の動作を制御する。
【0029】
読取部32は、読取領域320に翳された光学的読取コード10を読み取る(
図1参照)。読取部32は、撮像部321と、画像処理部322と、読取判定部323と、出力部324とを備える。撮像部321は、利用者が読取領域320に翳した画面200の光学的読取コード10の画像を撮像する。画像処理部322は、撮像された画像をデコード処理する。読取判定部323は、デコード処理された画像データから乗車券情報の読み取りが成功したか否かを判定する。出力部324は、読み取った乗車券情報を出力する。
【0030】
判定部33は、乗車券情報に基づいて、利用者の改札通路30(
図1参照)の通行を許可するか否かを判定する。より詳細には、判定部33は、乗車券情報に含まれる有効期間及び有効区間に応じて判定する。
【0031】
利用者検知部34は、改札通路30に沿って配置された複数のセンサにより、改札通路30内を通行する利用者の位置を検知する。利用者検知部34は、
図1に示すように、入場用ユニット、又は出場用ユニットの一方に、改札通路30に沿って配置された複数の発光素子341と、入場用ユニット又は出場用ユニットの他方に改札通路を挟んで複数の発光素子341のそれぞれに対向する位置に配置された複数の受光素子(不図示)を有している。利用者検知部34は、発光素子から照射されている光を受光していない受光素子があれば、その受光素子に対応する位置に利用者が存在すると判定する。
【0032】
扉開閉部35は、改札通路30側に設けられた扉351を開閉する。扉351は、入場用ユニット及び出場用ユニットのそれぞれに2つずつ設けられている。扉開閉部35は、例えば、利用者の通行を許可する場合、扉351を開する。また、扉開閉部35は、例えば、利用者の通行を許可しない場合、扉351を閉する。
【0033】
表示部36は、改札通路30を通行している利用者に対してメッセージを表示する。表示部36は、例えば、液晶パネル361を有している。表示部36は、入場用ユニット及び出場用ユニットのそれぞれに配置されており、改札通路30の中心付近に配置されている。表示部36の液晶パネル361には、利用者の通行が許可されている場合、利用者に通行可能であることを報知するメッセージが表示される。また、表示部36の液晶パネル361には、利用者の通行が許可されていない場合、利用者に通行不可であることを報知するメッセージが表示される。なお、出場用ユニットの液晶パネル361には、利用者が鉄道を利用した距離に応じた運賃が表示されてもよい。
【0034】
通信部37は、
図2に示すように、駅サーバ4との間におけるデータ通信を制御する。通信部37は、例えば、乗車券情報に含まれる識別番号に、入出場ログを対応づけたデータを駅サーバ4に送信する。また、通信部は、識別番号に入出場ログを対応づけたデータを受信する。
【0035】
図3は、この例にかかる携帯端末2の主要部の構成を示すブロック図である。
図4Aは、利用者が画面200を見ているときの携帯端末2の使用例を示す説明図である。
図4Bは、利用者が画面200を読取領域320に翳しているときの携帯端末2の使用例を示す説明図である。
図4Aで示される矢印X11及び
図4Bで示される矢印X12は画面200の向きを示す。また、
図4A及び
図4Bで示される矢印X13は、鉛直方向を示す。
【0036】
携帯端末2は、例えば、スマートフォンであって、
図3に示すように、制御部21と、操作部22と、検出部23と、表示部24と、画像生成部25と、無線通信部26とを備えている。
【0037】
制御部21は、操作部22、検出部23、表示部24、画像生成部25及び無線通信部26の各部の動作を制御する。
【0038】
操作部22は、携帯端末2の本体に設けた表示器20の画面200上に貼り付けたタッチパネルを有し、タッチパネル上における利用者の操作を検出する(
図4A参照)。操作部22は、例えば、利用者による入場駅、退場駅、乗車券の種類の入力、又は光学的読取コード10の表示の指示を受け付ける。
【0039】
検出部23は、表示器20の画面200の向きを検出する。検出部23は、例えば、ジャイロセンサを有し、ジャイロセンサの出力値によって、表示器20の画面200の向きの変化を検出する。例えば、利用者が画面200を見ている場合、
図4Aに示すように、携帯端末2の画面200の向きは、矢印X11の向きになる。また、例えば、利用者が自動改札機3の読取領域320に携帯端末2を翳す場合、携帯端末2の画面200の向きは、
図4Bに示すように、矢印X12の向きになる。ジャイロセンサは、画面200が
図4Aで示される矢印X11の向きから、
図4Bで示される矢印X12の向きへの変化を検出する。また、ジャイロセンサは、
図4Bで示される矢印X12の向きから画面200が
図4Aで示される矢印X11の向きへの変化を検出する。
【0040】
ジャイロセンサによって画面200の向きの変化が検出されることで、検出部23は、画面200の向きが矢印X11から矢印X12に変化してから、画面200の向きが矢印X12から矢印X11に変化するまでの間、画面200の向きが矢印X12の向きであることを検出する。言い換えると、検出部23が画面200の向きが矢印X11から矢印X12に変化してから、画面200の向きが矢印X12から矢印X11に変化するのを検出されなければ、画面200の向きは、矢印X12の向きである。つまり、検出部23が画面200の向きが矢印X11から矢印X12に変化したのを検出してから、画面200の向きが矢印X12から矢印X11に変化するのを検出しなければ、検出部23は、画面200の向きが読取領域320と対向する向きであることを検出する。言い換えると、検出部23が画面200の向きが矢印X11から矢印X12に変化したのを検出してから、画面200の向きが矢印X12から矢印X11に変化するのを検出しなければ、利用者は、自動改札機3の読取領域320に画面200を翳している。
【0041】
表示部24は、画像生成部25で生成された画像を表示器20の画面200に表示する。
【0042】
また、表示部24は、画面200の向きに応じて、画面200の輝度を変化させる。より詳細には、表示部24は、周囲の明るさが弱くなると、画面200の輝度を上げる。表示部24は、例えば、周囲の明るさを検出する輝度センサを有している。利用者が携帯端末2の画面200を読取領域320に翳す場合、画面200が読取領域320と対向するので、表示部24の輝度センサは、周囲の明るさが比較的弱いことを検出する。この場合、表示部24は、画像生成部25で生成された画像を表示する画面200の輝度を上げることで、より明確に光学的読取コード10を表示することができる。
【0043】
画像生成部25は、自動改札機3に読み取らせる光学的読取コード10を表示した画像を生成する。画像生成部25は、検出部23によって表示器20の画面200が自動改札機3の読取領域320に対向する向きであることが検出されている間、時間の変化に伴って、光学的読取コード10の表示位置を異なる位置に配置した画像を生成する。
【0044】
図5Aは、光学的読取コード10を表示した画像の一例を示す説明図である。
図5Bは、光学的読取コード10を表示した画像であって、
図5Aと異なる例を示す説明図である。
【0045】
画像生成部25は、
図5Aに示すように、利用者が光学的読取コード10を画面200上で確認し易いように、光学的読取コード10を画面200の中央に配置した画像を生成する。言い換えると、
図4Aに示すように、利用者が画面200を見ている場合、画像生成部25は、光学的読取コード10を画面200の中央に配置した画像を生成する。なお、以下の説明において、光学的読取コード10が画面200の中央に配置されている画像を初期画像として説明する。
【0046】
画像生成部25は、画像生成部25は、画面200の向きが矢印X12(
図4B参照)であると検出部23によって検出されて、所望の時間経過後に、光学的読取コード10を、
図5Bに示すように、画面200上の一方向側に配置した画像を生成する。
【0047】
なお、画像生成部25は、画面200の向きが矢印X12(
図4B参照)から矢印X11(
図4A参照)に変化したことを検出部23によって検出された場合、初期画像を生成する。
【0048】
また、画像生成部25は、利用者が自動改札機3の読取領域320に画面200を翳している間、光学的読取コード10の画面200上の位置がランダムに繰り返し変化するように、画像を生成する。例えば、利用者が自動改札機3の読取領域320に画面200を翳している間、制御部21は、繰り返し乱数を発生し、画像生成部25は、乱数に対応する位置に光学的読取コード10を配置した画像を生成する。つまり、利用者が自動改札機3の読取領域320に画面200を翳している間、画像生成部25は、前回生成した画像とは異なる画像を繰り返し生成する。
【0049】
無線通信部26は、例えば、携帯電話網を介して電話通信及び、インターネット上のサーバ等とデータ通信を行う。
【0050】
この例にかかる携帯端末2では、検出部23が画面200の向きが
図4Bで示される矢印X12であることを検出している間、画像生成部25は、光学的読取コード10を異なる位置に配置した画像を繰り返し生成する。これにより、この例にかかる自動改札機3は、自動で光学的読取コード10の位置が移動するので、利用者が適正な読み取り位置で画面200を翳すことができなくても、利用者が画面200を翳し直すことなく光学的読取コード10を読み取ることができる。これにより、この例にかかる携帯端末2及び改札システム1は、光学的読取コード10の読み取りにかかる時間の増加を抑制することができる。この結果、この例にかかる携帯端末2及び改札システム1は、改札処理のスループットの低下を抑制することができる。
【0051】
携帯端末2の制御部21は、ハードウェアCPU、メモリ、その他の電子回路によって構成されている。ハードウェアCPUが、この発明にかかる情報処理プログラムを実行したときに、検出部23、表示部24、および画像生成部25を動作する。また、メモリは、この発明にかかる情報処理プログラムを展開する領域や、この情報処理プログラムの実行時に生じたデータ等を一時記憶する領域を有している。制御部21は、ハードウェアCPU、メモリ等を一体化したLSIであってもよい。また、ハードウェアCPUが、この発明にかかる情報処理方法を実行するコンピュータである。
【0052】
<3.動作例>
この例にかかる自動改札機3の動作について
図6を参照して説明する。
図6は、自動改札機3の改札処理の一例を示すフローチャートである。
【0053】
自動改札機3の読取部32の撮像部321は、読取領域320に翳された画面200に表示された画像を撮像する(S11)。自動改札機3の読取部32の画像処理部322は、撮像された画像をデコード処理する(S12)。自動改札機3の読取部32の読取判定部323は、デコード処理によって得られた乗車券情報の読み取りが成功しているか否かを判定する(S13)。読取判定部323が乗車券情報の読み取りに失敗した場合(S13:No)、自動改札機3は処理をS11に戻す。つまり、自動改札機3は、乗車券情報の読み取りが成功するまで、繰り返し、携帯端末2の画面200に表示された画像を撮像する。
【0054】
読取判定部323が乗車券情報の読み取りに成功した場合(S13:Yes)、自動改札機3の判定部33は、乗車券情報に基づいて、利用者の通行を許可するか否かを判定する(S14)。言い換えると、判定部33は、乗車券情報に含まれる識別番号、有効期限、有効区間が利用者の通行にとって適正であるか否かを判定する。判定部33が利用者の通行を許可した場合(S14:Yes)、扉開閉部35は、扉351を開する(S15)。そして、自動改札機3の通信部37は、乗車券情報に含まれる識別番号に、入出場ログを対応づけたデータを駅サーバ4に送信する(S16)。
【0055】
判定部33が利用者の通行を許可しなかった場合(S14:No)、扉開閉部35は、扉351を閉する(S17)。
【0056】
この例にかかる携帯端末2の動作について
図7を参照して説明する。
図7は、携帯端末2の画像表示処理の一例を示すフローチャートである。
【0057】
携帯端末2の画像生成部25は、光学的読取コード10を画面200の中央に配置した画像(初期画像)を生成する(S21)。携帯端末2の表示部24は、画像生成部25によって生成された初期画像を画面200に表示する(S22)。ここで、利用者は、画面200に表示された光学的読取コード10を画面200上で確認することができる(
図4A参照)。
【0058】
利用者は、自動改札機3の読取領域320に画面200を翳そうとするとき、携帯端末2の画面200の向きを
図4Aで示される矢印X11から
図4Bで示される矢印X12に変化させる。携帯端末2の検出部23は、画面200の向きが矢印X11から矢印X12に変化したことを検出する(S23)。言い換えると、検出部23は、画面200が読取領域320と対向していることを検出する。検出部23が画面200の向きが矢印X11から矢印X12に変化したことを検出すると(S23:Yes)、表示部24は、画面200の輝度を所望の値に変更する(S24)。携帯端末2は、所定の時間(例えば、50msec~100msec)経過しているかを判定する(S25)。所定の時間経過後、制御部21は、乱数を発生する(S26)。画像生成部25は、乱数に対応する位置に光学的読取コード10を配置した画像を生成する(S27)。表示部24は、画像生成部25によって生成された画像を画面200に表示する(S28)。検出部23は、画面200が読取領域320に対向している向きであることを検出する(S29)。つまり、検出部23が、画面200の向きが矢印X12から矢印X11に変化したことを検出しなければ、利用者が画面200を読取領域320に翳している状態である。検出部23が画面200が読取領域320に対向している向きであることを検出した場合(S29:Yes)、画像表示処理は、処理をS25に戻す。
【0059】
一方、利用者が、携帯端末2を画面200が矢印X11の向きになるように動かしたことで、検出部23は、画面200の向きが矢印X12から矢印X11に変化したことを検出する。検出部23が、画面200の向きが矢印X12から矢印X11に変化したことを検出した場合(S29:No)、画像生成部25は、光学的読取コード10を画面200の中央に配置した画像(初期画像)を生成する(S30)。携帯端末2の表示部24は、画像生成部25によって生成された初期画像を画面200に表示する(S31)。
【0060】
このように、この例にかかる携帯端末2は、画面200の向きが矢印X12から矢印X11に変化したことを検出するまで、光学的読取コード10の位置が自動で繰り返し変化するように画面200に表示する。この例にかかる携帯端末2は、光学的読取コード10を画面200上でランダムに移動させて表示するので、利用者が読取領域320の適正な位置に光学的読取コード10が位置するように画面200を読取領域320に翳していない場合でも、利用者が画面200を翳し直す必要がない。これにより、この例にかかる自動改札機3は利用者が画面200を翳し直すことなく光学的読取コード10を読み取ることができるので、この例にかかる携帯端末2及び改札システム1では、光学的読取コード10の読み取りにかかる時間の増加を抑制することができる。この結果、この例にかかる携帯端末及び改札システム1では、改札処理のスループットが低下を抑制することができる。
【0061】
<4.変形例>
この変形例にかかる携帯端末2の画像生成部25によって生成される画像について
図8A、
図8B、
図9A及び
図9Bを参照して説明する。
図8Aは、光学的読取コード10を表示した画像の一例を示す説明図である。
図8Bは、光学的読取コード10を表示した画像であって、
図8Aとは異なる例を示す説明図である。
図8Aで示される矢印Y11は、画面200上の一方向(上方向)を示す。また、
図8Bで示される矢印Y12は、矢印Y11とは反対の方向(下方向)を示す。
図9Aは、変形例にかかる光学的読取コード10を表示した別の画像を示す説明図である。
図9Bは、変形例にかかる光学的読取コード10を表示した別の画像であって、
図9Aとは異なる例を示す説明図である。
図9Aで示される矢印Z11は、画面200上の左方向を示す。
図9Bで示される矢印Z12は、画面200上の右方向を示す。
【0062】
この変形例にかかる画像生成部25は、光学的読取コード10を表示器20の画面200の中央から一方向に離れた位置に配置した画像を生成する。そして、画像生成部25は、光学的読取コード10を表示器20の画面200の中央を中心に、一方向に離れた位置と対称となる位置に配置した画像を生成する。
【0063】
例えば、画像生成部25は、
図8Aに示すように、光学的読取コード10を矢印Y11方向側(上側)に配置した画像を生成する。また、画像生成部25は、
図8Bに示すように、光学的読取コード10を矢印Y12方向側(下側)に配置した画像を生成する。さらに、画像生成部25は、
図9Aに示すように、光学的読取コード10を矢印Z11方向側(左側)に配置した画像を生成する。また、画像生成部25は、
図9Bに示すように、光学的読取コード10を矢印Z12方向側(右側)に配置した画像を生成する。
【0064】
この変形例にかかる携帯端末2の画像表示処理の一例について
図10を参照して説明する。
図10は、変形例にかかる携帯端末2の画像表示処理の一例を示すフローチャートである。なお、処理S41からS44及びS51~S52は、上述の処理S21からS24及びS30からS31と同じであるので説明を省略する。
【0065】
画像生成部25は、輝度を変更した(S44)後、携帯端末2は、所定の時間(例えば、50msec~100msec)経過しているかを判定する(S45)。画像生成部25は、光学的読取コード10の配置する一方向(例えば、矢印Y11の方向)を設定する(S46)。画像生成部25は、表示器20の画面200の中央から一方向(矢印Y11の方向)に離れた位置に光学的読取コード10を配置した画像を生成する(S47)。表示部24は、この画像を表示する(S48)(
図8A参照)。
【0066】
検出部23は、画面200が読取領域320に対向している向きであることを検出する(S49)。検出部23が画面200が読取領域320に対向している向きであることを検出した場合(S49:Yes)、画像表示処理は、処理をS45に戻す。
【0067】
ここで、携帯端末2は、所定の時間(例えば、50msec~100msec)経過した後(S45)。2回目以降の処理S46において、画像生成部25は、光学的読取コード10を表示器20の画面200の中央を中心に、矢印Y11の方向に離れた位置と対称となる位置(矢印Y12の方向)に変更する。
【0068】
このようにして、処理S46において、画像生成部25は、前回の方向とは別の方向に変更する。つまり、画像生成部25は、処理S46において、矢印Y11の方向(
図8A参照)、又は矢印Y12の方向(
図8B参照)に、画面200の中央から離れた位置に光学的読取コード10を配置した画像を生成する。また、画像生成部25は、処理S46において、矢印Z11の方向(
図9A参照)、又は矢印Z12の方向(
図9B参照)に、画面200の中央から離れた位置に光学的読取コード10を配置した画像を生成する。また、上述の方向以外にも、光学的読取コード10を表示器20の画面200の中央から、画面200の四隅の方向に離れた位置に光学的読取コード10を配置した画像を生成してもよい。
【0069】
また、別の変形例にかかる画像生成部25は、例えば、利用者の進行方向に携帯端末2を動かしたことで、画像の生成を停止してもよい。また、例えば、画像生成部25は、利用者が鉛直方向に携帯端末2を動かしたことで、画像の生成を停止してもよい。この場合、携帯端末2は、加速度センサから検出された加速度が所望の閾値を超えた場合である。
【0070】
また、別の変形例では、ゲートシステムは、改札システム1など駅務で使用される例に限定されず、施設、例えば遊園地、建屋のエントランス、で使用されてもよい。この場合、光学的読取コード10は、例えば、入場日時、利用者の個人情報を示してもよい。
【0071】
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【0072】
さらに、この発明にかかる構成と上述した実施形態にかかる構成との対応関係は、以下の付記のように記載できる。
【0073】
<付記>
ゲート装置(3)に読み取らせる光学的読取コード(10)を配置した画像を生成する画像生成部(25)と、前記画像を表示器(20)の画面(200)に表示させる表示部(24)と、前記表示器(20)の画面(200)の向きを検出する検出部(23)と、を備え、前記画像生成部(25)は、前記検出部(23)によって、前記表示器(20)の画面(200)が、前記ゲート装置(3)の読取領域(320)に対向する向きであることが検出されている間、時間の経過に伴って、前記光学的読取コード(10)の表示位置を異なる位置に配置した画像を生成する、携帯型情報端末(2)。
【符号の説明】
【0074】
1…改札システム(ゲートシステム)
2…携帯端末(携帯型情報端末)
3…自動改札機(ゲート装置)
10…光学的読取コード
20…表示器
23…検出部
24…表示部
25…画像生成部
200…画面
320…読取領域