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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】パワー半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20220802BHJP
   H01L 25/18 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
H01L25/04 C
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020541057
(86)(22)【出願日】2019-07-26
(86)【国際出願番号】 JP2019029368
(87)【国際公開番号】W WO2020049891
(87)【国際公開日】2020-03-12
【審査請求日】2021-02-03
(31)【優先権主張番号】P 2018165620
(32)【優先日】2018-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立Astemo株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】弁理士法人開知
(72)【発明者】
【氏名】松下 晃
(72)【発明者】
【氏名】志村 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】高木 佑輔
【審査官】正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-005322(JP,A)
【文献】国際公開第2015/136968(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/056686(WO,A1)
【文献】特開2014-045157(JP,A)
【文献】国際公開第2016/080521(WO,A1)
【文献】特開2018-073892(JP,A)
【文献】特開平07-211839(JP,A)
【文献】実開昭58-034748(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パワー半導体素子と、
前記パワー半導体素子を設置する金属製の第一導体部、前記パワー半導体素子に電流を伝達する1つ以上の主端子と前記パワー半導体素子にスイッチング制御信号を伝達する1つ以上の制御端子とを構成する金属製の第二導体部、及び、前記制御端子の先端部に設けられた金属製の第三導体部により一体化して構成された素子設置導体とを備え、
前記素子設置導体は、前記第一導体部の厚さよりも前記第二導体部の最も厚い部分の厚さが薄くなるように、かつ、前記第二導体部の最も薄い部分の厚さよりも前記第三導体部の最も厚い部分の厚さが薄くなるように形成されることで、前記第一導体部から前記第二導体部を介して第三導体部にいくのに従って段階的に薄くなるように形成されたことを特徴とするパワー半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載のパワー半導体装置において、
前記第三導体部は、前記第三導体部の延在方向から逸れるように形成された第一曲げ部を有することを特徴とするパワー半導体装置。
【請求項3】
請求項1に記載のパワー半導体装置において、
前記主端子は前記第二導体部により形成されるとともに、前記制御端子は前記第二導体部及び前記第三導体部により形成され、
前記主端子の第二導体部の側面は前記制御端子の第二導体部の側面と対向するように形成されたことを特徴とするパワー半導体装置。
【請求項4】
請求項1に記載のパワー半導体装置において、
前記第一導体部の全体と前記第二導体部の一部とを封止する封止樹脂を備え、
前記主端子と前記制御端子は、前記封止樹脂から同一方向に突出するように形成されたことを特徴とするパワー半導体装置。
【請求項5】
請求項4に記載のパワー半導体装置において、
前記第二導体部は、前記封止樹脂からの突出方向に対して屈曲する第二曲げ部を有することを特徴とするパワー半導体装置。
【請求項6】
請求項1に記載のパワー半導体装置において、
前記主端子及び前記制御端子の第二導体部の側面の対向する部分には、前記主端子及び前記制御端子の相対位置を固定するタイバの切断面がそれぞれ形成されるパワー半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワー半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パワー半導体装置に関する従来技術として、例えば、特許文献1には、半導体素子と、電導性を有する材料からなり、前記半導体素子が載置されるベース部と、前記ベース部と同一の材料からなり、前記半導体素子に電気的に接続される信号リード部と、前記ベース部と同一の材料からなり、前記ベース部から連続して形成され、前記ベース部よりも板厚が薄く、前記ベース部に対して前記信号リード部と同一の側に延在する薄板リード部とを備え、前記薄板リード部は、前記ベース部を介して前記半導体素子の所定端子に電気的に接続され、該半導体素子の所定端子における電位を検出するための電位検出用端子を構成するパワーモジュールが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2012/073306号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、パワー半導体装置は、振動する環境で用いられることも想定されるため、例えば、パワー半導体装置を外部と接続する端子についての耐震性を確保する構造が必要である。上記従来技術においては、樹脂モールドやポッティングによって端子を固定補強したり、個別部品をTIG(Tungsten Inert Gas)溶接などにより端子を接続したりすることによって端子の剛性を高めることにより、耐震性の向上を図っている。
【0005】
しかしながら、樹脂モールドやポッティングなどによって端子の補強を行う場合には、補強の精度を担保するための自動外観検査等の工程が必要となり、パワー半導体装置の組み立てに係る工数が増加してしまう。また、溶接などにより端子の補強を行う場合には、当然ながら溶接工程が必要となるため、その工数が増加してしまう。すなわち、従来技術においては、パワー半導体装置の組み立てに係る工程の増加による効率の悪化が懸念される。
【0006】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、組み立て効率の低下を抑制しつつ耐震性を向上することができるパワー半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、パワー半導体素子と、前記パワー半導体素子を設置する金属製の第一導体部、前記パワー半導体素子に電流を伝達する1つ以上の主端子と前記パワー半導体素子にスイッチング制御信号を伝達する1つ以上の制御端子とを構成する金属製の第二導体部、及び、前記制御端子の先端部に設けられた金属製の第三導体部により構成された素子設置導体とを備え、前記素子設置導体は、前記第一導体部の厚さよりも前記第二導体部の最も厚い部分の厚さが薄くなるように、かつ、前記第二導体部の最も薄い部分の厚さよりも前記第三導体部の最も厚い部分の厚さが薄くなるように形成されたものとする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、組み立て効率の低下を抑制しつつ耐震性を向上することができるパワー半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施の形態に係るパワー半導体装置の外観を模式的に示す図である。
図2図1のA面断面図である。
図3】素子設置導体を抜き出して示す図である。
図4】主端子および制御端子がタイバにより接続されている様子を示す図である。
図5図1における端子間の様子を拡大して示す図である。
図6】第1の実施の形態の変形例に係るパワー半導体装置の外観を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0011】
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態を図1図4を参照しつつ説明する。
【0012】
図1は、本実施の形態に係るパワー半導体装置の外観を模式的に示す図であり、図2図1のA面断面図である。また、図3は、図1及び図2における素子設置導体を抜き出して示す図である。なお、図3においては、図示の簡単のため、主端子および制御端子の先端部の図示を省略する。
【0013】
図1図3において、パワー半導体装置1は、少なくとも1つのIGBT(絶縁バイポーラトランジスタ:Insulated Gate Bipolar Transistor)30やダイオード31などのパワー半導体素子300(以降、符号300で代表して示す)と、パワー半導体素子300を設置する金属製の第一導体部20a、パワー半導体素子300に電流を伝達する1つ以上の主端子2aとパワー半導体素子300にスイッチング制御信号を伝達する1つ以上の制御端子2bとを構成する金属製の第二導体部20b、及び、制御端子の先端部に設けられた金属製の第三導体部20cにより構成された素子設置導体2とを備えている。
【0014】
素子設置導体2は、銅(Cu)または銅合金からなるリードフレームやバスバー部品である。素子設置導体2は、第一導体部20aの厚さよりも第二導体部20bの最も厚い部分の厚さが薄くなるように、かつ、第二導体部20bの最も薄い部分の厚さよりも第三導体部20cの最も厚い部分の厚さが薄くなるように形成されている。すなわち、素子設置導体2は、第一導体部20aから主端子2aおよび制御端子2bの先端にいくのに従って段階的に薄くなるように形成されている。
【0015】
なお、本実施の形態においては、第一導体部20a、第二導体部20b、及び、第三導体部20cの3つの部位について、第一導体部20aから第三導体部20cに向かって3段階で厚さが薄くなるように形成した場合を例示して説明したが、これに限られず、3段階以上で先端に向かって厚さが薄くなるように構成しても良い。すなわち、例えば、第二導体部20bを第一導体部20aより薄く、かつ、第三導体部20cより厚くなるように、先端に向かって薄くなる2種類の厚さで形成しても良い。
【0016】
また、パワー半導体装置1は、枠体21aおよび放熱フィン群21bからなるハウジング4により第一導体部20aの全体および第二導体部20bの一部が覆われており、例えばエポキシ系の樹脂からなる封止樹脂22によって第一導体部20aの全体および第二導体部20bの一部がパワー半導体素子300等とともにハウジング4の内部にトランスファモールド封止されている。
【0017】
ハウジング4は、熱伝導率が優れた材料で形成されており、例えば、アルミ又はアルミ合金などで形成されることが好ましい。また、枠体21aは放熱フィン群21bよりも剛性の高い材料で構成されている。なお、図1においては、図示の都合上、ハウジング4の一方の主面のみを示しているが、放熱フィン群21bは、ハウジング4の両主面に構成されており、両面冷却構造を実現している。放熱フィン群21bを構成する各放熱フィンは、例えば、円柱状で形成されており、規則的に配置される。
【0018】
素子設置導体2の第一導体部20aには、IGBT30やダイオード31等のパワー半導体素子300が、はんだや焼結部材等で実装されており、第一導体部20aは、主電流の導通経路とパワー半導体素子300の熱をパワー半導体装置1の外部へ放熱するための放熱経路とを兼ねている。
【0019】
パワー半導体素子300は、第一導体部20aと導体板32とにより挟まれるように配置されている。導体板32は、パワー半導体素子300の放熱経路としての役割を担っている。また、導体板32には、例えば、IGBT30のエミッタ電極とダイオード31のアノード電極が固着される。なお、第一導体部20aの一部または全部には、封止樹脂22との密着性を向上させるための表面処理(粗化処理)を施してもよい。
【0020】
素子設置導体2の主端子2aは、パワー半導体装置1外とパワー半導体素子300との間の主電流の通電経路であり、直流正極端子、直流負極端子、交流端子などから構成される。主端子2aは、第一導体部20aより薄く形成された第二導体部20bにより形成されている。なお、主端子2aの第二導体部20bの一部または全部には、封止樹脂22との密着性を向上させるための表面処理(粗化処理)を施してある。
【0021】
素子設置導体2の制御端子2bは、パワー半導体素子を制御する信号の入出力を行う信号経路であり、第一導体部20aより薄く形成された第二導体部20bと、第二導体部20bより薄く形成された第三導体部20cにより形成されている。制御端子2bの先端は、はんだ接続やコネクタ接続などによって図示しない制御基板と接続される。なお、制御端子2bの先端(第三導体部20c)は、制御基板との接続構造に応じてスズ(Sn)めっきや金(Au)めっき等の表面処理を施してある。
【0022】
また、制御端子2bの各端子には、第三導体部20cの一部が延在方向から逸れるように形成されたベンド部2c(第一曲げ部)が設けられており、ベンド部2cの弾性変化によって振動や熱変形による応力を緩和することができる。なお、制御端子2bは、素子温度を示す信号を出力する端子を含んでいる。また、ベンド部2c(第一曲げ部)の曲率Rは、ベンド部2cを設ける部位の板厚以上であることが好ましい。また、本実施の形態において、ベンド部2c(第一曲げ部)は第三導体部20cに設けた場合を例示して説明しているが、これに限られず、例えば、第2導体部にベンド部を設けるように構成してもよい。
【0023】
ここで、第一導体部20a~第三導体部20cの厚さについて一例を示す。第一導体部20aは、パワー半導体素子300で発生する熱の放熱に必要となる熱容量と熱抵抗とを勘案して、例えば、2.0mmの厚さになるよう形成される。主端子2aの第二導体部20bは、各々の通電に必要となる断面積を確保できる厚さでとして、例えば、1.5mm~2.0mmの厚さ(ただし、2.0mm未満)になるよう形成されている。制御端子2bの第三導体部20cは、第二導体部20bより薄く制御端子として一般的な、例えば、0.64mmの厚さになるよう形成される。制御端子2bの横方向の寸法(すなわち、幅)は、一般的に0.64mmとなるよう形成されるので、制御端子2bの第三導体部20cは、その断面の1辺が0.64mmの四角形状となるように形成される。
【0024】
主端子2aと制御端子2bは、封止樹脂22から同一方向に突出するように形成されており、主端子2aの第二導体部20bの側面は制御端子2bの第二導体部20bの側面と対向するように形成されている。また、主端子2aは、第二導体部20bにより形成されており、第三導体部20cを有していない。そして、主端子2a及び制御端子2bの第二導体部20bの側面のみが対向し、主端子2aの第二導体部20bの側面と制御端子2bの第三導体部20cの側面とが対向しないように、主端子2a及び制御端子2bが形成される。すなわち、制御端子2bは、主端子2aよりも第三導体部20cの分だけ長くなるように形成されている。これにより、制御端子2b長さを主端子2aの長さよりも長くすることができるので、制御端子2bを制御基板と接続するときの主端子2aと制御基板との干渉、或いは、絶縁距離の不足などを防止することができる。
【0025】
図4は、主端子および制御端子がタイバにより接続されている様子を示す図である。また、図5は、図1における端子間の様子を拡大して示す図である。
【0026】
図5に示すように、各主端子2aの第二導体部20bの側面の対向する部分や各制御端子2bの第二導体部20bの側面の対向する部分、或いは、主端子2aの第二導体部20bと制御端子2bの第二導体部20bの側面の対向する部分には、タイバ200aの切断面201aがそれぞれ形成される。図4に示すように、タイバ200aは、封止樹脂22によりトランスファモールド封止される前の素子設置導体2においては主端子2a及び制御端子2bの相対位置を固定するとともに、トランスファモールド封止においては主端子2a及び制御端子2bの各端子間からの封止樹脂22の流出を防止し、主端子2a及び制御端子2bとの相対位置が封止樹脂22によって固定された後の素子設置導体2においては、主端子2a及び制御端子2bの各端子間を電気的に分離させるために切断されて除去されるものである。
【0027】
すなわち、主端子2aの第二導体部20bと制御端子2bの第二導体部20bとは、タイバを介して一体的に形成されることが考えられるため、一体的な形成における簡便性を考慮すると、主端子2aの第二導体部20bの厚さは制御端子2bの第二導体部20b厚さと同じであることが好ましい。なお、切断面は各端子側面に対して凸または凹のいずれの形状でもよいが、端子強度を確保するという観点からは凸形状が好ましい。
【0028】
以上のように構成した本実施の形態の効果を説明する。
【0029】
パワー半導体装置は、振動する環境で用いられることも想定されるため、例えば、パワー半導体装置を外部と接続する端子についての耐震性を確保する構造が必要である。従来技術においては、樹脂モールドやポッティングによって端子を固定補強したり、個別部品をTIG(Tungsten Inert Gas)溶接などにより端子を接続したりすることによって端子の剛性を高めることにより、耐震性の向上を図っている。しかしながら、樹脂モールドやポッティングなどによって端子の補強を行う場合には、補強の精度を担保するための自動外観検査等の工程が必要となり、パワー半導体装置の組み立てに係る工数が増加してしまう。また、溶接などにより端子の補強を行う場合には、当然ながら溶接工程が必要となるため、その工数が増加してしまう。すなわち、従来技術においては、パワー半導体装置の組み立てに係る工程の増加による効率の悪化が懸念される。
【0030】
これに対して本実施の形態においては、パワー半導体素子300と、パワー半導体素子300を設置する金属製の第一導体部20a、パワー半導体素子300に電流を伝達する1つ以上の主端子2aとパワー半導体素子300にスイッチング制御信号を伝達する1つ以上の制御端子2bとを構成する金属製の第二導体部20b、及び、制御端子2bの先端部に設けられた金属製の第三導体部20cにより構成された素子設置導体2とを備え、素子設置導体2は、第一導体部20aの厚さよりも第二導体部20bの最も厚い部分の厚さが薄くなるように、かつ、第二導体部20bの最も薄い部分の厚さよりも第三導体部20cの最も厚い部分の厚さが薄くなるように形成されたものとした。
【0031】
これにより、各端子の強度(剛性)を向上することができ、組み立て効率の低下を抑制しつつ耐震性を向上することができる。すなわち、パワー半導体装置の製品としての信頼性や寿命を向上することができる。
【0032】
また、第一導体部20aの厚さよりも第二導体部20bの厚さが薄く、かつ、第二導体部20bの厚さよりも第三導体部20cの厚さが薄くなるように構成したので、第一導体部20a~第三導体部20cにより構成される素子設置導体2の全体を銅(Cu)素材(例えば、ロール材)として一体化可能である。したがって、部品点数の削減、別工程でのカシメ一体化などを廃止することができる。
【0033】
また、第三導体部20cは、第三導体部20cの延在方向から逸れるように形成された第一曲げ部を有するものとした。
【0034】
これにより、振動や熱による変形や応力を緩衝することができるので、制御端子2bの先端と制御基板とのはんだ接合やコネクタ接続、プレスフィット接続による接続部位への応力を緩和することができ、端子の折損や接合部の破断を抑制することができる。
【0035】
また、主端子2aは第二導体部20bにより形成されるとともに、制御端子2bは第二導体部20b及び第三導体部20cにより形成され、主端子2aの第二導体部の20b側面は制御端子2bの第二導体部20bの側面と対向するように形成するものとした。
【0036】
これにより、制御端子2bは、主端子2aよりも第三導体部20cの分だけ長くなるように形成されるので、制御端子2bを制御基板と接続するときの主端子2aと制御基板との干渉、或いは、絶縁距離の不足などを防止することができる。
【0037】
また、第一導体部20aの全体と第二導体部20bの一部とを封止する封止樹脂22を備え、主端子2aと制御端子2bは、封止樹脂22から同一方向に突出するように形成するものとした。
【0038】
これにより、端子突出方向を同一方向に揃えることができるので、複数方向に突出する場合に比べてパワー半導体装置1の小型化を実現することができる。また、端子の突出方向を同一方向に揃えることによって、パワー半導体装置1をインバータ装置などの制御基板に接続するときの接続方向を一方向のみとすることができ、複数方向の接続に比べて作業を容易とすることができる。また、水冷方式においては、シール箇所を1か所とすることができ、シール構造の簡易化し、シール部材の削減を行うことができる。
【0039】
また、主端子2a及び制御端子2bの第二導体部20bの側面の対向する部分には、主端子2a及び制御端子2bの相対位置を固定するタイバ200aの切断面201aがそれぞれ形成されるものとした。
【0040】
これにより、各端子の強度(剛性)を向上することができ、組み立て効率の低下を抑制しつつ耐震性を向上することができる。すなわち、パワー半導体装置の製品としての信頼性や寿命を向上することができる。
【0041】
<第1の実施の形態の変形例>
本発明の第1の実施の形態の変形例を図6を参照しつつ説明する。本変形例では、第1の実施の形態との相違点についてのみ説明するものとし、図面における第1の実施の形態と同様の部材には同じ符号を付し、説明を省略する。
【0042】
本変形例は、第二導体部に第二曲げ部を形成した場合を示すものである。
【0043】
図6は、本変形例に係るパワー半導体装置の外観を模式的に示す図である。
【0044】
図6において、パワー半導体装置1Aは、少なくとも1つのパワー半導体素子300(図2等参照)を設置する金属製の第一導体部20a(図2等参照)、パワー半導体素子300に電流を伝達する1つ以上の主端子2Aaとパワー半導体素子300にスイッチング制御信号を伝達する1つ以上の制御端子2Abとを構成する金属製の第二導体部201b、及び、制御端子2Abの先端部に設けられた金属製の第三導体部20cにより構成された素子設置導体2Aを備えている。
【0045】
また、第二導体部201bは、封止樹脂22からの突出方向に対して一方(図6における上方)に屈曲する第二曲げ部2dを有するように形成されている。
【0046】
その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0047】
以上のように構成した本実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0048】
また、一定の角度で主端子2Aa及び制御端子2Abを曲げて突出方向を変えるように形成したので、パワー半導体装置1Aを平置きした場合にも、制御基板との接続を実現することができる。また、第二曲げ部2dを設けることで、主端子2Aa及び制御端子2Abの直線長が短くなり、振動に伴う変位を低減することができるので、耐振性を向上することができる。
【0049】
<付記>
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内の様々な変形例や他の技術との組み合わせが含まれる。また、本発明は、上記の実施の形態で説明した全ての構成を備えるものに限定されず、その構成の一部を削除したものも含まれる。
【0050】
また、本実施の形態では、第一導体部20a、第二導体部20b、及び、第三導体部20cが一体となる場合を例示して説明しているが、例えば、第一導体部20aと第二導体部20bとが別体で構成され、ワイヤボンディング等で電気的に接続するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0051】
1,1A…パワー半導体装置、2…素子設置導体、2a,2Aa…主端子、2A…素子設置導体、2b,2Ab…制御端子、2c…ベンド部(第一曲げ部)、2d…第二曲げ部、4…ハウジング、20a…第一導体部、20b…第二導体部、20c…第三導体部、21a…枠体、21b…放熱フィン群、22…封止樹脂、31…ダイオード、32…導体板、200a…タイバ、201a…切断面、201b…第二導体部、300…パワー半導体素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6