(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-03
(45)【発行日】2022-08-12
(54)【発明の名称】食材脱水器
(51)【国際特許分類】
A47J 43/28 20060101AFI20220804BHJP
【FI】
A47J43/28
(21)【出願番号】P 2018224306
(22)【出願日】2018-11-29
【審査請求日】2021-07-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】592024147
【氏名又は名称】矢継 正信
(72)【発明者】
【氏名】矢継正信
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-033283(JP,A)
【文献】実開昭57-023247(JP,U)
【文献】実開昭50-011874(JP,U)
【文献】実開昭54-147540(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 42/00-44/02
A47J 27/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
握り柄と笊が可動支点を介し、隙間を有して接合してなる食材水切り用の笊であって、握り柄を上下に振動させた際に、この握り柄の端部と笊の縁部とが接触と非接触を繰り返す事により、この笊への振動の加速と停止が繰りかえされて、笊内の食材が脱水される事を特徴とする食材脱水器
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は野菜等の食材の水切り器に関するものである。又、揚げ物の油切りにも利用出来る。
【背景技術】
【0002】
従来の野菜等の水切り器はいわゆるサラダスピナーと称し、特許文献1の形態のものが普及している。水切り笊に野菜等を入れハンドルを回して水切りするのであるが、調理台等の上に置いて使うため、場所を取り、収納にも不便であった。また、笊を回転させるための機構が複雑で、値段も高い欠点があった。
【0003】
又、片手で使えて、収納にも便利な特許文献2が存在するが、笊を回転させるための機構が複雑であると云う欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実願2004-007259
【文献】特願2011-082831
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は簡単な構造で、且つ片手で簡単に使う事が出来て収納も便利な水切り器であって、上記した欠点を解消するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
笊を回転させるのではなく、この笊を上下に振って、この中の食材を脱水する。
笊と握り柄とは一定の間隔を以て、且つ握り柄の一部と笊の一部とが接触する様に可動自在に接合されていて、握り柄を上下に揺すった際、笊も揺れるのであるが、一定振幅以上になると両者が接触し、この揺れが停止する。
【0007】
握り柄を連続的に上下に揺する事により、加速と停止が繰り返されて笊の中の食品が脱水されるのである。
【0008】
更に、握り柄に可動自在な開閉蓋を具備する事により、蓋を別途用意する必要が無くなる。
【発明の効果】
【0009】
片手で握り柄を持って、上下に揺するだけで簡単に食品の脱水、及び揚げ物の油切りが出来る。
特に、揚げ物の油切りの際には、回転式では回転させる迄に一定の時間を要していて油の温度が下がり粘性が増して脱油効果が下がっていたが、本案に於いて揚げ物を笊に入れて直ち上下に揺する事が出来るので、油の温度を下げる事無く、油切り効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図4】開閉自在蓋を具備し握り柄がステンレス棒製である本発明の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下図を使い本発明の実施例について説明をする。
図1に示す様に、笊200と握り柄100は可動支点300で可動自在に一定の隙間400を以て接合されている。
【0012】
笊200の上部補強枠250と下部補強枠255に対向して、握り柄100には上部接触面150と下部接触面155とを有し、握り柄100を揺った際には、上部補強枠250と上部接触面150が、下部補強枠255と下部接触面155がそれぞれ接触する。
【0013】
図2に示す様に、握り柄100を下に(矢印B)振ると、笊200は可動支点300を回転中心として相対的に矢印Cに示す様に動き、上部接触面150と上部補強枠250とが接触し衝突停止する。
【0014】
図3に示す様に、握り柄100を上に(矢印A)振ると、笊200は可動支点300を回転中心として相対的に矢印Dに示す様に動き、下部接触面155と上部補強枠255とが接触し衝突停止する。
【0015】
握り柄100を連続的に揺すれば、両者の衝突が繰り替えされ、笊200の加速と停止も繰り返されて、笊200の内容物は上下に振動させられるのである。そして蓋Fにより内容物は笊200の内部に留り、この内容物に付着した水分、又は油分のみがこの加速度により外部に散飛するのである。
【0016】
図3は開閉自在蓋500を具備する本発明の実施例である。
これにより、別途に蓋を用意することなく、片手で蓋を開閉して食材を出し入れして使う事が出来る。
【符号の説明】
【0017】
100 握り柄
150 上部接触面
155 下部接触面
200 笊
250 上部補強枠
255 下部補強枠
300 可動支点
400 笊と握り柄との接合間隔
500 開閉自在蓋
F 蓋